説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置においてトナーの飛散を抑止する。
【解決手段】ケース7の開口と感光体1aとの間の空間に渦流を形成する渦流形成手段11を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、フルカラー式のプリンターや複写機等の画像形成装置に組み込まれる現像ユニットには、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)及びブラック(BK)の各色にそれぞれ対応した複数の感光体ドラムが用意されている。そして、各感光体ドラムの周面には、レーザスキャニングユニットを用いて電気的潜像が形成されると共に、供給された各色のトナーによって各色のトナー像がそれぞれ生成されるように構成されている。各感光体ドラムの周面に生成された各色のトナー像は、例えば回転駆動する無端ベルトからなる中間転写ベルトに順次重畳転写され、これにより、中間転写ベルト上にはカラー画像が合成される。次いで、この中間転写ベルト上に合成されたカラー画像は用紙等からなる記録媒体に転写された後、定着装置で加圧・加熱されて定着処理されるように構成されている(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、画像形成装置の現像法としてハイブリッド法とも呼ばれているタッチダウン現像法が知られている(特許文献2及び非特許文献1参照)。この現像法を採用する画像形成装置は、トナーと磁性キャリアとからなる現像剤と、この現像剤を帯電させる磁気ローラーと、この磁気ローラーで生成されたトナーの薄層を形成する現像ローラーと、静電潜像を担持する感光体とを備え、現像ローラーと感光体とを離隔させた状態でトナーを感光体の表面に飛翔させて静電潜像を現像するようにしている。このタッチダウン現像法は、高画質の生成及び装置の長寿命化を図ることができる特長を有している。
【0004】
画像形成装置の現像ユニットにおいては、感光体の表面にトナーを供給して静電潜像を現像するようにしているので、そのトナーの供給の際、現像に用いられないトナーが装置内に飛散されやすいという性質を有している。特に、上述のタッチダウン現像法では、感光体の表面にトナーを飛翔させて静電潜像を現像する非接触現像方式を採用しているので、現像に用いられないトナーが装置内に飛散しやすく、装置内の各所に積載するという欠点を有している。このような欠点を除去するために、特許文献2では、飛散しにくい特殊な粒子形状を有する現像剤を用いるようにしている。また、特許文献3では、現像ローラーと感光体との間に一対の遮蔽板を設けると共に、それら遮蔽板に電圧を印加して電気集塵の機能を持たせるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−265299号公報
【特許文献2】特開2006−259533号公報
【特許文献3】特開2003−255700号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】小澤 義夫,坂田 昌一 著 :タッチダウン現象「日本画像学会誌」第49号 第2号;P.102〜107(2010)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2では特殊な粒子形状を有する現像剤を用いなければならず、特許文献3では電圧を印加した遮蔽板を用いなければならないという問題点を有していた。しかも、近年の画像形成装置は、印刷の高速化が図られ、それに伴って装置内が余分に加熱するようになり、冷却ファンによる冷却が強められるようになってきているので、ファンの風の流れによりトナーが飛散しやすくなり、装置内の各所にトナーが積層されやすくなっている。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、画像形成装置においてトナーの飛散を抑止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0010】
第1の発明は、内部にトナーを収容すると共に感光体に向く開口を有するケースと、当該ケースの開口に配置されて上記感光体に対向配置される現像ローラーとを有する現像器を備える画像形成装置であって、上記ケースの開口と上記感光体との間の空間に渦流を形成する渦流形成手段を備えるという構成を採用する。
【0011】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記渦流形成手段が、上記ケースに固定される扁平な板材からなるという構成を採用する。
【0012】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記感光体に形成されるトナー像が転写される中間転写ベルトを備え、扁平な板材からなる渦流形成手段が上記中間転写ベルトと平行に延在して配置されているという構成を採用する。
【0013】
第4の発明は、上記第3の発明において、上記扁平な板材からなる渦流形成手段の長さは、上記中間転写ベルト側から見て、先端が上記現像ローラーと上記感光体との最近接位置よりも感光体側に位置するように設定されているという構成を採用する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、渦流形成手段によって、現像器のケースの開口と感光体との間の空間に渦流が形成される。
このような渦流が形成されることによって、現像器のケースの内部から漏れ出ようとするトナーが渦流に補足され、トナーが飛散することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態における画像形成装置を適用したプリンターの概略構成図である。
【図2】(a)は、本発明の一実施形態における画像形成装置を適用したプリンターの現像ユニットの詳細図、(b)は、その現像器の一部分の拡大図である。
【図3】(a)は、比較例に係るプリンターの現像器の詳細図、(b)は、その現像器の一部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係る画像形成装置の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。また、以下の説明においては、本発明の画像形成装置の一例として、フルカラー式のプリンターPを挙げて説明する。
【0017】
(画像形成装置の概略構成)
図1は、プリンターPの概略構成図である。このプリンターPは、上部から下部にかけて順に、排出部a、トナーカートリッジ収納部b、画像形成部c、用紙部dを備えている。また、プリンターPは、下部に位置する用紙部dから上部に位置する排出部aにかけて用紙搬送部eが設けられている。
【0018】
排出部cは、所定の内容が印字された用紙(記録媒体)が用紙搬送部eを介して排出されるように構成されている。この排出部aの底面は傾斜が付されていて、排出される用紙が複数枚のときに一端側が揃えて積層できるように工夫されている。
【0019】
トナーカートリッジ収納部bは、ブラックトナー(BK)のトナーカートリッジb1、イエロートナー(Y)のトナーカートリッジb2、シアントナー(C)のトナーカートリッジb3及びマゼンダトナー(M)のトナーカートリッジb4を収納できるように構成されている。そして、各カートリッジb1〜b4からは、後述する画像形成部cの現像ユニットc2にトナーを供給できるように構成されている。
【0020】
画像形成部cは、レーザスキャンニングユニットc1、現像ユニットc2、中間転写ベルトユニットc3、クリーニングユニットc4、2次転写ユニットc5及び定着ユニットc6を含んで構成されている。
【0021】
レーザスキャンニングユニットc1は、周知のレーザスキャンニングユニットと同様に、レーザ光を発生する光ビーム発生器と、その光ビーム発生器から照射されてくる光ビームを走査するポリゴンミラーと、そのポリゴンミラーにより走査された光ビームを後述する感光体ドラム1a〜1d上に結像させるfθレンズ等を含んで構成されている。
【0022】
現像ユニットc2は、感光体ドラム1a〜1dに対してトナーを供給することによって感光体ドラム1a〜1dの周面に形成された静電潜像を現像するものであり、各色(BK,Y,C,M)に対応する4つの現像器c21を備えている。この現像器c21について、後に図2(a),(b)を用いて詳述する。
【0023】
感光体ドラム1a〜1dは、中間転写ベルトユニットc3の搬送方向に沿って互いに所定の間隔を保って設けられている。これら感光体ドラム1a〜1dは、各色(BK,Y,C,M)に対応して設けられている。そして、各感光体ドラム1a〜1dには、帯電器、除電器及びクリーナ等がそれぞれ設けられ、帯電状態のドラム周面にレーザスキャンニングユニットc1を用いて静電潜像が生成されると共に、トナーカートリッジ収納部bから供給されたトナーによりトナー像が形成されるように構成されている。
【0024】
中間転写ベルトユニットc3は、合成樹脂製のベルト基体に弾性層を積層して形成された積層ベルトからなる無端の中間転写ベルト2を有している。この中間転写ベルト2の一端側(図1において右端側)は、プリンターPの本体の一端側に縦方向に設けられている搬送部eの一部に対向し、その他端側(図1において左端側)は、複写機Pの本体の他端側に位置し、これによって略水平状に設けられている。この中間転写ベルト2は、一端側が図示しない駆動源に連なる駆動ローラー3に張架され、他端側がテンションローラー4に張架されて構成されている。
【0025】
上記中間転写ベルト2の感光体ドラム1a〜1dに対向する位置には、中間転写ベルト2を挟んで1次転写ローラー5a〜5dがそれぞれ設けられている。そして、これら1次転写ローラー5a〜5dは、中間転写ベルト2の移動に伴って回転できるように構成されている。なお、中間転写ベルト2は、駆動ローラー3及びテンションローラー4以外にもベルトの移動方向を変更する転換ローラーやアイドリングローラーで支持されている。
【0026】
クリーニングユニットc4は、テンションローラー4側に設けられ、中間転写ベルト2上に残存したトナーをブレード等によって除去し、その除去されたトナーを図示しない廃トナーボトルへ排出できるように構成されている。
【0027】
2次転写ユニットc5は、上述した駆動ローラー3及びその駆動ローラー3に対向し中間転写ベルト2を中間に挟んで配置される2次転写ローラー6によって構成されている。
【0028】
2次転写ローラー6は、上述したように、駆動ローラー3に対向し中間転写ベルト2を中間に挟んで配置されている。また、この2次転写ローラー6は、常時、駆動ローラー3を押圧するように設けられている。したがって、この2次転写ローラー6は、中間転写ベルト2が駆動ローラー3により移動(回転)されるとその移動に伴って回転することができる。また、搬送部eを介して用紙が搬送されてきたときは、その用紙を中間転写ベルト2との間に介在させた状態で2次転写ローラー6を回転させることができると共に、用紙を定着ユニットc6側に搬送させることができる。
【0029】
定着ユニットc6は、2次転写ユニットc5の設けられているよりも下流側の搬送部eの一部に設けられていて、その搬送部eを搬送する用紙を挟持できるように配置された一対のローラーで構成されている。そして、その一対のローラーによって加圧・加熱して2次転写ユニットc5で転写された用紙上のトナー像を用紙に定着できるように構成されている。
【0030】
用紙部dは、装置本体に対して開閉自在に設けられている給紙トレイd1と、装置本体に対して引き出し自在に設けられている用紙カセットd2とを備えている。そして、給紙トレイd1から用紙搬送部eに1枚ずつ用紙を供給できるように構成されている。また、用紙カセットd2からも用紙搬送部eに1枚ずつ用紙を供給できるように構成されている。
【0031】
用紙搬送部eは、下部に位置する用紙部dから上部に位置する排出部aにかけて設けられていて、複数の搬送ローラー及びガイド板によって構成されている。そして、この用紙搬送部eは、用紙部dから供給された用紙を1枚ずつ排出部cに向けて搬送できるように構成されている。
【0032】
上記構成からなるプリンターPは、駆動ローラー3の駆動が開始されて中間転写ベルト2の回動が開始されると、カラー印刷の場合は、レーザスキャンニングユニットc1から各感光体ドラム1a〜1dに画像データに対応したレーザ光が照射されて静電潜像が形成され、供給されたトナーによって各色のトナー像が形成される。そして、それら各色のトナー像は、中間転写ベルト2に順次重畳転写されてカラー画像が合成される。次いで、この中間転写ベルト2上に合成されたカラー画像は2次転写ユニットc5で用紙に転写された後、定着ユニットc6で加圧・加熱されて定着処理される。最後に、カラー画像の印刷された用紙が排出部cに排出される。
なお、モノクロ印刷の場合は、感光体ドラム1aの1次転写ローラー5aのみがバイアス印加され、他の1次転写ローラー5b〜5dは解除され、つまり3色解除されて印刷が行われる。
【0033】
(現像器の構成)
以下、図2(a),(b)を用いて現像器c21について説明する。この現像器c21は、上述のように各色(BK,Y,C,M)に対応した4つ設けられているが、各々は同一構成であるので、ここではブラックトナー(BK)に係る現像器c21を例にして説明する。
【0034】
図2(a)は、図1における感光体ドラム1a部分の現像器c21の拡大断面図である。この現像器c21には、ケース7内に設けられている現像ローラー8、磁気ローラー9、ミキサー10及び渦流形成板11が含まれている。
【0035】
ケース7は、感光体ドラム1aに向く開口を有し、有底の形状を呈して構成されていて、感光体ドラム1aと同様に、中間転写ベルト2の下方に設けられている。
【0036】
現像ローラー8は、ケース7内の開口に配置されて感光体ドラム1aに対向配置されている。この現像ローラー8は、感光体ドラム1aよりも少し径の小さい筒状体で構成され、その筒状体の長さは感光体ドラム1aと略同一に構成されている。
そして、この現像ローラー8の回転軸心O1は、感光体ドラム1aの回転軸心O2と同方向で、かつ、平行に伸びるように構成されている。
【0037】
また、この現像ローラー8は、周知の現像ローラーと同様に、その周面に現像剤を吸着保持できるように構成されていると共に、周知の非接触現像方式と同様に、感光体ドラム1aの周面及び現像ローラー8の周面間に所定の間隙を有するように配置されている。
そして、この現像ローラー8は、図示しない駆動源により感光体ドラム1aの回転方向と逆方向に回転できるように構成されている。図示の例では、感光体ドラム1aの回転方向は中間転写ベルト2の搬送方向(図1の矢印(a)参照)に合わせて時計方向に回転され、現像ローラー8の回転方向は、感光体ドラム1aの回転方向と逆の反時計方向に回転されるように決められている。
【0038】
磁気ローラー9は、現像ローラー8を中間にして感光体ドラム1aと反対側のケース7内に設けられていて、現像ローラー8と略等しい筒状体で構成され、その筒状体の長さは現像ローラー8と略同一に構成されている。
そして、この磁気ローラー9の回転軸心O3は、現像ローラー8の回転軸心O1と同方向で、かつ、平行に伸びるように構成されている。
【0039】
また、この磁気ローラー9は、周知の磁気ローラーと同様に、現像剤に含まれる磁性キャリアによって磁気ブラシを形成すると共に、現像剤に含まれるトナーを帯電させるように構成されていると共に、磁気ローラー9の周面及び現像ローラー8の周面間に所定の間隙を有するように配置されている。
そして、この磁気ローラー9は、図示しない駆動源により現像ローラー8の回転方向と同方向に回転できるように構成されている。
【0040】
ミキサー10は、磁気ローラー9を中間にして現像ローラー8と反対側のケース7内に設けられていて、図示しない駆動源により回転駆動できるように構成されている。そして、このミキサー10は、トナーと磁性キャリアとからなる現像剤を混合撹拌すると共に、混合された現像剤を磁気ローラー9側に供給できるように構成されている。
【0041】
渦流形成板11(渦流形成手段)は扁平な板材からなり、ケース7の開口の上側で、かつ、中間転写ベルト2と所定の間隔を保って平行に設けられている。すなわち、この渦流形成板11は、ケース7の開口の上側を覆う庇の形状を呈していて、その大きさは、中間転写ベルト2の移動方向(図1の矢印(a)参照)と直交する方向の長さである幅が、感光体ドラム1a(現像ローラー8)の長さと略同じで、その中間転写ベルト2の移動方向と同方向の長さが、先端部が感光体ドラム1aの周面近くに達するように設定されている。
【0042】
上記構成からなる現像器c21における空気の流れを図2(a)の渦流形成板11の部分を拡大して示した図2(b)を用いて説明する。
【0043】
駆動ローラー3(図1参照)の駆動が開始されて中間転写ベルト2の回動が開始されると、中間転写ベルト2の下面近くには、矢印(b)に示されるような、中間転写ベルト2の移動に伴ってその移動方向と同方向の空気の流れが発生すると共に、その空気の流れは感光体ドラム1aの周面で折り返されて矢印(b)と反対向きの矢印(c)に示される向きの空気の流れが生成される。
すなわち、中間転写ベルト2と渦流形成板11との間には上下で向きが反対になる2層からなる層流が生成される。
【0044】
他方、渦流形成板11の下面、ケース7の開口と感光体ドラム1aとの間の空間には、矢印(d)で示されるような渦流が生成される。
上述のような渦流が生成されると、ケース7の開口からトナーが漏れ出そうとしても、その渦流内に補足されて中間転写ベルト2側に流れ込まなくなり、装置内にトナーが拡散されるのを効果的に抑制することができる。
また、渦流内に取り込まれたトナーは、最終的に回転する現像ローラー8に捕捉されて再利用される。
なお、この渦流形成板11を装着することによるトナーの拡散抑制効果については、実装置で確認されている。
【0045】
(比較例1)
図3(a)は、比較例を示したもので、同図(b)はその空気の流れを示している。ここでは、渦流形成板10aの形状を先端部側が下向きとなるように折り返している。この場合も、上述と同様に、渦流形成板11の下面、中間転写ベルト2の周面の一部及び現像ローラー8側の一部に囲まれた空間には、中間転写ベルト2の回転に伴って矢印(d)で示されるような渦流が生成され、トナーの拡散抑制効果が得られる。
ただし、渦流形成板11の上面及び中間転写ベルト2の周面の一部に囲まれた空間にも矢印(e)で示される渦流が発生し、この渦流に含まれるトナーが矢印(c)に同伴されて装置内に僅かに拡散されてしまう。
したがって、渦流形成板11は、中間転写ベルト2と平行に延在して設けられていることが好ましい。
【0046】
(比較例2)
上記図2(a)に示される渦流形成板11の長さを略半分にして実験を行った。すなわち、渦流形成板11の先端部の位置が、ケース7の開口から僅かに突出させて実験を行った。この場合も、渦流形成板11の下面、中間転写ベルト2の周面の一部及び現像ローラー8側の一部に囲まれた空間には、中間転写ベルト2の回転に伴って矢印(d)で示されるような渦流が生成され、トナーの拡散抑制効果が得られる。
ただし、渦流形成板11によって形成される渦流が小さく、トナーが矢印(c)に同伴されて僅かに拡散されてしまう。
したがって、渦流形成板11の長さは、中間転写ベルト2側から見て、先端が現像ローラーと感光体ドラム1aとの最接近位置よりも感光体ドラム1a側に位置するように設定されていることが好ましい。
【0047】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
また、上述の例では、中間転写ベルト2は、感光体ドラム1aの上面に接しているが、感光体ドラム1a及び現像ローラー8等が中間転写ベルト2の上方に位置し、中間転写ベルト2が感光体ドラム1aの下面に接する形式の画像形成装置であってもよい。
また、例えば渦流形成板11に対して、渦流の成長を促進するためのガイド等を設置しても良い。
また、上述の例では、簡易な構成とするために、本発明の渦流形成手段として、扁平な板材である渦流形成手段を用いたが、これに限られず、渦流形成手段として、他の形状の部材を用いることも可能である。
さらに、上述の例では、画像形成装置をプリンターとしたが、複写機、ファクシミリ装置又はこれらの機能を備えた複合機とすることもできる。
【符号の説明】
【0048】
P……プリンター(画像形成装置)、c……画像形成部、c1……レーザスキャンニングユニット、c2……現像ユニット、c3……中間転写ベルトユニット、c4……クリーニングユニット、c5……2次転写ユニット、c6……定着ユニット、c21……現像器、
1a〜1d……感光体ドラム(感光体)、2……中間転写ベルト、3……駆動ローラー、5a〜5d……1次転写ローラー、6……2次転写ローラー、7……ケース、8……現像ローラー、9……磁気ローラー、10……ミキサー、11……渦流形成板(渦流形成手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にトナーを収容すると共に感光体に向く開口を有するケースと、当該ケースの開口に配置されて前記感光体に対向配置される現像ローラーとを有する現像器を備える画像形成装置であって、
前記ケースの開口と前記感光体との間の空間に渦流を形成する渦流形成手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記渦流形成手段は、前記ケースに固定される扁平な板材からなることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記感光体に形成されるトナー像が転写される中間転写ベルトを備え、扁平な板材からなる渦流形成手段が前記中間転写ベルトと平行に延在して配置されていることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記扁平な板材からなる渦流形成手段の長さは、前記中間転写ベルト側から見て、先端が前記現像ローラーと前記感光体との最近接位置よりも感光体側に位置するように設定されていることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−208321(P2012−208321A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73952(P2011−73952)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】