説明

画像形成装置

【課題】基板と画像形成部とを電気的に接続する配線を、本体フレームに、容易に配設することができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】
プリンタ1の筐体31内に設けられる左右1対の側壁32の左右方向内側に、プロセスユニット10と、プロセスユニット10に電圧を印加する高電圧発生基板51とを備えるプリンタ1において、側壁32の左右方向外側に着脱可能に設けられる配線ホルダ41に、プロセスユニット10と高電圧発生基板51とを電気的に接続する各配線71を保持させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式が採用される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のプリンタとして、トナー像を担持する感光体と、トナーを収容するトナーカートリッジとを備えるレーザプリンタが知られている。
【0003】
例えば、感光ドラムおよびトナーカートリッジを備えるプロセスカートリッジと、プロセスカートリッジに給電するための高電圧発生基板と、プロセスカートリッジおよび高電圧基板を収容する本体ケーシングとを備えるレーザプリンタが開示されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0004】
このレーザプリンタには、高電圧発生基板とプロセスカートリッジとを電気的に接続する配線群が、本体ケーシングの外側を通るように配設されている。配線群の基端部は、本体ケーシングの内側において、高電圧発生基板に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−3925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、上記した特許文献1に記載の方法では、配線群が本体ケーシングに直接配設されている。
【0007】
そのため、配線群を本体ケーシングに配設するときには、本体ケーシング内で高電圧発生基板と配線群との接続を確保しながら、配線群を本体ケーシングの外側へ引き出して、本体ケーシングの外側を通るように配設することとなり、配線群の本体ケーシングへの配設作業が煩雑になる。
【0008】
そこで、本発明の目的は、基板と画像形成部とを電気的に接続する配線を、本体フレームに、容易に配設することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記した課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、本体フレームと、本体フレームの内側に設けられる画像形成部と、本体フレームの内側に設けられ、画像形成部に電圧を印加する基板とを備えている。
【0010】
本体フレームの外側には、基板と画像形成部とを電気的に接続する配線を保持するホルダ部材が着脱可能に設けられている。
(2)また、本体フレームには、本体フレームの内外を連通する切欠部が形成されていてもよい。また、ホルダ部材は、本体フレームの外側に配置される第1部分と、第1部分から連続され、切欠部を介して本体フレームの内側に配置される第2部分とを備えていてもよい。また、配線は、第1部分および第2部分にわたって設けられていてもよい。
(3)また、第2部分は、切欠部の周縁部において、本体フレームに内側から重なるように配置されていてもよい。また、基板は、第2部分に配置される配線に内側から接触し、導電性と弾性とを有する第1電極部材を備えていてもよい。
(4)また、本体フレームは、切欠部の近傍において、ホルダ部材を回動可能かつ着脱可能に支持する支持部を備えていてもよい。ホルダ部材は、支持部に支持される被支持部を備えていてもよい。
(5)また、本体フレームは、ホルダ部材とは別の材料で構成されていてもよい。
(6)また、ホルダ部材は、第1部分の内側に配設される少なくとも1つの配線と、第1部分の外側に配設される少なくとも1つの配線とを含む複数の前記配線を保持していてもよい。
(7)また、画像形成部と配線とを電気的に接続するように、導電性と弾性とを有する第2電極部材を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
(1)本発明の画像形成装置によれば、本体フレームの内側に基板を備えるものにおいて、本体フレームの外側に予め配線を配設したホルダ部材を装着することで、基板から画像形成部への配線を容易に行うことができる。
(2)また、ホルダ部材の第1部分および第2部分にわたって配線が設けられ、第2部分が切欠部を介して本体フレームの内側に配置されるように装着していると、ホルダ部材に備えられる配線と基板との導通を簡単な構成でとることができる。
(3)また、第1電極部材の弾性により押圧される第2部分が、切欠部の周縁部において、本体フレームに内側から重なるように配置されていると、第1電極部材が第2部分を外側へ向かって押圧する押圧力を、第2部分に重なる本体フレーム(切欠部の周縁部)において受けることができ、第2部分が押圧力によって変形することを抑制することができる。その結果、第1電極部材と配線とをより確実に接触させることができる。
(4)また、本体フレームが、支持部を備え、ホルダ部材が、被支持部を備えていると、容易にホルダ部材を本体フレームに対して位置決めし、取り付けることができる。
(5)また、本体フレームが、ホルダ部材とは別の材料で構成されていると、例えば、本体フレームを安価な材料から形成し、ホルダ部材を高い難燃性を有する材料から形成すれば、効率よく、低コストと難燃性の両立を図ることができる。
(6)また、ホルダ部材が、第1部分の内側に配設される少なくとも1つの配線と、第1部分の外側に配設される少なくとも1つの配線とを含む複数の配線を保持していると、複数の配線を、第1部分の内側と外側とに配設することができ、各配線間の絶縁距離を容易に確保することができるので、ホルダ部材を小型化することができる。
(7)また、画像形成部と配線とを電気的に接続する第2電極部材が、導電性と弾性とを有していると、第2電極部材を配線に弾性的に接触させることができ、第2電極部材と配線とを確実に接触させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の画像形成装置の一例としてのプリンタの中央側断面図である。
【図2】図1に示すプリンタの本体フレームを左前側から見た斜視図である。
【図3】図2に示す右側壁の左後側から見た斜視図である。
【図4】図2に示す右側壁の右後側から見た斜視図である。
【図5】図2に示すホルダ部材の左後側から見た斜視図である。
【図6】ホルダ部材の組み付けを説明する説明図であって、(a)は、ホルダ部材の係止部が、右側壁の被係止部から離脱された状態を示し、(b)は、ホルダ部材の係止部が、右側壁の被係止部に外嵌された状態を示す。
【図7】ホルダ部材の組み付けを説明する説明図であって、ホルダ部材の係止部が、右側壁の被係止部に外嵌された状態を示す右後側から見た斜視図である。
【図8】プロセスカートリッジの着脱を説明する説明図であって、プロセスカートリッジが離脱された状態を示す。
【図9】プロセスカートリッジの着脱を説明する説明図であって、プロセスカートリッジが装着された状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.プリンタの全体構成
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのプリンタ1は、筐体31内に、給紙部3および画像形成部4を備えている。
【0014】
筐体31の一方側には、プロセスユニット10を着脱させるためのフロントカバー5が開閉自在に設けられている。
【0015】
なお、以下の説明では、フロントカバー5が設けられる側(図1における紙面右側)を前側とし、その反対側(図1における紙面左側)を後側とする。また、プリンタ1を前側から見たときを基準として、左右を規定する。すなわち、図1の紙面手前側が左側であり、紙面奥側が右側である。
(1)給紙部
給紙部3は、用紙Pを、積載状態で収容する給紙トレイ6を備えている。給紙トレイ6は、プリンタ1の底部にプリンタ1の前方へ着脱自在に装着されている。給紙トレイ6の前端部上方には、給紙ローラ7が配置され、その給紙ローラ7の後側にレジストローラ8が配置されている。
【0016】
給紙トレイ6に収容されている用紙Pは、給紙ローラ7の回転により、レジストローラ8に向けて1枚ずつ送り出され、レジストローラ8の回転により、所定のタイミングで、画像形成部4に向けて搬送される。
(2)画像形成部
画像形成部4は、スキャナユニット9、プロセスユニット10および定着ユニット11を備えている。
(2−1)スキャナユニット
スキャナユニット9は、プリンタ1の上部に配置されている。スキャナユニット9は、鎖線で示すように、プロセスユニット10の感光ドラム14(後述)に向けて画像データに基づくレーザビームLを出射し、そのレーザビームLを、左右方向一方(主走査方向)に高速で移動させて、感光ドラム14の表面を走査する。
(2−2)プロセスカートリッジ
プロセスユニット10は、スキャナユニット9の下方に配置されている。プロセスユニット10は、ドラムカートリッジ12と、ドラムカートリッジ12に着脱自在に装着される現像カートリッジ13とを備えている。
【0017】
ドラムカートリッジ12には、左右方向に延びる略円筒形状の感光ドラム14が回転自在に設けられている。感光ドラム14の左右方向両端部には、感光ドラム14と中心軸線を共有するように、ドラムシャフト25が設けられている。ドラムシャフト25は、金属などの導電性材料から左右方向に延びる棒状に形成されている。ドラムシャフト25の左右方向外側端部は、ドラムカートリッジ12の左右方向端部から左右方向外側へ突出している。
【0018】
また、ドラムカートリッジ12には、感光ドラム14の後上側において、スコロトロン型帯電器15が配置されている。スコロトロン型帯電器15は、感光ドラム14の後上側に間隔を隔てて対向配置されるワイヤ23と、感光ドラム14とワイヤ23との間に配置されるグリッド24とを備えている。
【0019】
また、ドラムカートリッジ12には、感光ドラム14の後側において、ドラムクリーナ22が設けられている。ドラムクリーナ22は、導電性を有する多数のブラシ毛が植設された不織布からなり、クリーニングバイアスが印加されることによって、感光ドラム14表面の残存トナーや紙粉を除去し、保持する。
【0020】
また、ドラムカートリッジ12には、感光ドラム14の下側において、転写ローラ16が配置されている。
【0021】
現像カートリッジ13は、感光ドラム14の前側に配置されており、現像ローラ17を備えている。
【0022】
現像ローラ17は、現像カートリッジ13の後端部において、後側から露出されるように回転可能に支持されており、感光ドラム14を前側から押圧するように、感光ドラム14に対して前側から対向し、接触されている。
【0023】
また、現像カートリッジ13には、現像ローラ17の前側の空間において、各色に対応するトナーが収容されている。
(2−3)現像・転写動作
現像カートリッジ13内のトナーは、現像ローラ17の回転に伴って、現像ローラ17の表面に担持される。
【0024】
一方、感光ドラム14の表面は、感光ドラム14の回転に伴って、スコロトロン型帯電器15により一様に帯電された後、スキャナユニット9からのレーザビームLの高速走査により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム14の表面に形成される。
【0025】
感光ドラム14がさらに回転すると、現像ローラ17の表面に担持されているトナーが、感光ドラム14の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム14の静電潜像は可視像化され、感光ドラム14の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
【0026】
そして、トナー像は、感光ドラム14と転写ローラ16との間に搬送されてくる用紙P上に転写される。
(2−4)定着ユニット
定着ユニット11は、プロセスユニット10の後方に設けられ、加熱ローラ18と、加熱ローラ18に圧接される加圧ローラ19とを備えている。
【0027】
用紙Pに転写されたトナー像は、用紙Pが、加熱ローラ18と加圧ローラ19との間を通過するときに、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(3)排紙
トナー像が定着した用紙Pは、排紙ローラ20に向けて搬送され、排紙ローラ20によって、プリンタ1の上面に形成された排紙トレイ21上に排紙される。
2.筐体および側壁
プリンタ1は、プリンタ1の外形を構成する筐体31(図1参照)と、筐体31の内側に設けられる本体フレームの一例としての左右1対の側壁32(図2参照)とを備えている。
【0028】
筐体31は、略ボックス形状に形成されており、前端部において、フロントカバー5を備えている。
【0029】
両側壁32は、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂)などの安価な樹脂から左右方向に厚みを有する側面視略矩形平板形状に形成されており、左右方向に互いに間隔を隔てて対向配置されている。
【0030】
なお、本実施形態では、プロセスユニット10への給電に関する構成は、右側の側壁32にのみ設けられている。そこで、以下の説明において、側壁32については、右側の側壁32を詳細に説明し、左側の側壁32についての説明を省略する。そして、右側の側壁32を、単に側壁32と記載する。また、右側の側壁32の左側が左右方向内側であり、右側の側壁32の右側が左右方向外側である。
(1)ガイド溝
側壁32には、図2および図3に示すように、プロセスユニット10の着脱を案内するガイド溝33が形成されている。
【0031】
ガイド溝33は、側壁32の前上側端部から後下側へ向かって、側壁32の中央(前後方向略中央かつ上下方向略中央)まで延びている。ガイド溝33は、側壁32の左面から右側へ向かって凹む凹溝であり、前上側が開放された側面視略V字形状に形成されている。
【0032】
プロセスユニット10がプリンタ1に装着されたときには、ガイド溝33の後端部には、感光ドラム14のドラムシャフト25が嵌合される。
(2)配線ホルダの支持に関する構成
また、側壁32には、図3および図4に示すように、ガイド溝33の後端部の下側において、切欠部の一例としての開口34が形成されている。また、側壁32には、開口34の前後方向両側近傍において、支持部の一例としての係止軸30が設けられている。
【0033】
開口34は、側壁32を左右方向に貫通するように、前後方向に延びる側面視略矩形状に形成されている。開口34は、配線ホルダ41(後述)の下端部を受け入れ可能に形成されている。
【0034】
係止軸30は、開口34の後側近傍(図3参照)と、開口34の前端部内(図6参照)とに1つずつ設けられている。後側の係止軸30は、開口34の後端縁よりも前側へ突出するように設けられており、前側の係止軸30は、開口34の前壁から後側へ突出するように設けられている。両係止軸30は、前後方向に延び、上下方向に扁平な略楕円柱形状に形成されている(図6参照)。
【0035】
また、側壁32には、図4および図7に示すように、ホルダ係止爪36と、位置決め軸38と、1対の螺合部37とを備えている。
【0036】
ホルダ係止爪36は、ガイド溝33の上側に配置されており、側壁32の右面から右側へ突出する略平板形状に形成されている。ホルダ係止爪36の右端部は、上側へ向かって突出する鉤形状に形成されている。
【0037】
位置決め軸38は、ガイド溝33の上側において、ホルダ係止爪36の後側に間隔を隔てて配置されている。位置決め軸38は、側壁32の右面から右側へ突出し、右端部が略円錐形状に形成された略円柱形状に形成されている。
【0038】
各螺合部37は、ホルダ係止爪36と位置決め軸38との間(詳しくは、ホルダ係止爪36の後下側、かつ、位置決め軸38の前下側)と、ガイド溝33の後端部の上とに1つずつ配置されている。各螺合部37は、側壁32の右面から右側へ延びる円柱形状に形成されている。各螺合部37の径方向中心には、右面から左側へ向かって、側面視略円形状のねじ穴39が形成されている。
(3)高電圧発生基板
図2に示すように、両側壁32の内側には、プロセスユニット10の下側において、基板の一例としての高電圧発生基板51が設けられている。
【0039】
高電圧発生基板51は、変圧器、蓄電器などを備えた電気回路基板であり、図示しない入力電源から供給された電圧を変圧器により増幅し、増幅した高電圧(バイアス)を蓄電器に蓄電し、または配線(後述)へ給電する。
【0040】
また、高電圧発生基板51は、所定の出力部から上側へ螺旋形状に延び、その上端部から右側へ延びる5つの基板側配線53の右端部において、第1電極部材の一例としての電極52を備えている。
【0041】
各電極52は、高電圧発生基板51の右端部の上側において、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。具体的には、後側から前側へ向かって、ドラムクリーナ22に電圧を印加するための第1クリーナ用電極52Aおよび第2クリーナ用電極52Bと、スコロトロン型帯電器15のグリッド24に電圧を印加するためのグリッド用電極52Cと、現像ローラに電圧を印加するための現像ローラ用電極52Dと、スコロトロン型帯電器15のワイヤ23に電力を供給するためのワイヤ用電極52Eとが、順次配列されている。なお、第1クリーナ用電極52A、第2クリーナ用電極52B、グリッド用電極52Cとおよび現像ローラ用電極52Dは、互いに等間隔を隔てて並列配置されており、ワイヤ用電極52Eは、それらの間隔よりも広い間隔を隔てて、現像ローラ用電極52Dの前側に配置されている。
(4)各中継電極
図7に示すように、側壁32には、プロセスユニット10に電力を供給するための5つの第2電極部材の一例としての中継電極61が支持されている。
【0042】
中継電極61は、金属などの導電性と弾性とを有する材料から、左右方向に延びる螺旋形状に形成されている。また、中継電極61の左端部には略円環形状の接点部63が設けられている(図7(b)参照)。
【0043】
側壁32には、各中継電極61を支持するための5つの中継電極収容部62(図7(a)参照)が設けられている。
【0044】
各中継電極収容部62は、側壁32の右面から右側へ延びる略円筒形状に形成されている。また、中継電極収容部62内の側壁32には、中継電極61の接点部63を側壁32の左側へ露出させるための露出溝64が貫通形成されている(図3参照)。また、各中継電極収容部62は、中継電極61の右端部を露出させるように、中継電極61の左右方向長さよりも短い左右方向長さに形成されている。
【0045】
そして、各中継電極収容部62内には、中継電極61が、その接点部63が露出溝64を介して左側へ露出されるとともに、その右端部が中継電極収容部62の右端部から右側へ露出されるように、左右方向に沿って収容されている。
【0046】
各中継電極収容部62としては、具体的には、ドラムクリーナ22に電圧を印加するための中継電極61を収容する第1クリーナ用中継電極収容部62Aおよび第2クリーナ用中継電極収容部62Bと、スコロトロン型帯電器15のグリッド24に電圧を印加するための中継電極61を収容するグリッド用中継電極収容部62Cと、現像ローラ17に電圧を印加するための中継電極61を収容する現像ローラ用中継電極収容部62Dと、スコロトロン型帯電器15のワイヤ23に電力を供給するための中継電極61を収容するワイヤ用中継電極収容部62Eとが設けられている。
【0047】
第1クリーナ用中継電極収容部62Aおよび第2クリーナ用中継電極収容部62Bは、ガイド溝33の前側において、互いに、後上側と前下側とに間隔を隔てて対向配置されている。
【0048】
グリッド用中継電極収容部62Cは、ガイド溝33の後端部の上側において、後側の螺合部37の後側に配置されている。
【0049】
現像ローラ用中継電極収容部62Dは、ガイド溝33の右側において、前側の螺合部37の下側に配置されている。
【0050】
ワイヤ用中継電極収容部62Eは、ガイド溝33の上側において、両螺合部37の間に配置されている。
3.配線ホルダ
(1)側壁への組み付けに関する構成
また、側壁32は、側壁32の右側において、ホルダ部材の一例としての配線ホルダ41を備えている。
【0051】
配線ホルダ41は、図5に示すように、PC/ABS樹脂(ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂とからなるポリマーアロイ)などの高い難燃性を有する樹脂から、上下方向に延びる側面視略矩形平板形状に形成されている。詳しくは、配線ホルダ41は、側壁32の右側に対向配置される第1部分42(図4参照)と、第1部分42の下端部から左側へ突出し、開口34を介して側壁32の左側に対向配置される第2部分43(図3参照)とを一体的に備えている。
【0052】
第1部分42は、上下方向に延びる正面視略クランク形状に形成されている。また、第1部分42の上端部には、ホルダ係止爪36が係止される係止穴44と、位置決め軸38が挿通される位置決め軸挿通穴45と、ねじ穴39を露出させる1対の露出穴46とが形成されている。
【0053】
係止穴44は、第1部分42の前側上端部において、前後方向に延びる側面視略矩形状に貫通形成されている。係止穴44は、ホルダ係止爪36の前後方向長さおよび上下方向長さよりも長い前後方向長さおよび上下方向長さに形成されている。
【0054】
位置決め軸挿通穴45は、係止穴44の後側に間隔を隔てて配置され、上下方向に延びる側面視略矩形状に貫通形成されている。位置決め軸挿通穴45は、位置決め軸38の直径とほぼ同じ(わずかに長い)前後方向長さに形成されている。
【0055】
各露出穴46は、係止穴44と位置決め軸挿通穴45との間(詳しくは、係止穴44の後下側、かつ、位置決め軸挿通穴45の前下側)と、第1部分42の前後方向略中央とに1つずつ配置されている。各螺露出穴46は、ねじ穴39よりも大径な側面視略円形状に貫通形成されている。
【0056】
第2部分43は、第1部分42の下端部から左側へ突出し、その左端部において下側へ屈曲されて、正面視略L字形状に形成されている。また、第2部分43には、係止軸30に外嵌される係止筒47が設けられている。
【0057】
係止筒47は、第2部分43の屈曲部分において、前後方向両端に1つずつ設けられている。係止筒47は、左右方向に延び、下端部が切り欠かれた断面C字形の略円筒形状に形成されている。係止筒47の内径は、係止軸30の長軸方向の外径とほぼ同径(わずかに大径)に形成されている。また、係止筒47の切り欠き幅は、係止軸30の短軸方向の外径よりもわずかに短く形成されている。
(2)各配線
配線ホルダ41は、図5に示すように、高電圧発生基板51の各電極52と、各中継電極61とを、それぞれ電気的に接続する5つの配線71を保持している。
【0058】
各配線71は、金属などの導電性を有する材料からなり、上下方向に屈曲しながら延びる線形状に形成されている。
【0059】
各配線71としては、具体的には、ドラムクリーナ22に電圧を印加するための第1クリーナ用配線71Aおよび第2クリーナ用配線71Bと、スコロトロン型帯電器15のグリッド24に電圧を印加するためのグリッド用配線71Cと、現像ローラ17に電圧を印加するための現像ローラ用配線71Dと、スコロトロン型帯電器15のワイヤ23に電力を供給するためのワイヤ用配線71Eとが設けられている。
【0060】
第1クリーナ用配線71Aは、その下端部が、配線ホルダ41の第2部分43の後側下端部に係止されている。そして、第1クリーナ用配線71Aは、第2部分43の左面の形状に対応して、上側へ向かって延び、その上端部で右側へ屈曲されて右側へ延びている。さらに、第1クリーナ用配線71Aは、第1部分42の形状に対応して上側へ屈曲されて上側へ延び、その上端部で右側へ屈曲されて右側へ延び、その右端部で上側へ屈曲されて上側へ延びている。そして、第1クリーナ用配線71Aは、さらに前上側へ屈曲されて前上側へ延び、第1部分43の上端部に係止されている。
【0061】
第2クリーナ用配線71Bは、その下端部が、配線ホルダ41の第2部分43の下端部において、第1クリーナ用配線71Aの前側に間隔を隔てて係止されている。そして、第2クリーナ用配線71Bは、第2部分43の左面の形状に対応して、上側へ向かって延び、その上端部で右側へ屈曲されて右側へ延びている。さらに、第2クリーナ用配線71Bは、第1部分42の形状に対応して上側へ屈曲されて上側へ延び、その上端部で右側へ屈曲されて右側へ延び、その右端部で上側へ屈曲されて上側へ延びている。そして、第2クリーナ用配線71Bは、さらに後上側へ屈曲されて後上側へ延び、第1部分43の上端部において、第1クリーナ用配線71Aの上端部の下側に間隔を隔てて係止されている。
【0062】
グリッド用配線71Cは、その下端部が、配線ホルダ41の第2部分43の下端部において、第2クリーナ用配線71Bの前側に間隔を隔てて係止されている。そして、グリッド用配線71Cは、第2部分43の左面の形状に対応して、上側へ向かって延び、その上端部で右側へ屈曲されて右側へ延びている。さらに、グリッド用配線71Cは、第1部分42の形状に対応して上側へ屈曲されて上側へ延び、その上端部で右側へ屈曲されて右側へ延び、その右端部で上側へ屈曲されて上側へ延び、さらに、その上端部で右側へ屈曲されて右側へ延び、その右端部で上側へ屈曲されて上側へ延びている。そして、グリッド用配線71Cの上端部は、第1部分43の上端部において、第2クリーナ用配線71Bの上端部の前側に間隔を隔てて係止されている。
【0063】
現像ローラ用配線71Dは、その下端部が、配線ホルダ41の第2部分43の下端部において、グリッド用配線71Cの前側に間隔を隔てて係止されている。そして、現像ローラ用配線71Dは、第2部分43の左面の形状に対応して、上側へ向かって延び、その上端部で右側へ屈曲されて右側へ延びている。さらに、現像ローラ用配線71Dは、第1部分42の形状に対応して上側へ屈曲されて上側へ延び、その上端部で右側へ屈曲されて右側へ延び、その右端部で上側へ屈曲されて上側へ延び、さらに、その上端部で右側へ屈曲されて右側へ延び、その右端部で前側へ屈曲されて前側へ延びている。そして、現像ローラ用配線71Dは、前側へ延びている部分の前端部において、第1部分43の前端部に係止されている。
【0064】
ワイヤ用配線71Eは、その下端部が、配線ホルダ41の第2部分43の下端部において、現像ローラ用配線71Dの前側に間隔を隔てて係止されている。そして、ワイヤ用配線71Eは、第2部分43の左面の形状に対応して、上側へ向かって延び、その上端部で右側へ屈曲されて右側へ延びている。さらに、ワイヤ用配線71Eは、第1部分42の形状に対応して上側へ屈曲されて上側へ延び、その上端部で右側へ屈曲されて右側へ延びている。さらに、ワイヤ用配線71Eは、後上側へ屈曲されて後上側へ延び、その上端部で上側へ屈曲されて、現像ローラ用配線71Dの前側へ延びている部分に対して、その左側を通過するように立体交差して上側へ延びている。そして、ワイヤ用配線71Eは、右側へ屈曲されて右側へ延び、その右端部で後側へ屈曲されて後側へ延び、現像ローラ用配線71Dの上側で、第1部分43の上端部に係止されている。
(3)側壁への組み付け
配線ホルダ41を側壁32に組み付けるには、図6および図7に示すように、まず、配線ホルダ41の第2部分43の下端部を、側壁32の右側から開口34内に挿入して、両係止筒47をそれぞれ両係止軸30に外嵌させる。
【0065】
これにより、第2部分43の下端部は、開口34を介して、側壁32の左側に露出される。また、両係止筒47は、係止軸30に対して相対回転可能に外嵌される。
【0066】
次いで、図7の矢印に示すように、配線ホルダ41を、係止軸30を中心に背面視時計回りに回動させて、図4に示すように、位置決め軸38を位置決め軸挿通穴45に挿通させるとともに、ホルダ係止爪36を係止穴44に係止する。これにより、配線ホルダ41が側壁32の右側に係止される。
【0067】
このとき、両ねじ穴39は、それぞれ、対応する露出穴46から露出されている。また、第2部分43の下端部は、開口34の下側周縁部において、側壁32に対して左側から当接されている。
【0068】
そして、両ねじ穴39にねじ(図示せず)を螺合させると、配線ホルダ41を側壁32に組み付けが完了する。
【0069】
配線ホルダ41が側壁32に装着されると、第1クリーナ用配線71Aは、その上端部の上下方向に沿って延びる部分(図5において接触部74Aとする。)において、第1クリーナ用中継電極収容部62Aに対向される。
【0070】
また、第2クリーナ用配線71Bは、その上端部の上下方向に沿って延びる部分(図5において接触部74Bとする。)において、第2クリーナ用中継電極収容部62Bの右端部に対向される。
【0071】
また、グリッド用配線71Cは、その上端部(図5において接触部74Cとする。)において、グリッド用中継電極収容部62Cの右端部に対向される。
【0072】
また、現像ローラ用配線71Dは、その前側へ延びている部分の前端部(図5において接触部74Dとする。)において、現像ローラ用中継電極収容部62Dの右端部に対向される。
【0073】
また、ワイヤ用配線71Eは、その後側へ延びている部分(図5において接触部74Eとする。)において、ワイヤ用中継電極収容部62Eの右端部に対向される。
5.プロセスユニットへの給電
上記したように、各配線71を保持する配線ホルダ41を側壁32に装着すると、各配線71の接触部74が、対応する各中継電極収容部62の右端部から露出される中継電極61に右側から接触され、各配線71と各中継電極収容部62とが電気的に接続される。
【0074】
また、図8に示すように、高電圧発生基板51の各電極52の右端部が、対応する各配線71の下端部に左側から接触され、各配線71と各電極52とが電気的に接続される。
【0075】
これにより、高電圧発生基板51の各電極52と、各中継電極61とが、各配線71を介して電気的に接続される。
【0076】
そして、図9に示すように、プロセスユニット10がプリンタ1に装着されると、プロセスユニット10の接点(図示せず)が、各中継電極61の接点部63に左側から接触される。
【0077】
これにより、高電圧発生基板51とプロセスユニット10とが電気的に接続される。
6.作用効果
(1)このプリンタ1によれば、側壁32の外側に、高電圧発生基板51とプロセスユニット10とを電気的に接続する各配線71を保持する配線ホルダ41が着脱可能に設けられている。
【0078】
そのため、各配線71を側壁32に配設するときには、予め、配線ホルダ41に各配線71を配設して、その配線ホルダ41を側壁32に装着することができる。
【0079】
これにより、配線ホルダ41に各配線71を容易に配設することができるとともに、各配線71を有する配線ホルダ41を側壁32に装着して、高電圧発生基板51とプロセスユニット10とを容易に接続することができる。
【0080】
その結果、高電圧発生基板51とプロセスユニット10とを電気的に接続する各配線71を、側壁32に容易に配設することができる。
(2)また、このプリンタ1によれば、側壁32に、側壁32を左右方向に貫通する開口34が形成されており、配線ホルダ41が、側壁32の外側に配置される第1部分42と、開口34を介して側壁32の左側(左右方向内側)に配置される第2部分43とを備えている。そして、各配線71は、第1部分42および第2部分43にわたって設けられている。
【0081】
そのため、配線ホルダ41を、その第2部分43が開口34を介して側壁32の左側(左右方向内側)に配置されるように装着して、側壁32の左側(左右方向内側)と右側(左右方向外側)とにわたって各配線71を配設することができる。
【0082】
その結果、配線ホルダ41に備えられる各配線71と高電圧発生基板51との導通を、簡単な構成で確保することができる。
(3)また、このプリンタ1によれば、高電圧発生基板51の各電極52が、導電性と弾性とを有している。
【0083】
そのため、各電極52を各配線71に弾性的に接触させることができる。
【0084】
しかも、配線ホルダ41の第2部分43は、開口34の下側周縁部において、側壁32に左側(左右方向内側)から重なるように配置されており、各電極52は、第2部分43に配置される各配線71に左側(左右方向内側)から接触される。
【0085】
そのため、各電極52が第2部分43を右側(左右方向外側)へ向かって押圧する押圧力を、第2部分43に重なる側壁32(開口34の下側周縁部)において受けることができ、押圧力によって配線ホルダ41が変形することを抑制し、各電極52と各配線71とをより確実に接触させることができる。
【0086】
さらに、配線ホルダ41が側壁32に向けて押圧されることで、配線ホルダ41を側壁32に対して固定できる。そのため、第2部分43周辺に、配線ホルダ41を固定するためのネジなどを設ける必要がなく、配線ホルダ41を小型化することができる。
(4)また、このプリンタ1によれば、側壁32が、開口34の近傍において、配線ホルダ41を回動可能かつ着脱可能に支持する係止軸30を備えており、配線ホルダ41が、係止軸30に外嵌される係止筒47を備えている。
【0087】
そのため、容易に、配線ホルダ41を側壁32に位置決めし、取り付けることができる。
(5)また、このプリンタ1によれば、側壁32がABS樹脂から形成され、配線ホルダ41がPC/ABS樹脂から形成されている。
【0088】
そのため、側壁32を安価に形成するとともに、配線ホルダ41を高難燃性に形成することができ、効率よく、低コストと難燃性の両立を図ることができる。
(6)また、このプリンタ1によれば、プロセスユニット10と各配線71とを電気的に接続する各中継電極61が、導電性と弾性とを有している
そのため、各中継電極61を各配線71に弾性的に接触させることができ、各中継電極61と各配線71とを確実に接触させることができる。
2.変形例
上記した実施形態では、配線ホルダ41の左面に各配線71を配設したが、例えば、各配線71のうち、第1クリーナ用配線71A、第2クリーナ用配線71B、グリッド用配線71Cおよび現像ローラ用配線71Dを配線ホルダ41の左面に配設し、ワイヤ用配線71Eを配線ホルダ41の右面に配設することもできる。
【0089】
この変形例によれば、現像ローラ用配線71Dとワイヤ用配線71Eとの間隔を容易に確保することができ、配線ホルダ41を小型化することができる。
【0090】
また、上記した実施形態では、本体フレームとして左右1対の側壁32を例示したが、例えば、左右の側壁32の上端部間を連結する上壁、および、左右の側壁32の下端部間を連結する下壁を設け、画像形成部4を囲むような形状の本体フレームとして、一体成形することもできる。
【符号の説明】
【0091】
1 プリンタ
4 画像形成装置
30 係止軸
32 側壁
34 開口
41 配線ホルダ
42 第1部分
43 第2部分
47 係止筒
51 高電圧発生基板
52 電極
61 中継電極
71 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体フレームと、
前記本体フレームの内側に設けられる画像形成部と、
前記本体フレームの内側に設けられ、前記画像形成部に電圧を印加する基板と、
前記本体フレームの外側に着脱可能に設けられ、前記基板と前記画像形成部とを電気的に接続する配線を保持するホルダ部材とを備えていることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記本体フレームには、前記本体フレームの内外を連通する切欠部が形成されており、
前記ホルダ部材は、
前記本体フレームの外側に配置される第1部分と、
前記第1部分から連続され、前記切欠部を介して前記本体フレームの内側に配置される第2部分と
を備え、
前記配線は、前記第1部分および前記第2部分にわたって設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2部分は、前記切欠部の周縁部において、前記本体フレームに内側から重なるように配置され、
前記基板は、導電性と弾性とを有する第1電極部材を備え、
第1電極部材は、前記第2部分に配置される前記配線に内側から接触することを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記本体フレームは、前記切欠部の近傍において、前記ホルダ部材を回動可能かつ着脱可能に支持する支持部を備え、
前記ホルダ部材は、前記支持部に支持される被支持部を備えていることを特徴とする、請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記本体フレームは、前記ホルダ部材とは別の材料で構成されていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ホルダ部材は、前記第1部分の内側に配設される少なくとも1つの配線と、前記第1部分の外側に配設される少なくとも1つの配線とを含む複数の前記配線を保持していることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の画像経営装置。
【請求項7】
前記画像形成部と前記配線とを電気的に接続するように、導電性と弾性とを有する第2電極部材を備えていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−247761(P2012−247761A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121963(P2011−121963)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】