説明

画像形成装置

【課題】中間転写部体を用いた印刷方式では、2次転写部材のクリーニングブレードに潤滑材として作用するトナーが供給されにくいため、ブレードめくれ等が発生する問題があった。
【解決手段】IDユニット11〜14、LEDヘッド21〜24、1次転写ローラ31〜34、中間転写ベルト54に1次転写されたトナー像を記録用紙2に2次転写する2次転写ローラ61、媒体搬送部(72、73、74、75)、2次転写ベルト63をクリーニングするクリーニングブレード64、及び装置全体を制御する印刷制御部101を備え、IDユニット11〜14及びLEDヘッド21〜24で廃棄トナー121〜124を形成し、廃棄トナー121〜124を中間転写ベルト54に1次転写し、中間転写ベルト54に1次転写した廃棄トナー121〜124を2次転写ベルト63に2次転写する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体上に形成された現像剤像を媒体に転写して画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置として、感光体ドラムに形成された現像剤像を、先ず転写ドラム等の中間転写体に1次転写し、更に中間転写体の現像剤像を、中間転写体と印刷用紙等の転写材を挟持する転写ローラ等の2次転写部材によってこの転写材に2次転写し、中間転写体及び2次転写部材には、それぞれクリーニングブレードを当接させてクリーニングするものが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−63010号公報(第3〜4頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
転写する画像よりサイズの小さな印刷用紙を使用したりすると、2次転写部材に現像剤が付着し、以後の印刷時での汚れの要因となるため、接触クリーニング部材を当接させてクリーニングする必要がある。しかしながら、上記構成の装置では、適切な印刷用紙を用いた通常の印刷動作時には2次転写部材に現像剤が付着することがないため、2次転写部材の接触クリーニング部材に潤滑材として作用する現像剤が供給されず、接触部の過度な変形等が発生する問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による画像御形成装置は、
現像剤像を形成する現像剤像形成部と、前記現像剤像形成部で形成した前記現像剤像を中間転写体に1次転写する1次転写部材と、前記中間転写体に1次転写された現像剤像を少なくとも記録媒体に2次転写する2次転写部材と、前記記録媒体を前記2次転写が行われる2次転写位置に搬送する媒体搬送部と、前記2次転写部材をクリーニングする接触クリーニング部材と、前記1次転写部材及び前記2次転写部材に、転写に必要な転写電圧を印加する電圧制御部と、少なくとも前記現像剤像の形成、前記媒体の搬送、前記1次転写、及び前記2次転写を制御する制御部とを有し、
前記制御部は、前記現像剤像形成部で廃棄用現像剤像を形成し、前記廃棄用現像剤像を前記中間転写体に1次転写し、前記中間転写体に1次転写した廃棄用現像剤像を前記2次転写部材自体に2次転写する現像剤廃棄動作を行うことを特徴とする。
【0006】
本発明による別の画像形成装置は、
複数の色にそれぞれ対応する現像剤像を形成する複数の現像剤像形成部と、前記複数の現像剤像形成部にそれぞれ対応して配置され、対応する現像剤像形成部で形成した前記現像剤像を中間転写体に1次転写する複数の1次転写部材と、前記中間転写体に1次転写された現像剤像を記録媒体に2次転写する2次転写部材と、前記記録媒体を前記2次転写が行われる2次転写位置に搬送する媒体搬送部と、前記2次転写部材をクリーニングする接触クリーニング部材と、前記1次転写部材及び前記2次転写部材に、転写に必要な転写電圧を印加する電圧制御部と、少なくとも前記現像剤像の形成、前記媒体の搬送、前記1次転写、及び前記2次転写を制御する制御部とを有し、
前記制御部は、指定する色に対応する前記現像剤像形成部で廃棄用現像剤像を形成し、形成した前記廃棄用現像剤像を、前記中間転写体の色ごとに異なる位置に1次転写し、前記中間転写体に1次転写した廃棄用現像剤像のうち、指定する廃棄用現像剤像を前記2次転写部材自体に2次転写する現像剤廃棄動作を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、2次転写部材にも現像剤が付着するため、2次転写部材の接触クリーニング部材に潤滑材として作用する現像剤が供給され、接触部の過度な変形等の発生を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に基づくプリンタの要部構成を概略的に示す要部構成図である。
【図2】本発明に基づく実施の形態1のプリンタの、本発明に関与する動作を制御する制御系の要部構成を示すブロック図である。
【図3】所定の実行タイミングで、4つのIDユニットでトナー廃棄が行われる場合の動作説明に供する模式図である。
【図4】4色でトナー廃棄が行われる場合に、2次転写ローラに印加される2次転写電圧の印加例を示すタイムチャートである。
【図5】本発明に基づく実施の形態2のプリンタの、本発明に関与する動作を制御する制御系の要部構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態2において、記録用紙の用紙サイズ、縁あり印刷の印刷領域(一点鎖線で囲まれた領域)、及び縁なし印刷の印刷領域(点線で囲まれた領域)の関係を示す図である。
【図7】実施の形態2において、トナー廃棄動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、本発明に基づく実施の形態1の画像形成装置としてのプリンタ1の要部構成を概略的に示す要部構成図である。
【0010】
同図に示すように、プリンタ1には、中間転写体としての中間転写ベルト54の移動経路が形成されている。中間転写ベルト54は、高抵抗の半導電性プラスチックフィルムで、継ぎ目なしのエンドレス状に形成されており、駆動ローラ51、ベルト従動ローラ52、バックアップローラ53間に架けられ、駆動ローラ51によって回転駆動されて矢印A方向に移動する。尚、この駆動ローラ51は、後述するベルトモータ114(図2)によって回転駆動される。
【0011】
ベルト従動ローラ52と駆動ローラ51間には、中間転写ベルト54の移動方向の上流側から順に、イエロー(Y)のトナー画像を形成するイメージドラムユニット(以下、IDユニットと略称する)11、マゼンタ(M)のトナー画像を形成するIDユニット12、シアン(C)のトナー画像を形成するIDユニット13、及びブラック(K)のトナー画像を形成するIDユニット14が、中間転写ベルト54に沿って一列に、着脱可能に配置され、これらの各感光体ドラム11a,12a,13a,14a上には、それぞれ対応する色のトナー画像が形成される。
【0012】
尚、図1中のX、Y、Zの各軸は、ベルト従動ローラ52と駆動ローラ51間での中間転写ベルト54の移動方向にX軸をとり、後述する感光体ドラム11a〜14aの回転軸方向にY軸をとり、これら両軸と直交する方向にZ軸をとっている。またここでは、Z軸が略鉛直方向となるように配置されるものとする。
【0013】
各IDユニットは、同一の構成を有しているため、ここではブラック(K)のIDユニット14を例にして、その内部構成について説明する。IDユニット14には、像担持体としての感光体ドラム14aが矢印方向に回転可能に配置され、この感光体ドラム14aの周囲には、その回転方向上流側から順に、感光体ドラム14aの表面に一定の圧力で接触して電荷を供給し、一様に帯電させる帯電ローラ14b、帯電された感光体ドラム14aの表面に、例えばLEDヘッド等の光源による光を選択的に照射して静電潜像を形成するLEDヘッド24が配設される。尚、このLEDヘッド21〜24は、ここではそれぞれ対応するIDユニット11〜14から着脱可能に構成され、IDユニット11〜14及びLEDヘッド21〜24は、現像剤像形成部に相当する。
【0014】
更に、感光体ドラム14aの表面の静電潜像が形成された部分に所定色(ここではブラック)のトナーを付着させて現像し、トナー画像を発生させる現像ローラ14c、及び感光体ドラム14上のトナー画像を中間転写ベルト54に転写した際に残留した転写残トナーを除去するクリーニングブレード14eが配設されている。このためクリーニングブレード14eは弾性体で形成され、そのエッジ部が感光体ドラム14aの表面に一定の圧力で接触するように配置されている。
【0015】
現像ローラ14cには、現像ローラ14cにトナーを供給すると共に摩擦帯電させる供給ローラ14dが接触した状態で配置され、これらの上方には供給ローラ14dへ供給するトナーを貯蔵するトナーカートリッジ14fが配置されている。このトナーカートリッジ14fは、ブラック(K)のトナーを貯蔵して、IDユニット14本体に着脱可能に取り付けられる。尚、これら各装置に用いられている回転体は、後述するIDモータ115(図2)からギアなどを経由して動力が伝達され回転する。
【0016】
IDユニット11〜14の各感光体ドラム11a〜14aには、それぞれ中間転写ベルト54を介して1次転写部材としての1次転写ローラ31〜34が対向して配置され、挟持する中間転写ベルト54の矢印A方向移動を許容しながら、感光体ドラム11a〜14aが中間転写ベルト54に接する各1次転写位置において、各感光体ドラム11a〜14aの表面に形成された各色のトナー画像を中間転写ベルト54に順次重ねて1次転写する。この1次転写の際には、後述するように、1次転写電圧制御部106(図2)によって、各1次転写ローラ31〜34に所定の転写電圧が印加される。
【0017】
クリーニングブレード55は、ベルト従動ローラ52に対向する位置で中間転写ベルト54に当接して配置され、中間転写ベルト54の表面に付着するトナー等の付着物を掻き落とす。ここで掻き落とされた付着物は、クリーナ容器56に落下し、収容される。
【0018】
2次転写ベルト63は、高抵抗の半導電性プラスチックフィルムで、継目なしのエンドレス状に形成されており、2次転写ローラ61と駆動ローラ62に架けられ、駆動ローラ62によって回転駆動されて矢印B方向に移動する。2次転写ローラ61は、中間転写ベルト54と2次転写ベルト63とが2次転写位置となるニップ部を形成するように、バックアップローラ53に圧接した状態で、Y軸方向に延在するバックアップローラ53及び2次転写ローラ61の各回転軸が、略Z軸に沿って並ぶように配置されている。尚、2次転写ベルト63、2次転写ローラ61、及び駆動ローラ62は、2次転写部材に相当する。
【0019】
従って、駆動ローラ62は、2次転写ベルト63のニップ部における矢印C方向移動速度が中間転写ベルト54と同じになるように、後述する2次転写モータ117(図2)によって回転駆動される。クリーニングブレード64は、駆動ローラ62に対向する位置で2次転写ベルト63に当接して配置され、2次転写ベルト63からトナー等の付着物を掻き落とす。ここで掻き落とされた付着物は、クリーナ容器65に落下し、収容される。
【0020】
記録媒体収容カセット71は、プリンタ1の下部に着脱可能に取り付けられ、記録媒体としての記録用紙2を積載する。記録媒体収容カセット71に積載された記録用紙2は、所定のタイミングで、図示しない弁別手段とホッピングローラ72により1枚ずつ取り出され、レジストローラ対73、搬送ローラ対74,75により中間転写ベルト54と2次転写ローラ63のニップ部に搬送される。後述するように、ホッピングローラ72はホッピングモータ111(図2)によって回転駆動され、レジストローラ対73はレジストモータ112(図2)によって回転駆動され、搬送ローラ対74,75及び76は搬送モータ113(図2)によって回転駆動される。尚、図1では、記録用紙2の搬送路を点線で示している。ホッピングローラ72、レジストローラ対73、及び搬送ローラ対74,75が媒体搬送部に相当する。
【0021】
ニップ部である2次転写位置では、2次転写ベルト63及び2次転写ローラ63により、中間転写ベルト54に転写されているトナー像をニップ部に搬送されてきた記録用紙2に2次(再)転写する。この2次転写の際には、後述するように、2次転写電圧制御部107(図2)によって、2次転写ローラ61に所定の転写電圧が印加される。
【0022】
定着ユニット68は、内部に熱源を備えたヒートローラ66と、図示しない付勢手段によりヒートローラ66に付勢される加圧ローラ67を有し、記録用紙2がヒートローラ66と加圧ローラ67間を通過する間に、記録用紙2上に転写されたトナー画像を、熱と圧力により定着する。搬送ローラ対76は、トナーが定着された記録用紙2をプリンタ1の外部に形成されたスタッカ部69へ排出する。
【0023】
図2は、プリンタ1の本発明に関与する動作を制御する制御系100の要部構成を示すブロック図である。
【0024】
同図中、印刷制御部101は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、I/Oポート、タイマ等によって構成され、図示しない各センサ及び各部から入力する情報信号を解析、演算、条件判断し、各部への指示信号を出力することで、機構部制御と印加電圧制御を統括的に行っている。画像処理部102は、上位のホストコンピュータから送られてくる画像データを取り込み、印刷可能なデータ形式に変換する。Video処理部103では、画像処理部102で変換された画像データをLEDヘッド21〜24に出力する。尚、図2では、各LEDヘッド21〜24のブロックを、省略して1つのブロックで表している。
【0025】
ホッピングローラ72を回転駆動するホッピングモータ111、レジストローラ対73を回転駆動するレジストモータ112、搬送ローラ74,75,76を回転駆動する搬送モータ113、中間転写ベルト54を矢印A方向に移動する駆動ローラ51を回転駆動するベルトモータ114、IDユニット11〜14の各回転体を回転駆動するIDモータ115、定着ユニット68のヒートローラ66及び加圧ローラ67を回転駆動する定着ユニットモータ116、及び2次転写ベルト63を矢印B方向に移動する駆動ローラ62を回転駆動する2次転写モータ117の各モータは、印刷制御部101からの指示信号を受けて各モータを駆動制御するモータ駆動制御部108によって、所定のタイミング、速度で回転駆動される。
【0026】
帯電電圧制御部104、現像電圧制御部105、1次転写電圧制御部106、及び2次転写電圧制御部107は、印刷制御部101から、それぞれが電圧制御するIDユニット11〜14の各帯電ローラ11b〜14b、IDユニット11〜14の各現像ローラ11c〜14c、1次転写ローラ31〜34、及び2次転写ローラ61に印加する印加電圧値を示す指示信号を受け、対応する各部へ指示された電圧を印加する。尚、図2では、各帯電ローラ11b〜14b、現像ローラ11c〜14c、1次転写ローラ31〜34、及び2次転写ローラ61の各ブロックを、簡単のために省略してそれぞれ1つのブロックで表している。トナー消費量演算部120は、後述するように印刷動作などで消費されるトナー量を、各色毎に算出、保持し、印刷制御部101に通知する。
【0027】
以上の構成において、先ず通常の印刷動作時の動作について説明する。
【0028】
プリンタ1は、図示しないPC等の外部装置から送られてきた画像データを受信すると、画像処理部102にてデータ処理を行う。印刷制御部101は画像データが印刷可能なデータ形式に変換されると印刷動作を開始する。
【0029】
先ず、印刷制御部101は、ベルトモータ114、IDモータ115、及び2次転写モータ117を、モータ駆動制御部108を介して回転駆動制御すると同時に、帯電電圧制御部104及び現像電圧制御部105にそれぞれ印加電圧値を示す指示信号を送り、IDユニット11〜14の各帯電ローラ11b〜14b及び現像ローラ11c〜14cに所定値の電圧を印加する。感光体ドラム11a〜14aの帯電が安定すると、Video処理部103は、処理された画像データをLEDヘッド21〜24へ送信する。各LEDヘッド21〜24は、それぞれ送られてきたデータに対応するLEDを発光させて、帯電した対応する感光体ドラム11a〜14aの表面に静電潜像を形成する。静電潜像が形成された各感光体ドラム11a〜14aは、対応する現像ローラ11c〜14cにより各色のトナーが付着されて現像され、表面の静電潜像が形成された部分にトナー画像が形成される。
【0030】
また、印刷制御部101は、1次転写電圧制御部105へ印加電圧値を示す指示信号を送る。このとき各感光体ドラム11a〜14aにおいて、表面電位の差が後工程(露光や現像)に影響を及ぼさないように、静電潜像を各感光体ドラム11a〜14aに書き込み始めるより、少なくとも各感光体ドラム11a〜14aが中間転写ベルト54との接触部(1次転写位置)から露光部まで回転する時間以上前にそれぞれ対応する1次転写ローラ1031〜34に、転写に必要な所定の電圧を供給する。感光体ドラム11a〜14a上のトナー画像は、各1次転写位置で、対向する1次転写ローラ31〜34によって中間転写ベルト54上に順次重ねて転写され、フルカラーのトナー像となる。
【0031】
一方、印刷制御部101は、中間転写ベルト54上に形成されたトナー像が2次転写位置、即ち中間転写ベルト54と2次転写ベルト63のニップ部に到達するタイミングを見計らって、ホッピングモータ111、レジストモータ112、及び搬送モータ113を回転駆動すべくモータ駆動制御部108に指示信号を出力する。これにより、ホッピングローラ72、レジストローラ対73、搬送ローラ対74,75,76が所定の速度で回転を開始し、記録媒体収容カセット71から取り出した記録用紙2を2次転写位置へ搬送する。
【0032】
印刷制御部101は、画像データの送信開始タイミング、ベルトモータ114の駆動速度、及び1次転写位置から2次転写位置までの距離等から、中間転写ベルト54上のトナー像が2次転写位置に到達する時間を計算しており、中間転写ベルト54上のトナー像が搬送される記録用紙2の所定位置に2次転写されるように、ホッピングモータ111、レジストモータ112、及び搬送モータ113の回転タイミング及び回転速度を制御している。
【0033】
更に印刷制御部101は、記録用紙2が2次転写位置に到達するタイミングで2次転写電圧制御部107へ印加電圧値を示す指示信号を送り、2次転写ローラ61に、中間転写ベルト54上のトナー像のトナーと逆極性の2次転写電圧を印加する。ここでは、トナーはマイナス帯電しているので、例えばプラス2000Vを2次転写ローラ61に印加し、これにより中間転写ベルト54上のトナー像を記録用紙2に2次転写する。トナー像が転写された記録用紙2は、定着ユニット68に搬送され、ヒートローラ66と加圧ローラ67による加熱及び加圧によってトナー像が定着され、その後段に配置された搬送ローラ対76によってプリンタ1の外部に形成されたスタッカ部69に排出される。
【0034】
2次転写後、中間転写ベルト54に残留する残トナー等の付着物は、クリーニングブレード55によって掻き落とされ、クリーナ容器56に収容される。以上の動作を繰り返すことで印刷を行っている。
【0035】
次に、本実施の形態のプリンタ1が行うトナー廃棄動作について以下に説明する。
【0036】
トナー消費量算出部120は、通常の印刷動作時に各IDユニット11〜14で消費されるトナー量を個別に算出、保持し、トナー消費量が少ないIDユニットを印刷制御部に通知する。印刷制御部101は、各IDユニット11〜14内のトナー劣化起因によるグレイネス劣化等の印刷品位の悪化を防ぐために、トナー消費量算出部120からの通知に基づいて、電源投入時、カバーオープン/シャット時、色ずれ補正時、又は印刷動作の印刷起動の立ち上げ時の実行タイミングで後述するトナー廃棄を行う。但し、IDユニット11〜14のうち、次の実行タイミングまでにトナー消費量が少ないことが通知されたIDユニットのみでトナー廃棄を行うため、実行タイミングで実際にトナー廃棄を行うIDユニットの数は、各IDユニットのトナーの消費状況に応じて、1〜4の場合がありうる。
【0037】
尚、ここでいうトナー消費量が少ないときとは、例えば、A4用紙全面発光時(ベタ印刷)の画像ドット数を100%とした場合、A4用紙1枚あたりの画像ドットの割合が、例えば3%より低いような場合である。
【0038】
図3は、上記した実行タイミングで、4つのIDユニットでトナー廃棄が行われる場合の動作説明に供する模式図である。
【0039】
トナー廃棄動作では、通常印刷時のように、トナー画像を重ね合わせる必要がないため、4色同時に画像形成プロセスが開始される。これにより図3に示すように、各感光体ドラム11a〜14aには、例えば、互いに重なり合わない程度の長さを有する、イエローの廃棄トナー像(Y)121、マゼンタの廃棄トナー像(M)122、シアンの廃棄トナー像(C)123、及びブラックの廃棄トナー像(K)124が形成され、それぞれ対応する1次転写ローラ31〜34によって略同時に中間転写ベルト54に転写される。尚、この時の画像形成プロセスで形成される廃棄トナー121〜124は、例えば印刷パターンが全面50%印刷で行われ、ベルト移動方向(矢印A方向)の長さは動作時の条件で適宜設定されているものとする。
【0040】
トナー廃棄は、上記したように各IDユニット11〜14毎のトナー消費状況によって実施されるため、図3に示すように4色同時とは限らず、3色、2色、或いは1色であったりする。
【0041】
図4は、4色でトナー廃棄が行われる場合に、2次転写ローラ61に印加される2次転写電圧の印加例を示すタイムチャートである。
【0042】
同タイムチャートに示すように、各IDユニット11〜14のうち、最下流に位置するIDユニット14で形成された廃棄トナー(K)124が、中間転写ベルト54と2次転写ベルト63のニップ部である2次転写位置に到達する時刻t1において、2次転写電圧をオフ(電圧を印加していない状態)からオンにして2次転写ローラ61に0V(ボルト)を印加する。次に最下流から3番目に位置するIDユニット12で形成された廃棄トナー(M)122が、2次転写位置に到達する時刻t3において、2次転写ローラ61に印加する2次転写電圧を0V(ボルト)から1000V(ボルト)に変え、そして最上流に位置するIDユニット11で形成された廃棄トナー(Y)121が2次転写位置を通過した段階で2次転写電圧をオフとする。
【0043】
これにより、廃棄トナー(K)124及び廃棄トナー(C)123の多くは、2次転写位置で転写されずに中間転写ベルト54上に残ったまま搬送され、やがてクリーニングブレード55で掻きとられる。一方、廃棄トナー(M)122及び廃棄トナー(Y)121の多くは、2次転写位置で2次転写ベルト63に転写されるため、2次転写ベルト63に転写された廃トナーは、2次転写ベルト63のクリーニング部に搬送されクリーニングブレード64で掻きとられる。
【0044】
上記の例では、4つのIDユニットにおいてトナー廃棄が行われる場合において、クリーニングブレード55と64に、それぞれ2色ずつ廃トナーを等分に振り分けて供給し、除去する例を示したが、1〜3のIDユニットにおいてトナー廃棄が行われる場合においても、クリーニングブレード55と64に、適当に廃トナーを振り分けて供給し、除去するように構成してもよい。
【0045】
通常の印刷動作時には、中間転写ベルト54上のトナー像を記録用紙2に転写するとき、わずかながら転写されないトナー(転写残トナー)が中間転写ベルト54上に残留し、クリーニングブレード55で掻き落としている。つまり通常の印刷動作時には、中間転写ベルト54のクリーニングブレード55には転写残トナーが供給されていることになる。このことを考慮すると、3や1の奇数のIDユニットでトナー廃棄が行われた場合、
(中間転写ベルト54のクリーニングブレード55で掻きとられる廃棄トナー量(A))
<(2次転写ベルト63のクリーニングブレード64で掻きとられる廃棄トナー量(B))
となるように、2次転写電圧を制御することが望ましい。
【0046】
また、本実施の形態では、トナー消費量が少ないとき、トナー消費量算出部120からの通知にもとづいて、電源投入時、カバーオープン/シャット時、色ずれ補正時、又は印刷動作の印刷起動の立ち上げ時の実施タイミングでトナー廃棄を行うと説明したが、これに限定されるものではなく、トナー消費量に拘わらずに、上記した所定の実施タイミングで、或いは定期的に、或いはユーザーの指示に基づいてトナー廃棄を行うように構成してもよいなど種々の態様を取り得るものである。
【0047】
また、本実施の形態では、IDユニットを4つ備えたカラー印刷対応のプリンタを例に説明したが、これに限定されるものではなく、本発明は、IDユニットが1つのモノクロ印刷対応のプリンタにも適用可能である。
【0048】
以上のように、本実施の形態のプリンタによれば、2次転写ベルト63のクリーニングブレード64にも潤滑剤として作用するトナーを供給するようにしたことで、2次転写ベルト63とクリーニングブレード64との接触部における、摩擦(負荷)の増大、異音発生、及びブレードめくれによるクリーニング不良等といった不具合の発生を防止することが可能となる。
【0049】
実施の形態2.
図5は、本発明に基づく実施の形態2のプリンタの本発明に関与する動作を制御する制御系200の要部構成を示すブロック図である。
【0050】
この制御系200を採用するプリンタが、前記した図2に示す実施の形態1の制御系100と主に異なる点は、印刷枚数計数部201が追加された点である。従って、この制御系200を採用するプリンタが、前記した実施の形態1のプリンタ(図1)と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。尚、本実施の形態のプリンタの要部構成は、上記制御系の一部以外において図1に示す実施の形態1のプリンタ1の要部構成と共通するため、必要に応じて図1を参照する。
【0051】
印刷制御部201は、後述するように、記録用紙2の用紙サイズをはみ出してトナー像を形成するように機構部制御と電圧印加制御を行う機能を備える。印刷枚数計数部211は、印刷枚数をカウントするカウンタ212、記録用紙2の用紙サイズをはみ出してトナー像を形成して行なった印刷(以後、縁なし印刷と称す場合がある)の印刷枚数をカウントする縁なし印刷カウンタ213、カウンタ212の値(N)と縁なし印刷カウンタ213の値(n)を保持する記憶部214からなる。尚、縁なし印刷に対して記録用紙の用紙サイズをはみ出さずにトナー像を形成する印刷を縁あり印刷と称す場合がある。
【0052】
次に、本実施の形態のプリンタの動作について以下に説明する。但し、通常印刷における縁あり印刷時の動作は、前記した実施の形態1において、通常の印刷動作時の動作として説明した動作と同じなので、ここでの説明は省略する。
【0053】
通常印刷における縁なし印刷時、印刷制御部201は、図6に示すように、記録用紙2の用紙サイズよりはみ出し量L[mm]だけはみ出すように、中間転写ベルト54上にトナー像を形成する。印刷制御部201は、縁あり印刷動作時と同じタイミングで記録用紙2を2次転写位置に搬送すべくモータ駆動制御部108に指示信号を出力し、ホッピングモータ111、レジストモータ112、及び搬送モータ113を回転駆動してホッピングローラ72、レジストローラ対73、搬送ローラ対74,75,76を回転させる。
【0054】
印刷制御部201は、記録用紙2が2次転写位置に到達するよりはみ出し量L[mm]手前で2次転写電圧制御部107へ印加電圧値を示す指示信号を送り、2次転写ローラ61に、中間転写ベルト54上のトナー像のトナーと逆極性の2次印加電圧を印加する。ここでは距離L[mm]手前としたが記録用紙2が2次転写位置に到達するまでに2次転写ローラ22に電圧を印加すれば良い。
【0055】
図6に、記録用紙2の用紙サイズ、縁あり印刷の印刷領域222(一点鎖線で囲まれた領域)、及び縁なし印刷の印刷領域221(点線で囲まれた領域)の関係を示す。
【0056】
縁あり印刷では、縁あり印刷領域222に形成されたトナー像は記録用紙2の用紙サイズの内側にあるので、2次転写時に2次転写ベルト63にトナーが付着することはない。一方、縁なし印刷では、形成されたトナー像は記録用紙2の用紙サイズの外側にも及ぶため、はみ出し部(斜線部)のトナーは、2次転写時に2次転写ベルト63に転写され、クリーニングブレード64で掻き落とされてクリーナ容器65に回収される。印刷枚数計数部211では、縁あり/縁なし印刷の合計印刷枚数をカウンタ212で、縁なし印刷の印刷枚数を縁なし印刷カウンタ213でカウントしており、それぞれのカウント値(N)及び(n)を記憶部214で保持している。
【0057】
次に、本実施の形態のプリンタが行うトナー廃棄動作について、図7に示すトナー廃棄動作のフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0058】
このフローチャートによるトナー廃棄動作は、前記した実施の形態1で説明したトナー廃棄動作が行われるタイミングで行われる。即ち、印刷制御部201が、トナー消費量算出部120からの通知に基づいて、電源投入時、カバーオープン/シャット時、色ずれ補正時、又は印刷動作の印刷起動の立ち上げ時の実行タイミングでトナー廃棄を行う。但し、IDユニット11〜14のうち、次の実行タイミングまでにトナー消費量が少ないことが通知されたIDユニットのみでトナー廃棄を行うため、実行タイミングで実際にトナー廃棄を行うIDユニットの数は、各IDユニットのトナーの消費状況に応じて、1〜4の場合がありうる。
【0059】
フローがスタートすると、印刷制御部201は、記憶部214に保持されている縁なし印刷カウンタ213のカウント値(n)を参照して縁なし印刷が行われた枚数を確認し(ステップS101)、n=0の場合(ステップS101、Yes)、後述する実施条件Aのもとにトナー廃棄動作を実施した後(ステップS102)、ステップS106に進む。
【0060】
ステップS102における実施条件Aは、前回のトナー廃棄動作実施以後の通常印刷時に縁なし印刷が行われなかったため(n=0)、その間、2次転写ベルト63にトナーが付着することがなかった状況で行うトナー廃棄動作であるため、
(中間転写ベルト54のクリーニングブレード55で掻きとられる廃棄トナー量(A))
<(2次転写ベルト63のクリーニングブレード64で掻きとられる廃棄トナー量(B))
となるよう2次転写電圧を制御する。
【0061】
ここで行うトナー廃棄動作は、前記した実施の形態1で説明したトナー廃棄動作であるが、4つのIDユニット11〜14の内、トナー消費量算出部120でトナー消費量が少ないことが通知されたIDユニットにおいて行われるため、図3及び図4で説明したように4色の廃棄トナー121〜124が同時に形成されるとは限らず、形成される廃棄トナーが3色、2色、或いは1色であったりする。従って実施条件Aに従うと、
廃棄トナーが4色の場合、3色分の廃棄トナーが廃棄トナー量(B)となり、他の1色分の廃棄トナーが廃棄トナー量(A)となるように2次転写電圧を制御し、
廃棄トナーが3色の場合、2色分の廃棄トナーが廃棄トナー量(B)となり、他の1色分の廃棄トナーが廃棄トナー量(A)となるように2次転写電圧を制御し、
廃棄トナーが1色の場合、1色分の廃棄トナーが廃棄トナー量(B)となるように2次転写電圧を制御する。
ただし廃棄トナーが2色の場合はこの限りではなく、1色分の廃棄トナーが廃棄トナー量(B)となり、他の1色分の廃棄トナーが廃棄トナー量(A)となるように2次転写電圧を制御する。
尚、2次転写電圧の印加方法は、前記した実施の形態1で説明した通りなので、ここでの説明は省略する。
【0062】
一方、ステップS101で 0<n が確認された場合(ステップS101、No)、更に縁なし印刷が全体の印刷枚数に対してどのくらいの割合で行われているかを判断する(ステップS103)。ここで0<n/N≦0.7であった場合(ステップS103、Yes)、後述する実施条件Bのもとにトナー廃棄動作を実施した後(ステップS104)、ステップS106に進む。
【0063】
ステップS104における実施条件Bは、前回のトナー廃棄動作実施以後、通常印刷時に縁なし印刷が適度に実施され、その際に図6に示すはみ出し部(斜線部)のトナーが2次転写ベルト24に転写されることから、クリーニングブレード64にも適度にトナーが供給されていると判断される状況で行うトナー廃棄動作であるため、
(中間転写ベルト54のクリーニングブレード55で掻きとられる廃棄トナー量(A))
≦(2次転写ベルト63のクリーニングブレード64で掻きとられる廃棄トナー量(B))
となるよう2次転写電圧を制御する。
【0064】
従って、実施条件Bに従うと、例えば
廃棄トナーが4色の場合、2色分の廃棄トナーが廃棄トナー量(B)となり、他の2色分の廃棄トナーが廃棄トナー量(A)となるように2次転写電圧を制御し、
廃棄トナーが3色の場合、2色分の廃棄トナーが廃棄トナー量(B)となり、他の1色分の廃棄トナーが廃棄トナー量(A)となるように2次転写電圧を制御し、
廃棄トナーが2色の場合、1色分の廃棄トナーが廃棄トナー量(B)となり、他の1色分の廃棄トナーが廃棄トナー量(A)となるように2次転写電圧を制御し、
廃棄トナーが1色の場合、1色分の廃棄トナーが廃棄トナー量(B)となるように2次転写電圧を制御する。
【0065】
一方、ステップS103で 0.7<n/N≦1 が確認された場合(ステップS103、No)、後述する実施条件Cのもとにトナー廃棄動作を実施した後(ステップS105)、ステップS106に進む。
【0066】
ステップS105における実施条件Cは、前回のトナー廃棄動作実施以後、通常印刷時に縁なし印刷が頻繁に実施され、その際に図6に示すはみ出し部(斜線部)のトナーが2次転写ベルト24に転写されることから、クリーニングブレード64にも(十分な)より多くのトナーが供給されていると判断される状況で行うトナー廃棄動作であるため、
(中間転写ベルト54のクリーニングブレード55で掻きとられる廃棄トナー量(A))
≧(2次転写ベルト63のクリーニングブレード64で掻きとられる廃棄トナー量(B))
となるよう2次転写電圧を制御する。
【0067】
従って、実施条件Cに従うと、例えば
廃棄トナーが4色の場合、2色分の廃棄トナーが廃棄トナー量(B)となり、他の2色分の廃棄トナーが廃棄トナー量(A)となるように2次転写電圧を制御し、
廃棄トナーが3色の場合、1色分の廃棄トナーが廃棄トナー量(B)となり、他の2色分の廃棄トナーが廃棄トナー量(A)となるように2次転写電圧を制御し、
廃棄トナーが2色の場合、1色分の廃棄トナーが廃棄トナー量(B)となり、他の1色分の廃棄トナーが廃棄トナー量(A)となるように2次転写電圧を制御し、
廃棄トナーが1色の場合、1色分の廃棄トナーが廃棄トナー量(A)となるように2次転写電圧を制御する。
【0068】
上記した実施条件A、B、Cの何れかによるトナー廃棄動作を実施した後、カウンタ212及び縁なし印刷カウンタ213のカウント値をリセットし(ステップS106)、処理を終了する。
【0069】
以上のように、本実施の形態のプリンタによれば、通常印刷時の縁なし印刷の頻度によって、トナー廃棄動作時における廃棄トナーの、中間転写ベルトのクリーニングブレードや2次転写ベルトのクリーニングブレードへの分配率を調整するようにしたため、各クリーニングブレードへのトナー供給をより適切に(例えばより均等に)実行することができる。これにより、2次転写ベルト63とクリーニングブレード64との接触部における、摩擦(負荷)の増大、異音発生、及びブレードめくれによるクリーニング不良等といった不具合の発生をより確実に防止することが可能となる。
【0070】
尚、上記した各実施の形態では、2次転写に、2次転写ベルトを用いた例について説明したが、2次転写ベルトを用いずに、2次転写ローラによって直接転写し、この2次転写ローラがクリーニングブレードを備える構成とした場合でも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
上記した各実施の形態では、中間転写方式のプリンタに適用した例を用いて説明したが本発明はこれに限定されず、ファクシミリ装置、複写機、MFP(Multifunction Peripheral)等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 プリンタ、 2 記録用紙、 11 IDユニット、 11a 感光体ドラム、 12 IDユニット、 12a 感光体ドラム、 13 IDユニット、 13a 感光体ドラム、 14 IDユニット、 14a 感光体ドラム、 14b 帯電ローラ、 14c 現像ローラ、 14d 供給ローラ、 14e クリーニングブレード、 14f トナーカートリッジ、 21 LEDヘッド、 22 LEDヘッド、 23 LEDヘッド、 24 LEDヘッド、 31 1次転写ローラ、 32 1次転写ローラ、 33 1次転写ローラ、 34 1次転写ローラ、 51 駆動ローラ、 52 ベルト従動ローラ、 53 バックアップローラ、 54 中間転写ベルト、 55 クリーニングブレード、 56 クリーナ容器、 61 2次転写ローラ、 62 駆動ローラ、 63 2次転写ベルト、 64 クリーニングブレード、 65 クリーナ容器、 66 ヒートローラ、 67 加圧ローラ、 68 定着ユニット、 71 記録媒体収容カセット、 72 ホッピングローラ、 73 レジストローラ対、 74 搬送ローラ対、 75 搬送ローラ対、 76 搬送ローラ対、 100 制御系、 101 印刷制御部、 102 画像処理部、 103 Video処理部、 104 帯電電圧制御部、 105 現像電圧制御部、 106 1次転写電圧制御部、 107 2次転写電圧制御部、 108 モータ駆動制御部、 111 ホッピングモータ、 112 レジストモータ、 113 搬送モータ、 114 ベルトモータ、 115 IDモータ、 116 定着ユニットモータ、 117 2次転写モータ、 121 廃棄トナー、 122 廃棄トナー、 123 廃棄トナー、 124 廃棄トナー、 201 印刷制御部、 211 印刷枚数計数部、 212 カウンタ、 213 縁なし印刷カウンタ、 214 記憶部、 221 縁あり印刷の印刷領域、 222 縁なし印刷の印刷領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤像を形成する現像剤像形成部と、
前記現像剤像形成部で形成した前記現像剤像を中間転写体に1次転写する1次転写部材と、
前記中間転写体に1次転写された現像剤像を少なくとも記録媒体に2次転写する2次転写部材と、
前記記録媒体を前記2次転写が行われる2次転写位置に搬送する媒体搬送部と、
前記2次転写部材をクリーニングする接触クリーニング部材と、
前記1次転写部材及び前記2次転写部材に、転写に必要な転写電圧を印加する電圧制御部と、
少なくとも前記現像剤像の形成、前記媒体の搬送、前記1次転写、及び前記2次転写を制御する制御部と
を有し、
前記制御部は、
前記現像剤像形成部で廃棄用現像剤像を形成し、
前記廃棄用現像剤像を前記中間転写体に1次転写し、
前記中間転写体に1次転写した廃棄用現像剤像を前記2次転写部材自体に2次転写する
現像剤廃棄動作を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数の色にそれぞれ対応する現像剤像を形成する複数の現像剤像形成部と、
前記複数の現像剤像形成部にそれぞれ対応して配置され、対応する現像剤像形成部で形成した前記現像剤像を中間転写体に1次転写する複数の1次転写部材と、
前記中間転写体に1次転写された現像剤像を記録媒体に2次転写する2次転写部材と、
前記記録媒体を前記2次転写が行われる2次転写位置に搬送する媒体搬送部と、
前記2次転写部材をクリーニングする接触クリーニング部材と、
前記1次転写部材及び前記2次転写部材に、転写に必要な転写電圧を印加する電圧制御部と、
少なくとも前記現像剤像の形成、前記媒体の搬送、前記1次転写、及び前記2次転写を制御する制御部と
を有し、
前記制御部は、
指定する色に対応する前記現像剤像形成部で廃棄用現像剤像を形成し、
形成した前記廃棄用現像剤像を、前記中間転写体の色ごとに異なる位置に1次転写し、
前記中間転写体に1次転写した廃棄用現像剤像のうち、指定する廃棄用現像剤像を前記2次転写部材自体に2次転写する
現像剤廃棄動作を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記複数の色の現像剤の消費量が少ないことを個別に検出する現像剤消費量演算部を備え、
前記制御部は、前記現像剤廃棄動作を行うとき、前記現像剤消費量演算部によって前記現像剤の消費量が少ないことが検出された現像剤の色に対応する前記現像剤像形成部で前記廃棄用現像剤像を形成することを特徴とする請求項2記載の画像御形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記現像剤消費量演算部によって、何れかの色に対応する前記現像剤の消費量が少ないことが検出された時、所定のタイミングで前記現像剤廃棄動作を行うことを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、定期的に前記現像剤廃棄動作を行うことを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記現像剤廃棄動作を行う時、前記2次転写部材自体に転写する廃棄用現像剤像の量が、転写しない廃棄用現像剤像の量以上となるように前記転写電圧を制御することを特徴とする4又は5記載の画像形成装置。
【請求項7】
上位装置から入力する画像情報に基づいて形成される前記現像剤像を前記印刷媒体に転写する通常印刷時において、印刷する記録媒体の印刷枚数、及び前記記録媒体のサイズを超える現像剤像を該記録媒体に印刷するはみ出し印刷による印刷枚数をカウントする印刷枚数計数部を備え、
前記制御部は、前記印刷枚数に対する前記はみ出し印刷による印刷枚数の比率に基づいて、前記2次転写部材自体に転写する廃棄用現像剤像の量と転写しない廃棄用現像剤像の量とを設定することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記所定のタイミングとは、画像形成装置の、電源投入時、カバーオープン/シャット時、色ずれ補正時、又は印刷動作の印刷起動の立ち上げ時の何れかであることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記中間転写体は、中間転写ベルトであることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記2次転写部材は、2次転写ローラ、駆動ローラ、及び2次転写ローラと駆動ローラに架けられた2次転写ベルトを備えることを特徴とする請求項1乃至9何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記接触クリーニング部材はクリーニングブレードであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−53085(P2012−53085A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193118(P2010−193118)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】