説明

画像形成装置

【課題】 本発明は、プロセスカートリッジの交換等の作業に伴う、複数個のプロセスカートリッジを像担持ベルトから離間させる機構をフルカラーモードとモノクロモードの切り替え機構と同一とし、プロセスカートリッジを退避させるスペースが不要となる。
【解決手段】 全色の一次転写ローラ31を感光ドラム1に当接させるフルカラーモードと、単色の一次転写ローラ31Kのみを感光ドラム1Kに当接させるモノクロモードとを切り替えるモード切替え手段を有し、モノクロモードでの画像形成に使用される単色のプロセスカートリッジ9Kが開口部2から最も奥側に配置され、モノクロモードでの開口部2から最も奥側に配置された単色のプロセスカートリッジ9Kの感光ドラム1Kに単色の一次転写ローラ31Kのみが当接した状態でカートリッジトレイ26が移動可能に設けられた構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスカートリッジを着脱可能な画像形成装置に関する。電子写真画像形成装置は、電子写真画像形成プロセスを用いて記録媒体に画像を形成するものである。電子写真画像形成装置としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(レーザービームプリンタ、LED(発光ダイオード)プリンタ等)等である。
【0002】
また、記録媒体とは、電子写真画像形成プロセスを用いて画像を形成されるものである。例えば、記録シート、OHP(Overhead projector)シート、ラベル等である。
【0003】
また、プロセスカートリッジとは、電子写真感光体と前記電子写真感光体に作用するプロセス手段、例えば、現像手段、帯電手段、クリーニング手段の少なくとも一つとを一体的にカートリッジ化して、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能なものである。
【0004】
ここで、プロセスカートリッジは、使用者自身によって装置本体に対する着脱を行うことができ、装置の操作性が非常に優れている。
【背景技術】
【0005】
従来、カラー電子写真画像形成装置においては、装置本体に対して移動可能な移動部材に複数個のプロセスカートリッジを支持する構成が考えられている。この構成によれば、複数個のプロセスカートリッジを装置本体内へ同時に挿入することが出来る。
【0006】
以下、図6及び図7により、従来のカラー電子写真画像形成装置について説明する。
【0007】
図6は従来のカラー電子写真画像形成装置の断面を示している。感光ドラム1K,1C,1M,1Yは、現像ローラ5K,5C,5M,5Y等と一体となったプロセスカートリッジ9K,9C,9M,9Yとして、画像形成装置本体に対して着脱可能に設けられている。
【0008】
以下、記述の煩雑化を防ぐために、K(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の4つのプロセスカートリッジ9K,9C,9M,9Yをプロセスカートリッジ9で代表させて説明する。関連する各プロセス手段についても同様とする。
【0009】
プロセスカートリッジ9を保持しながら移動する移動部材をカートリッジトレイ26という。
【0010】
カートリッジトレイ26は、画像形成装置本体に対して、ガイドレール27で支えられ、図6の左右方向にスライド可能に設けられている。
【0011】
図7は、ドア28を開いた状態で、カートリッジトレイ26を画像形成装置本体より引き出した状態である。この状態で各プロセスカートリッジ9の上面が開放され、それぞれのプロセスカートリッジ9は、図7のように、上方向に取り外し可能になる。
【0012】
このような構成を有するカラー画像形成装置が特許文献1に開示されている。
【0013】
このようなカラー画像形成装置では、カラー画像の出力(フルカラーモード)を常に要求されるわけではなく、例えば黒色のみといったモノクロ画像の出力(モノクロモード)を要求される場合も少なくない。
【0014】
この要求に応じるべく、特許文献2、3では、フルカラーモードが選択された場合には全ての感光ドラム1を被転写材に当接させる。モノクロモードが選択された場合にはブラックの感光ドラム1Kのみを被転写材に当接させるといった構成を有するカラー画像形成装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2007−213018号公報(図1〜図6)
【特許文献2】特開2005−338437号公報(図6)
【特許文献3】特開2001−318508号公報(図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
前述した従来のカラー電子写真画像形成装置は、プロセスカートリッジ9の交換等の作業を行うためにカートリッジトレイ26を移動するため、プロセスカートリッジ9を中間転写ベルト18から離間させる必要があった。
【0017】
また、モノクロモード時に中間転写ベルト18や感光ドラム1の損傷を防ぎ、プロセスカートリッジ9内のローラ回転等によるトナー劣化を抑制するためにフルカラーモードとモノクロモードを切り替える離間機構を設ける。すると、プロセスカートリッジ9の交換等の作業に伴う前記離間機構と組み合わせることで複雑な構成となり、装置が大型化する傾向にある。
【0018】
本発明では、プロセスカートリッジの交換等の作業に伴う、複数個のプロセスカートリッジを像担持ベルトから離間させる機構をフルカラーモードとモノクロモードの切り替え機構と同一とする。これにより、機構を簡略化することができる。また、プロセスカートリッジを像担持ベルトから離間させるために、プロセスカートリッジを退避させるスペースが不要となる。これにより、装置の小型化が達成できるとともに、プロセスカートリッジと像担持ベルトとの当接離間機構を安価に実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、静電潜像が形成される像担持体と、該像担持体上に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する画像形成プロセス手段とを有するプロセスカートリッジと、前記像担持体に対向して配置される像担持ベルトと、前記像担持ベルトを挟んで前記像担持体とは反対側に配置され、該像担持体上に形成されたトナー画像を前記像担持ベルトに転写する転写手段と、複数の前記プロセスカートリッジを着脱可能に搭載すると共に、前記像担持ベルトの搬送方向に沿って直線的に移動して該プロセスカートリッジを画像形成装置本体に設けられた開口部から装置外に露出させ得る移動手段と、全色の前記転写手段を前記像担持ベルトを挟んで前記像担持体に当接させるフルカラーモードと、単色の前記転写手段のみを前記像担持ベルトを挟んで前記像担持体に当接させるモノクロモードとを切り替えるモード切替え手段とを有し、前記モノクロモードでの画像形成に使用される単色の前記プロセスカートリッジが前記移動手段の移動方向に対して前記画像形成装置本体の前記開口部から最も奥側に配置され、前記モノクロモードでの前記画像形成装置本体の前記開口部から最も奥側に配置された単色の前記プロセスカートリッジの前記像担持体に前記像担持ベルトを挟んで単色の前記転写手段のみが当接した状態で、前記移動手段が移動可能に設けられたことを特徴とする。
【0020】
上記構成によれば、モノクロモードでの画像形成に使用される単色のプロセスカートリッジが移動手段の移動方向に対して画像形成装置本体の開口部から最も奥側に配置される。そして、モノクロモードでの画像形成装置本体の開口部から最も奥側に配置された単色のプロセスカートリッジの像担持体に像担持ベルトを挟んで単色の転写手段のみが当接した状態で移動手段が移動可能に設けられる。これによりモノクロモードに切り替えて、プロセスカートリッジを着脱可能に搭載した移動手段を像担持ベルトの搬送方向に沿って直線的に移動して該プロセスカートリッジを画像形成装置本体に設けられた開口部から装置外に露出させることが出来る。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、モノクロモードとフルカラーモードを切り替え可能な当接離間機構を有する。これによりモノクロモード時に像担持ベルトや像担持体の損傷を防ぎ、プロセスカートリッジ内のローラ回転等によるトナー劣化を抑制することが出来る。
【0022】
また、モノクロモードでのプロセスカートリッジと像担持ベルトとの接触面積の少ない状態で、プロセスカートリッジを支持する移動手段を装置本体から引き出し可能とする。これにより、移動手段の引き出し操作のための当接離間機構を新たに備える必要がない。また、プロセスカートリッジを像担持ベルトから離間させるので、従来例のような全てのプロセスカートリッジを退避させるスペースが不要となり、小型化された安価な装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る画像形成装置の第1実施形態においてフルカラーモードの状態を示す断面説明図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の第1実施形態においてモノクロモードの状態を示す断面説明図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の第1実施形態においてモノクロモードの状態でプロセスカートリッジを取り出すためのドアを開放した様子を示す断面説明図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の第1実施形態においてモノクロモードの状態でプロセスカートリッジを取り出すためのドアを開放してプロセスカートリッジを取り出す様子を示す断面説明図である。
【図5】本発明に係る画像形成装置の第2実施形態においてモノクロモードの状態でプロセスカートリッジを取り出すためのドアを開放した様子を示す断面説明図である。
【図6】従来の画像形成装置の構成を説明する図である。
【図7】従来の画像形成装置の構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図により本発明に係る画像形成装置の一実施形態を具体的に説明する。
【実施例1】
【0025】
先ず、図1〜図4を用いて本発明に係る画像形成装置の第1実施形態の構成について説明する。図1〜図4に示す画像形成装置はレーザービームプリンタの一例を示す。
【0026】
<画像形成装置>
図1〜図4において、静電潜像が形成される像担持体となる感光ドラム1K,1C,1M,1Yに対向して像担持ベルトとなる中間転写ベルト18が配置されている。感光ドラム1K,1C,1M,1Yは、現像ローラ5K,5C,5M,5Y等と一体となったプロセスカートリッジ9K,9C,9M,9Yとして、画像形成装置本体に対して着脱可能に設けられている。プロセスカートリッジ9K,9C,9M,9Yは、感光ドラム1K,1C,1M,1Y上(像担持体上)に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する各種の画像形成プロセス手段を有する。
【0027】
各種の画像形成プロセス手段とは、図示しないが、感光ドラム1K〜1Yの外周に配置され、該感光ドラム1K〜1Yの表面を一様に帯電する帯電手段としての帯電ローラを有する。更に該帯電ローラにより表面が一様に帯電された感光ドラム1K〜1Yの表面に画像情報に応じて露光して静電潜像を形成する露光手段としてのレーザースキャナ25を有する。
【0028】
以下、記述の煩雑化を防ぐために、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4つのプロセスカートリッジ9K,9C,9M,9Yをプロセスカートリッジ9で代表させて説明する。関連する各画像形成プロセス手段についても同様とする。
【0029】
中間転写ベルト18を挟んで感光ドラム1とは反対側に転写手段としての一次転写ローラ31K,31C,31M,31Yが配置されている。一次転写ローラ31は、感光ドラム1上に形成されたトナー画像を中間転写ベルト18に転写する。
【0030】
これらの一次転写ローラ31は中間転写ベルト18を挟んで感光ドラム1にそれぞれ当接し、該感光ドラム1に形成されたトナー画像は中間転写ベルト18に転写される。
【0031】
カラー画像を形成する場合は、各感光ドラム1K,1C,1M,1Yに、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のトナー画像が現像され、それぞれのトナー画像が中間転写ベルト18に重畳して転写される。
【0032】
一方、シート給送トレイ13上に積載されたシート等の被転写材14は分離給送ローラ15により一枚ずつ分離されて給送される。そして、レジストローラ6により中間転写ベルト18上に形成されたトナー画像との同期をとって駆動ローラ16と転写ローラ17とのニップ部に送られる。
【0033】
そして転写ローラ17の作用により中間転写ベルト18に形成されたトナー画像が被転写材14に転写される。そして、定着ローラ20及び加圧ローラ21により加熱及び加圧されてトナー画像が被転写材14に溶融定着された後、排出ローラ22及び排出コロ23により挟持搬送されて排出トレイ24上に排出される。
【0034】
感光ドラム1は、現像ローラ5等と一体となったプロセスカートリッジ9として、画像形成装置本体に対して着脱可能に設けられている。カートリッジトレイ26は複数のプロセスカートリッジ9を着脱可能に搭載する移動手段として構成される。
【0035】
画像形成装置本体には図4の左右方向に配置されたガイドレール27が設けられている。そして、カートリッジトレイ26はガイドレール27に保持されつつガイドされて中間転写ベルト18の搬送方向(図4の左右方向)に沿って直線的に移動する。そして該プロセスカートリッジ9を画像形成装置本体に設けられた開口部2から装置外に露出させ得るように構成されている。
【0036】
画像形成装置本体の開口部2を開閉可能なドア28が該画像形成装置本体に対して回動可能に設けられる。
【0037】
<フルカラーモードとモノクロモードとの切替え>
図1及び図2を参照して、本実施形態における一次転写ローラ31の周辺の構成及び機能について説明する。本実施形態の画像形成装置は、全ての感光ドラム1K,1C,1M,1Yを用いてカラー画像を形成する。そして、全色の一次転写ローラ31K,31C,31M,31Yを中間転写ベルト18を挟んで各感光ドラム1K,1C,1M,1Yにそれぞれ当接させるフルカラーモードを有する。
【0038】
更に、単色(ブラック)の感光ドラム1Kのみを用いてモノクロ画像を形成する。そして、単色の一次転写ローラ31Kのみを中間転写ベルト18を挟んで感光ドラム1Kに当接させるモノクロモードとを有する。そして、フルカラーモードとモノクロモードとを切り替えるモード切替え手段となる図示しない制御手段となる制御部により制御されるカム機構を有する。尚、モード切替え手段となるカム機構の一例としては、図5に示して詳しくは後述するドア連動機構として構成される離間カム38等を採用することも出来る。
【0039】
カム機構は、画像形成装置本体の電源ON時、或いは、画像形成動作終了時、或いは、電源OFF時に、モノクロモードに切り替える。モノクロモードでは、画像形成装置本体の開口部2から最も奥側(図2の左側)に配置された単色のプロセスカートリッジ9Kの感光ドラム1Kに中間転写ベルト18を挟んで単色の一次転写ローラ31Kのみが当接した状態である。
【0040】
モノクロモードでの画像形成に使用される単色のプロセスカートリッジ9Kが、カートリッジトレイ26の移動方向に対して画像形成装置本体の開口部2から最も奥側(図2の左側)に配置される。
【0041】
そして、モノクロモードでは、画像形成装置本体の開口部2から最も奥側(図3の左側)に配置された単色のプロセスカートリッジ9Kの感光ドラム1Kに中間転写ベルト18を挟んで単色の一次転写ローラ31Kのみが当接する。その状態で、カートリッジトレイ26が移動可能に設けられる。
【0042】
中間転写ベルト18は、第一の支持部である第一のベルトユニット35と、第二の支持部である第二のベルトユニット36とにより回転可能に張架されている。第二のベルトユニット36は、連結支点37を中心に第一のベルトユニット35に対して回動可能に設けられている。第一のベルトユニット35は、画像形成装置本体の開口部2から最も奥側(図3の左側)に配置された単色のプロセスカートリッジ9Kの感光ドラム1Kに対向して設けられた一次転写ローラ31Kを回転可能に支持する。更に、第一のベルトユニット35には、中間転写ベルト18を回転駆動する駆動ローラ16及び該中間転写ベルト18を張架する従動ローラ3が設けられている。
【0043】
第二のベルトユニット36は、一次転写ローラ31C,31M,31Yを回転可能に支持する。一次転写ローラ31C,31M,31Yは、プロセスカートリッジ9K以外の画像形成装置本体の開口部2側(開口部側)に配置されたプロセスカートリッジ9C,9M,9Yのそれぞれの感光ドラム1C,1M,1Yに対向して設けられる。更に、第二のベルトユニット36には、中間転写ベルト18を張架するテンションローラ19が設けられている。
【0044】
そして、モノクロモードでの画像形成装置本体の開口部2から最も奥側(図3の左側)に配置された単色のプロセスカートリッジ9Kの感光ドラム1Kに中間転写ベルト18を挟んで単色の一次転写ローラ31Kのみが当接する。その状態で、第二のベルトユニット36を連結支点37を中心に第一のベルトユニット35に対して回動させる。
【0045】
そして、一次転写ローラ31C,31M,31Yを該感光ドラム1C,1M,1Yから離間してカートリッジトレイ26が移動可能に設けられている。一次転写ローラ31C,31M,31Yは、単色の一次転写ローラ31K以外(転写手段以外)の画像形成装置本体の開口部2側に配置されたプロセスカートリッジ9C,9M,9Yのそれぞれの感光ドラム1C,1M,1Yに対向して設けられている。
【0046】
図1は、フルカラーモード時における一次転写ローラ31及び中間転写ベルト18の状態を示す。図2は、モノクロモード時の一次転写ローラ31及び中間転写ベルト18の状態を示す。
【0047】
フルカラーモードが選択された場合は、第二のベルトユニット36が連結支点37を中心に図1の反時計回り方向に回動する。そして、一次転写ローラ31C,31M,31Yが感光ドラム1C,1M,1Yの方向へ付勢される。そして、中間転写ベルト18を介して所定の当接圧で該感光ドラム1C,1M,1Yに当接する。このとき、第一のベルトユニット35は固定位置で一次転写ローラ31Kが感光ドラム1Kの方向へ付勢され、中間転写ベルト18を介して所定の当接圧で該感光ドラム1Kに当接している。
【0048】
また、モノクロモードが選択された場合は、前記第二のベルトユニット36が前記連結支点37を中心に図2の時計回り方向に回動して、一次転写ローラ31C,31M,31Yが感光ドラム1C,1M,1Yから離間する。
【0049】
図2に示すように、単色(ブラック)の一次転写ローラ31Kのみが感光ドラム1Kから離間せずに該感光ドラム1Kに当接する状態になり、モノクロ画像を形成することができる。
【0050】
<プロセスカートリッジ交換方法>
図3及び図4を用いて、本実施形態のプロセスカートリッジ9の交換方法を説明する。カートリッジトレイ26はプロセスカートリッジ9を保持しながらガイドレール27に沿って図3及び図4の左右方向に移動する。
【0051】
カートリッジトレイ26は、画像形成装置本体に対して、ガイドレール27で支えられ、図3及び図4の左右方向にスライド可能に設けられている。カートリッジトレイ26は、プロセスカートリッジ9K,9C,9M,9Yを保持している。
【0052】
モノクロモードが選択されている状態で、図2及び図3に示すように、感光ドラム1C,1M,1Yが中間転写ベルト18より浮き上がり、カートリッジトレイ26は、画像形成装置本体から引き出し可能となる。
【0053】
図4に示すように、ドア28を開放してカートリッジトレイ26をガイドレール27に沿って引き出した状態で、プロセスカートリッジ9の上面が開放され、それぞれのプロセスカートリッジ9が取り外し可能になる。
【0054】
プロセスカートリッジ9を画像形成装置本体に装着する際は、逆の手順で、図4に示すように、カートリッジトレイ26を引き出した状態でプロセスカートリッジ9をカートリッジトレイ26に搭載する。そして、該カートリッジトレイ26をガイドレール27に沿って図4の左方向に押し込んで画像形成装置本体内部に収納する。
【0055】
モノクロモードで中間転写ベルト18と当接している感光ドラム1Kを保持する単色(ブラック)用のプロセスカートリッジ9Kは、画像形成装置本体の開口部2から最も奥側(図3の左側)に配置する。即ち、カートリッジトレイ26の移動方向(図3の左右方向)に対して画像形成装置本体の開口部2から最も奥側(図3の左側)である。これにより、カートリッジトレイ26を引き出す際に、感光ドラム1と、中間転写ベルト18とが接触する範囲を最小とすることが出来る。
【0056】
<自動制御によるモノクロモードへの切替え>
本実施形態では、中間転写ベルト18が、フルカラーモードとモノクロモードとの何れの状態にあるかを検知する図示しない検知機構を有する。更に、画像形成動作の終了時や、画像形成装置本体の電源ON時や電源OFF時など、ユーザがカートリッジトレイ26を操作することが想定される状態において、自動的にモノクロモードへ切替える図示しない制御機構を有する。そして、画像形成装置本体が画像形成動作可能な状態となる前に、第二のベルトユニット36が連結支点37を中心に図2の時計回り方向に回動して一次転写ローラ31C,31M,31Yを感光ドラム1C,1M,1Yから離間させてモノクロモードへ切り替える。
【0057】
図2及び図3に示す中間転写ベルト18の位置で、カートリッジトレイ26は画像形成装置本体からガイドレール27に沿って引き出し可能となる。
【実施例2】
【0058】
次に、図5を用いて本発明に係る画像形成装置の第2実施形態の構成について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。前記第1実施形態では、フルカラーモードとモノクロモードとの切替えを図示しない制御部による自動制御により行った。本実施形態では、ユーザがドア28を開放する操作に連動してフルカラーモードとモノクロモードとの切替えを行うものである。
【0059】
<ユーザ操作によるモノクロモードへの切替え>
本実施形態では、カートリッジトレイ26を引き出す際に、感光ドラム1と中間転写ベルト18との当接状態を確実にモノクロモードに切り替えるために、ユーザ操作により強制的にモノクロモードへ切り替える。
【0060】
前記第1実施形態と同様に、ドア28は画像形成装置本体に対して回動可能に設けられており、図5はドア28を開いた状態である。ユーザがドア28を開く動作に連動して回転する離間カム38が第二のベルトユニット36に設けられたカム当接部36aに当接する。
【0061】
そして該第二のベルトユニット36を連結支点37を中心に図5の時計回り方向に回動する。これにより、画像形成装置本体の開口部2から最も奥側(図5の左側)に配置された単色(ブラック)の一次転写ローラ31Kのみを中間転写ベルト18を挟んで感光ドラム1Kに当接させる。そして、一次転写ローラ31C,31M,31Yを感光ドラム1C,1M,1Yから離間させてモノクロモードに切り替える。
【0062】
そして、モノクロモードで単色(ブラック)のプロセスカートリッジ9Kの感光ドラム1Kに中間転写ベルト18を挟んで単色(ブラック)の一次転写ローラ31Kのみが当接した状態でカートリッジトレイ26が移動可能に設けられる。単色(ブラック)のプロセスカートリッジ9Kは画像形成装置本体の開口部2から最も奥側(図5の左側)に配置される。
【0063】
ドア28を開く動作に連動して回転する離間カム38により一次転写ローラ31C,31M,31Yを感光ドラム1C,1M,1Yから離間させる。この動作は、前記第1実施形態における自動制御によるモード状態に関わらず、中間転写ベルト18を感光ドラム1C,1M,1Yから離間させたモノクロモードに切り替え可能としている。
【0064】
このため、万が一、印刷動作中に電源が切れた場合などにおいても、ユーザによるドア28の開閉動作に連動して中間転写ベルト18を感光ドラム1C,1M,1Yから離間させた状態とすることが出来る。そしてカートリッジトレイ26をガイドレール27に沿って画像形成装置本体から引き出し可能となる。他の構成は、前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【符号の説明】
【0065】
1,1K,1C,1M,1Y …感光ドラム(像担持体)
2 …開口部
9,9K,9C,9M,9Y …プロセスカートリッジ
26 …カートリッジトレイ(移動手段)
31,31K,31C,31M,31Y …一次転写ローラ(転写手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される像担持体と、該像担持体上に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する画像形成プロセス手段と、を有するプロセスカートリッジと、
前記像担持体に対向して配置される像担持ベルトと、
前記像担持ベルトを挟んで前記像担持体とは反対側に配置され、該像担持体上に形成されたトナー画像を前記像担持ベルトに転写する転写手段と、
複数の前記プロセスカートリッジを着脱可能に搭載すると共に、前記像担持ベルトの搬送方向に沿って直線的に移動して該プロセスカートリッジを画像形成装置本体に設けられた開口部から装置外に露出させ得る移動手段と、
全色の前記転写手段を前記像担持ベルトを挟んで前記像担持体に当接させるフルカラーモードと、単色の前記転写手段のみを前記像担持ベルトを挟んで前記像担持体に当接させるモノクロモードとを切り替えるモード切替え手段と、
を有し、
前記モノクロモードでの画像形成に使用される単色の前記プロセスカートリッジが前記移動手段の移動方向に対して前記画像形成装置本体の前記開口部から最も奥側に配置され、
前記モノクロモードでの前記画像形成装置本体の前記開口部から最も奥側に配置された単色の前記プロセスカートリッジの前記像担持体に前記像担持ベルトを挟んで単色の前記転写手段のみが当接した状態で、前記移動手段が移動可能に設けられたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記像担持ベルトは、前記画像形成装置本体の前記開口部から最も奥側に配置された単色の前記プロセスカートリッジの前記像担持体に対向して設けられた第一の支持部と、それ以外の前記画像形成装置本体の前記開口部側に配置された前記プロセスカートリッジの前記像担持体に対向して設けられた前記転写手段を支持する第二の支持部とにより回転可能に張架され、
前記第二の支持部は、前記第一の支持部に対して回動可能に設けられ、
前記モノクロモードでの前記画像形成装置本体の前記開口部から最も奥側に配置された単色の前記プロセスカートリッジの前記像担持体に前記像担持ベルトを挟んで単色の前記転写手段のみが当接した状態で、前記第二の支持部を前記第一の支持部に対して回動させて、単色の前記転写手段以外の前記画像形成装置本体の前記開口部側に配置された前記プロセスカートリッジの前記像担持体に対向して設けられた前記転写手段を該像担持体から離間して前記移動手段が移動可能に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記モード切替え手段は、前記画像形成装置本体の電源ON時、或いは画像形成動作終了時、或いは電源OFF時に、前記モノクロモードでの前記画像形成装置本体の前記開口部から最も奥側に配置された単色の前記プロセスカートリッジの前記像担持体に前記像担持ベルトを挟んで単色の前記転写手段のみが当接した状態に切り替えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置本体の前記開口部を開閉可能なドアを該画像形成装置本体に対して回動可能に設け、
前記ドアを開放する動作に連動して、前記画像形成装置本体の前記開口部から最も奥側に配置された単色の前記転写手段のみを前記像担持ベルトを挟んで前記像担持体に当接させるモノクロモードに切り替え、
前記モノクロモードでの前記画像形成装置本体の前記開口部から最も奥側に配置された単色の前記プロセスカートリッジの前記像担持体に前記像担持ベルトを挟んで単色の前記転写手段のみが当接した状態で、前記移動手段が移動可能に設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−41110(P2013−41110A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177884(P2011−177884)
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】