画像形成装置
【課題】連続用紙を構成する各ページに形成される画像において、画像の欠けや画像の伸びが目立つことを抑制する。
【解決手段】複数の発光素子を主走査方向に配列してなる露光装置23を備えた画像形成部20を用いて、搬送方向Aに沿って搬送される連続用紙Sに画像を形成する。連続用紙Sは、複数のページを搬送方向Aに連ねた構成を有しており、露光装置23は、マーク検出センサ70による検出結果に基づき、主走査方向の1ラインを単位としてページ毎に露光動作を行う。また、露光装置23は、1ページ分の画像データに基づく対象ページの露光を行う際、マーク検出センサ70による検出結果に基づいて推測される対象ページの搬送方向長さに基づいて、1ページ分の画像に対応する露光動作におけるライン周期の調整を実行する。
【解決手段】複数の発光素子を主走査方向に配列してなる露光装置23を備えた画像形成部20を用いて、搬送方向Aに沿って搬送される連続用紙Sに画像を形成する。連続用紙Sは、複数のページを搬送方向Aに連ねた構成を有しており、露光装置23は、マーク検出センサ70による検出結果に基づき、主走査方向の1ラインを単位としてページ毎に露光動作を行う。また、露光装置23は、1ページ分の画像データに基づく対象ページの露光を行う際、マーク検出センサ70による検出結果に基づいて推測される対象ページの搬送方向長さに基づいて、1ページ分の画像に対応する露光動作におけるライン周期の調整を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
公報記載の従来技術として、複数ページを連ねてなる連続紙に画像を形成する画像形成装置において、連続紙における各ページに予めレジストマークを形成しておくとともに、連続紙の各ページに画像を形成する場合に、搬送される連続紙から読み取ったレジストマークに基づき、各ページに画像形成を行う際の主走査方向および副走査方向の位置合わせ(位置ずれ補正)を行うようにしたものが存在する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−266121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、連続用紙を構成する各ページに形成される画像において、画像の欠けや画像の伸びが目立つことを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、複数のページを副走査方向に連ねてなる連続用紙を、当該副走査方向に搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送される、前記連続用紙における複数のページを順次検知する検知手段と、前記検知手段による検知部位を通過し且つ前記搬送手段によって前記副走査方向に搬送される前記連続用紙に対し、当該連続用紙の面に沿い且つ当該副走査方向に交差する主走査方向の1ラインを単位として、順次画像を形成する画像形成手段と、前記検知手段による検知結果に基づいて、前記画像形成手段における前記主走査方向の1ラインの周期を、前記連続用紙におけるページ毎に調整する調整手段とを含む画像形成装置である。
請求項2記載の発明は、前記画像形成手段は、前記連続用紙における複数のページのそれぞれにおいて、前記副走査方向のライン数が同数となるように画像を形成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3記載の発明は、前記画像形成手段は、前記調整手段により前記主走査方向の1ラインの周期が調整されたラインに対応する画像を形成する際に、当該ラインの画像形成期間をさらに調整することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項4記載の発明は、前記調整手段は、前記連続用紙の1ページ内において前記主走査方向の複数のラインにて当該主走査方向の1ラインの周期をそれぞれ調整する場合に、前記副走査方向における周期性を有しないように当該複数のラインの位置を設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成装置である。
請求項5記載の発明は、前記調整手段は、前記連続用紙における複数のページのそれぞれに形成する画像の内容を前記主走査方向の1ライン毎に解析し、画像形成の対象となる画素の数が少ないラインの周期を調整することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置である。
【0006】
請求項6記載の発明は、複数のページを副走査方向に連ねてなる連続用紙を、当該副走査方向に搬送する搬送手段と、回転する感光体と、当該感光体を帯電する帯電装置と、当該感光体の回転方向と交差する主走査方向に沿って並べられた複数の発光素子を用いて、当該主走査方向の1ラインを単位として当該感光体を順次露光する露光装置と、当該帯電装置および当該露光装置を用いて当該感光体に形成された静電潜像を現像する現像装置と、当該現像装置を用いて前記感光体に現像された画像を前記副走査方向に搬送される前記連続用紙に転写する転写装置とを有する画像形成手段と、前記連続用紙における複数のページを構成する各ページが、前記感光体と前記転写手段との対向部を通過する通過期間を取得する取得手段と、前記取得手段による取得結果に基づいて、前記露光手段における前記主走査方向の1ラインの露光に要する周期を、前記連続用紙におけるページ毎に調整する調整手段とを含む画像形成装置である。
請求項7記載の発明は、前記露光手段は、前記連続用紙における複数のページのそれぞれにおいて、前記副走査方向のライン数が同数となるように露光を行うことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、連続用紙を構成する各ページに形成される画像において、画像の欠けや画像の伸びが目立つことを抑制することができる。
請求項2記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、連続用紙を構成する各ページに形成される画像において、画像の欠けや画像の伸びが目立つことをさらに抑制することができる。
請求項3記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、連続用紙を構成する各ページに形成される画像において、調整が施されたラインの画像を目立ちにくくさせることができる。
請求項4記載の発明によれば、連続用紙を構成する各ページに形成される画像において、調整が施されたラインの画像を目立ちにくくさせることができる。
請求項5記載の発明によれば、連続用紙を構成する各ページに形成される画像において、調整が施されたラインの画像を目立ちにくくさせることができる。
請求項6記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、連続用紙を構成する各ページに形成される画像において、画像の欠けや画像の伸びが目立つことを抑制することができる。
請求項7記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、連続用紙を構成する各ページに形成される画像において、画像の欠けや画像の伸びが目立つことをさらに抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態が適用される画像形成装置の全体構成の一例を示す図である。
【図2】画像形成部における露光装置の構成の一例を説明するための図である。
【図3】連続用紙の構成の一例を説明するための図である。
【図4】1ページ分の画像データの構成例を説明するための図である。
【図5】実施の形態1における制御部の構成の一例を説明するためのブロック図である。
【図6】設定用テーブル格納部に格納されている設定用テーブルの一例を示す図である。
【図7】画像形成動作における連続用紙の搬送と露光動作との関係を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】露光動作におけるライン同期信号および点灯許可信号と感光体ドラム上での露光領域との関係を示す図である。
【図9】画像形成動作に伴って感光体ドラム上に形成される画像の副走査方向長さを説明するための図である。
【図10】実施の形態1における制御部の構成の一例を説明するためのブロック図である。
【図11】設定用テーブル格納部に格納されている設定用テーブルの一例を示す図である。
【図12】ある対象ページにおける出力画像データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置10の全体構成の一例を示す図である。この画像形成装置10は、搬送方向Aに搬送される長尺な連続用紙Sにトナー像を形成する機能を有している。また、この画像形成装置10では、穿孔等が形成されていない所謂ピンレス用紙を、連続用紙Sとして用いている。
【0010】
本実施の形態の画像形成装置10は、搬送される連続用紙Sに画像(トナー像)を形成する画像形成部20と、画像形成部20からみて搬送方向Aの下流側に設けられ、連続用紙Sに形成された画像を加熱定着する定着部30と、定着部30よりも搬送方向Aの下流側に設けられ、連続用紙Sに搬送力を付与する搬送手段の一例としての搬送部40と、画像形成部20よりも搬送方向Aの上流側に設けられ、画像形成部20を通過する連続用紙Sに対し搬送部40とともに張力を付与し、且つ、画像形成部20に対して連続用紙Sを送り出す送り出し部50と、送り出し部50よりも搬送方向Aの上流側に設けられ、図示しない給紙装置から送られてくる連続用紙Sを送り出し部50に向けて供給する供給部60と、これら各部の動作を制御する制御部80とを備えている。また、画像形成装置10において、連続用紙Sの搬送経路中には、連続用紙Sを搬送するための複数の搬送ロールが設けられている。なお、以下の説明においては、連続用紙Sのうち、画像形成部20によって画像形成が行われる面を第1面と呼び、その裏面を第2面と呼ぶ。
【0011】
また、本実施の形態の画像形成装置10は、送り出し部50よりも搬送方向Aの下流側且つ画像形成部20よりも搬送方向Aの上流側であって、搬送される連続用紙Sの第1面と対向する部位に設けられ、連続用紙Sの第1面に形成されたレジストマーク(詳細は後述する)を検出するマーク検出センサ70をさらに備えている。検知手段あるいは取得手段の一例としてのマーク検出センサ70は、例えばレーザを光源とする反射型の光センサにて構成されている。
【0012】
本実施の形態において、画像形成手段の一例としての画像形成部20は、図中矢印B方向に回転する感光体ドラム21と、感光体ドラム21を帯電する帯電装置22と、帯電装置22よりも感光体ドラム21の回転方向下流側において帯電後の感光体ドラム21を露光する露光装置23と、露光装置23よりも感光体ドラム21の回転方向下流側において露光後の感光体ドラム21をトナーで現像する現像装置24と、現像装置24よりも感光体ドラム21の回転方向下流側において感光体ドラム21上に形成されたトナー像を連続用紙Sの第1面に転写する転写装置25と、転写装置25よりも感光体ドラム21の回転方向下流側且つ帯電装置22よりも感光体ドラム21の回転方向上流側において転写後の感光体ドラム21を清掃するクリーナ26とを備えている。なお、以下の説明においては、画像形成部20において感光体ドラム21と転写装置25とが対向する部位(連続用紙Sが通過する部位)を、転写位置Trと称する。ここで、転写位置Trにおいては、連続用紙Sの搬送方向Aと感光体ドラム21の回転方向Bとが、同じ向きとなる。また、転写位置Trを通過する連続用紙Sにおいて、感光体ドラム21と対向する側が第1面となり、転写装置25と対向する側が第2面となる。
【0013】
図2は、画像形成部20における露光装置23の構成の一例を説明するための図である。本実施の形態で用いた露光装置23は、LED(Light Emitting Diode)からなる発光素子を複数備えたLPH(LED Print Head)で構成されている。
この露光装置23は、複数の発光素子を搭載した発光ユニット230と、発光ユニット230から出力される光を感光体ドラム21(図1参照)の表面に結像させるためのレンズユニット(図示せず)とを備えている。また、発光ユニット230は、感光体ドラム21の回転方向B(図1参照)に対応する副走査方向SSと直交する主走査方向FSに沿って延びる基板231と、基板231における一方の面上に主走査方向FSに沿って設けられる発光素子列232とを有している。さらに、この例では、発光素子列232が、主走査方向FSに沿って並べられたn個の発光素子E1〜Enによって構成されている。そして、この例では、発光素子列232において、主走査方向FSに隣接する発光素子同士の間隔が、それぞれ約42.3μmに設定されている。このため、本実施の形態の画像形成装置10における主走査方向FSの解像度(主走査方向解像度)は、600dpi(dot per inch)となっている。なお、この画像形成装置10における副走査方向SSの解像度(副走査方向解像度)は、感光体ドラム21の回転速度と露光装置23による露光周期との関係に応じて、種々変更することが可能であるが、この例では、例えば600dpiに設定されている。
【0014】
図3は、連続用紙Sの構成の一例を説明するための図である。なお、図3は、画像形成部20による画像形成が行われる前であって、画像形成の対象となる第1面側から連続用紙Sを見たときの状態を示している。
本実施の形態の連続用紙Sは、画像形成後に切断されることを前提とした構成を有しており、1枚の連続用紙Sは、副走査方向SSに連なる複数のページを含んでいる。ここで、図3は、複数のページを有する連続用紙Sのうち、i番目のページPi、i番目のページPiに続くj番目のページPj、そしてj番目のページPjに続くk番目のページPkを例示している。なお、本実施の形態では、画像形成部20における副走査方向SSが連続用紙Sの搬送方向Aに対応しており、画像形成部20における主走査方向FSが連続用紙Sの搬送方向Aと交差する幅方向に対応している。
【0015】
連続用紙Sを構成する各ページにおいて、搬送方向Aからみて下流側となる部位には、レジストマークMが形成されている。なお、図中に一点鎖線で示したように、画像形成装置10に設けられるマーク検出センサ70は、連続用紙Sに形成されたレジストマークMが読み取れる位置に取り付けられている。
【0016】
また、連続用紙Sを構成する各ページには、予め印刷機等によってフォームが印刷されている。なお、図3に示す例において、フォームは、「ABC」で例示されたテキスト画像や、罫線によって構成された枠画像等を含んでいる。
【0017】
なお、以下の説明においては、連続用紙Sにおける各ページの副走査方向長さをページ長Lpと呼び、また、連続用紙Sの各ページにおける画像形成対象領域の副走査方向長さを画像長Lgと呼ぶことにする。ここで、ページ長Lpは、副走査方向SSにおいて隣接する2つのレジストマークMの副走査方向距離に相当する。また、画像形成対象領域は、画像形成部20を用いた画像の形成が行われ得る領域をいい、この例では、各ページにおける副走査方向SSの両端側が画像形成対象領域から外れている。
【0018】
図4は、連続用紙Sの各ページに形成される画像の元となる、1ページ分の画像データの構成例を説明するための図である。
図4に示すように、1ページ分の画像データは、副走査方向SSに沿うm行および主走査方向FSに沿うn列の、合計m×n個の画素データを有している。以下の説明では、副走査方向SSに沿うm行を、それぞれ、1行目x1、2行目x2、…、m行目xmと呼び、主走査方向FSに沿うn列を、それぞれ、1列目y1、2列目y2、…、n列目ynと呼ぶことにする。また、以下の説明では、例えば1行目x1且つ1列目y1の番地に存在するデータを画素データD(1,1)と表現し、また、m行目xm且つn列目ynの番地に存在するデータを画素データD(m,n)と表現することにする。なお、主走査方向FSに沿って並ぶ1列目y1〜n列目ynは、露光装置23を構成するn個の発光素子E1〜Enに、それぞれ対応している。
【0019】
続いて、図1〜図4を参照しつつ、本実施の形態の画像形成装置10による画像形成動作について説明する。
画像形成動作の開始に伴い、連続用紙Sは、搬送部40および送り出し部50によって張力がかけられた状態で、搬送方向Aに搬送される。これに伴い、連続用紙Sは、画像形成部20の転写位置Trを通過していく。
【0020】
一方、画像形成動作の開始に伴い、画像形成部20では、感光体ドラム21が矢印A方向に回転し、その表面が帯電装置22で帯電された後、露光装置23で選択的に露光されることにより、感光体ドラム21上に静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム21上に形成された静電潜像は現像装置24で現像されてトナー像となり、転写位置Trを通過する連続用紙Sの第1面に転写装置25によって静電転写される。なお、転写後に感光体ドラム21に残存する残トナーは、クリーナ26によって除去され、次の帯電動作に備える。
【0021】
そして、トナー像が転写された連続用紙Sは、定着部30を通過する。このとき、連続用紙Sの第1面上のトナー像は、対向するフラッシュランプ(図示せず)により加熱され、連続用紙Sに定着される。その後、トナー像の定着がなされた連続用紙Sは、搬送部40を通過し画像形成装置10の外部へと排出される。
【0022】
また、画像形成動作を行っている間、マーク検出センサ70は、搬送方向Aに搬送される連続用紙Sの各ページに形成されたレジストマークMの検出を行っており、制御部80は、マーク検出センサ70によるレジストマークMの検出結果に基づき、露光装置23による露光動作を制御している。より具体的に説明すると、制御部80は、マーク検出センサ70により検出されたレジストマークMを有するページ(例えばi番目のページPi)が転写位置Trを通過する間に、i番目のページPiに転写すべき感光体ドラム21上のトナー像が転写位置Trを通過し、且つ、i番目のページPiに形成されたフォームとi番目のページPiに転写される画像との間でずれ(主走査方向FSに対するずれおよび副走査方向SSに対するずれ)が生じないように、露光装置23による露光動作の制御を行う。
【0023】
そして、上述した画像形成動作において、露光装置23では、回転方向Bに回転する感光体ドラム21に対し、次のようにして1ページ(例えばi番目のページPi)分の露光を行う。
まず、発光素子列232を構成するn個の発光素子E1〜Enに対し、1行目x1に対応する画素データD(1,1)〜D(1,n)が並列に供給される。このとき、例えば発光素子E1には1列目y1の画素データD(1,1)が供給され、例えば発光素子Enにはn列目ynの画素データD(1,n)が供給される。これにより、発光素子列232を構成する発光素子E1〜Enは、それぞれに供給される画素データに応じて点灯あるいは非点灯に設定される。その結果、感光体ドラム21上では、主走査方向FSに沿う1ライン目の露光がなされる。
【0024】
続いて、発光素子列232を構成するn個の発光素子E1〜Enに対し、2行目x2に対応する画素データD(2,1)〜D(2,n)が並列に供給される。このとき、例えば発光素子E1には1列目y1の画素データD(2,1)が供給され、例えば発光素子Enにはn列目ynの画素データD(2,n)が供給される。これにより、発光素子列232を構成する発光素子E1〜Enは、それぞれに供給される画素データに応じて点灯あるいは非点灯に設定される。ここで、感光体ドラム21は回転方向Bに沿って回転していることから、感光体ドラム21上では、主走査方向FSに沿い且つ上記1ライン目に対し副走査方向SSに隣接する2ライン目の露光がなされる。
【0025】
以降、発光素子列232を構成するn個の発光素子E1〜Enに対し、3行目x3〜m−1行目xm−1に対応する画素データの供給が順次行われ、感光体ドラム21上には、上記1ライン目および上記2ライン目に対し、それぞれが主走査方向FSに沿い且つ互いに副走査方向SSに隣接する3ライン目〜m−1ライン目の露光がなされる。
【0026】
そして、発光素子列232を構成するn個の発光素子E1〜Enに対し、m行目xmに対応する画素データD(m,1)〜D(m,n)が並列に供給される。このとき、例えば発光素子E1には1列目y1の画素データD(m,1)が供給され、例えば発光素子Enにはn列目ynの画素データD(m,n)が供給される。これにより、発光素子列232を構成する発光素子E1〜Enは、それぞれに供給される画素データに応じて点灯あるいは非点灯に設定される。ここで、感光体ドラム21は回転方向Bに沿って回転していることから、感光体ドラム21上では、主走査方向FSに沿い且つ上記m−1ライン目に対し副走査方向SSに隣接するmライン目の露光がなされる。以上により、1ページ分の画像に対応する露光動作が完了する。また、これに続く次のページについても、同じ手順にて露光を行う。
【0027】
ここで、本実施の形態の露光装置23では、主走査方向1ライン分の露光を開始させるためのライン同期信号に基づいて、発光素子列232に対する、列毎の画素データの供給を行っている。したがって、本実施の形態では、各ページの画像データに対応して、それぞれm個のライン同期信号が供給されることになる。また、m個のライン同期信号は、予め決められた間隔(ライン周期と呼ぶ)で供給されるようになっている。さらに、本実施の形態では、m個のライン同期信号のそれぞれに対応して、発光素子列232を構成するn個の発光素E1〜Enの点灯を許可する点灯許可期間(画像形成期間に対応)が、一律に定められる。すなわち、あるライン同期信号に基づいて主走査方向光1ライン分の露光を行う際、発光素子E1〜Enのうち発光の対象となる発光素子は、同じ時間だけ点灯を行う。
【0028】
では、上述した露光動作の制御について、より詳細な説明を行う。
図5は、本実施の形態における制御部80の構成の一例を説明するためのブロック図である。なお、制御部80は、画像形成装置10を構成する各部を制御するための機能を有するものであるが、ここでは、露光装置23の制御に関連する要素を抜き出して示している。
調整手段の一例としての制御部80は、出力周期算出部81と、ライン周期設定部82と、設定用テーブル格納部83と、書き出し位置設定部84と、出力設定データ作成部85と、出力画像データ作成部86とを含んでいる。
【0029】
まず、出力周期算出部81は、連続用紙Sにおいて副走査方向SSに隣接する2つのページ(例えばi番目のページPiおよびj番目のページPj)に設けられた各レジストマークM(図3参照)を、マーク検出センサ70が順次検出した結果に基づいて、次の画像形成の対象となるページ(対象ページ:例えばi番目のページPi)のレジストマークMが検出されてからその次のページ(次ページ:例えばj番目のページPj)のレジストマークMが検出されるまでの期間(センサ出力周期Ts:後述する図7(a)参照)を算出する。
【0030】
また、ライン周期設定部82は、出力周期算出部81によって算出された対象ページの出力周期と、設定用テーブル格納部83から読み出した設定用テーブルとを用いて、対象ページに対応する露光動作におけるm個のライン同期信号のライン周期を設定する。なお、設定用テーブル格納部83に格納される設定用テーブルの内容については後述する。
【0031】
さらに、書き出し位置設定部84は、連続用紙Sにおける対象ページに設けられたレジストマークMを、マーク検出センサ70が検出した結果に基づいて、対象ページに対応する露光動作における書き出し位置(ライン同期信号の開始タイミング)を設定する。
【0032】
さらにまた、出力設定データ作成部85は、同一の対象ページについて、ライン周期設定部82で設定されたライン周期のデータと、書き出し位置設定部84で設定された書き出し位置のデータとを含むページ毎の出力設定データを作成し、露光装置23に出力する。
【0033】
一方、出力画像データ作成部86は、画像形成装置10の外部から入力されてくる入力画像データに基づいて、ページ毎の画像データ(図4参照)を作成し、露光装置23に出力する。
【0034】
ここで、図6は、図5に示す設定用テーブル格納部83に格納されている設定用テーブルの一例を示す図である。
本実施の形態の設定用テーブルは、出力周期算出部81によって算出されるセンサ出力周期Tsの大きさ(長さ)と、ライン周期を伸張する対象となる伸張ライン数と、ライン周期を短縮する対象となる短縮ライン数と、ライン周期を伸張または短縮する対象となる対象ライン位置とを対応付けて構成されている。
【0035】
図6に示す例では、Tsa≦Ts<Tsbの場合に、伸張ライン数が「0」、短縮ライン数が「2」、対象ライン位置が「α行目xα」および「β行目xβ」に設定され、Tsb≦Ts<Tscの場合に、伸張ライン数が「0」、短縮ライン数が「1」、対象ライン位置が「γ行目xγ」に設定され、Tsc≦Ts<Tsdの場合に、伸張ライン数が「0」、短縮ライン数が「0」、対象ライン位置が「なし」に設定され、Tsd≦Ts<Tseの場合に、伸張ライン数が「1」、短縮ライン数が「0」、対象ライン位置が「γ行目xγ」に設定され、Tse≦Ts<Tsfの場合に、伸張ライン数が「2」、短縮ライン数が「0」、対象ライン位置が「α行目xα」および「β行目xβ」に設定される。ここで、Tsa<Tsb<Tsc<Tsd<Tse<Tsfである。また、xα、xβ、xγは、それぞれx1〜xmの中から選択されるものであって、α≠β≠γである。なお、ここでは詳細な記載を省略しているが、短縮ライン数が3以上となる場合や、伸張ライン数が3以上となる場合もあり得る。
【0036】
図7は、画像形成動作における連続用紙Sの搬送と露光動作との関係を説明するためのタイミングチャートである。ここで、図7(a)は、連続用紙Sの搬送に伴ってマーク検出センサ70から出力されるセンサ出力と、連続用紙Sに形成された各ページに対応する露光動作を開始させるために露光装置23が出力するページ同期信号と、各ページのページ同期信号に連動して、各ページ内での露光動作を実行させるために露光装置23が出力するライン同期信号との、時間的な関係を示している。一方、図7(b)は、図7(a)に示すライン同期信号の詳細を示している。
【0037】
マーク検出センサ70は、画像形成動作が開始されることによって連続用紙Sが予め決められた搬送速度で搬送されることに伴い、連続用紙Sの各ページに形成されたレジストマークMを検出する。この例では、i番目のページPiに形成されたレジストマークM、j番目のページPjに形成されたレジストマークM、k番目のページPkに形成されたレジストマークMが、順番に検出されることで、センサ出力がONになる。
【0038】
制御部80に設けられた出力周期算出部81では、i番目のページPiに形成されたレジストマークMの検出タイミングと、j番目のページPjに形成されたレジストマークMの検出タイミングとの差からi番目のページPiに対応するセンサ出力周期Tsを算出する。次に、ライン周期設定部82では、i番目のページPiに対応するセンサ出力周期Tsと、設定用テーブル格納部83から読み出した設定用テーブル(図6参照)とに基づき、i番目のページPiに対応する伸張ライン数または短縮ライン数、および、伸張ラインあるいは短縮ラインの対象ライン位置を選択し、これらに基づいてi番目のページPiに対応するm個のライン同期信号Ls1〜Lsmそれぞれのライン周期Tlを設定する。
一方、書き出し位置設定部84では、i番目のページPiに形成されたレジストマークMの検出タイミングに基づき、i番目のページPiに対応するページ同期信号Psiの出力タイミング(書き出し位置)を設定する。
【0039】
そして、出力設定データ作成部85は、ライン周期設定部82で設定された、i番目のページPiに対応する各ライン周期Tlの設定情報と、書き出し位置設定部84で設定された、i番目のページに対応するページ同期信号Psiの設定情報とを含む、i番目のページPi用の出力設定データを作成し、露光装置23に出力する。
【0040】
他方、制御部80に設けられた出力画像データ作成部86は、外部から供給される入力画像データに基づき、i番目のページPiを含む各ページの出力画像データを作成し、露光装置23に出力する。
【0041】
そして、露光装置23では、連続用紙Sにおけるi番目のページPiが転写位置Trを通過する間に、感光体ドラム21上に形成されたi番目のページ用のトナー像が転写位置Trを通過するように、露光動作を開始する。より具体的に説明すると、露光装置23では、i番目のページPi用のページ同期信号Psiが立ち上がることに伴って、i番目のページPi用のm個のライン同期信号Ls1〜Lsmが連続して立ち上がる。このとき、隣接する2つのライン同期信号(例えばLs1およびLs2)の間の期間が、ライン周期Tlとなる。なお、1ページ分となるm個のライン同期信号Ls1〜Lsmの出力に要する期間を、画像周期Tgと呼ぶ。
【0042】
そして、i番目のページPiに対応するm個のライン同期信号Ls1〜Lsmが立ち上がるたびに、発光素子列232を構成するm個の発光素子E1〜Emには、行毎の画素データが入力される。そして、回転方向Bに回転する感光体ドラム21の表面を1ライン毎に露光することで、感光体ドラム21上には、主走査方向にmドット且つ副走査方向にnドットの、合計m×nドットの静電潜像が形成されることになる。
【0043】
なお、例えばi番目のページPiに対応する画像周期Tgは、i番目のページPiに対応するページ同期信号Psiが立ち上がってから、次のj番目のページPjに対応するページ同期信号Psjが立ち上がるまでの期間(ページ周期Tpと呼ぶ)よりも短くなるように設定される。
【0044】
図8は、露光動作におけるライン同期信号および点灯許可信号と感光体ドラム21上での露光領域との関係を示す図である。ただし、図8は、対象ページの露光動作において、m個のライン同期信号Ls1〜Lsmのうち、先頭側となる第1ライン同期信号Ls1から第4ライン同期信号Ls4までを抜き出して示している。
ここで、図8(a)は、第1ライン同期信号Ls1〜第4ライン同期信号Ls4に対応する1行目x1〜4行目x4において、伸張ラインおよび短縮ラインが設定されなかった場合(Tsc≦Ts<Tsdであることにより、伸張ライン数=短縮ライン数=0、対象ライン位置=なし、に設定された場合:図6参照)を例示している。また、図8(b)は、第1ライン同期信号Ls1〜第4ライン同期信号Ls4に対応する1行目x1〜4行目x4において、2行目x2が伸張ラインに設定された場合(Tsd≦Ts<Tseであることにより、伸張ライン数=1、短縮ライン数=0、対象ライン位置xγ=x2に設定された場合:図6参照)を例示している。さらに、図8(c)は、第1ライン同期信号Ls1〜第4ライン同期信号Ls4に対応する1行目x1〜4行目x4において、2行目x2が短縮ラインに設定された場合(Tsb≦Ts<Tscであることにより、伸張ライン数=0、短縮ライン数=1、対象ライン位置xγ=x2に設定される場合:図6参照)を例示している。そして、図8(a)〜(c)では、1行目x1〜4行目x4において、それぞれすべての発光素子E1〜Enが点灯することにより、感光体ドラム21が露光される状態を例示している。
【0045】
まず、図8(a)に示す例では、伸張ラインおよび短縮ラインが設定されないことにより、第1ライン同期信号Ls1〜第4ライン同期信号Ls4が等間隔になる。すなわち、第1ライン同期信号Ls1〜第4ライン同期信号Ls4の範囲において、ライン周期Tlが一律に設定される。また、図8(a)に示す例では、第1ライン同期信号Ls1〜第3ライン同期信号Ls3のそれぞれに対応する点灯許可信号のオン期間も一律に設定される。このため、感光体ドラム21上の露光領域の副走査方向長さは、1行目x1、2行目x2および3行目x3について、同じ大きさとなる。
【0046】
また、図8(b)に示す例では、2行目x2が伸張ラインに設定されることにより、第1ライン同期信号Ls1と第2ライン同期信号Ls2との間、第3ライン同期信号Ls3と第4ライン同期信号Ls4との間は等間隔になるが、第2ライン同期信号Ls2と第3ライン同期信号Ls3との間は、これらよりも広い間隔となる。すなわち、第1ライン同期信号Ls1〜第4ライン同期信号Ls4の範囲において、ライン周期Tlが一部分だけ長く設定される。また、図8(b)に示す例では、第1ライン同期信号Ls1および第3ライン同期信号Ls3のそれぞれに対応する点灯許可信号のオン期間が同じに設定される一方、第2ライン同期信号Ls2に対応する点灯許可信号のオン期間は、これらよりも長くなる。このため、感光体ドラム21上の露光領域の副走査方向長さは、1行目x1および3行目x3については同じ大きさとなるが、2行目x2についてはこれらよりも長くなる。
【0047】
さらに、図8(c)に示す例では、2行目x2が短縮ラインに設定されることにより、第1ライン同期信号Ls1と第2ライン同期信号Ls2との間、第3ライン同期信号Ls3と第4ライン同期信号Ls4との間は等間隔になるが、第2ライン同期信号Ls2と第3ライン同期信号Ls3との間は、これらよりも狭い間隔となる。すなわち、第1ライン同期信号Ls1〜第4ライン同期信号Ls4の範囲において、ライン周期Tlが一部分だけ短く設定される。また、図8(c)に示す例では、第1ライン同期信号Ls1および第3ライン同期信号Ls3のそれぞれに対応する点灯許可信号のオン期間が同じに設定される一方、第2ライン同期信号Ls2に対応する点灯許可信号のオン期間は、これらよりも短くなる。このため、感光体ドラム21上の露光領域の副走査方向長さは、1行目x1および3行目x3については同じ大きさとなるが、2行目x2についてはこれらよりも短くなる。
【0048】
図9は、画像形成動作に伴って感光体ドラム21上に形成される画像の副走査方向長さを説明するための図である。なお、図9は、説明を簡略化するために、m=20の場合を例示している。また、図9(a)は図8(a)に、図9(b)は図8(b)に、図9(c)は図8(c)に、それぞれ対応している。すなわち、図9(a)は、1行目x1〜20行目x20において、伸張ラインおよび短縮ラインが設定されなかった場合を例示している。また、図8(b)は、1行目x1〜20行目x20において、2行目x2が伸張ラインに設定された場合を例示している。さらに、図9(c)は、1行目x1〜20行目x20において、2行目x2が短縮ラインに設定された場合を例示している。
【0049】
まず、図9(a)に示す例では、1行目x1〜20行目x20のそれぞれの副走査方向長さが等間隔になる。このとき、感光体ドラム21上での画像の長さを、第1画像長Lg1と呼ぶ。
また、図9(b)に示す例では、1行目x1、3行目x3〜20行目x20のそれぞれの副走査方向長さが等間隔となる一方、2行目x2の副走査方向長さはこれらよりも長くなる。したがって、感光体ドラム21上での画像の長さは、上記第1画像長Lg1よりも長い第2画像長Lg2となる。
さらに、図9(c)に示す例では、1行目x1、3行目x3〜20行目x20のそれぞれの副走査方向長さが等間隔となる一方、2行目x2の副走査方向長さはこれらよりも短くなる。したがって、感光体ドラム21上での画像の長さは、上記第1画像長Lg1よりも短い第3画像長Lg3となる。
【0050】
本実施の形態の画像形成装置10では、連続用紙Sに形成される複数のレジストマークMの位置がずれていたり、連続用紙Sの搬送速度に若干の変動が生じたりすることがあり得る。このため、感光体ドラム21上に形成される画像の副走査方向長さを、複数のページに対して同じ長さに設定した場合、連続用紙Sに形成された各ページに転写される画像が、各ページに対して、副走査方向SSに沿って伸びてしまったり、あるいは、縮んでしまったりする懸念がある。
【0051】
これに対し、本実施の形態では、上述した手順にて、連続用紙Sの各ページに形成する画像の副走査方向長さを調節するようにしたので、例えば副走査方向長さが短めとなるページに対しては、転写する画像の副走査方向長さを短くすることが可能となり、例えば副走査方向長さが長めとなるページに対しては、転写する画像の副走査方向長さを長くすることが可能となる。したがって、連続用紙Sにおいて予め各ページに形成されているフォームと、連続用紙Sに転写される画像との整合性を高めることが可能になる。
【0052】
特に、本実施の形態では、各ページに対応する画像データの副走査方向ライン数(行数)を各ページで共通(m行)とし、特定の行に対する露光期間(ライン周期)を伸張あるいは短縮することで、画像の副走査方向長さを調整するようにした。このため、例えば各ページに対応する画像データの副走査方向ライン数(行数)をページ毎に増減させることで、画像の副走査方向長さを調整する場合と比較して、画像データの削除に伴う画像の欠落や画像の間延び等の発生を抑制することができる。
【0053】
ここで、本実施の形態では、ライン周期を伸張したラインについては各発光素子の点灯許可期間を長くし、ライン周期を短縮したラインについては各発光素子の点灯許可期間を短くするようにしたので、転写される画像においてライン周期が変更されたラインを目立たせにくくすることができる。
【0054】
なお、ここでは、伸張ライン数あるいは短縮ライン数(対象ライン数)が1となる場合について説明を行ったが、図6等からも明らかなように、対象ライン数が2以上となる場合もある。このように対象ライン数が2以上となる場合、その対象ラインの位置については、周期的に存在しないように(周期性を有しないように)することが望ましい。この理由は、副走査方向において周期的に伸張ラインあるいは短縮ラインに対応する画像が形成された場合、その位置が目立ちやすくなるためである。
【0055】
<実施の形態2>
本実施の形態は、実施の形態1と基本的に同じであるが、実施の形態1では、対象ページのライン周期Tlに基づいて、伸縮あるいは短縮の対象となる対象ライン数と対象ライン位置とを一義的に決めていたのに対し、本実施の形態では、対象ページのライン周期に基づいて対象ライン数を決めた後、対象ページの画像データに基づいて対象ライン位置を決めるようにしたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0056】
図10は、本実施の形態における制御部80の構成の一例を説明するためのブロック図である。なお、図10は、図5と同じく、露光装置23の制御に関連する要素を抜き出して示している。
この制御部80の構成は、ほぼ実施の形態1と同じであるが、ライン周期設定部82が、伸縮ライン数設定部82aおよび伸縮ライン位置設定部82bを備えている点で、実施の形態1とは異なっている。
【0057】
ここで、ライン周期設定部82を構成する伸縮ライン数設定部82aは、出力周期算出部81によって算出された対象ページの出力周期と、設定用テーブル格納部83から読み出した設定用テーブルとを用いて、対象ページを構成するm行のラインのうち、伸張あるいは短縮の対象となるラインの数を設定する。なお、設定用テーブル格納部83に格納される設定用テーブルの内容については後述する。
【0058】
また、ライン周期設定部82を構成する伸縮ライン位置設定部82bは、伸縮ライン数設定部82aによって設定された対象ページの対象ライン数と、出力画像データ作成部86によって作成される対象ページの画像データとに基づいて、対象ページを構成するm行のラインのうち、伸縮あるいは短縮の対象となるラインの位置を設定する。
【0059】
そして、本実施の形態のライン周期設定部82では、伸縮ライン数設定部82aで設定された対象ライン数と、伸縮ライン位置設定部82bで設定された対象ライン位置とに基づいて、対象ページに対応する露光動作におけるm個のライン同期信号のライン周期を設定する。
【0060】
ここで、図11は、図10に示す設定用格納テーブルに格納されている設定用テーブルの一例を示す図である。
本実施の形態の設定用テーブルは、出力周期算出部81によって算出されるセンサ出力周期Tsの大きさ(長さ)と、ライン周期を伸張する対象となる伸張ライン数と、ライン周期を短縮する対象となる短縮ライン数とを対応付けて構成されている。
図11に示す例では、Tsa≦Ts<Tsbの場合に、伸張ライン数が「0」、短縮ライン数が「2」に設定され、Tsb≦Ts<Tscの場合に、伸張ライン数が「0」、短縮ライン数が「1」に設定され、Tsc≦Ts<Tsdの場合に、伸張ライン数が「0」、短縮ライン数が「0」に設定され、Tsd≦Ts<Tseの場合に、伸張ライン数が「1」、短縮ライン数が「0」に設定され、Tse≦Ts<Tsfの場合に、伸張ライン数が「2」、短縮ライン数が「0」に設定される。
【0061】
図12は、ある対象ページにおける出力画像データの一例を示す図である。なお、図12は、説明を簡略化するために、m=20且つn=15の場合を例としている。また、図12は、上段にテキスト「A1」を形成し、中段にテキスト「zo」を形成するための出力画像データを例示している。
【0062】
図12に示す例では、1行目x1〜8行目x8、および、12行目x12〜15行目x15に、少なくとも1つの発光素子を点灯させるための画素データ(斜線で塗りつぶしたところ)が存在する。逆に見れば、図12に示す例では、9行目x9〜11行目x11、および、16行目x16〜20行目x20には、発光素子を点灯させるための画素データが存在しないことになる。
【0063】
本実施の形態では、伸縮ライン数設定部82aが、対象ページにおけるセンサ出力周期Tsと設定用テーブル格納部83から読み出した設定用テーブル(図11参照)とを用いて、伸縮ライン数を決定した後、伸縮ライン位置設定部82bが、例えば図12に示す対象ページの出力画像データを参照しつつ、伸縮ライン数のそれぞれに対応する伸縮ライン位置を決定する。このとき、伸縮ライン位置設定部82bは、ラインの伸縮を行っても、得られる画像に影響を与えにくい位置を、伸縮ライン位置として決定する。図12に示す例では、伸縮ライン位置設定部82bは、点灯させるための画素データが存在しないライン(9行目x9〜11行目x11、および、16行目x16〜20行目x20)から、ライン周期の伸縮対象となるラインを決定する。
【0064】
したがって、本実施の形態では、ライン周期の伸縮対象となるラインを、形成される画像に影響を与えないラインから選択するようにしたので、実施の形態1で説明した利点に加え、転写される画像においてライン周期が変更されたラインをさらに目立たせにくくすることができる。
【0065】
なお、ここでは、発光素子を点灯させるための画素データが全く存在しないラインを、ライン周期の伸縮対象ラインとして選択していたが、これに限られるものではない。すなわち、発光素子を点灯させるための画素データがすべての列(1列目y1〜n列目yn)に存在するラインを、ライン周期の伸縮対象ラインとして選択してもよい。
【0066】
また、ここでは、発光素子を点灯させるための画素データが全く存在しないラインを、ライン周期の伸縮対象ラインとして選択していたが、これに限られるものではない。すなわち、例えばすべてのラインに発光素子を点灯させるための画素データが存在する場合には、発光素子を点灯させるための画素データの数が少ないラインを、ライン周期の伸縮対象ラインとして選択するようにしてもよい。
【0067】
なお、実施の形態1、2では、対象ページに対応するm個のライン同期信号のうち、特定のライン同期信号のライン周期のみを調整するようにしていたが、これに限られるものではない。すなわち、対象ページに対応するm個のライン同期信号のすべてについて、ライン周期を伸張あるいは短縮するようにしてもよい。
【0068】
また、実施の形態1、2では、所謂電子写真方式を採用した画像形成部20を用いて、連続用紙Sに画像を形成するようにしていたが、これに限られるものではない。例えば主走査方向に並べて配置されたインク吐出口を有するインクジェットヘッドを用いて連続用紙Sに画像を形成する場合に適用してもよい。
【符号の説明】
【0069】
10…画像形成装置、20…画像形成部、21…感光体ドラム、22…帯電装置、23…露光装置、24…現像装置、25…転写装置、26…クリーナ、30…定着部、40…搬送部、50…送り出し部、60…供給部、70…マーク検出センサ、80…制御部、230…発光ユニット、231…基板、232…発光素子列、E1〜En…発光素子、S…連続用紙、M…レジストマーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
公報記載の従来技術として、複数ページを連ねてなる連続紙に画像を形成する画像形成装置において、連続紙における各ページに予めレジストマークを形成しておくとともに、連続紙の各ページに画像を形成する場合に、搬送される連続紙から読み取ったレジストマークに基づき、各ページに画像形成を行う際の主走査方向および副走査方向の位置合わせ(位置ずれ補正)を行うようにしたものが存在する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−266121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、連続用紙を構成する各ページに形成される画像において、画像の欠けや画像の伸びが目立つことを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、複数のページを副走査方向に連ねてなる連続用紙を、当該副走査方向に搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送される、前記連続用紙における複数のページを順次検知する検知手段と、前記検知手段による検知部位を通過し且つ前記搬送手段によって前記副走査方向に搬送される前記連続用紙に対し、当該連続用紙の面に沿い且つ当該副走査方向に交差する主走査方向の1ラインを単位として、順次画像を形成する画像形成手段と、前記検知手段による検知結果に基づいて、前記画像形成手段における前記主走査方向の1ラインの周期を、前記連続用紙におけるページ毎に調整する調整手段とを含む画像形成装置である。
請求項2記載の発明は、前記画像形成手段は、前記連続用紙における複数のページのそれぞれにおいて、前記副走査方向のライン数が同数となるように画像を形成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3記載の発明は、前記画像形成手段は、前記調整手段により前記主走査方向の1ラインの周期が調整されたラインに対応する画像を形成する際に、当該ラインの画像形成期間をさらに調整することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項4記載の発明は、前記調整手段は、前記連続用紙の1ページ内において前記主走査方向の複数のラインにて当該主走査方向の1ラインの周期をそれぞれ調整する場合に、前記副走査方向における周期性を有しないように当該複数のラインの位置を設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成装置である。
請求項5記載の発明は、前記調整手段は、前記連続用紙における複数のページのそれぞれに形成する画像の内容を前記主走査方向の1ライン毎に解析し、画像形成の対象となる画素の数が少ないラインの周期を調整することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置である。
【0006】
請求項6記載の発明は、複数のページを副走査方向に連ねてなる連続用紙を、当該副走査方向に搬送する搬送手段と、回転する感光体と、当該感光体を帯電する帯電装置と、当該感光体の回転方向と交差する主走査方向に沿って並べられた複数の発光素子を用いて、当該主走査方向の1ラインを単位として当該感光体を順次露光する露光装置と、当該帯電装置および当該露光装置を用いて当該感光体に形成された静電潜像を現像する現像装置と、当該現像装置を用いて前記感光体に現像された画像を前記副走査方向に搬送される前記連続用紙に転写する転写装置とを有する画像形成手段と、前記連続用紙における複数のページを構成する各ページが、前記感光体と前記転写手段との対向部を通過する通過期間を取得する取得手段と、前記取得手段による取得結果に基づいて、前記露光手段における前記主走査方向の1ラインの露光に要する周期を、前記連続用紙におけるページ毎に調整する調整手段とを含む画像形成装置である。
請求項7記載の発明は、前記露光手段は、前記連続用紙における複数のページのそれぞれにおいて、前記副走査方向のライン数が同数となるように露光を行うことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、連続用紙を構成する各ページに形成される画像において、画像の欠けや画像の伸びが目立つことを抑制することができる。
請求項2記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、連続用紙を構成する各ページに形成される画像において、画像の欠けや画像の伸びが目立つことをさらに抑制することができる。
請求項3記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、連続用紙を構成する各ページに形成される画像において、調整が施されたラインの画像を目立ちにくくさせることができる。
請求項4記載の発明によれば、連続用紙を構成する各ページに形成される画像において、調整が施されたラインの画像を目立ちにくくさせることができる。
請求項5記載の発明によれば、連続用紙を構成する各ページに形成される画像において、調整が施されたラインの画像を目立ちにくくさせることができる。
請求項6記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、連続用紙を構成する各ページに形成される画像において、画像の欠けや画像の伸びが目立つことを抑制することができる。
請求項7記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、連続用紙を構成する各ページに形成される画像において、画像の欠けや画像の伸びが目立つことをさらに抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態が適用される画像形成装置の全体構成の一例を示す図である。
【図2】画像形成部における露光装置の構成の一例を説明するための図である。
【図3】連続用紙の構成の一例を説明するための図である。
【図4】1ページ分の画像データの構成例を説明するための図である。
【図5】実施の形態1における制御部の構成の一例を説明するためのブロック図である。
【図6】設定用テーブル格納部に格納されている設定用テーブルの一例を示す図である。
【図7】画像形成動作における連続用紙の搬送と露光動作との関係を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】露光動作におけるライン同期信号および点灯許可信号と感光体ドラム上での露光領域との関係を示す図である。
【図9】画像形成動作に伴って感光体ドラム上に形成される画像の副走査方向長さを説明するための図である。
【図10】実施の形態1における制御部の構成の一例を説明するためのブロック図である。
【図11】設定用テーブル格納部に格納されている設定用テーブルの一例を示す図である。
【図12】ある対象ページにおける出力画像データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置10の全体構成の一例を示す図である。この画像形成装置10は、搬送方向Aに搬送される長尺な連続用紙Sにトナー像を形成する機能を有している。また、この画像形成装置10では、穿孔等が形成されていない所謂ピンレス用紙を、連続用紙Sとして用いている。
【0010】
本実施の形態の画像形成装置10は、搬送される連続用紙Sに画像(トナー像)を形成する画像形成部20と、画像形成部20からみて搬送方向Aの下流側に設けられ、連続用紙Sに形成された画像を加熱定着する定着部30と、定着部30よりも搬送方向Aの下流側に設けられ、連続用紙Sに搬送力を付与する搬送手段の一例としての搬送部40と、画像形成部20よりも搬送方向Aの上流側に設けられ、画像形成部20を通過する連続用紙Sに対し搬送部40とともに張力を付与し、且つ、画像形成部20に対して連続用紙Sを送り出す送り出し部50と、送り出し部50よりも搬送方向Aの上流側に設けられ、図示しない給紙装置から送られてくる連続用紙Sを送り出し部50に向けて供給する供給部60と、これら各部の動作を制御する制御部80とを備えている。また、画像形成装置10において、連続用紙Sの搬送経路中には、連続用紙Sを搬送するための複数の搬送ロールが設けられている。なお、以下の説明においては、連続用紙Sのうち、画像形成部20によって画像形成が行われる面を第1面と呼び、その裏面を第2面と呼ぶ。
【0011】
また、本実施の形態の画像形成装置10は、送り出し部50よりも搬送方向Aの下流側且つ画像形成部20よりも搬送方向Aの上流側であって、搬送される連続用紙Sの第1面と対向する部位に設けられ、連続用紙Sの第1面に形成されたレジストマーク(詳細は後述する)を検出するマーク検出センサ70をさらに備えている。検知手段あるいは取得手段の一例としてのマーク検出センサ70は、例えばレーザを光源とする反射型の光センサにて構成されている。
【0012】
本実施の形態において、画像形成手段の一例としての画像形成部20は、図中矢印B方向に回転する感光体ドラム21と、感光体ドラム21を帯電する帯電装置22と、帯電装置22よりも感光体ドラム21の回転方向下流側において帯電後の感光体ドラム21を露光する露光装置23と、露光装置23よりも感光体ドラム21の回転方向下流側において露光後の感光体ドラム21をトナーで現像する現像装置24と、現像装置24よりも感光体ドラム21の回転方向下流側において感光体ドラム21上に形成されたトナー像を連続用紙Sの第1面に転写する転写装置25と、転写装置25よりも感光体ドラム21の回転方向下流側且つ帯電装置22よりも感光体ドラム21の回転方向上流側において転写後の感光体ドラム21を清掃するクリーナ26とを備えている。なお、以下の説明においては、画像形成部20において感光体ドラム21と転写装置25とが対向する部位(連続用紙Sが通過する部位)を、転写位置Trと称する。ここで、転写位置Trにおいては、連続用紙Sの搬送方向Aと感光体ドラム21の回転方向Bとが、同じ向きとなる。また、転写位置Trを通過する連続用紙Sにおいて、感光体ドラム21と対向する側が第1面となり、転写装置25と対向する側が第2面となる。
【0013】
図2は、画像形成部20における露光装置23の構成の一例を説明するための図である。本実施の形態で用いた露光装置23は、LED(Light Emitting Diode)からなる発光素子を複数備えたLPH(LED Print Head)で構成されている。
この露光装置23は、複数の発光素子を搭載した発光ユニット230と、発光ユニット230から出力される光を感光体ドラム21(図1参照)の表面に結像させるためのレンズユニット(図示せず)とを備えている。また、発光ユニット230は、感光体ドラム21の回転方向B(図1参照)に対応する副走査方向SSと直交する主走査方向FSに沿って延びる基板231と、基板231における一方の面上に主走査方向FSに沿って設けられる発光素子列232とを有している。さらに、この例では、発光素子列232が、主走査方向FSに沿って並べられたn個の発光素子E1〜Enによって構成されている。そして、この例では、発光素子列232において、主走査方向FSに隣接する発光素子同士の間隔が、それぞれ約42.3μmに設定されている。このため、本実施の形態の画像形成装置10における主走査方向FSの解像度(主走査方向解像度)は、600dpi(dot per inch)となっている。なお、この画像形成装置10における副走査方向SSの解像度(副走査方向解像度)は、感光体ドラム21の回転速度と露光装置23による露光周期との関係に応じて、種々変更することが可能であるが、この例では、例えば600dpiに設定されている。
【0014】
図3は、連続用紙Sの構成の一例を説明するための図である。なお、図3は、画像形成部20による画像形成が行われる前であって、画像形成の対象となる第1面側から連続用紙Sを見たときの状態を示している。
本実施の形態の連続用紙Sは、画像形成後に切断されることを前提とした構成を有しており、1枚の連続用紙Sは、副走査方向SSに連なる複数のページを含んでいる。ここで、図3は、複数のページを有する連続用紙Sのうち、i番目のページPi、i番目のページPiに続くj番目のページPj、そしてj番目のページPjに続くk番目のページPkを例示している。なお、本実施の形態では、画像形成部20における副走査方向SSが連続用紙Sの搬送方向Aに対応しており、画像形成部20における主走査方向FSが連続用紙Sの搬送方向Aと交差する幅方向に対応している。
【0015】
連続用紙Sを構成する各ページにおいて、搬送方向Aからみて下流側となる部位には、レジストマークMが形成されている。なお、図中に一点鎖線で示したように、画像形成装置10に設けられるマーク検出センサ70は、連続用紙Sに形成されたレジストマークMが読み取れる位置に取り付けられている。
【0016】
また、連続用紙Sを構成する各ページには、予め印刷機等によってフォームが印刷されている。なお、図3に示す例において、フォームは、「ABC」で例示されたテキスト画像や、罫線によって構成された枠画像等を含んでいる。
【0017】
なお、以下の説明においては、連続用紙Sにおける各ページの副走査方向長さをページ長Lpと呼び、また、連続用紙Sの各ページにおける画像形成対象領域の副走査方向長さを画像長Lgと呼ぶことにする。ここで、ページ長Lpは、副走査方向SSにおいて隣接する2つのレジストマークMの副走査方向距離に相当する。また、画像形成対象領域は、画像形成部20を用いた画像の形成が行われ得る領域をいい、この例では、各ページにおける副走査方向SSの両端側が画像形成対象領域から外れている。
【0018】
図4は、連続用紙Sの各ページに形成される画像の元となる、1ページ分の画像データの構成例を説明するための図である。
図4に示すように、1ページ分の画像データは、副走査方向SSに沿うm行および主走査方向FSに沿うn列の、合計m×n個の画素データを有している。以下の説明では、副走査方向SSに沿うm行を、それぞれ、1行目x1、2行目x2、…、m行目xmと呼び、主走査方向FSに沿うn列を、それぞれ、1列目y1、2列目y2、…、n列目ynと呼ぶことにする。また、以下の説明では、例えば1行目x1且つ1列目y1の番地に存在するデータを画素データD(1,1)と表現し、また、m行目xm且つn列目ynの番地に存在するデータを画素データD(m,n)と表現することにする。なお、主走査方向FSに沿って並ぶ1列目y1〜n列目ynは、露光装置23を構成するn個の発光素子E1〜Enに、それぞれ対応している。
【0019】
続いて、図1〜図4を参照しつつ、本実施の形態の画像形成装置10による画像形成動作について説明する。
画像形成動作の開始に伴い、連続用紙Sは、搬送部40および送り出し部50によって張力がかけられた状態で、搬送方向Aに搬送される。これに伴い、連続用紙Sは、画像形成部20の転写位置Trを通過していく。
【0020】
一方、画像形成動作の開始に伴い、画像形成部20では、感光体ドラム21が矢印A方向に回転し、その表面が帯電装置22で帯電された後、露光装置23で選択的に露光されることにより、感光体ドラム21上に静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム21上に形成された静電潜像は現像装置24で現像されてトナー像となり、転写位置Trを通過する連続用紙Sの第1面に転写装置25によって静電転写される。なお、転写後に感光体ドラム21に残存する残トナーは、クリーナ26によって除去され、次の帯電動作に備える。
【0021】
そして、トナー像が転写された連続用紙Sは、定着部30を通過する。このとき、連続用紙Sの第1面上のトナー像は、対向するフラッシュランプ(図示せず)により加熱され、連続用紙Sに定着される。その後、トナー像の定着がなされた連続用紙Sは、搬送部40を通過し画像形成装置10の外部へと排出される。
【0022】
また、画像形成動作を行っている間、マーク検出センサ70は、搬送方向Aに搬送される連続用紙Sの各ページに形成されたレジストマークMの検出を行っており、制御部80は、マーク検出センサ70によるレジストマークMの検出結果に基づき、露光装置23による露光動作を制御している。より具体的に説明すると、制御部80は、マーク検出センサ70により検出されたレジストマークMを有するページ(例えばi番目のページPi)が転写位置Trを通過する間に、i番目のページPiに転写すべき感光体ドラム21上のトナー像が転写位置Trを通過し、且つ、i番目のページPiに形成されたフォームとi番目のページPiに転写される画像との間でずれ(主走査方向FSに対するずれおよび副走査方向SSに対するずれ)が生じないように、露光装置23による露光動作の制御を行う。
【0023】
そして、上述した画像形成動作において、露光装置23では、回転方向Bに回転する感光体ドラム21に対し、次のようにして1ページ(例えばi番目のページPi)分の露光を行う。
まず、発光素子列232を構成するn個の発光素子E1〜Enに対し、1行目x1に対応する画素データD(1,1)〜D(1,n)が並列に供給される。このとき、例えば発光素子E1には1列目y1の画素データD(1,1)が供給され、例えば発光素子Enにはn列目ynの画素データD(1,n)が供給される。これにより、発光素子列232を構成する発光素子E1〜Enは、それぞれに供給される画素データに応じて点灯あるいは非点灯に設定される。その結果、感光体ドラム21上では、主走査方向FSに沿う1ライン目の露光がなされる。
【0024】
続いて、発光素子列232を構成するn個の発光素子E1〜Enに対し、2行目x2に対応する画素データD(2,1)〜D(2,n)が並列に供給される。このとき、例えば発光素子E1には1列目y1の画素データD(2,1)が供給され、例えば発光素子Enにはn列目ynの画素データD(2,n)が供給される。これにより、発光素子列232を構成する発光素子E1〜Enは、それぞれに供給される画素データに応じて点灯あるいは非点灯に設定される。ここで、感光体ドラム21は回転方向Bに沿って回転していることから、感光体ドラム21上では、主走査方向FSに沿い且つ上記1ライン目に対し副走査方向SSに隣接する2ライン目の露光がなされる。
【0025】
以降、発光素子列232を構成するn個の発光素子E1〜Enに対し、3行目x3〜m−1行目xm−1に対応する画素データの供給が順次行われ、感光体ドラム21上には、上記1ライン目および上記2ライン目に対し、それぞれが主走査方向FSに沿い且つ互いに副走査方向SSに隣接する3ライン目〜m−1ライン目の露光がなされる。
【0026】
そして、発光素子列232を構成するn個の発光素子E1〜Enに対し、m行目xmに対応する画素データD(m,1)〜D(m,n)が並列に供給される。このとき、例えば発光素子E1には1列目y1の画素データD(m,1)が供給され、例えば発光素子Enにはn列目ynの画素データD(m,n)が供給される。これにより、発光素子列232を構成する発光素子E1〜Enは、それぞれに供給される画素データに応じて点灯あるいは非点灯に設定される。ここで、感光体ドラム21は回転方向Bに沿って回転していることから、感光体ドラム21上では、主走査方向FSに沿い且つ上記m−1ライン目に対し副走査方向SSに隣接するmライン目の露光がなされる。以上により、1ページ分の画像に対応する露光動作が完了する。また、これに続く次のページについても、同じ手順にて露光を行う。
【0027】
ここで、本実施の形態の露光装置23では、主走査方向1ライン分の露光を開始させるためのライン同期信号に基づいて、発光素子列232に対する、列毎の画素データの供給を行っている。したがって、本実施の形態では、各ページの画像データに対応して、それぞれm個のライン同期信号が供給されることになる。また、m個のライン同期信号は、予め決められた間隔(ライン周期と呼ぶ)で供給されるようになっている。さらに、本実施の形態では、m個のライン同期信号のそれぞれに対応して、発光素子列232を構成するn個の発光素E1〜Enの点灯を許可する点灯許可期間(画像形成期間に対応)が、一律に定められる。すなわち、あるライン同期信号に基づいて主走査方向光1ライン分の露光を行う際、発光素子E1〜Enのうち発光の対象となる発光素子は、同じ時間だけ点灯を行う。
【0028】
では、上述した露光動作の制御について、より詳細な説明を行う。
図5は、本実施の形態における制御部80の構成の一例を説明するためのブロック図である。なお、制御部80は、画像形成装置10を構成する各部を制御するための機能を有するものであるが、ここでは、露光装置23の制御に関連する要素を抜き出して示している。
調整手段の一例としての制御部80は、出力周期算出部81と、ライン周期設定部82と、設定用テーブル格納部83と、書き出し位置設定部84と、出力設定データ作成部85と、出力画像データ作成部86とを含んでいる。
【0029】
まず、出力周期算出部81は、連続用紙Sにおいて副走査方向SSに隣接する2つのページ(例えばi番目のページPiおよびj番目のページPj)に設けられた各レジストマークM(図3参照)を、マーク検出センサ70が順次検出した結果に基づいて、次の画像形成の対象となるページ(対象ページ:例えばi番目のページPi)のレジストマークMが検出されてからその次のページ(次ページ:例えばj番目のページPj)のレジストマークMが検出されるまでの期間(センサ出力周期Ts:後述する図7(a)参照)を算出する。
【0030】
また、ライン周期設定部82は、出力周期算出部81によって算出された対象ページの出力周期と、設定用テーブル格納部83から読み出した設定用テーブルとを用いて、対象ページに対応する露光動作におけるm個のライン同期信号のライン周期を設定する。なお、設定用テーブル格納部83に格納される設定用テーブルの内容については後述する。
【0031】
さらに、書き出し位置設定部84は、連続用紙Sにおける対象ページに設けられたレジストマークMを、マーク検出センサ70が検出した結果に基づいて、対象ページに対応する露光動作における書き出し位置(ライン同期信号の開始タイミング)を設定する。
【0032】
さらにまた、出力設定データ作成部85は、同一の対象ページについて、ライン周期設定部82で設定されたライン周期のデータと、書き出し位置設定部84で設定された書き出し位置のデータとを含むページ毎の出力設定データを作成し、露光装置23に出力する。
【0033】
一方、出力画像データ作成部86は、画像形成装置10の外部から入力されてくる入力画像データに基づいて、ページ毎の画像データ(図4参照)を作成し、露光装置23に出力する。
【0034】
ここで、図6は、図5に示す設定用テーブル格納部83に格納されている設定用テーブルの一例を示す図である。
本実施の形態の設定用テーブルは、出力周期算出部81によって算出されるセンサ出力周期Tsの大きさ(長さ)と、ライン周期を伸張する対象となる伸張ライン数と、ライン周期を短縮する対象となる短縮ライン数と、ライン周期を伸張または短縮する対象となる対象ライン位置とを対応付けて構成されている。
【0035】
図6に示す例では、Tsa≦Ts<Tsbの場合に、伸張ライン数が「0」、短縮ライン数が「2」、対象ライン位置が「α行目xα」および「β行目xβ」に設定され、Tsb≦Ts<Tscの場合に、伸張ライン数が「0」、短縮ライン数が「1」、対象ライン位置が「γ行目xγ」に設定され、Tsc≦Ts<Tsdの場合に、伸張ライン数が「0」、短縮ライン数が「0」、対象ライン位置が「なし」に設定され、Tsd≦Ts<Tseの場合に、伸張ライン数が「1」、短縮ライン数が「0」、対象ライン位置が「γ行目xγ」に設定され、Tse≦Ts<Tsfの場合に、伸張ライン数が「2」、短縮ライン数が「0」、対象ライン位置が「α行目xα」および「β行目xβ」に設定される。ここで、Tsa<Tsb<Tsc<Tsd<Tse<Tsfである。また、xα、xβ、xγは、それぞれx1〜xmの中から選択されるものであって、α≠β≠γである。なお、ここでは詳細な記載を省略しているが、短縮ライン数が3以上となる場合や、伸張ライン数が3以上となる場合もあり得る。
【0036】
図7は、画像形成動作における連続用紙Sの搬送と露光動作との関係を説明するためのタイミングチャートである。ここで、図7(a)は、連続用紙Sの搬送に伴ってマーク検出センサ70から出力されるセンサ出力と、連続用紙Sに形成された各ページに対応する露光動作を開始させるために露光装置23が出力するページ同期信号と、各ページのページ同期信号に連動して、各ページ内での露光動作を実行させるために露光装置23が出力するライン同期信号との、時間的な関係を示している。一方、図7(b)は、図7(a)に示すライン同期信号の詳細を示している。
【0037】
マーク検出センサ70は、画像形成動作が開始されることによって連続用紙Sが予め決められた搬送速度で搬送されることに伴い、連続用紙Sの各ページに形成されたレジストマークMを検出する。この例では、i番目のページPiに形成されたレジストマークM、j番目のページPjに形成されたレジストマークM、k番目のページPkに形成されたレジストマークMが、順番に検出されることで、センサ出力がONになる。
【0038】
制御部80に設けられた出力周期算出部81では、i番目のページPiに形成されたレジストマークMの検出タイミングと、j番目のページPjに形成されたレジストマークMの検出タイミングとの差からi番目のページPiに対応するセンサ出力周期Tsを算出する。次に、ライン周期設定部82では、i番目のページPiに対応するセンサ出力周期Tsと、設定用テーブル格納部83から読み出した設定用テーブル(図6参照)とに基づき、i番目のページPiに対応する伸張ライン数または短縮ライン数、および、伸張ラインあるいは短縮ラインの対象ライン位置を選択し、これらに基づいてi番目のページPiに対応するm個のライン同期信号Ls1〜Lsmそれぞれのライン周期Tlを設定する。
一方、書き出し位置設定部84では、i番目のページPiに形成されたレジストマークMの検出タイミングに基づき、i番目のページPiに対応するページ同期信号Psiの出力タイミング(書き出し位置)を設定する。
【0039】
そして、出力設定データ作成部85は、ライン周期設定部82で設定された、i番目のページPiに対応する各ライン周期Tlの設定情報と、書き出し位置設定部84で設定された、i番目のページに対応するページ同期信号Psiの設定情報とを含む、i番目のページPi用の出力設定データを作成し、露光装置23に出力する。
【0040】
他方、制御部80に設けられた出力画像データ作成部86は、外部から供給される入力画像データに基づき、i番目のページPiを含む各ページの出力画像データを作成し、露光装置23に出力する。
【0041】
そして、露光装置23では、連続用紙Sにおけるi番目のページPiが転写位置Trを通過する間に、感光体ドラム21上に形成されたi番目のページ用のトナー像が転写位置Trを通過するように、露光動作を開始する。より具体的に説明すると、露光装置23では、i番目のページPi用のページ同期信号Psiが立ち上がることに伴って、i番目のページPi用のm個のライン同期信号Ls1〜Lsmが連続して立ち上がる。このとき、隣接する2つのライン同期信号(例えばLs1およびLs2)の間の期間が、ライン周期Tlとなる。なお、1ページ分となるm個のライン同期信号Ls1〜Lsmの出力に要する期間を、画像周期Tgと呼ぶ。
【0042】
そして、i番目のページPiに対応するm個のライン同期信号Ls1〜Lsmが立ち上がるたびに、発光素子列232を構成するm個の発光素子E1〜Emには、行毎の画素データが入力される。そして、回転方向Bに回転する感光体ドラム21の表面を1ライン毎に露光することで、感光体ドラム21上には、主走査方向にmドット且つ副走査方向にnドットの、合計m×nドットの静電潜像が形成されることになる。
【0043】
なお、例えばi番目のページPiに対応する画像周期Tgは、i番目のページPiに対応するページ同期信号Psiが立ち上がってから、次のj番目のページPjに対応するページ同期信号Psjが立ち上がるまでの期間(ページ周期Tpと呼ぶ)よりも短くなるように設定される。
【0044】
図8は、露光動作におけるライン同期信号および点灯許可信号と感光体ドラム21上での露光領域との関係を示す図である。ただし、図8は、対象ページの露光動作において、m個のライン同期信号Ls1〜Lsmのうち、先頭側となる第1ライン同期信号Ls1から第4ライン同期信号Ls4までを抜き出して示している。
ここで、図8(a)は、第1ライン同期信号Ls1〜第4ライン同期信号Ls4に対応する1行目x1〜4行目x4において、伸張ラインおよび短縮ラインが設定されなかった場合(Tsc≦Ts<Tsdであることにより、伸張ライン数=短縮ライン数=0、対象ライン位置=なし、に設定された場合:図6参照)を例示している。また、図8(b)は、第1ライン同期信号Ls1〜第4ライン同期信号Ls4に対応する1行目x1〜4行目x4において、2行目x2が伸張ラインに設定された場合(Tsd≦Ts<Tseであることにより、伸張ライン数=1、短縮ライン数=0、対象ライン位置xγ=x2に設定された場合:図6参照)を例示している。さらに、図8(c)は、第1ライン同期信号Ls1〜第4ライン同期信号Ls4に対応する1行目x1〜4行目x4において、2行目x2が短縮ラインに設定された場合(Tsb≦Ts<Tscであることにより、伸張ライン数=0、短縮ライン数=1、対象ライン位置xγ=x2に設定される場合:図6参照)を例示している。そして、図8(a)〜(c)では、1行目x1〜4行目x4において、それぞれすべての発光素子E1〜Enが点灯することにより、感光体ドラム21が露光される状態を例示している。
【0045】
まず、図8(a)に示す例では、伸張ラインおよび短縮ラインが設定されないことにより、第1ライン同期信号Ls1〜第4ライン同期信号Ls4が等間隔になる。すなわち、第1ライン同期信号Ls1〜第4ライン同期信号Ls4の範囲において、ライン周期Tlが一律に設定される。また、図8(a)に示す例では、第1ライン同期信号Ls1〜第3ライン同期信号Ls3のそれぞれに対応する点灯許可信号のオン期間も一律に設定される。このため、感光体ドラム21上の露光領域の副走査方向長さは、1行目x1、2行目x2および3行目x3について、同じ大きさとなる。
【0046】
また、図8(b)に示す例では、2行目x2が伸張ラインに設定されることにより、第1ライン同期信号Ls1と第2ライン同期信号Ls2との間、第3ライン同期信号Ls3と第4ライン同期信号Ls4との間は等間隔になるが、第2ライン同期信号Ls2と第3ライン同期信号Ls3との間は、これらよりも広い間隔となる。すなわち、第1ライン同期信号Ls1〜第4ライン同期信号Ls4の範囲において、ライン周期Tlが一部分だけ長く設定される。また、図8(b)に示す例では、第1ライン同期信号Ls1および第3ライン同期信号Ls3のそれぞれに対応する点灯許可信号のオン期間が同じに設定される一方、第2ライン同期信号Ls2に対応する点灯許可信号のオン期間は、これらよりも長くなる。このため、感光体ドラム21上の露光領域の副走査方向長さは、1行目x1および3行目x3については同じ大きさとなるが、2行目x2についてはこれらよりも長くなる。
【0047】
さらに、図8(c)に示す例では、2行目x2が短縮ラインに設定されることにより、第1ライン同期信号Ls1と第2ライン同期信号Ls2との間、第3ライン同期信号Ls3と第4ライン同期信号Ls4との間は等間隔になるが、第2ライン同期信号Ls2と第3ライン同期信号Ls3との間は、これらよりも狭い間隔となる。すなわち、第1ライン同期信号Ls1〜第4ライン同期信号Ls4の範囲において、ライン周期Tlが一部分だけ短く設定される。また、図8(c)に示す例では、第1ライン同期信号Ls1および第3ライン同期信号Ls3のそれぞれに対応する点灯許可信号のオン期間が同じに設定される一方、第2ライン同期信号Ls2に対応する点灯許可信号のオン期間は、これらよりも短くなる。このため、感光体ドラム21上の露光領域の副走査方向長さは、1行目x1および3行目x3については同じ大きさとなるが、2行目x2についてはこれらよりも短くなる。
【0048】
図9は、画像形成動作に伴って感光体ドラム21上に形成される画像の副走査方向長さを説明するための図である。なお、図9は、説明を簡略化するために、m=20の場合を例示している。また、図9(a)は図8(a)に、図9(b)は図8(b)に、図9(c)は図8(c)に、それぞれ対応している。すなわち、図9(a)は、1行目x1〜20行目x20において、伸張ラインおよび短縮ラインが設定されなかった場合を例示している。また、図8(b)は、1行目x1〜20行目x20において、2行目x2が伸張ラインに設定された場合を例示している。さらに、図9(c)は、1行目x1〜20行目x20において、2行目x2が短縮ラインに設定された場合を例示している。
【0049】
まず、図9(a)に示す例では、1行目x1〜20行目x20のそれぞれの副走査方向長さが等間隔になる。このとき、感光体ドラム21上での画像の長さを、第1画像長Lg1と呼ぶ。
また、図9(b)に示す例では、1行目x1、3行目x3〜20行目x20のそれぞれの副走査方向長さが等間隔となる一方、2行目x2の副走査方向長さはこれらよりも長くなる。したがって、感光体ドラム21上での画像の長さは、上記第1画像長Lg1よりも長い第2画像長Lg2となる。
さらに、図9(c)に示す例では、1行目x1、3行目x3〜20行目x20のそれぞれの副走査方向長さが等間隔となる一方、2行目x2の副走査方向長さはこれらよりも短くなる。したがって、感光体ドラム21上での画像の長さは、上記第1画像長Lg1よりも短い第3画像長Lg3となる。
【0050】
本実施の形態の画像形成装置10では、連続用紙Sに形成される複数のレジストマークMの位置がずれていたり、連続用紙Sの搬送速度に若干の変動が生じたりすることがあり得る。このため、感光体ドラム21上に形成される画像の副走査方向長さを、複数のページに対して同じ長さに設定した場合、連続用紙Sに形成された各ページに転写される画像が、各ページに対して、副走査方向SSに沿って伸びてしまったり、あるいは、縮んでしまったりする懸念がある。
【0051】
これに対し、本実施の形態では、上述した手順にて、連続用紙Sの各ページに形成する画像の副走査方向長さを調節するようにしたので、例えば副走査方向長さが短めとなるページに対しては、転写する画像の副走査方向長さを短くすることが可能となり、例えば副走査方向長さが長めとなるページに対しては、転写する画像の副走査方向長さを長くすることが可能となる。したがって、連続用紙Sにおいて予め各ページに形成されているフォームと、連続用紙Sに転写される画像との整合性を高めることが可能になる。
【0052】
特に、本実施の形態では、各ページに対応する画像データの副走査方向ライン数(行数)を各ページで共通(m行)とし、特定の行に対する露光期間(ライン周期)を伸張あるいは短縮することで、画像の副走査方向長さを調整するようにした。このため、例えば各ページに対応する画像データの副走査方向ライン数(行数)をページ毎に増減させることで、画像の副走査方向長さを調整する場合と比較して、画像データの削除に伴う画像の欠落や画像の間延び等の発生を抑制することができる。
【0053】
ここで、本実施の形態では、ライン周期を伸張したラインについては各発光素子の点灯許可期間を長くし、ライン周期を短縮したラインについては各発光素子の点灯許可期間を短くするようにしたので、転写される画像においてライン周期が変更されたラインを目立たせにくくすることができる。
【0054】
なお、ここでは、伸張ライン数あるいは短縮ライン数(対象ライン数)が1となる場合について説明を行ったが、図6等からも明らかなように、対象ライン数が2以上となる場合もある。このように対象ライン数が2以上となる場合、その対象ラインの位置については、周期的に存在しないように(周期性を有しないように)することが望ましい。この理由は、副走査方向において周期的に伸張ラインあるいは短縮ラインに対応する画像が形成された場合、その位置が目立ちやすくなるためである。
【0055】
<実施の形態2>
本実施の形態は、実施の形態1と基本的に同じであるが、実施の形態1では、対象ページのライン周期Tlに基づいて、伸縮あるいは短縮の対象となる対象ライン数と対象ライン位置とを一義的に決めていたのに対し、本実施の形態では、対象ページのライン周期に基づいて対象ライン数を決めた後、対象ページの画像データに基づいて対象ライン位置を決めるようにしたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0056】
図10は、本実施の形態における制御部80の構成の一例を説明するためのブロック図である。なお、図10は、図5と同じく、露光装置23の制御に関連する要素を抜き出して示している。
この制御部80の構成は、ほぼ実施の形態1と同じであるが、ライン周期設定部82が、伸縮ライン数設定部82aおよび伸縮ライン位置設定部82bを備えている点で、実施の形態1とは異なっている。
【0057】
ここで、ライン周期設定部82を構成する伸縮ライン数設定部82aは、出力周期算出部81によって算出された対象ページの出力周期と、設定用テーブル格納部83から読み出した設定用テーブルとを用いて、対象ページを構成するm行のラインのうち、伸張あるいは短縮の対象となるラインの数を設定する。なお、設定用テーブル格納部83に格納される設定用テーブルの内容については後述する。
【0058】
また、ライン周期設定部82を構成する伸縮ライン位置設定部82bは、伸縮ライン数設定部82aによって設定された対象ページの対象ライン数と、出力画像データ作成部86によって作成される対象ページの画像データとに基づいて、対象ページを構成するm行のラインのうち、伸縮あるいは短縮の対象となるラインの位置を設定する。
【0059】
そして、本実施の形態のライン周期設定部82では、伸縮ライン数設定部82aで設定された対象ライン数と、伸縮ライン位置設定部82bで設定された対象ライン位置とに基づいて、対象ページに対応する露光動作におけるm個のライン同期信号のライン周期を設定する。
【0060】
ここで、図11は、図10に示す設定用格納テーブルに格納されている設定用テーブルの一例を示す図である。
本実施の形態の設定用テーブルは、出力周期算出部81によって算出されるセンサ出力周期Tsの大きさ(長さ)と、ライン周期を伸張する対象となる伸張ライン数と、ライン周期を短縮する対象となる短縮ライン数とを対応付けて構成されている。
図11に示す例では、Tsa≦Ts<Tsbの場合に、伸張ライン数が「0」、短縮ライン数が「2」に設定され、Tsb≦Ts<Tscの場合に、伸張ライン数が「0」、短縮ライン数が「1」に設定され、Tsc≦Ts<Tsdの場合に、伸張ライン数が「0」、短縮ライン数が「0」に設定され、Tsd≦Ts<Tseの場合に、伸張ライン数が「1」、短縮ライン数が「0」に設定され、Tse≦Ts<Tsfの場合に、伸張ライン数が「2」、短縮ライン数が「0」に設定される。
【0061】
図12は、ある対象ページにおける出力画像データの一例を示す図である。なお、図12は、説明を簡略化するために、m=20且つn=15の場合を例としている。また、図12は、上段にテキスト「A1」を形成し、中段にテキスト「zo」を形成するための出力画像データを例示している。
【0062】
図12に示す例では、1行目x1〜8行目x8、および、12行目x12〜15行目x15に、少なくとも1つの発光素子を点灯させるための画素データ(斜線で塗りつぶしたところ)が存在する。逆に見れば、図12に示す例では、9行目x9〜11行目x11、および、16行目x16〜20行目x20には、発光素子を点灯させるための画素データが存在しないことになる。
【0063】
本実施の形態では、伸縮ライン数設定部82aが、対象ページにおけるセンサ出力周期Tsと設定用テーブル格納部83から読み出した設定用テーブル(図11参照)とを用いて、伸縮ライン数を決定した後、伸縮ライン位置設定部82bが、例えば図12に示す対象ページの出力画像データを参照しつつ、伸縮ライン数のそれぞれに対応する伸縮ライン位置を決定する。このとき、伸縮ライン位置設定部82bは、ラインの伸縮を行っても、得られる画像に影響を与えにくい位置を、伸縮ライン位置として決定する。図12に示す例では、伸縮ライン位置設定部82bは、点灯させるための画素データが存在しないライン(9行目x9〜11行目x11、および、16行目x16〜20行目x20)から、ライン周期の伸縮対象となるラインを決定する。
【0064】
したがって、本実施の形態では、ライン周期の伸縮対象となるラインを、形成される画像に影響を与えないラインから選択するようにしたので、実施の形態1で説明した利点に加え、転写される画像においてライン周期が変更されたラインをさらに目立たせにくくすることができる。
【0065】
なお、ここでは、発光素子を点灯させるための画素データが全く存在しないラインを、ライン周期の伸縮対象ラインとして選択していたが、これに限られるものではない。すなわち、発光素子を点灯させるための画素データがすべての列(1列目y1〜n列目yn)に存在するラインを、ライン周期の伸縮対象ラインとして選択してもよい。
【0066】
また、ここでは、発光素子を点灯させるための画素データが全く存在しないラインを、ライン周期の伸縮対象ラインとして選択していたが、これに限られるものではない。すなわち、例えばすべてのラインに発光素子を点灯させるための画素データが存在する場合には、発光素子を点灯させるための画素データの数が少ないラインを、ライン周期の伸縮対象ラインとして選択するようにしてもよい。
【0067】
なお、実施の形態1、2では、対象ページに対応するm個のライン同期信号のうち、特定のライン同期信号のライン周期のみを調整するようにしていたが、これに限られるものではない。すなわち、対象ページに対応するm個のライン同期信号のすべてについて、ライン周期を伸張あるいは短縮するようにしてもよい。
【0068】
また、実施の形態1、2では、所謂電子写真方式を採用した画像形成部20を用いて、連続用紙Sに画像を形成するようにしていたが、これに限られるものではない。例えば主走査方向に並べて配置されたインク吐出口を有するインクジェットヘッドを用いて連続用紙Sに画像を形成する場合に適用してもよい。
【符号の説明】
【0069】
10…画像形成装置、20…画像形成部、21…感光体ドラム、22…帯電装置、23…露光装置、24…現像装置、25…転写装置、26…クリーナ、30…定着部、40…搬送部、50…送り出し部、60…供給部、70…マーク検出センサ、80…制御部、230…発光ユニット、231…基板、232…発光素子列、E1〜En…発光素子、S…連続用紙、M…レジストマーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のページを副走査方向に連ねてなる連続用紙を、当該副走査方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送される、前記連続用紙における複数のページを順次検知する検知手段と、
前記検知手段による検知部位を通過し且つ前記搬送手段によって前記副走査方向に搬送される前記連続用紙に対し、当該連続用紙の面に沿い且つ当該副走査方向に交差する主走査方向の1ラインを単位として、順次画像を形成する画像形成手段と、
前記検知手段による検知結果に基づいて、前記画像形成手段における前記主走査方向の1ラインの周期を、前記連続用紙におけるページ毎に調整する調整手段と
を含む画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成手段は、前記連続用紙における複数のページのそれぞれにおいて、前記副走査方向のライン数が同数となるように画像を形成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成手段は、前記調整手段により前記主走査方向の1ラインの周期が調整されたラインに対応する画像を形成する際に、当該ラインの画像形成期間をさらに調整することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記調整手段は、前記連続用紙の1ページ内において前記主走査方向の複数のラインにて当該主走査方向の1ラインの周期をそれぞれ調整する場合に、前記副走査方向における周期性を有しないように当該複数のラインの位置を設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記調整手段は、前記連続用紙における複数のページのそれぞれに形成する画像の内容を前記主走査方向の1ライン毎に解析し、画像形成の対象となる画素の数が少ないラインの周期を調整することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
複数のページを副走査方向に連ねてなる連続用紙を、当該副走査方向に搬送する搬送手段と、
回転する感光体と、当該感光体を帯電する帯電装置と、当該感光体の回転方向と交差する主走査方向に沿って並べられた複数の発光素子を用いて、当該主走査方向の1ラインを単位として当該感光体を順次露光する露光装置と、当該帯電装置および当該露光装置を用いて当該感光体に形成された静電潜像を現像する現像装置と、当該現像装置を用いて前記感光体に現像された画像を前記副走査方向に搬送される前記連続用紙に転写する転写装置とを有する画像形成手段と、
前記連続用紙における複数のページを構成する各ページが、前記感光体と前記転写手段との対向部を通過する通過期間を取得する取得手段と、
前記取得手段による取得結果に基づいて、前記露光手段における前記主走査方向の1ラインの露光に要する周期を、前記連続用紙におけるページ毎に調整する調整手段と
を含む画像形成装置。
【請求項7】
前記露光手段は、前記連続用紙における複数のページのそれぞれにおいて、前記副走査方向のライン数が同数となるように露光を行うことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項1】
複数のページを副走査方向に連ねてなる連続用紙を、当該副走査方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送される、前記連続用紙における複数のページを順次検知する検知手段と、
前記検知手段による検知部位を通過し且つ前記搬送手段によって前記副走査方向に搬送される前記連続用紙に対し、当該連続用紙の面に沿い且つ当該副走査方向に交差する主走査方向の1ラインを単位として、順次画像を形成する画像形成手段と、
前記検知手段による検知結果に基づいて、前記画像形成手段における前記主走査方向の1ラインの周期を、前記連続用紙におけるページ毎に調整する調整手段と
を含む画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成手段は、前記連続用紙における複数のページのそれぞれにおいて、前記副走査方向のライン数が同数となるように画像を形成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成手段は、前記調整手段により前記主走査方向の1ラインの周期が調整されたラインに対応する画像を形成する際に、当該ラインの画像形成期間をさらに調整することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記調整手段は、前記連続用紙の1ページ内において前記主走査方向の複数のラインにて当該主走査方向の1ラインの周期をそれぞれ調整する場合に、前記副走査方向における周期性を有しないように当該複数のラインの位置を設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記調整手段は、前記連続用紙における複数のページのそれぞれに形成する画像の内容を前記主走査方向の1ライン毎に解析し、画像形成の対象となる画素の数が少ないラインの周期を調整することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
複数のページを副走査方向に連ねてなる連続用紙を、当該副走査方向に搬送する搬送手段と、
回転する感光体と、当該感光体を帯電する帯電装置と、当該感光体の回転方向と交差する主走査方向に沿って並べられた複数の発光素子を用いて、当該主走査方向の1ラインを単位として当該感光体を順次露光する露光装置と、当該帯電装置および当該露光装置を用いて当該感光体に形成された静電潜像を現像する現像装置と、当該現像装置を用いて前記感光体に現像された画像を前記副走査方向に搬送される前記連続用紙に転写する転写装置とを有する画像形成手段と、
前記連続用紙における複数のページを構成する各ページが、前記感光体と前記転写手段との対向部を通過する通過期間を取得する取得手段と、
前記取得手段による取得結果に基づいて、前記露光手段における前記主走査方向の1ラインの露光に要する周期を、前記連続用紙におけるページ毎に調整する調整手段と
を含む画像形成装置。
【請求項7】
前記露光手段は、前記連続用紙における複数のページのそれぞれにおいて、前記副走査方向のライン数が同数となるように露光を行うことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−80051(P2013−80051A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219216(P2011−219216)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]