説明

画像撮影装置

【課題】複数の検出器ブロックを並べて光学的にしかも機械的に正確に配置することができ、ノイズの影響を受けにくい画像撮影装置を提供する。
【解決手段】X線100を発生するX線発生源を備える画像撮影装置10は、X線100を受けて光に変換するシンチレータ53と、光を電気信号に変換する光検出器54と、電気信号をデジタル信号に変換するデータ収集部55とを有する検出器ブロック52と、複数の検出器ブロック52を配列して固定する固定部材70と、基板63と、複数の検出器ブロック52の背面に略平行に挿通され、複数の検出器ブロック52におけるデータ収集部55の電気端子73と基板63とを電気的に接続する電気接続手段61と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線検出装置を有する画像撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像撮影装置は画像診断撮影装置ともいい、例えばX線CT(Computed Tomography)装置は、病院等の医療施設において使用されている。X線CT装置の架台には、X線検出器を備えている。X線管球で発生したX線は、このX線管球の回転に伴って被検体に対して曝射され、この被検体を透過したX線は、X線検出器に入射されることで、被検体の断層像を取得するようになっている。
【0003】
そして、X線検出器は入射したX線を電気信号に変換して、X線検出器からの電気信号は増幅された後に、データ収集装置(データ収集部:DAS:Data Acquisition System)によりデジタル信号に変換される。このデジタル化されたデータ信号は、データ伝送システムを用いてコンソール側に伝送される。
【0004】
X線検出器では複数の検出器ブロックが2次元的に配列されている。被検体を載せた寝台は、被検体の体軸方向に沿って移動して、架台の開口部内に挿入されるようなっており、このことは特許文献1に開示されている。この寝台は、被検体の体軸方向に沿って1軸移動されることで、被検体の部位の撮影範囲がX線撮影される(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008―259733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、X線CT装置では、X線検出器の大面積化に伴って、X線検出器を製造する際の歩留まりを向上するために、図12に示すように、検出器ブロック200は例えば複数個のフォトダイオードを集めてブロック化したものである。そこで、複数の検出器ブロック200は、コネクタ201と、フレキシブルケーブル202と、コネクタ203を用いて、離れた位置にあるデータ収集装置204に対して、電気的に接続されている。フレキシブルケーブル202は、検出器ブロック200に対して制御して給電し、検出器ブロック200からデータの取り出すのに用いられる。
【0007】
しかし、データ収集装置204が大きいために、複数の検出器ブロックを縦横に並べて光学的に正確に配置する、いわゆるタイリング作業を行う作業が、実際の製造工程では困難である。
【0008】
また、フレキシブルケーブル202が検出器ブロック200からデータ収集装置204までを電気的に接続しているが、このフレキシブルケーブル202の接続距離Nが長くなるので、フレキシブルケーブル202の静電容量が大きくなってしまい、ノイズの影響を受け易い。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の検出器ブロックを並べて光学的にしかも機械的に正確に配置することができ、ノイズの影響を受けにくい画像撮影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、画像撮影装置において、X線を発生するX線発生源を備える画像撮影装置であって、
前記X線を受けて光に変換するシンチレータと、前記光を電気信号に変換する光検出器と、前記電気信号をデジタル信号に変換するデータ収集部とを有する検出器ブロックと、
複数の前記検出器ブロックを配列して固定する固定部材と、
基板と、
複数の前記検出器ブロックの背面に略平行に挿通され、複数の前記検出器ブロックにおける前記データ収集部の電気端子と前記基板とを電気的に接続する電気接続手段と、
を備えることを特徴とする。これにより、複数の検出器ブロックを並べて光学的にしかも機械的に正確に配置することができ、ノイズの影響を受けにくい。
【0011】
請求項2の発明は、画像撮影装置において、前記電気接続手段は、フレキシブルケーブルであることを特徴とする。これにより、フレキシブルケーブルを用いるだけで、データ収集部の電気端子と前記基板とを簡単に電気的に接続することができる。
【0012】
請求項3の発明は、画像撮影装置において、前記電気接続手段は、異方性導電体シートであることを特徴とする。これにより、異方性導電体シートを用いるだけで、データ収集部の電気端子と基板とを簡単に電気的に接続することができる。
【0013】
請求項4の発明は、画像撮影装置において、前記検出器ブロックは、前記固定部材に対して第1方向と前記第1方向と交差する第2方向に沿って配列されており、各前記検出器ブロックは、前記固定部材に対して着脱可能に固定されていることを特徴とする。これにより、検出器ブロックが故障した場合でも、故障した検出器ブロックだけを固定部材から外して、新たな検出器ブロックと交換することができ、1つの検出器ブロックが故障した場合にも関わらず、全ての検出器ブロックを同時に交換しなければならない事態を防げ、メンテナンス費用を削減できる。
【0014】
請求項5の発明は、画像撮影装置において、複数の前記検出器ブロックには、前記X線を各前記検出器ブロックの前記シンチレータに導くための1つのコリメータが配置されていることを特徴とする。これにより、複数の検出器ブロックに対して、1つのコリメータを用意すれば良い。
【0015】
請求項6の発明は、画像撮影装置において、各前記検出器ブロックの前記シンチレータには、それぞれ前記X線を各前記検出器ブロックの前記シンチレータに導くためのコリメータが積層されていることを特徴とする。これにより、別途コリメータを用意する必要がなくなり、部品点数を減らし、小型化が実現できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数の検出器ブロックを並べて光学的にしかも機械的に正確に配置することができ、ノイズの影響を受けにくい画像撮影装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態1を示し、画像撮影装置の一例である医用診断のために画像撮影を行うX線CT装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示すX線CT装置をより詳しく示す図である。
【図3】図2に示す架台をB方向から見た正面図である。
【図4】放射線検出装置の構成例を概念的に示している分解斜視図である。
【図5】図5(A)と図5(B)は、コリメータがX方向に沿って湾曲して形成されており、しかも複数の検出器ブロックが、X方向とZ方向にマトリックス配列された例を示す斜視図である。
【図6】コリメータと、複数の検出器ブロックと、検出器ブロック用の固定部材と、フレキシブルケーブルと、コネクタと、バック基板を示す図である。
【図7】各検出器ブロックが固定部材の一方の面に固定されている構造例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態2を示す図である。
【図9】図6に示すフレキシブルケーブルと図8に示すフレキシブルケーブルの配置例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態3を示す図である。
【図11】本発明の実施形態4を示す図である。
【図12】従来例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
(実施形態1)
図1は、本発明の画像撮影装置の一例である医用診断のために画像撮影を行うX線CT装置を示す斜視図である。図2は、図1に示すX線CT装置をより詳しく示す図である。
【0020】
図1に示すX線CT装置10は、架台(ガントリ)11と、寝台30備えている。架台11と寝台30は、設置面12に設定されている。架台11の内部には、回転部13が設けられている。架台11の中心部であって回転部13の中心部には、円形状の開口部14が設けられている。この開口部14内には、寝台30の天板31とともにこの天板31に載せた被検体Mを、Z方向(開口部14の軸方向)に沿って挿入して位置決め可能である。
【0021】
ここで、図2と図1を参照しながら、架台11の構成例をさらに詳しく説明する。
【0022】
図2と図1に示すように、架台11は、本体カバー15と基台16を有しており、本体カバー15は基台16の上に設けられている。基台16は設置面12に設置されている。
【0023】
図2に示すように、本体カバー15は、前面カバー部17と、背面カバー部18と、表面カバー部19を有している。これらの前面カバー部17と背面カバー部18と表面カバー部19は、回転部13を覆っている。前面カバー部17と背面カバー部18は、開口部14を形成している。
【0024】
図2に示すように、回転部13は、X線発生源であるX線管球20と、X線管球20のX線を検出する放射線検出装置50と、図示しない高電圧発生部を備えており、X線管球20と放射線検出装置50は、開口部14の中心軸を中心として対向して配置されている。
【0025】
図2に例示するように、開口部14内には、寝台30の天板31とともに天板31に載せた被検体Mの例えば頭部HDが挿入される。そして、X線管球20は被検体Mの例えば頭部HDに対してX線を曝射して、被検体Mの例えば頭部HDを透過したX線は放射線検出装置50で検出される。これにより、放射線検出装置50では、検出したX線量を一旦光に変換して、さらにこの光をアナログの電気信号に変換して、アナログの電気信号は、データ収集部(DAS:Data Acquisition System)により増幅されて、デジタルデータ(投影データ)に変換される。
【0026】
図2に示すデータ伝送部23は、放射線検出装置50からのコンソール24へデジタルデータを非接触で伝送するものであり、デジタルデータは、回転部13側の送信部23Aから架台11の固定部側の受信部23Bへ送信されることで、データ伝送部23を通じてコンソール24側に伝送される。これにより、コンソール24は被検体Mの断層像を取得する。
【0027】
また、回転部13には、スリップリング25が設けられており、スリップリング25は図示しない高電圧発生部に電力を供給する。
【0028】
図2に示す寝台30は、天板31と台座部32を有しており、天板31の上には被検体Mを載置させる。台座部32は、天板31をY方向に沿って上下移動して高さ方向の位置決めができ、Z方向に沿って移動して水平方向の位置決めができる。Y方向とZ方向は直交している。このZ方向は被検体Mの体軸方向CLと平行である。
【0029】
図3は、図2に示す架台11をB方向から見た正面図である。
【0030】
図3に示すように、X線管球20と放射線検出装置50とは、開口部14を挟んで対向して配置されている。この放射線検出装置50は、次に説明するように、X線管球20を中心として、X方向に沿って円弧状に形成されている。X方向は放射線検出装置50の検出器ブロックのチャンネル方向であり、Z方向は被検体の体軸方向CLと平行である。このX方向は第1方向であり、Z方向は第2方向であり、X方向とZ方向は直交している。
【0031】
図4は、放射線検出装置50の構成例を概念的に示している分解斜視図である。
【0032】
図4に示すように、放射線検出装置50は、コリメータ51と、検出器ブロック52を有する。検出器ブロック52は、シンチレータ53と、光検出部54と、データ収集部(DAS:Data Acquisition System)55を備え、シンチレータ53と、光検出部54と、データ収集部55は積層されることで、ブロック化されている。
【0033】
図4に示すコリメータ51は、図2に示すX線管球20から発生するX線100を、シンチレータ52に効率良く曝射させるために設けられており、別の部分で反射したX線などのノイズを除去する。シンチレータ53は、コリメータ15を通過して到達したX線100を、光Lに変換する。光検出部54は、例えば複数のフォトダイオードを用いて構成されており、この光Lを電気信号に変換してアナログ信号にして、このアナログ信号は、データ収集部55に送られる。
【0034】
図5(A)と図5(B)は、コリメータ51がX方向に沿って湾曲して形成されており、しかも複数の検出器ブロック52が、湾曲しているX方向とZ方向にマトリックス状に配列された例を示す斜視図である。
【0035】
図5に示す本発明の実施形態では、コリメータ51がX方向に沿って湾曲して形成されており、しかも複数の検出器ブロック52が、X方向とZ方向にマトリックス配列されている。すなわち、コリメータ51は、複数の検出器ブロック52を覆う広さを有しており、1つのコリメータ51が用いられている。これにより、複数の検出器ブロックに対して、1つのコリメータを用意すれば良く、各検出器ブロックに対してそれぞれコリメータを配置する場合に比べて部品点数が減らせる。
【0036】
図6は、コリメータ51と、複数の検出器ブロック52と、検出器ブロック用の固定部材70と、フレキシブルケーブル61と、コネクタ62と、バック基板63を示している。なお、図6では、図面の簡単化のために、X方向に沿って4つの検出器ブロック52を代表して示しているが、実際にはX方向とZ方向に沿って任意の数の検出器ブロック52が固定部材70に対してマトリックス状に配列され、しかも着脱可能に固定されている。
【0037】
図6に示すように、コリメータ51の凸面51Aは、複数の検出器ブロック52に対面して配置されている。コリメータ51の反対側の凹面51Bは、X線を受ける側である。
【0038】
図6に示すように、固定部材70は例えば平板状の部材である。複数の検出器ブロック52は、固定部材70の一方の面70Aにおいて、配列ピッチP毎に、そして稠密に間隔をおいて、X方向とZ方向に沿ってマトリックス状に配列されており、機械的に着脱可能に固定されている。
【0039】
図7は、各検出器ブロック52が固定部材70の一方の面70Aに固定されている構造例を示している。この固定部材70は、各検出器ブロック52を機械的にしかも光学的に正確な位置に固定するための部材である。
【0040】
各検出器ブロック52は、例えば複数本のネジ71により、固定部材70に対して着脱可能に取り付けられている。このように、各検出器ブロック52が固定部材70に対して着脱可能に取り付けられていることにより、例えば検出器ブロック52の光検出部54とデータ収集部55のいずれか少なくとも一方が故障した場合でも、不具合な検出器ブロック52だけを簡単に交換することができる。このため、検出器ブロックが故障した場合でも、故障した検出器ブロックだけを固定部材から外して、新たな検出器ブロックと交換することができ、1つの検出器ブロックが故障した場合にも関わらず、全ての検出器ブロックを同時に交換しなければならない事態を防げ、メンテナンス費用を削減できる。
【0041】
これにより、全部の検出器ブロック52とともに固定部材70とフレキシブルケーブル61を交換する事態になることを防ぐことができ、メンテナンスが容易である。
【0042】
図6と図7に示すように、データ収集部55の電気端子73は、フレキシブルケーブル61の電気端子74に対して電気的に接続されている。フレキシブルケーブル61の屈曲部75は、データ収集部55の電気端子73とフレキシブルケーブル61の電気端子74の位置合わせをするためにフレキシブルケーブル61の一部を弾性変形させることで、任意に設けることができる。これにより、データ収集部55の電気端子73とフレキシブルケーブル61の電気端子74の位置合わせを確実に行うことができる。
【0043】
図6に示すように、フレキシブルケーブル61は電気コネクタ62を介してバック基板63に対して電気的に接続されている。このように、フレキシブルケーブル61は、データ収集部55の電気端子73とバック基板63とを電気的に接続する電気接続手段の一例である。バック基板63は、コンソール24の画像処理部75に対して電気的に接続されている。
【0044】
次に、上述した本発明の実施形態の動作を、図1〜図7を参照して、説明する。
【0045】
図1に示すX線CT装置10を用いて被検体Mの撮影をする動作例を説明する。
【0046】
図2に例示するように、寝台30の天板31は被検体Mを載せた状態で、架台11の開口部14内に挿入され、被検体Mの頭部HDが開口部14内に位置決めされる。
【0047】
図2に示すように、X線管球20はX線を発生し、X線管球20は、R方向に沿ってシステム軸線CLを中心にして回転される。X線管球20からX線100が被検体Mに対して曝射されると、図4に示すように、X線管球20からのX線100は、被検体Mと透過して、放射線検出装置50のコリメータ51を通り、検出器ブロック52のシンチレータ53に入射される。
【0048】
図6に示すシンチレータ53は、入射されたX線100を光Lに変換して、光Lは光検出部54に受光される。これにより、光Lは、光―電気信号変換され、光―電気信号変換されたアナログ信号である形態情報データは、データ収集部55においてデジタル信号Sになる。
【0049】
このデジタル信号Sは、図6に示すデータ収集部55の電気端子73とフレキシブルケーブル61の電気端子74と、フレキシブルケーブル61の導体線部と電気コネクタ62とバック基板63を介して、コンソール24の画像処理部75に対して送られることで、例えば被検体の頭部の形態をコンソール24の表示装置に表示することができる。これにより、図2に示すX線撮影対象部位の具体的な一例である被検体Mの頭部HDは、往復撮影範囲PにおいてX線撮影される。
【0050】
このように、画像撮影装置の一例であるX線CT装置10では、放射線検出装置50は、コリメータ51と、検出器ブロック52を有し、検出器ブロック52は、シンチレータ53と、光検出部54と、データ収集部55を備えており、シンチレータ53と、光検出部54と、データ収集部55は一体的に配置するによりモジュール化されている。 これにより、放射線検出装置50の検出器ブロック52は、複数の検出器ブロックを並べて光学的にしかも機械的に正確に配置することができ、ノイズの影響を受けにくい。
【0051】
次に、本発明の別の実施形態を説明する。
【0052】
なお、以下に説明する本発明の別の実施形態における構成要素が、図1〜図7に示す実施形態1の対応する構成要素と実質的に同じである場合には、同じ符号を記してその説明を用いることにする。
【0053】
(実施形態2)
図8は、本発明の実施形態2を示している。
【0054】
図8に示す本発明の実施形態2が、図6に示す本発明の実施形態1とほぼ同じ構成を有しているが、本発明の実施形態2の放射線検出装置50Rが図6に示す本発明の実施形態1の放射線検出装置50と異なるのは、コリメータ51Rの形状である。
【0055】
図6に示す実施形態1では、1つのコリメータ51が、各検出器ブロック52に対して共通して配置されている。これに対して、図8に示す実施形態2では、各検出器ブロック52に対してそれぞれコリメータ51Rが一体的に配置されている。
【0056】
図9では、図6に示すフレキシブルケーブル61と図8に示すフレキシブルケーブル61の配置例を示している。図9(A)では、フレキシブルケーブル61は、Z方向とZ方向に直交するX1方向に沿って格子状に配置されている。図9(B)では、フレキシブルケーブル61は、X1方向に平行にすだれ状に配置されている。図9(A)に示すフレキシブルケーブル61の配置例は、図9(B)のフレキシブルケーブル61の配置例に比べて、強度を上げることができ、各フレキシブルケーブル61の電位のグランドを共通化できる。
【0057】
(実施形態3)
図10は、本発明の実施形態3を示している。
【0058】
図10に示す本発明の実施形態3が、図6に示す本発明の実施形態1とほぼ同じ構成を有しているが、本発明の実施形態3の放射線検出装置50Sが図6に示す本発明の実施形態1の放射線検出装置50と異なるのは、図10に示す電気接続手段としてのフレキシブルケーブル61に代えて、電気接続手段としての異方性導電体シート170が配置されていることである。
【0059】
図10に示すように、異方性導電体シート170は、絶縁フィルム171の中に多数の球状の導電体172が含まれている。検出器ブロック52のデータ収集部55の電気端子73が異方性導電体シート170の一方の面に押しつけられるとともに、バック基板63の電気端子63Bが異方性導電体シート170の他方の面に押しつけられることにより、電気端子73,63Bは導電体172を挟むことで相互の導通を行うことができる。しかも、異方性導電体シート170は、検出器ブロック52のデータ収集部55とバック基板63を直接的に電気的に接続できるので、放射線検出装置の小型化と、部品点数の削減が図れる。
【0060】
図10に示す本発明の実施形態3では、図6に示す本発明の実施形態1と同じように、1つのコリメータ51が、各検出器ブロック52に対して共通して配置されている。
【0061】
(実施形態4)
図11は、本発明の実施形態4を示している。
【0062】
図11に示す本発明の実施形態4が、図10に示す本発明の実施形態3とほぼ同じ構成を有しているが、本発明の実施形態4の放射線検出装置50Tが図10に示す本発明の実施形態3の放射線検出装置50Sと異なるのは、コリメータ51Rの形状である。
【0063】
図10に示す実施形態3では、1つのコリメータ51が、各検出器ブロック52に対して共通して配置されている。これに対して、図11に示す実施形態4では、各検出器ブロック52に対してそれぞれコリメータ51Rが一体的に配置されている。
【0064】
図11に示すように、異方性導電体シート170は、絶縁フィルム171の中に多数の球状の導電体172が含まれている。検出器ブロック52のデータ収集部55の電気端子73が異方性導電体シート170の一方の面に押しつけられるとともに、バック基板63の電気端子63Bが異方性導電体シート170の他方の面に押しつけられることにより、電気端子73,63Bは導電体172を挟むことで相互の導通を行うことができる。しかも、異方性導電体シート170は、検出器ブロック52のデータ収集部55とバック基板63を直接的に電気的に接続できるので、放射線検出装置の小型化と、部品点数の削減が図れる。
【0065】
本発明は、上記実施形態に限定されない。例えば図示例では、画像撮影装置の一例としてX線CT装置を上げているが、これに限らず装置等の他の装置であっても良い。例えば、本発明の画像撮影装置は、PET(Position Emission computed Tomography:陽電子放出コンピュータ断層撮影)装置としても適用でき、この場合には、X線管球20からのX線100が被検体Mに対して曝射されて、X線100が被検体M内の薬剤に入射されると、その薬剤投与の部位からはガンマ線が発生して、このガンマ線がシンチレータに入射され、ガンマ線を光に変換して、光が光検出部に受光される。
【0066】
さらに、本発明の実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。例えば、本発明の実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0067】
10 X線CT装置
11 架台
14 開口部
20 X線発生源であるX線管球
30 寝台
50 放射線検出装置
51 コリメータ
52 検出器ブロック
53 シンチレータ
54 光検出部
55 データ収集部
61 フレキシブルケーブル(電気接続手段の一例)
62 コネクタ
63 バック基板(基板の一例)
70 固定部材
73 データ収集部の電気端子
100 X線
170 異方性導電体シート(電気接続手段の一例)
X 第1方向
Z 第2方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を発生するX線発生源を備える画像撮影装置であって、
前記X線を受けて光に変換するシンチレータと、前記光を電気信号に変換する光検出器と、前記電気信号をデジタル信号に変換するデータ収集部とを有する検出器ブロックと、
複数の前記検出器ブロックを配列して固定する固定部材と、
基板と、
複数の前記検出器ブロックの背面に略平行に挿通され、複数の前記検出器ブロックにおける前記データ収集部の電気端子と前記基板とを電気的に接続する電気接続手段と、
を備えることを特徴とする画像撮影装置。
【請求項2】
前記電気接続手段は、フレキシブルケーブルであることを特徴とする請求項1に記載の画像撮影装置。
【請求項3】
前記電気接続手段は、異方性導電体シートであることを特徴とする請求項1に記載の画像撮影装置。
【請求項4】
前記検出器ブロックは、前記固定部材に対して第1方向と前記第1方向と交差する第2方向に沿って配列されており、各前記検出器ブロックは、前記固定部材に対して着脱可能に固定されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つの項に記載の画像撮影装置。
【請求項5】
複数の前記検出器ブロックには、前記X線を各前記検出器ブロックの前記シンチレータに導くための1つのコリメータが配置されていることを特徴とする請求項4に記載の画像撮影装置。
【請求項6】
各前記検出器ブロックの前記シンチレータには、それぞれ前記X線を各前記検出器ブロックの前記シンチレータに導くためのコリメータが積層されていることを特徴とする請求項4に記載の画像撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−137690(P2011−137690A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297180(P2009−297180)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】