画像表示プログラム、端末装置、画像表示方法、および、画像表示システム
【課題】ユーザの操作性の向上を図る画像表示プログラム、端末装置、画像表示方法、および、画像表示システムを提供する。
【解決手段】本発明は、原画像に係る原画像情報を受信し、原画像情報に基づき原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付け(S1)、第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出し(S4)、第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、第2の部分領域に係る部分領域画像データまたは第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択し(S5)、選択された部分領域画像データを受信し、受信した部分領域画像データを表示する。
【解決手段】本発明は、原画像に係る原画像情報を受信し、原画像情報に基づき原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付け(S1)、第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出し(S4)、第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、第2の部分領域に係る部分領域画像データまたは第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択し(S5)、選択された部分領域画像データを受信し、受信した部分領域画像データを表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク等を通じて画像データをダウンロードして表示させる画像表示プログラム、端末装置、画像表示方法、および、画像表示システムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯型無線電話機等の携帯端末が普及し、ユーザは、外出先等でも手軽に携帯端末により、Webページや放送番組等の動画を閲覧できるようになった。
【0003】
これらを閲覧等する場合、携帯端末の表示画面がパーソナルコンピュータやテレビ等の画面に比べて小さいため、携帯端末は、表示画面のサイズに基づいて圧縮された画像データ等を表示画面に表示している。例えば、特許文献1には、以下のような携帯端末の技術が開示されている。携帯端末が、受信した原画像データが表示部の画素数よりも多い場合に、原画像データの画素数を表示部の画素数まで減少させて表示する。そして、画像上において、ポインティングデバイスにより位置が指定されると、原画像データにおける対応座標を算出し、この対応座標に基づき、原画像データにおいて表示部の画素数に等しい画像領域を指定し、これらの情報を画像データ配信装置へ送信する。これにより、画像領域に対応する画像データを受信すると、画像データの画素数を変えることなく、一部拡大画像として表示部に表示させる。
【特許文献1】特開2003−91410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、光ファイバー等のブロードバンドインターネット接続の普及と共に、詳細な地図データ等の数メガピクセルからギガピクセルの静止画像や高精細度テレビジョン放送等の動画等の高解像度の画像がWeb上に公開され、パーソナルコンピュータ等により閲覧できるようになってきている。
【0005】
しかしながら、携帯型無線電話機等の携帯端末の場合、特に、表示画面の大きさの他に通信速度や記憶容量等の機能的制約が多いため、上記技術を用いても、詳細な地図データ等の高解像度の画像をスムーズに閲覧することが難しく、ユーザの操作性の向上が十分に図られているとは言いがたかった。また、ユーザがパーソナルコンピュータで閲覧する場合でも、例えば通信状態が悪くてレスポンスが少しでも遅いと、ユーザは要求に対するレスポンスが待てず、次から次へと画面をクリックする等の連続した要求をしがちである。この場合、通信のオーバヘッドによる負荷が大きくなり、余計にユーザの操作に対するレスポンスが遅くなっていたため、ユーザの操作性の向上が十分に図られているとは言いがたかった。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その課題の一例は、ユーザの操作性の向上を図る画像表示プログラム、端末装置、画像表示方法、および、画像表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、コンピュータを、原画像に係る原画像情報を受信する原画像情報受信手段、前記原画像情報に基づき前記原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付ける領域選択手段、前記第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、前記第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出する第3部分領域算出手段、前記第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、前記第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、前記第2の部分領域に係る部分領域画像データまたは前記第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択する受信選択手段、選択した前記部分領域画像データを受信する画像データ受信手段、および、受信した前記部分領域画像データを表示する表示手段として機能させることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、第3の部分領域に係る部分領域画像データを受信する場合、受信予定の部分領域が融合された形で画像データを受信できるため、受信の回数を減少させて全体の受信時間を短縮でき、ユーザの操作に対するレスポンスが改善されてユーザの操作性の向上を図ることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像表示プログラムにおいて、前記受信選択手段における前記部分領域の属性情報が、前記部分領域の大きさであることを特徴とする。この場合、部分領域の大きさにより、受信時間が容易に見積もれる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像表示プログラムにおいて、前記受信選択手段における前記部分領域の属性情報が、前記第1および第2の部分領域の大きさと、前記第3の部分領域の大きさとを比較した値であることを特徴とする。
【0011】
この場合、3の部分領域に対して、第1の部分領域と第2の部分領域とがどれだけ含まれているか等の定量的な指標により、融合した部分領域に係る部分領域画像データを受信した方が早いか否かをより的確に判断できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像表示プログラムにおいて、複数選択した前記部分領域のうち、前記第2の部分領域に対して、前記比較した値が極値になる部分領域を、第1の部分領域とすることを特徴とする。
【0013】
この場合、ユーザの最新に要求する第2の部分領域に対して第1の部分領域が最適な融合の候補となり、より効率的に画像データを受信できる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の画像表示プログラムにおいて、前記受信選択手段における前記部分領域の属性情報が、前記第1の部分領域と第2の部分領域との領域間距離である。
【0015】
この場合、この領域間距離により簡易に融合の効率を算出することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像表示プログラムにおいて、前記受信選択手段が、前記受信の通信状態に基づき、前記第2の部分領域に係る画像データまたは前記第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択することを特徴とする。
【0017】
この場合、移動体通信網等の通信状態に基づき判定することにより、通信状態に応じた効率のよく画像データを受信ができ、ユーザの操作性の向上を図ることができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像表示プログラムにおいて、前記第3の部分領域の形状は矩形であり、かつ、この矩形の辺が前記第1の部分領域および前記第2の部分領域に接し、第3の部分領域の大きさが最小になる最小外接矩形である。
【0019】
この場合、第3の部分領域を効率的に算出できる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、原画像に係る原画像情報を受信する原画像情報受信手段と、前記原画像情報に基づき前記原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付ける領域選択手段と、前記第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、前記第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出する第3部分領域算出手段と、前記第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、前記第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、前記第2の部分領域に係る部分領域画像データまたは前記第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択する受信選択手段と、選択した前記部分領域画像データを受信する画像データ受信手段と、受信した前記部分領域画像データを表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、第3の部分領域に係る部分領域画像データを受信する場合、受信予定の部分領域が融合された形で画像データを受信できるため、受信の回数を減少させて全体の受信時間を短縮でき、ユーザの操作に対するレスポンスが改善されてユーザの操作性の向上を図る携帯端末を提供ができる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、原画像に係る原画像情報を受信する原画像情報受信ステップと、前記原画像情報に基づき前記原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付ける領域選択ステップと、前記第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、前記第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出する第3部分領域算出ステップと、前記第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、前記第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、前記第2の部分領域に係る画像データまたは前記第3の部分領域に係る画像データのいずれを受信するかを選択する受信選択ステップと、選択された前記画像データを受信する画像データ受信ステップと、受信した前記画像データを表示する表示ステップと、を有することを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、第3の部分領域に係る部分領域画像データを受信する場合、受信予定の部分領域が融合された形で画像データを受信できるため、受信の回数を減少させて全体の受信時間を短縮でき、ユーザの操作に対するレスポンスが改善されてユーザの操作性の向上を図る画像表示方法を提供ができる。
【0024】
請求項10に記載の発明は、画像データの表示を行う携帯端末と、前記携帯端末の要求に応じて画像データを配信する画像サーバと、を備える画像表示システムにおいて、前記端末装置は、原画像に係る原画像情報を受信する原画像情報受信手段と、前記原画像情報に基づき前記原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付ける領域選択手段と、前記第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、前記第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出する第3部分領域算出手段と、前記第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、前記第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、前記第2の部分領域に係る部分領域画像データまたは前記第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択する受信選択手段と、選択した前記部分領域画像データを受信する画像データ受信手段と、受信した前記部分領域画像データを表示する表示手段と、を備え、前記サーバ装置は、前記携帯端末からの要求を受信する要求受信手段と、前記携帯端末の要求に応じて前記原画像に係る原画像データを受信する原画像データ受信手段と、前記原画像に係る原画像情報を作成する原画像情報作成手段と、前記原画像情報を前記携帯端末に送信する原画像情報送信手段と、前記携帯端末の要求に応じて前記原画像データから前記部分領域画像データを作成する部分領域画像データ作成手段と、前記部分領域画像データを前記携帯端末に送信する画像データ送信手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、原画像に係る原画像情報に基づき、原画像の第1および第2の部分領域を選択し、第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出し、第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、第2の部分領域に係る部分領域画像データまたは第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択し画像データを受信することにより、第3の部分領域に係る部分領域画像データを受信する場合、受信予定の部分領域が融合された形で画像データを受信できるため、受信の回数を減少させて全体の受信時間を短縮でき、ユーザの操作に対するレスポンスが改善され、ユーザの操作性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0027】
まず、本発明の実施形態に係る画像表示システムの概略構成および機能について、図に基づき説明する。
【0028】
図1は、本発明に係る第1の実施形態に係る画像表示システムの概要構成例を示す模式図である。
【0029】
図1に示すように、画像表示システム1は、画像の表示を行う携帯端末10と、携帯端末10の要求に応じて画像データを配信する画像サーバ20と、を備える。
【0030】
携帯端末10は、移動体通信網2に接続され、画像サーバ20は、インターネット等のネットワーク3に接続され、移動体通信網2とネットワーク3とはプロトコル変換やコンテンツを記述する言語の変換等を行うためのゲートウエイ等により接続されている。また、画像サーバ20は、HTML文書や画像等のデータを保持するWebサーバ30に、インターネット等のネットワーク3を介して接続されている。そして、携帯端末10は、閲覧したい画像、すなわち、原画像のURL(Uniform Resource Locator)等のリクエスト情報を画像サーバ20に送信する。画像サーバ20は、URLに対応したWebサーバ30から原画像に係る原画像データを受信し、この原画像データから、原画像に係る原画像情報を作成したり、原画像データを携帯端末10用に加工処理したりして、原画像情報や画像データを携帯端末10に送信する。例えば、アクセス先としての画像サーバ20のURLは、携帯端末10側のソフトウエアに組み込まれていて、携帯端末10側において、原画像データ先としてのWebサーバ30のURLを、直接入力したり、Webサーバ30のURLが埋め込まれた箇所等をクリックしたりすると、リクエスト情報が携帯端末10から画像サーバ20に送信される。そして、画像サーバ20は、Webサーバ30から原画像データを取得したの後、所定の加工を施した原画像データを携帯端末10に提供することができる。このように、携帯端末10は、インストールされたソフトウエアに基づき、画像サーバ20を介して、Webサーバ30等から情報を取得している。
【0031】
次に、携帯端末10の構成および機能について、図に基づき説明する。図2は、携帯端末10の概要構成の一例を示すブロック図である。
【0032】
図2に示すように、携帯端末10は、画像やテキスト等を表示する表示部11と、表示部11に表示されたポインタの操作等に使用される操作部12と、画像サーバ20等と送受信を行う無線通信部13と、通話のための音声の入出力を行う音声入出力部14と、画像サーバ20から送信されたデータ等を記憶する記憶部15と、携帯端末10の各種制御を行う制御部16と、を備え、これら各部はシステムバス17により接続されている。
【0033】
表示部11は、液晶表示素子またはEL(Electro Luminescence)素子等によって構成されている。表示部11には、図3に示されるように、表示された画像における位置を示すポインタ11aが表示される。表示部11は、受信した画像データ等を表示する表示手段の一例として機能する。
【0034】
操作部12は、数字キー、十字キー、機能キーなどの各種キーにより構成されている。操作部12により、表示部11に表示されたポインタ11aを移動させたり、画像を回転させたり、画像を縮小や拡大させたり、表示された画像どの部分領域の詳細な画像をダウンロードするか確定させたりする。操作部12は、原画像情報に基づき原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付けるる領域選択手段の一例として機能する。
【0035】
無線通信部13は、原画像に係る原画像情報を受信する原画像情報受信手段や選択した部分領域画像データを受信する画像データ受信手段の一例として機能する。
【0036】
記憶部15は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等を有し、画像サーバ20からダウンロードした画像データや、画像に関する属性情報や、画像の部分領域の属性情報等を記憶する。そして、記憶部15には、ある解像度の画像に対応したメモリ空間や情報を一時的に保持するスタック等が形成される。
【0037】
制御部16は、CPU(Central Processing Unit)等を有し、上記各部の制御および各種の情報処理の実行をする。そして、制御部16は、原画像情報に基づき原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付ける領域選択手段や、第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出する第3部分領域算出手段や、第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、第1および第2の部分領域に係る部分領域画像データまたは第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択する受信選択手段の一例として機能する。
【0038】
次に、図1に示すように、サーバ装置の一例である画像サーバ20は、画像サーバ20全体を制御する制御部21と、画像データ等を記憶するデータベース22と、を備える。
【0039】
制御部21は、CPUや送受信手段等を有し、携帯端末10やWebサーバ30と通信を行ったり、データベース22を制御したり、Webサーバ30からダウンロードした画像データの解像度を落とすなど各種の画像処理を行ったりする。また、データベース22には、Webサーバ30からダウンロードした画像データやこのデータを画像処理したデータや、携帯端末10からの要求等が記憶されている。そして、制御部21は、携帯端末10からの要求を受信する要求受信手段や、携帯端末10の要求に応じて原画像に係る原画像データを受信する原画像データ受信手段や、原画像情報を携帯端末10に送信する原画像情報送信手段や、携帯端末10の要求に応じて原画像データ25から部分領域画像データを作成する部分領域画像データ作成手段や、部分領域画像データを携帯端末10に送信する画像データ送信手段の一例として機能する。
【0040】
次に、図4および図5に基づき、本実施形態に用いる画像データの一例について説明する。
【0041】
図4は、Webサーバ30のデータベースに存在する原画像データの一例を示す模式図である。図5は、画像サーバ20のデータベースにおける解像度の異なる画像データの一例を示す模式図である。
【0042】
Webサーバ30は、携帯端末10がURLにより示した原画像データを有し、例えば、図4に示すように、原画像データ35を有している。この原画像データ35は、数メガ〜ギガピクセルの大きさの画像データで、携帯端末10では、そのままでは表示ができないとする。
【0043】
図5に示すように、Webサーバ30から画像サーバ20にダウンロードした原画像データ25は、データベース22に記憶される。そして、画像サーバ20の制御部21は、図5に示すように、様々の解像度の画像データ25a、25b、25c等を作成する。
【0044】
ここで、原画像に係る原画像情報として、原画像データ25や作成された様々の解像度の画像データに関する画素数(解像度)や幅と高さとの比の情報等が挙げられる。また、携帯端末10の表示部11に表示される原画像に関する情報、すなわち、原画像の全体の様子が分かるように圧縮した画像の画像データ25aや、画像データ25b、25cの一部や原画像データ25の一部が挙げられる。このように、制御部21は、原画像に係る原画像情報を作成する原画像情報作成手段の一例として機能する。
【0045】
なお、解像度を低下させて画素数を小さくするに際して、一度、原画像データ25を複数の領域に分割して分割画像とする。そしてマルチコアのCPU等を用いた並列処理により、これら各分割画像の解像度を減少させて低解像度分割画像を得たのち、これらを統合して低解像度統合画像を得るようにしている。このように、圧縮して低解像度にする画像を、まず分割して分割画像にし、分割画像の圧縮を、複数の解像度減少手段による並列処理で行っているため、高速に画像の圧縮を実現できる。また、ユーザの要求に応じて、あるメガピクセル画像の画像を携帯端末10で閲覧させる場合、高速に要求に応え、解像度を減少させた画像を送信できる。
【0046】
次に、本実施形態の動作について図6〜図11に基づき説明する。
【0047】
図6は、本実施形態のアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。図7は、記憶部15において、表示部11に表示される領域およびキャッシュされる領域の一例を示す模式図である。図8(A)から(C)、図9(D)から(F)、図10(G)および図10(H)は、図6のフローチャートに基づきダウンロードする部分領域およびスタックの様子の一例を示した模式図である。図11(A)および(B)は、本実施形態のアルゴリズムによる部分領域の融合の一例を示す模式図である。
【0048】
まず、ユーザの入力に基づき、携帯端末10は、あるサイトの画像が存在するURLを、画像サーバ20に送信する。このとき、携帯端末10の制御部16は、携帯端末10における表示部11の画面の大きさや解像度等の携帯端末10の機能に関する情報も画像サーバ20に送信する。画像サーバ20の制御部21は、要求されたURLに対応したWebサーバ30にアクセスして、図4に示したような原画像データ35をダウンロードし、データベース22に原画像データ25として記憶させる。なお、リクエスト情報の送信先である画像サーバ20のURLは、制御部16が実行している画像表示プログラムに組み込まれている。
【0049】
原画像データ25のデータ量が携帯端末10の表示機能等に対して大きい場合、制御部21は、図5に示したように、原画像データ25の低解像度の画像データを作成する。例えば、制御部21は、原画像データ25を縮小して、表示部11の画面に収まるように画素数を落とした低解像度の画像データ25aを作成し、原画像情報として原画像の画素数等の情報と共に携帯端末10に送信する。
【0050】
携帯端末10の制御部16は、画像サーバ20から画像データ25a等の原画像情報を受信し、図3に示したように、画像データ25aを表示部11に表示させる。
【0051】
次に、図6に示すように、携帯端末10の制御部16が、画像サーバ20からダウンロードする候補の部分領域の入力を操作部12から受信する(ステップS1)。例えば、携帯端末10のユーザが、操作部12を操作して、図3に示したように、表示部11に画像データ25aが表示された画像を見ながら、ポインタ11aを移動させて、詳細に見たいところを選択して確定する。
【0052】
見たいところが確定すると、図7に示すように、制御部16は、現在表示されている画像の解像度よりも高解像度の画像に対応したメモリ空間15aにおける部分領域Pを算出する。部分領域Pは、表示部11に表示させる表示領域SAと、先読みしてキャッシュするダブルバッファリング領域、すなわち、表示領域SAの周りの斜線により示した領域とである。なお、メモリ空間15aは記憶部15の内部に形成され、これからダウンロードする画像を記憶させるメモリ上の空間である。また、図7に示した画像は、これから画像サーバ20からダウンロードする高解像度の画像(例えば画像データ25b)を示している。
【0053】
ここで、表示領域SAは矩形であり、例えば、メモリ空間15aの原点に最も近い位置u1と、幅と高さにより規定される。また、部分領域Pも矩形であり、例えば、メモリ空間15aの原点に最も近い位置u2と、幅w2と高さh2により規定される。なお、原点は図面向かって左上とし、x軸は右方向、y軸は下向きとする。また、表示領域SAや部分領域Pの矩形の各辺は、x軸またはy軸に平行であるとする。
【0054】
位置u2は、画像データ25aおけるクリックされた位置や、画像データ25aの解像度と画像データ25bの解像度との比や、画像データ25bの解像度や幅と高さとの比より求まる幅W、高さH等により、算出できる。このように制御部16は、解像度等の原画像情報に基づき、原画像の部分領域の選択を受け付ける領域選択手段の一例として機能する。
【0055】
ここで、原画像の部分領域とは、原画像データ25の部分領域でもよいし、原画像データ25の低解像度の画像データ25a、25b、25cの部分領域でもよい。
【0056】
なお、画像サーバ20からダウンロードする高解像度の画像の解像度や、位置u1、位置u2、幅w2、高さh2や、部分領域の面積等の大きさ等が、部分領域の属性情報の一例である。
【0057】
また、これから画像サーバ20からダウンロードする高解像度の画像の解像度の指定は、予め画像サーバ20により解像度のレベルが決められていて、このレベルを指定してよいし、携帯端末10から任意の解像度を要求してもよい。
【0058】
次に、図8(A)に示すように、ユーザが部分領域Pa、部分領域Pb、部分領域Pcと続けて、選択をした場合をまず想定する。
【0059】
制御部16は、ダウンロードする候補の部分領域が、メモリ空間15aにおいて不足の領域であるか否かを判定する(ステップS2)。すなわち、制御部16は、既にメモリ空間15aにダウンロードされ記憶してある部分領域であるか否かを判定する。具体的には、部分領域Paが選択された場合、部分領域Paの画像データが既にメモリ空間15aにあるか否かを判定する。そして、不足の領域でなければ(ステップS2;NO)、制御部16は、処理を終了し、そのまま、部分領域の画像データを表示部11に表示する。一方、不足の領域であれば(ステップS2;YES)、制御部16は、スタック15bが空か否か判定する(ステップS3)。ここで、スタック15bは、記憶部15の内部に形成された、スタックのメモリ上の領域である。
【0060】
そして、スタック15bが空であるならば(ステップS3;YES)、制御部16は、部分領域の属性情報の一部をスタック15bに追加する(ステップS6)。具体的には、図8(A)において、破線により示した部分領域Paはまだメモリ空間15aになく、不足の領域であり、かつ、スタック15bは空なので、制御部16は、部分領域Paの属性情報の一部をスタック15bに積む。なお、スタック15bに積む情報は、部分領域Paを特定でき、他の部分領域と区別できる情報であればよく、例えば、座標点uaの情報でもよい。図8、図9、および、図10中、スタック15bに積まれる情報を、 “a”、“b”等の部分領域Pの添え字や、融合領域の場合は、“(d‐a)”等により表現した。
【0061】
次に、制御部16は、部分領域Paをダウンロード待ちの状態にする(ステップS7)。そして、部分領域Pbについても部分領域Paと同様の処理を行い、制御部16は、部分領域Pbを特定できる情報についてもスタック15bに追加する(ステップS1〜ステップS6)。スタック15bは、図8(A)に示すように、部分領域Paを特定できる情報の上に、部分領域Pbを特定できる情報が積まれた状態になる。但し、部分領域Pbに対する処理は、ステップS4、S5を経ているが、ステップS4、S5については、後に詳述する。
【0062】
次に、図8(A)に示すように、部分領域Pa、Pbの後に、ユーザにより部分領域Pcが選択された場合、制御部16は、部分領域Pcの入力を操作部12から受信し(ステップS1)、部分領域Pcが不足の領域であるか否かを判定し(ステップS2)、スタック15bが空か否か判定する(ステップS3)。スタック15bが空でないので(ステップS3;NO)、制御部16は、部分領域Pcについて、スタック15bにある情報で特定できる部分領域Pbおよび部分領域Paに対してそれぞれ最小外接矩形(MBR:Minimum Boundary Rectangle)および融合効率ηを算出する(ステップS4)。そして、各融合効率ηの中で最大の融合効率ηmaxが閾値より大きいか否かを判定する(ステップS5)。
【0063】
ここで、ステップS4に関する最小外接矩形(MBR)および融合効率ηとステップS5に関する最大の融合効率ηmaxについて、図11に基づき詳細に説明する。
【0064】
図11(A)および(B)は、本実施形態のアルゴリズムによる部分領域の融合の一例を示す模式図である。
【0065】
ユーザが、部分領域r1、部分領域r2、部分領域r3、および、部分領域qの順に部分領域を選択した場合を想定する。スタック15bには、部分領域r1、部分領域r2、および、部分領域r3の順にそれぞれの部分領域を特定できる情報が積まれている。そして、部分領域qが選択され、部分領域qに対して、部分領域r3、部分領域r2、部分領域r1の順で、外接矩形を求める。ここで、部分領域r1、部分領域r2、および、部分領域r3が、第1の部分領域に対応し、部分領域qが、第2の部分領域に対応する。
【0066】
次に、部分領域qと部分領域riとの外接矩形を求める式を説明する。なお、部分領域riの添え字iは、例えばi=1、2、3である。
【0067】
まず、図11(A)に示すように、部分領域qの範囲は、原点に最も近い点U[q]と原点から最も遠い点V[q]とにより規定し、また、部分領域riの範囲は、最も原点に近い点U[ri]と最も原点から遠い点V[ri]とにより規定する。点U[q]の座標は(U[q]x,U[q]y)、点V[q]の座標は(V[q]x,V[q]y)、点U[ri]の座標は(U[ri]x,U[ri]y)、点V[ri]の座標は(V[ri]x,V[ri]y)と表現する。ここで、点U[ri]の座標や点V[ri]の座標が、第1の部分領域の属性情報に対応し、点U[q]の座標や点V[q]の座標が、第2の部分領域の属性情報に対応する。
【0068】
最小外接矩形は、以下の式で求めることができる。
【0069】
MBR(q,ri)
=Rect[min(U[q]x,U[ri]x),min(U[q]y,U[ri]y),
max(V[q]x,V[ri]x),max(V[q]y,V[ri]y)]・・・(1)
ここで、Rect[・]は、原点に最も近い点と原点から最も遠い点とにより、矩形を表現する関数である。この最小外接矩形MBR(q,ri)が、第3の部分領域の一例である。制御部16が、式(1)により最小外接矩形MBR(q,ri)を求めることが、第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出する第3部分領域算出手段の一例である。このように、第3の部分領域Rの形状は、矩形であり、かつ、この矩形の辺が第1の部分領域riおよび第2の部分領域qに接し、第3の部分領域Rの大きさが最小になる最小外接矩形である。
【0070】
次に、融合効率ηは、
η(q,ri)=S(q∪ri)/S(MBR(q,ri))・・・(2)
となる。ここで、S(・)は領域の面積を表す。
【0071】
融合効率ηは、最小外接矩形MBRに対して、部分領域qと部分領域riとがどれだけ含まれているかの定量的な指標である。例えば、融合効率ηは、最小外接矩形MBR(q,ri)の大きさが、部分領域qと部分領域riとの大きさ(例えば、S(q∪ri))に近いほど大きい値をとる指標ならばよい。また、S(MBR(q,ri)とS(q∪ri)との差の逆数でもよい。このように、融合効率ηは、第1および第2の部分領域の属性情報の一例であるS(q∪ri)、並びに、第3の部分領域の属性情報の一例であるS(MBR(q,ri))に基づいている。また、融合効率ηは、受信選択手段における部分領域の属性情報として、第1および第2の部分領域の大きさS(q∪ri)と、第3の部分領域の大きさS(MBR(q,ri))とを比較した値の一例である。
【0072】
以上にようにステップS4において、各MBRと融合効率ηが算出されると、次に、ステップS5において、制御部16は、部分領域qに対して、スタック15bにある他の部分領域との融合効率ηiを各々算出する。そして、制御部16は、そのうちで最大の融合効率
ηmax
=max[η(q,r1),η(q,r2),…,η(q,ri),…,η(q,rn)]・・・(3)
を求める。
【0073】
図11の場合、ηmax=η(q,r3)である。そして、複数選択した部分領域r1、r2、r3のうち、第2の部分領域qに対して、融合効率ηが極値ηmaxになる部分領域が、融合の候補である第1の部分領域r3となる。なお、各融合効率ηiを閾値θより大きい融合効率に絞り、その中で最大の融合効率ηmaxを求めてもよい。
【0074】
ここで、ri=rのとき、ηmaxとすると、ηmax>θならば(ステップS5;YES)、ダウンロードの候補の部分領域は、最小外接矩形MBRである部分領域R=MBR(q,r)となる。一方、ηmax<=θならば(ステップS5;NO)、ダウンロードの候補の部分領域は部分領域qとなる。例えば、図11の場合、ηmax=η(q,r3)であり、η(q,r3)>θならば、ダウンロードの候補の部分領域は、部分領域Rは、
Rect[U[R]x,U[R]y,V[R]x,V[R]y]
=MBR(q,r3)
=Rect[U[q]x,U[r3]y,V[r3]x,V[q]y]
となる。
【0075】
このように、第1の部分領域riおよび第2の部分領域qの属性情報、並びに、第3の部分領域Rの属性情報に基づき、第2の部分領域qに係る部分領域画像データまたは第3の部分領域Rに係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択する。また、第1および第2の部分領域の大きさS(q∪ri)と、第3の部分領域の大きさS(MBR(q,ri))とを比較した値に基づき、第2の部分領域qに係る部分領域画像データまたは第3の部分領域Rに係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択する。
【0076】
また、閾値θは、移動体通信網2やネットワーク3のトラフィックの通信状態や、携帯端末10の機能や、ダウンロードする画像データの容量により決める。例えば、通信状態が良好で通信のトラフィックが混雑していない場合は、閾値θを低めに設定し、融合領域でダウンロードするようにする。また、携帯端末10の記憶部15の容量に対して、融合領域の画像の大きさが大きくなるに従い、閾値θを高めに設定してもよい。さらに、携帯電話回線やブロードバンド回線等の回線の種類に応じて閾値θを変えてもよい。制御部16は、このように通信状態やダウンロードする画像データの容量等に応じて動的に閾値θを変化させる。
【0077】
このように制御部16は、受信選択手段の一例として、受信の通信状態に基づき、第1の部分領域riおよび第2の部分領域qに係る画像データまたは第3の部分領域Rに係る画像データのいずれを受信するかを選択する。
【0078】
以上のように、制御部16は、ステップS4により各MBRと各融合効率ηを算出し、ステップS5により最大の融合効率ηmaxを算出する。
【0079】
具体的には、まず、制御部16は、図8(A)に示したようなスタック15bから部分領域Pbを特定できる情報を取り出し、部分領域Pbの属性情報を求め、図8(B)に示すように、部分領域Pcと部分領域Pbと融合したMBR(Pc,Pb)と、融合効率ηとを算出する。そして、制御部16は、スタック15bから部分領域Paを特定できる情報を取り出し、部分領域Paの属性情報を求め、部分領域Pcと部分領域Paと融合したMBR(Pc,Pa)と、融合効率ηとを算出する。図8(B)の場合、式(2)より、MBR(Pc,Pb)の融合効率ηは約1/2で、MBR(Pc,Pa)の融合効率ηは約1/3である。
【0080】
式(3)より、ステップS5により最大の融合効率ηmaxが求まると、次に、制御部16は、最大の融合効率ηmaxが閾値θより小さい場合は(ステップS5;NO)、スタック15bに情報を追加する(ステップS6)。具体的には、閾値θを0.7とすると、MBR(Pc,Pb)およびMBR(Pc,Pa)の融合効率ηは閾値θ以下であるので、制御部16は、図8(B)に示すように、スタック15bに部分領域Pcを特定できる情報を追加する。そして、部分領域Pcを最優先のダウンロード待ちの状態にする(ステップS7)。
【0081】
次に、制御部16は、図8(C)に示すように、スタック15bから部分領域Pcを特定できる情報を取り出し、無線通信部13を介して画像サーバに部分領域Pcに係る部分領域画像データの要求をする。そして、制御部16は、無線通信部13を介して部分領域画像データのダウンロードを開始し、受信したデータ分を記憶部15に記憶する。
【0082】
なお、最大の融合効率ηmaxが閾値より大きい場合(ステップS5;YES)、制御部16は、最大の融合効率ηmaxにする部分領域と部分領域Pcとを融合した外接矩形を、ダウンロード候補の部分領域とし(ステップS8)、スタック15bを更新する(ステップS9)。そして、最小外接矩形を最優先のダウンロード待ちの状態にする(ステップS7)。これらの具体例は、次の図9(D)〜図9(F)の例で説明する。
【0083】
次に、図9(D)〜図9(F)に基づき、部分領域の融合および融合領域に係る部分領域画像データのダウンロードの様子について説明する。
【0084】
図9(D)に示すように、部分領域Pcに係る部分領域画像データのダウンロードが開始したあとに、ユーザが新たに部分領域Pdを選択した場合、制御部16は、ステップS1で、部分領域Pdの入力を受信し、ステップS2で、部分領域Pdが不足の領域であるか否かを判定する。部分領域Pdは不足領域であるので、制御部16は、ステップS3で、スタック15bが空か否か判定する。そして、スタック15bは空でないので、制御部16は、ステップS4で、スタック15bから部分領域Pbを特定できる情報を取り出し、部分領域Pdと部分領域Pbと融合したMBR(Pd,Pb)と融合効率ηを算出する。そして、制御部16は、スタック15bから部分領域Paを特定できる情報を取り出し、部分領域Pdと部分領域Paと融合したMBR(Pc,Pa)と融合効率ηを算出する。
【0085】
図9(E)に示すような場合、MBR(Pd,Pb)の融合効率ηは約1/2で、MBR(Pd,Pa)の融合効率ηは約1である。従って、ステップS5で、MBR(Pd,Pa)の融合効率ηが最大の融合効率ηmaxである。閾値θを0.7とすると、MBR(Pd,Pa)の融合効率ηは閾値θより大きいので、制御部16は、ステップS8で、部分領域Pdと部分領域Paとを融合した最小外接矩形MBR(Pd,Pa)を、ダウンロード候補の部分領域とする。そして、制御部16は、ステップS9で、図9(E)に示すように、スタック15bを更新し、部分領域Pdを特定できる情報の上に、融合領域である最小外接矩形MBR(Pd,Pa)を特定できる情報を積む。
【0086】
そして、制御部16は、ステップS7で、最小外接矩形MBR(Pd,Pa)を最優先のダウンロード待ちの状態にする。
【0087】
次に、図9(F)に示すように、部分領域Pcに係る部分領域画像データのダウンロードが完了すると、制御部16は、スタック15bから最小外接矩形MBR(Pa,Pd)を特定できる情報を取り出し、画像サーバ20に最小外接矩形MBR(Pa,Pd)に係る部分領域画像データの要求をする。そして、制御部16は、部分領域画像データのダウンロードを開始し、受信したデータ分を記憶部15に記憶する。なお、ダウンロード中は、表示領域SAにデータがないので、制御部16は、最新の選択箇所のダウンロード中である旨を表示部11に表示させてもよい。
【0088】
次に、図10(G)および図10(H)に基づき、ダウンロード後、操作部12により表示領域SAを移動(スクロール)させた様子について説明する。
【0089】
図10(G)に示すように、最小外接矩形MBR(Pd,Pa)に係る部分領域画像データのダウンロードが完了して、表示部11に表示領域SAの部分の画像データが表示された後、ユーザが表示部11の上方(y軸において負の向き)の画像を見ようと、操作部12を操作して、制御部16が、表示領域SAを動かした場合である。
【0090】
制御部16は、ステップS1で、部分領域Peの入力を受信し、ステップS2で、部分領域Peが不足の領域であるか否かを判定する。部分領域Peは不足領域であるので、制御部16は、ステップS3で、スタック15bが空か否か判定する。そして、図10(G)に示すように、スタック15bは空なので(ステップS3;YES)、図10(H)に示すように、制御部16は、ステップS6で、スタック15bに部分領域Peを特定できる情報が積まれる。そして、部分領域Peを最優先のダウンロード待ちの状態にし(ステップS7)、処理を終了する。部分領域Peに係る部分領域画像データのダウンロードが完了時点で、新たな要求が無ければ、制御部16は、表示部11に指示された部分の表示領域SAの画像データを表示する。
【0091】
なお、制御部16は、表示部11に表示されている画像を回転させる際、ダブルバッファリング領域にある画像データを利用して、回転により不足する画像データを補う。また、記憶部15の容量を超える分の画像データは、最も古い分から消去、または、上書きされる。
【0092】
このように本実施形態によれば、携帯端末10は、原画像データ35に係る原画像情報を画像サーバ20からダウンロード(受信)し、この原画像情報に基づき原画像の第1の部分領域riおよび第2の部分領域qを選択し、第1および第2の部分領域ri,qの属性情報に基づき、第1のおよび第2の部分領域ri、qを含む第3の部分領域Rを算出し、第1および第2の部分領域ri,qの属性情報、並びに、第3の部分領域Rの属性情報に基づき、第2の部分領域qに係る部分領域画像データまたは第3の部分領域Rに係る部分領域画像データのいずれをダウンロードするかを選択し、選択された部分領域画像データを画像サーバ20からダウンロードし、表示領域SAの部分を表示部11に表示させることにより、第3の部分領域Rに係る部分領域画像データをダウンロードする場合、受信予定の部分領域が融合された形で画像データをダウンロードできるため、ダウンロードの回数を減少させて全体のダウンロード時間を短縮でき、ユーザの操作に対するレスポンスが改善されてユーザの操作性の向上を図ることができる。
【0093】
特に、制御部16が、ダウンロードの指令をして、実際にダウンロードが始まるまでのタイムラグがある場合、本実施形態のように、ダウンロード予定の部分領域を融合することは有効である。
【0094】
また、本実施形態によれば、第1の部分領域riおよび第2の部分領域qに係る部分領域画像データを別々にダウンロードした方が早いか、第3の部分領域Rに係る部分領域画像データをダウンロードした方が早いかを、部分領域の属性情報に応じて的確に判定でき、効率的に画像データをダウンロードできる。
【0095】
また、本実施形態によれば、携帯端末10の表示機能等に限界があり、画素数が大きい画像を一度に閲覧できなくても、順次部分的に効率よく画像を閲覧できたり、携帯端末10により画像を拡大縮小や回転させながら随時に随所で閲覧できたりして、ユーザの操作性の向上を図ることができる。
【0096】
また、受信選択手段における部分領域の属性情報が、部分領域の大きさである場合、部分領域の大きさにより、ダウンロード時間が容易に見積もれる。
【0097】
また、受信選択手段における部分領域ri,qの属性情報が、第1および第2の部分領域ri,qの大きさと、第3の部分領域Rの大きさとを比較した値である場合、例えば融合効率ηのように最小外接矩形MBRに対して、部分領域qと部分領域riとがどれだけ含まれているか等の定量的な指標により、融合した部分領域に係る部分領域画像データをダウンロードした方が早いか否かを制御部16は、より的確に判断できる。
【0098】
また、複数選択した部分領域riのうち、第2の部分領域qに対して、比較した値が極値になる部分領域を、第1の部分領域r3とする場合、ユーザの最新に要求する第2の部分領域qに対して第1の部分領域r3が最適な融合の候補となり、より効率的に画像データをダウンロードできる。
【0099】
制御部16が、受信の通信状態に基づき、第2の部分領域qに係る画像データまたは第3の部分領域Rに係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択する場合、移動体通信網2やネットワーク3のトラフィック等の通信状態に基づき判定することにより、通信状態に応じた効率のよく画像データをダウンロードができ、ユーザの操作性の向上を図ることができる。例えば、通信状態が良好の場合、閾値θを低めに設定し、多少大きめの融合領域である第3の部分領域Rに係る画像データをダウンロードしておくことにより、ユーザが表示領域SAを動かしても、新たにダウンロードを要求する回数を減少させることができる。
【0100】
また、第3の部分領域Rの形状は矩形であり、かつ、この矩形の辺が第1の部分領域riおよび第2の部分領域qに接し、第3の部分領域Rの大きさが最小になる最小外接矩形である場合、制御部16は、第3の部分領域Rを効率的に算出できる。
【0101】
また、画像表示システム1において、携帯端末10は、第3の部分領域Rを算出し、第3の部分領域Rに係る部分領域画像データをダウンロードした方が早いかを判断するように、効率がよく画像データをダウンロードするための情報処理を行い、画像サーバ20は、画像データの圧縮等の処理に時間がかかる情報処理を行い、携帯端末10と画像サーバ20とが、役割を分担しているので、画像表示システム1は、高解像度の画像データを画像サーバ20から携帯端末10に効率的に送信でき、ユーザの操作性の向上を図ることができる。
【0102】
なお、融合効率ηにおいて、式(2)のS(q∪ri)の代わりに、S(q)+S(ri)を用いてもよい。さらに、融合効率ηを(S(MBR(q,ri)−S(q)−S(ri))/S(MBR(q,ri))のように定義してもよい。これらも、最小外接矩形MBRに対して、部分領域qと部分領域riとがどれだけ含まれているかの定量的な指標となる。
【0103】
また、部分領域の大きさは、面積と解像度のレベルとを合わせたものでもよい。例えば、ユーザにより要求された部分領域に対して、隣接する解像度のレベルの画像データも先読みのキャッシュをしてユーザの操作性の向上を図る。
【0104】
また、融合効率ηの代わりに、受信選択手段における部分領域ri,qの属性情報として、第1の部分領域qと第2の部分領域riとの領域間距離を用いてもよい。ここで、部分領域qと部分領域riとの領域間距離は、部分領域同士の中心の距離や点U[q]と点U[ri]との距離等であり、第1および第2の部分領域の属性情報の一例である。この場合は、部分領域qと部分領域riとの領域間距離がある基準の値より小さければ、最小外接矩形MBR(q,ri)をダウンロードの候補とする。領域間距離により簡易に融合の効率を算出することができる。
【0105】
また、融合効率ηの代わりに、最小外接矩形MBR(q,ri)の大きさを用いてもよい。最小外接矩形MBR(q,ri)の面積等の大きさが、第3の部分領域の属性情報の一例である。この場合、MBR(q,ri)の面積が、ある基準の面積より小さければ、最小外接矩形MBR(q,ri)をダウンロードの候補とする。
【0106】
さらにまた、表示部11と操作部12とが一体となったパネルタッチでもよい。また、融合する領域は、現在表示されている画像データより低解像度の画像データの部分領域でもよいし、異なる解像度における部分領域でもよい。
【0107】
さらに、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明に係る第1の実施形態に係る画像表示システムの概要構成例を示す模式図である。
【図2】図1の携帯端末の概要構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図2の表示部の一例を示す模式図である。
【図4】図1のWebサーバのデータベースに存在する原画像データの一例を示す模式図である。
【図5】図1の画像サーバのデータベースにおける解像度の異なる画像データの一例を示す模式図である。
【図6】本実施形態のアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。
【図7】図2の記憶部において、図2の表示部に表示される領域およびキャッシュされる領域の一例を示す模式図である。
【図8】(A)から(C)は、図6のフローチャートに基づき、ダウンロードする部分領域およびスタックの様子の一例を示した模式図である。
【図9】(D)から(F)は、図6のフローチャートに基づき、ダウンロードする部分領域およびスタックの様子の一例を示した模式図である。
【図10】(G)から(H)は、図6のフローチャートに基づき、ダウンロードする部分領域およびスタックの様子の一例を示した模式図である。
【図11】(A)および(B)は、本実施形態のアルゴリズムによる部分領域の融合の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0109】
1・・・画像表示システム
10・・・携帯端末
11・・・表示部、
12・・・操作部
13・・・無線通信部
15・・・記憶部
16・・・制御部
20・・・サーバ
21・・・制御部
25、35・・・原画像データ(原画像)
ri・・・第1の部分領域
q・・・第2の部分領域
R・・・第3の部分領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク等を通じて画像データをダウンロードして表示させる画像表示プログラム、端末装置、画像表示方法、および、画像表示システムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯型無線電話機等の携帯端末が普及し、ユーザは、外出先等でも手軽に携帯端末により、Webページや放送番組等の動画を閲覧できるようになった。
【0003】
これらを閲覧等する場合、携帯端末の表示画面がパーソナルコンピュータやテレビ等の画面に比べて小さいため、携帯端末は、表示画面のサイズに基づいて圧縮された画像データ等を表示画面に表示している。例えば、特許文献1には、以下のような携帯端末の技術が開示されている。携帯端末が、受信した原画像データが表示部の画素数よりも多い場合に、原画像データの画素数を表示部の画素数まで減少させて表示する。そして、画像上において、ポインティングデバイスにより位置が指定されると、原画像データにおける対応座標を算出し、この対応座標に基づき、原画像データにおいて表示部の画素数に等しい画像領域を指定し、これらの情報を画像データ配信装置へ送信する。これにより、画像領域に対応する画像データを受信すると、画像データの画素数を変えることなく、一部拡大画像として表示部に表示させる。
【特許文献1】特開2003−91410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、光ファイバー等のブロードバンドインターネット接続の普及と共に、詳細な地図データ等の数メガピクセルからギガピクセルの静止画像や高精細度テレビジョン放送等の動画等の高解像度の画像がWeb上に公開され、パーソナルコンピュータ等により閲覧できるようになってきている。
【0005】
しかしながら、携帯型無線電話機等の携帯端末の場合、特に、表示画面の大きさの他に通信速度や記憶容量等の機能的制約が多いため、上記技術を用いても、詳細な地図データ等の高解像度の画像をスムーズに閲覧することが難しく、ユーザの操作性の向上が十分に図られているとは言いがたかった。また、ユーザがパーソナルコンピュータで閲覧する場合でも、例えば通信状態が悪くてレスポンスが少しでも遅いと、ユーザは要求に対するレスポンスが待てず、次から次へと画面をクリックする等の連続した要求をしがちである。この場合、通信のオーバヘッドによる負荷が大きくなり、余計にユーザの操作に対するレスポンスが遅くなっていたため、ユーザの操作性の向上が十分に図られているとは言いがたかった。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その課題の一例は、ユーザの操作性の向上を図る画像表示プログラム、端末装置、画像表示方法、および、画像表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、コンピュータを、原画像に係る原画像情報を受信する原画像情報受信手段、前記原画像情報に基づき前記原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付ける領域選択手段、前記第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、前記第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出する第3部分領域算出手段、前記第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、前記第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、前記第2の部分領域に係る部分領域画像データまたは前記第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択する受信選択手段、選択した前記部分領域画像データを受信する画像データ受信手段、および、受信した前記部分領域画像データを表示する表示手段として機能させることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、第3の部分領域に係る部分領域画像データを受信する場合、受信予定の部分領域が融合された形で画像データを受信できるため、受信の回数を減少させて全体の受信時間を短縮でき、ユーザの操作に対するレスポンスが改善されてユーザの操作性の向上を図ることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像表示プログラムにおいて、前記受信選択手段における前記部分領域の属性情報が、前記部分領域の大きさであることを特徴とする。この場合、部分領域の大きさにより、受信時間が容易に見積もれる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像表示プログラムにおいて、前記受信選択手段における前記部分領域の属性情報が、前記第1および第2の部分領域の大きさと、前記第3の部分領域の大きさとを比較した値であることを特徴とする。
【0011】
この場合、3の部分領域に対して、第1の部分領域と第2の部分領域とがどれだけ含まれているか等の定量的な指標により、融合した部分領域に係る部分領域画像データを受信した方が早いか否かをより的確に判断できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像表示プログラムにおいて、複数選択した前記部分領域のうち、前記第2の部分領域に対して、前記比較した値が極値になる部分領域を、第1の部分領域とすることを特徴とする。
【0013】
この場合、ユーザの最新に要求する第2の部分領域に対して第1の部分領域が最適な融合の候補となり、より効率的に画像データを受信できる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の画像表示プログラムにおいて、前記受信選択手段における前記部分領域の属性情報が、前記第1の部分領域と第2の部分領域との領域間距離である。
【0015】
この場合、この領域間距離により簡易に融合の効率を算出することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像表示プログラムにおいて、前記受信選択手段が、前記受信の通信状態に基づき、前記第2の部分領域に係る画像データまたは前記第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択することを特徴とする。
【0017】
この場合、移動体通信網等の通信状態に基づき判定することにより、通信状態に応じた効率のよく画像データを受信ができ、ユーザの操作性の向上を図ることができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像表示プログラムにおいて、前記第3の部分領域の形状は矩形であり、かつ、この矩形の辺が前記第1の部分領域および前記第2の部分領域に接し、第3の部分領域の大きさが最小になる最小外接矩形である。
【0019】
この場合、第3の部分領域を効率的に算出できる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、原画像に係る原画像情報を受信する原画像情報受信手段と、前記原画像情報に基づき前記原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付ける領域選択手段と、前記第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、前記第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出する第3部分領域算出手段と、前記第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、前記第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、前記第2の部分領域に係る部分領域画像データまたは前記第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択する受信選択手段と、選択した前記部分領域画像データを受信する画像データ受信手段と、受信した前記部分領域画像データを表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、第3の部分領域に係る部分領域画像データを受信する場合、受信予定の部分領域が融合された形で画像データを受信できるため、受信の回数を減少させて全体の受信時間を短縮でき、ユーザの操作に対するレスポンスが改善されてユーザの操作性の向上を図る携帯端末を提供ができる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、原画像に係る原画像情報を受信する原画像情報受信ステップと、前記原画像情報に基づき前記原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付ける領域選択ステップと、前記第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、前記第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出する第3部分領域算出ステップと、前記第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、前記第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、前記第2の部分領域に係る画像データまたは前記第3の部分領域に係る画像データのいずれを受信するかを選択する受信選択ステップと、選択された前記画像データを受信する画像データ受信ステップと、受信した前記画像データを表示する表示ステップと、を有することを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、第3の部分領域に係る部分領域画像データを受信する場合、受信予定の部分領域が融合された形で画像データを受信できるため、受信の回数を減少させて全体の受信時間を短縮でき、ユーザの操作に対するレスポンスが改善されてユーザの操作性の向上を図る画像表示方法を提供ができる。
【0024】
請求項10に記載の発明は、画像データの表示を行う携帯端末と、前記携帯端末の要求に応じて画像データを配信する画像サーバと、を備える画像表示システムにおいて、前記端末装置は、原画像に係る原画像情報を受信する原画像情報受信手段と、前記原画像情報に基づき前記原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付ける領域選択手段と、前記第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、前記第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出する第3部分領域算出手段と、前記第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、前記第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、前記第2の部分領域に係る部分領域画像データまたは前記第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択する受信選択手段と、選択した前記部分領域画像データを受信する画像データ受信手段と、受信した前記部分領域画像データを表示する表示手段と、を備え、前記サーバ装置は、前記携帯端末からの要求を受信する要求受信手段と、前記携帯端末の要求に応じて前記原画像に係る原画像データを受信する原画像データ受信手段と、前記原画像に係る原画像情報を作成する原画像情報作成手段と、前記原画像情報を前記携帯端末に送信する原画像情報送信手段と、前記携帯端末の要求に応じて前記原画像データから前記部分領域画像データを作成する部分領域画像データ作成手段と、前記部分領域画像データを前記携帯端末に送信する画像データ送信手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、原画像に係る原画像情報に基づき、原画像の第1および第2の部分領域を選択し、第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出し、第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、第2の部分領域に係る部分領域画像データまたは第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択し画像データを受信することにより、第3の部分領域に係る部分領域画像データを受信する場合、受信予定の部分領域が融合された形で画像データを受信できるため、受信の回数を減少させて全体の受信時間を短縮でき、ユーザの操作に対するレスポンスが改善され、ユーザの操作性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0027】
まず、本発明の実施形態に係る画像表示システムの概略構成および機能について、図に基づき説明する。
【0028】
図1は、本発明に係る第1の実施形態に係る画像表示システムの概要構成例を示す模式図である。
【0029】
図1に示すように、画像表示システム1は、画像の表示を行う携帯端末10と、携帯端末10の要求に応じて画像データを配信する画像サーバ20と、を備える。
【0030】
携帯端末10は、移動体通信網2に接続され、画像サーバ20は、インターネット等のネットワーク3に接続され、移動体通信網2とネットワーク3とはプロトコル変換やコンテンツを記述する言語の変換等を行うためのゲートウエイ等により接続されている。また、画像サーバ20は、HTML文書や画像等のデータを保持するWebサーバ30に、インターネット等のネットワーク3を介して接続されている。そして、携帯端末10は、閲覧したい画像、すなわち、原画像のURL(Uniform Resource Locator)等のリクエスト情報を画像サーバ20に送信する。画像サーバ20は、URLに対応したWebサーバ30から原画像に係る原画像データを受信し、この原画像データから、原画像に係る原画像情報を作成したり、原画像データを携帯端末10用に加工処理したりして、原画像情報や画像データを携帯端末10に送信する。例えば、アクセス先としての画像サーバ20のURLは、携帯端末10側のソフトウエアに組み込まれていて、携帯端末10側において、原画像データ先としてのWebサーバ30のURLを、直接入力したり、Webサーバ30のURLが埋め込まれた箇所等をクリックしたりすると、リクエスト情報が携帯端末10から画像サーバ20に送信される。そして、画像サーバ20は、Webサーバ30から原画像データを取得したの後、所定の加工を施した原画像データを携帯端末10に提供することができる。このように、携帯端末10は、インストールされたソフトウエアに基づき、画像サーバ20を介して、Webサーバ30等から情報を取得している。
【0031】
次に、携帯端末10の構成および機能について、図に基づき説明する。図2は、携帯端末10の概要構成の一例を示すブロック図である。
【0032】
図2に示すように、携帯端末10は、画像やテキスト等を表示する表示部11と、表示部11に表示されたポインタの操作等に使用される操作部12と、画像サーバ20等と送受信を行う無線通信部13と、通話のための音声の入出力を行う音声入出力部14と、画像サーバ20から送信されたデータ等を記憶する記憶部15と、携帯端末10の各種制御を行う制御部16と、を備え、これら各部はシステムバス17により接続されている。
【0033】
表示部11は、液晶表示素子またはEL(Electro Luminescence)素子等によって構成されている。表示部11には、図3に示されるように、表示された画像における位置を示すポインタ11aが表示される。表示部11は、受信した画像データ等を表示する表示手段の一例として機能する。
【0034】
操作部12は、数字キー、十字キー、機能キーなどの各種キーにより構成されている。操作部12により、表示部11に表示されたポインタ11aを移動させたり、画像を回転させたり、画像を縮小や拡大させたり、表示された画像どの部分領域の詳細な画像をダウンロードするか確定させたりする。操作部12は、原画像情報に基づき原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付けるる領域選択手段の一例として機能する。
【0035】
無線通信部13は、原画像に係る原画像情報を受信する原画像情報受信手段や選択した部分領域画像データを受信する画像データ受信手段の一例として機能する。
【0036】
記憶部15は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等を有し、画像サーバ20からダウンロードした画像データや、画像に関する属性情報や、画像の部分領域の属性情報等を記憶する。そして、記憶部15には、ある解像度の画像に対応したメモリ空間や情報を一時的に保持するスタック等が形成される。
【0037】
制御部16は、CPU(Central Processing Unit)等を有し、上記各部の制御および各種の情報処理の実行をする。そして、制御部16は、原画像情報に基づき原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付ける領域選択手段や、第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出する第3部分領域算出手段や、第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、第1および第2の部分領域に係る部分領域画像データまたは第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択する受信選択手段の一例として機能する。
【0038】
次に、図1に示すように、サーバ装置の一例である画像サーバ20は、画像サーバ20全体を制御する制御部21と、画像データ等を記憶するデータベース22と、を備える。
【0039】
制御部21は、CPUや送受信手段等を有し、携帯端末10やWebサーバ30と通信を行ったり、データベース22を制御したり、Webサーバ30からダウンロードした画像データの解像度を落とすなど各種の画像処理を行ったりする。また、データベース22には、Webサーバ30からダウンロードした画像データやこのデータを画像処理したデータや、携帯端末10からの要求等が記憶されている。そして、制御部21は、携帯端末10からの要求を受信する要求受信手段や、携帯端末10の要求に応じて原画像に係る原画像データを受信する原画像データ受信手段や、原画像情報を携帯端末10に送信する原画像情報送信手段や、携帯端末10の要求に応じて原画像データ25から部分領域画像データを作成する部分領域画像データ作成手段や、部分領域画像データを携帯端末10に送信する画像データ送信手段の一例として機能する。
【0040】
次に、図4および図5に基づき、本実施形態に用いる画像データの一例について説明する。
【0041】
図4は、Webサーバ30のデータベースに存在する原画像データの一例を示す模式図である。図5は、画像サーバ20のデータベースにおける解像度の異なる画像データの一例を示す模式図である。
【0042】
Webサーバ30は、携帯端末10がURLにより示した原画像データを有し、例えば、図4に示すように、原画像データ35を有している。この原画像データ35は、数メガ〜ギガピクセルの大きさの画像データで、携帯端末10では、そのままでは表示ができないとする。
【0043】
図5に示すように、Webサーバ30から画像サーバ20にダウンロードした原画像データ25は、データベース22に記憶される。そして、画像サーバ20の制御部21は、図5に示すように、様々の解像度の画像データ25a、25b、25c等を作成する。
【0044】
ここで、原画像に係る原画像情報として、原画像データ25や作成された様々の解像度の画像データに関する画素数(解像度)や幅と高さとの比の情報等が挙げられる。また、携帯端末10の表示部11に表示される原画像に関する情報、すなわち、原画像の全体の様子が分かるように圧縮した画像の画像データ25aや、画像データ25b、25cの一部や原画像データ25の一部が挙げられる。このように、制御部21は、原画像に係る原画像情報を作成する原画像情報作成手段の一例として機能する。
【0045】
なお、解像度を低下させて画素数を小さくするに際して、一度、原画像データ25を複数の領域に分割して分割画像とする。そしてマルチコアのCPU等を用いた並列処理により、これら各分割画像の解像度を減少させて低解像度分割画像を得たのち、これらを統合して低解像度統合画像を得るようにしている。このように、圧縮して低解像度にする画像を、まず分割して分割画像にし、分割画像の圧縮を、複数の解像度減少手段による並列処理で行っているため、高速に画像の圧縮を実現できる。また、ユーザの要求に応じて、あるメガピクセル画像の画像を携帯端末10で閲覧させる場合、高速に要求に応え、解像度を減少させた画像を送信できる。
【0046】
次に、本実施形態の動作について図6〜図11に基づき説明する。
【0047】
図6は、本実施形態のアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。図7は、記憶部15において、表示部11に表示される領域およびキャッシュされる領域の一例を示す模式図である。図8(A)から(C)、図9(D)から(F)、図10(G)および図10(H)は、図6のフローチャートに基づきダウンロードする部分領域およびスタックの様子の一例を示した模式図である。図11(A)および(B)は、本実施形態のアルゴリズムによる部分領域の融合の一例を示す模式図である。
【0048】
まず、ユーザの入力に基づき、携帯端末10は、あるサイトの画像が存在するURLを、画像サーバ20に送信する。このとき、携帯端末10の制御部16は、携帯端末10における表示部11の画面の大きさや解像度等の携帯端末10の機能に関する情報も画像サーバ20に送信する。画像サーバ20の制御部21は、要求されたURLに対応したWebサーバ30にアクセスして、図4に示したような原画像データ35をダウンロードし、データベース22に原画像データ25として記憶させる。なお、リクエスト情報の送信先である画像サーバ20のURLは、制御部16が実行している画像表示プログラムに組み込まれている。
【0049】
原画像データ25のデータ量が携帯端末10の表示機能等に対して大きい場合、制御部21は、図5に示したように、原画像データ25の低解像度の画像データを作成する。例えば、制御部21は、原画像データ25を縮小して、表示部11の画面に収まるように画素数を落とした低解像度の画像データ25aを作成し、原画像情報として原画像の画素数等の情報と共に携帯端末10に送信する。
【0050】
携帯端末10の制御部16は、画像サーバ20から画像データ25a等の原画像情報を受信し、図3に示したように、画像データ25aを表示部11に表示させる。
【0051】
次に、図6に示すように、携帯端末10の制御部16が、画像サーバ20からダウンロードする候補の部分領域の入力を操作部12から受信する(ステップS1)。例えば、携帯端末10のユーザが、操作部12を操作して、図3に示したように、表示部11に画像データ25aが表示された画像を見ながら、ポインタ11aを移動させて、詳細に見たいところを選択して確定する。
【0052】
見たいところが確定すると、図7に示すように、制御部16は、現在表示されている画像の解像度よりも高解像度の画像に対応したメモリ空間15aにおける部分領域Pを算出する。部分領域Pは、表示部11に表示させる表示領域SAと、先読みしてキャッシュするダブルバッファリング領域、すなわち、表示領域SAの周りの斜線により示した領域とである。なお、メモリ空間15aは記憶部15の内部に形成され、これからダウンロードする画像を記憶させるメモリ上の空間である。また、図7に示した画像は、これから画像サーバ20からダウンロードする高解像度の画像(例えば画像データ25b)を示している。
【0053】
ここで、表示領域SAは矩形であり、例えば、メモリ空間15aの原点に最も近い位置u1と、幅と高さにより規定される。また、部分領域Pも矩形であり、例えば、メモリ空間15aの原点に最も近い位置u2と、幅w2と高さh2により規定される。なお、原点は図面向かって左上とし、x軸は右方向、y軸は下向きとする。また、表示領域SAや部分領域Pの矩形の各辺は、x軸またはy軸に平行であるとする。
【0054】
位置u2は、画像データ25aおけるクリックされた位置や、画像データ25aの解像度と画像データ25bの解像度との比や、画像データ25bの解像度や幅と高さとの比より求まる幅W、高さH等により、算出できる。このように制御部16は、解像度等の原画像情報に基づき、原画像の部分領域の選択を受け付ける領域選択手段の一例として機能する。
【0055】
ここで、原画像の部分領域とは、原画像データ25の部分領域でもよいし、原画像データ25の低解像度の画像データ25a、25b、25cの部分領域でもよい。
【0056】
なお、画像サーバ20からダウンロードする高解像度の画像の解像度や、位置u1、位置u2、幅w2、高さh2や、部分領域の面積等の大きさ等が、部分領域の属性情報の一例である。
【0057】
また、これから画像サーバ20からダウンロードする高解像度の画像の解像度の指定は、予め画像サーバ20により解像度のレベルが決められていて、このレベルを指定してよいし、携帯端末10から任意の解像度を要求してもよい。
【0058】
次に、図8(A)に示すように、ユーザが部分領域Pa、部分領域Pb、部分領域Pcと続けて、選択をした場合をまず想定する。
【0059】
制御部16は、ダウンロードする候補の部分領域が、メモリ空間15aにおいて不足の領域であるか否かを判定する(ステップS2)。すなわち、制御部16は、既にメモリ空間15aにダウンロードされ記憶してある部分領域であるか否かを判定する。具体的には、部分領域Paが選択された場合、部分領域Paの画像データが既にメモリ空間15aにあるか否かを判定する。そして、不足の領域でなければ(ステップS2;NO)、制御部16は、処理を終了し、そのまま、部分領域の画像データを表示部11に表示する。一方、不足の領域であれば(ステップS2;YES)、制御部16は、スタック15bが空か否か判定する(ステップS3)。ここで、スタック15bは、記憶部15の内部に形成された、スタックのメモリ上の領域である。
【0060】
そして、スタック15bが空であるならば(ステップS3;YES)、制御部16は、部分領域の属性情報の一部をスタック15bに追加する(ステップS6)。具体的には、図8(A)において、破線により示した部分領域Paはまだメモリ空間15aになく、不足の領域であり、かつ、スタック15bは空なので、制御部16は、部分領域Paの属性情報の一部をスタック15bに積む。なお、スタック15bに積む情報は、部分領域Paを特定でき、他の部分領域と区別できる情報であればよく、例えば、座標点uaの情報でもよい。図8、図9、および、図10中、スタック15bに積まれる情報を、 “a”、“b”等の部分領域Pの添え字や、融合領域の場合は、“(d‐a)”等により表現した。
【0061】
次に、制御部16は、部分領域Paをダウンロード待ちの状態にする(ステップS7)。そして、部分領域Pbについても部分領域Paと同様の処理を行い、制御部16は、部分領域Pbを特定できる情報についてもスタック15bに追加する(ステップS1〜ステップS6)。スタック15bは、図8(A)に示すように、部分領域Paを特定できる情報の上に、部分領域Pbを特定できる情報が積まれた状態になる。但し、部分領域Pbに対する処理は、ステップS4、S5を経ているが、ステップS4、S5については、後に詳述する。
【0062】
次に、図8(A)に示すように、部分領域Pa、Pbの後に、ユーザにより部分領域Pcが選択された場合、制御部16は、部分領域Pcの入力を操作部12から受信し(ステップS1)、部分領域Pcが不足の領域であるか否かを判定し(ステップS2)、スタック15bが空か否か判定する(ステップS3)。スタック15bが空でないので(ステップS3;NO)、制御部16は、部分領域Pcについて、スタック15bにある情報で特定できる部分領域Pbおよび部分領域Paに対してそれぞれ最小外接矩形(MBR:Minimum Boundary Rectangle)および融合効率ηを算出する(ステップS4)。そして、各融合効率ηの中で最大の融合効率ηmaxが閾値より大きいか否かを判定する(ステップS5)。
【0063】
ここで、ステップS4に関する最小外接矩形(MBR)および融合効率ηとステップS5に関する最大の融合効率ηmaxについて、図11に基づき詳細に説明する。
【0064】
図11(A)および(B)は、本実施形態のアルゴリズムによる部分領域の融合の一例を示す模式図である。
【0065】
ユーザが、部分領域r1、部分領域r2、部分領域r3、および、部分領域qの順に部分領域を選択した場合を想定する。スタック15bには、部分領域r1、部分領域r2、および、部分領域r3の順にそれぞれの部分領域を特定できる情報が積まれている。そして、部分領域qが選択され、部分領域qに対して、部分領域r3、部分領域r2、部分領域r1の順で、外接矩形を求める。ここで、部分領域r1、部分領域r2、および、部分領域r3が、第1の部分領域に対応し、部分領域qが、第2の部分領域に対応する。
【0066】
次に、部分領域qと部分領域riとの外接矩形を求める式を説明する。なお、部分領域riの添え字iは、例えばi=1、2、3である。
【0067】
まず、図11(A)に示すように、部分領域qの範囲は、原点に最も近い点U[q]と原点から最も遠い点V[q]とにより規定し、また、部分領域riの範囲は、最も原点に近い点U[ri]と最も原点から遠い点V[ri]とにより規定する。点U[q]の座標は(U[q]x,U[q]y)、点V[q]の座標は(V[q]x,V[q]y)、点U[ri]の座標は(U[ri]x,U[ri]y)、点V[ri]の座標は(V[ri]x,V[ri]y)と表現する。ここで、点U[ri]の座標や点V[ri]の座標が、第1の部分領域の属性情報に対応し、点U[q]の座標や点V[q]の座標が、第2の部分領域の属性情報に対応する。
【0068】
最小外接矩形は、以下の式で求めることができる。
【0069】
MBR(q,ri)
=Rect[min(U[q]x,U[ri]x),min(U[q]y,U[ri]y),
max(V[q]x,V[ri]x),max(V[q]y,V[ri]y)]・・・(1)
ここで、Rect[・]は、原点に最も近い点と原点から最も遠い点とにより、矩形を表現する関数である。この最小外接矩形MBR(q,ri)が、第3の部分領域の一例である。制御部16が、式(1)により最小外接矩形MBR(q,ri)を求めることが、第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出する第3部分領域算出手段の一例である。このように、第3の部分領域Rの形状は、矩形であり、かつ、この矩形の辺が第1の部分領域riおよび第2の部分領域qに接し、第3の部分領域Rの大きさが最小になる最小外接矩形である。
【0070】
次に、融合効率ηは、
η(q,ri)=S(q∪ri)/S(MBR(q,ri))・・・(2)
となる。ここで、S(・)は領域の面積を表す。
【0071】
融合効率ηは、最小外接矩形MBRに対して、部分領域qと部分領域riとがどれだけ含まれているかの定量的な指標である。例えば、融合効率ηは、最小外接矩形MBR(q,ri)の大きさが、部分領域qと部分領域riとの大きさ(例えば、S(q∪ri))に近いほど大きい値をとる指標ならばよい。また、S(MBR(q,ri)とS(q∪ri)との差の逆数でもよい。このように、融合効率ηは、第1および第2の部分領域の属性情報の一例であるS(q∪ri)、並びに、第3の部分領域の属性情報の一例であるS(MBR(q,ri))に基づいている。また、融合効率ηは、受信選択手段における部分領域の属性情報として、第1および第2の部分領域の大きさS(q∪ri)と、第3の部分領域の大きさS(MBR(q,ri))とを比較した値の一例である。
【0072】
以上にようにステップS4において、各MBRと融合効率ηが算出されると、次に、ステップS5において、制御部16は、部分領域qに対して、スタック15bにある他の部分領域との融合効率ηiを各々算出する。そして、制御部16は、そのうちで最大の融合効率
ηmax
=max[η(q,r1),η(q,r2),…,η(q,ri),…,η(q,rn)]・・・(3)
を求める。
【0073】
図11の場合、ηmax=η(q,r3)である。そして、複数選択した部分領域r1、r2、r3のうち、第2の部分領域qに対して、融合効率ηが極値ηmaxになる部分領域が、融合の候補である第1の部分領域r3となる。なお、各融合効率ηiを閾値θより大きい融合効率に絞り、その中で最大の融合効率ηmaxを求めてもよい。
【0074】
ここで、ri=rのとき、ηmaxとすると、ηmax>θならば(ステップS5;YES)、ダウンロードの候補の部分領域は、最小外接矩形MBRである部分領域R=MBR(q,r)となる。一方、ηmax<=θならば(ステップS5;NO)、ダウンロードの候補の部分領域は部分領域qとなる。例えば、図11の場合、ηmax=η(q,r3)であり、η(q,r3)>θならば、ダウンロードの候補の部分領域は、部分領域Rは、
Rect[U[R]x,U[R]y,V[R]x,V[R]y]
=MBR(q,r3)
=Rect[U[q]x,U[r3]y,V[r3]x,V[q]y]
となる。
【0075】
このように、第1の部分領域riおよび第2の部分領域qの属性情報、並びに、第3の部分領域Rの属性情報に基づき、第2の部分領域qに係る部分領域画像データまたは第3の部分領域Rに係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択する。また、第1および第2の部分領域の大きさS(q∪ri)と、第3の部分領域の大きさS(MBR(q,ri))とを比較した値に基づき、第2の部分領域qに係る部分領域画像データまたは第3の部分領域Rに係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択する。
【0076】
また、閾値θは、移動体通信網2やネットワーク3のトラフィックの通信状態や、携帯端末10の機能や、ダウンロードする画像データの容量により決める。例えば、通信状態が良好で通信のトラフィックが混雑していない場合は、閾値θを低めに設定し、融合領域でダウンロードするようにする。また、携帯端末10の記憶部15の容量に対して、融合領域の画像の大きさが大きくなるに従い、閾値θを高めに設定してもよい。さらに、携帯電話回線やブロードバンド回線等の回線の種類に応じて閾値θを変えてもよい。制御部16は、このように通信状態やダウンロードする画像データの容量等に応じて動的に閾値θを変化させる。
【0077】
このように制御部16は、受信選択手段の一例として、受信の通信状態に基づき、第1の部分領域riおよび第2の部分領域qに係る画像データまたは第3の部分領域Rに係る画像データのいずれを受信するかを選択する。
【0078】
以上のように、制御部16は、ステップS4により各MBRと各融合効率ηを算出し、ステップS5により最大の融合効率ηmaxを算出する。
【0079】
具体的には、まず、制御部16は、図8(A)に示したようなスタック15bから部分領域Pbを特定できる情報を取り出し、部分領域Pbの属性情報を求め、図8(B)に示すように、部分領域Pcと部分領域Pbと融合したMBR(Pc,Pb)と、融合効率ηとを算出する。そして、制御部16は、スタック15bから部分領域Paを特定できる情報を取り出し、部分領域Paの属性情報を求め、部分領域Pcと部分領域Paと融合したMBR(Pc,Pa)と、融合効率ηとを算出する。図8(B)の場合、式(2)より、MBR(Pc,Pb)の融合効率ηは約1/2で、MBR(Pc,Pa)の融合効率ηは約1/3である。
【0080】
式(3)より、ステップS5により最大の融合効率ηmaxが求まると、次に、制御部16は、最大の融合効率ηmaxが閾値θより小さい場合は(ステップS5;NO)、スタック15bに情報を追加する(ステップS6)。具体的には、閾値θを0.7とすると、MBR(Pc,Pb)およびMBR(Pc,Pa)の融合効率ηは閾値θ以下であるので、制御部16は、図8(B)に示すように、スタック15bに部分領域Pcを特定できる情報を追加する。そして、部分領域Pcを最優先のダウンロード待ちの状態にする(ステップS7)。
【0081】
次に、制御部16は、図8(C)に示すように、スタック15bから部分領域Pcを特定できる情報を取り出し、無線通信部13を介して画像サーバに部分領域Pcに係る部分領域画像データの要求をする。そして、制御部16は、無線通信部13を介して部分領域画像データのダウンロードを開始し、受信したデータ分を記憶部15に記憶する。
【0082】
なお、最大の融合効率ηmaxが閾値より大きい場合(ステップS5;YES)、制御部16は、最大の融合効率ηmaxにする部分領域と部分領域Pcとを融合した外接矩形を、ダウンロード候補の部分領域とし(ステップS8)、スタック15bを更新する(ステップS9)。そして、最小外接矩形を最優先のダウンロード待ちの状態にする(ステップS7)。これらの具体例は、次の図9(D)〜図9(F)の例で説明する。
【0083】
次に、図9(D)〜図9(F)に基づき、部分領域の融合および融合領域に係る部分領域画像データのダウンロードの様子について説明する。
【0084】
図9(D)に示すように、部分領域Pcに係る部分領域画像データのダウンロードが開始したあとに、ユーザが新たに部分領域Pdを選択した場合、制御部16は、ステップS1で、部分領域Pdの入力を受信し、ステップS2で、部分領域Pdが不足の領域であるか否かを判定する。部分領域Pdは不足領域であるので、制御部16は、ステップS3で、スタック15bが空か否か判定する。そして、スタック15bは空でないので、制御部16は、ステップS4で、スタック15bから部分領域Pbを特定できる情報を取り出し、部分領域Pdと部分領域Pbと融合したMBR(Pd,Pb)と融合効率ηを算出する。そして、制御部16は、スタック15bから部分領域Paを特定できる情報を取り出し、部分領域Pdと部分領域Paと融合したMBR(Pc,Pa)と融合効率ηを算出する。
【0085】
図9(E)に示すような場合、MBR(Pd,Pb)の融合効率ηは約1/2で、MBR(Pd,Pa)の融合効率ηは約1である。従って、ステップS5で、MBR(Pd,Pa)の融合効率ηが最大の融合効率ηmaxである。閾値θを0.7とすると、MBR(Pd,Pa)の融合効率ηは閾値θより大きいので、制御部16は、ステップS8で、部分領域Pdと部分領域Paとを融合した最小外接矩形MBR(Pd,Pa)を、ダウンロード候補の部分領域とする。そして、制御部16は、ステップS9で、図9(E)に示すように、スタック15bを更新し、部分領域Pdを特定できる情報の上に、融合領域である最小外接矩形MBR(Pd,Pa)を特定できる情報を積む。
【0086】
そして、制御部16は、ステップS7で、最小外接矩形MBR(Pd,Pa)を最優先のダウンロード待ちの状態にする。
【0087】
次に、図9(F)に示すように、部分領域Pcに係る部分領域画像データのダウンロードが完了すると、制御部16は、スタック15bから最小外接矩形MBR(Pa,Pd)を特定できる情報を取り出し、画像サーバ20に最小外接矩形MBR(Pa,Pd)に係る部分領域画像データの要求をする。そして、制御部16は、部分領域画像データのダウンロードを開始し、受信したデータ分を記憶部15に記憶する。なお、ダウンロード中は、表示領域SAにデータがないので、制御部16は、最新の選択箇所のダウンロード中である旨を表示部11に表示させてもよい。
【0088】
次に、図10(G)および図10(H)に基づき、ダウンロード後、操作部12により表示領域SAを移動(スクロール)させた様子について説明する。
【0089】
図10(G)に示すように、最小外接矩形MBR(Pd,Pa)に係る部分領域画像データのダウンロードが完了して、表示部11に表示領域SAの部分の画像データが表示された後、ユーザが表示部11の上方(y軸において負の向き)の画像を見ようと、操作部12を操作して、制御部16が、表示領域SAを動かした場合である。
【0090】
制御部16は、ステップS1で、部分領域Peの入力を受信し、ステップS2で、部分領域Peが不足の領域であるか否かを判定する。部分領域Peは不足領域であるので、制御部16は、ステップS3で、スタック15bが空か否か判定する。そして、図10(G)に示すように、スタック15bは空なので(ステップS3;YES)、図10(H)に示すように、制御部16は、ステップS6で、スタック15bに部分領域Peを特定できる情報が積まれる。そして、部分領域Peを最優先のダウンロード待ちの状態にし(ステップS7)、処理を終了する。部分領域Peに係る部分領域画像データのダウンロードが完了時点で、新たな要求が無ければ、制御部16は、表示部11に指示された部分の表示領域SAの画像データを表示する。
【0091】
なお、制御部16は、表示部11に表示されている画像を回転させる際、ダブルバッファリング領域にある画像データを利用して、回転により不足する画像データを補う。また、記憶部15の容量を超える分の画像データは、最も古い分から消去、または、上書きされる。
【0092】
このように本実施形態によれば、携帯端末10は、原画像データ35に係る原画像情報を画像サーバ20からダウンロード(受信)し、この原画像情報に基づき原画像の第1の部分領域riおよび第2の部分領域qを選択し、第1および第2の部分領域ri,qの属性情報に基づき、第1のおよび第2の部分領域ri、qを含む第3の部分領域Rを算出し、第1および第2の部分領域ri,qの属性情報、並びに、第3の部分領域Rの属性情報に基づき、第2の部分領域qに係る部分領域画像データまたは第3の部分領域Rに係る部分領域画像データのいずれをダウンロードするかを選択し、選択された部分領域画像データを画像サーバ20からダウンロードし、表示領域SAの部分を表示部11に表示させることにより、第3の部分領域Rに係る部分領域画像データをダウンロードする場合、受信予定の部分領域が融合された形で画像データをダウンロードできるため、ダウンロードの回数を減少させて全体のダウンロード時間を短縮でき、ユーザの操作に対するレスポンスが改善されてユーザの操作性の向上を図ることができる。
【0093】
特に、制御部16が、ダウンロードの指令をして、実際にダウンロードが始まるまでのタイムラグがある場合、本実施形態のように、ダウンロード予定の部分領域を融合することは有効である。
【0094】
また、本実施形態によれば、第1の部分領域riおよび第2の部分領域qに係る部分領域画像データを別々にダウンロードした方が早いか、第3の部分領域Rに係る部分領域画像データをダウンロードした方が早いかを、部分領域の属性情報に応じて的確に判定でき、効率的に画像データをダウンロードできる。
【0095】
また、本実施形態によれば、携帯端末10の表示機能等に限界があり、画素数が大きい画像を一度に閲覧できなくても、順次部分的に効率よく画像を閲覧できたり、携帯端末10により画像を拡大縮小や回転させながら随時に随所で閲覧できたりして、ユーザの操作性の向上を図ることができる。
【0096】
また、受信選択手段における部分領域の属性情報が、部分領域の大きさである場合、部分領域の大きさにより、ダウンロード時間が容易に見積もれる。
【0097】
また、受信選択手段における部分領域ri,qの属性情報が、第1および第2の部分領域ri,qの大きさと、第3の部分領域Rの大きさとを比較した値である場合、例えば融合効率ηのように最小外接矩形MBRに対して、部分領域qと部分領域riとがどれだけ含まれているか等の定量的な指標により、融合した部分領域に係る部分領域画像データをダウンロードした方が早いか否かを制御部16は、より的確に判断できる。
【0098】
また、複数選択した部分領域riのうち、第2の部分領域qに対して、比較した値が極値になる部分領域を、第1の部分領域r3とする場合、ユーザの最新に要求する第2の部分領域qに対して第1の部分領域r3が最適な融合の候補となり、より効率的に画像データをダウンロードできる。
【0099】
制御部16が、受信の通信状態に基づき、第2の部分領域qに係る画像データまたは第3の部分領域Rに係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択する場合、移動体通信網2やネットワーク3のトラフィック等の通信状態に基づき判定することにより、通信状態に応じた効率のよく画像データをダウンロードができ、ユーザの操作性の向上を図ることができる。例えば、通信状態が良好の場合、閾値θを低めに設定し、多少大きめの融合領域である第3の部分領域Rに係る画像データをダウンロードしておくことにより、ユーザが表示領域SAを動かしても、新たにダウンロードを要求する回数を減少させることができる。
【0100】
また、第3の部分領域Rの形状は矩形であり、かつ、この矩形の辺が第1の部分領域riおよび第2の部分領域qに接し、第3の部分領域Rの大きさが最小になる最小外接矩形である場合、制御部16は、第3の部分領域Rを効率的に算出できる。
【0101】
また、画像表示システム1において、携帯端末10は、第3の部分領域Rを算出し、第3の部分領域Rに係る部分領域画像データをダウンロードした方が早いかを判断するように、効率がよく画像データをダウンロードするための情報処理を行い、画像サーバ20は、画像データの圧縮等の処理に時間がかかる情報処理を行い、携帯端末10と画像サーバ20とが、役割を分担しているので、画像表示システム1は、高解像度の画像データを画像サーバ20から携帯端末10に効率的に送信でき、ユーザの操作性の向上を図ることができる。
【0102】
なお、融合効率ηにおいて、式(2)のS(q∪ri)の代わりに、S(q)+S(ri)を用いてもよい。さらに、融合効率ηを(S(MBR(q,ri)−S(q)−S(ri))/S(MBR(q,ri))のように定義してもよい。これらも、最小外接矩形MBRに対して、部分領域qと部分領域riとがどれだけ含まれているかの定量的な指標となる。
【0103】
また、部分領域の大きさは、面積と解像度のレベルとを合わせたものでもよい。例えば、ユーザにより要求された部分領域に対して、隣接する解像度のレベルの画像データも先読みのキャッシュをしてユーザの操作性の向上を図る。
【0104】
また、融合効率ηの代わりに、受信選択手段における部分領域ri,qの属性情報として、第1の部分領域qと第2の部分領域riとの領域間距離を用いてもよい。ここで、部分領域qと部分領域riとの領域間距離は、部分領域同士の中心の距離や点U[q]と点U[ri]との距離等であり、第1および第2の部分領域の属性情報の一例である。この場合は、部分領域qと部分領域riとの領域間距離がある基準の値より小さければ、最小外接矩形MBR(q,ri)をダウンロードの候補とする。領域間距離により簡易に融合の効率を算出することができる。
【0105】
また、融合効率ηの代わりに、最小外接矩形MBR(q,ri)の大きさを用いてもよい。最小外接矩形MBR(q,ri)の面積等の大きさが、第3の部分領域の属性情報の一例である。この場合、MBR(q,ri)の面積が、ある基準の面積より小さければ、最小外接矩形MBR(q,ri)をダウンロードの候補とする。
【0106】
さらにまた、表示部11と操作部12とが一体となったパネルタッチでもよい。また、融合する領域は、現在表示されている画像データより低解像度の画像データの部分領域でもよいし、異なる解像度における部分領域でもよい。
【0107】
さらに、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明に係る第1の実施形態に係る画像表示システムの概要構成例を示す模式図である。
【図2】図1の携帯端末の概要構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図2の表示部の一例を示す模式図である。
【図4】図1のWebサーバのデータベースに存在する原画像データの一例を示す模式図である。
【図5】図1の画像サーバのデータベースにおける解像度の異なる画像データの一例を示す模式図である。
【図6】本実施形態のアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。
【図7】図2の記憶部において、図2の表示部に表示される領域およびキャッシュされる領域の一例を示す模式図である。
【図8】(A)から(C)は、図6のフローチャートに基づき、ダウンロードする部分領域およびスタックの様子の一例を示した模式図である。
【図9】(D)から(F)は、図6のフローチャートに基づき、ダウンロードする部分領域およびスタックの様子の一例を示した模式図である。
【図10】(G)から(H)は、図6のフローチャートに基づき、ダウンロードする部分領域およびスタックの様子の一例を示した模式図である。
【図11】(A)および(B)は、本実施形態のアルゴリズムによる部分領域の融合の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0109】
1・・・画像表示システム
10・・・携帯端末
11・・・表示部、
12・・・操作部
13・・・無線通信部
15・・・記憶部
16・・・制御部
20・・・サーバ
21・・・制御部
25、35・・・原画像データ(原画像)
ri・・・第1の部分領域
q・・・第2の部分領域
R・・・第3の部分領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
原画像に係る原画像情報を受信する原画像情報受信手段、
前記原画像情報に基づき前記原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付ける領域選択手段、
前記第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、前記第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出する第3部分領域算出手段、
前記第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、前記第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、前記第2の部分領域に係る部分領域画像データまたは前記第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択する受信選択手段、
選択した前記部分領域画像データを受信する画像データ受信手段、および、
受信した前記部分領域画像データを表示する表示手段として機能させることを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示プログラムにおいて、
前記受信選択手段における前記部分領域の属性情報が、前記部分領域の大きさであることを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項3】
請求項2に記載の画像表示プログラムにおいて、
前記受信選択手段における前記部分領域の属性情報が、前記第1および第2の部分領域の大きさと、前記第3の部分領域の大きさとを比較した値であることを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載の画像表示プログラムにおいて、
複数選択した前記部分領域のうち、前記第2の部分領域に対して、前記比較した値が極値になる部分領域を、第1の部分領域とすることを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項5】
請求項1に記載の画像表示プログラムにおいて、
前記受信選択手段における前記部分領域の属性情報が、前記第1の部分領域と第2の部分領域との領域間距離であることを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像表示プログラムにおいて、
前記受信選択手段が、前記受信の通信状態に基づき、前記第2の部分領域に係る画像データまたは前記第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択することを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像表示プログラムにおいて、
前記第3の部分領域の形状は矩形であり、かつ、この矩形の辺が前記第1の部分領域および前記第2の部分領域に接し、第3の部分領域の大きさが最小になる最小外接矩形であることを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項8】
原画像に係る原画像情報を受信する原画像情報受信手段と、
前記原画像情報に基づき前記原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付ける領域選択手段と、
前記第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、前記第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出する第3部分領域算出手段と、
前記第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、前記第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、前記第2の部分領域に係る部分領域画像データまたは前記第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択する受信選択手段と、
選択した前記部分領域画像データを受信する画像データ受信手段と、
受信した前記部分領域画像データを表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項9】
原画像に係る原画像情報を受信する原画像情報受信ステップと、
前記原画像情報に基づき前記原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付ける領域選択ステップと、
前記第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、前記第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出する第3部分領域算出ステップと、
前記第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、前記第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、前記第2の部分領域に係る画像データまたは前記第3の部分領域に係る画像データのいずれを受信するかを選択する受信選択ステップと、
選択された前記画像データを受信する画像データ受信ステップと、
受信した前記画像データを表示する表示ステップと、
を有することを特徴とする画像表示方法。
【請求項10】
画像データの表示を行う携帯端末と、
前記携帯端末の要求に応じて画像データを配信する画像サーバと、
を備える画像表示システムにおいて、
前記端末装置は、
原画像に係る原画像情報を受信する原画像情報受信手段と、
前記原画像情報に基づき前記原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付ける領域選択手段と、
前記第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、前記第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出する第3部分領域算出手段と、
前記第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、前記第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、前記第2の部分領域に係る部分領域画像データまたは前記第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択する受信選択手段と、
選択した前記部分領域画像データを受信する画像データ受信手段と、
受信した前記部分領域画像データを表示する表示手段と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記携帯端末からの要求を受信する要求受信手段と、
前記携帯端末の要求に応じて前記原画像に係る原画像データを受信する原画像データ受信手段と、
前記原画像に係る原画像情報を作成する原画像情報作成手段と、
前記原画像情報を前記携帯端末に送信する原画像情報送信手段と、
前記携帯端末の要求に応じて前記原画像データから前記部分領域画像データを作成する部分領域画像データ作成手段と、
前記部分領域画像データを前記携帯端末に送信する画像データ送信手段と、
を備えることを特徴とする画像表示システム。
【請求項1】
コンピュータを、
原画像に係る原画像情報を受信する原画像情報受信手段、
前記原画像情報に基づき前記原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付ける領域選択手段、
前記第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、前記第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出する第3部分領域算出手段、
前記第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、前記第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、前記第2の部分領域に係る部分領域画像データまたは前記第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択する受信選択手段、
選択した前記部分領域画像データを受信する画像データ受信手段、および、
受信した前記部分領域画像データを表示する表示手段として機能させることを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示プログラムにおいて、
前記受信選択手段における前記部分領域の属性情報が、前記部分領域の大きさであることを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項3】
請求項2に記載の画像表示プログラムにおいて、
前記受信選択手段における前記部分領域の属性情報が、前記第1および第2の部分領域の大きさと、前記第3の部分領域の大きさとを比較した値であることを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載の画像表示プログラムにおいて、
複数選択した前記部分領域のうち、前記第2の部分領域に対して、前記比較した値が極値になる部分領域を、第1の部分領域とすることを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項5】
請求項1に記載の画像表示プログラムにおいて、
前記受信選択手段における前記部分領域の属性情報が、前記第1の部分領域と第2の部分領域との領域間距離であることを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像表示プログラムにおいて、
前記受信選択手段が、前記受信の通信状態に基づき、前記第2の部分領域に係る画像データまたは前記第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択することを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像表示プログラムにおいて、
前記第3の部分領域の形状は矩形であり、かつ、この矩形の辺が前記第1の部分領域および前記第2の部分領域に接し、第3の部分領域の大きさが最小になる最小外接矩形であることを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項8】
原画像に係る原画像情報を受信する原画像情報受信手段と、
前記原画像情報に基づき前記原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付ける領域選択手段と、
前記第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、前記第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出する第3部分領域算出手段と、
前記第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、前記第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、前記第2の部分領域に係る部分領域画像データまたは前記第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択する受信選択手段と、
選択した前記部分領域画像データを受信する画像データ受信手段と、
受信した前記部分領域画像データを表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項9】
原画像に係る原画像情報を受信する原画像情報受信ステップと、
前記原画像情報に基づき前記原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付ける領域選択ステップと、
前記第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、前記第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出する第3部分領域算出ステップと、
前記第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、前記第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、前記第2の部分領域に係る画像データまたは前記第3の部分領域に係る画像データのいずれを受信するかを選択する受信選択ステップと、
選択された前記画像データを受信する画像データ受信ステップと、
受信した前記画像データを表示する表示ステップと、
を有することを特徴とする画像表示方法。
【請求項10】
画像データの表示を行う携帯端末と、
前記携帯端末の要求に応じて画像データを配信する画像サーバと、
を備える画像表示システムにおいて、
前記端末装置は、
原画像に係る原画像情報を受信する原画像情報受信手段と、
前記原画像情報に基づき前記原画像の第1および第2の部分領域の選択を受け付ける領域選択手段と、
前記第1および第2の部分領域の属性情報に基づき、前記第1のおよび第2の部分領域を含む第3の部分領域を算出する第3部分領域算出手段と、
前記第1および第2の部分領域の属性情報、並びに、前記第3の部分領域の属性情報の少なくとも一方の属性情報に基づき、前記第2の部分領域に係る部分領域画像データまたは前記第3の部分領域に係る部分領域画像データのいずれを受信するかを選択する受信選択手段と、
選択した前記部分領域画像データを受信する画像データ受信手段と、
受信した前記部分領域画像データを表示する表示手段と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記携帯端末からの要求を受信する要求受信手段と、
前記携帯端末の要求に応じて前記原画像に係る原画像データを受信する原画像データ受信手段と、
前記原画像に係る原画像情報を作成する原画像情報作成手段と、
前記原画像情報を前記携帯端末に送信する原画像情報送信手段と、
前記携帯端末の要求に応じて前記原画像データから前記部分領域画像データを作成する部分領域画像データ作成手段と、
前記部分領域画像データを前記携帯端末に送信する画像データ送信手段と、
を備えることを特徴とする画像表示システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−152789(P2010−152789A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−332197(P2008−332197)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(399037405)楽天株式会社 (416)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(399037405)楽天株式会社 (416)
【Fターム(参考)】
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