説明

画像表示方法

【課題】 、地図画面を表示して案内を行うナビゲーション装置において、操作者の視認性を向上させたメニュー表示を可能とする画像表示方法を提供する。
【解決手段】 ナビゲーション装置は、ディスプレイ上に地図を透視図法(鳥瞰図法)により表示し、自車両をアイコン100で表示する。操作者が上位階層のメニュー110中からアイコン110を選択すると、メニュー110は縮小しながら画面奥へと移動して、選択したアイコン110が地図表示の消失点130位置へ位置する。下位階層のメニュー120は、メニュー110に代わり、画面の略中央付近に表示される。このとき、メニュー110はメニュー120と異なる状態にアクセント表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図情報を表示する装置において、操作入力メニューを表示する画像表示方法に関し、例えば、車両に搭載されるナビゲーション装置における画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載され、現在地付近の地図情報の運転者への提示や、設定した目的地までの経路案内を行う車両用ナビゲーション装置が普及している。こうしたナビゲーション装置では、操作者が目的地の設定や経路案内において優先すべき条件、表示画面の変更などを行う際に、ディスプレイ上に表示されるメニューの中から所望の項目を選択する方式で行う方式が広く採用されている。特許文献1に記載されているメニュー表示方法は、こうしたメニュー表示方法の一例であって、階層を有するメニューを表示する際に、全ての階層のメニューを画面内に表示できるようメニュー幅の異なる別の表示用メニューデータと置き換えて表示を行うというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−359009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この技術によれば、上位階層まで全ての階層のメニューを表示することができるものの、下位階層のメニューによって上位階層のメニュー表示幅が変更されることがある。また、メニュー階層が深くなると、画面の幅いっぱいにメニューが表示されてしまう。このため、操作者に不規則な視線移動を強いる結果になり、また、メニューに隠されてしまう。
【0005】
そこで本発明は、地図画面を表示して案内を行うナビゲーション装置において、操作者の視認性を向上させたメニュー表示を可能とする画像表示方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る画像表示方法は、透視図法で表示する地図画面上に、複数の階層を有し、各階層はアイコン群からなるメニューを表示する画像表示方法において、操作者の操作入力またはシステムの入力要求に応じて上位階層のアイコン群を表示し、当該アイコン群中からの操作者のアイコン選択に応じて、対応する下位階層のアイコン群を表示し、それにあわせて表示される地図画面の消失点位置に上位階層のアイコン群の表示位置を移動することを特徴とする。
【0007】
このように上位階層のアイコン群の表示位置を移動させた際に、選択したアイコンが消失点位置に位置するよう移動させるとよい。
【0008】
また、下位階層のアイコン群を表示画面の略中央に表示するとよい。
【0009】
下位階層のアイコン群のアイコンを上位階層のアイコンと異なるアクセント表示により表示すると好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、下位階層のメニューを表示する段階で、その上位階層のメニューを透視図法で表示する地図画面の消失点位置に移動させるので、メニューの階層を移動する場合の操作者の視点移動が軽減される。また、地図表示の上部にメニューを表示することができるので、メニュー表示中も地図表示の視認性を損なうことがない。
【0011】
選択したアイコンを消失点位置へと移動させることで、どのアイコンを選択したか一目でわかるため、さらに視認性が向上する。下位階層のアイコン群を表示画面の略中央に表示することで、選択すべきメニューが視認しやすくなる。
【0012】
下位階層と上位階層のアイコン群をそれぞれ異なるアクセント表示で表示することで、より一層視認性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る画像表示方法を実現する表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る画像表示方法を説明するフローチャートである。
【図3】メニューの第1階層を表示している状態を示す図である。
【図4】メニューの第2階層を表示している状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
【0015】
図1は、本発明に係る画像表示方法を実現する表示装置の構成を示すブロック図である。この表示装置は、車両に搭載されるナビゲーション装置であり、制御装置であるナビゲーションECU10を中心に構成される。ナビゲーションECU10は、CPU、ROM、RAM等によって構成され、アンテナ14によりGPS(Global Positioning System)衛星からのデータを受信するGPS受信機13、地図情報を格納する記憶装置である地図データベース(DB)11、自律航法装置であるジャイロ装置12、車速、加速度、舵角等を検出する各種の車両状態量センサ18のほか、メニュー設定等を行う入力手段17、表示を行うディスプレイ15、音声出力のためのスピーカー16が接続されている。
【0016】
ここで、タッチパネル式のディスプレイを用いることで、入力手段17、ディスプレイ15を兼用するとよく、以下の実施形態では、この種のタッチパネル式ディスプレイを用いる場合を例に説明するが、キーボードやポインティングデバイスのようなディスプレイ15とは別の入力手段17を用いる場合には本発明は好適である。
【0017】
このナビゲーション装置は、GPS受信機13が受信したGPS衛星からの情報と、車両状態量センサ18で取得した車両状態量、ジャイロ装置12の出力から、自車両の現在位置を推定し、地図DB11から対応する位置の地図情報を読み出してディスプレイ15上に表示する機能を持つ。さらに、入力手段17により設定した目的地情報に応じて、地図DB11から読み出した交通情報、周辺地域情報に基づいて、目的地までの経路を求め、現在位置に応じて目的地までの経路情報をディスプレイ15上に表示する機能を有する。このとき、スピーカー16により、音声ガイダンスを行ってもよい。
【0018】
図2は、このナビゲーション装置によりディスプレイ15に表示される地図画面の例示である。地図表示は、透視図法、または、鳥瞰図法といわれる上空から見た形式で表示され、自車両位置は円内に三角形を配置したアイコン100で表示され、三角形の頂点のひとつが自車両の進行方向を表している。
【0019】
操作者の操作、または、ナビゲーション装置が操作者による入力を要求することにより、ディスプレイ15の表示画面上には、所定のメニュー100が表示される(図3参照。)ここでは、地図画面の自車両アイコン100の周辺の表示を遮ることのないよう画面上方にアイコン110〜110を横に並べた形でメニュー110が配置される。図3中では、アイコン110〜110を全て円で表記しているが、実際には、各々視覚的にその機能がわかりやすいアイコン表示が用いられる。
【0020】
この状態で、操作者が下位階層のメニュー120が関連づけられているアイコン110を選択すると、画面は図4に示されるように遷移する。具体的には、上位階層のメニュー110は、選択したアイコン110が地図表示の消失点130位置に合致するよう画面上方に移動するともに、新しい下位階層のメニュー120が、移動前のメニュー110が表示された位置に表示される。このメニュー120は、アイコン120〜120からなる。
【0021】
このとき、メニュー110は、移動しながらメニュー120より高さが狭く、各アイコン110〜110の大きさがアイコン120〜120の大きさより小さくなるようアニメーション表示されるとよい。さらに、メニュー110の構成要素(アイコン110〜110を含む。)をメニュー120の構成要素より薄く表示するとともに、選択したアイコン110のみを他のアイコンより110、110〜110より強調して表示するとよい。さらに、上位階層のメニュー110のいずれかに触れることで、図3に示される表示状態へと戻るようにするとよい。
【0022】
このように表示を行うことで、操作者からは、アイコン110の選択により、上位階層のメニュー110が画面の奥へと移動して、メニュー120が手前に表示されたように感じることになり、その視線移動を抑えられるとともに、メニュー110とメニュー120の関連も理解しやすい。さらに、メニュー110、120は地図表示の主要部分(特に、自車両アイコン100の周辺の表示)を遮ることがないので、操作性、視認性が両立できる。
【0023】
このメニュー表示は、地図表示画面やその他の情報表示とは別のレイヤーとしてこれらの表示に重ね合わせて表示を行うことで、画面遷移を行うことなく、表示を行う。このため、操作者の操作の流れが遮断されることがなく、また、操作者は直前の使用画面に容易に戻れることが直感的にわかるという利点がある。
【0024】
奥側に表示される上位階層のメニュー110の表示は、上記の表示状態に限られるものではないが、手前に表示される下位階層のメニュー120と異なるアクセント表示を行うとよい。このとき、選択したアイコン110とメニュー120との関連が視覚的にわかりやすいよう、両者の表示を関連づけるか、アイコン110の表示(例えば色)とメニュー110の表示を関連づけるとよい。
【0025】
ここでは、2階層のメニューを例に説明したが、階層が3階層以上に及ぶ場合にも、同様の手法で表示を行うとよい。3階層以上の場合には、下位階層のメニュー中の項目の選択により、さらに下位の階層を表示する際には、先に消失点位置へ表示されていた階層メニューは、画面の奥、すなわち、消失点位置のさらに上へと移動させるとよい。あるいは、当該階層メニューを画面から消してもよい。
【符号の説明】
【0026】
10…ナビゲーションECU、11…地図データベース、12…ジャイロ装置、13…受信機、14…アンテナ、15…ディスプレイ、16…スピーカー、17…入力手段、18…車両状態量センサ、100、110A〜110E、120A〜120D…アイコン、110…メニュー、メニュー、130…消失点。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透視図法で表示する地図画面上に、複数の階層を有し、各階層はアイコン群からなるメニューを表示する画像表示方法において、
操作者の操作入力またはシステムの入力要求に応じて上位階層のアイコン群を表示し、
当該アイコン群中からの操作者のアイコン選択に応じて、対応する下位階層のアイコン群を表示し、
それにあわせて表示される地図画面の消失点位置に上位階層のアイコン群の表示位置を移動する
ことを特徴とする画像表示方法。
【請求項2】
前記上位階層のアイコン群の表示位置を移動させた際に、選択したアイコンが消失点位置に位置するよう移動させることを特徴とする請求項1記載の画像表示方法。
【請求項3】
下位階層のアイコン群を表示画面の略中央に表示することを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示方法。
【請求項4】
下位階層のアイコン群のアイコンを上位階層のアイコンと異なるアクセント表示により表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−220760(P2011−220760A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88576(P2010−88576)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】