画像表示装置および画像表示装置の製造方法
【課題】外光反射光により形成される反射像の色割れを低減することができ、周囲環境の影響を抑制することが可能となる画像表示装置を提供する。
【解決手段】複数の画素で構成された画像表示装置であって、
前記画素は、発光層と、該発光層から生じた光を取り出すための構造層を有し、
前記構造層は、第1の媒質により形成された複数の構造体が、該第1の媒質と異なる屈折率を有する第2の媒質により形成された層中に非周期的に配列され、前記画像表示装置の画面と平行な面内方向に屈折率分布を有する構造を備え、
前記非周期的に配列された構造によって、外光反射光が重なり範囲を有するように反射させ、該外光反射光により形成される反射像の色割れを低減する構成とする。
【解決手段】複数の画素で構成された画像表示装置であって、
前記画素は、発光層と、該発光層から生じた光を取り出すための構造層を有し、
前記構造層は、第1の媒質により形成された複数の構造体が、該第1の媒質と異なる屈折率を有する第2の媒質により形成された層中に非周期的に配列され、前記画像表示装置の画面と平行な面内方向に屈折率分布を有する構造を備え、
前記非周期的に配列された構造によって、外光反射光が重なり範囲を有するように反射させ、該外光反射光により形成される反射像の色割れを低減する構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置および該画像表示装置に適した製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の構成の画像表示装置が提案されている。その一例として、図14に断面図として示す構成のものが知られている。
図14において、1402は一つの画素を示しており、このような画素構造を複数個配列することで、画像表示装置1400が構成されている。
この画像表示装置1400は、前面板1401の内面に、画素1402が設けられている。前面板1401は、可視光に対して透明な媒質で形成され、例えばガラスやプラスチックなどで形成される。
画素1402は、発光層1403と、発光層を励起するための図示しない励起手段で構成されている。
励起手段は、例えば、基板上に電子放出素子と電極を配列し、前面板1401と発光層1403の間に、電極を設けることで構成される。このような構成とし、電子放出素子に電界を加えることで電子が放出され、発光層に電子が供給されることで発光層にて光が生成される。
あるいは、励起手段の別の構成として、発光層の前面および裏面に陽極および陰極を設けることで構成される。発光層で生成された光は、前面板1401を透過し、外部に抽出されることで、表示光1405となる。
【0003】
画像表示装置には、コントラストが高く、周囲環境の影響が少ないことが求められる。
明所下において画像表示装置のコントラストを向上させるためには、表示輝度を向上させることが必要である。
画像表示装置1400において、表示光の輝度を高くするためには、発光層1403で発生した光が外部に抽出される間の損失を低減することが重要である。
この損失の要因の一つとして、発光層1403と前面板1401との界面、あるいは前面板1401と外部領域との界面における全反射損失がある。
高屈折率媒質(発光層1403または前面板1401)から低屈折率媒質(外部領域)に向けて光が伝搬すると、臨界角よりも大きな角度で伝搬する光は全反射され、高屈折率媒質に閉じ込められる。
【0004】
このような光は、低屈折率媒質中に抽出されず、高屈折率媒質中を伝搬することで、損失となる。
全反射損失を低減し、表示光の輝度を増大させる手法として、屈折率が異なる媒質で形成された層と層の間に、微細構造を設ける手法が提案されている。
例えば、特許文献1では、図15に示す構成の画像表示装置(有機エレクトロルミネッセンス)が記載されている。
図15に示す画像表示装置1500は、前面板1501および透明電極1502、発光層1503、電極層1504で構成され、前面板1501と発光層1503の間に微細構造1505を設けた構成が記載されている。
微細構造1505は、前面板に並行な面内に、光の波長と同程度の周期を有する屈折率分布を有している。
発光層1503の内部で発生した光1509を回折させることによって、臨界角度以上の角度で伝播する光1511を低減させ、臨界角以内の角度で伝搬する光1510を増大させる。外部に抽出される光を増大し、表示輝度を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2991183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来提案されている特許文献1の画像表示装置では、外部から画像表示装置に入射した光が微細構造により反射された光(以下、外光反射光)の反射角度が波長によって異なり、つぎのような反射像が色割れするという課題を有している。
特許文献1のものでは、光の波長と同程度の周期間隔を有する微細構造1505が用いられる。
このような微細構造1505に、波長1と波長2を含んだ外光1506が入射すると、微細構造1505により反射回折光が発生する。
反射回折光の反射角度は、微細構造1505の周期間隔と光の波長によって決まる。
そのため、波長1を有する外光は外光反射光1507の方向に、波長2を有する外光は外光反射光1508の方向に反射される。
その結果、外光反射光1507と外光反射光1508は異なる方向に反射される。
【0007】
明所下において画像表示装置を使用すると、周囲環境に応じた外光が画像表示装置に入射する。
通常、画像表示装置を使用する周囲環境では、外光は白色光のように複数の波長を含んだ光である。
波長によって反射角度が異なるため、外光反射光は、波長により異なる方向に反射される。
その結果、外光反射光により形成される反射像の色割れが発生する。このような画像表示装置を視聴すると、視聴位置の変化に伴い、外光反射光により形成される反射像の色が変化し、画像表示装置の表示品質は著しく劣化する。
そのため、画像表示装置の表示輝度を高く保ちつつも、外光反射光により形成される反射像の色割れを低減できる画像表示装置が望まれている。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、外光反射光により形成される反射像の色割れを低減することができ、周囲環境の影響を抑制することが可能となる画像表示装置および画像表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、複数の画素で構成された画像表示装置であって、
前記画素は、発光層と、該発光層から生じた光を取り出すための構造層を有し、
前記構造層は、第1の媒質により形成された複数の構造体が、該第1の媒質と異なる屈折率を有する第2の媒質により形成された層中に非周期的に配列され、前記画像表示装置の画面と平行な面内方向に屈折率分布を有する構造を備え、
前記非周期的に配列された構造によって、外光反射光が重なり範囲を有するように反射させ、該外光反射光により形成される反射像の色割れを低減することを特徴とする。
また、本発明は、画像表示装置の製造方法であって
基板上に微小球を数密度P[1/m2]で分散し、微粒子層を形成する工程を含み、
該数密度Pが、以下の式の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、外光反射光により形成される反射像の色割れを低減することができ、周囲環境の影響を抑制することが可能となる画像表示装置および画像表示装置の製造方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態における画像表示装置を説明する図である。
【図2】本発明の実施形態における画像表示装置に配置される微細構造を説明する図である。
【図3】本発明の実施形態における回折角度について説明する模式図である。
【図4】本発明の実施形態における画像表示装置の外光反射光が伝播する様子を説明する図である。
【図5】本発明の実施形態における画像表示装置の外光反射光を示す図である。
【図6】実施例1における画像表示装置の重心間距離頻度分布を示す図である。
【図7】実施例1における画像表示装置の外光反射光を示す図である。
【図8】実施例1における画像表示装置の配向分布を示す図である。
【図9】本発明の実施形態における画像表示装置と周期微細構造を配置した画像表示装置の発光層からの光が外部へ抽出される効率を示した図である。
【図10】本発明の実施形態における周期微細構造を用いた画像表示装置における発光層からの光が外部へ抽出される効率を示した図である。
【図11】実施例2における画像表示装置に配置される微細構造の作製手法を説明する図である。
【図12】実施例2における画像表示装置に配置される微細構造の作製手法を説明する図である。
【図13】実施例1における画像表示装置を説明する図である。
【図14】本発明の従来例を説明する図である。
【図15】本発明の従来例における特許文献1の画像表示装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態における画像表示装置の構成を、図1を用いて説明する。
図1において、100は本実施形態の画像表示装置のxz断面図である。
本実施形態の画像表示装置100は、光が透過可能な前面板101と画素102を備え、画素102は前面板101の背面に配置されている。
図1には1つの画素102を示しており、このような画素を複数個配列することで画像表示装置100が構成されている。
各画素102は、光吸収性を有する媒質で形成されたブラックマトリックスで区切られている。
前面板101は、可視光に対して透明な媒質で形成されており、例えばガラスを用いることができる。
画素102は、発光層104と微細構造層105と図示しない励起手段で構成されている。
微細構造層105は、前面板101と発光層104の間に配置されている。
発光層104は、例えば蛍光体を含む膜で構成され、波長350nm〜800nmのいずれかの波長を含む光を発生する。
微細構造層105は、異なる屈折率を有する2種類以上の媒質から形成され、画像表示装置の画面と平行な面内方向である前面板に平行なxy面内にて屈折率分布を有する屈折率分布構造層として構成されている。
【0013】
図2を用いて、本実施形態の微細構造層105の一例について説明する。
図2(a)、(b)は、微細構造層105のxy平面図およびyz平面図である。
微細構造層105は、第1の媒質で形成された円柱構造体211及び第2の媒質で形成された層210を備えている。
円柱構造体211は、層210における層中のxy面内に非周期的に配列される。
以下の説明において、近接する円柱構造の重心同士を結んだ距離を、重心間距離と呼ぶ。
例えば、図2(a)にて、円柱構造体214の重心と、円柱構造体215の重心とを結んだ直線216の長さが重心間距離となる。
さらに、重心間距離の相加平均値を平均重心間距離と呼び、重心間距離分布において最も高い頻度を有する重心間距離を最頻出重心間距離と呼び、重心間距離の標本分散の正の平方根を重心間距離バラつきと呼ぶ。
励起手段は、発光層104に電子を注入する手段を含んでいる。
例えば、励起手段は、基板上に電子放出素子と電極を配置し、発光層104の表面に電極を設けることで構成される。
このような構成において、電子放出素子に電界を加えると、発光層104に向けて電子が供給され、光が発生する。
発生した光は、微細構造層105及び前面板101を透過し、外部に抽出されることで、+z方向に伝播する表示光106となる。
本発明においては、表示光106が射出する方向を、光射出側と定義する。
【0014】
つぎに、本実施形態の画像表示装置100において、周囲環境の影響を低減可能となるようにする原理について説明する。
画像表示装置100の外部から光が入射すると、光は外部領域と前面板との界面を通過し、微細構造層105に到達する。
微細構造層105に到達した光は、微細構造層105が有する屈折率分布によって回折され、複数の回折光に分配される。
ここで、回折光のうち、+z方向に進む光を反射回折光、及び−z方向に進む光を透過回折光と呼ぶ。
反射回折光のうち、前面板101と外部領域との界面における臨界角よりも小さな角度で伝播する光が、外部に放出され、外光反射光となる。
【0015】
図3は、周囲とは屈折率の異なる構造を配置したときの回折波を示した概略図である。図3(a)及び(b)では、破線及び点線により光の波面を示している。
図3(a)に示すように、構造体301を単体で配置したときには、入射光303は構造体301により回折され、単体回折波302が発生する。
図3(b)に示すように、構造を複数配置したときには、構造体311による単体回折光314と構造体312による単体回折光315が干渉し、単体回折光314と単体回折光315の波面が重なる位置においては光が強め合い、回折光316が発生する。
そのため、回折光316の反射角度は、構造体311と構造体312とを結んだ距離313及び入射する光の波長により決まる。
【0016】
本実施形態に用いられる微細構造層105は、様々な重心間距離を含んだ非周期的な配列を有している。
このような微細構造層105に光を入射すると、それぞれの重心間距離により決まる回折角度を有する回折光が発生する。
重心間距離分布にて、頻度が高い重心間距離ほど多くの単体回折光が重なり合い、回折光強度が強くなる。そのため、各反射角度の回折光強度は、重心間距離の頻度分布に依存する。
以上から、本実施形態に用いられる微細構造層105の回折光の角度広がり幅は、重心間距離バラつきσに一致する。
【0017】
図1は、本実施形態に用いられる微細構造層105に外光107を入射した時の、微細構造層105により発生する反射回折光が伝播する様子を示している。外光107が微細構造層105に入射すると、微細構造層105の重心間距離分布と外光107の波長により決まる角度で反射される。
図1では、異なる波長による外光反射光を外光反射光108及び外光反射光109で示している。
微細構造層105が非周期的な配列を有しているため、外光反射光108及び109は、図4に示す重心間距離バラつきに依存した角度広がりを有する。
外光反射光の反射角度が広がりを有することにより、異なる波長の外光反射光が重なり範囲を有するようになる。
図4においては、外光反射光108の角度広がりをハッチング408で示し、外光反射光109の角度広がりをハッチング409で示し、ハッチング408とハッチング409の重なり範囲をクロスハッチング410で示している。図4においては、前面板、発光層及び励起手段は図示していない。
以上のように、外光反射光108の角度広がり範囲408と外光反射光109の角度広がり範囲409が重なり範囲410を有することで、外光反射光により形成される反射像の色割れが低減される。
【0018】
図5(a)は、本実施形態の画像表示装置100に外光を入射したときの外光反射率を実線で示す図である。
図5(a)においては、横軸に外光反射光の波数ベクトルをxy面内に射影した成分の長さを示し、縦軸に外光反射率を示している。
図5(b)には、外光反射光の波数ベクトル510、外光反射光がz軸と成す反射角度511、及び外光反射光の波数ベクトルをxy面内に射影した長さ512を示した。反射角度511と長さ512の間には、
反射角度511=arcsin{(長さ512)/(外光反射光の波数ベクトル510の長さ)}
の関係がある。
以下では、長さ512をk1と表し、入射光の波数ベクトルをxy面内に射影した長さをkinxyと表し、多くの単体回折光が重なる最頻出重心間距離Lmaxの逆格子空間における長さ(2π/Lmax)をG1で表している。
また、図5(a)において、k1の位置を二点鎖線501で示した。
【0019】
外光反射光は、k1=kinxy+G1において外光反射率強度のピーク値を有する。
さらに、外光反射光の波数ベクトルをxy面内に射影した成分は、様々な重心間距離からの単体回折光の重なり合いにより、広がり幅を有する。
波数広がり幅502をΔ1及び幅503をΔ2とした時、その波数広がり幅は、平均重心間距離Lからの重心間距離バラつきσを用いて以下の式で表すことができる。
Δ1={2π/(L−σ)−2π/L}
Δ2={2π/L−2π/(L+σ)}
外光反射光は、k1を中心に、(k1−Δ2)から(k1+Δ1)までの波数広がり幅を有し、その角度広がり幅は、(k1+Δ1)から求まる反射角度と、(k1−Δ2)から求まる反射角度の差分となる。
ここで、波長λ1を有する外光の反射角度広がり範囲における、最大反射角度(図4 符合411)をθ1とする。
さらに、波長λ2を有する外光の反射角度広がり範囲における、最小反射角度(図4 符合412)をθ2とする。θ1及びθ2は以下の式1にて与えられる。
【0020】
式1において、kは波数ベクトルの長さを示し、添え字λ1、λ2は光の波長を表している。同様にk1の添え字λ1、λ2も、光の波長を示している。
θ1>θ2を満たす時、すなわち、以下の式2を満たす時、波長λ1から波長λ2の波長範囲を有する外光反射光の反射角度範囲が重なり、微細構造層105の外光反射光が形成する反射像の色割れを低減する事ができる。
【0021】
外光反射光の波長依存性を低減するためには、赤色・緑色・青色の3色のうち、少なくとも2色の外光反射光の反射角度範囲が重なることが望ましい。
以下の式3を満たすとき、波長530nm(λ1)から波長650nm(λ2)の外光反射光の反射角度範囲が重なる。
さらに、波長440nm(λ1)から波長540nm(λ2)の外光反射光についても反射角度範囲が重なる。
【0022】
以上のような微細構造層105を前面板101と発光層104との間に配置することにより、赤色・緑色・青色の3色の内、少なくとも2色について、外光反射光の反射角度範囲が重なり、外光反射光が形成する反射像の色割れを低減している。
さらに望ましくは、以下の式4を満たすことで、可視光域である波長400nm(λ1)から波長700nm(λ2)の外光反射光について反射角度範囲が重なり、赤色・緑色・青色の3色について、外光反射光が形成する反射像の色割れを低減している。
【0023】
上記数値範囲の微細構造層105を設けることで、外光反射光の反射角度範囲が重なるようになり、外光反射光により形成される反射像の色割れを低減した画像表示装置を得ることができる。その結果、周囲環境の影響が少ない画像表示装置を得ることができる。
光の回折現象は、第1の媒質に入射した光の反射率と第2の媒質に入射した光の反射率の差、及び回折及び第1の媒質を伝播する光と第2の媒質を伝播する光の位相差に起因して発生する。
よって、上記の微細構造層105では、円柱構造体211を非周期的に配置したが、xy面内の断面形状が半径rの外接円を有する多角柱構造を非周期的に配置しても、本発明の効果は失われない。
【0024】
本実施形態の微細構造層105において、半径rの円柱構造を、平均重心間距離L及び最頻出重心距離Lmaxで配列する時、重心間距離バラつきσの上限は以下の式5で表すことができる。
【0025】
図9は、発光層からの光が外部へ抽出される効率を、本発明に含まれる微細構造層105を設けた画像表示装置を◆印で、周期的な格子点配列を有する微細構造(以下、周期微細構造)を設けた画像表示装置を□印で示したものである。
本実施形態に含まれる微細構造層105については、横軸を平均重心間距離で示し、周期微細構造を設けた画像表示装置については、横軸を格子定数で示した。図9に示すように、本発明の微細構造層105を配置した画像表示装置と周期微細構造を配置した画像表示装置は、同等の光抽出効率を有している。
すなわち、周期微細構造において高い光抽出効率を得ることができる円柱構造半径及び格子定数と同じ値に、本実施形態の画像表示装置に配置する微細構造層105の円柱構造半径及び平均重心間距離を設計する。これにより、高い光抽出効率を有する画像表示装置を得ることができる。
【0026】
図10に、周期微細構造を用いた画像表示装置の光抽出効率を示した。
図10において、二点鎖線は微細構造を配置しない画像表示装置の外部への光抽出効率を示し、横軸に円柱構造直径を格子定数Λで除した値(2r/Λ)を示した。
(2r/Λ)を0.1よりも大きくすることで、周期微細構造を配置しない時に比べて外部への光抽出効率を高くすることができる。
より望ましくは、(2r/Λ)を0.3よりも大きくすることで、周期微細構造を配置しない時に比べて2倍の効率で外部へ光を抽出することができる。
【0027】
以上から、本発明の微細構造層105においても、円柱構造直径を平均重心間距離で除した値(2r/L)を0.1よりも大きくすることにより、高い光抽出効率を得ることができる。
以上から、本実施形態における画像表示装置に配置される微細構造層105が、式6を満たすことで、外部への光抽出効率を高くすることができる。
【0028】
より望ましくは、(2r/L)を0.3よりも大きくすることにより、より高い光抽出効率を得ることができる。
これにより、本実施形態における画像表示装置に配置される微細構造層105が、式7を満たすことで、外部への光抽出効率をより高くすることができる。
【0029】
外部への光抽出効率を高くすることで画像表示装置の表示輝度を高めることが可能となり、高いコントラストを有する画像表示装置を得ることができる。
外部への光抽出効率を高くするためには、回折により臨界角以上の角度で伝播する光を低減させることが必要となる。
外部への光抽出効率を高くするという効果をより得るためには、微細構造層105が2次以上の高次回折光を有することが望ましい。微細構造に光を入射したとき、以下の式8を満たす回折次数の光が発生する。
【0030】
式8において、λは入射光の波長、Ninは入射光が伝播する領域の屈折率、Noutは反射回折光または透過回折光が伝播する領域の屈折率を表している。θinは入射光の入射方向とz軸とが成す角度、Λは微細構造の格子定数、mは回折次数である。
可視域において、高次の回折光が発生しにくい波長700nmについて考えると、Λを1.0μm以上にすることで、2次以上の回折光を発生させることができ、外部への光抽出効率を高くすることができる。
発光層から微細構造層105へ入射する光の入射角度が、前面板と外部領域界面の臨界角度よりも大きい時、0次の透過回折光は前面板と外部領域の界面で全反射される。
外部への光抽出効率を高めるためには、0次の透過回折光よりも小さい角度で伝播する透過回折光を増大させ、逆に大きい角度で伝播する透過回折光を減少させる必要がある。
Λが大きくなることにより、0次の透過回折光よりも大きい角度で伝播する透過回折次数が多く発生するようになり、前面板と外部領域界面の全反射損失が増大し、外部への光抽出効率が低下する。
望ましくはΛを3.0μm以下にすることで、全反射損失を低くすることができ、外部への光抽出効率を高く保つことができる。
すなわち、本発明の画像表示装置において、微細構造層105の平均重心間距離を、1.0μm以上且つ3.0μm以下にすることにより、2次以上の高次回折光を発生させ、且つ全反射損失を低減させることができる。そして、外部への光抽出効率をより高くすることができる。
外部への光抽出効率を高くすることで画像表示装置の表示輝度を高めることが可能となり、高いコントラストを有する画像表示装置を得ることができる。
以上では、微細構造層として、円柱構造体が非周期的に配列された構成について説明したが、このような構成に限定されるものではなく、球構造体により構成するようにしてもよい。
【実施例】
【0031】
以下に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1として、本発明における画像表示装置に含まれる微細構造の構成例について説明する。
本実施例の微細構造は、図2の微細構造層105において、円柱構造の直径213は800nmの長さを有し、高さ214は800nmの長さを有している。
さらに、本実施例の微細構造層105は、図6にて実線601で示す重心間距離頻度分布を有しており、L=2.6μm、σ/L=0.26、L/Lmax=1.2とされている。
また、本実施例の微細構造層105は、式3および式6を満たし、さらに1.0μm<L<3.0μmを満たすように構成されている。
図6において、一点鎖線602は平均重心間距離Lを示し、破線603は最頻出重心間距離Lmaxを示している。円柱構造を構成する第1の媒質の屈折率を2.2、周囲の領域210を構成する第2の媒質の屈折率を1.5としている。
前面板101は屈折率が1.46の媒質、発光層104は屈折率が1.3の媒質で形成されている。
また、発光層104の背面には図示しない励起手段が配置されており、その背面の領域は真空となっている。
【0032】
図7は、このような微細構造層105を用いた画像表示装置100に外部から光を前面板101に垂直に入射したときの外光反射率を示した図である。
図7の横軸は、外光反射光とz軸とが成す角度を表し、縦軸は外光反射光強度を表している。
さらに図7には、従来の構成における微細構造を含む画像表示装置の外光反射率との比較について示されている。
従来の構成における微細構造は、周期的に配列した格子点上に第1の媒質による円柱構造を配列した構造を有している。
図7において、実線701及び破線702は本発明を適用した本実施例における構成の特性を示しており、一点鎖線711及び二点鎖線712は従来の構成の特性を示している。
さらに、実線701及び一点鎖線711は波長450nmの光を入射したときの特性を、破線702及び二点鎖線712は波長650nmの光を入射したときの特性を示している。
【0033】
図7に示すように、従来の構成では、周期的な格子点配列を有しているために、外光反射光は角度広がりを有さない。
これは、外光が複数の波長を含む環境で画像表示装置を使用した場合には、波長により反射角度が異なるために、外光反射光により形成される反射像の色割れが発生することを示している。
一方、本発明を適用した本実施例の構成では、図7に示すように、異なる2つの波長による外光反射光が重なる範囲が生じ、外光反射光により形成される反射像の色割れを低減している。以上から、周囲環境の影響を低減した画像表示装置を得ている。
以上より、本実施例の画像表示装置100において、図2に示した微細構造層105を前面板101と発光層104との間に設けることにより、外光反射光により形成される反射像の色割れを低減し、周囲環境の影響を低減可能な画像表示装置を得ている。
【0034】
図8(a)に、本実施例に含まれる微細構造層105に光を垂直に入射した際の透過光の配向分布を示し、図8(b)に格子点形状が周期的な三角格子を有する微細構造に光を垂直に入射した際の透過光の配向分布を示した。
本実施例の微細構造層105は、非周期的な配列を有しているために、様々な方向及び重心間距離を有する三角格子が含まれている。
そのため、本実施例の微細構造層105は、輪帯状の配向分布を有するようになり、方位角依存性が低減されている。
本実施例に含まれる微細構造層105を用いることで、周期的な三角格子を有する微細構造を用いたときに比べ、表示光の配向ムラを改善した画像表示装置を得ることができる。
本実施例の画像表示装置は、式3、式6を満たす微細構造を用いることで、高いコントラストを有し、外光反射光により形成される反射像の色割れを低減した画像表示装置を得ている。
さらに1.0μm<L<3.0μmを満たすことで、より高いコントラストを有する画像表示装置を得ている。
【0035】
本実施例において、平均重心間距離、最頻出重心間距離及び重心間距離バラつきを導出する領域は、画像表示装置の視聴者が視聴する反射像の色割れを低減できる領域内にて行うことが望ましい。
例えば、画像表示装置内の0.1m×0.1mの面積を有する領域毎に平均重心間距離、最頻出重心間距離及び重心間距離バラつきを導出している。
また他の例では、画像表示装置の画素毎に平均重心間距離、最頻出重心間距離及び重心間距離バラつきを導出している。
本実施例に含まれる微細構造層105を構成する第1の媒質と第2の媒質は、第1の媒質を伝播する光と第2の媒質を伝播する光が位相差を有する限りは、本実施例で示した媒質とは異なる屈折率を有する媒質でも、本発明の効果は失われない。
望ましくは第1の媒質と第2の媒質の屈折率差を大きくすることで、円柱構造体211の高さが低い場合にも、十分な回折効率を得ることができ、外部に抽出される光を増大させることができる。
【0036】
また、本実施例においては、微細構造層105を発光層104と前面板101の間に配置している。
本実施例に含まれる微細構造層105の外光107が入射する限りは、微細構造層105を発光層104と外部領域の間、もしくは発光層104よりも裏面側に配置しても、本発明の効果を失われない。
より望ましくは、より高い強度で外光が微細構造に入射する、発光層と外部領域の間に微細構造を配置することにより、外光反射光により形成される反射像の色割れ低減効果をより得ることができる。
さらに、発光層と前面板の間に微細構造を配置することにより、より高い光抽出効率を得ることができる。
【0037】
つぎに、図13を用いて、本実施例における画像表示装置の一例について説明する。
図13には、前面板1301と平行な面内において、画素1310、1320、1330を複数配列した画像表示装置1300のxz断面図が示されている。
画像表示装置1300は、赤色、緑色、青色の各色を表示する画素1310、1320、1330で構成され、画素1310、1320、1330は前面板1301の裏面に配置されている。
各画素は光吸収性を有する媒質で形成された隔壁1303によって区切られている。
図13には、3つの画素1310、1320、1330を示しており、このような画素を複数個配列することで、画像表示装置1300が構成されている。前面板1301は、可視光に対して透明な媒質で形成されており、例えば、ガラスで形成されている。
【0038】
画素1310、1320、1330は、発光層1312、1322、1332と微細構造1305と励起手段1306、1307で構成されている。
微細構造1305は、発光層1312、1322、1332の前面に配置され、励起手段1307は、発光層1312、1322、1332と前面板1301との間に配置される。
励起手段1306は、発光層1312、1322、1332の裏面に配置されている。
各画素の発光層1312、1322、1332には、赤色、緑色、青色の各波長の光を発生する蛍光体を含んでいる。
【0039】
微細構造1305は、第1の媒質からなる円柱構造と、円柱構造の周囲に配置され、かつ第1の媒質とは屈折率が異なる第2の媒質により構成されている。微細構造1305は式3及び式6を満たし、さらに1.0μm<L<3.0μmを満たすように構成されている。
【0040】
励起手段1306及び1307は、発光層1312、1322、1332に電子を注入する手段を含む層である。例えば、励起手段1306、1307は、基板上に電子放出素子と電極を配置し、発光層の表面に透明電極を設けることで構成される。
このような構成において、電子放出素子に電界を加えると、発光層に向けて電子が放出され、発光層に1312、1322、1332に電子が供給され、発光する。
発生した光は、微細構造1305および前面板1301を透過し、外部に抽出されることで、表示光となる。
【0041】
本実施例にかかる画像表示装置1300において、微細構造1300が式3および式6を満たすことで、外光反射光により形成される反射像の色割れを低減した画像表示装置を得ている。
さらに、微細構造1300が1.0μm<L<3.0μmを満たすことで、高いコントラストを有する画像表示装置を得ている。
【0042】
本実施例にかかる画像表示装置1300において、各画素1310、1320、1330に同じ媒質および構造を有する微細構造1305を用いても、各画素で表示輝度の変動が小さい画像表示装置を得ることが出来る。様々な方向から微細構造1305に入射した光は多数の回折光に分配される。
各回折光の強度は小さく、また入射光の波長の変動による強度の変動も小さくなる。表示光は、様々な角度から微細構造1305に入射した光から生成された、多数の透過回折光を積算した光となる。そのため、微細構造1305に入射する光の波長が変動しても、表示光の輝度の変動は小さく、各画素において表示光の輝度の差が小さい特性を得ることができる。このため、画素によって異なる構造を作製しなくてもよく、画像表示装置の作製が容易となる。
【0043】
本実施例にかかる画像表示装置1300において、各画素に含まれる微細構造1305は、互いに異なる構造としてもよい。
あるいは、赤色、緑色あるいは青色に相当する画素1310、1320、1330の、いずれか一つの画素に設ける微細構造と、他の画素に設ける微細構造とが異なる構成であってもよい。
これによって、同じ構造を有する微細構造を各画素に配置した場合と比べて、表示光の増大効果をより向上させ、高いコントラストを有する画像表示装置を得ることができる。
また、各画素に設ける微細構造は、互いにyz断面における厚さが異なっていてもよい。
あるいは、微細構造の平均重心間距離や構成する媒質が、画素ごとに異なる長さを有する構造であってもよい。
本実施例にかかる画像表示装置1300において、微細構造1305を発光層1312、1322、1332と前面板1301の間に配置したが、外光及び発光層にて生じた光が微細構造1305に入射する限りは、配置する位置は限定されない。
【0044】
本実施例においては、透明電極1307を発光層の表面に配置したが、電極を発光層の裏面に配置しても、本発明の効果は失われない。
さらに、本実施例に記載の励起手段は、発光層1312、1322、1332に電子と正孔を注入する層であってもよい。
このような場合には、発光層は有機化合物または無機化合物から成る材料により構成する。
さらに、発光層と前面板の間及び発光層と裏面の間に陽極及び陰極を配置し、発光層と陽極及び陰極が隣接するように配置することで、励起源1306、1307を構成できる。
このような構成においては、両電極間に電流を印加し、電子と正孔を発光層に注入することにより、発光層の中で光が発生する。
【0045】
[実施例2]
実施例2として、実施例1の微細構造層105を低コストに作製する製造方法について、図11を用いて説明する。
図11(a)に示す前面板1101上に、第1の媒質による層1102をスパッタやスピンコート等の手段により成膜する(図11(b))。
その後に、層1102上に図示しない接着層を成膜し、微小球1103を配列し、余分な微小球を除去する(図11(c))。
この時、微小球1103の半径及び充填率を制御することにより、平均重心間距離、最頻出重心間距離及び重心間距離バラつきを制御することができる。
微小球の配列後に、ウェットエッチング等の手段による等方性エッチングにより、微小球1103を縮小させ、接着層を除去する。
その後に、微小球1103をマスクにリアクティブイオンエッチング等の手段により異方性エッチングすることにより、円孔1104を形成する(図11(d))。
円孔1104をスパッタやスピンコート等の手段により充填することにより、円柱構造1105を形成する(図11(e))。
以上の製造方法を用いることで、円柱構造1105による微細構造層105を作製することができ、さらに透明電極、及び発光層を含む画素構造を形成することにより画像表示装置100を形成することができる。
図11に示した製造方法は、微小球配列をマスクに微細構造層105を作製している。このように微小球配列をマスクに用いることで、円柱構造体の重心を非周期的に配列した微細構造層105を大面積に且つ低コストで作製することが可能となる。
【0046】
つぎに、図12を用いて本実施例による微細構造層105をより低コストに作製する製造方法について、更に説明する。
図12(a)に示す前面板1101上に、図示しない接着層を塗布した後、第2の媒質による微小球1106を配列し、余分な微小球を除去する(図12(b))。
この時、微小球1106の半径及び充填率を制御することにより、平均重心間距離、最頻出重心間距離及び重心間距離バラつきを制御することができる。
微小球配列後に、ウェットエッチング等の手段による等方性エッチングにより、微小球1106を縮小させ、接着層を除去する。その後に、微小球の周囲を第1の媒質で充填することにより、微小球構造1108と周囲領域1107から構成される微細構造層105を形成する(図12(c))。
第1の媒質の充填には、スピンコートやスパッタ等の手段を用いることができる。
第1の媒質として、スピンオングラス材料の低屈折率材料や、TiO2等の高屈折率材料を用いることができ、第2の媒質として、SiO2等の低屈折率材料やTiO2等の高屈折率材料を用いることができる。
高い外部への光抽出効率を得るためには、第1の媒質と第2の媒質の屈折率差を大きくすることが望ましい。さらに、第1の媒質の屈折率が第2の媒質の屈折率よりも低いことが望ましい。
さらに、透明電極、及び発光層を含む画素構造を形成することにより画像表示装置100を形成することができる。
図12に示した製造方法では、微細構造層105の屈折率分布を微小球配列により作製している。
微小球配列を用いることで、本発明の画像表示装置に設けられる微細構造層105をより少ない工程数で作製することができ、より低コストに画像表示装置を得ることができる。
また、本実施例において、画像表示装置に配置される微細構造層を円柱構造体または球構造体により構成することによって、画像表示装置をより低コストに作製することが可能となる。
【0047】
本実施例においては、微小球配列後に等方性エッチングにより微小球を縮小することにより、所望の円柱径または球径を有する微細構造105を形成しているが、微小球を縮小する工程を省いてもよい。
このような場合には、微小球1103(または微小球1106)の半径が、円柱構造1105(または微小球構造1108)の半径と略等しくなるように配列する。その後に、図11に示した例の場合には、配列した微小球1103をマスクに異方性エッチングを行い、円孔1104を充填して微細構造層105を形成することができる。または、図12に示した例の場合には、微小球1106の周囲を第1の媒質で充填することにより微細構造層105を形成することができる。微小球1103(または微小球1106)の微小球数密度P[1/m2]と平均重心間距離Lの間には、次式に示す関係がある。
【0048】
そのため、数密度Pを次式を満たすように制御することにより、平均重心間距離を制御することができる。
【0049】
例えば、半径730nmを有する微小球1103を数密度3e11[1/m2]で分散して微粒子層を形成する。
そして、微小球をエッチングマスクとして基板をエッチングすることで、円柱構造1105の充填率0.5、L=2[μm]、σ/L=0.23を有する微細構造層105を形成することができる。
以上のように、円柱構造1105(または微小球構造1108)と略等しい半径を有する微小球を配列することにより、円柱構造体(または微小球構造体)の重心を非周期的に配列した微細構造層105を大面積に且つ低コストで作製することが可能となる。
【符号の説明】
【0050】
100:画像表示装置
101:前面板
102:画素
104:発光層
105:微細構造層
107:外光
108、109:外交反射光
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置および該画像表示装置に適した製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の構成の画像表示装置が提案されている。その一例として、図14に断面図として示す構成のものが知られている。
図14において、1402は一つの画素を示しており、このような画素構造を複数個配列することで、画像表示装置1400が構成されている。
この画像表示装置1400は、前面板1401の内面に、画素1402が設けられている。前面板1401は、可視光に対して透明な媒質で形成され、例えばガラスやプラスチックなどで形成される。
画素1402は、発光層1403と、発光層を励起するための図示しない励起手段で構成されている。
励起手段は、例えば、基板上に電子放出素子と電極を配列し、前面板1401と発光層1403の間に、電極を設けることで構成される。このような構成とし、電子放出素子に電界を加えることで電子が放出され、発光層に電子が供給されることで発光層にて光が生成される。
あるいは、励起手段の別の構成として、発光層の前面および裏面に陽極および陰極を設けることで構成される。発光層で生成された光は、前面板1401を透過し、外部に抽出されることで、表示光1405となる。
【0003】
画像表示装置には、コントラストが高く、周囲環境の影響が少ないことが求められる。
明所下において画像表示装置のコントラストを向上させるためには、表示輝度を向上させることが必要である。
画像表示装置1400において、表示光の輝度を高くするためには、発光層1403で発生した光が外部に抽出される間の損失を低減することが重要である。
この損失の要因の一つとして、発光層1403と前面板1401との界面、あるいは前面板1401と外部領域との界面における全反射損失がある。
高屈折率媒質(発光層1403または前面板1401)から低屈折率媒質(外部領域)に向けて光が伝搬すると、臨界角よりも大きな角度で伝搬する光は全反射され、高屈折率媒質に閉じ込められる。
【0004】
このような光は、低屈折率媒質中に抽出されず、高屈折率媒質中を伝搬することで、損失となる。
全反射損失を低減し、表示光の輝度を増大させる手法として、屈折率が異なる媒質で形成された層と層の間に、微細構造を設ける手法が提案されている。
例えば、特許文献1では、図15に示す構成の画像表示装置(有機エレクトロルミネッセンス)が記載されている。
図15に示す画像表示装置1500は、前面板1501および透明電極1502、発光層1503、電極層1504で構成され、前面板1501と発光層1503の間に微細構造1505を設けた構成が記載されている。
微細構造1505は、前面板に並行な面内に、光の波長と同程度の周期を有する屈折率分布を有している。
発光層1503の内部で発生した光1509を回折させることによって、臨界角度以上の角度で伝播する光1511を低減させ、臨界角以内の角度で伝搬する光1510を増大させる。外部に抽出される光を増大し、表示輝度を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2991183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来提案されている特許文献1の画像表示装置では、外部から画像表示装置に入射した光が微細構造により反射された光(以下、外光反射光)の反射角度が波長によって異なり、つぎのような反射像が色割れするという課題を有している。
特許文献1のものでは、光の波長と同程度の周期間隔を有する微細構造1505が用いられる。
このような微細構造1505に、波長1と波長2を含んだ外光1506が入射すると、微細構造1505により反射回折光が発生する。
反射回折光の反射角度は、微細構造1505の周期間隔と光の波長によって決まる。
そのため、波長1を有する外光は外光反射光1507の方向に、波長2を有する外光は外光反射光1508の方向に反射される。
その結果、外光反射光1507と外光反射光1508は異なる方向に反射される。
【0007】
明所下において画像表示装置を使用すると、周囲環境に応じた外光が画像表示装置に入射する。
通常、画像表示装置を使用する周囲環境では、外光は白色光のように複数の波長を含んだ光である。
波長によって反射角度が異なるため、外光反射光は、波長により異なる方向に反射される。
その結果、外光反射光により形成される反射像の色割れが発生する。このような画像表示装置を視聴すると、視聴位置の変化に伴い、外光反射光により形成される反射像の色が変化し、画像表示装置の表示品質は著しく劣化する。
そのため、画像表示装置の表示輝度を高く保ちつつも、外光反射光により形成される反射像の色割れを低減できる画像表示装置が望まれている。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、外光反射光により形成される反射像の色割れを低減することができ、周囲環境の影響を抑制することが可能となる画像表示装置および画像表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、複数の画素で構成された画像表示装置であって、
前記画素は、発光層と、該発光層から生じた光を取り出すための構造層を有し、
前記構造層は、第1の媒質により形成された複数の構造体が、該第1の媒質と異なる屈折率を有する第2の媒質により形成された層中に非周期的に配列され、前記画像表示装置の画面と平行な面内方向に屈折率分布を有する構造を備え、
前記非周期的に配列された構造によって、外光反射光が重なり範囲を有するように反射させ、該外光反射光により形成される反射像の色割れを低減することを特徴とする。
また、本発明は、画像表示装置の製造方法であって
基板上に微小球を数密度P[1/m2]で分散し、微粒子層を形成する工程を含み、
該数密度Pが、以下の式の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、外光反射光により形成される反射像の色割れを低減することができ、周囲環境の影響を抑制することが可能となる画像表示装置および画像表示装置の製造方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態における画像表示装置を説明する図である。
【図2】本発明の実施形態における画像表示装置に配置される微細構造を説明する図である。
【図3】本発明の実施形態における回折角度について説明する模式図である。
【図4】本発明の実施形態における画像表示装置の外光反射光が伝播する様子を説明する図である。
【図5】本発明の実施形態における画像表示装置の外光反射光を示す図である。
【図6】実施例1における画像表示装置の重心間距離頻度分布を示す図である。
【図7】実施例1における画像表示装置の外光反射光を示す図である。
【図8】実施例1における画像表示装置の配向分布を示す図である。
【図9】本発明の実施形態における画像表示装置と周期微細構造を配置した画像表示装置の発光層からの光が外部へ抽出される効率を示した図である。
【図10】本発明の実施形態における周期微細構造を用いた画像表示装置における発光層からの光が外部へ抽出される効率を示した図である。
【図11】実施例2における画像表示装置に配置される微細構造の作製手法を説明する図である。
【図12】実施例2における画像表示装置に配置される微細構造の作製手法を説明する図である。
【図13】実施例1における画像表示装置を説明する図である。
【図14】本発明の従来例を説明する図である。
【図15】本発明の従来例における特許文献1の画像表示装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態における画像表示装置の構成を、図1を用いて説明する。
図1において、100は本実施形態の画像表示装置のxz断面図である。
本実施形態の画像表示装置100は、光が透過可能な前面板101と画素102を備え、画素102は前面板101の背面に配置されている。
図1には1つの画素102を示しており、このような画素を複数個配列することで画像表示装置100が構成されている。
各画素102は、光吸収性を有する媒質で形成されたブラックマトリックスで区切られている。
前面板101は、可視光に対して透明な媒質で形成されており、例えばガラスを用いることができる。
画素102は、発光層104と微細構造層105と図示しない励起手段で構成されている。
微細構造層105は、前面板101と発光層104の間に配置されている。
発光層104は、例えば蛍光体を含む膜で構成され、波長350nm〜800nmのいずれかの波長を含む光を発生する。
微細構造層105は、異なる屈折率を有する2種類以上の媒質から形成され、画像表示装置の画面と平行な面内方向である前面板に平行なxy面内にて屈折率分布を有する屈折率分布構造層として構成されている。
【0013】
図2を用いて、本実施形態の微細構造層105の一例について説明する。
図2(a)、(b)は、微細構造層105のxy平面図およびyz平面図である。
微細構造層105は、第1の媒質で形成された円柱構造体211及び第2の媒質で形成された層210を備えている。
円柱構造体211は、層210における層中のxy面内に非周期的に配列される。
以下の説明において、近接する円柱構造の重心同士を結んだ距離を、重心間距離と呼ぶ。
例えば、図2(a)にて、円柱構造体214の重心と、円柱構造体215の重心とを結んだ直線216の長さが重心間距離となる。
さらに、重心間距離の相加平均値を平均重心間距離と呼び、重心間距離分布において最も高い頻度を有する重心間距離を最頻出重心間距離と呼び、重心間距離の標本分散の正の平方根を重心間距離バラつきと呼ぶ。
励起手段は、発光層104に電子を注入する手段を含んでいる。
例えば、励起手段は、基板上に電子放出素子と電極を配置し、発光層104の表面に電極を設けることで構成される。
このような構成において、電子放出素子に電界を加えると、発光層104に向けて電子が供給され、光が発生する。
発生した光は、微細構造層105及び前面板101を透過し、外部に抽出されることで、+z方向に伝播する表示光106となる。
本発明においては、表示光106が射出する方向を、光射出側と定義する。
【0014】
つぎに、本実施形態の画像表示装置100において、周囲環境の影響を低減可能となるようにする原理について説明する。
画像表示装置100の外部から光が入射すると、光は外部領域と前面板との界面を通過し、微細構造層105に到達する。
微細構造層105に到達した光は、微細構造層105が有する屈折率分布によって回折され、複数の回折光に分配される。
ここで、回折光のうち、+z方向に進む光を反射回折光、及び−z方向に進む光を透過回折光と呼ぶ。
反射回折光のうち、前面板101と外部領域との界面における臨界角よりも小さな角度で伝播する光が、外部に放出され、外光反射光となる。
【0015】
図3は、周囲とは屈折率の異なる構造を配置したときの回折波を示した概略図である。図3(a)及び(b)では、破線及び点線により光の波面を示している。
図3(a)に示すように、構造体301を単体で配置したときには、入射光303は構造体301により回折され、単体回折波302が発生する。
図3(b)に示すように、構造を複数配置したときには、構造体311による単体回折光314と構造体312による単体回折光315が干渉し、単体回折光314と単体回折光315の波面が重なる位置においては光が強め合い、回折光316が発生する。
そのため、回折光316の反射角度は、構造体311と構造体312とを結んだ距離313及び入射する光の波長により決まる。
【0016】
本実施形態に用いられる微細構造層105は、様々な重心間距離を含んだ非周期的な配列を有している。
このような微細構造層105に光を入射すると、それぞれの重心間距離により決まる回折角度を有する回折光が発生する。
重心間距離分布にて、頻度が高い重心間距離ほど多くの単体回折光が重なり合い、回折光強度が強くなる。そのため、各反射角度の回折光強度は、重心間距離の頻度分布に依存する。
以上から、本実施形態に用いられる微細構造層105の回折光の角度広がり幅は、重心間距離バラつきσに一致する。
【0017】
図1は、本実施形態に用いられる微細構造層105に外光107を入射した時の、微細構造層105により発生する反射回折光が伝播する様子を示している。外光107が微細構造層105に入射すると、微細構造層105の重心間距離分布と外光107の波長により決まる角度で反射される。
図1では、異なる波長による外光反射光を外光反射光108及び外光反射光109で示している。
微細構造層105が非周期的な配列を有しているため、外光反射光108及び109は、図4に示す重心間距離バラつきに依存した角度広がりを有する。
外光反射光の反射角度が広がりを有することにより、異なる波長の外光反射光が重なり範囲を有するようになる。
図4においては、外光反射光108の角度広がりをハッチング408で示し、外光反射光109の角度広がりをハッチング409で示し、ハッチング408とハッチング409の重なり範囲をクロスハッチング410で示している。図4においては、前面板、発光層及び励起手段は図示していない。
以上のように、外光反射光108の角度広がり範囲408と外光反射光109の角度広がり範囲409が重なり範囲410を有することで、外光反射光により形成される反射像の色割れが低減される。
【0018】
図5(a)は、本実施形態の画像表示装置100に外光を入射したときの外光反射率を実線で示す図である。
図5(a)においては、横軸に外光反射光の波数ベクトルをxy面内に射影した成分の長さを示し、縦軸に外光反射率を示している。
図5(b)には、外光反射光の波数ベクトル510、外光反射光がz軸と成す反射角度511、及び外光反射光の波数ベクトルをxy面内に射影した長さ512を示した。反射角度511と長さ512の間には、
反射角度511=arcsin{(長さ512)/(外光反射光の波数ベクトル510の長さ)}
の関係がある。
以下では、長さ512をk1と表し、入射光の波数ベクトルをxy面内に射影した長さをkinxyと表し、多くの単体回折光が重なる最頻出重心間距離Lmaxの逆格子空間における長さ(2π/Lmax)をG1で表している。
また、図5(a)において、k1の位置を二点鎖線501で示した。
【0019】
外光反射光は、k1=kinxy+G1において外光反射率強度のピーク値を有する。
さらに、外光反射光の波数ベクトルをxy面内に射影した成分は、様々な重心間距離からの単体回折光の重なり合いにより、広がり幅を有する。
波数広がり幅502をΔ1及び幅503をΔ2とした時、その波数広がり幅は、平均重心間距離Lからの重心間距離バラつきσを用いて以下の式で表すことができる。
Δ1={2π/(L−σ)−2π/L}
Δ2={2π/L−2π/(L+σ)}
外光反射光は、k1を中心に、(k1−Δ2)から(k1+Δ1)までの波数広がり幅を有し、その角度広がり幅は、(k1+Δ1)から求まる反射角度と、(k1−Δ2)から求まる反射角度の差分となる。
ここで、波長λ1を有する外光の反射角度広がり範囲における、最大反射角度(図4 符合411)をθ1とする。
さらに、波長λ2を有する外光の反射角度広がり範囲における、最小反射角度(図4 符合412)をθ2とする。θ1及びθ2は以下の式1にて与えられる。
【0020】
式1において、kは波数ベクトルの長さを示し、添え字λ1、λ2は光の波長を表している。同様にk1の添え字λ1、λ2も、光の波長を示している。
θ1>θ2を満たす時、すなわち、以下の式2を満たす時、波長λ1から波長λ2の波長範囲を有する外光反射光の反射角度範囲が重なり、微細構造層105の外光反射光が形成する反射像の色割れを低減する事ができる。
【0021】
外光反射光の波長依存性を低減するためには、赤色・緑色・青色の3色のうち、少なくとも2色の外光反射光の反射角度範囲が重なることが望ましい。
以下の式3を満たすとき、波長530nm(λ1)から波長650nm(λ2)の外光反射光の反射角度範囲が重なる。
さらに、波長440nm(λ1)から波長540nm(λ2)の外光反射光についても反射角度範囲が重なる。
【0022】
以上のような微細構造層105を前面板101と発光層104との間に配置することにより、赤色・緑色・青色の3色の内、少なくとも2色について、外光反射光の反射角度範囲が重なり、外光反射光が形成する反射像の色割れを低減している。
さらに望ましくは、以下の式4を満たすことで、可視光域である波長400nm(λ1)から波長700nm(λ2)の外光反射光について反射角度範囲が重なり、赤色・緑色・青色の3色について、外光反射光が形成する反射像の色割れを低減している。
【0023】
上記数値範囲の微細構造層105を設けることで、外光反射光の反射角度範囲が重なるようになり、外光反射光により形成される反射像の色割れを低減した画像表示装置を得ることができる。その結果、周囲環境の影響が少ない画像表示装置を得ることができる。
光の回折現象は、第1の媒質に入射した光の反射率と第2の媒質に入射した光の反射率の差、及び回折及び第1の媒質を伝播する光と第2の媒質を伝播する光の位相差に起因して発生する。
よって、上記の微細構造層105では、円柱構造体211を非周期的に配置したが、xy面内の断面形状が半径rの外接円を有する多角柱構造を非周期的に配置しても、本発明の効果は失われない。
【0024】
本実施形態の微細構造層105において、半径rの円柱構造を、平均重心間距離L及び最頻出重心距離Lmaxで配列する時、重心間距離バラつきσの上限は以下の式5で表すことができる。
【0025】
図9は、発光層からの光が外部へ抽出される効率を、本発明に含まれる微細構造層105を設けた画像表示装置を◆印で、周期的な格子点配列を有する微細構造(以下、周期微細構造)を設けた画像表示装置を□印で示したものである。
本実施形態に含まれる微細構造層105については、横軸を平均重心間距離で示し、周期微細構造を設けた画像表示装置については、横軸を格子定数で示した。図9に示すように、本発明の微細構造層105を配置した画像表示装置と周期微細構造を配置した画像表示装置は、同等の光抽出効率を有している。
すなわち、周期微細構造において高い光抽出効率を得ることができる円柱構造半径及び格子定数と同じ値に、本実施形態の画像表示装置に配置する微細構造層105の円柱構造半径及び平均重心間距離を設計する。これにより、高い光抽出効率を有する画像表示装置を得ることができる。
【0026】
図10に、周期微細構造を用いた画像表示装置の光抽出効率を示した。
図10において、二点鎖線は微細構造を配置しない画像表示装置の外部への光抽出効率を示し、横軸に円柱構造直径を格子定数Λで除した値(2r/Λ)を示した。
(2r/Λ)を0.1よりも大きくすることで、周期微細構造を配置しない時に比べて外部への光抽出効率を高くすることができる。
より望ましくは、(2r/Λ)を0.3よりも大きくすることで、周期微細構造を配置しない時に比べて2倍の効率で外部へ光を抽出することができる。
【0027】
以上から、本発明の微細構造層105においても、円柱構造直径を平均重心間距離で除した値(2r/L)を0.1よりも大きくすることにより、高い光抽出効率を得ることができる。
以上から、本実施形態における画像表示装置に配置される微細構造層105が、式6を満たすことで、外部への光抽出効率を高くすることができる。
【0028】
より望ましくは、(2r/L)を0.3よりも大きくすることにより、より高い光抽出効率を得ることができる。
これにより、本実施形態における画像表示装置に配置される微細構造層105が、式7を満たすことで、外部への光抽出効率をより高くすることができる。
【0029】
外部への光抽出効率を高くすることで画像表示装置の表示輝度を高めることが可能となり、高いコントラストを有する画像表示装置を得ることができる。
外部への光抽出効率を高くするためには、回折により臨界角以上の角度で伝播する光を低減させることが必要となる。
外部への光抽出効率を高くするという効果をより得るためには、微細構造層105が2次以上の高次回折光を有することが望ましい。微細構造に光を入射したとき、以下の式8を満たす回折次数の光が発生する。
【0030】
式8において、λは入射光の波長、Ninは入射光が伝播する領域の屈折率、Noutは反射回折光または透過回折光が伝播する領域の屈折率を表している。θinは入射光の入射方向とz軸とが成す角度、Λは微細構造の格子定数、mは回折次数である。
可視域において、高次の回折光が発生しにくい波長700nmについて考えると、Λを1.0μm以上にすることで、2次以上の回折光を発生させることができ、外部への光抽出効率を高くすることができる。
発光層から微細構造層105へ入射する光の入射角度が、前面板と外部領域界面の臨界角度よりも大きい時、0次の透過回折光は前面板と外部領域の界面で全反射される。
外部への光抽出効率を高めるためには、0次の透過回折光よりも小さい角度で伝播する透過回折光を増大させ、逆に大きい角度で伝播する透過回折光を減少させる必要がある。
Λが大きくなることにより、0次の透過回折光よりも大きい角度で伝播する透過回折次数が多く発生するようになり、前面板と外部領域界面の全反射損失が増大し、外部への光抽出効率が低下する。
望ましくはΛを3.0μm以下にすることで、全反射損失を低くすることができ、外部への光抽出効率を高く保つことができる。
すなわち、本発明の画像表示装置において、微細構造層105の平均重心間距離を、1.0μm以上且つ3.0μm以下にすることにより、2次以上の高次回折光を発生させ、且つ全反射損失を低減させることができる。そして、外部への光抽出効率をより高くすることができる。
外部への光抽出効率を高くすることで画像表示装置の表示輝度を高めることが可能となり、高いコントラストを有する画像表示装置を得ることができる。
以上では、微細構造層として、円柱構造体が非周期的に配列された構成について説明したが、このような構成に限定されるものではなく、球構造体により構成するようにしてもよい。
【実施例】
【0031】
以下に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1として、本発明における画像表示装置に含まれる微細構造の構成例について説明する。
本実施例の微細構造は、図2の微細構造層105において、円柱構造の直径213は800nmの長さを有し、高さ214は800nmの長さを有している。
さらに、本実施例の微細構造層105は、図6にて実線601で示す重心間距離頻度分布を有しており、L=2.6μm、σ/L=0.26、L/Lmax=1.2とされている。
また、本実施例の微細構造層105は、式3および式6を満たし、さらに1.0μm<L<3.0μmを満たすように構成されている。
図6において、一点鎖線602は平均重心間距離Lを示し、破線603は最頻出重心間距離Lmaxを示している。円柱構造を構成する第1の媒質の屈折率を2.2、周囲の領域210を構成する第2の媒質の屈折率を1.5としている。
前面板101は屈折率が1.46の媒質、発光層104は屈折率が1.3の媒質で形成されている。
また、発光層104の背面には図示しない励起手段が配置されており、その背面の領域は真空となっている。
【0032】
図7は、このような微細構造層105を用いた画像表示装置100に外部から光を前面板101に垂直に入射したときの外光反射率を示した図である。
図7の横軸は、外光反射光とz軸とが成す角度を表し、縦軸は外光反射光強度を表している。
さらに図7には、従来の構成における微細構造を含む画像表示装置の外光反射率との比較について示されている。
従来の構成における微細構造は、周期的に配列した格子点上に第1の媒質による円柱構造を配列した構造を有している。
図7において、実線701及び破線702は本発明を適用した本実施例における構成の特性を示しており、一点鎖線711及び二点鎖線712は従来の構成の特性を示している。
さらに、実線701及び一点鎖線711は波長450nmの光を入射したときの特性を、破線702及び二点鎖線712は波長650nmの光を入射したときの特性を示している。
【0033】
図7に示すように、従来の構成では、周期的な格子点配列を有しているために、外光反射光は角度広がりを有さない。
これは、外光が複数の波長を含む環境で画像表示装置を使用した場合には、波長により反射角度が異なるために、外光反射光により形成される反射像の色割れが発生することを示している。
一方、本発明を適用した本実施例の構成では、図7に示すように、異なる2つの波長による外光反射光が重なる範囲が生じ、外光反射光により形成される反射像の色割れを低減している。以上から、周囲環境の影響を低減した画像表示装置を得ている。
以上より、本実施例の画像表示装置100において、図2に示した微細構造層105を前面板101と発光層104との間に設けることにより、外光反射光により形成される反射像の色割れを低減し、周囲環境の影響を低減可能な画像表示装置を得ている。
【0034】
図8(a)に、本実施例に含まれる微細構造層105に光を垂直に入射した際の透過光の配向分布を示し、図8(b)に格子点形状が周期的な三角格子を有する微細構造に光を垂直に入射した際の透過光の配向分布を示した。
本実施例の微細構造層105は、非周期的な配列を有しているために、様々な方向及び重心間距離を有する三角格子が含まれている。
そのため、本実施例の微細構造層105は、輪帯状の配向分布を有するようになり、方位角依存性が低減されている。
本実施例に含まれる微細構造層105を用いることで、周期的な三角格子を有する微細構造を用いたときに比べ、表示光の配向ムラを改善した画像表示装置を得ることができる。
本実施例の画像表示装置は、式3、式6を満たす微細構造を用いることで、高いコントラストを有し、外光反射光により形成される反射像の色割れを低減した画像表示装置を得ている。
さらに1.0μm<L<3.0μmを満たすことで、より高いコントラストを有する画像表示装置を得ている。
【0035】
本実施例において、平均重心間距離、最頻出重心間距離及び重心間距離バラつきを導出する領域は、画像表示装置の視聴者が視聴する反射像の色割れを低減できる領域内にて行うことが望ましい。
例えば、画像表示装置内の0.1m×0.1mの面積を有する領域毎に平均重心間距離、最頻出重心間距離及び重心間距離バラつきを導出している。
また他の例では、画像表示装置の画素毎に平均重心間距離、最頻出重心間距離及び重心間距離バラつきを導出している。
本実施例に含まれる微細構造層105を構成する第1の媒質と第2の媒質は、第1の媒質を伝播する光と第2の媒質を伝播する光が位相差を有する限りは、本実施例で示した媒質とは異なる屈折率を有する媒質でも、本発明の効果は失われない。
望ましくは第1の媒質と第2の媒質の屈折率差を大きくすることで、円柱構造体211の高さが低い場合にも、十分な回折効率を得ることができ、外部に抽出される光を増大させることができる。
【0036】
また、本実施例においては、微細構造層105を発光層104と前面板101の間に配置している。
本実施例に含まれる微細構造層105の外光107が入射する限りは、微細構造層105を発光層104と外部領域の間、もしくは発光層104よりも裏面側に配置しても、本発明の効果を失われない。
より望ましくは、より高い強度で外光が微細構造に入射する、発光層と外部領域の間に微細構造を配置することにより、外光反射光により形成される反射像の色割れ低減効果をより得ることができる。
さらに、発光層と前面板の間に微細構造を配置することにより、より高い光抽出効率を得ることができる。
【0037】
つぎに、図13を用いて、本実施例における画像表示装置の一例について説明する。
図13には、前面板1301と平行な面内において、画素1310、1320、1330を複数配列した画像表示装置1300のxz断面図が示されている。
画像表示装置1300は、赤色、緑色、青色の各色を表示する画素1310、1320、1330で構成され、画素1310、1320、1330は前面板1301の裏面に配置されている。
各画素は光吸収性を有する媒質で形成された隔壁1303によって区切られている。
図13には、3つの画素1310、1320、1330を示しており、このような画素を複数個配列することで、画像表示装置1300が構成されている。前面板1301は、可視光に対して透明な媒質で形成されており、例えば、ガラスで形成されている。
【0038】
画素1310、1320、1330は、発光層1312、1322、1332と微細構造1305と励起手段1306、1307で構成されている。
微細構造1305は、発光層1312、1322、1332の前面に配置され、励起手段1307は、発光層1312、1322、1332と前面板1301との間に配置される。
励起手段1306は、発光層1312、1322、1332の裏面に配置されている。
各画素の発光層1312、1322、1332には、赤色、緑色、青色の各波長の光を発生する蛍光体を含んでいる。
【0039】
微細構造1305は、第1の媒質からなる円柱構造と、円柱構造の周囲に配置され、かつ第1の媒質とは屈折率が異なる第2の媒質により構成されている。微細構造1305は式3及び式6を満たし、さらに1.0μm<L<3.0μmを満たすように構成されている。
【0040】
励起手段1306及び1307は、発光層1312、1322、1332に電子を注入する手段を含む層である。例えば、励起手段1306、1307は、基板上に電子放出素子と電極を配置し、発光層の表面に透明電極を設けることで構成される。
このような構成において、電子放出素子に電界を加えると、発光層に向けて電子が放出され、発光層に1312、1322、1332に電子が供給され、発光する。
発生した光は、微細構造1305および前面板1301を透過し、外部に抽出されることで、表示光となる。
【0041】
本実施例にかかる画像表示装置1300において、微細構造1300が式3および式6を満たすことで、外光反射光により形成される反射像の色割れを低減した画像表示装置を得ている。
さらに、微細構造1300が1.0μm<L<3.0μmを満たすことで、高いコントラストを有する画像表示装置を得ている。
【0042】
本実施例にかかる画像表示装置1300において、各画素1310、1320、1330に同じ媒質および構造を有する微細構造1305を用いても、各画素で表示輝度の変動が小さい画像表示装置を得ることが出来る。様々な方向から微細構造1305に入射した光は多数の回折光に分配される。
各回折光の強度は小さく、また入射光の波長の変動による強度の変動も小さくなる。表示光は、様々な角度から微細構造1305に入射した光から生成された、多数の透過回折光を積算した光となる。そのため、微細構造1305に入射する光の波長が変動しても、表示光の輝度の変動は小さく、各画素において表示光の輝度の差が小さい特性を得ることができる。このため、画素によって異なる構造を作製しなくてもよく、画像表示装置の作製が容易となる。
【0043】
本実施例にかかる画像表示装置1300において、各画素に含まれる微細構造1305は、互いに異なる構造としてもよい。
あるいは、赤色、緑色あるいは青色に相当する画素1310、1320、1330の、いずれか一つの画素に設ける微細構造と、他の画素に設ける微細構造とが異なる構成であってもよい。
これによって、同じ構造を有する微細構造を各画素に配置した場合と比べて、表示光の増大効果をより向上させ、高いコントラストを有する画像表示装置を得ることができる。
また、各画素に設ける微細構造は、互いにyz断面における厚さが異なっていてもよい。
あるいは、微細構造の平均重心間距離や構成する媒質が、画素ごとに異なる長さを有する構造であってもよい。
本実施例にかかる画像表示装置1300において、微細構造1305を発光層1312、1322、1332と前面板1301の間に配置したが、外光及び発光層にて生じた光が微細構造1305に入射する限りは、配置する位置は限定されない。
【0044】
本実施例においては、透明電極1307を発光層の表面に配置したが、電極を発光層の裏面に配置しても、本発明の効果は失われない。
さらに、本実施例に記載の励起手段は、発光層1312、1322、1332に電子と正孔を注入する層であってもよい。
このような場合には、発光層は有機化合物または無機化合物から成る材料により構成する。
さらに、発光層と前面板の間及び発光層と裏面の間に陽極及び陰極を配置し、発光層と陽極及び陰極が隣接するように配置することで、励起源1306、1307を構成できる。
このような構成においては、両電極間に電流を印加し、電子と正孔を発光層に注入することにより、発光層の中で光が発生する。
【0045】
[実施例2]
実施例2として、実施例1の微細構造層105を低コストに作製する製造方法について、図11を用いて説明する。
図11(a)に示す前面板1101上に、第1の媒質による層1102をスパッタやスピンコート等の手段により成膜する(図11(b))。
その後に、層1102上に図示しない接着層を成膜し、微小球1103を配列し、余分な微小球を除去する(図11(c))。
この時、微小球1103の半径及び充填率を制御することにより、平均重心間距離、最頻出重心間距離及び重心間距離バラつきを制御することができる。
微小球の配列後に、ウェットエッチング等の手段による等方性エッチングにより、微小球1103を縮小させ、接着層を除去する。
その後に、微小球1103をマスクにリアクティブイオンエッチング等の手段により異方性エッチングすることにより、円孔1104を形成する(図11(d))。
円孔1104をスパッタやスピンコート等の手段により充填することにより、円柱構造1105を形成する(図11(e))。
以上の製造方法を用いることで、円柱構造1105による微細構造層105を作製することができ、さらに透明電極、及び発光層を含む画素構造を形成することにより画像表示装置100を形成することができる。
図11に示した製造方法は、微小球配列をマスクに微細構造層105を作製している。このように微小球配列をマスクに用いることで、円柱構造体の重心を非周期的に配列した微細構造層105を大面積に且つ低コストで作製することが可能となる。
【0046】
つぎに、図12を用いて本実施例による微細構造層105をより低コストに作製する製造方法について、更に説明する。
図12(a)に示す前面板1101上に、図示しない接着層を塗布した後、第2の媒質による微小球1106を配列し、余分な微小球を除去する(図12(b))。
この時、微小球1106の半径及び充填率を制御することにより、平均重心間距離、最頻出重心間距離及び重心間距離バラつきを制御することができる。
微小球配列後に、ウェットエッチング等の手段による等方性エッチングにより、微小球1106を縮小させ、接着層を除去する。その後に、微小球の周囲を第1の媒質で充填することにより、微小球構造1108と周囲領域1107から構成される微細構造層105を形成する(図12(c))。
第1の媒質の充填には、スピンコートやスパッタ等の手段を用いることができる。
第1の媒質として、スピンオングラス材料の低屈折率材料や、TiO2等の高屈折率材料を用いることができ、第2の媒質として、SiO2等の低屈折率材料やTiO2等の高屈折率材料を用いることができる。
高い外部への光抽出効率を得るためには、第1の媒質と第2の媒質の屈折率差を大きくすることが望ましい。さらに、第1の媒質の屈折率が第2の媒質の屈折率よりも低いことが望ましい。
さらに、透明電極、及び発光層を含む画素構造を形成することにより画像表示装置100を形成することができる。
図12に示した製造方法では、微細構造層105の屈折率分布を微小球配列により作製している。
微小球配列を用いることで、本発明の画像表示装置に設けられる微細構造層105をより少ない工程数で作製することができ、より低コストに画像表示装置を得ることができる。
また、本実施例において、画像表示装置に配置される微細構造層を円柱構造体または球構造体により構成することによって、画像表示装置をより低コストに作製することが可能となる。
【0047】
本実施例においては、微小球配列後に等方性エッチングにより微小球を縮小することにより、所望の円柱径または球径を有する微細構造105を形成しているが、微小球を縮小する工程を省いてもよい。
このような場合には、微小球1103(または微小球1106)の半径が、円柱構造1105(または微小球構造1108)の半径と略等しくなるように配列する。その後に、図11に示した例の場合には、配列した微小球1103をマスクに異方性エッチングを行い、円孔1104を充填して微細構造層105を形成することができる。または、図12に示した例の場合には、微小球1106の周囲を第1の媒質で充填することにより微細構造層105を形成することができる。微小球1103(または微小球1106)の微小球数密度P[1/m2]と平均重心間距離Lの間には、次式に示す関係がある。
【0048】
そのため、数密度Pを次式を満たすように制御することにより、平均重心間距離を制御することができる。
【0049】
例えば、半径730nmを有する微小球1103を数密度3e11[1/m2]で分散して微粒子層を形成する。
そして、微小球をエッチングマスクとして基板をエッチングすることで、円柱構造1105の充填率0.5、L=2[μm]、σ/L=0.23を有する微細構造層105を形成することができる。
以上のように、円柱構造1105(または微小球構造1108)と略等しい半径を有する微小球を配列することにより、円柱構造体(または微小球構造体)の重心を非周期的に配列した微細構造層105を大面積に且つ低コストで作製することが可能となる。
【符号の説明】
【0050】
100:画像表示装置
101:前面板
102:画素
104:発光層
105:微細構造層
107:外光
108、109:外交反射光
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素で構成された画像表示装置であって、
前記画素は、発光層と、該発光層から生じた光を取り出すための構造層を有し、
前記構造層は、第1の媒質により形成された複数の構造体が、該第1の媒質と異なる屈折率を有する第2の媒質により形成された層中に非周期的に配列され、前記画像表示装置の画面と平行な面内方向に屈折率分布を有する構造を備え、
前記非周期的に配列された構造によって、外光反射光が重なり範囲を有するように反射させ、該外光反射光により形成される反射像の色割れを低減することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記第1の媒質により形成された複数の構造体が、以下の式の関係を満たすように非周期的に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
但し、
L:平均重心間距離
Lmax:最頻出重心間距離
σ:重心間距離バラつき
【請求項3】
前記第1の媒質により形成された複数の構造体が、以下の式の関係を満たすように非周期的に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
但し、
L:平均重心間距離
Lmax:最頻出重心間距離
σ:重心間距離バラつき
【請求項4】
前記第1の媒質により形成された複数の構造体が、以下の式の関係を満たすように非周期的に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
但し、
L:平均重心間距離
Lmax:最頻出重心間距離
σ:重心間距離バラつき
【請求項5】
前記第1の媒質により形成された複数の構造体が、以下の式の関係を満たすように非周期的に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
但し、
L:平均重心間距離
Lmax:最頻出重心間距離
σ:重心間距離バラつき
【請求項6】
前記第1の媒質により形成された複数の構造体が、以下の式の関係を満たすように非周期的に配列されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像表示装置。
1.0μm<L<3.0μm
【請求項7】
前記屈折率分布構造層は、前記発光層よりも光射出側に設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記発光層で発光した光が透過可能な前面板を備え、該前面板が前記屈折率分布構造層よりも光射出側に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記第1の媒質により形成された構造体が、円柱構造体により構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記第1の媒質により形成された構造体が、球構造体により構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項11】
画像表示装置の製造方法であって
基板上に微小球を数密度P[1/m2]で分散し、微粒子層を形成する工程を含み、
該数密度Pが、以下の式の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記微粒子層をエッチングマスクとして、基板をエッチングし、前記第1の媒質により形成された複数の構造体を形成する工程を含むことを特徴とする請求項11に記載の画像表示装置の製造方法。
【請求項1】
複数の画素で構成された画像表示装置であって、
前記画素は、発光層と、該発光層から生じた光を取り出すための構造層を有し、
前記構造層は、第1の媒質により形成された複数の構造体が、該第1の媒質と異なる屈折率を有する第2の媒質により形成された層中に非周期的に配列され、前記画像表示装置の画面と平行な面内方向に屈折率分布を有する構造を備え、
前記非周期的に配列された構造によって、外光反射光が重なり範囲を有するように反射させ、該外光反射光により形成される反射像の色割れを低減することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記第1の媒質により形成された複数の構造体が、以下の式の関係を満たすように非周期的に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
但し、
L:平均重心間距離
Lmax:最頻出重心間距離
σ:重心間距離バラつき
【請求項3】
前記第1の媒質により形成された複数の構造体が、以下の式の関係を満たすように非周期的に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
但し、
L:平均重心間距離
Lmax:最頻出重心間距離
σ:重心間距離バラつき
【請求項4】
前記第1の媒質により形成された複数の構造体が、以下の式の関係を満たすように非周期的に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
但し、
L:平均重心間距離
Lmax:最頻出重心間距離
σ:重心間距離バラつき
【請求項5】
前記第1の媒質により形成された複数の構造体が、以下の式の関係を満たすように非周期的に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
但し、
L:平均重心間距離
Lmax:最頻出重心間距離
σ:重心間距離バラつき
【請求項6】
前記第1の媒質により形成された複数の構造体が、以下の式の関係を満たすように非周期的に配列されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像表示装置。
1.0μm<L<3.0μm
【請求項7】
前記屈折率分布構造層は、前記発光層よりも光射出側に設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記発光層で発光した光が透過可能な前面板を備え、該前面板が前記屈折率分布構造層よりも光射出側に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記第1の媒質により形成された構造体が、円柱構造体により構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記第1の媒質により形成された構造体が、球構造体により構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項11】
画像表示装置の製造方法であって
基板上に微小球を数密度P[1/m2]で分散し、微粒子層を形成する工程を含み、
該数密度Pが、以下の式の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記微粒子層をエッチングマスクとして、基板をエッチングし、前記第1の媒質により形成された複数の構造体を形成する工程を含むことを特徴とする請求項11に記載の画像表示装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−221352(P2011−221352A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91594(P2010−91594)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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