説明

画像表示装置のメンテナンスシステム

【課題】プロジェクタに用いられる光変調素子の特性変化を適切に判断し、それに基
づいてプロジェクタのメンテナンスを行う。
【解決手段】光源からの光を画像信号に応じて変調する光変調素子を有する画像表示
装置としてのプロジェクタPJ1,PJ2,・・・と、該プロジェクタに対するメンテナ
ンス情報を生成して、プロジェクタに送信可能な管理サーバSVとを有する画像表示装置
のメンテナンスシステムであって、プロジェクタPJ1,PJ2,・・・は、光変調素子
の負荷情報の取得が可能な光変調素子の負荷情報取得装置と、光変調素子の負荷情報の出
力及び管理サーバSVからのメンテナンス情報を入力可能な管理情報入出力制御部19と
を有し、管理サーバSVは、プロジェクタからの光変調素子の負荷情報に基づいて光変調
素子の特性変化の度合いを判断し、その判断結果に基づいてメンテナンス情報を生成する
メンテナンス情報生成部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像表示装置のメンテナンスシステム、画像表示装置のメンテナンスシステム
に用いられる画像表示装置、画像表示装置のメンテナンス情報取得プログラム、画像表示
装置のメンテナンスシステムに用いられる管理サーバ、管理サーバのメンテナンス情報生
成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、投写型の画像表示装置(プロジェクタという)がビジネスにおけるプレゼンテー
ションや一般家庭におけるホームシアタなどの用途として広く普及しつつある。これに伴
い、プロジェクタは、より低コストで高性能であることは勿論のこと、メンテナンス性が
高いことも求められている。
【0003】
従来のプロジェクタにおいて、表示するコンテンツの種類やプロジェクタの使用環境な
どに応じて光源の光の強度を変化させたり、プロジェクタの有する色再現域に応じた画像
信号変換を行ったりする技術が知られている。これを利用して、たとえば、プロジェクタ
をプレゼンテーション用として使用する場合は、色再現性よりも明るさを重視したプレゼ
ンテーションモードとし、映画鑑賞用として使用する場合は明るさよりも色再現性を重視
したシアターモードとするというように、用途に応じたモード(カラーモードという)の
設定機能を有しているものも多い。
【0004】
このようなカラーモードの設定機能を適正に実現させるには、色再現性や明るさを決め
る光変調素子の特性に大きな変化がないことが重要である。しかしながら、光変調素子は
長時間の使用の結果、特性が変化することが知られている。光変調素子の特性が変化する
と、プロジェクタの初期(購入直後など)における色再現域に基づいて画像信号変換を行
った場合、目標とする色を得ることができない場合もある。
したがって、プロジェクタを長期間使用しても色再現性などの性能を適切に維持できる
ようにするためのメンテナンスが必要となる。
【0005】
現在、広く使用されているプロジェクタとして、光変調素子として液晶表示素子(液晶
ライトバルブという)を用いたプロジェクタが普及している。この種のプロジェクタにお
いては、光源としてのランプは交換部品としてユーザが交換可能であるが、プロジェクタ
としての性能を大きく左右する液晶ライトバルブの交換は容易には行えない。
【0006】
特に、R(赤)・G(緑)・B(青)それぞれに対応して液晶ライトバルブが設けられた液
晶3板式のプロジェクタにおいては、ダイクロイックプリズムと3枚の液晶ライトバルブ
とが一体化されて1つのユニットとなっているものが多い。
【0007】
このため、プロジェクタの長期間の使用により液晶ライトバルブの特性が変化した場合
、液晶ライトバルブそのものをユーザが交換できるものではなく、故障扱いとしてメーカ
側で修理することとなる。このとき、メーカ側では、液晶ライトバルブのみを交換するの
ではなく、一体化されたダイクロイックプリズムと3枚の液晶ライトバルブをそのまま交
換するのが一般的である。これは、3枚の液晶ライトバルブを高精度に位置調整する必要
があり、しかも、その位置調整が非常に難しいからである。
【0008】
これを解決するための技術として、3枚の液晶ライトバルブを独立にソフトウエアによ
り位置調整可能とする技術が提案されている。この技術を適用することで、3枚の液晶ラ
イトバルブを独立に交換可能なプロジェクタを提供することができると考えられる。しか
し、このような技術を適用するには、どの液晶パネルがどのように特性変化しているかを
客観的に予測できることが必要となる。
【0009】
光変調素子や光源の特性がどのように変化しているかを客観的に予測するための技術は
これまでにも幾つか提案されている(たとえば特許文献1参照)。特許文献1に開示され
た技術は、プロジェクタの稼働時間を計測・記録する手段を備え、稼動時間に応じて画像
信号変換を行うための情報を適宜更新するものである。
【0010】
一方、ユーザ側で光変調素子の交換が可能であると仮定した場合、交換された光変調素
子を適正に動作させるに必要な固有の制御データを、ネットワークを介して取得可能とす
るといった技術も提案されている(たとえば特許文献2参照)。
【0011】
【特許文献1】特開2002−140060号公報
【特許文献2】特開2004−101652号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述した特許文献1に開示された技術によれば、確かに、液晶ライトバルブの特性が変
化しても、プロジェクタの稼働時間に応じた画像信号変換を行うことにより、初期の色再
現性を保持することができると考えられる。
【0013】
また、特許文献2に開示された技術は、交換された液晶ライトバルブに対する固有の制
御データをネットワークを介して取得可能とするものであり、これによれば、液晶ライト
バルブを交換した場合でも、新たに取り付けられた液晶ライトバルブに対応する固有の制
御データを取得できることから初期の色再現性を保持することができると考えられる。
【0014】
一方、ユーザ側においては、プロジェクタを長期間使用した場合などにおいては、現時
点における液晶ライトバルブの交換の必要性の有無や、いつごろ光変調素子を交換すれば
よいかといったメンテナンスに関する情報(メンテナンス情報という)を知りたいという
要求もある。
【0015】
このようなメンテナンス情報をユーザに提供することができれば、ユーザは提供された
メンテナンス情報の内容によっては、プロジェクタの修理をメーカ側に依頼するなど、メ
ンテナンス情報に応じた対応をとることができ、ユーザは安心してプロジェクタを使用す
ることができる。しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示された技術は、このよ
うなメンテナンス情報をユーザに提供するというものではない。
【0016】
そこで本発明は、液晶ライトバルブのメンテナンス情報をユーザに提供することにより
画像表示装置のメンテナンスを適切に行うことのできる画像表示装置のメンテナンスシス
テムを提供することを目的とする。また、画像表示装置のメンテナンスシステムに用いら
れる画像表示装置、画像表示装置のメンテナンス情報取得プログラム、前記画像表示装置
のメンテナンスシステムに用いられる管理サーバ、管理サーバのメンテナンス情報生成プ
ログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
(1)本発明の画像表示装置のメンテナンスシステムは、光源からの光を画像信号に応
じて変調する光変調素子を有する画像表示装置と、前記画像表示装置に対するメンテナン
ス情報を生成して、前記メンテナンス情報を前記画像表示装置に送信可能な管理サーバと
を有する画像表示装置のメンテナンスシステムであって、前記画像表示装置は、前記光変
調素子の特性変化の度合いを予測可能な光変調素子の負荷情報を取得する光変調素子の負
荷情報取得装置と、前記光変調素子の負荷情報の出力及び前記管理サーバからの前記メン
テナンス情報を入力可能な管理情報入出力制御部とを有し、前記管理サーバは、前記画像
表示装置で取得された光変調素子の負荷情報に基づいて前記光変調素子の特性変化の度合
いを判断し、その判断の結果に基づいて前記メンテナンス情報を生成するメンテナンス情
報生成部を有することを特徴とする。
【0018】
このように本発明における画像表示装置のメンテナンスシステムによれば、画像表示装
置側においては、光変調素子の負荷情報を取得し、管理サーバにおいては、画像表示装置
で生成された光変調素子の負荷情報に基づいて光変調素子の特性変化の度合いを判断し、
その判断の結果に基づくメンテナンス情報を生成して、そのメンテナンス情報を画像表示
装置に送信するようにしている。なお、画像表示装置側ではメンテナンス情報を操作パネ
ル上の表示面や画像表示面などに表示することが可能である。これにより、画像表示装置
を使用するユーザは、表示されたメンテナンス情報により、メンテナンスの必要性などを
適切かつ容易に知ることができる。
【0019】
また、本発明における画像表示装置のメンテナンスシステムでは、光変調素子の特性変
化の度合いの判断や、それに基づくメンテナンス情報の生成は管理サーバ側で行うので、
画像表示装置側の演算負担を軽くすることができる。
【0020】
(2)前記(1)に記載の画像表示装置のメンテナンスシステムにおいては、前記画像
表示装置と前記管理サーバとはネットワークを介して接続されることが好ましい。
このように、画像表示装置と前記管理サーバとをネットワークにより接続したメンテナ
ンスシステムとすることにより、様々な場所に設置されている多数の画像表示装置に対す
るメンテナンスを容易に行うことができる。
【0021】
(3)前記(1)または(2)に記載の画像表示装置のメンテナンスシステムにおいて
は、前記光変調素子は、複数の基本色に対応して複数個設けられ、前記光変調素子の負荷
情報は前記複数個の光変調素子それぞれに対して取得されるとともに、前記メンテナンス
情報は前記複数個の光変調素子それぞれに対して生成されることが好ましい。
【0022】
これにより、たとえば、基本色としてRGBを用いた場合、画像表示装置側では、RG
Bそれぞれの光変調素子の負荷情報が取得される。したがって、管理サーバ側では、RG
Bそれぞれの光変調素子に対するメンテナンス情報を生成して、画像表示装置に送信する
ことができるので、ユーザはRGBそれぞれの光変調素子に対するメンテナンスの必要性
などを適切かつ容易に知ることができる。
【0023】
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の画像表示装置のメンテナンスシステムに
おいては、前記メンテナンス情報は、前記光変調素子の交換の必要性を示す情報及び/又
は交換時期に関する情報であることが好ましい。
【0024】
このように、メンテナンス情報が光変調素子の交換の必要性を示す情報であることによ
り、ユーザは現時点において光変調素子を交換する必要性が有るか否かを知ることができ
る。また、メンテナンス情報が光変調素子の交換時期に関する情報であることにより、た
とえば、液晶ライトバルブをいつごろ交換すればよいかを知ることができる。
【0025】
(5)前記(4)に記載の画像表示装置のメンテナンスシステムにおいては、前記交換
時期に関する情報は、所定時間ごとに生成された過去の複数の前記光変調素子の負荷情報
に基づいて求められることが好ましい。
【0026】
これは、過去の使用状況から単位期間当たりの特性変化の度合いを求めて、求められた
単位期間あたりの特性変化の度合いに基づいて、たとえば、前記液晶ライトバルブの残り
の使用可能時間を求めるものであり、このようにして求められた残りの使用可能時間を用
いることにより、当該画像表示装置の使用状況を反映した交換時期を予測することができ
る。
【0027】
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の画像表示装置のメンテナンスシステムに
おいては、前記光変調素子の負荷情報は、前記光変調素子に加わる負荷に基づく負荷値を
積算した累積負荷値であることを特徴とする。
これにより、光変調素子の特性の変化の度合いを適切に表すパラメータを得ることがで
きる。
【0028】
(7)前記(6)に記載の画像表示装置のメンテナンスシステムにおいては、前記光変
調素子に加わる負荷に基づく負荷値は、前記光変調素子に入射される光源の光の強度と前
記画像信号の階調に関する情報、前記光変調素子の温度に関する情報、画像表示装置の稼
動時間に関する情報の少なくとも1つに基づいて求められることが好ましい。
【0029】
これらは、いずれも光変調素子の特性変化の度合いを予測可能な情報であり、これらの
うちの少なくとも1つの情報に基づく負荷値を積算して累積負荷値を求めることにより、
求められた累積負荷値は光変調素子の特性の変化の度合いを適切に表すものとなる。
特に、光源の光の強度と前記画像信号の階調情報に基づく負荷値を積算した累積負荷値
は、光の強度と画像(コンテンツ)に依存したものとなっているため、光変調素子に加わ
る負荷の状況をより適切に表すものとなる。
【0030】
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の画像表示装置のメンテナンスシステムに
おいては、前記画像表示装置は、前記管理サーバに対して必要に応じて接続可能とするこ
とができる。
【0031】
これは、たとえば、画像表示装置から管理サーバに対して光変調素子の負荷情報の送信
時及び管理サーバからのメンテナンス情報の受信時のみに画像表示装置を管理サーバに接
続するものであり、このように、必要に応じて画像表示装置を管理サーバに接続すること
によっても、前記(1)に記載の画像表示装置のメンテナンスシステムの機能を果たすこ
とが可能である。
【0032】
(9)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の画像表示装置のメンテナンスシステムに
おいては、前記画像表示装置は、前記管理サーバに対して常時接続状態とすることもでき
る。
【0033】
このように、画像表示装置を管理サーバに常時、接続させた状態としておくことも可能
である。これによれば、その都度、画像表示装置を管理サーバに接続する操作を行うこと
なく、一定時間ごとに自動的に画像表示装置側で取得された累積負荷値を管理サーバに送
信することができ、また、管理サーバで生成されたメンテナンス情報を一定時間ごとに自
動的に受信することができる。
【0034】
(10)前記(1)〜(10)のいずれかに記載の画像表示装置のメンテナンスシステ
ムにおいては、前記光変調素子は液晶を用いた光変調素子であることが好ましい。
このように、光変調素子が液晶を用いた光変調素子であることにより、本発明はより顕
著な効果を得ることができる。
【0035】
(11)本発明の画像表示装置は、光源からの光を画像信号に応じて変調する光変調素
子を有する画像表示装置と、前記画像表示装置に対するメンテナンス情報を生成して、前
記メンテナンス情報を前記画像表示装置に送信可能な管理サーバとを有する画像表示装置
のメンテナンスシステムに用いられる前記画像表示装置であって、前記光変調素子の特性
変化の度合いを予測可能な光変調素子の負荷情報を取得する光変調素子の負荷情報取得装
置と、前記光変調素子の負荷情報の出力及び前記管理サーバからの前記メンテナンス情報
を入力可能な管理情報入出力制御部とを有することを特徴とする。
【0036】
画像表示装置をこのような構成とすることによって、光変調素子の特性変化の度合いを
予測可能な光変調素子の負荷情報を取得することができ、取得された光変調素子の負荷情
報を管理サーバ側に出力することができる。また、管理サーバで生成されたメンテナンス
情報を入力することができる。なお、画像表示装置側ではメンテナンス情報を操作パネル
上の表示面や画像表示面などに表示することが可能である。これにより、画像表示装置を
使用するユーザは、表示されたメンテナンス情報により、現時点におけるメンテナンスの
必要性などを適切かつ容易に知ることができる。
なお、(11)の画像表示装置においても、(2)〜(10)の画像表示装置のメンテ
ナンスシステムの特徴を有することが好ましい。
【0037】
(12)本発明の画像表示装置のメンテナンス情報取得プログラムは、光源からの光を
画像信号に応じて変調する光変調素子を有する画像表示装置と、前記画像表示装置に対す
るメンテナンス情報を生成して、前記メンテナンス情報を前記画像表示装置に送信可能な
管理サーバとを有する画像表示装置のメンテナンスシステムに用いられる前記画像表示装
置に、前記メンテナンス情報の取得を実行させる画像表示装置のメンテナンス情報取得プ
ログラムであって、前記光変調素子の特性変化の度合いを予測可能な光変調素子の負荷情
報を取得するステップと、前記光変調素子の負荷情報を前記管理サーバに出力するステッ
プと、前記管理サーバからの前記メンテナンス情報を入力するステップとを有することを
特徴とする。
【0038】
このような画像表示装置のメンテナンス情報取得プログラムを前記画像表示装置で実行
させることにより、自身の取得した光変調素子の負荷情報に対するメンテナンス情報を管
理サーバから取得することができる。なお、(12)の画像表示装置のメンテナンス情報
取得プログラムにおいても、(2)〜(10)の画像表示装置のメンテナンスシステムの
特徴を有することが好ましい。
【0039】
(13)本発明の管理サーバは、光源からの光を画像信号に応じて変調する光変調素子
を有する画像表示装置と、前記画像表示装置に対するメンテナンス情報を生成して、前記
メンテナンス情報を前記画像表示装置に送信可能な管理サーバとを有する画像表示装置の
メンテナンスシステムに用いられる前記管理サーバであって、前記画像表示装置で取得さ
れた光変調素子の負荷情報に基づいて前記光変調素子の特性変化の度合いを判断し、その
判断の結果に基づいて前記メンテナンス情報を生成するメンテナンス情報生成部を有する
ことを特徴とする。
【0040】
管理サーバをこのような構成とすることによって、光変調素子の特性変化に応じたメン
テナンス情報を生成することができる。また、光変調素子の特性変化の度合いの判断や、
それに基づくメンテナンス情報の生成は管理サーバ側で行うので、画像表示装置側の演算
負担を軽くすることができる。
なお、(12)に記載の管理サーバにおいても、(2)〜(10)の画像表示装置のメ
ンテナンスシステムの特徴を有することが好ましい。
【0041】
(14)本発明の管理サーバのメンテナンス情報生成プログラムは、光源からの光を画
像信号に応じて変調する光変調素子を有する画像表示装置と、前記画像表示装置に対する
メンテナンス情報を生成して、前記メンテナンス情報を前記画像表示装置に送信可能な管
理サーバとを有する画像表示装置のメンテナンスシステムに用いられる前記管理サーバに
、前記メンテナンス情報の生成を実行させる管理サーバのメンテナンス情報生成プログラ
ムであって、前記画像表示装置で取得された光変調素子の負荷情報に基づいて前記光変調
素子の特性変化の度合いを判断するステップと、その判断の結果に基づいて前記メンテナ
ンス情報を生成するステップとを有することを特徴とする。
【0042】
このような管理サーバのメンテナンス情報生成プログラムを前記管理サーバで実行させ
ることにより、該当する画像表示装置に対する適切なメンテナンス情報を生成することが
できる。なお、(14)の管理サーバのメンテナンス情報生成プログラムにおいても、(
2)〜(10)の画像表示装置のメンテナンスシステムの特徴を有することが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0044】
[実施形態1]
図1は実施形態1に係る画像表示装置のメンテナンスシステムの構成を概略的に示す図
である。図1に示すように、実施形態1に係る画像表示装置のメンテナンスシステムは、
ネットワークNWと、ネットワークNWに接続可能な少なくとも1台の画像表示装置(実
施形態では複数のプロジェクタPJ1,PJ2,・・・とする)と、ネットワークNWに
接続された管理サーバSVとを有している。
【0045】
また、ネットワークNWはインターネットであってもよく、また、イントラネットであ
ってもよい。なお、プロジェクタPJ1,PJ2,・・・は、光変調素子としての液晶表
示素子(液晶ライトバルブという)がRGBのそれぞれに対応して設けられた液晶3板式
のプロジェクタであるとする。
【0046】
ところで、本発明は液晶ライトバルブの特性変化を予測可能な光変調素子の負荷情報(
この具体例については後述する)を利用することによって、プロジェクタPJ1,PJ2
,・・・のメンテナンスを適切に行うものである。したがって、本発明を実現するには光
変調素子の負荷情報を適切に取得することが必要となる。
【0047】
なお、本発明において用いられる光変調素子の負荷情報としては種々の情報を用いるこ
とができるが、本発明の各実施形態では、光源の光の強度と表示すべき画像に対応する画
像信号の階調情報とに基づいて求められた負荷値を積算して得られた累積負荷値を光変調
素子の負荷情報として用いることとする。まず、本発明の各実施形態において用いられる
光変調素子の負荷情報について説明する。
【0048】
図2は図1で示したプロジェクタの構成を概略的に示す図である。なお、図2ではプロ
ジェクタPJ1について示されているが、他のプロジェクタPJ2,PJ3,・・・も同
様の構成要素を有しているものとする。
【0049】
図2に示すように、プロジェクタPJ1は画像表示制御部1及び光学系2を有している
。画像表示制御部1は、画像信号入力部11、光変調素子の負荷情報取得装置12、画像
信号変換部13、出力信号処理部14、光変調素子駆動部15、制御部16、補正パラメ
ータ記憶部17、光源駆動部18、管理情報入出力制御部19などを有している。
【0050】
光変調素子の負荷情報取得装置12は、画像信号解析部121、負荷値演算部122、
累積負荷値記憶部123を有している。
【0051】
画像信号解析部121は、入力された画像信号を画像信号変換部13に与えるとともに
入力された画像信号を解析し、その解析結果を負荷値演算部122に与える機能を有して
いる。
【0052】
負荷値演算部122は、画像信号解析部121から与えられた解析結果に基づいて、光
変調素子の特性を変化させる要因ともなる負荷に基づく負荷値を計算し、計算された負荷
値を積算して累積負荷値として累積負荷値記憶部123に記憶させる機能を有する。この
光変調素子の負荷情報取得装置12の具体的な動作については後述する。
【0053】
画像信号入力部11は、表示すべき画像に対応する画像信号を入力してA/D変換など
を行う機能を有するもので、A/D変換などの施された画像信号は、画像信号解析部12
1に与えられるとともに画像信号解析部121を介して画像信号変換部13に与えられる

【0054】
画像信号変換部13は、制御部16によって補正パラメータ記憶部17から読み出され
た補正パラメータに基づいて、画像信号入力部11からの画像信号を光変調素子としての
液晶ライトバルブ23R,23G,23B(図3参照)に与えるべき適切な画像信号とし
て変換する機能を有している。
【0055】
出力信号処理部14は、画像信号変換部13で変換された画像信号をD/A変換して光
変調素子駆動部15に与える機能を有する。光変調素子駆動部15は、出力信号処理部1
4でD/A変換された画像信号に基づいて液晶ライトバルブ23R,23G,23Bを駆
動する機能を有する。
【0056】
制御部16は、その時点で求められた累積負荷値に対応した補正パラメータを補正パラ
メータ記憶部17から取得して画像信号変換部13に与える機能、現在のプロジェクタの
カラーモード(プレゼンテンションモード、シアターモードなど)を取得して、取得した
カラーモードに対応する光源制御信号を光源駆動部18に与える機能、現在のプロジェク
タのカラーモードを示す情報を負荷値演算部122に与える機能など有している。
光源駆動部18は、光源21(図3参照)に対して点灯・消灯制御及び明るさの制御を
行うための光源制御信号を与える機能を有する。
【0057】
管理情報入出力制御部19は、自身(プロジェクタPJ1)の識別情報やステータス情
報(これらの情報については後述する)を出力可能であるとともに管理サーバSVからの
メンテナンス情報(後述する)を入力可能とするものである。
【0058】
なお、管理情報入出力制御部19から出力される識別情報やステータス情報は、図1に
示したように、プロジェクタPJ1がネットワークNWに接続可能である場合にはネット
ワークNWに直接出力することができるが、プロジェクタPJ1が図示しないパーソナル
コンピュータ(PCという)などを介してネットワークNWに接続される場合には、PC
に出力されたのち、PCからネットワークNWに出力するようにしてもよい。
【0059】
また、管理情報入出力制御部19に入力されたメンテナンス情報も同様に、プロジェク
タPJ1が直接、ネットワークNWに接続可能である場合にはネットワークNWから管理
情報入出力部19に入力されるが、プロジェクタPJ1がPCなどを介してネットワーク
に接続される場合には、PCを介して管理情報入出力制御部19に入力するようにしても
よい。
【0060】
そして、管理情報入出力制御部19に入力されたメンテナンス情報は、プロジェクタP
J1の操作パネル上の表示面(図示せず)などに表示するようにしてもよく、また、スク
リーン(図示せず)に表示するようにしてもよい。また、音声によって出力することも可
能である。
【0061】
図3は光学系2の構成を概略的に示す図である。光学系2は、概略的には、光源21と
、光源21からの光をRGBの3つの色光に分離する色分離光学系22と、色分離光学系
22で分離された3つの色光のそれぞれを画像信号に応じて変調する3つの液晶ライトバ
ルブ23R,23G,23Bと、これら3つの液晶ライトバルブ23R,23G,23B
によって変調された色光を合成するクロスダイクロイックプリズム24と、クロスダイク
ロイックプリズム24によって合成された光をスクリーン(図示せず)に投写する投写光
学系25とを有している。なお、色分離光学系22は、ダイクロイックミラー221,2
22、反射ミラー223,224,225,226,227、リレーレンズ228,22
9、フィールドレンズ230R、230G,230Bを有している。
【0062】
図4は光変調素子の負荷情報取得装置12が行う光変調素子の負荷情報取得手順を示す
フローチャートである。また、図5は図4のフローチャートを説明するための図である。
図4及び図5を参照しながら光変調素子の負荷情報取得手順について説明する。
【0063】
まず、画像信号解析部121によって、画像信号の階調情報を得る。この画像信号の階
調情報は、各フレームごとにRGBそれぞれの輝度のヒストグラムを計算(図4のステッ
プS1)することによって得られる。図5(a)はRGBのある1つの色における1フレ
ーム分の輝度のヒストグラムの一例を示す図である。なお、図5(a)では輝度の大きさ
を8つの段階に分けた例が示されており、8段階の各輝度に対する度数(画素数)が示さ
れている。
【0064】
この図5(a)に示すような輝度のヒストグラムを求める処理は、たとえば、適応調光
を行う機能を有したプロジェクタでは一般的に行われている処理であるので、適応調光を
行う機能を有しているプロジェクタであれば、図5(a)のような輝度のヒストグラムを
得ることは容易である。
【0065】
次に、負荷値演算部122によって、各輝度に対する度数ごとに液晶ライトバルブへの
負荷の重み(図5(b)参照)を掛け算する(図4のステップS2)。図5(b)は輝度
の大きさに対する負荷の重みの関係の一例を示すもので、輝度が大きいと重みが相対的に
小さくなるような曲線となっている。
【0066】
このように、輝度が大きいと重みを相対的に小さくするのは、液晶ライトバルブが全閉
(黒表示)の場合と全開(白表示)の場合とで、結果的に液晶ライトバルブで熱に変換さ
れるエネルギ量が異なってくるためである。すなわち、輝度が小さいということは光の透
過の度合いが小さく、液晶ライトバルブで熱に変換されるエネルギが大きくなり、逆に、
輝度が大きいと光の透過の度合いが大きく、液晶ライトバルブで熱に変換されるエネルギ
が小さくなるからである。
【0067】
このような輝度の大きさから負荷の重みを取得可能なテーブルを用意しておくことで、
輝度に対する重みを容易に取得できる。そして、取得した重みを図5(a)に示した各度
数に掛け算することによって図5(c)に示すような重み付け後の輝度のヒストグラムを
得る(図4のステップS3)。
【0068】
そして、図5(c)に示す重み付け後の輝度のヒストグラムにおいて、度数の総和(重
み付け後の度数の総和)を計算し(図5(d)参照)、その計算結果を第1の負荷値とす
る(図4のステップS4)。
【0069】
次に、求められた第1の負荷値に、光源の光の強度に対応する重みとして、その時点の
カラーモードに対応した重み(図5(e)参照)を掛け算して第2の負荷値とする(図4
のステップS5)。このカラーモードに対応した重みというのは、当該プロジェクタにお
いて設定可能な個々のカラーモードに対応した重みであり、たとえば、図5(e)に示す
ように、「ダイナミック」、「プレゼンテーション」、「リビング」、「シアター」、「
sRGB」というようなカラーモードの設定が可能であるとした場合、それぞれのカラー
モードごとに重みw1,w2,・・・が与えられている。
【0070】
なお、ここで挙げた「ダイナミック」、「プレゼンテーション」というような各カラー
モードは便宜的に名付けた呼び名であり、たとえば、「プレゼンテーション」のカラーモ
ードは、色再現性よりも明るさを重視したカラーモードであり、「シアター」は色再現性
をより重視したカラーモードであることを示している。
【0071】
このように、カラーモードごとに重みを設定するのは、同じ画像信号であってもカラー
モードによって液晶ライトバルブに入射する光の強度が異なり、液晶ライトバルブに加わ
る負荷の大きさが異なる場合があるからであり、液晶ライトバルブに加わる負荷の大きい
カラーモードに対しては相対的に大きな重みを設定する。
【0072】
このカラーモードに対する重みを取得して、取得した重みを第1の負荷値に掛け算して
第2の負荷値とし、この第2の負荷値を積算して累積負荷値を求める(図4のステップS
6)。すなわち、第2の負荷値は、図2で示した累積負荷値記憶部123に記憶されてい
るそれまでの累積負荷値(それまでのフレームにおいて、各フレームごとに計算された第
2の負荷値が積算された累積負荷値)に加算される。図5(f)は累積負荷値記憶部12
3に記憶されるR,G,Bの各色それぞれに対する累積負荷値を示す図である。図5(f
)における「×××」はR,G,B各色に対する累積負荷値を示している。
【0073】
ところで、プロジェクタの寿命を仮に1万時間とすると、当該プロジェクタにおける表
示フレーム総数は、フレームレートが30フレーム/秒であれば、
10000(時間)×3600(秒)×30(フレーム)=1,080,000,00
0(フレーム)となる。これは、32ビット=4,294,967,296で表現できる
数値である。したがって、各フレームごとの負荷値(第2の負荷値)を表現するためにた
とえば16ビットを用いるとすれば、累積負荷値を表現するには、RGBの各液晶ライト
バルブ当り高々48ビット(6バイト)あれば十分である。
【0074】
以上説明したように、RGBの各液晶ライトバルブに加わる負荷の大きさを、表示する
画像(コンテンツ)に依存し、かつ、光源の光の強度(たとえばプロジェクタのカラーモ
ードなど)に依存した負荷値(第2の負荷値)として求め、求められた負荷値(第2の負
荷値)を積算して累積負荷値として累積負荷値記憶部123に記憶するようにしている。
【0075】
これにより、累積負荷値記憶部123に記憶されているRGBの各液晶ライトバルブ2
3R,23G,23Bごとの累積負荷値によって、RGBの各液晶ライトバルブ23R,
23G,23Bごとに当該液晶ライトバルブにどの程度の負荷が加わっているかを知るこ
とができる。この累積負荷値は、上述したように、表示する画像(コンテンツ)や光源の
光の強度に依存したものとなっている。
【0076】
このため、累積負荷値は従来の使用時間だけの場合に比べると、液晶ライトバルブに加
わる負荷の状況をより適切に表すものとなり、光変調素子の特性変化の度合いを適切に予
測する情報となる。したがって、累積負荷値記憶部123に記憶された累積負荷値を光変
調素子の負荷情報として利用することによって、光変調素子のメンテナンスを適切に行う
ことができる。
【0077】
次に、図1で示した実施形態1に係る画像表示装置のメンテナンスシステムについて説
明する。
【0078】
図6は図1に示した管理サーバSVの構成を概略的に示す図である。図6に示すように
、管理サーバSVは、各プロジェクタPJ1,PJ2,・・・からネットワークNWを介
して送られてくる識別情報やステータス情報を受信可能であるとともに各プロジェクタP
J1,PJ2,・・・にメンテナンス情報を送信可能な管理情報送受信部31、各プロジ
ェクタPJ1,PJ2,・・・の認証情報を保存する認証情報データベースDB1、各プ
ロジェクタPJ1,PJ2,・・・に関する機器情報を保存する機器情報データベースD
B2、各プロジェクタPJ1,PJ2,・・・に対する光変調素子の負荷情報を保存する
負荷情報データベースDB3、これらの各データベースDB1,DB2,DB3の書き込
み/読み出し及びこれら各データベースDB1,DB2,DB3に保存されている情報に
基づいてメンテナンス情報の生成など各種制御を行うメンテナンス情報生成部32を有し
ている。
【0079】
図7は管理サーバSVの認証情報データベースDB1、機器情報データベースDB2、
負荷情報データベースDB3に保存される認証情報、機器情報、管理情報を示す図である

【0080】
図7(a)は認証情報データベースDB1に保存されている認証情報を示すもので、I
Pアドレス、識別ID、ユーザ情報、プロジェクタ型番などを有している。ユーザ情報は
、パスワード、サービス情報(メンテナンスのレベル、メンテナンスの終了日時など)、
ユーザ名、設置場所などに関する情報である。なお、メンテナンスのレベルはユーザが受
けることのできるメンテナンスサービスの度合いを表すもので、たとえば、「レベル1」
、「レベル2]、「レベル3」というように複数段階のレベルを設定可能としている。
【0081】
具体的なメンテナンスサービスの内容としては、たとえば、「レベル1」であれば液晶
ライトバルブの交換時期に関する情報のみを提示、「レベル2」であれば自動で対応部品
の発注、「レベル3」であればメンテナンス要員の派遣といった内容である。なお、交換
時期に関する情報としては、たとえば、RGBの各液晶ライトバルブ23R,23G,2
3Bの残りの使用可能時間や交換時期を示す情報などが考えられる。このようなメンテナ
ンスのレベルは、ユーザが管理サーバSVに対して予め設定しておくことができる。
【0082】
図7(b)は機器情報データベースDB2に保存されている機器情報を示すもので、プ
ロジェクタ型番、部品型番、液晶ライトバルブの耐用情報などを有してる。部品型番は、
たとえば、RGBの各液晶ライトバルブ23R,23G,23Bの部品情報などである。
また、液晶ライトバルブの耐用情報は、RGBの各液晶ライトバルブ23R,23G,2
3Bがどの程度の累積負荷値まで許容されるかを示す情報であり、Rの液晶ライトバルブ
23Rの耐用情報をRx、Gの液晶ライトバルブ23Gの耐用情報をGx、Bの液晶ライ
トバルブ23Bの耐用情報をBxと表す。
【0083】
図7(c)は負荷情報データベースDB3に保存されている負荷情報を示すもので、更
新日時とその時点における累積負荷値を有している。この累積負荷値はRGBの各液晶ラ
イトバルブ23R,23G,23Bに対する累積負荷値であり、Rの液晶ライトバルブ2
3Rに対する累積負荷値をR累積負荷値、Gの液晶ライトバルブ23Gに対する累積負荷
値をG累積負荷値、Bの液晶ライトバルブ23Bに対する累積負荷値をB累積負荷値と表
記する。
【0084】
なお、負荷情報としては、RGBの各液晶ライトバルブ23R,23G,23Bに対す
る累積負荷値を更新した最新日時及びその最新日時の累積負荷値だけではなく、過去の情
報(使用履歴)として、過去の更新日時とその時点における累積負荷値も保存しておく。
このような過去の使用履歴は液晶ライトバルブの残りの使用可能時間を計算する際に利用
することができる。
【0085】
図8は実施形態1に係る画像表示装置のメンテナンスシステムの全体的な処理の流れを
示す図である。図8(a)はプロジェクタPJ1,PJ2,・・・がメンテナンス情報の
取得を行う際の処理の流れ、図8(b)は管理サーバSVがメンテナンス情報の生成を行
う際の処理の流れを示すものである。
【0086】
プロジェクタPJ1,PJ2,・・・側における処理は、図8(a)に示すように、ま
ず、プロジェクタがネットワークNWに接続される(ステップS11)。そして、IPア
ドレス、識別IDなどを管理サーバSVに識別情報として送信する(ステップS12)。
次に、その時点における各液晶ライトバルブの累積負荷値をステータス情報として管理サ
ーバSVに送る(ステップS13)。なお、このとき、ステータス情報としては累積負荷
値の他に識別情報(IPアドレス、識別IDなど)も同時に送られる(図9参照)。
【0087】
一方、管理サーバSVは、図8(b)に示すように、プロジェクタから送られてきた識
別情報(IPアドレス、識別IDなど)を基に機器情報データベースDB2を参照して、
処理対象とするプロジェクタ(該当プロジェクタという)がどのプロジェクタであるかを
判別する(ステップS21)。このとき、該当プロジェクタの液晶ライトバルブに関する
耐用情報(RGBの各液晶ライトバルブがどの程度の累積負荷値まで許容されるかを示す
情報など)を取得する。
【0088】
続いて、管理サーバSVは、該当プロジェクタから送られてきた識別情報を基に負荷情
報データベースDB3を参照して、該当プロジェクタに関する情報(該当プロジェクタの
それまでに保存されている累積負荷値など)を取得する(ステップS22)。
【0089】
そして、該当プロジェクタから送られてきたその時点の累積負荷値とステップS22に
おいて取得された累積負荷値とを比較する(ステップS23)。この比較結果により、該
当プロジェクタにおけるRGBの各液晶ライトバルブの特性変化の度合いを判断し、RG
Bの各液晶ライトバルブのメンテナンス情報を生成する(ステップS24)。なお、生成
されるメンテナンス情報としては、たとえば、交換の必要性の有無の判断を示す情報及び
/又は交換時期に関する情報であり、交換時期に関する情報は、RGBの各液晶ライトバ
ルブそれぞれの残りの使用可能時間であってもよく、残りの使用時間から求められる各液
晶ライトバルブの交換時期を示す情報であってもよい。
【0090】
そして、その後、該当プロジェクタに対しステップS24で生成されたメンテナンス情
報を送信するとともに、ユーザの設定したメンテナンスのレベルに応じて、交換すべき液
晶ライトバルブの発注処理、メンテナンス要員の派遣手続きなどを行う(ステップS25
,S26)。
【0091】
なお、管理サーバSV側から該当プロジェクタに対してメンテナンス情報が送信される
と、そのメンテナンス情報を受け取ったプロジェクタは、操作パネル上の表示面やスクリ
ーンなどにメンテナンス情報を表示する(ステップS14)。
【0092】
図9はプロジェクタPJ1,PJ2,・・・が管理サーバSVに送信する識別情報及び
ステータス情報のデータ構成の一例を示す図である。識別情報は、図9(a)に示すよう
に、IPアドレス、識別IDからなり、その他、必要に応じてパスワードを付加すること
も可能である。IPアドレスはプロジェクタPJ1,PJ2,・・・の設置場所やそのプ
ロジェクタを使用するユーザを把握するための情報として用いられる。また、識別IDや
パスワードは認証情報として用いられる。
【0093】
識別情報を図9(a)に示すようなデータ構成とすることにより、本発明における画像
表示装置のメンテナンスシステムがたとえば有料のメンテナンスサービスシステムとして
機能するような場合、IPアドレスによって、プロジェクタの利用場所の制限・許可が可
能となり、識別IDやパスワードによって、利用可能なプロジェクタの制限・許可が可能
となる。
【0094】
一方、ステータス情報は、図9(b)に示すように、識別情報(IPアドレス、識別I
Dなど)とRGBの各液晶ライトバルブの累積負荷値とからなる。
【0095】
なお、ステータス情報としてのIPアドレスは、管理サーバSV側から該当プロジェク
タに対してメンテナンス情報を送信する際の宛先として利用されるものである。また、ス
テータス情報としての識別IDは、管理サーバSVが機器情報データベースDB2から該
当プロジェクタの機器情報を取得する際のキーとして利用される。また、累積負荷値は、
RGBの各液晶ライトバルブ23R,23G,23Bに対する累積負荷値(R累積負荷値
、G累積負荷値、B累積負荷値)である。
【0096】
図10は実施形態1に係る画像表示装置のメンテナンスシステムにおけるプロジェクタ
PJ1,PJ2,・・・がメンテナンス情報の取得を行う際の処理の流れをより詳細に示
すフローチャートである。なお、図10は必要時にのみ管理サーバと接続する場合のプロ
ジェクタの処理の流れを示すもので、図10(a)はプロジェクタの電源をONしたとき
の処理の流れ、図10(b)はプロジェクタの電源をOFFしたときの処理の流れをそれ
ぞれ示している。
【0097】
図10(a)において、管理サーバSVに接続可能であれば(ステップS31)、識別
情報(IPアドレス、識別IDなど)を管理サーバSVに認証情報として送信する(ステ
ップS32)。送信した識別情報が管理サーバSVで認証されれば(ステップS33)、
RGBの各液晶ライトバルブのステータス情報(識別情報、累積負荷値など)を管理サー
バSVに送信する(ステップS34)。そして、管理サーバSVからのメンテナンス情報
を受信し(ステップS35)、受信したメンテナンス情報を表示面(操作パネルやスクリー
ン)などに表示する(ステップS36)。
【0098】
なお、ステップS31において、管理サーバSVに接続できない場合には、再接続を試
みるか、管理サーバSVへの接続をあきらめて投写を開始する。また、ステップS33に
おいて、認証されなかった場合は、再認証を行うか管理サーバSVのメンテナンスサービ
スを受けるのをあきらめて投写開始を行う。
【0099】
また、電源をOFFしたときの処理(図10(b)参照)も図10(a)とほぼ同様で
あり、ステップS41〜S46は図10(a)のステップS31〜S36と同様の処理で
ある。ただし、ステップS41において、管理サーバに接続できない場合には、再接続を
試みるか、管理サーバSVへの接続をあきらめてそのまま終了する。また、ステップS4
3において、認証されなかった場合は、再認証を行うかそのまま終了する。
【0100】
図11は実施形態1に係る画像表示装置のメンテナンスシステムにおける管理サーバS
Vがメンテナンス情報の生成を行う際の処理の流れをより詳細に示すフローチャートであ
る。図11において、プロジェクタからの識別情報(図9(a)参照)を受信し(ステッ
プS51)、受信した識別情報のうちの識別IDや必要に応じてパスワードなどから認証
処理を開始する(ステップS52)。その結果、認証可能であれば(ステップS53)、
認証情報データベースDB1からプロジェクタ型番、メンテナンスのレベルを取得し(ス
テップS54)、機器情報データベースDB2から該当する型番のプロジェクタ(該当プ
ロジェクタという)を判別し、その該当プロジェクタにおけるRGBの各液晶ライトバル
ブの耐用情報を取得する(ステップS55)。
【0101】
次に、該当プロジェクタからその時点における累積負荷値を受信し(ステップS56)
、負荷情報データベースDB3に保存されている該当識別IDに対応する最新の累積負荷
値を取得する(ステップS57)。なお、このとき、現在時刻も取得する。
【0102】
そして、該当プロジェクタから受信した累積負荷値と負荷情報データベースDB3から
取得した累積負荷値(ステップS57において取得した累積負荷値)とを比較する(ステ
ップS58)。その比較結果からRGBの各液晶ライトバルブの特性変化の度合いを判断
し、その判断結果に基づいて、RGBの各液晶ライトバルブのメンテナンス情報を生成す
る(ステップS59)。
【0103】
なお、メンテナンス情報は、前述したように、交換の必要性の有無の判断を示す情報及
び/又は交換時期に関する情報としている。したがって、ステップS59においては、液
晶ライトバルブの交換の必要性の有無の判断を示す情報をメンテナンス情報として生成す
るようにしてもよく、また、液晶ライトバルブの交換時期に関する情報をメンテナンス情
報として生成してもよく、また、その両方の情報をメンテナンス情報として生成するよう
にしてもよい。ただし、ここでは、液晶ライトバルブの交換の必要性の有無の判断を示す
情報と、交換時期に関する情報の両方を生成するものとする。
【0104】
そして、ステップS59の処理により得られたメンテナンス情報を該当プロジェクタに
送信し(ステップS60)、負荷情報データベースDB3における該当識別IDのプロジェ
クタに対応する更新日時、累積負荷値を更新する(ステップS61)。そして、ユーザの
設定したメンテナンスのレベル(認証情報データベースDB1に設定されたメンテナンス
のレベル)に応じた処理を行う。
【0105】
なお、ステップS60による処理、すなわち、管理サーバSVからプロジェクタに対す
るメンテナンス情報の送信がなされると、該当プロジェクタでは操作パネル上の表示面や
スクリーンなどに管理サーバSVから送られてきたメンテナンス情報を表示する。
【0106】
図12はメンテナンス情報としての液晶ライトバルブの交換の必要性の有無を判断する
情報を生成する処理について説明する図である。図12(a)は機器情報データベースD
B2に保存されたRGBの各液晶ライトバルブ23R,23G,23Bの耐用情報(どの
程度の累積負荷値までが許容されるかを示す情報)を示す図である。図12(a)におけ
る、RxはRの液晶ライトバルブ23Rの耐用情報、GxはGの液晶ライトバルブ23G
の耐用情報、BxはBの液晶ライトバルブ23Bの耐用情報であり、それぞれ、累積負荷
値がRx,Gx、Bxまでは許容されることを示している。
【0107】
図12(b)はプロジェクタPJ1,PJ2,・・・から送られてくるステータス情報
のうちの液晶ライトバルブの累積負荷値を示すもので、この累積負荷値はRGBの各液晶
ライトバルブ23R,23G,23Bの最新の累積負荷値である。なお、RyはRの液晶
ライトバルブ23Rの最新の累積負荷値、GyはGの液晶ライトバルブ23Gの最新の累
積負荷値、ByはBの液晶ライトバルブ23Bの最新の累積負荷値を示している。
【0108】
ここで、RGBの各液晶ライトバルブ23R,23G,23Bの耐用情報Rx,Gx,
Bxからプロジェクタより取得した最新の累積負荷値Ry,Gy,Byを減算する。そし
て、それぞれのしきい値をZr,Zg,Zbとしたとき、
Rx−Ry<Zr
Gx−Gy<Zg
Bx−By<Zb
であれば、その液晶ライトバルブの特性変化の度合いは大きく、その液晶ライトバルブは
交換の必要が有ると判断する。
【0109】
図13はメンテナンス情報としての液晶ライトバルブの交換時期に関する情報(液晶ラ
イトバルブの残りの使用可能時間)を生成する処理を説明する図である。図13(a)は
負荷情報データベースDB3に保存されている過去の情報(使用履歴)、図13(b)は
図12(b)と同様、プロジェクタのステータス情報のうちの各液晶ライトバルブの累積
負荷値を示すものであり、RGBの各液晶ライトバルブ23R,23G,23Bの最新の
累積負荷値である。なお、図13(a)におけるT1,T2,T3,・・・は、過去の更
新日時(更新時刻)であり、図13(b)におけるTyは現在の時刻(Tyとする)であ
る。
【0110】
ここでは、Rの液晶ライトバルブ23Rの残りの使用可能時間を求める例について説明
する。なお、T1,T2,T3,・・・は、数値が大きくなるほど過去に遡る時刻である
とする。
【0111】
まず、過去の情報(使用履歴)から単位時間でどのくらいRの液晶ライトバルブの特性
が変化しているかを示す単位時間当たりの特性変化の度合いDr1,Dr2,Dr3を計
算する。ここでは、説明の簡単化のため、過去の情報(使用履歴)は3回分のみを用いた
例が示されている。単位時間当たりの特性変化の度合いDr1,Dr2,Dr3は、
Dr1=(Ry−R1)/(Ty―T1)
Dr2=(R1−R2)/(T1―T2)
Dr3=(R2−R3)/(T2―T3)
と求めることができる。
【0112】
次に、上述のように得られた単位時間当たりの特性変化の度合いDr1,Dr2,Dr
3により単位時間当たりの特性変化の度合いの平均値Drmを求める。単位時間当たりの
特性変化の度合いの平均値Drmは、
Drm=(Dr1+Dr2+Dr3)/3
と求めることができる。
【0113】
そして、機器情報データベースDB2からRの液晶ライトバルブ23Rの耐用情報Rx
を取得して、現在の(最新の)Rの液晶ライトバルブ23Rの累積負荷値Ryで減算し、
それを平均値Drmで除算する。すなわち、
(Rx−Ry)/Drm=Tr
を行い、求められたTrを当該液晶ライトバルブ(Rの液晶ライトバルブ)の残りの使用
可能時間とする。上述はRの液晶ライトバルブ23Rについての処理であったが、これを
G,Bの各液晶ライトバルブ23G,23Bについても行う。
【0114】
以上、図12の説明によって得られた液晶ライトバルブの交換の必要性の有無の判断を
示す情報及び図13の説明で得られた液晶ライトバルブの交換時期に関する情報(液晶ラ
イトバルブの残りの使用可能時間)は、メンテナンス情報として該当プロジェクタに送信
する。そして、そのメンテナンス情報を受け取ったプロジェクタは、操作パネルやスクリ
ーンでメンテナンス情報を表示する。
【0115】
これにより、ユーザは自分の使用するプロジェクタのRGBの各液晶ライトバルブ23
R,23G,23Bそれぞれについて、現時点において交換の必要性があるか否かという
ことや、RGBの各液晶ライトバルブ23R,23G,23Bのそれぞれの残りの使用可
能時間を知ることができる。
【0116】
なお、残りの使用可能時間により、当該ユーザの使用状況に応じた液晶ライトバルブの
交換時期を予測することができる。この交換時期の予測はユーザが自分で行うこともでき
るが、管理サーバSV側で当該ユーザの過去の使用状況から判断して、おおよその交換時
期として当該ユーザに提示することも可能である。
【0117】
また、このとき、ユーザが管理サーバSVに設定したメンテナンスのレベルが「レベル
1」であれば、管理サーバSVがユーザに対して行うメンテナンスサービスは、メンテナ
ンス情報のみを提示するといった内容であり、また、ユーザが管理サーバSVに設定した
メンテナンスのレベルが「レベル2」であれば、管理サーバSVがユーザに対して行うメ
ンテナンスサービスは、自動で対応部品の発注までを行うといった内容である。また、ユ
ーザが管理サーバSVに設定したメンテナンスのレベルが「レベル3」であれば、管理サ
ーバSVがユーザに対して行うメンテナンスサービスは、メンテナンス要員を派遣するこ
とまで行うという内容である。
【0118】
[実施形態2]
実施形態1に係る画像表示装置のメンテナンスシステムでは、プロジェクタPJ1,P
J2,・・・を必要に応じて管理サーバSVに接続する例であったが(図10参照)、実
施形態2に係る画像表示装置のメンテナンスシステムでは、プロジェクタPJ1,PJ2
,・・・は管理サーバSVに常時接続状態としておくものである。なお、画像表示装置の
メンテナンスシステムの構成やその他の動作などは実施形態1と同様であるので、ここで
は、実施形態1の説明で用いた図10に対応する処理手順のみについて説明する。
【0119】
図14は実施形態2に係る画像表示装置のメンテナンスシステムにおけるプロジェクタ
PJ1,PJ2,・・・がメンテナンス情報の取得を行う際の処理の流れを示すフローチ
ャートある。なお、図14はプロジェクタPJ1,PJ2,・・・が管理サーバSVに常
時接続されている場合のプロジェクタの処理の流れを示すものである。図14におけるス
テップS71〜S76は、図10(a)におけるステップS31〜S36と同じである。
図14が図10(a)異なるのは、ユーザ操作及び投写開始(ステップS77)がなされ
たあと、一定時間経過したか否かを判定し(ステップS78)、一定時間経過するごとに
ステップS74に戻って、ステップS74〜S78を繰り返す点である。
【0120】
このように、プロジェクタPJ1,PJ2,・・・が管理サーバSVに常時接続されて
いる場合は、投写中におけるバックグラウンド処理により、プロジェクタPJ1,PJ2
,・・・からはステータス情報を一定間隔で管理サーバSV側に送信するようにしている
。そして、管理サーバSVではプロジェクタPJ1,PJ2,・・・から送られてきたス
テータス情報に対するメンテナンス情報をプロジェクタPJ1,PJ2,・・・に送信し
、プロジェクタでは送られてきたメンテナンス情報を表示するといった処理を行う。
【0121】
図14に示すように、プロジェクタPJ1,PJ2,・・・を管理サーバSVに常時接
続した状態とすることにより、プロジェクタからステータス情報などを送るごとに、その
都度、管理サーバとの接続処理を行うことなく、プロジェクタPJ1,PJ2,・・・か
らのステータス情報などは一定時間ごとに管理サーバSVに送信される。また、管理サー
バSVからメンテナンス情報が送信されて来れば、そのメンテナンス情報をその都度受信
して表示することができる。
【0122】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない
範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、前述の各実施形態では、表示する
画像(コンテンツ)の階調情報や光源の光の強度などに基づく負荷値を積算した累積負荷
値を光変調素子の負荷情報として用いたが、光変調素子の負荷情報はこれに限られるもの
ではない。
【0123】
たとえば、液晶ライトバルブに加わる温度に基づく負荷値を積算した累積負荷値を光変
調素子の負荷情報として用いることも可能であり、また、プロジェクタの使用時間を単に
累積したプロジェクタ稼働時間を光変調素子の負荷情報として用いることも可能である。
また、これらの負荷情報を前述の実施形態で用いた画像(コンテンツ)の階調情報や光源
の光の強度と組み合わせて用いることも可能である。
【0124】
また、前述の各実施形態では、RGBの各液晶ライトバルブの交換の必要性の有無を示
す情報、交換時期に関する情報をメンテナンス情報としたが、メンテナンス情報としては
これらに限られるものではなく、たとえば、各液晶ライトバルブの特性変化の度合いを複
数の段階で表す情報など、他の要素をメンテナンス情報として用いることもできる。
【0125】
また、本発明の各実施形態に係る画像表示装置のメンテナンスシステムは図2に示した
ようにプロジェクタPJ1,PJ2,・・・をネットワークNWに接続するのではなく、
図示を省略するが、たとえば、プロジェクタPJ1,PJ2,・・・がPCなどを介して
ネットワークに接続される構成であってもよい。また、光変調素子の負荷情報取得装置は
PC側に設けるようにしてもよい。
【0126】
また、図15に示すように、プロジェクタPJ1が携帯電話機CP1に接続可能であれ
ば、携帯電話網NW’を介してインターネットやイントラネットなどのネットワークNW
に接続可能とする構成としてもよい。
【0127】
また、実施形態1に係る画像表示装置のメンテナンスシステムにおいては、プロジェク
タPJ1,PJ2,・・・は管理サーバSVに対して必要に応じて接続可能とし、実施形
態2に係る画像表示装置のメンテナンスシステムにおいては、プロジェクタPJ1,PJ
2,・・・は管理サーバSVに対して常時接続された状態として説明したが、それぞれの
実施形態において、個々のプロジェクタごとに必要に応じて接続可能とするか常時接続状
態とするかは任意に設定できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】実施形態1に係る画像表示装置のメンテナンスシステムの構成を概略的に示す図。
【図2】図1に示したプロジェクタの構成を概略的に示す図。
【図3】図1に示したプロジェクタの光学系を概略的に示す図。
【図4】光変調素子の負荷情報取得装置が行う光変調素子の負荷情報取得手順を示すフローチャート。
【図5】図4のフローチャートを説明するための図。
【図6】図1に示した管理サーバSVの構成を概略的に示す図。
【図7】管理サーバSVの認証情報データベースDB1、機器情報データベースDB2、負荷情報データベースDB3に保存される認証情報、機器情報、管理情報を示す図。
【図8】実施形態1に係る画像表示装置のメンテナンスシステムの全体的な処理の流れを示す図。
【図9】プロジェクタが管理サーバに送信する識別情報及びステータス情報のデータ構成の一例を示す図。
【図10】実施形態1に係る画像表示装置のメンテナンスシステムにおけるプロジェクタがメンテナンス情報の取得を行う際の処理の流れをより詳細に示すフローチャート。
【図11】実施形態1に係る画像表示装置のメンテナンスシステムにおける管理サーバがメンテナンス情報の生成を行う際の処理の流れをより詳細に示すフローチャート。
【図12】メンテナンス情報としての液晶ライトバルブの交換の必要性の有無を判断する情報を生成する処理について説明する図。
【図13】メンテナンス情報としての液晶ライトバルブの交換時期に関する情報(液晶ライトバルブの残りの使用可能時間)を生成する処理を説明する図。
【図14】実施形態2に係る画像表示装置のメンテナンスシステムにおけるプロジェクタがメンテナンス情報の取得を行う際の処理の流れを示すフローチャート。
【図15】プロジェクタを携帯電話網を介してインターネットなどに接続する例を示す図。
【符号の説明】
【0129】
1・・・画像表示制御部、2・・・光学系、11・・・画像信号入力部、12・・・光
変調素子の負荷情報取得装置、13・・・画像信号変換部、14・・・出力信号処理部、
15・・・光変調素子駆動部、16・・・制御部、17・・・補正パラメータ記憶部、1
8・・・光源駆動部、19・・・管理情報入出力制御部、31・・・管理情報送受信部、
32・・・メンテナンス情報生成部、121・・・画像信号解析部、122・・・負荷値
演算部、123・・・累積負荷値記憶部、PJ1,PJ2,・・・・・・プロジェクタ、
NW・・・ネットワーク、SV・・・管理サーバ、DB1・・・認証情報データベース、
DB2・・・機器情報データベース、DB3・・・負荷情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光を画像信号に応じて変調する光変調素子を有する画像表示装置と、前記画
像表示装置に対するメンテナンス情報を生成して、前記メンテナンス情報を前記画像表示
装置に送信可能な管理サーバとを有する画像表示装置のメンテナンスシステムであって、
前記画像表示装置は、前記光変調素子の特性変化の度合いを予測可能な光変調素子の負
荷情報を取得する光変調素子の負荷情報取得装置と、前記光変調素子の負荷情報の出力及
び前記管理サーバからの前記メンテナンス情報を入力可能な管理情報入出力制御部とを有
し、
前記管理サーバは、前記画像表示装置で取得された光変調素子の負荷情報に基づいて前
記光変調素子の特性変化の度合いを判断し、その判断の結果に基づいて前記メンテナンス
情報を生成するメンテナンス情報生成部を有することを特徴とする画像表示装置のメンテ
ナンスシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置のメンテナンスシステムにおいて、
前記画像表示装置と前記管理サーバとはネットワークを介して接続されることを特徴と
する画像表示装置のメンテナンスシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像表示装置のメンテナンスシステムにおいて、
前記光変調素子は、複数の基本色に対応して複数個設けられ、前記光変調素子の負荷情
報は前記複数個の光変調素子それぞれに対して取得されるとともに、前記メンテナンス情
報は前記複数個の光変調素子それぞれに対して生成されることを特徴とする画像表示装置
のメンテナンスシステム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示装置のメンテナンスシステムにおいて、
前記メンテナンス情報は、前記光変調素子の交換の必要性を示す情報及び/又は交換時
期に関する情報であることを特徴とする画像表示装置のメンテナンスシステム。
【請求項5】
請求項4に記載の画像表示装置のメンテナンスシステムにおいて、
前記交換時期に関する情報は、所定時間ごとに生成された過去の複数の前記光変調素子の
負荷情報に基づいて求められることを特徴とする画像表示装置のメンテナンスシステム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の画像表示装置のメンテナンスシステムにおいて、
前記光変調素子の負荷情報は、前記光変調素子に加わる負荷に基づく負荷値を積算した
累積負荷値であることを特徴とする画像表示装置のメンテナンスシステム。
【請求項7】
請求項6に記載の画像表示装置のメンテナンスシステムにおいて、
前記光変調素子に加わる負荷に基づく負荷値は、前記光変調素子に入射される光源の光
の強度と前記画像信号の階調に関する情報、前記光変調素子の温度に関する情報、画像表
示装置の稼動時間に関する情報の少なくとも1つに基づいて求められることを特徴とする
画像表示装置のメンテナンスシステム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の画像表示装置のメンテナンスシステムにおいて、
前記画像表示装置は、前記管理サーバに対して必要に応じて接続可能とすることを特徴
とする画像表示装置のメンテナンスシステム。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれかに記載の画像表示装置のメンテナンスシステムにおいて、
前記画像表示装置は、前記管理サーバに対して常時接続状態とすることを特徴とする画
像表示装置のメンテナンスシステム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の画像表示装置のメンテナンスシステムにおいて、
前記光変調素子は液晶を用いた光変調素子であることを特徴とする画像表示装置のメン
テナンスシステム。
【請求項11】
光源からの光を画像信号に応じて変調する光変調素子を有する画像表示装置と、前記画
像表示装置に対するメンテナンス情報を生成して、前記メンテナンス情報を前記画像表示
装置に送信可能な管理サーバとを有する画像表示装置のメンテナンスシステムに用いられ
る前記画像表示装置であって、
前記光変調素子の特性変化の度合いを予測可能な光変調素子の負荷情報を取得する光変
調素子の負荷情報取得装置と、前記光変調素子の負荷情報の出力及び前記管理サーバから
の前記メンテナンス情報を入力可能な管理情報入出力制御部とを有することを特徴とする
画像表示装置。
【請求項12】
光源からの光を画像信号に応じて変調する光変調素子を有する画像表示装置と、前記画
像表示装置に対するメンテナンス情報を生成して、前記メンテナンス情報を前記画像表示
装置に送信可能な管理サーバとを有する画像表示装置のメンテナンスシステムに用いられ
る前記画像表示装置に、前記メンテナンス情報の取得を実行させる画像表示装置のメンテ
ナンス情報取得プログラムであって、
前記光変調素子の特性変化の度合いを予測可能な光変調素子の負荷情報を取得するステ
ップと、
前記光変調素子の負荷情報を前記管理サーバに出力するステップと、
前記管理サーバからの前記メンテナンス情報を入力するステップと、
を有することを特徴とする画像表示装置のメンテナンス情報取得プログラム。
【請求項13】
光源からの光を画像信号に応じて変調する光変調素子を有する画像表示装置と、前記画
像表示装置に対するメンテナンス情報を生成して、前記メンテナンス情報を前記画像表示
装置に送信可能な管理サーバとを有する画像表示装置のメンテナンスシステムに用いられ
る前記管理サーバであって、
前記画像表示装置で取得された光変調素子の負荷情報に基づいて前記光変調素子の特性
変化の度合いを判断し、その判断の結果に基づいて前記メンテナンス情報を生成するメン
テナンス情報生成部を有することを特徴とする管理サーバ。
【請求項14】
光源からの光を画像信号に応じて変調する光変調素子を有する画像表示装置と、前記画
像表示装置に対するメンテナンス情報を生成して、前記メンテナンス情報を前記画像表示
装置に送信可能な管理サーバとを有する画像表示装置のメンテナンスシステムに用いられ
る前記管理サーバに、前記メンテナンス情報の生成を実行させる管理サーバのメンテナン
ス情報生成プログラムであって、
前記画像表示装置で取得された光変調素子の負荷情報に基づいて前記光変調素子の特性
変化の度合いを判断するステップと、
その判断の結果に基づいて前記メンテナンス情報を生成するステップと、
を有することを特徴とする管理サーバのメンテナンス情報生成プログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−108205(P2007−108205A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−295975(P2005−295975)
【出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】