説明

画像解析方法、評価方法、画像解析装置、及び画像解析プログラム

【課題】近赤外領域の画像を用いて皮膚の解析を高精度に行う。
【解決手段】複数の異なる近赤外領域において撮影された被写体の顔画像を用いて、該被写体の皮膚の解析を行う画像解析方法において、前記被写体に皮膚外用剤を塗布する前後における前記顔画像を取得する画像取得ステップと、前記画像取得ステップにより取得した画像に輝度補正を行う輝度補正ステップと、前記輝度補正ステップにより得られた前記皮膚外用剤を塗布する前後の画像の差分量を前記複数の異なる近赤外領域毎に取得する差分量取得ステップと、前記差分量取得ステップにより得られる差分量に基づいて前記被写体の皮膚を解析する解析ステップと、前記解析ステップにより得られた解析結果を表示する画面を生成する画面生成ステップとを有することにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像解析方法、評価方法、画像解析装置、及び画像解析プログラムに係り、特に近赤外領域の画像を用いて皮膚等の解析を高精度に行うための画像解析方法、評価方法、画像解析装置、及び画像解析プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、顔の水分変化を可視化するために近赤外カメラを用いて2枚の近赤外分光画像を用いて顔表面に塗布した保湿液の可視化を行う技術が開示されている(例えば、非特許文献1)。
【0003】
非特許文献1に示されている技術は、波長900〜1700nmまで感度を持つInGaAs近赤外カメラ(Sensors Unlimited,Inc.SU320M−1.7RT)を用いて顔の計測を行い、取得した2枚の近赤外分光画像を用いて差分吸光度画像に変換することで、顔に塗布した保湿液のみの可視化を実現している。
【0004】
また、近赤外を用いて皮膚水分量を鑑別する手法も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に示されている技術は、1050〜1650nmの近赤外波長域に対して皮膚の複数点の反射強度を得る工程と、予め用意した皮膚水分量と近赤外波長域の反射強度との関係を示す予測式に前記工程で得られた反射強度を代入して複数点の皮膚水分量を得る工程と、得られた複数点の皮膚水分量から皮膚水分量分布を鑑別することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−25622号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】岩崎宏明他、「2枚の近赤外分光画像を用いた顔の水分変化の可視化」、日本光学会(応用物理学会)、Optics Japan 2005 Tokyo、2005年11月23〜25日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、上述した従来技術において、非特許文献1では顔における水の強い吸収がある波長は1460nmとされており、一方、水の吸収がない波長は1060nmであることが示されている。また、特許文献1でも、1050〜1650nmの波長領域を基準としているのは、1450nm付近に存在する水の吸収波長前後の近赤外波長域に着目しているためである。
【0009】
しかしながら、水(OH基)は、1920nm付近にも強い吸収があり、更に油(CH基)についても1750nm付近や2230〜2400nm付近に吸収がある。したがって、これらの特性を用いて肌の水分や油分に対する画像を高精度に行うことが好ましいが、そのような手法はまだ開示されていない。また、上述したような肌に対する水や油の吸収が強い部分を複数用いて肌に対する解析、評価、更には肌のカウンセリング等を行うことが好ましいが、これらの手法についても開示されていない。
【0010】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、近赤外領域の画像を用いて皮膚等の解析を高精度に行うための画像解析方法、評価方法、画像解析装置、及び画像解析プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するために、本件発明は、以下の特徴を有する課題を解決するための手段を採用している。
【0012】
請求項1に記載された発明は、複数の異なる近赤外領域において撮影された被写体の顔画像を用いて、該被写体の皮膚の解析を行う画像解析方法において、前記被写体に皮膚外用剤を塗布する前後における前記顔画像を取得する画像取得ステップと、前記画像取得ステップにより取得した画像に輝度補正を行う輝度補正ステップと、前記輝度補正ステップにより得られた前記皮膚外用剤を塗布する前後の画像の差分量を前記複数の異なる近赤外領域毎に取得する差分量取得ステップと、前記差分量取得ステップにより得られる差分量に基づいて前記被写体の皮膚を解析する解析ステップと、前記解析ステップにより得られた解析結果を表示する画面を生成する画面生成ステップとを有することを特徴とする。
【0013】
請求項1記載の発明によれば、近赤外領域の画像を用いて皮膚等の解析を高精度に行うことができる。更に、その解析結果から、皮膚等に対する高精度な評価を行うことができる。
【0014】
請求項2に記載された発明は、前記複数の近赤外領域は、1100〜1360nm、1300〜1640nm、1860〜2200nm、1700〜1860nm、及び2230〜2400nmのうち、少なくとも2つの帯域であることを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、近赤外領域でも光の吸収特性の高い領域における画像を取得することで、高精度な画像解析を行うことができる。
【0016】
請求項3に記載された発明は、前記画面生成ステップは、前記差分量取得ステップにより得られた差分量の大きさに基づいて予め設定された色又は模様により所定の画素毎に強調表示した画面を生成することを特徴とする。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、強調表示することにより、皮膚外用剤の塗布前後の皮膚の差をより明確に提示することができる。
【0018】
請求項4に記載された発明は、前記解析ステップは、前記画面生成ステップにより得られた解析結果の画面から、ユーザにより設定される前記画面中の所定領域に対する輝度変化値を算出することを特徴とする。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、ユーザが所望する位置における輝度変化を迅速且つ高精度に取得することができる。
【0020】
請求項5に記載された発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像解析方法により得られる解析結果に基づいて、前記被写体の肌に対する洗浄料による保湿効果の評価及び/又は化粧料の付着状態の評価を行う評価ステップを有することを特徴とする評価方法である。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、近赤外領域の画像を用いて皮膚等の解析を高精度に行ことで、更に洗浄料による保湿効果及び/又は化粧料の付着状態に対して高精度な評価を行うことができる。
【0022】
請求項6に記載された発明は、複数の異なる近赤外領域において撮影された被写体の顔画像を用いて、該被写体の皮膚の解析を行う画像解析装置において、前記被写体に皮膚外用剤を塗布する前後における前記顔画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段により取得した画像に輝度補正を行う輝度補正手段と、前記輝度補正手段により得られた前記皮膚外用剤を塗布する前後の画像の差分量を前記複数の異なる近赤外領域毎に取得する差分量取得手段と、前記差分量取得手段により得られる差分量に基づいて前記被写体の皮膚を解析する解析手段と、前記解析手段により得られた解析結果を表示する画面を生成する画面生成手段とを有することを特徴とする。
【0023】
請求項6記載の発明によれば、近赤外領域の画像を用いて皮膚等の解析を高精度に行うことができる。更に、その解析結果から、皮膚等に対する高精度な評価を行うことができる。
【0024】
請求項7に記載された発明は、前記複数の近赤外領域は、1100〜1360nm、1300〜1640nm、1860〜2200nm、1700〜1860nm、及び2230〜2400nmのうち、少なくとも2つの帯域であることを特徴とする。
【0025】
請求項7記載の発明によれば、近赤外領域でも光の吸収特性の高い領域における画像を取得することで、高精度な画像解析を行うことができる。
【0026】
請求項8に記載された発明は、前記画面生成手段は、前記差分量取得手段により得られた差分量の大きさに基づいて予め設定された色又は模様により所定の画素毎に強調表示した画面を生成することを特徴とする。
【0027】
請求項8記載の発明によれば、強調表示することにより、皮膚外用剤の塗布前後の皮膚の差をより明確に提示することができる。
【0028】
請求項9に記載された発明は、前記解析手段は、前記画面生成手段により得られた解析結果の画面から、ユーザにより設定される前記画面中の所定領域に対する輝度変化値を算出することを特徴とする。
【0029】
請求項9記載の発明によれば、ユーザが所望する位置における輝度変化を迅速且つ高精度に取得することができる。
【0030】
請求項10に記載された発明は、前記解析手段により得られた解析結果に基づいて、前記被写体の肌に対する洗浄料による保湿効果の評価及び/又は化粧料の付着状態の評価を行う評価手段を有することを特徴とする。
【0031】
請求項10記載の発明によれば、近赤外領域の画像を用いて皮膚等の解析を高精度に行ことで、更に洗浄料による保湿効果及び/又は化粧料の付着状態に対して高精度な評価を行うことができる。
【0032】
請求項11に記載された発明は、コンピュータを、請求項6乃至10の何れか1項に記載の画像解析装置として機能させることを特徴とする画像解析プログラムである。
【0033】
請求項11記載の発明によれば、近赤外領域の画像を用いて皮膚等の解析を高精度に行うことができる。また、その解析結果から、皮膚等に対する高精度な評価を行うことができる。更に、プログラムをインストールすることにより、汎用のパーソナルコンピュータ等で本発明における皮膚外用剤の画像解析処理を容易に実現することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、近赤外領域の画像を用いて皮膚の解析を高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】近赤外領域における皮膚の吸収特性の一例を示す図である。
【図2】本実施形態における撮影システムの概略構成の一例を示す図である。
【図3】フィルタの設置位置を説明するための図である。
【図4】本実施形態における画像解析装置の機能構成の一例を示す図である。
【図5】本実施形態における画像解析処理が実現可能なハードウェア構成の一例を示す図である。
【図6】本実施形態における画像解析処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】化粧水塗布前後の肌画像の一例を示す図である。
【図8】「水1」における化粧水塗布前後の輝度変化を示す図である。
【図9】「水2」における化粧水塗布前後の輝度変化を示す図である。
【図10】乳液の塗布前後の肌画像の一例を示す図である。
【図11】「水1」における乳液塗布前後の輝度変化を示す図である。
【図12】「油」における乳液塗布前後の輝度変化を示す図である。
【図13】「水2」における乳液塗布前後の輝度変化を示す図である。
【図14】ヘアトリートメントの塗布前後の頭髪画像の一例を示す図である。
【図15】他の実施形態における化粧水塗布前後の輝度変化の一例を示す図である。
【図16】図15に対応する選択範囲擬似カラー表示の一例を示す図である。
【図17】他の実施形態における乳液塗布前後の輝度変化の一例を示す図である。
【図18】図17に対応する選択範囲擬似カラー表示の一例を示す図である。
【図19】実施例1の評価方法に対する2つの製品の塗布内容を説明するための図である。
【図20】実施例1の条件により撮影された画像の一例を示す図である。
【図21】実施例1の条件での評価結果を示す図である。
【図22】実施例2の条件において得られる画像例(その1)を示す図である。
【図23】実施例2の条件において得られる画像例(その2)を示す図である。
【図24】実施例2の条件において得られる画像例(その3)を示す図である。
【図25】実施例2の条件において得られる画像例(その4)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
<本発明について>
本発明は、例えば波長領域800〜2500nmまで撮影可能な近赤外カメラを用いて、約1460nm付近の水の吸収特性に加えて約1750nm付近の油の吸収特性、約1920nm付近の水の強い吸収特性、及び2230〜2400nm付近にある複数の油の強い吸収特性に対する被写体の画像を取得し、取得した画像に対して肌等の解析や評価等を行う。なお、本発明における近赤外光とは、具体的には、約800〜2500nm付近の波長の光を意味している。
【0037】
ここで、図1は、近赤外領域における皮膚の吸収特性の一例を示す図である。ここで、図1に示すグラフの横軸は測定波長(nm)を示し、縦軸は吸光度(Absorbance,A/W)を示している。
【0038】
図1では、水、パルチミン酸、グリセリンにおける撮影される波長に対する吸収特性を図1(a)〜(d)にそれぞれ示している。なお、図1(a)は、水の吸収特性を示し、図1(b)は、パルチミン酸の吸収特性を示し、図1(c)は、グリセリンの吸収特性を示し、図1(d)は、肌の吸収特性を示している。
【0039】
また、図1(i)に示す特性範囲は、市販のカメラ(例えば、「FLIR SYSTEMS社製、ALPHA NIRカメラ」や、「XenlCs社製 XEVAシリーズ InGaAs近赤外線カメラ」等)で撮影可能な近赤外領域を示しており、図1(ii)は、本発明において使用されるカメラ(例えば、住友電気工業(株)社製等)で撮影可能な近赤外領域を示している。なお、住友電気工業(株)社製のカメラは、約1000〜2500nm程度の近赤外領域の画像を取得することができる。
【0040】
図1に示すように、市販のカメラにて撮影される領域においては、上述した従来技術にも示すように約1460nm付近で水の強い吸収がある(図1(d)における領域A)。しかしながら、その領域Aの帯域は、油(パルチミン酸)や保湿剤(グリセリン)の特性のピークと重なるため、例えば化粧品を塗布した場合には、それら成分の影響を受け易くなり、その領域における画像を用いただけでは、正確な肌解析等を行うことができない。
【0041】
ここで、図1(d)のグラフに示すように、肌の吸収特性では、約1460nm付近の他にも約1920nm付近に水による強い吸収特性が存在することがわかる。また、図1(b)に示すように、油の吸収特性では、約1700〜1800nm付近に吸収特性が存在し、更に約2230〜2400nm付近にも強い吸収特性が存在することがわかる。
【0042】
したがって、本実施形態では、水に対して約1460nm付近の画像の他にも、約1920nm付近の方が水だけの画像を検出できるため、この近赤外領域の画像も取得する。また、本実施形態では、油に対して約1700〜1800nm付近及び約2230〜2400nm付近の近赤外領域の画像を取得する。
【0043】
このようにして、水(OH基)と油(CH基)の両方の画像を取得し、その画像を1又は複数用いて画像解析をすることで、例えば化粧水や乳液等の皮膚外用剤を塗布した肌等の状態を画像上に示し、塗りむら評価等に用いることができる。
【0044】
以下に、本発明における画像解析方法、評価方法、画像解析装置、及び画像解析プログラムを好適に実施した形態について、図面を用いて説明する。
【0045】
<撮影システム:概略構成例>
まず、本実施形態において取得される画像を撮影する顔撮影装置の概略構成例について図を用いて説明する。なお、以下の例では、皮膚の一例として顔の肌を撮影する例を示すが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば、手や腕の他、代用皮膚(例えば、ブタ皮膚、人工皮膚、ウレタン)や毛髪等、水分や油分を評価するためのあらゆるものについて適用可能である。
【0046】
図2は、本実施形態における撮影システムの概略構成の一例を示す図である。図2に示す撮影システム10は、大略すると、顔撮影装置11と、画像解析装置12とを有するよう構成されており、顔撮影装置11と、画像解析装置12とは、ケーブル13等を有して、データ及び制御信号の送受信が可能な状態で接続されている。
【0047】
顔撮影装置11は、解析対象である被写体の顔をセットし、球体内に照射される所定の光源により顔の所定部位に照明を当てて、その画像をカメラ等により取得する。このとき、本実施形態では、複数の異なる近赤外領域において撮影された被写体の顔画像を取得するため、予め設定されるバンドパスフィルタによりフィルタリングを行い所定の近赤外領域における画像データを取得する。
【0048】
また、本実施形態では、顔撮影装置11により被写体の顔画像を撮影する際、顔画像と共に色票を撮影する。なお、色票は、顔撮影装置11に着脱可能に取り付けることができる。つまり、本実施形態では、撮影される画像に被写体の顔だけでなく色票も写るように撮影する。これにより、撮影された画像に対して色票を用いて画像補正を行うことができるため精度を向上させることができる。なお、色票は、1又は複数有することができ、複数有する場合には、例えば撮影時に用いられる光源の波長に対応する色票を選択して用いることができる。
【0049】
また、顔撮影装置11は、撮影するカメラのレンズに対して偏光フィルタ等を設置してノイズを低減させることができる。
【0050】
具体的に説明すると、図2に示す顔撮影装置11は、土台20の上に略球状のドーム(筐体)21と、少なくとも1つの光源22と、顎乗せ部材23と、撮像装置としてのカメラ24とを有するよう構成されている。
【0051】
図2において、ドーム21は、略球状の形状をしており球状内が空洞となっている。また、ドーム21は、例えば被写体である人物の顔が入る程度の形状となっている。このように、ドーム21の形状を球状にすることで、内部の光源から照射された光が拡散して効率的に被写体の顔に均一(フラット)に光を照射させることができる。
【0052】
また、光源22は、土台20上に設置されたドーム21内部に対して直接光源を照射する。なお、光源22の数は、少なくとも1つ有していればよい(図1の例では、顔の左右に2つの光源22−1,22−2)。なお、光源21−1,22−2の設置位置については、照射による被写体の顔の影の位置等により異なるため、必要に応じて調整することができる。
【0053】
また、光源22−1,22−2としては、例えばハロゲンランプ等を用いることができ、例えば岩崎電気(株)社製JD110V50W/P/M等を使用することができるが、本発明においてはこれに限定されるものではない。
【0054】
なお、光源22は、例えばハロゲンランプを使用することができるが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば、白熱電球・ハロゲン電球等の温度照射光源や、高圧水銀ランプ、セルフバラスト水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプ等の高圧放電ランプ(放電発光光源)、蛍光ランプ、低圧ナトリウムランプ等の定圧放電ランプ(放電発光光源)、EL(Electroluminescence)、LED(Light Emitting Diode)等の電界発光光源等を用いることができる。
【0055】
また、ハロゲンについては、例えばハロゲンランプや、両口金型ハロゲン、PARランプ、ダイクロイックミラー等を代用することができる。また、蛍光ランプについては、一般照明用ランプやレフランプ、クリプトンランプ、水銀ランプ、バラストレス水銀ランプ(チョークレス)、高圧ナトリウムランプ、メタルハライドランプ、HQIランプ等に代用することができる。
【0056】
なお、本実施形態では、例えば近赤外領域を撮影するために、例えば、ハロゲン光源又はLEDを用いるのが好ましい。なお、上記の2つの光源は、それぞれ同じ帯域を出すことができるが、その材質の性質等により違いがある。具体的には、ハロゲン光源とLEDとは、光の広がり方が異なり、LEDの方がハロゲン光源よりも直線性がある。また、LEDは、ハロゲン光源より熱量の放出が少ない。そのため、本実施形態では、ハロゲン光源とLEDのどちらの光源を使用するかは、撮影対象や撮影する目的、撮影環境等に応じて適宜設定される。
【0057】
顎乗せ部材23は、被写体がドーム21内部で進入させ、所定の位置で保持固定させるための保持部材である。また、顎乗せ部材23は、高さ調節や左右の位置を調整する機構を設けており、例えばカメラ24等から撮影された画像を画像解析装置12のディスプレイ上で表示し、カメラ24の中心と顔の上下左右の位置の調整可能となるスケール等を有することもできる。また、顎乗せ部材23は、被写体の正面画像ではなく、斜め、横、或いは後を向かせて側面画像や頭髪画像を取得できるような構成又は移動機構を有する。
【0058】
カメラ24は、上述した所定の近赤外領域の画像を取得する。具体的には、約800〜2500nm付近の波長帯域における画像を取得可能な近赤外カメラ(例えば、住友電気工業(株)社製等)を使用することができる。また、カメラ24に取り付けられるレンズは、例えばフジノン(株)社製25mmレンズ等を使用することができる。なお、本実施形態においては、撮影される被写体の顔画像の表面反射等のノイズを消して、表面のぎらつき等を抑えてクリアな画像を取得するために偏光フィルタを設けてもよい。なお、偏光フィルタの具体例については、後述する。
【0059】
なお、本実施形態では、所定の近赤外領域の画像を取得するため、例えば光源の前やレンズの前にバンドパスフィルタを設置して、所定の近赤外領域の画像を取得する。また、本実施形態は、複数の異なる近赤外領域からの画像を撮影するために、例えばフィルタをスライドさせて自動で切り換えられる機構が設けられていてもよく、撮影毎にユーザがスライドを移動してフィルタの切り換えを行ってもよい。ここで、図3は、フィルタの設置位置を説明するための図である。
【0060】
また、上述したバンドパスフィルタは、光源22−1,22−2と被写体の間の光を通過させる第1のフィルタ31−1,31−2と、被写体により反射された光とカメラ(レンズ)の間の光を通過させる第2のフィルタ32及び第3のフィルタ33とを有する。ここで、第1のフィルタ31は、例えばUVAカット、赤外線減衰フィルタを用いることができ、例えばSCHOTT社製のGG395(例えば、厚さ3mm,100×100mm)等を使用することができる。
【0061】
更に、第2のフィルタ32は、例えば後述するバンドパスフィルタ(第3のフィルタ33)と重ねて使用するNDフィルタである。NDフィルタは、レンズに入る光量を調整するためのフィルタであり、バンドパスフィルタの種類によって異なる光量を調整するためのものである。
【0062】
本実施形態では、複数のバンドパスフィルタを使用して所定の近赤外領域の画像を取得するが、その波長により透過光量が異なるため、レンズの調整等、カメラ設定をなるべく変えずに測定できることが好ましい。したがって、上述したNDフィルタを複数のバンドパスフィルタに対応させて複数用意し、適宜切り換えて用いることで光量の減衰等を行い、光量を調整することができる。なお、NDフィルタとしては、例えばSCHOTT社製NG5(例えば、直径25.4mmの円、厚さ1mm)等を用いることができる。
【0063】
ここで、複数のバンドパスフィルタを用いて所定の近赤外帯域の画像を取得するための第3のフィルタ37は、例えばSpectrogon社製のフィルタを使用することができる。また、第3のフィルタ37の領域は、例えば、ベースとなる画像を取得する場合は、例えば約1100〜1360nm程度の帯域から得られる画像を取得することができ、例えば中心波長を約1300nm±40nm程度の画像を取得する。
【0064】
また、水の吸収特性の強い画像を取得する場合は、例えば、図1(d)における領域Aに対する画像を取得する際には、例えば約1300〜1640nm程度の帯域から得られる画像を取得することができ、好ましくは中心波長を約1460nm±45nm程度の画像を取得する。また同様に、より感度のよい水の吸収特性の強い画像を取得する場合は、例えば、図1(d)における領域Bに対する画像を取得する際には、例えば約1860〜2200nm程度の帯域から得られる画像を取得することができ、好ましくは中心波長を約1920nm±55nm程度、約1950nm±56nm程度の画像を取得する。
【0065】
また、図1(b)における領域Cに示すような油の吸収特性の強い画像を取得する場合は、例えば1700〜1860nm程度の帯域から得られる画像を取得することができ、好ましくは中心波長を1775nm±50nm、或いは、1755nm±20nm程度の画像を取得する。更に、図1(b)における領域Dに示すような油の吸収特性の強い画像を取得する場合は、例えば約2230〜2400nm程度の帯域から得られる画像を取得することができ、好ましくは、中心波長を2345nm±50nm程度の画像を取得する。なお、領域Dには、複数のピークが存在するため、そのうちの1つの波長を用いた画像を取得してもよく、ピークとなる複数の波長から画像を取得してもよい。また、約2230〜2400nmの帯域では、図1(a)に示すように水の吸収特性の差が大きいため、本実施形態では、撮影対象の条件(乾燥、湿度等)に応じて帯域を適宜設定することができる。
【0066】
なお、これらの近赤外帯域の画像を取得するために用いられるフィルタは、1つのフィルタにおいて実現してもよく、複数のフィルタを組み合わせてもよい。
【0067】
更に、本実施形態では、例えば、図3に示す顎乗せ部材23に色票をカメラ24側に向けて設置してもよい。これにより、カメラ24により撮影される画像に、被写体の顔画像と色票とを含めることができ、色票を用いて複数の画像間の補正を行って精度の向上を図ることができる。なお、色票の具体例については、後述する。
【0068】
上述した構成等を用いた照明装置11を用いてカメラ24から撮影された被写体の顔画像は、図1に示すケーブル13等を介して画像解析装置12に出力される。なお、顔撮影装置11と画像解析装置12との通信は、例えば赤外線等を用いた無線通信でもよく、LANケーブル等を介した有線通信でもよい。更に、インターネット等の通信ネットワークを用いて遠隔地にある画像解析装置12に撮影画像を送信してもよい。
【0069】
ここで、本実施形態において撮影される画像は、例えば、化粧水や乳液等の皮膚外用剤を被写体に塗布する前、塗布直後、塗布した後、塗布後の所定時間経過後の画像等である。
【0070】
また、本実施形態において顔撮影装置11により撮影される画像は、ユーザの指示により撮影された画像でもよく、連続的に撮影されたリアルタイム映像であってもよい。更に、顔撮影装置11により撮影される画像は、顔に含まれる被写体の肌(頬や額等)、瞼、目、目の下、目の周り、鼻、口、口元、耳、眉、顎等に限定されず、例えば首や頭髪等も含み、更には、腕や手、足等も含まれる。したがって、画像解析装置12により解析される内容は、上述した顔撮影装置11にて得られる画像全てに対応することができる。
【0071】
画像解析装置12は、顔撮影装置11により撮影された所定の近赤外領域画像を複数取得し、取得した画像に基づいて被写体の肌の水、油に関する画像の解析・評価を行う。これにより、化粧水や保湿剤等の皮膚外用剤を塗布したときの肌の状態や、塗りむらを画像で可視化して出力することにより、高精度な解析や評価、或いはその結果の表示を行うことができる。なお、画像解析装置12は、汎用的なパーソナルコンピュータ等を用いて本実施形態における解析処理を実現することができる。
【0072】
ここで、本発明における皮膚外用剤としては、例えば水溶液系や可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−油の2層系、水−油−粉末の3層系等の全般で本発明を適用することが可能であり、その用途も、化粧水や乳液だけでなく、クリームやパック等の基礎化粧品、口紅やファンデーション等のメーキャップ化粧料、シャンプーやリンス,染毛剤等の頭髪用製品、日焼け止め等の特殊化粧品等、広い分野に及ぶ。
【0073】
<偏光フィルタについて>
次に、上述した本実施形態における偏光フィルタの具体例について説明する。通常、画像の撮影では、光源に起因する観察対象物表面での解析に不要な反射光(ぎらつき等)が生じる場合がある。また、不要な反射光は取得画像の輝度値に影響をし、画像解析による定量評価を行うときに誤差が生じてしまう可能性があり問題となる。
【0074】
そこで、本実施形態では、カメラ24のレンズ前部、後部、或いは両方に偏光フィルタを設置する。また、本実施形態は、レンズ付近ではなく、光源の前部への偏光フィルタを設置してもよい。更に、本実施形態では、レンズ及び光源の両方に偏光フィルタを設置する。なお、偏光フィルタは、1又は複数設置することができる。
【0075】
これにより、本実施形態では、観察対象物表面で生じる解析に不要な反射光を除去することができる。また、本実施形態では、これらフィルタの設置によりノイズを減らし、精度の高い解析が可能となる。
【0076】
<色票について>
次に、上述した本実施形態における色票の具体例について説明する。通常、画像解析による定量評価を用いて画像間の比較を行う場合、撮影条件により若干の差異が出ることが解析上の問題となる。そこで、本実施形態では、白から黒の反射率が特定できる任意の色票を用いて取得画像の輝度値を補正することにより、画像取得の時期の違いにかかわらず画像間の比較が可能となり、精度良く解析することができる。
【0077】
なお、色票は、一例として反射率の異なる複数の色票がボード上に並列に配置し、被写体を撮影するときに用いられる光源の波長に応じて色票を選択することができる。このように色票を用いることで、撮影される画像間の輝度を補正することができる。
【0078】
<画像解析装置12:機能構成例>
次に、本実施形態における画像解析装置12の機能構成例について図を用いて説明する。図4は、本実施形態における画像解析装置の機能構成の一例を示す図である。図4に示す画像解析装置12は、入力手段41と、出力手段42と、蓄積手段43と、撮影画像取得手段44と、画像解析手段45と、評価手段46と、画像生成手段47と、制御手段48とを有するよう構成されている。
【0079】
入力手段41は、使用者等からの画像取得指示や画像解析指示、評価指示等の各種指示の開始/終了等の入力を受け付ける。なお、入力手段41は、例えばキーボードや、マウス等のポインティングデバイス等からなる。また、入力手段11は、デジタルカメラ等の撮像手段等により撮影された被写体の撮像部分を含む画像を入力する機能も有する。
【0080】
また、出力手段42は、入力手段41により入力された内容や、入力内容に基づいて実行された内容等の表示・出力を行う。なお、出力手段42は、ディスプレイやスピーカ等からなる。更に、出力手段42としてプリンタ等の機能を有していてもよく、その場合には、画像解析結果等を紙等の印刷媒体に印刷して、使用者や被写体等に提供することもできる。
【0081】
なお、入力手段41と出力手段42とは、例えばタッチパネル等のように一体型の入出力手段であってもよく、この場合には使用者の指やペン型の入力装置等を用いて所定の位置をタッチして入力を行うことができる。
【0082】
また、蓄積手段43は、撮影画像取得手段44により得られる撮影画像、画像解析手段45により画像解析結果、画像生成手段47により生成された評価結果等による各画像情報等の各種データを蓄積する。また、蓄積手段43は、必要に応じて蓄積されている各種データを読み出すことができる。
【0083】
また、撮影画像取得手段44は、顔撮影装置11においてカメラ24により撮影された被写体の顔画像を取得する。なお、撮影画像取得手段44は、顔撮影装置11により被写体の顔を撮影する際に、撮影する画像の内容に応じて、例えば使用する光源の種類や位置、数等を設定することができる。更に、撮影画像取得手段44は、顔撮影装置11のカメラ24に対し、上述した第1〜第3のフィルタ31〜33を組み合わせて使用することで、所定のバンドパスフィルタによりフィルタリングされた所定の近赤外領域の画像を取得するために、その撮影条件を示す指示情報を生成し、顔撮影装置11に出力する。なお、撮影画像取得手段44により取得された画像は、蓄積手段43に蓄積される。
【0084】
画像解析手段45は、撮影画像取得手段44により得られた画像に対して輝度補正や平均輝度値の算出、化粧水や乳液等の皮膚外用剤の塗布前後の輝度変化の解析、輝度変化値の算出、ユーザから選択された領域に対する輝度差に対応した擬似カラーの設定等の解析を行う。なお、画像解析手段45は、塗布前、塗布直後、塗布後の画像を用いて、それらの画像から皮膚の解析を行い、その結果を評価することができる。また、画像解析手段45は、画像解析を行う部分を撮影した顔の肌全体に対して行ってもよく、また入力手段41等を用いてユーザ等により指定された領域に対してのみ画像解析を行ってもよい。なお、指定される領域は、1つでもよく、複数でもよい。
【0085】
更に、本実施形態において、画像解析手段45で解析される画像は、顔撮影装置11から取り込みながらその都度リアルタイムで解析してもよく、また予め蓄積手段43に蓄積された画像を用いて解析してもよい。
【0086】
また、画像解析手段45で解析される画像は、例えば、頬や額等の肌画像であり、また、腕や手、足等の画像でも肌画像解析を行うことができる。更に画像解析手段45は、頭髪についても解析を行うことができる。なお、画像解析手段45における処理の具体例については、後述する。
【0087】
評価手段46は、画像解析手段45により得られる画像解析結果に基づいて画像を撮影したユーザ(被写体)に対する肌や皮膚等の評価を行う。
【0088】
なお、評価手段46は、画像解析手段45により得られる画像解析結果に基づいて、例えば、水分量の多い画像部分を肌とみなして化粧料(皮膚外用剤)の効果を評価する。具体的には、評価手段46は、近赤外画像を用いた水分分布状態解析から肌の露出部位を特定することが可能であることから、汚垢や化粧料が付着した肌における洗浄料の効果評価が可能となり、また、ファンデーション(FD)等の肌に塗布するメーキャップ化粧料の付着状態の変化を評価することが可能となる。
【0089】
また、本実施形態によれば、上述したように例えば近赤外領域で約2230〜2400nm程度の帯域において、中心波長を2345nm±50nm程度の画像を取得することができるため、油の吸収特性の強い画像を取得することができる。そのため、評価手段46は、その得られた画像の解析結果を画像解析手段45により取得することで、任意の部位の肌における水分画像の分布状態を用いた水分による肌質の評価が可能となり、また、任意の部位の肌における油分画像の分布状態を用いた油分による肌質の評価が可能となる。
【0090】
また、本実施形態によれば、評価手段46は、洗浄料の使用前後における肌の洗浄部位の水分画像の解析により洗浄料による保湿効果の評価が可能となる。
【0091】
なお、評価手段46は、上述した評価手法のうちの何れか1つ又は複数を行うことができる。また、評価手段46は、複数の評価をする場合には、その評価する順序を予め設定しておいてもよく、撮影対象に応じて選択することもできる。
【0092】
画像生成手段47は、画像解析手段45により解析された結果や評価手段46により評価された結果に基づいてユーザに提示するための画像を生成する。具体的には、画像生成手段47は、画像解析手段45により解析された輝度差に対応した擬似カラーを合成し、合成した画像を画面に表示する。
【0093】
なお、画像生成手段47は、合成画像を画面に表示する際、ユーザに見やすく表示するために、例えば、所定領域に対する輝度領域の拡大や差分画像の算出、輝度反転等の処理を行った後、表示させることもできる。
【0094】
また、画像生成手段47は、画像のうち、ユーザにより設定された領域に対する擬似カラー生成等の処理を行う。なお、画像生成手段47における具体的な処理については後述する。
【0095】
また、制御手段48は、画像解析装置12の各構成部全体の制御を行う。具体的には、制御手段48は、例えばユーザ等による入力手段41からの指示等に基づいて、画像解析処理や画像生成処理等の各制御を行う。
【0096】
<画像解析装置12:ハードウェア構成>
ここで、上述した画像解析装置12においては、各機能をコンピュータに実行させることができる実行プログラム(画像解析プログラム)を生成し、例えば汎用のパーソナルコンピュータ、サーバ等にその実行プログラムをインストールすることにより、本発明における皮膚外用剤の塗布前後、及び塗布後所定時間経過後において撮影した所定の近赤外領域における画像を用いて解析することができる。
【0097】
ここで、本実施形態における画像解析処理が実現可能なコンピュータのハードウェア構成例について図を用いて説明する。
【0098】
図5は、本実施形態における画像解析処理が実現可能なハードウェア構成の一例を示す図である。図5におけるコンピュータ本体には、入力装置51と、出力装置52と、ドライブ装置53と、補助記憶装置54と、メモリ装置55と、各種制御を行うCPU(Central Processing Unit)56と、ネットワーク接続装置57とを有するよう構成されており、これらはシステムバスBで相互に接続されている。
【0099】
入力装置51は、ユーザ等が操作するキーボード及びマウス等のポインティングデバイスを有しており、ユーザ等からのプログラムの実行等、各種操作信号を入力する。また、入力装置51は、ネットワーク接続装置57等に接続された外部装置から通信ネットワークを介して得られる既に測定された評価対象部位における皮膚外用剤の塗布後又は近赤外線曝露後に撮影された被写体の顔画像等の各種データを入力することもできる。
【0100】
出力装置52は、本発明における処理を行うためのコンピュータ本体を操作するのに必要な各種ウィンドウやデータ等を表示するディスプレイを有し、CPU56が有する制御プログラムによりプログラムの実行経過や結果等を表示することができる。また、出力装置52は、上述の処理結果等を紙等の印刷媒体に印刷して、ユーザ等に提示することができる。
【0101】
ここで、本発明においてコンピュータ本体にインストールされる実行プログラムは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやCD−ROM、DVD等の可搬型の記録媒体58等により提供される。プログラムを記録した記録媒体58は、ドライブ装置53にセット可能であり、記録媒体58に含まれる実行プログラムが、記録媒体58からドライブ装置53を介して補助記憶装置54にインストールされる。
【0102】
補助記憶装置54は、ハードディスク等のストレージ手段であり、本発明における実行プログラムや、コンピュータに設けられた制御プログラム等を蓄積し必要に応じて入出力を行うことができる。
【0103】
メモリ装置55は、CPU56により補助記憶装置54から読み出された実行プログラム等を格納する。なお、メモリ装置55は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなる。
【0104】
CPU56は、OS(Operating System)等の制御プログラム、及びメモリ装置55に格納されている実行プログラムに基づいて、各種演算や各ハードウェア構成部とのデータの入出力等、コンピュータ全体の処理を制御して各処理を実現することができる。なお、プログラムの実行中に必要な各種情報等は、補助記憶装置54から取得することができ、また実行結果等を格納することもできる。
【0105】
ネットワーク接続装置57は、通信ネットワーク等と接続することにより、実行プログラムを通信ネットワークに接続されている他の端末等から取得したり、プログラムを実行することで得られた実行結果又は本発明における実行プログラム自体を他の端末等に提供することができる。
【0106】
また、ネットワーク接続装置57は、通信ネットワークに接続された外部装置により既に測定された評価対象部位における皮膚外用剤の塗布後又は紫外線曝露後に撮影された被写体の肌画像等の各種データを取得することもできる。
【0107】
上述したようなハードウェア構成により、本発明における画像解析処理を実行することができる。また、プログラムをインストールすることにより、汎用のパーソナルコンピュータ等で本発明における画像解析処理を容易に実現することができる。
【0108】
<画像解析処理手順>
次に、上述した画像解析装置12や画像解析プログラムを用いた本実施形態における画像解析処理手順について説明する。図6は、本実施形態における画像解析処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0109】
図6に示す画像解析処理は、まず、ベースである皮膚外用剤塗布前の被写体の顔画像を取得し(S01)、更に皮膚外用剤塗布後の被写体の顔画像を取得する(S02)。なお、S01及びS02の処理において取得される画像は、上述した顔撮影装置11等において、ハロゲンランプ等の光源を用い、上述したフィルタ等によりフィルタリングされた所定の近赤外領域における被写体の画像を取得する。
【0110】
また、S01の処理においては、予めベース画像を取得しておき、蓄積手段等に蓄積しておいてもよい。
【0111】
また、皮膚外用剤を塗布した後は、その効果が見られる程度に所定時間経過させるのが好ましい。経過させる時間は、皮膚外用剤や塗布量、塗布した部位等により異なる。したがって、S02の処理において取得される画像は、例えば、皮膚外用剤の塗布直後の画像でもよく、更には、塗布してから所定時間経過後(例えば、10分後や30分後等)の画像を継続的に取得してもよい。また、これらの画像は、所定時間毎の画像を経時的に複数取得してもよい。また、S02の処理にて取得した画像は、後段にてS01の画像と比較して解析や評価等を行う。
【0112】
次に、S01及びS02の処理で得られた画像の輝度補正を行う(S03)、また、輝度補正された画像を用いて、2つの画像の差分画像を生成する(S04)。なお、S03及びS04の処理は、予め設定された取得した画像全体に対して行ってもよく、ユーザ等により予め設定された画像中の領域(1又は複数)に対して行ってもよい。
【0113】
次に、S04の処理において、取得した差分画像に対して、領域中における所定画素毎に、その輝度の差分値の大きさにより予め設定された擬似カラーを割り当て(S05)、更にその割り当てた擬似カラーを差分画像に合成して評価画面等を生成し(S06)、生成した画像を画面に表示する(S07)。なお、S06の処理では、上述した画像解析手段45から得られる解析結果や評価手段46から得られる評価結果等を用いて評価画面等の生成を行う。
【0114】
ここで、他の画像による解析を行うか否かを判断し(S08)、他の画像による解析を行う場合(S08において、YES)、S03に戻り、S02の処理で取得した他の画像を用いて後述の処理を行い画像の解析、評価を行う。
【0115】
ここで、画像を解析する際、上述したように予め設定された擬似カラーを指標として用いて評価を行ってもよい。なお、指標の導出は、予め設定された指標を用いてもよく、評価対象部位や皮膚外用剤の成分、既に導出して評価された指標の内容等より任意に設定されてもよい。これにより、皮膚外用剤を使用者に塗布した後の塗りむら等の肌状態を簡便且つ短時間に評価することができる。
【0116】
<画像解析の実施例>
次に、本実施形態における画像解析の実施例について、具体的に説明する。なお、本実施例では、「(1)左頬にしっとり化粧水をコットンで塗布し、塗布前、塗布直後において解析した例」と、「(2)左頬にしっとり乳液をコットンで塗布し、塗布前、塗布直後、及び塗布10分後において解析した例」と、「(3)左毛髪に寝ぐせ直し用ヘアトリートメントを噴霧し、塗布前、塗布直後において解析した例」について説明する。
<(1)化粧水の塗布前後>
図7は、化粧水塗布前後の肌画像の一例を示す図である。図7に示す例では、塗布前と塗布直後における「ベース」、「水1」、「水2」のそれぞれの画像が示されている。ここで、「ベース」は、中心波長を1300nm±40nm程度で取得した画像を示し、「水1」は、中心波長を1500nm±45nm程度で取得した画像を示し、「水2」は、中心波長を1920nm±55nm程度で取得した画像を示している。また、図7に示す塗布直後の領域61−1〜61−3は、皮膚外用剤(図7の例では化粧水)を塗布した部分を示している。
【0117】
また、図7に示されている画像は、全て本実施形態における輝度補正が行われている。輝度補正とは、例えば画像中のある所定の画素単位(例えば、20×20ピクセル)における平均値を算出し、算出した画像に対して黒を輝度30とし、グレーを輝度120として2点で画像全体を補正する。これにより、画像上のノイズを低減して画像を平滑化させることができる。
【0118】
図7によれば、水があると黒く表示され、特に本実施形態における「水2」の近赤外領域に対しては、塗布した領域61−3において、その部分が黒くなっているのがわかる。
【0119】
<解析例>
次に、皮膚外用剤(化粧水、乳液)を塗布した場合の本実施形態における具体的な解析例について、図を用いて説明する。
【0120】
<化粧水塗布:実施例1>
図8は、「水1」における化粧水塗布前後の輝度変化を示す図である。図8に示す例では、塗布前、塗布直後におけるベース画像との差を画像化した例と、その差について選択範囲内において擬似カラー表示した例を示している。また、図8の例では、皮膚表面での反射をある程度補正するために、輝度補正した後、「水1」画像からベース画像を引いた差画像を算出した。この画像では、水を塗布した部分は、白く表示される。
【0121】
図8の例では、塗布領域62に対して化粧水を塗布すると共に、ユーザによりマウス等の入力手段41を用いてドラック等させて所定の選択範囲63を選択させ、その選択範囲の中で画像解析手段45により擬似カラーが設定され、画像生成手段47によりその結果が表示されている。
【0122】
また、本実施形態において、擬似カラーは輝度差に応じて予め設定した色又は模様の表記を行う。つまり、変化した輝度の大きさによって擬似カラー表示し、顔画像に合成して重ねている。したがって、どの程度の差がある領域がどこにあるかを正確に把握することができる。
【0123】
図8の例では、塗布前の選択範囲63−1における擬似カラー表示と、塗布直後の選択範囲63−2における擬似カラー表示とを比較すると、塗布直後の選択範囲63−2の方が、輝度変化量が多いことが示されている。なお、画像解析手段45における画像解析は、予め設定された画素単位(例えば、1×1、2×2等の正方形ピクセル等)で輝度変化値に対応した所定の色による擬似カラーを割り当ててもよい。
【0124】
更に、図8の例では、画像解析手段45により輝度変化値が取得されている。図8の例では、ユーザにより入力手段41等を用いて設定された1又は複数の輝度変化値測定領域(図8の例では、輝度変化値測定領域64−1,64−2)が設定され、設定された領域に対して、例えば「平均輝度±標準偏差」からなる輝度変化値が表示される。
【0125】
図8の例では、輝度変化値測定領域64−1の輝度変化値は、93.1±6.1であり、輝度変化値測定領域64−2の輝度変化値は、71.0±5.7であることがわかる。
【0126】
<化粧水塗布:実施例2>
図9は、「水2」における化粧水塗布前後の輝度変化を示す図である。図9に示す例では、図8と同様に、塗布前、塗布直後におけるベース画像との差を画像化した例と、その差について選択範囲内において擬似カラー表示した例を示している。また、図9の例では、皮膚表面での反射をある程度補正するために、輝度補正した後、「水2」画像からベース画像を引いた差画像を算出した。この画像では、水を塗布した部分は、白く表示される。
【0127】
図9の例では、塗布領域62に対して化粧水を塗布すると共に、ユーザによりマウス等の入力手段41を用いてドラック等させて所定の選択範囲63を選択させ、その選択範囲の中で画像解析手段45により擬似カラーが設定され、画像生成手段47によりその結果が表示されている。
【0128】
図9の例では、塗布前の選択範囲63−1における擬似カラー表示と、塗布直後の選択範囲63−2における擬似カラー表示とを比較すると、塗布直後の選択範囲63−2の方が、輝度変化量が特に多いことが示されている。
【0129】
更に、図9の例では、画像解析手段45により輝度変化値(図9の例では、輝度変化値測定領域64−1,64−2)が設定され、設定された領域に対して、例えば「平均輝度±標準偏差」からなる輝度変化値が表示される。図9の例では、輝度変化値測定領域64−1の輝度変化値は、195.4±7.9であり、輝度変化値測定領域64−2の輝度変化値は、153.6±6.0であることがわかる。つまり、「水1」のときより「水2」の方がベース画像との輝度差が大きいことがわかる。
【0130】
なお、上述では、化粧水塗布前後での、選択領域の水の輝度変化を、幾つかの処理をした後に算出した。また、変化した輝度の大きさによって擬似カラー表示し、顔画像に重ねて表示している。化粧水塗布部分では、「水1」、「水2」の輝度値は大きく変化した。「水1」と「水2」では、変化パターンが若干異なった。これは、波長による水の検出感度、或いは、水の波長により検出している皮膚内の深さが異なることも一因であると考えられる。(参考論文:M Egawa,H Arimoto,T Hirao,M Takahashi, and Y Ozaki,Regional Difference of Water Content in Human Skin Studied by Diffuse−reflectance Near−infrared Spectroscopy−Consideration of Measurement Depth−,Appl Spectrosc,60(1),24−28(2006).
<(2)乳液の塗布前後とその後>
次に、乳液の塗布前後の肌画像について図用いて説明する。図10は、乳液の塗布前後の肌画像の一例を示す図である。なお、図10に示す例では、塗布前と塗布直後、及び塗布後10分経過後における「ベース」、「水1」、「油」、「水2」のそれぞれの画像が示されている。
【0131】
ここで、「ベース」は、中心波長を1300nm±40nm程度で取得した画像を示し、「水1」は、中心波長を1500nm±45nm程度で取得した画像を示し、「油」は、1775nm±50nm程度で取得した画像をし、「水2」は、中心波長を1920nm±55nm程度で取得した画像を示している。また、図10に示す塗布直後の領域61−1〜61−4は、皮膚外用剤(図10の例では乳液)を塗布した部分を示している。また、図10では、取得した全ての図面に対して上述した輝度補正が行われている。
【0132】
図10に示すように、取得される画像の領域62−1〜62−4は、それぞれ「ベース」、「水1」、「油」、「水2」における塗布領域を示しているが、塗布領域62−1〜62−4に示すように水や油があると黒くなる。なお、図10の例では、乳液であるため、水と油が共に変化している。塗布直後に比べて、10分後では、黒さ度合いは低下しているのがわかる。
【0133】
なお、油の画像の取得については、上述した中心波長に限定されず、例えば、約2230〜2400nm程度の帯域(好ましくは中心波長を2345nm±50nm程度の帯域)を用いても同様の画像を取得することができる。これは、以下の説明においても同様である。
【0134】
<乳液:実施例1>
次に、乳液における実施例について説明する。図11は、「水1」における乳液塗布前後の輝度変化を示す図である。図11に示す例では、塗布前、塗布直後、10分後におけるベース画像との差を画像化した例と、その差について選択範囲内において擬似カラー表示した例を示している。また、図11の例では、皮膚表面での反射をある程度補正するために、輝度補正した後、「水1」画像からベース画像を引いた差画像を算出した。この画像では、水を塗布した部分は、白く表示される。
【0135】
図11の例では、塗布領域62に対して化粧水を塗布すると共に、ユーザによりマウス等の入力手段41を用いてドラック等させて所定の選択範囲63を選択させ、その選択範囲の中で画像解析手段45により擬似カラーが設定され、画像生成手段47によりその結果が表示されている。
【0136】
また、本実施形態において、擬似カラーは輝度差に応じて予め設定した色又は模様の表記を行う。つまり、変化した輝度の大きさによって擬似カラー表示し、顔画像に合成して重ねている。したがって、どの程度の差がある領域がどこにあるかを正確に把握することができる。
【0137】
図11の例では、塗布前の選択範囲63−1における擬似カラー表示と、塗布直後の選択範囲63−2における擬似カラー表示とを比較すると、塗布直後の選択範囲63−2の方が、輝度変化量が多いことが示されている。更に、塗布直後の選択範囲63−2における擬似カラー表示と、塗布10分後の選択範囲63−3における擬似カラー表示とを比較すると、塗布10分後の選択範囲63−3の方が、輝度変化量が減っていることが示されている。
【0138】
つまり、図11によれば、皮膚表面での反射をある程度補正するために、輝度補正した後、水や油画像からベース画像を引いた差画像を算出しており、この画像では、水や油を塗布した部分は、白く表示される。また、乳液のため、「水1」は10分後でも保たれている。つまり、肌に残っていることがわかる。
【0139】
また、化粧水塗布前後での、選択領域の「水1」の輝度変化を、上述の化粧水の例と同じように幾つかの処理をした後に算出すると、塗布直後における輝度変化値測定領域64−1の輝度変化値は、119.0±10.5であり、輝度変化値測定領域64−2の輝度変化値は、72.7±4.9である。また、塗布10分後における輝度変化値測定領域64−3の輝度変化値は、103.6±8.0であり、輝度変化値測定領域64−4の輝度変化値は、75.2±4.5であることがわかる。
【0140】
<乳液:実施例2>
次に、乳液における実施例について説明する。図12は、「油」における乳液塗布前後の輝度変化を示す図である。図12に示す例では、塗布前、塗布直後、10分後におけるベース画像との差を画像化した例と、その差について選択範囲内において擬似カラー表示した例を示している。また、図12の例では、皮膚表面での反射をある程度補正するために、輝度補正した後、「油」画像からベース画像を引いた差画像を算出した。この画像では、油を塗布した部分は、白く表示される。
【0141】
図12の例では、塗布領域62に対して化粧水を塗布すると共に、ユーザによりマウス等の入力手段41を用いてドラック等させて所定の選択範囲63を選択させ、その選択範囲の中で画像解析手段45により擬似カラーが設定され、画像生成手段47によりその結果が表示されている。
【0142】
また、本実施形態において、擬似カラーは輝度差に応じて予め設定した色又は模様の表記を行う。つまり、変化した輝度の大きさによって擬似カラー表示し、顔画像に合成して重ねている。したがって、どの程度の差がある領域がどこにあるかを正確に把握することができる。
【0143】
図12の例では、塗布前の選択範囲63−1における擬似カラー表示と、塗布直後の選択範囲63−2における擬似カラー表示とを比較すると、塗布直後の選択範囲63−2の方が、輝度変化量が多いことが示されている。更に、塗布直後の選択範囲63−2における擬似カラー表示と、塗布10分後の選択範囲63−3における擬似カラー表示とを比較すると、塗布10分後の選択範囲63−3の方が、輝度変化量が減っていることが示されている。
【0144】
つまり、図12によれば、皮膚表面での反射をある程度補正するために、輝度補正した後、水や油画像からベース画像を引いた差画像を算出しており、この画像では、水や油を塗布した部分は、白く表示される。また、乳液のため、「油」は10分後でも保たれている。つまり、肌に残っていることがわかる。
【0145】
また、化粧水塗布前後での、選択領域の「油」の輝度変化を、上述の化粧水の例と同じように幾つかの処理をした後に算出すると、塗布直後における輝度変化値測定領域64−1の輝度変化値は、146.8±10.4であり、輝度変化値測定領域64−2の輝度変化値は、109.9±5.8である。また、塗布10分後における輝度変化値測定領域64−3の輝度変化値は、132.5±5.8であり、輝度変化値測定領域64−4の輝度変化値は、103.2±5.0であることがわかる。
【0146】
<乳液:実施例3>
次に、乳液における実施例について説明する。図13は、「水2」における乳液塗布前後の輝度変化を示す図である。図13に示す例では、塗布前、塗布直後、10分後におけるベース画像との差を画像化した例と、その差について選択範囲内において擬似カラー表示した例を示している。また、図13の例では、皮膚表面での反射をある程度補正するために、輝度補正した後、「水2」画像からベース画像を引いた差画像を算出した。この画像では、水を塗布した部分は、白く表示される。
【0147】
図13の例では、塗布領域62に対して化粧水を塗布すると共に、ユーザによりマウス等の入力手段41を用いてドラック等させて所定の選択範囲63を選択させ、その選択範囲の中で画像解析手段45により擬似カラーが設定され、画像生成手段47によりその結果が表示されている。
【0148】
また、本実施形態において、擬似カラーは輝度差に応じて予め設定した色又は模様の表記を行う。つまり、変化した輝度の大きさによって擬似カラー表示し、顔画像に合成して重ねている。したがって、どの程度の差がある領域がどこにあるかを正確に把握することができる。
【0149】
図13の例では、塗布前の選択範囲63−1における擬似カラー表示と、塗布直後の選択範囲63−2における擬似カラー表示とを比較すると、塗布直後の選択範囲63−2の方が、輝度変化量が多いことが示されている。更に、塗布直後の選択範囲63−2における擬似カラー表示と、塗布10分後の選択範囲63−3における擬似カラー表示とを比較すると、塗布10分後の選択範囲63−3の方が、輝度変化量が減っていることが示されている。
【0150】
つまり、図13によれば、皮膚表面での反射をある程度補正するために、輝度補正した後、水や油画像からベース画像を引いた差画像を算出しており、この画像では、水や油を塗布した部分は、白く表示される。また、乳液のため、「水2」は10分後でも保たれている。つまり、肌に残っていることがわかる。
【0151】
また、化粧水塗布前後での、選択領域の「水2」の輝度変化を、上述の化粧水の例と同じように幾つかの処理をした後に算出すると、塗布直後における輝度変化値測定領域64−1の輝度変化値は、194.3±14.8であり、輝度変化値測定領域64−2の輝度変化値は、139.0±4.9である。また、塗布10分後における輝度変化値測定領域64−3の輝度変化値は、184.5±10.6であり、輝度変化値測定領域64−4の輝度変化値は、139.2±5.0であることがわかる。
【0152】
塗布直後では、「油」、「水1」、「水2」が共に塗布した部分が変化している。また、その変化は、「水2」>「水1」であったが、この要因は、前述のように撮影感度、及び、撮影深さの可能性がある。また、塗布10分後では、「水1」、「水2」、「油」が共に直後よりも減少しているが、まだ充分存在していることがわかる。
【0153】
また、塗布部位以外を見ると、「油」では変化がほぼないのに対して、「水2」では塗布前に比べて、10分後の方が、輝度値が変化すると水が増加している。これは、塗布は、洗顔10分後に行ったが、その後、元々もっている肌の機能で、洗顔によって消失した水分量が回復してきた過程を検出している可能性がある。
【0154】
上述したように、複数の近赤外領域でおの画像を組み合わせると、乳液のように水と油の両方の変化を追いたいサンプルに対して、同時解析が可能になる。
【0155】
<(3)ヘアトリートメントの塗布前後>
次に、ヘアトリートメントの塗布前後の肌画像について図用いて説明する。図14は、ヘアトリートメントの塗布前後の頭髪画像の一例を示す図である。なお、図14の例では、塗布前と塗布直後における「ベース」、「水1」、「水2」のそれぞれの画像が示されている。
【0156】
ここで、「ベース」は、中心波長を1300nm±40nm程度で取得した画像を示し、「水1」は、中心波長を1500nm±45nm程度で取得した画像を示し、「水2」は、中心波長を1920nm±55nm程度で取得した画像を示している。また、図14に示す塗布直後の領域61−1〜61−3は、皮膚外用剤(図14の例ではヘアートリートメント)を塗布した部分を示している。また、図14では、取得した全ての図面に対して上述した輝度補正が行われている。
【0157】
図14に示すように、取得される画像の領域62−1〜62−3は、それぞれ「ベース」、「水1」、「水2」における塗布領域を示しているが、塗布領域62−1〜62−3に示すように水があると黒くなる。
【0158】
つまり、図14では、上述した顔撮影装置11に、後頭部をむけて撮影した。図14の例では、水があると黒くなる。ここで、毛髪は、皮膚と違って、もともとの水分量は非常に少ないため、白く写る。ベース画像の塗布直後で黒い部分がある理由は、水系のトリートメントを噴霧すると、しっとりして、噴霧した部分が束になったため、髪の毛が束になって浮いたようになっている。
【0159】
図14に示す「水1」、「水2」画像では、噴霧した部分が、水の吸収で黒く写っている。「水1」と「水2」では、写り方が異なるが、これは、波長による水の検出感度、或いは、撮影深さの違いがあると考えられる。
【0160】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、上述した実施形態で示した内容について、ユーザに提示する画面をよりユーザにわかり易く示したものである。
【0161】
ここで、図15は、他の実施形態における化粧水塗布前後の輝度変化の一例を示す図である。また、図16は、図15に対応する選択範囲擬似カラー表示の一例を示す図である。
【0162】
なお、図15及び図16は、塗布直後における塗布前からの変化(「水1」−「ベース」)、(「油」−「ベース」)、(「水2」−「ベース」)を示している。なお、化粧水は、皮膚外用剤の塗布領域71にそれぞれ示している。また、「水1」、「水2」の場合と、「油」の場合とで輝度変化の差分画像の色を変えて示している。図15では、何れも塗布領域71では、色が濃く表示され、差分値が大きかったことを示している。
【0163】
図16では、上述した擬似カラーを割り当てる選択範囲72と、各条件における輝度変化値測定領域73−1〜73−3が示されている。塗布直後における塗布前からの変化において、「水1」−「ベース」の場合、輝度変化値測定領域73−1の輝度変化値は、185.6±22.7であり、輝度変化値測定領域73−2の輝度変化値は、205.7±17.9であり、輝度変化値測定領域73−3の輝度変化値は、238.7±16.0であることがわかる。また、「油」−「ベース」の場合、輝度変化値測定領域73−1の輝度変化値は、213.7±22.4であり、輝度変化値測定領域73−2の輝度変化値は、234.8±16.5であり、輝度変化値測定領域73−3の輝度変化値は、254.0±5.2であることがわかる。更に、「水2」−「ベース」の場合、輝度変化値測定領域73−1の輝度変化値は、138.4±21.2であり、輝度変化値測定領域73−2の輝度変化値は、193.0±21.5であり、輝度変化値測定領域73−3の輝度変化値は、254.9±1.6であることがわかる。
【0164】
図16では、塗布前からの変化においては、「油」の方は変化が少なく、「水1」、「水2」の方は変化が大きいことがわかる。更に、「水1」よりも「水2」の方が、変化が大きいことがわかる。
【0165】
ここで、図17は、他の実施形態における乳液塗布前後の輝度変化の一例を示す図である。また、図18は、図17に対応する選択範囲擬似カラー表示の一例を示す図である。
【0166】
なお、図17及び図18は、塗布直後及び塗布10分後における塗布前からの変化(「水1」−「ベース」)、(「油」−「ベース」)、(「水2」−「ベース」)を示している。なお、化粧水は、皮膚外用剤の塗布領域71にそれぞれ示している。また、「水1」、「水2」の場合と、「油」の場合とで輝度変化の差分画像の色を変えて示している。図17では、何れも塗布領域71では、色が濃く表示され、差分値が大きかったことを示している。更に、塗布10分後でも塗布領域には、同様の輝度変化が見られる。
【0167】
図18では、上述した擬似カラー選択範囲72と、各条件における輝度変化値測定領域73−4,73−5が示されている。塗布直後における塗布前からの変化において、「水1」−「ベース」の場合、輝度変化値測定領域73−4の輝度変化値は、134.0±19.4であり、輝度変化値測定領域73−5の輝度変化値は、247.4±9.0であることがわかる。また、塗布10分後における塗布前からの変化においては、輝度変化値測定領域73−4の輝度変化値は、128.4±30.3であり、輝度変化値測定領域73−5の輝度変化値は、233.1±12.1であることがわかる。
【0168】
また、塗布直後における塗布前からの変化において、「油」−「ベース」の場合、輝度変化値測定領域73−4の輝度変化値は、153.1±24.9であり、輝度変化値測定領域73−5の輝度変化値は、229.4±15.9であることがわかる。また、塗布10分後における塗布前からの変化においては、輝度変化値測定領域73−4の輝度変化値は、143.6±27.3であり、輝度変化値測定領域73−5の輝度変化値は、226.5±15.9であることがわかる。
【0169】
更に、塗布直後における塗布前からの変化において、「水2」−「ベース」の場合、輝度変化値測定領域73−4の輝度変化値は、69.5±31.2であり、輝度変化値測定領域73−5の輝度変化値は、222.8±15.3であることがわかる。また、塗布10分後における塗布前からの変化においては、輝度変化値測定領域73−4の輝度変化値は、79.8±27.1であり、輝度変化値測定領域73−5の輝度変化値は、179.2±17.0であることがわかる。
【0170】
上述したように、ユーザが指定した輝度変化値測定領域に対する輝度変化値を提示することで、任意の場所に対する変化値を容易に提示することができ、輝度差を数値により明確にすることで容易に把握することができる。
【0171】
なお、上述した画像は、リアルタイムに被写体やユーザに見せることもできるため、皮膚外用剤を塗布しながら化粧カウンセリングを行うといったこともできる。
【0172】
更に、取得した画像を被写体毎に管理して蓄積しておき、ある纏まったデータを用いて統計処理的を行い、経時的な評価を行うこともできる。また、4波長使って肌や毛髪等を解析することができる。
【0173】
<肌の評価手法>
次に、上述した評価手段46における肌(皮膚)等の評価手法について、以下に具体的な実施例を説明する。
【0174】
<実施例1:洗浄効果評価法>
本実施形態における評価手段46は、上述した画像解析手段45により解析した結果に基づいて、例えば近赤外画像を用いた水分分布状態解析から肌の露出を評価することによる洗浄料の洗浄効果を評価することができる。
【0175】
ここで、上述した内容を実施例1として具体的に説明する。実施例1では、一例として近赤外イメージング法を用いて、ファンデーション(FD)を塗布した肌におけるクレンジング製品の効果比較を行う例を示す。
【0176】
洗浄効果を評価する方法としては、例えばユーザの左右の頬部に同一のファンデーションを塗布し、2つのクレンジング製品をコットンに約2ml程度含ませ、約10秒間押し付けた後、ティッシュにて余分なクレンジング製品を取り除く。
【0177】
ここで、図19は、実施例1の評価方法に対する2つの製品の塗布内容を説明するための図である。図19では、ユーザの左右の頬部に対してサンプル(Sample)A、サンプル(Sample)Bの2つのファンデーション(FD)製品に対して、塗布前と、塗布、クレンジング処理、クレンジング処理直後、クレンジング処理15分後の撮影をするときの各種条件を示している。なお、図19に示す例では、近赤外領域として、例えば1950nm、1775nm、1500nm、1460nm、及び1300nmの各帯域による撮影を行うことができる。
【0178】
次に、実施例1では、近赤外カメラ(図2に示すカメラ24)を用い、FD塗布前、FD塗布後、処理直後、及び処理15分後の画像を取得する。なお、処理15分後については、余分な水分が残っていいない状態での確認を行うために実施した。
【0179】
ここで、図20は、実施例1の条件により撮影された画像の一例を示す図である。また、図21は、実施例1の条件での評価結果を示す図である。なお、図20(a),(b)は、何れも一例として近赤外領域が約1950nmでのFD塗布前、FD塗布後、クレンジング処理直後、クレンジング15分後の顔画像を示している。また、これらの画像は、被写体の顎部付近に配置されている反射率の異なる3つの色票のうち、撮影した近赤外領域に対応した色票を用いて画像処理が施されている。また、図20(b)では、図20(a)の画像に対して、更に予め設定された画像処理によりコントラストを強調した画像を示している。
【0180】
図20(a),(b)に示すように、上述した本実施形態における近赤外領域での撮影することで、肌の状態の違いを容易に把握することができる。また、図20(b)に示すようにコントラスト調整することで、更に肌の違いを明確にすることができる。
【0181】
また、図21の近赤外カメラによる洗浄効果を画像化した図では、図21(a)に示すファンデーション塗布後については、サンプルA、サンプルB共にファンデーションが塗布されている部位が暗く表示されており、また、図21(b)に示すクレンジング15分後については、サンプルAでは、暗い部分が残っているが、サンプルBではほとんどなくなっている。そのため、サンプルBの方が、洗浄効果が高いと評価することができる。
【0182】
<実施例2:FD付着状態評価法>
本実施形態における評価手段46は、上述した画像解析手段45により解析した結果に基づいて、例えば近赤外画像を用いた水分分布状態解析から肌の露出を評価することによるファンデーション等の化粧料の付着状態を評価することができる。
【0183】
ここで、上述した内容を実施例2として具体的に説明する。実施例2では、一例として近赤外イメージング法を用いたFD塗布後の経時変化を観察した例を示す。
【0184】
なお、FD付着状態を評価する方法としては、まず左右頬部に化粧持ちの異なるFDを塗布する。次に、近赤外カメラを用いて、FD塗布前、FD塗布直後、60分後の画像を取得する。
【0185】
ここで、図22〜図25は、実施例2の条件において得られる画像例(その1〜その4)を示す図である。まず、図22では、リキッドファンデーション(FD)を塗布したとき(図22(a))、及びパウダリーファンデーション(FD)を塗布したとき(図22(b))の素肌の比較と、FD塗布直後の比較評価を行ったものである。なお、図22の画像は、近赤外領域を約1500nmとして撮影した画像を示している。
【0186】
図22(a)に示すリキッドFDの場合には、FDが塗布されているため、全体が白っぽくなる。また、図22(b)に示すパウダリーFDの場合には、FDが塗布されているため全体に白っぽくなり、塗りむらがグレーに表示される。したがって、図22に示す画像を用いることで、FD付着状態を評価することができる。
【0187】
また、図23に示すように、素顔(洗顔5分後)、塗布直後、塗布後6時間後にそれぞれ撮影された画像から、FD塗布における経時(時系列)変化をみると、塗布直後に白い部分がややグレーになってくるのがわかる。つまり、図23に示すような画像解析を行うことで、FDが落ち着いている様子を判別することができ、FD毎の肌への付着性の評価を行うことができる。
【0188】
また、図24に示すように、塗布直後と6時間後の肌画像の頬部を比較すると、通常の写真(カラー画像)に比べて、上述した近赤外領域で撮影した画像(近赤外領域画像)の方が、違いがはっきりを表示される。そのため、図24に示すような近赤外領域画像を用いることで適切な評価ができることがわかる。
【0189】
更に、本実施形態では、上述した画像生成手段47等において、近赤外カメラによるメーキャップ化粧料塗布状態を画像化した場合に、図25(a)に示すように右顔と左顔とでメークの有り無し画像を生成することができ、また図25(b)に示すように近赤外カメラ画像を生成するもでき、更に図25(c)に示すように化粧料の塗布状態の変化部分を擬似カラー化したカラー画像も生成することもできる。上述した図25(a)〜(c)に示す生成された画面のそれぞれを適宜表示することで、FD付着状態を高精度に評価することができる。
【0190】
上述したように、本実施形態における評価手段46により洗浄料による保湿効果や化粧料の付着状態に対して画像解析による高精度な評価を行うことができる。なお、評価手段46は、保湿効果又は化粧料の付着状態の何れかの評価のみを行ってもよく、また両方の評価を行ってもよい。これらの評価内容は、例えばユーザ等により予め設定することもでき、更に撮影対象に応じて設定することもできる。
【0191】
上述したように、本発明によれば、近赤外領域の画像を用いて皮膚の解析を高精度に行うことができる。更に、その解析結果から、皮膚等に対する高精度な評価を行うことができる。
【0192】
また、本発明によれば、基剤中の水の存在状態の検討や、処方による水の状態の違いのイメージング、皮膚拡大画像(皮丘皮溝での水の塗布状態)、毛髪拡大画像、爪の水分のイメージング等の解析も可能である。
【0193】
また、本発明によれば、化粧を塗る位置毎或いは使用者毎に、塗り方についてカウンセラーによるカウンセリングを実施することができ、その他、広く美容法の評価にも活用することができる。
【0194】
具体的には、本発明によれば、例えば近赤外画像を用いた水分分布状態解析から肌の露出を評価することによる洗浄料の洗浄効果評価や、近赤外画像を用いた水分分布状態解析から肌の露出を評価することによるファンデーション(FD)付着状態評価法等のメーキャップ化粧料塗布状態評価等に適用することができる。
【0195】
更に、本発明によれば、近赤外画像を用いた特定成分の分布解析による新たな肌質分類法として、水分及び油分分布を用いたによる肌質評価法や、近赤外画像を用いた分布状態解析による肌質の評価プログラム、洗浄料の保湿効果評価法、近赤外画像を用いた水分分布状態解析による洗浄料の保湿効果評価法等の幅広い分野で適用することができる。
【0196】
更に、本発明によれば、化粧を塗る位置毎或いは使用者毎に、塗り方についてカウンセラーによるカウンセリングを実施することができ、その他、広く美容法の評価にも活用することができる。
【0197】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0198】
10 撮影システム
11 顔撮影装置
12 画像解析装置
13 ケーブル
21 ドーム(筐体)
22 光源
23 顎乗せ部材
24 撮像装置
31 第1のフィルタ
32 第2のフィルタ
33 第3のフィルタ
41 入力手段
42 出力手段
43 蓄積手段
44 撮影画像取得手段
45 画像解析手段
46 評価手段
47 画像生成手段
48 制御手段
51 入力装置
52 出力装置
53 ドライブ装置
54 補助記憶装置
55 メモリ装置
56 CPU
57 ネットワーク接続装置
58 記録媒体
61 領域
62,71 塗布領域
63,72 選択範囲
64,73 輝度変化値測定領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なる近赤外領域において撮影された被写体の顔画像を用いて、該被写体の皮膚の解析を行う画像解析方法において、
前記被写体に皮膚外用剤を塗布する前後における前記顔画像を取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップにより取得した画像に輝度補正を行う輝度補正ステップと、
前記輝度補正ステップにより得られた前記皮膚外用剤を塗布する前後の画像の差分量を前記複数の異なる近赤外領域毎に取得する差分量取得ステップと、
前記差分量取得ステップにより得られる差分量に基づいて前記被写体の皮膚を解析する解析ステップと、
前記解析ステップにより得られた解析結果を表示する画面を生成する画面生成ステップとを有することを特徴とする画像解析方法。
【請求項2】
前記複数の近赤外領域は、1100〜1360nm、1300〜1640nm、1860〜2200nm、1700〜1860nm、及び2230〜2400nmのうち、少なくとも2つの帯域であることを特徴とする請求項1に記載の画像解析方法。
【請求項3】
前記画面生成ステップは、
前記差分量取得ステップにより得られた差分量の大きさに基づいて予め設定された色又は模様により所定の画素毎に強調表示した画面を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像解析方法。
【請求項4】
前記解析ステップは、
前記画面生成ステップにより得られた解析結果の画面から、ユーザにより設定される前記画面中の所定領域に対する輝度変化値を算出することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像解析方法。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像解析方法により得られる解析結果に基づいて、前記被写体の肌に対する洗浄料による保湿効果の評価及び/又は化粧料の付着状態の評価を行う評価ステップを有することを特徴とする評価方法。
【請求項6】
複数の異なる近赤外領域において撮影された被写体の顔画像を用いて、該被写体の皮膚の解析を行う画像解析装置において、
前記被写体に皮膚外用剤を塗布する前後における前記顔画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得した画像に輝度補正を行う輝度補正手段と、
前記輝度補正手段により得られた前記皮膚外用剤を塗布する前後の画像の差分量を前記複数の異なる近赤外領域毎に取得する差分量取得手段と、
前記差分量取得手段により得られる差分量に基づいて前記被写体の皮膚を解析する解析手段と、
前記解析手段により得られた解析結果を表示する画面を生成する画面生成手段とを有することを特徴とする画像解析装置。
【請求項7】
前記複数の近赤外領域は、1100〜1360nm、1300〜1640nm、1860〜2200nm、1700〜1860nm、及び2230〜2400nmのうち、少なくとも2つの帯域であることを特徴とする請求項6に記載の画像解析装置。
【請求項8】
前記画面生成手段は、
前記差分量取得手段により得られた差分量の大きさに基づいて予め設定された色又は模様により所定の画素毎に強調表示した画面を生成することを特徴とする請求項6又は7に記載の画像解析装置。
【請求項9】
前記解析手段は、
前記画面生成手段により得られた解析結果の画面から、ユーザにより設定される前記画面中の所定領域に対する輝度変化値を算出することを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の画像解析装置。
【請求項10】
前記解析手段により得られた解析結果に基づいて、前記被写体の肌に対する洗浄料による保湿効果の評価及び/又は化粧料の付着状態の評価を行う評価手段を有することを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項に記載の画像解析装置。
【請求項11】
コンピュータを、請求項6乃至10の何れか1項に記載の画像解析装置として機能させることを特徴とする画像解析プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図19】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−206513(P2011−206513A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199389(P2010−199389)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】