説明

画像読み取り装置

【課題】 トラフィックを混雑させることなく画像データを送信することができ、ユーザが速やかに画像データを取得することができる画像読み取り装置を提供する。
【解決手段】 読み取った原稿の画像データG1を圧縮し、画像データG1よりもデータ量が少ない画像データG2〜G5を生成する画像処理部12と、データ量が最小の画像データG5を端末端末3kに送信する通信部14と、端末装置3k及びデジタル複合機間のデータ転送速度を算出するデータ転送速度算出部19と、データ転送速度算出部19により算出されたデータ転送速度が、許容範囲R1〜R4のおうち、いずれの許容範囲に属するかを判定し、属する許容範囲に対応する画像データを端末装置3kに送信させる送信判定部20とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換素子により読み取った原稿の画像データを、電気通信回線を介して接続された端末装置に送信する画像読み取り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、読み取った原稿の画像データの種類に応じて適切な圧縮方法及び圧縮率を選択し、選択した圧縮方法及び圧縮率により画像データを圧縮し、配信先に送信するネットワークスキャナが開示されている。なお、この文献において、写真のような階調数の多い画像に対してはJPEG圧縮により画像データが圧縮され、ビジネス文書のような2値画像に対してはMMR圧縮により画像データが圧縮されている。
【特許文献1】特開2003−298827号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1では、画像データの種類に応じて適切な圧縮アルゴリズムの選択が行われているものの、送信先装置及びネットワークスキャナ間のトラフィックの混雑状況が全く考慮されていない。そのため、トラフィックが混雑しているにも関わらず、データ量の大きな画像データが送信される事態も発生し、この場合、トラフィックを更に混雑させてしまい、ユーザは速やかに原稿の画像データを取得することができなくなるという問題が発生する。
【0004】
本発明の目的は、トラフィックを混雑させることなく画像データを送信することができ、かつ、ユーザが速やかに画像データを取得することができる画像読み取り装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかる画像読み取り装置は、光電変換素子により読み取った原稿の画像データを、電気通信回線を介して接続された端末装置に送信する画像読み取り装置であって、前記画像データの送信先の端末装置を指定するためのユーザによる操作指令を受け付ける受付手段と、前記画像データを第1の画像データとし、当該第1の画像データのデータ量よりもデータ量が少ない第2の画像データを当該第1の画像データから生成する画像処理手段と、前記第2の画像データを指定された端末装置に送信する第1の送信手段と、前記操作指令により指定された端末装置及び当該画像読み取り装置間のデータ転送速度を算出する算出手段と、前記算出手段により算出されたデータ転送速度が所定の値を超えたとき、前記第1の画像データを指定された端末装置に送信する第2の送信手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、上記構成において、前記第2の画像データは、それぞれデータ量が異なる複数種類の画像データを含み、第1の画像データ及び第2の画像データのうち、データ量が最小の画像データ以外の画像データのそれぞれに対し、予め定められたデータ転送速度範囲を記憶する記憶手段を更に備え、前記第1の送信手段は、前記データ量が最小の第2の画像データを前記端末装置に送信し、前記第2の送信手段は、前記算出手段により算出されたデータ転送速度がいずれのデータ転送速度範囲に属しているか否かを判定し、属しているデータ転送速度範囲に対応する画像データを前記端末装置に送信することが好ましい。
【0007】
また、上記構成において、前記第2の送信手段は、前記データ転送速度が所定の値以上になることが予測される所定の時間帯に前記第1の画像データを送信することが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、光電変換素子により読み取られた原稿の画像データである第1の画像データから、当該第1の画像データよりデータ量の少ない第2の画像データが第1の画像データから生成され、ユーザにより指定されたの端末装置に送信される。そして、指定された端末装置及び画像読み取り装置間のデータ転送速度が算出されて、両装置間のトラフィックの混雑状況が計測され、当該データ転送速度が所定の値を超えたとき、すなわち、両装置間のトラフィックが混雑していないとき、第1の画像データが端末装置に送信される。
【0009】
そのため、トラフィックを大幅に混雑させることなく画像データを送信することができる。一方、第2の画像データは、トラフィックの混雑状況に関係なく、速やかに端末装置に送信されているため、ユーザは、原稿の画像データを速やかに取得することができる。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、算出手段により算出されたデータ転送速度が、第1の画像データ及び第2の画像データのうち、データ量が最小の最小画像データ以外の画像データのそれぞれに対して予め定められたデータ転送速度範囲に属する場合、当該データ転送速度範囲に対応する画像データが端末装置に送信されるため、データ量が異なる画像データのバリエーションが増す結果、ユーザはより速やかに原稿の画像データを取得することができる。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、データ転送速度が所定の値以上となることが予測される所定の時間帯に第1の画像データが端末装置に送信されるため、ユーザは、当該時間帯においてより確実に画像データを取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態による画像読み取り装置について図面を参照して説明する。図1は、本画像読み取り装置をデジタル複合機に適用したときのデジタル複合機の内部構成図を示している。ADF(オートドキュメントフィーダ)部110は、複数枚の原稿Pが載置可能な原稿トレイ111と、載置された原稿Pを1枚ずつピックアップする給紙ローラ対112と、ピックアップされた原稿Pを原稿読み取り位置RPまで搬送し、かつ、原稿Pの斜め送りを規制して原稿先端を整えるレジストローラ対113とを備えている。レジストローラ対113の近傍には、原稿Pの画像先端の原稿読み取り位置RPへの搬送タイミングを決定する際に用いられるタイミングスイッチ114が配設されている。
【0013】
原稿載置部120は、原稿読み取り位置RPの下側に配設された光源121と、原稿読み取り位置RPにおける原稿Pの反射光をミラー122、123、124及び集光レンズ125を介して受光する光ラインセンサ126とを備えている。また、原稿載置部120の上面には、透明かつ平板状のコンタクトガラス127が配設されている。コンタクトガラス127の原稿読み取り位置RPの対応する位置には、シェーディング補正用の白色かつ平板状のシェーディング板128が取り付けられている。
【0014】
原稿トレイ111に載置された原稿Pを読み取る自動読み取りモードにおいては、光源121は、固定状態で給紙ローラ対112等によって1枚ずつ搬送される原稿Pに対し光を照射し、光ラインセンサ126は、その反射光を例えば1ライン単位で読み取る。コンタクトガラス127に載置された原稿を読み取る手動読み取りモードにおいては、光源121は、原稿Pに対し光を照射しつつ、図略のモータによる駆動力を受けて、右方向に一定速度で移動し、光ラインセンサ126は、その原稿Pからの反射光を例えば1ライン単位で読み取る。なお、光源121は、例えば点線で示す光源121´の位置まで移動すると、光の照射を停止し、図略のモータによる駆動力を受けて、左方向に一定速度で移動し、実線で示す光源121の位置(ホームポジション)に戻される。光ラインセンサ126は、CCD(Charge Coupled Device)、又は、CIS(Contact Image Sensor)等により構成される。
【0015】
本体部200は、複数の給紙カセット201、複数の給紙ローラ202、転写ローラ203、感光体ドラム204、現像装置205、露光装置206、定着ローラ208、排出口209及び排出トレイ210等を備える。
【0016】
感光体ドラム204は、矢印方向に回転しながら帯電装置(図示省略)によって一様に帯電される。露光装置206は、光ラインセンサ126において読み取られた原稿の画像データに基づいて生成された変調信号をレーザ光に変換して出力し、感光体ドラム204に静電潜像を形成する。現像装置205は、現像剤を感光体ドラム204に供給してトナー像を形成する。
【0017】
一方、給紙ローラ202は、記録紙が収納された給紙カセット201から記録紙を引き出し、転写ローラ203まで給送する。転写ローラ203は、搬送された記録紙に感光体ドラム204上のトナー像を転写させ、定着ローラ208は、転写されたトナー像を加熱して記録紙に定着させる。その後、記録紙は、本体部200の排出口209から用紙後処理部300に搬入される。また、記録紙は、必要に応じて排出トレイ210へも排出される。
【0018】
用紙後処理部300は、搬入口301、記録紙搬送部302、搬出口303及びスタックトレイ304等を備える。記録紙搬送部302は、排出口209から搬入口301に搬入された記録紙を順次搬送し、最終的に搬出口303からスタックトレイ304へ記録紙を排出する。スタックトレイ304は、搬出口303から搬出された記録紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
【0019】
図2は、図1に示すデジタル複合機の電気的構成を示すブロック図である。デジタル複合機は、画像取得部11、画像処理部12、印刷部13、通信部14、操作部15、表示部16、画像メモリ17、制御部18、データ転送速度算出部19、送信判定部20、及び判定テーブル記憶部21を備えている。通信部14は、LANネットワークNを介してN台(Nは正数)の端末装置31〜3Nと接続されている。通信プロトコルとしては、TCP/IP(transmission control protocol/internet protocol)が用いられる。
【0020】
画像取得部11は、図1に示すADF部110及び原稿載置部120から構成され、原稿を読み取ることにより原稿の画像データG1(第1の画像データ)を取得し、画像メモリ17に記憶させる。画像処理部12は、画像メモリ17に記憶された画像データG1を圧縮することにより1又は複数枚の画像データ(第2の画像データ)を生成し、画像メモリ17に記憶させる。本実施形態では画像処理部12は、4枚の画像データを生成するものとする。以下、この4枚の画像データに対し、データ量の大きいものから順に、G2〜G5の符号を付して表わす。ここで圧縮とは、JPEG(joint photographic expert group)、MH(Modified Huffman)、MR(Modified Read)、MMR(Modified MR)、RLE、LZW、プログレッシブJPEG、PACKBITS、及びJBIG等の所定の圧縮アルゴリズムを用いて画像データを圧縮する態様と、解像度を低下させる処理により画像データを態様と、両態様を組み合わせて画像データを圧縮する態様とが含まれる。
【0021】
印刷部13は、図1に示す転写ローラ203、感光体ドラム204、現像装置205、露光装置206、及び定着ローラ208から構成され、制御部18の制御の下、画像メモリ17に記憶された画像データを記録紙に印刷する。
【0022】
通信部14は、LAN(local area network)ボード等から構成され、制御部18の制御の下、ユーザにより指定された端末装置3k(1≦k≦N)に対して、画像取得部11により取得された画像データを送信する。
【0023】
操作部15は、操作ボタンなどを表示されるタッチパネル、印刷部数等を入力するためのテンキー、原稿読み取り動作を開始させるためのスタートキー、及び方向キー等を含み、ユーザがデジタル複合機に対して種々の操作指令を入力する際に使用される。特に、本実施形態では、ユーザが画像データの送信先を指定するための端末装置の識別情報を入力する際に使用される。識別情報としては、コンピュータ名又はIPアドレス等が採用される。
【0024】
表示部16は、タッチパネルから構成される。画像メモリ17は、ハードディスク等から構成され、画像取得部11により取得された画像データ等を記憶する。制御部18は、CPU(central processing unit)、ROM(read only memory)、及びRAM(random access memory)等から構成され、デジタル複合機の全体を制御する。
【0025】
データ転送速度算出部19は、通信部14を介してICMP(Internet Control Message Protocol)のエコー要求パケット(PINGパケット)を、端末装置3kに送信し、PINGパケットの応答時間を計測する。また、データ転送速度算出部19は、計測した応答時間及びPINGパケットのデータ量からデジタル複合機及び端末装置3k間のデータ転送速度を算出する。なお、データ転送速度が速いほど、トラフィックは混雑しておらず、データ転送速度が遅いほど、トラフィックは混雑している。
【0026】
判定テーブル記憶部21は、画像データG1〜G4と、画像データG1〜G4のそれぞれに対するデータ転送速度の値域とが関連づけて記載された判定テーブルを記憶する。図3は、判定テーブルのデータ構造を模式的に示した図面である。図3に示すV1〜V5は、それぞれデータ転送速度を示し、V1〜V4の順にデータ転送速度は遅くなる。図3に示す許容範囲R1〜R4は、それぞれ画像データG1〜G4に対応している。許容範囲R1のデータ転送速度の値域はV1以上であり、許容範囲R2のデータ転送速度の値域はV2以上V1未満であり、許容範囲R3のデータ転送速度の値域は、V3以上V2未満であり、許容範囲R4のデータ転送速度の値域はV4以上V3未満である。なお、V1〜V4の値は、実験によって得られた値が用いられている。
【0027】
図2に示す送信判定部20は、判定テーブル記憶部21を参照し、データ転送速度算出部19により算出された前記データ転送速度が、許容範囲R1〜R4のいずれに属するかを判定し、属する許容範囲に対応する画像データが端末装置3kに送信されるように通信部14を制御する。
【0028】
端末装置31〜3Nは、LANによる通信機能を備える通常のパーソナルコンピュータから構成され、デジタル複合機に対し、LANネットワークNを介して印刷データを送信する、あるいは、デジタル複合機からLANネットワークNを介して画像データが送信される。
【0029】
本実施形態では、画像処理部12が画像処理手段の一例に相当し、操作部15及び制御部18が受付手段の一例に相当し、制御部18及び通信部14が第1の送信手段の一例に相当し、データ転送速度算出部19が算出手段の一例に相当し、送信判定部20及び通信部14が第2の送信手段の一例に相当し、判定テーブル記憶部21が記憶手段の一例に相当する。
【0030】
次に、本デジタル複合機の動作について図4に示すフローチャートを用いて説明する。本デジタル複合機は、読み取った原稿の画像データを記録紙に印刷するモード、読み取った原稿の画像データを記録紙に印刷することなく端末装置3kに送信するモードを備え、本フローチャートが開始される前に、後者のモードがユーザにより予め選択されているものとする。また、本フローチャートは、原稿トレイ111又はコンタクトガラス127に原稿がセットされ、ユーザが操作部15のスタートボタンを押したときに開始される。
【0031】
まず、ステップS1において、操作部15を用いてユーザにより画像データを送信する端末装置3kの識別情報が入力された場合(S1でYES)、入力された識別情報が制御部18により受け付けられ、処理がステップS2に進められ、一方、前記識別情報が入力されていない場合(S1でNO)、処理がステップS1に戻される。具体的には、ユーザにより識別情報が入力された後、表示部16に表示された確認ボタンが押された時、制御部18は識別情報を取得する。
【0032】
ステップS2において、データ転送速度算出部19は、ICMP(Internet Control Message Protocol)のエコー要求パケット(PINGパケット)を、端末装置3kに送信し、当該パケットの応答時間を計測する。これにより、デジタル複合機及び端末装置3k間のトラフィックの混雑状況が分かる。
【0033】
ステップS3において、画像取得部11は、原稿の読み取り動作を開始し、画像データG1を取得し、画像メモリ17に記憶させる(S4)。
【0034】
ステップS5において、制御部18が画像データG1のデータ量が所定の値を超えるか否かを判定し、超えると判定した場合(S5でYES)、処理がステップS6に進められ、超えないと判定した場合(S5でNO)、通信部14は、画像データG1を端末装置3kに送信し(S7)、処理が終了される。すなわち、画像データG1のデータ量が所定の値よりも低い場合は、当該画像データを端末装置3kに送信しても、トラフィックの混雑状況に大きな影響を与えないため、本実施形態では画像データG1を送信することとしている。
【0035】
ステップS6において、画像処理部12は、画像データG1を圧縮することにより、画像データG1よりもデータ量が少ない画像データG2〜G5を生成する。なお、画像データG1の解像度を1/nにする処理は、例えば、画像データG1をn×nの画素からなるブロックに区画し、各ブロックを構成するn2個の画素データの平均値、又は中央値等の代表値を、そのブロックの階調値として、各ブロックを1画素に纏めることにより行われる。
【0036】
図5に示すステップS8において、制御部18は、通信部14を介して、データ量が最小の画像データである画像データG5を端末装置3kに送信する。ここで、画像データG5はデータ量が少ないため、トラフィックが混雑しているときに送信しても、トラフィックに与える影響は少ない。一方、画像データG5は、生成後速やかに端末装置3kに送信されているため、ユーザは速やかに原稿の画像データを取得することができる。
【0037】
ステップS9において、データ転送速度算出部19は、ステップS2で計測したPINGパケットの応答時間から、デジタル複合機及び端末装置3間のデータ転送速度を算出する。ここで、データ転送速度算出部19により計測された応答時間がt秒、PINGパケットのデータ量がmバイトとすると、デジタル複合機及び端末装置3k間のデータ転送速度はm/t/2=2・m/tBPS(Byte Per Second)と算出される。
【0038】
ステップS10において、送信判定部20は、判定テーブルを参照して、ステップS9で算出されたデータ転送速度が許容範囲R1〜R4のうち、いずれの許容範囲に属するか否かを判定し、いずれかの許容範囲に属している場合(S10でYES)、許容範囲に対応する画像データを端末装置3kに送信する(S12)。具体的には、データ転送速度が、許容範囲R1に属する場合、画像データG1が端末装置3kに送信され、許容範囲R2に属する場合、画像データG2が送信され、許容範囲R3に属する場合、画像データG3が送信され、許容範囲R4に属する場合、画像データG4が送信される。
【0039】
一方、ステップS9で算出されたデータ転送速度が許容範囲R1〜R4のいずれにも該当しない場合(S10でNO)、所定時間経過した後(S11)、処理がステップS9に戻され、再度、データ転送速度が算出される。
【0040】
以上説明したように、本デジタル複合機によれば、画像取得部11により取得された画像データG1が、画像処理部12により圧縮されて画像データG2〜G5が生成され、生成された画像データG2〜G5のうち、データ量が最小の画像データG5が生成後速やかに端末装置3kに送信される。そして、デジタル複合機及び端末装置3k間のデータ転送速度が、許容範囲R1〜R4のいずれかに属するようになるまで、繰り返し算出され、いずれかの許容範囲に属するようになった場合、当該許容範囲に対応する画像データが端末装置3kに送信される。そのため、トラフィックの混雑状況に対して大きな影響を与えることなく、ユーザは速やかに原稿の画像データを取得することができる。
【0041】
なお、本発明は以下の態様を採用してもよい。
【0042】
(1)上記実施形態では本発明による画像読み取り装置をデジタル複合機に適用した場合を例示したが、これに限定されず、複写機、ファクシミリ装置、及びスキャナに適用してもよい。
【0043】
(2)上記実施形態では、画像処理部12はデータ量が異なる4枚の画像データG2〜G5を生成したが、これに限定されず、3枚以下の画像データ、あるいは、5枚以上の画像データを生成してもよい。ここで、画像処理部12が1枚の画像データを生成する場合は、送信判定部20は画像データG1〜G4から1枚のデータを決定する必要がなくなるため、判定テーブル記憶部21は不要となる。
【0044】
(3)上記実施形態では、デジタル複合機及び端末装置3k間のデータ転送速度を基に、画像データG1〜G4の送信タイミングを決定しているが、これに限定されず、トラフィックが混雑しないことが予想される時間帯(例えば、お昼休み)を予め定めておき、その時間帯になったとき、強制的に画像データG1〜G4のうち、いずれかの画像データを送信してもよい。この場合、送信判定部20がデータ転送速度を基に、画像データG1〜G4のうち送信する画像データを決定してもよいし、画像データG1〜G4のうち、予め定められた画像データを強制的に送信してもよい。
【0045】
(4)上記実施形態では、LANネットワークNを介してデジタル複合機及び端末装置31〜3Nが接続されていたがこれに限定されず、専用回線、インターネット等を介して接続してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本画像読み取り装置をデジタル複合機に適用したときのデジタル複合機の内部構成図を示している。
【図2】図1に示すデジタル複合機の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】判定テーブル記憶部のデータ構造を模式的に示した図面である。
【図4】本デジタル複合機の動作を示すフローチャートである。
【図5】本デジタル複合機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
11 画像取得部
12 画像処理部
13 印刷部
14 通信部
15 操作部
16 表示部
17 画像メモリ
18 制御部
19 データ転送速度算出部
20 送信判定部
21 判定テーブル記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換素子により読み取った原稿の画像データを、電気通信回線を介して接続された端末装置に送信する画像読み取り装置であって、
前記画像データの送信先の端末装置を指定するためのユーザによる操作指令を受け付ける受付手段と、
前記画像データを第1の画像データとし、当該第1の画像データのデータ量よりもデータ量が少ない第2の画像データを当該第1の画像データから生成する画像処理手段と、
前記第2の画像データを指定された端末装置に送信する第1の送信手段と、
前記操作指令により指定された端末装置及び当該画像読み取り装置間のデータ転送速度を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出されたデータ転送速度が所定の値を超えたとき、前記第1の画像データを指定された端末装置に送信する第2の送信手段とを備えることを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項2】
前記第2の画像データは、それぞれデータ量が異なる複数種類の画像データを含み、
第1の画像データ及び第2の画像データのうち、データ量が最小の画像データ以外の画像データのそれぞれに対し、予め定められたデータ転送速度範囲を記憶する記憶手段を更に備え、
前記第1の送信手段は、前記データ量が最小の第2の画像データを前記端末装置に送信し、
前記第2の送信手段は、前記算出手段により算出されたデータ転送速度がいずれのデータ転送速度範囲に属しているか否かを判定し、属しているデータ転送速度範囲に対応する画像データを前記端末装置に送信することを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
【請求項3】
前記第2の送信手段は、前記データ転送速度が所定の値以上になることが予測される所定の時間帯に前記第1の画像データを送信することを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−14195(P2006−14195A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191669(P2004−191669)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】