画像送信装置、表示システム、画像送信プログラム及び記録媒体
【課題】表示画像の構成を設定可能な画像送信装置、表示システム、画像送信プログラム及び記録媒体を提供すること。
【解決手段】表示装置に表示させる表示画像の画像データを送信する画像送信装置であって、前記表示画像を構成するオブジェクトを選択する選択部(画像選択部46及び図形描画部47)と、選択されたオブジェクトの画像データに基づいて、前記表示画像の画像データとなる送信用データを生成するデータ生成部54と、生成された送信用データを表示装置に送信するデータ送信部55とを備える。これによれば、選択されたオブジェクトの画像により構成された表示画像の画像データが、表示装置に送信されるので、当該表示装置にて不要な画像が表示されてしまうことを防ぐことができる。
【解決手段】表示装置に表示させる表示画像の画像データを送信する画像送信装置であって、前記表示画像を構成するオブジェクトを選択する選択部(画像選択部46及び図形描画部47)と、選択されたオブジェクトの画像データに基づいて、前記表示画像の画像データとなる送信用データを生成するデータ生成部54と、生成された送信用データを表示装置に送信するデータ送信部55とを備える。これによれば、選択されたオブジェクトの画像により構成された表示画像の画像データが、表示装置に送信されるので、当該表示装置にて不要な画像が表示されてしまうことを防ぐことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に画像データを送信する画像送信装置、前記画像送信装置及び表示装置を備える表示システム、前記画像送信装置にて実行される画像送信プログラム、並びに、前記画像送信プログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像データを送信する画像送信装置と、当該画像データに応じた画像を表示する画像表示装置とを備えた表示システムが知られている。このような表示システムとして、画像送信装置としてのPC(Personal Computer)と、画像表示装置としてのプロジェクタとをUSB(Universal Serial Bus)ケーブルを介して接続したプロジェクタシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載のプロジェクタシステムでは、PCにて生成された画像データが、USBケーブルを介してプロジェクタに送信され、当該プロジェクタは、取得した画像データに応じた画像をスクリーン等の投射面上に形成及び表示する。このようなプロジェクタは、1台で比較的大きな画像を表示することができるので、当該プロジェクタを有するプロジェクタシステムは、企業でのプレゼンテーションや、ホームシアター等の用途に用いられることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−69996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のプロジェクタシステムでは、PCからプロジェクタに送信される画像データは、当該PCの動作中画面に係る画像データである。すなわち、当該画像データには、PCにて実行される所定のアプリケーションの実行中画面に係る画像データのほか、OS(Operation System)のデスクトップに係る画像データが含まれる場合がある。このため、デスクトップの壁紙として設定された画像や、議事録作成のために起動しているメモ帳の画像等、PCの使用者にとって他者に見せたくない画像を含む画像データがプロジェクタに送信されてしまい、当該画像がプロジェクタにより表示されてしまうという問題がある。このため、PC等の画像送信装置側で、プロジェクタに表示させる画像を設定することができる構成が望まれてきた。
【0006】
本発明の目的は、表示画像の構成を設定可能な画像送信装置、表示システム、画像送信プログラム及び記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するために、本発明の画像送信装置は、表示装置に表示させる表示画像の画像データを送信する画像送信装置であって、前記表示画像を構成するオブジェクトを選択する選択部と、選択された前記オブジェクトの画像データに基づいて、前記表示画像の画像データとなる送信用データを生成するデータ生成部と、生成された前記送信用データを前記表示装置に送信するデータ送信部とを備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、オブジェクトとは、例えば、画像送信装置がPCで構成されている場合には、当該PCに設けられたHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段に記憶された静止画像及び動画、実行中のアプリケーション、並びに、文字列及び図形等を示す総称である。
また、表示装置は、画像送信装置に接続された表示装置を示し、前述のようなプロジェクタ等を例示することができる。
【0009】
本発明によれば、選択部により選択されたオブジェクトの画像データに基づいて表示画像の画像データが生成され、当該画像データが表示装置に送信される。すなわち、表示装置に送信される表示画像の画像データは、選択部により選択されたオブジェクトの画像データに基づくものである。これによれば、画像送信装置の使用者が、表示画像の構成を設定することができる。従って、不要な画像データ、例えば、画像送信装置の使用者にとって他者に見せたくない画像の画像データが表示装置に送信され、当該見せたくない画像が表示装置により表示されてしまうことを防ぐことができる。
【0010】
本発明では、前記選択部により選択された前記オブジェクトの画像の前記表示画像におけるレイアウトを設定するレイアウト設定部を備え、前記データ生成部は、前記レイアウト設定部により設定された前記レイアウトに基づいて、前記送信用データを生成することが好ましい。
これによれば、表示画像におけるオブジェクトの画像のレイアウト(例えば、表示位置及びサイズ等)を設定することができるので、当該表示画像における所望の位置に、所望のサイズで、オブジェクトの画像を表示することができる。また、オブジェクトが複数選択されている場合には、当該各オブジェクトの画像の少なくとも一部が互いに重なるように、これらオブジェクトの画像を配置及び表示することができる。従って、表示装置により表示される表示画像の設定自由度を向上することができる。
【0011】
本発明では、前記表示装置により表示可能な画像の表示サイズを取得する表示サイズ取得部と、取得された前記表示サイズに応じたレイアウト領域を形成するレイアウト領域形成部と、前記選択部により選択された前記オブジェクトに対応する画像イメージを、前記レイアウト領域に配置する画像配置部とを備え、前記レイアウト設定部は、前記レイアウト領域において設定された前記画像イメージに応じて、前記画像イメージに対応する前記オブジェクトのレイアウトを設定することが好ましい。
【0012】
本発明によれば、レイアウト領域形成部により表示装置の表示サイズに応じて形成されたレイアウト領域に対する画像イメージのレイアウトを設定することにより、表示画像におけるオブジェクトの画像のレイアウトを設定することができる。従って、表示画像の設定状況を視覚的に判断することができるので、当該表示画像の設定を容易に行うことができる。
【0013】
本発明では、前記オブジェクトの最背面からの位置を示す階層を設定する階層設定部を備え、前記データ生成部は、前記階層設定部により設定された前記階層が低い前記オブジェクトから順に、前記送信用データを生成することが好ましい。
【0014】
ここで、オブジェクト同士の一部が互いに重なるように配置された場合、一方のオブジェクトが背面側に配置され、他方のオブジェクトが前面側に配置される。このような場合、前面側のオブジェクトの画像が先に更新され、背面側のオブジェクトの画像が後に更新されてしまうと、表示画像において各オブジェクトの画像の前後関係が崩れてしまう。
これに対し、本発明では、階層が低いオブジェクト、すなわち、背面側のオブジェクトから順に送信用データを生成することにより、背面側のオブジェクトの画像が先に更新され、前面側のオブジェクトの画像が後に更新されるので、表示画像において、背面側のオブジェクトの画像を背面側に位置させ、前面側のオブジェクトの画像を前面側に位置させることができる。従って、設定されたレイアウトに基づく表示画像を確実に表示させることができる。
【0015】
本発明では、前記データ送信部は、前記データ生成部により前記オブジェクトごとに生成された前記送信用データを送信することが好ましい。
本発明によれば、互いに重ならないようにオブジェクトが配置されている場合に、画像を更新する必要の無い静止画等の画像データについては表示装置に送信せず、画像を更新する必要のある動画等の画像データについては表示装置に順次送信するように設定することができる。従って、表示装置に送信するデータ量を低減することができる。
【0016】
或いは、本発明では、前記データ送信部は、前記データ生成部により前記表示画像の1画面分ごとに生成された前記送信用データを送信することが好ましい。
ここで、互いに重なるようにオブジェクトが配置されている場合では、オブジェクトごとに当該オブジェクトの画像データを含む送信用データが送信されると、表示画像では、背面側のオブジェクトの画像が表示された後、前面側のオブジェクトの画像が表示される。このため、各オブジェクトの前後関係が適切でない表示画像が表示されるタイミングが生じてしまう。
これに対し、本発明では、1画面分の画像データを生成した後、当該1画面分の画像データに基づく送信用データが送信されるので、このような不都合が生じることを防ぐことができる。従って、設定されたレイアウトどおりの表示画像を適切に表示することができる。
【0017】
本発明では、前記データ生成部は、新たに生成された前記1画面分の画像データが、前記新たに生成された1画面分の画像データより前に生成された前記1画面分の画像データに対して変化したか否かを判定する変化判定部と、前記変化判定部により、変化があったと判定されると、前記新たに生成された1画面分の画像データから、前記前に生成された1画面分の画像データとの差分となる差分画像データを取得する差分取得部と、前記差分画像データに基づいて、前記送信用データを生成する送信用データ生成部とを備えることが好ましい。
【0018】
本発明によれば、表示装置に送信される送信用データには、新たに生成された1画面分の画像データと、当該画像データより前に生成された1画面分の画像データとの差分となる差分画像データが含まれる。これによれば、表示装置に1画面分の画像データを順次送信することがなくなるので、当該表示装置に送信するデータ量を低減することができる。
【0019】
本発明では、前記送信用データ生成部は、前記差分画像データにより形成される画像が矩形でない場合に、前記差分画像データを分割して、形成される画像が矩形となる複数の矩形画像データを生成し、前記各矩形画像データに基づいて、それぞれ前記送信用データを生成することが好ましい。
本発明によれば、表示装置にそれぞれ送信される送信用データは、矩形の画像を形成する矩形画像データを含むので、表示装置にて表示画像を生成する際に、現在表示中の表示画像の画像データに、更新分の画像データである矩形画像データを結合しやすくすることができる。従って、表示装置における画像表示処理の負担を軽減することができるほか、表示画像を適切に表示させることができる。
【0020】
或いは、本発明では、前記送信用データ生成部は、前記差分画像データにより形成される画像が矩形でない場合に、前記表示装置にて表示されない領域を付加して、形成される画像が矩形となる矩形画像データを生成し、前記矩形画像データに基づいて、前記送信用データを生成することが好ましい。
【0021】
ここで、差分画像データの画像が矩形でない場合に、当該画像を複数の矩形画像に分割し、分割された矩形画像の画像データを含む送信用データをそれぞれ生成すると、分割数が多い場合には、送信用データの生成処理の負担が大きくなる。また、表示装置における当該画像の位置を示すヘッダ情報が、各送信用データには含まれることとなるので、表示装置に送信されるデータ量が多くなる場合がある。
これに対し、本発明では、表示装置にて表示されない領域を差分となる画像に付加して、形成される画像が矩形となるように生成した矩形画像データに基づいて送信用データを生成するので、1つの変化領域に対して1つの送信用データを生成すれば足りることとなり、表示装置に送信するデータ量を少なくすることができる。また、このような付加領域を表示しないように、表示装置が表示画像を更新することにより、当該表示画像を適切に表示することができる。
【0022】
また、本発明の表示システムは、前述の画像送信装置と、前記画像送信装置から送信された画像データに基づいて表示画像を表示する表示装置とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、前述の画像送信装置と同様の効果を奏することができ、これにより、表示システムの汎用性を向上することができる。
【0023】
また、本発明の画像送信プログラムは、表示装置に表示させる表示画像の画像データを送信する画像送信装置にて実行される画像送信プログラムであって、前記画像送信装置に、前記表示装置により表示可能な画像の表示サイズを取得する表示サイズ取得ステップと、取得された前記表示サイズに応じたレイアウト領域を形成するレイアウト領域形成ステップと、前記表示画像に含めるオブジェクトを選択する選択ステップと、前記選択ステップにて選択された前記オブジェクトに対応する画像イメージを、前記レイアウト領域に配置する画像配置ステップと、前記レイアウト領域に配置された前記画像イメージに応じて、前記画像イメージに対応する前記オブジェクトの画像の前記表示画像におけるレイアウトを設定するレイアウト設定ステップと、前記オブジェクトの最背面からの位置を示す階層を設定する階層設定ステップと、選択された前記オブジェクトの画像データのうち、前記階層設定ステップにより設定された前記階層が低い前記オブジェクトから順に、前記レイアウトに基づいて、前記表示画像の画像データとなる送信用データを生成するデータ生成ステップと、生成された前記送信用データを前記表示装置に送信するデータ送信ステップと、を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、当該画像送信プログラムを画像送信装置が実行することにより、前述の画像送信装置と同様の効果を奏することができる。
【0024】
また、本発明の記録媒体は、前述の画像送信プログラムをコンピュータ読取可能に記録したことを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体にコンピュータ読取可能に記録された画像送信プログラムを画像送信装置が読み取って実行することで、前述の画像送信装置と同様の効果、すなわち、表示装置に表示させる表示画像の設定を行うことが可能となる。また、記録媒体として、DAT(Digital Audio Tape)等の磁気テープ、FD(Flexible Disc)等の磁気ディスク、CD(Compact Disc)及びDVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク、光磁気ディスク、ハードディスク装置、並びに、半導体メモリ等を用いることができ、これらを利用して、画像送信プログラムを画像送信装置にてインストール及び実行することができるほか、当該画像送信プログラムの配布を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態に係る表示システムの構成を示すブロック図。
【図2】前記実施形態における動作画像の一例を示す図。
【図3】前記実施形態における画像送信アプリの実行時画面を示す図。
【図4】前記実施形態における文字入力領域を示す図。
【図5】前記実施形態における画像送信アプリ実行部の構成を示すブロック図。
【図6】前記実施形態における画像送信アプリ実行時処理を示すフローチャート。
【図7】前記実施形態における送信対象設定処理を示すフローチャート。
【図8】前記実施形態における設定情報取得処理を示すフローチャート。
【図9】前記実施形態におけるデータ送信処理を示すフローチャート。
【図10】前記実施形態におけるデータ送信処理を示すフローチャート。
【図11】前記実施形態におけるパケット送信処理を示すフローチャート。
【図12】前記実施形態における送信先機器で表示される表示画像を示す図。
【図13】本発明の第2実施形態に係る表示システムのPCを構成する画像送信アプリ実行部を示すブロック図。
【図14】前記実施形態におけるパケットに含まれる画像データの一例を示す図。
【図15】前記実施形態における画像送信アプリ実行時処理を示すフローチャート。
【図16】前記実施形態における設定情報取得処理を示すフローチャート。
【図17】前記実施形態におけるデータ送信処理を示すフローチャート。
【図18】前記実施形態における画像生成処理を示すフローチャート。
【図19】本発明の第3実施形態に係る表示システムのPCが生成するパケットに含まれる画像データの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔1.第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
〔表示システムの構成〕
図1は、本実施形態に係る表示システム1の構成を示すブロック図である。
本実施形態の表示システム1は、図1に示すように、表示装置としてのプロジェクタ2と、当該プロジェクタ2等の外部機器に表示させる表示画像の画像データを送信する画像送信装置としてのノート型PC(Personal Computer;以下、「PC」と略す)3とを備えている。なお、本実施形態においては、プロジェクタ2とPC3とはLAN(Local Area Network)により接続されているが、USB(Universal Serial Bus)等により接続してもよい。
【0027】
〔プロジェクタの構成〕
プロジェクタ2は、PC3から受信されたパケットに含まれる画像データに応じた表示画像を表示する。具体的に、プロジェクタ2は、光源から射出された光束を変調して、当該画像データに応じた画像光を形成し、当該画像光をスクリーン等の投射面上に拡大投射することにより、表示画像を投射面上に表示する。このようなプロジェクタ2は、画像表示手段21と、制御手段22とを備えている。
【0028】
画像表示手段21は、制御手段22から入力する駆動信号に応じて駆動して、前述の画像光を形成及び投射する。この画像表示手段21は、光源装置211と、当該光源装置211から射出された光を変調して画像光を形成する光変調装置212と、当該画像光を投射する投射光学装置213とを備えている。
このうち、光変調装置212は、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶が密閉封入された液晶パネルを備えて構成され、当該液晶パネルは、制御手段22から入力される駆動信号に応じて、当該液晶の配向状態が制御され、入射光束の偏光方向を変調する。
【0029】
制御手段22は、CPU(Central Processing Unit)等が実装された回路基板として構成されており、プロジェクタ2全体の駆動を制御する。例えば、制御手段22は、PC3から受信されたパケットを処理して、当該パケットに応じた表示画像を形成させるべく、前述の画像表示手段21に駆動信号を出力する。このような制御手段22は、通信接続部221、データ受信部222、パケット解析部223、画像展開部224、画像メモリ225及びパネルドライバ226を備えている。
【0030】
通信接続部221は、接続された外部機器(例えば、PC3)との通信接続を確立する。この際、通信接続部221は、接続された外部機器からの要求に応じて、光変調装置212により形成可能な画像のサイズ(解像度であり、画像の表示サイズ)を、当該外部機器に送信する。
データ受信部222は、PC3から入力されるパケットを取得する。
パケット解析部223は、取得されたパケットを処理して、当該パケットからヘッダ情報及び画像データを取得する。
【0031】
画像展開部224は、取得された画像データをVRAM(Video Random Access Memory)により構成された画像メモリ225に展開する。この際、画像展開部224は、取得されたヘッダ情報に含まれる画像データの位置情報及びサイズ情報に基づいて、取得された画像データを画像メモリ225に展開された画像データに結合して、1画面分の画像データを生成する。
パネルドライバ226は、画像メモリ225に展開された画像データに基づいて、光変調装置212に駆動信号を出力し、当該画像データに応じた画像を光変調装置212に形成させる。
【0032】
〔PCの構成〕
PC3は、一般的なPCにより構成され、マウス及びキーボード等により構成された操作手段31に対する使用者の入力操作に応じて、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段32に記憶されたプログラム等を読み出して、所定の処理(例えば、アプリケーション)を実行する。また、PC3は、当該入力操作に応じて、記憶手段32に記憶された画像送信プログラムを読み出して、画像送信アプリケーション(以下、「画像送信アプリ」と略す場合がある)を実行し、外部機器(例えば、プロジェクタ2)に表示させる表示画像の画像データ(パケット)の生成及び送信を行う。このようなPC3は、操作手段31及び記憶手段32の他、画像表示手段33、動作画像生成手段34、描画メモリ35、フレームメモリ36及び制御手段37を備えている。
【0033】
このうち、描画メモリ35は、ビデオメモリにより構成され、動作画像生成手段34による画像データ生成に利用される。
また、フレームメモリ36は、制御手段37の後述する画像送信アプリ実行部4により、画像送信アプリケーションが実行された際に利用され、例えば、描画メモリ35上に形成された1フレーム分の各種画像データのコピー等に利用される。
【0034】
画像表示手段33は、PC3に一体的に取り付けられた液晶パネルで構成され、動作画像生成手段34から入力される駆動信号に応じた画像を表示する。このような画像は、PC3の動作状態を示す動作画像であり、画像転送アプリを起動した際の実行時画面の画像が含まれる。なお、本実施形態では、PC3がノート型PCであるため、画像表示手段33は、当該PC3に一体的に取り付けられているが、PC3にケーブル等を介して接続されたディスプレイ等により構成してもよい。
【0035】
動作画像生成手段34は、グラフィックスチップで構成され、制御手段37の制御下で、PC3の動作画像、及び、制御手段37にて実行中のアプリケーションの実行時画像の各画像データを描画メモリ35上に形成する。そして、動作画像生成手段34は、描画メモリ35上で形成した動作画像の画像データに応じた駆動信号を画像表示手段33に出力し、当該動作画像を画像表示手段33に表示させる。
【0036】
図2は、動作画像の一例を示す図である。具体的に、図2は、画像転送アプリを含む複数のアプリケーションが実行されている動作画像の一例を示す図である。
例えば、動作画像生成手段34は、複数のアプリケーション(アプリA、アプリB、メモ帳、及び、画像転送アプリ)が制御手段37により実行中である場合に、図2に示すような動作画像APの画像データを生成する。この動作画像APは、実行中のアプリケーションの種別を示す実行アプリ表示領域AP1と、各アプリケーションのウィンドウ(枠)が表示される作業領域AP2とから構成されている。
【0037】
このうち、作業領域AP2には、実行中のアプリケーションのウィンドウが全画面で表示される状態(1つのウィンドウにて作業領域AP2の全てが覆われる状態)でない場合には、図2に示すように、実行中のアプリケーションの各ウィンドウW(W1〜W4)と、作業領域AP2上に配置されたファイルのアイコンIC(IC1〜IC3)とが表示される。このような作業領域AP2では、各ウィンドウW1〜W4の配置位置及びサイズは、所定の操作(例えば、マウスによるドラッグ操作)により調整可能である。このため、図2においては、各ウィンドウW及びアイコンICはそれぞれ重ならないように表示されているが、これらが互いに重なる場合もある。なお、図2においては、現在実行中のアプリケーション(アプリA、アプリB、メモ帳及び画像送信アプリ)のうち、画像送信アプリのウィンドウがアクティブ(操作可能)な状態となっている。
【0038】
図1に戻り、制御手段37は、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、OS(Operation System)を起動するなどして、PC3全体を制御する。このような制御手段37は、通信接続部371、アプリ実行部372及び画像送信アプリ実行部4を備えている。
通信接続部371は、PC3に接続された外部機器(例えば、プロジェクタ2)との通信接続を確立する。具体的に、通信接続部371は、使用者により指定されたIP(Internet Protocol)アドレス及びチャンネル等に応じた外部機器、及び、USB(Universal Serial Bus)ケーブルにより直接PC3に接続された外部機器との通信接続を確立する。
アプリ実行部372は、操作手段31に対する使用者の入力操作に応じて、記憶手段32に記憶されたプログラムを読み出して、当該プログラムに対応するアプリケーション(例えば、前述のアプリA、アプリB及びメモ帳であり、画像送信アプリ以外のアプリケーション)を実行する。
【0039】
画像送信アプリ実行部4は、記憶手段32に記憶された画像送信プログラムを読み出して、画像送信アプリを実行する。具体的に、画像送信アプリ実行部4は、前述の作業領域AP2上のウィンドウW4(図2及び図3)内に表示された画像送信アプリの実行時画面に対する使用者の入力操作に応じた画像データを生成し、当該画像データに基づいて生成されたパケット(送信用データ)をプロジェクタ2に送信する。
【0040】
図3は、画像送信アプリの実行時画面を拡大して示す図である。
ここで、画像送信アプリの実行時に表示される実行時画面について説明する。
画像送信アプリの実行時画面は、前述の動作画像生成手段34によりウィンドウW4内に形成及び表示される。この実行時画面は、図3に示すように、第1操作領域A1及び第2操作領域A2と、作業領域A3とを備えている。
【0041】
第1操作領域A1には、「背景」、「静止画像」、「動画像」、「アプリ」、「テキスト」及び「図形描画」とそれぞれ表記された6つのキーK1〜K6が配置されている。
第2操作領域A2には、「送信開始」キーK7及び「送信終了」キーK8と、PC3に接続された外部機器を選択可能なリストLとが配置されている。なお、本実施形態では、リストLの表示項目として、当該外部機器のIPアドレスを挙げているが、当該外部機器に設定された番号や、機器種別を示す文字列等であってもよい。
作業領域A3には、リストLにて選択された外部機器で表示可能な画像サイズ(画像表示サイズ)を縮小したレイアウト領域RAが配置される。
【0042】
このような実行時画面においては、第2操作領域A2に配置されたリストLから、画像データの送信先となる外部機器(送信先機器)を選択すると、作業領域A3にレイアウト領域RAが表示される。この状態で、各キーK1〜K6を入力することにより、レイアウト領域RAの背景画像の設定、及び、当該レイアウト領域RAへのオブジェクトの配置を行うことができる。
なお、オブジェクトとは、本実施形態では、静止画像、動画像、アプリケーションの実行時画面、テキスト及び図形を言う。
【0043】
具体的に、「背景」キーK1が入力されると、静止画像ファイルを選択するダイアログが表示され、選択された画像ファイルがレイアウト領域RA内の背景画像に設定される。
「静止画像」キーK2が入力されると、静止画像ファイルを選択するダイアログが表示され、また、「動画像」キーK3が入力されると、動画像ファイルを選択するダイアログが表示される。そして、これらダイアログにて選択された画像ファイルのサムネイルが画像イメージとしてレイアウト領域RA内に配置される。
「アプリ」キーK4が入力されると、実行中のアプリケーションのうち、画像転送アプリを除くアプリケーションを選択するリストが表示され、選択されたアプリケーションの画像イメージ(例えば、アプリケーションの実行時画面を伸縮した画像)がレイアウト領域RA内に配置される。
これら画像イメージの位置及びサイズは、レイアウト領域RA内で、操作手段31に対する入力操作(例えば、ドラッグ操作)により調整可能である。
【0044】
図4は、文字入力領域TAを示す図である。
「テキスト」キーK5が入力されると、図4に示す文字入力領域TAが表示される。この文字入力領域TAには、文字列入力欄TA1、フォント設定欄TA2、フォントサイズ設定欄TA3及びフォントカラー設定欄TA4と、「OK」キーTA5及び「Cancel」キーTA6とが設けられている。そして、文字列入力欄TA1に文字入力(例えば「プレゼンテーション」と入力)を行った後、「OK」キーTA5を入力すると、図3に示したように、入力した文字列(例えば「プレゼンテーション」)が、設定したフォント、サイズ及び色でレイアウト領域RA内に配置される。なお、「Cancel」キーTA6が入力された場合には、レイアウト領域RA内への入力文字列の配置は行われず、文字入力領域TAが非表示化される。
【0045】
図3に戻り、「図形描画」キーK6が入力されると、図形選択領域が表示される。この図形選択領域には、例えば、四角、三角及び丸等の図形や、直線、曲線及び矢印等の図形が選択項目として表示される。そして、所定の図形が選択されると、当該図形がレイアウト領域RA内に配置される。この図形の位置及びサイズは、レイアウト領域RA内で、操作手段31に対する入力操作により調整可能である。
なお、これらレイアウト領域RA内に挿入された画像イメージ、文字列及び図形は、当該レイアウト領域RA内から削除することがそれぞれ可能である。
【0046】
第2操作領域A2の「送信開始」キーK7が入力されると、レイアウト領域RAに設定された背景画像、画像イメージ、文字列及び図形の画像データを含むパケットが、リストLにより選択された外部機器に送信される。この際、動画像及びアプリケーションが選択されている場合には、制御手段37は、当該動画像及びアプリケーションの画像データを含むパケットを、選択された外部機器に送信し続ける。
「送信終了」キーK8が入力されると、パケットの送信が終了される。
【0047】
図5は、画像送信アプリ実行部4の構成を示すブロック図である。
以上のような画像送信アプリを実行するために、画像送信アプリ実行部4は、図5に示すように、主制御部41、送信先設定部42、表示サイズ取得部43、レイアウト領域形成部44、操作判定部45、画像選択部46、図形描画部47、画像配置部48、順位設定部49、レイアウト設定部50、背景データ生成部51、領域情報取得部52、動画展開部53、データ生成部54及びデータ送信部55を備えている。
【0048】
主制御部41は、画像送信アプリ実行部4の動作全体を制御するものであり、画像送信アプリの実行に伴い、前述の実行時画面を、動作画像生成手段34に生成及び表示させる。また、主制御部41は、必要に応じて、各機能部42〜55を機能させて、画像送信アプリの実行状態を制御する。
送信先設定部42は、リストLにて選択された外部機器を、画像データの送信先機器として設定する。
【0049】
表示サイズ取得部43は、送信先機器の画像表示サイズを取得する。
レイアウト領域形成部44、取得された画像表示サイズに基づいて、実行時画面中にレイアウト領域RAを表示させる。
操作判定部45は、画像送信アプリ実行時の操作手段31に対する使用者の操作を判定する。
【0050】
画像選択部46は、後述する図形描画部47とともに本発明の選択部に相当し、前述のキーK1〜K4の入力時に実行される機能に応じた処理を実行して、外部機器による表示画像を構成するオブジェクトを選択する。このような画像選択部46は、背景選択部461、静止画選択部462、動画選択部463及びアプリ選択部464を備えている。
背景選択部461は、「背景」キーK1が入力された際に前述のダイアログを表示させ、選択された静止画像ファイルのパス等を、記憶手段32に記憶された送信対象リストに設定する。
【0051】
静止画選択部462は、「静止画」キーK2が入力された際に前述のダイアログを表示させ、選択された静止画像ファイルのパスと、レイアウト領域RAにおける画像イメージの位置及びサイズ等とを送信対象リストに設定する。
動画選択部463は、「動画像」キーK3が入力された際に前述のダイアログを表示させ、選択された動画像ファイルのパスと、レイアウト領域RAにおける画像イメージの位置及びサイズ等とを送信対象リストに設定する。なお、当該動画像ファイルの再生は、「送信開始」キーK7が入力された際に、後述する動画展開部53により開始される。
アプリ選択部464は、「アプリ」キーK4が入力された際に前述のリストを表示させ、選択されたアプリケーションの名称と、レイアウト領域RAにおける画像イメージの位置及びサイズ等とを送信対象リストに設定する。
【0052】
図形描画部47は、テキスト生成部471及び図形生成部472を備えている。
テキスト生成部471は、「テキスト」キーK5が入力された際に前述の文字入力領域TAを表示させ、入力された文字列の画像データを描画メモリ35に展開する。
図形生成部472は、「図形描画」キーK6が入力された際に前述の図形選択領域を表示させ、選択された図形に係る画像データを描画メモリ35に展開する。
また、これらテキスト生成部471及び図形生成部472は、入力された文字列、及び、選択された図形の種別と、レイアウト領域RAにおける当該文字列及び図形の位置やサイズ等とを送信対象リストに設定する。
【0053】
画像配置部48は、選択及び入力されたオブジェクト(背景、静止画、動画及びアプリケーション、文字列及び図形)の画像イメージをレイアウト領域RA上に配置する。
順位設定部49は、レイアウト領域RAに配置された各オブジェクトに対して、当該オブジェクトの設定順に順位(番号)付けを行う。具体的に、順位設定部49は、オブジェクトが配置されるごとに、当該オブジェクトの順位を送信対象リストに設定する。
【0054】
レイアウト設定部50は、位置設定部501、サイズ設定部502及び階層設定部503を備えている。
位置設定部501及びサイズ設定部502は、レイアウト領域RAにおける各オブジェクトの画像イメージの位置及びサイズを、操作手段31に対する入力操作に応じて変更する。また、これら位置設定部501及びサイズ設定部502は、変更された位置及びサイズに基づいて、送信対象リストに設定された当該オブジェクトの位置及びサイズの内容を更新する。
【0055】
階層設定部503は、各オブジェクトの重なりを示す階層を設定する。具体的に、階層設定部503は、レイアウト領域RAにて複数の画像イメージが重なるように配置された場合に、最背面側の画像イメージから順に、対応するオブジェクトの階層を「1」、「2」、…、「m」と設定する。なお、他の画像イメージが重ならないように配置された画像イメージに対応するオブジェクトの階層は「1」である。また、1つのオブジェクトに対してそれぞれ重なり、かつ、互いに重ならないように配置された複数の画像イメージに対応する各オブジェクトの階層は、当該1つのオブジェクトの階層に1が加算された値となる。このような階層設定部503は、レイアウト領域RAの各画像イメージが操作されるたびに、画像送信リストの各オブジェクトの階層を更新する。
【0056】
以下の各機能部51〜55は、「送信開始」キーK7が入力された際に動作する。
背景データ生成部51は、画像送信リストに背景として設定された静止画像ファイルの画像データを、送信先機器の画像表示サイズに合わせてリサイズし、リサイズされた画像データから、当該送信先機器との通信形態に沿ったパケットを生成する。このパケットは、データ送信部55により、送信先機器に送信される。なお、背景が設定されていない場合には、背景データ生成部51は、黒画像の画像データに係るパケットを生成する。
【0057】
領域情報取得部52は、画像送信リストに設定された各オブジェクトの位置、サイズ、順位、階層及び種別(静止画像、動画像、アプリケーション、テキスト及び図形のいずれかの種別)等を取得する。
動画展開部53は、画像送信リストに設定された動画像ファイルを描画メモリ35に展開する。
【0058】
データ生成部54は、送信先機器での表示画像の背景以外の画像データ(各オブジェクトに係る画像データ)を含むパケットを生成する。具体的に、データ生成部54は、オブジェクトの階層順に、当該オブジェクトの画像データを含むパケットを生成する。このようなデータ生成部54は、対象階層選択部541、対象領域選択部542、領域種別判定部543、画像キャプチャ部544、階層判定部545、変化判定部546、送信データ生成部547、対象領域判定部548及び対象階層判定部549を備えている。
【0059】
対象階層選択部541は、対象となるオブジェクト(対象オブジェクト)が位置する階層を対象階層として選択する。
対象領域選択部542は、対象階層に位置するオブジェクトから、対象オブジェクトを選択する。なお、対象領域選択部542は、同一階層に複数のオブジェクトが存在する場合には、順位設定部49により設定された順位のうち、最小順位のオブジェクトから順に、対象オブジェクトを選択する。
【0060】
領域種別判定部543は、対象オブジェクトの種別を判定する。具体的に、領域種別判定部543は、領域情報取得部52により取得された各オブジェクトの情報に基づいて、対象オブジェクトが、画像データが経時的に変化しない静オブジェクト(静止画像、テキスト及び図形)であるのか、画像データが経時的に変化する動オブジェクト(動画及びアプリケーション)であるのかを判定する。
画像キャプチャ部544は、描画メモリ35に展開された対象オブジェクトの画像データをキャプチャし、当該画像データをフレームメモリ36にコピーする。この際、画像キャプチャ部544は、対象オブジェクトが動オブジェクトである場合には、1フレーム分の画像データをフレームメモリ36にコピーする。
【0061】
階層判定部545は、対象階層が第1層であるか否かを判定する。
変化判定部546は、対象オブジェクトが動オブジェクトである場合に、フレームメモリ36にコピーされた画像データと、既にコピーされている画像データとの間に変化があるか否かを判定する。
【0062】
送信データ生成部547は、フレームメモリ36にコピーされた対象オブジェクトの画像データ、及び、領域情報取得部52により取得された各オブジェクトの情報に基づいて、送信先機器に送信するパケットを生成する。この送信データ生成部547は、画像加工部5471、表示位置算出部5472、パケット生成部5473及び差分取得部5474を備えている。
画像加工部5471は、フレームメモリ36にコピーされた画像データを、レイアウト領域RAのサイズに対する送信先機器の画像表示サイズと、当該レイアウト領域RAでの対象オブジェクトのサイズに対する画像データのサイズとが一致するように、当該画像データをリサイズする。
【0063】
表示位置算出部5472は、レイアウト領域RAでの対象オブジェクトの位置(画像送信リストに設定されている対象オブジェクトの位置)に基づいて、送信先機器での表示画像における当該対象オブジェクトの画像データの表示位置を算出する。
パケット生成部5473は、本発明の送信用データ生成部に相当し、画像加工部5471により変更されたサイズ、及び、表示位置算出部5472により算出された表示位置を含むヘッダ情報と、リサイズされた画像データとを有するパケットを生成する。
【0064】
差分取得部5474は、変化判定部546により、それぞれ同じ対象オブジェクトの画像データのうち、新たにコピーされた画像データと、既にコピーされていた画像データとの間に変化があると判定された場合に、新たにコピーされた画像データから、既にコピーされていた画像データとの差分となる最小の矩形領域を差分画像データとして取得する。
なお、差分取得部5474により差分画像データが取得された場合には、画像加工部5471は、当該差分画像データに対してリサイズを行い、表示位置算出部5472は、当該差分画像データに対して表示位置の算出を行う。
【0065】
対象領域判定部548は、対象階層の全オブジェクトが対象オブジェクトに設定されたか否かを判定する。この対象領域判定部548により、対象オブジェクトに設定されていないオブジェクトがあると判定された場合には、対象領域選択部542により、次の順位のオブジェクトが対象オブジェクトとして選択される。
【0066】
対象階層判定部549は、全ての階層が対象階層として選択されたか否かを判定する。ここで、対象階層判定部549により、対象階層として選択されていない階層があると判定された場合には、対象階層選択部541は、現在の階層を示す値「n」に1を加算した値により示される階層を対象階層に選択する。また、対象階層判定部549により、全ての階層が対象階層として選択されたと判定された場合には、対象階層選択部541は、「n」に「1」を設定して、第1層を対象階層として選択する。
データ送信部55は、背景データ生成部51及びデータ生成部54により生成されたパケットを、送信先機器に送信する。
【0067】
〔画像送信アプリ実行時処理〕
図6は、画像送信アプリ実行時処理を示すフローチャートである。
使用者により画像送信アプリの実行操作が行われた場合には、画像送信アプリ実行部4は、以下に示す画像送信アプリ実行時処理を実行する。
この画像送信アプリ実行時処理では、図6に示すように、まず、主制御部41が、動作画像生成手段34及び画像表示手段33により、画像送信アプリの実行時画面(図2及び図3参照)を表示させる(ステップSA01)。
この後、送信先設定部42が、使用者により選択された外部機器を送信先機器に設定し(ステップSA02)、表示サイズ取得部43が、設定された送信先機器から画像表示サイズを取得する(ステップSA03)。そして、レイアウト領域形成部44が、動作画像生成手段34により、当該画像表示サイズを所定の割合で縮小したレイアウト領域RAを、実行時画面の作業領域A3に表示させる(ステップSA04)。
この後、画像送信アプリ実行部4は、送信対象設定処理SBを行う。
【0068】
図7は、送信対象設定処理SBを示すフローチャートである。
送信対象設定処理SBは、前述のオブジェクトを設定する処理である。
この送信対象設定処理SBでは、図7に示すように、まず、操作判定部45が、「背景」キーK1が入力され、背景に設定される静止画像ファイルの選択がされたか否かを判定する(ステップSB01)。そして、選択されたと判定されると、背景選択部461が、選択された静止画像ファイルのパスを、画像送信リストに設定する。また、この際、画像配置部48が、選択された静止画像ファイルを描画メモリ35に展開し、当該静止画像ファイルの画像をレイアウト領域RAの背景に設定する(ステップSB02)。この後、画像送信アプリ実行部4は、送信対象設定処理SBを終了する。
【0069】
また、操作判定部45は、背景が選択されたのではないと判定すると、「静止画」キーK2が入力され、かつ、静止画像ファイルの選択がされたか否かを判定する(ステップSB03)。そして、選択されたと判定されると、静止画選択部462が、選択された静止画像ファイルのパス等を画像送信リストに設定する。また、この際、画像配置部48が、当該静止画像ファイルのサムネイルをレイアウト領域RA上に所定のサイズで配置する(ステップSB04)。この後、画像送信アプリ実行部4は、ステップSB11に処理を移行する。
【0070】
また、操作判定部45は、静止画像が選択されたのではないと判定すると、「動画」キーK3が入力され、かつ、動画像ファイルの選択がされたか否かを判定する(ステップSB05)。そして、選択されたと判定されると、動画選択部463が、選択された動画像ファイルのパス等を画像送信リストに設定する。また、この際、画像配置部48が、当該動画像ファイルのサムネイルをレイアウト領域RA上に所定のサイズで配置する(ステップSB06)。この後、画像送信アプリ実行部4は、ステップSB11に処理を移行する。
【0071】
また、操作判定部45は、動画像が選択されたのではないと判定すると、「アプリ」キーK4が入力され、かつ、アプリケーションの選択がされたか否かを判定する(ステップSB07)。そして、選択されたと判定されると、アプリ選択部464が、選択されたアプリケーションの情報(名称等)を画像送信リストに設定する。また、この際、画像配置部48が、選択されたアプリケーションの実行時画面の画像をレイアウト領域RA上に所定のサイズで配置する(ステップSB08)。この後、画像送信アプリ実行部4は、ステップSB11に処理を移行する。
【0072】
操作判定部45は、アプリケーションが選択されたのではないと判定すると、「テキスト」キーK5又は「図形描画」キーK6が入力され、テキストの入力又は図形の選択が行われたか否かを判定する(ステップSB09)。そして、テキストの入力又は図形の選択が行われたと判定されると、テキスト生成部471及び図形生成部472が、入力されたテキスト及び選択された図形の情報を画像送信リストに設定し、画像配置部48が、当該テキスト及び図形の画像イメージをレイアウト領域RA上に配置する(ステップSB10)。この後、画像送信アプリ実行部4は、ステップSB11に処理を移行する。
なお、操作判定部45により、テキストの入力又は図形の選択は行われていないと判定されると、画像送信アプリ実行部4は、送信対象設定処理SBを終了する。
【0073】
ステップSB11では、順位設定部49が、オブジェクトの画像送信リストへの設定順(静止画像、動画像、アプリケーション、テキスト及び図形のレイアウト領域RAへの配置順)に、当該オブジェクトに対して順位を設定する(ステップSB11)。
また、使用者の操作に応じて、レイアウト領域RA内での画像イメージの位置及びサイズが変更されると、位置設定部501及びサイズ設定部502が、画像送信リストの対応するオブジェクトの位置及びサイズの内容を更新する(ステップSB12)。この際、オブジェクトの階層に変化が生じた場合には、階層設定部503が、各オブジェクトの画像送信リストにおける階層を更新する(ステップSB13)。
以上により、送信対象設定処理SBが終了する。
【0074】
図6に戻り、送信対象設定処理SBの後、操作判定部45が、「送信開始」キーK7が入力されたか否かを判定する(ステップSA05)。ここで、操作判定部45により、当該キーK7が入力されていないと判定された場合には、画像送信アプリ実行部4は、送信対象設定処理SBを繰り返し実行する。
一方、キーK7が入力されたと判定された場合には、画像送信アプリ実行部4は、設定情報取得処理SCを実行する。
【0075】
図8は、設定情報取得処理SCを示すフローチャートである。
設定情報取得処理SCは、背景に設定された画像データを送信するとともに、レイアウト領域RAに設定された各オブジェクトに係る情報を取得する処理である。
この設定情報取得処理SCでは、図8に示すように、まず、背景データ生成部51が、画像送信リストに背景が設定されているか否かを判定する(ステップSC01)。
ここで、背景データ生成部51は、背景が設定されていると判定した場合には、画像送信リストに背景として設定された静止画像ファイルに基づくパケットを生成し、データ送信部55が当該パケットを送信先機器に送信する(ステップSC02)。
一方、背景データ生成部51は、背景が設定されていないと判定した場合には、黒画像データに係るパケットを生成し、データ送信部55が当該送信パケットを送信する(ステップSC03)。
この背景に係るパケットを受信した送信先機器は、当該パケットに基づく画像を表示画像の背景として表示する。
【0076】
これらステップSC02,SC03の後、領域情報取得部52が、画像送信リストに設定された各オブジェクトの位置及びサイズを取得する(ステップSC04)。また、領域情報取得部52は、画像送信リストから各オブジェクトの順位及び階層を取得するほか(ステップSC05)、当該各オブジェクトの種別を取得する(ステップSC06)。
この後、動画展開部53は、画像送信リストに動画像ファイルが設定されているか否かを判定し(ステップSC07)、設定されていると判定した場合には、当該動画像ファイルを描画メモリ35に展開する(ステップSC08)。
以上により、設定情報取得処理SCは終了する。
【0077】
図9及び図10は、データ送信処理SDを示すフローチャートである。
図6に戻り、画像送信アプリ実行部4は、設定情報取得処理SCの後、データ送信処理SDを実行する。このデータ送信処理SDは、対象オブジェクトを順次選択し、当該対象オブジェクトの画像データに基づくパケットを順次送信する処理である。
このデータ送信処理SDでは、図9に示すように、まず、データ生成部54の対象階層選択部541が、対象階層を示す値「n」に「1」を設定し(ステップSD01)、対象階層として第n層(この段階では第1層)を選択する(ステップSD02)。
そして、対象領域選択部542が、第n層に位置するオブジェクトのうち、最小順位のオブジェクトを対象オブジェクトとして選択する(ステップSD03)。
【0078】
次に、画像キャプチャ部544が、描画メモリ35上の対象オブジェクトに対応する画像データをキャプチャして、当該画像データをフレームメモリ36にコピーする(ステップSD04)。この際、当該対象オブジェクトが動オブジェクトである場合には、1フレーム分の画像データをコピーする。
この後、画像送信アプリ実行部4は、パケット送信処理SEを実行する。
【0079】
図11は、パケット送信処理SEを示すフローチャートである。
パケット送信処理SEは、フレームメモリ36にコピーされた画像データに基づいてパケットを生成し、当該パケットを送信先機器に送信する処理である。
このパケット送信処理SEでは、図11に示すように、まず、送信データ生成部547の画像加工部5471が、送信先機器の画像表示サイズに応じて、コピーされた対象オブジェクトに係る画像データをリサイズする(ステップSE01)。
【0080】
また、表示位置算出部5472が、レイアウト領域RAにおける対象オブジェクトの画像イメージの位置に基づいて、送信先機器の表示画像における当該対象オブジェクトの画像の結合位置を算出する(ステップSE02)。
そして、パケット生成部5473が、リサイズ後の画像データの位置を含むヘッダ情報と、当該リサイズ後の画像データとを含むパケットを生成し、当該パケットをデータ送信部55により送信先機器に送信する(ステップSE03)。
以上により、パケット送信処理SEが終了する。
【0081】
図9に戻り、パケット送信処理SEの後、対象領域判定部548が、対象階層の全オブジェクトが対象オブジェクトとして選択されたか否かを判定する(ステップSD05)。
ここで、選択されていないオブジェクトがあると判定された場合には、対象領域選択部542が、対象階層に位置し、かつ、対象オブジェクトとして選択されていないオブジェクトのうち、最小順位のオブジェクトを対象オブジェクトとして選択する(ステップSD06)。
この後、画像送信アプリ実行部4は、ステップSD04に戻る。
【0082】
一方、対象階層の全オブジェクトが対象オブジェクトとして選択されたと判定された場合には、対象階層判定部549が、全ての階層が対象階層として選択されたか否かを判定する(ステップSD07)。ここで、選択されていない階層が存在すると判定された場合には、対象階層選択部541が、対象階層を示す値「n」に1を加算し(ステップSD08)、ステップSD02に戻る。これにより、値「n」が示す階層が対象階層として選択される。
一方、全階層が対象階層として選択されたと判定された場合には、画像送信アプリ実行部4は、ステップSD09に処理を移行する。
【0083】
図12は、PC3から送信された画像データに基づいて送信先機器で表示される表示画像を示す図である。
ここまでの処理により、送信先機器での最初の1フレーム分の表示画像の画像データ(パケット)が送信されたこととなる。このような画像データを受信した送信先機器では、図12に示すように、レイアウト領域RAにて設定された各オブジェクトのレイアウトで、当該各オブジェクトの画像を含む表示画像が表示される。
【0084】
ステップSD09では、図10に示すように、対象階層選択部541が、対象階層を示す値「n」を「1」に設定し(ステップSD09)、当該「n」が示す階層(この時点では第1層)を対象階層として選択する(ステップSD10)。
この後、対象領域選択部542が、対象階層である第n層に位置するオブジェクトのうち、最小順位のオブジェクトを対象オブジェクトとして選択する(ステップSD11)。
【0085】
次に、階層判定部545が、現在の対象階層が第1層であるか否かを判定する(ステップSD12)。この判定処理にて、対象階層が第1層であると判定された場合には、領域種別判定部543が、対象オブジェクトが静オブジェクト(静止画像、テキスト及び図形)であるか、動オブジェクト(動画及びアプリケーション)であるかを判定する(ステップSD13)。この際、対象オブジェクトが静オブジェクトであると判定されると、画像送信アプリ実行部4は、ステップSD18に処理を移行する。
ここで、最背面の階層である第1層に位置する静オブジェクトは、画像データを更新する必要がない。また、当該画像データは1フレーム目の画像データ送信時に既に送信している。このため、2フレーム目以降の画像データ送信に際して、第1層の静オブジェクトの画像データを送信しないことで、同じデータが再度送信されることを抑え、送信データ量の低減を図っている。
【0086】
一方、対象オブジェクトが動オブジェクトであると判定された場合には、画像キャプチャ部544が、対象オブジェクトの1フレーム分の画像データを描画メモリ35からフレームメモリ36にコピーする(ステップSD14)。
この後、変化判定部546が、新たにコピーされた画像データと、既にコピーされていた画像データとを比較し、これらの間に変化が生じたか否かを判定する(ステップSD15)。ここで、変化がないと判定された場合には、例え対象オブジェクトに他のオブジェクトが重なるように配置されている場合でも、当該対象オブジェクトに係る画像データの更新を行う必要が無いと判定し、画像送信アプリ実行部4は、ステップSD18に処理を移行する。
【0087】
一方、変化判定部546により、変化があると判定された場合には、差分取得部5474が、新たにコピーされた画像データから、既にコピーされていた画像データとの差分となる差分画像データを取得する(ステップSD16)。
そして、画像送信アプリ実行部4は、当該差分画像データに基づくパケットの生成及び送信を前述のパケット送信処理SEにより行い、ステップSD18に処理を移行する。
【0088】
一方、ステップSD12での判定処理にて、対象階層が第1層でないと判定されると、画像キャプチャ部544が、対象オブジェクトの画像データを描画メモリ35からフレームメモリ36にコピーする(ステップSD17)。そして、画像送信アプリ実行部4は、当該コピーした画像データに基づくパケットの生成及び送信を前述のパケット送信処理SEにより行い、ステップSD18に処理を移行する。
このため、第1層に位置しない対象オブジェクト、すなわち、他のオブジェクトが背面側に位置する対象オブジェクトについては、フレームごとに画像データを送信先機器に送信する。これにより、当該対象オブジェクトの背面側に位置する他のオブジェクトに変化があり、当該他のオブジェクトの画像が更新された場合でも、対象オブジェクトの画像の表示領域に、適切な画像を表示することができる。
【0089】
ステップSD18では、前述のステップSD05と同様に、対象領域判定部548が、対象階層の全オブジェクトが対象オブジェクトとして選択されたか否かを判定する(ステップSD18)。そして、選択されていないオブジェクトが存在すると判定されると、対象領域選択部542が、対象階層で対象オブジェクトに選択されていない最小順位のオブジェクトを対象オブジェクトとして選択し(ステップSD19)、画像送信アプリ実行部4は、ステップSD11に処理を移行する。
【0090】
一方、対象領域判定部548により、対象階層の全オブジェクトが対象オブジェクトとして選択されたと判定されると、対象階層判定部549が、全ての階層が対象階層として選択されたか否かを判定する(ステップSD20)。そして、対象階層判定部549により、選択されていない階層が存在すると判定されると、対象階層選択部541が、対象階層を示す値「n」に1を加算し(ステップSD21)、ステップSD10に戻る。
また、対象階層判定部549により、全階層が対象階層として選択されたと判定されると、画像送信アプリ実行部4は、ステップSD09に処理を移行して、次のフレームに係る画像データの送信に備える。
これにより、各オブジェクトが順次選択され、当該オブジェクトに係る画像データが送信先機器に順次送信されることで、当該送信先機器において、画像がフレームごとに更新される。
【0091】
なお、上記設定情報取得処理SC及びデータ送信処理SDは、画像送信アプリが実行中であれば、当該画像送信アプリのウィンドウがアクティブでない状態でも実行される。このため、当該画像送信アプリのウィンドウに、他のアプリケーションのウィンドウが重なるように配置されていても、また、他のアプリケーション(例えば、メモ帳等)にて所定の処理を実行していても、レイアウト領域RAに設定された各オブジェクトの画像データと、かつ、当該各オブジェクトのレイアウトに応じたヘッダ情報とを有するパケットが、送信先機器に送信される。
【0092】
図6に戻り、操作判定部45は、データ送信処理SDの処理中に「送信終了」キーK8が入力されたか否かを判定する(ステップSA06)。ここで、操作判定部45により、キーK8は入力されていないと判定されると、画像送信アプリ実行部4は、引き続き、データ送信処理SDを実行する。
一方、操作判定部45により、キーK8が入力されたと判定されると、主制御部41は、データ送信処理SDを終了する(ステップSA07)。
この後、操作判定部45は、画像送信アプリの実行時画面に対する編集操作が行われたか否かを判定する(ステップSA08)。ここで、編集操作が行われたと判定された場合には、画像送信アプリ実行部4は、送信対象設定処理SBを再度実行し、編集操作が行われず、かつ、画像送信アプリの終了操作が行われたと判定された場合には、画像送信アプリ実行部4は、画像送信アプリを終了させる。
【0093】
以上説明した本実施形態に係る表示システムによれば、以下の効果がある。
(1)画像選択部46により選択されたオブジェクト(背景、静止画像、動画像及びアプリケーション)、及び、図形描画部47により入力及び選択されたオブジェクト(文字列及び図形)の画像データを含むパケット(送信用データ)が生成され、当該パケットが送信先機器(プロジェクタ2)に送信される。これによれば、送信先機器にて表示される表示画像に、PC3の使用者が選択したオブジェクト以外の画像が含まれないようにすることができる。従って、PC3の使用者が送信先機器の表示画像を自由に設定することができ、使用者にとって見せたくない画像が送信先機器により表示されてしまうことを防ぐことができる。
【0094】
(2)レイアウト設定部50により、送信先機器での表示画像におけるオブジェクトのレイアウト(例えば、表示位置及びサイズ等)を設定することができるので、当該表示画像における所望の位置に、所望のサイズで、オブジェクトの画像を表示することができる。また、オブジェクトが複数選択されている場合には、当該各オブジェクトの画像の少なくとも一部が互いに重なるように、これらオブジェクトの画像を表示することができる。従って、送信先機器での表示画像の設定自由度を向上することができる。
【0095】
(3)レイアウト領域形成部44は、表示サイズ取得部43により取得された送信先機器の画像表示サイズに応じたレイアウト領域RAを、画像送信アプリの実行時画面に形成及び表示させる。そして、画像配置部48が、選択及び入力されたオブジェクトに対応する画像イメージを当該レイアウト領域RAに配置し、レイアウト設定部50が、当該画像イメージのレイアウト領域RAにおけるレイアウトに応じて、送信先機器での表示画像におけるオブジェクトの画像のレイアウトを設定する。これによれば、表示画像の設定状況を視覚的に判断することができ、当該表示画像の設定を容易に行うことができる。
【0096】
(4)送信用データであるパケットの生成時には、データ生成部54は、最小階層のオブジェクト、すなわち、最背面側のオブジェクトから順にパケットを生成する。これによれば、表示画像においては、背面側のオブジェクトの画像が先に更新され、前面側のオブジェクトの画像が後に更新されるので、表示画像における各オブジェクトの画像の前後関係が崩れることを防ぐことができる。従って、設定されたレイアウトどおりに、表示画像を表示させることができる。
【0097】
(5)データ生成部54は、オブジェクトごとにパケットを生成する。これによれば、他のオブジェクトが重ならないように静オブジェクトが配置されている場合には、当該静オブジェクトの画像データを再度送信せず、画像を更新する必要のある動オブジェクトが配置されている場合には、当該動オブジェクトの画像データを送信先機器に順次送信することができる。従って、送信先機器に送信するデータ量を低減することができる。
【0098】
〔2.第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る表示システムについて説明する。
本実施形態に係る表示システムは、前述の表示システム1と同様の構成を備える。しかしながら、当該表示システム1においては、対象オブジェクトに選択されるごとに、オブジェクトの画像データを送信先機器に送信していた。これに対し、本実施形態に係る表示システムでは、各オブジェクトの画像データを含む1画面分のパケットを生成及び送信する。この点において、本実施形態に係る表示システムと表示システム1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一または略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0099】
本実施形態に係る表示システムは、画像表示装置としてのプロジェクタ2と、当該プロジェクタ2に画像データを送信する画像送信装置としてのPC3Aとを備え、これらプロジェクタ2とPC3Aとは、表示システム1と同様に、LANにより接続されている。
PC3Aは、制御手段37に代えて、制御手段37Aを備えるほかは、PC3と同様の構成を備えている。また、制御手段37Aは、画像送信アプリ実行部4に代えて、画像送信アプリ実行部4Aを備えるほかは、制御手段37と同様の構成を備えている。
【0100】
図13は、本実施形態に係る表示システムのPC3Aが有する画像送信アプリ実行部4Aの構成を示すブロック図である。
画像送信アプリ実行部4Aは、使用者の操作に応じて記憶手段32に記憶された画像送信プログラムを読み込んで、画像送信アプリを実行する。この画像送信アプリ実行部4Aは、図13に示すように、主制御部41、送信先設定部42、表示サイズ取得部43、レイアウト領域形成部44、操作判定部45、画像選択部46、図形描画部47、画像配置部48、順位設定部49、レイアウト設定部50、領域情報取得部52、動画展開部53、データ生成部54A及びデータ送信部55を備えている。
【0101】
データ生成部54Aは、レイアウト領域RAに設定された各オブジェクトの画像データを有する表示画像1画面分のパケットを生成する。このデータ生成部54Aは、図13に示すように、背景設定判定部550、黒画像生成部551、画像キャプチャ部544、対象階層選択部541、対象領域選択部542、完成画像生成部552、対象領域判定部548、対象階層判定部549、変化判定部553、差分取得部554及びパケット生成部555を備えている。
【0102】
このうち、背景設定判定部550は、画像送信リストに背景としての静止画像ファイルが選択されているか否かを判定する。
黒画像生成部551は、背景設定判定部550により、背景としての静止画像ファイルが選択されていないと判定された際に、描画メモリ35に黒画像データを生成する。
【0103】
完成画像生成部552は、送信先機器にて表示される1画面分の表示画像(背景及び各オブジェクトの画像を含む1フレーム分の完成画像)の画像データを生成する。この完成画像生成部552は、画像加工部5471、表示位置算出部5472及び画像生成部5521を備えている。
このうち、画像生成部5521は、画像加工部5471によりリサイズされた画像データを、表示位置算出部5472により算出された位置に結合させることで、1画面分の表示画像の画像データをフレームメモリ36上に生成する。
【0104】
変化判定部553は、完成画像生成部552によりフレームメモリ36に新たに生成された1画面分の画像データと、既に生成されている1画面分の画像データ(1フレーム前の画像データ)とを比較して、これらの間に変化があるか否かを判定する。
差分取得部554は、変化判定部553により変化があると判定された場合に、新たに生成された画像データから、既に生成されている画像データとの差分となる差分画像データを取得する。なお、1フレーム目の画像データについては、比較対象の画像データがないので、新たに生成された画像データ全体を差分画像データとして取得する。
【0105】
図14は、パケット生成部555により生成されるパケットに含まれる画像データの一例を示す図である。
パケット生成部555は、本発明の送信用データ生成部に相当し、差分取得部554により取得された差分画像データと、当該差分画像データに応じた画像の表示位置(結合位置)を示すヘッダ情報とを有するパケットを生成する。このパケットは、データ送信部55により、送信先機器に送信される。
ここで、例えば図14の上段に示すように、差分画像データに応じた画像が矩形でない場合がある。このような場合、パケット生成部555は、図14の下段に示すように、差分画像データに応じた画像を、複数の矩形領域に分割し、各矩形領域に応じた矩形画像データに基づくパケットを生成する。
【0106】
〔画像送信アプリ実行時処理〕
図15は、PC3Aにて実行される画像送信アプリ実行時処理を示すフローチャートである。
操作手段31に対して、使用者により画像送信アプリの実行操作が行われた場合には、画像送信アプリ実行部4Aは、図15に示すように、前述のステップSA01〜SA04及び送信対象設定処理SBを行う。この後、ステップSA05にて、「送信開始」キーK7が入力されたか否かが判定され、当該キーK7が入力されていないと判定されると、画像送信アプリ実行部4Aは、送信対象設定処理SBを再度実行し、また、キーK7が入力されたと判定されると、画像送信アプリ実行部4Aは、設定情報取得処理SFを行う。
【0107】
図16は、設定情報取得処理SFを示すフローチャートである。
設定情報取得処理SFでは、前述の設定情報取得処理SCにおける背景に係る処理を省略し、ステップSC04〜SC08と同様の処理を実行する。すなわち、設定情報取得処理SFでは、図16に示すように、領域情報取得部52が、画像送信リストに設定された各オブジェクトの位置、サイズ、順位、階層及び種別を取得する(ステップSC04〜SC06)。そして、動画展開部53が、画像送信リストに動画像ファイルが設定されているか否かを判定し(ステップSC07)、設定されていると判定すると、対応する動画像ファイルを描画メモリ35に展開する(ステップSC08)。
以上により、設定情報取得処理SFが終了する。
【0108】
図17は、データ送信処理SGを示すフローチャートである。
図15に戻り、設定情報取得処理SFの後、画像送信アプリ実行部4Aは、データ送信処理SGを実行する。
このデータ送信処理SGでは、図17に示すように、まず、背景設定判定部550が、画像送信リストに背景として静止画像ファイルが選択されているか否かを判定する(ステップSG01)。ここで、選択されていると判定されると、画像キャプチャ部544が、対応する画像ファイルの画像データを描画メモリ35からキャプチャして、フレームメモリ36にコピーする(ステップSG02)。
【0109】
一方、選択されていないと判定された場合には、黒画像生成部551が、黒画像データを描画メモリ35に生成し、画像キャプチャ部544が、当該黒画像データをフレームメモリ36にコピーする(ステップSG03)。
これらステップSG02,03の後、画像送信アプリ実行部4Aは、コピーされた背景の画像データを対象データに設定し、当該対象データに対して画像生成処理SHを実行する。
【0110】
図18は、画像生成処理SHを示すフローチャートである。
画像生成処理SHは、表示画像1画面分の画像データを生成する処理である。
この画像生成処理SHでは、図18に示すように、まず、完成画像生成部552の画像加工部5471が、対象データである画像データをリサイズする(ステップSH01)。
そして、表示位置算出部5472が、レイアウト領域RAにおける対象データの位置から、リサイズされた画像データの表示画像での位置を算出する(ステップSH02)。
【0111】
次に、画像生成部5521が、リサイズされた画像データを、フレームメモリ36に描画された表示画像の画像データにおける表示位置算出部5472により算出された位置に描画して、生成中の表示画像の画像データと結合させる(ステップSH03)。
このような画像生成処理SHが、背景及び各オブジェクトの画像データに対して行われることで、フレームメモリ36上に表示画像1画面分の画像データ(1フレーム分の画像データ)が生成される。
以上により、画像生成処理SHが終了する。
【0112】
図17に戻り、背景の画像データに対する画像生成処理SHの後、画像送信アプリ実行部4Aは、前述のデータ送信処理SDにおけるステップSD01〜SD08と同様の処理を行う。なお、SD04の後、パケット送信処理SEに代えて、前述の画像生成処理SHを対象オブジェクトの画像データに対して行う。
【0113】
ここで、ステップSD07の判定処理にて、対象階層判定部549により、全階層が対象階層に選択されたと判定されると、変化判定部553が、新たに生成された表示画像1画面分の画像データと、既に生成されている1フレーム前の表示画像1画面分の画像データとを比較し、これらの間に変化が生じたか否かを判定する(ステップSG04)。
そして、変化が生じていないと判定されると、画像送信アプリ実行部4Aは、新たに生成された表示画像の画像データを送信する必要がないと判定し、処理をSG01に戻す。
【0114】
一方、変化が生じたと判定された場合には、差分取得部554が、新たに生成された表示画像の画像データから、1フレーム前の表示画像の画像データに対する差分画像データを取得する(ステップSG05)。
この後、パケット生成部555が、前述のように、必要に応じて差分画像データを分割し、前述の矩形画像データと当該矩形画像データの位置を示すヘッダ情報とを含むパケットを生成し、当該パケットをデータ送信部55により送信先機器に送信する(ステップSG06)。この後、画像送信アプリ実行部4Aは、ステップSG01に処理を戻す。これにより、変化が生じた場合に、新たに生成された表示画像1フレーム分の画像データが、送信先機器に送信される。
【0115】
図15に戻り、操作判定部45は、データ送信処理SGの処理中に「送信終了」キーK8が入力されたか否かを判定する(ステップSA06)。この際、当該キーK8は入力されていないと判定された場合には、画像送信アプリ実行部4Aは、データ送信処理SGを継続処理する。
一方、キーK8が入力されたと判定されると、主制御部41は、データ送信処理SDを終了し、送信先機器へのパケットの送信を終了する(ステップSA07)。
【0116】
そして、操作判定部45が、画像送信アプリの実行時画面にて編集操作が行われたか否かを判定し(ステップSA08)、当該編集操作が行われたと判定されると、画像送信アプリ実行部4は、前述の送信対象設定処理SBを再度実行する。
また、操作判定部45により、編集操作は行われず、かつ、画像送信アプリの終了操作が行われたと判定されると、画像送信アプリ実行部4は、画像送信アプリを終了させる。
【0117】
以上説明した本実施形態に係る表示システムによれば、前述の表示システム1が奏することのできる効果(1)〜(3)と同様の効果を奏することができるほか、以下の効果がある。
(6)データ生成部54Aは、最小階層のオブジェクトから順に、当該オブジェクトの画像データを結合させて表示画像1画面分の画像データを生成し、当該画像データに応じた送信用データであるパケットを生成する。これによれば、各オブジェクトの画像の前後関係が崩れた表示画像が一時的に表示されることを防ぐことができる。従って、設定されたレイアウトどおりの表示画像を、確実かつ適切に表示することができる。
【0118】
(7)送信先機器に送信されるパケットには、新たに生成された表示画像1画面分の画像データと、当該画像データより前に生成された画像データとの差分が含まれる。すなわち、各画像データに変化があった場合には、パケットの画像データは、差分画像データであり、当該差分画像データに応じた画像の表示位置は、ヘッダ情報にて示される。これによれば、データ量の大きい1画面分の画像データを順次送信する必要がないので、送信先機器に送信するデータ量を低減することができる。
【0119】
(8)差分取得部554により取得された差分画像データに応じた画像が矩形でない場合には、パケット生成部555は、当該画像を複数の矩形画像に分割し、それぞれ分割された矩形画像の矩形画像データを含むパケットを生成する。これによれば、送信先機器にて表示画像を形成する際に、現在表示中の表示画像の画像データに、更新分の画像データを結合しやすくすることができる。従って、送信先機器における画像表示処理の負担を軽減することができるほか、表示画像を適切に表示させることができる。
【0120】
〔3.第3実施形態〕
次に、本発明に係る第3実施形態について説明する。
本実施形態に係る表示システムは、第2実施形態にて示した表示システムと同様の構成を備える。しかしながら、当該第2実施形態に係る表示システムでは、矩形でない画像の画像データが差分画像データとして取得された際に、パケット生成部555が、当該差分画像データを複数の矩形領域に分割し、当該矩形領域に応じた矩形画像データを含むパケットを生成していた。これに対し、本実施形態に係る表示システムは、差分画像データに応じた矩形でない画像に透過領域を付加して1つの矩形領域を形成し、当該矩形領域の画像データを含むパケットを生成する点において、第2実施形態に係る表示システムと相違する。
【0121】
図19は、本実施形態に係る表示システムを構成するPCのパケット生成部が生成する画像データを示す模式図である。
本実施形態の表示システムは、前述のプロジェクタ2及びPC3Aを備える。
このうち、本実施形態に係るPC3Aのパケット生成部555は、図19の上段に示すような矩形状でない画像の差分画像データが取得された際には、図19の下段に示すように、当該差分画像データの画像の領域DAと透過領域PAとを組み合わせて最小の矩形領域を形成し、当該矩形領域に応じた矩形画像データを生成する。そして、パケット生成部555は、生成された矩形画像データと、送信先機器での表示画像における当該矩形領域の表示位置を示すヘッダ情報とを含むパケットを生成し、当該パケットをデータ送信部55により送信する。
【0122】
一方、送信先機器であるプロジェクタ2では、透過領域PAが画像データに含まれるパケットを受信すると、パケット解析部223が、当該パケットから画像データを復元し、画像展開部224が、復元された画像データと、画像メモリ225に形成されている表示画像の画像データとの結合を図る。この際、画像展開部224は、透過領域PAの結合を行わず、領域DAに応じた画像データのみを結合する。
これにより、PC3Aにて、矩形でない画像の差分画像データが取得された場合でも、プロジェクタ2にて、既に形成されている表示画像との当該差分画像データの結合が適切に行われ、当該表示画像が適切に更新される。
【0123】
以上説明した本実施形態に係る表示システムによれば、表示システム1が奏することができる効果(1)〜(3)と、第2実施形態にて示した表示システムが奏することのできる効果(6),(7)と同様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
【0124】
(9)差分取得部554により取得された差分画像データに応じた画像が矩形でない場合には、パケット生成部555は、送信先機器にて表示されない透過領域PAを付加して矩形とした画像を生成し、矩形画像データを含むパケットを生成する。これによれば、送信先機器(プロジェクタ2)にて表示画像を形成する際に、現在表示中の表示画像の画像データに、更新分の画像データを結合しやすくすることができる。従って、送信先機器における画像表示処理の負担を軽減することができるほか、表示画像を適切に表示させることができる。また、1つの変化領域に対して1つのパケットを生成すれば足りることとなり、送信先機器に送信するデータ量を少なくすることができる。
【0125】
〔4.実施形態の変形〕
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、表示画像に含まれるオブジェクトとして、背景画像として選択された静止画像ファイル、静止画像として選択された静止画像ファイル、動画像として選択された動画像ファイル、実行中のアプリケーション、入力された文字列、及び、図形を例示したが、本発明はこれに限らず、他の画像データを含むものでもよい。また、これらオブジェクトは、複数選択されなくともよく、選択されたオブジェクトの数は、適宜設定してよい。
【0126】
前記各実施形態では、画像送信装置としてのPC3,3Aと、表示装置としてのプロジェクタをLANにより接続したが、本発明はこれに限らず、USBやDVI(Digital Visual Interface)等の他の形式により接続してもよい。このような場合、データ生成部54,54Aが、当該接続形式に応じた送信用データを生成すればよい。
【0127】
前記各実施形態では、データ生成部54,54Aは、送信先機器の画像表示サイズに応じてリサイズされた画像データを含むパケットを送信用データとして生成したが、本発明はこれに限らない。例えば、送信先機器となる表示装置が、受信した画像データを、当該表示装置の画像表示サイズに応じてリサイズし、表示画像におけるリサイズされた画像データに応じた画像の表示位置を算出して、当該表示画像を表示するようにしてもよい。
【0128】
前記各実施形態では、画像送信アプリに係る画像送信プログラムは、HDDにより構成された記憶手段32に記憶されているとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、当該画像送信プログラムは、CD(Compact Disc)及びDVD(Digital Versatile Disc)等のディスク型記録媒体に記録されていてもよく、或いは、半導体メモリに記録されていてもよい。そして、使用者の操作に応じて、これら記録媒体に記録された画像送信アプリを読み込んで、画像送信アプリを実行できればよい。
【0129】
前記各実施形態では、プロジェクタ2は、光変調装置として液晶パネルを備えたプロジェクタを例示したが、入射光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置であれば、他の構成の光変調装置を採用してもよい。例えば、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いたプロジェクタを採用してもよい。
【0130】
前記各実施形態では、表示装置としてのプロジェクタ2と、画像送信装置としてのPC3,3Aを備えた表示システム1を例示したが、本発明はこれに限らない。すなわち、表示装置及び画像送信装置は、他の電子機器でもよい。例えば、表示装置としては、液晶、プラズマ、有機EL(electroluminescence)、CRT(Cathode Ray Tube)等の各種ディスプレイを採用することもできる。また、前述のように、画像送信装置として、コンピュータ本体と、動作時画面を表示する表示装置とが別体となったデスクトップ型のPCでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明は、表示装置と画像送信装置とを備えた表示システムに好適に利用できる。
【符号の説明】
【0132】
1…表示システム、2…プロジェクタ(表示装置)、3,3A…PC(画像送信装置)、43…表示サイズ取得部、44…レイアウト領域形成部、46…画像選択部(選択部)、47…図形描画部(選択部)、48…画像配置部、50…レイアウト設定部、54,54A…データ生成部、55…データ送信部、503…階層設定部、553…変化判定部、554…差分取得部、555…パケット生成部(送信用データ生成部)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に画像データを送信する画像送信装置、前記画像送信装置及び表示装置を備える表示システム、前記画像送信装置にて実行される画像送信プログラム、並びに、前記画像送信プログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像データを送信する画像送信装置と、当該画像データに応じた画像を表示する画像表示装置とを備えた表示システムが知られている。このような表示システムとして、画像送信装置としてのPC(Personal Computer)と、画像表示装置としてのプロジェクタとをUSB(Universal Serial Bus)ケーブルを介して接続したプロジェクタシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載のプロジェクタシステムでは、PCにて生成された画像データが、USBケーブルを介してプロジェクタに送信され、当該プロジェクタは、取得した画像データに応じた画像をスクリーン等の投射面上に形成及び表示する。このようなプロジェクタは、1台で比較的大きな画像を表示することができるので、当該プロジェクタを有するプロジェクタシステムは、企業でのプレゼンテーションや、ホームシアター等の用途に用いられることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−69996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のプロジェクタシステムでは、PCからプロジェクタに送信される画像データは、当該PCの動作中画面に係る画像データである。すなわち、当該画像データには、PCにて実行される所定のアプリケーションの実行中画面に係る画像データのほか、OS(Operation System)のデスクトップに係る画像データが含まれる場合がある。このため、デスクトップの壁紙として設定された画像や、議事録作成のために起動しているメモ帳の画像等、PCの使用者にとって他者に見せたくない画像を含む画像データがプロジェクタに送信されてしまい、当該画像がプロジェクタにより表示されてしまうという問題がある。このため、PC等の画像送信装置側で、プロジェクタに表示させる画像を設定することができる構成が望まれてきた。
【0006】
本発明の目的は、表示画像の構成を設定可能な画像送信装置、表示システム、画像送信プログラム及び記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するために、本発明の画像送信装置は、表示装置に表示させる表示画像の画像データを送信する画像送信装置であって、前記表示画像を構成するオブジェクトを選択する選択部と、選択された前記オブジェクトの画像データに基づいて、前記表示画像の画像データとなる送信用データを生成するデータ生成部と、生成された前記送信用データを前記表示装置に送信するデータ送信部とを備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、オブジェクトとは、例えば、画像送信装置がPCで構成されている場合には、当該PCに設けられたHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段に記憶された静止画像及び動画、実行中のアプリケーション、並びに、文字列及び図形等を示す総称である。
また、表示装置は、画像送信装置に接続された表示装置を示し、前述のようなプロジェクタ等を例示することができる。
【0009】
本発明によれば、選択部により選択されたオブジェクトの画像データに基づいて表示画像の画像データが生成され、当該画像データが表示装置に送信される。すなわち、表示装置に送信される表示画像の画像データは、選択部により選択されたオブジェクトの画像データに基づくものである。これによれば、画像送信装置の使用者が、表示画像の構成を設定することができる。従って、不要な画像データ、例えば、画像送信装置の使用者にとって他者に見せたくない画像の画像データが表示装置に送信され、当該見せたくない画像が表示装置により表示されてしまうことを防ぐことができる。
【0010】
本発明では、前記選択部により選択された前記オブジェクトの画像の前記表示画像におけるレイアウトを設定するレイアウト設定部を備え、前記データ生成部は、前記レイアウト設定部により設定された前記レイアウトに基づいて、前記送信用データを生成することが好ましい。
これによれば、表示画像におけるオブジェクトの画像のレイアウト(例えば、表示位置及びサイズ等)を設定することができるので、当該表示画像における所望の位置に、所望のサイズで、オブジェクトの画像を表示することができる。また、オブジェクトが複数選択されている場合には、当該各オブジェクトの画像の少なくとも一部が互いに重なるように、これらオブジェクトの画像を配置及び表示することができる。従って、表示装置により表示される表示画像の設定自由度を向上することができる。
【0011】
本発明では、前記表示装置により表示可能な画像の表示サイズを取得する表示サイズ取得部と、取得された前記表示サイズに応じたレイアウト領域を形成するレイアウト領域形成部と、前記選択部により選択された前記オブジェクトに対応する画像イメージを、前記レイアウト領域に配置する画像配置部とを備え、前記レイアウト設定部は、前記レイアウト領域において設定された前記画像イメージに応じて、前記画像イメージに対応する前記オブジェクトのレイアウトを設定することが好ましい。
【0012】
本発明によれば、レイアウト領域形成部により表示装置の表示サイズに応じて形成されたレイアウト領域に対する画像イメージのレイアウトを設定することにより、表示画像におけるオブジェクトの画像のレイアウトを設定することができる。従って、表示画像の設定状況を視覚的に判断することができるので、当該表示画像の設定を容易に行うことができる。
【0013】
本発明では、前記オブジェクトの最背面からの位置を示す階層を設定する階層設定部を備え、前記データ生成部は、前記階層設定部により設定された前記階層が低い前記オブジェクトから順に、前記送信用データを生成することが好ましい。
【0014】
ここで、オブジェクト同士の一部が互いに重なるように配置された場合、一方のオブジェクトが背面側に配置され、他方のオブジェクトが前面側に配置される。このような場合、前面側のオブジェクトの画像が先に更新され、背面側のオブジェクトの画像が後に更新されてしまうと、表示画像において各オブジェクトの画像の前後関係が崩れてしまう。
これに対し、本発明では、階層が低いオブジェクト、すなわち、背面側のオブジェクトから順に送信用データを生成することにより、背面側のオブジェクトの画像が先に更新され、前面側のオブジェクトの画像が後に更新されるので、表示画像において、背面側のオブジェクトの画像を背面側に位置させ、前面側のオブジェクトの画像を前面側に位置させることができる。従って、設定されたレイアウトに基づく表示画像を確実に表示させることができる。
【0015】
本発明では、前記データ送信部は、前記データ生成部により前記オブジェクトごとに生成された前記送信用データを送信することが好ましい。
本発明によれば、互いに重ならないようにオブジェクトが配置されている場合に、画像を更新する必要の無い静止画等の画像データについては表示装置に送信せず、画像を更新する必要のある動画等の画像データについては表示装置に順次送信するように設定することができる。従って、表示装置に送信するデータ量を低減することができる。
【0016】
或いは、本発明では、前記データ送信部は、前記データ生成部により前記表示画像の1画面分ごとに生成された前記送信用データを送信することが好ましい。
ここで、互いに重なるようにオブジェクトが配置されている場合では、オブジェクトごとに当該オブジェクトの画像データを含む送信用データが送信されると、表示画像では、背面側のオブジェクトの画像が表示された後、前面側のオブジェクトの画像が表示される。このため、各オブジェクトの前後関係が適切でない表示画像が表示されるタイミングが生じてしまう。
これに対し、本発明では、1画面分の画像データを生成した後、当該1画面分の画像データに基づく送信用データが送信されるので、このような不都合が生じることを防ぐことができる。従って、設定されたレイアウトどおりの表示画像を適切に表示することができる。
【0017】
本発明では、前記データ生成部は、新たに生成された前記1画面分の画像データが、前記新たに生成された1画面分の画像データより前に生成された前記1画面分の画像データに対して変化したか否かを判定する変化判定部と、前記変化判定部により、変化があったと判定されると、前記新たに生成された1画面分の画像データから、前記前に生成された1画面分の画像データとの差分となる差分画像データを取得する差分取得部と、前記差分画像データに基づいて、前記送信用データを生成する送信用データ生成部とを備えることが好ましい。
【0018】
本発明によれば、表示装置に送信される送信用データには、新たに生成された1画面分の画像データと、当該画像データより前に生成された1画面分の画像データとの差分となる差分画像データが含まれる。これによれば、表示装置に1画面分の画像データを順次送信することがなくなるので、当該表示装置に送信するデータ量を低減することができる。
【0019】
本発明では、前記送信用データ生成部は、前記差分画像データにより形成される画像が矩形でない場合に、前記差分画像データを分割して、形成される画像が矩形となる複数の矩形画像データを生成し、前記各矩形画像データに基づいて、それぞれ前記送信用データを生成することが好ましい。
本発明によれば、表示装置にそれぞれ送信される送信用データは、矩形の画像を形成する矩形画像データを含むので、表示装置にて表示画像を生成する際に、現在表示中の表示画像の画像データに、更新分の画像データである矩形画像データを結合しやすくすることができる。従って、表示装置における画像表示処理の負担を軽減することができるほか、表示画像を適切に表示させることができる。
【0020】
或いは、本発明では、前記送信用データ生成部は、前記差分画像データにより形成される画像が矩形でない場合に、前記表示装置にて表示されない領域を付加して、形成される画像が矩形となる矩形画像データを生成し、前記矩形画像データに基づいて、前記送信用データを生成することが好ましい。
【0021】
ここで、差分画像データの画像が矩形でない場合に、当該画像を複数の矩形画像に分割し、分割された矩形画像の画像データを含む送信用データをそれぞれ生成すると、分割数が多い場合には、送信用データの生成処理の負担が大きくなる。また、表示装置における当該画像の位置を示すヘッダ情報が、各送信用データには含まれることとなるので、表示装置に送信されるデータ量が多くなる場合がある。
これに対し、本発明では、表示装置にて表示されない領域を差分となる画像に付加して、形成される画像が矩形となるように生成した矩形画像データに基づいて送信用データを生成するので、1つの変化領域に対して1つの送信用データを生成すれば足りることとなり、表示装置に送信するデータ量を少なくすることができる。また、このような付加領域を表示しないように、表示装置が表示画像を更新することにより、当該表示画像を適切に表示することができる。
【0022】
また、本発明の表示システムは、前述の画像送信装置と、前記画像送信装置から送信された画像データに基づいて表示画像を表示する表示装置とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、前述の画像送信装置と同様の効果を奏することができ、これにより、表示システムの汎用性を向上することができる。
【0023】
また、本発明の画像送信プログラムは、表示装置に表示させる表示画像の画像データを送信する画像送信装置にて実行される画像送信プログラムであって、前記画像送信装置に、前記表示装置により表示可能な画像の表示サイズを取得する表示サイズ取得ステップと、取得された前記表示サイズに応じたレイアウト領域を形成するレイアウト領域形成ステップと、前記表示画像に含めるオブジェクトを選択する選択ステップと、前記選択ステップにて選択された前記オブジェクトに対応する画像イメージを、前記レイアウト領域に配置する画像配置ステップと、前記レイアウト領域に配置された前記画像イメージに応じて、前記画像イメージに対応する前記オブジェクトの画像の前記表示画像におけるレイアウトを設定するレイアウト設定ステップと、前記オブジェクトの最背面からの位置を示す階層を設定する階層設定ステップと、選択された前記オブジェクトの画像データのうち、前記階層設定ステップにより設定された前記階層が低い前記オブジェクトから順に、前記レイアウトに基づいて、前記表示画像の画像データとなる送信用データを生成するデータ生成ステップと、生成された前記送信用データを前記表示装置に送信するデータ送信ステップと、を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、当該画像送信プログラムを画像送信装置が実行することにより、前述の画像送信装置と同様の効果を奏することができる。
【0024】
また、本発明の記録媒体は、前述の画像送信プログラムをコンピュータ読取可能に記録したことを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体にコンピュータ読取可能に記録された画像送信プログラムを画像送信装置が読み取って実行することで、前述の画像送信装置と同様の効果、すなわち、表示装置に表示させる表示画像の設定を行うことが可能となる。また、記録媒体として、DAT(Digital Audio Tape)等の磁気テープ、FD(Flexible Disc)等の磁気ディスク、CD(Compact Disc)及びDVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク、光磁気ディスク、ハードディスク装置、並びに、半導体メモリ等を用いることができ、これらを利用して、画像送信プログラムを画像送信装置にてインストール及び実行することができるほか、当該画像送信プログラムの配布を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態に係る表示システムの構成を示すブロック図。
【図2】前記実施形態における動作画像の一例を示す図。
【図3】前記実施形態における画像送信アプリの実行時画面を示す図。
【図4】前記実施形態における文字入力領域を示す図。
【図5】前記実施形態における画像送信アプリ実行部の構成を示すブロック図。
【図6】前記実施形態における画像送信アプリ実行時処理を示すフローチャート。
【図7】前記実施形態における送信対象設定処理を示すフローチャート。
【図8】前記実施形態における設定情報取得処理を示すフローチャート。
【図9】前記実施形態におけるデータ送信処理を示すフローチャート。
【図10】前記実施形態におけるデータ送信処理を示すフローチャート。
【図11】前記実施形態におけるパケット送信処理を示すフローチャート。
【図12】前記実施形態における送信先機器で表示される表示画像を示す図。
【図13】本発明の第2実施形態に係る表示システムのPCを構成する画像送信アプリ実行部を示すブロック図。
【図14】前記実施形態におけるパケットに含まれる画像データの一例を示す図。
【図15】前記実施形態における画像送信アプリ実行時処理を示すフローチャート。
【図16】前記実施形態における設定情報取得処理を示すフローチャート。
【図17】前記実施形態におけるデータ送信処理を示すフローチャート。
【図18】前記実施形態における画像生成処理を示すフローチャート。
【図19】本発明の第3実施形態に係る表示システムのPCが生成するパケットに含まれる画像データの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔1.第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
〔表示システムの構成〕
図1は、本実施形態に係る表示システム1の構成を示すブロック図である。
本実施形態の表示システム1は、図1に示すように、表示装置としてのプロジェクタ2と、当該プロジェクタ2等の外部機器に表示させる表示画像の画像データを送信する画像送信装置としてのノート型PC(Personal Computer;以下、「PC」と略す)3とを備えている。なお、本実施形態においては、プロジェクタ2とPC3とはLAN(Local Area Network)により接続されているが、USB(Universal Serial Bus)等により接続してもよい。
【0027】
〔プロジェクタの構成〕
プロジェクタ2は、PC3から受信されたパケットに含まれる画像データに応じた表示画像を表示する。具体的に、プロジェクタ2は、光源から射出された光束を変調して、当該画像データに応じた画像光を形成し、当該画像光をスクリーン等の投射面上に拡大投射することにより、表示画像を投射面上に表示する。このようなプロジェクタ2は、画像表示手段21と、制御手段22とを備えている。
【0028】
画像表示手段21は、制御手段22から入力する駆動信号に応じて駆動して、前述の画像光を形成及び投射する。この画像表示手段21は、光源装置211と、当該光源装置211から射出された光を変調して画像光を形成する光変調装置212と、当該画像光を投射する投射光学装置213とを備えている。
このうち、光変調装置212は、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶が密閉封入された液晶パネルを備えて構成され、当該液晶パネルは、制御手段22から入力される駆動信号に応じて、当該液晶の配向状態が制御され、入射光束の偏光方向を変調する。
【0029】
制御手段22は、CPU(Central Processing Unit)等が実装された回路基板として構成されており、プロジェクタ2全体の駆動を制御する。例えば、制御手段22は、PC3から受信されたパケットを処理して、当該パケットに応じた表示画像を形成させるべく、前述の画像表示手段21に駆動信号を出力する。このような制御手段22は、通信接続部221、データ受信部222、パケット解析部223、画像展開部224、画像メモリ225及びパネルドライバ226を備えている。
【0030】
通信接続部221は、接続された外部機器(例えば、PC3)との通信接続を確立する。この際、通信接続部221は、接続された外部機器からの要求に応じて、光変調装置212により形成可能な画像のサイズ(解像度であり、画像の表示サイズ)を、当該外部機器に送信する。
データ受信部222は、PC3から入力されるパケットを取得する。
パケット解析部223は、取得されたパケットを処理して、当該パケットからヘッダ情報及び画像データを取得する。
【0031】
画像展開部224は、取得された画像データをVRAM(Video Random Access Memory)により構成された画像メモリ225に展開する。この際、画像展開部224は、取得されたヘッダ情報に含まれる画像データの位置情報及びサイズ情報に基づいて、取得された画像データを画像メモリ225に展開された画像データに結合して、1画面分の画像データを生成する。
パネルドライバ226は、画像メモリ225に展開された画像データに基づいて、光変調装置212に駆動信号を出力し、当該画像データに応じた画像を光変調装置212に形成させる。
【0032】
〔PCの構成〕
PC3は、一般的なPCにより構成され、マウス及びキーボード等により構成された操作手段31に対する使用者の入力操作に応じて、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段32に記憶されたプログラム等を読み出して、所定の処理(例えば、アプリケーション)を実行する。また、PC3は、当該入力操作に応じて、記憶手段32に記憶された画像送信プログラムを読み出して、画像送信アプリケーション(以下、「画像送信アプリ」と略す場合がある)を実行し、外部機器(例えば、プロジェクタ2)に表示させる表示画像の画像データ(パケット)の生成及び送信を行う。このようなPC3は、操作手段31及び記憶手段32の他、画像表示手段33、動作画像生成手段34、描画メモリ35、フレームメモリ36及び制御手段37を備えている。
【0033】
このうち、描画メモリ35は、ビデオメモリにより構成され、動作画像生成手段34による画像データ生成に利用される。
また、フレームメモリ36は、制御手段37の後述する画像送信アプリ実行部4により、画像送信アプリケーションが実行された際に利用され、例えば、描画メモリ35上に形成された1フレーム分の各種画像データのコピー等に利用される。
【0034】
画像表示手段33は、PC3に一体的に取り付けられた液晶パネルで構成され、動作画像生成手段34から入力される駆動信号に応じた画像を表示する。このような画像は、PC3の動作状態を示す動作画像であり、画像転送アプリを起動した際の実行時画面の画像が含まれる。なお、本実施形態では、PC3がノート型PCであるため、画像表示手段33は、当該PC3に一体的に取り付けられているが、PC3にケーブル等を介して接続されたディスプレイ等により構成してもよい。
【0035】
動作画像生成手段34は、グラフィックスチップで構成され、制御手段37の制御下で、PC3の動作画像、及び、制御手段37にて実行中のアプリケーションの実行時画像の各画像データを描画メモリ35上に形成する。そして、動作画像生成手段34は、描画メモリ35上で形成した動作画像の画像データに応じた駆動信号を画像表示手段33に出力し、当該動作画像を画像表示手段33に表示させる。
【0036】
図2は、動作画像の一例を示す図である。具体的に、図2は、画像転送アプリを含む複数のアプリケーションが実行されている動作画像の一例を示す図である。
例えば、動作画像生成手段34は、複数のアプリケーション(アプリA、アプリB、メモ帳、及び、画像転送アプリ)が制御手段37により実行中である場合に、図2に示すような動作画像APの画像データを生成する。この動作画像APは、実行中のアプリケーションの種別を示す実行アプリ表示領域AP1と、各アプリケーションのウィンドウ(枠)が表示される作業領域AP2とから構成されている。
【0037】
このうち、作業領域AP2には、実行中のアプリケーションのウィンドウが全画面で表示される状態(1つのウィンドウにて作業領域AP2の全てが覆われる状態)でない場合には、図2に示すように、実行中のアプリケーションの各ウィンドウW(W1〜W4)と、作業領域AP2上に配置されたファイルのアイコンIC(IC1〜IC3)とが表示される。このような作業領域AP2では、各ウィンドウW1〜W4の配置位置及びサイズは、所定の操作(例えば、マウスによるドラッグ操作)により調整可能である。このため、図2においては、各ウィンドウW及びアイコンICはそれぞれ重ならないように表示されているが、これらが互いに重なる場合もある。なお、図2においては、現在実行中のアプリケーション(アプリA、アプリB、メモ帳及び画像送信アプリ)のうち、画像送信アプリのウィンドウがアクティブ(操作可能)な状態となっている。
【0038】
図1に戻り、制御手段37は、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、OS(Operation System)を起動するなどして、PC3全体を制御する。このような制御手段37は、通信接続部371、アプリ実行部372及び画像送信アプリ実行部4を備えている。
通信接続部371は、PC3に接続された外部機器(例えば、プロジェクタ2)との通信接続を確立する。具体的に、通信接続部371は、使用者により指定されたIP(Internet Protocol)アドレス及びチャンネル等に応じた外部機器、及び、USB(Universal Serial Bus)ケーブルにより直接PC3に接続された外部機器との通信接続を確立する。
アプリ実行部372は、操作手段31に対する使用者の入力操作に応じて、記憶手段32に記憶されたプログラムを読み出して、当該プログラムに対応するアプリケーション(例えば、前述のアプリA、アプリB及びメモ帳であり、画像送信アプリ以外のアプリケーション)を実行する。
【0039】
画像送信アプリ実行部4は、記憶手段32に記憶された画像送信プログラムを読み出して、画像送信アプリを実行する。具体的に、画像送信アプリ実行部4は、前述の作業領域AP2上のウィンドウW4(図2及び図3)内に表示された画像送信アプリの実行時画面に対する使用者の入力操作に応じた画像データを生成し、当該画像データに基づいて生成されたパケット(送信用データ)をプロジェクタ2に送信する。
【0040】
図3は、画像送信アプリの実行時画面を拡大して示す図である。
ここで、画像送信アプリの実行時に表示される実行時画面について説明する。
画像送信アプリの実行時画面は、前述の動作画像生成手段34によりウィンドウW4内に形成及び表示される。この実行時画面は、図3に示すように、第1操作領域A1及び第2操作領域A2と、作業領域A3とを備えている。
【0041】
第1操作領域A1には、「背景」、「静止画像」、「動画像」、「アプリ」、「テキスト」及び「図形描画」とそれぞれ表記された6つのキーK1〜K6が配置されている。
第2操作領域A2には、「送信開始」キーK7及び「送信終了」キーK8と、PC3に接続された外部機器を選択可能なリストLとが配置されている。なお、本実施形態では、リストLの表示項目として、当該外部機器のIPアドレスを挙げているが、当該外部機器に設定された番号や、機器種別を示す文字列等であってもよい。
作業領域A3には、リストLにて選択された外部機器で表示可能な画像サイズ(画像表示サイズ)を縮小したレイアウト領域RAが配置される。
【0042】
このような実行時画面においては、第2操作領域A2に配置されたリストLから、画像データの送信先となる外部機器(送信先機器)を選択すると、作業領域A3にレイアウト領域RAが表示される。この状態で、各キーK1〜K6を入力することにより、レイアウト領域RAの背景画像の設定、及び、当該レイアウト領域RAへのオブジェクトの配置を行うことができる。
なお、オブジェクトとは、本実施形態では、静止画像、動画像、アプリケーションの実行時画面、テキスト及び図形を言う。
【0043】
具体的に、「背景」キーK1が入力されると、静止画像ファイルを選択するダイアログが表示され、選択された画像ファイルがレイアウト領域RA内の背景画像に設定される。
「静止画像」キーK2が入力されると、静止画像ファイルを選択するダイアログが表示され、また、「動画像」キーK3が入力されると、動画像ファイルを選択するダイアログが表示される。そして、これらダイアログにて選択された画像ファイルのサムネイルが画像イメージとしてレイアウト領域RA内に配置される。
「アプリ」キーK4が入力されると、実行中のアプリケーションのうち、画像転送アプリを除くアプリケーションを選択するリストが表示され、選択されたアプリケーションの画像イメージ(例えば、アプリケーションの実行時画面を伸縮した画像)がレイアウト領域RA内に配置される。
これら画像イメージの位置及びサイズは、レイアウト領域RA内で、操作手段31に対する入力操作(例えば、ドラッグ操作)により調整可能である。
【0044】
図4は、文字入力領域TAを示す図である。
「テキスト」キーK5が入力されると、図4に示す文字入力領域TAが表示される。この文字入力領域TAには、文字列入力欄TA1、フォント設定欄TA2、フォントサイズ設定欄TA3及びフォントカラー設定欄TA4と、「OK」キーTA5及び「Cancel」キーTA6とが設けられている。そして、文字列入力欄TA1に文字入力(例えば「プレゼンテーション」と入力)を行った後、「OK」キーTA5を入力すると、図3に示したように、入力した文字列(例えば「プレゼンテーション」)が、設定したフォント、サイズ及び色でレイアウト領域RA内に配置される。なお、「Cancel」キーTA6が入力された場合には、レイアウト領域RA内への入力文字列の配置は行われず、文字入力領域TAが非表示化される。
【0045】
図3に戻り、「図形描画」キーK6が入力されると、図形選択領域が表示される。この図形選択領域には、例えば、四角、三角及び丸等の図形や、直線、曲線及び矢印等の図形が選択項目として表示される。そして、所定の図形が選択されると、当該図形がレイアウト領域RA内に配置される。この図形の位置及びサイズは、レイアウト領域RA内で、操作手段31に対する入力操作により調整可能である。
なお、これらレイアウト領域RA内に挿入された画像イメージ、文字列及び図形は、当該レイアウト領域RA内から削除することがそれぞれ可能である。
【0046】
第2操作領域A2の「送信開始」キーK7が入力されると、レイアウト領域RAに設定された背景画像、画像イメージ、文字列及び図形の画像データを含むパケットが、リストLにより選択された外部機器に送信される。この際、動画像及びアプリケーションが選択されている場合には、制御手段37は、当該動画像及びアプリケーションの画像データを含むパケットを、選択された外部機器に送信し続ける。
「送信終了」キーK8が入力されると、パケットの送信が終了される。
【0047】
図5は、画像送信アプリ実行部4の構成を示すブロック図である。
以上のような画像送信アプリを実行するために、画像送信アプリ実行部4は、図5に示すように、主制御部41、送信先設定部42、表示サイズ取得部43、レイアウト領域形成部44、操作判定部45、画像選択部46、図形描画部47、画像配置部48、順位設定部49、レイアウト設定部50、背景データ生成部51、領域情報取得部52、動画展開部53、データ生成部54及びデータ送信部55を備えている。
【0048】
主制御部41は、画像送信アプリ実行部4の動作全体を制御するものであり、画像送信アプリの実行に伴い、前述の実行時画面を、動作画像生成手段34に生成及び表示させる。また、主制御部41は、必要に応じて、各機能部42〜55を機能させて、画像送信アプリの実行状態を制御する。
送信先設定部42は、リストLにて選択された外部機器を、画像データの送信先機器として設定する。
【0049】
表示サイズ取得部43は、送信先機器の画像表示サイズを取得する。
レイアウト領域形成部44、取得された画像表示サイズに基づいて、実行時画面中にレイアウト領域RAを表示させる。
操作判定部45は、画像送信アプリ実行時の操作手段31に対する使用者の操作を判定する。
【0050】
画像選択部46は、後述する図形描画部47とともに本発明の選択部に相当し、前述のキーK1〜K4の入力時に実行される機能に応じた処理を実行して、外部機器による表示画像を構成するオブジェクトを選択する。このような画像選択部46は、背景選択部461、静止画選択部462、動画選択部463及びアプリ選択部464を備えている。
背景選択部461は、「背景」キーK1が入力された際に前述のダイアログを表示させ、選択された静止画像ファイルのパス等を、記憶手段32に記憶された送信対象リストに設定する。
【0051】
静止画選択部462は、「静止画」キーK2が入力された際に前述のダイアログを表示させ、選択された静止画像ファイルのパスと、レイアウト領域RAにおける画像イメージの位置及びサイズ等とを送信対象リストに設定する。
動画選択部463は、「動画像」キーK3が入力された際に前述のダイアログを表示させ、選択された動画像ファイルのパスと、レイアウト領域RAにおける画像イメージの位置及びサイズ等とを送信対象リストに設定する。なお、当該動画像ファイルの再生は、「送信開始」キーK7が入力された際に、後述する動画展開部53により開始される。
アプリ選択部464は、「アプリ」キーK4が入力された際に前述のリストを表示させ、選択されたアプリケーションの名称と、レイアウト領域RAにおける画像イメージの位置及びサイズ等とを送信対象リストに設定する。
【0052】
図形描画部47は、テキスト生成部471及び図形生成部472を備えている。
テキスト生成部471は、「テキスト」キーK5が入力された際に前述の文字入力領域TAを表示させ、入力された文字列の画像データを描画メモリ35に展開する。
図形生成部472は、「図形描画」キーK6が入力された際に前述の図形選択領域を表示させ、選択された図形に係る画像データを描画メモリ35に展開する。
また、これらテキスト生成部471及び図形生成部472は、入力された文字列、及び、選択された図形の種別と、レイアウト領域RAにおける当該文字列及び図形の位置やサイズ等とを送信対象リストに設定する。
【0053】
画像配置部48は、選択及び入力されたオブジェクト(背景、静止画、動画及びアプリケーション、文字列及び図形)の画像イメージをレイアウト領域RA上に配置する。
順位設定部49は、レイアウト領域RAに配置された各オブジェクトに対して、当該オブジェクトの設定順に順位(番号)付けを行う。具体的に、順位設定部49は、オブジェクトが配置されるごとに、当該オブジェクトの順位を送信対象リストに設定する。
【0054】
レイアウト設定部50は、位置設定部501、サイズ設定部502及び階層設定部503を備えている。
位置設定部501及びサイズ設定部502は、レイアウト領域RAにおける各オブジェクトの画像イメージの位置及びサイズを、操作手段31に対する入力操作に応じて変更する。また、これら位置設定部501及びサイズ設定部502は、変更された位置及びサイズに基づいて、送信対象リストに設定された当該オブジェクトの位置及びサイズの内容を更新する。
【0055】
階層設定部503は、各オブジェクトの重なりを示す階層を設定する。具体的に、階層設定部503は、レイアウト領域RAにて複数の画像イメージが重なるように配置された場合に、最背面側の画像イメージから順に、対応するオブジェクトの階層を「1」、「2」、…、「m」と設定する。なお、他の画像イメージが重ならないように配置された画像イメージに対応するオブジェクトの階層は「1」である。また、1つのオブジェクトに対してそれぞれ重なり、かつ、互いに重ならないように配置された複数の画像イメージに対応する各オブジェクトの階層は、当該1つのオブジェクトの階層に1が加算された値となる。このような階層設定部503は、レイアウト領域RAの各画像イメージが操作されるたびに、画像送信リストの各オブジェクトの階層を更新する。
【0056】
以下の各機能部51〜55は、「送信開始」キーK7が入力された際に動作する。
背景データ生成部51は、画像送信リストに背景として設定された静止画像ファイルの画像データを、送信先機器の画像表示サイズに合わせてリサイズし、リサイズされた画像データから、当該送信先機器との通信形態に沿ったパケットを生成する。このパケットは、データ送信部55により、送信先機器に送信される。なお、背景が設定されていない場合には、背景データ生成部51は、黒画像の画像データに係るパケットを生成する。
【0057】
領域情報取得部52は、画像送信リストに設定された各オブジェクトの位置、サイズ、順位、階層及び種別(静止画像、動画像、アプリケーション、テキスト及び図形のいずれかの種別)等を取得する。
動画展開部53は、画像送信リストに設定された動画像ファイルを描画メモリ35に展開する。
【0058】
データ生成部54は、送信先機器での表示画像の背景以外の画像データ(各オブジェクトに係る画像データ)を含むパケットを生成する。具体的に、データ生成部54は、オブジェクトの階層順に、当該オブジェクトの画像データを含むパケットを生成する。このようなデータ生成部54は、対象階層選択部541、対象領域選択部542、領域種別判定部543、画像キャプチャ部544、階層判定部545、変化判定部546、送信データ生成部547、対象領域判定部548及び対象階層判定部549を備えている。
【0059】
対象階層選択部541は、対象となるオブジェクト(対象オブジェクト)が位置する階層を対象階層として選択する。
対象領域選択部542は、対象階層に位置するオブジェクトから、対象オブジェクトを選択する。なお、対象領域選択部542は、同一階層に複数のオブジェクトが存在する場合には、順位設定部49により設定された順位のうち、最小順位のオブジェクトから順に、対象オブジェクトを選択する。
【0060】
領域種別判定部543は、対象オブジェクトの種別を判定する。具体的に、領域種別判定部543は、領域情報取得部52により取得された各オブジェクトの情報に基づいて、対象オブジェクトが、画像データが経時的に変化しない静オブジェクト(静止画像、テキスト及び図形)であるのか、画像データが経時的に変化する動オブジェクト(動画及びアプリケーション)であるのかを判定する。
画像キャプチャ部544は、描画メモリ35に展開された対象オブジェクトの画像データをキャプチャし、当該画像データをフレームメモリ36にコピーする。この際、画像キャプチャ部544は、対象オブジェクトが動オブジェクトである場合には、1フレーム分の画像データをフレームメモリ36にコピーする。
【0061】
階層判定部545は、対象階層が第1層であるか否かを判定する。
変化判定部546は、対象オブジェクトが動オブジェクトである場合に、フレームメモリ36にコピーされた画像データと、既にコピーされている画像データとの間に変化があるか否かを判定する。
【0062】
送信データ生成部547は、フレームメモリ36にコピーされた対象オブジェクトの画像データ、及び、領域情報取得部52により取得された各オブジェクトの情報に基づいて、送信先機器に送信するパケットを生成する。この送信データ生成部547は、画像加工部5471、表示位置算出部5472、パケット生成部5473及び差分取得部5474を備えている。
画像加工部5471は、フレームメモリ36にコピーされた画像データを、レイアウト領域RAのサイズに対する送信先機器の画像表示サイズと、当該レイアウト領域RAでの対象オブジェクトのサイズに対する画像データのサイズとが一致するように、当該画像データをリサイズする。
【0063】
表示位置算出部5472は、レイアウト領域RAでの対象オブジェクトの位置(画像送信リストに設定されている対象オブジェクトの位置)に基づいて、送信先機器での表示画像における当該対象オブジェクトの画像データの表示位置を算出する。
パケット生成部5473は、本発明の送信用データ生成部に相当し、画像加工部5471により変更されたサイズ、及び、表示位置算出部5472により算出された表示位置を含むヘッダ情報と、リサイズされた画像データとを有するパケットを生成する。
【0064】
差分取得部5474は、変化判定部546により、それぞれ同じ対象オブジェクトの画像データのうち、新たにコピーされた画像データと、既にコピーされていた画像データとの間に変化があると判定された場合に、新たにコピーされた画像データから、既にコピーされていた画像データとの差分となる最小の矩形領域を差分画像データとして取得する。
なお、差分取得部5474により差分画像データが取得された場合には、画像加工部5471は、当該差分画像データに対してリサイズを行い、表示位置算出部5472は、当該差分画像データに対して表示位置の算出を行う。
【0065】
対象領域判定部548は、対象階層の全オブジェクトが対象オブジェクトに設定されたか否かを判定する。この対象領域判定部548により、対象オブジェクトに設定されていないオブジェクトがあると判定された場合には、対象領域選択部542により、次の順位のオブジェクトが対象オブジェクトとして選択される。
【0066】
対象階層判定部549は、全ての階層が対象階層として選択されたか否かを判定する。ここで、対象階層判定部549により、対象階層として選択されていない階層があると判定された場合には、対象階層選択部541は、現在の階層を示す値「n」に1を加算した値により示される階層を対象階層に選択する。また、対象階層判定部549により、全ての階層が対象階層として選択されたと判定された場合には、対象階層選択部541は、「n」に「1」を設定して、第1層を対象階層として選択する。
データ送信部55は、背景データ生成部51及びデータ生成部54により生成されたパケットを、送信先機器に送信する。
【0067】
〔画像送信アプリ実行時処理〕
図6は、画像送信アプリ実行時処理を示すフローチャートである。
使用者により画像送信アプリの実行操作が行われた場合には、画像送信アプリ実行部4は、以下に示す画像送信アプリ実行時処理を実行する。
この画像送信アプリ実行時処理では、図6に示すように、まず、主制御部41が、動作画像生成手段34及び画像表示手段33により、画像送信アプリの実行時画面(図2及び図3参照)を表示させる(ステップSA01)。
この後、送信先設定部42が、使用者により選択された外部機器を送信先機器に設定し(ステップSA02)、表示サイズ取得部43が、設定された送信先機器から画像表示サイズを取得する(ステップSA03)。そして、レイアウト領域形成部44が、動作画像生成手段34により、当該画像表示サイズを所定の割合で縮小したレイアウト領域RAを、実行時画面の作業領域A3に表示させる(ステップSA04)。
この後、画像送信アプリ実行部4は、送信対象設定処理SBを行う。
【0068】
図7は、送信対象設定処理SBを示すフローチャートである。
送信対象設定処理SBは、前述のオブジェクトを設定する処理である。
この送信対象設定処理SBでは、図7に示すように、まず、操作判定部45が、「背景」キーK1が入力され、背景に設定される静止画像ファイルの選択がされたか否かを判定する(ステップSB01)。そして、選択されたと判定されると、背景選択部461が、選択された静止画像ファイルのパスを、画像送信リストに設定する。また、この際、画像配置部48が、選択された静止画像ファイルを描画メモリ35に展開し、当該静止画像ファイルの画像をレイアウト領域RAの背景に設定する(ステップSB02)。この後、画像送信アプリ実行部4は、送信対象設定処理SBを終了する。
【0069】
また、操作判定部45は、背景が選択されたのではないと判定すると、「静止画」キーK2が入力され、かつ、静止画像ファイルの選択がされたか否かを判定する(ステップSB03)。そして、選択されたと判定されると、静止画選択部462が、選択された静止画像ファイルのパス等を画像送信リストに設定する。また、この際、画像配置部48が、当該静止画像ファイルのサムネイルをレイアウト領域RA上に所定のサイズで配置する(ステップSB04)。この後、画像送信アプリ実行部4は、ステップSB11に処理を移行する。
【0070】
また、操作判定部45は、静止画像が選択されたのではないと判定すると、「動画」キーK3が入力され、かつ、動画像ファイルの選択がされたか否かを判定する(ステップSB05)。そして、選択されたと判定されると、動画選択部463が、選択された動画像ファイルのパス等を画像送信リストに設定する。また、この際、画像配置部48が、当該動画像ファイルのサムネイルをレイアウト領域RA上に所定のサイズで配置する(ステップSB06)。この後、画像送信アプリ実行部4は、ステップSB11に処理を移行する。
【0071】
また、操作判定部45は、動画像が選択されたのではないと判定すると、「アプリ」キーK4が入力され、かつ、アプリケーションの選択がされたか否かを判定する(ステップSB07)。そして、選択されたと判定されると、アプリ選択部464が、選択されたアプリケーションの情報(名称等)を画像送信リストに設定する。また、この際、画像配置部48が、選択されたアプリケーションの実行時画面の画像をレイアウト領域RA上に所定のサイズで配置する(ステップSB08)。この後、画像送信アプリ実行部4は、ステップSB11に処理を移行する。
【0072】
操作判定部45は、アプリケーションが選択されたのではないと判定すると、「テキスト」キーK5又は「図形描画」キーK6が入力され、テキストの入力又は図形の選択が行われたか否かを判定する(ステップSB09)。そして、テキストの入力又は図形の選択が行われたと判定されると、テキスト生成部471及び図形生成部472が、入力されたテキスト及び選択された図形の情報を画像送信リストに設定し、画像配置部48が、当該テキスト及び図形の画像イメージをレイアウト領域RA上に配置する(ステップSB10)。この後、画像送信アプリ実行部4は、ステップSB11に処理を移行する。
なお、操作判定部45により、テキストの入力又は図形の選択は行われていないと判定されると、画像送信アプリ実行部4は、送信対象設定処理SBを終了する。
【0073】
ステップSB11では、順位設定部49が、オブジェクトの画像送信リストへの設定順(静止画像、動画像、アプリケーション、テキスト及び図形のレイアウト領域RAへの配置順)に、当該オブジェクトに対して順位を設定する(ステップSB11)。
また、使用者の操作に応じて、レイアウト領域RA内での画像イメージの位置及びサイズが変更されると、位置設定部501及びサイズ設定部502が、画像送信リストの対応するオブジェクトの位置及びサイズの内容を更新する(ステップSB12)。この際、オブジェクトの階層に変化が生じた場合には、階層設定部503が、各オブジェクトの画像送信リストにおける階層を更新する(ステップSB13)。
以上により、送信対象設定処理SBが終了する。
【0074】
図6に戻り、送信対象設定処理SBの後、操作判定部45が、「送信開始」キーK7が入力されたか否かを判定する(ステップSA05)。ここで、操作判定部45により、当該キーK7が入力されていないと判定された場合には、画像送信アプリ実行部4は、送信対象設定処理SBを繰り返し実行する。
一方、キーK7が入力されたと判定された場合には、画像送信アプリ実行部4は、設定情報取得処理SCを実行する。
【0075】
図8は、設定情報取得処理SCを示すフローチャートである。
設定情報取得処理SCは、背景に設定された画像データを送信するとともに、レイアウト領域RAに設定された各オブジェクトに係る情報を取得する処理である。
この設定情報取得処理SCでは、図8に示すように、まず、背景データ生成部51が、画像送信リストに背景が設定されているか否かを判定する(ステップSC01)。
ここで、背景データ生成部51は、背景が設定されていると判定した場合には、画像送信リストに背景として設定された静止画像ファイルに基づくパケットを生成し、データ送信部55が当該パケットを送信先機器に送信する(ステップSC02)。
一方、背景データ生成部51は、背景が設定されていないと判定した場合には、黒画像データに係るパケットを生成し、データ送信部55が当該送信パケットを送信する(ステップSC03)。
この背景に係るパケットを受信した送信先機器は、当該パケットに基づく画像を表示画像の背景として表示する。
【0076】
これらステップSC02,SC03の後、領域情報取得部52が、画像送信リストに設定された各オブジェクトの位置及びサイズを取得する(ステップSC04)。また、領域情報取得部52は、画像送信リストから各オブジェクトの順位及び階層を取得するほか(ステップSC05)、当該各オブジェクトの種別を取得する(ステップSC06)。
この後、動画展開部53は、画像送信リストに動画像ファイルが設定されているか否かを判定し(ステップSC07)、設定されていると判定した場合には、当該動画像ファイルを描画メモリ35に展開する(ステップSC08)。
以上により、設定情報取得処理SCは終了する。
【0077】
図9及び図10は、データ送信処理SDを示すフローチャートである。
図6に戻り、画像送信アプリ実行部4は、設定情報取得処理SCの後、データ送信処理SDを実行する。このデータ送信処理SDは、対象オブジェクトを順次選択し、当該対象オブジェクトの画像データに基づくパケットを順次送信する処理である。
このデータ送信処理SDでは、図9に示すように、まず、データ生成部54の対象階層選択部541が、対象階層を示す値「n」に「1」を設定し(ステップSD01)、対象階層として第n層(この段階では第1層)を選択する(ステップSD02)。
そして、対象領域選択部542が、第n層に位置するオブジェクトのうち、最小順位のオブジェクトを対象オブジェクトとして選択する(ステップSD03)。
【0078】
次に、画像キャプチャ部544が、描画メモリ35上の対象オブジェクトに対応する画像データをキャプチャして、当該画像データをフレームメモリ36にコピーする(ステップSD04)。この際、当該対象オブジェクトが動オブジェクトである場合には、1フレーム分の画像データをコピーする。
この後、画像送信アプリ実行部4は、パケット送信処理SEを実行する。
【0079】
図11は、パケット送信処理SEを示すフローチャートである。
パケット送信処理SEは、フレームメモリ36にコピーされた画像データに基づいてパケットを生成し、当該パケットを送信先機器に送信する処理である。
このパケット送信処理SEでは、図11に示すように、まず、送信データ生成部547の画像加工部5471が、送信先機器の画像表示サイズに応じて、コピーされた対象オブジェクトに係る画像データをリサイズする(ステップSE01)。
【0080】
また、表示位置算出部5472が、レイアウト領域RAにおける対象オブジェクトの画像イメージの位置に基づいて、送信先機器の表示画像における当該対象オブジェクトの画像の結合位置を算出する(ステップSE02)。
そして、パケット生成部5473が、リサイズ後の画像データの位置を含むヘッダ情報と、当該リサイズ後の画像データとを含むパケットを生成し、当該パケットをデータ送信部55により送信先機器に送信する(ステップSE03)。
以上により、パケット送信処理SEが終了する。
【0081】
図9に戻り、パケット送信処理SEの後、対象領域判定部548が、対象階層の全オブジェクトが対象オブジェクトとして選択されたか否かを判定する(ステップSD05)。
ここで、選択されていないオブジェクトがあると判定された場合には、対象領域選択部542が、対象階層に位置し、かつ、対象オブジェクトとして選択されていないオブジェクトのうち、最小順位のオブジェクトを対象オブジェクトとして選択する(ステップSD06)。
この後、画像送信アプリ実行部4は、ステップSD04に戻る。
【0082】
一方、対象階層の全オブジェクトが対象オブジェクトとして選択されたと判定された場合には、対象階層判定部549が、全ての階層が対象階層として選択されたか否かを判定する(ステップSD07)。ここで、選択されていない階層が存在すると判定された場合には、対象階層選択部541が、対象階層を示す値「n」に1を加算し(ステップSD08)、ステップSD02に戻る。これにより、値「n」が示す階層が対象階層として選択される。
一方、全階層が対象階層として選択されたと判定された場合には、画像送信アプリ実行部4は、ステップSD09に処理を移行する。
【0083】
図12は、PC3から送信された画像データに基づいて送信先機器で表示される表示画像を示す図である。
ここまでの処理により、送信先機器での最初の1フレーム分の表示画像の画像データ(パケット)が送信されたこととなる。このような画像データを受信した送信先機器では、図12に示すように、レイアウト領域RAにて設定された各オブジェクトのレイアウトで、当該各オブジェクトの画像を含む表示画像が表示される。
【0084】
ステップSD09では、図10に示すように、対象階層選択部541が、対象階層を示す値「n」を「1」に設定し(ステップSD09)、当該「n」が示す階層(この時点では第1層)を対象階層として選択する(ステップSD10)。
この後、対象領域選択部542が、対象階層である第n層に位置するオブジェクトのうち、最小順位のオブジェクトを対象オブジェクトとして選択する(ステップSD11)。
【0085】
次に、階層判定部545が、現在の対象階層が第1層であるか否かを判定する(ステップSD12)。この判定処理にて、対象階層が第1層であると判定された場合には、領域種別判定部543が、対象オブジェクトが静オブジェクト(静止画像、テキスト及び図形)であるか、動オブジェクト(動画及びアプリケーション)であるかを判定する(ステップSD13)。この際、対象オブジェクトが静オブジェクトであると判定されると、画像送信アプリ実行部4は、ステップSD18に処理を移行する。
ここで、最背面の階層である第1層に位置する静オブジェクトは、画像データを更新する必要がない。また、当該画像データは1フレーム目の画像データ送信時に既に送信している。このため、2フレーム目以降の画像データ送信に際して、第1層の静オブジェクトの画像データを送信しないことで、同じデータが再度送信されることを抑え、送信データ量の低減を図っている。
【0086】
一方、対象オブジェクトが動オブジェクトであると判定された場合には、画像キャプチャ部544が、対象オブジェクトの1フレーム分の画像データを描画メモリ35からフレームメモリ36にコピーする(ステップSD14)。
この後、変化判定部546が、新たにコピーされた画像データと、既にコピーされていた画像データとを比較し、これらの間に変化が生じたか否かを判定する(ステップSD15)。ここで、変化がないと判定された場合には、例え対象オブジェクトに他のオブジェクトが重なるように配置されている場合でも、当該対象オブジェクトに係る画像データの更新を行う必要が無いと判定し、画像送信アプリ実行部4は、ステップSD18に処理を移行する。
【0087】
一方、変化判定部546により、変化があると判定された場合には、差分取得部5474が、新たにコピーされた画像データから、既にコピーされていた画像データとの差分となる差分画像データを取得する(ステップSD16)。
そして、画像送信アプリ実行部4は、当該差分画像データに基づくパケットの生成及び送信を前述のパケット送信処理SEにより行い、ステップSD18に処理を移行する。
【0088】
一方、ステップSD12での判定処理にて、対象階層が第1層でないと判定されると、画像キャプチャ部544が、対象オブジェクトの画像データを描画メモリ35からフレームメモリ36にコピーする(ステップSD17)。そして、画像送信アプリ実行部4は、当該コピーした画像データに基づくパケットの生成及び送信を前述のパケット送信処理SEにより行い、ステップSD18に処理を移行する。
このため、第1層に位置しない対象オブジェクト、すなわち、他のオブジェクトが背面側に位置する対象オブジェクトについては、フレームごとに画像データを送信先機器に送信する。これにより、当該対象オブジェクトの背面側に位置する他のオブジェクトに変化があり、当該他のオブジェクトの画像が更新された場合でも、対象オブジェクトの画像の表示領域に、適切な画像を表示することができる。
【0089】
ステップSD18では、前述のステップSD05と同様に、対象領域判定部548が、対象階層の全オブジェクトが対象オブジェクトとして選択されたか否かを判定する(ステップSD18)。そして、選択されていないオブジェクトが存在すると判定されると、対象領域選択部542が、対象階層で対象オブジェクトに選択されていない最小順位のオブジェクトを対象オブジェクトとして選択し(ステップSD19)、画像送信アプリ実行部4は、ステップSD11に処理を移行する。
【0090】
一方、対象領域判定部548により、対象階層の全オブジェクトが対象オブジェクトとして選択されたと判定されると、対象階層判定部549が、全ての階層が対象階層として選択されたか否かを判定する(ステップSD20)。そして、対象階層判定部549により、選択されていない階層が存在すると判定されると、対象階層選択部541が、対象階層を示す値「n」に1を加算し(ステップSD21)、ステップSD10に戻る。
また、対象階層判定部549により、全階層が対象階層として選択されたと判定されると、画像送信アプリ実行部4は、ステップSD09に処理を移行して、次のフレームに係る画像データの送信に備える。
これにより、各オブジェクトが順次選択され、当該オブジェクトに係る画像データが送信先機器に順次送信されることで、当該送信先機器において、画像がフレームごとに更新される。
【0091】
なお、上記設定情報取得処理SC及びデータ送信処理SDは、画像送信アプリが実行中であれば、当該画像送信アプリのウィンドウがアクティブでない状態でも実行される。このため、当該画像送信アプリのウィンドウに、他のアプリケーションのウィンドウが重なるように配置されていても、また、他のアプリケーション(例えば、メモ帳等)にて所定の処理を実行していても、レイアウト領域RAに設定された各オブジェクトの画像データと、かつ、当該各オブジェクトのレイアウトに応じたヘッダ情報とを有するパケットが、送信先機器に送信される。
【0092】
図6に戻り、操作判定部45は、データ送信処理SDの処理中に「送信終了」キーK8が入力されたか否かを判定する(ステップSA06)。ここで、操作判定部45により、キーK8は入力されていないと判定されると、画像送信アプリ実行部4は、引き続き、データ送信処理SDを実行する。
一方、操作判定部45により、キーK8が入力されたと判定されると、主制御部41は、データ送信処理SDを終了する(ステップSA07)。
この後、操作判定部45は、画像送信アプリの実行時画面に対する編集操作が行われたか否かを判定する(ステップSA08)。ここで、編集操作が行われたと判定された場合には、画像送信アプリ実行部4は、送信対象設定処理SBを再度実行し、編集操作が行われず、かつ、画像送信アプリの終了操作が行われたと判定された場合には、画像送信アプリ実行部4は、画像送信アプリを終了させる。
【0093】
以上説明した本実施形態に係る表示システムによれば、以下の効果がある。
(1)画像選択部46により選択されたオブジェクト(背景、静止画像、動画像及びアプリケーション)、及び、図形描画部47により入力及び選択されたオブジェクト(文字列及び図形)の画像データを含むパケット(送信用データ)が生成され、当該パケットが送信先機器(プロジェクタ2)に送信される。これによれば、送信先機器にて表示される表示画像に、PC3の使用者が選択したオブジェクト以外の画像が含まれないようにすることができる。従って、PC3の使用者が送信先機器の表示画像を自由に設定することができ、使用者にとって見せたくない画像が送信先機器により表示されてしまうことを防ぐことができる。
【0094】
(2)レイアウト設定部50により、送信先機器での表示画像におけるオブジェクトのレイアウト(例えば、表示位置及びサイズ等)を設定することができるので、当該表示画像における所望の位置に、所望のサイズで、オブジェクトの画像を表示することができる。また、オブジェクトが複数選択されている場合には、当該各オブジェクトの画像の少なくとも一部が互いに重なるように、これらオブジェクトの画像を表示することができる。従って、送信先機器での表示画像の設定自由度を向上することができる。
【0095】
(3)レイアウト領域形成部44は、表示サイズ取得部43により取得された送信先機器の画像表示サイズに応じたレイアウト領域RAを、画像送信アプリの実行時画面に形成及び表示させる。そして、画像配置部48が、選択及び入力されたオブジェクトに対応する画像イメージを当該レイアウト領域RAに配置し、レイアウト設定部50が、当該画像イメージのレイアウト領域RAにおけるレイアウトに応じて、送信先機器での表示画像におけるオブジェクトの画像のレイアウトを設定する。これによれば、表示画像の設定状況を視覚的に判断することができ、当該表示画像の設定を容易に行うことができる。
【0096】
(4)送信用データであるパケットの生成時には、データ生成部54は、最小階層のオブジェクト、すなわち、最背面側のオブジェクトから順にパケットを生成する。これによれば、表示画像においては、背面側のオブジェクトの画像が先に更新され、前面側のオブジェクトの画像が後に更新されるので、表示画像における各オブジェクトの画像の前後関係が崩れることを防ぐことができる。従って、設定されたレイアウトどおりに、表示画像を表示させることができる。
【0097】
(5)データ生成部54は、オブジェクトごとにパケットを生成する。これによれば、他のオブジェクトが重ならないように静オブジェクトが配置されている場合には、当該静オブジェクトの画像データを再度送信せず、画像を更新する必要のある動オブジェクトが配置されている場合には、当該動オブジェクトの画像データを送信先機器に順次送信することができる。従って、送信先機器に送信するデータ量を低減することができる。
【0098】
〔2.第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る表示システムについて説明する。
本実施形態に係る表示システムは、前述の表示システム1と同様の構成を備える。しかしながら、当該表示システム1においては、対象オブジェクトに選択されるごとに、オブジェクトの画像データを送信先機器に送信していた。これに対し、本実施形態に係る表示システムでは、各オブジェクトの画像データを含む1画面分のパケットを生成及び送信する。この点において、本実施形態に係る表示システムと表示システム1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一または略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0099】
本実施形態に係る表示システムは、画像表示装置としてのプロジェクタ2と、当該プロジェクタ2に画像データを送信する画像送信装置としてのPC3Aとを備え、これらプロジェクタ2とPC3Aとは、表示システム1と同様に、LANにより接続されている。
PC3Aは、制御手段37に代えて、制御手段37Aを備えるほかは、PC3と同様の構成を備えている。また、制御手段37Aは、画像送信アプリ実行部4に代えて、画像送信アプリ実行部4Aを備えるほかは、制御手段37と同様の構成を備えている。
【0100】
図13は、本実施形態に係る表示システムのPC3Aが有する画像送信アプリ実行部4Aの構成を示すブロック図である。
画像送信アプリ実行部4Aは、使用者の操作に応じて記憶手段32に記憶された画像送信プログラムを読み込んで、画像送信アプリを実行する。この画像送信アプリ実行部4Aは、図13に示すように、主制御部41、送信先設定部42、表示サイズ取得部43、レイアウト領域形成部44、操作判定部45、画像選択部46、図形描画部47、画像配置部48、順位設定部49、レイアウト設定部50、領域情報取得部52、動画展開部53、データ生成部54A及びデータ送信部55を備えている。
【0101】
データ生成部54Aは、レイアウト領域RAに設定された各オブジェクトの画像データを有する表示画像1画面分のパケットを生成する。このデータ生成部54Aは、図13に示すように、背景設定判定部550、黒画像生成部551、画像キャプチャ部544、対象階層選択部541、対象領域選択部542、完成画像生成部552、対象領域判定部548、対象階層判定部549、変化判定部553、差分取得部554及びパケット生成部555を備えている。
【0102】
このうち、背景設定判定部550は、画像送信リストに背景としての静止画像ファイルが選択されているか否かを判定する。
黒画像生成部551は、背景設定判定部550により、背景としての静止画像ファイルが選択されていないと判定された際に、描画メモリ35に黒画像データを生成する。
【0103】
完成画像生成部552は、送信先機器にて表示される1画面分の表示画像(背景及び各オブジェクトの画像を含む1フレーム分の完成画像)の画像データを生成する。この完成画像生成部552は、画像加工部5471、表示位置算出部5472及び画像生成部5521を備えている。
このうち、画像生成部5521は、画像加工部5471によりリサイズされた画像データを、表示位置算出部5472により算出された位置に結合させることで、1画面分の表示画像の画像データをフレームメモリ36上に生成する。
【0104】
変化判定部553は、完成画像生成部552によりフレームメモリ36に新たに生成された1画面分の画像データと、既に生成されている1画面分の画像データ(1フレーム前の画像データ)とを比較して、これらの間に変化があるか否かを判定する。
差分取得部554は、変化判定部553により変化があると判定された場合に、新たに生成された画像データから、既に生成されている画像データとの差分となる差分画像データを取得する。なお、1フレーム目の画像データについては、比較対象の画像データがないので、新たに生成された画像データ全体を差分画像データとして取得する。
【0105】
図14は、パケット生成部555により生成されるパケットに含まれる画像データの一例を示す図である。
パケット生成部555は、本発明の送信用データ生成部に相当し、差分取得部554により取得された差分画像データと、当該差分画像データに応じた画像の表示位置(結合位置)を示すヘッダ情報とを有するパケットを生成する。このパケットは、データ送信部55により、送信先機器に送信される。
ここで、例えば図14の上段に示すように、差分画像データに応じた画像が矩形でない場合がある。このような場合、パケット生成部555は、図14の下段に示すように、差分画像データに応じた画像を、複数の矩形領域に分割し、各矩形領域に応じた矩形画像データに基づくパケットを生成する。
【0106】
〔画像送信アプリ実行時処理〕
図15は、PC3Aにて実行される画像送信アプリ実行時処理を示すフローチャートである。
操作手段31に対して、使用者により画像送信アプリの実行操作が行われた場合には、画像送信アプリ実行部4Aは、図15に示すように、前述のステップSA01〜SA04及び送信対象設定処理SBを行う。この後、ステップSA05にて、「送信開始」キーK7が入力されたか否かが判定され、当該キーK7が入力されていないと判定されると、画像送信アプリ実行部4Aは、送信対象設定処理SBを再度実行し、また、キーK7が入力されたと判定されると、画像送信アプリ実行部4Aは、設定情報取得処理SFを行う。
【0107】
図16は、設定情報取得処理SFを示すフローチャートである。
設定情報取得処理SFでは、前述の設定情報取得処理SCにおける背景に係る処理を省略し、ステップSC04〜SC08と同様の処理を実行する。すなわち、設定情報取得処理SFでは、図16に示すように、領域情報取得部52が、画像送信リストに設定された各オブジェクトの位置、サイズ、順位、階層及び種別を取得する(ステップSC04〜SC06)。そして、動画展開部53が、画像送信リストに動画像ファイルが設定されているか否かを判定し(ステップSC07)、設定されていると判定すると、対応する動画像ファイルを描画メモリ35に展開する(ステップSC08)。
以上により、設定情報取得処理SFが終了する。
【0108】
図17は、データ送信処理SGを示すフローチャートである。
図15に戻り、設定情報取得処理SFの後、画像送信アプリ実行部4Aは、データ送信処理SGを実行する。
このデータ送信処理SGでは、図17に示すように、まず、背景設定判定部550が、画像送信リストに背景として静止画像ファイルが選択されているか否かを判定する(ステップSG01)。ここで、選択されていると判定されると、画像キャプチャ部544が、対応する画像ファイルの画像データを描画メモリ35からキャプチャして、フレームメモリ36にコピーする(ステップSG02)。
【0109】
一方、選択されていないと判定された場合には、黒画像生成部551が、黒画像データを描画メモリ35に生成し、画像キャプチャ部544が、当該黒画像データをフレームメモリ36にコピーする(ステップSG03)。
これらステップSG02,03の後、画像送信アプリ実行部4Aは、コピーされた背景の画像データを対象データに設定し、当該対象データに対して画像生成処理SHを実行する。
【0110】
図18は、画像生成処理SHを示すフローチャートである。
画像生成処理SHは、表示画像1画面分の画像データを生成する処理である。
この画像生成処理SHでは、図18に示すように、まず、完成画像生成部552の画像加工部5471が、対象データである画像データをリサイズする(ステップSH01)。
そして、表示位置算出部5472が、レイアウト領域RAにおける対象データの位置から、リサイズされた画像データの表示画像での位置を算出する(ステップSH02)。
【0111】
次に、画像生成部5521が、リサイズされた画像データを、フレームメモリ36に描画された表示画像の画像データにおける表示位置算出部5472により算出された位置に描画して、生成中の表示画像の画像データと結合させる(ステップSH03)。
このような画像生成処理SHが、背景及び各オブジェクトの画像データに対して行われることで、フレームメモリ36上に表示画像1画面分の画像データ(1フレーム分の画像データ)が生成される。
以上により、画像生成処理SHが終了する。
【0112】
図17に戻り、背景の画像データに対する画像生成処理SHの後、画像送信アプリ実行部4Aは、前述のデータ送信処理SDにおけるステップSD01〜SD08と同様の処理を行う。なお、SD04の後、パケット送信処理SEに代えて、前述の画像生成処理SHを対象オブジェクトの画像データに対して行う。
【0113】
ここで、ステップSD07の判定処理にて、対象階層判定部549により、全階層が対象階層に選択されたと判定されると、変化判定部553が、新たに生成された表示画像1画面分の画像データと、既に生成されている1フレーム前の表示画像1画面分の画像データとを比較し、これらの間に変化が生じたか否かを判定する(ステップSG04)。
そして、変化が生じていないと判定されると、画像送信アプリ実行部4Aは、新たに生成された表示画像の画像データを送信する必要がないと判定し、処理をSG01に戻す。
【0114】
一方、変化が生じたと判定された場合には、差分取得部554が、新たに生成された表示画像の画像データから、1フレーム前の表示画像の画像データに対する差分画像データを取得する(ステップSG05)。
この後、パケット生成部555が、前述のように、必要に応じて差分画像データを分割し、前述の矩形画像データと当該矩形画像データの位置を示すヘッダ情報とを含むパケットを生成し、当該パケットをデータ送信部55により送信先機器に送信する(ステップSG06)。この後、画像送信アプリ実行部4Aは、ステップSG01に処理を戻す。これにより、変化が生じた場合に、新たに生成された表示画像1フレーム分の画像データが、送信先機器に送信される。
【0115】
図15に戻り、操作判定部45は、データ送信処理SGの処理中に「送信終了」キーK8が入力されたか否かを判定する(ステップSA06)。この際、当該キーK8は入力されていないと判定された場合には、画像送信アプリ実行部4Aは、データ送信処理SGを継続処理する。
一方、キーK8が入力されたと判定されると、主制御部41は、データ送信処理SDを終了し、送信先機器へのパケットの送信を終了する(ステップSA07)。
【0116】
そして、操作判定部45が、画像送信アプリの実行時画面にて編集操作が行われたか否かを判定し(ステップSA08)、当該編集操作が行われたと判定されると、画像送信アプリ実行部4は、前述の送信対象設定処理SBを再度実行する。
また、操作判定部45により、編集操作は行われず、かつ、画像送信アプリの終了操作が行われたと判定されると、画像送信アプリ実行部4は、画像送信アプリを終了させる。
【0117】
以上説明した本実施形態に係る表示システムによれば、前述の表示システム1が奏することのできる効果(1)〜(3)と同様の効果を奏することができるほか、以下の効果がある。
(6)データ生成部54Aは、最小階層のオブジェクトから順に、当該オブジェクトの画像データを結合させて表示画像1画面分の画像データを生成し、当該画像データに応じた送信用データであるパケットを生成する。これによれば、各オブジェクトの画像の前後関係が崩れた表示画像が一時的に表示されることを防ぐことができる。従って、設定されたレイアウトどおりの表示画像を、確実かつ適切に表示することができる。
【0118】
(7)送信先機器に送信されるパケットには、新たに生成された表示画像1画面分の画像データと、当該画像データより前に生成された画像データとの差分が含まれる。すなわち、各画像データに変化があった場合には、パケットの画像データは、差分画像データであり、当該差分画像データに応じた画像の表示位置は、ヘッダ情報にて示される。これによれば、データ量の大きい1画面分の画像データを順次送信する必要がないので、送信先機器に送信するデータ量を低減することができる。
【0119】
(8)差分取得部554により取得された差分画像データに応じた画像が矩形でない場合には、パケット生成部555は、当該画像を複数の矩形画像に分割し、それぞれ分割された矩形画像の矩形画像データを含むパケットを生成する。これによれば、送信先機器にて表示画像を形成する際に、現在表示中の表示画像の画像データに、更新分の画像データを結合しやすくすることができる。従って、送信先機器における画像表示処理の負担を軽減することができるほか、表示画像を適切に表示させることができる。
【0120】
〔3.第3実施形態〕
次に、本発明に係る第3実施形態について説明する。
本実施形態に係る表示システムは、第2実施形態にて示した表示システムと同様の構成を備える。しかしながら、当該第2実施形態に係る表示システムでは、矩形でない画像の画像データが差分画像データとして取得された際に、パケット生成部555が、当該差分画像データを複数の矩形領域に分割し、当該矩形領域に応じた矩形画像データを含むパケットを生成していた。これに対し、本実施形態に係る表示システムは、差分画像データに応じた矩形でない画像に透過領域を付加して1つの矩形領域を形成し、当該矩形領域の画像データを含むパケットを生成する点において、第2実施形態に係る表示システムと相違する。
【0121】
図19は、本実施形態に係る表示システムを構成するPCのパケット生成部が生成する画像データを示す模式図である。
本実施形態の表示システムは、前述のプロジェクタ2及びPC3Aを備える。
このうち、本実施形態に係るPC3Aのパケット生成部555は、図19の上段に示すような矩形状でない画像の差分画像データが取得された際には、図19の下段に示すように、当該差分画像データの画像の領域DAと透過領域PAとを組み合わせて最小の矩形領域を形成し、当該矩形領域に応じた矩形画像データを生成する。そして、パケット生成部555は、生成された矩形画像データと、送信先機器での表示画像における当該矩形領域の表示位置を示すヘッダ情報とを含むパケットを生成し、当該パケットをデータ送信部55により送信する。
【0122】
一方、送信先機器であるプロジェクタ2では、透過領域PAが画像データに含まれるパケットを受信すると、パケット解析部223が、当該パケットから画像データを復元し、画像展開部224が、復元された画像データと、画像メモリ225に形成されている表示画像の画像データとの結合を図る。この際、画像展開部224は、透過領域PAの結合を行わず、領域DAに応じた画像データのみを結合する。
これにより、PC3Aにて、矩形でない画像の差分画像データが取得された場合でも、プロジェクタ2にて、既に形成されている表示画像との当該差分画像データの結合が適切に行われ、当該表示画像が適切に更新される。
【0123】
以上説明した本実施形態に係る表示システムによれば、表示システム1が奏することができる効果(1)〜(3)と、第2実施形態にて示した表示システムが奏することのできる効果(6),(7)と同様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
【0124】
(9)差分取得部554により取得された差分画像データに応じた画像が矩形でない場合には、パケット生成部555は、送信先機器にて表示されない透過領域PAを付加して矩形とした画像を生成し、矩形画像データを含むパケットを生成する。これによれば、送信先機器(プロジェクタ2)にて表示画像を形成する際に、現在表示中の表示画像の画像データに、更新分の画像データを結合しやすくすることができる。従って、送信先機器における画像表示処理の負担を軽減することができるほか、表示画像を適切に表示させることができる。また、1つの変化領域に対して1つのパケットを生成すれば足りることとなり、送信先機器に送信するデータ量を少なくすることができる。
【0125】
〔4.実施形態の変形〕
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、表示画像に含まれるオブジェクトとして、背景画像として選択された静止画像ファイル、静止画像として選択された静止画像ファイル、動画像として選択された動画像ファイル、実行中のアプリケーション、入力された文字列、及び、図形を例示したが、本発明はこれに限らず、他の画像データを含むものでもよい。また、これらオブジェクトは、複数選択されなくともよく、選択されたオブジェクトの数は、適宜設定してよい。
【0126】
前記各実施形態では、画像送信装置としてのPC3,3Aと、表示装置としてのプロジェクタをLANにより接続したが、本発明はこれに限らず、USBやDVI(Digital Visual Interface)等の他の形式により接続してもよい。このような場合、データ生成部54,54Aが、当該接続形式に応じた送信用データを生成すればよい。
【0127】
前記各実施形態では、データ生成部54,54Aは、送信先機器の画像表示サイズに応じてリサイズされた画像データを含むパケットを送信用データとして生成したが、本発明はこれに限らない。例えば、送信先機器となる表示装置が、受信した画像データを、当該表示装置の画像表示サイズに応じてリサイズし、表示画像におけるリサイズされた画像データに応じた画像の表示位置を算出して、当該表示画像を表示するようにしてもよい。
【0128】
前記各実施形態では、画像送信アプリに係る画像送信プログラムは、HDDにより構成された記憶手段32に記憶されているとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、当該画像送信プログラムは、CD(Compact Disc)及びDVD(Digital Versatile Disc)等のディスク型記録媒体に記録されていてもよく、或いは、半導体メモリに記録されていてもよい。そして、使用者の操作に応じて、これら記録媒体に記録された画像送信アプリを読み込んで、画像送信アプリを実行できればよい。
【0129】
前記各実施形態では、プロジェクタ2は、光変調装置として液晶パネルを備えたプロジェクタを例示したが、入射光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置であれば、他の構成の光変調装置を採用してもよい。例えば、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いたプロジェクタを採用してもよい。
【0130】
前記各実施形態では、表示装置としてのプロジェクタ2と、画像送信装置としてのPC3,3Aを備えた表示システム1を例示したが、本発明はこれに限らない。すなわち、表示装置及び画像送信装置は、他の電子機器でもよい。例えば、表示装置としては、液晶、プラズマ、有機EL(electroluminescence)、CRT(Cathode Ray Tube)等の各種ディスプレイを採用することもできる。また、前述のように、画像送信装置として、コンピュータ本体と、動作時画面を表示する表示装置とが別体となったデスクトップ型のPCでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明は、表示装置と画像送信装置とを備えた表示システムに好適に利用できる。
【符号の説明】
【0132】
1…表示システム、2…プロジェクタ(表示装置)、3,3A…PC(画像送信装置)、43…表示サイズ取得部、44…レイアウト領域形成部、46…画像選択部(選択部)、47…図形描画部(選択部)、48…画像配置部、50…レイアウト設定部、54,54A…データ生成部、55…データ送信部、503…階層設定部、553…変化判定部、554…差分取得部、555…パケット生成部(送信用データ生成部)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置に表示させる表示画像の画像データを送信する画像送信装置であって、
前記表示画像を構成するオブジェクトを選択する選択部と、
前記表示装置により表示可能な画像の表示サイズを取得する表示サイズ取得部と、
取得された前記表示サイズに応じたレイアウト領域を形成するレイアウト領域形成部と、
前記選択部により選択された前記オブジェクトに対応する画像イメージを、前記レイアウト領域に配置する画像配置部と、
前記レイアウト領域に配置された前記画像イメージに応じて、前記画像イメージに対応する前記オブジェクトの画像の前記表示画像におけるレイアウトを設定するレイアウト設定部と、
前記オブジェクトの最背面からの位置を示す階層を設定する階層設定部と、
選択された前記オブジェクトの画像データのうち、前記階層設定部により設定された前記階層が低い前記オブジェクトから順に、前記レイアウトに基づいて、前記表示画像の画像データとなる送信用データを生成するデータ生成部と、
生成された前記送信用データを前記表示装置に送信するデータ送信部とを備えることを特徴とする画像送信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像送信装置において、
前記データ送信部は、
前記データ生成部により前記オブジェクトごとに生成された前記送信用データを送信することを特徴とする画像送信装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像送信装置において、
前記データ送信部は、
前記データ生成部により前記表示画像の1画面分ごとに生成された前記送信用データを送信することを特徴とする画像送信装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像送信装置において、
前記データ生成部は、
新たに生成された前記1画面分の画像データが、前記新たに生成された1画面分の画像データより前に生成された前記1画面分の画像データに対して変化したか否かを判定する変化判定部と、
前記変化判定部により、変化があったと判定されると、前記新たに生成された1画面分の画像データから、前記前に生成された1画面分の画像データとの差分となる差分画像データを取得する差分取得部と、
前記差分画像データに基づいて、前記送信用データを生成する送信用データ生成部とを備えることを特徴とする画像送信装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像送信装置において、
前記送信用データ生成部は、
前記差分画像データにより形成される画像が矩形でない場合に、前記差分画像データを分割して、形成される画像が矩形となる複数の矩形画像データを生成し、前記各矩形画像データに基づいて、それぞれ前記送信用データを生成することを特徴とする画像送信装置。
【請求項6】
請求項4に記載の画像送信装置において、
前記送信用データ生成部は、
前記差分画像データにより形成される画像が矩形でない場合に、前記表示装置にて表示されない領域を付加して、形成される画像が矩形となる矩形画像データを生成し、前記矩形画像データに基づいて、前記送信用データを生成することを特徴とする画像送信装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像送信装置と、前記画像送信装置から送信された画像データに基づいて表示画像を表示する表示装置とを備えることを特徴とする表示システム。
【請求項8】
表示装置に表示させる表示画像の画像データを送信する画像送信装置にて実行される画像送信プログラムであって、
前記画像送信装置に、
前記表示装置により表示可能な画像の表示サイズを取得する表示サイズ取得ステップと、
取得された前記表示サイズに応じたレイアウト領域を形成するレイアウト領域形成ステップと、
前記表示画像に含めるオブジェクトを選択する選択ステップと、
前記選択ステップにて選択された前記オブジェクトに対応する画像イメージを、前記レイアウト領域に配置する画像配置ステップと、
前記レイアウト領域に配置された前記画像イメージに応じて、前記画像イメージに対応する前記オブジェクトの画像の前記表示画像におけるレイアウトを設定するレイアウト設定ステップと、
前記オブジェクトの最背面からの位置を示す階層を設定する階層設定ステップと、
選択された前記オブジェクトの画像データのうち、前記階層設定ステップにより設定された前記階層が低い前記オブジェクトから順に、前記レイアウトに基づいて、前記表示画像の画像データとなる送信用データを生成するデータ生成ステップと、
生成された前記送信用データを前記表示装置に送信するデータ送信ステップと、
を実行させることを特徴とする画像送信プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の画像送信プログラムをコンピュータ読取可能に記録したことを特徴とする記録媒体。
【請求項1】
表示装置に表示させる表示画像の画像データを送信する画像送信装置であって、
前記表示画像を構成するオブジェクトを選択する選択部と、
前記表示装置により表示可能な画像の表示サイズを取得する表示サイズ取得部と、
取得された前記表示サイズに応じたレイアウト領域を形成するレイアウト領域形成部と、
前記選択部により選択された前記オブジェクトに対応する画像イメージを、前記レイアウト領域に配置する画像配置部と、
前記レイアウト領域に配置された前記画像イメージに応じて、前記画像イメージに対応する前記オブジェクトの画像の前記表示画像におけるレイアウトを設定するレイアウト設定部と、
前記オブジェクトの最背面からの位置を示す階層を設定する階層設定部と、
選択された前記オブジェクトの画像データのうち、前記階層設定部により設定された前記階層が低い前記オブジェクトから順に、前記レイアウトに基づいて、前記表示画像の画像データとなる送信用データを生成するデータ生成部と、
生成された前記送信用データを前記表示装置に送信するデータ送信部とを備えることを特徴とする画像送信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像送信装置において、
前記データ送信部は、
前記データ生成部により前記オブジェクトごとに生成された前記送信用データを送信することを特徴とする画像送信装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像送信装置において、
前記データ送信部は、
前記データ生成部により前記表示画像の1画面分ごとに生成された前記送信用データを送信することを特徴とする画像送信装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像送信装置において、
前記データ生成部は、
新たに生成された前記1画面分の画像データが、前記新たに生成された1画面分の画像データより前に生成された前記1画面分の画像データに対して変化したか否かを判定する変化判定部と、
前記変化判定部により、変化があったと判定されると、前記新たに生成された1画面分の画像データから、前記前に生成された1画面分の画像データとの差分となる差分画像データを取得する差分取得部と、
前記差分画像データに基づいて、前記送信用データを生成する送信用データ生成部とを備えることを特徴とする画像送信装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像送信装置において、
前記送信用データ生成部は、
前記差分画像データにより形成される画像が矩形でない場合に、前記差分画像データを分割して、形成される画像が矩形となる複数の矩形画像データを生成し、前記各矩形画像データに基づいて、それぞれ前記送信用データを生成することを特徴とする画像送信装置。
【請求項6】
請求項4に記載の画像送信装置において、
前記送信用データ生成部は、
前記差分画像データにより形成される画像が矩形でない場合に、前記表示装置にて表示されない領域を付加して、形成される画像が矩形となる矩形画像データを生成し、前記矩形画像データに基づいて、前記送信用データを生成することを特徴とする画像送信装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像送信装置と、前記画像送信装置から送信された画像データに基づいて表示画像を表示する表示装置とを備えることを特徴とする表示システム。
【請求項8】
表示装置に表示させる表示画像の画像データを送信する画像送信装置にて実行される画像送信プログラムであって、
前記画像送信装置に、
前記表示装置により表示可能な画像の表示サイズを取得する表示サイズ取得ステップと、
取得された前記表示サイズに応じたレイアウト領域を形成するレイアウト領域形成ステップと、
前記表示画像に含めるオブジェクトを選択する選択ステップと、
前記選択ステップにて選択された前記オブジェクトに対応する画像イメージを、前記レイアウト領域に配置する画像配置ステップと、
前記レイアウト領域に配置された前記画像イメージに応じて、前記画像イメージに対応する前記オブジェクトの画像の前記表示画像におけるレイアウトを設定するレイアウト設定ステップと、
前記オブジェクトの最背面からの位置を示す階層を設定する階層設定ステップと、
選択された前記オブジェクトの画像データのうち、前記階層設定ステップにより設定された前記階層が低い前記オブジェクトから順に、前記レイアウトに基づいて、前記表示画像の画像データとなる送信用データを生成するデータ生成ステップと、
生成された前記送信用データを前記表示装置に送信するデータ送信ステップと、
を実行させることを特徴とする画像送信プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の画像送信プログラムをコンピュータ読取可能に記録したことを特徴とする記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−244561(P2010−244561A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121079(P2010−121079)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【分割の表示】特願2008−108275(P2008−108275)の分割
【原出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【分割の表示】特願2008−108275(P2008−108275)の分割
【原出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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