説明

癌の処置のためのBCL−2ファミリータンパク質阻害剤としてのスルホンアミド類

本発明は新規化合物およびBcl−2ファミリータンパク質に拮抗することによる疾患または障害の処置方法、特に式(I)


の化合物:またはその薬学的に許容される塩、ならびにBcl−2阻害、特に過増殖性疾患と関連する疾患、障害または症候群の処置方法に関する。本発明はまた式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物も含む。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

〔式中、
Aは飽和環構造および不飽和環構造を含む二価二環基であり、ここで該不飽和環構造はNHに結合し、該飽和環構造はRに結合し、そしてAは非置換であるかまたはハロゲン、OH、(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキル、CNまたはNR1011から独立して選択される1個以上の置換基で置換されており;
は3〜8員シクロヘテロアルキル、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C14)アリール基であり、それは非置換であるかまたは(C−C)アルキル、ハロゲン、OR57、NR5859または重水素で置換されており;
は(C−C)アルキレン、(C−C)アルケニレン、−C(O)−、−C(O)O−、C(O)N−、−(C−C)アルキレンC(O)−、−(C−C)アルキレン−C(O)O−または結合であり、ここで、Lは非置換であるかまたは(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキルまたは(C−C)シクロアルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されており;
は(C−C)アルキレン、NR、−O−または−S−であり;
は(C−C14)アリール、5〜14員ヘテロアリール、3〜8員シクロヘテロアルキルまたは(C−C14)シクロアルキルであり、その各々は非置換であるかまたはハロゲン、OH、(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキルまたはCNの1個以上で置換されており;
は(C−C)アルキル、(C−C14)アリール、C−C14)シクロアルキル、ハロゲンまたは3〜14員シクロヘテロアルキルであり、ここで、上記炭化水素基のいずれも場合によりハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキル、OHまたはNR4445から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
およびRは各々独立してH、(C−C)アルキル、(C−C)アルキレン−(C−C14)アリール、(C−C)アルキレン−(5〜14員ヘテロアリール)、(C−C)アルキレン−CONR1617、(C−C)アルキレン−O−R15、(C−C)アルキレン−NR1314、(C−C)アルキレン−(3〜14員シクロヘテロアルキル)、(C−C)アルキレン−S−(C−C14)アリール、(C−C)アルキレン−COR18、(C−C)アルキレン−C(O)O−R19、(C−C)アルキレン−O−C(O)−R20、(C−C)アルキレン−S−R21、(C−C)アルキレン−SOR22または(C−C)アルキレン−SO23であり;
およびRは各々独立してH、NO、SOCF、SO(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキル、ハロゲン、(C−C14)シクロアルキルまたはCNであり;
はH、(C−C)アルキル、−(C−C)アルキレン−(C−C14)アリール、−(C−C)アルキレン−(5〜14員ヘテロアリール)、−(C−C)アルキレン−CONR4647、−(C−C)アルキレン−O−R48、−(C−C)アルキレン−NR4950、−(C−C)アルキレン−(3〜14員シクロヘテロアルキル)、−(C−C)アルキレン−S−(C−C14)アリール、−(C−C)アルキレン−C(O)R51、−(C−C)アルキレン−C(O)O−R52、−(C−C)アルキレン−O−C(O)−R53、−(C−C)アルキレン−S−R54、−(C−C)アルキレン−SOR55、−(C−C)アルキレン−SO56、−C(O)(C−C)アルキル、−C(O)(C−C)アルキレン−(C−C14)アリール、−C(O)(C−C)アルキレン−(5〜14員ヘテロアリール)、−C(O)(C−C)アルキレン−(3〜14員シクロヘテロアルキル(alky))、−C(O)(C−C)アルキレン−CONR4647、−C(O)(C−C)アルキレン−O−R48、−C(O)(C−C)アルキレン−NR4950、−C(O)(C−C)アルキル−S−(C−C14)アリール、−C(O)(C−C)アルキレン−C(O)R51、−C(O)(C−C)アルキレン−C(O)O−R52、−C(O)(C−C)アルキレン−O−C(O)−R53、−C(O)(C−C)アルキレン−S−R54、−C(O)(C−C)アルキレン−SOR55または−C(O)(C−C)アルキルSO56であり;
10、R11、R13、R14、R16、R17、R44、R45、R46、R47、R49、R50、R57、R58およびR59は各々独立してH、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、OH、−C(O)(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、(C−C14)シクロアルキル、(C−C14)アリール、4〜14員シクロヘテロアルキルまたは5〜14員ヘテロアリールであり、ここで、前記炭化水素基のいずれも場合によりハロゲン、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、ジ((C−C)アルキル)アミノまたはシアノから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
またはR13およびR14はそれらが結合しているNと一体となって4〜8員シクロヘテロアルキルまたは5〜14員ヘテロアリールを形成し、この各々は置換されているかまたは非置換であり;
またはR16およびR17は、それらが結合しているNと一体となって4〜8員シクロヘテロアルキルまたは5〜14員ヘテロアリールを形成し、この各々は置換されているかまたは非置換であり;
またはR58およびR59は、それらが結合しているNと一体となって4〜8員シクロヘテロアルキルまたは5〜14員ヘテロアリールを形成し、この各々は置換されているかまたは非置換であり;
またはR44およびR45は、それらが結合しているNと一体となって4〜8員シクロヘテロアルキルまたは5〜14員ヘテロアリールを形成し、この各々は置換されているかまたは非置換であり;
またはR46およびR47は、それらが結合しているNと一体となって4〜8員シクロヘテロアルキルまたは5〜14員ヘテロアリールを形成し、この各々は置換されているかまたは非置換であり;
またはR49およびR50は、それらが結合しているNと一体となって4〜8員シクロヘテロアルキルまたは5〜14員ヘテロアリールを形成し、この各々は置換されているかまたは非置換であり;
15、R18、R19、R20、R22、R23、R48、R51、R52、R53、R55およびR56は各々独立して−(C−C)アルキレン−(C−C14)アリールまたは−(C−C)アルキレン−(5〜14員ヘテロアリール)であり、その各々は非置換であるかまたハロゲン、OH、(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキルまたはCNから独立して選択される1個以上の置換基で置換されており;
21およびR54は各々独立して(C−C14)アリール、5〜14員ヘテロアリール、−(C−C)アルキレン−(C−C14)アリールまたは−(C−C)アルキレン−(5〜14員ヘテロアリール)であり、その各々は非置換であるかまたはハロゲン、OH、(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキルまたはCNから独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
Aが:
【化2】

であり、ここで、
、GおよびGが各々独立してCR29またはNであり;
およびYは各々独立して−CR3031−、−CR3233−CR3435−、−NR36−、−CR3738−NR39−、−O−、−S−、−CR4041−O−または−CR4243−S−であり;
XがCHまたはNであり;
29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42およびR43が各々独立してH、(C−C)アルキル、ハロゲン、ハロ置換(C−C)アルキルまたは(C−C14)シクロアルキルである;
請求項1に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
Aが
【化3】

であり、ここで、
XがCHまたはNであり;GがCR29またはNであり;GがO、SまたはNR60であり;
29、R30、R31、R32、R33、R34、R35およびR60は各々独立してH、メチル、エチル、プロピル、Cl、FまたはCFである;
請求項2に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
Aが
【化4】

であり、ここで、G、GおよびGの少なくとも1個がNであり;
およびYが各々独立して−CR3031−または−CR3233−CR3435−であり;
XがNであり、
30、R31、R32、R33、R34およびR35が各々独立してH、メチル、エチル、プロピル、Cl、FまたはCFである、
請求項2に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
、GおよびGの2個がNであり、残りのGがCR29であり;
が−CR3233−CR3435−であり;
が−CR3031−であり;
29がH、メチル、Cl、FまたはCFであり;
32、R33、R34およびR35がHであり;
30およびR31がHであり;
XがNである;
請求項4に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
およびGがNであり、GがCR29であり;
が−CR3233−CR3435−であり;
が−CR3031−であり;
29がH、メチル、Cl、FまたはCFであり;
32、R33、R34およびR35がHであり;
XがNである;
請求項4または5に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
がピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニルであり、その各々は非置換であるかまたはメチル、エチル、プロピル、Cl、F、Br、Iまたはメトキシから独立して選択される1個以上の置換基で置換されている;
請求項1〜6のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
がピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、その各々は非置換であるかまたはメチル、メトキシ、ClまたはFで置換されている;
請求項1〜7のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
が−CH−、−CHCH−または結合であり;Lが−CH−またはNHである;
請求項1〜8のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
がフェニル、ナフチル、ピリジニル、ピリミジニルまたはピリダジニルであり、その各々は非置換であるかまたはメチル、ジメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、CFまたはCHClから独立して選択される1個以上の置換基で置換されている;
請求項1〜9のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
およびRが独立して(C−C)アルキル、(C−C)アルキレン−(C−C14)アリール、(C−C)アルキレン−(5〜14員ヘテロアリール)、(C−C)アルキレン−CONR1617、(C−C)アルキレン−O−R15、(C−C)アルキレン−NR1314、(C−C)アルキレン−(3〜14員シクロヘテロアルキル)または(C−C)アルキレン−S−(C−C14)アリールである;
請求項1〜10のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
が−CH−フェニル、−CHCH−フェニル、−CHCHCH−フェニル、−CH−ピリジニル、−CHCH−ピリジニル、−CH−ピリミジニル、−CHCH−ピリミジニル、−CHC(O)NCHCH、−CHC(O)NHCH、−CHCHC(O)NCHCH、−CH−O−CH、−CH−O−CHCH、−CH−S−フェニル、−CHCH−S−フェニルまたは−CHCHCH−S−フェニルであり;
が−CHC(O)CH、−CHC(O)CHCH、−CHCHC(O)CH、−CH−S−CH、CH−S−CHCH3、−CH−N(CH)(CH)、−CH−NHCH、−CH−NH、−CH−NH−フェニル、−CH−CH−N(CH)(CH)、−CHCH−NHCH、−CHCH−NHまたは−CHCH−NH−フェニルである;
請求項1〜11のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
式(Ib):
【化5】

〔式中、
1bはH、NO、SOCF、SO(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキル、ハロゲン、(C−C14)シクロアルキルまたはCNであり;
2bは飽和環構造および不飽和環構造を含む二価二環基であり、ここで該不飽和環構造はNHに結合し、該飽和環構造はR5bに結合し、ここでR2bは非置換であるかまたはハロゲン、OH、(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキル、CNまたはNHの1個以上で置換されていてよく;
3bおよびR4bは独立してH、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C14)アリール、5〜14員ヘテロアリール、(C−C14)シクロアルキル、ハロゲンまたは3〜14員シクロヘテロアルキルであり、その各々は、Hであるとき以外、非置換であるかまたはヒドロキシル、シアノ、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ,(C−C)アルケニルオキシ、(C−C)アルキニルオキシ、ハロゲン、(C−C)アルキルカルボニル、カルボキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、ジ((C−C)アルキル)アミノ、(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ((C−C)アルキル)アミノカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルアミノ、(C−C)アルキルカルボニル(C−C)アルキル)アミノ、(C−C)アルキルスルホニルアミノ,(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルフィニル、(C−C)アルキルスルホニル、アミノスルホニル、(C−C)アルキルアミノスルホニルまたはジ((C−C)アルキル)アミノスルホニルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されており、ここで、上記炭化水素の各々は場合によりハロゲン、ヒドロキシルまたは(C−C)アルコキシから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
5bは3〜8員シクロヘテロアルキル、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C14)アリールであり、それは非置換であるかまたは(C−C)アルキル、ハロゲン、OH、(C−C)アルコキシ、NHまたは重水素で置換されており;
6bはL−R8bであり;
7bはヒドロキシル、シアノ、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルケニルオキシ、(C−C)アルキニルオキシ、ハロゲン、(C−C)アルキルカルボニル、カルボキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ((C−C)アルキル)アミノカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルアミノ、(C−C)アルキルカルボニル((C−C)アルキル)アミノ、(C−C)アルキルスルホニルアミノ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルフィニル、(C−C)アルキルスルホニル、アミノスルホニル、(C−C)アルキルアミノスルホニルまたはジ((C−C)アルキル)アミノスルホニルであり、ここで、上記炭化水素の各々は、場合によりハロゲン、OHまたは(C−C)アルコキシから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
は−(C−C)アルキレン−、−(C−C)アルケニレン−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)N(H)−、−(C−C)アルキルC(O)−、−(C−C)アルキル−C(O)O−または結合であり、ここで、Lは非置換であるかまたは(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキルまたは(C−C)シクロアルキルの1個以上で置換されており;
8bは(C−C14)アリール、5〜14員ヘテロアリール、3〜8員シクロヘテロアルキルまたは(C−C14)シクロアルキルであり、その各々は非置換であるかまたはハロゲン、OH、(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキルまたはCNから独立して選択される1個以上の置換基で置換されており;
nは0、1、2、3または4である。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
(i)治療有効量の請求項1〜13のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩または(ii)請求項1〜13のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩および少なくとも1種の薬学的に許容される添加物を含む医薬組成物を処置を必要とする対象に投与する過程を含む、Bcl−2活性の阻害方法。
【請求項15】
(i)治療有効量の請求項1〜13のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩または(ii)請求項1〜13のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩および少なくとも1種の薬学的に許容される添加物を含む医薬組成物を処置を必要とする対象に投与する過程を含む、増殖性疾患の処置方法。
【請求項16】
疾患、障害または症候群が過増殖であり、ここで、該対象が動物であり、該疾患、障害または症候群が癌または炎症である、請求項15に記載の処置方法。
【請求項17】
治療に使用するための請求項1〜13のいずれかに記載の化合物。
【請求項18】
請求項1〜13のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体または添加物を含む、医薬組成物。

【公表番号】特表2013−504536(P2013−504536A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528347(P2012−528347)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【国際出願番号】PCT/EP2010/063169
【国際公開番号】WO2011/029842
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】