説明

発光素子および発光素子の製造方法

【課題】 活性層から発光された光を従来より効率良く素子外部へ取り出すことができる発光素子を提供する。
【解決手段】 少なくとも、半導体基板と、半導体基板上に形成された半導体薄膜からなる半導体多層反射層と、半導体多層反射層上に形成された発光層を含む半導体積層構造部と、電流拡散層とを具備する発光素子であって、電流拡散層は、表面が粗面化されており、半導体多層反射層は、電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で入射する発光層からの入射光をブラッグ反射する第1のブラッグ反射層と、電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角より大きな角度で入射する発光層からの入射光をブラッグ反射する第2のブラッグ反射層とからなり、かつ第1のブラッグ反射層と第2のブラッグ反射層のうち少なくとも発光層の近くに位置する側のブラッグ反射層が、発光層からの光に対して透光性を有する発光素子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード・半導体レーザ等に好適な高効率の半導体反射層を有する発光素子と発光素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)や半導体レーザ等の半導体発光素子において、内部で発生した光を有効に取り出すこと、すなわち外部出射効率の向上は、高出力や高効率の発光素子を得るために非常に重要である。
特に発光波長を吸収する基板を用いた場合、基板での光吸収が外部出射効率の低下要因となるため、基板と発光部の間に反射層を設けて、基板による光吸収を防止する対策が考えられている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
従来の発光素子の一例として、図3に、発光波長に対して不透明な基板上に反射層を配し、上面から光を出射させるタイプの発光素子(LED)の断面図を示す。
【0004】
図3に示すような発光素子100は、以下のようにして作製される。
例えばn型GaAs基板101上に、n型GaAsバッファ層102、n型AlInP/n型GaAsからなる多層反射層103、n型AlGaInP層(n型クラッド層)105、アンドープAlGaInP層(i−AlGaInP層、活性層)106、p型AlGaInP層(p型クラッド層)107、p型GaP(電流拡散層)108、p型GaP層(厚膜の電流拡散層)109を順に、気相成長等の手法によって形成する。
その後、表面電極110を素子表面に蒸着し、素子中央部のみ残してエッチングする。また裏面電極111を裏面に蒸着することで作製することができる。
ここでn型AlInP/n型GaAs多層反射層103は、n型AlInP膜103aとn型GaAs膜103bがそれぞれ10ずつ積層されたものとすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平04−100277号公報
【特許文献2】特開2005−136033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような従来の発光素子(LED)において、多層反射層103は、特定の入射方向の光(主に多層反射層へ垂直方向に入射する入射光)に対してのみ高反射率となる性質を有している。
このため、真下へ向かう光線は多層反射層によって反射され上方より出射させることができるが、斜め下方向へ向かう光線は多層反射層103で反射されずに多層反射層103を透過し、GaAs基板101に吸収されてしまう。このため外部出射せず、発光出力の増加に寄与しないという問題点があった。
【0007】
また、一般的に厚膜の電流拡散層に用いられているGaPと、LED封入用のエポキシの界面では、臨界角は26°程度しかない。
このため、電流拡散層が粗面化されていない状態では、上部に放射された光の10%程度しか外部に取り出すことができない。
【0008】
そして、厚膜の電流拡散層を持つ場合は、光を取り出す面が上部表面に加えて側面が加わり、合計30%の光が取り出されることになるが、残りの70%の光は表面および側面で反射され、吸収される。
一方、表面を粗面化すると、取り出し角度に放射された光も部分的な凹凸により界面角度が変わり外部へ取り出すことが出来るようになる。ただし、内部の光自体も部分的には反射され吸収される。
【0009】
また、高出力や高効率の発光素子を得るために、多層反射層を、反射させる光の波長を隣接する程度に多少ずらした2つの反射層によって構成したものがある。例えば、特許文献2に記載された技術がそれである。
これは、垂直入射光に対する反射層と、電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で斜め下方向へ向かう光に対する反射層の2つの反射層を構成することにより、下部に放射された光を効率よく上部から射出させた発光素子である。
しかし、この場合、活性層からの光に対して臨界角より大きな角度で入射する光は、いずれも反射されず、GaAs基板で吸収される。そのため、光の取り出し効率には限界があり、発光出力は低いものにとどまっていた。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためなされたものであって、活性層から発光された光を従来より効率良く素子外部へ取り出すことができる発光素子とその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明では、少なくとも、半導体基板と、該半導体基板上に形成された半導体薄膜からなる半導体多層反射層と、該半導体多層反射層上に形成された発光層を含む半導体積層構造部と、電流拡散層とを具備する発光素子であって、前記電流拡散層は、表面が粗面化されており、前記半導体多層反射層は、前記電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で入射する前記発光層からの入射光をブラッグ反射する第1のブラッグ反射層と、前記電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角より大きな角度で入射する前記発光層からの入射光をブラッグ反射する第2のブラッグ反射層とからなり、かつ前記第1のブラッグ反射層と前記第2のブラッグ反射層のうち少なくとも前記発光層の近くに位置する側のブラッグ反射層が、前記発光層からの光に対して透光性を有するものであることを特徴とする発光素子を提供する。
【0012】
このように、発光層からの光を反射させる半導体多層反射層を、電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で入射する入射光をブラッグ反射する第1のブラッグ反射層と、臨界角より大きな角度で入射する入射光をブラッグ反射する第2のブラッグ反射層との2層構造とし、また第1のブラッグ反射層と第2のブラッグ反射層のうち少なくとも発光層の近くに位置する側のブラッグ反射層が、発光層からの光に対して透光性を有するものとする。
これによって、半導体基板側へ向かう光のうち、電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で入射した光については第1のブラッグ反射層で反射され、外部に取り出すことができる。また、従来は外部に取り出すことができていなかった臨界角より大きな角度で入射した光は、第2のブラッグ反射層で反射されて、粗面化された電流拡散層から取り出すことができる。そして発光層に近い側のブラッグ反射層を透光性とすることによって、半導体多層反射層で光が吸収されることを防止でき、発光出力が低下することを防止することができる。
よって、従来の発光素子に比べて、電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角より大きな角度で入射した光の量だけ光取り出し効率が上昇し、光取り出し効率が飛躍的に向上した発光素子とすることができる。
【0013】
ここで、前記発光層が、組成式(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦1,0≦y≦1)にて表される化合物にて各々構成された第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層がこの順序で積層されたダブルへテロ構造からなり、かつ前記電流拡散層がGaPからなるものとすることが好ましい。
GaPからなる電流拡散層であれば、その表面をエッチングにより簡単に粗面化されたものとすることができ、またAlGaInPからなる発光層であれば、極めて発光輝度の高い発光素子とすることができる。
【0014】
また、前記第1のブラッグ反射層が、AlGa(1−x)As膜(但し、0≦x≦1)と(AlGa(1−x)In(1−y)P膜(但し、0≦x≦1,0≦y≦1)が交互に積層されたものとすることが好ましい。
このように、第1のブラッグ反射層が、AlGa(1−x)As膜(但し、0≦x≦1)と(AlGa(1−x)In(1−y)P膜(但し、0≦x≦1,0≦y≦1)が交互に積層されたものであれば、確実に前述した反射機能を有する多層反射層を形成でき、更には通常発光層形成時に用いる原料ガスが使用できるため、コスト的にも有利な発光素子とすることができる。
【0015】
そして、前記第2のブラッグ反射層が、(Alx1Ga(1−x1)In(1−y)P膜(但し、0≦x1≦1,0≦y≦1)と(Alx2Ga(1−x2)In(1−y)P膜(但し、0≦x2≦1,0≦y≦1,x1≠x2)が交互に積層されたものとすることが好ましい。
これによって、第2のブラッグ層を、発光層からの光に対する透光性を有し、かつ電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角より大きな角度で入射する入射光をブラッグ反射する層とすることができる。そしてこのような組成であれば、発光層形成時に用いる原料ガスによって形成することができ、安価に製造された発光素子とすることができる。
【0016】
また、本発明では、少なくとも、半導体基板上に、半導体薄膜からなる半導体多層反射層を形成する工程と、該半導体多層反射層上に、発光層を含む半導体積層構造部を形成する工程と、該半導体積層構造部上に、電流拡散層を形成する工程と、を具備する発光素子の製造方法において、前記半導体多層反射層として、前記電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で入射する前記発光層からの入射光をブラッグ反射する第1のブラッグ反射層と、前記電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角より大きな角度で入射する前記発光層からの入射光をブラッグ反射する第2のブラッグ反射層とを、前記第1のブラッグ反射層と前記第2のブラッグ反射層のうち少なくとも前記発光層の近くに位置する側のブラッグ反射層が、前記発光層からの光に対して透光性を有する構造となるように形成し、前記電流拡散層形成後に、該電流拡散層の表面を粗面化する粗面化工程を行うことを特徴とする発光素子の製造方法を提供する。
【0017】
このように、発光素子の製造工程において、電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で入射する入射光をブラッグ反射する第1のブラッグ反射層と、臨界角より大きな角度で入射する入射光をブラッグ反射する第2のブラッグ反射層との2層構造とした半導体多層反射層を形成し、また電流拡散層の表面を粗面化する。
これによって、半導体基板側へ向かう光のうち、電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で入射する入射光を第1のブラッグ反射層で反射させて、電流拡散層から発光素子外へ取り出すことができる。更に、電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角より大きな角度で入射する入射光をブラッグ反射させる第2のブラッグ反射層を形成し、電流拡散層の表面を粗面化することによって、従来は電流拡散層の表面で反射していたため取り出せなかった電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角より大きな角度で入射する光を発光素子外へ取り出すことができる。
これらの効果によって、従来の発光素子に比べて光取り出し効率が格段に向上した発光素子を製造することができる。
【0018】
更に、第1のブラッグ反射層と第2のブラッグ反射層のうち少なくとも発光層の近くに位置する側のブラッグ反射層を、発光層からの光に対して透光性を有する構造とすることで、半導体多層反射層で光が吸収されることを防止でき、半導体多層反射層を2層構造とする効果を最大限に発揮させることができ、高輝度化を達成した発光素子を製造することができる。
【0019】
ここで、前記発光層として、組成式(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦1,0≦y≦1)にて表される化合物にて各々構成された第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層がこの順序で積層されたダブルへテロ構造を形成し、かつ前記電流拡散層として、GaPを形成することが好ましい。
このように、発光層としてAlGaInPを形成することによって、極めて高輝度の発光素子とすることができる。また電流拡散層としてGaPを形成することによって、表面粗さを大きくできる粗面化エッチングを容易に行うことができ、光取り出し効率を更に向上させた発光素子を製造することができる。
【0020】
また、前記第1のブラッグ反射層として、AlGa(1−x)As膜(但し、0≦x≦1)と(AlGa(1−x)In(1−y)P膜(但し、0≦x≦1,0≦y≦1)を交互に積層することができ、そして、前記第2のブラッグ反射層として、(Alx1Ga(1−x1)In(1−y)P膜(但し、0≦x1≦1,0≦y≦1)と(Alx2Ga(1−x2)In(1−y)P膜(但し、0≦x2≦1,0≦y≦1,x1≠x2)を交互に積層することができる。
このように、第1のブラッグ反射層として、AlGa(1−x)As膜(但し、0≦x≦1)と(AlGa(1−x)In(1−y)P膜(但し、0≦x≦1,0≦y≦1)を交互に積層したり、第2のブラッグ反射層として、(Alx1Ga(1−x1)In(1−y)P膜(但し、0≦x1≦1,0≦y≦1)と(Alx2Ga(1−x2)In(1−y)P膜(但し、0≦x2≦1,0≦y≦1,x1≠x2)を交互に積層することによって、確実に前述した反射機能を有する半導体多層反射層を形成することができる。更にはこれらの膜は、一般的な発光層の形成時に用いる原料ガスによって形成することができるため、コスト面でも優れた半導体多層反射層を有する発光素子の製造方法とすることができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、活性層から発光された光を従来より効率良く素子外部へ取り出すことができる発光素子とその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の発光素子の概略の一例を示した図である。
【図2】本発明の第1のブラッグ反射層と第2のブラッグ反射層が反射する反射光の入射角度に対する依存性を示した図である。
【図3】従来の発光素子の概略の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明についてより具体的に説明する。
前述したように、発光ダイオード(LED)や半導体レーザ等の半導体発光素子において、内部で発生した光を有効に取り出すこと、すなわち外部出射効率の向上は、高出力や高効率の発光素子を得るためには非常に重要である。
特に発光波長を吸収する基板を用いた場合、基板での光吸収が外部出射効率の低下要因となるため、基板と発光層部の間に屈折率の異なる半導体膜を複数積層して形成されるブラッグ反射層(多層反射層ともいう)を設けて、基板による光吸収を防止する対策が考えられている。
【0024】
しかしながら、このような発光素子(LED)において、ブラッグ反射層が特定の入射方向の光(主に垂直入射光)に対してのみ高反射率となる性質を有しているため、発光層から真下へ向かう光線はブラッグ反射層によって反射され上方より発光素子外へ出射させることができるが、斜め下方向へ向かう光線は吸収されてしまい外部出射に寄与しないという問題点があった。
また、垂直入射光に対する反射層と電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で斜め下方向へ向かう光に対する反射層の2つの反射層により、下部に放射された光を効率よく上部から射出させたものもある。しかし、この場合にも、活性層からの光に対して、臨界角外の光は反射されず吸収される。そのため、外部出射には寄与せず光取り出し効率には限界があり、発光出力は低いものにとどまっていた。
【0025】
そこで、本発明者らは、更に光取り出し効率を上げるためのブラッグ反射層について鋭意検討した結果、従来は表面において全反射して外部に取り出せないため、あえて反射させていなかった電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角より大きな角度でブラッグ反射層に入射する光も、電流拡散層の表面を粗面化すれば取り出せることに思い至った。
【0026】
そして、発光層からの光を反射させる半導体多層反射層を、電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で入射する入射光をブラッグ反射する第1のブラッグ反射層と、臨界角より大きな角度で入射する入射光をブラッグ反射する第2のブラッグ反射層との2層構造とするとともに、発光素子の電流拡散層の表面を粗面化することで外部への光取り出し効率を格段に向上させることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0027】
以下、本発明について図を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。図1は、本発明の発光素子の概略の一例を示した図である。
【0028】
本発明の発光素子20は、少なくとも、半導体基板21と、半導体基板21上に形成された半導体薄膜からなる半導体多層反射層23と、半導体多層反射層23上に形成された発光層26を含む半導体積層構造部27と、電流拡散層29と、電流拡散層29の第一主表面側に形成された表面電極210と、半導体基板21の第二主表面(半導体多層反射層23等が形成されていない側の表面)側に形成された裏面電極211を具備するものである。
【0029】
そして、電流拡散層29は、表面が粗面化されている。
更に、半導体多層反射層23は、電流拡散層29の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で入射する発光層26からの入射光をブラッグ反射する第1のブラッグ反射層203と、電流拡散層29の表面における法線方向からみた臨界角より大きな角度で入射する発光層からの入射光をブラッグ反射する第2のブラッグ反射層204とからなるものであって、かつ第1のブラッグ反射層203と第2のブラッグ反射層204のうち少なくとも発光層26の近くに位置する側のブラッグ反射層が、発光層26からの光に対して透光性を有するものである。
【0030】
このように、本発明の発光素子は、第1のブラッグ反射層203によって、電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で入射した光を反射させ、また、第2のブラッグ反射層204によって、従来は外部に取り出せていなかったため反射させていなかった臨界角より大きな角度で入射した光を反射させて、粗面化された電流拡散層から取り出すことにしたものである。
また、発光層26に近い側のブラッグ反射層は透光性を有するものであるため、ブラッグ反射層で光が吸収されることを防止でき、発光出力が低下することを防止することができる。
従って、従来の発光素子に比べて光取り出し効率を大幅に向上させた発光素子とすることができる。
【0031】
ここで、図1に示すように、発光層26が、組成式(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦1,0≦y≦1)にて表される化合物にて各々構成された第一導電型クラッド層205、活性層206及び第二導電型クラッド層207がこの順序で積層されたダブルへテロ構造からなるものとすることができ、また、電流拡散層29がGaPからなるものとすることができる。
【0032】
このように、発光層が(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦1,0≦y≦1)にて表される化合物にて各々構成された第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層がこの順序で積層されたダブルへテロ構造からなるものであれば、発光出力の極めて大きな発光素子とすることができる。
また、GaPからなる電流拡散層であれば、その表面をエッチングにより簡単に粗面化されたものとすることができ、光取り出し効率の高い発光素子を容易に得ることができる。
【0033】
そして、図1に示すように、第1のブラッグ反射層203が、AlGa(1−x)As膜203bと(AlGa(1−x)In(1−y)P膜203aが交互に積層されたものとすることができる。ここで、AlGa(1−x)As膜203bはGaAs、(AlGa(1−x)In(1−y)P膜203aはAlInPが好ましい。
また、第2のブラッグ反射層204が、(Alx1Ga(1−x1)In(1−y)P膜204bと(Alx2Ga(1−x2)In(1−y)P膜204aが交互に積層されたものとすることができる。ここで、(Alx1Ga(1−x1)In(1−y)P膜204bはAlGaInPが好ましく、(Alx2Ga(1−x2)In(1−y)P膜204aはAlInPが好ましい。
【0034】
このように、第1のブラッグ反射層を、AlGa(1−x)As膜と(AlGa(1−x)In(1−y)P膜が交互に積層されたものとすることによって、電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で入射する入射光に対する反射率に優れたものとすることができ、また原料ガスは発光素子を形成する際に一般的に用いられるものを用いることができ、製造コストに優れた発光素子とすることができる。
【0035】
また、第2のブラッグ反射層を、(Alx1Ga(1−x1)In(1−y)P膜と(Alx2Ga(1−x2)In(1−y)P膜とが交互に積層されたものとすることによって、発光層からの光に対する透光性を有し、かつ電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角より大きな角度で入射する入射光の反射率に優れたものとすることができる。また原料ガスは発光素子を形成する際に一般的に用いられるものを用いることができ、更に製造コストに優れた発光素子とすることができる。
なお、図1では半導体基板21をGaAs単結晶基板201としているが、GaAs単結晶基板201の代わりにGaP単結晶基板等の透明半導体基板やGaPエピタキシャル層等の透明半導体層を採用しても良い。
【0036】
上記のような、本発明の発光素子は、以下に示すような発光素子の製造方法によって製造することができる。しかしもちろんこれに限定されるものではない。
以下、本発明の発光素子の製造方法について図面を参照して詳細に説明するが、もちろんこれに限定されるものではない。
【0037】
まず、成長用の半導体基板21として、n型のGaAs単結晶基板201を用意する。
次に、そのn型GaAs単結晶基板201の主表面に、n型GaAsバッファ層202を、エピタキシャル成長させる。
【0038】
次いで、半導体多層反射層23として、第1のブラッグ反射層203と、第2のブラッグ反射層204とを、エピタキシャル成長させる。
【0039】
ここで、第1のブラッグ反射層203は、電流拡散層29の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で入射する発光層26からの入射光をブラッグ反射するものとし、第2のブラッグ反射層204は、電流拡散層29の表面における法線方向からみた臨界角より大きな角度で入射する発光層からの入射光をブラッグ反射するものとする。
また、第1のブラッグ反射層203と第2のブラッグ反射層204のうち、後に形成する発光層26に近い側の反射層は、活性層206から発せられる光に対して透光性を有するものとする。そして本例示の場合は、第2のブラッグ反射層204が活性層206に近いため、透光性を有するような組成とする。
【0040】
ここで第1のブラッグ反射層203は、例えば厚さ48nmのn型AlInP膜203aと、例えば厚さ41nmのn型GaAs膜203bとが、交互に例えば10層ずつ積層(トータル厚さ890nm)された構造とすることができる。
【0041】
また、第2のブラッグ反射層204は、例えば厚さ61nmのn型AlInP膜204aと、例えば厚さ58nmのn型(Al0.6Ga0.40.5In0.5P膜204b層とが、交互に例えば10層ずつ積層(トータル厚さ1190nm)した透光性の多層反射層とすることができる。
【0042】
このように、AlGa(1−x)As膜と(AlGa(1−x)In(1−y)P膜を交互に積層して第1のブラッグ反射層を形成したり、(Alx1Ga(1−x1)In(1−y)P膜と(Alx2Ga(1−x2)In(1−y)P膜を交互に積層して第2のブラッグ反射層を形成することによって、電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で入射する入射光に対する反射率に優れたブラッグ反射層や、電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角より大きな角度で入射する入射光に対する反射率に優れたブラッグ反射層を形成することができる。
そして、発光層形成時と同じ原料ガスによって形成することができ、コストパフォーマンスに優れた半導体多層反射層とすることができる。
また、第2のブラッグ反射層が上記のような組成であれば、P系のみの構成とすることができ、活性層206から出射された光のうち、反射帯域外の光を吸収することなく第1のブラッグ反射層203に透過させることができ、光取り出し効率が低下する危険性を避けることができる。
【0043】
次いで、発光層26として、各々(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦1,0≦y≦1)よりなる、厚さ0.8μm以上4μm以下の第一導電型クラッド層205(n型ドーパントはSi)、厚さ0.4μm以上2μm以下の活性層(ノンドープ)206、及び厚さ0.8μm以上4μm以下の第二導電型クラッド層207(p型ドーパントはMg:有機金属分子からのCもp型ドーパントとして寄与しうる)を、この順序にてエピタキシャル成長させてダブルヘテロ構造とすることができる。
【0044】
このように、発光層として、各々(AlGa1−xIn1−yPよりなる、第一導電型クラッド層、活性層、第二導電型クラッド層とを、この順序にてエピタキシャル成長させたダブルヘテロ構造を形成することによって、極めて高輝度の発光素子とすることができる。
また後述するが、電流拡散層として、GaPを形成することによって、粗面化エッチングを容易に行うことができ、また表面粗さを大きくし易いものとすることができるため、光取り出し効率が更に良好な発光素子の製造方法とすることができる。
【0045】
更に、第二導電型クラッド層207上に、p型のGaP層からなる電流拡散層(接続層)208を、例えば厚さ2.0μmエピタキシャル成長させる。
【0046】
上記各層のエピタキシャル成長は、公知のMOVPE法により行うことができる。
そして、Al、Ga、In(インジウム)、P(リン)の各成分源となる原料ガスとしては以下のようなものを使用できる。
・Al源ガス;トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルアルミニウム(TEAl)など、
・Ga源ガス;トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)など、
・In源ガス;トリメチルインジウム(TMIn)、トリエチルインジウム(TEIn)など、
・P源ガス:トリメチルリン(TMP)、トリエチルリン(TEP)、ホスフィン(PH)など、が挙げられる。
【0047】
次に、p型GaPよりなる厚膜の電流拡散層209(厚さ60μm)を、例えばHVPE法により成長させる。
【0048】
このHVPE法は、具体的には、容器内にてIII族元素であるGaを所定の温度に加熱保持しながら、そのGa上に塩化水素を導入することにより、下記(1)式の反応によりGaClを生成させ、キャリアガスであるHガスとともに基板上に供給する。
Ga(液体)+HCl(気体) → GaCl(気体)+1/2H‥‥(1)
成長温度は例えば640℃以上860℃以下に設定する。また、V族元素であるPは、PHをキャリアガスであるHとともに基板上に供給する。さらに、p型ドーパントとしてZnを用いる場合は、DMZn(ジメチルZn)の形で供給する。GaClはPHとの反応性に優れ、下記(2)式の反応により、効率よく電流拡散層209を成長させることができる。
GaCl(気体)+PH(気体)
→GaP(固体)+HCl(気体)+H(気体)‥‥(2)
【0049】
このp型GaPからなる厚膜の電流拡散層209の成長が終了したら、スパッタリングや真空蒸着法により、GaP電流拡散層209の第一主表面に表面電極210を形成し、かつn型GaAs基板201の第二主表面側(半導体多層反射層23や発光層26、電流拡散層29が存在する側とは反対側の表面)に裏面電極211を形成する。
なお、電流拡散層209の成長が終了した後に、n型GaAs基板201をエッチング等により除去し、そこにn型GaAs基板201の代わりにn型GaP基板等の透明半導体基板を貼り合わせても良いし、また、エピタキシャル成長によりGaP等の透明半導体層を形成しても良い。
【0050】
次に発光素子チップサイズに合わせてダイシングを行う。ここでは完全にチップを分離させないようハーフダイシングを行うことができるが、フルダイシングにより完全に分離させてもよい。
【0051】
その後、発光素子チップの主表面及び側面に粗面化用エッチング液を接触させ、p型GaPよりなる電流拡散層209の主表面、側面を粗面化する粗面化エッチングを行う。
【0052】
ここで、この粗面化用エッチング液は、例えば酢酸と弗酸と硝酸とヨウ素とを含有する水溶液を用いることができる。このようなエッチング液の具体的な組成は、
酢酸(CHCOOH換算):37.4質量%以上94.8質量%以下、
弗酸(HF換算):0.4質量%以上14.8質量%以下、
硝酸(HNO換算):1.3質量%以上14.7質量%以下、
ヨウ素(I換算):0.12質量%以上0.84質量%以下
の範囲で含有し、かつ、水の含有量が2.4質量%以上45質量%以下のもの、より望ましくは、
酢酸(CHCOOH換算):45.8質量%以上94.8質量%以下、
弗酸(HF換算):0.5質量%以上14.8質量%以下、
硝酸(HNO換算):1.6質量%以上14.7質量%以下、
ヨウ素(I換算):0.15質量%以上0.84質量%以下
の範囲で含有し、かつ、水の含有量が2.4質量%以上32.7質量%以下のものを採用することができる。液温は40℃以上60℃以下が適当である。
なお、粗面化用エッチング液は、上記組成のエッチング液に限定されず、粗面化が可能な成分を含有するものであればよい。
【0053】
その後、分離後の発光素子チップに対して、裏面電極をAgペースト層を介して金属ステージに接着し、更に、表面電極にボンディングワイヤを接続し、さらにエポキシ樹脂からなる図示しないモールド部を形成すれば、発光素子20が完成する。
【0054】
このように、半導体多層反射層23として、電流拡散層29の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で入射した光をブラッグ反射させる第1のブラッグ反射層203と、電流拡散層29の表面における法線方向からみた臨界角より大きな角度で入射した光をブラッグ反射させる第2のブラッグ反射層204の2種類の多層反射構造を形成することにより、活性層206から電流拡散層29の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で下部に出射された光は、第1のブラッグ反射層203によって上方へ反射され、電流拡散層29から外部に出射される。また、活性層206から下方へ向けて出射された光のうち、従来反射させていなかった電流拡散層29の表面における法線方向からみた臨界角より大きな角度で入射する光は、第2のブラッグ反射層204によって上方もしくは、側方へ反射され、電流拡散層29から外部へ出射される。
【0055】
ここで、図2は、本発明の第1のブラッグ反射層と第2のブラッグ反射層の2種類の反射層が反射する反射光の入射角度に対する依存性を示した図である。
図2から明らかなように、活性層から出射された光のうち、電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で入射する、すなわち主に垂直方向に入射する光は第1のブラッグ反射層により反射され、臨界角より大きな角度で入射する光は第2のブラッグ反射層で反射される。
【0056】
また、厚膜のp型GaPからなる電流拡散層の表面を粗面化すると、放射された光が部分的な凹凸により界面角度が変わり、外部へ放射することが出来るようになり、光取り出し効率が向上する。すなわち、電流拡散層を持つ表面を粗面化させた発光素子では、従来反射させていなかった臨界角(約26°)より大きな角度(主に30°〜60°)で半導体多層反射層に入射する光も発光素子外へ取り出すことが可能となり、効率的に外部への光の取り出しを行うことが可能となる。このため、従来に比べて光取り出し効率を格段に向上させることができる。
【0057】
従って、本発明に係る半導体発光素子の製造方法のように活性層からの光に対して互いに異なる入射光に対する角度依存のブラッグ反射層を2層形成することによって、半導体多層反射層全体として活性層からの光に対する反射角度が広がることになり、活性層から発光された光を、外部へ従来より格段に効率良く取り出すことができる。
【0058】
尚、上記例示では半導体積層構造部27は、発光層26のみからなる場合について示したが、半導体積層構造部はこれに限定されず、発光層の他に、例えばドーパント拡散を抑止するための障壁層を複数層設けたりすることができる。
【実施例】
【0059】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
図1に示すような組成・構造の半導体発光素子を複数個製造し、そのうちの10個のチップをマウントしてランプにして、LED TESTER CMF3000にて発光強度の測定を行った。
【0060】
(比較例)
図3に示すような組成・構造の半導体発光素子を複数個製造し、そのうちの10個のチップをマウントしてランプにして、LED TESTER CMF3000にて発光強度の測定を行った。
【0061】
実施例の発光素子では、発光層から出射された光のうち、電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で入射する反射光に加えて、電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角より大きな角度で入射する光も第2のブラッグ反射層によって反射され、粗面化された発光素子表面から外部に取り出される。その結果、従来構造である比較例の発光素子に比べて約20%輝度が向上した。
これに対し、比較例の発光素子では、発光層から出射された光のうち、電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で入射する光のみが反射層で反射され、斜め方向の光はGaAs単結晶基板に吸収されるため、実施例に比較して輝度が低くなった。
【0062】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0063】
20…発光素子、
21…半導体基板、 23…半導体多層反射層、 26…発光層、 27…半導体積層構造部、 29…電流拡散層、
100…発光素子、
101…n型GaAs基板、 102…n型GaAsバッファ層、
103…多層反射層、 103a…n型AlInP膜、 103b…n型GaAs膜、
105…n型AlGaInP層(n型クラッド層)、 106…i−AlGaInP層(活性層)、 107…p型AlGaInP層(p型クラッド層)、
108…p型GaP層(電流拡散層)、 109…p型GaP層(厚膜の電流拡散層)、
110…表面電極、 111…裏面電極、
201…n型GaAs単結晶基板、 202…n型GaAsバッファ層、
203…第1のブラッグ反射層、 203a…n型(AlGa(1−x)In(1−y)P膜、 203b…n型AlGa(1−x)As膜、
204…第2のブラッグ反射層、 204a…n型(Alx2Ga(1−x2)In(1−y)P膜、 204b…n型(Alx1Ga(1−x1)In(1−y)P膜、
205…n型AlGaInP層(第一導電型クラッド層)、 206…i−AlGaInP層(活性層)、 207…p型AlGaInP層(第二導電型クラッド層)、
208…p型GaP層(電流拡散層)、 209…p型GaP層(電流拡散層)、
210…表面電極、 211…裏面電極。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、半導体基板と、該半導体基板上に形成された半導体薄膜からなる半導体多層反射層と、該半導体多層反射層上に形成された発光層を含む半導体積層構造部と、電流拡散層とを具備する発光素子であって、
前記電流拡散層は、表面が粗面化されており、
前記半導体多層反射層は、前記電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で入射する前記発光層からの入射光をブラッグ反射する第1のブラッグ反射層と、前記電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角より大きな角度で入射する前記発光層からの入射光をブラッグ反射する第2のブラッグ反射層とからなり、かつ前記第1のブラッグ反射層と前記第2のブラッグ反射層のうち少なくとも前記発光層の近くに位置する側のブラッグ反射層が、前記発光層からの光に対して透光性を有するものであることを特徴とする発光素子。
【請求項2】
前記発光層が、組成式(AlGa1−xIn1−yP(但し、0≦x≦1,0≦y≦1)にて表される化合物にて各々構成された第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層がこの順序で積層されたダブルへテロ構造からなり、かつ前記電流拡散層がGaPからなるものであることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記第1のブラッグ反射層が、AlGa(1−x)As膜(但し、0≦x≦1)と(AlGa(1−x)In(1−y)P膜(但し、0≦x≦1,0≦y≦1)が交互に積層されたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記第2のブラッグ反射層が、(Alx1Ga(1−x1)In(1−y)P膜(但し、0≦x1≦1,0≦y≦1)と(Alx2Ga(1−x2)In(1−y)P膜(但し、0≦x2≦1,0≦y≦1,x1≠x2)が交互に積層されたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項5】
少なくとも、
半導体基板上に、半導体薄膜からなる半導体多層反射層を形成する工程と、
該半導体多層反射層上に、発光層を含む半導体積層構造部を形成する工程と、
該半導体積層構造部上に、電流拡散層を形成する工程と、を具備する発光素子の製造方法において、
前記半導体多層反射層として、前記電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角以下の角度で入射する前記発光層からの入射光をブラッグ反射する第1のブラッグ反射層と、前記電流拡散層の表面における法線方向からみた臨界角より大きな角度で入射する前記発光層からの入射光をブラッグ反射する第2のブラッグ反射層とを、前記第1のブラッグ反射層と前記第2のブラッグ反射層のうち少なくとも前記発光層の近くに位置する側のブラッグ反射層が、前記発光層からの光に対して透光性を有する構造となるように形成し、
前記電流拡散層形成後に、該電流拡散層の表面を粗面化する粗面化工程を行うことを特徴とする発光素子の製造方法。
【請求項6】
前記発光層として、組成式(AlGa1−xIn1−yP(但し、0≦x≦1,0≦y≦1)にて表される化合物にて各々構成された第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層がこの順序で積層されたダブルへテロ構造を形成し、かつ前記電流拡散層として、GaPを形成することを特徴とする請求項5に記載の発光素子の製造方法。
【請求項7】
前記第1のブラッグ反射層として、AlGa(1−x)As膜(但し、0≦x≦1)と(AlGa(1−x)In(1−y)P膜(但し、0≦x≦1,0≦y≦1)を交互に積層することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の発光素子の製造方法。
【請求項8】
前記第2のブラッグ反射層として、(Alx1Ga(1−x1)In(1−y)P膜(但し、0≦x1≦1,0≦y≦1)と(Alx2Ga(1−x2)In(1−y)P膜(但し、0≦x2≦1,0≦y≦1,x1≠x2)を交互に積層することを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−77496(P2011−77496A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60159(P2010−60159)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000190149)信越半導体株式会社 (867)
【Fターム(参考)】