説明

発光素子検査装置及びこれを用いた検査方法

【課題】発光素子の不良の有無を検査し、検査後に不良の発光素子を廃棄することのできる発光素子検査装置及びこれを用いた検査方法を提供する。従って、発光素子の不良検査及び不良廃棄を自動化するとともに一連の過程で迅速に処理することにより、生産性の向上を図ることができる。
【解決手段】本発明の一実施形態による発光素子検査装置は、発光素子のビジョン検査により不良の有無を検査する検査部と、前記検査部から供給された前記発光素子のうち、前記検査部の検査結果に基づいて不良と判定された発光素子を廃棄する不良リジェクト部とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子の不良の有無を検査し、検査後に不良の発光素子を廃棄することのできる発光素子検査装置及びこれを用いた検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子(Light Emitting Diode;LED)は、半導体のp−n接合構造を用いて少数キャリア(電子または正孔)を生成し、これらの再結合により発光する電子部品である。すなわち、特定元素の半導体に順方向電圧を加えると、陽極と陰極の接合部分を通して電子の正孔が移動して互いに再結合するが、電子の正孔が離れているときより小さなエネルギーとなるため、このときに発生するエネルギーの違いにより光を放出する。
【0003】
近年、このような発光素子は、発光効率の向上により、その応用範囲が、初期の信号表示用から、携帯電話のバックライトユニット(Back Light Unit;BLU)や液晶表示装置(Liquid Crystal Display;LCD)などのフラットパネルディスプレイの光源及び照明用へと、さらに広がっている。これは、発光ダイオードの方が、従来の照明に使用される電球や蛍光灯に比べて、消費電力が少なく、寿命が長いからである。
【0004】
通常、発光素子は、発光素子パッケージで製造される。一般に、発光素子パッケージは、発光素子チップと、発光素子チップが実装される本体部と、本体部の上部で発光素子チップを覆う蛍光性シリコンなどの蛍光体含有樹脂部とを含む。発光素子パッケージは、発光素子チップの横にツェナーダイオード(zener diode)をさらに含むこともある。
【0005】
発光素子チップは、基板上に異なる導電型の半導体層を形成し、その間で発光を活性化する活性層を成長させた後、各半導体層に電極を形成することにより製造される。発光素子チップとツェナーダイオードとは、ワイヤボンディング(wire bonding)によりリードフレーム(lead frame)と電気的に接続される。
【0006】
発光素子チップ及びツェナーダイオードの上部に蛍光性シリコンを充填する過程で、蛍光性シリコンが過少充填された場合は、内部のボンディングワイヤが露出して発熱により切れることがある。これに対して、蛍光性シリコンが過剰充填された場合は、後でモジュールに組み込む際に組み込みが不可能になり、光の発散角が設定値よりも大きくなる不良が発生する。よって、発光素子パッケージの製造時、蛍光性シリコンの充填状態を検査する工程が必要である。
【0007】
しかしながら、従来は、蛍光性シリコンの充填状態を作業者が肉眼で検査し、不良の発光素子パッケージを選別して廃棄することがほとんどであった。従って、熟練した作業者が必要であり、手作業により生産性の向上に限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的の1つは、発光素子パッケージの不良検査及び不良廃棄を自動化するとともに一連の過程で迅速に処理することにより、生産性の向上を図ることのできる発光素子検査装置及びこれを用いた検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するための本発明の一実施形態による発光素子検査装置は、発光素子のビジョン検査により不良の有無を検査する検査部と、前記検査部から供給された前記発光素子のうち、前記検査部の検査結果に基づいて不良と判定された発光素子を廃棄する不良リジェクト部とを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、発光素子の製造工程で、発光素子を検査して検査結果に基づいて不良と判定された発光素子を廃棄する全過程を自動化することができる。また、検査及び不良廃棄過程を一連の過程で迅速に処理することができる。従って、発光素子の製造における生産性の向上が図れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による発光素子検査装置を示す斜視図である。
【図2】図1の検査装置により検査される発光素子を収納するカセットを示す斜視図である。
【図3】図2の発光素子の側断面図である。
【図4】図1の不良リジェクト部の正面図である。
【図5】図4の不良リジェクト部の側面図である。
【図6】図1の防振手段の設置例を示す斜視図である。
【図7】図1の移送レール及び移送部を抜粋して示す斜視図である。
【図8】図1のロード部を抜粋して示す斜視図である。
【図9】図1の発光素子集合体の移送過程を概略的に説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態による発光素子検査装置を示す斜視図である。
図1を参照すると、本実施形態による発光素子検査装置100は、ロード部110、検査部120、不良リジェクト部140、及びアンロード部150を含む。
【0014】
ロード部110には、図2に示すカセット10が載置される。ロード部110は、検査部120に隣接したフレーム101の一側に配置される。カセット10は、複数の発光素子集合体20を積層して収納できる構造を有する。発光素子集合体20は、複数の発光素子21が複数行及び複数列を有するように配列されたアレイ状の連結構造を有するが、これは、発光素子21の製造における生産性を高めるためのものである。発光素子集合体20は、発光素子21の製造を完了した後に発光素子21同士の連結部を切断することでそれぞれの発光素子21に分離できるようになっている。
【0015】
本実施形態では、検査対象を発光素子パッケージにしているが、様々な形態の発光素子、例えば発光素子チップまたは所定の回路構成とともにモジュール化した発光素子モジュールにも同様に適用することができる。
【0016】
ロード部110に位置する発光素子21は、図3に示すように、発光素子チップ22とツェナーダイオード23とがボンディングワイヤ24により接続された状態で、発光素子チップ22及びツェナーダイオード23の上部に蛍光性シリコン25などの蛍光体含有樹脂部が覆われた構造を有する発光素子パッケージであってもよい。
【0017】
検査部120は、ロード部110から発光素子集合体20が供給されると、ビジョン検査により、供給された発光素子集合体20の発光素子21の不良の有無を検査する。例えば、検査部120は、発光素子21を撮像した画像を処理して、発光素子21の蛍光性シリコン25が過剰充填または過少充填された状態であるか否かを検査する。
【0018】
このための検査部120は、多様に構成することができるが、一例として、照明部、撮像部、及び画像処理部を含むようにしてもよい。照明部は、蛍光性シリコン25が発光する波長帯のUV(ultraviolet)を照射して、蛍光性シリコン25の充填状態に応じた異なる画像を取得できるようにする。撮像部は、発光素子21の上面を撮影するためのものであり、CCDカメラなどであってもよい。画像処理部は、UV照明下で撮像部により撮影された画像を基準画像と比較処理して、蛍光性シリコン25の状態を判断する。ここで、基準画像とは、蛍光性シリコン25の充填状態が正常の場合に取得された画像である。
【0019】
検査部120は、検査する発光素子21の上部に配置される。検査部120は、発光素子集合体20の供給方向と直交する方向にスライド移動するように、フレーム101上のコラム102に支持される。これにより、検査部120は、検査領域で位置調整したり、整備などのために待機位置などに移動させることができる。
【0020】
検査部120は、前述のように複数行及び複数列に配列された発光素子21が1行ずつ供給される場合、行毎に撮像して検査するように構成される。他の例として、発光素子21が複数行ずつ供給される場合、検査部120は、領域毎に撮像して検査するように構成される。
【0021】
一方、検査部120は、供給された発光素子集合体20の発光素子21の中から、ボンディングワイヤ24不良と判定されて不良マーキングされた発光素子を認識することができる。すなわち、発光素子21は、蛍光性シリコン25が充填される前にボンディングワイヤ24の検査が行われ、不良の場合に不良マーキングが施される。
【0022】
ボンディングワイヤ24不良により不良マーキングされた発光素子がロード部110に載置されて検査部120に供給された場合、検査部120は、供給された発光素子21の中からボンディングワイヤ24不良の発光素子を認識する。検査部120がボンディングワイヤ24不良の発光素子を認識した情報は、制御部104に提供され、制御部104は、不良リジェクト部140を制御してボンディングワイヤ24不良の発光素子を廃棄する。
【0023】
不良リジェクト部140は、検査部120から供給された発光素子集合体20の発光素子21のうち、不良と判定された発光素子をパンチングして廃棄する。不良リジェクト部140は、複数行及び複数列に配列された発光素子21が1行ずつ供給される場合、各行をなす発光素子21から不良の発光素子を選別してパンチングするように構成される。
【0024】
不良リジェクト部140は、検査部120からの情報が提供された制御部104により、不良と判定された発光素子をパンチングして廃棄するように制御される。ここで、廃棄される発光素子は、蛍光性シリコン状態不良の発光素子や、ボンディングワイヤ不良の発光素子などであり得る。
【0025】
アンロード部150には、不良リジェクト部140から排出される発光素子集合体20を収納するための空のカセット10が載置される。アンロード部150で空のカセット10に収納された発光素子集合体21は、モジュール組立工程に送られる。
【0026】
前述した構成の発光素子検査装置100によると、発光素子21の製造工程で、発光素子21を検査して検査結果に基づいて不良と判定された発光素子を廃棄する過程を自動化することができ、検査及び不良廃棄過程を一連の過程で迅速に処理することができる。従って、発光素子21の製造における生産性の向上を図ることができる。
【0027】
一方、発光素子検査装置100は、検査部120と不良リジェクト部140との間に不良マーキング部130をさらに含んでもよい。不良マーキング部130は、検査部120から供給された発光素子集合体20の発光素子21のうち、検査部120の検査結果に基づいて不良と判定された発光素子に不良マーキングを施す。不良マーキング部130は、供給されてきた発光素子21の上部に配置される。不良マーキング部130は、発光素子集合体20の供給方向と直交する方向にスライド移動するように、フレーム101上のコラム103に支持される。これにより、不良マーキング部130は、マーキング領域で位置調整したり、整備などのために待機位置などに移動させることができる。
【0028】
不良マーキング部130は、レーザビームを照射して不良の発光素子21の表面に不良標識を刻印するように構成してもよい。ここで、不良マーキング部130は、複数行及び複数列に配列された発光素子21が1行ずつ供給される場合、レーザビームを発光素子21の供給方向と直交する方向にのみ移動させながら不良の発光素子に不良マーキングを施すように構成してもよい。他の例として、不良マーキング部130は、レーザビームをX−Y方向に移動させながら不良の発光素子に不良マーキングを施すように構成してもよい。レーザビームの移動及び動作は、検査部120からの情報が提供された制御部104により行われる。制御部104は、コンピュータなどであってもよい。さらに他の例として、不良マーキング部130は、インキを噴射して不良の発光素子21の表面に不良標識を印刷するように構成してもよい。
【0029】
一方、不良リジェクト部140は、多様に構成することができるが、一例として、図4及び図5に示すように構成してもよい。図4及び図5を参照すると、不良リジェクト部140は、パンチングヘッド141、パンチングピン142、及びパンチング支持台143を含む。
【0030】
パンチングヘッド141は昇降駆動する。パンチングヘッド141は、下降時、不良と判定された発光素子に対応するパンチングピン142により、発光素子をパンチングする。パンチングヘッド141は、空圧などのシリンダを含む駆動部により昇降駆動する。パンチングヘッド141は、フレーム101に設置されたガイドロッド144に一部が嵌合されて昇降動作がガイドされる。ここで、パンチングヘッド141がパンチング動作後に上昇する際の駆動負荷を低減するため、ガイドロッド144に圧縮コイルばねを装着してもよい。
【0031】
パンチングピン142は、供給される発光素子集合体20の1行の発光素子21にそれぞれ対応するように配列される。例えば、1行をなす発光素子21の数が4つであれば、パンチングピン142も4つ備えられ、発光素子21と1つずつ対応するように配列される。パンチングピン142は、パンチングヘッド141にそれぞれ昇降駆動可能に設置される。パンチングピン142は、空圧などのシリンダを含む駆動部により昇降駆動する。パンチングピン142は、パンチング支持台143との間に設置されたガイド部材145のガイド孔にそれぞれ嵌合されて、昇降動作が安定してガイドされる。
【0032】
パンチングピン142は、不良の発光素子に対応する場合、不良の発光素子側に突出した状態を維持して、パンチングヘッド141の下降時、不良の発光素子が加圧されてパンチングされるようにする。また、パンチングピン142は、良好な発光素子に対応する場合、パンチングヘッド141が下死点まで下降しても良好な発光素子から離隔した状態を維持するように、上昇した状態を維持する。従って、パンチングヘッド141の下降時、良好な発光素子はパンチングされない。
【0033】
パンチング支持台143は、パンチングピン142の下側で発光素子集合体20を支持する。パンチング支持台143には、パンチングピン142がそれぞれ挿入されてパンチングされた発光素子が排出される排出ホール143aが形成される。すなわち、パンチングピン142は、パンチング動作を行いながら下降する際に排出ホール143aに挿入され、この過程でパンチングされた発光素子は、パンチングピン142により押されて排出ホール143a内に入る。その後、パンチングされた発光素子は、排出ホール143aから落下して廃棄箱146に回収される。
【0034】
パンチング支持台143は、パンチングヘッド141のパンチング動作時に設定距離だけ下降することで衝撃を緩和するように駆動することができる。すなわち、パンチングヘッド141の下降によりパンチングピン142の下端が不良の発光素子に当接し始めるとき、パンチング支持台143は、パンチングピン141の行程距離より短い距離程度に下降することにより、パンチング過程で発光素子集合体20に加えられる衝撃を緩和する。パンチング支持台143は、回転モータと回転モータの回転運動を直線運動に変換する直線運動変換部とを含む駆動部により、回転モータの正逆回転によって昇降する。パンチング支持台143は、少なくとも1対のガイドロッド147により昇降動作がガイドされる。ここで、パンチング支持台143が下降した後に上昇する際に駆動負荷を低減するため、ガイドロッド147には圧縮コイルばねをそれぞれ装着してもよい。
【0035】
一方、パンチング支持台143の下側には、パンチングヘッド141のパンチング動作時に発生する振動が検査部120及び不良マーキング部130に伝達されることを防止する防振手段を含んでもよい。これにより、検査部120は発光素子21を正確に検査することができ、不良マーキング部130は不良の発光素子に正確に不良マーキングを施すことができる。
【0036】
防振手段は、図6に示すように、垂直防振パッド191及び水平防振パッド192を含んでもよい。垂直防振パッド191は、垂直に伝達される振動を遮断するためのものであり、水平防振パッド192は、水平に伝達される振動を遮断するためのものである。垂直防振パッド191及び水平防振パッド192は、不良リジェクト部140を支持するフレーム101内に組み込まれ、パンチングヘッド141のパンチング動作時に発生する振動が検査部120及び不良マーキング部130に伝達されることを防止する。
【0037】
一方、発光素子検査装置100は、移送ガイドレール160及び移送部170を含んでもよい。図7に示すように、移送ガイドレール160は、ロード部110から供給された発光素子集合体20が載置されて移送されるようにガイドする。移送部170は、移送ガイドレール160に載置された発光素子集合体20を検査部120、不良マーキング部130、及び不良リジェクト部140に移送するためのものである。
【0038】
移送部170は複数設けられてもよい。例えば、移送部170は、ロード部110から供給された発光素子集合体20を検査部120に移送するための第1移送部171と、検査部120の検査領域で発光素子集合体20を移送するための第2移送部172と、不良マーキング部130のマーキング領域で発光素子集合体20を移送するための第3移送部173と、不良リジェクト部140のパンチング領域で発光素子集合体20を移送するための第4移送部174と、不良リジェクト部140からアンロード部150に移送するための第5移送部175とを含む。第1、2、3、4、5移送部171、172、173、174、175は、個別動作するように構成される。
【0039】
第1移送部171は、発光素子集合体20を載置して移送する移送ベルトと、移送ベルトを回転させるモータと、ロード部110からの発光素子集合体20の供給をガイドするための1対のガイドローラとを含んでもよい。
【0040】
第2移送部172は、ピッカ、リニアモーションガイド、及びリニアモータを含んでもよい。ピッカは、フック部が発光素子集合体20の両側縁部に沿って複数形成された孔に嵌合される構造を有する。リニアモーションガイドは、ピッカが発光素子集合体20の移送方向に沿って前後に移動するようにガイドする。リニアモータは、ピッカのフック部が発光素子集合体20の孔に嵌合された状態でピッカを移動させることで発光素子集合体20を移送させる。
【0041】
検査部120が発光素子21を1行ずつ検査するように構成された場合、リニアモータは、リニアステップモータで構成して、発光素子21を1行ずつ移送できるようにする。第2移送部172と同様に、第3、4、5移送部173、174、175も、それぞれピッカ、リニアモーションガイド、及びリニアモータを含むようにしてもよい。
【0042】
検査部120側には、検査部用クランプ部181を設けてもよい。検査部用クランプ部181は、検査部120により発光素子集合体20の発光素子21が検査される間、すなわち撮像される間、検査部120に位置する発光素子集合体20を移送ガイドレール160に密着させて固定する。これにより、検査部120は発光素子21の正確な画像を取得することができる。
【0043】
一例として、検査部用クランプ部181は、移送ガイドレール160の上部で移送ガイドレール160に近接または離隔するように移動するクランプ部材と、クランプ部材を移動させるクランプ駆動部とを含んでもよい。クランプ駆動部は、ソレノイド式アクチュエータを含んでもよい。
【0044】
不良マーキング部130側には、不良マーキング部用クランプ部182を設けてもよい。不良マーキング部用クランプ部182は、不良マーキング部130により不良と判定された発光素子21に不良マーキングが施される間、不良マーキング部130に位置する発光素子集合体20を移送ガイドレール160に密着させて固定する。これにより、不良マーキング部130は不良の発光素子21に正確に不良マーキングを施すことができる。不良マーキング部用クランプ部182も、検査部用クランプ部181と同様に、クランプ部材とクランプ駆動部とを含んでもよい。
【0045】
図8に示すように、ロード部110は、第1供給コンベア111、第1エレベータ112、第1プッシャ113、及び第1排出コンベア114を含んでもよい。第1供給コンベア111は、複数の発光素子集合体20が積層されて収納されたカセット10を載置して発光素子集合体20の供給位置に供給するためのものである。第1エレベータ112は、第1供給コンベア111により供給されたカセット10を把持して昇降させるためのものである。
【0046】
第1エレベータ112は、把持したカセット10を1ステップずつ上昇または下降させるように制御することができる。図示のように、第1排出コンベア114が第1供給コンベア111の下側に配置された場合であれば、第1エレベータ112は、把持したカセット10を1ステップずつ下降させるように制御される。ここで、第1エレベータ112の1ステップの移動間隔は、発光素子集合体20の積層間隔に相応する。
【0047】
第1エレベータ112は、第1供給コンベア111からカセット10の伝達を受けて元の状態に復帰して下降できるように、駆動部により第1供給コンベア111に近接または離隔することができる。これにより、第1エレベータ112から第1排出コンベア114に空のカセット10を伝達することも可能になる。
【0048】
第1プッシャ113は、第1エレベータ112により把持されたカセット10が1ステップ下降する度に、把持されたカセット10に収納された発光素子集合体20を1つずつ検査部120側に供給する。第1プッシャ113は、発光素子集合体20の供給方向に沿って前後に移動するプッシュ部材と、プッシュ部材を移動させるプッシュ部材駆動部とを含む。プッシュ部材駆動部は、プッシュ部材を直線移動させることができる範疇で、様々なアクチュエータで構成することができる。
【0049】
第1排出コンベア114は、第1エレベータ112から伝達された空のカセット10を排出するためのものである。ロード部110が前述のように構成された場合、発光素子集合体20を検査部120側に連続して自動供給できるため、生産効率が向上する。
【0050】
一方、さらに図1及び図7を参照すると、アンロード部150も、ロード部110と同様に、発光素子集合体20を自動で空のカセット10に収納して排出するために、第2供給コンベア151、第2エレベータ152、第2プッシャ153、及び第2排出コンベア154を含んでもよい。
【0051】
第2供給コンベア151は、空のカセット10を発光素子集合体20の排出位置に供給できるようにする。第2エレベータ152は、第2供給コンベア151により供給されたカセット10を把持して昇降させるためのものである。
【0052】
第2排出コンベア154が第2供給コンベア151の下側に配置された場合であれば、第2エレベータ152は、把持したカセット10を1ステップずつ下降させるように制御される。第2エレベータ152は、第2供給コンベア151から空のカセット10の伝達を受けて元の状態に復帰して下降できるように、駆動部により第2供給コンベア151に近接または離隔することができる。これにより、第2エレベータ152から第2排出コンベア154に発光素子集合体20が収納されたカセット10を伝達することも可能になる。
【0053】
第2プッシャ153は、第2エレベータ152により把持されたカセット10が1ステップ下降する度に、不良リジェクト部140から移送されてきた発光素子集合体20を1つずつカセット10に収納する。第2プッシャ153は、発光素子集合体20の排出方向に沿って前後に移動するプッシュ部材と、プッシュ部材を移動させるプッシュ部材駆動部とを含む。プッシュ部材駆動部は、プッシュ部材を直線移動させることができる範疇で、様々なアクチュエータで構成することができる。
【0054】
第2排出コンベア154は、第2エレベータ152から伝達された、発光素子集合体20が収納されたカセット10を排出するためのものである。アンロード部150が前述のように構成された場合、検査、不良マーキング、及び廃棄が完了した発光素子集合体20をアンロード部150に連続して自動排出できるため、生産効率が向上する。
【0055】
図1〜図9を参照して、前述の構成を有する発光素子検査装置100の動作を概略的に説明する。
【0056】
まず、検査する発光素子集合体20が多層に積層されて収納されたカセット10をロード部110に載置する。すると、第1供給コンベア111は、カセット10を第1エレベータ112側に移動させ、第1エレベータ112は、第1供給コンベア111側に移動してカセット10を把持した後に元の状態に復帰する。その後、第1エレベータ112は、カセット10を1ステップずつ下降させ、カセット10が1ステップずつ下降する度に、第1プッシャ113は、カセット10から発光素子集合体20を1つずつ第1移送部171に供給する。すると、第1移送部171は、発光素子集合体20を検査部120側に移送する。
【0057】
検査部120は、供給された発光素子集合体20の発光素子21を撮像した画像を処理して、蛍光性シリコン25の充填状態を検査する。このとき、発光素子21を1行ずつまたは複数行ずつ順次検査できるように、第2移送部172は発光素子集合体20を移送する。また、検査部120が発光素子21を撮像する間、検査部用クランプ部181は発光素子集合体20を固定する。
【0058】
第2移送部172が検査を完了した発光素子集合体20を不良マーキング部130に供給すると、不良マーキング部130は、検査部120による検査結果に基づいて、不良と判定された発光素子に不良マーキングを施す。このとき、第3移送部173は、発光素子21を1行ずつまたは複数行ずつ移動させることができ、これに対応して、不良マーキング部130は、レーザビームを移動させて不良の発光素子に不良マーキングを施すことができる。また、不良マーキング部130が不良の発光素子に不良マーキングを施す間、不良マーキング部用クランプ部182は発光素子集合体20を固定する。一方、不良マーキング部130が省略された構造であれば、不良マーキング過程も省略される。
【0059】
第3移送部173が不良マーキングを完了した発光素子集合体20を不良リジェクト部140に供給すると、不良リジェクト部140は、不良マーキングされた発光素子をパンチングして廃棄する。このとき、第4移送部174は発光素子21を1行ずつ移動させ、これに対応して、不良リジェクト部140は、各行をなす発光素子21から不良マーキングされた発光素子を選別してパンチングする。
【0060】
不良リジェクト部140により不良の発光素子が廃棄された発光素子集合体20を第5移送部175がアンロード部150側に排出すると、第2プッシャ153は、不良の発光素子が廃棄された発光素子集合体20を、アンロード部150で第2供給コンベア151により第2エレベータ152に伝達されて待機している空のカセット10に収納する。このとき、第2エレベータ152は、カセット10を1ステップずつ下降させ、カセット10が1ステップずつ下降する度に、第2プッシャ153は、不良リジェクト部140を経た発光素子集合体20を1つずつカセット10の空き空間に収納する。カセット10への発光素子集合体20の収納が完了すると、第2エレベータ152は、カセット10を第2排出コンベア154に伝達し、第2排出コンベア154は、カセット10を排出する。
【0061】
本発明は、添付図面に示す一実施形態に基づいて説明されたが、これは単なる例示にすぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者であればこれから様々な変形及び均等な他の実施形態が可能であることを理解するであろう。よって、本発明の技術的範囲は添付の特許請求の範囲により定められるべきである。
【符号の説明】
【0062】
10 カセット
20 発光素子集合体
21 発光素子
25 蛍光性シリコン
110 ロード部
120 検査部
130 不良マーキング部
140 不良リジェクト部
150 アンロード部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子のビジョン検査により不良の有無を検査する検査部と、
前記検査部から供給された前記発光素子のうち、前記検査部の検査結果に基づいて不良と判定された発光素子を廃棄する不良リジェクト部と
を含む発光素子検査装置。
【請求項2】
前記発光素子は、複数行及び複数列を有するように複数配列されて、アレイ状に連結された発光素子集合体を構成することを特徴とする請求項1に記載の発光素子検査装置。
【請求項3】
前記不良リジェクト部は、前記発光素子集合体から前記不良と判定された発光素子のみをパンチングして廃棄することを特徴とする請求項2に記載の発光素子検査装置。
【請求項4】
前記不良リジェクト部は、
昇降駆動するパンチングヘッドと、
前記アレイの列方向に一定の数の行が供給される前記発光素子集合体の単位領域に配列された発光素子の位置にそれぞれ対応するように配列され、前記パンチングヘッドにそれぞれ昇降駆動可能に設置され、前記パンチングヘッドのパンチング動作時、前記供給される単位領域の発光素子のうち不良と判明された発光素子に対して選択的に突出した状態を維持する複数のパンチングピンと、
前記複数のパンチングピンの下側で前記発光素子集合体を支持し、前記突出した状態を維持しながら下降したパンチングピンがそれぞれ挿入されることにより前記パンチングされた発光素子が排出される複数の排出ホールが形成されたパンチング支持台と
を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の発光素子検査装置。
【請求項5】
前記パンチング支持台は、前記パンチングヘッドのパンチング動作時に設定距離だけ下降して、パンチング時に発生する衝撃を緩和することを特徴とする請求項4に記載の発光素子検査装置。
【請求項6】
前記パンチング支持台の下側には、前記パンチングヘッドのパンチング動作時に発生する振動が前記検査部に伝達されることを防止する防振手段をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の発光素子検査装置。
【請求項7】
前記排出ホールから落下する前記パンチングされた発光素子を回収する廃棄箱をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の発光素子検査装置。
【請求項8】
前記発光素子は、蛍光体含有樹脂部を有する発光素子パッケージであることを特徴とする請求項1または2に記載の発光素子検査装置。
【請求項9】
前記検査部は、前記発光素子パッケージを撮像した画像を処理して、前記蛍光体含有樹脂部の充填状態を検査することを特徴とする請求項8に記載の発光素子検査装置。
【請求項10】
前記発光素子集合体が載置されて移送されるようにガイドする移送ガイドレールと、
前記移送ガイドレールに載置された前記発光素子集合体を前記検査部及び前記不良リジェクト部に移送する移送部と
をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の発光素子検査装置。
【請求項11】
前記検査部により前記発光素子集合体の発光素子を検査する間、前記検査部に位置する発光素子集合体を前記移送ガイドレールに密着させて固定する検査部用クランプ部をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の発光素子検査装置。
【請求項12】
前記発光素子集合体を多数収納したカセットを載置するロード部をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の発光素子検査装置。
【請求項13】
前記ロード部は、
前記発光素子集合体が多層に積層されて収納されたカセットを前記発光素子集合体の供給位置に供給する第1供給コンベアと、
前記第1供給コンベアにより供給されたカセットを把持して1ステップずつ上昇または下降させる第1エレベータと、
前記第1エレベータにより把持されたカセットが1ステップ上昇または下降する度に、前記把持されたカセットに収納された前記発光素子集合体を1つずつ前記検査部側に供給する第1プッシャと、
前記第1エレベータから伝達された空のカセットを排出する第1排出コンベアと
を含むことを特徴とする請求項12に記載の発光素子検査装置。
【請求項14】
前記不良リジェクト部を経て排出される前記発光素子集合体を収納するための他のカセットを載置するアンロード部をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の発光素子検査装置。
【請求項15】
前記アンロード部は、
前記他のカセットを前記発光素子集合体の排出位置に供給する第2供給コンベアと、
前記第2供給コンベアにより供給された前記他のカセットを把持して1ステップずつ上昇または下降させる第2エレベータと、
前記第2エレベータにより把持されたカセットが1ステップ上昇または下降する度に、前記不良リジェクト部から排出された前記発光素子集合体を前記把持されたカセットの空きの収納空間に1つずつ収納する第2プッシャと、
前記第2エレベータから伝達された、前記発光素子集合体が収納された前記カセットを排出する第2排出コンベアと
を含むことを特徴とする請求項14に記載の発光素子検査装置。
【請求項16】
前記検査部から供給された前記発光素子集合体の発光素子のうち、前記検査部の検査結果に基づいて不良と判定された発光素子に不良マーキングを施す不良マーキング部をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の発光素子検査装置。
【請求項17】
前記発光素子集合体が載置されて移送されるようにガイドする移送ガイドレールと、
前記不良マーキング部により不良と判定された発光素子に不良マーキングを施す間、前記不良マーキング部に位置する発光素子集合体を前記移送ガイドレールに密着させて固定する不良マーキング部用クランプ部と
をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の発光素子検査装置。
【請求項18】
前記不良マーキング部は、
不良の発光素子の表面にレーザビームを照射して不良標識を刻印するか、またはインキを噴射して不良標識を印刷することを特徴とする請求項16または17に記載の発光素子検査装置。
【請求項19】
発光素子のビジョン検査により不良の有無を検査する段階と、
前記検査段階の結果に基づいて不良と判定された発光素子を廃棄する段階と
を含む発光素子検査方法。
【請求項20】
前記発光素子は、複数行及び複数列を有するように複数配列されて、アレイ状に連結された発光素子集合体を構成し、
前記不良と判定された発光素子を廃棄する段階は、前記発光素子集合体から前記不良と判定された発光素子のみをパンチングして廃棄することを特徴とする請求項19に記載の発光素子検査方法。
【請求項21】
前記不良と判定された発光素子を廃棄する段階は、
昇降駆動するパンチングヘッドと、前記アレイの列方向に一定の数の行が供給される前記発光素子集合体の単位領域に配列された発光素子の位置にそれぞれ対応するように配列され、前記パンチングヘッドにそれぞれ昇降駆動可能に設置され、前記パンチングヘッドのパンチング動作時、前記供給される単位領域の発光素子のうち不良と判明された発光素子に対して選択的に突出した状態を維持する複数のパンチングピンと、前記複数のパンチングピンの下側で前記発光素子集合体を支持し、前記突出した状態を維持しながら下降したパンチングピンがそれぞれ挿入されることにより前記パンチングされた発光素子が排出される複数の排出ホールが形成されたパンチング支持台とを含む、不良リジェクト部により行われることを特徴とする請求項20に記載の発光素子検査方法。
【請求項22】
前記パンチング支持台は、前記パンチングヘッドのパンチング動作時に設定距離だけ下降して、パンチング時に発生する衝撃を緩和することを特徴とする請求項21に記載の発光素子検査方法。
【請求項23】
前記パンチング支持台の下側には、前記パンチングヘッドのパンチング動作時に発生する振動が前記検査部に伝達されることを防止する防振手段をさらに含むことを特徴とする請求項21または22に記載の発光素子検査方法。
【請求項24】
前記排出ホールから落下する前記パンチングされた発光素子を回収して廃棄する段階をさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の発光素子検査方法。
【請求項25】
前記発光素子は、蛍光体含有樹脂部を有する発光素子パッケージであることを特徴とする請求項19に記載の発光素子検査方法。
【請求項26】
前記検査する段階は、前記発光素子パッケージを撮像した画像を処理して、前記蛍光体含有樹脂部の充填状態を検査する段階であることを特徴とする請求項25に記載の発光素子検査方法。
【請求項27】
前記検査段階の前に、
前記発光素子集合体を多層に積層してカセットに収納する段階と、
前記カセットから前記発光素子集合体を前記ビジョン検査のための領域に供給する段階と
をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の発光素子検査方法。
【請求項28】
前記ビジョン検査のための領域に供給する段階は、
前記発光素子集合体が多層に積層されて収納されたカセットを前記発光素子集合体の供給位置に供給する第1供給コンベアと、前記第1供給コンベアにより供給されたカセットを把持して1ステップずつ上昇または下降させる第1エレベータと、前記第1エレベータにより把持されたカセットが1ステップ上昇または下降する度に、前記把持されたカセットに収納された前記発光素子集合体を1つずつ前記ビジョン検査のための領域に供給する第1プッシャと、前記第1エレベータから伝達された空のカセットを排出する第1排出コンベアとを含む、ロード部により行われることを特徴とする請求項27に記載の発光素子検査方法。
【請求項29】
前記不良と判定された発光素子が廃棄された前記発光素子集合体を他のカセットにアンロードする段階をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の発光素子検査方法。
【請求項30】
前記他のカセットにアンロードする段階は、
前記他のカセットを前記発光素子集合体の排出位置に供給する第2供給コンベアと、前記第2供給コンベアにより供給された前記他のカセットを把持して1ステップずつ上昇または下降させる第2エレベータと、前記第2エレベータにより把持されたカセットが1ステップ上昇または下降する度に、前記不良リジェクト部から排出された前記発光素子集合体を前記把持されたカセットの空きの収納空間に1つずつ収納する第2プッシャと、前記第2エレベータから伝達された、前記発光素子集合体が収納された前記カセットを排出する第2排出コンベアとを含む、アンロード部により行われることを特徴とする請求項29に記載の発光素子検査方法。
【請求項31】
前記検査部から供給された前記発光素子集合体の発光素子のうち、前記検査部の検査結果に基づいて不良と判定された発光素子に不良マーキングを施す段階をさらに含むことを特徴とする請求項30に記載の発光素子検査方法。
【請求項32】
前記不良マーキングを施す段階は、前記不良の発光素子の表面にレーザビームを照射して不良標識を刻印するか、またはインキを噴射して不良標識を印刷する段階であることを特徴とする請求項31に記載の発光素子検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−117959(P2011−117959A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266446(P2010−266446)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(509156538)サムソン エルイーディー カンパニーリミテッド. (114)
【Fターム(参考)】