説明

発光装置、バックライトユニット、液晶表示装置及び照明装置

【課題】半導体発光素子の封止部材を安定して所望の形状にすることができる発光装置等を提供する。
【解決手段】発光装置は、基板10と、基板10の表面に設けられたLED21と、LED21を被覆する蛍光体含有樹脂22と、一端がLED21と接続された第1ワイヤ03と、第1ワイヤ30による蛍光体含有樹脂22の誘導方向と異なる方向に蛍光体含有樹脂22を誘導するための第2ワイヤ31とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置、バックライトユニット、液晶表示装置及び照明装置に関し、特に、半導体発光素子を用いた発光装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の半導体発光素子は、高効率で省スペースな光源として、液晶テレビ等の液晶表示装置におけるバックライト光源、及び照明装置における照明用光源等として広く利用されている。
【0003】
バックライト光源及び照明用光源等において、LEDは、発光装置(発光モジュール)として構成されている。この発光装置は、基板上に配置されたLEDが樹脂によって封止されて構成される。例えば、エッジライト型のバックライトユニットでは、複数個のLEDが基板上に一次元的に配列されて構成される発光装置が用いられる。
【0004】
このような発光装置は白色光源として利用されることが多く、例えば特許文献1には、青色LEDを用いて黄色蛍光体を励起することにより白色光を発光する発光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−142152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、発光装置としては、表面実装型(SMD:Surface Mount Device)やCOB型(Chip On Borad)等がある。SMD型の発光装置は、樹脂等で成型されたキャビティの中にLEDチップを実装し、当該キャビティ内を蛍光体含有樹脂によって封入したパッケージ型の発光装置である。一方、COB型の発光装置は、基板上にLEDそのもの(ベアチップ)を直接実装するものであり、ベアチップと基板上の配線パターンとをワイヤボンディングし、ベアチップを蛍光体含有樹脂(封止部材)によって封止したものである。SMD型と比べてCOB型の発光装置は光取り出し効率に優れることから、COB型の発光装置を採用した光源の開発を望む声が高い。
【0007】
このCOB型の発光装置の一例について、図18A〜18Cを用いて説明する。図18Aは、COB型の発光装置700の一例の外観斜視図であり、図18Bは、同発光装置700の平面図であり、図18Cは、同発光装置700の断面図(図18BのX−X’線に沿って切断した断面図)である。
【0008】
発光装置700は、基板710と、基板710上に直線状に設けられた複数の発光部720と、基板710にパターン形成された金属配線740と、静電保護素子750と、金属配線740とLED721(LED721の電極)とを接続するワイヤ760とを備える。
【0009】
発光部720は、基板710上に実装されたLED721と、LED721を封止するためのドーム状の蛍光体含有樹脂722とからなる。
【0010】
蛍光体含有樹脂722には、所定の蛍光体粒子が分散されており、当該蛍光体粒子によってLED721の発光光が色変換され、発光装置から所望の色の光が放出される。例えば、LED721として青色光を発光する青色LEDを用い、蛍光体粒子として黄色蛍光体粒子を用いることにより、黄色蛍光体粒子は青色LEDの青色光によって励起されて黄色光を放出し、当該黄色光と青色LEDの青色光とによって白色光が放出される。
【0011】
図18A〜図18Cに示す発光装置700では、蛍光体含有樹脂722内の蛍光体粒子による光の内部拡散によるロスの抑制及びコスト削減の観点から蛍光体含有樹脂722をLED721の周囲に出来るだけ薄く塗布することが好ましい。しかしながら、この場合には、蛍光体含有樹脂722の形成において、ワイヤ760の高い濡れ性(蛍光体含有樹脂722に対する濡れ性)により蛍光体含有樹脂722がワイヤ760に引っ張られ易くなる。従って、蛍光体含有樹脂722を安定して所望の形状にすることができない。その結果、光取り出し効率が悪化したり、照度ムラが発生したりする。また、発光装置内又は発光装置毎で蛍光体含有樹脂722の形状がばらついた場合には、発光装置内又は発光装置毎の色ばらつきが発生する。
【0012】
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑み、半導体発光素子の封止部材を安定して所望の形状にすることができる発光装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る発光装置は、基板と、前記基板の表面に設けられた半導体発光素子と、前記半導体発光素子を被覆する封止部材と、一端が前記半導体発光素子と接続された第1ワイヤと、前記第1ワイヤによる前記封止部材の誘導方向と異なる方向に前記封止部材を誘導するための誘導部材とを備えることを特徴とする。
【0014】
このとき、前記封止部材は、前記基板の表面側から平面視したとき前記半導体発光素子の中心を通る軸を基準にして線対称な平面形状を有してもよいし、前記線対称な形状は、円形状又は楕円形状であってもよい。
【0015】
また、前記基板は、矩形状であり、前記基板の長辺の長さをL1とし、短辺の長さをL2としたとき、10≦L1/L2であってもよい。
【0016】
本態様によれば、誘導部材による封止部材の誘導により、第1ワイヤによる封止部材の誘導に基づく封止部材の平面形状の変化が抑えられるので、封止部材を安定して所望の形状にすることができる。
【0017】
ここで、前記誘導部材は、一端が前記半導体発光素子と接続され、前記基板の表面側から平面視したとき前記半導体発光素子を起点として前記第1ワイヤと異なる方向に向かう第2ワイヤであってもよい。
【0018】
本態様によれば、ワイヤにより誘導部材を実現できるので、簡易な構成で封止部材を安定して所望の形状にすることができる。
【0019】
また、前記発光装置は、さらに、前記基板の表面に設けられ、前記第1ワイヤの他端と接続され、複数の前記半導体発光素子の間の接続に用いられる配線と、前記基板の表面に設けられ、前記第2ワイヤの他端と接続され、前記複数の半導体発光素子の間の接続に用いられないダミー配線とを備えてもよい。
【0020】
本態様によれば、第2ワイヤの接続先の配線を明確にし、第2ワイヤによる誘導方向を明確にして、封止部材をより安定して所望の形状にすることができる。
【0021】
また、前記封止部材は、前記基板の表面側から平面視したとき所定の平面形状を有し、前記発光装置は、さらに、前記基板と前記半導体発光素子との間に設けられ、前記基板の表面側から平面視したとき前記所定の平面形状を有する配線コート材を備えてもよい。
【0022】
本態様によれば、配線コート材と基板との段差により配線コート材上の封止部材の移動を制限し、封止部材の平面形状を微細に調整することができるので、封止部材をより安定して所望の形状にすることができる。
【0023】
また、前記封止部材は、前記基板の表面側から平面視したとき所定の平面形状を有し、前記発光装置は、さらに、前記基板上に設けられ、前記基板の表面側から平面視したとき前記所定の平面形状を有する開口が形成された配線コート材を備え、前記半導体発光素子は、前記開口内に位置してもよい。
【0024】
本態様によれば、配線コート材の開口の段差により開口内の封止部材の移動を制限し、封止部材の平面形状を微細に調整することができるので、封止部材をより安定して所望の形状にすることができる。
【0025】
また、前記基板の表面には、前記半導体発光素子を取り囲むように溝が設けられていてもよい。
【0026】
本態様によれば、基板の溝の段差により基板上の封止部材の移動を制限し、封止部材の平面形状を微細に調整することができるので、封止部材をより安定して所望の形状にすることができる。
【0027】
また、前記封止部材は、前記基板の表面側から平面視したとき所定の平面形状を有し、前記基板の表面には、前記基板の表面側から平面視したとき前記所定の平面形状を有する凹部が形成されており、前記半導体発光素子は、前記凹部内に位置してもよい。
【0028】
本態様によれば、基板の凹部の段差により凹部内の封止部材の移動を制限し、封止部材の平面形状を微細に調整することができるので、封止部材をより安定して所望の形状にすることができる。
【0029】
また、前記誘導部材は、前記基板の表面に設けられ、前記第1ワイヤの他端と接続された配線であり、前記配線は、前記基板の表面側から平面視したとき前記半導体発光素子を基準として前記第1ワイヤが向かう方向と異なる方向に位置してもよい。
【0030】
本態様によれば、配線により誘導部材を実現できるので、簡易な構成で封止部材を安定して所望の形状にすることができる。
【0031】
また、前記配線は、前記基板の表面側から平面視したとき円弧形状を有してもよい。
【0032】
本態様によれば、封止部材を多くの方向に均等に誘導することができるので、第1ワイヤによる封止部材の平面形状の変化を確実に抑え、封止部材をより安定して所望の形状にすることができる。
【0033】
また、前記発光装置は、さらに、前記基板の表面に設けられ、前記基板の表面側から平面視したとき前記配線の外側に位置する配線コート材を備えてもよい。
【0034】
本態様によれば、配線コート材により配線上に誘導された封止部材の移動を制限し、封止部材の平面形状を微細に調整することができるので、封止部材をより安定して所望の形状にすることができる。
【0035】
また、前記半導体発光素子は、外周端面に、上面から下面に向けて広がるように傾斜している傾斜面を有してもよい。
【0036】
本態様によれば、半導体発光素子上の封止部材が滑り落ち易くなるので、封止部材をより安定して所望の形状にすることができる。
【0037】
また、本発明の一態様に係るバックライトユニットは、上記発光装置を備えることを特徴とする。
【0038】
また、本発明の一態様に係る液晶表示装置は、上記バックライトユニットを備えることを特徴とする。
【0039】
また、本発明の一態様に係る照明装置は、上記発光装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、半導体発光素子の封止部材を安定して所望の形状にすることができる発光装置、バックライトユニット、液晶表示装置及び照明装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1A】本発明の第1の実施形態に係る発光装置の外観斜視図である。
【図1B】同実施形態に係る発光装置の平面図である。
【図1C】同実施形態に係る発光装置の蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。
【図1D】同実施形態に係る発光装置の断面図(図1BのX−X’線断面図)である。
【図1E】同実施形態に係る発光装置の断面図(図1BのY−Y’線断面図)である。
【図2A】本発明の第2の実施形態に係る発光装置の外観斜視図である。
【図2B】同実施形態に係る発光装置の平面図である。
【図2C】同実施形態に係る発光装置の蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。
【図2D】同実施形態に係る発光装置の断面図(図2BのX−X’線断面図)である。
【図2E】同実施形態に係る発光装置の断面図(図2BのY−Y’線断面図)である。
【図3A】本発明の第3の実施形態に係る発光装置の外観斜視図である。
【図3B】同実施形態に係る発光装置の平面図である。
【図3C】同実施形態に係る発光装置の蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。
【図3D】同実施形態に係る発光装置の断面図(図3BのX−X’線断面図)である。
【図3E】同実施形態に係る発光装置の断面図(図3BのY−Y’線断面図)である。
【図4A】本発明の第4の実施形態に係る発光装置の外観斜視図である。
【図4B】同実施形態に係る発光装置の平面図である。
【図4C】同実施形態に係る発光装置の蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。
【図4D】同実施形態に係る発光装置の断面図(図4BのX−X’線断面図)である。
【図4E】同実施形態に係る発光装置の断面図(図4BのY−Y’線断面図)である。
【図5A】本発明の第5の実施形態に係る発光装置の外観斜視図である。
【図5B】同実施形態に係る発光装置の平面図である。
【図5C】同実施形態に係る発光装置の蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。
【図5D】同実施形態に係る発光装置の断面図(図5BのX−X’線断面図)である。
【図5E】同実施形態に係る発光装置の断面図(図5BのY−Y’線断面図)である。
【図6A】本発明の第6の実施形態に係る発光装置の外観斜視図である。
【図6B】同実施形態に係る発光装置の平面図である。
【図6C】同実施形態に係る発光装置の蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。
【図6D】同実施形態に係る発光装置の断面図(図6BのX−X’線断面図)である。
【図6E】同実施形態に係る発光装置の断面図(図6BのY−Y’線断面図)である。
【図7A】本発明の第7の実施形態に係る発光装置の外観斜視図である。
【図7B】同実施形態に係る発光装置の平面図である。
【図7C】同実施形態に係る発光装置の蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。
【図7D】同実施形態に係る発光装置の断面図(図7BのX−X’線断面図)である。
【図7E】同実施形態に係る発光装置の断面図(図7BのY−Y’線断面図)である。
【図8A】本発明の第8の実施形態に係る発光装置の外観斜視図である。
【図8B】同実施形態に係る発光装置の平面図である。
【図8C】同実施形態に係る発光装置の蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。
【図8D】同実施形態に係る発光装置の断面図(図8BのX−X’線断面図)である。
【図8E】同実施形態に係る発光装置の断面図(図8BのY−Y’線断面図)である。
【図9A】本発明の第9の実施形態に係る発光装置の蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。
【図9B】本発明の第10の実施形態に係る発光装置の蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。
【図9C】本発明の第11の実施形態に係る発光装置の蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。
【図10A】本発明の第12の実施形態に係る発光装置の外観斜視図である。
【図10B】同実施形態に係る発光装置の平面図である。
【図10C】同実施形態に係る発光装置の蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。
【図10D】同実施形態に係る発光装置の断面図(図10BのX−X’線断面図)である。
【図10E】同実施形態に係る発光装置の断面図(図10BのY−Y’線断面図)である。
【図11A】本発明の第13の実施形態に係る発光装置の外観斜視図である。
【図11B】同実施形態に係る発光装置の平面図である。
【図11C】同実施形態に係る発光装置の蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。
【図11D】同実施形態に係る発光装置の断面図(図11BのX−X’線断面図)である。
【図11E】同実施形態に係る発光装置の断面図(図11BのY−Y’線断面図)である。
【図12A】本発明の第14の実施形態に係る発光装置の外観斜視図である。
【図12B】同実施形態に係る発光装置の平面図である。
【図12C】同実施形態に係る発光装置の蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。
【図12D】同実施形態に係る発光装置の断面図(図12BのX−X’線断面図)である。
【図12E】同実施形態に係る発光装置の断面図(図12BのY−Y’線断面図)である。
【図13A】本発明の第15の実施形態に係る発光装置の外観斜視図である。
【図13B】同実施形態に係る発光装置の平面図である。
【図13C】同実施形態に係る発光装置の蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。
【図13D】同実施形態に係る発光装置の断面図(図13BのX−X’線断面図)である。
【図13E】同実施形態に係る発光装置の断面図(図13BのY−Y’線断面図)である。
【図14】本発明の第16の実施形態に係る発光装置の蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。
【図15】本発明の第17の実施形態に係るバックライトユニットの分解斜視図である。
【図16】本発明の第18の実施形態に係る液晶表示装置の断面図である。
【図17】本発明の第19の実施形態に係る照明装置の断面図である。
【図18A】発光装置の一例を示す外観斜視図である。
【図18B】発光装置の一例を示す平面図である。
【図18C】発光装置の一例を示す断面図(図18BのX−X’線断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施の形態における発光装置、バックライトユニット、液晶表示装置及び照明装置について、図面を参照しながら説明する。但し、本実施形態において例示される構成の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるものであり、本発明はそれらの例示に限定されるものではない。
【0043】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係る発光装置100Aについて、図1A〜図1Eを参照して説明する。図1Aは、本実施形態に係る発光装置100Aの外観斜視図である。図1Bは、同発光装置100Aの平面図である。図1Cは、同発光装置100Aの蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。図1Dは、同発光装置100Aの断面図(図1BのX−X’線に沿って切断した断面図)である。図1Eは、同発光装置100Aの断面図(図1BのY−Y’線に沿って切断した断面図)である。
【0044】
発光装置100Aは、長尺状の矩形形状である基板10と、当該基板10の表面に設けられた絶縁膜11、LED21(半導体発光素子)、蛍光体含有樹脂22(封止部材)、第1ワイヤ30、第2ワイヤ31、金属配線40、及び静電保護素子50とを備えるCOB構造の発光装置である。発光装置100Aは、基板10の表面に、複数のLED21が基板10の長手方向に一列に並んで直線状(一次元状)に直接実装(ダイボンディング)されたラインモジュールである。
【0045】
基板10は、例えば透光性を有する窒化アルミニウム等のセラミック基板、樹脂基板、ガラス基板、フレキシブル基板及びアルミナ基板等である。基板10は、その長手方向の長さ(長辺の長さ)をL1とし、短手方向の長さ(短辺の長さ)をL2としたときに、10≦L1/L2であって、矩形状の細長い基板である。例えば、基板10の長辺の長さは360mmであって、5mmの間隔で70個程度のLED21が基板10上に実装される。ここで、例えば、L1は100mm以上とされ、L2は20mm以下とされる。絶縁膜11としては、ポリイミド等の有機材料からなる絶縁膜が用いられる。
【0046】
以下では、絶縁膜11が形成された基板10を単に基板10という。
【0047】
基板10の表面に実装された複数のLED21は異なる蛍光体含有樹脂22により被覆(包囲)されている。蛍光体含有樹脂22で覆われたLED21は金属配線40、第1ワイヤ30及び第2ワイヤ31により直列接続されている。
【0048】
金属配線40は、基板10上において、複数のLED21が直列接続となるようにパターン形成された配線パターンである。金属配線40は、表面にニッケル(Ni)、銀(Ag)又は金(Au)でメッキ処理が施された薄膜の銅(Cu)及びタングステン(W)等からなる。第1ワイヤ30及び第2ワイヤ31は、それぞれ金(Au)等からなり、LED21の上面のp側電極及びn側電極と金属配線40とを電気的に接続している。
【0049】
なお、図示しないが、静電保護素子50と複数のLED21とを並列接続する金属配線も基板10上にパターン形成されている。静電保護素子50は、LED21を静電保護するために基板10上に1つ又は複数個実装されるものである。静電保護素子50としては、例えば、ツェナーダイオードが用いられる。
【0050】
また、図示しないが、基板10には、金属配線40に電力を供給するための電源端子が設けられており、外部電源から電源端子に電力が供給されることにより、金属配線40、第1ワイヤ30及び第2ワイヤ31を介してLED21に給電される。これにより、LED21の活性層が発光し、所望の光が放出される。
【0051】
LED21は、単色の可視光を発するベアチップであり、基板10にワイヤーボンディング実装されている。LED21としては、例えば青色光を発光する青色LED等が用いられる。青色LEDとしては、InGaN系の材料によって構成された、中心波長が450[nm]〜470[nm]の窒化ガリウム系の半導体発光素子等を用いることができる。LED21は、全方位、つまり側方、上方及び下方に向けて光を発するチップであり、例えば、側方に全光量の20%、上方に全光量の60%、下方に全光量の20%の光を発する。
【0052】
蛍光体含有樹脂22は、断面が上に凸の略半円状のドーム形状であり、基板10上に島状に設けられている。1つのLED21に対して1つの蛍光体含有樹脂22が設けられており、対応するLED21の発光を受けて蛍光発光することにより、対応するLED21からの光を波長変換する波長変換層として機能するとともに、対応するLED21を封止(被覆)して保護する。蛍光体含有樹脂22は、容易にドーム形状を形成するために、チクソ性の高い材料で構成することが好ましい。なお、LED21を被覆するための封止部材(波長変換層)は、樹脂に限定されるものではなく、チップ封止用として知られている、例えば、ガラスのような透明性材料を用いて形成されていてもよい。
【0053】
蛍光体含有樹脂22は、基板10の上方(基板10のLED21が設けられた表面から離れる方向)に向かって凸の略半球状のドーム形状、つまりレンズ形状とすることにより、LED21から放射される光を規制することがないので、90度という高い光配向性を実現することができる。その結果、光取り出し効率を向上させて発光強度の高い線状光源を実現できる。ただし、蛍光体含有樹脂22の形状はこれに特に限定されず、最外周の形状が放物線状でもよい。
【0054】
蛍光体含有樹脂22には、蛍光体微粒子等からなる光波長変換体が含まれている。例えば、LED21が青色LEDである場合、白色光を得るために、蛍光体微粒子としての黄色蛍光体微粒子をシリコーン樹脂に分散させて蛍光体含有樹脂22が構成される。黄色蛍光体粒子としては、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体材料、及びシリケート系蛍光体材料などを用いることができる。また、蛍光体微粒子は、黄色蛍光体微粒子と赤色蛍光体微粒子とを混ぜたものでも良く、黄緑色蛍光体微粒子と赤色蛍光体微粒子とを混ぜたものでも良い。その場合、赤色蛍光体微粒子としては、窒化物蛍光体材料を用いることができ、黄緑色蛍光体微粒子としてはYAG系蛍光体材料やシリケート系蛍光体材料を用いることができる。
【0055】
発光装置100Aでは、蛍光体微粒子に入射することなく蛍光体含有樹脂22から出射されたLED21からの光と、蛍光体微粒子に入射して波長変換されたLED21からの光の一部とにより白色光が形成されて、発光装置100Aより出射される。
【0056】
LED21と金属配線40との間に設けられた一組のワイヤである第1ワイヤ30及び第2ワイヤ31は、ワイヤボンディングに用いられ、両側のLED21及び金属配線40を電気的に接続している。1つのLED21に対しては2組のワイヤが設けられている。第1ワイヤ30の一端はLED21と接続され、他端は金属配線40と接続されている。同様に、第2ワイヤ31の一端はLED21と接続され、他端は金属配線40と接続されている。
【0057】
一組のワイヤは、LED21上面の同じ箇所から異なる方向に向かって飛び出している。言い換えると、第2ワイヤ31は、基板10の表面側から平面視したときLED21を起点として第1ワイヤ30と異なる方向に向かって飛び出している。
【0058】
蛍光体含有樹脂22は、その形成工程において、自身が被覆するLED21と接続された第1ワイヤ30によって第1ワイヤ30の飛び出す方向(図1CのA方向)に誘導される。しかし、同様に同じLED21と接続された第2ワイヤ31によっても第2ワイヤ31の飛び出す方向(図1CのB方向)に誘導されるため、第1ワイヤ30の誘導の影響が薄められ、第1ワイヤ30の誘導による蛍光体含有樹脂22の平面形状(基板10の表面側から平面視したときの平面形状)の変化が抑えられる。これは、第2ワイヤ31がその高い濡れ性(蛍光体含有樹脂22に対する濡れ性)により第1ワイヤ30による蛍光体含有樹脂22の誘導方向と異なる方向に蛍光体含有樹脂22を誘導するための誘導部材として機能していることに基づく。例えば、第2ワイヤ31は、基板10の短手方向について、第1ワイヤ30による蛍光体含有樹脂22の誘導方向と反対方向に蛍光体含有樹脂22を誘導する。
【0059】
同じLED21と接続された2組のワイヤは、基板10の表面側から平面視したときLED21の中心(基板10の長手方向及び短手方向における中心)を通る基板10の短手方向と平行な第1軸を基準にして線対称となるようにその配置が選択されている。具体的には、2組のワイヤは、基板10の短手方向の同じ位置でLED21と接続され、かつ基板10の表面側から平面視したとき1組の第1ワイヤ30及び第2ワイヤ31がなす角度が同じになるように配置され、さらにA方向及び基板10の短手方向がなす角度と、B方向及び基板10の短手方向がなす角度とが揃うように配置される。その結果、蛍光体含有樹脂22はその形成工程において2組のワイヤで同じように引っ張られるため、その平面形状は第1軸を基準にして線対称な平面形状、具体的には円形状となる。また、2組のワイヤをLED21の短手方向の中心と接続することにより、蛍光体含有樹脂22の平面形状を、LED21の中心を通る基板10の長手方向と平行な第2軸を基準にして線対称な平面形状とすることができる。
【0060】
ここで、蛍光体含有樹脂22の平面形状を容易に所望の形状とするために、同じLED21と接続された2組の第1ワイヤ30及び第2ワイヤ31は同一の材質で構成されることが好ましい。さらには、同じ長さ及び高さでLED21及び金属配線40を接続することが好ましい。
【0061】
例えば、蛍光体含有樹脂22の平面形状を直径1.5〜2.0mmの円形状とする場合には、全ての第1ワイヤ30及び第2ワイヤ31は高さ0.2〜0.3mm、長さ0.8〜1.2mmとされる。
【0062】
以上のように本実施形態に係る発光装置100Aによれば、LED21と金属配線40とを接続するワイヤが2本設けられ、さらに、それらのワイヤはLED21から異なる方向に向かって飛び出している。従って、ワイヤによる意図しない蛍光体含有樹脂22の平面形状の変化が抑えされ、蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。また、複数の蛍光体含有樹脂22の平面形状を揃えることができるので、発光装置内の発光部毎の色ばらつきを抑えることができる。
【0063】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る発光装置100Bについて、図2A〜図2Eを参照して説明する。図2Aは、本実施形態に係る発光装置100Bの外観斜視図である。図2Bは、同発光装置100Bの平面図である。図2Cは、同発光装置100Bの蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。図2Dは、同発光装置100Bの断面図(図2BのX−X’線に沿って切断した断面図)である。図2Eは、同発光装置100Bの断面図(図2BのY−Y’線に沿って切断した断面図)である。
【0064】
本実施形態に係る発光装置100Bは、蛍光体含有樹脂22の平面形状がLED21の中心を通る軸を基準にして楕円形状(基板10の長手方向と平行な長軸、短手方向と平行な短軸を持つ楕円形状)であるという点で第1の実施形態に係る発光装置100Aと異なる。
【0065】
同じLED21と接続された2組の第1ワイヤ30及び第2ワイヤ31は、蛍光体含有樹脂22の形成工程において、蛍光体含有樹脂22を基板10の短手方向より長手方向に強く引っ張るように配置される。これを実現するために、例えば第1ワイヤ30及び第2ワイヤ31の長さが第1の実施形態に係る発光装置100Aにおける長さよりも長くされる、又は一組の第1ワイヤ30及び第2ワイヤ31を基板10の表面側から平面視したときになす角度が第1の実施形態に係る発光装置100Aにおける角度より鋭角にされる。
【0066】
以上のように本実施の形態の発光装置100Bによれば、第1の実施形態の発光装置100Aと同様の理由により、蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0067】
また、本実施形態に係る発光装置100Bによれば、蛍光体含有樹脂22の平面形状が基板10の長手方向を長軸とする楕円形状となるため、基板10の長手方向で連続的に発光部が繋がってみえるような発光一様の光源を得ることができる。
【0068】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る発光装置100Cについて、図3A〜図3Eを参照して説明する。図3Aは、本実施形態に係る発光装置100Cの外観斜視図である。図3Bは、同発光装置100Cの平面図である。図3Cは、同発光装置100Cの蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。図3Dは、同発光装置100Cの断面図(図3BのX−X’線に沿って切断した断面図)である。図3Eは、同発光装置100Cの断面図(図3BのY−Y’線に沿って切断した断面図)である。
【0069】
本実施形態に係る発光装置100Cは、1つの蛍光体含有樹脂22が複数のLED21に共通に設けられているという点で第2の実施形態に係る発光装置100Bと異なる。
【0070】
蛍光体含有樹脂22の平面形状は、複数の楕円が長軸方向の両端で接続される形で長軸方向に並んで構成される形状となる。このような形状は、蛍光体含有樹脂22の楕円形状の長軸を第2の実施形態に係る発光装置100Bにおけるものより長くすることにより実現される。例えば、第1ワイヤ30及び第2ワイヤ31の長さを第2の実施形態に係る発光装置100Bにおける長さよりも長くすることにより実現される。
【0071】
以上のように本実施の形態の発光装置100Cによれば、第1の実施形態の発光装置100Aと同様の理由により、蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0072】
また、本実施形態に係る発光装置100Cによれば、蛍光体含有樹脂22が複数のLED21にまたがって連続的に設けられているため、基板10の長手方向で連続的に発光部が繋がってみえるような発光一様の光源を得ることができる。
【0073】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係る発光装置100Dについて、図4A〜図4Eを参照して説明する。図4Aは、本実施形態に係る発光装置100Dの外観斜視図である。図4Bは、同発光装置100Dの平面図である。図4Cは、同発光装置100Dの蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。図4Dは、同発光装置100Dの断面図(図4BのX−X’線に沿って切断した断面図)である。図4Eは、同発光装置100Dの断面図(図4BのY−Y’線に沿って切断した断面図)である。
【0074】
本実施形態に係る発光装置100Dは、基板10とLED21との間に設けられ、基板10の表面側から平面視したとき円形状を有する配線コート材60をさらに備えるという点で第1の実施形態に係る発光装置100Aと異なる。
【0075】
配線コート材60は、基板10の反射性を向上させ、発光部からの光を基板10の表面側から出射させるためのものであり、基板10や金属配線40よりも発光部からの光に対する反射率の高い絶縁性の材料から構成される。配線コート材60としては、例えば白色のレジスト又はチタン(Ti)、アルミニウム(Al)及びガラスフリットを混合して得られるガラス膜等が用いられる。
【0076】
LED21は配線コート材60の上に設けられており、蛍光体含有樹脂22は、その形成工程において、配線コート材60と基板10との間の表面の段差により移動が制限されて、基板10に移動することなく配線コート材60表面に留められる。従って、蛍光体含有樹脂22の平面形状は、配線コート材60の平面形状と同様のものとなり、円形状となる。
【0077】
以上のように本実施の形態の発光装置100Dによれば、第1の実施形態の発光装置100Aと同様の理由により、蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0078】
また、本実施形態に係る発光装置100Dによれば、蛍光体含有樹脂22の平面形状は、配線コート材60の平面形状と同様のものとなる。従って、より正確に蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0079】
また、本実施形態に係る発光装置100Dによれば、蛍光体含有樹脂22は、配線コート材60表面に留められる。従って、配線コート材60の平面形状の面積が小さくなるように配線コート材60を形成することにより、蛍光体含有樹脂22の平面形状の面積を小さくすることができる。その結果、蛍光体含有樹脂22をLED21表面に薄く形成し、蛍光体含有樹脂22による光のロスを抑えることができる。
【0080】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係る発光装置100Eについて、図5A〜図5Eを参照して説明する。図5Aは、本実施形態に係る発光装置100Eの外観斜視図である。図5Bは、同発光装置100Eの平面図である。図5Cは、同発光装置100Eの蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。図5Dは、同発光装置100Eの断面図(図5BのX−X’線に沿って切断した断面図)である。図5Eは、同発光装置100Eの断面図(図5BのY−Y’線に沿って切断した断面図)である。
【0081】
本実施形態に係る発光装置100Eは、基板10上に設けられ、基板10の表面側から平面視したとき円形状を有する開口(貫通孔)61が形成された配線コート材60をさらに備え、LED21が配線コート材60の開口61内に位置するという点で第1の実施形態に係る発光装置100Aと異なる。
【0082】
LED21は配線コート材60の開口61内の基板10上に設けられており、蛍光体含有樹脂22は、その形成工程において、配線コート材60と基板10との間の表面の段差により移動が制限されて、配線コート材60上に移動することなく基板10上に留められる。従って、蛍光体含有樹脂22の平面形状は、配線コート材60の開口61の平面形状と同様のものとなり、円形状となる。
【0083】
以上のように本実施の形態の発光装置100Eによれば、第1の実施形態の発光装置100Aと同様の理由により、蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0084】
また、本実施形態に係る発光装置100Eによれば、蛍光体含有樹脂22の平面形状は、配線コート材60の開口61の平面形状と同様のものとなる。従って、より正確に蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0085】
また、本実施形態に係る発光装置100Eによれば、蛍光体含有樹脂22は、配線コート材60の開口61内に留められる。従って、配線コート材60の開口61の平面形状の面積が小さくなるように配線コート材60を形成することにより、蛍光体含有樹脂22の平面形状の面積を小さくすることができる。その結果、蛍光体含有樹脂22をLED21表面に薄く形成し、蛍光体含有樹脂22による光のロスを抑えることができる。
【0086】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態に係る発光装置100Fについて、図6A〜図6Eを参照して説明する。図6Aは、本実施形態に係る発光装置100Fの外観斜視図である。図6Bは、同発光装置100Fの平面図である。図6Cは、同発光装置100Fの蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。図6Dは、同発光装置100Fの断面図(図6BのX−X’線に沿って切断した断面図)である。図6Eは、同発光装置100Fの断面図(図6BのY−Y’線に沿って切断した断面図)である。
【0087】
本実施形態に係る発光装置100Fは、基板10の表面にLED21を取り囲むように溝70が設けられているという点で第1の実施形態に係る発光装置100Aと異なる。
【0088】
LED21は基板10上において溝70で囲まれており、蛍光体含有樹脂22は、その形成工程において、溝70の段差により移動が制限されて、溝70内に移動することなく溝70で囲まれる基板10表面に留められる。従って、蛍光体含有樹脂22の平面形状は、基板10の溝70で囲まれる領域の平面形状と同様のものとなり、円形状となる。
【0089】
以上のように本実施の形態の発光装置100Fによれば、第1の実施形態の発光装置100Aと同様の理由により、蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0090】
また、本実施形態に係る発光装置100Fによれば、蛍光体含有樹脂22の平面形状は、基板10の溝70で囲まれる領域の平面形状と同様のものとなる。従って、より正確に蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0091】
また、本実施形態に係る発光装置100Fによれば、蛍光体含有樹脂22は、基板10の溝70で囲まれる領域内に留められる。従って、基板10の溝70で囲まれる領域の平面形状の面積が小さくなるように溝70を形成することにより、蛍光体含有樹脂22の平面形状の面積を小さくすることができる。その結果、蛍光体含有樹脂22をLED21表面に薄く形成し、蛍光体含有樹脂22による光のロスを抑えることができる。
【0092】
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態に係る発光装置100Gについて、図7A〜図7Eを参照して説明する。図7Aは、本実施形態に係る発光装置100Gの外観斜視図である。図7Bは、同発光装置100Gの平面図である。図7Cは、同発光装置100Gの蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。図7Dは、同発光装置100Gの断面図(図7BのX−X’線に沿って切断した断面図)である。図7Eは、同発光装置100Gの断面図(図7BのY−Y’線に沿って切断した断面図)である。
【0093】
本実施形態に係る発光装置100Gは、基板10の表面に基板10の表面側から平面視したとき円形状を有する凹部71が形成されており、LED21は、凹部71内に位置するという点で第1の実施形態に係る発光装置100Aと異なる。
【0094】
LED21は基板10の凹部71内の底面上に形成されており、蛍光体含有樹脂22は、その形成工程において、凹部71の段差により移動が制限されて、凹部71の外側に移動することなく凹部71内に留められる。従って、蛍光体含有樹脂22の平面形状は、凹部71の平面形状と同様のものとなり、円形状となる。
【0095】
以上のように本実施の形態の発光装置100Gによれば、第1の実施形態の発光装置100Aと同様の理由により、蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0096】
また、本実施形態に係る発光装置100Gによれば、蛍光体含有樹脂22の平面形状は、凹部71の平面形状と同様のものとなる。従って、より正確に蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0097】
また、本実施形態に係る発光装置100Gによれば、蛍光体含有樹脂22は、凹部71内に留められる。従って、凹部71の平面形状の面積が小さくなるように凹部71を形成することにより、蛍光体含有樹脂22の平面形状の面積を小さくすることができる。その結果、蛍光体含有樹脂22をLED21表面に薄く形成し、蛍光体含有樹脂22による光のロスを抑えることができる。
【0098】
(第8の実施形態)
次に、本発明の第8の実施形態に係る発光装置100Hについて、図8A〜図8Eを参照して説明する。図8Aは、本実施形態に係る発光装置100Hの外観斜視図である。図8Bは、同発光装置100Hの平面図である。図8Cは、同発光装置100Hの蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。図8Dは、同発光装置100Hの断面図(図8BのX−X’線に沿って切断した断面図)である。図8Eは、同発光装置100Hの断面図(図8BのY−Y’線に沿って切断した断面図)である。
【0099】
本実施形態に係る発光装置100Hは、LED21が、外周端面に、上面から下面に向けて広がるように傾斜している傾斜面を有するという点で第1の実施形態に係る発光装置100Aと異なる。
【0100】
LED21は端面に傾斜面を有するため、蛍光体含有樹脂22は、その形成工程において、LED21の上面から端面を経て基板10表面に滑り落ち易くなる。従って、蛍光体含有樹脂22がLED21の上面に留まることを抑え、基板10表面に広がり易くすることができる。
【0101】
以上のように本実施の形態の発光装置100Hによれば、第1の実施形態の発光装置100Aと同様の理由により、蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0102】
また、本実施形態に係る発光装置100Hによれば、蛍光体含有樹脂22を基板10表面に広がり易くすることができ、より正確に蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0103】
(第9の実施形態)
次に、本発明の第9の実施形態に係る発光装置100Iについて、図9Aを参照して説明する。図9Aは、本実施形態に係る発光装置100Iの蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。
【0104】
本実施形態に係る発光装置100Iは、一組の第1ワイヤ30及び第2ワイヤ31がLED21の同一箇所と接続されているのではなく、異なる箇所と接続されているという点で第1の実施形態に係る発光装置100Aと異なる。
【0105】
同じLED21と接続された2組の第1ワイヤ30及び第2ワイヤ31は、同じLED21の4隅と接続されている。例えば、LED21の平面形状が正方形の場合には、一組の第1ワイヤ30及び第2ワイヤ31を、基板10の表面側から平面視したとき90°をなすように配置し、かつ、同じLED21と接続された2つの第1ワイヤ30を基板10の表面側から平面視したとき90°をなすように配置することで蛍光体含有樹脂22の平面形状を円形状にすることができる。
【0106】
以上のように本実施の形態の発光装置100Iによれば、第1の実施形態の発光装置100Aと同様の理由により、蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0107】
(第10の実施形態)
次に、本発明の第10の実施形態に係る発光装置100Jについて、図9Bを参照して説明する。図9Bは、本実施形態に係る発光装置100Jの蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。
【0108】
本実施形態に係る発光装置100Jは、基板10の表面に設けられ、第1ワイヤ30の他端と接続され、複数のLED21の間の接続に用いられる金属配線40に加えて、基板10の表面に設けられ、第2ワイヤ31の他端と接続され、複数のLED21の間の接続に用いられないダミー配線41を備えるという点で第1の実施形態に係る発光装置100Aと異なる。
【0109】
金属配線40は2つのLED21の間に1つ設けられているのに対し、ダミー配線41は、2つのLED21の間に2つ設けられている。そして、それら2つのダミー配線41は異なる第2ワイヤ31に接続されており、かつお互いに電気的に接続されていない。従って、第2ワイヤ31及びダミー配線41はLED21間の電気的な接続に寄与しない。
【0110】
以上のように本実施の形態の発光装置100Jによれば、第1の実施形態の発光装置100Aと同様の理由により、蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0111】
また、本実施の形態の発光装置100Jによれば、第2ワイヤ31の接続先の配線を明確にし、第2ワイヤ31による誘導方向を明確にして、蛍光体含有樹脂22をより安定して所望の形状にすることができる。
【0112】
(第11の実施形態)
次に、本発明の第11の実施形態に係る発光装置100Kについて、図9Cを参照して説明する。図9Cは、本実施形態に係る発光装置100Kの蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。
【0113】
本実施形態に係る発光装置100Kは、金属配線40が基板10の長手方向でLED21を挟むように設けられているのに対し、ダミー配線41は基板10の短手方向でLED21を挟むように設けられているという点で第10の実施形態に係る発光装置100Jと異なる。
【0114】
以上のように本実施の形態の発光装置100Kによれば、第1の実施形態の発光装置100Aと同様の理由により、蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0115】
(第12の実施形態)
次に、本発明の第12の実施形態に係る発光装置100Lについて、図10A〜図10Eを参照して説明する。図10Aは、本実施形態に係る発光装置100Lの外観斜視図である。図10Bは、同発光装置100Lの平面図である。図10Cは、同発光装置100Lの蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。図10Dは、同発光装置100Lの断面図(図10BのX−X’線に沿って切断した断面図)である。図10Eは、同発光装置100Lの断面図(図10BのY−Y’線に沿って切断した断面図)である。
【0116】
本実施形態に係る発光装置100Lは、金属配線40を基板10の表面側から平面視したときLED21を基準として第1ワイヤ30が向かう方向と異なる方向に位置するように配置しているという点で第1の実施形態に係る発光装置100Aと異なる。また、第2ワイヤ31が設けられておらず、第1ワイヤ30のみがLED21と金属配線40との間に設けられているという点でも第1の実施形態に係る発光装置100Aと異なる。
【0117】
蛍光体含有樹脂22は、その形成工程において、自身が被覆するLED21と接続された第1ワイヤ30によって第1ワイヤ30の飛び出す方向(図10CのA方向)に誘導される。しかし、同様に同じLED21と接続された金属配線40によっても金属配線40の配置された方向に誘導されるため、第1ワイヤ30の誘導による蛍光体含有樹脂22の平面形状(基板10の表面側から平面視したときの平面形状)の変化が抑えられる。これは、金属配線40がその高い濡れ性(蛍光体含有樹脂22に対する濡れ性)により第1ワイヤ30による蛍光体含有樹脂22の誘導方向と異なる方向に蛍光体含有樹脂22を誘導するための誘導部材として機能していることに基づく。
【0118】
LED21の両側の金属配線40及び第1ワイヤ30は、基板10の表面側から平面視したとき第1軸を基準にして線対称となるようにその平面形状及び配置が選択されている。具体的には、同じLED21と接続された2つの第1ワイヤ30は、基板10の短手方向の同じ位置でLED21と接続され、かつ同じLED21と接続された金属配線40が基板10の表面側から平面視したとき第1軸を基準にして線対称な円弧形状を有するように配置される。従って、蛍光体含有樹脂22は、その形成工程において、両側の金属配線40及び第1ワイヤ30で同じように引っ張られるため、基板10の表面側から平面視したとき第1軸を基準にして線対称な平面形状、具体的には円形状となる。また、第1ワイヤ30をLED21の短手方向の中心と接続することにより、蛍光体含有樹脂22の平面形状を、基板10の表面側から平面視したとき第2軸を基準にして線対称な平面形状とすることができる。
【0119】
ここで、蛍光体含有樹脂22の平面形状を容易に所望の形状とするために、同じLED21と接続された第1ワイヤ30は同一の材質で構成され、同じ長さ及び高さでLED21及び金属配線40を接続することが好ましい。また、同じLED21と接続された第1ワイヤ30は同一の材質で構成され、LED21に対して同一の距離をおいて配置されることが好ましい。
【0120】
また、金属配線40の濡れ性を高くして蛍光体含有樹脂22をより強く引っ張るために、金属配線40の表面はメッキ処理されていることが好ましい。
【0121】
以上のように本実施形態に係る発光装置100Lによれば、金属配線40の平面形状はLED21の一部を挟むような円弧形状とされ、蛍光体含有樹脂22の形成工程において、第1ワイヤ30の誘導方向と異なる多くの方向に蛍光体含有樹脂22を引っ張る。従って、ワイヤによる意図しない蛍光体含有樹脂22の平面形状の変化が抑えされ、蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0122】
(第13の実施形態)
次に、本発明の第13の実施形態に係る発光装置100Mについて、図11A〜図11Eを参照して説明する。図11Aは、本実施形態に係る発光装置100Mの外観斜視図である。図11Bは、同発光装置100Mの平面図である。図11Cは、同発光装置100Mの蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。図11Dは、同発光装置100Mの断面図(図11BのX−X’線に沿って切断した断面図)である。図11Eは、同発光装置100Mの断面図(図11BのY−Y’線に沿って切断した断面図)である。
【0123】
本実施形態に係る発光装置100Mは、蛍光体含有樹脂22の平面形状が楕円形状(基板10の長手方向と平行な長軸、短手方向と平行な短軸を持つ楕円形状)であるという点で第12の実施形態に係る発光装置100Lと異なる。
【0124】
同じLED21と接続された2つの第1ワイヤ30及び金属配線40は、蛍光体含有樹脂22を基板10の短手方向より長手方向に強く引っ張るように配置される。これは、例えば第1ワイヤ30の長さを第12の実施形態に係る発光装置100Lにおける長さよりも長くする、又は金属配線40の基板10の長手方向における幅を第12の実施形態に係る発光装置100Lにおける幅よりも広くすることにより実現される。
【0125】
以上のように本実施の形態の発光装置100Mによれば、第12の実施形態の発光装置100Lと同様の理由により、蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0126】
また、本実施形態に係る発光装置100Mによれば、蛍光体含有樹脂22の平面形状が基板10の長手方向を長軸とする楕円形状となるため、基板10の長手方向で連続的に発光部が繋がってみえるような発光一様の光源を得ることができる。
【0127】
(第14の実施形態)
次に、本発明の第14の実施形態に係る発光装置100Nについて、図12A〜図12Eを参照して説明する。図12Aは、本実施形態に係る発光装置100Nの外観斜視図である。図12Bは、同発光装置100Nの平面図である。図12Cは、同発光装置100Nの蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。図12Dは、同発光装置100Nの断面図(図12BのX−X’線に沿って切断した断面図)である。図12Eは、同発光装置100Nの断面図(図12BのY−Y’線に沿って切断した断面図)である。
【0128】
本実施形態に係る発光装置100Nは、1つの蛍光体含有樹脂22が複数のLED21に共通に設けられているという点で第13の実施形態に係る発光装置100Mと異なる。
【0129】
蛍光体含有樹脂22の平面形状は、複数の楕円が長軸方向の両端で接続される形で長軸方向に並んで構成される形状となる。このような形状は、蛍光体含有樹脂22の楕円形状の長軸を第13の実施形態に係る発光装置100Mにおけるものより長くすることにより実現される。例えば、第1ワイヤ30の長さを第13の実施形態に係る発光装置100Mにおける長さよりも長くする、又は金属配線40の基板10の長手方向における幅を第13の実施形態に係る発光装置100Mにおける幅よりも広くすることで実現される。
【0130】
以上のように本実施の形態の発光装置100Nによれば、第13の実施形態の発光装置100Mと同様の理由により、蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0131】
また、本実施形態に係る発光装置100Nによれば、蛍光体含有樹脂22が複数のLED21にまたがって連続的に設けられているため、基板10の長手方向で連続的に発光部が繋がってみえるような発光一様の光源を得ることができる。
【0132】
(第15の実施形態)
次に、本発明の第15の実施形態に係る発光装置100Pについて、図13A〜図13Eを参照して説明する。図13Aは、本実施形態に係る発光装置100Pの外観斜視図である。図13Bは、同発光装置100Pの平面図である。図13Cは、同発光装置100Pの蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。図13Dは、同発光装置100Pの断面図(図13BのX−X’線に沿って切断した断面図)である。図13Eは、同発光装置100Pの断面図(図13BのY−Y’線に沿って切断した断面図)である。
【0133】
本実施形態に係る発光装置100Pは、LED21が、外周端面に、上面から下面に向けて広がるように傾斜している傾斜面を有するという点で第12の実施形態に係る発光装置100Lと異なる。
【0134】
LED21は端面に傾斜面を有するため、蛍光体含有樹脂22は、その形成工程において、LED21の上面から端面を経て基板10表面に滑り落ち易くなる。従って、蛍光体含有樹脂22がLED21の上面に留まることを抑え、基板10表面に広がり易くすることができる。
【0135】
以上のように本実施の形態の発光装置100Pによれば、第12の実施形態の発光装置100Lと同様の理由により、蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0136】
また、本実施形態に係る発光装置100Pによれば、蛍光体含有樹脂22を基板10表面に広がり易くすることができ、より正確に蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0137】
(第16の実施形態)
次に、本発明の第16の実施形態に係る発光装置100Qについて、図14を参照して説明する。図14は、本実施形態に係る発光装置100Qの蛍光体含有樹脂を省略した状態での平面図である。
【0138】
本実施形態に係る発光装置100Qは、基板10の表面に設けられ、基板10の表面側から平面視したとき金属配線40の外側に位置する配線コート材60を備えるという点で第12の実施形態に係る発光装置100Lと異なる。
【0139】
配線コート材60の上面形状は円弧形状であり、配線コート材60は、金属配線40の円弧形状の部分の外側と、第1ワイヤ30と接続された部分の上側とに、配線コート材60の円弧形状に沿う形で設けられている。
【0140】
以上のように本実施の形態の発光装置100Qによれば、第12の実施形態の発光装置100Lと同様の理由により、蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0141】
また、本実施の形態の発光装置100Qによれば、配線コート材60により金属配線40上に誘導された蛍光体含有樹脂22の移動を制限し、より正確に蛍光体含有樹脂22の平面形状を所望の形状とすることができる。
【0142】
(第17の実施形態)
以下、本発明の第1〜第16の実施形態に係る発光装置の適用例について、第17〜第19の実施形態に基づいて説明する。
【0143】
まず、本発明の第1〜第16の実施形態に係る発光装置を、液晶表示装置用のバックライトユニットに適用した例について、図15を用いて説明する。図15は、本発明の第17の実施形態に係るバックライトユニット400の分解斜視図である。
【0144】
バックライトユニット400は、光源を導光板の側方に配置したエッジライト型のバックライトユニットであって、筐体410、反射シート420、導光板430、発光装置440、光学シート群450、前面枠460、及びヒートシンク470を備える。
【0145】
筐体410は、偏平な箱型であり、ステンレス等からなる鋼板をプレス加工して形成される。筐体410は底面に開口411を有し、筐体410の開口部周縁にはフランジ部412が形成されている。フランジ部412には、前面枠460を締結するためのネジ孔413が形成されている。
【0146】
反射シート420は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)からなるシートであり、発光装置からの白色光を反射させながら当該白色光を導光板430内に進行させる。
【0147】
導光板430は、例えばポリカーボネート(PC)やアクリルからなるシートであり、その光射出面(前面)に対向する反射シート420側の主面(後面)に、導光板430に入射した光を拡散させて光射出面から射出させるための採光要素であるドットパターンが印刷されている。採光要素としては、導光板430の後面に印刷及び成形等によって形成された光散乱構造体等の光散乱要素及びプリズム形状、又は導光板430の内部に形成された光散乱要素等が用いられる。
【0148】
光学シート群450は、同じサイズ及び同じ平面形状(矩形状)の拡散シート451、プリズムシート452及び偏光シート453から構成される。拡散シート451は、例えばPETからなるフィルム及びPCからなるフィルム等である。プリズムシート452は、例えばポリエステルからなるシートであり、片面にアクリル樹脂で規則的なプリズムパターンが形成される。偏光シート453は、例えばポリエチレンナフタレートからなるフィルムが用いられる。
【0149】
前面枠460は、ネジ461を筐体410のネジ孔413に螺合させることで筐体410のフランジ部412に固定される。前面枠460は、筐体410とともに導光板430及び光学シート群450を狭持する。
【0150】
発光装置440は、上述した本発明の第1〜第16の実施形態に係る発光装置である。本実施形態では、4つの発光装置が用いられ、それぞれヒートシンク470に設けられている。ヒートシンク470に設けられた発光装置440は、光放射面が導光板430の側面に対向するように配置される。
【0151】
発光装置440では、蛍光体含有樹脂22の径(基板10の短手方向の長さ)を導光板430の厚さより小さくすることで、発光装置440から導光板430への光入射効率を向上させることができ、導光板430の薄型化に伴う光入射効率の低下を抑えることが可能となる。
【0152】
ヒートシンク470は、発光装置440を保持し、例えばL字状のアルミニウムからなる引き抜き材(アングル材)で構成される。ヒートシンク470は、筐体410にネジ等で固定される。
【0153】
以上、本発明の第17の実施形態に係るバックライトユニット400は、本発明の第1〜第16の実施形態に係る発光装置を用いているので、輝度ムラがなく、また、光取り出し効率が高いバックライトユニットを実現することができる。
【0154】
(第18の実施形態)
次に、本発明の第1〜第16の実施形態に係る発光装置を、液晶表示装置に適用した例について、図16を用いて説明する。図16は、本発明の第18の実施形態に係る液晶表示装置500の断面図である。
【0155】
液晶表示装置500は、例えば、液晶テレビや液晶モニタであり、バックライトユニット520から照射される光の光路上に配置された液晶表示パネル510と、液晶表示パネル510の背面に配されたバックライトユニット520と、液晶表示パネル510及びバックライトユニット520が収納されるハウジング530とを備えている。
【0156】
本実施形態において、バックライトユニット520には、上述の本発明の第17の実施形態に係るバックライトユニットが用いられている。また、バックライトユニット520には、LEDを備える発光装置521が設けられている。発光装置521は、本発明の第1〜第16の実施形態に係る発光装置を用いる。
【0157】
以上、本発明の第18の実施形態に係る液晶表示装置500は、輝度ムラがなく、光取り出し効率が高いバックライトユニット520を用いているので、高いコントラストで高輝度の液晶表示装置を実現することができる。
【0158】
(第19の実施形態)
次に、本発明の第1〜第16の実施形態に係る発光装置を、照明装置に適用した例について、図17を用いて説明する。図17は、本発明の第19の実施形態に係る照明装置600の断面図である。
【0159】
照明装置600は、第1〜第16の実施形態に係る発光装置を備えるLEDランプであり、図17に示すように、一般照明用の直管状の蛍光灯である。
【0160】
本実施形態に係る照明装置600は、直管型であり、長尺状のガラス管610と、ガラス管610内に配される発光装置620と、一対の口金ピン630とを有し、ガラス管610の両端に装着された口金640と、発光装置620をガラス管610に接触状態で接合(固着)する接着材(不図示)と、口金640を介して給電を受けて発光装置620のLEDを発光させる点灯回路(不図示)とを備える。
【0161】
以上、本発明の第19の実施形態に係る照明装置600は、本発明の第1〜第16の実施形態に係る発光装置を用いているので、照度の高い照明装置を実現することができる。
【0162】
以上、本発明の発光装置、バックライトユニット、液晶表示装置及び照明装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、複数の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0163】
例えば、上記実施形態において、複数のLEDは基板上に一列に並んで実装されるとしたが、基板上においてLEDが一定の線幅内で線状に実装されていればこれに限られず、二列(二次元状)に並んで実装されてもよい。また、電球型の照明装置に用いられる場合には、基板上に1つのLEDのみが実装されていてもよい。
【0164】
また、上記実施形態において、発光装置の適用例として、バックライトユニット、液晶表示装置又は照明装置への適用例を説明したが、これに限らない。その他に、例えば、複写機のランプ光源、誘導灯又は看板装置にも適用することができる。さらに、検査用ライン光源のような産業用途の光源としても利用することができる。
【0165】
また、上記実施形態において、第1ワイヤ30及び第2ワイヤ31は、基板10の表面側から平面視したとき一直線状であるとしたが、曲線状であってもよいし、複数の直線が組み合わさる線状であってもよい。曲線状の場合、ワイヤの方向は曲線の接線の方向を示し、複数の直線が組み合わさる線状の場合、ワイヤの方向は各直線の方向のいずれかを示す。
【0166】
また、上記実施形態において、所望のLED21上に蛍光体含有樹脂22を配置する方法は、特に限定されるものではなく、樹脂物によってLEDを被覆する際に用いられている公知の方法を採用してよい。例えば、ディスペンサを用いて、基板10上に実装された所定のLED21を被覆するように樹脂ペーストを塗布し、固化させる方法が挙げられる。なお、樹脂ペーストを使用する場合、ワイヤ断線などを生じさせない観点から、その粘度は20〜60Pa・secの範囲で調整されていることが好ましい。この範囲よりも小さいと、樹脂ペーストを塗布した直後からその樹脂ペーストの形状が崩れるおそれがある。一方で、上記範囲を超えて樹脂ペーストの粘度が大きいと、ワイヤ断線を引き起こすおそれが高く、また、塗布工程の作業時間がかかるなど懸念される。
【0167】
さらに、ディスペンサを用いて蛍光体含有樹脂22をLED21上に配置する場合、基板10の長手方向に沿って第1ワイヤ30を設け、実装することが好ましい。これにより、ワイヤ断線を生じさせることなく基板10の長手方向に沿った形状の蛍光体含有樹脂22が形成できるので、結果として、ライン上に繋がった光線を発揮する線状光源を得ることができる。
【0168】
また、上記実施形態において、本発明を採用して所望形状の蛍光体含有樹脂22を形成した後、複数のLED21を一括して別の樹脂にて被覆してもよい。本構成を採用すれば、被覆樹脂による導光効果が期待できるので、ラインをより繋げた線状光源を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0169】
本発明は、LED等の半導体発光素子を光源とする発光装置、バックライトユニット、液晶表示装置、従来の直管蛍光ランプのような照明装置、誘導灯、看板装置、又は複写機等の電子機器、検査用ライン光源のような産業用途などにおいて広く利用することができる。
【符号の説明】
【0170】
10、710 基板
11 絶縁膜
21、721 LED
22、722 蛍光体含有樹脂
30 第1ワイヤ
31 第2ワイヤ
40、740 金属配線
41 ダミー配線
50、750 静電保護素子
60 配線コート材
61 開口
70 溝
71 凹部
100A、100B、100C、100D、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100L、100M、100N、100P、100Q、440、521、620、700 発光装置
400、520 バックライトユニット
410 筐体
411 開口
412 フランジ部
413 ネジ孔
420 反射シート
430 導光板
450 光学シート群
451 拡散シート
452 プリズムシート
453 偏光シート
460 前面枠
461 ネジ
470 ヒートシンク
500 液晶表示装置
510 液晶表示パネル
530 ハウジング
600 照明装置
610 ガラス管
630 口金ピン
640 口金
720 発光部
760 ワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の表面に設けられた半導体発光素子と、
前記半導体発光素子を被覆する封止部材と、
一端が前記半導体発光素子と接続された第1ワイヤと、
前記第1ワイヤによる前記封止部材の誘導方向と異なる方向に前記封止部材を誘導するための誘導部材とを備える
発光装置。
【請求項2】
前記誘導部材は、一端が前記半導体発光素子と接続され、前記基板の表面側から平面視したとき前記半導体発光素子を起点として前記第1ワイヤと異なる方向に向かう第2ワイヤである
請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記発光装置は、さらに、
前記基板の表面に設けられ、前記第1ワイヤの他端と接続され、複数の前記半導体発光素子の間の接続に用いられる配線と、
前記基板の表面に設けられ、前記第2ワイヤの他端と接続され、前記複数の半導体発光素子の間の接続に用いられないダミー配線とを備える
請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記封止部材は、前記基板の表面側から平面視したとき所定の平面形状を有し、
前記発光装置は、さらに、
前記基板と前記半導体発光素子との間に設けられ、前記基板の表面側から平面視したとき前記所定の平面形状を有する配線コート材を備える
請求項2又は3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記封止部材は、前記基板の表面側から平面視したとき所定の平面形状を有し、
前記発光装置は、さらに、
前記基板上に設けられ、前記基板の表面側から平面視したとき前記所定の平面形状を有する開口が形成された配線コート材を備え、
前記半導体発光素子は、前記開口内に位置する
請求項2又は3に記載の発光装置。
【請求項6】
前記基板の表面には、前記半導体発光素子を取り囲むように溝が設けられている
請求項2又は3に記載の発光装置。
【請求項7】
前記封止部材は、前記基板の表面側から平面視したとき所定の平面形状を有し、
前記基板の表面には、前記基板の表面側から平面視したとき前記所定の平面形状を有する凹部が形成されており、
前記半導体発光素子は、前記凹部内に位置する
請求項2又は3に記載の発光装置。
【請求項8】
前記誘導部材は、前記基板の表面に設けられ、前記第1ワイヤの他端と接続された配線であり、
前記配線は、前記基板の表面側から平面視したとき前記半導体発光素子を基準として前記第1ワイヤが向かう方向と異なる方向に位置する
請求項1に記載の発光装置。
【請求項9】
前記配線は、前記基板の表面側から平面視したとき円弧形状を有する
請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記発光装置は、さらに、
前記基板の表面に設けられ、前記基板の表面側から平面視したとき前記配線の外側に位置する配線コート材を備える
請求項8又は9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記封止部材は、前記基板の表面側から平面視したとき前記半導体発光素子の中心を通る軸を基準にして線対称な平面形状を有する
請求項1〜10のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項12】
前記線対称な形状は、円形状又は楕円形状である
請求項11に記載の発光装置。
【請求項13】
前記半導体発光素子は、外周端面に、上面から下面に向けて広がるように傾斜している傾斜面を有する
請求項1〜12のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項14】
前記基板は、矩形状であり、
前記基板の長辺の長さをL1とし、短辺の長さをL2としたとき、10≦L1/L2である
請求項1〜13のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の発光装置を備える
バックライトユニット。
【請求項16】
請求項15に記載のバックライトユニットを備える
液晶表示装置。
【請求項17】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の発光装置を備える
照明装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【公開番号】特開2012−227290(P2012−227290A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92517(P2011−92517)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】