説明

発光装置とその駆動方法と画像形成装置

【課題】温度上昇に起因して形成画像に生じる縦筋状の濃度ムラを十分に抑制する。
【解決手段】複数の発光素子列PA及びPBを備えた発光装置10を提供する。発光素子列PAは発光素子PA1〜PAnを含み、発光素子列PBは発光素子PB1〜PBnを含む。各発光素子は、発光層ELと、発光層ELを挟む第1電極および第2電極PXとを備える。各発光素子の第1電極は、電気的に共通に接続された共通電極CEの一部である。共通電極CEは、発光素子PA1〜PAn及びPB1〜PBnの発光層ELを覆っており、共通電極CEには、隣接する発光素子列の間にスリット14が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置とその駆動方法と画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや、ファクシミリまたは複写機等の電子写真方式の画像形成装置では、主走査方向(進行する感光面を横切る方向)に並ぶ複数の発光素子(発光素子列)を備えた発光装置が、ライン毎に画像を描くラインヘッドとして用いられる。この発光装置の一種として複数の発光素子列を備えたものがある。例えば、特許文献1には、副走査方向に並ぶ複数の発光素子列を備え、画像形成に使用する発光素子列を順次切り替える発光装置が記載されている。この発光装置によれば、ある発光素子列に含まれるある発光素子に欠陥が生じても、画像形成に使用する発光素子列が順次切り替えられるから、欠陥に起因する縦筋を目立たなくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−216630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、発光素子は駆動エネルギーに応じた輝度で発光し、駆動エネルギーに対する輝度の特性は温度に依存する。また、発光素子は発光にともなって発熱する。よって、一つの発光素子列を備える従来の発光装置では、発光にともなう温度上昇によって縦筋状の濃度ムラが発生する虞がある。例えば、一つの発光素子列を備える従来の発光装置を用いて、高濃度の罫線が縦方向に延在する画像を描いた直後に写真等の自然画像を描くと、形成された自然画像上に縦筋が見えることがある。
【0005】
この濃度ムラを目立たなくするために、特許文献1に記載の発光装置を用いることが考えられる。しかし、この発光装置を用いても、この濃度ムラを目立たなくすることは困難である。例えば、発光素子が有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescent)素子)の場合、有機EL素子のアレイを備えた一般的な発光装置と同様に、各有機EL素子の発光層を、その発光層に重なって他の発光層に重ならない個別電極と、総ての有機EL素子の発光層を覆う一繋がりの共通電極とで挟んだ構成となるが、この構成では有機EL素子列間で熱が伝わり易いから、画像形成に使用する発光素子列を順次切り替えても、温度上昇に起因する縦筋を十分に抑制することはできない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、温度上昇に起因して形成画像に生じる縦筋状の濃度ムラを十分に抑制することができる発光装置とその駆動方法と画像形成装置とを提供することを解決課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、本発明は、複数の発光素子列を備えた発光装置であって、前記複数の発光素子列の各々は、複数の発光素子を含み、前記複数の発光素子に含まれる総ての発光素子の各々は、発光層と、前記発光層を挟む第1電極および第2電極とを備え、前記複数の発光素子列に含まれる総ての発光素子の前記第1電極の各々は、電気的に共通に接続された共通電極の一部であり、前記共通電極は、前記複数の発光素子列に含まれる総ての発光素子の前記発光層を覆い、前記共通電極には、隣接する発光素子列の間にスリットが設けられている、ことを特徴とする発光装置を提供する。
この発光装置によれば、総ての発光素子を覆う共通電極において、隣接する発光素子列の間にスリットが設けられているから、発光素子列間で熱が伝導し難い。したがって、画像の形成に使用する発光素子列を適宜に切り換えることにより、温度上昇に起因して形成画像に生じる縦筋状の濃度ムラを十分に抑制することができる。
【0008】
また、上記の発光装置において、前記共通電極は、前記複数の発光素子列に含まれる総ての発光素子の前記発光層を発光素子列毎に覆う複数の部分電極を含み、前記複数の部分電極は、同一の層に形成されており、前記層と異なる層を介して互いに電気的に接続されているようにしてもよい。
この発光装置によれば、複数の部分電極をこれらの部分電極と同一の層で電気的に接続する形態に比較して、発光素子列間で熱が伝導し難くなる。
また、この発光装置によれば、複数の部分電極をマスク蒸着によって形成する場合に、共通電極CEの形状をドーナツ型とすることができる。つまり、この発光装置によれば、共通電極CEの形状の自由度が高くなる。
【0009】
また、上記の各発光装置において、前記複数の発光素子列に含まれる総ての発光素子の各々を有機エレクトロルミネッセンス素子としてもよい。
【0010】
また、本発明は、像担持体と、前記像担持体を帯電させる帯電器と、前記像担持体の帯電された面に光を照射して潜像を形成する上記の各発光装置とを備える画像形成装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、上記の各発光装置を備える画像形成装置における発光装置の駆動方法であって、形成すべき画像を前記複数の発光素子列のうちの一つの発光素子列を使用して形成する一方、形成すべき画像の種類の切り換えを検出し、前記種類の切り換えを検出すると、使用する発光素子列を切り換える、ことを特徴とする発光装置の駆動方法を提供する。この駆動方法によれば、上記の各発光装置において、形成する画像の種類(縦罫線を含む表の画像/写真等の自然画像)が切り換わる度に、画像の形成に使用する発光素子列が切り換わるから、温度上昇に起因して形成画像に生じる縦筋状の濃度ムラを十分に抑制することができる。
【0012】
また、本発明は、上記の各発光装置を備える画像形成装置における前記発光装置の駆動方法であって、形成すべき画像を前記複数の発光素子列のうちの一つの発光素子列を使用してページ単位で形成する一方、ページの切り換えを検出し、前記ページの切り換えを検出すると、使用する発光素子列を切り換える、ことを特徴とする発光装置の駆動方法を提供する。この駆動方法では、上記の各発光装置において、ページが切り換わる度に、画像の形成に使用する発光素子列が切り換わる。一般に、形成すべき画像の種類はページ単位で切り換わることが多いから、この駆動方法によれば、温度上昇に起因して形成画像に生じる縦筋状の濃度ムラを十分に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る発光装置10を利用した画像形成装置の部分的な構成を示す斜視図である。
【図2】発光装置10の平面図である。
【図3】発光装置10の断面図である。
【図4】発光装置10を利用した画像印刷システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図5】発光装置10の電気的構成を示す図である。
【図6】発光装置10に含まれる単位回路Uの電気的構成を示す回路図である。
【図7】発光装置10またはその変形例に係る発光装置とレンズアレイ20とを含むラインヘッドを採用した画像形成装置の縦断面図である。
【図8】図7に示す画像形成装置を利用した画像形成システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図9】発光装置10またはその変形例に係る発光装置とレンズアレイ20とを含むラインヘッドを採用した他の画像形成装置の縦断面図である。
【図10】図9に示す画像形成装置を利用した画像形成システムの電気的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。ただし、各図面においては、各部の寸法の比率が実際のものとは適宜に相違している。また、本発明は、以下に述べる実施の形態に限定されるものではなく、本実施の形態を変形して得られる各種の変形例や、本実施の形態またはその変形例を応用して得られる形態をも技術的範囲に含みうる。
【0015】
<発光装置>
図1は、本発明の実施の形態に係る発光装置10を利用した画像形成装置の部分的な構成を示す斜視図である。この図に示すように、画像形成装置は、発光装置10とレンズアレイ20と感光体ドラム(像担持体)30とを含む。発光装置10は、光透過性のアレイ基板11と、封止基板12と、これらの基板間に直線状に配列された多数の発光素子(図示略)とを備える。封止基板12は、これらの発光素子が水分、酸素等による劣化するのを防止する為のものである。感光体ドラム30は、主走査方向に延在する回転軸に支持され、外周面を発光装置10に対向させた状態で用紙等の記録材が搬送される副走査方向に回転する。
【0016】
レンズアレイ20は発光装置10と感光体ドラム30との間隙に配置される。レンズアレイ20は、各々の光軸を発光装置10に向けた姿勢でアレイ状に配列された多数の屈折率分布型レンズを含む。レンズアレイ20としては、例えば日本板硝子株式会社から入手可能なSLA(セルフォック・レンズ・アレイ)がある(セルフォック/SELFOCは日本板硝子株式会社の登録商標)。
【0017】
各発光素子からの光は、アレイ基板11を透過し、レンズアレイ20の各屈折率分布型レンズを透過し、感光体ドラム30の外周面に到達する。感光体ドラム30の外周面は感光面である。よって、各発光素子の発光を、用紙などの記録材に印刷すべき画像群に応じて制御すれば、多数の発光素子が記録材に印刷すべき画像群に応じて選択的に発光し、この画像群に応じた潜像(静電潜像)が感光体ドラム30の外周面に形成される。なお、「画像群」は、縦方向(副走査方向)に連なる1又は複数の画像を含む。
【0018】
図2は、発光装置10の平面図である。この図に示すように、発光装置10は、アレイ基板11上に形成された発光素子列PA及びPBと、アレイ基板11に圧着されたフレキシブル基板13とを備える。発光素子列PAはn個の発光素子PA1〜PAnを有し、発光素子列PBはn個の発光素子PB1〜PBnを有する。各発光素子は、有機EL素子であり、いずれも、図示しない発光層と、発光層を間に挟む第1電極および第2電極とを備える。
【0019】
また、発光装置10は、発光素子PA1〜PAnの発光層を覆う部分電極Aと、発光素子PB1〜PBnの発光層を覆う部分電極Bとを備える。部分電極A及びBは同一の層の一部であり、互いに離間している。また、発光素子PA1〜PAnの第1電極はいずれも部分電極Aの一部であり、発光素子PB1〜PBnの第1電極はいずれも部分電極Aの一部である。つまり、部分電極A及びBを含む層には、発光素子列PAと発光素子列PBとの間に、発光素子PA1〜PAnの第1電極となる部分電極Aと、発光素子PB1〜PBnの第1電極となる部分電極Bとを互いに隔てるスリット14が設けられている。
【0020】
また、部分電極Aはコンタクト部A1及びA2を有し、部分電極Bはコンタクト部B1及びB2を有する。コンタクト部A1及びB1は、部分電極A及びBを含む層とは異なる層に含まれる第1配線(図示略)によって互いに電気的に接続されており、コンタクト部A2及びB2は、部分電極A及びBを含む層とは異なる層に含まれる第2配線(図示略)によって互いに電気的に接続されている。つまり、部分電極A、部分電極B、第1配線及び第2配線は、発光素子PA1〜PAn及びPB1〜PBnに共通して第1電極となる共通電極CEを構成している。
【0021】
一方、フレキシブル基板13には、発光素子PA1〜PAn及びPB1〜PBnの発光を制御する信号を出力する制御回路15と、f個の駆動IC161〜16fと、2個のレベルシフター17,17が実装されている。各駆動IC16は、制御IC14からの信号に基づいて、受け持ちのm個の発光素子の発光を制御する。m=n/fである。iをf以下の自然数としたとき、駆動IC16iは発光素子PAm・(i−1)+1〜PAm・i及びPBm・(i−1)+1〜PBm・iを受け持つ。各レベルシフター17は、制御回路15からの信号のレベルを変換する。
【0022】
なお、上述した構成を変形し、制御回路15、駆動IC161〜16f及びレベルシフター17,17の一部又は全部をアレイ基板11上にCOG(Chip On Glass)で形成するようにしてもよいし、フレキシブル基板13にアレイ基板11とは別のリジット基板を接続し、このリジット基板に制御回路15、駆動IC161〜16f及びレベルシフター17,17の一部又は全部を実装するようにしてもよい。
【0023】
図3は、発光装置10の断面図であり、図2のS−S´線で破断した場合の断面を示す。この断面には、トランジスタTrA1、トランジスタTrB1と、発光素子PA1及び発光素子PB2の断面が含まれている。jをn以下の自然数としたとき、トランジスタTrAjは発光素子PAjに駆動電流を供給する薄膜トランジスタであり、トランジスタTrBjは発光素子PBjに駆動電流を供給する薄膜トランジスタである。アレイ基板11上には、これらの薄膜トランジスタを含む多数の薄膜トランジスタが形成されている。
【0024】
アレイ基板11上に多数の薄膜トランジスタを形成する手順は、例えば、次に述べる通りである。まず、アレイ基板11上にp型半導体およびn型半導体を配置して多数の半導体部Hを形成する。各半導体部Hにおける半導体の配置は、その半導体部Hを含む薄膜トランジスタがpチャネル型かnチャネル型かで相違する。次に多数の半導体部Hを覆う絶縁層L1を形成する。次に多数の半導体部Hの各々に重ねてゲート電極GEをアルミニウムでパターニングする。次にアレイ基板11の全域にわたる絶縁層L2をガラスで形成する。次に絶縁層L2を貫通するコンタクトホールを形成する。次に、多数の半導体部Hの各々にコンタクトホールを通じて接するように、ソース電極SE及びドレイン電極DEをアルミニウムでパターニングする。
【0025】
多数の薄膜トランジスタが形成されたアレイ基板11上に発光素子PA1〜PAn及びPB1〜PBnを形成する手順は、例えば、次に述べる通りである。
まず、多数の薄膜トランジスタが形成されたアレイ基板11の全域にわたる平坦化層L3を窒化珪素で形成する。次に平坦化層L3を貫通するコンタクトホールを形成する。次に、トランジスタTrA1〜TrAn及びTrB1〜TrBnのソース電極SEの各々にコンタクトホールを通じて接するように、電源電極PEをアルミニウム合金(AlNd)でパターニングする。各電源電極PEには、対応する発光素子を駆動する駆動電流が供給される。
【0026】
次にアレイ基板11の全域にわたる絶縁層L4をアクリルで形成する。次に平坦化層L3及び絶縁層L4を貫通するコンタクトホールを形成する。次に、トランジスタTrA1〜TrAn及びTrB1〜TrBnのドレイン電極DEの各々にコンタクトホールを通じて接するように、ITO等の第2電極PXをパターニングする。次に、各第2電極PXの上面の一部のみが露出するように、絶縁層L5をガラス又は窒化珪素で形成する。次に、各第2電極PXの露出面と絶縁層L5の端面とで画定される領域に発光層ELを有機EL材料で形成する。
【0027】
次にアルミニウムをマスク蒸着して部分電極の層を形成する。このマスク蒸着は、部分電極Aが発光素子PA1〜PAnの発光層ELを覆い、部分電極Bが発光素子PB1〜PBnの発光層ELを覆うように行われる。なお、部分電極Aと部分電極Bとを電気的に接続する第1配線及び第2配線は、ソース電極SE及びドレイン電極DEと同一のプロセスで形成される。したがって、部分電極の層の形成に先立って、絶縁層L2、平坦化層L3及び絶縁層L4を貫通するコンタクトホールが形成される。そして、部分電極の層の形成は、部分電極A及びBの各々が第1及び第2配線に接するように行われる。
【0028】
なお、第1及び第2配線の形成は絶縁層L2の形成後から絶縁層L5の形成前までの間に行われればよいし、第1及び第2配線を部分電極A及びBと異なる材料で形成してもよい。例えば、第1及び第2配線を、電源電極PEと同一のプロセスで形成してもよいし、第2電極PXと同一のプロセスで形成してもよいし、単独で形成してもよい。
【0029】
図4は、発光装置10を利用した画像形成システムの電気的構成を示すブロック図である。この図に示すように、画像の形成では、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置40が印刷すべき画像群をページ記述言語で記述した印刷データPDを出力し、発光装置10を利用した画像形成装置が、印刷データPDに基づいて印刷すべき画像群を形成する。この画像形成装置は、発光装置10の他に、主制御部50とメカ制御部60とを備える。主制御部50は、印刷データPDに基づいて印刷すべき画像群のビデオデータ(ラスタデータ)VDを生成する。メカ制御部60は、ビデオデータVDに基づいて、発光装置10を制御する制御信号CS等のメカニズムを制御する制御信号を生成する。そして、発光装置10は、制御信号CSに基づいて動作する。
【0030】
図5は、発光装置10の電気的構成を示す図である。この図に示すように、発光装置10は、アレイ基板11上にn個の単位回路U1〜Unを備える。jをn以下の自然数としたとき、単位回路Ujは発光素子PAj及びPBjを含む。各単位回路Uには、制御回路16からレベルシフター17,17を介して、発光タイミングを示す発光制御パルスPLSと、使用する発光素子列を指定する2値の指定信号SWと、駆動電流に応じた電圧の書き込みタイミングを示す書込制御パルスG1〜Gmのいずれか一つとが供給される。具体的には、rをjとfの剰余としたとき、単位回路Ujには書込制御パルスGrが供給される。
【0031】
また、各単位回路Uには、駆動IC161〜16fのいずれか一つから、駆動電流に応じた電圧を書き込むための書込信号W1〜Wfのいずれか一つが供給される。具体的には、jをn以下の自然数とし、qをjをmで割った商(整数部)としたとき、単位回路Ujには駆動IC16q+1から書込信号Wq+1が供給される。つまり、駆動IC16q+1は、単位回路Um・q+1〜Um・(q+1)を受け持ち、制御回路16と同期して動作し、制御回路16から受け持ちの単位回路Uに駆動電流に応じた電圧を書き込むためのm個の書込信号の供給を受け、供給されたm個の書込信号を時分割多重した上でD/A変換して書込信号Wq+1を生成し、この書込信号Wq+1を受け持ちの単位回路Uへ供給する。
【0032】
図6は、単位回路Ujの電気的構成を示す回路図である。この図において、qはjをmで割った商(整数部)である。この図に示すように、単位回路Ujは、発光素子PAj又はPBjを駆動するための駆動電流を生成して電源電極PEへ出力する電流生成部1と、電源電極PEを介して電流生成部1から供給された駆動電流で発光素子PAj又はPBjを駆動する選択駆動部2とを備える。
【0033】
電流生成部1では、固定の電源電位Velが供給される給電線から電源電極PEに至る経路に、pチャネル型の駆動トランジスタTr1が介挿されており、駆動トランジスタTr1と電源電極PEとの間に、スイッチング素子として機能するトランジスタTr2が介挿されている。駆動トランジスタTr1は、ソース電極とゲート電極の間の電圧Vgsに応じた電流(駆動電流)を生成するものであり、そのソース電極は給電線及び容量素子C1の第1電極R1に、そのゲート電極は容量素子C1の第2電極R2に、そのドレイン電極はトランジスタTr2に電気的に接続されている。容量素子C1は書き込まれた電圧を保持するためのものであり、この電圧が電圧Vgsとなる。
【0034】
単位回路Ujの容量素子C1の第2電極R2には、スイッチング素子として機能するトランジスタTr3を介して書込信号Wq+1が供給され、トランジスタTr3のゲート電極には書込制御パルスGq+1が供給される。したがって、書込制御パルスGq+1の電位がアクティブレベルの期間(書込期間)に限り、トランジスタTr3がオン状態となり、容量素子C1の第2電極R2への書込信号Wq+1の供給、すなわち電圧Vgsの書き込みが行われる。書込期間は、同一の駆動IC16に駆動される単位回路U間で互いに相違している。
【0035】
一方、トランジスタTr2のゲート電極には発光制御パルスPLSが供給される。したがって、発光制御パルスPLSの電位がアクティブレベルの期間(発光期間)に限り、トランジスタTr2がオン状態となり、駆動トランジスタTr1から電源電極PEへの駆動電流の供給が許可される。発光期間は単位回路U1〜Unに共通であり、単位回路Ujでは書込期間と発光期間とが交互に訪れる。このように、電流生成部1は、有機EL素子を駆動する一般的な駆動回路である。
【0036】
単位回路Ujの選択駆動部2では、電源電極PEと接地電位が供給される接地線との間に、発光素子PAj及びPBjが並列に介挿されている。電源電極PEと発光素子PAjの第2電極PXとの間には、スイッチング素子として機能するnチャネル型のトランジスタTrA1が介挿されており、電源電極PEと発光素子PBjの第2電極PXとの間には、スイッチング素子として機能するpチャネル型のトランジスタTrB1が介挿されている。また、一部が発光素子PAjの第1電極となる部分電極A、及び一部が発光素子PBjの第1電極となる部分電極Bは、接地線に電気的に接続されている。そして、トランジスタTrA1及びTrB1のゲート電極GEには指定信号SWが供給される。
【0037】
単位回路Ujの選択駆動部2において、電流生成部1からの駆動電流は、指定信号SWがアクティブレベルの場合(発光素子列PAを指定する場合)には、トランジスタTrA1がオン状態となる一方でトランジスタTrB1がオフ状態となるから発光素子PAjへ供給され、指定信号SWが非アクティブレベルの場合(発光素子列PBを指定する場合)には、トランジスタTrA1がオフ状態となる一方でトランジスタTrB1がオン状態となるから発光素子PBjへ供給される。
【0038】
このように、単位回路Ujの選択駆動部2は、指定信号SWに基づいて、発光素子PAj及びPBjから一つの発光素子を選択し、選択した発光素子を電流生成部1に生成された駆動電流で駆動する。したがって、単位回路Ujにおいて発光期間に発光しうる発光素子は、発光素子PAj及びPBjのうち、指定信号SWで指定された発光素子列に含まれる方のみとなる。指定信号SWは単位回路U1〜Unに共通であるから、発光期間に発光しうる発光素子を含む発光素子列(使用する発光素子列)は、発光素子列PA及びPBのうち、指定信号SWで指定された発光素子列のみとなる。
【0039】
指定信号SWは、制御回路15により、メカ制御部60からの制御信号CSに基づいて生成される。つまり、指定信号CSには、指定信号SWを生成するための切換データが含まれている。切換データを生成するのは図4の主制御部50であり、切換データはビデオデータVDに含まれている。印刷データPDには、画像の種類の切換位置を示すデータが含まれており、主制御部50は、印刷データPDに基づいて切換位置を検出し、使用する発光素子列を切換位置に相当する時点で切り換えるための切換データを生成する。
【0040】
「切換位置」は、印刷すべき画像の種類が切り換わる位置であり、ページの途中の位置が切換位置となることもあれば、ページ間の位置が切換位置となることもある。なお、本実施の形態を変形し、印刷データPDが画像の種類の切換位置を示すデータを含まない形態としてもよい。ただし、この形態では、主制御部50が、独自に、切換位置を検出する必要がある。そのような検出方法の一例としては、縦方向における画素間の相関が高い領域(例えば縦罫線を含む表の画像)と低い領域(例えば写真の画像)との境界を切換位置とする方法が挙げられる。
【0041】
「切換位置に相当する時点」は、切換位置の直前の画像についての最後の発光期間が終了してから切換位置の直後の画像についての最初の発光期間が開始するまでの間の時点である。したがって、印刷すべき画像群が、縦罫線を含む表の画像と、この直後に連なる写真の画像とを含み、指定信号SWが、表の画像の形成時には発光素子列PAを指定する場合には、画像の形成に使用される発光素子列は、表の画像についての最後の発光期間が終了してから写真の画像についての最初の発光期間が開始するまでの間に、発光素子列PAから発光素子列PBに切り換わる。
【0042】
このように、発光装置10では、形成する画像の種類が切り換わる度に、画像の形成に使用する発光素子列も切り換わる。また、発光素子PA1〜PAn及びPB1〜PBnに共通する共通電極CEは、発光素子PA1〜PAnの発光層ELを覆う部分電極Aと、発光素子PB1〜PBnの発光層ELを覆う部分電極Bとを含み、部分電極Aと部分電極Bとの間には両者を隔てるスリット14が設けられているから、発光素子列間で熱が伝導し難い。よって、本実施の形態によれば、発光素子の温度上昇に起因して形成画像に生じる縦筋状の濃度ムラを十分に抑制することができる。
【0043】
また、発光装置10では、部分電極Aと部分電極Bとの電気的接続が部分電極A及びBと異なる層を経由して確保されるから、そのような層を経由せずに接続する形態よりも、発光素子列間で熱が伝導し難い。また、部分電極A及びBをマスク蒸着によって形成する場合、部分電極Aと部分電極Bとを部分電極A及びBと同じ層で電気的に接続する形態では、共通電極CEをドーナツ型とすることはできないが、発光装置10では、部分電極Aと部分電極Bとが層間接続によって電気的に接続されるから、共通電極CEをドーナツ型とすることができる。つまり、発光装置10によれば、共通電極CEの形状の自由度が高くなる。
【0044】
<他の変形例>
発光装置10又はその変形例を変形し、マスクを用いない方法で共通電極CEを形成するようにしてもよい。この場合、共通電極CEの形状がドーナツ型であっても、部分電極Aと部分電極Bとを、部分電極A及びBを含む層と同じ層に含まれる配線によって互いに電気的に接続することができる。なお、部分電極Aと部分電極Bとの電気的接続を一箇所で確保する形態であれば、マスクを用いる方法でも共通電極を形成することができる。
【0045】
また、発光装置10又はその変形例を変形し、発光素子列の数を3以上としてもよい。この場合、一つの画像の形成には3以上の発光素子列のうちの一つの発光素子列が使用され、使用される発光素子列は、印刷すべき画像の種類の切り換え時に切り換えられる。また、発光素子としては、有機EL素子に限らず、発光層を二つの電極で挟んだ形態の任意の発光素子を採用可能である。
【0046】
また、発光装置10又はその変形例を変形し、単位回路Uとして、図6に示す構成とは異なる構成の回路を採用してもよい。要は、単位回路Uとして、異なる発光素子列に属する対応する二つの発光素子のいずれか一方を駆動するための電気エネルギーを生成する電気エネルギー生成部と、これらの発光素子から一つの発光素子を選択し、選択した発光素子を上記電位エネルギーで駆動する選択駆動部とを備える任意の回路を採用可能である。
【0047】
また、発光装置10又はその変形例を変形し、ページの切り換えを検出し、ページの切り換えを検出すると、使用する発光素子列を切り換えるようにしてもよい。この駆動方法では、ページが切り換わる度に、画像の形成に使用する発光素子列が切り換わる。一般に、形成すべき画像の種類はページ単位で切り換わることが多いから、この駆動方法によっても、温度上昇に起因して形成画像に生じる縦筋状の濃度ムラを十分に抑制することができる。
【0048】
<画像形成装置>
図7は、発光装置10またはその変形例に係る発光装置とレンズアレイ20とを含むラインヘッドを採用した画像形成装置の縦断面図である。この画像形成装置は、ベルト中間転写体方式を利用したタンデム型のフルカラー画像形成装置であり、同様な構成の4個のラインヘッド90K,90C,90M,90Yが、同様な構成である4個の感光体ドラム(像担持体)110K,110C,110M,110Yの露光位置にそれぞれ配置されている。
【0049】
図8は、図7に示す画像形成装置を利用した画像形成システムの電気的構成を示すブロック図である。この図に示すように、画像の形成では、情報処理装置40が印刷すべき画像群をページ記述言語で記述した印刷データPDを出力し、印刷すべき画像群を画像形成装置が印刷データPDに基づいて形成する。このため、画像形成装置は、ラインヘッド90K,90C,90M,90Yの他に、主制御部70とメカ制御部60K,60C,60M,60Yとを備える。主制御部70は、印刷データPDに基づいて印刷すべき画像群の各色のビデオデータVDK,VDC,VDM,VDYを生成する。各メカ制御部60(K,C,M,Y)は、対応するビデオデータVD(K,C,M,Y)に基づいて、対応するラインヘッド90(K,C,M,Y)を制御する制御信号CSK,CSC,CSM,CSYを生成する。そして、各ラインヘッド90(K,C,M,Y)は、対応する制御信号CS(K,C,M,Y)に基づいて動作する。具体的には次に述べる通りである。
【0050】
図7に示すように、この画像形成装置には、駆動ローラ121と従動ローラ122が設けられており、これらのローラ121,122には無端の中間転写ベルト120が巻回されて、矢印に示すようにローラ121,122の周囲を回転させられる。図示しないが、中間転写ベルト120に張力を与えるテンションローラなどの張力付与手段を設けてもよい。
【0051】
この中間転写ベルト120の周囲には、互いに所定間隔をおいて4個の外周面に感光層を有する感光体ドラム110K,110C,110M,110Yが配置される。添え字K,C,M,Yはそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローの顕像を形成するために使用されることを意味している。他の部材についても同様である。感光体ドラム110K,110C,110M,110Yは、中間転写ベルト120の駆動と同期して回転駆動される。
【0052】
各感光体ドラム110(K,C,M,Y)の周囲には、コロナ帯電器111(K,C,M,Y)と、ラインヘッド10(K,C,M,Y)と、現像器114(K,C,M,Y)が配置されている。コロナ帯電器111(K,C,M,Y)は、対応する感光体ドラム110(K,C,M,Y)の外周面を一様に帯電させる。ラインヘッド90(K,C,M,Y)は、感光体ドラムの帯電させられた外周面に静電潜像を書き込む。各ラインヘッド90(K,C,M,Y)は、複数の発光素子の配列方向が感光体ドラム110(K,C,M,Y)の母線(主走査方向)に沿うように設置される。静電潜像の書き込みは、上記の複数の発光素子により光を感光体ドラムに照射することにより行う。現像器114(K,C,M,Y)は、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させることにより感光体ドラムに顕像すなわち可視像を形成する。
【0053】
このような4色の単色顕像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各顕像は、中間転写ベルト120上に順次一次転写されることにより、中間転写ベルト120上で重ね合わされて、この結果フルカラーの顕像が得られる。中間転写ベルト120の内側には、4つの一次転写コロトロン(転写器)112(K,C,M,Y)が配置されている。一次転写コロトロン112(K,C,M,Y)は、感光体ドラム110(K,C,M,Y)の近傍にそれぞれ配置されており、感光体ドラム110(K,C,M,Y)から顕像を静電的に吸引することにより、感光体ドラムと一次転写コロトロンの間を通過する中間転写ベルト120に顕像を転写する。
【0054】
最終的に画像を形成する対象としてのシート102は、ピックアップローラ103によって、給紙カセット101から1枚ずつ給送されて、駆動ローラ121に接した中間転写ベルト120と二次転写ローラ126の間のニップに送られる。中間転写ベルト120上のフルカラーの顕像は、二次転写ローラ126によってシート102の片面に一括して二次転写され、定着部である定着ローラ対127を通ることでシート102上に定着される。この後、シート102は、排紙ローラ対128によって、装置上部に形成された排紙カセット上へ排出される。
【0055】
図9は、発光装置10またはその変形例に係る発光装置とレンズアレイ20とを含むラインヘッドを採用した他の画像形成装置の縦断面図である。この画像形成装置は、ベルト中間転写体方式を利用したロータリ現像式のフルカラー画像形成装置であり、感光体ドラム(像担持体)165の周囲には、コロナ帯電器168、ロータリ式の現像ユニット161、ラインヘッド167、中間転写ベルト169が設けられている。
【0056】
図10は、図9に示す画像形成装置を利用した画像形成システムの電気的構成を示すブロック図である。この図に示すように、画像の形成では、情報処理装置40が印刷すべき画像群をページ記述言語で記述した印刷データPDを出力し、印刷すべき画像群を画像形成装置が印刷データPDに基づいて形成する。このため、画像形成装置は、ラインヘッド167の他に、主制御部80とメカ制御部85とを備える。主制御部80は、印刷データPDに基づいて印刷すべき画像群の各色のビデオデータVDY,VDC,VDM,VDKを生成して順次出力する。メカ制御部85は、順次供給されるビデオデータVDY,VDC,VDM,VDKに基づいて、ラインヘッド167を制御する制御信号CSY,CSC,CSM,CSKを順次生成してラインヘッド167へ供給する。そして、ラインヘッド167は、順次供給される制御信号CSY,CSC,CSM,CSKに基づいて動作する。具体的には次に述べる通りである。
【0057】
図9において、コロナ帯電器168は、感光体ドラム165の外周面を一様に帯電させる。ラインヘッド167は、感光体ドラム165の帯電させられた外周面に、順次、各色の静電潜像を書き込む。なお、ラインヘッド167は、複数の発光素子の配列方向が感光体ドラム165の母線(主走査方向)に沿うように設置される。静電潜像の書き込みは、上記の複数の発光素子により光を感光体ドラムに照射することにより行う。
【0058】
現像ユニット161は、4つの現像器163Y,163C,163M,163Kが90°の角間隔をおいて配置されたドラムであり、軸161aを中心にして反時計回りに回転可能である。現像器163Y,163C,163M,163Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、黒のトナーを感光体ドラム165に供給して、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させることにより感光体ドラム165に顕像すなわち可視像を形成する。
【0059】
無端の中間転写ベルト169は、駆動ローラ170a、従動ローラ170b、一次転写ローラ166およびテンションローラに巻回されて、これらのローラの周囲を矢印に示す向きに回転させられる。一次転写ローラ166は、感光体ドラム165から顕像を静電的に吸引することにより、感光体ドラムと一次転写ローラ166の間を通過する中間転写ベルト169に顕像を転写する。
【0060】
具体的には、感光体ドラム165の最初の1回転で、ラインヘッド167によりイエロー(Y)像のための静電潜像が書き込まれて現像器163Yにより同色の顕像が形成され、さらに中間転写ベルト169に転写される。また、次の1回転で、ラインヘッド167によりシアン(C)像のための静電潜像が書き込まれて現像器163Cにより同色の顕像が形成され、イエローの顕像に重なり合うように中間転写ベルト169に転写される。そして、このようにして感光体ドラム9が4回転する間に、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の顕像が中間転写ベルト169に順次重ね合わせられ、この結果フルカラーの顕像が転写ベルト169上に形成される。最終的に画像を形成する対象としてのシートの両面に画像を形成する場合には、中間転写ベルト169に表面と裏面の同色の顕像を転写し、次に中間転写ベルト169に表面と裏面の次の色の顕像を転写する形式で、フルカラーの顕像を中間転写ベルト169上で得る。
【0061】
この画像形成装置には、シートが通過させられるシート搬送路174が設けられている。シートは、給紙カセット178から、ピックアップローラ179によって1枚ずつ取り出され、搬送ローラによってシート搬送路174を進行させられ、駆動ローラ170aに接した中間転写ベルト169と二次転写ローラ171の間のニップを通過する。二次転写ローラ171は、中間転写ベルト169からフルカラーの顕像を一括して静電的に吸引することにより、シートの片面に顕像を転写する。二次転写ローラ171は、図示しないクラッチにより中間転写ベルト169に接近および離間させられるようになっている。そして、シートにフルカラーの顕像を転写する時に二次転写ローラ171は中間転写ベルト169に当接させられ、中間転写ベルト169に顕像を重ねている間は二次転写ローラ171から離される。
【0062】
上記のようにして画像が転写されたシートは定着器172に搬送され、定着器172の加熱ローラ172aと加圧ローラ172bの間を通過させられることにより、シート上の顕像が定着する。定着処理後のシートは、排紙ローラ対176に引き込まれて矢印Fの向きに進行する。両面印刷の場合には、シートの大部分が排紙ローラ対176を通過した後、排紙ローラ対176が逆方向に回転させられ、矢印Gで示すように両面印刷用搬送路175に導入される。そして、二次転写ローラ171により顕像がシートの他面に転写され、再度定着器172で定着処理が行われた後、排紙ローラ対176でシートが排出される。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、プリンタや、ファクシミリまたは複写機等の電子写真方式の画像形成装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0064】
10……発光装置、14……スリット、30,110K,110C,110M,110Y,165……感光体ドラム(像担持体)、111K,111C,111M,111Y,168……コロナ帯電器(帯電器)、PA,PB……発光素子列、PA1〜PAn,PB1〜PBn……発光素子、EL……発光層、PX……第2電極、A,B……部分電極、CE……共通電極。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子列を備えた発光装置であって、
前記複数の発光素子列の各々は、複数の発光素子を含み、
前記複数の発光素子に含まれる総ての発光素子の各々は、発光層と、前記発光層を挟む第1電極および第2電極とを備え、
前記複数の発光素子列に含まれる総ての発光素子の前記第1電極の各々は、電気的に共通に接続された共通電極の一部であり、
前記共通電極は、前記複数の発光素子列に含まれる総ての発光素子の前記発光層を覆い、
前記共通電極には、隣接する発光素子列の間にスリットが設けられている、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記共通電極は、前記複数の発光素子列に含まれる総ての発光素子の前記発光層を発光素子列毎に覆う複数の部分電極を含み、
前記複数の部分電極は、同一の層に形成されており、前記層と異なる層を介して電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記複数の発光素子列に含まれる総ての発光素子の各々は有機エレクトロルミネッセンス素子である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
像担持体と、
前記像担持体を帯電させる帯電器と、
前記像担持体の帯電された面に光を照射して潜像を形成する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発光装置と
を備える画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発光装置を備える画像形成装置における前記発光装置の駆動方法であって、
形成すべき画像を前記複数の発光素子列のうちの一つの発光素子列を使用して形成する一方、
形成すべき画像の種類の切り換えを検出し、前記種類の切り換えを検出すると、使用する発光素子列を切り換える、
ことを特徴とする発光装置の駆動方法。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発光装置を備える画像形成装置における前記発光装置の駆動方法であって、
形成すべき画像を前記複数の発光素子列のうちの一つの発光素子列を使用してページ単位で形成する一方、
ページの切り換えを検出し、前記ページの切り換えを検出すると、使用する発光素子列を切り換える、
ことを特徴とする発光装置の駆動方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−179634(P2010−179634A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27482(P2009−27482)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】