説明

発光装置の製造方法および発光装置の製造装置

【課題】集光性の高い発光装置を容易に製造できる発光装置の製造方法を提供する。
【解決手段】発光装置の製造方法は、基板5の表面に配置されている発光素子6を覆い断面形状が山形になるように樹脂10を配置する第1樹脂配置工程と、樹脂10を硬化させる硬化工程と、孔版印刷によって樹脂10の表面に樹脂11を配置する第2樹脂配置工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置の製造方法および発光装置の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光装置には、発光ダイオード(LED)などの発光素子を有するものがある。近年においては、LEDは、テレビジョン受像機などの表示器、照明器、信号機、懐中電灯、自動車のテールランプなどに使用されている。このような発光素子は基板の表面に形成されて電気回路と接続される。発光素子は、発光素子を保護するための保護層として樹脂等で覆われる。保護層としての樹脂は、透光性を有する樹脂が用いられ、発光素子が発する光を外部に放出するように形成される。
【0003】
発光装置の製造においては、基板の表面に発光素子が配置され、その後に発光素子を覆うように樹脂が配置される。たとえば、特開2007−5722号公報においては、発光素子を被覆する樹脂を、それぞれの発光素子ごとにディスペンサで配置する方法が開示されている。
【0004】
ディスペンサによる樹脂の封止方法においては、それぞれの発光素子に対して樹脂を配置していくために、時間がかかったり、設備が複雑になったりする。近年においては、基板に配置されている発光素子を樹脂により封止する方法として孔版印刷が利用されている(たとえば、特許第2851589号公報参照)。孔版印刷による方法では、基板上の発光素子の位置に対応する通孔を有する孔版を用いる。それぞれの通孔の内部に発光素子を配置して、この通孔の内部に樹脂を配置することにより発光素子を樹脂で封止することができる。
【特許文献1】特開2007−5722号公報
【特許文献2】特許第2851589号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発光素子からの光は、発光素子を覆う樹脂を介して外部に放出される。発光素子の周りに堰を形成せずに樹脂が配置されたときに、樹脂の表面張力により樹脂の断面形状が山形になる。たとえば、樹脂の断面形状が放物線状になる。発光素子から発せられた光は、樹脂の内部を通った後に樹脂の表面で屈折して外部に放出される。このときに、樹脂の表面の形状に依存して光が発散される。樹脂の表面で光が多方向に発散される場合には、発光装置を正面から見たときの輝度が小さくなっていた。すなわち、樹脂の表面で光が多方向に向けられて指向性が落ちてしまっていた。
【0006】
上記の特開2007−5722号公報においては、光半導体素子を樹脂で封止して、さらに、封止樹脂の上に、光を集光して外部に放射するための光放射部を配置することが開示されている。光放射部にはレンズ部が形成され、光を集光できることが開示されている。しかしながら、この発光装置は、光放射部を別部品として製造して、さらに、光半導体素子を覆う樹脂に光放射部を取り付ける必要がある。このため、生産性が悪いという問題がある。
【0007】
本発明は、集光性の高い発光装置を容易に製造できる発光装置の製造方法および発光装置の製造装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発光装置の製造方法は、基板の表面に配置されている発光素子を覆い断面形状が山形になるように第1樹脂を配置する第1樹脂配置工程と、第1樹脂を硬化させる硬化工程と、孔版印刷によって第1樹脂の表面に第2樹脂を配置する第2樹脂配置工程とを含む。
【0009】
上記発明において好ましくは、第1樹脂配置工程は、第1孔版を用いる工程を含み、第2樹脂配置工程は、平面視したときに第1孔版の通孔の大きさ以下の通孔を有する第2孔版を用いる工程を含む。第2樹脂配置工程は、硬化させた第1樹脂に第2孔版の通孔を接触させて孔版印刷を行う工程を含む。
【0010】
上記発明において好ましくは、第1樹脂配置工程は、第1孔版を用いる工程を含み、第2樹脂配置工程は、平面視したときに第1孔版の通孔よりも大きな通孔を有する第2孔版を用いる工程を含む。
【0011】
上記発明において好ましくは、第2樹脂配置工程は、第2樹脂として第1樹脂と主成分が同一の樹脂を用いる工程を含む。
【0012】
上記発明において好ましくは、第1樹脂配置工程は、第1樹脂として無機材料が含まれる樹脂を用いる工程を含む。
【0013】
上記発明において好ましくは、無機材料として、第1樹脂および第2樹脂よりも屈折率の高い粒子を用いる。
【0014】
上記発明において好ましくは、第2樹脂配置工程は、第2樹脂として第1樹脂よりも屈折率が小さい樹脂を用いる工程を含む。
【0015】
上記発明において好ましくは、第2樹脂配置工程は、第2樹脂として第1樹脂よりも硬度が高い樹脂を用いる工程を含む。
【0016】
本発明の発光素子の製造装置は、基板の表面に配置されている発光素子を樹脂で覆う発光装置の製造装置であって、第1孔版を含み、第1孔版による孔版印刷により発光素子を第1樹脂で覆う第1印刷装置と、第1樹脂を硬化させる硬化装置と、第2孔版を含み、第2孔版による孔版印刷により第1樹脂の外側に第2樹脂を配置する第2印刷装置と、第1印刷装置、第2印刷装置および硬化装置を制御する制御装置とを備える。硬化装置は、基板を第1印刷装置から第2印刷装置に搬送する搬送装置を含む。搬送装置によって第1印刷装置から第2印刷装置に基板を搬送しながら第1樹脂を硬化させるように形成されている。
【0017】
上記発明において好ましくは、第2印刷装置は、第2孔版の下側に基板を支持するための支持装置を有する。第2孔版は、平面視したときに第1孔版の通孔の大きさ以下の通孔を有する。制御装置は、第1樹脂が第2孔版の通孔に接触する高さになるように第2支持装置の位置を制御するように形成されている。
【0018】
上記発明において好ましくは、第2印刷装置は、第2孔版の下側に基板を支持するための支持装置を有する。第2孔版は、平面視したときに第1孔版の通孔よりも大きな通孔を有する。制御装置は、第2孔版が基板に接触する高さになるように支持装置の位置を制御するように形成されている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、集光性の高い発光装置を容易に製造できる発光装置の製造方法および発光装置の製造装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(実施の形態1)
図1から図11を参照して、実施の形態1における発光装置の製造方法および発光装置の製造装置について説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態における発光装置の製造方法の第1工程図である。図1から図8および図10は、発光装置の製造装置の主要部の概略断面図である。本実施の形態における発光装置の製造装置は、基板の表面に配置されている発光素子を樹脂封止するための装置である。
【0022】
本実施における発光装置は、発光素子6を備える。発光素子6としては、例えば半導体発光素子を採用することができる。半導体発光素子としては、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)、半導体レーザ、または赤外発光ダイオード等を採用することができる。発光素子としては、この形態に限られずに、光を発する素子であれば構わない。本実施の形態における発光素子6は、電気回路と電気的な導通を得るワイヤ7を含む。
【0023】
本実施の形態における発光装置の製造装置は、被処理物としての基板5を支持するための支持装置を備える。支持装置は、基板5を載置するための載置台としてのステージ24を含む。本実施の形態におけるステージ24は、基板5を固定できるように形成されている。本実施の形態における支持装置は、ステージ24を昇降させる昇降装置を備える。昇降装置は、ステージ24を鉛直方向に移動するように形成されている。また、本実施の形態における発光装置の製造装置は、支持装置を制御する制御装置を備える。
【0024】
本実施の形態における発光装置の製造装置は、孔版1を備える。本実施の形態における孔版1は、板状に形成されている。孔版1は、通孔1aを有する。通孔1aは、孔版1を貫通する穴である。通孔1aは、平面視したときに基板5に配置されているそれぞれの発光素子6に対応する位置に形成されている。本実施の形態の形態における孔版1は、枠部材23を含む。枠部材23は、通孔1aが形成されている板状部の縁に沿って形成されている。
【0025】
本実施の形態における通孔1aは、平面形状が円形になるように形成されている。通孔1aは、孔版1の主面に垂直な面で切断したときの断面形状が四角形になるように形成されている。本実施の形態においては、断面形状が長方形になるように形成されている。通孔1aの壁部は、孔版1の主面に対してほぼ垂直になるように形成されている。ここで孔版の主面とは、孔版の板状部の面積が最大になる面を示す。通孔1aとしては、この形態に限られず、通孔の壁部が孔版の主面に対して傾斜するように形成されていても構わない。たとえば、通孔は、孔版の主面に垂直な面で切断したときの断面形状が台形になるように形成されていても構わない。孔版の主面に垂直な面で切断したときの断面形状がテーパ形状になるように形成され、鉛直方向の下側に向かって通孔の径が小さくなるように形成されていても構わない。
【0026】
本実施の形態における発光装置の製造装置は、孔版1の通孔1aの内部に樹脂10を供給するスキージ31,32を備える。スキージ31,32のそれぞれは、孔版1の主面に垂直な方向に移動可能に形成されている。また、スキージ31,32のそれぞれは、孔版1の主面に沿って移動可能に形成されている。
【0027】
本実施の形態における発光装置の製造装置は、内部を真空状態にするための真空容器を備える。ステージ24、孔版1およびスキージ31,32などの主要部品は、真空容器の内部に配置されている。本実施の形態における発光装置の製造装置は、真空の雰囲気中で樹脂の配置を行うことができるように形成されている。
【0028】
本実施の形態における発光装置の製造装置は、真空容器の内部の圧力を調整する圧力調整装置を備える。本実施の形態における圧力調整装置は、真空ポンプを備える。真空ポンプは、真空容器に接続されている。圧力調整装置は、真空容器の内部を復圧するための復圧弁を備える。
【0029】
次に、本実施の形態における発光装置の製造方法について説明する。発光装置の製造方法は、発光素子が配置されている基板に対して樹脂を供給することにより、それぞれの発光素子を樹脂封止する工程を含む。本実施の形態においては、始めに、基板の表面に配置されている発光素子を覆うように第1樹脂を配置する第1樹脂配置工程を行う。本実施の形態における第1樹脂配置工程は、孔版印刷により第1樹脂の配置を行う。
【0030】
図1を参照して、第1樹脂配置工程の第1孔版として孔版1を用いる。ステージ24の載置面に基板5を配置する。基板5は、それぞれの発光素子6が、対向する孔版1の通孔1aの真下に位置するように配置される。孔版1の主面のうち通孔1aが形成されている領域の外側の領域に第1樹脂としての樹脂10を供給する。
【0031】
本実施の形態における樹脂10は、粘性を有する液状である。樹脂10としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、またはシリコーン変性エポキシ樹脂などの各種樹脂を使用することができる。
【0032】
次に、圧力調整装置を駆動して、真空容器の内部を排気することにより、真空雰囲気を形成する。真空雰囲気中で樹脂の配置を行うことにより、樹脂の内部に存在している空気を外部に放出することができ、樹脂の内部に気泡が残存することを抑制することができる。次に、スキージ31を矢印61に示すように下降させる。スキージ31は、樹脂10に接触する。
【0033】
図2は、本実施の形態における発光装置の製造方法の第2工程図である。図3は、本実施の形態における発光装置の製造方法の第3工程図である。図4は、本実施の形態における発光装置の製造方法の第4工程図である。
【0034】
図2を参照して、矢印53に示すようにステージ24を上昇する。制御装置は、支持装置を制御することにより、孔版1が基板5に接触する高さまでステージ24を上昇させる。発光素子6は、孔版1の通孔1aの内部に配置される。
【0035】
図3および図4を参照して、孔版1の通孔1aの内部に液状の樹脂10を供給する。スキージ31を矢印62に示すように、孔版1の主面に沿って移動する。スキージ31を孔版1の一方の端部から他方の端部まで移動させる。スキージ31が移動することにより、通孔1aの内部に樹脂10を配置することができる。基板5の表面に配置されている発光素子6は、樹脂10で埋設される。
【0036】
図5は、本実施の形態における発光装置の製造方法の第5工程図である。スキージ31を上昇させる。一方で、スキージ32を下降させて、スキージ32を樹脂10に接触させる。次に、矢印63に示すように、スキージ32を孔版1の他方の端部から一方の端部まで移動させる。このように、返し側のスキージの移動を行う。スキージ32を移動させることにより、樹脂10の余剰部分を除去する。
【0037】
図6は、本実施の形態における発光装置の製造方法の第6工程図である。スキージ32の移動が終了したら、制御装置は、矢印54に示すようにステージ24を下降させるように昇降装置を制御する。それぞれの発光素子6は、個別に樹脂10で覆われる。発光素子6を覆う樹脂10の断面形状は、樹脂10の表面張力により山形になる。本実施の形態においては、樹脂10の断面形状が放物線状になる。樹脂10は、樹脂10の流動性により広がって、平面視したときに通孔1aよりも大きくなっている。ステージ24の下降が終了したら、真空容器の大気開放を行う。
【0038】
次に、真空容器から基板5を取り出して、第1樹脂としての樹脂10を硬化させる硬化工程を行う。硬化工程においては、第1樹脂の形状が変化しなくなるまで第1樹脂を硬化させる。または、基板を傾けても第1樹脂が流動しない硬度まで硬化を行う。本実施の形態においては、遠赤外炉にて樹脂10を乾燥させることにより硬化を行っている。硬化工程においては、この形態に限られず、第1樹脂を完全に硬化しても構わない。また、硬化工程においては、乾燥による方法に限られず、加圧しながら乾燥(加圧オーブン等)、遠赤外炉、または紫外線等の光の照射などの任意の硬化方法を採用することができる。
【0039】
図7は、本実施の形態における発光装置の製造方法の第7工程図である。次に、第1樹脂の表面にさらに第2樹脂を配置する第2樹脂配置工程を行う。本実施の形態における第2樹脂配置工程は、孔版印刷により第2樹脂の配置を行う。
【0040】
第1樹脂としての樹脂10が硬化した基板5を真空容器の内部に配置する。本実施の形態の第2樹脂配置工程において用いる第2孔版としては、第1孔版と同じ孔版を用いる。通孔1aの真下にそれぞれの樹脂10が配置されるように基板5を配置する。孔版1の主面に第2樹脂としての樹脂11を供給する。本実施の形態において、第2樹脂としての樹脂11は、第1樹脂配置工程において用いた樹脂10と同じ樹脂である。第2樹脂においても、粘性を有する液状の樹脂を用いている。第2樹脂としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、またはシリコーン変性エポキシ樹脂などの各種樹脂を使用することができる。
【0041】
次に、真空容器の内部を排気することにより、真空雰囲気を形成する。真空雰囲気中で樹脂の配置を行うことにより、樹脂11の内部に気泡が残存することを抑制できる。スキージ31を矢印61に示すように下降させる。スキージ31は、樹脂11に接触する。
【0042】
次に、制御装置が支持装置の昇降装置を制御することにより、矢印53に示すように、ステージ24を上昇させる。樹脂10は、平面視したときに孔版1の通孔1aよりも大きくなっているために、樹脂10の表面に通孔1aの縁部が当接する。
【0043】
制御装置は、通孔1aの縁部が樹脂10に当接するまでステージ24を上昇させる。本実施の形態においては、樹脂10が通孔に当接する位置を設定しておいて、第1樹脂配置工程よりもステージ24が低い位置で停止するように制御を行なっている。孔版1と基板5との間には隙間が形成される。制御装置としては、この形態に限られず、樹脂の表面に通孔が当接したことを検知して、支持装置の昇降装置を停止させるように形成されていても構わない。
【0044】
次に、第1樹脂配置工程と同様に、矢印62に示すように、スキージ31,32を移動することにより、通孔1aの内部に樹脂11を配置する。樹脂10の上側には、樹脂11が配置される。スキージ31,32を孔版1の一方の端部から他方の端部まで移動させる。
【0045】
図8は、本実施の形態における発光装置の製造方法の第8工程図である。次に、第1樹脂配置工程と同様に、スキージ31を上昇させてスキージ32を下降させる。この状態で、矢印63に示すように、返し側のスキージ32の移動を行なう。
【0046】
図9に、それぞれの発光素子の部分における拡大概略断面図を示す。孔版1の通孔1aの縁部と樹脂10とが当接した状態で、樹脂11の配置が行なわれる。通孔1aの内部のうち、樹脂10の上側に樹脂11が配置される。
【0047】
図10は、本実施の形態における発光装置の製造方法の第9工程図である。次に、制御装置は、支持装置の昇降装置を駆動して、矢印54に示すように、ステージ24を下降させる。孔版1が樹脂10から離れる。
【0048】
次に、樹脂10および樹脂11を完全に硬化させる硬化工程を行なう。本実施の形態においては、オーブン乾燥機で樹脂10,11を乾燥させることにより硬化を行なっている。この硬化工程においては、樹脂を完全に硬化させる任意の方法を採用することができる。
【0049】
図11は、第1樹脂の上側に第2樹脂を配置したときのそれぞれの発光素子の拡大概略断面図である。本実施の形態においては、第2樹脂配置工程において、基板5を孔版1から離すときに、樹脂10と樹脂11とが引き合う。すなわち、樹脂11が樹脂10に引っ張られる作用が生じる。このため、樹脂11が、側方に向かって流動することが抑制される。この結果、樹脂10の表面の形状に比べて樹脂11の表面の形状を半球形状に近づけることができる。樹脂10の断面の形状は放物線状であるが、樹脂11の表面を半円形状に近づけることができる。このため、樹脂10,11が集光レンズとしての役割を果たし、矢印69に示すように、発光素子6が発する光を正面に向かって集光させることができる。
【0050】
本実施の形態においては、樹脂を配置した後に光を集光させるためのレンズ部品を別に配置する必要がなく、集光性の高い発光装置を容易に製造することができる。樹脂の表面形状が半球形状に近い樹脂層を容易に形成することができる。特に、信号機、懐中電灯または自動車のテールランプなどの高い集光性を有することが好ましい発光装置に有用である。
【0051】
第2樹脂配置工程において、孔版印刷により樹脂を配置することにより、高い生産性で発光装置を製造することができる。また、本実施の形態においては、第1樹脂配置工程に使う第1孔版と第2樹脂配置工程に使う第2孔版とを同じものを用いている。この方法により、発光装置の製造装置の構成を簡易にすることができる。
【0052】
本実施の形態においては、第1樹脂配置工程の第1樹脂と、第2樹脂配置工程の第2樹脂とは同じ樹脂を用いている。この方法により、第1樹脂と第2樹脂との双方の濡れ性を同じにすることができ、効果的に半球形状に近づけることができる。または、第1樹脂および第2樹脂として主成分が同一の樹脂を用いることにより、効果的に樹脂を半球形状に近づけることができる。
【0053】
本実施の形態においては、第1樹脂と第2樹脂とは同一の樹脂を用いているが、この形態に限られず、互いに異なる樹脂を用いても構わない。
【0054】
第2樹脂配置工程において、第2樹脂として第1樹脂よりも硬度が高い樹脂を用いることができる。たとえば、第1樹脂としてシリコーン樹脂などの軟質の樹脂を採用し、第2樹脂として第1樹脂よりも硬度の高い硬質のエポキシ樹脂などを採用しても構わない。この方法を採用することにより、複数の光学素子のそれぞれに第1樹脂および第2樹脂を配置したのちに不良を発見しても部分的な修理を容易に行うことができる。
【0055】
発光素子や受光素子などの光学素子を軟質の樹脂のみで覆った場合には、指などが接触した場合に内部の光学素子やワイヤなどを損傷する場合がある。または、光学素子を硬質の樹脂のみで覆った場合には、樹脂全体が固いために樹脂を取り除くことが困難になる。この結果、個々の光学素子を修理することが難しくなる。一方で、たとえば、基板の表面にマトリクス状に複数の発光素子を配置して、それぞれの発光素子に対して軟質の第1樹脂を配置した後に薄膜状に硬質の第2樹脂を配置する。第2樹脂の配置後に1個の発光素子の不良を発見した場合においても、容易に硬質の第2樹脂を破壊することができ、さらに、軟質の第1樹脂を容易に取り除いて不良の発光素子を修理することができる。また、第1樹脂の表面に第1樹脂よりも固い第2樹脂を配置することにより、内部応力が緩和されて、樹脂の内部にクラックが生じることを抑制することができる。
【0056】
また、第1樹脂として無機材料が含まれる樹脂を用いることができる。たとえば、発光素子として、青色の光を発光するLEDを用いる。第1樹脂として、無機材料としての蛍光体を含む樹脂を用いる。蛍光体としては、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)蛍光体やTAG(テルビウム・アルミニウム・ガーネット)蛍光体、SIALON(サイアロン:シリコン、アルミニウム、酸素および窒素を混成させた窒化物)蛍光体などを用いることができる。第2樹脂としては、無機材料を含まない透光性を有する樹脂を用いる。この方法により、青色の発光ダイオードが発する光の一部を波長変換して、白色の発光装置を提供することができる。また、透光性を有する第2樹脂を配置することにより、光学素子を大きく見せることができる。
【0057】
また、第1樹脂に含まれる無機材料としては、第1樹脂および第2樹脂よりも屈折率の高い粒子を用いることができる。たとえば、無機材料として、酸化ジルコニウムまたは酸化チタンなどの高屈折率の無機材料を採用することができる。高屈折率の無機材料として、径の大きな粒子を混錬すると白色化してしまい、樹脂全体の透明性が全くなくなってしまう。このため、無機材料としては、微粒子のものを使うことが好ましい。微粒子としては、たとえば径が10μm以下であることが好ましい。さらには、1μm以下の径を有する微粒子が好ましい。この方法により、内側の樹脂層は屈折率が大きく、外側の樹脂層は屈折率を小さくすることができる。最外部の樹脂において、樹脂の屈折率を空気の屈折率に近い状態にすることができて、光の内部反射を減らすことができる。この結果、光取り出し効率を高めることができる。
【0058】
第2樹脂の屈折率を小さくした装置としては、この形態に限られず、第2樹脂として、第1樹脂よりも屈折率が小さな樹脂を用いても構わない。たとえば、第1樹脂として屈折率が1.6の高屈折率を有する樹脂を用いて、第2樹脂として屈折率が1.4の低屈折率を有する樹脂を用いても構わない。
【0059】
本実施の形態においては、真空雰囲気中で、第1樹脂配置工程および第2樹脂配置工程行なっているが、この形態に限られず、常圧で第1樹脂配置工程を行なっても構わない。または、常圧で第2樹脂配置工程を行なっても構わない。
【0060】
本実施の形態においては、第1孔版の通孔と第2孔版の通孔とは、同一形状および同一の大きさであるが、この形態に限られず、第2孔版の通孔の大きさは、第1孔版の通孔よりも小さくても構わない。平面形状を比較したときに、第1孔版の通孔の内側に第2孔版の通孔が包含される大きさであっても構わない。また、孔版の通孔の平面形状は円形に限られず、任意の形状を採用することができる。
【0061】
本実施の形態において、第1樹脂配置工程は、孔版を用いた孔版印刷により樹脂の配置を行なっているが、この形態に限られず第1樹脂配置工程は、任意の方法で断面形状が山形の第1樹脂を配置することができる。たとえば、ディスペンサにより第1樹脂を配置しても構わない。
【0062】
本実施の形態においては、COB(Chip on Board)により、基板の表面に発光素子が配置されている。光学素子を配置する基板としては、任意の基板を用いることができる。基板としては、たとえば、ガラスエポキシ基板(FR−4)、ガラスコンポジット基板(CEM−3)、セラミック基板、金属コア基板またはBTレジン基板などを採用することができる。または、基板としては、リードフレームに形成されている板状部分であっても構わない。
【0063】
本実施の形態においては、1個の発光素子に対して一塊の樹脂を配置しているが、この形態に限られず、複数の発光素子を一塊の樹脂で封止しても構わない。また、本実施の形態においては、第1樹脂の上側に第2樹脂を配置する2重の樹脂構造を有しているが、この形態に限られず、孔版印刷を繰り返して3重以上の樹脂構造を形成しても構わない。
【0064】
(実施の形態2)
図12から図14を参照して、実施の形態2における発光装置の製造方法および発光装置の製造装置について説明する。
【0065】
図12は、本実施の形態における第2樹脂配置工程を行なっているときの発光素子の部分の拡大概略断面図である。本実施の形態における発光装置の製造方法においては、第2樹脂配置工程において、第1樹脂配置工程にて用いる第1孔版の通孔よりも大きな通孔を有する第2孔版を用いる。本実施の形態における第2樹脂配置工程においては、第2孔版としての孔版2を用いる。孔版2は、通孔2aを有する。
【0066】
図13に、本実施の形態における第2孔版の通孔の部分の拡大概略平面図を示す。通孔2aは、平面形状が円形に形成されている。通孔2aは、平面視したときに、第1孔版の通孔1aの大きさよりも大きくなるように形成されている。通孔2aは、平面視したときに、孔版1の通孔1aが通孔2aの内部に包含される大きさを有する。さらに、本実施の形態における通孔2aは、配置されている第1樹脂としての樹脂10よりも大きくなるように形成されている。すなわち、平面視したときに、通孔2aは、内部に樹脂10が包含される大きさを有する。
【0067】
本実施の形態において、第2孔版の厚さは、第1孔版の厚さと同じになるように形成されているが、この形態に限られず、第2孔版は、第1孔版よりも厚くなるように形成されていても構わない。
【0068】
図12を参照して、本実施の形態における第2樹脂配置工程においては、ステージを上昇させることにより、孔版2と基板5とを接触させる。制御装置は、孔版2の通孔2aの縁部と基板5とが接触する位置でステージの上昇を停止するように支持装置を制御する。孔版2の内部に、樹脂10が配置される。この状態で、第2樹脂配置工程を行なうことにより、通孔2aの内部に第2樹脂としての樹脂11が配置される。この後に、ステージを下降させることにより、基板5から孔版2を引き離す。樹脂10の表面に樹脂11を配置することができる。
【0069】
本実施の形態における製造方法および製造装置においても、半球形状に近い樹脂を容易に形成することができる。
【0070】
次に、本実施の形態における発光装置の製造方法を用いて効果確認試験を行った結果について説明する。効果確認試験においては、第1樹脂に加えて第2樹脂を配置した発光装置と、第1樹脂のみにて製造を行った発光装置について比較した。
【0071】
効果確認試験においては、1つの基板に対して1つの発光素子を形成して、樹脂の配置を行った。効果確認試験においては、第1樹脂および第2樹脂として、サンユレック株式会社製の「VS9301」(シリコーン樹脂、粘度:40Pa・s)を使用した。第1孔版としては、板状部の厚みが1.0mmで、平面視したときの形状が円形で2.6mmの直径を有する通孔を含む孔版を使用した。第2孔版としては、板状部の厚みが1.5mmで、平面視したときの形状が円形で4.0mmの直径を有する通孔を含む孔版を使用した。
【0072】
効果確認試験においては、10枚の基板に対して樹脂の配置を行った。また、第1樹脂の配置を行った後に第1樹脂を硬化させたものと、さらに、第1樹脂の表面に第2樹脂を配置して硬化させたものとを比較した。第1樹脂のみを配置する試験においては、第2孔版を用いて試験を行った。第1樹脂の硬化および第2樹脂の硬化は、加圧オーブンで乾燥させることにより行った。
【0073】
製造された発光装置に関して、樹脂の高さをマイクロメータにて測定した。また、樹脂の広がり(平面視したときの樹脂の直径の最大値)を拡大顕微鏡にて測定した。効果確認試験の結果を表1に示す。表1は、それぞれの基板についての結果である。
【0074】
【表1】


表1から、第1樹脂のみを配置した発光装置と、第1樹脂に加えて第2樹脂を配置した発光装置を比較すると、第2樹脂が配置された発光装置は、樹脂の高さが高く、また、樹脂の広がりが小さくなっていることが分かる。このように、第1樹脂に加えて第2樹脂を配置することにより、樹脂の形状が半球形状に近づいていることが分かる。
【0075】
本実施の形態において、第2樹脂配置工程に用いる孔版2の通孔2aの平面形状は円形であるが、この形態に限られず、任意の形状を採用することができる。また、第1孔版の通孔の平面形状と、第2孔版の通孔の平面形状が異なっていても構わない。
【0076】
図14に、本実施の形態における他の第2孔版の通孔の部分の拡大概略平面図を示す。他の第2孔版としての孔版3は、通孔3aを有する。通孔3aは、平面形状が8角形に形成されている。通孔3aは、第1孔版の通孔よりも大きくなるように形成されている。通孔3aは、平面視したときに、内部に第1樹脂としての樹脂10を包含することができる大きさを有する。このように、任意の多角形の形状を有する通孔を採用することができる。
【0077】
その他の構成、作用、方法および効果については、実施の形態1と同様であるのでここでは説明を繰り返さない。
(実施の形態3)
図15から図23を参照して、実施の形態3における発光装置の製造装置および発光装置の製造方法について説明する。本実施の形態における発光装置の製造装置は、連続的に基板に対して樹脂の配置を行なう装置である。図15から図23は、本実施の形態における発光装置の製造装置の概略断面図である。
【0078】
図15は、本実施の形態における発光装置の製造方法の第1工程説明図である。本実施の形態における発光装置の製造装置は、第1印刷装置としての印刷装置41を備える。印刷装置41は、スキージ31,32を備える。印刷装置41は、第1孔版としての孔版1を備える。印刷装置41は、孔版1の下側に基板を支持するための支持装置を備える。支持装置は、基板を表面に配置するためのステージ24と、ステージ24を昇降させるための昇降装置25とを含む。
【0079】
印刷装置41は、真空容器48を備える。真空容器48は、図示しない圧力調整装置に接続されている。真空容器48には、基板を搬入または搬出するための開閉可能な開閉扉41a,41bを有する。開閉扉41aは、基板5を搬入する側に配置され、開閉扉41bは、基板5を搬出する側に配置されている。
【0080】
本実施の形態における発光装置の製造装置は、基板5を印刷装置41に搬入するための搬入装置46を有する。搬入装置46は、ベルトコンベヤにより基板5を印刷装置41の内部に搬入することができるように形成されている。
【0081】
本実施の形態における発光装置の製造装置は、第2印刷装置としての印刷装置42を備える。印刷装置42は、印刷装置41と同様の構成を有する。印刷装置42の真空容器48は、開閉扉42a,42bを有する。開閉扉42aは、基板5を搬入する側に形成され、開閉扉42bは、基板を搬出する側に配置されている。本実施の形態において、印刷装置42は、第2孔版として孔版1を備える。本実施の形態における第2孔版は、第1印刷装置の第1孔版と同じものが配置されている。
【0082】
本実施の形態における発光装置の製造装置は、基板5を搬出するための搬出装置47を備える。搬出装置47は、ベルトコンベアにより印刷装置42から基板5を搬出することができるように形成されている。
【0083】
本実施の形態における発光装置の製造装置は、印刷装置41にて配置された第1樹脂を硬化させるための硬化装置として遠赤外炉44を有する。遠赤外炉44は、印刷装置41と印刷装置42との間に配置されている。
【0084】
本実施の形態における発光装置の製造装置は、基板5を印刷装置41から印刷装置42に搬送する搬送装置43を備える。搬送装置43は、ベルトコンベヤにより基板5を搬送するように形成されている。搬送装置43は、印刷装置41の開閉扉41bから印刷装置42の開閉扉42aに向かって基板5を搬送できるように形成されている。
【0085】
本実施の形態における搬送装置43は、遠赤外炉44の内部に配置されている。印刷装置41から印刷装置42に基板5を搬送すると同時に、第1樹脂を乾燥することにより第1樹脂を硬化させることができるように形成されている。本実施の形態における発光装置の製造装置は、印刷装置41、印刷装置42、遠赤外炉44および搬送装置43を制御する制御装置を備える。
【0086】
次に、本実施の形態における発光装置の製造装置を用いた発光装置の製造方法について説明する。本実施の形態における印刷方法は、実施の形態1における印刷方法と同様である。第1樹脂配置工程と第2樹脂配置工程とは、同じ孔版を用いている。
【0087】
図15を参照して、印刷装置41の開閉扉41aを開放する。矢印55に示すように、搬入装置46によって、基板5を印刷装置41の内部に搬入する。
【0088】
図16は、本実施の形態における発光装置の製造方法の第2工程説明図である。開閉扉41aを閉じることにより、真空容器48を密閉する。圧力調整装置を駆動することにより、印刷装置41の内部を真空排気する。制御装置が昇降装置25を駆動することにより、ステージ24が上昇する。制御装置は、基板5が孔版1に接触する高さでステージ24を停止するように制御する。スキージ31,32の往復移動を行なうことにより、基板5の表面に第1樹脂を配置する。この後に開放弁により真空容器を常圧に戻す。
【0089】
図17は、本実施の形態における発光装置の製造方法の第3工程説明図である。次に、印刷装置41の開閉扉41bを開放して、矢印56に示すように、基板5を搬送装置43に移動する。
【0090】
図18は、本実施の形態における発光装置の製造方法の第4工程説明図である。矢印57に示すように、搬送装置43にて基板5を印刷装置41から印刷装置42に向かって搬送する。本実施の形態における搬送装置42は、遠赤外炉44の内部に配置されている。このため、基板5の搬送を行ないながら第1樹脂を硬化させることができる。本実施の形態においては、遠赤外炉44で加熱することにより第1樹脂を硬化させる。印刷装置41の開閉扉41aを開くことにより、次の基板5を印刷装置41の内部に配置する。
【0091】
図19に、本実施の形態における発光装置の製造方法の第5工程説明図を示す。次に、搬送装置43において基板5の搬送を行なうと同時に、印刷装置41において、別の基板5の第1樹脂の配置を行なう。
【0092】
図20に、本実施の形態における発光装置の製造方法の第6工程説明図を示す。このように、搬送装置43による基板5の搬送と同時に、印刷装置41において第1樹脂の配置を連続的に行なう。制御装置は、基板5が印刷装置41から印刷装置42に移動するまでに、第1樹脂が設定された固さまで硬化するように搬送装置43の速度を調整する。または、制御装置は、遠赤外炉44の出力を調整する。搬送装置43は、連続的に基板5を搬送するように制御されていても構わない。または、断続的に基板5を搬送するように制御されていても構わない。
【0093】
基板5の第1樹脂は、印刷装置42に到着するときに設定された固さまで硬化している。次に、印刷装置42の開閉扉42aを開放する。搬送装置43で搬送された基板5を、印刷装置42の内部に搬入する。
【0094】
図21に、本実施の形態における発光装置の製造方法の第7工程説明図を示す。印刷装置42の内部に、基板5が配置されている。印刷装置41においては、新たな別の基板5を搬入する。本実施の形態においては、印刷装置41での基板5の搬入と、印刷装置42での基板5の搬入とがほぼ同時に行なわれている。
【0095】
図22に、本実施の形態における発光装置の製造方法の第8工程説明図を示す。印刷装置41の開閉扉41a,41bを閉じる。印刷装置42の開閉扉42aを閉じる。それぞれの印刷装置41,42において、真空容器48の内部を真空排気する。
【0096】
印刷装置41,42にて孔版印刷を行う。本実施の形態においては、第1印刷装置41と第2印刷装置42とでは、ほぼ同じ時間で孔版印刷が行なわれる。印刷装置42においては、ステージ24を上昇させることにより、第1樹脂の少なくとも1部が、孔版1の通孔の内部に配置される。制御装置は、印刷装置42において、第1樹脂が第2孔版の通孔と接触する高さになるようにステージ24の位置を制御する。本実施の形態においては、制御装置が、予め設定された高さまでステージ24を上昇させるように、昇降装置25を制御する。本実施の形態においては、通孔の縁部と第1樹脂の表面とが接触した状態で、印刷装置42における孔版印刷を行なう。
【0097】
図23に、本実施の形態における発光装置の製造方法の第9工程説明図を示す。印刷装置41における孔版印刷と印刷装置42における孔版印刷とは、ほぼ同じ時期に印刷が終了する。印刷装置41の開閉扉41a,41bを開放する。印刷装置42の開閉扉42a,42bを開放する。この状態で、印刷装置41においては、第1樹脂の配置が完了した基板5を搬出するとともに新たな基板5を搬入する。印刷装置42においては、第2樹脂の配置が完了した基板5を搬出装置47にて搬出するとともに、搬送装置43にて、次の基板5を搬入する。
【0098】
印刷装置42の印刷が完了して搬出された基板5は、たとえば、複数の基板5が収容可能なラックなどに集められて、所定の枚数になったところで、たとえば、オーブン乾燥機などにより最終の硬化を行なう。
【0099】
このように、本実施の形態における発光装置の製造装置は、印刷装置41,42における印刷が、ほぼ同時に行われるように形成されている。すなわち、印刷装置41における印刷と印刷装置42における印刷との同期がとられている。また、印刷装置41における基板5の搬入および搬出と、印刷装置42における基板5の搬入および搬出とがほぼ同時に行われ、同期がとられている。これらの同期は、制御装置によって行われている。さらに、制御装置は、第1樹脂の硬化を調整するように、遠赤外炉44および搬送装置43を制御している。本実施の形態における発光装置の製造装置は、連続的に第1樹脂の配置および第2樹脂が配置を行なうことができる。集光性の高い発光装置を連続して製造することができる。
【0100】
本実施の形態の印刷装置42に配置されている第2孔版は、印刷装置41に配置されている第1孔版と同じであるが、この形態に限られず、印刷装置42に配置されている第2孔版が、印刷装置41に配置されている第1孔版と異なっていても構わない。
【0101】
たとえば、実施の形態2に示したように、印刷装置42に配置されている第2孔版の通孔の大きさが、第1孔版の通孔の大きさよりも大きくなるように形成されていても構わない。または、第2孔版の通孔の大きさが、第1樹脂を内部に収容できる大きさに形成されていても構わない。この場合に、制御装置は、第2印刷装置において、基板と孔版とが接触する高さまでステージを上昇させるように支持装置を制御する。
【0102】
本実施の形態における光学装置の製造装置は、ベルトコンベアにより基板の搬送を行っているが、この形態に限られず、任意の装置で基板の搬送を行うことができる。
【0103】
その他の構成、作用、方法および効果については、実施の形態1または2と同様であるのでここでは説明を繰り返さない。
【0104】
上記に記載の実施の形態は、本発明を限定するものではなく例示である。また、それぞれの図において、同一の部分または相当する部分には同一の符号を付している。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】実施の形態1における発光装置の製造方法の第1工程図である。
【図2】実施の形態1における発光装置の製造方法の第2工程図である。
【図3】実施の形態1における発光装置の製造方法の第3工程図である。
【図4】実施の形態1における発光装置の製造方法の第4工程図である。
【図5】実施の形態1における発光装置の製造方法の第5工程図である。
【図6】実施の形態1における発光装置の製造方法の第6工程図である。
【図7】実施の形態1における発光装置の製造方法の第7工程図である。
【図8】実施の形態1における発光装置の製造方法の第8工程図である。
【図9】実施の形態1における発光装置の製造方法の第8工程における発光素子の部分の拡大概略断面図である。
【図10】実施の形態における発光装置の製造方法の第9工程図である。
【図11】実施の形態1において製造される発光装置の概略断面図である。
【図12】実施の形態2における第2樹脂配置工程の発光素子の部分の概略断面図である。
【図13】実施の形態2における第2孔版の拡大概略平面図である。
【図14】実施の形態2における他の第2孔版の拡大概略平面図である。
【図15】実施の形態3における発光装置の製造方法の第1工程図である。
【図16】実施の形態3における発光装置の製造方法の第2工程図である。
【図17】実施の形態3における発光装置の製造方法の第3工程図である。
【図18】実施の形態3における発光装置の製造方法の第4工程図である。
【図19】実施の形態3における発光装置の製造方法の第5工程図である。
【図20】実施の形態3における発光装置の製造方法の第6工程図である。
【図21】実施の形態3における発光装置の製造方法の第7工程図である。
【図22】実施の形態3における発光装置の製造方法の第8工程図である。
【図23】実施の形態3における発光装置の製造方法の第9工程図である。
【符号の説明】
【0106】
1,2,3 孔版
1a,2a,3a 通孔
5 基板
6 発光素子
7 ワイヤ
10,11 樹脂
23 枠部材
24 ステージ
25 昇降装置
31,32 スキージ
41,42 印刷装置
41a,41b,42a,42b 開閉扉
43 搬送装置
44 遠赤外炉
46 搬入装置
47 搬出装置
48 真空容器
53,54 矢印
61〜63,69 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面に配置されている発光素子を覆い断面形状が山形になるように第1樹脂を配置する第1樹脂配置工程と、
前記第1樹脂を硬化させる硬化工程と、
孔版印刷によって前記第1樹脂の表面に第2樹脂を配置する第2樹脂配置工程と
を含む、発光装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1樹脂配置工程は、第1孔版を用いる工程を含み、
前記第2樹脂配置工程は、平面視したときに前記第1孔版の通孔の大きさ以下の通孔を有する第2孔版を用いる工程を含み、
前記第2樹脂配置工程は、硬化させた前記第1樹脂に前記第2孔版の通孔を接触させて孔版印刷を行う工程を含む、請求項1に記載の発光装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1樹脂配置工程は、第1孔版を用いる工程を含み、
前記第2樹脂配置工程は、平面視したときに前記第1孔版の通孔よりも大きな通孔を有する第2孔版を用いる工程を含む、請求項1に記載の発光装置の製造方法。
【請求項4】
前記第2樹脂配置工程は、前記第2樹脂として前記第1樹脂と主成分が同一の樹脂を用いる工程を含む、請求項1から3のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1樹脂配置工程は、前記第1樹脂として無機材料が含まれる樹脂を用いる工程を含む、請求項1から4のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
【請求項6】
前記無機材料として、前記第1樹脂および前記第2樹脂よりも屈折率の高い粒子を用いる、請求項5に記載の発光装置の製造方法。
【請求項7】
前記第2樹脂配置工程は、前記第2樹脂として前記第1樹脂よりも屈折率が小さい樹脂を用いる工程を含む、請求項1から6のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
【請求項8】
前記第2樹脂配置工程は、前記第2樹脂として前記第1樹脂よりも硬度が高い樹脂を用いる工程を含む、請求項1から7のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
【請求項9】
基板の表面に配置されている発光素子を樹脂で覆う発光装置の製造装置であって、
第1孔版を含み、前記第1孔版による孔版印刷により前記発光素子を第1樹脂で覆う第1印刷装置と、
前記第1樹脂を硬化させる硬化装置と、
第2孔版を含み、前記第2孔版による孔版印刷により前記第1樹脂の外側に第2樹脂を配置する第2印刷装置と、
前記第1印刷装置、前記第2印刷装置および前記硬化装置を制御する制御装置と
を備え、
前記硬化装置は、前記基板を前記第1印刷装置から前記第2印刷装置に搬送する搬送装置を含み、
前記搬送装置によって前記第1印刷装置から前記第2印刷装置に前記基板を搬送しながら前記第1樹脂を硬化させるように形成されている、発光装置の製造装置。
【請求項10】
前記第2印刷装置は、前記第2孔版の下側に前記基板を支持するための支持装置を有し、
前記第2孔版は、平面視したときに前記第1孔版の通孔の大きさ以下の通孔を有し、
前記制御装置は、前記第1樹脂が前記第2孔版の通孔に接触する高さになるように前記第2支持装置の位置を制御するように形成されている、請求項9に記載の発光装置の製造装置。
【請求項11】
前記第2印刷装置は、前記第2孔版の下側に前記基板を支持するための支持装置を有し、
前記第2孔版は、平面視したときに前記第1孔版の通孔よりも大きな通孔を有し、
前記制御装置は、前記第2孔版が前記基板に接触する高さになるように前記支持装置の位置を制御するように形成されている、請求項9に記載の発光装置の製造装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−147281(P2009−147281A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−326030(P2007−326030)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【出願人】(391003624)サンユレック株式会社 (28)
【Fターム(参考)】