発券管理システム,提供サーバ及び利用管理サーバ
【課題】特定の消費者に、利用制限のあるクーポン券を低コストで提供するとともに、提供者側の意図しない利用を防止する。
【解決手段】顧客IDと、クーポン券の種類に対応する広告IDと、これらのIDから生成したハッシュ値とを符号化したバーコードを含むクーポン券のデータを、提供サーバ1から消費者端末2に送って印刷させる。クーポン券が利用される店舗では、クーポン券から読取ったバーコードデータが店舗端末4から利用管理サーバ5に送られ、利用の可否の確認が要求される。利用管理サーバ5は、バーコードデータ中のハッシュ値からの改ざんの有無の確認結果と、顧客ID及び広告ID毎のクーポン券の利用履歴とから、今回の利用の可否を確認し、確認結果を店舗端末4に通知する。
【解決手段】顧客IDと、クーポン券の種類に対応する広告IDと、これらのIDから生成したハッシュ値とを符号化したバーコードを含むクーポン券のデータを、提供サーバ1から消費者端末2に送って印刷させる。クーポン券が利用される店舗では、クーポン券から読取ったバーコードデータが店舗端末4から利用管理サーバ5に送られ、利用の可否の確認が要求される。利用管理サーバ5は、バーコードデータ中のハッシュ値からの改ざんの有無の確認結果と、顧客ID及び広告ID毎のクーポン券の利用履歴とから、今回の利用の可否を確認し、確認結果を店舗端末4に通知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の消費者に、利用制限のあるクーポン券を提供するためのシステム及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、消費者が店舗において商品の購入などを行なう際に、クーポン券を利用して割引を受けることが可能である。通常、クーポン券は、新聞の折り込み広告として提供されたり、街中でパンフレットと同時に手渡されたり、また特定の利用者のみに限定したクーポン券などはダイレクトメールなどで郵送することにより提供されている。また、クーポン券の提供相手を限定せず、期間を限定したり、一枚あたりの購入商品数や適用人数を制限したりするだけのクーポン券については、インターネット上のウェブページで提供され、消費者自らのプリンタで印刷し、利用することが可能である。
【0003】
しかしながら、消費者の年齢や性別、購買履歴等々により消費者を分類し、さらに、クーポン券もそれにわせて利用形態を分け、クーポン券の狙いを絞る場合を考えると、街中で相手を確認しながらクーポン券を手渡したり、ダイレクトメールを送付したりするなど、多くのコストが必要となってしまう。
【0004】
また、インターネットによりクーポン券を提供し、消費者が自ら印刷した場合には提供コストは低下するが、この場合は消費者が自由に印刷できることになるので、何枚も印刷してしまって友人に配布してしまう可能性があるほか、クーポン券上で管理情報を提供するバーコードの規格はJIS規格などで公開されており、また、印刷するのはスキャナがついたプリンタや画像を編集できるパソコンであるため、クーポン券の割引情報や管理情報などを書き換えて印刷し、提供側が意図しない利用が行なわれる可能性もある。
【0005】
逆に、一回しか印刷を認めないようにするとプリンタの印刷失敗に対応できず、たとえ出力枚数を制限したとしても、消費者みずから準備する用紙にはすかしなどないため、スキャナで取り込まれれば複製も改ざんも可能である。
【0006】
一方、非接触ICカードなどを用いた携帯電話にクーポン券情報をダウンロードして、携帯電話の非接触ICカードをクーポン券代わりに店舗端末に近づけ、クーポン券を利用することも最近は出来るようになってきた。しかし、このような端末の利用者はいまだ限定されている他、どこの店舗でも利用可能な設備があるわけでもなく、紙でできたクーポン券は非常に高い利便性を持っている。
【0007】
このように、特定の消費者にターゲットを絞って、無制限な利用ではなく、利用制限をかけた、どこでも使えるクーポン券を提供するためには、手渡しや郵送に依存しており、クーポン券の提供コストが高い。そのため、消費者には割引率が低くなったり、クーポン券が提供されず、また、提供側としてもクーポン券により狙った顧客を呼んだり、その利用をマーケティングデータとして取得するコストが高くなってしまっている。
【0008】
なお、文献上、クーポン券に関連する発明としては、次のようなものが提案されている。
・クーポン券にバーコードとOCR文字列とを所定の位置関係で印刷しておき、小売店に収集されたクーポン券からこのバーコード及びOCR文字列を読み取ることにより、顧客動向情報や清算情報を生成するもの(特許文献1)。
・チラシや情報提供サイトにアクセスした消費者しかクーポン券を利用できないとい問題点(段落0005)を解決するために、ユーザシステム102(段落0035〜0037,図1)と、ユーザシステム102でのクーポン券の発券管理を行う管理サーバ101(段落0038〜0042,図1)とを設け、ユーザシステム102を所有するユーザが、複数枚のクーポン券を印刷して他の消費者に手渡し等で配布する(段落0069)もの(特許文献2)。
【0009】
しかし、上記特許文献1に記載の発明は、消費者が利用を済ませたクーポン券から提供者側が有効な情報を得るようにしたものであり、消費者にクーポン券を提供する方法に関するものではない。
【0010】
また、上記特許文献2に記載の発明では、実際にクーポン券を利用する消費者には、従来と同様手渡し等でクーポン券を配布するので、配布を行ったユーザに対価の還元を払う(段落0069)ことによってやはりクーポン券の提供コストがかかる。また、クーポン券の印刷出力枚数を制限した例(請求項3,段落0074〜0079,図13)も存在しており、あくまで、一般の消費者のプリンタで自由に印刷するのではなく、管理サーバ101によって管理される特殊なユーザシステム102において印刷することを念頭においたものである。
【0011】
【特許文献1】特開昭63−311474号公報
【特許文献2】特開2005−316579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述の点に鑑み、特定の消費者に、利用回数などが無制限でないクーポン券を低コストで提供できるとともに、提供者側の意図しない利用を防止できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明に係る発券管理システムは、
提供サーバと、消費者端末と、店舗端末と、利用管理サーバとがネットワークに接続されており、
前記提供サーバは、
クーポン券提供部と、
顧客IDを記憶するための顧客ID記憶部と、
クーポン券の種類を識別する広告IDを記憶した広告ID記憶部と、
ハッシュ値を生成するハッシュ値生成部と、
数値をバーコードに符号化するバーコード符号化部と、
バーコードを含むクーポン券の画像データを生成する画像データ生成部と
を備えており、
前記クーポン券提供部は、前記消費者端末からのクーポン券の要求を受け付け、該要求を行った顧客の顧客IDを顧客ID記憶部に記憶し、該顧客IDと、前記広告ID記憶部内の広告IDのうち該要求のあったクーポン券に対応する広告IDとから前記ハッシュ値生成部でハッシュ値を生成させ、該顧客ID,該広告ID及び該ハッシュ値を前記バーコード符号化部でバーコードに符号化させ、該バーコードを含むクーポン券の画像データを前記画像データ生成部に生成させて、該画像データを特定するためのクーポンデータを前記要求のあった前記消費者端末に送信し、
前記消費者端末は、
前記提供サーバにクーポン券を要求して、前記クーポンデータを受信するクーポン受信部と、
前記クーポン受信部で受信した前記クーポンデータを、該消費者端末に接続されたプリンタに転送して、前記クーポン券の印刷を指示する印刷制御部と
を備え、
前記店舗端末は、
クーポン券からバーコードを読み取るバーコード読み取り部と、
前記バーコード読み取り部で読み取ったバーコードデータを前記利用管理サーバに送って、前記クーポン券の利用の可否についてのデータ確認要求を行うデータ確認部と
を備え、
前記利用管理サーバは、
前記店舗端末から前記バーコードデータを受信して前記データ確認要求を受け付けるデータ受付部と、
前記データ受付部で受信したバーコードデータのバーコードを復号する復号化部と、
前記復号化部で復号されたバーコード中の前記顧客ID,前記広告ID,前記ハッシュ値をそれぞれ記憶するためのハッシュ値記憶部,顧客ID記憶部,広告ID記憶部と、
前記顧客ID記憶部内の顧客IDと、前記広告ID記憶部内の広告IDとからハッシュ値を生成するハッシュ値生成部と、
前記ハッシュ値生成部で生成されたハッシュ値と前記ハッシュ値記憶部内のハッシュ値との同一性の有無によってクーポン券の改ざんの有無を確認する改ざん確認部と、
前記顧客ID及び前記広告ID毎のクーポン券の利用履歴を記憶するための履歴記憶部と、
前記改ざん確認部での改ざんの有無の確認結果と、前記顧客ID記憶部内の顧客ID及び前記広告ID記憶部内の広告IDについての前記履歴記憶部内の利用履歴とに基づいて、今回のクーポン券の利用の可否を確認し、該確認の結果を前記店舗端末に通知するとともに、今回の利用が可能である場合には前記履歴記憶部に今回の利用の履歴を記憶させる利用制限確認部と
を備えたことを特徴とする。
【0014】
この発券管理システムでは、消費者端末からネットワーク経由で提供サーバにクーポン券を要求すると、要求したクーポン券の画像(顧客IDと、要求のあったクーポン券に対応する広告IDと、これらのIDから生成したハッシュ値とを符号化したバーコードを含む画像)を特定するためのクーポンデータが、提供サーバから消費者端末に送信される。そして、このクーポンデータに基づき、消費者端末に接続されたプリンタでクーポン券が印刷される。消費者は、このように、消費者端末に接続されたプリンタで、バーコードさえ印刷可能な用紙であれば自由な用紙を用いて自らクーポン券を印刷することにより、手渡しなどに頼らず、必要なときにすぐにクーポン券を入手することができる。
【0015】
入手したクーポン券を店舗で利用する際には、店舗端末によってクーポン券上のバーコードが読み取られ、そのバーコードデータが店舗端末からネットワーク経由で利用管理サーバに送られて、そのクーポン券の利用の可否についてのデータ確認要求が行われる。
【0016】
利用管理サーバでは、バーコードデータに含まれていたハッシュ値を利用したクーポン券の改ざんの有無の確認結果と、クーポン券の利用履歴から、今回のクーポン券の利用の可否が確認されて、その確認結果が店舗端末に通知される。店舗端末を設置した店舗では、利用が可能であるという通知を受けた場合のみ、消費者にクーポン券の利用を許可することができる。
【0017】
このようにして、特定の消費者に、利用回数などが無制限でないクーポン券を、自ら印刷させることによって手渡しなどよりも低コストで提供することができ、しかも、印刷に失敗した場合やクーポン券を紛失した場合に自由に再印刷を認めながらも、改ざんによる利用や利用制限を越えた利用といった提供者側の意図しない態様でのクーポン券の利用を防止することができる。
【0018】
次に、本発明に係る提供サーバは、
クーポン券提供部と、
顧客IDを記憶するための顧客ID記憶部と、
クーポン券の種類を識別する広告IDを記憶した広告ID記憶部と、
ハッシュ値を生成するハッシュ値生成部と、
数値をバーコードに符号化するバーコード符号化部と、
バーコードを含むクーポン券の画像データを生成する画像データ生成部と
を備えており、
前記クーポン券提供部は、ネットワーク経由で外部の端末からのクーポン券の要求を受け付け、該要求を行った顧客の顧客IDを顧客ID記憶部に記憶し、該顧客IDと、前記広告ID記憶部内の広告IDのうち該要求のあったクーポン券に対応する広告IDとから前記ハッシュ値生成部でハッシュ値を生成させ、該顧客ID,該広告ID及び該ハッシュ値を前記バーコード符号化部でバーコードに符号化させ、該バーコードを含むクーポン券の画像データを前記画像データ生成部に生成させて、該画像データを特定するためのクーポンデータを前記要求のあった前記外部の端末に送信する
ことを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る利用管理サーバは、
顧客IDと、広告IDと、前記顧客ID及び前記広告IDから生成されたハッシュ値と
が符号化されたバーコードデータをネットワーク経由で外部の端末から受信して、クーポン券の利用の可否についてのデータ確認要求を受け付けるデータ受付部と、
前記データ受付部で受信したバーコードデータのバーコードを復号する復号化部と、
前記復号化部で復号されたバーコード中の前記顧客ID,前記広告ID,前記ハッシュ値をそれぞれ記憶するためのハッシュ値記憶部,顧客ID記憶部,広告ID記憶部と、
前記顧客ID記憶部内の顧客IDと、前記広告ID記憶部内の広告IDとからハッシュ値を生成するハッシュ値生成部と、
前記ハッシュ値生成部で生成されたハッシュ値と前記ハッシュ値記憶部内のハッシュ値との同一性の有無によってクーポン券の改ざんの有無を確認する改ざん確認部と、
前記顧客ID及び前記広告ID毎のクーポン券の利用履歴を記憶するための履歴記憶部と、
前記改ざん確認部での改ざんの有無の確認結果と、前記顧客ID記憶部内の顧客ID及び前記広告ID記憶部内の広告IDについての前記履歴記憶部内の利用履歴とに基づいて、今回のクーポン券の利用の可否を確認し、該確認の結果を前記店舗端末に通知するとともに、今回の利用が可能である場合には前記履歴記憶部に今回の利用の履歴を記憶させる利用制限確認部と
を備えたことを特徴とする。
【0020】
これらの提供サーバ,利用管理サーバは、前述の本発明に係る発券管理システムの構成要素であり、他のサーバや端末とともに本発明に係る発券管理システムを構成して、特定の消費者に、利用回数などが無制限でないクーポン券を低コストで提供するとともに、提供者側の意図しない利用を防止することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、特定の消費者に、利用回数などが無制限でないクーポン券を低コストで提供するとともに、改ざんによる利用や利用制限を越えた利用といった提供者側の意図しない態様でのクーポン券の利用を防止することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明を適用した発券管理システムの全体構成を示す図である。この発券管理システムは、ブロードバンド接続機能を有するデジタルテレビ向けのポータルサービスを行う会社が運営するものであり、このポータルサービス会社が保有・管理する提供サーバ1及び利用管理サーバ5と、個々の消費者宅のデジタルテレビ(消費者端末に該当)2及びプリンタ3と、クーポン券の利用先である各店舗(商品が販売される店舗や、サービスが提供される店舗)に設置された店舗端末4とが、インターネット6に接続されている。
【0023】
図2は、提供サーバ1の機能的な構成を示すブロック図であり、ネットワークIF(インターフェース)部10と各記憶部13〜16,20とはハードウェアで構成され、それ以外の部分はソフトウェアで構成される。
【0024】
顧客ID記憶部13は、クーポン券を要求した消費者の顧客ID(事前のユーザ登録によって消費者に付与したID)を記憶するためのものである。
【0025】
広告ID記憶部14は、クーポン券の種類を識別する広告IDを記憶するためのものである。利用条件記憶部15は、各広告ID毎に、クーポン券の利用条件の情報(割引対象,割引率,利用回数,利用期間,利用時間帯等の情報)を記憶するためのものである。広告画像記憶部16は、各広告IDに毎に、クーポン券に掲載する広告の画像データを記憶するためのものである。これらの記憶部14〜16に記憶される広告IDや利用条件情報や広告画像データは、ポータルサービス会社にクーポン券の発券を依頼する販売母体(商品を販売する企業や、サービスを提供する企業)から、インターネット等を介して供給される。
【0026】
ハッシュ値生成部18は、顧客ID記憶部13内の顧客IDと、広告ID記憶部14内の広告IDと、利用条件記憶部15内の利用条件情報とから、ハッシュ関数を用いてハッシュ値を生成するものである。ハッシュ値生成部18で用いるハッシュ関数としては、例えば、顧客ID,広告ID,利用条件情報のそれぞれ下位の所定数の数字または記号を表すASCIIコードを合計するというものが挙げられる。
【0027】
暗号キー記憶部20には、提供サーバ1の設定時に、暗号キーとして共通鍵が記憶されている。暗号キー調整部12は、利用管理サーバ5(図1)からの要求に基づき、暗号キー記憶部20内の共通鍵を利用管理サーバ5(図1)に送信するものである。暗号化部21は、顧客ID記憶部13内の顧客IDと、広告ID記憶部14内の広告IDと、利用条件記憶部15内の利用条件情報と、ハッシュ値生成部18で生成されたハッシュ値とのうちの一部(例えばハッシュ値のみであるとか顧客IDのみ)または全部を、暗号キー記憶部20内の共通鍵を用いて暗号化するものである。なお、暗号化や復号化の処理に必要な時間を短縮するためには、暗号化の範囲を全部ではなく一部に限定するほうが望ましい。
【0028】
バーコード符号化部19は、暗号化部21によって暗号化された顧客ID,広告ID,利用条件情報及びハッシュ値を、JIS規格等によって定められたバーコードに符号化するものである。図3は、バーコード符号化部19でのバーコードの生成方法の一例を、ハッシュ値生成部18及び暗号化部21の処理とともに示す図である。顧客IDと、広告IDと、利用条件情報と、それらからハッシュ関数を用いて生成されたハッシュ値とが、暗号化された後、読み取りエラーの検出やエラー訂正を行うためのチェックビットを付与されて、バーコードのキャラクタC1〜Cnに変換される。キャラクタC1〜Cnの前後には、バーコードを正確に読み取れるようにするために、何も記述しないクワイエットゾーンや、バーコードの始点,終点を示すスタートキャラクタ,ストップキャラクタが設けられる。
【0029】
図2において、クーポン生成部17は、バーコード符号化部19によって生成されたバーコードと広告画像記憶部16内の広告画像データとを含んだクーポン券の画像データを生成して、その画像データを提供サーバ1内の特定のURLに保管するものである。
【0030】
クーポン提供部11は、デジタルテレビ2(図1)からの要求に基づき、前述のハッシュ値生成部18,暗号化部21,バーコード符号化部19及びクーポン生成部17を起動させ、クーポン生成部17がクーポン券の画像データを保管したURLを示すデータを、
クーポンデータ(クーポン券の画像データを特定するためのデータ)としてデジタルテレビ2に送信するものである。
【0031】
図1の各デジタルテレビ2は、ハードウェアとしては、ブロードバンド接続機能を有する通常のデジタルテレビである。こうしたデジタルテレビは、例えば、データ放送によって各種の商品やサービスの広告を行うとともに、それらの商品やサービスの割引等を受けるためのクーポン券をインターネット経由で取得させるという使用方法が可能である。
【0032】
図4は、デジタルテレビ2のうち、本発明と関連する部分のみの機能的な構成を示すブロック図であり、ネットワークIF部31はハードウェアで構成され、それ以外の部分はソフトウェアで構成される。
【0033】
クーポン受信部30は、前述の顧客IDを入力してログインした消費者がいずれかの商品またはサービスについてのクーポン券を選択する操作を行うことに基づき、提供サーバ1にクーポン券を要求して、前述のクーポンデータ(URLを示すデータ)を受信するものである。
【0034】
印刷制御部32は、クーポン受信部30で受信されたクーポンデータをインターネット6経由で同じ消費者宅のプリンタ3に転送して、クーポン券の印刷を指示するものである。プリンタ3は、この指示に基づき、クーポンデータが示すURLにアクセスして、クーポン券を印刷する。
【0035】
図1の各店舗端末4は、バーコードスキャナ付きのレジスタ(金銭登録器)と、ネットワークIF付きのコンピュータとから成る端末であり、既存のPOSシステムと比較的似たハードウェア構成とすることができる。図5は、店舗端末4の機能的な構成を示すブロック図であり、バーコード読み取り部(バーコードスキャナ)40と課金処理部(レジスタ)42とネットワークIF部43とはハードウェアで構成され、データ確認部41はソフトウェアで構成される。
【0036】
データ確認部41は、バーコード読み取り部40でクーポン券から読み取ったバーコードデータを利用管理サーバ5(図1)に送って、そのクーポン券が利用可能であるか否かのデータ確認要求を行い、利用管理サーバ5から通知された確認結果に応じた金額(クーポン券が利用可能である場合にはクーポン券の割引率に従って割り引いた金額、クーポン券が利用不可能である場合には割り引かない金額)での課金処理を課金処理部42に指示するものである。
【0037】
図6は、図1の利用管理サーバ5の機能的な構成を示すブロック図であり、ネットワークIF部51と各記憶部53,55〜58,62とはハードウェアで構成され、それ以外の部分はソフトウェアで構成される。
【0038】
データ受付部50は、店舗端末4(図1,図5)からバーコードデータを受信して前述のデータ確認要求を受け付けるものである。
【0039】
暗号キー記憶部53は、暗号キーを記憶するためのものである。暗号キー調整部54は、利用管理サーバ5の管理者の操作に基づき、提供サーバ1(図1,図2)に共通鍵を要求し、提供サーバ1から送られた共通鍵を暗号キー記憶部53に記憶させるものである。
【0040】
復号化部52は、バーコードデータのバーコードを復号するとともに、復号したバーコード中の顧客ID,広告ID,利用条件情報,ハッシュ値(図3)のうちの暗号化されている部分を、暗号キー記憶部53内の共通鍵を用いて復号するものである。
【0041】
ハッシュ値記憶部55,顧客ID記憶部56,広告ID記憶部57,利用条件記憶部58は、復号化部52で復号されたバーコード中の顧客ID,広告ID,利用条件情報,ハッシュ値をそれぞれ記憶するためのものである。
【0042】
ハッシュ値生成部60は、顧客ID記憶部56内の顧客IDと、広告ID記憶部57内の広告IDと、利用条件記憶部58内の利用条件情報とから、提供サーバ1内のハッシュ値生成部18(図2)と同じハッシュ関数を用いてハッシュ値を生成するものである。
【0043】
改ざん確認部59は、ハッシュ値生成部60で生成されたハッシュ値とハッシュ値記憶部55内のハッシュ値とを比較し、両者のハッシュ値が同じであればクーポン券の改ざんがなかったと判断し、両者のハッシュ値が異なっていればクーポン券が改ざんされていると判断するものである。
【0044】
履歴記憶部62は、顧客ID及び広告ID毎のクーポン券の利用履歴(各店舗での利用回数等)を記憶するためのものである。履歴登録部61は、履歴記憶部62への利用履歴の書き込みを行うものである。
【0045】
利用制限確認部63は、改ざん確認部59での改ざんの有無の確認結果と、顧客ID記憶部56内の顧客ID及び広告ID記憶部57内の広告IDについての履歴記憶部62内の利用履歴と、利用条件記憶部58内の利用条件情報とに基づき、今回のクーポン券の利用の可否を確認するものである。すなわち、改ざん確認部59で改ざんされていると判断された場合には、無条件に、今回の利用が可能でないと判断する。他方、改ざん確認部59で改ざんがなかったと判断された場合には、利用履歴と、利用条件情報中の利用回数等の利用制限の情報とに基づいて、今回の利用が利用制限の範囲内であるかを確認する。そして、利用制限の範囲を超えている場合には、今回の利用が可能でないと判断し、利用制限の範囲内である場合には、今回の利用が可能であると判断する。
【0046】
利用制限確認部63は、このような利用の可否の確認結果を店舗端末4に通知する(利用が可能である場合には利用条件情報中の割引対象や割引率の情報も併せて送信する)とともに、利用が可能である場合には、履歴登録部61に対し、今回の利用を履歴記憶部62内の利用履歴に追加することを指示する。
【0047】
図7は、以上に延べた構成の発券管理システムのうちの提供サーバ1が実行する登録・提供処理を示すフローチャートである。この処理では、まず、いずれかのデジタルテレビ2からいずれかの商品またはサービスについてのクーポン券を要求されたのかを確認する(ステップS1)。要求された場合には、要求した顧客がログイン時に入力した顧客IDを記憶し(ステップS3)、その顧客IDと、広告ID記憶部14内の広告IDのうち要求されたクーポン券の広告IDと、利用条件記憶部15内の利用条件情報のうちその広告IDのクーポン券についての利用条件情報とから、ハッシュ値を計算する(ステップS4)。
【0048】
続いて、その顧客ID,広告ID,利用条件情報,ハッシュ値のうちの一部または全部を共通鍵で暗号化し(ステップS5)、暗号化した顧客ID,広告ID,利用条件情報及びハッシュ値をバーコードに符号化する(ステップS6)。そして、このバーコードと要求されたクーポン券の広告画像とを含んだクーポン券の画像データを生成し(ステップS7)、その画像データのURLを示すクーポンデータを、要求のあったデジタルテレビ2に送信して(ステップS8)、ステップS1に戻る。
【0049】
ステップS1においてクーポン券が要求されていなかった場合には、利用管理サーバ5から暗号キーが要求されたのかを確認する(ステップS2)。要求されていなかった場合には、ステップS1に戻る。要求された場合には、暗号キー記憶部20内の共通鍵を利用管理サーバ5に送信することによって提供サーバ1と利用管理サーバ5とで同じ共通鍵を利用可能にして(ステップS9)、ステップS1に戻る。
【0050】
図8は、デジタルテレビ2が実行するクーポン取得処理を示すフローチャートである。この処理では、まず、顧客IDを入力してログインした消費者がいずれかの商品またはサービスについてのクーポン券を選択する操作を行ったことに基づき、そのクーポン券を提供サーバ1に要求する(ステップS11)。そして、提供サーバ1から送信されたクーポンデータ(URLを示すデータ)を受信し(ステップS12)、同じ消費者宅のプリンタ3にそのクーポンデータを転送してクーポン券の印刷を指示し(ステップS13)、処理を終了する。
【0051】
図9は、店舗端末4が実行する課金処理を示すフローチャートである。この処理では、まず、消費者が印刷して持参したクーポン券のバーコードを読み取り(ステップS21)、読み取ったバーコードデータを利用管理サーバ5に送って、そのクーポン券が利用可能であるか否かのデータ確認要求を行う(ステップS22)。そして、利用管理サーバ5から通知された利用の可否に応じた金額を課金して(ステップS23)、処理を終了する。
【0052】
図10は、利用管理サーバ5が実行する登録・確認処理を示すフローチャートである。この処理では、まず、利用管理サーバ5の管理者によって暗号キーの取得操作が行われたかを確認する(ステップS31)。取得操作が行なわれた場合には、提供サーバ1に暗号キーを要求し(ステップS33)、提供サーバ1から送られた暗号キー(共通鍵)を暗号キー記憶部53に記憶して(ステップS34)、ステップS31に戻る。
【0053】
ステップS31において取得操作が行なわれていなかった場合には、いずれかの店舗端末4からデータ確認要求があったかを確認する(ステップS32)。データ確認要求がなかった場合には、ステップS31に戻る。データ確認要求があった場合には、その店舗端末4から送られたバーコードデータを復号して顧客ID,広告ID,利用条件情報,ハッシュ値をそれぞれ記憶し(ステップS35)、記憶した顧客IDと広告IDと利用条件情報とからハッシュ値を計算して(ステップS36)、計算したハッシュ値と記憶したハッシュ値との同一性の有無により、クーポン券の改ざんの有無を確認する(ステップS37)。
【0054】
改ざんされていた場合には、そのクーポン券が利用できないことを、データ確認要求のあった店舗端末4に通知して(ステップS40)、ステップS31に戻る。
【0055】
改ざんがなかった場合には、記憶した顧客ID,広告ID及び利用条件情報とその顧客ID及び広告IDについてのクーポン券の利用履歴とから、今回の利用が利用制限の範囲内であるかを確認する(ステップS38)。
【0056】
利用制限の範囲を超えている場合には、そのクーポン券が利用できないことを、データ確認要求のあった店舗端末4に通知して(ステップS40)、ステップS31に戻る。利用制限の範囲内である場合には、今回の利用を利用履歴に追加し(ステップS39)、そのクーポン券が利用可能であることを、データ確認要求のあった店舗端末4に通知して(ステップS41)、ステップS31に戻る。
【0057】
図11は、この発券管理システムにおいて授受されるデータ等を、販売母体も含めて示す図である(デジタルテレビ2と店舗端末4と販売母体6とは、図示の都合上1つずつ示している)。販売母体7からは、クーポン券の種類を識別する広告IDや、広告ID毎のクーポン券の利用条件情報(割引対象,割引率,利用回数,利用期間,利用時間帯等)の情報や、各クーポン券に掲載する広告の画像データが提供サーバ1に送られる。
【0058】
デジタルテレビ2からはクーポン券が提供サーバ1に要求され、提供サーバ1からはクーポンデータ(クーポン券の画像データが存在するURLのデータ)がデジタルテレビ2に送られる。デジタルテレビ2からは、このクーポンデータが同じ消費者宅のプリンタ3に転送されて、クーポン券の印刷が指示される。
【0059】
利用管理サーバ5からは暗号キーが提供サーバ1に要求され、提供サーバ1からは暗号キーが利用管理サーバ5に送られる。
【0060】
店舗端末4からはバーコードデータとともにデータ確認要求が利用管理サーバ5に送られ、利用管理サーバ5からはクーポン券の利用の可否の確認結果が店舗端末4に通知される。
【0061】
次に、この発券管理システムにおいて、消費者にクーポン券が提供される様子や、そのクーポン券が利用される様子について説明する。
【0062】
例えばデジタルテレビ2で或る商品を宣伝するデータ放送を視聴した消費者が、顧客IDを入力してログインし、その商品についてのクーポン券を選択する操作を行うと、デジタルテレビ2から提供サーバ1にそのクーポン券が要求される。
【0063】
そして、そのクーポン券の画像データ(顧客IDと、そのクーポン券に対応する広告IDと、そのクーポン券についての利用条件情報と、それらのID及び利用条件情報から生成したハッシュ値とを、一部または全部暗号化した後符号化したバーコードを含む画像)を特定するためのクーポンデータが、提供サーバ1からデジタルテレビ2に送信される。そして、このクーポンデータに基づき、同じ消費者宅のプリンタ3でクーポン券が印刷される。消費者は、このように、デジタルテレビ2に接続されたプリンタ3で、バーコードさえ印刷可能な用紙であれば自由な用紙を用いて自らクーポン券を印刷することにより、手渡しなどに頼らず、必要なときにすぐにクーポン券を入手することができる。
【0064】
その消費者が、その商品が販売されている店舗でそのクーポン券を利用する際には、店舗端末4によってクーポン券上のバーコードが読み取られ、そのバーコードデータが店舗端末4から利用管理サーバ5に送られて、そのクーポン券が利用可能であるか否かのデータ確認要求が行われる。
【0065】
利用管理サーバ5では、バーコードデータに含まれていたハッシュ値を利用したクーポン券の改ざんの有無の確認結果と、クーポン券の利用履歴から、今回のクーポン券の利用の可否が確認されて、その確認結果が店舗端末4に通知される。店舗端末4では、利用が可能であるという通知を受けた場合のみ、クーポン券の割引率に従って割り引いた金額で課金処理が行われる。
【0066】
このようにして、特定の消費者(ポータルサービスを利用し、且つユーザ登録した消費者であるが、ユーザ登録時の年齢や性別等によってさらに対象を絞ってもよい)に、利用回数などが無制限でないクーポン券を、自ら印刷させることによって手渡しなどよりも低コストで提供することができ、しかも、印刷に失敗した場合やクーポン券を紛失した場合に自由に再印刷を認めながらも、改ざん(顧客IDや割引対象,割引率,利用期間等の情報の書き換え)による利用や利用制限の範囲を越えた利用(複数枚印刷することによる利用回数を超えた利用等)といった提供者側の意図しない態様でのクーポン券の利用を防止することができる。
【0067】
そして、販売母体は、このクーポン券の利用状況から、低コストで消費者の消費動向を正確に調べることができる。
【0068】
最後に、以上に説明した発券管理システムの構成等に対する変更例をいくつか説明する。
〔変更例1〕
提供サーバ1,利用管理サーバ5が同じ共通鍵を用いて暗号化,復号化を行う代わりに、利用管理サーバ5が秘密鍵を暗号キー記憶部53に記憶しておくとともに提供サーバ1がその秘密鍵と対になる公開鍵を暗号キー記憶部20に記憶しておき、提供サーバ1がその公開鍵を用いて暗号化を行い、利用管理サーバ5がその秘密鍵を用いて復号化を行うようにしてもよい。それにより、提供サーバ1と利用管理サーバ5との間で暗号キーを送受信する必要がなくなるので、暗号キーをより安全に管理することが可能になる。
【0069】
〔変更例2〕
上記変更例1のように秘密鍵及び公開鍵を用いる場合に、利用管理サーバ5の機能のうち、クーポン券の改ざんの有無を確認する機能である図6の復号化部52,暗号キー記憶部53,暗号キー調整部54,ハッシュ値記憶部55,顧客ID記憶部56,広告ID記憶部57,利用条件記憶部58,改ざん確認部59及びハッシュ値生成部60の機能を個々の店舗端末4のほうに移し、利用管理サーバ5では今回のクーポン券の利用が利用制限の範囲内であるかの確認のみを行うようにしてもよい。それにより、店舗端末4の数が多い場合などに利用管理サーバ5の負荷を低減することが可能になる。
【0070】
〔変更例3〕
提供サーバ1,利用管理サーバ5はいずれもポータルサービス会社が保有するものなので、1台のサーバに提供サーバ1としての機能と利用管理サーバ5としての機能とを併せ持たせるようにしてもよい。それにより、ネットワーク経由で暗号キーを授受する必要がなくなるので、暗号キーをより安全に管理することが可能になる。
【0071】
〔変更例4〕
処理時間を短縮する観点から、提供サーバ1において、顧客ID,広告ID,利用条件情報及びハッシュ値を、暗号化することなくバーコードに符号化するようにしてもよい。そうした場合にも、利用管理サーバ5の側ではハッシュ値の同一性の有無によって改ざんの有無を確認することが可能である。ただし、暗号化しない場合にはクーポン券のバーコードそのものから顧客IDや広告IDや利用条件情報が見破られる可能性が皆無ではないので、改ざんをより確実に防止するためには暗号化を行うことが望ましい。
【0072】
〔変更例5〕
クーポン券の利用回数や利用期間等の利用制限を示す情報を、販売母体から提供サーバ1に供給してクーポン券のバーコードの一部とする代わりに、販売母体から利用管理サーバ5に供給して、利用管理サーバ5で顧客ID及び広告ID毎にその情報を記憶しておく(利用制限確認部63はその記憶している情報に基づいて利用制限の範囲内であるかの確認を行う)ようにしてもよい。
【0073】
〔変更例6〕
プリンタ3をインターネットに接続せずにUSB等でデジタルテレビ2に接続し、提供サーバ1からクーポンデータ(クーポン券の画像データを特定するためのデータ)としてクーポン券の画像データそのものをデジタルテレビ2に送信し、この画像データをデジタルテレビ2がプリンタ3に送って印刷を行わせるようにしてもよい。
【0074】
〔変更例7〕
顧客IDとして、ユーザ登録した消費者に付与したIDではなく、デジタルテレビ2の機器IDを用いるようにしてもよい。
【0075】
〔変更例8〕
提供サーバ1・利用管理サーバ5間をインターネットではなく専用ネットワークで接続したり、店舗端末4・利用管理サーバ5間をインターネットではなく専用ネットワークで接続してもよい。
【0076】
〔変更例9〕
デジタルテレビ2以外のネットワーク接続可能な端末(例えばパーソナルコンピュータや携帯情報端末等)を消費者端末として使用してもよい。また、例えばテレビ放送を用いずにインターネットのみを用いて商品やサービスを広告してクーポン券を取得させる場合には、提供サーバ1及び利用管理サーバ5を、ポータルサービス会社ではなくネットワーク上でショッピングサイト等を運営する会社が保有・管理するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明を適用した発券管理システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1の提供サーバの機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】提供サーバでのバーコードの生成方法を例示する図である。
【図4】デジタルテレビのうち、本発明と関連する部分のみの機能的な構成を示すブロック図である。
【図5】図1の店舗端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図6】図1の利用管理サーバの機能的な構成を示すブロック図である。
【図7】図1の提供サーバの処理を示すフローチャートである。
【図8】クーポン券取得のための図1のデジタルテレビの処理を示すフローチャートである。
【図9】図1の店舗端末の処理を示すフローチャートである。
【図10】図1の利用管理サーバの処理を示すフローチャートである。
【図11】図1の発券管理システムにおいて授受されるデータ等を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1 提供サーバ、 2 デジタルテレビ、 3 プリンタ、 4 店舗端末、 5 利用管理サーバ、 6 インターネット、 10 ネットワークIF部、 11 クーポン提供部、 12 暗号キー調整部、 13 顧客ID記憶部、 14 広告ID記憶部、 15 利用条件記憶部、 16 広告画像記憶部、 17 クーポン生成部、 18 ハッシュ値生成部、 19 バーコード符号化部、 20 暗号キー記憶部、 21 暗号化部、 30 クーポン受信部、 31 ネットワークIF部、 32 印刷制御部、 40 バーコード読み取り部、 41 データ確認部、 42 課金処理部、 43 ネットワークIF部、 50 データ受付部、 51 ネットワークIF部、 52 復号化部、 53 暗号キー記憶部、 54 暗号キー調整部、 55 ハッシュ値記憶部、 56 顧客ID記憶部、 57 広告ID記憶部、 58 利用条件記憶部、 59 改ざん確認部、 60 ハッシュ値生成部、 61 履歴登録部、 62 履歴記憶部、 63 利用制限確認部
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の消費者に、利用制限のあるクーポン券を提供するためのシステム及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、消費者が店舗において商品の購入などを行なう際に、クーポン券を利用して割引を受けることが可能である。通常、クーポン券は、新聞の折り込み広告として提供されたり、街中でパンフレットと同時に手渡されたり、また特定の利用者のみに限定したクーポン券などはダイレクトメールなどで郵送することにより提供されている。また、クーポン券の提供相手を限定せず、期間を限定したり、一枚あたりの購入商品数や適用人数を制限したりするだけのクーポン券については、インターネット上のウェブページで提供され、消費者自らのプリンタで印刷し、利用することが可能である。
【0003】
しかしながら、消費者の年齢や性別、購買履歴等々により消費者を分類し、さらに、クーポン券もそれにわせて利用形態を分け、クーポン券の狙いを絞る場合を考えると、街中で相手を確認しながらクーポン券を手渡したり、ダイレクトメールを送付したりするなど、多くのコストが必要となってしまう。
【0004】
また、インターネットによりクーポン券を提供し、消費者が自ら印刷した場合には提供コストは低下するが、この場合は消費者が自由に印刷できることになるので、何枚も印刷してしまって友人に配布してしまう可能性があるほか、クーポン券上で管理情報を提供するバーコードの規格はJIS規格などで公開されており、また、印刷するのはスキャナがついたプリンタや画像を編集できるパソコンであるため、クーポン券の割引情報や管理情報などを書き換えて印刷し、提供側が意図しない利用が行なわれる可能性もある。
【0005】
逆に、一回しか印刷を認めないようにするとプリンタの印刷失敗に対応できず、たとえ出力枚数を制限したとしても、消費者みずから準備する用紙にはすかしなどないため、スキャナで取り込まれれば複製も改ざんも可能である。
【0006】
一方、非接触ICカードなどを用いた携帯電話にクーポン券情報をダウンロードして、携帯電話の非接触ICカードをクーポン券代わりに店舗端末に近づけ、クーポン券を利用することも最近は出来るようになってきた。しかし、このような端末の利用者はいまだ限定されている他、どこの店舗でも利用可能な設備があるわけでもなく、紙でできたクーポン券は非常に高い利便性を持っている。
【0007】
このように、特定の消費者にターゲットを絞って、無制限な利用ではなく、利用制限をかけた、どこでも使えるクーポン券を提供するためには、手渡しや郵送に依存しており、クーポン券の提供コストが高い。そのため、消費者には割引率が低くなったり、クーポン券が提供されず、また、提供側としてもクーポン券により狙った顧客を呼んだり、その利用をマーケティングデータとして取得するコストが高くなってしまっている。
【0008】
なお、文献上、クーポン券に関連する発明としては、次のようなものが提案されている。
・クーポン券にバーコードとOCR文字列とを所定の位置関係で印刷しておき、小売店に収集されたクーポン券からこのバーコード及びOCR文字列を読み取ることにより、顧客動向情報や清算情報を生成するもの(特許文献1)。
・チラシや情報提供サイトにアクセスした消費者しかクーポン券を利用できないとい問題点(段落0005)を解決するために、ユーザシステム102(段落0035〜0037,図1)と、ユーザシステム102でのクーポン券の発券管理を行う管理サーバ101(段落0038〜0042,図1)とを設け、ユーザシステム102を所有するユーザが、複数枚のクーポン券を印刷して他の消費者に手渡し等で配布する(段落0069)もの(特許文献2)。
【0009】
しかし、上記特許文献1に記載の発明は、消費者が利用を済ませたクーポン券から提供者側が有効な情報を得るようにしたものであり、消費者にクーポン券を提供する方法に関するものではない。
【0010】
また、上記特許文献2に記載の発明では、実際にクーポン券を利用する消費者には、従来と同様手渡し等でクーポン券を配布するので、配布を行ったユーザに対価の還元を払う(段落0069)ことによってやはりクーポン券の提供コストがかかる。また、クーポン券の印刷出力枚数を制限した例(請求項3,段落0074〜0079,図13)も存在しており、あくまで、一般の消費者のプリンタで自由に印刷するのではなく、管理サーバ101によって管理される特殊なユーザシステム102において印刷することを念頭においたものである。
【0011】
【特許文献1】特開昭63−311474号公報
【特許文献2】特開2005−316579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述の点に鑑み、特定の消費者に、利用回数などが無制限でないクーポン券を低コストで提供できるとともに、提供者側の意図しない利用を防止できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明に係る発券管理システムは、
提供サーバと、消費者端末と、店舗端末と、利用管理サーバとがネットワークに接続されており、
前記提供サーバは、
クーポン券提供部と、
顧客IDを記憶するための顧客ID記憶部と、
クーポン券の種類を識別する広告IDを記憶した広告ID記憶部と、
ハッシュ値を生成するハッシュ値生成部と、
数値をバーコードに符号化するバーコード符号化部と、
バーコードを含むクーポン券の画像データを生成する画像データ生成部と
を備えており、
前記クーポン券提供部は、前記消費者端末からのクーポン券の要求を受け付け、該要求を行った顧客の顧客IDを顧客ID記憶部に記憶し、該顧客IDと、前記広告ID記憶部内の広告IDのうち該要求のあったクーポン券に対応する広告IDとから前記ハッシュ値生成部でハッシュ値を生成させ、該顧客ID,該広告ID及び該ハッシュ値を前記バーコード符号化部でバーコードに符号化させ、該バーコードを含むクーポン券の画像データを前記画像データ生成部に生成させて、該画像データを特定するためのクーポンデータを前記要求のあった前記消費者端末に送信し、
前記消費者端末は、
前記提供サーバにクーポン券を要求して、前記クーポンデータを受信するクーポン受信部と、
前記クーポン受信部で受信した前記クーポンデータを、該消費者端末に接続されたプリンタに転送して、前記クーポン券の印刷を指示する印刷制御部と
を備え、
前記店舗端末は、
クーポン券からバーコードを読み取るバーコード読み取り部と、
前記バーコード読み取り部で読み取ったバーコードデータを前記利用管理サーバに送って、前記クーポン券の利用の可否についてのデータ確認要求を行うデータ確認部と
を備え、
前記利用管理サーバは、
前記店舗端末から前記バーコードデータを受信して前記データ確認要求を受け付けるデータ受付部と、
前記データ受付部で受信したバーコードデータのバーコードを復号する復号化部と、
前記復号化部で復号されたバーコード中の前記顧客ID,前記広告ID,前記ハッシュ値をそれぞれ記憶するためのハッシュ値記憶部,顧客ID記憶部,広告ID記憶部と、
前記顧客ID記憶部内の顧客IDと、前記広告ID記憶部内の広告IDとからハッシュ値を生成するハッシュ値生成部と、
前記ハッシュ値生成部で生成されたハッシュ値と前記ハッシュ値記憶部内のハッシュ値との同一性の有無によってクーポン券の改ざんの有無を確認する改ざん確認部と、
前記顧客ID及び前記広告ID毎のクーポン券の利用履歴を記憶するための履歴記憶部と、
前記改ざん確認部での改ざんの有無の確認結果と、前記顧客ID記憶部内の顧客ID及び前記広告ID記憶部内の広告IDについての前記履歴記憶部内の利用履歴とに基づいて、今回のクーポン券の利用の可否を確認し、該確認の結果を前記店舗端末に通知するとともに、今回の利用が可能である場合には前記履歴記憶部に今回の利用の履歴を記憶させる利用制限確認部と
を備えたことを特徴とする。
【0014】
この発券管理システムでは、消費者端末からネットワーク経由で提供サーバにクーポン券を要求すると、要求したクーポン券の画像(顧客IDと、要求のあったクーポン券に対応する広告IDと、これらのIDから生成したハッシュ値とを符号化したバーコードを含む画像)を特定するためのクーポンデータが、提供サーバから消費者端末に送信される。そして、このクーポンデータに基づき、消費者端末に接続されたプリンタでクーポン券が印刷される。消費者は、このように、消費者端末に接続されたプリンタで、バーコードさえ印刷可能な用紙であれば自由な用紙を用いて自らクーポン券を印刷することにより、手渡しなどに頼らず、必要なときにすぐにクーポン券を入手することができる。
【0015】
入手したクーポン券を店舗で利用する際には、店舗端末によってクーポン券上のバーコードが読み取られ、そのバーコードデータが店舗端末からネットワーク経由で利用管理サーバに送られて、そのクーポン券の利用の可否についてのデータ確認要求が行われる。
【0016】
利用管理サーバでは、バーコードデータに含まれていたハッシュ値を利用したクーポン券の改ざんの有無の確認結果と、クーポン券の利用履歴から、今回のクーポン券の利用の可否が確認されて、その確認結果が店舗端末に通知される。店舗端末を設置した店舗では、利用が可能であるという通知を受けた場合のみ、消費者にクーポン券の利用を許可することができる。
【0017】
このようにして、特定の消費者に、利用回数などが無制限でないクーポン券を、自ら印刷させることによって手渡しなどよりも低コストで提供することができ、しかも、印刷に失敗した場合やクーポン券を紛失した場合に自由に再印刷を認めながらも、改ざんによる利用や利用制限を越えた利用といった提供者側の意図しない態様でのクーポン券の利用を防止することができる。
【0018】
次に、本発明に係る提供サーバは、
クーポン券提供部と、
顧客IDを記憶するための顧客ID記憶部と、
クーポン券の種類を識別する広告IDを記憶した広告ID記憶部と、
ハッシュ値を生成するハッシュ値生成部と、
数値をバーコードに符号化するバーコード符号化部と、
バーコードを含むクーポン券の画像データを生成する画像データ生成部と
を備えており、
前記クーポン券提供部は、ネットワーク経由で外部の端末からのクーポン券の要求を受け付け、該要求を行った顧客の顧客IDを顧客ID記憶部に記憶し、該顧客IDと、前記広告ID記憶部内の広告IDのうち該要求のあったクーポン券に対応する広告IDとから前記ハッシュ値生成部でハッシュ値を生成させ、該顧客ID,該広告ID及び該ハッシュ値を前記バーコード符号化部でバーコードに符号化させ、該バーコードを含むクーポン券の画像データを前記画像データ生成部に生成させて、該画像データを特定するためのクーポンデータを前記要求のあった前記外部の端末に送信する
ことを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る利用管理サーバは、
顧客IDと、広告IDと、前記顧客ID及び前記広告IDから生成されたハッシュ値と
が符号化されたバーコードデータをネットワーク経由で外部の端末から受信して、クーポン券の利用の可否についてのデータ確認要求を受け付けるデータ受付部と、
前記データ受付部で受信したバーコードデータのバーコードを復号する復号化部と、
前記復号化部で復号されたバーコード中の前記顧客ID,前記広告ID,前記ハッシュ値をそれぞれ記憶するためのハッシュ値記憶部,顧客ID記憶部,広告ID記憶部と、
前記顧客ID記憶部内の顧客IDと、前記広告ID記憶部内の広告IDとからハッシュ値を生成するハッシュ値生成部と、
前記ハッシュ値生成部で生成されたハッシュ値と前記ハッシュ値記憶部内のハッシュ値との同一性の有無によってクーポン券の改ざんの有無を確認する改ざん確認部と、
前記顧客ID及び前記広告ID毎のクーポン券の利用履歴を記憶するための履歴記憶部と、
前記改ざん確認部での改ざんの有無の確認結果と、前記顧客ID記憶部内の顧客ID及び前記広告ID記憶部内の広告IDについての前記履歴記憶部内の利用履歴とに基づいて、今回のクーポン券の利用の可否を確認し、該確認の結果を前記店舗端末に通知するとともに、今回の利用が可能である場合には前記履歴記憶部に今回の利用の履歴を記憶させる利用制限確認部と
を備えたことを特徴とする。
【0020】
これらの提供サーバ,利用管理サーバは、前述の本発明に係る発券管理システムの構成要素であり、他のサーバや端末とともに本発明に係る発券管理システムを構成して、特定の消費者に、利用回数などが無制限でないクーポン券を低コストで提供するとともに、提供者側の意図しない利用を防止することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、特定の消費者に、利用回数などが無制限でないクーポン券を低コストで提供するとともに、改ざんによる利用や利用制限を越えた利用といった提供者側の意図しない態様でのクーポン券の利用を防止することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明を適用した発券管理システムの全体構成を示す図である。この発券管理システムは、ブロードバンド接続機能を有するデジタルテレビ向けのポータルサービスを行う会社が運営するものであり、このポータルサービス会社が保有・管理する提供サーバ1及び利用管理サーバ5と、個々の消費者宅のデジタルテレビ(消費者端末に該当)2及びプリンタ3と、クーポン券の利用先である各店舗(商品が販売される店舗や、サービスが提供される店舗)に設置された店舗端末4とが、インターネット6に接続されている。
【0023】
図2は、提供サーバ1の機能的な構成を示すブロック図であり、ネットワークIF(インターフェース)部10と各記憶部13〜16,20とはハードウェアで構成され、それ以外の部分はソフトウェアで構成される。
【0024】
顧客ID記憶部13は、クーポン券を要求した消費者の顧客ID(事前のユーザ登録によって消費者に付与したID)を記憶するためのものである。
【0025】
広告ID記憶部14は、クーポン券の種類を識別する広告IDを記憶するためのものである。利用条件記憶部15は、各広告ID毎に、クーポン券の利用条件の情報(割引対象,割引率,利用回数,利用期間,利用時間帯等の情報)を記憶するためのものである。広告画像記憶部16は、各広告IDに毎に、クーポン券に掲載する広告の画像データを記憶するためのものである。これらの記憶部14〜16に記憶される広告IDや利用条件情報や広告画像データは、ポータルサービス会社にクーポン券の発券を依頼する販売母体(商品を販売する企業や、サービスを提供する企業)から、インターネット等を介して供給される。
【0026】
ハッシュ値生成部18は、顧客ID記憶部13内の顧客IDと、広告ID記憶部14内の広告IDと、利用条件記憶部15内の利用条件情報とから、ハッシュ関数を用いてハッシュ値を生成するものである。ハッシュ値生成部18で用いるハッシュ関数としては、例えば、顧客ID,広告ID,利用条件情報のそれぞれ下位の所定数の数字または記号を表すASCIIコードを合計するというものが挙げられる。
【0027】
暗号キー記憶部20には、提供サーバ1の設定時に、暗号キーとして共通鍵が記憶されている。暗号キー調整部12は、利用管理サーバ5(図1)からの要求に基づき、暗号キー記憶部20内の共通鍵を利用管理サーバ5(図1)に送信するものである。暗号化部21は、顧客ID記憶部13内の顧客IDと、広告ID記憶部14内の広告IDと、利用条件記憶部15内の利用条件情報と、ハッシュ値生成部18で生成されたハッシュ値とのうちの一部(例えばハッシュ値のみであるとか顧客IDのみ)または全部を、暗号キー記憶部20内の共通鍵を用いて暗号化するものである。なお、暗号化や復号化の処理に必要な時間を短縮するためには、暗号化の範囲を全部ではなく一部に限定するほうが望ましい。
【0028】
バーコード符号化部19は、暗号化部21によって暗号化された顧客ID,広告ID,利用条件情報及びハッシュ値を、JIS規格等によって定められたバーコードに符号化するものである。図3は、バーコード符号化部19でのバーコードの生成方法の一例を、ハッシュ値生成部18及び暗号化部21の処理とともに示す図である。顧客IDと、広告IDと、利用条件情報と、それらからハッシュ関数を用いて生成されたハッシュ値とが、暗号化された後、読み取りエラーの検出やエラー訂正を行うためのチェックビットを付与されて、バーコードのキャラクタC1〜Cnに変換される。キャラクタC1〜Cnの前後には、バーコードを正確に読み取れるようにするために、何も記述しないクワイエットゾーンや、バーコードの始点,終点を示すスタートキャラクタ,ストップキャラクタが設けられる。
【0029】
図2において、クーポン生成部17は、バーコード符号化部19によって生成されたバーコードと広告画像記憶部16内の広告画像データとを含んだクーポン券の画像データを生成して、その画像データを提供サーバ1内の特定のURLに保管するものである。
【0030】
クーポン提供部11は、デジタルテレビ2(図1)からの要求に基づき、前述のハッシュ値生成部18,暗号化部21,バーコード符号化部19及びクーポン生成部17を起動させ、クーポン生成部17がクーポン券の画像データを保管したURLを示すデータを、
クーポンデータ(クーポン券の画像データを特定するためのデータ)としてデジタルテレビ2に送信するものである。
【0031】
図1の各デジタルテレビ2は、ハードウェアとしては、ブロードバンド接続機能を有する通常のデジタルテレビである。こうしたデジタルテレビは、例えば、データ放送によって各種の商品やサービスの広告を行うとともに、それらの商品やサービスの割引等を受けるためのクーポン券をインターネット経由で取得させるという使用方法が可能である。
【0032】
図4は、デジタルテレビ2のうち、本発明と関連する部分のみの機能的な構成を示すブロック図であり、ネットワークIF部31はハードウェアで構成され、それ以外の部分はソフトウェアで構成される。
【0033】
クーポン受信部30は、前述の顧客IDを入力してログインした消費者がいずれかの商品またはサービスについてのクーポン券を選択する操作を行うことに基づき、提供サーバ1にクーポン券を要求して、前述のクーポンデータ(URLを示すデータ)を受信するものである。
【0034】
印刷制御部32は、クーポン受信部30で受信されたクーポンデータをインターネット6経由で同じ消費者宅のプリンタ3に転送して、クーポン券の印刷を指示するものである。プリンタ3は、この指示に基づき、クーポンデータが示すURLにアクセスして、クーポン券を印刷する。
【0035】
図1の各店舗端末4は、バーコードスキャナ付きのレジスタ(金銭登録器)と、ネットワークIF付きのコンピュータとから成る端末であり、既存のPOSシステムと比較的似たハードウェア構成とすることができる。図5は、店舗端末4の機能的な構成を示すブロック図であり、バーコード読み取り部(バーコードスキャナ)40と課金処理部(レジスタ)42とネットワークIF部43とはハードウェアで構成され、データ確認部41はソフトウェアで構成される。
【0036】
データ確認部41は、バーコード読み取り部40でクーポン券から読み取ったバーコードデータを利用管理サーバ5(図1)に送って、そのクーポン券が利用可能であるか否かのデータ確認要求を行い、利用管理サーバ5から通知された確認結果に応じた金額(クーポン券が利用可能である場合にはクーポン券の割引率に従って割り引いた金額、クーポン券が利用不可能である場合には割り引かない金額)での課金処理を課金処理部42に指示するものである。
【0037】
図6は、図1の利用管理サーバ5の機能的な構成を示すブロック図であり、ネットワークIF部51と各記憶部53,55〜58,62とはハードウェアで構成され、それ以外の部分はソフトウェアで構成される。
【0038】
データ受付部50は、店舗端末4(図1,図5)からバーコードデータを受信して前述のデータ確認要求を受け付けるものである。
【0039】
暗号キー記憶部53は、暗号キーを記憶するためのものである。暗号キー調整部54は、利用管理サーバ5の管理者の操作に基づき、提供サーバ1(図1,図2)に共通鍵を要求し、提供サーバ1から送られた共通鍵を暗号キー記憶部53に記憶させるものである。
【0040】
復号化部52は、バーコードデータのバーコードを復号するとともに、復号したバーコード中の顧客ID,広告ID,利用条件情報,ハッシュ値(図3)のうちの暗号化されている部分を、暗号キー記憶部53内の共通鍵を用いて復号するものである。
【0041】
ハッシュ値記憶部55,顧客ID記憶部56,広告ID記憶部57,利用条件記憶部58は、復号化部52で復号されたバーコード中の顧客ID,広告ID,利用条件情報,ハッシュ値をそれぞれ記憶するためのものである。
【0042】
ハッシュ値生成部60は、顧客ID記憶部56内の顧客IDと、広告ID記憶部57内の広告IDと、利用条件記憶部58内の利用条件情報とから、提供サーバ1内のハッシュ値生成部18(図2)と同じハッシュ関数を用いてハッシュ値を生成するものである。
【0043】
改ざん確認部59は、ハッシュ値生成部60で生成されたハッシュ値とハッシュ値記憶部55内のハッシュ値とを比較し、両者のハッシュ値が同じであればクーポン券の改ざんがなかったと判断し、両者のハッシュ値が異なっていればクーポン券が改ざんされていると判断するものである。
【0044】
履歴記憶部62は、顧客ID及び広告ID毎のクーポン券の利用履歴(各店舗での利用回数等)を記憶するためのものである。履歴登録部61は、履歴記憶部62への利用履歴の書き込みを行うものである。
【0045】
利用制限確認部63は、改ざん確認部59での改ざんの有無の確認結果と、顧客ID記憶部56内の顧客ID及び広告ID記憶部57内の広告IDについての履歴記憶部62内の利用履歴と、利用条件記憶部58内の利用条件情報とに基づき、今回のクーポン券の利用の可否を確認するものである。すなわち、改ざん確認部59で改ざんされていると判断された場合には、無条件に、今回の利用が可能でないと判断する。他方、改ざん確認部59で改ざんがなかったと判断された場合には、利用履歴と、利用条件情報中の利用回数等の利用制限の情報とに基づいて、今回の利用が利用制限の範囲内であるかを確認する。そして、利用制限の範囲を超えている場合には、今回の利用が可能でないと判断し、利用制限の範囲内である場合には、今回の利用が可能であると判断する。
【0046】
利用制限確認部63は、このような利用の可否の確認結果を店舗端末4に通知する(利用が可能である場合には利用条件情報中の割引対象や割引率の情報も併せて送信する)とともに、利用が可能である場合には、履歴登録部61に対し、今回の利用を履歴記憶部62内の利用履歴に追加することを指示する。
【0047】
図7は、以上に延べた構成の発券管理システムのうちの提供サーバ1が実行する登録・提供処理を示すフローチャートである。この処理では、まず、いずれかのデジタルテレビ2からいずれかの商品またはサービスについてのクーポン券を要求されたのかを確認する(ステップS1)。要求された場合には、要求した顧客がログイン時に入力した顧客IDを記憶し(ステップS3)、その顧客IDと、広告ID記憶部14内の広告IDのうち要求されたクーポン券の広告IDと、利用条件記憶部15内の利用条件情報のうちその広告IDのクーポン券についての利用条件情報とから、ハッシュ値を計算する(ステップS4)。
【0048】
続いて、その顧客ID,広告ID,利用条件情報,ハッシュ値のうちの一部または全部を共通鍵で暗号化し(ステップS5)、暗号化した顧客ID,広告ID,利用条件情報及びハッシュ値をバーコードに符号化する(ステップS6)。そして、このバーコードと要求されたクーポン券の広告画像とを含んだクーポン券の画像データを生成し(ステップS7)、その画像データのURLを示すクーポンデータを、要求のあったデジタルテレビ2に送信して(ステップS8)、ステップS1に戻る。
【0049】
ステップS1においてクーポン券が要求されていなかった場合には、利用管理サーバ5から暗号キーが要求されたのかを確認する(ステップS2)。要求されていなかった場合には、ステップS1に戻る。要求された場合には、暗号キー記憶部20内の共通鍵を利用管理サーバ5に送信することによって提供サーバ1と利用管理サーバ5とで同じ共通鍵を利用可能にして(ステップS9)、ステップS1に戻る。
【0050】
図8は、デジタルテレビ2が実行するクーポン取得処理を示すフローチャートである。この処理では、まず、顧客IDを入力してログインした消費者がいずれかの商品またはサービスについてのクーポン券を選択する操作を行ったことに基づき、そのクーポン券を提供サーバ1に要求する(ステップS11)。そして、提供サーバ1から送信されたクーポンデータ(URLを示すデータ)を受信し(ステップS12)、同じ消費者宅のプリンタ3にそのクーポンデータを転送してクーポン券の印刷を指示し(ステップS13)、処理を終了する。
【0051】
図9は、店舗端末4が実行する課金処理を示すフローチャートである。この処理では、まず、消費者が印刷して持参したクーポン券のバーコードを読み取り(ステップS21)、読み取ったバーコードデータを利用管理サーバ5に送って、そのクーポン券が利用可能であるか否かのデータ確認要求を行う(ステップS22)。そして、利用管理サーバ5から通知された利用の可否に応じた金額を課金して(ステップS23)、処理を終了する。
【0052】
図10は、利用管理サーバ5が実行する登録・確認処理を示すフローチャートである。この処理では、まず、利用管理サーバ5の管理者によって暗号キーの取得操作が行われたかを確認する(ステップS31)。取得操作が行なわれた場合には、提供サーバ1に暗号キーを要求し(ステップS33)、提供サーバ1から送られた暗号キー(共通鍵)を暗号キー記憶部53に記憶して(ステップS34)、ステップS31に戻る。
【0053】
ステップS31において取得操作が行なわれていなかった場合には、いずれかの店舗端末4からデータ確認要求があったかを確認する(ステップS32)。データ確認要求がなかった場合には、ステップS31に戻る。データ確認要求があった場合には、その店舗端末4から送られたバーコードデータを復号して顧客ID,広告ID,利用条件情報,ハッシュ値をそれぞれ記憶し(ステップS35)、記憶した顧客IDと広告IDと利用条件情報とからハッシュ値を計算して(ステップS36)、計算したハッシュ値と記憶したハッシュ値との同一性の有無により、クーポン券の改ざんの有無を確認する(ステップS37)。
【0054】
改ざんされていた場合には、そのクーポン券が利用できないことを、データ確認要求のあった店舗端末4に通知して(ステップS40)、ステップS31に戻る。
【0055】
改ざんがなかった場合には、記憶した顧客ID,広告ID及び利用条件情報とその顧客ID及び広告IDについてのクーポン券の利用履歴とから、今回の利用が利用制限の範囲内であるかを確認する(ステップS38)。
【0056】
利用制限の範囲を超えている場合には、そのクーポン券が利用できないことを、データ確認要求のあった店舗端末4に通知して(ステップS40)、ステップS31に戻る。利用制限の範囲内である場合には、今回の利用を利用履歴に追加し(ステップS39)、そのクーポン券が利用可能であることを、データ確認要求のあった店舗端末4に通知して(ステップS41)、ステップS31に戻る。
【0057】
図11は、この発券管理システムにおいて授受されるデータ等を、販売母体も含めて示す図である(デジタルテレビ2と店舗端末4と販売母体6とは、図示の都合上1つずつ示している)。販売母体7からは、クーポン券の種類を識別する広告IDや、広告ID毎のクーポン券の利用条件情報(割引対象,割引率,利用回数,利用期間,利用時間帯等)の情報や、各クーポン券に掲載する広告の画像データが提供サーバ1に送られる。
【0058】
デジタルテレビ2からはクーポン券が提供サーバ1に要求され、提供サーバ1からはクーポンデータ(クーポン券の画像データが存在するURLのデータ)がデジタルテレビ2に送られる。デジタルテレビ2からは、このクーポンデータが同じ消費者宅のプリンタ3に転送されて、クーポン券の印刷が指示される。
【0059】
利用管理サーバ5からは暗号キーが提供サーバ1に要求され、提供サーバ1からは暗号キーが利用管理サーバ5に送られる。
【0060】
店舗端末4からはバーコードデータとともにデータ確認要求が利用管理サーバ5に送られ、利用管理サーバ5からはクーポン券の利用の可否の確認結果が店舗端末4に通知される。
【0061】
次に、この発券管理システムにおいて、消費者にクーポン券が提供される様子や、そのクーポン券が利用される様子について説明する。
【0062】
例えばデジタルテレビ2で或る商品を宣伝するデータ放送を視聴した消費者が、顧客IDを入力してログインし、その商品についてのクーポン券を選択する操作を行うと、デジタルテレビ2から提供サーバ1にそのクーポン券が要求される。
【0063】
そして、そのクーポン券の画像データ(顧客IDと、そのクーポン券に対応する広告IDと、そのクーポン券についての利用条件情報と、それらのID及び利用条件情報から生成したハッシュ値とを、一部または全部暗号化した後符号化したバーコードを含む画像)を特定するためのクーポンデータが、提供サーバ1からデジタルテレビ2に送信される。そして、このクーポンデータに基づき、同じ消費者宅のプリンタ3でクーポン券が印刷される。消費者は、このように、デジタルテレビ2に接続されたプリンタ3で、バーコードさえ印刷可能な用紙であれば自由な用紙を用いて自らクーポン券を印刷することにより、手渡しなどに頼らず、必要なときにすぐにクーポン券を入手することができる。
【0064】
その消費者が、その商品が販売されている店舗でそのクーポン券を利用する際には、店舗端末4によってクーポン券上のバーコードが読み取られ、そのバーコードデータが店舗端末4から利用管理サーバ5に送られて、そのクーポン券が利用可能であるか否かのデータ確認要求が行われる。
【0065】
利用管理サーバ5では、バーコードデータに含まれていたハッシュ値を利用したクーポン券の改ざんの有無の確認結果と、クーポン券の利用履歴から、今回のクーポン券の利用の可否が確認されて、その確認結果が店舗端末4に通知される。店舗端末4では、利用が可能であるという通知を受けた場合のみ、クーポン券の割引率に従って割り引いた金額で課金処理が行われる。
【0066】
このようにして、特定の消費者(ポータルサービスを利用し、且つユーザ登録した消費者であるが、ユーザ登録時の年齢や性別等によってさらに対象を絞ってもよい)に、利用回数などが無制限でないクーポン券を、自ら印刷させることによって手渡しなどよりも低コストで提供することができ、しかも、印刷に失敗した場合やクーポン券を紛失した場合に自由に再印刷を認めながらも、改ざん(顧客IDや割引対象,割引率,利用期間等の情報の書き換え)による利用や利用制限の範囲を越えた利用(複数枚印刷することによる利用回数を超えた利用等)といった提供者側の意図しない態様でのクーポン券の利用を防止することができる。
【0067】
そして、販売母体は、このクーポン券の利用状況から、低コストで消費者の消費動向を正確に調べることができる。
【0068】
最後に、以上に説明した発券管理システムの構成等に対する変更例をいくつか説明する。
〔変更例1〕
提供サーバ1,利用管理サーバ5が同じ共通鍵を用いて暗号化,復号化を行う代わりに、利用管理サーバ5が秘密鍵を暗号キー記憶部53に記憶しておくとともに提供サーバ1がその秘密鍵と対になる公開鍵を暗号キー記憶部20に記憶しておき、提供サーバ1がその公開鍵を用いて暗号化を行い、利用管理サーバ5がその秘密鍵を用いて復号化を行うようにしてもよい。それにより、提供サーバ1と利用管理サーバ5との間で暗号キーを送受信する必要がなくなるので、暗号キーをより安全に管理することが可能になる。
【0069】
〔変更例2〕
上記変更例1のように秘密鍵及び公開鍵を用いる場合に、利用管理サーバ5の機能のうち、クーポン券の改ざんの有無を確認する機能である図6の復号化部52,暗号キー記憶部53,暗号キー調整部54,ハッシュ値記憶部55,顧客ID記憶部56,広告ID記憶部57,利用条件記憶部58,改ざん確認部59及びハッシュ値生成部60の機能を個々の店舗端末4のほうに移し、利用管理サーバ5では今回のクーポン券の利用が利用制限の範囲内であるかの確認のみを行うようにしてもよい。それにより、店舗端末4の数が多い場合などに利用管理サーバ5の負荷を低減することが可能になる。
【0070】
〔変更例3〕
提供サーバ1,利用管理サーバ5はいずれもポータルサービス会社が保有するものなので、1台のサーバに提供サーバ1としての機能と利用管理サーバ5としての機能とを併せ持たせるようにしてもよい。それにより、ネットワーク経由で暗号キーを授受する必要がなくなるので、暗号キーをより安全に管理することが可能になる。
【0071】
〔変更例4〕
処理時間を短縮する観点から、提供サーバ1において、顧客ID,広告ID,利用条件情報及びハッシュ値を、暗号化することなくバーコードに符号化するようにしてもよい。そうした場合にも、利用管理サーバ5の側ではハッシュ値の同一性の有無によって改ざんの有無を確認することが可能である。ただし、暗号化しない場合にはクーポン券のバーコードそのものから顧客IDや広告IDや利用条件情報が見破られる可能性が皆無ではないので、改ざんをより確実に防止するためには暗号化を行うことが望ましい。
【0072】
〔変更例5〕
クーポン券の利用回数や利用期間等の利用制限を示す情報を、販売母体から提供サーバ1に供給してクーポン券のバーコードの一部とする代わりに、販売母体から利用管理サーバ5に供給して、利用管理サーバ5で顧客ID及び広告ID毎にその情報を記憶しておく(利用制限確認部63はその記憶している情報に基づいて利用制限の範囲内であるかの確認を行う)ようにしてもよい。
【0073】
〔変更例6〕
プリンタ3をインターネットに接続せずにUSB等でデジタルテレビ2に接続し、提供サーバ1からクーポンデータ(クーポン券の画像データを特定するためのデータ)としてクーポン券の画像データそのものをデジタルテレビ2に送信し、この画像データをデジタルテレビ2がプリンタ3に送って印刷を行わせるようにしてもよい。
【0074】
〔変更例7〕
顧客IDとして、ユーザ登録した消費者に付与したIDではなく、デジタルテレビ2の機器IDを用いるようにしてもよい。
【0075】
〔変更例8〕
提供サーバ1・利用管理サーバ5間をインターネットではなく専用ネットワークで接続したり、店舗端末4・利用管理サーバ5間をインターネットではなく専用ネットワークで接続してもよい。
【0076】
〔変更例9〕
デジタルテレビ2以外のネットワーク接続可能な端末(例えばパーソナルコンピュータや携帯情報端末等)を消費者端末として使用してもよい。また、例えばテレビ放送を用いずにインターネットのみを用いて商品やサービスを広告してクーポン券を取得させる場合には、提供サーバ1及び利用管理サーバ5を、ポータルサービス会社ではなくネットワーク上でショッピングサイト等を運営する会社が保有・管理するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明を適用した発券管理システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1の提供サーバの機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】提供サーバでのバーコードの生成方法を例示する図である。
【図4】デジタルテレビのうち、本発明と関連する部分のみの機能的な構成を示すブロック図である。
【図5】図1の店舗端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図6】図1の利用管理サーバの機能的な構成を示すブロック図である。
【図7】図1の提供サーバの処理を示すフローチャートである。
【図8】クーポン券取得のための図1のデジタルテレビの処理を示すフローチャートである。
【図9】図1の店舗端末の処理を示すフローチャートである。
【図10】図1の利用管理サーバの処理を示すフローチャートである。
【図11】図1の発券管理システムにおいて授受されるデータ等を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1 提供サーバ、 2 デジタルテレビ、 3 プリンタ、 4 店舗端末、 5 利用管理サーバ、 6 インターネット、 10 ネットワークIF部、 11 クーポン提供部、 12 暗号キー調整部、 13 顧客ID記憶部、 14 広告ID記憶部、 15 利用条件記憶部、 16 広告画像記憶部、 17 クーポン生成部、 18 ハッシュ値生成部、 19 バーコード符号化部、 20 暗号キー記憶部、 21 暗号化部、 30 クーポン受信部、 31 ネットワークIF部、 32 印刷制御部、 40 バーコード読み取り部、 41 データ確認部、 42 課金処理部、 43 ネットワークIF部、 50 データ受付部、 51 ネットワークIF部、 52 復号化部、 53 暗号キー記憶部、 54 暗号キー調整部、 55 ハッシュ値記憶部、 56 顧客ID記憶部、 57 広告ID記憶部、 58 利用条件記憶部、 59 改ざん確認部、 60 ハッシュ値生成部、 61 履歴登録部、 62 履歴記憶部、 63 利用制限確認部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
提供サーバと、消費者端末と、店舗端末と、利用管理サーバとがネットワークに接続されており、
前記提供サーバは、
クーポン券提供部と、
顧客IDを記憶するための顧客ID記憶部と、
クーポン券の種類を識別する広告IDを記憶した広告ID記憶部と、
ハッシュ関数を用いてハッシュ値を生成するハッシュ値生成部と、
数値をバーコードに符号化するバーコード符号化部と、
バーコードを含むクーポン券の画像データを生成する画像データ生成部と
を備えており、
前記クーポン券提供部は、前記消費者端末からのクーポン券の要求を受け付け、該要求を行った顧客の顧客IDを顧客ID記憶部に記憶し、該顧客IDと、前記広告ID記憶部内の広告IDのうち該要求のあったクーポン券に対応する広告IDとから前記ハッシュ値生成部でハッシュ値を生成させ、該顧客ID,該広告ID及び該ハッシュ値を前記バーコード符号化部でバーコードに符号化させ、該バーコードを含むクーポン券の画像データを前記画像データ生成部に生成させて、該画像データを特定するためのクーポンデータを前記要求のあった前記消費者端末に送信し、
前記消費者端末は、
前記提供サーバにクーポン券を要求して、前記クーポンデータを受信するクーポン受信部と、
前記クーポン受信部で受信した前記クーポンデータを、該消費者端末に接続されたプリンタに転送して、前記クーポン券の印刷を指示する印刷制御部と
を備え、
前記店舗端末は、
クーポン券からバーコードを読み取るバーコード読み取り部と、
前記バーコード読み取り部で読み取ったバーコードデータを前記利用管理サーバに送って、前記クーポン券の利用の可否についてのデータ確認要求を行うデータ確認部と
を備え、
前記利用管理サーバは、
前記店舗端末から前記バーコードデータを受信して前記データ確認要求を受け付けるデータ受付部と、
前記データ受付部で受信したバーコードデータのバーコードを復号する復号化部と、
前記復号化部で復号されたバーコード中の前記顧客ID,前記広告ID,前記ハッシュ値をそれぞれ記憶するためのハッシュ値記憶部,顧客ID記憶部,広告ID記憶部と、
前記顧客ID記憶部内の顧客IDと、前記広告ID記憶部内の広告IDとから、前記提供サーバ内の前記ハッシュ値生成部と同じハッシュ関数を用いてハッシュ値を生成するハッシュ値生成部と、
前記ハッシュ値生成部で生成されたハッシュ値と前記ハッシュ値記憶部内のハッシュ値との同一性の有無によってクーポン券の改ざんの有無を確認する改ざん確認部と、
前記顧客ID及び前記広告ID毎のクーポン券の利用履歴を記憶するための履歴記憶部と、
前記改ざん確認部での改ざんの有無の確認結果と、前記顧客ID記憶部内の顧客ID及び前記広告ID記憶部内の広告IDについての前記履歴記憶部内の利用履歴とに基づいて、今回のクーポン券の利用の可否を確認し、該確認の結果を前記店舗端末に通知するとともに、今回の利用が可能である場合には前記履歴記憶部に今回の利用の履歴を記憶させる利用制限確認部と
を備えたことを特徴とする発券管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の発券管理システムにおいて、
前記提供サーバは、クーポン券の利用条件の情報を記憶するための利用条件記憶部
をさらに備え、
前記提供サーバの前記クーポン券提供部は、
前記顧客IDと前記広告IDと前記利用条件の情報とから前記ハッシュ値生成部でハッシュ値を生成させ、該顧客ID,該広告ID,該利用条件の情報及び該ハッシュ値を前記バーコード符号化部でバーコードに符号化させて、該バーコードを含むクーポン券の画像データを前記クーポン券の画像データ生成部に生成させ、
前記利用管理サーバの前記利用制限確認部は、前記復号化部で復号されたバーコード中の前記利用条件の情報に基づき、今回の利用が利用制限の範囲内にあるか否かを確認する
ことを特徴とする発券管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の発券管理システムにおいて、
前記提供サーバは、
暗号キーを記憶した暗号キー記憶部と、
前記バーコード符号化部によってバーコードに符号化される前の前記顧客ID,前記広告ID及び前記ハッシュ値の少なくとも一部を、前記暗号キー記憶部内の暗号キーを用いて暗号化する暗号化部と
をさらに備え、
前記利用管理サーバは、
暗号キーを記憶するための暗号キー記憶部
をさらに備え、
前記利用管理サーバの前記復号化部は、復号したバーコード中の前記顧客ID,前記広告ID,前記ハッシュ値のうちの暗号化されている部分を、前記暗号キー記憶部内の暗号キーを用いて復号する
ことを特徴とする発券管理システム。
【請求項4】
クーポン券提供部と、
顧客IDを記憶するための顧客ID記憶部と、
クーポン券の種類を識別する広告IDを記憶した広告ID記憶部と、
ハッシュ値を生成するハッシュ値生成部と、
数値をバーコードに符号化するバーコード符号化部と、
バーコードを含むクーポン券の画像データを生成する画像データ生成部と
を備えており、
前記クーポン券提供部は、ネットワーク経由で外部の端末からのクーポン券の要求を受け付け、該要求を行った顧客の顧客IDを顧客ID記憶部に記憶し、該顧客IDと、前記広告ID記憶部内の広告IDのうち該要求のあったクーポン券に対応する広告IDとから前記ハッシュ値生成部でハッシュ値を生成させ、該顧客ID,該広告ID及び該ハッシュ値を前記バーコード符号化部でバーコードに符号化させ、該バーコードを含むクーポン券の画像データを前記画像データ生成部に生成させて、該画像データを特定するためのクーポンデータを前記要求のあった前記外部の端末に送信する
ことを特徴とする提供サーバ。
【請求項5】
請求項4に記載の提供サーバにおいて、
クーポン券の利用条件の情報を記憶するための利用条件記憶部
をさらに備え、
前記クーポン券提供部は、
前記顧客IDと前記広告IDと前記利用条件の情報とから前記ハッシュ値生成部でハッシュ値を生成させ、該顧客ID,該広告ID,該利用条件の情報及び該ハッシュ値を前記バーコード符号化部でバーコードに符号化させて、該バーコードを含むクーポン券の画像データを前記クーポン券の画像データ生成部に生成させる
ことを特徴とする提供サーバ。
【請求項6】
請求項4に記載の提供サーバにおいて、
暗号キーを記憶した暗号キー記憶部と、
前記バーコード符号化部によってバーコードに符号化される前の前記顧客ID,前記広告ID及び前記ハッシュ値の少なくとも一部を、前記暗号キー記憶部内の暗号キーを用いて暗号化する暗号化部と
をさらに備えたことを特徴とする提供サーバ。
【請求項7】
顧客IDと、広告IDと、前記顧客ID及び前記広告IDから生成されたハッシュ値と
が符号化されたバーコードデータをネットワーク経由で外部の端末から受信して、クーポン券の利用の可否についてのデータ確認要求を受け付けるデータ受付部と、
前記データ受付部で受信したバーコードデータのバーコードを復号する復号化部と、
前記復号化部で復号されたバーコード中の前記顧客ID,前記広告ID,前記ハッシュ値をそれぞれ記憶するためのハッシュ値記憶部,顧客ID記憶部,広告ID記憶部と、
前記顧客ID記憶部内の顧客IDと、前記広告ID記憶部内の広告IDとからハッシュ値を生成するハッシュ値生成部と、
前記ハッシュ値生成部で生成されたハッシュ値と前記ハッシュ値記憶部内のハッシュ値との同一性の有無によってクーポン券の改ざんの有無を確認する改ざん確認部と、
前記顧客ID及び前記広告ID毎のクーポン券の利用履歴を記憶するための履歴記憶部と、
前記改ざん確認部での改ざんの有無の確認結果と、前記顧客ID記憶部内の顧客ID及び前記広告ID記憶部内の広告IDについての前記履歴記憶部内の利用履歴とに基づいて、今回のクーポン券の利用の可否を確認し、該確認の結果を前記店舗端末に通知するとともに、今回の利用が可能である場合には前記履歴記憶部に今回の利用の履歴を記憶させる利用制限確認部と
を備えたことを特徴とする利用管理サーバ。
【請求項8】
請求項7に記載の利用管理サーバにおいて、
前記バーコードデータは、顧客IDと、広告IDと、クーポン券の利用条件の情報と、前記顧客ID,前記広告ID及び前記利用条件の情報から生成されたハッシュ値とが符号化されており、
前記利用制限確認部は、前記復号化部で復号されたバーコード中の前記利用条件の情報に基づき、今回の利用が利用制限の範囲内にあるか否かを確認する
ことを特徴とする利用管理サーバ。
【請求項9】
請求項7に記載の利用管理サーバにおいて、
暗号キーを記憶するための暗号キー記憶部
をさらに備え、
前記復号化部は、復号したバーコード中の前記顧客ID,前記広告ID,前記ハッシュ値のうちの暗号化されている部分を、前記暗号キー記憶部内の暗号キーを用いて復号する
ことを特徴とする利用管理サーバ。
【請求項1】
提供サーバと、消費者端末と、店舗端末と、利用管理サーバとがネットワークに接続されており、
前記提供サーバは、
クーポン券提供部と、
顧客IDを記憶するための顧客ID記憶部と、
クーポン券の種類を識別する広告IDを記憶した広告ID記憶部と、
ハッシュ関数を用いてハッシュ値を生成するハッシュ値生成部と、
数値をバーコードに符号化するバーコード符号化部と、
バーコードを含むクーポン券の画像データを生成する画像データ生成部と
を備えており、
前記クーポン券提供部は、前記消費者端末からのクーポン券の要求を受け付け、該要求を行った顧客の顧客IDを顧客ID記憶部に記憶し、該顧客IDと、前記広告ID記憶部内の広告IDのうち該要求のあったクーポン券に対応する広告IDとから前記ハッシュ値生成部でハッシュ値を生成させ、該顧客ID,該広告ID及び該ハッシュ値を前記バーコード符号化部でバーコードに符号化させ、該バーコードを含むクーポン券の画像データを前記画像データ生成部に生成させて、該画像データを特定するためのクーポンデータを前記要求のあった前記消費者端末に送信し、
前記消費者端末は、
前記提供サーバにクーポン券を要求して、前記クーポンデータを受信するクーポン受信部と、
前記クーポン受信部で受信した前記クーポンデータを、該消費者端末に接続されたプリンタに転送して、前記クーポン券の印刷を指示する印刷制御部と
を備え、
前記店舗端末は、
クーポン券からバーコードを読み取るバーコード読み取り部と、
前記バーコード読み取り部で読み取ったバーコードデータを前記利用管理サーバに送って、前記クーポン券の利用の可否についてのデータ確認要求を行うデータ確認部と
を備え、
前記利用管理サーバは、
前記店舗端末から前記バーコードデータを受信して前記データ確認要求を受け付けるデータ受付部と、
前記データ受付部で受信したバーコードデータのバーコードを復号する復号化部と、
前記復号化部で復号されたバーコード中の前記顧客ID,前記広告ID,前記ハッシュ値をそれぞれ記憶するためのハッシュ値記憶部,顧客ID記憶部,広告ID記憶部と、
前記顧客ID記憶部内の顧客IDと、前記広告ID記憶部内の広告IDとから、前記提供サーバ内の前記ハッシュ値生成部と同じハッシュ関数を用いてハッシュ値を生成するハッシュ値生成部と、
前記ハッシュ値生成部で生成されたハッシュ値と前記ハッシュ値記憶部内のハッシュ値との同一性の有無によってクーポン券の改ざんの有無を確認する改ざん確認部と、
前記顧客ID及び前記広告ID毎のクーポン券の利用履歴を記憶するための履歴記憶部と、
前記改ざん確認部での改ざんの有無の確認結果と、前記顧客ID記憶部内の顧客ID及び前記広告ID記憶部内の広告IDについての前記履歴記憶部内の利用履歴とに基づいて、今回のクーポン券の利用の可否を確認し、該確認の結果を前記店舗端末に通知するとともに、今回の利用が可能である場合には前記履歴記憶部に今回の利用の履歴を記憶させる利用制限確認部と
を備えたことを特徴とする発券管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の発券管理システムにおいて、
前記提供サーバは、クーポン券の利用条件の情報を記憶するための利用条件記憶部
をさらに備え、
前記提供サーバの前記クーポン券提供部は、
前記顧客IDと前記広告IDと前記利用条件の情報とから前記ハッシュ値生成部でハッシュ値を生成させ、該顧客ID,該広告ID,該利用条件の情報及び該ハッシュ値を前記バーコード符号化部でバーコードに符号化させて、該バーコードを含むクーポン券の画像データを前記クーポン券の画像データ生成部に生成させ、
前記利用管理サーバの前記利用制限確認部は、前記復号化部で復号されたバーコード中の前記利用条件の情報に基づき、今回の利用が利用制限の範囲内にあるか否かを確認する
ことを特徴とする発券管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の発券管理システムにおいて、
前記提供サーバは、
暗号キーを記憶した暗号キー記憶部と、
前記バーコード符号化部によってバーコードに符号化される前の前記顧客ID,前記広告ID及び前記ハッシュ値の少なくとも一部を、前記暗号キー記憶部内の暗号キーを用いて暗号化する暗号化部と
をさらに備え、
前記利用管理サーバは、
暗号キーを記憶するための暗号キー記憶部
をさらに備え、
前記利用管理サーバの前記復号化部は、復号したバーコード中の前記顧客ID,前記広告ID,前記ハッシュ値のうちの暗号化されている部分を、前記暗号キー記憶部内の暗号キーを用いて復号する
ことを特徴とする発券管理システム。
【請求項4】
クーポン券提供部と、
顧客IDを記憶するための顧客ID記憶部と、
クーポン券の種類を識別する広告IDを記憶した広告ID記憶部と、
ハッシュ値を生成するハッシュ値生成部と、
数値をバーコードに符号化するバーコード符号化部と、
バーコードを含むクーポン券の画像データを生成する画像データ生成部と
を備えており、
前記クーポン券提供部は、ネットワーク経由で外部の端末からのクーポン券の要求を受け付け、該要求を行った顧客の顧客IDを顧客ID記憶部に記憶し、該顧客IDと、前記広告ID記憶部内の広告IDのうち該要求のあったクーポン券に対応する広告IDとから前記ハッシュ値生成部でハッシュ値を生成させ、該顧客ID,該広告ID及び該ハッシュ値を前記バーコード符号化部でバーコードに符号化させ、該バーコードを含むクーポン券の画像データを前記画像データ生成部に生成させて、該画像データを特定するためのクーポンデータを前記要求のあった前記外部の端末に送信する
ことを特徴とする提供サーバ。
【請求項5】
請求項4に記載の提供サーバにおいて、
クーポン券の利用条件の情報を記憶するための利用条件記憶部
をさらに備え、
前記クーポン券提供部は、
前記顧客IDと前記広告IDと前記利用条件の情報とから前記ハッシュ値生成部でハッシュ値を生成させ、該顧客ID,該広告ID,該利用条件の情報及び該ハッシュ値を前記バーコード符号化部でバーコードに符号化させて、該バーコードを含むクーポン券の画像データを前記クーポン券の画像データ生成部に生成させる
ことを特徴とする提供サーバ。
【請求項6】
請求項4に記載の提供サーバにおいて、
暗号キーを記憶した暗号キー記憶部と、
前記バーコード符号化部によってバーコードに符号化される前の前記顧客ID,前記広告ID及び前記ハッシュ値の少なくとも一部を、前記暗号キー記憶部内の暗号キーを用いて暗号化する暗号化部と
をさらに備えたことを特徴とする提供サーバ。
【請求項7】
顧客IDと、広告IDと、前記顧客ID及び前記広告IDから生成されたハッシュ値と
が符号化されたバーコードデータをネットワーク経由で外部の端末から受信して、クーポン券の利用の可否についてのデータ確認要求を受け付けるデータ受付部と、
前記データ受付部で受信したバーコードデータのバーコードを復号する復号化部と、
前記復号化部で復号されたバーコード中の前記顧客ID,前記広告ID,前記ハッシュ値をそれぞれ記憶するためのハッシュ値記憶部,顧客ID記憶部,広告ID記憶部と、
前記顧客ID記憶部内の顧客IDと、前記広告ID記憶部内の広告IDとからハッシュ値を生成するハッシュ値生成部と、
前記ハッシュ値生成部で生成されたハッシュ値と前記ハッシュ値記憶部内のハッシュ値との同一性の有無によってクーポン券の改ざんの有無を確認する改ざん確認部と、
前記顧客ID及び前記広告ID毎のクーポン券の利用履歴を記憶するための履歴記憶部と、
前記改ざん確認部での改ざんの有無の確認結果と、前記顧客ID記憶部内の顧客ID及び前記広告ID記憶部内の広告IDについての前記履歴記憶部内の利用履歴とに基づいて、今回のクーポン券の利用の可否を確認し、該確認の結果を前記店舗端末に通知するとともに、今回の利用が可能である場合には前記履歴記憶部に今回の利用の履歴を記憶させる利用制限確認部と
を備えたことを特徴とする利用管理サーバ。
【請求項8】
請求項7に記載の利用管理サーバにおいて、
前記バーコードデータは、顧客IDと、広告IDと、クーポン券の利用条件の情報と、前記顧客ID,前記広告ID及び前記利用条件の情報から生成されたハッシュ値とが符号化されており、
前記利用制限確認部は、前記復号化部で復号されたバーコード中の前記利用条件の情報に基づき、今回の利用が利用制限の範囲内にあるか否かを確認する
ことを特徴とする利用管理サーバ。
【請求項9】
請求項7に記載の利用管理サーバにおいて、
暗号キーを記憶するための暗号キー記憶部
をさらに備え、
前記復号化部は、復号したバーコード中の前記顧客ID,前記広告ID,前記ハッシュ値のうちの暗号化されている部分を、前記暗号キー記憶部内の暗号キーを用いて復号する
ことを特徴とする利用管理サーバ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−129870(P2008−129870A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−314600(P2006−314600)
【出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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