説明

発汗減少化粧品製剤

本発明は、脱臭剤および/または制汗剤活性物質ならびにNKCC1のモジュレーターおよび/または抑制剤を含む化粧品製剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の作用原理を用いる脱臭剤または制汗剤製剤に関する。さらに、本発明は、汗の分泌を減少させる気持ちのよい付随効果を示す化粧品製剤を含んでなる。
【背景技術】
【0002】
制汗剤(AP)および脱臭剤(Deo)は、通常、種々の製品形態、すなわちヨーロッパでは主としてローラー、ポンプ式噴霧剤およびエーロゾルそして米国、中央アメリカおよび南アメリカでは主としてスティックとして販売するために提供される。無水(懸濁液(suspensions))および含水製品(水性/アルコール性製剤、乳剤)の双方が知られている。
【0003】
スティックの場合に、2種の製剤形態に主として区分される。脱臭剤スティックは、主として石鹸、例えばステアリン酸ナトリウム、油性物質および殺菌剤を含んでなる。それらは9を越えるアルカリ性pHを示す。それらのスティックに伴う石鹸性の皮膚感覚は、消費者に不利と見なされる。さらに最近の進歩は、公知の制汗剤活性物質、例えばアルミニウムクロロヒドラート(aluminum chlorohydorate)(ACH)を含んでなるスティックに関するものである。それらの製剤は無水物でありそして同時に特殊の増粘系、例えばステアリルアルコールおよび水素化ヒマシ油の混合物に基づくものおよび天然もしくは合成ワックスに基づくものを必要とする。
【0004】
無水固体もしくは半固体状の製剤は、微粒子形態で存在する1種もしくはそれ以上の固体制汗剤が担体内に懸濁されることを特徴とする。担体は少なくとも1種もしくはそれ以上の易揮発性油、1種もしくはそれ以上の非揮発性皮膚軟化剤および1種もしくはそれ以上の増粘剤を含んでなる。
【0005】
無水で固体および半固体の製品は、高い有効性および粉末状、非粘着性、ビロード様ないし絹様の皮膚感触が優れている。白色残留物を形成する傾向は不利である。これは、出発材料、特には油および増粘剤の選択および濃度により回避できる。
【0006】
無水製剤は種々の方法で実現できそれらは下記である:
−好ましくは2%を越える含有量の高含有量アルミナ(特許文献1、特許文献2)またはシリカ(特許文献3、特許文献4、特許文献5)を用いる制汗剤製剤。皮膚上の白色残留物の望ましくない形成が不利である。
−シリコーンエラストマー(架橋シリコーンポリマー)(特許文献6、特許文献7)またはシリコーンラテックスコポリマー(特許文献8)の使用。
−トリグリセリド、例えばトリベヘニン(tribehenin)(特許文献9、特許文献10、特許文献11)に基づき、無機増粘剤(特許文献12)と一緒でもよい増粘剤組合せの使用、
−パラフィンと組合せ(特許文献13)およびステアリルアルコールおよびジメチコン(dimethicone)コポリオールと組合せた(特許文献14)水素化ヒマシ油の使用。
−ヒドロキシステアラート(特許文献15)を用いる制汗剤ゲル製剤であって、これには追加のゲル形成剤が必要とされる。
【特許文献1】米国特許第4,526,780号明細書
【特許文献2】米国特許第5,019,375号明細書
【特許文献3】米国特許第4,937,069号明細書
【特許文献4】米国特許第5,069,897号明細書
【特許文献5】ドイツ特許(DE)第69005029号明細書
【特許文献6】国際特許公開番号WO98/00097号明細書
【特許文献7】国際特許公開番号WO99/51192号明細書
【特許文献8】国際特許公開番号WO98/04236号明細書
【特許文献9】米国特許第5,718,890号明細書
【特許文献10】国際特許公開番号WO97/17941号明細書
【特許文献11】国際特許公開番号WO01/87251号明細書
【特許文献12】国際特許公開番号WO98/51272号明細書
【特許文献13】国際特許公開番号WO99/16410号明細書
【特許文献14】米国特許第5,531,986号明細書
【特許文献15】米国特許第5,552,136号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
慣用の制汗剤活性物質、例えばアルミニウム塩またはアルミニウム/ジルコニウム塩は、汗腺の排出管を遮断して汗の流れを抑制する。従って、汗は汗腺内に蓄積することがある。さらに、アルミニウムヒドロキシクロリドのようなアルミニウム塩は、繰返し塗布および感受性の人の場合には皮膚に損傷を起こすことがある。さらにアルミニウム塩の使用は、制汗剤と接触したテキスタイルの変色をもたらすこともある。
【0008】
従来使用されたアルミニウム/ジルコニウム塩に加えて、新規の活性製剤は、それを用いて汗を理想的にさらに有効に抑制しそしてさらに大きい皮膚許容性を有することができることを発見しなければならない。これに関連して、以前のように汗の排出を遮断するだけでなく、一次汗の形成をすでに防止することが目的となる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ヒトには、全身にわたって約2〜3百万個の汗腺がある。それらの最高の密度は腋下および手のひらおよび足の裏にある。毎日、0.5〜最大10 lの汗が生成される。
【0010】
分泌汗腺の神経支配は、交感神経系の末梢自立神経を介する神経インパルスから発する。しかし、神経細胞から汗腺細胞へのシグナル伝達は、通常のようなカテコールアミンでは媒介されず、神経伝達物質のアセチルコリン(ACh)により媒介される(Sato
et al.,1989)。相当する活動電位により活性化されるシナプス膜の脱分極は、電位依存性カルシウムチャンネルの開口をもたらす。それに続く細胞外カルシウムの流入は、アセチルコリンを含んでなるシナプス小胞の開口分泌を開始させる。その結果シナプス間隙内に分布する神経伝達物質は汗腺細胞のGタンパク共役型ムスカリン・アセチルコリン受容体に結合する(図1)。シグナルは、Gタンパクを介してPLCβに伝達され次いでタンパク質キナーゼCの活性化および細胞質内(endoplasmic)カルシウム貯蔵から細胞内カルシウムの放出をもたらす(図2)(Quinton et al.,)。それらの細胞事象によりイオン勾配が形成され、その中には本質的にナトリウム/カリウムATPアーゼ、ナトリウムおよび塩素チャンネルおよびナトリウム/カリウム/塩素共輸送体(NKCC1)が含まれる(図3)。これにより生成した浸透圧の低下は、細胞の底部−側部から頂部(管腔(luminal)側)への水の流入に導く。
【0011】
Na/K/Cl共輸送体は、イオン勾配形成に本質的な役割を担う(図3)。
【0012】
当該技術分野の熟練者に意外かつ予見できなかったことには、脱臭剤および/または制汗剤活性物質およびさらにNKCC1のモジュレーターおよび/または抑制剤を含んでなる化粧品製剤が従来技術の状態の不利益を正すことがここに明らかになった。かかる製剤は、特に皮膚の手入れおよび化粧品に魅力的である。それらは着衣の変色の程度を低下さ
せる。NKCC1のモジュレーター/抑制剤は、低濃度でも効力が高い。NKCC1のモジュレーターおよび/または抑制剤として、化合物エコール(equol)(4’,7−ジヒドロキシイソフラバン)、ゲニステイン(genistein)(5,7,4’−トリヒドロキシイソフラボン)、ブロクリナート(brocrinate)、ブメタニド(bumetanide)、フロセミド(furosemide)、ダイズ抽出物、トラセミド(torasemide)、2−(N−ベンジルアミノ)−4−クロロ−5−スルホンアミド安息香酸、4−クロロ−3−スルホンアミド安息香酸、2−ヒドロキシ−4−クロロ−5−スルホンアミド安息香酸、4−クロロ−3−〔(N−ピペリジル)スルホンアミド〕安息香酸、2−メトキシ−5−スルホンアミド安息香酸、4−スルホンアミド安息香酸、N,N−ジ(n−プロピル)−4−スルホンアミド安息香酸、2−メトキシ−5−スルホンアミド安息香酸メチルエステルまたはニコチン酸の少なくとも1種が選択されることが好ましい。NKCC1のモジュレーターおよび/または抑制剤として、化合物エコール、ゲニステイン、ブロクリナート、ブメタニド、フロセミド、ダイズ抽出物、トラセミド、2−メトキシ−5−スルホンアミド安息香酸、4−スルホンアミド安息香酸、N,N−ジ(n−プロピル)−4−スルホンアミド安息香酸または2−メトキシ−5−スルホンアミド安息香酸メチルエステルの少なくとも1種が選択されると特に好ましい。NKCC1のモジュレーターおよび/または抑制剤として、化合物エコール、ゲニステイン、ブロクリナートまたはダイズ抽出物の少なくとも1種が選択されることが非常に特に好ましい。これに関連して、NKCC1のモジュレーターおよび/または抑制剤の濃度は、製剤の全重量に基づいて、0.1〜3重量%が好ましく、特に好ましくは0.3〜1.5重量%、特に好ましくは0.5〜1.1重量%、非常に特に好ましくは0.6〜0.9重量%であか、または0.00001〜0.01mol/l、特に好ましくは0.0001〜0.001mol/lでもある。
【0013】
さらに、本製剤では、ゲニステインおよびエチルメチルケトン、アセトン、ブチレングリコールおよびメチルプロパンジオールから成る群から選択される物質を含んでなると好ましい。さらに本製剤では、エコールおよび炭酸プロピレンおよびPEG−40水素化ヒマシ油から成る群から選択される物質を含んでなると好ましい。
【0014】
さらに、当該技術分野の熟練者に意外かつ予見できなかったことには、細胞イオン輸送に影響するためのNKCC1のモジュレーターおよび/または抑制剤の使用が、当該技術分野の不利益を正すことがここに明らかになった。これに関連して、細胞イオン輸送に影響を及ぼすためにブメタニドまたはフロセミドの使用が特に好ましい。さらに、汗腺、特にはヒト汗腺による汗の形成を抑制するためにダイズ抽出物を使用することが特に好ましい。
【0015】
本発明は、汗腺、特にはヒト汗腺による汗の形成を抑制するためのNKCC1のモジュレーターおよび/または抑制剤の使用も含む。
【0016】
共輸送体の抑制は、イオン勾配の形成およびそれに関連する浸透圧低下の発生を防止する。その結果として、汗腺の管腔に関する限り細胞の基底−側部からの水の流入の明瞭な低下が起きる。同様の事象は、腎臓内でも起きる。ここでの水輸送は、例えばブメタニドによる腎臓で起きるNa/K/Cl共輸送(NKCC2)を遮断することにより抑制でき、それは利尿剤の形で治療的にも行われている。Na/K/Ca共輸送1の抑制剤またはモジュレーター、例えばブメタニドおよびフロセミドは、制汗剤として化粧品への使用に適する。
【0017】
さらに、下記が指摘される;ブメタニドは発汗細胞内の汗分泌を抑制する。ブメタニドは分泌コイル内のNaCl分泌に影響を与える。NKCC1に影響する構造は、手のひら上の汗の過剰な分泌(多汗症)の処置のために使用できる。
【0018】
NKCC1の免疫組織化学的および免疫電子顕微鏡的位置決定
免疫組織化学的分析は、ラットおよびヒトの汗腺の分泌コイルの基底−側部形質膜ドメインに強いNKCC1標識を示したが、頂部形質膜ドメインには標識がなかった。分泌コイルと比較して、再吸収管内の標識は著しく低かった。抗−NKCC1抗体は表皮を標識しない。同様の標識パターンは、マウスの汗腺内に見いだされた。抗NKCC2抗体は汗腺を標識しなかったがしかし腎臓部分を制御した。我々はNKCC1を汗腺の分泌細胞の基底−側部形質膜に位置決定できた。これは、NKCCタンパク質が汗形成および汗誘導後のエククリン・クリヤ細胞(eccrine clear cell)内に観察される収縮の回復に関与することを強調する。
【0019】
従って、本研究は、この仮説を確認しそして汗腺の分泌部分へのNKCC1局在化について、および等張液体の分泌におけるNKCC1の関与についての生理学的証拠を提供する。NKCC1が電気化学的勾配に対抗する腺細胞内のCl蓄積に関与しそしてこの蓄積が一方ではClの勾配の創成に関与し、従って他の外分泌腺としての汗内へのNa/HO分泌にも関与するであろうことは大いに可能性がある。
【0020】
結論として、我々は、NKCC1がヒト分泌コイルの基底−側部形質膜内で起き、ここでそれはNaClのブメタニド感受性分泌に関与するであろうことを確認できた。
【0021】
文献:
Quinton,P.M.E.,H.Y.;McEwan Jenkinson,D.;Bovell,D.L.Structure and Function of Human Sweat Glands.In Antiperspirants and Deodorants、17〜51ページ。
Sato,K.,Kang,W.H.,Saga,K.,and Sato,K.T.,(1989).Biology of sweat glands and their
disorders.I.Normal sweat gland function,J.Am.Acad.Dermatol.,20,537−563。
【0022】
本発明により使用される制汗剤活性物の下記の表は限定的とは如何なる場合でも考えられない。
【0023】
アルミニウム塩:
−アルミニウム塩、例えば塩化アルミニウム AlCl、硫酸アルミニウムAl(SO
−実験式〔Al(OH)Cl〕(式中m+n=6)の塩化アルミニウム
−アルミニウム・クロロヒドラート〔Al(OH)Cl〕xH
標準アルミニウム錯体:ロクロン(Locron)P(クラリアント(Clariant))、マイクロ−ドライ(Micro−Dry)(リヘイス(Reheis))、ACH−331、(サミット(Summit))、アロキシコル(Aloxicoll)PF40(ジュリーニ(Giulini))
活性化Al錯体:リーチ(Reach)501(リヘイス)、AACH−324(サミット)、アロキシコルP(ジュリーニ)、アロキシコルSD100
−アルミニウム・セスキクロロヒドラート〔Al(OH)4.5Cl1.5〕xH
標準アルミニウム錯体:アルミニウム・セスキクロロヒドラート(リヘイス)、ACH−308(サミット)、アロキシコル31L(ジュリーニ)
活性化Al錯体:リーチ301(リヘイス)
−アルミニウムジクロロヒドラート〔Al(OH)Cl〕xH
【0024】
アルミニウム/ジルコニウム塩:
−アルミニウム/ジルコニウム トリクロロヒドレックス グリシン(trichlorohydrex glicine)〔AlZr(OH)13Cl〕xHOxGly、
標準Al/Zr錯体:レザル(Rezal)33GP(リヘイス)、AZG−7164(サミット)、ジルコナル(Zirconal)P3G(ジュリーニ)
活性化Al/Zr錯体:リーチAZZ 902(リヘイス)、AAZG−7160(サミット)、ジルコナルAP3G(ジュリーニ)
−アルミニウム/ジルコニウム テトラクロロヒドレックス(tetrachlorohydrex)グリシン〔AlZr(OH)12Cl〕xHOxGly
標準Al/Zr錯体:レザル36G(リヘイス)、AZG−368(サミット)、ジルコナルL435G(ジュリーニ)
活性化Al/Zr錯体:リーチAZP 855(リヘイス)、AAZG−7167(サミット)、ジルコナルAP4G(ジュリーニ)
−アルミニウム/ジルコニウム ペンタクロロヒドレックス(pentachlorohydrex)グリシン〔AlZr(OH)23Cl〕xHOxGly
標準Al/Zr錯体:レザル67(リヘイス)、ジルコナルL540(ジュリーニ)
活性化Al/Zr錯体:リーチAZN 885(リヘイス)
−アルミニウム/ジルコニウム オクタクロロヒドレックス(octachlorohydrex)グリシン〔AlZr(OH)20Cl〕xHOxGly
しかし、グリシンを含まないアルミニウム/ジルコニウム塩も同様に有利であろう。
【0025】
制汗剤活性物は、粉末形態で本発明による無水スティック配合剤中に、5〜35重量%、好ましくは10〜25重量%の量で使用される。好ましくは、これに関連して、平均直径最大約50μmを有する微細磨砕度を有する制汗剤活性物である。好ましくは、粒子の97%が50μm未満の直径を有するべきである。粒子の95%が10μm未満の磨砕度が高度に好ましい。
【0026】
粉末形態で存在するアルミニウム塩およびアルミニウム/ジルコニウム塩が種々の油内の分散液として提供されるAP塩懸濁液もしくはゲルの使用も有利であろう。
【0027】
脱臭剤は本発明に従って製剤に加えることができる。標準の化粧品脱臭剤は種々の作用原理に基づく。
【0028】
化粧品脱臭剤中の抗菌物質の使用は、皮膚上の細菌相(bacterial flora)を低下できる。これに関連して、理想的な場合には、臭気発生微生物のみが効果的に減少されるべきである。汗の流れ自体はその結果として影響されない。理想的な場合には、汗の微生物分解のみが一時的に停止される。一つの同じ組成物内でストリンジェント(stringent)を抗菌作用物質と組合せることも普通である。
【0029】
脱臭剤に現在使用されている活性物質すべてが有利に使用でき、例えば臭気遮蔽剤、例えば通常の芳香成分、臭気吸収剤、例えばドイツ特許(DE)第40 09 347号明細書中に記載の層状ケイ酸塩でありそれらの中で特にはモンモリロン石、カオリナイト、イライト、バイデライト(beidellite)、ノントロナイト(nontronite)、サポナイト(saponite)、ヘクトライト(hectorite)、ベントナイトまたはスメクタイト(smectite)、およびさらに例えばリシノール酸の亜鉛塩である。抗菌剤は同様に本発明による乳剤中に混入するために適する。有利な物質は、例えば2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(イルガサン(Irgasan))、1,6−ジ(4−クロロフェニルビグアニド)ヘキサン(クロロヘキシジン(chlorhexidine))、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、第四級アンモニウム化合物、クローブ カーネーション油(clove carna
tion oil)、ハッカ油、タイム油、クエン酸トリエチル、ファルネソル(farnesol)(3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカトリエン−1−オール)およびドイツ特許(DE)第37 40 186号明細書、ドイツ特許(DE)第39 38 140号明細書、ドイツ特許(DE)第42 04 321号明細書、ドイツ特許(DE)第42 29 707号明細書、ドイツ特許(DE)第42 29 737号明細書、ドイツ特許(DE)第42 37 081号明細書、ドイツ特許(DE)第43 09 372号明細書およびドイツ特許(DE)第43 24 219号明細書中に記載の活性薬剤である。炭酸水素ナトリウムも有利に使用できる。
【0030】
本発明に従って乳剤中に使用できる上記の活性物質または活性物質の組合せの表は、限定的とは当然ながら考えられない。
【0031】
製剤内の脱臭剤(1種もしくはそれ以上の化合物)の量は、製剤の全重量に基づいて好ましくは0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。
【実施例】
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
【表3】

【0035】
【表4】

【0036】
【表5】

【0037】
【表6】

【0038】
【表7】

【0039】
【表8】

【0040】
【表9】

【0041】
【表10】

【0042】
【表11】

【0043】
【表12】

【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】シナプスから汗腺細胞へのシグナル伝達
【図2】PLCの活性化
【図3】イオン勾配の形成

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱臭剤および/または制汗剤活性物質およびさらにNKCC1のモジュレーターおよび/または抑制剤を含んでなる化粧品製剤。
【請求項2】
NKCC1のモジュレーターおよび/または抑制剤として、エコール(4’,7−ジヒドロキシイソフラバン)、ゲニステイン(5,7,4’−トリヒドロキシイソフラボン)、ブロクリナート、ブメタニド、フロセミド、ダイズ抽出物、トラセミド、2−(N−ベンジルアミノ)−4−クロロ−5−スルホンアミド安息香酸、4−クロロ−3−スルホンアミド安息香酸、2−ヒドロキシ−4−クロロ−5−スルホンアミド安息香酸、4−クロロ−3−〔(N−ピペリジル)スルホンアミド〕安息香酸、2−メトキシ−5−スルホンアミド安息香酸、4−スルホンアミド安息香酸、N,N−ジ(n−プロピル)−4−スルホンアミド安息香酸、2−メトキシ−5−スルホンアミド安息香酸メチルエステルまたはニコチン酸の化合物の少なくとも1種が選択されることを特徴とする、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
NKCC1のモジュレーターおよび/または抑制剤として、エコール、ゲニステイン、ブロクリナート、ブメタニド、フロセミド、ダイズ抽出物、トラセミド、2−メトキシ−5−スルホンアミド安息香酸、4−スルホンアミド安息香酸、N,N−ジ(n−プロピル)−4−スルホンアミド安息香酸または2−メトキシ−5−スルホンアミド安息香酸メチルエステルの化合物の少なくとも1種が選択されることを特徴とする、請求項1に記載の製剤。
【請求項4】
NKCC1のモジュレーターおよび/または抑制剤として、エコール、ゲニステイン、ブロクリナートまたはダイズ抽出物の化合物の少なくとも1種が選択されることを特徴とする、請求項1に記載の製剤。
【請求項5】
NKCC1のモジュレーターおよび/または抑制剤の濃度が、製剤の全重量を基準として、0.1〜3重量%であることを特徴とする、請求項1−4のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項6】
製剤がゲニステインならびにエチルメチルケトン、アセトン、ブチレングリコールおよびメチルプロパンジオールから成る群から選択される物質を含んでなることを特徴とする、請求項1−5のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項7】
製剤がエコールならびに炭酸プロピレンおよびPEG−40水素化ヒマシ油から成る群から選択される物質を含んでなることを特徴とする、請求項1−6のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項8】
細胞のイオン輸送に影響を与えるためのNKCC1のモジュレーターおよび/または抑制剤の使用。
【請求項9】
ブメタニドまたはフロセミドが細胞イオン輸送に影響を与えるために使用されることを特徴とする、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
汗腺、特にはヒト汗腺による汗の形成を抑制するためのNKCC1のモジュレーターおよび/または抑制剤の使用。
【請求項11】
汗腺、特にはヒト汗腺による汗の形成を抑制するためのダイズ抽出物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−517039(P2008−517039A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537284(P2007−537284)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【国際出願番号】PCT/EP2005/055448
【国際公開番号】WO2006/042863
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(591010376)バイヤースドルフ・アクチエンゲゼルシヤフト (20)
【氏名又は名称原語表記】BEIERSDORF AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】