説明

発泡製品の製造方法

【課題】部分的に物性が異なる発泡製品の製造が容易で、発泡製品の意匠側表面に深い溝を生じないようにでき、さらには深い溝による強度低下を生じ難くできるようにする。
【解決手段】下面が開口した箱状の仕切り部材20をキャビティの底面13に載置してキャビティの底面を仕切り部材の外側と内側とに区画し、仕切り部材の側面21の外側には第1発泡原料P1を注入し、一方、仕切り部材の内側には第1発泡原料とは物性の異なる発泡体となる第2発泡原料P2を注入して第1及び第2発泡原料を発泡させ、その際第2発泡原料の発泡による体積増で仕切り部材の上面23を押し上げて仕切り部材を上昇させ、第1発泡原料から発泡形成される第1発泡体31と第2発泡原料から発泡形成される第2発泡体32を、仕切り部材の側面21の下端とキャビティの底面13間を介して接合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部分的に物性が異なる発泡製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発泡製品には、部分的に物性を異ならせたものがある。例えば自動車用座席のクッションパッドに用いられる発泡製品においては、着座部位(座部用クッションパッドの場合)や背中当接部位(背もたれ用クッションパッドの場合)よりもその両側を硬くして、着座した際や背中をもたれさせた際に感触を良好にすると共に乗員の姿勢保持性を高めることが行われている。
【0003】
従来、部分的に物性を異ならせた発泡製品の製造方法として、次の方法がある。
(1)予め所定形状に形成した発泡体を成形型のキャビティの一部にセットし、キャビティの残りの部分に前記発泡体とは物性の異なる発泡体となる発泡原料を注入して発泡させることにより一体の発泡体とする。
(2)成形型のキャビティの底面に仕切り用リブを立設して前記キャビティを仕切り用リブで区画し、前記区画した部分にそれぞれ異なる発泡原料を注入して発泡させることにより一体の発泡体とする。
(3)異なる物性の発泡体から所要形状の複数の発泡体を形成し、それらの発泡体を接着剤等で一体化して一体の発泡体とする。
【0004】
しかし、(1)の製造方法では、キャビティにセットする所定形状の発泡体を予め製造しなければならないため、製造作業が面倒になる問題がある。しかも、成形型に発泡体を予めセットした後に発泡原料を注入すると、成形型にセットされた発泡体に、後から注入した発泡原料が侵入(含浸)して、その境界部分が硬くなるため、得られる発泡製品が例えば車両用シートクッションの場合には、人が着座した場合などに境界部分の硬さ変化によって違和感を生じるおそれがある。
【0005】
また、(2)の製造方法では、仕切り用リブによる深めの溝が発泡製品のキャビティ底面側の表面に形成されるので、例えば発泡製品が車両用シートクッションの場合には座面側に深い溝が形成され、人が着座した場合などにクッションのサイド部が外側に倒れるなどのような強度的な問題が発生する。さらに、仕切り用リブによる深めの溝が発泡製品のキャビティ底面側の表面に形成されるため、発泡製品のデザイン自由度に大きな制約を受けることになる。
【0006】
一方、(3)の製造方法では、予め複数の発泡体を所要形状に形成する工程と、その後の接着工程が必要となるため、製造作業に手間取り、製造コストが上昇する問題がある。さらに接着剤により発泡体の境界面が硬くなるため、得られる発泡製品が車両用シートクッションの場合には、人が着座した場合などに境界部分の硬さ変化によって違和感を生じるおそれがある。
【0007】
【特許文献1】特開2001−38747号公報
【特許文献2】特開2002−52550号公報
【特許文献3】特開2005−87339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、部分的に物性が異なる発泡製品の製造が容易で、しかも発泡製品の意匠側表面に深い溝を生じないようにでき、さらには深い溝による強度低下を生じ難くできる発泡製品の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、下面が開口した箱状の仕切り部材を、成形型のキャビティの底面に載置して前記キャビティの底面を前記仕切り部材の外側と内側とに区画する仕切り部材載置工程と、前記仕切り部材の側面の外側には第1発泡原料を注入し、一方、前記仕切り部材の内側には前記第1発泡原料とは物性の異なる発泡体となる第2発泡原料を注入する発泡原料注入工程と、前記第1及び第2発泡原料を発泡させ、その際前記第2発泡原料の発泡による体積増で前記仕切り部材の上面を押し上げて前記仕切り部材を上昇させ、前記第1発泡原料から発泡形成される第1発泡体と前記第2発泡原料から発泡形成される第2発泡体を、前記仕切り部材の側面の下端と前記キャビティの底面間を介して接合させることにより一の発泡体とする発泡及び仕切り部材上昇工程と、を備えることを特徴とする発泡製品の製造方法に係る。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1において、前記発泡及び仕切り部材上昇工程によって前記第1及び第2発泡原料の発泡を終了させた後、前記仕切り部材を前記発泡体から除去する仕切り部材除去工程を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記仕切り部材の上面が、発泡開始前の前記第2発泡原料を通過可能とすると共に発泡開始後の粘度上昇した前記第2発泡原料を通過困難とする網状からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、前記仕切り部材内に注入された第2発泡原料の発泡にしたがって仕切り部材が上昇してキャビティの底面から離れ、それによって生じた仕切り部材の側面の下端と前記キャビティの底面間の隙間を介して第1発泡体と第2発泡体が接合するため、得られる発泡製品はキャビティ底面側の表面に前記仕切り部材の側面によって形成される深い溝がなくなり、発泡製品のデザイン自由度が高いものとなる。しかも、得られる発泡製品はキャビティ底面側の表面に深い溝が存在しないことから、例えば車両用シートクッションの場合、座面側に人が着座した場合などにクッションのサイド部が外側に倒れるなどのような強度的な問題が発生することがない。それに加えて、本発明によれば、前記背景技術で説明した従来の製造方法(1)や(3)における発泡体の境界部で生じる硬さ変化が無く、車両用シートクッションの場合に着座時の違和感を生じるおそれが無い。さらに本発明によれば、予め所望形状の発泡体を複数形成して成形型のキャビティに配置する作業を無くすことができ、キャビティ内への第1発泡原料及び第2発泡原料の注入によって一度に一の発泡体からなる発泡製品を形成することができるため、製造作業を簡略化することができ、製造コストを下げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態で使用する成形型と仕切り部材の断面図、図2は同第1実施形態においてキャビティの底面に仕切り部材を載置した状態を示す断面図、図3は同第1実施形態において仕切り部材を載置した状態の下型の平面図、図4は同第1実施形態において第1及び第2発泡原料の注入状態を示す断面図、図5は同第1実施形態において第1及び第2発泡原料の発泡状態を示す断面図、図6は同第1実施形態によって得られた発泡製品の断面図である。
【0014】
まず、本発明の第1実施形態について、自動車用座席の着座側のクッションパッドとして使用される車両用シートクッション用の発泡製品を製造する場合を例にして説明する。本発明における発泡製品(この例では車両用シートクッション)の製造方法は、仕切り部材載置工程と、発泡原料注入工程と、発泡及び仕切り部材上昇工程とを備える。
【0015】
仕切り部材載置工程では、図1及び図2に示すような成形型10を用い、キャビティ12の底面13の所定位置に仕切り部材20を載置し、前記キャビティ12の底面13を前記仕切り部材20の外側と内側とに区画する。図3は、前記仕切り部材20がキャビティ12の底面13に載置された下型11の平面図である。
【0016】
図示の成形型10は、自動車用座席の着座側のクッションパッドとして使用される車両用シートクッション用の発泡製品を発泡成形するためのものであって、下型11と上型18とからなる。前記下型11は、発泡原料の注入及び発泡空間として発泡製品の形状に応じたキャビティ12を有する。一方、前記上型18は、前記キャビティ12に蓋をするためのものであって、蓋型とも称される。また、図示の成形型10においては、発泡原料の発泡時に下型11のキャビティ12の底面13及び側面14によって発泡製品の意匠面を形成し、上型18の型面19によって発泡製品の裏面を形成する。
【0017】
仕切り部材20は、下面が開口した箱状からなり、側面21と該側面21の上部に設けられた上面23とで構成されている。前記仕切り部材20の形状は適宜とされ、図示の例では下面が開口した直方体形状とされている。なお、図示の例では、前記仕切り部材20の側部全周を側面21(図3に示すX方向に位置する側面21a,21aと、Y方向に位置する側面21b,21b)で構成しているが、前記仕切り部材20の側部の一面あるいは対向する一組の面を側面21で構成することなく開放してもよい。例えば、前記仕切り部材20において、図3のX方向の両側部に一組の側面21a,21aを設け、Y方向の側部は前記側面21b,21bを設けることなく開放してもよい。また、前記上面23には第2発泡原料用注入孔24が形成されている。さらに、前記仕切り部材20の高さd1は、図5の(5−A)に示すように、前記成形型10を閉じた際の下型11のキャビティの底面13と上型18の型面19間の距離d2より所要量(発泡製品の厚みにより異なるが例として20〜40mm程度)小とされている。また、前記仕切り部材20は、前記キャビティ12の底面13に載置された際に、前記仕切り部材20の側部における少なくとも一組の側面21,21(図示の例ではX方向に位置する側面21a,21a)がキャビティの側面14,14から離れるように、前記キャビティ12より小さくされている。前記仕切り部材20は、最終的に発泡製品から除去される場合には、発泡製品の製造時に発泡体との接着性が無い材質あるいは低い材質で構成されたり、キャビティの底面13へ載置する前に離型剤が塗布されたりする。
【0018】
発泡原料注入工程では、図4に示すように、前記キャビティ12の底面13に載置された仕切り部材20の外側(図示の例では一組の側面21a,21aの外側)に第1発泡原料P1を注入し、一方、前記仕切り部材20の内側(すなわち、前記側面21の内側)には前記第1発泡原料P1とは物性の異なる発泡体となる第2発泡原料P2を注入する。その際、前記第2発泡原料P2については、前記上面23の第2発泡原料用注入孔24を介して前記仕切り部材20の内側に注入する。図4における符号N1,N2は発泡原料注入用ノズルである。前記第1発泡原料P1及び第2発泡原料P2としては、ポリウレタン発泡原料が好ましい。また、前記異なる物性としては、発泡体の密度、反発弾性率、硬度等、要求に応じたものとされるが、本実施例では硬度を異ならせている。前記物性を異ならせるには公知の方法、通常は、第1発泡原料P1と第2発泡原料P2の配合を異ならせたり、注入量を変更したりすることによって容易に行うことができる。例えば、前記発泡原料がポリウレタン発泡原料の場合には、ポリオール、発泡剤、触媒、ポリイソシアネート、整泡剤等の種類及び量を変化させることによって物性を異ならせることができる。さらに、前記第1発泡原料P1については、複数種類のものを、その注入位置を異ならせて前記仕切り部材20の外側に注入してもよい。例えば、前記仕切り部材20における一方の側面21aの外側(図面における仕切り部材20の左側)には第1発泡原料P1a(図示せず)を注入し、他方の側面21aの外側(図面における仕切り部材20の右側)には第1発泡原料P1b(図示せず)を注入してもよい。なお、図示の例では、前記第1発泡原料P1及び第2発泡原料P2の注入後に、前記上型18が下型11に被せられて閉型が行われる。
【0019】
発泡及び仕切り部材上昇工程では、図5の(5−A)〜(5−C)に示すように、前記第1発泡原料P1及び第2発泡原料P2を発泡させる。その際、前記第1発泡原料P1と第2発泡原料P2は、前記仕切り部材20によって混ざることなく発泡し、前記仕切り部材20の外側では第1発泡体31となり、一方、前記仕切り部材20の内側では第2発泡体32となる。また、前記発泡時、図5の(5−B)に示すように、前記仕切り部材20内の第2発泡原料P2は、発泡による体積増で表面が上昇し、前記仕切り部材20の上面23と接触して前記上面23を押し上げ、前記仕切り部材20を上昇させて前記仕切り部材20の側面21の下端を前記キャビティの底面13から離す。そして、それによって生じた前記キャビティの底面13と前記仕切り部材20の側面21の下端間の隙間を介して、図5の(5−C)のように、前記第1発泡体31と第2発泡体32が接合し、一の発泡体となる。なお、前記仕切り部材20は、前記上面23が前記上型18の型面19と当接するまで上昇する。
【0020】
その後、前記上型18を下型11から離して型開きを行い、前記第1発泡体31と第2発泡体32からなる一の発泡体を脱型することにより、所望の発泡製品が得られる。なお、前記仕切り部材20を再利用する場合には、前記発泡及び仕切り部材上昇工程によって前記第1及び第2発泡原料の発泡を終了させた後、前記仕切り部材20を前記発泡体から除去する仕切り部材除去工程を行う。図示の例では、前記型開き後の脱型前あるいは脱型後に前記発泡体から仕切り部材20を抜き取って除去する。図6はこのようにして得られた発泡製品30の断面図である。前記発泡製品30は、前記キャビティ12の底面13で成形された座面側の表面30Aに前記仕切り部材20の側面21によって生じる深い溝が存在していないものである。また、前記仕切り部材20を発泡製品に残しておく場合には、前記仕切り部材除去工程を行う必要がない。
【0021】
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態と同様に車両用シートクッション用の発泡製品を製造する例であり、前記第1実施形態における前記仕切り部材20に代えて、図7〜図11に示す仕切り部材40を用いるものであり、第1実施形態と同様に、仕切り部材載置工程と、発泡原料注入工程と、発泡及び仕切り部材上昇工程と、必要に応じて行われる仕切り部材除去工程とを備える。なお、図7は本発明の第2実施形態で使用する成形型と仕切り部材の断面図、図8は同第2実施形態においてキャビティの底面に仕切り部材を載置した状態を示す断面図、図9は同第2実施形態において仕切り部材を載置した状態の下型の平面図、図10は同第2実施形態において第1及び第2発泡原料の注入状態を示す断面図、図11は同第2実施形態において第1及び第2発泡原料の発泡状態を示す断面図、図12は同第2実施形態によって得られた発泡製品の断面図である。
【0022】
第2実施形態における前記仕切り部材40は、上面43が発泡開始前の前記第2発泡原料P2を通過可能とすると共に発泡開始後の粘度上昇した第2発泡原料P2を通過困難とする網状からなる。第2実施形態では、図10に示すように、発泡原料注入工程時に第2発泡原料P2を、前記仕切り部材40の網状の上面43を介して仕切り部材40内に注入する。前記網状の上面43は、発泡開始前の前記第2発泡原料P2(発泡原料P2がポリウレタン原料の場合には混合直後の原料)を通過可能とすると共に発泡開始後の粘度上昇した第2発泡原料P2を通過困難とするため、網目の大きさを0.25〜4.0mm、特には1.0〜2.0mmの範囲としたものが好ましい。
【0023】
前記第2実施形態では、発泡及び仕切り部材上昇工程において、前記第1発泡原料P1及び第2発泡原料P2が発泡する際、図11の(11−A)及び(11−B)に示すように、前記仕切り部材40内の第2発泡原料P2が、発泡によって粘度を増大させながら体積を増して表面が上昇し、前記仕切り部材40の上面43と接触する。前記仕切り部材40の上面43と接触した第2発泡原料P2は、粘度が増大してしているため、前記網状の上面43を通過することができず、前記上面43を押し上げて、前記仕切り部材40を上昇させ、前記仕切り部材40の側面41の下端を前記キャビティの底面13から離す。そして、それによって生じた前記キャビティの底面13と前記仕切り部材40の側面41の下端間の隙間を介して、前記第1発泡原料P1から形成された第1発泡体51と前記第2発泡原料P2から形成された第2発泡体52が接合し、一の発泡体となる。なお、前記仕切り部材40は、前記上面43が前記上型18の型面19と当接するまで上昇する。
【0024】
その後、前記上型18を下型11から離して型開きを行い、前記第1発泡体51と第2発泡体52からなる一の発泡体を脱型することにより、所望の発泡製品が得られる。なお、前記仕切り部材40を再利用する場合には、前記発泡及び仕切り部材上昇工程によって前記第1及び第2発泡原料の発泡を終了させた後、前記仕切り部材40を前記発泡体から除去する仕切り部材除去工程を行う。その他の構成は、前記第1実施形態と同様である。図12は、前記第2実施形態において、前記発泡体から仕切り部材40が除去されて得られた発泡製品50である。前記発泡製品50は、前記キャビティ12の底面13で成形された座面側の表面50Aに前記仕切り部材40の側面41によって生じる深い溝が存在していないものである。また、前記仕切り部材40を発泡製品に残して置く場合には、前記仕切り部材除去工程を行う必要がない。なお、図7〜図11において、符号41a,41aは仕切り部材40の側面41のうちX方向に位置する一組の側面を示し、一方、符号41b,41bはY方向に位置する一組の側面を示す。
【0025】
また、前記キャビティの底面13には、図13の(13−A)〜(13−D)に示すように、仕切り部材用位置決め手段51A〜51Dを形成してもよい。(13−A)に示す仕切り部材用位置決め手段51Aは、前記キャビティの底面13に載置された仕切り部材20,40の側面21,41の下端を挟持することのできる低い凸部からなるものである。それに対して、(13−B)に示す仕切り部材用位置決め手段51Bは、前記キャビティの底面13に載置された仕切り部材20,40の側面21,41の外面と当接する低い凸部からなり、また、(13−C)に示す仕切り部材用位置決め手段51Cは、前記キャビティの底面13に載置された仕切り部材20,40の側面21,41の内面と当接する低い凸部からなる。一方、(13−D)に示す仕切り部材用位置決め手段51Dは、前記仕切り部材20,40の側面21,41の下端が着脱可能に嵌る溝からなる。
【0026】
前記仕切り部材用位置決め手段51A〜51Dをキャビティの底面13に設けた場合には、図14の(14−A)〜(14−D)に示すように、製造される発泡製品(この例では車両用シートクッション)60A〜60Dは、座面側の表面に、小さな浅い凹部63A〜63Cまたは低い凸部63Dが形成されるが、何れも浅いまたは低いものであり、座面側に人が着座した場合などにクッションのサイド部が外側に倒れるなどのような強度的な問題を生じるおそれがなく、またデザイン自由度に与える影響も少ない。なお、前記発泡製品60Aの凹部63Aは前記位置決め手段51Aによって形成されたもの、前記発泡製品60Bの凹部63Bは前記位置決め手段51Bによって形成されたもの、前記発泡製品60Cの凹部63Cは前記位置決め手段51Cによって形成されたもの、前記発泡製品60Dの凸部63Dは前記位置決め手段51Dによって形成されたものである。また、符号61A〜61Dは前記第1発泡原料から形成された第1発泡体を示し、62A〜62Dは前記第2発泡原料から形成された第2発泡体を示す。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態で使用する成形型と仕切り部材の断面図である。
【図2】同第1実施形態においてキャビティの底面に仕切り部材を載置した状態を示す断面図である。
【図3】同第1実施形態において仕切り部材を載置した状態の下型の平面図である。
【図4】同第1実施形態において第1及び第2発泡原料の注入状態を示す断面図である。
【図5】同第1実施形態において第1及び第2発泡原料の発泡状態を示す断面図である。
【図6】同第1実施形態によって得られた発泡製品の断面図である。
【図7】第2実施形態で使用する成形型と仕切り部材の断面図である。
【図8】同第2実施形態においてキャビティの底面に仕切り部材を載置した状態を示す断面図である。
【図9】同第2実施形態において仕切り部材を載置した状態の下型の平面図である。
【図10】同第2実施形態において第1及び第2発泡原料の注入状態を示す断面図である。
【図11】同第2実施形態において第1及び第2発泡原料の発泡状態を示す断面図である。
【図12】同第2実施形態によって得られた発泡製品の断面図である。
【図13】仕切り部材用位置決め手段を設けたキャビティの底面の部分断面図である。
【図14】仕切り部材用位置決め手段を設けた成形型を用いて得られた発泡製品の部分断面図である。
【符号の説明】
【0028】
10 成形型
11 下型
12 キャビティ
13 キャビティの底面
14 キャビティの側面
18 上型
19 上型の型面
20,40 仕切り部材
21,41 仕切り部材の側面
23,43 仕切り部材の上面
30,50 発泡製品
31,51 第1発泡体
32,52 第2発泡体
P1 第1発泡原料
P2 第2発泡原料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面が開口した箱状の仕切り部材を、成形型のキャビティの底面に載置して前記キャビティの底面を前記仕切り部材の外側と内側とに区画する仕切り部材載置工程と、
前記仕切り部材の側面の外側には第1発泡原料を注入し、一方、前記仕切り部材の内側には前記第1発泡原料とは物性の異なる発泡体となる第2発泡原料を注入する発泡原料注入工程と、
前記第1及び第2発泡原料を発泡させ、その際前記第2発泡原料の発泡による体積増で前記仕切り部材の上面を押し上げて前記仕切り部材を上昇させ、前記第1発泡原料から発泡形成される第1発泡体と前記第2発泡原料から発泡形成される第2発泡体を、前記仕切り部材の側面の下端と前記キャビティの底面間を介して接合させることにより一の発泡体とする発泡及び仕切り部材上昇工程と、
を備えることを特徴とする発泡製品の製造方法。
【請求項2】
前記発泡及び仕切り部材上昇工程によって前記第1及び第2発泡原料の発泡を終了させた後、前記仕切り部材を前記発泡体から除去する仕切り部材除去工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の発泡製品の製造方法。
【請求項3】
前記仕切り部材の上面が、発泡開始前の前記第2発泡原料を通過可能とすると共に発泡開始後の粘度上昇した前記第2発泡原料を通過困難とする網状からなることを特徴とする請求項1または2に記載の発泡製品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−290133(P2007−290133A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−117101(P2006−117101)
【出願日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】