発電機及び風力発電機並びに風力発電方法
【課題】永久磁石の必要個数が少なくて済み低コストで軽量であると共に、小径化しても大きな出力を得ることのできる発電機を提供する。
【解決手段】この発明の発電機は、回転軸部14と、該軸部14の軸線方向Jに相互に離間して配置された3層以上の永久磁石11とを有し、該永久磁石11が前記回転軸部14の回転に同期して回転するものとなされた回転子2と、前記3層以上の永久磁石11の間の各間隙に配置されたコアレス型の電機子巻線12を有した固定子3とを備えていることを特徴とする。
【解決手段】この発明の発電機は、回転軸部14と、該軸部14の軸線方向Jに相互に離間して配置された3層以上の永久磁石11とを有し、該永久磁石11が前記回転軸部14の回転に同期して回転するものとなされた回転子2と、前記3層以上の永久磁石11の間の各間隙に配置されたコアレス型の電機子巻線12を有した固定子3とを備えていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、風力発電に特に適した発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、風力発電用の発電機としては、図7に示すような回転子(101)の回転軸線方向に相互に離間して配置された一対の永久磁石(102)(102)の間に固定子である電機子巻線(103)が配置された回転界磁型同期発電機が公知である(特許文献1参照)。この回転界磁型同期発電機では、風車の回転が回転子に伝達されて永久磁石が電機子巻線に対して回転移動することによって発電が行われる。
【特許文献1】特開平11−90174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような従来の回転界磁型同期発電機では、定格出力を増大させるためには、永久磁石の面積を増大させなければならないが、このためには発電機の半径を拡径するより他なかった。しかし、発電機を拡径した場合には大型化することで風車に対する風の流れを阻害するという問題が生じるし、構造上、意匠上の制限等により大型化できないケースもあった。
【0004】
また、発電機の拡径による大型化を回避すべく、小径小型の発電機を複数台直列で連結して出力の増大を図る方法も考えられるが、この場合には磁石の配置数が大幅に増大して顕著な重量増となると共にコストも大幅に増大するという問題があった。
【0005】
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、永久磁石の必要個数が少なくて済み低コストで軽量であると共に、小径化しても大きな出力を得ることのできる発電機及び風力発電機並びに風力発電方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
【0007】
[1]回転軸部と、該軸部の軸線方向に相互に離間して配置された3層以上の永久磁石とを有し、該永久磁石が前記回転軸部の回転に同期して回転するものとなされた回転子と、
前記3層以上の永久磁石の間の各間隙に配置されたコアレス型の電機子巻線を有した固定子とを備えていることを特徴とする発電機。
【0008】
[2]前記回転軸部に該軸部の軸線方向に直交する状態に固定された3層以上の盤状体のそれぞれに前記永久磁石が固定されることによって、前記永久磁石が前記回転軸部の回転に同期して回転するものとなされている前項1に記載の発電機。
【0009】
[3]回転自在な筐体と、該筐体の内部空間内に筐体の回転軸線方向に相互に離間して配置された3層以上の永久磁石とを有し、該永久磁石が前記筐体の回転に同期して回転するものとなされた回転子と、
前記3層以上の永久磁石の間の各間隙に配置されたコアレス型の電機子巻線を有した固定子とを備えていることを特徴とする発電機。
【0010】
[4]前記筐体は中空の略円柱体からなり、前記筐体の周側壁から内方に向けて突設された1層以上の突出板及び前記筐体の両底面壁のそれぞれに前記永久磁石が固定されることによって、前記永久磁石が前記筐体の回転に同期して回転するものとなされている前項3に記載の発電機。
【0011】
[5]前記永久磁石として希土類磁石が用いられている前項1〜4のいずれか1項に記載の発電機。
【0012】
[6]前記回転子は、ベアリングを介して前記固定子に回転自在に支持されている前項1〜5のいずれか1項に記載の発電機。
【0013】
[7]前項1または2に記載の発電機と、該発電機の回転子の回転軸部に固定された回転翼とを備えていることを特徴とする風力発電機。
【0014】
[8]前項7に記載の風力発電機の回転翼に対して風を当てて回転翼を回転させることによって永久磁石を電機子巻線に対して回転移動せしめて発電することを特徴とする風力発電方法。
【0015】
[9]前項3または4に記載の発電機と、該発電機の回転子の筐体に固定された回転翼とを備えていることを特徴とする風力発電機。
【0016】
[10]前項9に記載の風力発電機の回転翼に対して風を当てて回転翼を回転させることによって永久磁石を電機子巻線に対して回転移動せしめて発電することを特徴とする風力発電方法。
【発明の効果】
【0017】
[1]の発明では、回転軸部の軸線方向に相互に離間して3層以上の永久磁石を配置せしめることによって磁石面積を大きくしているので、従来機と同等の半径であってもより大きい出力を得ることができる。換言すれば、従来機と同等の出力を得るのにより小径の発電機で対応できる。即ち、小径化しても大きな出力を得ることができる。更に、回転軸部の軸線方向に隣り合う電機子巻線は、相互間に永久磁石を共用することになるので、永久磁石の必要個数が少なくて済む。例えば、出力をN倍にするために、従来の発電機を回転軸線方向に単にN個直列に連結した構成を採用した場合には、磁石は(2N)層必要となって顕著な重量増となるのに対し、本発明では、隣り合う電機子巻線間における永久磁石の共用により(N+1)層の永久磁石を配置するだけで良いから、即ち単純直列タイプと比較して永久磁石の必要個数は(N+1)/2N倍で良いから(表1参照)、より軽量化及びより低コスト化しつつ大きい出力を得ることができる。加えて、電機子巻線は、コアレス型(鉄芯を有しない構成)であるから、より一層軽量化できる。
【0018】
[2]の発明では、簡易な構成の採用でもって、永久磁石を回転軸部の回転に同期させて回転させることができるので、よりコンパクトでより軽量の発電機が提供される。
【0019】
[3]の発明では、筐体の回転軸線方向に相互に離間して3層以上の永久磁石を配置せしめることによって磁石面積を大きくしているので、従来機と同等の半径であってもより大きい出力を得ることができる。換言すれば、従来機と同等の出力を得るのにより小径の発電機で対応できる。即ち、小径化しても大きな出力を得ることができる。更に、筐体の回転軸線方向に隣り合う電機子巻線は、相互間に永久磁石を共用することになるので、永久磁石の必要個数が少なくて済む。例えば、出力をN倍にするために、従来の発電機を回転軸線方向に単にN個直列に連結した構成を採用した場合には、磁石は(2N)層必要となって顕著な重量増となるのに対し、本発明では、隣り合う電機子巻線間における永久磁石の共用により(N+1)層の永久磁石を配置するだけで良いから、即ち単純直列タイプと比較して永久磁石の必要個数は(N+1)/2N倍で良いから(表1参照)、より軽量化及びより低コスト化しつつ大きい出力を得ることができる。加えて、電機子巻線は、コアレス型(鉄芯を有しない構成)であるから、より一層軽量化できる。
【0020】
[4]の発明では、簡易な構成の採用でもって、永久磁石を筐体の回転に同期させて回転させることができるので、よりコンパクトでより軽量の発電機が提供される。
【0021】
[5]の発明では、永久磁石として希土類磁石が用いられているから、より一層大きな容量の電力を得ることができる。
【0022】
[6]の発明では、回転子は、ベアリングを介して固定子に回転自在に支持されているから、回転子は固定子に対して十分に円滑に回転することが可能となり、回転子の回転による移動速度をさらに向上させることができて更に大きな容量の電力を得ることができる。また、ベアリングを介して支持されているので、軸ぶれに強いという利点もある。
【0023】
[7]の発明に係る風力発電機では、回転子と固定子とからなる発電機構部を小径に設計しても十分な出力を得ることができるものであり、このように発電機構部を小径化することで回転翼への風の流れを該発電機構部により阻害してしまうことを極力回避できるので、風力発電効率に優れている。また、回転翼が、発電機の回転子の回転軸部に固定されているので、回転子の回転をより円滑化できる利点がある。
【0024】
[8]の発明に係る風力発電方法では、回転翼への風の流れを発電機構部により阻害してしまうことを極力回避できるから、発電効率に優れている。
【0025】
[9]の発明に係る風力発電機では、回転子と固定子とからなる発電機構部を小径に設計しても十分な出力を得ることができるものであり、このように発電機構部を小径化することで回転翼への風の流れを該発電機構部により阻害してしまうことを極力回避できるので、風力発電効率に優れている。また、回転翼が、発電機の回転子の筐体に固定されているので、回転翼を安定状態に支持固定できる利点がある。
【0026】
[10]の発明に係る風力発電方法では、回転翼への風の流れを発電機構部により阻害してしまうことを極力回避できるから、発電効率に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
この発明に係る発電機(1)の一実施形態を図1〜3に示す。これらの図において、(2)は回転子、(3)は固定子、(4)は回転翼(風車)、(8)はナセルである。
【0028】
前記ナセル(8)は、外形形状が略円柱状で中空の略円柱体からなり、該略円柱体の一方の底面壁(図2で左側の底面壁)の中央部に軸用孔(8a)が穿設されている(図2参照)。このナセル(8)の下方部に支柱(5)の一端部が連接されている。前記支柱(5)の他端部が、例えば地面等の固定体に固定される。
【0029】
前記固定子(3)は、外形形状が略円柱状で中空の略円柱体からなる筐体(16)と、該筐体(16)の周側壁から内方に向けて突設された第1〜4突出板(17A)(17B)(17C)(17D)と、これら第1〜4突出板の内部に埋設されたコアレス型の電機子巻線(12)とを備えてなる。前記第1〜4突出板(17A)(17B)(17C)(17D)は相互に離間して平行状に配置されている。また、前記第1〜4突出板(17A)(17B)(17C)(17D)は、いずれも、円板の中心部に軸用孔が穿設されたものからなる。また、前記筐体(16)の一方の底面壁(図2で左側の底面壁)の中央部にも軸用孔が形成されている。しかして、前記固定子(3)は、図2に示すように、前記ナセル(8)の内部空間に配置されると共に、該固定子(3)の筐体(16)の周側壁の外面が前記ナセル(8)の周側壁の内面に当接して接合固定されている。
【0030】
前記回転子(2)は、回転軸部(14)と、該回転軸部(14)から軸部(14)の軸線方向(J)に直交する方向に放射状に延ばされた円板からなる第1〜5盤状体(15A)(15B)(15C)(15D)(15E)と、これら第1〜5盤状体に固定された永久磁石(11)とを備えてなる。前記第1〜5盤状体(15A)(15B)(15C)(15D)(15E)は、前記回転軸部(14)の軸線方向(J)に相互に離間して平行状に配置されている(図2参照)。また、前記回転軸部(14)の一部、第1〜5盤状体(15A)(15B)(15C)(15D)(15E)および前記永久磁石(11)は、前記固定子(3)の筐体(16)の内部空間に配置されている。しかして、前記第1盤状体(15A)と前記第2盤状体(15B)の間の間隙にこれらと非接触状態に前記第1突出板(17A)が配置され、前記第2盤状体(15B)と前記第3盤状体(15C)の間の間隙にこれらと非接触状態に前記第2突出板(17B)が配置され、前記第3盤状体(15C)と前記第4盤状体(15D)の間の間隙にこれらと非接触状態に前記第3突出板(17C)が配置され、前記第4盤状体(15D)と前記第5盤状体(15E)の間の間隙にこれらと非接触状態に前記第4突出板(17D)が配置されている(図2参照)。即ち、前記回転軸部(14)の軸線方向(J)に相互に離間して配置された5層の永久磁石(11)の間の各間隙に電機子巻線(12)がそれぞれ配置されている。
【0031】
前記第1盤状体(15A)に固定された永久磁石(11)は、図3に示すように、周方向において磁極性の反転を交互に繰り返すように配列されている。図示しないが、前記第2盤状体(15B)に固定された永久磁石(11)についても同様に周方向において磁極性の反転を交互に繰り返すように配列されている。また、図示しないが、前記第3盤状体(15C)に固定された永久磁石(11)、前記第4盤状体(15D)に固定された永久磁石(11)および前記第5盤状体(15E)に固定された永久磁石(11)についても同様に周方向において磁極性の反転を交互に繰り返すように配列されている。また、図2に示すように、前記軸線方向(J)に対向する永久磁石(11)(11)において、対向面側の極性は互いに異なるように配置されている。例えば、一方の永久磁石の対向面側がN極であれば、対向する他方の永久磁石の対向面側はS極となるように配置されている(図2参照)。従って、前記対向する一対の永久磁石(11)(11)によって形成される磁束の方向は、前記回転子(2)の回転軸部(14)の軸線方向(J)に対して略平行である(図2参照)。且つ、周方向に沿って、磁束の方向は、交互に反転する。例えば、任意の位置での軸線方向(J)に対向する一対の永久磁石(11)(11)において前記軸線方向(J)に沿って図面左から右へ向かう磁束が形成されていれば、該一対の永久磁石に対して周方向に隣り合う一対の永久磁石間では前記軸線方向(J)に沿って図面右から左へ向かう磁束が形成されている(図2参照)。
【0032】
前記回転軸部(14)の一端部は、前記ナセル(8)の軸用孔(8a)を介して該ナセル(8)の外部に導出された状態に配置され、この回転軸部(14)の一端部が、前記回転翼(4)の中央連結部(6)に接合固定されている。即ち、前記回転翼(4)は、前記回転子(2)の回転軸部(14)に固定されている。前記回転翼(4)は、前記中央連結部(6)から径方向外方に向けて放射状に3つの翼体(7)(7)(7)が延設されたものからなる。
【0033】
また、前記回転子(2)は、ベアリング(19)を介して前記固定子(3)に回転自在に支持されている。即ち、前記回転子(2)の回転軸部(14)と前記固定子(3)の第1〜4突出板(17A)(17B)(17C)(17D)の軸用孔の内周面との間にベアリング(19)が配置されている(図2参照)。また、前記回転子(2)の回転軸部(14)と前記筐体(16)の一方の底面壁(図2で左側の底面壁)の中央部の軸用孔の内周面との間にもベアリング(19)が配置されている(図2参照)。
【0034】
しかして、上記発電機(1)の支柱(5)の下端部を地面等の固定体に固定した状態で、発電機(1)の回転翼(4)に風が当たる状態にすると、回転翼(4)が回転し、これにより回転翼(4)に固定された回転子(2)も同期回転する。即ち、回転子(2)の永久磁石(11)は、前記回転翼(4)の回転に同期して回転する。これにより、前記固定子(3)に埋設された固定状態の電機子巻線(12)に対して前記永久磁石(11)が回転移動するので、前記電機子巻線(12)に電流が発生し、該電流が配線を通じて他の電機機器等に送電される。配線を蓄電器に接続すれば蓄電することもできる。
【0035】
上記発電機(1)では、回転軸部(14)の軸線方向(J)に相互に離間して5層の永久磁石(11)を配置せしめることによって磁石面積を大きくしているので、従来の発電機と同等の半径であってもより大きい出力を得ることができる。換言すれば、従来の発電機と同等の出力を得るのにより小径化して対応できる(小径化しても大きな出力を得ることができる)。更に、前記回転軸部(14)の軸線方向(J)に隣り合う電機子巻線(12)は、相互間に永久磁石(11)を共用することになるので、永久磁石(11)の必要個数が少なくて済む。例えば、出力をN倍にするために、従来の発電機を回転軸線方向に単にN個直列に連結した構成を採用した場合には磁石は2N個(層)必要となって顕著な重量増となるのに対し、本発明の発電機(1)では、前記軸線方向(J)に隣り合う電機子巻線(12)間において永久磁石(11)を共用する構成を採用したことにより、(N+1)個(層)の永久磁石を配置するだけで良いから、即ち単純直列タイプと比較して永久磁石の必要個数は(N+1)/2N倍で良い(表1参照)から、より軽量化及びより低コスト化しつつ大きい出力を得ることができる。加えて、電機子巻線(12)は、コアレス型(鉄芯を有しない構成)であるから、さらに軽量化できる。
【0036】
【表1】
【0037】
なお、永久磁石(11)を備えた回転子(2)の構成は、図1〜3のような構成に特に限定されるものではなく、種々設計変更可能である。また、電機子巻線(12)を備えた固定子(3)の構成も、図1〜3のような構成に特に限定されるものではなく、種々設計変更可能である。また、前記実施形態では、相互に離間して配置された5層の永久磁石(11)の間の各間隙に電機子巻線(12)がそれぞれ配置された構成が採用されているが、特にこのような層数に限定されるものではなく、前記永久磁石(11)の構成層数は、3以上であれば良い。
【0038】
次に、この発明に係る発電機(1)の他の実施形態を図4〜6に示す。これらの図において、(22)は回転子、(23)は固定子、(24)は回転翼(風車)、(28)はナセルである。
【0039】
前記ナセル(28)は、外形形状が略円柱状で中空の略円柱体からなり、該略円柱体の一方の底面壁(図5で左側の底面壁)の中央部に孔(28a)が穿設されている(図5参照)。このナセル(28)の下方部に支柱(25)の一端部が連接されている。前記支柱(25)の他端部が、例えば地面等の固定体に固定される。
【0040】
前記回転子(22)は、外形形状が略円柱状で中空の略円柱体からなる筐体(36)と、該筐体(36)の周側壁から内方に向けて突設された第1〜3突出板(37A)(37B)(37C)と、これら第1〜3突出板(37A)(37B)(37C)及び筐体(36)の第1、2底面壁(37V)(37W)に固定された永久磁石(31)とを備えてなる。前記第1〜3突出板(37A)(37B)(37C)は相互に離間して平行状に配置されている。また、前記第1〜3突出板(37A)(37B)(37C)は、いずれも、円板の中心部に軸用孔が穿設されたものからなる。また、前記筐体(36)の第2底面壁(図5で右側の底面壁)(37W)の中央部にも軸用孔が形成されている。しかして、前記回転子(22)は、図5に示すように、前記ナセル(28)の内部空間に該ナセル(28)に対して非接触状態に配置されている。
【0041】
前記回転子(22)の筐体(36)の第1底面壁(図5で左側の底面壁)(37V)の中央部に連結部(38)を介して前記回転翼(24)の中央連結部(26)が接合固定されている。即ち、前記回転翼(24)は、前記回転子(22)の筐体(36)に固定されている。前記回転翼(24)は、前記中央連結部(26)から径方向外方に向けて放射状に3つの翼体(27)(27)(27)が延設されたものからなる。
【0042】
前記固定子(23)は、前記ナセル(28)の他方の底面壁(図5で右側の底面壁)の中央部に接合固定された軸体(34)と、該軸体(34)から軸体(34)の軸線方向に直交する方向に放射状に延ばされた円板からなる第1〜4盤状体(35A)(35B)(35C)(35D)と、これら第1〜4盤状体の内部に埋設されたコアレス型の電機子巻線(32)とを備えてなる。前記第1〜4盤状体(35A)(35B)(35C)(35D)は、前記筐体(36)の回転軸線方向(K)に相互に離間して平行状に配置されている(図5参照)。また、前記軸体(34)の一部、前記第1〜4盤状体(35A)(35B)(35C)(35D)および前記電機子巻線(32)は、前記回転子(22)の筐体(36)の内部空間に配置されている。しかして、前記筐体(36)の第1底面壁(37V)と前記第1突出板(37A)の間の間隙にこれらと非接触状態に前記第1盤状体(35A)が配置され、前記第1突出板(37A)と前記第2突出板(37B)の間の間隙にこれらと非接触状態に前記第2盤状体(35B)が配置され、前記第2突出板(37B)と前記第3突出板(37C)の間の間隙にこれらと非接触状態に前記第3盤状体(35C)が配置され、前記第3突出板(37C)と前記第2底面壁(37W)の間の間隙にこれらと非接触状態に前記第4盤状体(35D)が配置されている(図5参照)。即ち、前記筐体(36)の回転軸線方向(K)に相互に離間して配置された5層の永久磁石(31)の間の各間隙に電機子巻線(32)がそれぞれ配置されている。
【0043】
前記筐体(36)の第1底面壁(37V)に固定された永久磁石(31)は、図6に示すように、周方向において磁極性の反転を交互に繰り返すように配列されている。図示しないが、前記第1突出板(37A)に固定された永久磁石(31)についても同様に周方向において磁極性の反転を交互に繰り返すように配列されている。また、図示しないが、前記第2突出板(37B)に固定された永久磁石(31)、前記第3突出板(37C)に固定された永久磁石(31)および前記筐体(36)の第2底面壁(37W)に固定された永久磁石(31)についても同様に周方向において磁極性の反転を交互に繰り返すように配列されている。また、図5に示すように、前記回転軸線方向(K)に対向する永久磁石(31)(31)において、対向面側の極性は互いに異なるように配置されている。例えば、一方の永久磁石の対向面側がN極であれば、対向する他方の永久磁石の対向面側はS極となるように配置されている(図5参照)。従って、前記対向する一対の永久磁石(31)(31)によって形成される磁束の方向は、前記筐体(36)の回転軸線方向(K)に対して略平行である(図5参照)。且つ、周方向に沿って、磁束の方向は、交互に反転する。例えば、任意の位置での回転軸線方向(K)に対向する一対の永久磁石(31)(31)において前記回転軸線方向(K)に沿って図面左から右へ向かう磁束が形成されていれば、該一対の永久磁石に対して周方向に隣り合う一対の永久磁石間では前記回転軸線方向(K)に沿って図面右から左へ向かう磁束が形成されている(図5参照)。
【0044】
また、前記回転子(22)は、ベアリング(39)を介して前記固定子(23)に回転自在に支持されている。即ち、前記固定子(23)の軸体(34)と前記回転子(22)の第1〜3突出板(37A)(37B)(37C)の軸用孔の内周面との間にベアリング(39)が配置されている(図5参照)。また、前記固定子(23)の軸体(34)と前記回転子(22)の筐体(36)の第2底面壁(37W)の軸用孔の内周面との間にもベアリング(39)が配置されている(図5参照)。
【0045】
しかして、上記発電機(1)の支柱(25)の下端部を地面等の固定体に固定した状態で、発電機(1)の回転翼(24)に風が当たる状態にすると、回転翼(24)が回転し、これにより回転翼(24)に固定された回転子(22)も同期回転する。即ち、回転子(22)の永久磁石(31)は、前記回転翼(24)の回転に同期して回転する。これにより、前記固定子(23)に埋設された固定状態の電機子巻線(32)に対して前記永久磁石(31)が回転移動するので、前記電機子巻線(32)に電流が発生し、該電流が配線を通じて他の電機機器等に送電される。配線を蓄電器に接続すれば蓄電することもできる。
【0046】
上記発電機(1)では、回転子(22)の筐体(36)の回転軸線方向(K)に相互に離間して5層の永久磁石(31)を配置せしめることによって磁石面積を大きくしているので、従来の発電機と同等の半径であってもより大きい出力を得ることができる。換言すれば、従来の発電機と同等の出力を得るのにより小径化して対応できる(小径化しても大きな出力を得ることができる)。更に、前記筐体(36)の回転軸線方向(K)に隣り合う電機子巻線(32)は、相互間に永久磁石(31)を共用することになるので、永久磁石(31)の必要個数が少なくて済む。例えば、出力をN倍にするために、従来の発電機を回転軸線方向に単にN個直列に連結した構成を採用した場合には磁石は2N個(層)必要となって顕著な重量増となるのに対し、本発明の発電機(1)では、前記回転軸線方向(K)に隣り合う電機子巻線(32)間において永久磁石(31)を共用する構成を採用したことにより、(N+1)個(層)の永久磁石を配置するだけで良いから、即ち単純直列タイプと比較して永久磁石の必要個数は(N+1)/2N倍で良い(表1参照)から、より軽量化及びより低コスト化しつつ大きい出力を得ることができる。加えて、電機子巻線(32)は、コアレス型(鉄芯を有しない構成)であるから、さらに軽量化できる。
【0047】
なお、永久磁石(31)を備えた回転子(22)の構成は、図4〜6のような構成に特に限定されるものではなく、種々設計変更可能である。また、電機子巻線(32)を備えた固定子(23)の構成も、図4〜6のような構成に特に限定されるものではなく、種々設計変更可能である。また、前記実施形態では、相互に離間して配置された5層の永久磁石(31)の間の各間隙に電機子巻線(32)がそれぞれ配置された構成が採用されているが、特にこのような層数に限定されるものではなく、前記永久磁石(31)の構成層数は、3以上であれば良い。
【0048】
この発明において、前記永久磁石(11)(31)としては、特に限定されるものではないが、希土類磁石が好適に用いられる。希土類磁石を用いれば、より一層大きな容量の電力を得ることができる。前記希土類磁石としては、特に限定されないが、例えばSm−Co磁石、Nd−Fe−B磁石等が挙げられる。
【0049】
また、前記実施形態では、前記回転翼(4)(24)の翼体の枚数は3枚であるが、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば翼体の枚数は2枚、4枚、5枚、或いは6枚以上であっても良い。また、前記回転翼(4)(24)の翼体の形状は、風や水流等を受けて回転翼が回転し得る形状であれば特に限定されない。
【0050】
また、前記実施形態では、ギアボックス(増速機)を設けていない構成を採用しているが、ギアボックス(増速機)を設けた構成を採用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
この発明に係る発電機は、小径化しても大きな出力を得ることができるので、風力発電機として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】この発明に係る風力発電機の一実施形態を示す側面図である。
【図2】図1の風力発電機の縦断面図である。
【図3】図2におけるX−X線の断面図である。
【図4】この発明に係る風力発電機の他の実施形態を示す側面図である。
【図5】図4の風力発電機の縦断面図である。
【図6】図5におけるY−Y線の断面図である。
【図7】従来の発電機を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0053】
1…発電機
2…回転子
3…固定子
4…回転翼
11…永久磁石
12…電機子巻線
14…回転軸部
15A…第1盤状体
15B…第2盤状体
15C…第3盤状体
15D…第4盤状体
15E…第5盤状体
19…ベアリング
22…回転子
23…固定子
24…回転翼
31…永久磁石
32…電機子巻線
36…筐体
37A…第1突出板
37B…第2突出板
37C…第3突出板
37V…第1底面壁
37W…第2底面壁
39…ベアリング
J…回転軸部の軸線方向
K…筐体の回転軸線方向
【技術分野】
【0001】
この発明は、風力発電に特に適した発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、風力発電用の発電機としては、図7に示すような回転子(101)の回転軸線方向に相互に離間して配置された一対の永久磁石(102)(102)の間に固定子である電機子巻線(103)が配置された回転界磁型同期発電機が公知である(特許文献1参照)。この回転界磁型同期発電機では、風車の回転が回転子に伝達されて永久磁石が電機子巻線に対して回転移動することによって発電が行われる。
【特許文献1】特開平11−90174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような従来の回転界磁型同期発電機では、定格出力を増大させるためには、永久磁石の面積を増大させなければならないが、このためには発電機の半径を拡径するより他なかった。しかし、発電機を拡径した場合には大型化することで風車に対する風の流れを阻害するという問題が生じるし、構造上、意匠上の制限等により大型化できないケースもあった。
【0004】
また、発電機の拡径による大型化を回避すべく、小径小型の発電機を複数台直列で連結して出力の増大を図る方法も考えられるが、この場合には磁石の配置数が大幅に増大して顕著な重量増となると共にコストも大幅に増大するという問題があった。
【0005】
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、永久磁石の必要個数が少なくて済み低コストで軽量であると共に、小径化しても大きな出力を得ることのできる発電機及び風力発電機並びに風力発電方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
【0007】
[1]回転軸部と、該軸部の軸線方向に相互に離間して配置された3層以上の永久磁石とを有し、該永久磁石が前記回転軸部の回転に同期して回転するものとなされた回転子と、
前記3層以上の永久磁石の間の各間隙に配置されたコアレス型の電機子巻線を有した固定子とを備えていることを特徴とする発電機。
【0008】
[2]前記回転軸部に該軸部の軸線方向に直交する状態に固定された3層以上の盤状体のそれぞれに前記永久磁石が固定されることによって、前記永久磁石が前記回転軸部の回転に同期して回転するものとなされている前項1に記載の発電機。
【0009】
[3]回転自在な筐体と、該筐体の内部空間内に筐体の回転軸線方向に相互に離間して配置された3層以上の永久磁石とを有し、該永久磁石が前記筐体の回転に同期して回転するものとなされた回転子と、
前記3層以上の永久磁石の間の各間隙に配置されたコアレス型の電機子巻線を有した固定子とを備えていることを特徴とする発電機。
【0010】
[4]前記筐体は中空の略円柱体からなり、前記筐体の周側壁から内方に向けて突設された1層以上の突出板及び前記筐体の両底面壁のそれぞれに前記永久磁石が固定されることによって、前記永久磁石が前記筐体の回転に同期して回転するものとなされている前項3に記載の発電機。
【0011】
[5]前記永久磁石として希土類磁石が用いられている前項1〜4のいずれか1項に記載の発電機。
【0012】
[6]前記回転子は、ベアリングを介して前記固定子に回転自在に支持されている前項1〜5のいずれか1項に記載の発電機。
【0013】
[7]前項1または2に記載の発電機と、該発電機の回転子の回転軸部に固定された回転翼とを備えていることを特徴とする風力発電機。
【0014】
[8]前項7に記載の風力発電機の回転翼に対して風を当てて回転翼を回転させることによって永久磁石を電機子巻線に対して回転移動せしめて発電することを特徴とする風力発電方法。
【0015】
[9]前項3または4に記載の発電機と、該発電機の回転子の筐体に固定された回転翼とを備えていることを特徴とする風力発電機。
【0016】
[10]前項9に記載の風力発電機の回転翼に対して風を当てて回転翼を回転させることによって永久磁石を電機子巻線に対して回転移動せしめて発電することを特徴とする風力発電方法。
【発明の効果】
【0017】
[1]の発明では、回転軸部の軸線方向に相互に離間して3層以上の永久磁石を配置せしめることによって磁石面積を大きくしているので、従来機と同等の半径であってもより大きい出力を得ることができる。換言すれば、従来機と同等の出力を得るのにより小径の発電機で対応できる。即ち、小径化しても大きな出力を得ることができる。更に、回転軸部の軸線方向に隣り合う電機子巻線は、相互間に永久磁石を共用することになるので、永久磁石の必要個数が少なくて済む。例えば、出力をN倍にするために、従来の発電機を回転軸線方向に単にN個直列に連結した構成を採用した場合には、磁石は(2N)層必要となって顕著な重量増となるのに対し、本発明では、隣り合う電機子巻線間における永久磁石の共用により(N+1)層の永久磁石を配置するだけで良いから、即ち単純直列タイプと比較して永久磁石の必要個数は(N+1)/2N倍で良いから(表1参照)、より軽量化及びより低コスト化しつつ大きい出力を得ることができる。加えて、電機子巻線は、コアレス型(鉄芯を有しない構成)であるから、より一層軽量化できる。
【0018】
[2]の発明では、簡易な構成の採用でもって、永久磁石を回転軸部の回転に同期させて回転させることができるので、よりコンパクトでより軽量の発電機が提供される。
【0019】
[3]の発明では、筐体の回転軸線方向に相互に離間して3層以上の永久磁石を配置せしめることによって磁石面積を大きくしているので、従来機と同等の半径であってもより大きい出力を得ることができる。換言すれば、従来機と同等の出力を得るのにより小径の発電機で対応できる。即ち、小径化しても大きな出力を得ることができる。更に、筐体の回転軸線方向に隣り合う電機子巻線は、相互間に永久磁石を共用することになるので、永久磁石の必要個数が少なくて済む。例えば、出力をN倍にするために、従来の発電機を回転軸線方向に単にN個直列に連結した構成を採用した場合には、磁石は(2N)層必要となって顕著な重量増となるのに対し、本発明では、隣り合う電機子巻線間における永久磁石の共用により(N+1)層の永久磁石を配置するだけで良いから、即ち単純直列タイプと比較して永久磁石の必要個数は(N+1)/2N倍で良いから(表1参照)、より軽量化及びより低コスト化しつつ大きい出力を得ることができる。加えて、電機子巻線は、コアレス型(鉄芯を有しない構成)であるから、より一層軽量化できる。
【0020】
[4]の発明では、簡易な構成の採用でもって、永久磁石を筐体の回転に同期させて回転させることができるので、よりコンパクトでより軽量の発電機が提供される。
【0021】
[5]の発明では、永久磁石として希土類磁石が用いられているから、より一層大きな容量の電力を得ることができる。
【0022】
[6]の発明では、回転子は、ベアリングを介して固定子に回転自在に支持されているから、回転子は固定子に対して十分に円滑に回転することが可能となり、回転子の回転による移動速度をさらに向上させることができて更に大きな容量の電力を得ることができる。また、ベアリングを介して支持されているので、軸ぶれに強いという利点もある。
【0023】
[7]の発明に係る風力発電機では、回転子と固定子とからなる発電機構部を小径に設計しても十分な出力を得ることができるものであり、このように発電機構部を小径化することで回転翼への風の流れを該発電機構部により阻害してしまうことを極力回避できるので、風力発電効率に優れている。また、回転翼が、発電機の回転子の回転軸部に固定されているので、回転子の回転をより円滑化できる利点がある。
【0024】
[8]の発明に係る風力発電方法では、回転翼への風の流れを発電機構部により阻害してしまうことを極力回避できるから、発電効率に優れている。
【0025】
[9]の発明に係る風力発電機では、回転子と固定子とからなる発電機構部を小径に設計しても十分な出力を得ることができるものであり、このように発電機構部を小径化することで回転翼への風の流れを該発電機構部により阻害してしまうことを極力回避できるので、風力発電効率に優れている。また、回転翼が、発電機の回転子の筐体に固定されているので、回転翼を安定状態に支持固定できる利点がある。
【0026】
[10]の発明に係る風力発電方法では、回転翼への風の流れを発電機構部により阻害してしまうことを極力回避できるから、発電効率に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
この発明に係る発電機(1)の一実施形態を図1〜3に示す。これらの図において、(2)は回転子、(3)は固定子、(4)は回転翼(風車)、(8)はナセルである。
【0028】
前記ナセル(8)は、外形形状が略円柱状で中空の略円柱体からなり、該略円柱体の一方の底面壁(図2で左側の底面壁)の中央部に軸用孔(8a)が穿設されている(図2参照)。このナセル(8)の下方部に支柱(5)の一端部が連接されている。前記支柱(5)の他端部が、例えば地面等の固定体に固定される。
【0029】
前記固定子(3)は、外形形状が略円柱状で中空の略円柱体からなる筐体(16)と、該筐体(16)の周側壁から内方に向けて突設された第1〜4突出板(17A)(17B)(17C)(17D)と、これら第1〜4突出板の内部に埋設されたコアレス型の電機子巻線(12)とを備えてなる。前記第1〜4突出板(17A)(17B)(17C)(17D)は相互に離間して平行状に配置されている。また、前記第1〜4突出板(17A)(17B)(17C)(17D)は、いずれも、円板の中心部に軸用孔が穿設されたものからなる。また、前記筐体(16)の一方の底面壁(図2で左側の底面壁)の中央部にも軸用孔が形成されている。しかして、前記固定子(3)は、図2に示すように、前記ナセル(8)の内部空間に配置されると共に、該固定子(3)の筐体(16)の周側壁の外面が前記ナセル(8)の周側壁の内面に当接して接合固定されている。
【0030】
前記回転子(2)は、回転軸部(14)と、該回転軸部(14)から軸部(14)の軸線方向(J)に直交する方向に放射状に延ばされた円板からなる第1〜5盤状体(15A)(15B)(15C)(15D)(15E)と、これら第1〜5盤状体に固定された永久磁石(11)とを備えてなる。前記第1〜5盤状体(15A)(15B)(15C)(15D)(15E)は、前記回転軸部(14)の軸線方向(J)に相互に離間して平行状に配置されている(図2参照)。また、前記回転軸部(14)の一部、第1〜5盤状体(15A)(15B)(15C)(15D)(15E)および前記永久磁石(11)は、前記固定子(3)の筐体(16)の内部空間に配置されている。しかして、前記第1盤状体(15A)と前記第2盤状体(15B)の間の間隙にこれらと非接触状態に前記第1突出板(17A)が配置され、前記第2盤状体(15B)と前記第3盤状体(15C)の間の間隙にこれらと非接触状態に前記第2突出板(17B)が配置され、前記第3盤状体(15C)と前記第4盤状体(15D)の間の間隙にこれらと非接触状態に前記第3突出板(17C)が配置され、前記第4盤状体(15D)と前記第5盤状体(15E)の間の間隙にこれらと非接触状態に前記第4突出板(17D)が配置されている(図2参照)。即ち、前記回転軸部(14)の軸線方向(J)に相互に離間して配置された5層の永久磁石(11)の間の各間隙に電機子巻線(12)がそれぞれ配置されている。
【0031】
前記第1盤状体(15A)に固定された永久磁石(11)は、図3に示すように、周方向において磁極性の反転を交互に繰り返すように配列されている。図示しないが、前記第2盤状体(15B)に固定された永久磁石(11)についても同様に周方向において磁極性の反転を交互に繰り返すように配列されている。また、図示しないが、前記第3盤状体(15C)に固定された永久磁石(11)、前記第4盤状体(15D)に固定された永久磁石(11)および前記第5盤状体(15E)に固定された永久磁石(11)についても同様に周方向において磁極性の反転を交互に繰り返すように配列されている。また、図2に示すように、前記軸線方向(J)に対向する永久磁石(11)(11)において、対向面側の極性は互いに異なるように配置されている。例えば、一方の永久磁石の対向面側がN極であれば、対向する他方の永久磁石の対向面側はS極となるように配置されている(図2参照)。従って、前記対向する一対の永久磁石(11)(11)によって形成される磁束の方向は、前記回転子(2)の回転軸部(14)の軸線方向(J)に対して略平行である(図2参照)。且つ、周方向に沿って、磁束の方向は、交互に反転する。例えば、任意の位置での軸線方向(J)に対向する一対の永久磁石(11)(11)において前記軸線方向(J)に沿って図面左から右へ向かう磁束が形成されていれば、該一対の永久磁石に対して周方向に隣り合う一対の永久磁石間では前記軸線方向(J)に沿って図面右から左へ向かう磁束が形成されている(図2参照)。
【0032】
前記回転軸部(14)の一端部は、前記ナセル(8)の軸用孔(8a)を介して該ナセル(8)の外部に導出された状態に配置され、この回転軸部(14)の一端部が、前記回転翼(4)の中央連結部(6)に接合固定されている。即ち、前記回転翼(4)は、前記回転子(2)の回転軸部(14)に固定されている。前記回転翼(4)は、前記中央連結部(6)から径方向外方に向けて放射状に3つの翼体(7)(7)(7)が延設されたものからなる。
【0033】
また、前記回転子(2)は、ベアリング(19)を介して前記固定子(3)に回転自在に支持されている。即ち、前記回転子(2)の回転軸部(14)と前記固定子(3)の第1〜4突出板(17A)(17B)(17C)(17D)の軸用孔の内周面との間にベアリング(19)が配置されている(図2参照)。また、前記回転子(2)の回転軸部(14)と前記筐体(16)の一方の底面壁(図2で左側の底面壁)の中央部の軸用孔の内周面との間にもベアリング(19)が配置されている(図2参照)。
【0034】
しかして、上記発電機(1)の支柱(5)の下端部を地面等の固定体に固定した状態で、発電機(1)の回転翼(4)に風が当たる状態にすると、回転翼(4)が回転し、これにより回転翼(4)に固定された回転子(2)も同期回転する。即ち、回転子(2)の永久磁石(11)は、前記回転翼(4)の回転に同期して回転する。これにより、前記固定子(3)に埋設された固定状態の電機子巻線(12)に対して前記永久磁石(11)が回転移動するので、前記電機子巻線(12)に電流が発生し、該電流が配線を通じて他の電機機器等に送電される。配線を蓄電器に接続すれば蓄電することもできる。
【0035】
上記発電機(1)では、回転軸部(14)の軸線方向(J)に相互に離間して5層の永久磁石(11)を配置せしめることによって磁石面積を大きくしているので、従来の発電機と同等の半径であってもより大きい出力を得ることができる。換言すれば、従来の発電機と同等の出力を得るのにより小径化して対応できる(小径化しても大きな出力を得ることができる)。更に、前記回転軸部(14)の軸線方向(J)に隣り合う電機子巻線(12)は、相互間に永久磁石(11)を共用することになるので、永久磁石(11)の必要個数が少なくて済む。例えば、出力をN倍にするために、従来の発電機を回転軸線方向に単にN個直列に連結した構成を採用した場合には磁石は2N個(層)必要となって顕著な重量増となるのに対し、本発明の発電機(1)では、前記軸線方向(J)に隣り合う電機子巻線(12)間において永久磁石(11)を共用する構成を採用したことにより、(N+1)個(層)の永久磁石を配置するだけで良いから、即ち単純直列タイプと比較して永久磁石の必要個数は(N+1)/2N倍で良い(表1参照)から、より軽量化及びより低コスト化しつつ大きい出力を得ることができる。加えて、電機子巻線(12)は、コアレス型(鉄芯を有しない構成)であるから、さらに軽量化できる。
【0036】
【表1】
【0037】
なお、永久磁石(11)を備えた回転子(2)の構成は、図1〜3のような構成に特に限定されるものではなく、種々設計変更可能である。また、電機子巻線(12)を備えた固定子(3)の構成も、図1〜3のような構成に特に限定されるものではなく、種々設計変更可能である。また、前記実施形態では、相互に離間して配置された5層の永久磁石(11)の間の各間隙に電機子巻線(12)がそれぞれ配置された構成が採用されているが、特にこのような層数に限定されるものではなく、前記永久磁石(11)の構成層数は、3以上であれば良い。
【0038】
次に、この発明に係る発電機(1)の他の実施形態を図4〜6に示す。これらの図において、(22)は回転子、(23)は固定子、(24)は回転翼(風車)、(28)はナセルである。
【0039】
前記ナセル(28)は、外形形状が略円柱状で中空の略円柱体からなり、該略円柱体の一方の底面壁(図5で左側の底面壁)の中央部に孔(28a)が穿設されている(図5参照)。このナセル(28)の下方部に支柱(25)の一端部が連接されている。前記支柱(25)の他端部が、例えば地面等の固定体に固定される。
【0040】
前記回転子(22)は、外形形状が略円柱状で中空の略円柱体からなる筐体(36)と、該筐体(36)の周側壁から内方に向けて突設された第1〜3突出板(37A)(37B)(37C)と、これら第1〜3突出板(37A)(37B)(37C)及び筐体(36)の第1、2底面壁(37V)(37W)に固定された永久磁石(31)とを備えてなる。前記第1〜3突出板(37A)(37B)(37C)は相互に離間して平行状に配置されている。また、前記第1〜3突出板(37A)(37B)(37C)は、いずれも、円板の中心部に軸用孔が穿設されたものからなる。また、前記筐体(36)の第2底面壁(図5で右側の底面壁)(37W)の中央部にも軸用孔が形成されている。しかして、前記回転子(22)は、図5に示すように、前記ナセル(28)の内部空間に該ナセル(28)に対して非接触状態に配置されている。
【0041】
前記回転子(22)の筐体(36)の第1底面壁(図5で左側の底面壁)(37V)の中央部に連結部(38)を介して前記回転翼(24)の中央連結部(26)が接合固定されている。即ち、前記回転翼(24)は、前記回転子(22)の筐体(36)に固定されている。前記回転翼(24)は、前記中央連結部(26)から径方向外方に向けて放射状に3つの翼体(27)(27)(27)が延設されたものからなる。
【0042】
前記固定子(23)は、前記ナセル(28)の他方の底面壁(図5で右側の底面壁)の中央部に接合固定された軸体(34)と、該軸体(34)から軸体(34)の軸線方向に直交する方向に放射状に延ばされた円板からなる第1〜4盤状体(35A)(35B)(35C)(35D)と、これら第1〜4盤状体の内部に埋設されたコアレス型の電機子巻線(32)とを備えてなる。前記第1〜4盤状体(35A)(35B)(35C)(35D)は、前記筐体(36)の回転軸線方向(K)に相互に離間して平行状に配置されている(図5参照)。また、前記軸体(34)の一部、前記第1〜4盤状体(35A)(35B)(35C)(35D)および前記電機子巻線(32)は、前記回転子(22)の筐体(36)の内部空間に配置されている。しかして、前記筐体(36)の第1底面壁(37V)と前記第1突出板(37A)の間の間隙にこれらと非接触状態に前記第1盤状体(35A)が配置され、前記第1突出板(37A)と前記第2突出板(37B)の間の間隙にこれらと非接触状態に前記第2盤状体(35B)が配置され、前記第2突出板(37B)と前記第3突出板(37C)の間の間隙にこれらと非接触状態に前記第3盤状体(35C)が配置され、前記第3突出板(37C)と前記第2底面壁(37W)の間の間隙にこれらと非接触状態に前記第4盤状体(35D)が配置されている(図5参照)。即ち、前記筐体(36)の回転軸線方向(K)に相互に離間して配置された5層の永久磁石(31)の間の各間隙に電機子巻線(32)がそれぞれ配置されている。
【0043】
前記筐体(36)の第1底面壁(37V)に固定された永久磁石(31)は、図6に示すように、周方向において磁極性の反転を交互に繰り返すように配列されている。図示しないが、前記第1突出板(37A)に固定された永久磁石(31)についても同様に周方向において磁極性の反転を交互に繰り返すように配列されている。また、図示しないが、前記第2突出板(37B)に固定された永久磁石(31)、前記第3突出板(37C)に固定された永久磁石(31)および前記筐体(36)の第2底面壁(37W)に固定された永久磁石(31)についても同様に周方向において磁極性の反転を交互に繰り返すように配列されている。また、図5に示すように、前記回転軸線方向(K)に対向する永久磁石(31)(31)において、対向面側の極性は互いに異なるように配置されている。例えば、一方の永久磁石の対向面側がN極であれば、対向する他方の永久磁石の対向面側はS極となるように配置されている(図5参照)。従って、前記対向する一対の永久磁石(31)(31)によって形成される磁束の方向は、前記筐体(36)の回転軸線方向(K)に対して略平行である(図5参照)。且つ、周方向に沿って、磁束の方向は、交互に反転する。例えば、任意の位置での回転軸線方向(K)に対向する一対の永久磁石(31)(31)において前記回転軸線方向(K)に沿って図面左から右へ向かう磁束が形成されていれば、該一対の永久磁石に対して周方向に隣り合う一対の永久磁石間では前記回転軸線方向(K)に沿って図面右から左へ向かう磁束が形成されている(図5参照)。
【0044】
また、前記回転子(22)は、ベアリング(39)を介して前記固定子(23)に回転自在に支持されている。即ち、前記固定子(23)の軸体(34)と前記回転子(22)の第1〜3突出板(37A)(37B)(37C)の軸用孔の内周面との間にベアリング(39)が配置されている(図5参照)。また、前記固定子(23)の軸体(34)と前記回転子(22)の筐体(36)の第2底面壁(37W)の軸用孔の内周面との間にもベアリング(39)が配置されている(図5参照)。
【0045】
しかして、上記発電機(1)の支柱(25)の下端部を地面等の固定体に固定した状態で、発電機(1)の回転翼(24)に風が当たる状態にすると、回転翼(24)が回転し、これにより回転翼(24)に固定された回転子(22)も同期回転する。即ち、回転子(22)の永久磁石(31)は、前記回転翼(24)の回転に同期して回転する。これにより、前記固定子(23)に埋設された固定状態の電機子巻線(32)に対して前記永久磁石(31)が回転移動するので、前記電機子巻線(32)に電流が発生し、該電流が配線を通じて他の電機機器等に送電される。配線を蓄電器に接続すれば蓄電することもできる。
【0046】
上記発電機(1)では、回転子(22)の筐体(36)の回転軸線方向(K)に相互に離間して5層の永久磁石(31)を配置せしめることによって磁石面積を大きくしているので、従来の発電機と同等の半径であってもより大きい出力を得ることができる。換言すれば、従来の発電機と同等の出力を得るのにより小径化して対応できる(小径化しても大きな出力を得ることができる)。更に、前記筐体(36)の回転軸線方向(K)に隣り合う電機子巻線(32)は、相互間に永久磁石(31)を共用することになるので、永久磁石(31)の必要個数が少なくて済む。例えば、出力をN倍にするために、従来の発電機を回転軸線方向に単にN個直列に連結した構成を採用した場合には磁石は2N個(層)必要となって顕著な重量増となるのに対し、本発明の発電機(1)では、前記回転軸線方向(K)に隣り合う電機子巻線(32)間において永久磁石(31)を共用する構成を採用したことにより、(N+1)個(層)の永久磁石を配置するだけで良いから、即ち単純直列タイプと比較して永久磁石の必要個数は(N+1)/2N倍で良い(表1参照)から、より軽量化及びより低コスト化しつつ大きい出力を得ることができる。加えて、電機子巻線(32)は、コアレス型(鉄芯を有しない構成)であるから、さらに軽量化できる。
【0047】
なお、永久磁石(31)を備えた回転子(22)の構成は、図4〜6のような構成に特に限定されるものではなく、種々設計変更可能である。また、電機子巻線(32)を備えた固定子(23)の構成も、図4〜6のような構成に特に限定されるものではなく、種々設計変更可能である。また、前記実施形態では、相互に離間して配置された5層の永久磁石(31)の間の各間隙に電機子巻線(32)がそれぞれ配置された構成が採用されているが、特にこのような層数に限定されるものではなく、前記永久磁石(31)の構成層数は、3以上であれば良い。
【0048】
この発明において、前記永久磁石(11)(31)としては、特に限定されるものではないが、希土類磁石が好適に用いられる。希土類磁石を用いれば、より一層大きな容量の電力を得ることができる。前記希土類磁石としては、特に限定されないが、例えばSm−Co磁石、Nd−Fe−B磁石等が挙げられる。
【0049】
また、前記実施形態では、前記回転翼(4)(24)の翼体の枚数は3枚であるが、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば翼体の枚数は2枚、4枚、5枚、或いは6枚以上であっても良い。また、前記回転翼(4)(24)の翼体の形状は、風や水流等を受けて回転翼が回転し得る形状であれば特に限定されない。
【0050】
また、前記実施形態では、ギアボックス(増速機)を設けていない構成を採用しているが、ギアボックス(増速機)を設けた構成を採用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
この発明に係る発電機は、小径化しても大きな出力を得ることができるので、風力発電機として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】この発明に係る風力発電機の一実施形態を示す側面図である。
【図2】図1の風力発電機の縦断面図である。
【図3】図2におけるX−X線の断面図である。
【図4】この発明に係る風力発電機の他の実施形態を示す側面図である。
【図5】図4の風力発電機の縦断面図である。
【図6】図5におけるY−Y線の断面図である。
【図7】従来の発電機を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0053】
1…発電機
2…回転子
3…固定子
4…回転翼
11…永久磁石
12…電機子巻線
14…回転軸部
15A…第1盤状体
15B…第2盤状体
15C…第3盤状体
15D…第4盤状体
15E…第5盤状体
19…ベアリング
22…回転子
23…固定子
24…回転翼
31…永久磁石
32…電機子巻線
36…筐体
37A…第1突出板
37B…第2突出板
37C…第3突出板
37V…第1底面壁
37W…第2底面壁
39…ベアリング
J…回転軸部の軸線方向
K…筐体の回転軸線方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸部と、該軸部の軸線方向に相互に離間して配置された3層以上の永久磁石とを有し、該永久磁石が前記回転軸部の回転に同期して回転するものとなされた回転子と、
前記3層以上の永久磁石の間の各間隙に配置されたコアレス型の電機子巻線を有した固定子とを備えていることを特徴とする発電機。
【請求項2】
前記回転軸部に該軸部の軸線方向に直交する状態に固定された3層以上の盤状体のそれぞれに前記永久磁石が固定されることによって、前記永久磁石が前記回転軸部の回転に同期して回転するものとなされている請求項1に記載の発電機。
【請求項3】
回転自在な筐体と、該筐体の内部空間内に筐体の回転軸線方向に相互に離間して配置された3層以上の永久磁石とを有し、該永久磁石が前記筐体の回転に同期して回転するものとなされた回転子と、
前記3層以上の永久磁石の間の各間隙に配置されたコアレス型の電機子巻線を有した固定子とを備えていることを特徴とする発電機。
【請求項4】
前記筐体は中空の略円柱体からなり、前記筐体の周側壁から内方に向けて突設された1層以上の突出板及び前記筐体の両底面壁のそれぞれに前記永久磁石が固定されることによって、前記永久磁石が前記筐体の回転に同期して回転するものとなされている請求項3に記載の発電機。
【請求項5】
前記永久磁石として希土類磁石が用いられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の発電機。
【請求項6】
前記回転子は、ベアリングを介して前記固定子に回転自在に支持されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の発電機。
【請求項7】
請求項1または2に記載の発電機と、該発電機の回転子の回転軸部に固定された回転翼とを備えていることを特徴とする風力発電機。
【請求項8】
請求項7に記載の風力発電機の回転翼に対して風を当てて回転翼を回転させることによって永久磁石を電機子巻線に対して回転移動せしめて発電することを特徴とする風力発電方法。
【請求項9】
請求項3または4に記載の発電機と、該発電機の回転子の筐体に固定された回転翼とを備えていることを特徴とする風力発電機。
【請求項10】
請求項9に記載の風力発電機の回転翼に対して風を当てて回転翼を回転させることによって永久磁石を電機子巻線に対して回転移動せしめて発電することを特徴とする風力発電方法。
【請求項1】
回転軸部と、該軸部の軸線方向に相互に離間して配置された3層以上の永久磁石とを有し、該永久磁石が前記回転軸部の回転に同期して回転するものとなされた回転子と、
前記3層以上の永久磁石の間の各間隙に配置されたコアレス型の電機子巻線を有した固定子とを備えていることを特徴とする発電機。
【請求項2】
前記回転軸部に該軸部の軸線方向に直交する状態に固定された3層以上の盤状体のそれぞれに前記永久磁石が固定されることによって、前記永久磁石が前記回転軸部の回転に同期して回転するものとなされている請求項1に記載の発電機。
【請求項3】
回転自在な筐体と、該筐体の内部空間内に筐体の回転軸線方向に相互に離間して配置された3層以上の永久磁石とを有し、該永久磁石が前記筐体の回転に同期して回転するものとなされた回転子と、
前記3層以上の永久磁石の間の各間隙に配置されたコアレス型の電機子巻線を有した固定子とを備えていることを特徴とする発電機。
【請求項4】
前記筐体は中空の略円柱体からなり、前記筐体の周側壁から内方に向けて突設された1層以上の突出板及び前記筐体の両底面壁のそれぞれに前記永久磁石が固定されることによって、前記永久磁石が前記筐体の回転に同期して回転するものとなされている請求項3に記載の発電機。
【請求項5】
前記永久磁石として希土類磁石が用いられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の発電機。
【請求項6】
前記回転子は、ベアリングを介して前記固定子に回転自在に支持されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の発電機。
【請求項7】
請求項1または2に記載の発電機と、該発電機の回転子の回転軸部に固定された回転翼とを備えていることを特徴とする風力発電機。
【請求項8】
請求項7に記載の風力発電機の回転翼に対して風を当てて回転翼を回転させることによって永久磁石を電機子巻線に対して回転移動せしめて発電することを特徴とする風力発電方法。
【請求項9】
請求項3または4に記載の発電機と、該発電機の回転子の筐体に固定された回転翼とを備えていることを特徴とする風力発電機。
【請求項10】
請求項9に記載の風力発電機の回転翼に対して風を当てて回転翼を回転させることによって永久磁石を電機子巻線に対して回転移動せしめて発電することを特徴とする風力発電方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2007−336784(P2007−336784A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−169084(P2006−169084)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(399030060)学校法人 関西大学 (208)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(399030060)学校法人 関西大学 (208)
【Fターム(参考)】
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