発電装置システムの制御方法及び発電装置システム
【課題】定電圧制御形発電装置及び定電力制御形発電装置の並列運転を行う際の負荷接続時の過負荷を防止することができる発電システム方法及び発電システムを提供する。
【解決手段】発電出力を定電圧制御する定電圧制御形発電装置10と、発電出力を定電力制御する定電力制御形発電装置20A,20Bとを自立運転させて負荷に電力を供給する発電装置システムであって、前記定電圧制御形発電装置10及び前記定電力制御形発電装置20A,20Bに対して前記負荷を接続する際に、前記定電圧制御形発電装置10の出力電圧を定格出力電圧から負荷接続時に過負荷にならない低電圧の負荷接続電圧に低下させてから前記負荷の接続を行い、負荷接続後に前記定格出力電圧に復帰させると共に、前記定電力制御形発電装置20A,20Bの出力電力を負荷容量に応じて増加させる。
【解決手段】発電出力を定電圧制御する定電圧制御形発電装置10と、発電出力を定電力制御する定電力制御形発電装置20A,20Bとを自立運転させて負荷に電力を供給する発電装置システムであって、前記定電圧制御形発電装置10及び前記定電力制御形発電装置20A,20Bに対して前記負荷を接続する際に、前記定電圧制御形発電装置10の出力電圧を定格出力電圧から負荷接続時に過負荷にならない低電圧の負荷接続電圧に低下させてから前記負荷の接続を行い、負荷接続後に前記定格出力電圧に復帰させると共に、前記定電力制御形発電装置20A,20Bの出力電力を負荷容量に応じて増加させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電出力を定電圧制御する1台の定電圧制御形発電装置と、発電出力を定電力制御する1台以上の定電力制御形発電装置とを自立運転させて負荷に電力を供給する発電装置システムの制御方法及び発電装置システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一台の発電装置を定電圧制御する定電圧制御形発電装置とし、他の発電機装置を定電力制御する定電力制御形発電装置として複数台自立運転する発電装置システムにおいて、例えば発電装置として燃料電池発電装置を適用する場合について説明する。ここでは、図10に示すように、1台の定電圧制御形発電装置100がマスターとされ、例えば2台の定電力形発電装置110A及び110Bがスレーブとし、これらの出力側が並列接続されて、コンタクタ115を介して外部の負荷120に接続されている。各発電装置100及び110A,110Bの許容出力電力は互いに等しい例えば100kWとされている。
【0003】
この場合には、コンタクタ115が開成されている負荷120の接続前の状態では、図11に示すように、時点t0ではマスターとなる定電圧制御形発電装置100では図11(c)に示すように出力電圧が定格出力電圧(例えば200V)に維持されており、外部の負荷120が接続されていないので、消費電力は燃料電池発電装置を構成する補機で消費する分だけの比較的少ない消費電力となっている。このため、マスターとなる定電圧制御形発電装置100では、図11(b)に示すように、補機電力分を賄っており、スレーブとなる定電力制御形発電装置110A及び110Bでは電力指令値が図11(d)に示すように0kWを維持している。
【0004】
この負荷非接続状態から時点t1で、コンタクタ115を閉成して、例えば図11(a)に示すように各発電装置100及び110A,110Bの許容出力電力を上回る例えば消費電力が150kWの外部の負荷120を接続する状態とすると、この時点t1ではマスターとなる定電圧制御形発電装置100のみが電力出力が可能であるので、この定電圧制御形発電装置100の出力電力が図11(b)に示すように許容出力電力を超えて過負荷状態となり、運転継続不可能な状態となってしまうという未解決の課題がある。
【0005】
この未解決の課題を解決するために、複数台の燃料電池を自立運転させ、これら各燃料電池から出力される直流電力を交流電力にそれぞれ変換するインバータとして設けられた1台の電圧制御インバータと、電圧制御に切換可能な少なくとも1台の電流制御インバータとの並列運転により得られる交流電力を負荷に供給する燃料電池システムにおいて、電圧制御インバータの出力電流及び出力電圧をそれぞれ検出する電流及び電圧検出手段と、この電流及び電圧検出手段により検出された電流及び電圧信号が入力され、これら電流及び電圧信号から求められる電圧制御インバータの出力電力と予め設定された第1の設定値とを比較し、その結果に基づき電流制御インバータに電流制御設定値の下げ又は上げ指令を与えて電流制御インバータの運転状態を制御する並列運転制御装置とを備えた燃料電池システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−287567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載された燃料電池システムにあっては、電圧制御インバータ及び電流制御インバータとは別に、電圧制御インバータの出力電流及び出力電圧をそれぞれ検出する電流及び電圧検出手段で検出した電流及び電圧に基づいて電流制御インバータを制御する並列運転制御装置を設け、この並列運転制御装置で電圧制御インバータ及び電流制御インバータの双方の出力を監視しながら出力電力制御を行なうので、出力電力制御が複雑となるという未解決の課題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の問題点に着目してなされたものであり、定電圧制御形発電装置と、定電力制御形発電装置とを並列に接続して発電装置システムを構成した場合に、負荷を接続する際の出力電力制御を簡易に行なうことができる発電システムの制御方法及び発電システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る発電装置システムの制御方法は、発電出力を定電圧制御する1台の定電圧制御形発電装置と、発電出力を定電力制御する1台以上の定電力制御形発電装置とを自立運転させて負荷に電力を供給する発電装置システムの制御方法であって、前記定電圧制御形発電装置及び前記定電力制御形発電装置に対して前記負荷を接続する際に、前記定電圧制御形発電装置の出力電圧を定格出力電圧から負荷接続時に過負荷にならない低電圧の負荷接続電圧に低下させてから前記負荷の接続を行い、負荷接続後に前記定格出力電圧に復帰させると共に、前記定電力制御形発電装置の出力電力を負荷容量に応じて増加させることを特徴としている。
【0009】
また、請求項2に係る発電装置システムの制御方法は、請求項1に係る発明において、前記負荷を接続する際に、前記定電圧制御形発電装置及び前記定電力制御形発電装置を連系させた状態で負荷接続することを特徴としている。
さらに、請求項3に係る発電装置システムの制御方法は、請求項1に係る発明において、前記負荷を接続する際に、前記定電圧制御形発電装置のみを前記負荷に接続し、前記負荷の接続後に前記定電力制御形発電装置を負荷接続して前記定電圧制御形発電装置と連系させることを特徴としている。
【0010】
さらにまた、請求項4に係る発電装置システムの制御方法は、請求項1乃至3の何れか1つに係る発明において、前記定電圧制御形発電装置は、前記負荷の接続後に、前記定電力制御形発電装置における出力電力指令値の増加と同時又は遅れて出力電圧を増加させることを特徴としている。
なおさらに、請求項5に係る発電装置システムの制御方法は、請求項1乃至4の何れか1つに係る発明において、前記定電圧制御形発電装置及び前記定電力制御形発電装置は、燃料電池発電装置で構成されていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項6に係る発電装置システムは、発電出力を定電圧制御する1台の定電圧制御形発電装置と、発電出力を定電力制御する1台以上の定電力制御形発電装置とを自立運転させて負荷に電力を供給する発電装置システムであって、前記定電圧制御形発電装置は、前記負荷を接続する際に、出力電圧を定格出力電圧から負荷接続時に過負荷にならない低電圧の負荷接続電圧に低下させ、前記負荷の接続後に前記定格出力電圧に復帰させる出力電圧制御手段を備え、前記定電力制御形発電装置は、前記定電圧制御形発電装置の出力電圧変化に連系する出力電力制御手段を備えていることを特徴としている。
【0012】
さらに、請求項7に係る発電装置システムは、請求項6に係る発明において、前記定電圧制御形発電装置及び前記定電力制御形発電装置は、燃料電池発電装置で構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、定電圧制御形発電装置の出力電圧を、負荷を接続する前に、一旦定格出力電圧から負荷続時に過負荷にならない低電圧の負荷接続電圧に低下させてから負荷の接続を行なうので、簡易な構成で負荷接続時に負荷の許容容量が定電圧制御形発電装置の許容容量を越えている場合でも過負荷状態となることを防止することができるという効果が得られる。
【0014】
また、負荷接続後に、定電力制御形発電装置の出力電力を増加させた後又は増加と同時に、定電圧制御形発電装置の出力電圧を負荷接続電圧から定格出力電圧へ復帰させることにより、定電圧制御形発電装置が過負荷状態となることを確実に防止することができるという効果が得られる。
しかも、上記効果を得るための制御が定電圧制御形発電装置の出力電圧を負荷接続時に低下させ、負荷接続後に定格出力電圧に復帰させ、この復帰時に定電力制御形発電装置の出力電力を増加制御するだけでよいので、簡単な出力電力制御で済み、簡易で安価な発電装置システムを構築することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した燃料電池発電システムの第1の実施形態の概略構成を示すブロック図である。
図中、1は燃料電池発電システムであって、マスターとなる定電圧制御形発電装置10と、この定電圧制御形発電装置10と並列に接続されたスレーブとなる定電力制御形発電装置20A,20Bとを備えている。
【0016】
そして、定電圧制御形発電装置10と定電力制御形発電装置20A,20Bとの出力側が互いに接続されて電磁コンタクタ30の一端に接続されている。この電磁コンタクタ30の他端には、n個(nは任意数)の負荷L1〜Lnが個別のコンタクタC1〜Cnを介して並列に接続されている。
そして、定電圧制御形発電装置10は、直流電力を発電する燃料電池11と、この燃料電池11の発電出力を交流電力に変換する電圧制御形のインバータ12と、このインバータ12の出力側の電流を検出する電流検出手段としての電流センサ13と、インバータ12の出力側の電圧を検出する電圧検出手段としての電圧センサ14と、電流センサ13及び電圧センサ14で検出した検出電流Id及び検出電圧Vdが入力されてインバータ12を駆動制御するインバータ制御装置15と、電圧センサ14の接続点とコンタクタ30との間に介装されたコンタクタ16とを備えている。
【0017】
インバータ制御装置15には、例えばマイクロコンピュータ等の演算処理装置を含んで構成されていると共に、負荷接続を指示する負荷接続スイッチ17が接続されている。この負荷接続スイッチ17をオン状態とすることにより、インバータ制御装置15で図2に示す負荷接続制御処理が実行される。
この負荷接続処理は、図2に示すように、ステップS1で、電圧センサ14で検出した検出電圧Vdを読込み、次いでステップS2に移行して、電源投入時の初期状態であるか否かを判定し、初期状態であるときにはステップS3に移行して、出力電圧指令値Vrefを定格出力電圧Vrefr(例えば200V)に設定してからステップS4に移行し、初期状態ではないときには直接ステップS4に移行する。
【0018】
ステップS4では、負荷接続スイッチ17がオフ状態からオン状態に切り換わったか否かを判定し、オフ状態からオン状態に切り換わったときではないときにはステップS5に移行して、検出された検出電圧Vdが電圧指令値Vrefに一致するようにインバータ12を定電圧制御してから前記ステップS1に戻り、負荷接続スイッチ17がオフ状態からオン状態に切り換わったときには、負荷接続を開始するものと判断して、ステップS6に移行する。
【0019】
ステップS6では、現在の出力電圧指令値Vrefから所定値ΔV1を減算した値を新たな出力電圧指令値Vrefとして設定し、次いでステップS7に移行して、新たに設定した出力電圧指令値Vrefが予め設定した例えば定格出力電圧Vrefrの半分の値の負荷接続電圧Vrefl未満となったか否かを判定する。ここで、負荷接続電圧Vreflは、定電圧制御形発電装置10が1台でも過負荷にならない電圧に設定するのが望ましく、具体的には、定電圧制御形発電装置10の定格負荷電流をIo、最大負荷のインピーダンスをZとすると、負荷接続電圧VreflはIo*Z以下に設定する。
【0020】
この判定結果が、Vref≧VreflであるときにはステップS8に移行して、電圧センサ14で検出した検出電圧Vdを読込み、次いでステップS9に移行して検出電圧Vdが電圧指令値Vrefに一致するようにインバータ12を定電圧制御してからステップS10に移行する。
このステップS10では、出力電圧が所定の減少勾配で減少するように設定された所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過していないときには所定時間が経過するまでS8→S9→S10をループし、所定時間が経過したときには前記ステップS6に戻る。
【0021】
また、前記ステップS7の判定結果がVref<Vreflであるときには、ステップS11に移行して、負荷接続電圧Vreflを電圧指令値Vrefに設定してからステップS12に移行する。
このステップS12では、電圧センサ14で検出した検出電圧Vdを読込み、次いでステップS13に移行して、検出電圧Vdが電圧指令値Vrefに一致するようにインバータ12を定電圧制御してからステップS14に移行する。
【0022】
このステップS14では、負荷を接続するために設定された所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過していないときには所定時間が経過するまでS12→S13→S14をループし、所定時間が経過したときにはステップS15に移行する。
このステップS15では、電磁コンタクタ30を閉成して負荷接続を行ってからステップS16に移行して、負荷接続を行ってから予め設定された所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過していないときには、所定時間が経過するまで、検出電圧Vdを読込むステップS16′と、定電圧制御するステップS16″とを実行し、所定時間が経過したときにはステップS17に移行する。
【0023】
このステップS17では、図3に示す電圧指令値演算処理を起動してからステップS18に移行し、現在の電圧指令値Vrefに予め設定された例えば前述した所定値ΔV1より小さい値の所定値ΔV2を加算した値を新たな電圧指令値VrefとしてからステップS19に移行する。
このステップS19では、新たな電圧指令値Vrefが定格出力電圧Vrefrを超えたか否かを判定し、Vref≦VrefrであるときにはステップS20に移行して電圧センサ14で検出した検出電圧Vdを読込み、次いでステップS21に移行して、検出電圧Vdが電圧指令値Vrefに一致するようにインバータを定電圧制御してからステップS22に移行する。
【0024】
このステップS22では、出力電圧が所定の増加勾配で増加するように設定された指定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過していないときには所定時間が経過するまでS20→S21→S22をループし、所定時間が経過したときには前記ステップS18に戻る。
一方、ステップS19の判定結果が、Vref>Vrefrであるときには、ステップS23に移行して、定格出力電圧Vrefrを電圧指令値Vrefに設定してからステップS24に移行し、電圧センサ14で検出した検出電圧Vdを読込み、次いでステップS25に移行して、検出電圧Vdが電圧指令値Vrefに一致するようにインバータ12を定電圧制御してから前記ステップS1に戻る。
【0025】
また、インバータ制御装置15は図3に示す電圧指令値演算処理を実行する。この電圧指令値演算処理は、先ず、ステップS31で、電流センサ13及び電圧センサ14で検出した検出電流Id及び検出電圧Vdを読込み、次いでステップS32に移行して、検出電流Idで検出電圧Vdを除算して負荷インピーダンスZLを算出し、次いでステップS33に移行して、算出した負荷インピーダンスZLに基づいてステップ内に示す負荷インピーダンスZLとインバータ12から出力する周波数指令値Frefとの関係を表す制御マップを参照して、周波数指令値Frefを算出し、次いでステップS34に移行して、インバータ12から出力される出力電流又は出力電圧の周波数を周波数指令値Frefに一致させるようにインバータ12を定電圧制御する。
【0026】
ここで、ステップS33の制御マップは、算出した負荷容量Pz(=V2ref/ZL)が全発電出力容量Poの50%であるときに周波数指令値Frefが定格周波数指令値Frefrとなり、これより負荷容量Pzが減少すると、周波数指令値Frefを定格周波数指令値Frefrに対して機器に影響を与えない範囲の0.1〜1.0Hzを加算した値Frefhまで増加させ、負荷容量Pzが増加すると、周波数を定格周波数指令値Frefrに対して上記範囲0.1〜1.0Hzを減算した値Freflまで減少させるように特性線の傾きが設定されている。
【0027】
また、図1において、定電力制御形発電装置20A,20Bのそれぞれは、直流電力を発電する燃料電池21と、この燃料電池21の発電出力を交流電力に変換する電流制御形のインバータ22と、このインバータ22の出力側の電流を検出する電流検出手段としての電流センサ23と、インバータ22の出力側の電圧を検出する電圧検出手段としての電圧センサ24と、電流センサ23及び電圧センサ24で検出した検出電流Id及び検出電圧Vdが入力されてインバータ22を駆動制御するインバータ制御装置25と、電圧センサ14の接続点とコンタクタ30との間に介装されたコンタクタ26とを備えている。
【0028】
インバータ制御装置25は、入力される検出電流Id及び検出電圧Vdに基づいて出力電力Psoを算出すると共に、検出電圧Vd又は検出電流Idから検出した周波数Fdに基づいて電力制御指令値Prefを決定し、決定した電力指令値Prefと出力電力Psoとが一致するようにインバータ22を定電力制御する。
ここで、インバータ制御装置25は、例えばマイクロコンピュータ等の演算処理装置を含んで構成され、図4に示す電力指令値演算処理を実行する。
【0029】
この電力指令値演算処理では、図4に示すように、先ず、ステップS41で、電流センサ23及び電圧センサ24で検出した検出電流Id及び検出電圧Vdと、検出電流Id又は検出電圧Vdから検出した周波数Fdとを読込み、次いでステップS42に移行して、検出電流Id及び検出電圧Vdを乗算して出力電力Psoを算出する。
【0030】
次いで、ステップS43に移行して、検出した周波数Fdに基づいてステップS43内に表示する周波数Fdと電力指令値Prefとの関係を表す制御マップを参照して電力指令値Prefを算出し、次いでステップS44に移行して、算出した電力指令値Prefと出力電力Psoとが一致するようにインバータ22を定電力制御する。
【0031】
ここで、ステップS43の制御マップは、検出周波数Fdが定格周波数Frefrであるときに、許容電力の50%となり、検出周波数Fdが定格周波数Frefrより小さいときには、Frefl(=Frefr−0.1〜1.0Hz)に達するまでの間に連続的に電力指令値Prefが許容電力(100kW)まで増加し、検出周波数Fdが定格周波数Frefrより大きいときにはFrefh(=Frefr+0.1〜1.0Hz)に達するまでの間に連続的に電力指令値Prefが0kWまで減少するように特性線の傾きが設定されている。
【0032】
次に、上記第1の実施形態の動作を図5に示すタイムチャートを参照して説明する。
今、定電圧制御形発電装置10及び定電力制御形発電装置20A,20Bの発電容量をそれぞれ100kWに設定し、定電圧制御形発電装置10の定格定電圧指令値Vrefrを例えば200Vに設定するものとする。
そして、時点t0で、電磁コンタクタ30が開成されており、マスターとなる定電圧制御形発電装置10及びスレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bと負荷L1〜Lnとが切り離された負荷非接続状態にあるものとする。また、定電圧制御形発電装置10及び定電力制御形発電装置20A,20B内のコンタクタ16及び26が閉成されて、マスターとなる定電圧制御形発電装置10及びスレーブとなる定電力制御形発電装置20A,20Bが連系状態となっているものとする。
【0033】
この負荷非接続状態では、初期状態で、定電圧制御形発電装置10の電圧指令値Vrefが定格電圧指令値Vrefrに設定されており、消費電力は各発電装置10及び20A,20Bを構成する燃料電池11及び21の補機の消費電力のみであり、比較的小さい消費電力であるので、マスターとなる定電圧制御形発電装置10の出力電力で図5(b)に示すように賄われている。このため、スレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bの出力電力は図5(d)に示すように0kWに制御されている。
【0034】
この状態で、時点t1で、マスターとなる定電圧制御形発電装置10のインバータ制御装置15に接続されている負荷接続スイッチ17をオフ状態からオン状態に切換えると、この定電圧制御形発電装置10のインバータ制御装置15で実行する図2の電圧制御処理で、電圧センサ14で検出した検出電圧Vdが読込まれ(ステップS1)、初期状態ではないので、ステップS2から直接ステップS4にジャンプする。
【0035】
このステップS4で、負荷接続スイッチ17がオフ状態からオフ状態に切換えられているので、ステップS6に移行し、現在の電圧指令値Vrefから所定値ΔV1を減算することにより、電圧指令値Vrefが、図5(c)に示すように、所定値ΔV1だけ減少される。
そして、この減少処理が繰り返して行われることにより、定電圧制御計発電装置の電圧指令値Vrefが所定の減少勾配で減少され、時点t2で、電圧指令値Vrefが負荷接続電圧Vrefl以下に低下すると、ステップS7からステップS11に移行して、電圧指令値Vrefが定格定電圧指令値Vrefの半分の値となる負荷接続電圧Vreflに維持される。
【0036】
その後、所定時間が経過した時点t3で、電磁コンタクタ30が閉成されて負荷接続される。このとき、負荷L1〜Lnの合計消費電力が、定電圧制御形発電装置10及び定電力制御形発電装置20A,20Bの個々の許容電力(例えば100kw)を超える例えば150kwであるものとすると、この消費電力を、電磁コンタクタ30を閉成したときに、マスターとなる定電圧制御形発電装置10で負担することになる。
【0037】
ところが、マスターとなる定電圧制御形発電装置10では、出力電圧が定格出力電圧Vrefに対して十分低い負荷接続電圧Vreflに制御されているので、その出力電力は図5(b)に示すようにL1〜Lnの消費電力の約1/4の37.5kWとなり、許容容量を超えることはなく、過負荷状態となることが確実に抑制される。また、電圧はVrefl(=100V)であるから、電流は、I=P/(√3V)=37.5kW/(√3・100V)=216Aになる。したがって、負荷インピーダンスは、ZL=100V/216A=0.46Ωと求めることができる。このとき、マスターとなる定電圧制御形発電装置10の出力電圧が定格出力電圧Vrefrから負荷接続電圧Vreflに向けて低下を開始してから定電圧制御形発電装置10の出力電力が増加するまでの時点t1〜t3間の時間は、燃料電池11及び21を使用した発電装置10及び20A,20Bの補機に対する給電に影響を与えない程度の時間(約500msec)以内に設定することが望ましく、このため定電圧制御形発電装置10の出力電圧を定格出力電圧Vrefrから負荷接続電圧Vreflまで低下させる勾配をできるだけ急峻に設定することがこのましい。
【0038】
そして、この出力電圧を負荷接続電圧Vreflに抑制する状態が、所定時間が経過する時点t4まで継続され、時点t4となると、図2の処理におけるステップS16からステップS17に移行し、図3に示す電圧指令値演算処理を起動する。
このため、電圧指令値演算処理では、この時点t4での負荷容量(Pz=√3×(200V)2/0.46Ω≒150kW)が全発電容量300kWの50%であり、予め設定された定電圧制御形発電装置10の設定出力電力Pms(50%)と一致するので、ステップS33で、周波数指令値Frefとして定格周波数Frefrが設定される。ステップS34で、定格周波数Frefrに一致するようにインバータ12の出力周波数が制御される。
【0039】
これに応じて、スレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bで定格周波数Frefrと一致する検出周波数Fdとして検出される。このため、検出周波数Fdに基づいて制御マップを参照することにより、電力指令値Prefが50%に設定されて、この電力指令値Prefと出力電力Psoとが一致するようにインバータ22が定電力制御される。したがって、定電力制御形発電装置20A及び20Bの出力電力Psoが図5(d)に示すように増加されて、定電圧制御形発電装置10の出力電力Pmoが図5(b)に示すように増加する(37.5 kW → 50 kW)。
【0040】
この電力制御処理が継続されることにより、時点t5で、マスターとなる定電圧制御形発電装置10の出力電力Pmoが設定出力電力Pms(50kW)に一致し、スレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bの出力電圧も50kWに一致し、図5(a)に示すように3つの発電装置10及び20A,20Bで負荷L1〜Lnの消費電力を均等に分担することなる。
【0041】
この間に、マスターとなる定電圧制御形発電装置10の出力電圧は、図2のステップS18〜ステップS23の出力電圧増加処理で、所定の増加勾配で増加されて、出力電圧Vrefが定格出力電圧Vrefrに復帰される。
その後は、負荷L1〜Lnの消費電力の変動に応じて、マスターとなる定電圧制御形発電装置10の出力電力Pmoの変化に応じてインバータ12の周波数指令値Frefが変更されることにより、変更された周波数Frefに基づいてスレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20bの出力電力が増減され、適正な連系制御が行われる。
【0042】
このように、上記第1の実施形態によると、負荷非接続状態で、マスターとなる定電圧制御形発電装置10とスレーブとなる定電力制御形発電装置20A,20Bとが連系されている状態で、負荷L1〜Lnを接続する負荷接続状態とする前に、定電圧制御形発電装置10の出力電圧を定格出力電圧Vrefrより低い、負荷接続時に過負荷状態とならない負荷接続電圧Vreflに低下させるので、この状態で負荷接続を行ったときに、負荷容量が定電圧制御形発電装置10の許容電力を超える消費電力である場合でも、定電圧制御形発電装置10が過負荷状態となることを確実に防止することができる。
【0043】
そして、負荷接続後に、スレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bの出力電力を増加させながらマスターとなる定電圧制御形発電装置10の出力電圧を徐々に増加させて定格出力電圧Vrefrに復帰させるので、この間に定電圧制御形発電装置10が過負荷状態となることを確実に防止することができる。
【0044】
このとき、定電圧制御形発電装置10の出力電圧を負荷接続電圧Vreflから定格出力電圧Vrefrまで増加させる増加処理を、定電力制御形発電装置20A及び20Bの出力電力の増加と同時か又は遅れて行うことにより、定電圧制御形発電装置10が出力電圧の増加処理中に定電圧制御形発電装置10が過負荷状態となることをより確実に防止することができる。また、定電圧制御形発電装置10の出力電圧を負荷接続電圧Vreflから定格出力電圧Vrefrまで増加させる増加処理における増加勾配は過負荷を抑制する意味で比較的緩やな勾配となるように設定することが望ましい。
【0045】
さらに、上記第1の実施形態においては、マスターとなる定電圧制御形発電装置10とスレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bとの間の電力制御指示を定電圧制御形発電装置10の出力周波数を変化させることにより行なうので、スレーブとなる定電力制御形発電装置を増設する場合に、定電圧制御形発電装置10の制御系を変更することなく、単に定電力制御形発電装置を増設するだけで、増設した定電力制御形発電装置の出力電力制御を行なうことができる。
【0046】
次に、本発明の第2の実施形態を図6及び図7について説明する。
この第2の実施形態においては、負荷接続を行なうまではマスターとなる定電圧制御形発電装置10のみで定電圧制御を行い、負荷接続後にスレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bを接続して定電力制御を行なうようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態では、図6に示すように、電磁コンタクタ30が開成されている負荷非接続状態では、マスターとなる定電圧制御形発電装置10のコンタクタ16のみが閉成状態で、スレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bのコンタクタ26は開成状態に維持されることを除いては前述した第1の実施形態と同様の構成を有し、図1との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。また、定電圧制御形発電装置10で実行する図2の電圧制御処理が、図7に示すように、ステップS2の判定結果が初期状態であるときに、ステップS3に移行して、定格電圧指令値Vrefrを電圧指令値Vrefとして設定すると共に、コンタクタ16を閉成状態とする処理を行なう。また、ステップS16で所定時間が経過した後のステップS17で、図3の電圧指令値演算処理を起動すると共に、スレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bのコンタクタ26を閉成状態とする処理を行なうことを除いては図2と同様の処理を行い、図2との対応するステップに同一ステップ番号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
【0047】
この第2の実施形態によると、図8に示すように、時点t0で、電磁コンタクタ30が開成されていて、定電圧制御形発電装置10と定電力制御形発電装置20A及び20Bとが負荷L1〜Lnから切り離された負荷非接続状態にある状態では、定電圧制御形発電装置10のコンタクタ16のみが閉成されて、定電圧制御のみが行なわれている。この状態で、前述した第1の実施形態と同様に負荷接続スイッチ17をオフ状態からオン状態に切り換えると、図7の電圧制御処理で、定電圧制御形発電装置10の出力電圧即ち検出電圧Vdが負荷接続電圧Vreflまで徐々に減少され、負荷接続電圧Vreflに達すると、この負荷接続電圧Vreflが維持される。
【0048】
この負荷接続電圧Vreflが維持されている状態で、電磁コンタクタ30が閉成制御されることにより、負荷L1〜Lnが接続される。このときの負荷L1〜Lnの消費電力が例えば定電圧制御形発電装置10の許容電力の1.5倍であるものとしても、定電圧制御形発電装置10の出力電圧が定格出力電圧Vrefrの半分程度の負荷接続電圧Vreflに低下されているので、前述した第1の実施形態と同様に、定電圧制御形発電装置10が過負荷状態となることを確実に防止することができる。
【0049】
その後、図7の電圧制御処理で、負荷接続状態から所定時間が経過して、ステップS16からステップS17に移行すると、図3の電圧指令値演算処理が起動されると共に、スレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bのコンタクタ26が閉成状態に制御されるので、これら定電力制御形発電装置20A及び20Bによる定電力制御が開始される。このため、定電力制御形発電装置20A及び20Bで定電圧制御形発電装置10の周波数変化に応じた出力電力制御が行なわれて負荷L1〜Lnへの適正な電力供給が行なわれる。
【0050】
この間に、定電圧制御形発電装置10で図7のステップS18〜ステップS23の処理が行なわれで、負荷接続電圧Vreflから定格出力電圧Vrefrまで徐々に増加され、定格出力電圧Vrefrに達すると、この定格出力電圧Vrefrで定電圧制御が行なわれる。
このように、上記第2の実施形態によっても、前述した第1の実施形態と同様に、負荷接続時に定電圧制御形発電装置10の出力電圧を定格出力電圧Vrefrより低い負荷接続電圧Vreflに低下させるので、負荷L1〜Lnの接続時に負荷消費電力が定電圧制御形発電装置10の許容電力を越える場合であっても定電圧制御形発電装置10が過負荷状態となることを確実に防止することができると共に、その他の第1の実施形態の効果も同様に発揮することができる。
【0051】
なお、上記第1及び第2の実施形態においては、マスターとなる定電圧制御形発電装置10のインバータ制御装置15で電圧制御処理及び電圧指令値演算処理を行なうと共に、スレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bのインバータ制御装置25で電力指令値演算処理を行なう場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図
9に示すように、定電圧制御形発電装置10のインバータ制御装置15及びコンタクタ16、定電力制御形発電装置20A及び20Bのインバータ制御装置25及びコンタクタ26、電磁コンタクタ30及び負荷用コンタクタC1〜Cnを共通の電力監視装置40で前述した図2〜図4の処理を実行することにより、定電圧制御形発電装置10の出力電圧制御及び定電力制御形発電装置20A及び20Bの出力電力制御を行なうことができる。
【0052】
また、上記第1及び第2の実施形態においては、定電圧制御形発電装置10の出力電圧を負荷接続用電圧Vreflから定格出力電圧Vrefrまで増加させる増加開始タイミングを定電圧制御形発電装置20A及び20Bの出力電力の増加開始タイミングと略一致させた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、定電圧制御形発電装置10の出力電圧の増加開始タイミングを定電圧制御形発電装置20A及び20Bの出力電力の増加開始タイミングより遅らせるようにしてもよい。
【0053】
なお、上記第1及び第2の実施形態においては、定電圧制御形発電装置10の出力電圧を減少させるときの勾配と増加させるときの勾配とが異なる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ΔV1及びΔV2を同一の値とすると共に所定経過時間を一致させて出力電圧の増減時の勾配を一致させるようにしてもよい。
また、上記第1及び第2の実施形態においては、マスターとなる定電圧制御形発電装置10からスレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bに対する出力電力制御指令の伝達を、出力周波数を変化させることにより行なう場合について説明したが、これに限定されるものではなく、別途制御信号用信号線を設けて、この制御信号用信号線を介して電力制御指令を伝達するようにしてもよい。
【0054】
また、上記第1及び第2の実施形態においては、定電圧制御形発電装置10及び定電力制御形発電装置20A,20Bに燃料電池11及び21を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、他の分散電源を複数台並列に接続して負荷を駆動する場合にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す発電装置システムの一例を示す概略構成図である。
【図2】定電圧制御形発電装置のインバータ制御装置で実行する電圧制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】定電圧制御形発電装置のインバータ制御装置で実行する電圧指令値演算処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】定電力制御形発電装置のインバータ制御装置で実行する電力指令値演算処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態の動作の説明に供するタイムチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す発電システムの一例を示す概略構成図である。
【図7】第2の実施形態における定電圧制御形発電装置のインバータ制御装置で実行する電圧制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態の動作の説明に供するタイムチャートである。
【図9】本発明の他の実施形態を示す発電装置システムの概略構成図である。
【図10】従来の発電装置システムを示すブロック図である。
【図11】従来例の動作の説明に供するタイムチャートである。
【符号の説明】
【0056】
10…定電圧制御形発電装置、11…燃料電池、12…インバータ、13…電流センサ、14…電圧センサ、15…インバータ制御装置、16…コンタクタ、17…負荷接続スイッチ、20A,20B…定電力制御形発電装置、21…燃料電池、22…インバータ、23…電流センサ、24…電圧センサ、25…インバータ制御装置、26…コンタクタ、30…電磁コンタクタ、L1〜Ln…負荷
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電出力を定電圧制御する1台の定電圧制御形発電装置と、発電出力を定電力制御する1台以上の定電力制御形発電装置とを自立運転させて負荷に電力を供給する発電装置システムの制御方法及び発電装置システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一台の発電装置を定電圧制御する定電圧制御形発電装置とし、他の発電機装置を定電力制御する定電力制御形発電装置として複数台自立運転する発電装置システムにおいて、例えば発電装置として燃料電池発電装置を適用する場合について説明する。ここでは、図10に示すように、1台の定電圧制御形発電装置100がマスターとされ、例えば2台の定電力形発電装置110A及び110Bがスレーブとし、これらの出力側が並列接続されて、コンタクタ115を介して外部の負荷120に接続されている。各発電装置100及び110A,110Bの許容出力電力は互いに等しい例えば100kWとされている。
【0003】
この場合には、コンタクタ115が開成されている負荷120の接続前の状態では、図11に示すように、時点t0ではマスターとなる定電圧制御形発電装置100では図11(c)に示すように出力電圧が定格出力電圧(例えば200V)に維持されており、外部の負荷120が接続されていないので、消費電力は燃料電池発電装置を構成する補機で消費する分だけの比較的少ない消費電力となっている。このため、マスターとなる定電圧制御形発電装置100では、図11(b)に示すように、補機電力分を賄っており、スレーブとなる定電力制御形発電装置110A及び110Bでは電力指令値が図11(d)に示すように0kWを維持している。
【0004】
この負荷非接続状態から時点t1で、コンタクタ115を閉成して、例えば図11(a)に示すように各発電装置100及び110A,110Bの許容出力電力を上回る例えば消費電力が150kWの外部の負荷120を接続する状態とすると、この時点t1ではマスターとなる定電圧制御形発電装置100のみが電力出力が可能であるので、この定電圧制御形発電装置100の出力電力が図11(b)に示すように許容出力電力を超えて過負荷状態となり、運転継続不可能な状態となってしまうという未解決の課題がある。
【0005】
この未解決の課題を解決するために、複数台の燃料電池を自立運転させ、これら各燃料電池から出力される直流電力を交流電力にそれぞれ変換するインバータとして設けられた1台の電圧制御インバータと、電圧制御に切換可能な少なくとも1台の電流制御インバータとの並列運転により得られる交流電力を負荷に供給する燃料電池システムにおいて、電圧制御インバータの出力電流及び出力電圧をそれぞれ検出する電流及び電圧検出手段と、この電流及び電圧検出手段により検出された電流及び電圧信号が入力され、これら電流及び電圧信号から求められる電圧制御インバータの出力電力と予め設定された第1の設定値とを比較し、その結果に基づき電流制御インバータに電流制御設定値の下げ又は上げ指令を与えて電流制御インバータの運転状態を制御する並列運転制御装置とを備えた燃料電池システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−287567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載された燃料電池システムにあっては、電圧制御インバータ及び電流制御インバータとは別に、電圧制御インバータの出力電流及び出力電圧をそれぞれ検出する電流及び電圧検出手段で検出した電流及び電圧に基づいて電流制御インバータを制御する並列運転制御装置を設け、この並列運転制御装置で電圧制御インバータ及び電流制御インバータの双方の出力を監視しながら出力電力制御を行なうので、出力電力制御が複雑となるという未解決の課題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の問題点に着目してなされたものであり、定電圧制御形発電装置と、定電力制御形発電装置とを並列に接続して発電装置システムを構成した場合に、負荷を接続する際の出力電力制御を簡易に行なうことができる発電システムの制御方法及び発電システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る発電装置システムの制御方法は、発電出力を定電圧制御する1台の定電圧制御形発電装置と、発電出力を定電力制御する1台以上の定電力制御形発電装置とを自立運転させて負荷に電力を供給する発電装置システムの制御方法であって、前記定電圧制御形発電装置及び前記定電力制御形発電装置に対して前記負荷を接続する際に、前記定電圧制御形発電装置の出力電圧を定格出力電圧から負荷接続時に過負荷にならない低電圧の負荷接続電圧に低下させてから前記負荷の接続を行い、負荷接続後に前記定格出力電圧に復帰させると共に、前記定電力制御形発電装置の出力電力を負荷容量に応じて増加させることを特徴としている。
【0009】
また、請求項2に係る発電装置システムの制御方法は、請求項1に係る発明において、前記負荷を接続する際に、前記定電圧制御形発電装置及び前記定電力制御形発電装置を連系させた状態で負荷接続することを特徴としている。
さらに、請求項3に係る発電装置システムの制御方法は、請求項1に係る発明において、前記負荷を接続する際に、前記定電圧制御形発電装置のみを前記負荷に接続し、前記負荷の接続後に前記定電力制御形発電装置を負荷接続して前記定電圧制御形発電装置と連系させることを特徴としている。
【0010】
さらにまた、請求項4に係る発電装置システムの制御方法は、請求項1乃至3の何れか1つに係る発明において、前記定電圧制御形発電装置は、前記負荷の接続後に、前記定電力制御形発電装置における出力電力指令値の増加と同時又は遅れて出力電圧を増加させることを特徴としている。
なおさらに、請求項5に係る発電装置システムの制御方法は、請求項1乃至4の何れか1つに係る発明において、前記定電圧制御形発電装置及び前記定電力制御形発電装置は、燃料電池発電装置で構成されていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項6に係る発電装置システムは、発電出力を定電圧制御する1台の定電圧制御形発電装置と、発電出力を定電力制御する1台以上の定電力制御形発電装置とを自立運転させて負荷に電力を供給する発電装置システムであって、前記定電圧制御形発電装置は、前記負荷を接続する際に、出力電圧を定格出力電圧から負荷接続時に過負荷にならない低電圧の負荷接続電圧に低下させ、前記負荷の接続後に前記定格出力電圧に復帰させる出力電圧制御手段を備え、前記定電力制御形発電装置は、前記定電圧制御形発電装置の出力電圧変化に連系する出力電力制御手段を備えていることを特徴としている。
【0012】
さらに、請求項7に係る発電装置システムは、請求項6に係る発明において、前記定電圧制御形発電装置及び前記定電力制御形発電装置は、燃料電池発電装置で構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、定電圧制御形発電装置の出力電圧を、負荷を接続する前に、一旦定格出力電圧から負荷続時に過負荷にならない低電圧の負荷接続電圧に低下させてから負荷の接続を行なうので、簡易な構成で負荷接続時に負荷の許容容量が定電圧制御形発電装置の許容容量を越えている場合でも過負荷状態となることを防止することができるという効果が得られる。
【0014】
また、負荷接続後に、定電力制御形発電装置の出力電力を増加させた後又は増加と同時に、定電圧制御形発電装置の出力電圧を負荷接続電圧から定格出力電圧へ復帰させることにより、定電圧制御形発電装置が過負荷状態となることを確実に防止することができるという効果が得られる。
しかも、上記効果を得るための制御が定電圧制御形発電装置の出力電圧を負荷接続時に低下させ、負荷接続後に定格出力電圧に復帰させ、この復帰時に定電力制御形発電装置の出力電力を増加制御するだけでよいので、簡単な出力電力制御で済み、簡易で安価な発電装置システムを構築することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した燃料電池発電システムの第1の実施形態の概略構成を示すブロック図である。
図中、1は燃料電池発電システムであって、マスターとなる定電圧制御形発電装置10と、この定電圧制御形発電装置10と並列に接続されたスレーブとなる定電力制御形発電装置20A,20Bとを備えている。
【0016】
そして、定電圧制御形発電装置10と定電力制御形発電装置20A,20Bとの出力側が互いに接続されて電磁コンタクタ30の一端に接続されている。この電磁コンタクタ30の他端には、n個(nは任意数)の負荷L1〜Lnが個別のコンタクタC1〜Cnを介して並列に接続されている。
そして、定電圧制御形発電装置10は、直流電力を発電する燃料電池11と、この燃料電池11の発電出力を交流電力に変換する電圧制御形のインバータ12と、このインバータ12の出力側の電流を検出する電流検出手段としての電流センサ13と、インバータ12の出力側の電圧を検出する電圧検出手段としての電圧センサ14と、電流センサ13及び電圧センサ14で検出した検出電流Id及び検出電圧Vdが入力されてインバータ12を駆動制御するインバータ制御装置15と、電圧センサ14の接続点とコンタクタ30との間に介装されたコンタクタ16とを備えている。
【0017】
インバータ制御装置15には、例えばマイクロコンピュータ等の演算処理装置を含んで構成されていると共に、負荷接続を指示する負荷接続スイッチ17が接続されている。この負荷接続スイッチ17をオン状態とすることにより、インバータ制御装置15で図2に示す負荷接続制御処理が実行される。
この負荷接続処理は、図2に示すように、ステップS1で、電圧センサ14で検出した検出電圧Vdを読込み、次いでステップS2に移行して、電源投入時の初期状態であるか否かを判定し、初期状態であるときにはステップS3に移行して、出力電圧指令値Vrefを定格出力電圧Vrefr(例えば200V)に設定してからステップS4に移行し、初期状態ではないときには直接ステップS4に移行する。
【0018】
ステップS4では、負荷接続スイッチ17がオフ状態からオン状態に切り換わったか否かを判定し、オフ状態からオン状態に切り換わったときではないときにはステップS5に移行して、検出された検出電圧Vdが電圧指令値Vrefに一致するようにインバータ12を定電圧制御してから前記ステップS1に戻り、負荷接続スイッチ17がオフ状態からオン状態に切り換わったときには、負荷接続を開始するものと判断して、ステップS6に移行する。
【0019】
ステップS6では、現在の出力電圧指令値Vrefから所定値ΔV1を減算した値を新たな出力電圧指令値Vrefとして設定し、次いでステップS7に移行して、新たに設定した出力電圧指令値Vrefが予め設定した例えば定格出力電圧Vrefrの半分の値の負荷接続電圧Vrefl未満となったか否かを判定する。ここで、負荷接続電圧Vreflは、定電圧制御形発電装置10が1台でも過負荷にならない電圧に設定するのが望ましく、具体的には、定電圧制御形発電装置10の定格負荷電流をIo、最大負荷のインピーダンスをZとすると、負荷接続電圧VreflはIo*Z以下に設定する。
【0020】
この判定結果が、Vref≧VreflであるときにはステップS8に移行して、電圧センサ14で検出した検出電圧Vdを読込み、次いでステップS9に移行して検出電圧Vdが電圧指令値Vrefに一致するようにインバータ12を定電圧制御してからステップS10に移行する。
このステップS10では、出力電圧が所定の減少勾配で減少するように設定された所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過していないときには所定時間が経過するまでS8→S9→S10をループし、所定時間が経過したときには前記ステップS6に戻る。
【0021】
また、前記ステップS7の判定結果がVref<Vreflであるときには、ステップS11に移行して、負荷接続電圧Vreflを電圧指令値Vrefに設定してからステップS12に移行する。
このステップS12では、電圧センサ14で検出した検出電圧Vdを読込み、次いでステップS13に移行して、検出電圧Vdが電圧指令値Vrefに一致するようにインバータ12を定電圧制御してからステップS14に移行する。
【0022】
このステップS14では、負荷を接続するために設定された所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過していないときには所定時間が経過するまでS12→S13→S14をループし、所定時間が経過したときにはステップS15に移行する。
このステップS15では、電磁コンタクタ30を閉成して負荷接続を行ってからステップS16に移行して、負荷接続を行ってから予め設定された所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過していないときには、所定時間が経過するまで、検出電圧Vdを読込むステップS16′と、定電圧制御するステップS16″とを実行し、所定時間が経過したときにはステップS17に移行する。
【0023】
このステップS17では、図3に示す電圧指令値演算処理を起動してからステップS18に移行し、現在の電圧指令値Vrefに予め設定された例えば前述した所定値ΔV1より小さい値の所定値ΔV2を加算した値を新たな電圧指令値VrefとしてからステップS19に移行する。
このステップS19では、新たな電圧指令値Vrefが定格出力電圧Vrefrを超えたか否かを判定し、Vref≦VrefrであるときにはステップS20に移行して電圧センサ14で検出した検出電圧Vdを読込み、次いでステップS21に移行して、検出電圧Vdが電圧指令値Vrefに一致するようにインバータを定電圧制御してからステップS22に移行する。
【0024】
このステップS22では、出力電圧が所定の増加勾配で増加するように設定された指定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過していないときには所定時間が経過するまでS20→S21→S22をループし、所定時間が経過したときには前記ステップS18に戻る。
一方、ステップS19の判定結果が、Vref>Vrefrであるときには、ステップS23に移行して、定格出力電圧Vrefrを電圧指令値Vrefに設定してからステップS24に移行し、電圧センサ14で検出した検出電圧Vdを読込み、次いでステップS25に移行して、検出電圧Vdが電圧指令値Vrefに一致するようにインバータ12を定電圧制御してから前記ステップS1に戻る。
【0025】
また、インバータ制御装置15は図3に示す電圧指令値演算処理を実行する。この電圧指令値演算処理は、先ず、ステップS31で、電流センサ13及び電圧センサ14で検出した検出電流Id及び検出電圧Vdを読込み、次いでステップS32に移行して、検出電流Idで検出電圧Vdを除算して負荷インピーダンスZLを算出し、次いでステップS33に移行して、算出した負荷インピーダンスZLに基づいてステップ内に示す負荷インピーダンスZLとインバータ12から出力する周波数指令値Frefとの関係を表す制御マップを参照して、周波数指令値Frefを算出し、次いでステップS34に移行して、インバータ12から出力される出力電流又は出力電圧の周波数を周波数指令値Frefに一致させるようにインバータ12を定電圧制御する。
【0026】
ここで、ステップS33の制御マップは、算出した負荷容量Pz(=V2ref/ZL)が全発電出力容量Poの50%であるときに周波数指令値Frefが定格周波数指令値Frefrとなり、これより負荷容量Pzが減少すると、周波数指令値Frefを定格周波数指令値Frefrに対して機器に影響を与えない範囲の0.1〜1.0Hzを加算した値Frefhまで増加させ、負荷容量Pzが増加すると、周波数を定格周波数指令値Frefrに対して上記範囲0.1〜1.0Hzを減算した値Freflまで減少させるように特性線の傾きが設定されている。
【0027】
また、図1において、定電力制御形発電装置20A,20Bのそれぞれは、直流電力を発電する燃料電池21と、この燃料電池21の発電出力を交流電力に変換する電流制御形のインバータ22と、このインバータ22の出力側の電流を検出する電流検出手段としての電流センサ23と、インバータ22の出力側の電圧を検出する電圧検出手段としての電圧センサ24と、電流センサ23及び電圧センサ24で検出した検出電流Id及び検出電圧Vdが入力されてインバータ22を駆動制御するインバータ制御装置25と、電圧センサ14の接続点とコンタクタ30との間に介装されたコンタクタ26とを備えている。
【0028】
インバータ制御装置25は、入力される検出電流Id及び検出電圧Vdに基づいて出力電力Psoを算出すると共に、検出電圧Vd又は検出電流Idから検出した周波数Fdに基づいて電力制御指令値Prefを決定し、決定した電力指令値Prefと出力電力Psoとが一致するようにインバータ22を定電力制御する。
ここで、インバータ制御装置25は、例えばマイクロコンピュータ等の演算処理装置を含んで構成され、図4に示す電力指令値演算処理を実行する。
【0029】
この電力指令値演算処理では、図4に示すように、先ず、ステップS41で、電流センサ23及び電圧センサ24で検出した検出電流Id及び検出電圧Vdと、検出電流Id又は検出電圧Vdから検出した周波数Fdとを読込み、次いでステップS42に移行して、検出電流Id及び検出電圧Vdを乗算して出力電力Psoを算出する。
【0030】
次いで、ステップS43に移行して、検出した周波数Fdに基づいてステップS43内に表示する周波数Fdと電力指令値Prefとの関係を表す制御マップを参照して電力指令値Prefを算出し、次いでステップS44に移行して、算出した電力指令値Prefと出力電力Psoとが一致するようにインバータ22を定電力制御する。
【0031】
ここで、ステップS43の制御マップは、検出周波数Fdが定格周波数Frefrであるときに、許容電力の50%となり、検出周波数Fdが定格周波数Frefrより小さいときには、Frefl(=Frefr−0.1〜1.0Hz)に達するまでの間に連続的に電力指令値Prefが許容電力(100kW)まで増加し、検出周波数Fdが定格周波数Frefrより大きいときにはFrefh(=Frefr+0.1〜1.0Hz)に達するまでの間に連続的に電力指令値Prefが0kWまで減少するように特性線の傾きが設定されている。
【0032】
次に、上記第1の実施形態の動作を図5に示すタイムチャートを参照して説明する。
今、定電圧制御形発電装置10及び定電力制御形発電装置20A,20Bの発電容量をそれぞれ100kWに設定し、定電圧制御形発電装置10の定格定電圧指令値Vrefrを例えば200Vに設定するものとする。
そして、時点t0で、電磁コンタクタ30が開成されており、マスターとなる定電圧制御形発電装置10及びスレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bと負荷L1〜Lnとが切り離された負荷非接続状態にあるものとする。また、定電圧制御形発電装置10及び定電力制御形発電装置20A,20B内のコンタクタ16及び26が閉成されて、マスターとなる定電圧制御形発電装置10及びスレーブとなる定電力制御形発電装置20A,20Bが連系状態となっているものとする。
【0033】
この負荷非接続状態では、初期状態で、定電圧制御形発電装置10の電圧指令値Vrefが定格電圧指令値Vrefrに設定されており、消費電力は各発電装置10及び20A,20Bを構成する燃料電池11及び21の補機の消費電力のみであり、比較的小さい消費電力であるので、マスターとなる定電圧制御形発電装置10の出力電力で図5(b)に示すように賄われている。このため、スレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bの出力電力は図5(d)に示すように0kWに制御されている。
【0034】
この状態で、時点t1で、マスターとなる定電圧制御形発電装置10のインバータ制御装置15に接続されている負荷接続スイッチ17をオフ状態からオン状態に切換えると、この定電圧制御形発電装置10のインバータ制御装置15で実行する図2の電圧制御処理で、電圧センサ14で検出した検出電圧Vdが読込まれ(ステップS1)、初期状態ではないので、ステップS2から直接ステップS4にジャンプする。
【0035】
このステップS4で、負荷接続スイッチ17がオフ状態からオフ状態に切換えられているので、ステップS6に移行し、現在の電圧指令値Vrefから所定値ΔV1を減算することにより、電圧指令値Vrefが、図5(c)に示すように、所定値ΔV1だけ減少される。
そして、この減少処理が繰り返して行われることにより、定電圧制御計発電装置の電圧指令値Vrefが所定の減少勾配で減少され、時点t2で、電圧指令値Vrefが負荷接続電圧Vrefl以下に低下すると、ステップS7からステップS11に移行して、電圧指令値Vrefが定格定電圧指令値Vrefの半分の値となる負荷接続電圧Vreflに維持される。
【0036】
その後、所定時間が経過した時点t3で、電磁コンタクタ30が閉成されて負荷接続される。このとき、負荷L1〜Lnの合計消費電力が、定電圧制御形発電装置10及び定電力制御形発電装置20A,20Bの個々の許容電力(例えば100kw)を超える例えば150kwであるものとすると、この消費電力を、電磁コンタクタ30を閉成したときに、マスターとなる定電圧制御形発電装置10で負担することになる。
【0037】
ところが、マスターとなる定電圧制御形発電装置10では、出力電圧が定格出力電圧Vrefに対して十分低い負荷接続電圧Vreflに制御されているので、その出力電力は図5(b)に示すようにL1〜Lnの消費電力の約1/4の37.5kWとなり、許容容量を超えることはなく、過負荷状態となることが確実に抑制される。また、電圧はVrefl(=100V)であるから、電流は、I=P/(√3V)=37.5kW/(√3・100V)=216Aになる。したがって、負荷インピーダンスは、ZL=100V/216A=0.46Ωと求めることができる。このとき、マスターとなる定電圧制御形発電装置10の出力電圧が定格出力電圧Vrefrから負荷接続電圧Vreflに向けて低下を開始してから定電圧制御形発電装置10の出力電力が増加するまでの時点t1〜t3間の時間は、燃料電池11及び21を使用した発電装置10及び20A,20Bの補機に対する給電に影響を与えない程度の時間(約500msec)以内に設定することが望ましく、このため定電圧制御形発電装置10の出力電圧を定格出力電圧Vrefrから負荷接続電圧Vreflまで低下させる勾配をできるだけ急峻に設定することがこのましい。
【0038】
そして、この出力電圧を負荷接続電圧Vreflに抑制する状態が、所定時間が経過する時点t4まで継続され、時点t4となると、図2の処理におけるステップS16からステップS17に移行し、図3に示す電圧指令値演算処理を起動する。
このため、電圧指令値演算処理では、この時点t4での負荷容量(Pz=√3×(200V)2/0.46Ω≒150kW)が全発電容量300kWの50%であり、予め設定された定電圧制御形発電装置10の設定出力電力Pms(50%)と一致するので、ステップS33で、周波数指令値Frefとして定格周波数Frefrが設定される。ステップS34で、定格周波数Frefrに一致するようにインバータ12の出力周波数が制御される。
【0039】
これに応じて、スレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bで定格周波数Frefrと一致する検出周波数Fdとして検出される。このため、検出周波数Fdに基づいて制御マップを参照することにより、電力指令値Prefが50%に設定されて、この電力指令値Prefと出力電力Psoとが一致するようにインバータ22が定電力制御される。したがって、定電力制御形発電装置20A及び20Bの出力電力Psoが図5(d)に示すように増加されて、定電圧制御形発電装置10の出力電力Pmoが図5(b)に示すように増加する(37.5 kW → 50 kW)。
【0040】
この電力制御処理が継続されることにより、時点t5で、マスターとなる定電圧制御形発電装置10の出力電力Pmoが設定出力電力Pms(50kW)に一致し、スレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bの出力電圧も50kWに一致し、図5(a)に示すように3つの発電装置10及び20A,20Bで負荷L1〜Lnの消費電力を均等に分担することなる。
【0041】
この間に、マスターとなる定電圧制御形発電装置10の出力電圧は、図2のステップS18〜ステップS23の出力電圧増加処理で、所定の増加勾配で増加されて、出力電圧Vrefが定格出力電圧Vrefrに復帰される。
その後は、負荷L1〜Lnの消費電力の変動に応じて、マスターとなる定電圧制御形発電装置10の出力電力Pmoの変化に応じてインバータ12の周波数指令値Frefが変更されることにより、変更された周波数Frefに基づいてスレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20bの出力電力が増減され、適正な連系制御が行われる。
【0042】
このように、上記第1の実施形態によると、負荷非接続状態で、マスターとなる定電圧制御形発電装置10とスレーブとなる定電力制御形発電装置20A,20Bとが連系されている状態で、負荷L1〜Lnを接続する負荷接続状態とする前に、定電圧制御形発電装置10の出力電圧を定格出力電圧Vrefrより低い、負荷接続時に過負荷状態とならない負荷接続電圧Vreflに低下させるので、この状態で負荷接続を行ったときに、負荷容量が定電圧制御形発電装置10の許容電力を超える消費電力である場合でも、定電圧制御形発電装置10が過負荷状態となることを確実に防止することができる。
【0043】
そして、負荷接続後に、スレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bの出力電力を増加させながらマスターとなる定電圧制御形発電装置10の出力電圧を徐々に増加させて定格出力電圧Vrefrに復帰させるので、この間に定電圧制御形発電装置10が過負荷状態となることを確実に防止することができる。
【0044】
このとき、定電圧制御形発電装置10の出力電圧を負荷接続電圧Vreflから定格出力電圧Vrefrまで増加させる増加処理を、定電力制御形発電装置20A及び20Bの出力電力の増加と同時か又は遅れて行うことにより、定電圧制御形発電装置10が出力電圧の増加処理中に定電圧制御形発電装置10が過負荷状態となることをより確実に防止することができる。また、定電圧制御形発電装置10の出力電圧を負荷接続電圧Vreflから定格出力電圧Vrefrまで増加させる増加処理における増加勾配は過負荷を抑制する意味で比較的緩やな勾配となるように設定することが望ましい。
【0045】
さらに、上記第1の実施形態においては、マスターとなる定電圧制御形発電装置10とスレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bとの間の電力制御指示を定電圧制御形発電装置10の出力周波数を変化させることにより行なうので、スレーブとなる定電力制御形発電装置を増設する場合に、定電圧制御形発電装置10の制御系を変更することなく、単に定電力制御形発電装置を増設するだけで、増設した定電力制御形発電装置の出力電力制御を行なうことができる。
【0046】
次に、本発明の第2の実施形態を図6及び図7について説明する。
この第2の実施形態においては、負荷接続を行なうまではマスターとなる定電圧制御形発電装置10のみで定電圧制御を行い、負荷接続後にスレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bを接続して定電力制御を行なうようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態では、図6に示すように、電磁コンタクタ30が開成されている負荷非接続状態では、マスターとなる定電圧制御形発電装置10のコンタクタ16のみが閉成状態で、スレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bのコンタクタ26は開成状態に維持されることを除いては前述した第1の実施形態と同様の構成を有し、図1との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。また、定電圧制御形発電装置10で実行する図2の電圧制御処理が、図7に示すように、ステップS2の判定結果が初期状態であるときに、ステップS3に移行して、定格電圧指令値Vrefrを電圧指令値Vrefとして設定すると共に、コンタクタ16を閉成状態とする処理を行なう。また、ステップS16で所定時間が経過した後のステップS17で、図3の電圧指令値演算処理を起動すると共に、スレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bのコンタクタ26を閉成状態とする処理を行なうことを除いては図2と同様の処理を行い、図2との対応するステップに同一ステップ番号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
【0047】
この第2の実施形態によると、図8に示すように、時点t0で、電磁コンタクタ30が開成されていて、定電圧制御形発電装置10と定電力制御形発電装置20A及び20Bとが負荷L1〜Lnから切り離された負荷非接続状態にある状態では、定電圧制御形発電装置10のコンタクタ16のみが閉成されて、定電圧制御のみが行なわれている。この状態で、前述した第1の実施形態と同様に負荷接続スイッチ17をオフ状態からオン状態に切り換えると、図7の電圧制御処理で、定電圧制御形発電装置10の出力電圧即ち検出電圧Vdが負荷接続電圧Vreflまで徐々に減少され、負荷接続電圧Vreflに達すると、この負荷接続電圧Vreflが維持される。
【0048】
この負荷接続電圧Vreflが維持されている状態で、電磁コンタクタ30が閉成制御されることにより、負荷L1〜Lnが接続される。このときの負荷L1〜Lnの消費電力が例えば定電圧制御形発電装置10の許容電力の1.5倍であるものとしても、定電圧制御形発電装置10の出力電圧が定格出力電圧Vrefrの半分程度の負荷接続電圧Vreflに低下されているので、前述した第1の実施形態と同様に、定電圧制御形発電装置10が過負荷状態となることを確実に防止することができる。
【0049】
その後、図7の電圧制御処理で、負荷接続状態から所定時間が経過して、ステップS16からステップS17に移行すると、図3の電圧指令値演算処理が起動されると共に、スレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bのコンタクタ26が閉成状態に制御されるので、これら定電力制御形発電装置20A及び20Bによる定電力制御が開始される。このため、定電力制御形発電装置20A及び20Bで定電圧制御形発電装置10の周波数変化に応じた出力電力制御が行なわれて負荷L1〜Lnへの適正な電力供給が行なわれる。
【0050】
この間に、定電圧制御形発電装置10で図7のステップS18〜ステップS23の処理が行なわれで、負荷接続電圧Vreflから定格出力電圧Vrefrまで徐々に増加され、定格出力電圧Vrefrに達すると、この定格出力電圧Vrefrで定電圧制御が行なわれる。
このように、上記第2の実施形態によっても、前述した第1の実施形態と同様に、負荷接続時に定電圧制御形発電装置10の出力電圧を定格出力電圧Vrefrより低い負荷接続電圧Vreflに低下させるので、負荷L1〜Lnの接続時に負荷消費電力が定電圧制御形発電装置10の許容電力を越える場合であっても定電圧制御形発電装置10が過負荷状態となることを確実に防止することができると共に、その他の第1の実施形態の効果も同様に発揮することができる。
【0051】
なお、上記第1及び第2の実施形態においては、マスターとなる定電圧制御形発電装置10のインバータ制御装置15で電圧制御処理及び電圧指令値演算処理を行なうと共に、スレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bのインバータ制御装置25で電力指令値演算処理を行なう場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図
9に示すように、定電圧制御形発電装置10のインバータ制御装置15及びコンタクタ16、定電力制御形発電装置20A及び20Bのインバータ制御装置25及びコンタクタ26、電磁コンタクタ30及び負荷用コンタクタC1〜Cnを共通の電力監視装置40で前述した図2〜図4の処理を実行することにより、定電圧制御形発電装置10の出力電圧制御及び定電力制御形発電装置20A及び20Bの出力電力制御を行なうことができる。
【0052】
また、上記第1及び第2の実施形態においては、定電圧制御形発電装置10の出力電圧を負荷接続用電圧Vreflから定格出力電圧Vrefrまで増加させる増加開始タイミングを定電圧制御形発電装置20A及び20Bの出力電力の増加開始タイミングと略一致させた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、定電圧制御形発電装置10の出力電圧の増加開始タイミングを定電圧制御形発電装置20A及び20Bの出力電力の増加開始タイミングより遅らせるようにしてもよい。
【0053】
なお、上記第1及び第2の実施形態においては、定電圧制御形発電装置10の出力電圧を減少させるときの勾配と増加させるときの勾配とが異なる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ΔV1及びΔV2を同一の値とすると共に所定経過時間を一致させて出力電圧の増減時の勾配を一致させるようにしてもよい。
また、上記第1及び第2の実施形態においては、マスターとなる定電圧制御形発電装置10からスレーブとなる定電力制御形発電装置20A及び20Bに対する出力電力制御指令の伝達を、出力周波数を変化させることにより行なう場合について説明したが、これに限定されるものではなく、別途制御信号用信号線を設けて、この制御信号用信号線を介して電力制御指令を伝達するようにしてもよい。
【0054】
また、上記第1及び第2の実施形態においては、定電圧制御形発電装置10及び定電力制御形発電装置20A,20Bに燃料電池11及び21を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、他の分散電源を複数台並列に接続して負荷を駆動する場合にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す発電装置システムの一例を示す概略構成図である。
【図2】定電圧制御形発電装置のインバータ制御装置で実行する電圧制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】定電圧制御形発電装置のインバータ制御装置で実行する電圧指令値演算処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】定電力制御形発電装置のインバータ制御装置で実行する電力指令値演算処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態の動作の説明に供するタイムチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す発電システムの一例を示す概略構成図である。
【図7】第2の実施形態における定電圧制御形発電装置のインバータ制御装置で実行する電圧制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態の動作の説明に供するタイムチャートである。
【図9】本発明の他の実施形態を示す発電装置システムの概略構成図である。
【図10】従来の発電装置システムを示すブロック図である。
【図11】従来例の動作の説明に供するタイムチャートである。
【符号の説明】
【0056】
10…定電圧制御形発電装置、11…燃料電池、12…インバータ、13…電流センサ、14…電圧センサ、15…インバータ制御装置、16…コンタクタ、17…負荷接続スイッチ、20A,20B…定電力制御形発電装置、21…燃料電池、22…インバータ、23…電流センサ、24…電圧センサ、25…インバータ制御装置、26…コンタクタ、30…電磁コンタクタ、L1〜Ln…負荷
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電出力を定電圧制御する1台の定電圧制御形発電装置と、発電出力を定電力制御する1台以上の定電力制御形発電装置とを自立運転させて負荷に電力を供給する発電装置システムの制御方法であって、
前記定電圧制御形発電装置及び前記定電力制御形発電装置に対して前記負荷を接続する際に、前記定電圧制御形発電装置の出力電圧を定格出力電圧から負荷接続時に過負荷にならない低電圧の負荷接続電圧に低下させてから前記負荷の接続を行い、負荷接続後に前記定格出力電圧に復帰させると共に、前記定電力制御形発電装置の出力電力を負荷容量に応じて増加させることを特徴とする発電装置システムの制御方法。
【請求項2】
前記負荷を接続する際に、前記定電圧制御形発電装置及び前記定電力制御形発電装置を連系させた状態で負荷接続することを特徴とする請求項1に記載の発電装置システムの制御方法。
【請求項3】
前記負荷を接続する際に、前記定電圧制御形発電装置のみを前記負荷に接続し、前記負荷の接続後に前記定電力制御形発電装置を負荷接続して前記定電圧制御形発電装置と連系させることを特徴とする請求項1に記載の発電装置システムの制御方法。
【請求項4】
前記定電圧制御形発電装置は、前記負荷の接続後に、前記定電力制御形発電装置における出力電力指令値の増加と同時又は遅れて出力電圧を増加させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の発電装置システムの制御方法。
【請求項5】
前記定電圧制御形発電装置及び前記定電力制御形発電装置は、燃料電池発電装置で構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の発電装置システムの制御方法。
【請求項6】
発電出力を定電圧制御する1台の定電圧制御形発電装置と、発電出力を定電力制御する1台以上の定電力制御形発電装置とを自立運転させて負荷に電力を供給する発電装置システムであって、
前記定電圧制御形発電装置は、前記負荷を接続する際に、出力電圧を定格出力電圧から負荷接続時に過負荷にならない低電圧の負荷接続電圧に低下させ、前記負荷の接続後に前記定格出力電圧に復帰させる出力電圧制御手段を備え、前記定電力制御形発電装置は、前記定電圧制御形発電装置の出力電圧変化に連系する出力電力制御手段を備えていることを特徴とする発電装置システム。
【請求項7】
前記定電圧制御形発電装置及び前記定電力制御形発電装置は、燃料電池発電装置で構成されていることを特徴とする請求項6に記載の発電装置システム。
【請求項1】
発電出力を定電圧制御する1台の定電圧制御形発電装置と、発電出力を定電力制御する1台以上の定電力制御形発電装置とを自立運転させて負荷に電力を供給する発電装置システムの制御方法であって、
前記定電圧制御形発電装置及び前記定電力制御形発電装置に対して前記負荷を接続する際に、前記定電圧制御形発電装置の出力電圧を定格出力電圧から負荷接続時に過負荷にならない低電圧の負荷接続電圧に低下させてから前記負荷の接続を行い、負荷接続後に前記定格出力電圧に復帰させると共に、前記定電力制御形発電装置の出力電力を負荷容量に応じて増加させることを特徴とする発電装置システムの制御方法。
【請求項2】
前記負荷を接続する際に、前記定電圧制御形発電装置及び前記定電力制御形発電装置を連系させた状態で負荷接続することを特徴とする請求項1に記載の発電装置システムの制御方法。
【請求項3】
前記負荷を接続する際に、前記定電圧制御形発電装置のみを前記負荷に接続し、前記負荷の接続後に前記定電力制御形発電装置を負荷接続して前記定電圧制御形発電装置と連系させることを特徴とする請求項1に記載の発電装置システムの制御方法。
【請求項4】
前記定電圧制御形発電装置は、前記負荷の接続後に、前記定電力制御形発電装置における出力電力指令値の増加と同時又は遅れて出力電圧を増加させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の発電装置システムの制御方法。
【請求項5】
前記定電圧制御形発電装置及び前記定電力制御形発電装置は、燃料電池発電装置で構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の発電装置システムの制御方法。
【請求項6】
発電出力を定電圧制御する1台の定電圧制御形発電装置と、発電出力を定電力制御する1台以上の定電力制御形発電装置とを自立運転させて負荷に電力を供給する発電装置システムであって、
前記定電圧制御形発電装置は、前記負荷を接続する際に、出力電圧を定格出力電圧から負荷接続時に過負荷にならない低電圧の負荷接続電圧に低下させ、前記負荷の接続後に前記定格出力電圧に復帰させる出力電圧制御手段を備え、前記定電力制御形発電装置は、前記定電圧制御形発電装置の出力電圧変化に連系する出力電力制御手段を備えていることを特徴とする発電装置システム。
【請求項7】
前記定電圧制御形発電装置及び前記定電力制御形発電装置は、燃料電池発電装置で構成されていることを特徴とする請求項6に記載の発電装置システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−291054(P2009−291054A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143854(P2008−143854)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】
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