説明

皮膚外用剤

【課題】 保湿効果と肌荒れ改善効果に優れ、かつ使用感触に優れる皮膚外用剤を提供すること。
【解決手段】 特定のポリエチレンオキサイドマクロモノマーと疎水性モノマーと架橋性モノマーとを重合して得られる共重合体と、保湿剤とを含有することを特徴とする皮膚外用剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は皮膚外用剤に関する。さらに詳しくは、保湿効果と肌荒れ改善効果に優れ、かつ使用感触に優れる皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
健康な皮膚を保つためには水分の保持が不可欠であり、保湿を目的とした皮膚外用剤が数多く開発されている。また、皮膚外用剤の使用感としては、なめらかさがありべたつき感のないものが求められている。
保湿剤に関する研究は盛んに行なわれている。そして、化粧水や乳液等に用いられている周知の保湿剤としてグリセリンが挙げられる(非特許文献1)。このグリセリンは保湿効果以外に肌荒れを改善する効果も有する(特許文献1)。
しかしながら、グリセリンは、保湿効果や肌荒れ改善効果を上げるためには配合量を増やさなければならない。その結果、系が不安定になったり、使用性が悪くなったり、また、皮膚に適用した場合、皮脂によりはじかれ、肌へのなじみが悪くなる等の解決すべき課題があった。
【0003】
一方、グリセリン以外の保湿剤として、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール等の多価アルコール類が知られている(特許文献2)。
しかし、これらの多価アルコール類は、グリセリンに比べるとべたつき感は少ないものの、保湿効果や肌荒れ改善効果は低い。また、グリセリン同様、皮膚に適用した場合、皮脂によりはじかれ、肌へのなじみが悪くなる等の解決すべき課題があった。
【0004】
この保湿剤のべたつきを低減する目的として、粉末の配合が知られている(特許文献1)。
しかしながら、粉末を配合する場合、べたつき低減効果を出すためには大量に配合しなければならない。また、化粧水のように粘度の低い皮膚外用剤では、粉末が沈殿するため、振ってから使用しなければならず、面倒で手間がかかる。さらに、乳液においては、工程により粉末が溶けたり、製剤によっては粉末が膨潤するといった問題点があった。
【0005】
【非特許文献1】新化粧品学 南山堂 144頁
【特許文献1】特開2002−356416
【特許文献2】特開平11−322575
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記目的を達成するために本発明者等が鋭意研究した結果、グリセリンなどの保湿剤とともに特定の共重合体からなるミクロゲルを併用すると、保湿剤の保湿効果、肌荒れ改善効果を損なうことなく、保湿剤に起因するべたつきが著しく改善されることを見出した。
【0007】
本発明の目的は、保湿及び肌荒れ改善効果とともに、使用感触に優れる皮膚外用剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、下記式(1)のポリエチレンオキサイドマクロモノマーと下記式(2)の疎水性モノマーと下記式(3)の架橋性モノマーとを重合して得られる共重合体と、保湿剤とを含有することを特徴とする皮膚外用剤を提供するものである。
【化4】

(1)
1は炭素原子数1〜3のアルキルを表し、nは20〜200の数である。XはHまたはCH3を表す。
【化5】

(2)
2は炭素原子数1〜3のアルキルを表し、R3は炭素原子数1〜8のアルキルを表す。
【化6】

(3)
4とR5はそれぞれ独立に炭素原子数1〜3のアルキルを表し、mは0〜2の数である。
【0009】
また、本発明は、下記(A)、(B)、(C)、(D)の条件下に、前記(1)〜(3)のモノマーを水−エタノール混合溶媒中にてラジカル重合して得られる共重合体からなるミクロゲルと、保湿剤とを配合したことを特徴とする皮膚外用剤を提供するものである。
(A)疎水性モノマーは炭素原子数1〜8のアルキルを有するメタクリル酸誘導体を一種もしくは二種以上を混合した組成であること
(B)ポリエチレンオキサイドマクロモノマーと疎水性モノマーの仕込み量が、ポリエチレンオキサイドマクロモノマー:疎水性モノマー=1:10〜1:250(モル比)であること
(C)架橋性モノマーの仕込み量が、疎水性モノマーの仕込み量に対して、0.1〜1.5質量%であること
(D)水−エタノール混合溶媒が、水:エタノール=90〜30:10〜70(20℃の容積比)であること
【0010】
さらに、本発明は、前記保湿剤が多価アルコールであることを特徴とする上記の皮膚外用剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
(1)本発明の皮膚外用剤は高い保湿効果を有し、また肌荒れ改善効果を有する。
(2)本発明の皮膚外用剤は使用感に優れている。すなわち、なめらかであり、べたつきがない。特にべたつきが問題となるグリセリン配合の化粧料に有用である。
(3)本発明の皮膚外用剤は使用者に優れた保湿効果感を与える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に本発明について詳述する。
「本発明に用いる共重合体について」
式(1)のポリエチレンオキサイドマクロモノマーは、例えばAldrich社から市販されている試薬、あるいは日本油脂から発売されているブレンマー(登録商標)を使用することが出来る。これら市販品の式(1)のポリエチレンオキサイド部分の分子量(即ちnの値)は幅広く、これを使用することができる。このポリエチレンオキサイド部分の分子量の好ましいサイズはn=20〜200のものである。例えば、日本油脂製ブレンマー(登録商標)PME1000あるいはブレンマー(登録商標)PME4000などが好適である。
【0013】
式(2)の疎水性モノマーは、例えば、Aldrich社もしくは東京化成社から市販されている試薬を使用することができる。式(2)のR3のアルキル鎖は炭素原子数1〜8のアルキルである。式(2)は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸へプチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸へプチル、メタクリル酸オクチルなどである。特に、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクチルメタクリレートが好適である。これらの疎水性モノマーは汎用原料であり、一般工業原料としても容易に入手することができる。
【0014】
式(3)の架橋性モノマーは、市販の試薬あるいは工業用原料として入手が可能である。この架橋性モノマーは疎水的であることが好ましい。式(3)のmの値は好ましくは1〜3である。具体的にはAldrich社から発売されているエチレングリコールジメタクリレート、日本油脂製ブレンマー(登録商標)PDE−50などが好適である。
【0015】
本発明に用いる共重合体は、任意の重合法により上記モノマーを共重合体させたものであるが、特に下記(A)、(B)、(C)の条件下に、前記(1)〜(3)のモノマーを水−エタノール混合溶媒中にてラジカル重合して得られる共重合体(ミクロゲル)であることが好ましい。
(A)ポリエチレンオキサイドマクロモノマーと疎水性モノマーの仕込み量が、ポリエチレンオキサイドマクロモノマー:疎水性モノマー=1:10〜1:250(モル比)であること
(B)架橋性モノマーの仕込み量が、疎水性モノマーの仕込み量に対して、0.1〜1.5質量%であること
(C)水−エタノール混合溶媒が、水:エタノール=90〜30:10〜70(20℃の容積比)であること
【0016】
(A)のポリエチレンオキサイドマクロモノマーと疎水性モノマーの仕込み量は、ポリエチレンオキサイドマクロモノマー:疎水性モノマー=1:10〜1:250(モル比)の範囲でコロナ−コア型ミクロゲルが重合可能である。エチレンオキサイドマクロモノマーの仕込み量が、モル比で疎水性モノマーの10分の1を下回ると重合されるポリマーは水溶性になりコロナ−コア型ポリマーミクロゲルは形成しない。またポリエチレンオキサイドマクロモノマーのモル量に対して疎水性モノマーが250倍以上になるとポリエチレンオキサイドマクロモノマーによる分散安定化が不完全になり不溶性の疎水性モノマーによる疎水性ポリマーが凝集、沈殿する。ポリエチレンオキサイドマクロモノマーと疎水性モノマーの仕込み比は、好ましくは1:10〜1:200の範囲である。さらに好ましくは1:25から1:100の範囲である。
【0017】
(B)の架橋性モノマーを共重合することでコア部分の疎水性ポリマーが架橋されたミクロゲルを重合することが出来る。架橋性モノマーの仕込み量が疎水性モノマーの仕込み量の0.1重量%未満であると、架橋密度が低く、このミクロゲルは膨潤時に崩壊してしまう。また1.5重量%を上回ると、ミクロゲル粒子同士の凝集が生じ、粒度分布の狭い好適なミクロゲル粒子を重合することは出来ない。好ましい架橋性モノマーの仕込み量は,0.2〜1.0、さらに好ましくは0.2〜0.8、最も好ましくは0.2〜0.5重量%である。
【0018】
(C)の重合溶媒である水/エタノールの混合比は、水−エタノール混合溶媒が、水:エタノール=90〜30:10〜70(20℃の容積比)である。重合溶媒は疎水性モノマーを均一溶解するためにエタノールを加えることが必要である。エタノールの混合比は10〜60容量比である。エタノールの混合比が10容量比より低い場合は疎水性モノマーを可溶化することが困難になり、重合されるミクロゲル粒子の粒度分布が広くなってしまう。またエタノールの混合比が60容量比を上回ると、重合されるポリマーは重合溶媒に溶解してしまい、ミクロゲル粒子は得られない。好ましい水/エタノールの混合比は、水−エタノール混合溶媒が、水:エタノール=90〜60:10〜40(20℃の容積比)である。さらに好ましくは水:エタノール=80〜70:20〜30(20℃の容積比)である。
【0019】
この重合系に用いられる重合開始剤は通常の水溶性熱ラジカル重合に用いられる市販の重合開始剤を用いることが出来る。
この重合系では特に攪拌条件を厳密にコントロールすることなく重合を行っても重合されるミクロゲル粒子の粒度分布は非常に狭いものを得ることが出来る。
【0020】
上述の製造方法により、粒子径が50〜300nmでありその分散度が0.01未満の単分散性粒子からなるミクロゲルが得られる。なお、このミクロゲルは有機溶媒に膨潤するという特質を有する。
【0021】
なお、一般的に乳化粒子あるいはポリマーエマルションなどの所謂コロイド粒子の粒子径は動的光散乱法あるいは光子相関法と呼ばれる方法で測定が可能である。この測定法は、十分に希薄な濃度に調製したサンプル分散液にレーザー光を照射し、サンプル粒子から散乱される散乱光強度を測定することで、サンプル粒子の並進拡散係数(平均値)を測定する方法である。サンプル粒子は分散液中でブラウン運動で常に動いている。このブラウン運動による粒子の移動速度、即ち並進拡散係数(平均値)を散乱光強度の時間変化の結果から、解析することが出来る。こうして得られた並進拡散係数(平均値)の値からストークス−アインシュタイン式(数1)に従ってサンプル粒子の流体力学的サイズを計算することが出来る。
【数1】

但し、Dは拡散係数、kはボルツマン定数、Tは絶対温度(K)、ηは溶媒の粘度、およびrは粒子の半径である。
この測定は市販の測定装置で簡便に測定可能である。たとえば大塚電子製 DLS7000、マーベルン製 ゼータサイザー4700、ブルックヘーブン製 ゼータプラスなどで測定が可能である。
上述の市販の測定装置にはデータ解析ソフトが搭載されており、測定データを自動的に解析することが出来る。この解析ソフトを用いることで平均粒子径、分散度の値を得ることが出来る。ここで分散度とは粒子径の平均値からのばらつきを示す値であり、キュムラント解析における二次キュムラントの値、即ち、分散値を規格化した値である。一般的にこの分散度が0.01以下であればそのサンプルの粒子径分布はほぼ単分散とみなすことが出来る。
【0022】
なお、従来の合成高分子によるミクロゲルは、いずれも高分子電解質、例えばポリアクリル酸を応用したものであり、その水への分散性に耐酸性や耐塩性がないものであった。しかしながら、医薬品や化粧品の配合成分として応用を考える際、生理的条件化での適応においては耐酸性や耐塩性は非常に重要な性能である。本発明の上記ミクロゲルは非イオン性高分子であるポリエチレンオキサイド鎖で安定化されたミクロゲルであり、その水中での分散安定性は耐酸性や耐塩性が期待できる。
また、水溶性高分子構造を含むマクロモノマーを応用したマクロモノマー法による高分子微粒子重合法は知られているが、この方法を応用して、コア部分を架橋性モノマーにより架橋させてミクロゲルを製造する方法は知られていない。
本発明で使用するミクロゲルは、親水性マクロモノマーと疎水性モノマーとが溶媒中にて図1に示すように秩序化が起り、粒子径がほぼ一定で、かつコア部分が架橋されたコロナ−コア型高分子ミクロゲルが生成すると考えられる。
【0023】
以上が本発明に用いる共重合体の説明である。本発明の皮膚外用剤は、この共重合体を、水(又は水溶性の化粧料成分が溶解した水相)に常法により混合分散させることによって製造される。すなわち、本発明の皮膚外用剤は極めて簡単な製造プロセスによって生産可能という優れた商業的価値を有する化粧料である。
【0024】
本発明で使用されるミクロゲルはイオン交換水中へ分散させたときの粒径が250nm以下のものを使用するのが望ましい。250nmを超える粒径のものでは高温条件下での長期保存において安定性の観点から化粧料として好ましくない場合や、使用感が好まれなくなる場合がある。
【0025】
本発明で使用されるミクロゲルは、皮膚外用剤の全量に対して通常0.001質量%以上の範囲で配合するのが望ましい。ミクロゲルの配合量が0.001質量%未満では使用感の改善効果が得られにくい。
【0026】
本発明に用いる上記ミクロゲルは、水に僅か0.001質量%配合するだけで保湿剤の特徴的なべたつきを軽減することが確認でき、配合により使用性改善剤として機能するものである。従来の技術では保湿剤高配合による保湿効果を維持しつつ、塗布時および乾燥後の肌のべたつきが抑制することが難しいものであった。
【0027】
本発明の皮膚外用剤は、上記ミクロゲルおよび保湿剤を同時に配合した化粧料が好ましい。なぜなら、保湿剤を配合した化粧料は、従来の技術では保湿効果と使用感のバランスの調整が非常に困難であり、使用感を重視する化粧料の製造が困難だからである。
保湿剤の配合量は、皮膚外用剤全量に対して0.1質量%以上40質量%未満が好ましい。
【0028】
本発明に用いられる保湿剤は多価アルコールが好ましい。特にグリセリンが好ましく、またグリセリン以外の保湿剤として、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ジプロピレングリコール、ベタイン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ムコ多糖、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、キチン、キトサン等などが挙げられる。
【0029】
本発明の皮膚外用剤は、スキンケア製品、メーキャップ製品、ヘアケア製品に使用することができる。特にスキンケア製品として使用されることが好ましく、化粧水・乳液・美容液・クリーム・含浸マスク・ボディーローション・洗顔料など形態にこだわらない。
【0030】
本発明の皮膚外用剤には、さらに化粧料、医薬品等に通常使用される薬効剤、保湿成分、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機及び無機粉体、香料、色素などを必要に応じて配合することができる。
【0031】
本発明の皮膚外用剤は、油分と、この油分に溶解する油溶性薬剤及び/又は香料を配合した化粧料においても、保湿効果および使用感に優れた皮膚外用剤を提供できる。この場合も、上述したように、保湿剤配合量は、皮膚外用剤全量に対して、0.01〜40質量%未満が好ましい。
【0032】
皮膚外用剤に配合する油状成分は、液状油分、固型油分、半固型油分又は水に難溶性の物質のいずれでもよい。例えば、アボカド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、月見草油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固型油脂、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カボックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等のロウ類、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアレン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸−2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソプロピル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セパチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、セバチル酸ジイソプロピル、コハク酸−2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル等の合成エステル、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸(ベヘニル)酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸、ラノリン脂肪酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸等の高級脂肪酸、ラウリンアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、モノステアリルグリセレンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の直鎖、分岐高級アルコール、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油、パーフルオロデカリン、パーフルオロヘキサン、トリパーフルオロ−n−ブチルアミン等のパーフルオロカーボンないしパーフルオロポリエーテル、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンD及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンK及びその誘導体等のビタミン類、ステロール類、天然及び合成の香料等が挙げられ、このうち融点が常温以下を液状油分、融点が常温以上を固型、半固型油分と区別される。これらのなかで、特に液状極性油分を配合することが最も好ましい。
【0033】
薬剤成分は、油溶性、水溶性、両親媒性のいずれも適用し得る。具体的には、例えば、美白剤、抗炎症剤、抗菌剤、ホルモン剤、ビタミン類、各種アミノ酸およびその誘導体や酵素、抗酸化剤、育毛剤などの薬剤が挙げられる。
美白剤としては、アルブチン等のハイドロキノン誘導体、コウジ酸、L−アスコルビン酸(ビタミンC)およびその誘導体、パントテニールエチルエーテル、トラネキサム酸およびその誘導体、プラセンタエキスや植物抽出物(例えばカミツレエキス等)等の各種抽出物などが例示される。
L−アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸モノステアレート、L−アスコルビン酸モノパルミテート、L−アスコルビン酸モノオレート等のL−アスコルビン酸モノアルキルエステル類、L−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルなどのL−アスコルビン酸モノエステル類;L−アスコルビン酸ジステアレート、L−アスコルビン酸ジパルミテート、L−アスコルビン酸ジオレートなどのL−アスコルビン酸ジアルキルエステル類;L−アスコルビン酸ジリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸ジエステル類;L−アスコルビン酸トリステアレート、L−アスコルビン酸トリパルミテート、L−アスコルビン酸トリオレートなどのL−アスコルビン酸トリアルキルエステル類;L−アスコルビン酸トリリン酸エステルなどのアスコルビン酸トリエステル類;L−アスコルビン酸2−グルコシドなどのL−アスコルビン酸グルコシド類などが挙げられる。L−アスコルビン酸およびその誘導体としては、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル、L−アスコルビン酸2−グルコシドまたはそれらの塩が挙げられる。
トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸の二量体(例えば、塩酸トランス−4−(トランス−アミノメチルシクロヘキサンカルボニル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、等)、トラネキサム酸とハイドロキノンのエステル体(例えば、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸4’−ヒドロキシフェニルエステル、等)、トラネキサム酸とゲンチシン酸のエステル体(例えば、2−(トランス−4−アミノメチルシクロヘキシルカルボニルオキシ)−5−ヒドロキシ安息香酸およびその塩、等)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸メチルアミドおよびその塩、トランス−4−(P−メトキシベンゾイル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸およびその塩、トランス−4−グアニジノメチルシクロヘキサンカルボン酸およびその塩、等)などが挙げられる。
抗炎症剤としては、例えばグリチルリチン、グリチルリチン酸塩(例えばグリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、等)、アラントインなどが挙げられる。
抗菌剤としては、例えばレゾルシン、イオウ、サリチル酸などが挙げられる。
ホルモン剤としては、例えばオキシトシン、コルチコトロピン、バソプレッシン、セクレチン、ガストリン、カルシトニン、ヒノキチオール、エチニルエストラジオールなどが挙げられる。
ビタミン類としては、例えばビタミンAおよびその誘導体(例えば、レチノール、ビタミンAパルミテート、等)、ビタミンB6、ビタミンB6塩酸塩等のビタミンB6誘導体、ニコチン酸、ニコチン酸アミド等のニコチン酸誘導体、ビタミンEおよびその誘導体、β−カロチンなどが挙げられる。
各種アミノ酸およびその誘導体や酵素としては、例えばL−グルタミン酸やウロカニン酸、トリプシン、塩化リゾチーム、キモトリプシン、セミアルカリプロテナーゼ、セラペプターゼ、リパーゼ、ヒアルロニダーゼなどが挙げられる。
抗酸化剤としては、例えばチオタウリン、グルタチオン、カテキン、アルブミン、フェリチン、メタロチオネインなどが挙げられる。
育毛剤としては、例えばβ−グリチルレチン酸、パントテニルエチルエーテル、ミノキシジルなどが挙げられる。
また、カンファー、メントール等の清涼剤も用いられ得る。
【実施例】
【0034】
次に実施例を挙げて本発明を説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。最初に、実施例に使用した共重合体(ミクロゲル)の製造例を示す。配合量は特に断りのない限り、質量%で表す。
【0035】
「ミクロゲルの製造例」
ミクロゲルの重合は以下の方法で実施した。還流管と窒素導入管を備えた200mLの三口フラスコに水−エタノール混合溶媒(水:エタノール=60:40容量比)50mLにPME−4000、メチルメタクリレート(MMA)、ブチルメタクリレート(nBMA)、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)およびエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)を溶解する。十分溶解した後、2,2'アゾビス(2メチルプロピオンアミジン 2塩酸塩)を全モノマー量に対して1mol%の割合で添加してさらに溶解する。完全に均一になった重合溶液を20分間窒素置換して溶存酸素を除いた後、マグネチックスターラーで攪拌しながら、オイルバスにて65から70℃に8時間保って重合する。重合終了後、重合液を室温に戻した後、重合液を水に対して5日間透析して、残存モノマーを除去し、同時に分散液を水に置換する。
用いたモノマーの量(g)を「表1」に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
「粒子径及び分散度の測定方法」
ミクロゲルの粒子径の測定は、マルバーン社製 ゼータサイザーを用いて測定した。ミクロゲル分散液のミクロゲル濃度を約0.1%に調製し測定サンプルを作成し、0.45マイクロメーターのフィルターでごみを除去した後、25℃での散乱強度を散乱角度90°で測定し、測定装置に搭載されている解析ソフトで平均粒子径および分散度を算出した。粒子径はキュムラント解析法により解析し、分散度はキュムラント解析で得られる2次キュムラントの値を規格化した数値である。この分散度は一般的に用いられているパラメーターであり、市販の動的光散乱測定装置を用いることで自動的に解析が可能である。粒子径解析に必要な溶媒の粘度は25℃の純水の粘度、即ち0.89mPasの値を用いた。
測定は各サンプルについて10回の測定を行いその平均値をとった。
【0038】
「ミクロゲルの粒子径および分散度」
得られたミクロゲルの粒子径および分散度を「表2」に示す。
【表2】

【0039】
次に皮膚外用剤にミクロゲルを配合した実施例について説明する。
なお、本発明の実施例説明に先立ち、評価方法を以下に示す。
「コンダクタンス測定による試験法」
10名のパネルの前腕部を用い、塗布前と塗布後120分後の皮膚コンダクタンスを測定し、この変化率から保湿効果を評価した。尚、皮膚コンダクタンス上昇率により、角層の吸水性、水分保持能への影響を検討することが可能であり、上昇率が大きいほど、角層水分の増加があり、保湿効果が高いと評価できる。
【0040】
「評価(1)コンダクタンス測定による試験」の評価基準は以下の通りである。
◎・・・パネル10名のコンダクタンス上昇率の平均が40%以上
○・・・パネル10名のコンダクタンス上昇率の平均が25%以上、40%未満
△・・・パネル10名のコンダクタンス上昇率の平均が10%以上、25%未満
×・・・パネル10名のコンダクタンス上昇率の平均が10%未満
【0041】
「評価(2):肌のなめらかさ」
使用中及び使用後の肌のなめらかさを専門パネラー10名により実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
◎・・・専門パネラー8名以上が使用中及び使用後肌がなめらかであると認めた。
○・・・専門パネラー6名以上8名未満が使用中及び使用後肌がなめらかであると認めた。
△・・・専門パネラー3名以上6名未満が使用中及び使用後肌がなめらかであると認めた。
×・・・専門パネラー3名未満が使用中及び使用後肌がなめらかであると認めた。
【0042】
「評価(3):肌へのべたつきのなさ」
使用中及び使用後の肌へのべたつきのなさを専門パネラー10名により実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
◎・・・専門パネラー8名以上が使用中及び使用後肌へのべたつきがないと認めた。
○・・・専門パネラー6名以上8名未満が使用中及び使用後肌へのべたつきがないと認めた。
△・・・専門パネラー3名以上6名未満が使用中及び使用後肌へのべたつきがないと認めた。
×・・・専門パネラー3名未満が使用中及び使用後肌へのべたつきがないと認めた。
【0043】
「評価(4):保湿効果感」
使用120分後の保湿効果感の有無を専門パネラー10名により実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
◎・・・専門パネラー8名以上が、保湿効果感があると認めた。
○・・・専門パネラー6名以上8名未満が、保湿効果感があると認めた。
△・・・専門パネラー3名以上6名未満が、保湿効果感があると認めた。
×・・・専門パネラー3名未満が、保湿効果感があると認めた。
【0044】
「評価(5):肌荒れ改善効果試験」
顔(部位:頬)に肌荒れをおこしている1 0 名のパネルにより、肌荒れ改善効果試験を実施した。試験法は左右の頬に、異なる化粧水を1 週間塗布し、その期間終了後の翌日に判定した。評価基準は以下の通りである。
◎・・・パネル8名以上が、肌荒れが改善されていると認めた。
○・・・パネル6名以上8名未満が、肌荒れが改善されていると認めた。
△・・・パネル3名以上6名未満が、肌荒れが改善されていると認めた。
×・・・パネル3名未満が、肌荒れが改善されていると認めた。
【0045】
「ミクロゲルの組成の影響」
下記試験用基本組成を用いてその皮膚外用剤としての評価を行った。
イオン交換水 to 100 質量%
エチルアルコール 10
製造例1−7のミクロゲル(A) 0.1
グリセリン 8.0
クエン酸 適量
クエン酸ナトリウム 適量
ヘキサメタリン酸ソーダ 適量
フェノキシエタノール 適量
香料 適量
















【0046】
(A)
【表3】

【0047】
上記表3に示されるように、さまざまな組成の共重合体を配合した皮膚外用剤は、コンダクタンス測定、なめらかさ、べたつき、保湿効果感、肌荒れ改善効果の全てに優れている。
【0048】
「ミクロゲルの配合量の影響」
下記試験用基本組成を用いてその皮膚外用剤としての評価を行った。
イオン交換水 to 100 質量%
エチルアルコール 10
製造例4のミクロゲル (B)
グリセリン 8.0
クエン酸 適量
クエン酸ナトリウム 適量
ヘキサメタリン酸ソーダ 適量
フェノキシエタノール 適量
香料 適量










【0049】
(B)
【表4】

【0050】
上記表4に示されるように、皮膚外用剤への共重合体の配合量は、0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜1.0質量%が特に好ましい。
【0051】
「保湿剤の配合量の影響」
下記試験用基本組成を用いてその皮膚外用剤としての評価を行った。
イオン交換水 to 100 質量%
エチルアルコール 10
製造例4のミクロゲル 0.1
保湿剤 (C)
クエン酸(食品) 適量
クエン酸ナトリウム 適量
ヘキサメタリン酸ソーダ 適量
フェノキシエタノール 適量
香料 適量

















【0052】
(C)
【表5】

【0053】
上記表5に示されるように、保湿剤の配合量は0.1〜30質量%が好ましく、1〜15質量%が特に好ましい。
【0054】
下記に本発明のその他の皮膚外用剤を挙げる。
本発明は、化粧品原料油分をはじめ、さらに油溶性薬剤及び/又は香料を含有する化粧料においても、優れた皮膚外用剤を提供することが可能である。
【0055】
「実施例22 乳液」
製造例1のミクロゲル 1.0
ジメチルポリシロキサン 3.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 4.0
エチルアルコール 5.0
グリセリン 6.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 3.0
POE(14)POP(7)ジメチルエーテル 1.0
アスコルビン酸グルコシド 2.0
ヒマワリ油 1.0
スクワラン 2.0
水酸化カリウム 0.1
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05
ビワ葉エキス 0.1
L−グルタミン酸ナトリウム 0.05
ウイキョウエキス 0.1
酵母エキス 0.1
ラベンダー油 0.1
ジオウエキス 0.1
ジモルホリノピリダジノン 0.1
キサンタンガム 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.1
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレンTR−1)
0.1
ベンガラ 適量
黄酸化鉄 適量
パラベン 適量
精製水 残余
【0056】
「実施例23 保湿クリーム」
製造例5のミクロゲル 2.0
α−オレフィンオリゴマー 10
ワセリン 1.0
マイクロクリスタリンワックス 3.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0
グリセリン 10
ジプロピレングリコール 2.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
エリスリトール 2.0
スクワラン 1.0
POE(17)POP(4)ジメチルエーテル 2.0
グリセリン脂肪酸エステルエイコサンニ酸縮合物 0.1
イソステアリン酸 1.0
2−エチルヘキサン酸セチル 5.0
塩化ナトリウム 0.5
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
グリチルレチン酸ステアリル 0.05
コウボエキス 0.1
リン酸L−アスコルビルマグネシウム 2.0
酢酸トコフェロール 0.5
チオタウリン 0.1
DL−ピロリドンカルボン酸ナトリウム 1.0
ウコンエキス 0.1
エデト酸3ナトリウム 0.1
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 2.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
パラベン 適量
精製水 残余
香料 適量
【0057】
「実施例24 目元用クリーム」
製造例5のミクロゲル 1.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 15
トリメチルシロキシケイサン−オクタメチルシクロテトラシロキサン
7.5
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 2.0
グリセリン 15
1,3−ブチレングリコール 3.0
マルチトール液 2.0
マカデミアナッツ油 0.5
スクワラン 1.0
ヒドロキシステアリン酸コレステリル 0.1
2−エチルヘキサン酸セチル 2.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 0.2
L-アスコルビン酸硫酸エステル2ナトリウム 0.01
DL−α−トコフェロール2−L−アスコルビン酸リン酸ジエステル
0.02
酢酸DL−α−トコフェロール 0.05
サクシニルアテロコラーゲン液 0.4
ヒアルロン酸ナトリウム 0.002
p−オキシ安息香酸エステル 0.15
エデト酸3Na 0.02
ジパラメトキシケイヒ酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.02
ケイ酸アルミニウムマグネシウム 0.3
精製水 残余
【0058】
「実施例25 日中美容液」
製造例2のミクロゲル 0.5
ジメチルポリシロキサン 5.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 25
トリメチルシロキシケイ酸 5.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 2.0
ジプロピレングリコール 5.0
微粒子酸化亜鉛 15
パラベン 適量
フェノキシエタノール 適量
エデト酸三ナトリウム 適量
アルブチン 3.0
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 7.5
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.5
球状ポリアクリル酸アルキル粉末 5.0
精製水 残余
香料 適量
【0059】
「実施例26 含浸マスク」
製造例1のミクロゲル 0.1
グリセリン 1.0
1,3−ブチレングリコール 8.0
キシリット 2.0
ポリエチレングリコール1500 2.0
ローズマリー油 0.01
セージ油 0.1
クエン酸 0.02
クエン酸ナトリウム 0.08
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.01
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 0.1
トラネキサム酸 2.0
ビタミンEアセテート 1.0
アロエ抽出液 0.1
バーチエキス 0.1
ラベンダー油 0.01
キサンタンガム 0.05
カルボキシビニルポリマー 0.15
パラオキシ安息香酸エステル 適量
精製水 残余
【0060】
「実施例27 とろみ化粧水」
製造例4のミクロゲル 0.8
グリセリン 1.0
ジプロピレングリコール 12
エタノール 8.0
POEメチルグルコシド 3.0
POE(24)POP(13)デシルテトラデシルエーテル 0.5
クエン酸 0.02
クエン酸ナトリウム 0.08
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 0.5
チオタウリン 0.1
アデノシン3リン酸−2ナトリウム 0.1
コンドロイチン硫酸ナトリウム 0.01
EDTA3ナトリウム 0.01
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
水酸化カリウム 0.2
パラベン 適量
精製水 残余
香料 適量
【0061】
「実施例28 コンディショナー」
製造例7のミクロゲル 5.0
ジメチルポリシロキサン 2.0
ステアリルアルコール 2.0
ベヘニルアルコール 1.0
グリセリン 1.5
パルミチン酸オクチル 1.0
ポリオキシエチレンステアリルエーテル 0.2
クエン酸 0.05
パラオキシ安息香酸エステル 適量
フェノキシエタノール 適量
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1
高重合メチルポリシロキサン 1.5
精製水 残余
香料 適量
【0062】
「実施例28 クリームファンデーション」
製造例3のミクロゲル 0.1
ベヘニルアルコール 0.5
ジプロピレングリコール 6.0
ステアリン酸 1.0
モノステアリン酸グリセリン 1.0
水酸化カリウム 0.2
トリエタノールアミン 0.8
酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
パラオキシ安息香酸エステル 適量
黄酸化鉄 1.0
α−オレフィンオリゴマー 3.0
ジメチルポリシロキサン(6mPa.s) 2.0
ジメチルポリシロキサン(100mPa.s) 5.0
バチルアルコール 0.5
イソステアリン酸 1.0
ベヘニン酸 0.5
2−エチルヘキサン酸セチル 10
モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 1.0
酸化チタン 3.0
雲母チタン・ポリアクリル酸アルキル複合粉末 0.5
表面処理酸化チタン(MT−062) 10
ポリアクリ酸アルキル被覆雲母チタン 0.5
黒酸化鉄被覆雲母チタン 0.5
無水ケイ酸 6.0
パラメトキシケイ皮酸2−エチルへキシル 2.0
ベンガラ 適量
群青 適量
黒酸化鉄 適量
法定色素 適量
キサンタンガム 0.1
ベントナイト 1
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
精製水 残余
香料 適量
【0063】
「実施例29 ボディーシャンプー」
製造例4のミクロゲル 0.5
エタノール 10
グリセリン 1.0
オレンジ油 0.05
ローズマリー油 0.05
ポリオキシエチレンステアリルエーテル 0.5
ヤシ油脂肪酸アシル−グルタミン酸カリウム混合液 10
ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 5.0
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン
1.5
ヒアルロン酸ナトリウム 0.05
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.2
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム 適量
キサンタンガム 0.5
精製水 残余
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明によれば、保湿効果と肌荒れ改善効果があり、かつ使用感に優れた皮膚外用剤を提供することが出来る。
本発明の皮膚外用剤が化粧料の場合には、その優れた使用感から、化粧料効果の印象を使用者に極めて有効にアピールできる有用な化粧料である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に用いるミクロゲルのコアコロナ型高分子ナノスフェア生成メカニズムを示す模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)のポリエチレンオキサイドマクロモノマーと下記式(2)の疎水性モノマーと下記式(3)の架橋性モノマーとを重合して得られる共重合体と、保湿剤とを含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【化1】

(1)
1は炭素原子数1〜3のアルキルを表し、nは20〜200の数である。XはHまたはCH3を表す。
【化2】

(2)
2は炭素原子数1〜3のアルキルを表し、R3は炭素原子数1〜8のアルキルを表す。
【化3】

(3)
4とR5はそれぞれ独立に炭素原子数1〜3のアルキルを表し、mは0〜2の数である。
【請求項2】
下記(A)、(B)、(C)、(D)の条件下に、前記(1)〜(3)のモノマーを水−エタノール混合溶媒中にてラジカル重合して得られる共重合体からなるミクロゲルと、保湿剤とを配合したことを特徴とする皮膚外用剤。
(A)疎水性モノマーは炭素原子数1〜8のアルキルを有するメタクリル酸誘導体を一種もしくは二種以上を混合した組成であること
(B)ポリエチレンオキサイドマクロモノマーと疎水性モノマーの仕込み量が、ポリエチレンオキサイドマクロモノマー:疎水性モノマー=1:10〜1:250(モル比)であること
(C)架橋性モノマーの仕込み量が、疎水性モノマーの仕込み量に対して、0.1〜1.5質量%であること
(D)水−エタノール混合溶媒が、水:エタノール=90〜30:10〜70(20℃の容積比)であること
【請求項3】
前記保湿剤が多価アルコールであることを特徴とする請求項1又は2記載の皮膚外用剤。

【図1】
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【公開番号】特開2007−106694(P2007−106694A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−298834(P2005−298834)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】