監視システム、監視方法、監視カメラ装置、中央監視装置及びプログラム
【課題】 被監視者のプライバシーを保護しつつ被監視者を監視することができる監視システムを得る。
【解決手段】 本発明による監視システムは、サーモグラフィカメラ41と、サーモグラフィカメラ41により生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理部42と、この所定温度領域の面積を基にサーモグラフィカメラ41による監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定部43とを含むことを特徴とする。
【解決手段】 本発明による監視システムは、サーモグラフィカメラ41と、サーモグラフィカメラ41により生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理部42と、この所定温度領域の面積を基にサーモグラフィカメラ41による監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定部43とを含むことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は監視システム、監視方法、監視カメラ装置、中央監視装置及びプログラムに関し、特にサーモグラフィを用いた監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
老人ホームや病院等の施設において、特に夜間、被介護者がトイレ等でベッドを離れた時に転倒等の事故が発生し、そのまま動けない状態となり、ナースセンタの発見が遅れ、傷害が酷くなる場合がある。このような事態を防止するために様々な監視システムが考案されており、その中にサーモグラフィを用いて被介護者の行動を監視する監視システムがある。
【0003】
特許文献1には、カメラ監視によるプライバシーの問題を低減すべく、サーモグラフィカメラを用いた監視装置が記載されている。特許文献1記載の監視装置では、サーモグラフィカメラにより撮影された温度分布画像データから所定温度以上の部分画像が抽出され所定の背景画像と合成される。この合成された監視画像データがナースセンタに設置されたモニタに表示され、ナースセンタにいる看護師等がモニタに表示される監視画像を見ることにより患者の行動や状態を把握する。
【0004】
また、特許文献2及び3には、被介護者の状態を確認するために、ベッドやその周辺に、圧力センサ、焦電センサ、接触型温度計、カメラを設置し、これらの情報を組み合わせて、監視を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−089727号公報
【特許文献2】特開2000−105885号公報
【特許文献3】特開2007−229077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、患者のプライバシーを保護すべくサーモグラフィカメラを用いているが、監視者のモニタには患者の輪郭や動作状態が表示されることになり、プライバシーの問題は依然として残る。
【0007】
また、特許文献2及び3のようにセンサの種類が多いと、制御が複雑となり、またベッド周辺も煩雑な状態となる。さらに、接触型温度計のように被介護者に直接センサを取り付けることは、被介護者の動作を妨げたり、被介護者に不快感を与えることにもなる。
【0008】
本発明の目的は、上述した課題を解決し、被監視者のプライバシーを保護しつつ被監視者を監視することができる監視システム、監視方法、監視カメラ装置、中央監視装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による監視システムは、サーモグラフィカメラと、前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理手段と、前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定手段とを含むことを特徴とする。
【0010】
本発明による監視方法は、監視システムの監視方法であって、サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理ステップと、前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定ステップとを含むことを特徴とする。
【0011】
本発明による監視カメラ装置は、サーモグラフィカメラと、前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理手段と、前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定手段とを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明によるプログラムは、サーモグラフィカメラを備えた監視カメラ装置の動作制御方法をコンピュータに実行せしめるプログラムであって、前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理と、前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定処理とを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明による監視カメラ装置は、サーモグラフィカメラと、前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理手段と、前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する中央監視装置に前記所定温度領域の面積の情報を送信する送信手段とを含むことを特徴とする。
【0014】
本発明によるプログラムは、サーモグラフィカメラを備えた監視カメラ装置の動作制御方法をコンピュータに実行せしめるプログラムであって、前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理と、前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する中央監視装置に前記所定温度領域の面積の情報を送信する送信処理とを含むことを特徴とする。
【0015】
本発明による中央監視装置は、サーモグラフィカメラと、前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理手段とを含む監視カメラ装置から送信された前記所定温度領域の面積の情報を受信する受信手段と、受信された前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定手段とを含むことを特徴とする。
【0016】
本発明によるプログラムは、中央監視装置の動作制御方法をコンピュータに実行せしめるプログラムであって、サーモグラフィカメラと、前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理手段とを含む監視カメラ装置から送信された前記所定温度領域の面積の情報を受信する受信処理と、受信された前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定処理とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、被監視者のプライバシーを保護しつつ被監視者を監視することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の原理を説明するための監視システムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の原理を説明するための監視カメラ装置の概略構成を示す図である。
【図3】本発明の原理を説明するための中央監視装置の概略構成を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による監視システムの構成を示す図である。
【図5】図4のサーモグラフィカメラモジュール及び介護者端末の構成を示す図である。
【図6】図5のサーモグラフィカメラによる温度分布画像データの例を示す図であり、(a)は被介護者がベッド上にいる場合を示し、(b)は被介護者がベッド上にいない場合を示す。
【図7】(a)は図6(a)に対応する温度面積データを示し、(b)は図6(b)に対応する温度面積データを示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態による監視システムの動作を示すフローチャートである。
【図9】被介護者が発熱している場合の図6(a)に対応する温度面積データを示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態による監視システムの構成を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態において監視対象領域内のどの領域に被介護者がいるかを判定する方法を説明するための図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における判定例を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態による監視システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態について説明する前に、本発明の理解を助けるために、本発明の原理について図面を参照して説明する。図1は本発明の原理を説明するための監視システムの概略構成を示す図である。
【0020】
図1に示した監視システムは、サーモグラフィカメラ41と、サーモグラフィカメラ41により生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理部42と、この所定温度領域の面積を基にサーモグラフィカメラ41による監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定部43とを含む。
【0021】
このように、処理部42がサーモグラフィカメラ41の温度分布画像データから所定温度領域の面積を求め、判定部43がこの面積を基に監視対象領域に被監視者が存在するか否かを判定するようにしているので、サーモグラフィカメラ41の温度分布画像データをモニタに表示することなく監視を行うことができ、よって被監視者のプライバシーの保護を図ることができる。
【0022】
図2は本発明の原理を説明するための監視カメラ装置の概略構成を示す図である。図2に示した監視カメラ装置は、サーモグラフィカメラ51と、サーモグラフィカメラ51により生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理部52と、この所定温度領域の面積を基にサーモグラフィカメラ51による監視対象領域内の被監視者の有無を判定する中央監視装置に当該所定温度領域の面積の情報を送信する送信部53とを含む。
【0023】
このように、処理部52がサーモグラフィカメラ51の温度分布画像データから所定温度領域の面積を求め、送信部53がこの面積の情報を上記中央監視装置に送信するようにしているので、サーモグラフィカメラ51の温度分布画像データをモニタに表示することなく監視を行うことができ、よって被監視者のプライバシーの保護を図ることができる。
【0024】
なお、図2に示した監視カメラ装置は、処理部52によって求められた面積を中央監視装置に送信し、中央監視装置において被監視者の有無を判定するようにしているが、面積を中央監視装置に送信することなく監視カメラ装置において判定を行うようにしてもよい。この場合の監視カメラ装置の構成は図1の構成と同一である。
【0025】
図3は本発明の原理を説明するための中央監視装置の概略構成を示す図である。図3に示した中央監視装置は、サーモグラフィカメラと、サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理部とを含む監視カメラ装置から送信された当該所定温度領域の面積の情報を受信する受信部61と、受信された当該所定温度領域の面積を基に当該サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定部62とを含む。
【0026】
このように、受信部61が監視カメラ装置においてサーモグラフィカメラの温度分布画像データから求められた所定温度領域の面積を受信し、判定部62がこの面積を基に監視対象領域に被監視者が存在するか否かを判定するようにしているので、サーモグラフィカメラ51の温度分布画像データをモニタに表示することなく監視を行うことができ、よって被監視者のプライバシーの保護を図ることができる。
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0028】
図4は本発明の第1の実施の形態による監視システムの構成を示す図である。図4において、被介護者個室1内のベッド5にはサーモグラフィカメラモジュール(監視カメラ装置)10が備えられており、被介護者6を監視する。被介護者個室2及び3各々も被介護者個室1と同様の構成を有する。サーモグラフィカメラモジュール10は、ナースセンタ4に設けられた介護者端末(中央監視装置)20と通信ライン30を介して接続されている。サーモグラフィカメラモジュール10の異常検出結果が通信ライン30を介して介護者端末20に通知されることにより、介護者に被介護者の異常が通知される。
【0029】
図5は図4のサーモグラフィカメラモジュール10及び介護者端末20の構成を示す図であり、図4と同等部分は同一符号にて示している。図5において、サーモグラフィカメラモジュール10は、サーモグラフィカメラ11と、処理部12と、制御部13と、タイマ14と、記憶部15と、通信I/F16とを含む。介護者端末20は、通信I/F21と、制御部22と、表示部23と、アラーム24とを含む。サーモグラフィカメラモジュール10と介護者端末20は通信ライン30で接続されている。
【0030】
サーモグラフィカメラ11は、ベッド5上の被介護者6を撮影し、図6に示すような被介護者6の温度分布画像データ(サーモグラフィデータ)を採取する。なお、図6は図5のサーモグラフィカメラ11による温度分布画像データの例を示す図であり、(a)は被介護者6がベッド5上にいる場合を示し、(b)は被介護者6がベッド5上にいない場合を示す。この温度分布画像データを温度と面積との関係を示すグラフ(温度面積データ)に変換すると、図7に示すような温度面積データが得られる。図7(a)は図6(a)に対応する温度面積データを示し、図7(b)は図6(b)に対応する温度面積データを示す。
【0031】
一般的に、被介護者6がベッド5上にいる時は、図6(a)及び図7(a)に示すように、被介護者個室1内の室温28℃から被介護者6の体温37℃までの間で、被介護者6の体温が検知され大きな面積を占める。この場合、面積比で室温28℃以下:約40%、28〜37℃間:約60%となる。一方、被介護者6がベッド5上にいない時は、図6(b)及び図7(b)に示すように、室温28℃以下の温度がほとんどを占め、面積比で室温28℃以下:約100%、28〜37℃間:約0%となる。
【0032】
このように、被介護者6の有無によって明らかに差異が生じるので、サーモグラフィカメラ11により生成される温度分布画像データから所定温度領域の面積を求めて、この所定温度領域の面積を基に被介護者6の有無を判定することができる。そこで、処理部12は、サーモグラフィカメラ11により生成される温度分布画像データから例えば28℃から37℃までの温度領域の面積を求める。そして、制御部13は、処理部12により求められた面積を所定の閾値と比較して、処理部12により求められた面積が閾値より大であれば被介護者6がいると判定し、閾値より小であれば被介護者6はいないと判定する。
【0033】
制御部13は、被介護者6がベッド5にいないと判定すると、タイマ14を用いて計時を開始する。そして、制御部13は、被介護者6がベッド5にいると判定されることなく所定時間経過すると、通信I/F16及び通信ライン30を介して、記憶部15に記憶された識別番号(例えば被介護者の個室番号)と異常発生を示す警報信号を介護者端末20に送信する。介護者端末20では、制御部22は、通信I/F21を介して警報を受信すると、介護者個室番号を判別して表示部23に当該番号を表示すると共に、アラーム24を用いて介護者に異常発生を報知する。
【0034】
図8は本発明の第1の実施の形態による監視システムの動作を示すフローチャートである。図8において、サーモグラフィカメラモジュール10の処理部12は、サーモグラフィカメラ11の温度分布画像データから所定温度領域の面積を求める(ステップS1及びS2)。制御部13は、処理部12により求められた面積を基に被介護者6がいるか否かを判定する(ステップS3)。
【0035】
ステップS3において、被介護者6がいないと判定される場合、制御部13は、タイマ14による計時を開始してステップS4に進む。一方、被介護者6がいると判定される場合、制御部13はタイマ14をリセットし、ステップS1に戻る。ステップS4において、被介護者6がいないと判定されたまま所定時間経過すると、制御部13は、通信I/F16及び通信ライン30を介して介護者端末20に異常発生を通知する(ステップS5)。
【0036】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態では、処理部12がサーモグラフィカメラ11の温度分布画像データから所定温度領域の面積を求め、制御部13がこの面積を基に被介護者6が存在するか否かを判定するようにしているので、サーモグラフィカメラ11の温度分布画像データを介護者端末20のモニタに表示することなく監視を行うことができ、よって被介護者6のプライバシーの保護を図ることができる。
【0037】
また、本発明の第1の実施の形態では、被介護者6に直接センサを取り付けることがないので、被介護者6の動作を妨げたり、被介護者6に不快感を与えたりせずにすむ。
【0038】
なお、本発明の第1の実施の形態において、図9に示すようにサーモグラフィカメラ11の温度分布画像データ内の最高温度が38℃程度にまで達しており、被介護者6に発熱等の病気が発生している可能性があると判断される場合に、介護者端末20に通知するようにしてもよい。
【0039】
この場合、処理部12は、サーモグラフィカメラ11の温度分布画像データから例えば37℃から40℃までの温度領域の面積を求め、制御部13は、この面積を基に被介護者6が発熱しているか否かを判定する。より具体的には、図8のステップS2において、処理部12はステップS3の判定用の面積と共に、被介護者6の発熱判定用の面積を求め、ステップS3において被介護者6がいると判定された場合に、制御部13は、被介護者6が発熱しているか否かを判定する。そして、制御部13は、被介護者6の発熱判定用の面積が所定の閾値より大であれば、被介護者6が発熱していると判断してステップS5に進み、介護者端末20に異常発生を通知する。
【0040】
処理部12は被介護者6の発熱判定用に面積を求めるのではなく、サーモグラフィカメラ11の温度分布画像データ内の最高温度を求めるようにしてもよい。この場合、制御部13は、最高温度が所定の閾値(例えば38℃)に達している場合に、被介護者6が発熱していると判断する。
【0041】
また、本発明の第1の実施の形態において、被介護者6の体温変化を監視して、体温が大きく上がった/下がった場合に介護者端末20に通知するようにしてもよい。この場合、図8のステップS2において、処理部12はサーモグラフィカメラ11の温度分布画像データから最高温度または例えば28℃以上の温度分布の平均温度を更に求める。ステップS3において被介護者6がいると判定された場合に、制御部13は、処理部12によって求められた温度を記憶部15に記憶すると共に、記憶部15の記憶内容を基に例えば過去数時間の間の当該温度の変化量を求める。この変化量が所定の閾値より大である場合、制御部13は、被介護者6に異常があると判定してステップS5に進み、介護者端末20に異常発生を通知する。
【0042】
また、本発明の第1の実施の形態では、サーモグラフィカメラモジュール10において制御部13が被介護者6がベッド5にいるか否かを判定するようにしているが、制御部13は処理部12からのデータを介護者端末20に送信し、介護者端末20において各被介護者個室のサーモグラフィカメラモジュール10からのデータを集中的に処理するようにしてもよい。この場合、介護者端末20の制御部22が図8のステップS3及びS4の判定、被介護者6の発熱判定、被介護者6の体温変化判定を行うことは勿論である。なお、介護者端末20は図示せぬタイマ及び記憶部を備えるものとする。
【0043】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図10は本発明の第2の実施の形態による監視システムの構成を示す図であり、図4及び図5と同等部分は同一符号にて示している。本発明の第2の実施の形態による監視システムの基本的な構成は図4及び図5に示した本発明の第1の実施の形態による監視システムの構成と同一であるが、本発明の第2の実施の形態では、被介護者個室1の天井等にサーモグラフィカメラモジュール10が取り付けられ、被介護者個室1の部屋全体が監視対象領域とされる。
【0044】
図11(a)に示すように、監視対象領域である部屋全体(サーモグラフィカメラ11の温度分布画像データ)は複数のブロックに区切られる(本例では4×4の16区画)。図11(a)に示すように被介護者6がベッド5にいる場合において、サーモグラフィカメラ11の温度分布画像データを上記のブロック各々毎に温度と面積との関係を示すグラフ(温度面積データ)に変換すると、図11(b)に示すような各ブロック毎の温度面積データが得られる。この図11(b)から明らかなように、サーモグラフィカメラ11を用いて監視対象領域内の被介護者6がいる領域9(図11(c)参照)を特定することができることが分かる。
【0045】
そこで、処理部12は、サーモグラフィカメラ11の温度分布画像データの各ブロック毎に所定温度領域の面積(例えば28℃から37℃までの温度領域の面積)を求める。そして、制御部13は、処理部12により求められた各ブロック毎の所定温度領域の面積を所定の閾値と比較して、所定温度領域の面積が閾値より大であるブロックに被介護者6がいると判定し、閾値より小であるブロックには被介護者6はいないと判定する。
【0046】
さらに、本発明の第2の実施の形態では、図12(a)に示すように、監視対象領域である部屋内のベッド5及びソファー7のように被介護者6が長時間いても問題ないエリアが就寝エリアAとして予め設定される。制御部13は、どのブロックにも被介護者6は存在せず部屋内にいないと判定すると(図12(a)参照)、タイマ14を用いて計時を開始する。そして、制御部13は、被介護者6が部屋内にいると判定されることなく所定時間経過すると、記憶部15に記憶された識別番号(例えば被介護者の個室番号)と異常発生を示す警報信号を介護者端末20に送信する。
【0047】
介護者端末20では、制御部22は、通信I/F21を介して警報を受信すると、介護者個室番号を判別して表示部23に当該番号を表示すると共に、アラーム24を用いて介護者に異常発生を報知する。
【0048】
一方、図12(b)及び(c)に示すように、いずれかのブロックに被介護者6が存在し部屋内にいると判定される場合であって、かつ被介護者6がいると判定された領域9が就寝エリアA内であれば、制御部13は、異常無しと判断して、そのまま引き続き監視を継続する。
【0049】
また、図12(d)に示すように、いずれかのブロックに被介護者6が存在し部屋内にいると判定される場合であって、かつ被介護者6がいると判定された領域9が就寝エリアA外であれば、被介護者6が部屋の床に転倒し動けなくなっている可能性があるので、制御部13はタイマ14を用いて計時を開始する。そして、制御部13は、被介護者6が部屋の外または就寝エリアA内に移動したと判定されることなく所定時間経過すると、識別番号と警報信号を介護者端末20に送信する。
【0050】
なお、被介護者6がいる領域9が就寝エリアA内のブロックと就寝エリアA外のブロックとにまたがる場合は、制御部13は、被介護者6は就寝エリアA内にいると判定し、異常無しとするようにしてもよい。
【0051】
図13は本発明の第2の実施の形態による監視システムの動作を示すフローチャートである。図13において、サーモグラフィカメラモジュール10の処理部12は、サーモグラフィカメラ11の温度分布画像データの各ブロック毎に所定温度領域の面積を求める(ステップS11及びS12)。制御部13は、処理部12により求められた各ブロック毎の所定温度領域の面積を基に部屋内に被介護者6がいるか否かを判定する(ステップS13)。
【0052】
ステップS13において部屋内に被介護者6がいないと判定され、被介護者6が部屋内にいると判定されることなく所定時間経過すると(ステップS15)、制御部13は、介護者端末20に異常発生を通知する(ステップS16)。一方、ステップS13において部屋内に被介護者6がいると判定されると、制御部13はさらに被介護者6が就寝エリアA内にいるか否かを判定する(ステップS14)。
【0053】
ステップS14において被介護者6が就寝エリアA内にいると判定されると、異常無しとして処理はステップS11に戻る。一方、ステップS14において被介護者6が就寝エリアA外にいると判定され、被介護者6が部屋の外または就寝エリアA内に移動したと判定されることなく所定時間経過すると(ステップS15)、制御部13は、介護者端末20に異常発生を通知する(ステップS16)。
【0054】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態では、処理部12がサーモグラフィカメラ11の温度分布画像データの各ブロック毎に所定温度領域の面積を求め、制御部13が各ブロック毎の所定温度領域の面積を基に被介護者6が部屋内に存在するか否か、また部屋内のどの領域に存在するかを判定するようにしているので、サーモグラフィカメラ11の温度分布画像データを介護者端末20のモニタに表示することなく監視を行うことができ、よって被介護者6のプライバシーの保護を図ることができる。
【0055】
また、本発明の第2の実施の形態では、就寝エリアAが設定され、制御部13は被介護者6が就寝エリアA内にいるか否かを判定するようにしているので、被介護者6が部屋内には居るものの就寝エリアA外で倒れて動けなくなっているようなケースも介護者端末20に通知することができる。また、本発明の第2の実施の形態では、被介護者6に直接センサを取り付けることがないので、被介護者6の動作を妨げたり、被介護者6に不快感を与えたりせずにすむ。
【0056】
なお、本発明の第2の実施の形態では、サーモグラフィカメラモジュール10において制御部13が被介護者6の有無を判定するようにしているが、制御部13は処理部12からのデータを介護者端末20に送信し、介護者端末20において各被介護者個室のサーモグラフィカメラモジュール10からのデータを集中的に処理するようにしてもよい。この場合、介護者端末20の制御部22が図13のステップS13〜S15の判定を行うことは勿論である。なお、介護者端末20は図示せぬタイマ及び記憶部を備えるものとする。
【0057】
本発明の第1及び第2の実施の形態による監視システムは、老人ホームや病院だけではなく、在宅看護や幼児の監視等にも適用可能である。また、本発明の第1及び第2の実施の形態において、サーモグラフィカメラモジュール10と介護者端末20間は通信ライン30を用いて接続されているが、専用線、ネットワーク、無線LAN(Local Area Network)等が用いられてもよい。
【0058】
図8及び図13に示した各フローチャートに従った監視システムの処理動作は、監視システムを構成する各装置において、予めROM等の記憶媒体に格納されたプログラムを、CPU(制御部)となるコンピュータに読み取らせて実行せしめることにより、実現できることは勿論である。
【符号の説明】
【0059】
1,2,3 被介護者個室
4 ナースセンタ
5 ベッド
6 被介護者
7 ソファー
8 テレビ
9 被介護者が存在する領域
10 サーモグラフィカメラモジュール
11,41,51 サーモグラフィカメラ
12,42,52 処理部
13,22 制御部
14 タイマ
15 記憶部
16,21 通信I/F
20 介護者端末
23 表示部
24 アラーム
30 通信ライン
43,62 判定部
53 送信部
61 受信部
【技術分野】
【0001】
本発明は監視システム、監視方法、監視カメラ装置、中央監視装置及びプログラムに関し、特にサーモグラフィを用いた監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
老人ホームや病院等の施設において、特に夜間、被介護者がトイレ等でベッドを離れた時に転倒等の事故が発生し、そのまま動けない状態となり、ナースセンタの発見が遅れ、傷害が酷くなる場合がある。このような事態を防止するために様々な監視システムが考案されており、その中にサーモグラフィを用いて被介護者の行動を監視する監視システムがある。
【0003】
特許文献1には、カメラ監視によるプライバシーの問題を低減すべく、サーモグラフィカメラを用いた監視装置が記載されている。特許文献1記載の監視装置では、サーモグラフィカメラにより撮影された温度分布画像データから所定温度以上の部分画像が抽出され所定の背景画像と合成される。この合成された監視画像データがナースセンタに設置されたモニタに表示され、ナースセンタにいる看護師等がモニタに表示される監視画像を見ることにより患者の行動や状態を把握する。
【0004】
また、特許文献2及び3には、被介護者の状態を確認するために、ベッドやその周辺に、圧力センサ、焦電センサ、接触型温度計、カメラを設置し、これらの情報を組み合わせて、監視を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−089727号公報
【特許文献2】特開2000−105885号公報
【特許文献3】特開2007−229077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、患者のプライバシーを保護すべくサーモグラフィカメラを用いているが、監視者のモニタには患者の輪郭や動作状態が表示されることになり、プライバシーの問題は依然として残る。
【0007】
また、特許文献2及び3のようにセンサの種類が多いと、制御が複雑となり、またベッド周辺も煩雑な状態となる。さらに、接触型温度計のように被介護者に直接センサを取り付けることは、被介護者の動作を妨げたり、被介護者に不快感を与えることにもなる。
【0008】
本発明の目的は、上述した課題を解決し、被監視者のプライバシーを保護しつつ被監視者を監視することができる監視システム、監視方法、監視カメラ装置、中央監視装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による監視システムは、サーモグラフィカメラと、前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理手段と、前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定手段とを含むことを特徴とする。
【0010】
本発明による監視方法は、監視システムの監視方法であって、サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理ステップと、前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定ステップとを含むことを特徴とする。
【0011】
本発明による監視カメラ装置は、サーモグラフィカメラと、前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理手段と、前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定手段とを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明によるプログラムは、サーモグラフィカメラを備えた監視カメラ装置の動作制御方法をコンピュータに実行せしめるプログラムであって、前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理と、前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定処理とを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明による監視カメラ装置は、サーモグラフィカメラと、前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理手段と、前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する中央監視装置に前記所定温度領域の面積の情報を送信する送信手段とを含むことを特徴とする。
【0014】
本発明によるプログラムは、サーモグラフィカメラを備えた監視カメラ装置の動作制御方法をコンピュータに実行せしめるプログラムであって、前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理と、前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する中央監視装置に前記所定温度領域の面積の情報を送信する送信処理とを含むことを特徴とする。
【0015】
本発明による中央監視装置は、サーモグラフィカメラと、前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理手段とを含む監視カメラ装置から送信された前記所定温度領域の面積の情報を受信する受信手段と、受信された前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定手段とを含むことを特徴とする。
【0016】
本発明によるプログラムは、中央監視装置の動作制御方法をコンピュータに実行せしめるプログラムであって、サーモグラフィカメラと、前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理手段とを含む監視カメラ装置から送信された前記所定温度領域の面積の情報を受信する受信処理と、受信された前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定処理とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、被監視者のプライバシーを保護しつつ被監視者を監視することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の原理を説明するための監視システムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の原理を説明するための監視カメラ装置の概略構成を示す図である。
【図3】本発明の原理を説明するための中央監視装置の概略構成を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による監視システムの構成を示す図である。
【図5】図4のサーモグラフィカメラモジュール及び介護者端末の構成を示す図である。
【図6】図5のサーモグラフィカメラによる温度分布画像データの例を示す図であり、(a)は被介護者がベッド上にいる場合を示し、(b)は被介護者がベッド上にいない場合を示す。
【図7】(a)は図6(a)に対応する温度面積データを示し、(b)は図6(b)に対応する温度面積データを示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態による監視システムの動作を示すフローチャートである。
【図9】被介護者が発熱している場合の図6(a)に対応する温度面積データを示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態による監視システムの構成を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態において監視対象領域内のどの領域に被介護者がいるかを判定する方法を説明するための図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における判定例を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態による監視システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態について説明する前に、本発明の理解を助けるために、本発明の原理について図面を参照して説明する。図1は本発明の原理を説明するための監視システムの概略構成を示す図である。
【0020】
図1に示した監視システムは、サーモグラフィカメラ41と、サーモグラフィカメラ41により生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理部42と、この所定温度領域の面積を基にサーモグラフィカメラ41による監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定部43とを含む。
【0021】
このように、処理部42がサーモグラフィカメラ41の温度分布画像データから所定温度領域の面積を求め、判定部43がこの面積を基に監視対象領域に被監視者が存在するか否かを判定するようにしているので、サーモグラフィカメラ41の温度分布画像データをモニタに表示することなく監視を行うことができ、よって被監視者のプライバシーの保護を図ることができる。
【0022】
図2は本発明の原理を説明するための監視カメラ装置の概略構成を示す図である。図2に示した監視カメラ装置は、サーモグラフィカメラ51と、サーモグラフィカメラ51により生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理部52と、この所定温度領域の面積を基にサーモグラフィカメラ51による監視対象領域内の被監視者の有無を判定する中央監視装置に当該所定温度領域の面積の情報を送信する送信部53とを含む。
【0023】
このように、処理部52がサーモグラフィカメラ51の温度分布画像データから所定温度領域の面積を求め、送信部53がこの面積の情報を上記中央監視装置に送信するようにしているので、サーモグラフィカメラ51の温度分布画像データをモニタに表示することなく監視を行うことができ、よって被監視者のプライバシーの保護を図ることができる。
【0024】
なお、図2に示した監視カメラ装置は、処理部52によって求められた面積を中央監視装置に送信し、中央監視装置において被監視者の有無を判定するようにしているが、面積を中央監視装置に送信することなく監視カメラ装置において判定を行うようにしてもよい。この場合の監視カメラ装置の構成は図1の構成と同一である。
【0025】
図3は本発明の原理を説明するための中央監視装置の概略構成を示す図である。図3に示した中央監視装置は、サーモグラフィカメラと、サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理部とを含む監視カメラ装置から送信された当該所定温度領域の面積の情報を受信する受信部61と、受信された当該所定温度領域の面積を基に当該サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定部62とを含む。
【0026】
このように、受信部61が監視カメラ装置においてサーモグラフィカメラの温度分布画像データから求められた所定温度領域の面積を受信し、判定部62がこの面積を基に監視対象領域に被監視者が存在するか否かを判定するようにしているので、サーモグラフィカメラ51の温度分布画像データをモニタに表示することなく監視を行うことができ、よって被監視者のプライバシーの保護を図ることができる。
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0028】
図4は本発明の第1の実施の形態による監視システムの構成を示す図である。図4において、被介護者個室1内のベッド5にはサーモグラフィカメラモジュール(監視カメラ装置)10が備えられており、被介護者6を監視する。被介護者個室2及び3各々も被介護者個室1と同様の構成を有する。サーモグラフィカメラモジュール10は、ナースセンタ4に設けられた介護者端末(中央監視装置)20と通信ライン30を介して接続されている。サーモグラフィカメラモジュール10の異常検出結果が通信ライン30を介して介護者端末20に通知されることにより、介護者に被介護者の異常が通知される。
【0029】
図5は図4のサーモグラフィカメラモジュール10及び介護者端末20の構成を示す図であり、図4と同等部分は同一符号にて示している。図5において、サーモグラフィカメラモジュール10は、サーモグラフィカメラ11と、処理部12と、制御部13と、タイマ14と、記憶部15と、通信I/F16とを含む。介護者端末20は、通信I/F21と、制御部22と、表示部23と、アラーム24とを含む。サーモグラフィカメラモジュール10と介護者端末20は通信ライン30で接続されている。
【0030】
サーモグラフィカメラ11は、ベッド5上の被介護者6を撮影し、図6に示すような被介護者6の温度分布画像データ(サーモグラフィデータ)を採取する。なお、図6は図5のサーモグラフィカメラ11による温度分布画像データの例を示す図であり、(a)は被介護者6がベッド5上にいる場合を示し、(b)は被介護者6がベッド5上にいない場合を示す。この温度分布画像データを温度と面積との関係を示すグラフ(温度面積データ)に変換すると、図7に示すような温度面積データが得られる。図7(a)は図6(a)に対応する温度面積データを示し、図7(b)は図6(b)に対応する温度面積データを示す。
【0031】
一般的に、被介護者6がベッド5上にいる時は、図6(a)及び図7(a)に示すように、被介護者個室1内の室温28℃から被介護者6の体温37℃までの間で、被介護者6の体温が検知され大きな面積を占める。この場合、面積比で室温28℃以下:約40%、28〜37℃間:約60%となる。一方、被介護者6がベッド5上にいない時は、図6(b)及び図7(b)に示すように、室温28℃以下の温度がほとんどを占め、面積比で室温28℃以下:約100%、28〜37℃間:約0%となる。
【0032】
このように、被介護者6の有無によって明らかに差異が生じるので、サーモグラフィカメラ11により生成される温度分布画像データから所定温度領域の面積を求めて、この所定温度領域の面積を基に被介護者6の有無を判定することができる。そこで、処理部12は、サーモグラフィカメラ11により生成される温度分布画像データから例えば28℃から37℃までの温度領域の面積を求める。そして、制御部13は、処理部12により求められた面積を所定の閾値と比較して、処理部12により求められた面積が閾値より大であれば被介護者6がいると判定し、閾値より小であれば被介護者6はいないと判定する。
【0033】
制御部13は、被介護者6がベッド5にいないと判定すると、タイマ14を用いて計時を開始する。そして、制御部13は、被介護者6がベッド5にいると判定されることなく所定時間経過すると、通信I/F16及び通信ライン30を介して、記憶部15に記憶された識別番号(例えば被介護者の個室番号)と異常発生を示す警報信号を介護者端末20に送信する。介護者端末20では、制御部22は、通信I/F21を介して警報を受信すると、介護者個室番号を判別して表示部23に当該番号を表示すると共に、アラーム24を用いて介護者に異常発生を報知する。
【0034】
図8は本発明の第1の実施の形態による監視システムの動作を示すフローチャートである。図8において、サーモグラフィカメラモジュール10の処理部12は、サーモグラフィカメラ11の温度分布画像データから所定温度領域の面積を求める(ステップS1及びS2)。制御部13は、処理部12により求められた面積を基に被介護者6がいるか否かを判定する(ステップS3)。
【0035】
ステップS3において、被介護者6がいないと判定される場合、制御部13は、タイマ14による計時を開始してステップS4に進む。一方、被介護者6がいると判定される場合、制御部13はタイマ14をリセットし、ステップS1に戻る。ステップS4において、被介護者6がいないと判定されたまま所定時間経過すると、制御部13は、通信I/F16及び通信ライン30を介して介護者端末20に異常発生を通知する(ステップS5)。
【0036】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態では、処理部12がサーモグラフィカメラ11の温度分布画像データから所定温度領域の面積を求め、制御部13がこの面積を基に被介護者6が存在するか否かを判定するようにしているので、サーモグラフィカメラ11の温度分布画像データを介護者端末20のモニタに表示することなく監視を行うことができ、よって被介護者6のプライバシーの保護を図ることができる。
【0037】
また、本発明の第1の実施の形態では、被介護者6に直接センサを取り付けることがないので、被介護者6の動作を妨げたり、被介護者6に不快感を与えたりせずにすむ。
【0038】
なお、本発明の第1の実施の形態において、図9に示すようにサーモグラフィカメラ11の温度分布画像データ内の最高温度が38℃程度にまで達しており、被介護者6に発熱等の病気が発生している可能性があると判断される場合に、介護者端末20に通知するようにしてもよい。
【0039】
この場合、処理部12は、サーモグラフィカメラ11の温度分布画像データから例えば37℃から40℃までの温度領域の面積を求め、制御部13は、この面積を基に被介護者6が発熱しているか否かを判定する。より具体的には、図8のステップS2において、処理部12はステップS3の判定用の面積と共に、被介護者6の発熱判定用の面積を求め、ステップS3において被介護者6がいると判定された場合に、制御部13は、被介護者6が発熱しているか否かを判定する。そして、制御部13は、被介護者6の発熱判定用の面積が所定の閾値より大であれば、被介護者6が発熱していると判断してステップS5に進み、介護者端末20に異常発生を通知する。
【0040】
処理部12は被介護者6の発熱判定用に面積を求めるのではなく、サーモグラフィカメラ11の温度分布画像データ内の最高温度を求めるようにしてもよい。この場合、制御部13は、最高温度が所定の閾値(例えば38℃)に達している場合に、被介護者6が発熱していると判断する。
【0041】
また、本発明の第1の実施の形態において、被介護者6の体温変化を監視して、体温が大きく上がった/下がった場合に介護者端末20に通知するようにしてもよい。この場合、図8のステップS2において、処理部12はサーモグラフィカメラ11の温度分布画像データから最高温度または例えば28℃以上の温度分布の平均温度を更に求める。ステップS3において被介護者6がいると判定された場合に、制御部13は、処理部12によって求められた温度を記憶部15に記憶すると共に、記憶部15の記憶内容を基に例えば過去数時間の間の当該温度の変化量を求める。この変化量が所定の閾値より大である場合、制御部13は、被介護者6に異常があると判定してステップS5に進み、介護者端末20に異常発生を通知する。
【0042】
また、本発明の第1の実施の形態では、サーモグラフィカメラモジュール10において制御部13が被介護者6がベッド5にいるか否かを判定するようにしているが、制御部13は処理部12からのデータを介護者端末20に送信し、介護者端末20において各被介護者個室のサーモグラフィカメラモジュール10からのデータを集中的に処理するようにしてもよい。この場合、介護者端末20の制御部22が図8のステップS3及びS4の判定、被介護者6の発熱判定、被介護者6の体温変化判定を行うことは勿論である。なお、介護者端末20は図示せぬタイマ及び記憶部を備えるものとする。
【0043】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図10は本発明の第2の実施の形態による監視システムの構成を示す図であり、図4及び図5と同等部分は同一符号にて示している。本発明の第2の実施の形態による監視システムの基本的な構成は図4及び図5に示した本発明の第1の実施の形態による監視システムの構成と同一であるが、本発明の第2の実施の形態では、被介護者個室1の天井等にサーモグラフィカメラモジュール10が取り付けられ、被介護者個室1の部屋全体が監視対象領域とされる。
【0044】
図11(a)に示すように、監視対象領域である部屋全体(サーモグラフィカメラ11の温度分布画像データ)は複数のブロックに区切られる(本例では4×4の16区画)。図11(a)に示すように被介護者6がベッド5にいる場合において、サーモグラフィカメラ11の温度分布画像データを上記のブロック各々毎に温度と面積との関係を示すグラフ(温度面積データ)に変換すると、図11(b)に示すような各ブロック毎の温度面積データが得られる。この図11(b)から明らかなように、サーモグラフィカメラ11を用いて監視対象領域内の被介護者6がいる領域9(図11(c)参照)を特定することができることが分かる。
【0045】
そこで、処理部12は、サーモグラフィカメラ11の温度分布画像データの各ブロック毎に所定温度領域の面積(例えば28℃から37℃までの温度領域の面積)を求める。そして、制御部13は、処理部12により求められた各ブロック毎の所定温度領域の面積を所定の閾値と比較して、所定温度領域の面積が閾値より大であるブロックに被介護者6がいると判定し、閾値より小であるブロックには被介護者6はいないと判定する。
【0046】
さらに、本発明の第2の実施の形態では、図12(a)に示すように、監視対象領域である部屋内のベッド5及びソファー7のように被介護者6が長時間いても問題ないエリアが就寝エリアAとして予め設定される。制御部13は、どのブロックにも被介護者6は存在せず部屋内にいないと判定すると(図12(a)参照)、タイマ14を用いて計時を開始する。そして、制御部13は、被介護者6が部屋内にいると判定されることなく所定時間経過すると、記憶部15に記憶された識別番号(例えば被介護者の個室番号)と異常発生を示す警報信号を介護者端末20に送信する。
【0047】
介護者端末20では、制御部22は、通信I/F21を介して警報を受信すると、介護者個室番号を判別して表示部23に当該番号を表示すると共に、アラーム24を用いて介護者に異常発生を報知する。
【0048】
一方、図12(b)及び(c)に示すように、いずれかのブロックに被介護者6が存在し部屋内にいると判定される場合であって、かつ被介護者6がいると判定された領域9が就寝エリアA内であれば、制御部13は、異常無しと判断して、そのまま引き続き監視を継続する。
【0049】
また、図12(d)に示すように、いずれかのブロックに被介護者6が存在し部屋内にいると判定される場合であって、かつ被介護者6がいると判定された領域9が就寝エリアA外であれば、被介護者6が部屋の床に転倒し動けなくなっている可能性があるので、制御部13はタイマ14を用いて計時を開始する。そして、制御部13は、被介護者6が部屋の外または就寝エリアA内に移動したと判定されることなく所定時間経過すると、識別番号と警報信号を介護者端末20に送信する。
【0050】
なお、被介護者6がいる領域9が就寝エリアA内のブロックと就寝エリアA外のブロックとにまたがる場合は、制御部13は、被介護者6は就寝エリアA内にいると判定し、異常無しとするようにしてもよい。
【0051】
図13は本発明の第2の実施の形態による監視システムの動作を示すフローチャートである。図13において、サーモグラフィカメラモジュール10の処理部12は、サーモグラフィカメラ11の温度分布画像データの各ブロック毎に所定温度領域の面積を求める(ステップS11及びS12)。制御部13は、処理部12により求められた各ブロック毎の所定温度領域の面積を基に部屋内に被介護者6がいるか否かを判定する(ステップS13)。
【0052】
ステップS13において部屋内に被介護者6がいないと判定され、被介護者6が部屋内にいると判定されることなく所定時間経過すると(ステップS15)、制御部13は、介護者端末20に異常発生を通知する(ステップS16)。一方、ステップS13において部屋内に被介護者6がいると判定されると、制御部13はさらに被介護者6が就寝エリアA内にいるか否かを判定する(ステップS14)。
【0053】
ステップS14において被介護者6が就寝エリアA内にいると判定されると、異常無しとして処理はステップS11に戻る。一方、ステップS14において被介護者6が就寝エリアA外にいると判定され、被介護者6が部屋の外または就寝エリアA内に移動したと判定されることなく所定時間経過すると(ステップS15)、制御部13は、介護者端末20に異常発生を通知する(ステップS16)。
【0054】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態では、処理部12がサーモグラフィカメラ11の温度分布画像データの各ブロック毎に所定温度領域の面積を求め、制御部13が各ブロック毎の所定温度領域の面積を基に被介護者6が部屋内に存在するか否か、また部屋内のどの領域に存在するかを判定するようにしているので、サーモグラフィカメラ11の温度分布画像データを介護者端末20のモニタに表示することなく監視を行うことができ、よって被介護者6のプライバシーの保護を図ることができる。
【0055】
また、本発明の第2の実施の形態では、就寝エリアAが設定され、制御部13は被介護者6が就寝エリアA内にいるか否かを判定するようにしているので、被介護者6が部屋内には居るものの就寝エリアA外で倒れて動けなくなっているようなケースも介護者端末20に通知することができる。また、本発明の第2の実施の形態では、被介護者6に直接センサを取り付けることがないので、被介護者6の動作を妨げたり、被介護者6に不快感を与えたりせずにすむ。
【0056】
なお、本発明の第2の実施の形態では、サーモグラフィカメラモジュール10において制御部13が被介護者6の有無を判定するようにしているが、制御部13は処理部12からのデータを介護者端末20に送信し、介護者端末20において各被介護者個室のサーモグラフィカメラモジュール10からのデータを集中的に処理するようにしてもよい。この場合、介護者端末20の制御部22が図13のステップS13〜S15の判定を行うことは勿論である。なお、介護者端末20は図示せぬタイマ及び記憶部を備えるものとする。
【0057】
本発明の第1及び第2の実施の形態による監視システムは、老人ホームや病院だけではなく、在宅看護や幼児の監視等にも適用可能である。また、本発明の第1及び第2の実施の形態において、サーモグラフィカメラモジュール10と介護者端末20間は通信ライン30を用いて接続されているが、専用線、ネットワーク、無線LAN(Local Area Network)等が用いられてもよい。
【0058】
図8及び図13に示した各フローチャートに従った監視システムの処理動作は、監視システムを構成する各装置において、予めROM等の記憶媒体に格納されたプログラムを、CPU(制御部)となるコンピュータに読み取らせて実行せしめることにより、実現できることは勿論である。
【符号の説明】
【0059】
1,2,3 被介護者個室
4 ナースセンタ
5 ベッド
6 被介護者
7 ソファー
8 テレビ
9 被介護者が存在する領域
10 サーモグラフィカメラモジュール
11,41,51 サーモグラフィカメラ
12,42,52 処理部
13,22 制御部
14 タイマ
15 記憶部
16,21 通信I/F
20 介護者端末
23 表示部
24 アラーム
30 通信ライン
43,62 判定部
53 送信部
61 受信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーモグラフィカメラと、
前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理手段と、
前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定手段とを含むことを特徴とする監視システム。
【請求項2】
前記判定手段により前記監視対象領域内に前記被監視者が所定時間いないと判定される場合、警報を出力する手段を更に含むことを特徴とする請求項1記載の監視システム。
【請求項3】
前記処理手段は、前記温度分布画像データから前記所定温度領域とは異なる第2の所定温度領域の面積を更に求め、前記判定手段は、前記第2の所定温度領域の面積を基に前記被監視者が発熱しているか否かを判定することを特徴とする請求項1または2記載の監視システム。
【請求項4】
前記処理手段は、前記温度分布画像データ内の最高温度を更に求め、前記判定手段は、前記最高温度を基に前記被監視者が発熱しているか否かを判定することを特徴とする請求項1または2記載の監視システム。
【請求項5】
前記処理手段は、前記温度分布画像データから最高温度または所定温度以上の温度分布の平均温度を更に求め、前記判定手段は、前記最高温度または前記平均温度の変化量が所定の閾値より大である場合、前記被監視者に異常があると判定することを特徴とする請求項1または2記載の監視システム。
【請求項6】
前記処理手段は、前記温度分布画像データを複数のブロックに分割して各ブロック毎に前記所定温度領域の面積を求め、前記判定手段は、前記各ブロック毎の前記所定温度領域の面積を基に前記監視対象領域の所定の領域内に前記被監視者がいるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の監視システム。
【請求項7】
前記判定手段により前記監視対象領域の前記所定の領域内に前記被監視者が所定時間いないと判定される場合、警報を出力する手段を更に含むことを特徴とする請求項6記載の監視システム。
【請求項8】
監視システムの監視方法であって、
サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理ステップと、
前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定ステップとを含むことを特徴とする監視方法。
【請求項9】
前記判定ステップにより前記監視対象領域内に前記被監視者が所定時間いないと判定される場合、警報を出力するステップを更に含むことを特徴とする請求項8記載の監視方法。
【請求項10】
前記処理ステップは、前記温度分布画像データから前記所定温度領域とは異なる第2の所定温度領域の面積を更に求め、前記判定ステップは、前記第2の所定温度領域の面積を基に前記被監視者が発熱しているか否かを判定することを特徴とする請求項8または9記載の監視方法。
【請求項11】
前記処理ステップは、前記温度分布画像データ内の最高温度を更に求め、前記判定ステップは、前記最高温度を基に前記被監視者が発熱しているか否かを判定することを特徴とする請求項8または9記載の監視方法。
【請求項12】
前記処理ステップは、前記温度分布画像データから最高温度または所定温度以上の温度分布の平均温度を更に求め、前記判定ステップは、前記最高温度または前記平均温度の変化量が所定の閾値より大である場合、前記被監視者に異常があると判定することを特徴とする請求項8または9記載の監視方法。
【請求項13】
前記処理ステップは、前記温度分布画像データを複数のブロックに分割して各ブロック毎に前記所定温度領域の面積を求め、前記判定ステップは、前記各ブロック毎の前記所定温度領域の面積を基に前記監視対象領域の所定の領域内に前記被監視者がいるか否かを判定することを特徴とする請求項8記載の監視方法。
【請求項14】
前記判定ステップにより前記監視対象領域の前記所定の領域内に前記被監視者が所定時間いないと判定される場合、警報を出力するステップを更に含むことを特徴とする請求項13記載の監視方法。
【請求項15】
サーモグラフィカメラと、
前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理手段と、
前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定手段とを含むことを特徴とする監視カメラ装置。
【請求項16】
前記判定手段により前記監視対象領域内に前記被監視者が所定時間いないと判定される場合、中央監視装置に警報を送信する送信手段を更に含むことを特徴とする請求項15記載の監視カメラ装置。
【請求項17】
前記処理手段は、前記温度分布画像データから前記所定温度領域とは異なる第2の所定温度領域の面積を更に求め、前記判定手段は、前記第2の所定温度領域の面積を基に前記被監視者が発熱しているか否かを判定することを特徴とする請求項15または16記載の監視カメラ装置。
【請求項18】
前記処理手段は、前記温度分布画像データ内の最高温度を更に求め、前記判定手段は、前記最高温度を基に前記被監視者が発熱しているか否かを判定することを特徴とする請求項15または16記載の監視カメラ装置。
【請求項19】
前記処理手段は、前記温度分布画像データから最高温度または所定温度以上の温度分布の平均温度を更に求め、前記判定手段は、前記最高温度または前記平均温度の変化量が所定の閾値より大である場合、前記被監視者に異常があると判定することを特徴とする請求項15または16記載の監視カメラ装置。
【請求項20】
前記処理手段は、前記温度分布画像データを複数のブロックに分割して各ブロック毎に前記所定温度領域の面積を求め、前記判定手段は、前記各ブロック毎の前記所定温度領域の面積を基に前記監視対象領域の所定の領域内に前記被監視者がいるか否かを判定することを特徴とする請求項15記載の監視カメラ装置。
【請求項21】
前記判定手段により前記監視対象領域の前記所定の領域内に前記被監視者が所定時間いないと判定される場合、中央監視装置に警報を送信する送信手段を更に含むことを特徴とする請求項20記載の監視カメラ装置。
【請求項22】
サーモグラフィカメラを備えた監視カメラ装置の動作制御方法をコンピュータに実行せしめるプログラムであって、
前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理と、
前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定処理とを含むことを特徴とするプログラム。
【請求項23】
サーモグラフィカメラと、
前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理手段と、
前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する中央監視装置に前記所定温度領域の面積の情報を送信する送信手段とを含むことを特徴とする監視カメラ装置。
【請求項24】
前記処理手段は、前記温度分布画像データから前記所定温度領域とは異なる第2の所定温度領域の面積を更に求め、前記送信手段は、前記中央監視装置に前記第2の所定温度領域の面積の情報も送信することを特徴とする請求項23記載の監視カメラ装置。
【請求項25】
前記処理手段は、前記温度分布画像データ内の最高温度を更に求め、前記送信手段は、前記中央監視装置に前記最高温度の情報も送信することを特徴とする請求項23記載の監視カメラ装置。
【請求項26】
前記処理手段は、前記温度分布画像データから最高温度または所定温度以上の温度分布の平均温度を更に求め、前記送信手段は、前記中央監視装置に前記最高温度または前記平均温度の情報も送信することを特徴とする請求項23記載の監視カメラ装置。
【請求項27】
前記処理手段は、前記温度分布画像データを複数のブロックに分割して各ブロック毎に前記所定温度領域の面積を求め、前記送信手段は、前記中央監視装置に前記各ブロック毎の前記所定温度領域の面積の情報を送信することを特徴とする請求項23記載の監視カメラ装置。
【請求項28】
サーモグラフィカメラを備えた監視カメラ装置の動作制御方法をコンピュータに実行せしめるプログラムであって、
前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理と、
前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する中央監視装置に前記所定温度領域の面積の情報を送信する送信処理とを含むことを特徴とするプログラム。
【請求項29】
サーモグラフィカメラと、前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理手段とを含む監視カメラ装置から送信された前記所定温度領域の面積の情報を受信する受信手段と、
受信された前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定手段とを含むことを特徴とする中央監視装置。
【請求項30】
前記判定手段により前記監視対象領域内に前記被監視者が所定時間いないと判定される場合、警報を出力する手段を更に含むことを特徴とする請求項29記載の中央監視装置。
【請求項31】
前記受信手段は、前記処理手段が前記温度分布画像データから更に求めた前記所定温度領域とは異なる第2の所定温度領域の面積の情報を受信し、前記判定手段は、前記第2の所定温度領域の面積を基に前記被監視者が発熱しているか否かを判定することを特徴とする請求項29または30記載の中央監視装置。
【請求項32】
前記受信手段は、前記処理手段が更に求めた前記温度分布画像データ内の最高温度の情報を受信し、前記判定手段は、前記最高温度を基に前記被監視者が発熱しているか否かを判定することを特徴とする請求項29または30記載の中央監視装置。
【請求項33】
前記受信手段は、前記処理手段が前記温度分布画像データから更に求めた最高温度または所定温度以上の温度分布の平均温度の情報を受信し、前記判定手段は、前記最高温度または前記平均温度の変化量が所定の閾値より大である場合、前記被監視者に異常があると判定することを特徴とする請求項29または30記載の中央監視装置。
【請求項34】
前記受信手段は、前記処理手段が前記温度分布画像データを複数のブロックに分割して各ブロック毎に求めた前記所定温度領域の面積の情報を受信し、前記判定手段は、前記各ブロック毎の前記所定温度領域の面積を基に前記監視対象領域の所定の領域内に前記被監視者がいるか否かを判定することを特徴とする請求項29記載の中央監視装置。
【請求項35】
前記判定手段により前記監視対象領域の前記所定の領域内に前記被監視者が所定時間いないと判定される場合、警報を出力する手段を更に含むことを特徴とする請求項34記載の中央監視装置。
【請求項36】
中央監視装置の動作制御方法をコンピュータに実行せしめるプログラムであって、
サーモグラフィカメラと、前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理手段とを含む監視カメラ装置から送信された前記所定温度領域の面積の情報を受信する受信処理と、
受信された前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定処理とを含むことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
サーモグラフィカメラと、
前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理手段と、
前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定手段とを含むことを特徴とする監視システム。
【請求項2】
前記判定手段により前記監視対象領域内に前記被監視者が所定時間いないと判定される場合、警報を出力する手段を更に含むことを特徴とする請求項1記載の監視システム。
【請求項3】
前記処理手段は、前記温度分布画像データから前記所定温度領域とは異なる第2の所定温度領域の面積を更に求め、前記判定手段は、前記第2の所定温度領域の面積を基に前記被監視者が発熱しているか否かを判定することを特徴とする請求項1または2記載の監視システム。
【請求項4】
前記処理手段は、前記温度分布画像データ内の最高温度を更に求め、前記判定手段は、前記最高温度を基に前記被監視者が発熱しているか否かを判定することを特徴とする請求項1または2記載の監視システム。
【請求項5】
前記処理手段は、前記温度分布画像データから最高温度または所定温度以上の温度分布の平均温度を更に求め、前記判定手段は、前記最高温度または前記平均温度の変化量が所定の閾値より大である場合、前記被監視者に異常があると判定することを特徴とする請求項1または2記載の監視システム。
【請求項6】
前記処理手段は、前記温度分布画像データを複数のブロックに分割して各ブロック毎に前記所定温度領域の面積を求め、前記判定手段は、前記各ブロック毎の前記所定温度領域の面積を基に前記監視対象領域の所定の領域内に前記被監視者がいるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の監視システム。
【請求項7】
前記判定手段により前記監視対象領域の前記所定の領域内に前記被監視者が所定時間いないと判定される場合、警報を出力する手段を更に含むことを特徴とする請求項6記載の監視システム。
【請求項8】
監視システムの監視方法であって、
サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理ステップと、
前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定ステップとを含むことを特徴とする監視方法。
【請求項9】
前記判定ステップにより前記監視対象領域内に前記被監視者が所定時間いないと判定される場合、警報を出力するステップを更に含むことを特徴とする請求項8記載の監視方法。
【請求項10】
前記処理ステップは、前記温度分布画像データから前記所定温度領域とは異なる第2の所定温度領域の面積を更に求め、前記判定ステップは、前記第2の所定温度領域の面積を基に前記被監視者が発熱しているか否かを判定することを特徴とする請求項8または9記載の監視方法。
【請求項11】
前記処理ステップは、前記温度分布画像データ内の最高温度を更に求め、前記判定ステップは、前記最高温度を基に前記被監視者が発熱しているか否かを判定することを特徴とする請求項8または9記載の監視方法。
【請求項12】
前記処理ステップは、前記温度分布画像データから最高温度または所定温度以上の温度分布の平均温度を更に求め、前記判定ステップは、前記最高温度または前記平均温度の変化量が所定の閾値より大である場合、前記被監視者に異常があると判定することを特徴とする請求項8または9記載の監視方法。
【請求項13】
前記処理ステップは、前記温度分布画像データを複数のブロックに分割して各ブロック毎に前記所定温度領域の面積を求め、前記判定ステップは、前記各ブロック毎の前記所定温度領域の面積を基に前記監視対象領域の所定の領域内に前記被監視者がいるか否かを判定することを特徴とする請求項8記載の監視方法。
【請求項14】
前記判定ステップにより前記監視対象領域の前記所定の領域内に前記被監視者が所定時間いないと判定される場合、警報を出力するステップを更に含むことを特徴とする請求項13記載の監視方法。
【請求項15】
サーモグラフィカメラと、
前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理手段と、
前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定手段とを含むことを特徴とする監視カメラ装置。
【請求項16】
前記判定手段により前記監視対象領域内に前記被監視者が所定時間いないと判定される場合、中央監視装置に警報を送信する送信手段を更に含むことを特徴とする請求項15記載の監視カメラ装置。
【請求項17】
前記処理手段は、前記温度分布画像データから前記所定温度領域とは異なる第2の所定温度領域の面積を更に求め、前記判定手段は、前記第2の所定温度領域の面積を基に前記被監視者が発熱しているか否かを判定することを特徴とする請求項15または16記載の監視カメラ装置。
【請求項18】
前記処理手段は、前記温度分布画像データ内の最高温度を更に求め、前記判定手段は、前記最高温度を基に前記被監視者が発熱しているか否かを判定することを特徴とする請求項15または16記載の監視カメラ装置。
【請求項19】
前記処理手段は、前記温度分布画像データから最高温度または所定温度以上の温度分布の平均温度を更に求め、前記判定手段は、前記最高温度または前記平均温度の変化量が所定の閾値より大である場合、前記被監視者に異常があると判定することを特徴とする請求項15または16記載の監視カメラ装置。
【請求項20】
前記処理手段は、前記温度分布画像データを複数のブロックに分割して各ブロック毎に前記所定温度領域の面積を求め、前記判定手段は、前記各ブロック毎の前記所定温度領域の面積を基に前記監視対象領域の所定の領域内に前記被監視者がいるか否かを判定することを特徴とする請求項15記載の監視カメラ装置。
【請求項21】
前記判定手段により前記監視対象領域の前記所定の領域内に前記被監視者が所定時間いないと判定される場合、中央監視装置に警報を送信する送信手段を更に含むことを特徴とする請求項20記載の監視カメラ装置。
【請求項22】
サーモグラフィカメラを備えた監視カメラ装置の動作制御方法をコンピュータに実行せしめるプログラムであって、
前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理と、
前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定処理とを含むことを特徴とするプログラム。
【請求項23】
サーモグラフィカメラと、
前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理手段と、
前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する中央監視装置に前記所定温度領域の面積の情報を送信する送信手段とを含むことを特徴とする監視カメラ装置。
【請求項24】
前記処理手段は、前記温度分布画像データから前記所定温度領域とは異なる第2の所定温度領域の面積を更に求め、前記送信手段は、前記中央監視装置に前記第2の所定温度領域の面積の情報も送信することを特徴とする請求項23記載の監視カメラ装置。
【請求項25】
前記処理手段は、前記温度分布画像データ内の最高温度を更に求め、前記送信手段は、前記中央監視装置に前記最高温度の情報も送信することを特徴とする請求項23記載の監視カメラ装置。
【請求項26】
前記処理手段は、前記温度分布画像データから最高温度または所定温度以上の温度分布の平均温度を更に求め、前記送信手段は、前記中央監視装置に前記最高温度または前記平均温度の情報も送信することを特徴とする請求項23記載の監視カメラ装置。
【請求項27】
前記処理手段は、前記温度分布画像データを複数のブロックに分割して各ブロック毎に前記所定温度領域の面積を求め、前記送信手段は、前記中央監視装置に前記各ブロック毎の前記所定温度領域の面積の情報を送信することを特徴とする請求項23記載の監視カメラ装置。
【請求項28】
サーモグラフィカメラを備えた監視カメラ装置の動作制御方法をコンピュータに実行せしめるプログラムであって、
前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理と、
前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する中央監視装置に前記所定温度領域の面積の情報を送信する送信処理とを含むことを特徴とするプログラム。
【請求項29】
サーモグラフィカメラと、前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理手段とを含む監視カメラ装置から送信された前記所定温度領域の面積の情報を受信する受信手段と、
受信された前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定手段とを含むことを特徴とする中央監視装置。
【請求項30】
前記判定手段により前記監視対象領域内に前記被監視者が所定時間いないと判定される場合、警報を出力する手段を更に含むことを特徴とする請求項29記載の中央監視装置。
【請求項31】
前記受信手段は、前記処理手段が前記温度分布画像データから更に求めた前記所定温度領域とは異なる第2の所定温度領域の面積の情報を受信し、前記判定手段は、前記第2の所定温度領域の面積を基に前記被監視者が発熱しているか否かを判定することを特徴とする請求項29または30記載の中央監視装置。
【請求項32】
前記受信手段は、前記処理手段が更に求めた前記温度分布画像データ内の最高温度の情報を受信し、前記判定手段は、前記最高温度を基に前記被監視者が発熱しているか否かを判定することを特徴とする請求項29または30記載の中央監視装置。
【請求項33】
前記受信手段は、前記処理手段が前記温度分布画像データから更に求めた最高温度または所定温度以上の温度分布の平均温度の情報を受信し、前記判定手段は、前記最高温度または前記平均温度の変化量が所定の閾値より大である場合、前記被監視者に異常があると判定することを特徴とする請求項29または30記載の中央監視装置。
【請求項34】
前記受信手段は、前記処理手段が前記温度分布画像データを複数のブロックに分割して各ブロック毎に求めた前記所定温度領域の面積の情報を受信し、前記判定手段は、前記各ブロック毎の前記所定温度領域の面積を基に前記監視対象領域の所定の領域内に前記被監視者がいるか否かを判定することを特徴とする請求項29記載の中央監視装置。
【請求項35】
前記判定手段により前記監視対象領域の前記所定の領域内に前記被監視者が所定時間いないと判定される場合、警報を出力する手段を更に含むことを特徴とする請求項34記載の中央監視装置。
【請求項36】
中央監視装置の動作制御方法をコンピュータに実行せしめるプログラムであって、
サーモグラフィカメラと、前記サーモグラフィカメラにより生成される温度分布画像データから少なくとも所定温度領域の面積を求める処理手段とを含む監視カメラ装置から送信された前記所定温度領域の面積の情報を受信する受信処理と、
受信された前記所定温度領域の面積を基に前記サーモグラフィカメラによる監視対象領域内の被監視者の有無を判定する判定処理とを含むことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−250516(P2010−250516A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−98525(P2009−98525)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】
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