説明

監視システム及び監視方法

【課題】 複雑な機能を新たに設けること無く、監視カメラにより作業者を正確に監視する。
【解決手段】 RFタグ1に書き込まれたID情報を、固有の識別番号を有するRFタグ読み取り部2−1〜2−kが読み取り、読み取られたID情報及び識別番号を自動追尾装置5に送信し、自動追尾装置5にて受信された識別番号に基づいて、RFタグ1に書き込まれたID情報を読み出したRFタグ読み取り部が複数のRFタグ読み取り部2−1〜2−kのうちいずれのRFタグ読み取り部であるかを識別し、識別されたRFタグ読み取り手段がRFタグ1に書き込まれたID情報を読み出すことができる範囲を監視カメラ3が撮影するように監視カメラ駆動部4を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラによって特定の者を監視する監視システム及び監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、設置された場所を監視する監視カメラには、監視する場所の天井や壁に固定された状態で一定の範囲のみを撮影する固定式のものや、監視する者の操作によってカメラを上下左右に動かして複数の方向を撮影する駆動式のものがある。
【0003】
これらを、監視カメラの設置場所にて作業を行っている作業者を監視するために用いようとすると、固定式カメラを用いた場合、撮影範囲が一定であり、作業者がその範囲外に出てしまうと撮影できなくなってしまう。また、駆動式カメラを用いた場合は、監視する者が作業者の動きに応じてカメラを操作する必要がある。
【0004】
そこで近年、赤外線センサを用いて目標となるものから放出される赤外線を検出することにより、その目標となるものを追尾して撮影を行う方法が考えられている。
【0005】
また、撮影の被写体となる者が無線や赤外線を用いて位置情報を発信可能な位置情報発信手段を所持し、位置情報発信手段から発信された位置情報に基づいて被写体の位置を特定する被写体位置特定手段を設け、監視場所に設定された複数のカメラのうち、被写体位置特定手段によって特定された位置の撮影に最適なカメラを決定し、決定されたカメラにより撮影を行う方法が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−135019号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、赤外線センサを用いて追尾する方法においては、日中の撮影や多くの照明機器が存在する場所の撮影等、撮影エリアに大量の熱源が発生している場合は、目標を正確に認識して撮影することが困難であるという問題点がある。
【0007】
また、特許文献1には、被写体の位置を特定する特定方法及び最適なカメラを決定する決定方法については記載されていない。さらに、特許文献1に記載された構成においては、被写体の位置を1つの被写体位置特定手段にて特定するために、位置情報発信手段から発信された位置情報を被写体位置特定手段にて受信した際に、その受信された電波の受信強度や受信方向を検出して被写体の位置を特定しなければならず、そのための複雑な機能を設けなければならないという問題点がある。
【0008】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされてものであって、複雑な機能を新たに設けること無く、監視カメラにより作業者を正確に監視できる監視システム及び監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明においては、
監視カメラを用いて登録者を監視する監視システムであって、
前記登録者を識別可能なID情報が書き込まれたRFタグと、
固有の識別番号をそれぞれ有し、前記ID情報を前記RFタグから読み取り、読み取られたID情報を前記識別番号とともに送信する複数のRFタグ読み取り手段と、
前記監視カメラを駆動する監視カメラ駆動手段と、
前記RFタグ読み取り手段から送信された識別番号を受信し、受信された識別番号によって識別されるRFタグ読み取り手段がRFタグに書き込まれたID情報を読み取ることができる範囲を前記監視カメラが撮影するように前記監視カメラ駆動手段を制御する自動追尾装置とを有する。
【0010】
また、前記自動追尾装置は、
前記RFタグ読み取り手段から送信されたID情報及び識別番号を受信し、受信されたID情報及び識別番号を一時的に記憶する読み取り情報記憶手段と、
前記読み取り情報記憶手段に記憶された識別番号を前記読み取り情報記憶手段から読み出して出力する制御手段と、
前記識別番号に応じた前記監視カメラの撮影範囲を示す撮影範囲情報を予め記憶するカメラ駆動方向記憶手段と、
前記制御手段によって出力された識別番号が入力され、該識別番号に応じた前記撮影範囲情報を前記カメラ駆動方向記憶手段から読み出し、読み出された撮影範囲情報を前記カメラ駆動手段に送信するカメラ制御手段とを有することを特徴とする。
【0011】
また、前記自動追尾装置は、前記RFタグに書き込まれたID情報を登録ID情報として予め登録するID情報記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記読み取り情報記憶手段に記憶されたID情報と前記ID情報記憶手段に記憶された登録ID情報とを照合し、前記ID情報と前記登録ID情報とが一致した場合、前記読み取り情報記憶手段から前記識別番号を読み出すことを特徴とする。
【0012】
また、識別番号がそれぞれ付与され、RFタグに予め書き込まれたID情報を読み取る複数のRFタグ読み取り手段を有し、前記RFタグを所持した登録者を監視カメラを用いて監視する監視システムにおける監視方法であって、
RFタグに書き込まれたID情報を前記RFタグ読み取り手段にて読み取る処理と、
読み取られたID情報を前記識別番号とともに前記RFタグ読み取り手段から送信する処理と、
前記RFタグ読み取り手段から送信された識別番号を受信し、受信された識別番号に基づいて、前記RFタグに書き込まれたID情報を読み出したRFタグ読み取り手段が複数のRFタグ読み取り手段のうちいずれのRFタグ読み取り手段であるかを識別する処理と、
識別されるRFタグ読み取り手段がRFタグに書き込まれたID情報を読み出すことができる範囲を撮影するように前記監視カメラを制御する処理とを有する。
【0013】
また、前記RFタグ読み取り手段にて読み取られたID情報と予め登録されている登録ID情報とを照合する処理を有し、前記ID情報と前記登録ID情報とが一致した場合、前記識別番号に基づいて、前記RFタグに書き込まれたID情報を読み取ったRFタグ読み取り部が複数のRFタグ読み取り部のうちいずれのRFタグ読み取り部であるかを識別することを特徴とする。
【0014】
上記のように構成された本発明においては、RFタグに書き込まれたID情報が、固有の識別番号を有するRFタグ読み取り手段によって読み取られ、読み取られたID情報及び前記識別番号が自動追尾装置に送信され、自動追尾装置にて受信された識別番号によって識別されるRFタグ読み取り手段がRFタグに書き込まれたID情報を読み出すことができる範囲を監視カメラが撮影するように監視カメラ駆動手段が制御される。
【0015】
このように、登録者が所持するRFタグに書き込まれたID情報を読み取るRFタグ読み取り手段を複数設け、それらにそれぞれ付与された識別番号に基づいて監視カメラの撮影範囲が決定されて制御されるため、監視カメラの撮影方向を制御するために登録者の位置を特定する要因として登録者が所持する位置情報発信手段から発信された電波の受信強度や受信方向を検出しなくても、登録者の撮影が可能となり正確に監視することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明においては、RFタグに書き込まれたID情報を、固有の識別番号を有するRFタグ読み取り手段が読み取り、読み取られたID情報及び識別番号を自動追尾装置に送信し、自動追尾装置にて受信された識別番号によって識別されるRFタグ読み取り手段がRFタグに書き込まれたID情報を読み出すことができる範囲を監視カメラが撮影するように監視カメラ駆動手段を制御する構成としたため、複雑な機能を新たに設けること無く、監視カメラにより作業者を正確に監視できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の監視システムの実施の一形態を示す図である。
【0019】
本形態は図1に示すように、作業者が所持し、作業者のID情報が予め書き込まれたRFタグ1と、RFタグ1に書き込まれたID情報を読み取るRFタグ読み取り部2−1〜2−kと、作業者を監視する監視カメラ3と、監視カメラ3を駆動する監視カメラ駆動部4と、監視カメラ3によって撮影された映像を表示するモニタ6と、RFタグ読み取り部2−1〜2−k及び監視カメラ駆動部4に接続され、RFタグ読み取り部2−1〜2−kによって読み取られたRFタグ1のID情報とRFタグ読み取り部2−1〜2−kが設置されている位置とに基づいて監視カメラ3の撮影範囲を決定して監視カメラ駆動部4を制御する自動追尾装置5とから構成されており、RFタグ読み取り部2−1〜2−kにてRFタグ1のID情報を読み取り可能なエリアがそれぞれRFタグ認識エリア7−1〜7−kとなっている。なお、RFタグ読み取り部2−1〜2−kにおいては、RFタグ読み取り部2−1〜2−kを識別可能とするために、互いに異なる固有の識別番号がそれぞれ付与されており、RFタグ読み取り部2−1〜2−kにて保持される。
【0020】
図2は、図1に示した自動追尾装置5の構成を示す図である。
【0021】
図1に示した自動追尾装置5は図2に示すように、RFタグ読み取り部2−1〜2−kにて読み取られて送信されたRFタグ1のID情報を受信して一時的に記憶する読み取り情報記憶部51と、RFタグ1のID情報が登録ID情報として予め登録されて記憶されているID情報記憶部53と、読み取り情報記憶部51に記憶されているID情報とID情報記憶部53に記憶されている登録ID情報とを照合する制御部52と、RFタグ認識エリア7−1〜7−kを撮影するための撮影範囲情報が予め記憶されているカメラ駆動方向記憶部55と、制御部52における照合結果とカメラ駆動方向記憶部55に記憶されている撮影範囲情報とに基づいて監視カメラ駆動部4に対して監視カメラ3の撮影方向を制御するカメラ制御部54と、ID情報記憶部53にRFタグ1のID情報を予め入力し、また、カメラ駆動方向記憶部55に監視カメラ3が撮影する撮影範囲情報を予め入力するための入力設定部56とから構成されている。
【0022】
以下に、図1及び図2に示した監視システムにおける監視方法について説明する。
【0023】
図3は、図1及び図2に示した監視システムにおける監視方法を説明するためのシーケンス図である。
【0024】
RFタグ1を所持した作業者がRFタグ認識エリア7−1に入ると、RFタグ読み取り部2−1によってRFタグ1のID情報が読み取られる(ステップS1)。読み取られたID情報は、RFタグ読み取り部2−1に付与された識別番号とともに、RFタグ読み取り部2−1によって、自動追尾装置5へ送信される(ステップS2)。
【0025】
RFタグ読み取り部2−1から送信されたID情報及び識別番号が自動追尾装置5にて受信されると(ステップS3)、受信されたID情報及び識別番号が読み取り情報記憶部51に記憶される(ステップS4)。
【0026】
すると、制御部52によってID情報記憶部53に記憶されている登録ID情報がID情報記憶部53から読み出され(ステップS5)、読み出された登録ID情報と読み取り情報記憶部51に記憶されたID情報とが照合される(ステップS6)。なお、登録ID情報は、入力設定部56によってID情報記憶部53に予め登録されている。また、ID情報及び登録ID情報とは、作業者を特定できるものであれば良く、シリアル番号や作業者の社員番号等で良い。このID番号を登録することにより、作業者が監視対象として登録されることになる。
【0027】
照合された結果、一致していると判断された場合、当該ID情報とともに読み取り情報記憶部51に記憶された識別番号が読み取り情報記憶部51から制御部52によって読み出され、カメラ制御部54へ出力される。そして、カメラ制御部54に入力された識別番号に応じた撮影範囲情報、つまりRFタグ認識エリア7−1を撮影するための撮影範囲情報がカメラ制御部54によってカメラ駆動方向記憶部55から読み出される(ステップS7)。なお、カメラ駆動方向記憶部55には、RFタグ読み取り部2−1〜2−kに付与された識別番号に対応して、RFタグ認識エリア7−1〜7−kを撮影するための撮影範囲となる監視カメラ3の角度やフォーカス情報が記憶されており、その詳細は後述する。
【0028】
一方、照合された結果、一致していないと判断された場合は、何の処理も行わない。
【0029】
カメラ制御部54にてRFタグ認識エリア7−1を撮影するための撮影範囲情報がカメラ駆動方向記憶部55から読み出されると、カメラ制御部54から監視カメラ駆動部4に対して撮影範囲情報が送信され(ステップS8)、監視カメラ駆動部4にて撮影範囲情報が受信される(ステップS9)。
【0030】
そして、監視カメラ駆動部4にて受信された撮影範囲情報に基づいて、監視カメラ駆動部4によって監視カメラ3が制御され(ステップS10)、制御された監視カメラ3によって撮影された映像がモニタ6に送信され、モニタ6の画面上に表示される。
【0031】
その後、作業者がRFタグ認識エリア7−1からRFタグ認識エリア7−2へ移動すると、RFタグ読み取り部2−2によってRFタグ1のID情報が読み取られる(ステップS11)。読み取られたID情報は、RFタグ読み取り部2−2に付与された識別番号とともに、RFタグ読み取り部2−2によって、自動追尾装置5へ送信される(ステップS12)。
【0032】
RFタグ読み取り部2−2から送信されたID情報及び識別番号が自動追尾装置5にて受信されると(ステップS13)、受信されたID情報及び識別番号が読み取り情報記憶部51に記憶される(ステップS14)。
【0033】
すると、制御部52によってID情報記憶部53に記憶されている登録ID情報がID情報記憶部53から読み出され(ステップS15)、読み出された登録ID情報と読み取り情報記憶部51に記憶されたID情報とが照合される(ステップS16)。
【0034】
照合された結果、一致していると判断された場合、当該ID情報とともに読み取り情報記憶部51に記憶された識別番号が読み取り情報記憶部51から制御部52によって読み出され、カメラ制御部54へ出力される。そして、カメラ制御部54に入力された識別番号に応じた撮影範囲情報、つまりRFタグ認識エリア7−2を撮影するための撮影範囲情報がカメラ制御部54によってカメラ駆動方向記憶部55から読み出される(ステップS17)。
【0035】
一方、照合された結果、一致していないと判断された場合は、何の処理も行わない。
【0036】
カメラ制御部54にてRFタグ認識エリア7−2を撮影するための撮影範囲情報がカメラ駆動方向記憶部55から読み出されると、カメラ制御部54から監視カメラ駆動部4に対して撮影範囲情報が送信され(ステップS18)、監視カメラ駆動部4にて撮影範囲情報が受信される(ステップS19)。
【0037】
そして、監視カメラ駆動部4にて受信された撮影範囲情報に基づいて、監視カメラ駆動部4によって監視カメラ3が制御され(ステップS20)、制御された監視カメラ3によって撮影された映像がモニタ6に送信され、モニタ6の画面上に表示される。
【0038】
以下に、図2に示したカメラ駆動方向記憶部55に撮影範囲情報が記憶される処理について説明する。
【0039】
図4は、図1及び図2に示した監視システムにおいてカメラ駆動記憶部55に撮影範囲情報が記憶される処理を説明するためのシーケンス図である。
【0040】
このとき、入力設定部56によって自動追尾装置5を設定モードに切り替えておく。
【0041】
カメラ駆動方向記憶部55に撮影範囲情報を設定する者がRFタグ1を所持してRFタグ認識エリア7−1に入ると、RFタグ読み取り部2−1によってRFタグ1のID情報が読み取られる(ステップS51)。読み取られたID情報は、RFタグ読み取り部2−1に付与された識別番号とともに、RFタグ読み取り部2−1によって、自動追尾装置5へ送信される(ステップS52)。このときに使用するRFタグは作業者が実際に使用するRFタグ1でも良いし、単に設定用であってRFタグ読み取り部2−1〜2−kによってID情報が読み取られるものであれば図3にて説明したステップS6の照合結果がNGとなるものであっても構わない。
【0042】
RFタグ読み取り部2−1から送信されたID情報及び識別番号が自動追尾装置5にて受信された後(ステップS53)、入力設定部56によって手動で監視カメラ3の操作が行われる(ステップS54)。
【0043】
入力設定部56には、監視カメラ3が撮影する範囲を制御できる入力手段が具備されており、設定する者が監視カメラ3によって撮影されてモニタ6に表示される映像を見ながら、監視カメラ3の角度やフォーカス情報からなる撮影範囲を調整できるようになっている。
【0044】
設定する者の手動によって監視カメラ3の撮影範囲が調整されると、調整された撮影範囲の情報、すなわち監視カメラ3の角度やフォーカス情報といった情報がカメラ制御部54から送信され(ステップS55)、送信された撮影範囲の情報が監視カメラ駆動部4にて受信される(ステップS56)。
【0045】
監視カメラ駆動部4にて受信された撮影範囲の情報に基づいて、監視カメラ駆動部4によって監視カメラ3が制御され(ステップS57)、制御された監視カメラ3によって撮影された映像がモニタ6に送信され、モニタ6の画面上に表示される。設定する者がモニタ6に表示された映像を見ながら入力設定部56によって角度やフォーカス情報からなる撮影範囲を再度調整し、最適な映像が表示されるような撮影範囲を決定すると(ステップS58)、入力設定部56によって現在の撮影範囲の情報がカメラ駆動方向記憶部55に記憶される(ステップS59)。
【0046】
その後、カメラ駆動方向記憶部55に撮影範囲情報を設定する者がRFタグ1を所持してRFタグ認識エリア7−2に入ると、RFタグ読み取り部2−2によってRFタグ1のID情報が読み取られる(ステップS60)。読み取られたID情報は、RFタグ読み取り部2−2に付与された識別番号とともに、RFタグ読み取り部2−2によって、自動追尾装置5へ送信される(ステップS61)。
【0047】
RFタグ読み取り部2−2から送信されたID情報及び識別番号が自動追尾装置5にて受信された後(ステップS62)、入力設定部56によって手動で監視カメラ3の操作が行われる(ステップS63)。
【0048】
設定する者の手動によって監視カメラ3の撮影範囲が調整されると、調整された撮影範囲の情報がカメラ制御部54から送信され(ステップS64)、送信された撮影範囲の情報が監視カメラ駆動部4にて受信される(ステップS65)。
【0049】
監視カメラ駆動部4にて受信された撮影範囲の情報に基づいて、監視カメラ駆動部4によって監視カメラ3が制御され(ステップS66)、制御された監視カメラ3によって撮影された映像がモニタ6に送信され、モニタ6の画面上に表示される。設定する者がモニタ6に表示された映像を見ながら入力設定部56によって撮影範囲を再度調整し、最適な映像が表示されるような撮影範囲を決定すると(ステップS67)、入力設定部56によって現在の撮影範囲の情報がカメラ駆動方向記憶部55に記憶される(ステップS68)。
【0050】
図5は、図2に示したカメラ駆動方向記憶部55に記憶される撮影範囲情報を示す図である。
【0051】
図5に示すように、図2に示したカメラ駆動方向記憶部55には、RFタグ読み取り部2−1〜2−kに付与された識別番号に対応して、RFタグ認識エリア7−1〜7−kを撮影するための撮影範囲情報となる監視カメラ3の角度やフォーカス情報といった監視カメラ駆動部4が監視カメラ3を駆動するために必要な情報が記憶されている。ここで、RFタグ読み取り部2−1に付与された識別番号を「1111」、また、RFタグ読み取り部2−2に付与された識別番号を「1112」、また、RFタグ読み取り部2−kに付与された識別番号を「9999」とし、それぞれに対応した撮影範囲情報となる監視カメラ3の角度やフォーカス情報が記憶されている。
【0052】
なお、監視カメラ3によって撮影された映像が表示されるモニタ6は、自動追尾装置5に具備されていても良いし、作業者を監視する者がいる場所に自動追尾装置5と離れて設置されていても良い。ただし、図2に示したカメラ駆動記憶部55に撮影範囲情報を設定する際には、設定する者がモニタ6を見ながら自動追尾装置5を操作することができる位置に設置される必要がある。
【0053】
また、本形態では設置される監視カメラ3が1台の場合について説明したが、複数の監視カメラを設置し、RFタグ認識エリア7−1〜7−k内を撮影するのに最適な監視カメラが、設置された複数の監視カメラの中から自動追尾装置5によって選択され、選択された監視カメラに対して撮影方向やフォーカス情報が制御されることも考えられる。また、最適な監視カメラが選択されなくても、それぞれの監視カメラが撮影すべきRFタグ認識エリア7−1〜7−kを撮影することにより、複数の方向から1つの目標を集中的に撮影することも考えられる。また、複数の作業者がそれぞれ異なるRFタグ認識エリア7−1〜7−kに存在する場合、それぞれを撮影するのに最適な監視カメラが選択されて撮影されることにより、それぞれの映像がモニタ6に表示されることも考えられる。
【0054】
他の実施の形態として、監視システムとは関係が薄いが、スポーツの試合等で特定の選手を追尾して撮影する場合を例に挙げる。
【0055】
図6は、RFタグ読み取り部が柔道場の畳の裏面または下に取り付けられた例を示す図である。
【0056】
図6に示すように、柔道場の畳101−1〜101−mの裏面または下に複数のRFタグ読み取り部102−1〜102−nが、それぞれRFタグを読み取ることができるRFタグ認識エリア103−1〜103−nがお互いになるべく重複しないような間隔で取り付けられている。また、各選手のゼッケンにはRFタグが取り付けられ、ゼッケンに取り付けられたRFタグがRFタグ読み取り部102−1〜102−nによって認識されることにより、上述した処理と同様の処理が行われ、選手の動きが素早い場合にでも、カメラが選手の動きについていくことができ、選手を正確に撮影することができる。なお、図6は、柔道場に一定の間隔でRF読み取り部102−1〜102−nが取り付けられるイメージを示す図に過ぎず、柔道場の大きさや畳101−1〜101−mの枚数について限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の監視システムの実施の一形態を示す図である。
【図2】図1に示した自動追尾装置の構成を示す図である。
【図3】図1及び図2に示した監視システムにおける監視方法を説明するためのシーケンス図である。
【図4】図1及び図2に示した監視システムにおいてカメラ駆動記憶部に撮影範囲情報が記憶される処理を説明するためのシーケンス図である。
【図5】図2に示したカメラ駆動方向記憶部に記憶される撮影範囲情報を示す図である。
【図6】RFタグ読み取り部が柔道場の畳の裏面または下に取り付けられた例を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 RFタグ
2−1〜2−k,102−1〜102−n RFタグ読み取り部
3 監視カメラ
4 監視カメラ駆動部
5 自動追尾装置
6 モニタ
7−1〜7−k,103−1〜103−n RFタグ認識エリア
51 読み取り情報記憶部
52 制御部
53 ID情報記憶部
54 カメラ制御部
55 カメラ駆動方向記憶部
56 入力設定部
101−1〜101−m 畳

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視カメラを用いて登録者を監視する監視システムであって、
前記登録者を識別可能なID情報が書き込まれたRFタグと、
固有の識別番号をそれぞれ有し、前記ID情報を前記RFタグから読み取り、読み取られたID情報を前記識別番号とともに送信する複数のRFタグ読み取り手段と、
前記監視カメラを駆動する監視カメラ駆動手段と、
前記RFタグ読み取り手段から送信された識別番号を受信し、受信された識別番号によって識別されるRFタグ読み取り手段がRFタグに書き込まれたID情報を読み取ることができる範囲を前記監視カメラが撮影するように前記監視カメラ駆動手段を制御する自動追尾装置とを有する監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載の監視システムにおいて、
前記自動追尾装置は、
前記RFタグ読み取り手段から送信されたID情報及び識別番号を受信し、受信されたID情報及び識別番号を一時的に記憶する読み取り情報記憶手段と、
前記読み取り情報記憶手段に記憶された識別番号を前記読み取り情報記憶手段から読み出して出力する制御手段と、
前記識別番号に応じた前記監視カメラの撮影範囲を示す撮影範囲情報を予め記憶するカメラ駆動方向記憶手段と、
前記制御手段によって出力された識別番号が入力され、該識別番号に応じた前記撮影範囲情報を前記カメラ駆動方向記憶手段から読み出し、読み出された撮影範囲情報を前記カメラ駆動手段に送信するカメラ制御手段とを有することを特徴とする監視システム。
【請求項3】
請求項2に記載の監視システムにおいて、
前記自動追尾装置は、前記RFタグに書き込まれたID情報を登録ID情報として予め登録するID情報記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記読み取り情報記憶手段に記憶されたID情報と前記ID情報記憶手段に記憶された登録ID情報とを照合し、前記ID情報と前記登録ID情報とが一致した場合、前記読み取り情報記憶手段から前記識別番号を読み出すことを特徴とする監視システム。
【請求項4】
識別番号がそれぞれ付与され、RFタグに予め書き込まれたID情報を読み取る複数のRFタグ読み取り手段を有し、前記RFタグを所持した登録者を監視カメラを用いて監視する監視システムにおける監視方法であって、
RFタグに書き込まれたID情報を前記RFタグ読み取り手段にて読み取る処理と、
読み取られたID情報を前記識別番号とともに前記RFタグ読み取り手段から送信する処理と、
前記RFタグ読み取り手段から送信された識別番号を受信し、受信された識別番号に基づいて、前記RFタグに書き込まれたID情報を読み出したRFタグ読み取り手段が複数のRFタグ読み取り手段のうちいずれのRFタグ読み取り手段であるかを識別する処理と、
識別されるRFタグ読み取り手段がRFタグに書き込まれたID情報を読み出すことができる範囲を撮影するように前記監視カメラを制御する処理とを有する監視方法。
【請求項5】
請求項4に記載の監視方法において、
前記RFタグ読み取り手段にて読み取られたID情報と予め登録されている登録ID情報とを照合する処理を有し、前記ID情報と前記登録ID情報とが一致した場合、前記識別番号に基づいて、前記RFタグに書き込まれたID情報を読み取ったRFタグ読み取り部が複数のRFタグ読み取り部のうちいずれのRFタグ読み取り部であるかを識別することを特徴とする監視方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−287799(P2006−287799A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−107641(P2005−107641)
【出願日】平成17年4月4日(2005.4.4)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】