説明

監視装置

【課題】 予め設定された特定状態(例えば、異常発生中状態)にある監視手段の状況を容易に確認することのできる監視装置を提供する。
【解決手段】 監視装置4は、監視手段(監視カメラ2や画像記録装置3)が設置された複数の監視領域を含む監視区画を遠隔から監視する。この監視装置4では、監視区画を表示する第一表示工程と、第一表示工程で表示された監視区画が選択されたときに当該選択された監視区画に含まれる監視領域を表示する第二表示工程と、第二表示工程で表示された監視領域が選択されたときに当該監視領域の平面図を表示する第三表示工程とが実行される。第二表示工程では、選択された監視区画内に特定状態の監視手段がある場合には、当該監視手段が設置された監視領域のみが選択可能に表示され、選択された監視区画内に特定状態の監視手段がない場合には、全ての監視領域が選択可能に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視カメラや画像記録装置などの監視手段が設置された複数の監視領域を含む監視区画を遠隔から監視する監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の監視物件内に設置されている複数の監視カメラからの監視画像を、遠隔の監視端末によって表示させて集中的に監視を行う監視装置が利用されている。このような監視装置においては、監視画像を表示させるにあたり、まず利用者が画像を表示させたい監視カメラを選択する必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、監視装置におけるカメラ選択の一手法として、監視物件中の監視領域を平面図として表示し、この平面図に重畳表示されたカメラシンボルを選択する方法が開示されている。特許文献1において、利用者は、監視カメラを選択するために、まず、地図上に表示されたシンボルを選択することで監視映像を表示する監視物件を選択する。そして、メニュー画面から平面図表示を選択することで監視カメラの位置を含む建屋平面図を表示させて、平面図上のカメラシンボルを選択することで、画像を表示させたい監視カメラを指定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−096264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、一つの監視物件(監視区画)に多数の監視領域が存在する場合(例えば、超高層ビルや大規模ショッピングセンターなど)については考慮がされておらず、多数の監視領域(例えば、1階から60階までのフロアなど)から利用者が所望する監視領域を指定してカメラを選択することが容易でない。監視区画を選択した後に、利用者が所望する監視領域を容易に選択できることが望ましい。特に、ある特定状態(例えば、異常発生中の状態など)にある監視物件については、利用者がそのような特定状態にある箇所を容易に確認できるよう、その特定状態となっている監視領域を迅速に選択できることが望ましい。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、予め設定された特定状態にある監視物件を選択した際に、その特定状態となっている監視領域を絞り込んで選択可能とすることにより、その特定状態にある箇所を容易に確認できる監視装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の監視装置は、監視手段が設置された複数の監視領域を含む監視区画を監視する監視装置であって、利用者に映像を表示する表示部と、前記利用者による操作入力を受ける操作部と、前記監視手段の状態を示す状態情報を前記監視手段から受信する状態情報受信部と、監視区画に含まれる前記監視領域と当該監視領域に設置された前記監視手段との対応関係を示す対応情報と、各監視区画における前記監視手段の設置位置を示した平面図と、各監視手段の前記状態情報を示す状態管理テーブルと、を記憶する記憶部と、一または複数の前記監視区画を前記表示部に表示する第一表示工程を実行する手段と、前記第一表示工程で表示された監視区画が前記操作部により選択されたときに当該選択された監視区画に含まれる一または複数の前記監視領域を前記表示部に表示する第二表示工程を実行する手段と、前記第二表示工程で表示された監視領域が前記操作部により選択されたときに当該監視領域の前記平面図を表示する第三表示工程を実行する手段と、を有する表示制御部と、を備え、前記監視手段の状態には、予め設定された特定状態が含まれ、前記第二表示工程では、前記選択された監視区画内に前記特定状態の監視手段がある場合には、前記状態管理テーブルを参照することにより、当該監視手段が設置された監視領域のみが選択可能に表示され、前記選択された監視区画内に前記特定状態の監視手段がない場合には、全ての監視領域が選択可能に表示される。
【0008】
これにより、利用者は、予め設定された特定状態(例えば、異常発生中状態)にある監視手段が設置されている監視領域を容易に特定することができ、特定状態にある監視手段の状況を容易に確認することができる。
【0009】
また、本発明の監視装置では、前記操作部は、前記監視手段の監視すべき状態として、一または複数の状態を指定可能であり、前記記憶部は、前記操作部により指定された一または複数の状態を、前記利用者が設定した集約条件として記憶し、前記第一表示工程では、前記監視区画が前記表示部に表示されるとともに、前記集約条件が変更可能に表示され、前記第二表示工程では、前記集約条件が設定されている場合には、前記第一表示工程で表示された監視区画が前記操作部により選択されたときに、前記状態管理テーブルを参照することにより、当該設定された集約条件に合致する状態の監視手段が設置された監視領域のみが選択可能に表示されてもよい。
【0010】
これにより、利用者は、現時点で確認を所望する状態、いわば現時点で監視すべき状態として自らが設定した所定の状態(例えば、ライブ表示中状態、威嚇中状態、音声取得中状態、断線中状態など)にある監視手段が設置されている監視領域を容易に特定することができ、所定の状態にある監視手段の状況を容易に確認することができる。
【0011】
また、本発明の監視装置では、前記記憶部は、前記表示部に平面図を表示した監視領域を表示履歴として記憶し、前記第二表示工程では、前記第一表示工程で表示された監視区画が前記操作部により選択されたときに、前記表示履歴を参照することにより、直近に表示された監視領域の前記平面図が初期表示の平面図として前記表示部に表示されてもよい。
【0012】
これにより、利用者は、第一表示工程で表示された監視区画を選択すると、その監視区画において直近に表示された監視領域の平面図を簡単に表示させることができる。
【0013】
また、本発明の監視装置では、前記第二表示工程では、前記第一表示工程で表示された監視区画が前記操作部により選択されたときに、当該監視区画において最も直近に状態情報を受信した監視手段が設置された監視領域の前記平面図が初期表示の平面図として前記表示部に表示されてもよい。
【0014】
これにより、利用者は、第一表示工程で表示された監視区画を選択すると、その監視区画において最新に異常の発生が検出された監視領域の平面図を簡単に表示させることができる。
【0015】
また、本発明の監視装置では、前記監視手段は、前記状態情報とともに撮影画像を出力する監視カメラであり、前記状態情報受信部は、前記状態情報と前記撮像画像を受信し、前記表示制御部は、前記第三表示工程において前記平面図が表示されているときに前記操作部にて前記平面図に示された何れかの前記監視カメラの設置位置が選択されると当該設置位置に対応する監視カメラの前記撮影画像を前記表示部の少なくとも一部の領域に表示する第四表示工程を実行する手段をさらに備え、前記第三表示工程では、前記第一表示工程で表示された監視区画が前記操作部にて選択されたときに、前記撮影画像が表示されている監視領域の前記平面図が前記表示部に表示されてもよい。
【0016】
これにより、利用者は、第一表示工程で表示された監視区画を選択すると、その監視区画において現在表示部に撮影画像が表示されている監視カメラが設置された監視領域の平面図を簡単に表示させることができる。
【0017】
本発明のプログラムは、監視手段が設置された複数の監視領域を含む監視区画を監視する監視装置で実行されるプログラムであって、前記監視装置には、利用者に映像を表示する表示部と、前記利用者による操作入力を受ける操作部と、前記監視手段の状態を示す状態情報を前記監視手段から受信する状態情報受信部と、監視区画に含まれる前記監視領域と当該監視領域に設置された前記監視手段との対応関係を示す対応情報と、各監視区画における前記監視手段の設置位置を示した平面図と、各監視手段の前記状態情報を示す状態管理テーブルと、を記憶する記憶部と、が備えられ、前記プログラムは、コンピュータを、一または複数の前記監視区画を前記表示部に表示する第一表示工程を実行する手段、前記第一表示工程で表示された監視区画が前記操作部により選択されたときに当該選択された監視区画に含まれる一または複数の前記監視領域を前記表示部に表示する第二表示工程を実行する手段、前記第二表示工程で表示された監視領域が前記操作部により選択されたときに当該監視領域の前記平面図を表示する第三表示工程を実行する手段、として機能させるものであり、前記監視手段の状態には、予め設定された特定状態が含まれ、前記第二表示工程では、前記選択された監視区画内に前記特定状態の監視手段がある場合には、前記状態管理テーブルを参照することにより、当該監視手段が設置された監視領域のみが選択可能に表示され、前記選択された監視区画内に前記特定状態の監視手段がない場合には、全ての監視領域が選択可能に表示される。
【0018】
このプログラムによっても、利用者は、予め設定された特定状態(例えば、異常発生中状態)にある監視手段が設置されている監視領域を容易に特定することができ、特定状態にある監視手段の状況を容易に確認することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、予め設定された特定状態(例えば、異常発生中状態)にある監視手段の状況を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態における監視システムの全体構成の説明図
【図2】本発明の実施の形態における監視装置の機能ブロック図
【図3】本発明の実施の形態における表示処理(集約条件と合致した場合)の説明図
【図4】本発明の実施の形態における表示処理(異常発生中のフロアがある場合)の説明図
【図5】本発明の実施の形態における表示処理(異常発生中のフロアがない場合)の説明図
【図6】本発明の実施の形態における監視装置の動作説明のためのフロー図
【図7】本発明の実施の形態における表示処理の動作説明のフロー図
【図8】本発明の実施の形態における表示処理の変形例の説明図
【図9】本発明の実施の形態における表示処理の他の変形例の説明図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態の監視装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、監視システム等に用いられる監視装置の場合を例示する。この監視装置は、予め設定された特定状態(例えば、異常発生中状態)にある監視手段の状況を確認する機能を有している。この機能は、監視装置で実行されるプログラムにより実現される。
【0022】
<監視システム>
まず、本実施の形態の監視システムの全体構成について説明する。図1に示すように、本実施の形態の監視システム1では、一つの監視区画に複数の監視領域が設定されている。監視区画は、例えば、超高層ビルや大規模商業施設などの監視対象の物件(監視物件)であり、監視領域は、例えば、監視物件の各フロア(1階、2階・・・)である。本実施の形態の監視システム1では、複数の監視区画から各監視領域の監視情報(映像情報や検知情報)を遠隔の監視センタにて受信することで、遠隔からの集中監視が行われる。監視センタは、例えば、複数の事業所を統括的に監視する管理本部などである。
【0023】
図1に示すように、監視システム1は、監視領域の画像を撮影して画像データを取得する監視カメラ2と、監視カメラ2で撮影した画像データを記録する画像記録装置3と、複数の監視区画を遠隔から監視する監視装置4を備えている。監視カメラ2や画像記録装置3は、監視区画の各監視領域に設置され、監視装置4は、遠隔の監視センタに設置される。監視センタは、複数の監視区画を統括的に監視する管理本部などである。監視装置4を用いることにより、遠隔の監視センタから複数の監視区画を監視することができる。
【0024】
監視カメラ2と画像記録装置3は、本発明の監視手段に相当する。なお、図1に示すように、一つの監視区画には、監視カメラ2と画像記録装置3の両方が設置されてもよい。また、一つの監視区画には、監視カメラ2だけが設置されてもよい(監視区画には、必ずしも画像記録装置3が設けられていなくてもよい)。
【0025】
監視カメラ2は、監視領域を撮影して取得した画像データをネットワーク網5を介して監視装置4に出力する機能を備えている。つまり、監視カメラ2は、取得した画像データや状態情報などを、監視装置4へ直接送信することができる。監視カメラ2は、一つの監視区画に複数台設置されてもよく(図1の例では3台設置されている)、一つの監視区画に一台だけ設置されてもよい。
【0026】
画像記録装置3は、例えば各監視区画に一台ずつ設置されている。監視カメラ2と画像記録装置3とは互いにローカルエリアネットワーク(LAN)6で接続されており、監視カメラ2で取得した画像データは、画像記録装置3に送られる。画像記録装置3は、監視カメラ2から送られた画像データを記録する機能を備えている。また、画像記録装置3は、記録した画像データをネットワーク網5を介して監視装置4に出力する機能を備えている。
【0027】
ネットワーク網5は、例えば、インターネット網で構成されるが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、公衆電話網、携帯電話網など適宜利用可能なものを選択してよい。なお、ここでは、通信プロトコル、交換設備、インターネットサービスプロバイダの設備などは、一般的な技術を使用するので詳細に説明するのを省略する。
【0028】
<監視カメラ>
ここで、監視カメラ2について、詳しく説明しておく。監視カメラ2は、監視区画内の任意の設置場所に設置されており、監視区画内の画像を撮影する機能を備えている。また、監視カメラ2は、画像データの監視装置4への出力や自己の装置(監視カメラ2)への記録などの処理を行う機能を備えている。さらに、監視カメラ2は、自己の装置(監視カメラ2)に異常が発生しているか否か(監視カメラ2に異常が生じているか否か、監視カメラ2の撮影が妨害されているか否かなど)を検知する機能を備えている。そして、この監視カメラ2は、自己の装置の異常(例えば、画像の撮影や記録にかかる異常)の発生を検知すると、その検知した異常状態を状態情報として記録する機能を備えている。
【0029】
この監視カメラ2には、予め、各監視カメラ2を識別するための監視カメラ番号(識別子)が設定されている。監視カメラ番号は、監視カメラ2に内蔵されたメモリ(図示せず)に記憶されている。この監視カメラ番号は、監視カメラ2で撮影した画像データと監視カメラ2の設置場所との関連付けに用いられる。そして、監視カメラ2は、各設置場所にて撮影した画像データをデジタル符号化し、画像記録装置3や監視装置4へその画像データと監視カメラ番号とを送信する機能を備えている。また、監視カメラ2は、画像記録装置3や監視装置4へ自己の装置の状態情報と監視カメラ番号とを送信する機能を備えている。
【0030】
<画像記録装置>
つぎに、画像記録装置3について、詳しく説明しておく。画像記録装置3は、監視区画ごとに設置されており、その監視区画内に設置された監視カメラ2から入力される画像データを受け付けて、その画像データの監視装置4への出力や自己の装置(画像記録装置3)への記録などの処理を行う機能を備えている。また、画像記録装置3は、監視カメラ2や自己の装置に異常が発生しているか否か(監視カメラ2又は自己の設定や制御処理に異常が生じているか否か、監視カメラ2の撮影が妨害されているか否かなど)を検知する機能を備えている。そして、この画像記録装置3は、監視カメラ2や自己の装置の異常(例えば、画像の撮影や記録にかかる異常)の発生を検知すると、その検知した異常状態を状態情報として記録する機能を備えている。
【0031】
この画像記録装置3にも、予め、画像記録装置3を識別するためのレコーダ番号(識別子)が設定されている。レコーダ番号は、画像記録装置3に内蔵されたメモリ(図示せず)に記憶されている。このレコーダ番号は、監視カメラ2とその監視カメラ2の画像データを記録する画像記録装置3との対応付けに用いられる。そして、画像記録装置3は、記録された画像データをデジタル符号化し、その画像データを監視カメラ番号とレコーダ番号とともに、監視装置4へ送信する機能を備えている。また、画像記録装置3は、自己の装置の状態情報をレコーダ番号とともに、監視装置4へ送信する機能を備えている。
【0032】
<監視装置>
つぎに、監視装置4について、詳しく説明する。監視装置4は、監視センタに設置されており、各監視区画の監視カメラ2や画像記録装置3の状態を集中管理する機能を備えている。この監視装置4は、例えば、専用の端末装置や、汎用のパソコン(専用のプログラムがインストールされる)などで構成される。また、監視装置4は、例えば、監視センタの監視員が監視区画のモニタリングを行うときに起動され、モニタリングが終わると終了される。この監視装置4は、監視装置4を常時起動させるシステムに適用することもできる。なお、起動と終了とは、監視装置4のハードウェアの起動とシャットダウンに限らず、監視装置4が汎用のパソコンで構成される場合には、専用プログラムの起動と終了であってよい。
【0033】
この監視装置4は、監視員の操作により、監視カメラ2や画像記録装置3に画像データの要求信号(画像要求信号)を送信し、これに対する応答として監視カメラ2や画像記録装置3から画像データを受信し、受信した画像データを表示出力する機能を備えている。また、監視装置4は、監視カメラ2や画像記録装置3から状態情報を受信して、受信した状態情報を記録するとともに表示出力する機能を備えている。
【0034】
監視員は、表示出力される画像データを参照することにより監視区画を監視するとともに、表示出力される状態情報を参照して各監視カメラ2や各画像記録装置3が正常に動作しているか否かや、監視区画の状態が正常であるか否か(例えば、監視カメラ2の向きが不正に変更されたか否か、不正侵入者を検知したか否か、など)を確認する。そして、監視員は、表示出力された画像データからある監視区画に異常事態が発生したと判断すると、あるいは、表示出力された状態情報からある監視区画の監視カメラ2や画像記録装置3に異常が発生したと判断すると、例えば、その監視区画の画像データの記録や、その監視区画の管理者に対する確認処理、その監視区画の警備員への対処指示などの必要な措置をとる。
【0035】
ここで、図2を参照しながら、監視装置4の構成について、さらに詳しく説明しておく。監視装置4は、通信部7と表示部8と操作部9を備えている。また、この監視装置4は、制御部10と画像記録部11と記憶部12を備えている。制御部10は、通信制御部13と表示制御部14と記録処理部15と状態情報受信部16を含んでいる。
【0036】
通信部7は、インターネット網に接続された通信インターフェースである。監視装置4は、通信部7により各監視区画に設置された監視カメラ2や画像記録装置3と接続される。
【0037】
表示部8は、LCD等のディスプレイ及びスピーカより構成され、監視カメラ2や画像記録装置3から受信する画像(監視画像)をモニタリング用に表示する機能を備えている。
【0038】
操作部9は、キーボードやポインティグデバイスなどから構成される。操作部9は、監視員により操作がなされて、各種情報の表示要求や、監視カメラ2あるいは画像記録装置3に対する画像や音声の受信要求や画像受信の停止要求などが入力される。具体的には、操作部9により、監視区画や監視領域(監視区画内の監視領域)を指定する操作がなされる。これにより、監視区画や監視領域の情報の表示要求が入力される。また、操作部9により、監視カメラ2や画像記録装置3を指定する操作がなされる。これにより、その監視カメラ2や画像記録装置3に対する画像の受信要求が入力される。この入力操作はGUI(Graphical User Interface)により実現されてよい。
【0039】
画像記録部11は、DVD−RやHDDなどの記憶媒体で構成される。画像記録部11には、記録処理部15(後述する)により書き込み制御されて監視カメラ2や画像記録装置3から受信する画像データを、その画像を撮影した時刻情報及び監視カメラ2の識別情報とともに記録する。
【0040】
記憶部12は、ROM/RAM、HDDなどで構成される。記憶部12には、各監視区画を構成する監視領域と各監視領域に設置された監視カメラ2及び画像記録装置3の情報である監視区画情報と、各監視領域における間取りなどのレイアウト情報を示した平面図の情報である図面情報と、監視カメラ2及び画像記録装置3の状態情報を示した状態管理テーブルと、表示部8に表示された画像データや状態情報の表示履歴の情報である表示履歴情報と、監視カメラ2や画像記録装置3の「監視すべき状態」として操作部9により指定された一または複数の状態である集約条件が記憶される。
【0041】
監視区画情報としては、各監視区画を構成する監視領域の識別情報と、各監視領域に設置された監視カメラ2及び画像記録装置3の識別情報とが、互いに対応付けて記憶される。監視領域の識別情報には、監視区画における階床情報(例えば、1階フロア)やエリア情報(例えば、介護エリア)などが含まれる。また、監視区画情報として、監視領域における監視カメラ2及び画像記録装置3の通信アドレスと設置位置の情報も記憶される。監視区画情報としては、監視対象物件である監視区画の住所や緯度経度などの位置情報が記憶されてもよい。ここでは、監視区画情報が、本発明の対応情報に相当する。
【0042】
図面情報としては、地図上で監視物件の所在をシンボル(物件シンボル)で示した平面図(エリアマップ)と、各監視領域におけるレイアウト配置を示した相対的に小さな縮小平面図(サムネイル画像)と、監視領域のレイアウト配置とともに当該監視領域に設置された監視カメラ2及び画像記録装置3の設置位置に対応する位置に監視カメラ2又は画像記録装置3を示すシンボル(カメラシンボル、画像記録装置シンボル)を重畳表示した相対的に大きな拡大平面図(フロアマップ)が、記憶されている。ここでは、拡大平面図が、本発明の平面図に相当する。
【0043】
状態管理テーブルには、監視カメラ2及び画像記録装置3の状態情報がテーブル形式で記憶される。例えば「監視カメラの識別子」と「監視カメラの状態」と「その状態が発生した時刻」とが対応付けて記録される。監視カメラ2の状態には、例えば「異常発生中」「ライブ表示中」「威嚇中」「音声取得中」「断線中」などの状態が含まれる。この例では、「異常発生中」が、特定状態(特に監視すべき状態)として予め設定されている。
【0044】
表示履歴情報としては、表示部8に表示された画像データや状態情報の入力元となる監視カメラ2や画像記録装置3の識別情報が、表示時刻と対応させて識別可能に順次記憶されている。表示履歴情報には、例えば、ある表示時刻(13時10分から13時30分など)に、ある監視カメラ2(カメラAなど)の画像データが表示部8に表示されていたことを示す情報が記憶される。
【0045】
集約条件としては、監視カメラ2や画像記録装置3の「監視すべき状態」として操作部9により指定された一または複数の状態、例えば「異常発生中」「ライブ表示中」「威嚇中」「音声取得中」「断線中」などの状態が記憶される。図3〜図5では、「異常発生中」が丸印、「ライブ表示中」が三角印、「威嚇中」が四角印、「音声取得中」が菱形印、「断線中」が星印のシンボルで示されており、そのうち操作部9により指定された状態(集約条件)が、斜線で示されている。
【0046】
制御部10は、CPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータ及びその周辺回路で構成され、監視装置4の種々の制御を行う。制御部10は、このマイクロコンピュータ及びマイクロコンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムによって実現される機能モジュールとして、通信制御部13と、表示制御部14と、記録処理部15と、状態情報受信部16とを有している。
【0047】
通信制御部13は、複数の監視カメラ2及び画像記録装置3との間の通信を制御する機能を備えており、複数機器との同時セッションが可能に構成されている。通信制御部13は、HTTP等のプロトコルを用いて監視カメラ2や画像記録装置3から画像データを受信する機能を備えている。
【0048】
また、通信制御部13は、操作部9から画像データの受信要求が入力されると、該当する監視カメラ2や画像記録装置3に対して画像要求信号を送信し、これに応答して監視カメラ2や画像記録装置3から送信される画像データを受信する機能を備えている。画像データは、ストリーミング配信としての動画データのパケット伝送であってよく、静止画として連続的に伝送されてもよい。また、通信制御部13は、操作部9から画像受信の停止要求が入力されると、該当する監視カメラ2や画像記録装置3に通信終了要求信号を送信し、画像データの受信を停止する。
【0049】
なお、通信帯域が十分に確保されている場合には、通信制御部13は、全ての監視カメラ2とのセッションを常時保持して常に画像データを受信する構成であってよい。その場合、操作部9から画像データの受信要求が入力されてから停止要求が入力されるまでの間、該当する監視カメラ2の画像データを表示制御部14に出力する。
【0050】
状態情報受信部16は、監視カメラ2や画像記録装置3から状態情報を受信する機能を備えている。状態情報受信部16は、監視カメラ2や画像記録装置3から状態情報を受信すると、記憶部12の状態管理テーブルに「異常発生中」「ライブ表示中」「威嚇中」「音声取得中」「断線中」などの状態を、その状態になった時刻とともに記録する。また、状態情報受信部16は、その状態が復旧したことを示す状態情報を受信すると、状態管理テーブルに記録した状態(「異常発生中」「ライブ表示中」「威嚇中」「音声取得中」「断線中」などの状態)を消去する。
【0051】
表示制御部14は、表示部8を、複数の表示領域(例えば、画像データ表示領域、状態情報表示領域、図面表示領域)に分割して、各領域ごとに該当する情報を表示制御する。画像データ表示領域には、監視カメラ2の画像データが表示される。なお、画像データ表示領域は、さらに複数の小領域に分割されて、複数の監視カメラ2の画像を同時に表示してよい。例えば、4つの小領域に分割されて、4つの監視カメラ2(カメラA〜D)の画像を同時に表示できるようにしてもよい。また、状態情報表示領域には、監視カメラ2や画像記録装置3から送信される状態情報が表示される。さらに、図面表示領域には、地図上で監視物件の所在がシンボルで示された平面図(エリアマップ)や、各監視領域におけるレイアウト配置を平面図上に示した相対的に小さな縮小平面図(サムネイル画像)や、監視領域に設置された監視カメラ2及び画像記録装置3の設置位置に対応する平面図上の位置に監視カメラ2又は画像記録装置3を示すシンボルを重畳表示した相対的に大きな拡大平面図(フロアマップ)が表示される。
【0052】
表示制御部14は、図3〜図5に示すように、地図上に監視物件の所在がシンボルで示された平面図(エリアマップ)を表示する機能を備えている。この機能は、本発明の第一表示工程を実行する機能に相当する。また、表示制御部14は、エリアマップに表示された監視物件が操作部9により選択されたときに、その監視物件に含まれる監視領域の縮小平面図(サムネイル画像)をリスト表示する機能を備えている。この機能は、本発明の第二表示工程を実行する機能に相当する。さらに、表示制御部14は、サムネイル画像のリスト(サムネイルリスト)で表示された監視領域が操作部9により選択されたときに、その監視領域の拡大平面図(フロアマップ)を表示する機能を備えている。この機能は、本発明の第三表示工程を実行する機能に相当する。
【0053】
ここで、本実施の形態の表示処理について、図3〜図5を参照して詳しく説明しておく。図3に示すように、エリアマップが表示される画面(監視区画選択画面ともいう)には、利用者が設定した集約条件を示すシンボルが、別ウィンドウ(左上のウィンドウ)で表示される。図3の例では、集約条件として操作部9により指定された「ライブ表示中」と「威嚇中」のシンボル(三角印と四角印のシンボル)が強調表示される(図3では斜線で示される)。集約条件に含める状態は、利用者がシンボルを選択する操作入力を行うことにより、指定/指定解除することができる。つまり、エリアマップが表示される画面では、集約条件が変更可能に表示されている。
【0054】
図3に示すように、エリアマップ上にも、集約条件を示す「ライブ表示中」と「威嚇中」の小シンボル(三角印と四角印の小シンボル)が、その集約条件に合致する監視物件の物件シンボルの近くに重畳表示されるとともに、その監視物件のシンボル(物件シンボル)が強調表示される。図3のように、エリアマップが表示されている画面で、集約条件に合致する監視物件(例えば、監視物件A)が選択された場合には、その監視物件の中で集約条件に合致する状態の監視手段(監視カメラ2)が設置された監視領域(例えば、1階と2階と5階のフロア)のサムネイル画像のみが、サムネイルリストのウィンドウ(左側のウィンドウ)に表示される。なお、サムネイルリストが表示される画面にも、利用者が設定した集約条件を示すシンボルが、別ウィンドウ(左上のウィンドウ)で表示される。また、サムネイルリスト中にも、集約条件を示す「ライブ表示中」と「威嚇中」の小シンボル(三角印と四角印の小シンボル)が、その集約条件に合致する監視領域のサムネイル画像の近くに重畳表示される。
【0055】
このサムネイルリストのウィンドウで、ある監視領域(例えば、2階のフロア)のサムネイル画像を操作部9で選択すると、その監視領域の拡大平面図(フロアマップ)が、フロアマップのウィンドウ(右側のウィンドウ)に表示される。この場合、フロアマップ上にも、集約条件を示す「ライブ表示中」の小シンボル(三角印の小シンボル)が、その集約条件に合致する監視手段(監視カメラ2)のシンボル(カメラシンボル)の近くに重畳表示されるとともに、その監視手段(監視カメラ2)のシンボル(カメラシンボル)が強調表示される。
【0056】
また、図4に示すように、エリアマップ上には、特定状態である「異常発生中」の小シンボル(丸印の小シンボル)が、その特定状態にある監視物件の物件シンボルの近くに重畳表示される。図4のように、エリアマップが表示されている画面で、特定状態にある監視物件(例えば、監視物件B)が選択された場合には、その監視物件の中で特定状態にある監視手段(監視カメラ2)が設置された監視領域(例えば、4階と5階と6階のフロア)のサムネイル画像のみが、サムネイルリストのウィンドウ(左側のウィンドウ)に表示される。なお、サムネイルリスト中には、特定状態を示す「異常発生中」の小シンボル(丸印の小シンボル)が、その特定状態にある監視領域のサムネイル画像の近くに重畳表示されるとともに、その監視手段(監視カメラ2)のシンボル(カメラシンボル)が強調表示される。
【0057】
また、図5に示すように、エリアマップ上には、集約条件として指定されていない状態である「音声取得中」の小シンボル(菱形の小シンボル)が、その状態にある監視物件の物件シンボルの近くに重畳表示される。図5のように、エリアマップが表示されている画面で、そのような状態(集約条件として指定されておらず、かつ、特定状態でもない状態)にある監視物件(例えば、監視物件C)が選択された場合には、その監視物件に含まれる全ての監視領域(例えば、1階〜60階のフロア)のサムネイル画像が、サムネイルリストのウィンドウ(左側のウィンドウ)に表示される。
【0058】
フロアマップには、監視手段(例えば、監視カメラ2)の設置位置にこれら監視手段(監視カメラ2)を示すシンボルが重畳表示されており、表示制御部14は、これらのシンボル(フロアマップに表示された監視手段のシンボル)が操作部9より選択操作されると、監視カメラ2や画像記録装置3への画像データの表示要求や状態情報表示要求として受け付けて、画像データや状態情報を表示部8に表示出力する。また、表示制御部14は、操作部9より表示中の画像データが選択操作されると画像データの表示停止要求として受け付けて、当該画像データの表示を終了させる。
【0059】
なお、表示制御部14は、監視装置4が起動すると、表示履歴情報を参照し、前回監視装置4が終了されたときに表示部8に表示中であった画像データや状態情報、図面情報を読み出して、該当する画像データの受信要求を行い、前回終了時に表示されていた状態を再現する。
【0060】
記録処理部15は、表示制御部14が画像データや状態情報を表示部8に表示出力すると、表示された画像データや状態情報の入力元となる監視カメラ2や画像記録装置3の識別情報を、現在時刻と対応させて記憶部12の表示履歴情報に記憶する。同様に、記録処理部15は、画像データや状態情報を表示終了させた場合にも、表示終了させた画像データや状態情報の入力元となる監視カメラ2や画像記録装置3の識別情報を、現在時刻と対応させて表示履歴情報に記憶する。また、記録処理部15は、表示制御部14が図面表示領域に拡大平面図(フロアマップ)を表示すると、当該表示された拡大平面図に対応する監視領域の識別情報を、現在時刻と対応させて識別可能に表示履歴情報に記憶する。
【0061】
また、記録処理部15は、操作部9から表示中の画像データが指定されて画像の記録要求が入力されると、監視カメラ2から受信する画像データを、監視カメラ2の識別情報と撮影時刻に対応させて画像記録部11に記録する。
【0062】
以上のように構成された監視装置4について、図面を参照してその動作を説明する。
【0063】
まず、本実施の形態の監視装置4の動作(メインフロー)を、図6を参照して説明する。図6に示すように、監視装置4の専用プログラムを起動すると、表示部8には、まず、エリアマップの画面(監視区画選択画面)が表示される(S1)。つぎに、集約条件が設定されているか否かに基づいて、監視区画選択画面において物件シンボルの強調表示が行われる(S2)。すなわち、集約条件に合致する監視物件があれば、その監視物件の物件シンボルが強調表示される。このとき、監視物件の物件シンボルの近くに、集約条件を示す小シンボルが重畳表示される。
【0064】
つづいて、この監視区画選択画面で物件シンボルの選択が行われたか否かの判定が行われる(S3)。物件シンボルの選択が行われた場合には、監視領域平面図の表示処理(サムネイルリストとフロアマップの表示処理)が行われる(S4)。物件シンボルの選択が行わない場合には、集約条件の変更操作が行われたか否かの判定が行われる(S5)。集約条件の変更操作が行われた場合には、集約条件を変更する処理が実行される(S6)。集約条件の変更操作が行われない場合には、終了操作が行われたか否かの判定が行われる(S7)。そして、終了操作が行われた場合には、監視装置4の専用プログラムが終了する。
【0065】
つぎに、監視領域平面図の表示処理(サムネイルリストとフロアマップの表示処理)のサブフローを、図7を参照して説明する。図7に示すように、監視領域平面図の表示処理が実行されると、選択した監視区画について直近に監視領域の拡大平面図を表示した履歴の有無が判定される(S10)。直近に監視領域の拡大平面図を表示した履歴があれば、初期表示として、その監視領域の拡大平面図(フロアマップ)が表示される(S11)。
【0066】
直近に監視領域の拡大平面図を表示した履歴がなければ、その監視区画について最新の異常が検出されている監視領域の有無が判定される(S12)。最新の異常が検出されている監視領域があれば、初期表示として、その監視領域の拡大平面図(フロアマップ)が表示される(S13)。
【0067】
最新の異常が検出されている監視領域がなければ、その監視区画について現在カメラ画像を表示している監視領域の有無が判定される(S14)。現在カメラ画像を表示している監視領域があれば、その監視領域の拡大平面図(フロアマップ)が表示される(S15)。
【0068】
現在カメラ画像を表示している監視領域がなければ、その監視区画について予め設定された基準監視領域(例えば、フロア番号が最も小さいフロア(1階)など)の拡大平面図(フロアマップ)が表示される(S16)。
【0069】
つぎに、集約条件が指定されているか否かの判定が行われ(S17)、集約条件が指定されている場合には、その集約条件に合致する監視領域が存在するか否かの判定が行われる(S18)。集約条件に合致する監視領域が存在する場合には、その監視領域のサムネイル画像のみがリスト表示される(S19)。集約条件に合致する監視領域が存在しない場合には、異常発生中の状態にある監視領域が存在するか否かの判定が行われる(S20)。異常発生中の状態にある監視領域が存在する場合には、異常発生中の状態にある監視領域のサムネイル画像のみがリスト表示される(S21)。異常発生中の状態にある監視領域が存在しない場合には、すべての監視領域のサムネイル画像がリスト表示される(S22)。
【0070】
そして、監視領域のサムネイル画像のリスト(サムネイルリスト)から、ある監視領域が選択された場合には(S23)、その選択された監視領域の拡大平面図(フロアマップ)が表示される(S24)。さらに、フロアマップが表示された画面において、監視カメラ2のシンボル(カメラシンボル)の選択が行われた場合には(S25)、選択された監視カメラ2の撮影画像が表示される(S26)。また、集約条件の変更操作が行われた場合には(S27)、集約条件を変更する処理が行われる(S28)。そして、戻るボタンの押下が行われると(S29)、監視領域平面図の表示処理(サムネイルリストとフロアマップの表示処理)が終了する。
【0071】
このような本発明の実施の形態の監視装置4によれば、特定状態(異常発生中の状態)にある物件をエリアマップ上で選択すると、フロアマップに表示が切り替わったときに、その特定状態になっているフロアが自動的に選択表示されるので、利用者は容易に特定状態になっているフロアを選択することができる。
【0072】
すなわち、本実施の形態の監視装置4では、利用者は、予め設定された特定状態である「異常発生中」の状態にある監視手段(監視カメラ2や画像記録装置3)が設置されている監視領域を容易に特定することができ、特定状態にある監視手段の状況を容易に確認することができる。
【0073】
また、本実施の形態の監視装置4では、利用者は、自らが設定した所定の状態(例えば、「ライブ表示中」「威嚇中」「音声取得中」「断線中」の状態など)にある監視手段(監視カメラ2や画像記録装置3)が設置されている監視領域を容易に特定することができ、そのような状態にある監視手段(監視カメラ2や画像記録装置3)の状況を容易に確認することができる。
【0074】
この場合、利用者は、エリアマップで表示された監視区画を選択すると、その監視区画において直近に表示された監視領域のフロアマップを簡単に表示させることができる。また、利用者は、エリアマップで表示された監視区画を選択すると、その監視区画において最新に異常の発生が検出された監視領域のフロアマップを簡単に表示させることができる。また、利用者は、エリアマップで表示された監視区画を選択すると、その監視区画において現在画像が表示されている監視カメラ2が設置された監視領域のフロアマップを簡単に表示させることができる。
【0075】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【0076】
例えば、以上の説明では、第一表示工程で監視区画(監視物件)をエリアマップで表示し、第二表示工程で監視領域(フロア)をサムネイルリストで表示する例について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、図8に示すように、第一表示工程で監視区画を矩形枠などでリスト表示してもよく、第二表示工程では監視領域を矩形枠などでリスト表示してもよい。
【0077】
また、以上の説明では、超高層ビルや大規模ショッピングセンターなどのように、一つの物件に多数のフロアが含まれる例について説明したが、コンビニエンスストアなどのように、一つの物件に少数のフロアしか含まれない場合(例えば、一つの物件に一つのフロアしか含まれない)には、多数の物件をまとめて一つの監視物件として取り扱うことも可能である。すなわち、第二表示工程では、図9(a)に示すように、物件ごとに、複数の監視領域(一つの物件に含まれる複数の監視領域)をサムネイルリストで表示してもよく、図9(b)に示すように、複数の物件をまとめて、複数の監視領域(複数の物件に含まれる複数の監視領域)をサムネイルリストで表示してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上のように、本発明にかかる監視装置は、予め設定された特定状態(例えば、異常発生中状態)にある監視手段の状況を容易に確認することができるという効果を有し、監視システム等に用いられ、有用である。
【符号の説明】
【0079】
1 監視システム
2 監視カメラ
3 画像記録装置
4 監視装置
5 ネットワーク網
6 ローカルエリアネットワーク
7 通信部
8 表示部
9 操作部
10 制御部
11 画像記録部
12 記憶部
13 通信制御部
14 表示制御部
15 記録処理部
16 状態情報受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視手段が設置された複数の監視領域を含む監視区画を監視する監視装置であって、
利用者に映像を表示する表示部と、
前記利用者による操作入力を受ける操作部と、
前記監視手段の状態を示す状態情報を前記監視手段から受信する状態情報受信部と、
監視区画に含まれる前記監視領域と当該監視領域に設置された前記監視手段との対応関係を示す対応情報と、各監視区画における前記監視手段の設置位置を示した平面図と、各監視手段の前記状態情報を示す状態管理テーブルと、を記憶する記憶部と、
一または複数の前記監視区画を前記表示部に表示する第一表示工程を実行する手段と、前記第一表示工程で表示された監視区画が前記操作部により選択されたときに当該選択された監視区画に含まれる一または複数の前記監視領域を前記表示部に表示する第二表示工程を実行する手段と、前記第二表示工程で表示された監視領域が前記操作部により選択されたときに当該監視領域の前記平面図を表示する第三表示工程を実行する手段と、を有する表示制御部と、
を備え、
前記監視手段の状態には、予め設定された特定状態が含まれ、
前記第二表示工程では、
前記選択された監視区画内に前記特定状態の監視手段がある場合には、前記状態管理テーブルを参照することにより、当該監視手段が設置された監視領域のみが選択可能に表示され、
前記選択された監視区画内に前記特定状態の監視手段がない場合には、全ての監視領域が選択可能に表示されることを特徴とする監視装置。
【請求項2】
前記操作部は、前記監視手段の監視すべき状態として、一または複数の状態を指定可能であり、
前記記憶部は、前記操作部により指定された一または複数の状態を、前記利用者が設定した集約条件として記憶し、
前記第一表示工程では、前記監視区画が前記表示部に表示されるとともに、前記集約条件が変更可能に表示され、
前記第二表示工程では、
前記集約条件が設定されている場合には、前記第一表示工程で表示された監視区画が前記操作部により選択されたときに、前記状態管理テーブルを参照することにより、当該設定された集約条件に合致する状態の監視手段が設置された監視領域のみが選択可能に表示される、請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記表示部に平面図を表示した監視領域を表示履歴として記憶し、
前記第二表示工程では、前記第一表示工程で表示された監視区画が前記操作部により選択されたときに、前記表示履歴を参照することにより、直近に表示された監視領域の前記平面図が初期表示の平面図として前記表示部に表示される、請求項1または2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記第二表示工程では、前記第一表示工程で表示された監視区画が前記操作部により選択されたときに、当該監視区画において最も直近に状態情報を受信した監視手段が設置された監視領域の前記平面図が初期表示の平面図として前記表示部に表示される、請求項1から3の何れかに記載の監視装置。
【請求項5】
前記監視手段は、前記状態情報とともに撮影画像を出力する監視カメラであり、
前記状態情報受信部は、前記状態情報と前記撮像画像を受信し、
前記表示制御部は、前記第三表示工程において前記平面図が表示されているときに前記操作部にて前記平面図に示された何れかの前記監視カメラの設置位置が選択されると当該設置位置に対応する監視カメラの前記撮影画像を前記表示部の少なくとも一部の領域に表示する第四表示工程を実行する手段をさらに備え、
前記第三表示工程では、前記第一表示工程で表示された監視区画が前記操作部にて選択されたときに、前記撮影画像が表示されている監視領域の前記平面図が前記表示部に表示される、請求項1から4の何れかに記載の監視装置。
【請求項6】
監視手段が設置された複数の監視領域を含む監視区画を監視する監視装置で実行されるプログラムであって、
前記監視装置には、
利用者に映像を表示する表示部と、
前記利用者による操作入力を受ける操作部と、
前記監視手段の状態を示す状態情報を前記監視手段から受信する状態情報受信部と、
監視区画に含まれる前記監視領域と当該監視領域に設置された前記監視手段との対応関係を示す対応情報と、各監視区画における前記監視手段の設置位置を示した平面図と、各監視手段の前記状態情報を示す状態管理テーブルと、を記憶する記憶部と、
が備えられ、
前記プログラムは、コンピュータを、
一または複数の前記監視区画を前記表示部に表示する第一表示工程を実行する手段、
前記第一表示工程で表示された監視区画が前記操作部により選択されたときに当該選択された監視区画に含まれる一または複数の前記監視領域を前記表示部に表示する第二表示工程を実行する手段、
前記第二表示工程で表示された監視領域が前記操作部により選択されたときに当該監視領域の前記平面図を表示する第三表示工程を実行する手段、
として機能させるものであり、
前記監視手段の状態には、予め設定された特定状態が含まれ、
前記第二表示工程では、
前記選択された監視区画内に前記特定状態の監視手段がある場合には、前記状態管理テーブルを参照することにより、当該監視手段が設置された監視領域のみが選択可能に表示され、
前記選択された監視区画内に前記特定状態の監視手段がない場合には、全ての監視領域が選択可能に表示されることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−101460(P2013−101460A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244333(P2011−244333)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000108085)セコム株式会社 (596)
【Fターム(参考)】