説明

直角継ぎ用のクランプ装置及び治具

【課題】安価な構成で、2つの板材を容易に釘打ちでき直角に継ぐことのできるクランプ用の治具を提供する。
【解決手段】直角継ぎ治具2の第1ベース部21の裏側に第1装着部51を設け、これに第1クランプ10Aのシート部12Aを着脱自在に取り付ける。第1クランプ10Aのボディ11Aが、ベース部21の後側の縁を跨ぐようにする。第1ベース部21の第1面21aとクランプ10Aとの間に第1板材91を挟持する。同様にして、第2クランプ10Bを治具2の第2ベース部22に取り付け、第1面21aと直交する第2面22aとクランプ10Bとの間に第2板材92を挟持する。第2クランプ10Bのボディ11Bが、ベース部22に対し第1クランプ10Aのボディ11Aと同じ側を跨ぐようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日曜大工等で2つの板材を直角に継ぐ作業に好適なクランプ装置及び治具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、日曜大工で2つの板をL字状に継ぐ場合、1つの板を垂直に立て、もう1つの板を水平にして、その一端部を上記垂直にした上端部に載せ、釘を打ち付けて両者を固定する。この時、水平な板の他端部は、垂直な板と同じ高さの支持物が有れば、それで支えることができる。或いは、作業者の他に補助者が居れば、支えてもらうことができる。しかし、そのような支持物が無く、補助者も居ない場合、片手で金槌を持ち、反対側の手で2つの板を支える等の工夫をしながら、釘打ちなどを行なわなければならない。したがって、熟練していない作業者が一人で2つの板を直角に継ぐのは容易でない。しかも、釘打ちの際に2つの板がずれてしまいやすく、組立て精度を確保するのは容易でない。
特許文献1には、2つのクランプを組み合わせることにより、2つの板を互いに角度を付けてクランプする装置が記載されている。2つのクランプのうち一方は、平板状のボディを有し、このボディの一端部にクランパーが設けられ、中央部にシート部が設けられている。ボディは、シート部よりクランパーの反対側に大きく延び出ており、この延出端部にもう一方のクランプが配置されるようになっている。
【特許文献1】特開2004−036709(図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載のクランプ装置は、少なくとも一方のクランプを延出端部付きの専用品にする必要があり、製品コストが高い。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題点を解決するために、本発明は、直角に継がれるべき第1板材と第2板材をクランプする装置であって、
(a) C型のボディと、このボディの一端部に設けられたシート部と、前記ボディの他端部に前記シート部に対し接近離間可能に設けられたクランパーとを有するC型クランプから各々なる第1クランプ及び第2クランプと、
(b) 治具と、
を備え、前記治具が、
前記第1板材が添えられるべき第1面と、
前記第1面と直交するとともに、前記第2板材が添えられるべき第2面と、
前記第1クランプのクランパーが前記第1面と対向するようにして、前記第1クランプのシート部を着脱自在に装着する第1装着部と、
前記第2クランプのクランパーが前記第2面と対向するようにして、前記第2クランプのシート部を着脱自在に装着する第2装着部と、
を含むことを特徴とする。
このクランプ装置によれば、第1板材を、第1面と第1クランプのクランパーとの間に挟んで保持できるとともに、第2板材を、第1板材と直角になるようにして第2面と第2クランプのクランパーとの間に挟んで保持することができる。これによって、2つの板材を釘打ちやネジ止めで接合する際、これら2つの板材がずれるのを防止でき、2つの板材を作業者一人で容易に、かつ精度良く直角に組み立てることができる。しかも、クランプは汎用の市販品を用いることができ、治具は簡素な構造にすることができ、製品コストを安価にすることができる。
【0005】
本発明は、C型のボディと、このボディの一端部に設けられたシート部と、前記ボディの他端部に前記シート部に対し接近離間可能に設けられたクランパーとを有するC型クランプから各々なる第1クランプ及び第2クランプと協働して、直角に継がれるべき第1板材と第2板材を保持するための治具であって、
前記第1板材が添えられるべき第1面を有する第1ベース部と、
前記第1面と直交するとともに前記第2板材が添えられるべき第2面を有して、前記第1ベース部に連なる第2ベース部と、
を備え、前記第1ベース部の前記第1面の裏側には、前記第1クランプのシート部を着脱自在に装着する第1装着部が設けられ、この第1装着部による装着状態において前記第1クランプのクランパーが前記第1面と対向するようになっており、
前記第2ベース部の前記第2面の裏側には、前記第2クランプのシート部を着脱自在に装着する第2装着部が設けられ、この第2装着部による装着状態において前記第2クランプのクランパーが前記第2面と対向するようになっていることを特徴とする。
これによって、第1板材を、第1ベース部と第1クランプのクランパーとの間に挟んで保持できるとともに、第2板材を、第1板材と直角になるようにして第2ベース部と第2クランプのクランパーとの間に挟んで保持することができる。したがって、釘打ち等の接合時に2つの板材がずれるのを防止でき、2つの板材を作業者一人で容易に、かつ精度良く直角に組み立てることができる。しかも、クランプは汎用の市販品を用いることができ、治具自体は簡素な構造にでき、製品コストを安価にすることができる。
【0006】
前記第1装着部が、前記第1クランプのシート部をスライド嵌合可能な第1のホルダと、この第1ホルダに嵌合されたシート部を押えて固定する第1のネジ(固定手段)とを含むことが好ましい。
これによって、第1クランプを第1ベース部にしっかり固定でき、第1板材のクランプ時に第1クランプがぐらつくのを防止でき、第1板材を容易にクランプすることができる。また、第1ネジを緩めることにより、第1クランプを第1ホルダに容易に着脱することができる。第1ホルダは、前記第1クランプのシート部を前記第1面と平行にスライドさせて嵌合可能であることが好ましい。
同様に、前記第2装着部が、前記第2クランプのシート部をスライド嵌合可能な第2のホルダと、この第2ホルダに嵌合されたシート部を押えて固定する第2のネジ(固定手段)とを含むことが好ましい。
これによって、第2クランプを第2ベース部にしっかり固定でき、第2板材のクランプ時に第2クランプがぐらつくのを防止でき、第2板材を容易にクランプすることができる。また、第2ネジを緩めることにより、第2クランプを第2ホルダに容易に着脱することができる。第2ホルダは、前記第2クランプのシート部を前記第2面と平行にスライドさせて嵌合可能であることが好ましい。
【0007】
前記第1装着部による装着状態において、前記第1クランプのボディが、前記第1ベース部における前記第1、第2面の何れとも平行な方向の何れかの側を裏側から表側へ跨ぐように配置されているのが好ましい。
前記第2装着部による装着状態において、前記第2クランプのボディが、前記第2ベース部における前記第1、第2面の何れとも平行な方向の何れかの側を裏側から表側へ跨ぐように配置されることが好ましい。
前記第1装着部による装着状態において、前記第1クランプのボディが、前記第1ベース部における前記第1、第2面の何れとも平行な方向の一側を裏側から表側へ跨ぐように配置され、前記第2装着部による装着状態において、前記第2クランプのボディが、前記第2ベース部における前記第1クランプのボディと同じ側を裏側から表側へ跨ぐように配置されることが、より好ましい。これによって、2つのクランプを、第1、第2板材に対し同一方向に位置させることができ、クランプが釘打ち等の接合作業の邪魔になるのを回避することができる。
【0008】
前記第1ベース部の前記第1クランプのボディに跨がれる側を向く縁には、前記第1面から角度をなして、好ましくは直角に突出する第1凸縁部が設けられているのが好ましい。
これによって、第1凸縁部をストッパにして第1板材の位置決めを容易に行なうことができる。また、第1板材が第1クランプのボディに当たるのを防止できる。さらに、第1凸縁部により第1ベース部を補強でき、第1ベース部の剛性を高めることができる。
前記第2ベース部の前記第2クランプのボディに跨がれる側を向く縁には、前記第2面から突出する第2凸縁部が設けられていることが好ましい。
これによって、第2凸縁部をストッパにして第2板材の位置決めを容易に行なうことができる。また、第2板材が第2クランプのボディに当たるのを防止できる。さらに、第2凸縁部により第2ベース部を補強でき、第2ベース部の剛性を高めることができる。
前記第1ベース部の前記第1クランプのボディに跨がれる側と前記第2ベース部の前記第2クランプのボディに跨がれる側とが、前記第1、第2面の何れとも平行な方向の同じ側であるのが好ましい。さらに、前記第1ベース部の前記一側(前記第1クランプのボディに跨がれる側)を向く縁には、前記第1面から突出する第1凸縁部が設けられ、前記第2ベース部の同じ側の縁には、前記第2面から突出する第2凸縁部が設けられ、前記第1凸縁部と第2凸縁部どうしが、前記平行な方向の同一位置に配置されていることが好ましい。
これによって、第1板材と第2板材の側端縁を容易に面一に揃えることができる。
【0009】
前記第2ベース部が、前記第1ベース部より前記第1、第2面の何れとも平行な方向の一側に延出された延出部を有していてもよい(図10及び図11参照)。この延出部に前記第2装着部が設けられていてもよい。
これによって、第1板材より第2板材を前記一側へ延出させた状態で、第1、第2板材どうしを直角に組んでクランプすることができる。
【0010】
前記第2装着部に前記第2クランプを装着した状態において、前記第2クランプのボディが、前記第2面と直交する方向から見て前記第1面を含む仮想の平面と斜めに交差するようになっていてもよい(図12参照)。
これによって、第2クランプのボディを第2板材の第1板材91との接合側の縁より外側に逃がすことができる。したがって、第2ベース部に延出部を設けなくても、第2板材を第1板材より前記一側へ延出させた状態で、第1、第2板材どうしを直角に組んでクランプすることができる。
【0011】
本発明の他の特徴は、C型クランプのクランプ皿に着脱自在に設けられる当接アタッチメントに係る。当接アタッチメントは、クランプ皿のクランプ対象への当接面積より大きな当接面を有し、この当接面が、前記クランプ皿に代えて前記クランプ対象に当接されるようになっている。これによって、クランプの押圧面積を大きくでき、クランプ対象が軟質であっても、その表面にクランプの跡が残るのを防止することができる。
前記直角クランプ装置において、前記第1又は第2クランプのクランパーにおける前記シート部側の端部のクランプ皿(板材当接部)に、該クランプ皿より大きく前記第1又は第2板材に当接されるべき当接面を有する当接アタッチメントが着脱可能に設けられていてもよい。これによって、クランプの押圧面積を大きくでき、第1又は第2板材が軟質であっても、その表面にクランプの跡が残るのを防止することができる。
前記当接アタッチメントが、前記クランプ皿に着脱自在に取り付けられる接合手段を更に含むことが好ましい。クランパー又はクランプ皿が磁性材料(鋼材等)である場合、前記接合手段は、永久磁石であってもよい。前記接合手段は、弾性を有してクランプ皿の周縁に押し当てられる弾性リングであってもよい。前記接合手段は、係合爪であってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、2つの板材を互いに直角にして保持することができる。したがって、2つの板材を正確に位置決めできるだけでなく、釘打ち等の接合時に2つの板材がずれるのを防止することができる。これによって、2つの板材を作業者一人で容易に、かつ精度良く直角に組み立てることができる。しかも、クランプは汎用の市販品を用いることができ、治具は簡素な構造にでき、製品コストを安価にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1〜図3は、直角クランプ装置1を示したものである。図1に示すように、直角クランプ装置1は、一対をなすクランプ10,10と、直角継ぎ用治具2とを備えている。各クランプ10は、C型のボディ11を有する汎用、市販のC型クランプである。ボディ11の一端部には、円板形状のシート部12が設けられ、他端部には、ホルダーナット13が設けられている。ホルダーナット13に雄ネジからなるクランパー14が取り付けられている。クランパー14の一端部にはクランプ皿(板材当接部)15が設けられ、他端部にはレバー16が設けられている。レバー16を回すことにより、クランパー14がシート部12に接近離間するようになっている。
以下、2つのクランプ10,10を互いに区別するときは、一方を第1クランプ10Aと称し、他方を第2クランプ10Bと称す。第1クランプ10Aの構成要素と第2クランプ10Bの構成要素とを互いに区別するときは、第1クランプ10Aの構成要素には符号に「A」を付し、第2クランプ10Bの構成要素には符号に「B」を付すものとする。
【0014】
直角継ぎ用治具2は、ベース20と、このベース20に設けられた一対のホルダ31,32とを有している。
ベース20は、L字状のアングル鋼材にて構成され、第1ベース部21と、この第1ベース部21に直角をなして連なる第2ベース部22とを有している。第1ベース部21は、例えば水平に向けられ、第2ベース部22は、例えば垂直に向けられている。
第1ベース部21の上側を向く表側面は、第1面21aを構成している。第2ベース部22の外側を向く表側面は、第2面22aを構成している。第1面21aと第2面22aは、互いに直角に背向している。
【0015】
ベース20の後端縁には、縁板23が設けられている。縁板23は、L字状の平らな鋼板で構成され、互いに直交する第1凸縁部231と第2凸縁部232とを有している。第1凸縁部231は、第1面21aから直角に突出するとともに第1ベース部21の後端縁に沿って延びている。第2凸縁部232は、第2面22aから直角に突出するとともに第2ベース部22の後端縁に沿って延びている。第1凸縁部231と第2凸縁部232とは、前後方向と直交する同一の垂直平面上に位置している。すなわち、第1、第2凸縁部231,232どうしは、第1面21aと第2面22aの何れとも平行な方向の同一位置に配置されている。
【0016】
図2及び図3に示すように、第1ベース部21の裏側に第1ホルダ31が設けられている。第1ホルダ31は、四角形の厚板状をなしている。第1ホルダ31の左右両端部が第1ベース部21の裏面に当てられ、溶接されている。これによって、第1ホルダ31が、ベース20に一体に固定されている。第1ホルダ31の内側面(第1ベース部21を向く面)には、浅く広いシート嵌合凹部31aが形成されている。シート嵌合凹部31aの前端部(図2において下側、図3において紙面手前)は、第1ホルダ31の前端面に達し、後端部(図2において上側、図3において紙面奥)は、第1ホルダ31の後端面に達している。
【0017】
第1ホルダ31の左右中央部には切り込み31bが形成されている。切り込み31bは、第1ホルダ31の後端面(図2において下)から前方へ向けて延びている。切り込み31bは、第1ホルダ31を厚さ方向に貫通し、シート嵌合凹部31aに連なっている。図3に示すように、これにより、第1ホルダ31は、一対の爪を対向させた断面形状をなしている。
【0018】
第1ホルダ31に第1クランプ10Aのシート側端部が着脱自在に嵌合されている。すなわち、第1クランプ10Aのシート部12Aが、第1ホルダ31のシート嵌合凹部31aに後側から挿入されて嵌合されている。また、ボディ11Aのシート側端部が、切り込み31bに後側から嵌め込まれている。図3に示すように、この嵌合状態で、ボディ11Aが、第1ベース部21の後側(第1面21aと第2面22aの何れとも平行な方向の一側)を上下に跨ぐように配置されている。また、クランパー14Aが、第1面21aのほぼ中央の部分と対向するようになっている。
【0019】
図3に示すように、第1ホルダ31の切り込み31bを挟んで両側には、一対のネジ孔31cが形成されている。これらネジ孔31cにネジ41がそれぞれねじ込まれている。このネジ41によって第1クランプ10Aのシート部12Aが押えられ直角継ぎ用治具2にしっかりと固定されている。
一対のネジ孔31cのうちの一方にだけネジ41をねじ込むことにしてもよい。この場合、第2ベース部22から遠い側のネジ孔31cにだけネジ41をねじ込むことにするのが、ねじ込み作業の容易性の観点から好ましい。
第1ホルダ31とネジ41とによって、第1装着部51が構成されている。
【0020】
同様に、第2ベース部22の裏側に第2ホルダ32が設けられている。第2ホルダ32は、第1ホルダ31と同一構成になっており、上下両端部が第2ベース部22の裏面に当てられて溶接一体化されるとともに、内側面(第2ベース部22を向く面)にはシート嵌合凹部32aが形成され、中央部には切り込み32bが形成されている。図3に示すように、第2ホルダ32は、一対の爪を対向させた断面形状をなしている。
【0021】
シート嵌合凹部32aに第2クランプ10Bのシート部12Bが後側から挿入されて着脱自在に嵌合され、切り込み32bにボディ11Bのシート側端部が後側から嵌め込まれている。この嵌合状態で、クランパー14Bが第2面22aのほぼ中央の部分と対向するようになっている。また、ボディ11Bが、第2ベース部22の後側(第1面21aと第2面22aの何れとも平行な方向に沿って前記ボディ11Aと同じ側)を左右に跨ぐように配置されている。
したがって、2つのクランプ10A,10Bのボディ11が、共に治具2の後側に配置されている。
【0022】
第2ホルダ32の切り込み32bを挟んで両側には、一対のネジ孔32cが形成されている。これらネジ孔32cにネジ42がねじ込まれている。このネジ42によって第2クランプ10Bのシート部12Bが押えられ直角継ぎ用治具2にしっかりと固定されている。
一対のネジ孔32cのうちの一方にだけネジ42をねじ込むことにしてもよい。この場合、第1ベース部21から遠い側のネジ孔32cにだけネジ42をねじ込むことにするのが、ねじ込み作業の容易性の観点から好ましい。
第2ホルダ32とネジ42とによって「第2装着部52」が構成されている。
【0023】
上記のように構成された直角クランプ装置1の組み立て方法及び使用方法を説明する。
第1クランプ10Aを、直角継ぎ用治具2の後側から前方へ(第1面21aと平行に)相対スライドさせ、シート部12Aを嵌合凹部31aに嵌め込み、ボディ11Aのシート側端部を切り込み31bに嵌め込む。そして、第1ホルダ31のネジ孔31cにネジ41をねじ込み、第1クランプ10Aを直角継ぎ用治具2にしっかり固定する。
【0024】
同様に、第2クランプ10Bを、直角継ぎ用治具2の後側から前方へ(第2面22aと平行に)相対スライドさせ、シート部12Bを嵌合凹部32aに嵌め込み、ボディ11Bのシート側端部を切り込み32bに嵌め込む。そして、第2ホルダ32のネジ孔32cにネジ42をねじ込み、第2クランプ10Bを直角継ぎ用治具2にしっかり固定する。
これによって、直角クランプ装置1の組み立てが完了する。スライド嵌め込みとネジ締めだけで簡単に組み立てることができる。2つのクランプ10A,10Bのボディ11は、共に、治具2の後側を跨ぐように配置されることになる。
【0025】
組み立てた直角クランプ装置1は、2つの板材91,92を直角に継ぐ際の補助器具として用いられる。
図4及び図5に示すように、直角継ぎ用治具2の第1面21aに第1板材91を宛がう。このとき、第1板材91の後側の端面を第1凸縁部231に宛がうとよい。これによって、第1板材91の前後方向の位置決めを容易に行なうことができる。また、第1板材91が第1クランプ10Aのボディ11に当たるのを防止することができる。続いて、第1クランプ10Aのクランパー14Aを緊締し、第1板材91を第1面21aとの間に挟持する。第1クランプ10Aが治具2にしっかりと固定され、ぐらつくことがないので、クランパー14Aの緊締操作を作業者一人で容易に行なうことができる。
【0026】
同様に、直角継ぎ用治具2の第2面22aに第2板材92を宛がう。このとき、第2板材92の後側の端面を第2凸縁部232に宛がうとよい。これによって、第2板材92の前後方向の位置決めを容易に行なうことができる。しかも、第2板材92の後端面が、第1板材91の後端面と容易に面一になるようにすることができる。また、第2板材92が第2クランプ10Bのボディ11に当たるのを防止することができる。
さらに、第2板材92の継ぎ側の端面を第1板材91の端部に突き当てる。続いて、第2クランプ10Bのクランパー14B緊締し、第2板材92を第2面22aとの間に挟持する。第2クランプ10Bが治具2にしっかりと固定され、ぐらつくことがないので、クランパー14Bの緊締操作を作業者一人で容易に行なうことができる。これによって、2つの板材91,92をL字状に組んだ状態でしっかりと固定することができる。
【0027】
しかる後に、第1板材91が第2板材92の上側に位置するようにして第2板材92を垂直に立てる。そして、釘70を金槌(図示せず)で打ちつけ、第1板材91と第2板材92を一体化する。直角クランプ装置1によって第1板材91と第2板材92がL字状にしっかりクランプされているので、第1板材91と第2板材92がずれるのを確実に防止しながら釘打ち作業を行なうことができる。また、2つのクランプ10A,10Bが共に治具2の後側を跨ぐように配置されているので、これらクランプ10A,10Bが釘打ちの邪魔になるのを回避でき、釘打ち作業を一層簡単に行なうことができる。これによって、第1板材91と第2板材92を作業者一人で容易に、かつ正確に直角に継ぐことができる。
【0028】
直角クランプ装置1は、簡易な構造の直角継ぎ用治具2に市販の2つのクランプ10A,10Bを組み合わせたものであり、極めて安価に構成することができる。直角クランプ装置1の不使用時には、ネジ41,42を緩めることにより、クランプ10を直角継ぎ用治具2から容易に外すことができる。外したクランプ10は、他のクランプ用途に用いることができる。これにより、クランプ10の汎用性を確保でき、利便性を向上することができる。
治具2の後端部に設けた縁板23は、ベース20を補強するリブとしても機能し、治具2の剛性を高めることができる。
【0029】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の実施形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
図6〜図8は、本発明の第2実施形態を示したものである。この実施形態に係る直角クランプ装置1Xでは、各クランプ10A,10Bを直角継ぎ用治具2に固定するためのネジ41,42が設けられていない。シート部12がホルダ31,32の嵌合凹部31a,32aにそれぞれスライド嵌合されるだけで、各クランプ10A,10Bが治具2に安定的に装着されるようになっている。
第1ホルダ31が単独で「第1装着部」を構成し、第2ホルダ32が単独で「第2装着部」を構成している。
【0030】
第1板材91(図示せず)を治具2の第1面21aとクランパー14Aとの間に配置し、クランパー14Aを緊締すれば、第1板材91と共に第1ベース部21をもクランプでき、治具2と第1クランプ10Aを強く固定することができる。同様に、第2板材92(図示せず)を治具2の第2面22aとクランパー14Bとの間に配置し、クランパー14Bを緊締すれば、第2板材92と共に第2ベース部22をもクランプでき、治具2と第2クランプ10Bを強く固定することができる。
【0031】
図6に示すように、装置1Xの第1ホルダ31と第1ベース部21との間には、第1補強プレート61が挟まれている。第1ホルダ31と第1補強プレート61とはネジ43にて一体化されている。第1ベース部21の裏面には凹部21bが形成されている。この凹部21bに第1補強プレート61が収容されるとともに、接着剤にて第1補強プレート61と第1ベース部21とが接着されている。同様に、第2ホルダ32と第2ベース部22との間には、第2補強プレート62が挟まれている。第2ホルダ32と第2補強プレート62とはネジ44にて一体化されている。第2補強プレート62が、第2ベース部22の裏面の凹部22bに収容されるともに接着剤にて第2ベース部22に接着されている。
【0032】
各ホルダ31,32の角部は、面取りされている。
図7に示すように、各ホルダ31,32の切り込み31b,32bの後端部は、ホルダ31,32の後端面に近づくにしたがって拡幅されている。これによって、クランプ10のボディ11のシート側端部を差し入れしやすくなっている。
図8に示すように、ベース20の前側の端部には、三角形状の端板24が設けられている。この端板24によってベース20の剛性が一層高められ、直角度が確実に維持されている。
【0033】
第1、第2ホルダ31,32のベース20への結合手段は、溶接(第1実施形態)又は接着(第2実施形態)等の分離困難なものに限られず、ネジやフック機構等の分離容易な結合手段を用いてもよい。
ホルダ31,32を省略し、クランプ10A,10Bをベース部21,22に直接接合することにしてもよい。例えば、図9に示す直角クランプ装置1Yでは、第1クランプ10Aのシート部12Aにネジ孔17aが形成されている。シート部12Aが第1ベース部21の裏面に直接当てられ、ネジ45がネジ孔17aに螺合されることにより、第1クランプ10Aが第1ベース部21に固定されている。第1ベース部21の裏面とネジ45により第1装着部51が構成されている。
同様に、第2クランプ10Bのシート部12Bにネジ孔17bが形成されている。シート部12Bが第2ベース部22の裏面に直接当てられ、ネジ46がネジ孔17bに螺合されることにより、第2クランプ10Bが第2ベース部22に固定されている。第2ベース部22の裏面とネジ46により第2装着部52が構成されている。
【0034】
図10及び図11は、第4実施形態に係る直角クランプ装置1Aを示したものある。これら図面において、水平に位置された第2ベース部22には、その手前側(図11において下)から垂下された第1ベース部21より左側(第1、第2面21a,22aの何れとも平行な方向(図11において左右)の一側)に延出する延出部25が設けられている。この延出部25を含む第2ベース部22の外面の全体が、第2板材92を添えることのできる第2面22aとなっている。
【0035】
延出部25の裏側に第2装着部52が設けられている。この第2装着部52に第2クランプ10Bのシート部12Bが装着されている。装着状態の第2クランプ10Bのボディ11Bは、延出部25の手前側の縁と平面視で直交するようにして、該延出部25の手前側の縁を下から上に跨いでいる。
【0036】
第1ベース部21の左側(延出部側)の縁には、第1凸縁部231が設けられている。
一方、第2ベース部22には、凸縁部232(図1)が設けられていない。
【0037】
直角クランプ装置1Aによれば、第2板材92を、第1凸縁部231で位置規制された第1板材91より左方へ延出させた状態で、第1、第2板材91,92を直角に組んでクランプすることができ、その状態で釘打ちすることができる。
この実施形態においては、第2板材92の手前側の端面に第1板材91の上端部を当て、第1板材91の上端面と第2板材92の上面とが面一になるように組んでいるが、これに代えて、第1板材91の上端面に第2板材92の下面を当て、第2板材92の手前側の端面と第1板材91の前面とが面一になるように組むことにしてもよい。
第2クランプ10Bのボディ11Bは、延出部25の手前側の縁を跨ぐように配置されているが、これに代えて、第2ベース部22の向こう側(図11において上)の縁を跨ぐように配置されていてもよく、延出部25の左端縁(延出方向側の端縁)を跨ぐように配置されていてもよい。
【0038】
図12は、第5実施形態に係る直角クランプ装置1Bを示したものである。この直角クランプ装置1Bでは、水平をなす第2ベース部22の裏面に、第2装着部52が斜めに、例えばほぼ45度になる角度で取り付けられている。この第2装着部52に装着された第2クランプ10Bのボディ11Bが、平面視すなわち第2ベース部22と直交する方向から見て、図12の紙面と直交する第1面21aを含む仮想の垂直な平面PLに対し斜めに、例えばほぼ45度で交差している。しかも、ボディ11Bは、平面視で第2ベース部22の左手前側の角部20cの近傍において上記仮想の垂直平面PLと交差し、この角部20cを下から上(裏側から表側)に跨いでいる。ボディ11Bの垂直部分111の内側の縁111aは、上記仮想垂直平面PLより手前側(図12において下)に位置されている。
【0039】
第2ベース部22の手前側に第1ベース部21が垂下されている。この第1ベース部21の左端縁(上記角部20cに連なる側の縁)の第2クランプ10Bより下側(図12において紙面奥)を第1クランプ10Aのボディ11Aが跨いでいる。
【0040】
第1ベース部21の左端縁(上記角部20cに連なる側の縁)には、第1凸縁部231が設けられている。この第1凸縁部231に図12の紙面と直交する第1板材91の左端面が当てられている。
一方、第2ベース部22には、凸縁部232(図1)が設けられていない。この第2ベース部22上に第2板部92が載せられ、その手前側(図12において下)の端面が、第1板材91の上端部(図12において紙面手前側)に当接されている。この第2板部92の手前側の端面は、仮想平面PL上に位置されている。
【0041】
直角クランプ装置1Bによれば、第2クランプ10Bのボディ11Bを斜めにすることによって、該ボディ11Bの垂直部分111を第2板材92の手前側の縁より手前側に逃がすことができる。したがって、第2ベース部22に延出部25(図10及び図11)を設けなくても、上記第4実施形態と同様に、第2板材92を第1板材91より左側へ延出させた状態で、第1、第2板材91,92を直角に組んでクランプすることができる。
【0042】
図13及び図14は、クランプ構造の改良に係る実施形態を示したものである。図14(b)に示すように、一般に、クランプ10のクランプ皿15は、大略扁平に近い円錐形状になっている。したがって、クランプ皿15を直接、板材91,92に押し当てた場合、クランプ皿15の周縁部だけが板材91,92に接触する。この狭い接触部分にクランプ圧力が作用するため、板材91,92が木材や樹脂などの比較的軟質材料である場合、その表面にクランプの跡(凹み)が残りやすい。
【0043】
そこで、この実施形態では、図13に示すように、クランプ10のクランプ皿(板材当接部)15には、当接アタッチメント80が着脱自在に設けられている。当接アタッチメント80は、アタッチメント本体81と、接合手段82とを有している。
図13及び図14(a)に示すように、アタッチメント本体81は、樹脂で構成され、クランプ皿15より大径の円板状をなしている。アタッチメント本体81の材質は、非磁性であればよく、樹脂に代えて非磁性の金属を用いてもよい。アタッチメント本体81の底面(図13において下面)は、全体的にほぼ平坦になっている。アタッチメント本体81の底面には、板材91,92との摩擦抵抗を高めるための粗面化等の処理を施すことにしてもよい。
【0044】
アタッチメント本体81の上面には、装着凹部81aが形成されている。同図(b)及び(c)に示すように、この装着凹部81aにクランプ皿15が抜き差し自在に収容されるようになっている。
【0045】
アタッチメント本体81の装着凹部81aの底部には、クランプ皿15との接合手段として永久磁石からなる小片状のピース82が埋め込まれている。図14(c)に示すように、装着凹部81aにクランプ皿15を入れると、ピース82と金属製のクランパー14及びクランプ皿15との間の磁気引力によって、当接アタッチメント80をクランプ皿15に安定的にくっ付けておくことができる。
【0046】
図13に示すように、クランプ皿15に当接アタッチメント80を装着した状態においては、アタッチメント本体81の底面が板材91(又は92)に当接されることになる。したがって、クランプ皿15を直接板材91(又は92)に当接させるよりも、クランプの押圧面積を十分に大きくすることができ、押圧力を分散させることができる。これにより、板材91,92が例えば木材や樹脂などの軟質材料で構成されていたとしても、表面にクランプの跡が残るのを防止することができる。
当接アタッチメント80のクランプ皿15への接合手段は磁石82で構成されているので、クランプの使用後は、当接アタッチメント80をクランプ10から簡単に取り外すことができる。
【0047】
図15は、当接アタッチメント80のクランプ皿15への接合手段の変形例を示したものである。同図(a)に示すように、この接合手段は、ゴム等の弾性材からなるリング83で構成されている。リング83は、装着凹部81aの内周縁に沿って設けられている。
【0048】
図15(b)に示すように、当接アタッチメント80のクランプ皿15への装着時には、リング83を弾性変形させながら、クランプ皿15をリング83の内側に押し込むようにして装着凹部81aに収容する。すると、リング83が、その弾性によりクランプ皿15の周縁に押し当てられるとともに、クランプ皿15の表側面に乗り上げるようにして引っ掛かる。これにより、クランプ皿15に当接アタッチメント80をくっ付けることができる。
【0049】
クランプ使用後は、当接アタッチメント80をクランプ皿15から離す方向へ引けば、リング83が弾性変形し、接合状態を容易に解除することができる。
【0050】
図16は、当接アタッチメント80のクランプ皿15への接合手段の別の変形例を示したものである。アタッチメント本体81の装着凹部81aの開口側の縁には、内側に突出する係合爪84が設けられている。係合爪84は、装着凹部81aの全周にわたる環状になっていてもよく、周方向に間隔を置いて複数(例えば3つ又は4つ程度)設けられていてもよい。
【0051】
当接アタッチメント80のクランプ皿15への装着時には、係合爪84を弾性変形させならクランプ皿15を装着凹部81aに収める。これにより、係合爪84がクランプ皿15の表側面に引っ掛かり、当接アタッチメント8とのクランプ皿15とが接合される。
クランプ使用後は、当接アタッチメント80をクランプ皿15から離す方向へ引けば、係合爪84が弾性変形し、接合状態を容易に解除することができる。
【0052】
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の改変をなすことができる。
例えば、上記実施形態では、第1板材91と第2板材92をL字状に組んでいたが、本直角クランプ装置及び直角継ぎ治具はT字状に組む場合にも適用可能である。
上記各実施形態の独自構成を互いに組み合わせてもよい。
治具2の各構成部材は、剛性確保の観点から金属製であるのが好ましいが、樹脂製であってもよい。
板材91,92の材質に限定は無く、木材でもよく、樹脂でもよく、金属でもよい。
板材91,92どうしの継ぎ手段は、釘打ちに限られず、ビス、ネジ、ボルトであってもよく、アングル材などのブラケットを介したものであってもよく、これらと接着剤との組み合わせであってもよく、接着剤のみであってもよく、溶接、溶着、融着でもよい。
第1実施形態において、第1凸縁部231と第2凸縁部232のうち何れか1つだけが設けられ、他方が省略されてもよい。
図13〜図16の当接アタッチメント80は、第1実施形態の直角クランプ装置1に限られず、他の実施形態の直角クランプ装置1A,1B,1X,1Yにも適用でき、さらにはクランプ皿15(板材当接部)を有するものあれば直角クランプ装置に限られず種々のクランプ装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1実施形態に係る直角クランプ装置の分解斜視図である。
【図2】上記直角クランプ装置を組み立てた状態で示す底面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う上記直角クランプ装置の正面断面図である。
【図4】上記直角クランプ装置で2つの板材を直角に継ぐ状態を、図5のIV−IV線に沿って示す正面断面図である。
【図5】上記直角クランプ装置で2つの板材を直角に継ぐ状態を、図4のV−V線に沿って示す側面断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る直角クランプ装置を、図7のVI−VI線に沿って示す正面断面図である。
【図7】上記第2実施形態に係る直角クランプ装置を、図6のVII−VII線に沿って示す底面断面図である。
【図8】上記第2実施形態に係る直角継ぎ用治具の斜視図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る直角クランプ装置の正面断面図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係る直角クランプ装置の斜視図である。
【図11】上記第4実施形態に係る直角クランプ装置の平面図である。
【図12】本発明の第5実施形態に係る直角クランプ装置の平面図である。
【図13】クランプの改良構造に係る変形例を示し、当接アタッチメントを装着した直角クランプ装置の正面図である。
【図14】(a)は、上記当接アタッチメントの平面図であり、(b)は、上記当接アタッチメントとクランプのクランプ皿との分離状態における正面断面図であり、(c)は、上記当接アタッチメントとクランプのクランプ皿との組み状態における正面断面図である。
【図15】上記当接アタッチメントの接合手段の変形例を示し、(a)は、当接アタッチメントとクランプのクランプ皿との分離状態における正面断面図であり、(b)は、当接アタッチメントとクランプのクランプ皿との組み状態における正面断面図である。
【図16】上記当接アタッチメントの接合手段の別の変形例を、該当接アタッチメントとクランプのクランプ皿との組み状態で示す正面断面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 直角クランプ装置
1A,1B,1X,1Y 直角クランプ装置
10A 第1クランプ
10B 第2クランプ
11 ボディ
12 シート部
14 クランパー
15 クランプ皿
2 直角継ぎ用治具
21 第1ベース部
21a 第1面
22 第2ベース部
22a 第2面
231 第1凸縁部
232 第2凸縁部
25 延出部
31 第1ホルダ
31a 嵌合凹部
32 第2ホルダ
32a 嵌合凹部
41 ネジ(第1固定手段)
42 ネジ(第2固定手段)
51 第1装着部
52 第2装着部
70 釘
80 当接アタッチメント
81 アタッチメント本体
82 マグネットピース(接合手段)
83 弾性リング(接合手段)
84 係合爪(接合手段)
91 第1板材
92 第2板材
PL 仮想の平面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直角に継がれるべき第1板材と第2板材をクランプする装置であって、
(a) C型のボディと、このボディの一端部に設けられたシート部と、前記ボディの他端部に前記シート部に対し接近離間可能に設けられたクランパーとを有するC型クランプから各々なる第1クランプ及び第2クランプと、
(b) 治具と、
を備え、前記治具が、
前記第1板材が添えられるべき第1面と、
前記第1面と直交するとともに、前記第2板材が添えられるべき第2面と、
前記第1クランプのクランパーが前記第1面と対向するようにして、前記第1クランプのシート部を着脱自在に装着する第1装着部と、
前記第2クランプのクランパーが前記第2面と対向するようにして、前記第2クランプのシート部を着脱自在に装着する第2装着部と、
を含むことを特徴とする直角クランプ装置。
【請求項2】
C型のボディと、このボディの一端部に設けられたシート部と、前記ボディの他端部に前記シート部に対し接近離間可能に設けられたクランパーとを有するC型クランプから各々なる第1クランプ及び第2クランプと協働して、直角に継がれるべき第1板材と第2板材を保持するための治具であって、
前記第1板材が添えられるべき第1面を有する第1ベース部と、
前記第1面と直交するとともに前記第2板材が添えられるべき第2面を有して、前記第1ベース部に連なる第2ベース部と、
を備え、前記第1ベース部の前記第1面の裏側には、前記第1クランプのシート部を着脱自在に装着する第1装着部が設けられ、この第1装着部による装着状態において前記第1クランプのクランパーが前記第1面と対向するようになっており、
前記第2ベース部の前記第2面の裏側には、前記第2クランプのシート部を着脱自在に装着する第2装着部が設けられ、この第2装着部による装着状態において前記第2クランプのクランパーが前記第2面と対向するようになっていることを特徴とする直角継ぎ用治具。
【請求項3】
前記第1装着部が、前記第1クランプのシート部をスライド嵌合可能なホルダと、このホルダに嵌合されたシート部を押えて固定するネジとを含むことを特徴とする請求項2に記載の直角継ぎ用治具。
【請求項4】
前記第1装着部に前記第1クランプのシート部を装着した状態において、前記第1クランプのボディが、前記第1ベース部における前記第1、第2面の何れとも平行な方向の一側を裏側から表側へ跨ぐように配置されるようになっていることを特徴とする請求項3に記載の直角継ぎ用治具。
【請求項5】
前記第1ベース部の前記一側を向く縁には、前記第1面から角度をなして突出する第1凸縁部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の直角継ぎ用治具。
【請求項6】
前記第2ベース部が、前記第1ベース部より前記第1、第2面の何れとも平行な方向の一側に延出された延出部を有し、この延出部に前記第2装着部が設けられていることを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載の直角継ぎ用治具。
【請求項7】
前記第2装着部に前記第2クランプを装着した状態において、前記第2クランプのボディが、前記第2面と直交する方向から見て前記第1面を含む仮想の平面と斜めに交差することを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載の直角継ぎ用治具。
【請求項8】
前記第1又は第2クランプのクランパーにおける前記シート部側の端部のクランプ皿には、該クランプ皿より大きく前記第1又は第2板材に当接されるべき当接面を有する当接アタッチメントが着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の直角クランプ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−75869(P2008−75869A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−121363(P2007−121363)
【出願日】平成19年5月2日(2007.5.2)
【出願人】(504185658)
【Fターム(参考)】