真空二重配管の継手、及び真空二重配管の接続構造
【課題】断熱性の低下を抑制するとともに、真空二重配管を真空に排気する手間を減らすことのできる真空二重配管の継手、及び真空二重配管の接続構造を提供する。
【解決手段】L型継手50は、内管を覆う外管を有して内管と外管との間を真空にする真空二重配管を互いに接続する。L型継手50は、内管にそれぞれ接続される内管接続部53を有して、各内管の流路を互いに連通させるとともに、内管接続部53間の途中部分が密閉された内管継ぎ部51と、内管継ぎ部51を覆うとともに、外管にそれぞれ接続される外管接続部63を有する外管継ぎ部61とを備える。内管継ぎ部51と外管継ぎ部61との間の空間によって排気通路55が形成され、排気通路55は、内管と外管との間の各空間を互いに連通させるとともに、外管接続部63間の途中部分が密閉されている。
【解決手段】L型継手50は、内管を覆う外管を有して内管と外管との間を真空にする真空二重配管を互いに接続する。L型継手50は、内管にそれぞれ接続される内管接続部53を有して、各内管の流路を互いに連通させるとともに、内管接続部53間の途中部分が密閉された内管継ぎ部51と、内管継ぎ部51を覆うとともに、外管にそれぞれ接続される外管接続部63を有する外管継ぎ部61とを備える。内管継ぎ部51と外管継ぎ部61との間の空間によって排気通路55が形成され、排気通路55は、内管と外管との間の各空間を互いに連通させるとともに、外管接続部63間の途中部分が密閉されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内管と外管との間を真空にする真空二重配管を接続する継手、及び真空二重配管の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の接続構造として、真空二重配管の内管と外管との間隙を、両端においてフランジで封鎖して密閉空間としたものがある(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の接続構造では、フランジ同士を対向させてフェルールクランプで接続し、内管を互いに連通させるとともに、フランジの対向面において内管の周囲をパッキンでシールしている。そして、外管に真空引き口を設け、この真空引き口を通じて内管と外管との間の密閉空間を真空に排気して、内管と外管との間を断熱している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−213675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の接続構造では、フランジを介して内管と外管との間で熱伝導が行われるため、このフランジを含む継手の部分で内管と外管との断熱性が低下することとなる。
【0005】
また、特許文献1に記載の真空二重配管では、内管と外管とに挟まれた空間を各二重配管で独立させているため、それぞれの二重配管について真空排気を行う必要がある。このため、複数の真空二重配管を真空に排気するために多くの手間が掛かる。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、断熱性の低下を抑制するとともに、真空二重配管を真空に排気する手間を減らすことのできる真空二重配管の継手、及び真空二重配管の接続構造を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
【0008】
第1の発明は、内管を覆う外管を有して前記内管と前記外管との間を真空にする真空二重配管を互いに接続する継手であって、前記内管にそれぞれ接続される内管接続部を有して、各内管の流路を互いに連通させるとともに、前記内管接続部間の途中部分が密閉された内管継ぎ部と、前記内管継ぎ部を覆うとともに、前記外管にそれぞれ接続される外管接続部を有する外管継ぎ部とを備え、前記内管継ぎ部と前記外管継ぎ部との間の空間によって排気通路が形成され、前記排気通路は、前記内管と前記外管との間の各空間を互いに連通させるとともに、前記外管接続部間の途中部分が密閉されていることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、真空二重配管の内管が外管によって覆われており、内管と外管との間が真空にされる。このため、内管と外管との間が真空により断熱された状態となる。そして、複数の真空二重配管が継手で互いに接続され、継手を介して各内管の流路に流体が流通させられる。
【0010】
ここで、内管にそれぞれ接続される内管接続部を有する内管継ぎ部によって、各内管の流路が互いに連通させられる。そして、内管継ぎ部は、内管接続部間の途中部分が密閉されているため、各内管の流路を流通する流体を漏らすことなく流通させることができる。
【0011】
外管継ぎ部は、内管継ぎ部を覆うとともに、外管にそれぞれ接続される外管接続部を有している。そして、内管継ぎ部と外管継ぎ部との間の空間によって排気通路が形成されている。この排気通路は、内管と外管と間の各空間を互いに連通させるとともに、外管接続部間の途中部分が密閉されている。
【0012】
このため、真空二重配管の内管と外管との間の空間を真空に排気することにより、この空間に連通する上記排気通路、すなわち内管継ぎ部と外管継ぎ部との間の空間を真空に排気することができる。したがって、内管継ぎ部と外管継ぎ部との断熱性を向上させることができ、継手の部分で真空二重配管の断熱性が低下することを抑制することができる。
【0013】
さらに、上記排気通路は、内管と外管との間の各空間を互いに連通させているため、1つの真空二重配管を真空に排気することにより、この排気通路を通じて複数の真空二重配管をまとめて真空に排気することができる。その結果、真空二重配管を真空に排気する手間を減らすことができる。
【0014】
なお、内管接続部及びそれと同数の外管接続部は、任意の複数設けることができる。例えば、それらが共に2つの場合には継手を直線状に形成することができ、それらが共に3つの場合には継手を「T」字状に形成することができる。また、真空二重配管は、内管を覆う外管を有して内管と外管との間を真空にするものであればよく、内管を流通する流体を制御するバルブユニットの二重配管部(例えば、流体通路部とそれを覆うケース)であってもよい。ちなみに、真空は、大気圧よりも圧力の低い状態を含むものとする。
【0015】
第2の発明では、第1の発明において、前記内管継ぎ部と前記外管継ぎ部とが、点接触又は線接触の状態で互いに支持されている。このため、内管継ぎ部と外管継ぎ部との間の熱伝導を抑制しつつ、これらを互いに支持することができる。
【0016】
なお、内管継ぎ部と外管継ぎ部とは、それらの一部によって点接触又は線接触の状態とされていてもよく、また、それらに取り付けられた他の部材によって点接触又は線接触の状態とされていてもよい。
【0017】
具体的には、第3の発明のように、第2の発明において、前記内管継ぎ部の外周には支持部材が組み付けられており、前記支持部材の外面には複数の突出部が設けられ、前記外管継ぎ部が、前記複数の突出部により点接触又は線接触の状態で支持されているといった構成を採用することができる。
【0018】
上記構成によれば、外面に複数の突出部を有する支持部材を内管継ぎ部の外周に組み付けることにより、外管継ぎ部を点接触又は線接触の状態で支持する構成を容易に実現することができる。
【0019】
第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明における真空二重配管の継手と、前記真空二重配管と、前記内管と前記内管接続部との間を前記内管の径方向でシールする内管シール部材と、前記外管と前記外管接続部との間をシールする外管シール部材と、前記外管と前記外管接続部とを取り外し可能な状態で接続する接続部材と、を備えることを特徴とする。
【0020】
上記構成によれば、内管と内管接続部との間が内管シール部材によってシールされ、外管と外管接続部との間が外管シール部材によってシールされる。
【0021】
ここで、内管シール部材は、内管と内管接続部との間を内管の径方向でシールするため、内管と内管接続部とが内管の延びる方向(内管の軸線方向)に相対移動することを許容することができる。このため、内管の温度変化による伸縮を吸収して、真空二重配管及び継手に生じる熱応力を緩和することができる。
【0022】
また、接続部材は、外管と外管接続部とを取り外し可能な状態で接続しているため、メンテナンス等を行う際には外管と外管接続部とを取り外すことができる。この際、内管と内管接続部とは、内管の延びる方向に相対移動することが許容されているため、外管と外管接続部との取り外しと同時にこれらも取り外すことができる。
【0023】
真空二重配管の接続構造として、第1の構成は、内管を覆う外管を有して前記内管と前記外管との間を真空にする真空二重配管と、前記内管に接続される内管接続部を有するとともに、前記内管の流路に連通する内部流路を有する内管継ぎ部材と、前記外管に接続される外管接続部を有するとともに、前記内管継ぎ部材を覆ってその内管継ぎ部材と一体化された外管継ぎ部材と、前記内管と前記内管接続部との間を前記内管の径方向でシールする内管シール部材と、前記外管と前記外管接続部との間をシールする外管シール部材と、前記外管と前記外管接続部とを取り外し可能な状態で接続する接続部材と、を備えることを特徴とする。
【0024】
上記構成によれば、第4の発明に準じた作用効果を奏することができる。なお、第1の構成は、複数の真空二重配管を互いに接続するものに限らず、真空二重配管と両継ぎ部材(内管継ぎ部材及び外管継ぎ部材)とを接続する部分に対して適用することができる。
【0025】
第2の構成では、第1の構成において、前記内管接続部と前記外管接続部とがベローズを介して接続されており、前記内管接続部と前記外管接続部との間が前記ベローズによってシールされていることを特徴とする。
【0026】
上記構成によれば、内管接続部と外管接続部とを接続するベローズによって、温度変化による内管と外管との伸縮の差を吸収することができる。したがって、真空二重配管に生じる熱応力を緩和することができる。
【0027】
さらに、内管接続部と外管接続部との間がベローズによってシールされているため、内管と外管と間の空間に連通する空間をベローズによって封鎖することができる。したがって、真空二重配管の内管と外管との間の空間を真空に排気することにより、内管接続部と外管接続部との間の空間を真空に排気することができる。その結果、内管接続部と外管接続部との断熱性を向上させることができる。
【0028】
第5の発明では、第4の発明において、前記外管シール部材は、前記外管と前記外管接続部との間を前記外管の延びる方向でシールするものであり、前記接続部材は、前記外管シール部材が所定量変形された状態で、前記外管と前記外管接続部との接続状態を保持することを特徴とする。
【0029】
上記構成によれば、外管シール部材は、外管と外管接続部との間を外管の延びる方向(真空二重配管の軸線方向)でシールするため、真空二重配管と継手とを外管の延びる方向に相対移動させることにより、外管と外管接続部との間をシールすることができる。すなわち、真空二重配管と継手とを外管の延びる方向で互いに差し込むことにより、外管と外管接続部との間をシールすることができる。
【0030】
このとき、上述したように、内管シール部材は、内管と内管接続部との間を内管の径方向でシールするため、真空二重配管と継手とを外管の延びる方向で互いに差し込むことにより、内管と内管接続部との間も同時にシールすることができる。
【0031】
さらに、外管シール部材が所定量変形された状態で、外管と外管接続部との接続状態が接続部材によって保持されるため、外管シール部材の変形量、すなわち外管シール部材によるシール状態を安定させることができる。
【0032】
第6の発明では、第4又は第5の発明において、前記外管接続部には、前記外管と前記外管接続部との接続状態を解除するように、前記接続部材に対して操作することを可能とする操作部が設けられていることを特徴とする。
【0033】
上記構成によれば、操作部を介して接続部材を操作することにより、外管と外管接続部との接続状態を解除することができる。このとき、内管と内管接続部とに対しては外部から操作することができないが、内管と内管接続部との間は内管シール部材によって内管の径方向でシールされているのみである。
【0034】
したがって、真空二重配管と継手とを配管の延びる方向に引き離すことにより、内管と内管接続部との接続状態を解除することができる。その結果、真空二重配管と継手との接続状態を容易に解除することができる。
【0035】
なお、操作部として、外管接続部に設けられた切欠き部等を採用することができる。
【0036】
さらに、第7の発明では、第6の発明において、前記操作部は、前記外管と前記外管接続部とが前記接続部材により接続されていることを視認可能とする視認部を含むといった構成を採用している。このため、接続部材に対して操作することを可能とする操作部に、外管と外管接続部との接続を視認可能とする視認部としての機能を持たせることができる。したがって、視認部を設けるための加工工数が増加することを抑制しつつ、外管と外管接続部とをより確実に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】温度制御システムの外観を示す斜視図。
【図2】温度制御システムの回路図。
【図3】真空二重配管の断面図。
【図4】支持リングの斜視図。
【図5】L型継手の断面図。
【図6】U型継手の断面図。
【図7】操作部の正面図。
【図8】バルブユニット及びその周辺の斜視図。
【図9】バルブユニットを正面方向から見た断面図。
【図10】図9の10−10線断面図。
【図11】真空二重配管の接続状態を示す断面図。
【図12】係止リング及びその係止状態を示す斜視図。
【図13】真空ポンプの吸引通路とバルブユニットとの接続状態を示す断面図。
【図14】真空二重配管の接続状態の変形例を示す断面図。
【図15】操作部の変形例を示す断面図。
【図16】継手の変形例を示す断面図。
【図17】バルブユニットの変形例を示す斜視図。
【図18】バルブユニットの他の変形例を示す斜視図。
【図19】バルブユニットの他の変形例を示す部分断面図。
【図20】バルブユニットの他の変形例を示す断面図。
【図21】継手の他の変形例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、半導体製造装置のプロセスチャンバ内においてワークを保持及び加熱するワークホルダに対して、異なる温度の熱媒体を切り替えつつ循環させる温度制御システムとして具体化している。
【0039】
図1は、温度制御システムの外観を示す斜視図である。なお、図1では、半導体製造装置のうち、温度制御システムに係る部分を示している。
【0040】
この温度制御システムは、ガルデン(熱媒体)の流通方向に沿って、供給ユニット10、供給通路21H,21C、供給側のバルブユニット70A、導入通路23W、ワークホルダ15、導出通路24W、回収側のバルブユニット70B、回収通路22H,22Cを備えている。また、バルブユニット70Aとバルブユニット70Bとは、バイパス通路25H,25Cによってそれぞれ接続されている。バルブユニット70Bには、真空ポンプの吸引通路19が接続されている。
【0041】
供給通路21H,21C、導入通路23W、導出通路24W、及び回収通路22H,22Cの一部を構成する直線状の各配管は、L型継手50及びバルブユニット70A,70Bによってそれぞれ接続されている。バイパス通路25H,25Cの一部を構成する直線状の各配管は、U型継手50Uによってそれぞれ接続されている。
【0042】
高温側の供給通路21Hと低温側の供給通路21Cとは、並列に設置されており、具体的には互いに平行に設置されている。同様にして、高温側の回収通路22Hと低温側の回収通路22Cとは、並列に設置されており、具体的には互いに平行に設置されている。さらに、高温側のバイパス通路25Hと低温側のバイパス通路25Cとは、並列に設置されており、具体的には互いに平行に設置されている。なお、これらの通路、継手50,50U、バルブユニット70A,70B、及びワークホルダ15は、アングル等で組み立てられたフレーム18によって支持されている。
【0043】
図2は、上記温度制御システムにおいてガルデンの流通する経路を示す回路図である。
【0044】
供給ユニット10は、高温のガルデンを供給及び回収する高温側供給機と、低温のガルデンを供給及び回収する低温側供給機とを備えている。高温側供給機は、高温側の開閉弁11Hを介して150℃のガルデンを供給する。低温側供給機は、低温側の開閉弁11Cを介して15℃のガルデンを供給する。なお、高温のガルデン及び低温のガルデンの各温度は、適用される装置に応じて適宜変更することができる。
【0045】
高温側の開閉弁11Hには、高温側の供給通路21Hが接続されている。開閉弁11Hは供給通路21Hを開閉する。供給通路21Hは、供給側のバルブユニット70Aを介して、高温側のバイパス通路25H及び導入通路23Wに接続されている。供給通路21Hとバイパス通路25Hとは、常に連通された状態になっている。バルブユニット70Aは、供給通路21Hと導入通路23Wとを、連通状態と遮断状態とで切り替える。
【0046】
同様にして、低温側の開閉弁11Cには、低温側の供給通路21Cが接続されている。開閉弁11Cは供給通路21Cを開閉する。供給通路21Cは、供給側のバルブユニット70Aを介して、低温側のバイパス通路25C及び導入通路23Wに接続されている。供給通路21Cとバイパス通路25Cとは、常に連通された状態になっている。バルブユニット70Aは、供給通路21Cと導入通路23Wとを、連通状態と遮断状態とで切り替える。
【0047】
導入通路23Wは、ワークホルダ15内に設けられたホルダ内通路の入口に接続されている。このホルダ内通路は、ガルデンがワークホルダ15の内部を偏りなく流通するように、二重渦巻状に形成されている。ホルダ内通路の出口は、導出通路24Wに接続されている。
【0048】
導出通路24Wは、回収側のバルブユニット70Bを介して、高温側の回収通路22H及び低温側の回収通路22Cにそれぞれ接続されている。バルブユニット70Bは、導出通路24Wと高温側の回収通路22Hとを、連通状態と遮断状態とで切り替える。また、バルブユニット70Bは、導出通路24Wと低温側の回収通路22Cとを、連通状態と遮断状態とで切り替える。
【0049】
高温側のバイパス通路25Hは、回収側のバルブユニット70Bを介して、高温側の回収通路22Hに接続されている。バイパス通路25Hと回収通路22Hとは、常に連通された状態になっている。なお、バイパス通路25Hは、バルブユニット70Bを介して、導出通路24Wに接続されている。
【0050】
同様にして、低温側のバイパス通路25Cは、回収側のバルブユニット70Bを介して、低温側の回収通路22Cに接続されている。バイパス通路25Cと回収通路22Cとは、常に連通された状態になっている。なお、バイパス通路25Cは、バルブユニット70Bを介して、導出通路24Wに接続されている。
【0051】
高温側のバイパス通路25Hには、高温側の圧力計16Hと、高温側の絞り弁17Hとが設けられている。圧力計16Hは、バイパス通路25H内を流通するガルデンの圧力を検出する。絞り弁17Hは、バイパス通路25Hの流路面積を変更することにより、バイパス通路25H内を流通するガルデンの量を調節する。同様にして、低温側のバイパス通路25Cには、低温側の圧力計16Cと、低温側の絞り弁17Cとが設けられている。
【0052】
高温側の回収通路22Hは、高温側の開閉弁12Hに接続されている。開閉弁12Hは回収通路22Hを開閉する。そして、開閉弁12Hを介して、高温のガルデンが高温側供給機に回収される。
【0053】
同様にして、低温側の回収通路22Cは、低温側の開閉弁12Cに接続されている。開閉弁12Cは回収通路22Cを開閉する。そして、開閉弁12Cを介して、低温のガルデンが低温側供給機に回収される。
【0054】
ここで、供給通路21H,21C、バルブユニット70A,70B、導入通路23W、導出通路24W、バイパス通路25H,25C、及び回収通路22H,22Cは、それぞれ二重構造に形成されている。そして、二重構造の隙間部分を真空に排気することが可能となっている。
【0055】
具体的には、これらの通路やバルブユニット70A,70Bの各隙間部分が互いに連通しており、一連の空間を形成している。そして、一連の空間の端部が封鎖されており、真空に排気するための吸引部分を除いて、この一連の空間は密閉されている。例えば、導入通路23Wとワークホルダ15との接続部、及び導出通路24Wとワークホルダ15との接続部において、一連の空間がそれぞれ封鎖されている。
【0056】
この一連の空間に真空ポートが設けられており、この真空ポートを通じて一連の空間が真空に排気される。具体的には、回収側のバルブユニット70Bに真空ポートが設けられており、この真空ポートに真空ポンプの吸引通路19が接続されている。そして、真空ポンプを駆動することにより、この吸引通路19を通じて一連の空間を真空に排気する。
【0057】
なお、回収側のバルブユニット70Bに代えて供給側のバルブユニット70Aに真空ポートを設けてもよいし、バルブユニット70A,70Bの双方に真空ポートを設けてもよい。
【0058】
これらの通路やバルブユニット70A,70Bの隙間部分が真空に排気された状態、すなわちこれらが断熱された状態において、高温のガルデンと低温のガルデンとが切り替えられてワークホルダ15に流通させられる。これにより、ワークホルダ15の温度が適宜変更され、ワークホルダ15により保持されるワークの温度が制御される。
【0059】
次に、供給通路21H,21C、導入通路23W、導出通路24W、バイパス通路25H,25C、及び回収通路22H,22Cの一部を構成する真空二重配管を説明する。
【0060】
図3は、真空二重配管30の断面図である。
【0061】
真空二重配管30は、ガルデンを内部に流通させる内管31と、内管31を覆う外管41とを備えている。内管31及び外管41は、それぞれ直線状に延びる管状に形成されており、互いに略等しい長さとなっている。そして、内管31の外面と外管41の内面との間に空間によって排気通路37が形成されている。
【0062】
内管31及び外管41の延びる方向(長手方向)において、排気通路37の両端部分は開放されている。このため、継手50,50Uの内部に形成された排気通路を介して、2つの真空二重配管30の各排気通路37を互いに連通させることができる。
【0063】
詳しくは、内管31及び外管41は、それぞれ円筒状に形成されており、内管31が外管41よりも若干長くなっている。そして、内管31の外径よりも、外管41の内径が大きくなっている。
【0064】
内管31及び外管41は、それらの延びる方向(軸線方向)において、両端部の間の部分がそれぞれ密閉されている。このため、内管31の内部にガルデンを流通させた場合に、ガルデンが内管31の外部に漏れることを防ぐことができる。また、上記排気通路37を真空に排気した場合に、内管31の内部から排気通路37にガルデンが漏れることや、外管41の外部から排気通路37に空気が侵入することを防ぐことができる。
【0065】
内管31は、内管本体32とその両端に設けられた端部33とを備えている。これらの内管本体32と端部33とは、溶接により接続されている。
【0066】
各端部33は、二重構造に形成された継手50,50Uの内側部分や、二重構造に形成されたバルブユニット70A,70Bの内側部分に接続される部分である。端部33の内面には、Oリング(内管シール部材)を嵌合可能な環状の溝34が設けられている。
【0067】
内管本体32の管壁は、端部33の管壁よりも薄く形成されている。詳しくは、内管本体32の管壁の厚みは0.15mmであり、従来の真空二重配管における管壁の厚みが1.0〜1.5mm程度であるのに対して、非常に薄くされている。なお、内管本体32の外径は略20mmである。
【0068】
外管41は、外管本体42とその両端に設けられた端部43とを備えている。これらの外管本体42と端部43とは、溶接により接続されている。
【0069】
各端部43は、二重構造に形成された上記継手50,50Uの外側部分や、二重構造に形成されたバルブユニット70A,70Bの外側部分に接続される部分である。端部43の外面には、段部44が環状に設けられている。段部44は、端部43の外周に取り付けられるOリング(外管シール部材)を、外管41の延びる方向に押圧することのできる寸法に形成されている。このため、端部43の外周にOリングを取り付けた場合に、Oリングの外径と環状に設けられた段部44の外径とが略一致する。
【0070】
また、外管41の各端部43の外面には、係止リングを嵌合可能な環状の溝46が設けられている。係止リングは、継手50,50Uの外側部分やバルブユニット70A,70Bの外側部分と、外管41の端部43とを接続する部材である。
【0071】
詳しくは、外管41の各端部43には、上記段部44と間隔をおいて平行に段部45が環状に設けられている。Oリングを押圧する段部44は、段部45よりも外管41の端側に設けられている。環状に設けられた段部44,45は、互いに略等しい外径を有している。そして、段部44,45で挟まれた凹部が、係止リングを嵌合させる溝46となっている。
【0072】
外管本体42の管壁は、端部43の管壁よりも薄く形成されている。詳しくは、上記内管本体32と同様に、外管本体42の管壁の厚みは0.15mmとされている。なお、外管本体42の外径は略28mmである。
【0073】
ここで、内管本体32には、その管壁を屈曲させて径方向の外側へ環状に突出させた節部38が間隔をおいて複数形成されている。同様にして、外管本体42には、その管壁を屈曲させて径方向の外側へ環状に突出させた節部48が間隔をおいて複数形成されている。内管本体32の節部38の外径は、外管本体42の内径よりも小さくなっている。このため、節部38の尾根(径方向の端部)と外管本体42の内面との間には、隙間が形成されている。
【0074】
内管本体32及び外管本体42は、これらの節部38,48によってそれぞれ強度が向上させられている。具体的には、内管本体32及び外管本体42の径方向に作用する力に対する強度を向上させることができる。このため、内管本体32及び外管本体42は、従来よりも非常に薄い管壁を採用しつつ、真空二重配管30として必要な強度を確保することができる。したがって、内管本体32及び外管本体42を軽量化することができるとともに、これらの熱容量を小さくすることができる。
【0075】
特に、真空二重配管30では、外管41が内管31を覆っているため、内管31及び外管41の管壁の厚みが同じであれば、内管31の管壁を構成する部材の体積よりも外管41の管壁を構成する部材の体積が大きくなる。したがって、外管41の管壁を薄くすることにより、二重配管30を効果的に軽量化することができる。
【0076】
詳しくは、このような節部38,48の互いの間隔を小さくするほど、内管本体32及び外管本体42の強度がそれぞれ向上する。ここで、内管31の内部を流通する流体の温度変化に伴って内管31は伸縮するが、内管本体32の節部38により内管31の伸縮を吸収することができる。このため、流体の温度及び内管31の材質に基づいてこの伸縮量を算出し、この伸縮量に応じて節部38同士の間隔や個数を設定するとよい。
【0077】
また、節部38,48の高さを高くするほど、内管本体32及び外管本体42の径方向に作用する力に対する強度が向上する。なお、内管本体32及び外管本体42の延びる方向(長手方向)に作用する力に対しては、節部38,48の高さを高くするほど、内管本体32及び外管本体42はそれぞれ変形し易くなる。
【0078】
本実施形態では、内管本体32の節部38同士の間隔と、外管本体42の節部48同士の間隔とは、略等しくされている。節部38の高さは、節部48の高さよりも低くされている。詳しくは、節部38の高さは、節部48の高さの略半分にされている。このため、節部48によって、外管本体42の強度をより向上させることができる。
【0079】
内管31及び外管41は、ステンレス鋼、詳しくはオーステナイト系のステンレス鋼、より詳しくはSUS316Lにより形成されている。内管本体32及び外管本体42の製造方法は以下の通りである。
【0080】
まず、SUS316Lの薄板を筒状に丸めて、互いに重なる端部同士を溶接する。こうして形成された筒状部材において、その長手方向(軸線方向)の一部に対して、長手方向に縮める力を作用させる。これにより、その力の作用させられた部分の管壁が屈曲して、径方向の外側(外径方向)へ環状に突出する。
【0081】
この突出した部分が、内管本体32及び外管本体42のそれぞれの節部38,48となる。筒状部材の長手方向に作用させる力の大きさを適宜調節することにより、節部38,48の高さを調節することができる。
【0082】
こうした製造方法によれば、節部38同士の間隔,節部48同士の間隔、及び節部38,48の高さを任意に設定することができる。なお、これらの寸法は、内管本体32及び外管本体42の径や、内管31の内部に流通させるガルデンの圧力、内管31と外管41との間に形成される空間(排気通路37)の真空度等に応じて、適宜変更することができる。
【0083】
内管31の外周には、内管31と外管41とを互いに支持する支持リング35A(支持部材)が組み付けられている。支持リング35Aは、ガルデンの使用温度域において耐熱性を有する断熱性の樹脂により形成されている。
【0084】
詳しくは、図4(a)に示すように、支持リング35Aは、「C」字状に形成された支持リング本体36aを備えている。支持リング本体36aの外面には、所定間隔おきに角部36c(突出部)が設けられている。そして、支持リング35Aの外形は、六角形状となっている。
【0085】
角部36cでは、支持リング本体36aの中心軸線方向に稜線が延びている。また、支持リング本体36aの内面には、上記内管本体32の節部38に嵌合可能な溝36dが環状に設けられている。
【0086】
そして、「C」字状の支持リング35Aを拡げた後、図3に示すように、内管本体32の所定の節部38に支持リング35Aの溝36dを嵌合させることにより、内管本体32の外周に支持リング35Aが組み付けられている。このとき、支持リング35Aの角部36cと外管本体42の内面とが線接触の状態となっている。これにより、内管31と外管41とが、線接触の状態で互いに支持されている。
【0087】
この支持リング35Aを、図4(b)に示す支持リング35Bに変更することもできる。なお、支持リング35Aと同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0088】
支持リング35Bは、半環状の支持リング本体36eを2つ備えている。支持リング本体36eには、互いに係合可能な係合部36fがそれぞれ設けられている。そして、係合部36fを互いに係合させることにより、2つの支持リング本体36eによって環状の支持リング35Bが構成されている。こうした支持リング35Bによれば、2つ支持リング本体36eによって内管本体32を両側から挟むようにして組み付けることができる。
【0089】
また、内管31の端部33から支持リング35Aを通すことができる場合には、図4(c)に示す支持リング35Cに変更することもできる。なお、支持リング35Aと同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0090】
支持リング35Cは、環状の支持リング本体36gを備えている。こうした支持リング35Cは、内管31の端部33の外径が内管本体32の外径と同等、あるいはそれよりも小さい場合に採用することができる。そして、内管31の端部33から支持リング35Cを通した後、内管本体32の外面に支持リング35Cの内面を接着することにより、支持リング35Cを組み付けることができる。このとき、内管本体32の節部38によって支持リング35Cを通すことが妨げられるおそれがあるが、真空二重配管30の長さが比較的短い場合にはその両端付近にのみ支持リング35Cを設けてもよい。
【0091】
また、支持リング35Aを、図4(d)に示す支持リング35Dに変更することもできる。この支持リング35Dによれば、内管31と外管41とを、点接触の状態で互いに支持することができる。
【0092】
支持リング35Dは、「C」字状に形成された支持リング本体36hを備えている。支持リング本体36hの外面には、所定間隔おきに突起36j(突出部)が設けられている。突起36jは、支持リング本体36hの外面から、支持リング本体36hの外径方向に延びており、その先端が尖っている。このため、内管本体32の外周に支持リング35Dを組み付けた場合に、支持リング35Dの突起36jと外管本体42の内面とが点接触の状態となる。こうした構成によれば、支持リング35Dと外管本体42との熱伝導、ひいては内管本体32と外管本体42との熱伝導を、更に抑制することができる。
【0093】
次に、供給通路21H,21C、導入通路23W、導出通路24W、及び回収通路22H,22Cの一部を構成するL型継手50を説明する。
【0094】
図5は、L型継手50の断面図である。
【0095】
L型継手50は、上記真空二重配管30の内管31を互いに接続する内管継ぎ部51と、内管継ぎ部51を覆う外管継ぎ部61とを備えている。内管継ぎ部51は、内管31の内部、すなわち内管31のガルデンの流路を互いに連通させるものであり、内管継ぎ部51の内部をガルデンが流通する。内管継ぎ部51及び外管継ぎ部61は、それぞれ「L」字状に延びる管状に形成されており、互いに略等しい長さとなっている。なお、L型継手50を真空二重配管と考えることもでき、その場合には内管継ぎ部51が内管に相当し、外管継ぎ部61が外管に相当する。
【0096】
詳しくは、内管継ぎ部51及び外管継ぎ部61は、それぞれ円筒状に形成されており、内管継ぎ部51が外管継ぎ部61よりも若干短くなっている。そして、内管継ぎ部51の外径よりも、外管継ぎ部61の内径が大きくなっている。このため、内管継ぎ部51の外面と外管継ぎ部61の内面との間に空間が形成されており、この空間が上記真空二重配管30や継手50を真空に排気する際の排気通路55(継手排気通路)となっている。
【0097】
内管継ぎ部51及び外管継ぎ部61は、それらの延びる方向(長手方向)において、両端部の間の部分がそれぞれ密閉されている。このため、内管継ぎ部51の内部にガルデンを流通させた場合に、ガルデンが内管継ぎ部51の外部に漏れることを防ぐことができる。また、継手50の排気通路55を真空に排気した場合に、内管継ぎ部51の内部からこの排気通路55にガルデンが漏れることや、外管継ぎ部61の外部からこの排気通路55に空気が侵入することを防ぐことができる。
【0098】
内管継ぎ部51及び外管継ぎ部61の延びる方向において、排気通路55の両端部は開放されている。このため、継手50を介して2つの真空二重配管30を接続した場合に、真空二重配管30の内管31と外管41との間の各空間(排気通路37)を、排気通路55を通じて互いに連通させることができる。
【0099】
内管継ぎ部51は、直線状に延びる円筒状の配管を曲げて形成されている。このため、内管継ぎ部51の管壁は、この曲げ加工が可能なように上記内管31の内管本体32よりも厚くされている。具体的には、内管継ぎ部51の管壁の厚みは略0.5mmであり、従来の真空二重配管における管壁の厚みよりは薄くされている。内管継ぎ部51は、内管31と同様に、SUS316Lにより形成されている。
【0100】
内管継ぎ部51は、「L」字状に形成されているため、直線状に延びる構成と比較して、径方向の力に対する強度を高くすることができる。また、内管継ぎ部51の内部にガルデンが流通させられるとともに、内管継ぎ部51の外部は真空に排気される。このため、内管継ぎ部51には、内面から外面への向きの力が作用する。管状の部材では、こうした内側からの力に対しては、外側からの力と比較して強度を確保することが容易である。
【0101】
したがって、内管継ぎ部51には、内管31の内管本体32に設けられた節部38に相当する構成が設けられていないが、内管本体32よりも管壁が厚くされていることと併せて、L型継手50として必要な強度を確保することができる。
【0102】
内管継ぎ部51の両端部はそれぞれ、上記真空二重配管30の内管31に接続される内管接続部53となっている。内管接続部53の外径は、内管31の端部33の内径よりも若干小さくされている。
【0103】
外管継ぎ部61は、外管継ぎ部本体62とその両端に設けられた外管接続部63とを備えている。外管継ぎ部本体62は、内管継ぎ部51と同様にして、直線状に延びる円筒状の配管を曲げて形成されている。外管継ぎ部本体62は、外管41と同様に、SUS316Lにより形成されており、その管壁の厚みは略0.5mmである。このため、外管継ぎ部本体62も、L型継手50として必要な強度を確保することができる。
【0104】
外管接続部63には、上記真空二重配管30の外管41が接続される。外管接続部63の内径は、外管41の端部43の外径よりも若干大きくされている。
【0105】
外管接続部63の内面には、段部64が環状に設けられている。そして、外管接続部63において、段部64よりも端側の部分(拡径部分63a)の内径が、その反対側の部分の内径よりも大きくなっている。
【0106】
段部44は、上記外管41の端部43の外周に取り付けられるOリング、すなわち外管接続部63の拡径部分63aの内周に配置されるOリングを、外管接続部63の延びる方向に押圧することのできる寸法に形成されている。このため、外管41の端部43の外周にOリングを取り付けた場合に、Oリングの外径と拡径部分63aの内径とが略一致する。
【0107】
また、外管接続部63の拡径部分63aの内面には、上記係止リングを嵌合可能な環状の溝65が設けられている。溝65において、周方向に垂直な断面の形状は、矩形状となっている。
【0108】
内管継ぎ部51の外周には、内管継ぎ部51と外管継ぎ部61とを互いに支持する支持リング35C(支持部材)が組み付けられている。上述したように、支持リング35Cは、図4(c)に示す構成を有しており、ガルデンの使用温度域において耐熱性を有する断熱性の樹脂により形成されている。
【0109】
支持リング35Cの内径は、内管継ぎ部51の外径と略等しくされている。支持リング35Cは、内管継ぎ部51の内管接続部53から、内管継ぎ部51の中央側へ通されている。そして、内管継ぎ部51の外面に支持リング35Cの内面が接着されている。
【0110】
支持リング35Cの角部36cと外管継ぎ部本体62の内面とが線接触の状態となっている。これにより、内管継ぎ部51と外管継ぎ部61とが、線接触の状態で互いに支持されている。
【0111】
次に、バイパス通路25H,25Cの一部を構成するU型継手50Uを説明する。
【0112】
図6は、U字状に形成されたU型継手50Uの断面図である。U型継手50Uは、上記L型継手50の中間部分に、ベローズ部56,66を挿入した構成となっている。このため、L型継手50と同一の部材については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0113】
U型継手50Uは、内管接続部53及びそれを覆う外管接続部63を、両端にそれぞれ備えている。そして、各内管接続部53を端部として、各内管継ぎ部51がL字状に延びている。各外管接続部63には、各外管継ぎ部本体62が接続されており、各外管継ぎ部本体62が各内管継ぎ部51を覆うようにL字状に延びている。そして、2組の内管接続部53、外管接続部63、内管継ぎ部51、及び外管継ぎ部本体62は、互いに対称に配置されている。
【0114】
2つの内管継ぎ部51が内管ベローズ部56によって接続され、2つの外管継ぎ部本体が外管ベローズ部66によって接続されている。ベローズ部56,66の全体形状は、それぞれ直線状に延びている。外管ベローズ部66は、内管ベローズ部56を覆っている。内管ベローズ部56の外面と外管ベローズ部66の内面との間には、空間が形成されている。なお、U型継手50Uを真空二重配管と考えることもでき、その場合には内管継ぎ部51及び内管ベローズ部56が内管に相当し、外管継ぎ部本体62及び外管ベローズ部66が外管に相当する。
【0115】
ベローズ部56,66は、上記真空二重配管30の内管本体32,外管本体42と同様に、SUS316Lにより形成されている。ベローズ部56,66の管壁の厚みは0.15mmである。
【0116】
ベローズ部56は、連続して複数形成された節部56aを有している。ベローズ部66は、連続して複数形成された節部66aを有している。これらの節部56a,66aは、上記内管31の節部38、外管41の節部48と同様の方法で形成されている。このため、ベローズ部56,66は、従来よりも非常に薄い管壁を採用しつつ、U型継手50Uとして必要な強度を確保することができる。
【0117】
外管ベローズ部66の両端部の内周には、上記支持リング35Cが配置されている。支持リング35Cは、内管継ぎ部51の内管接続部53の外周に設けられている。そして、支持リング35Cの角部36cと外管ベローズ部66の端部の内面とが線接触の状態となっている。これにより、内管継ぎ部51と外管ベローズ部66とが、線接触の状態で互いに支持されている。
【0118】
内管ベローズ部56、外管ベローズ部66、及び支持リング35Cの組み付け手順は、以下の通りである。
【0119】
まず、対向して配置された2つの内管接続部53の外周にそれぞれ支持リング35Cを組み付けた後、一方の内管接続部53に内管ベローズ部56を溶接により接続する。そして、その接続された内管ベローズ部56を覆うようにして、一方の外管継ぎ部本体62の端部に外管ベローズ部66を溶接により接続する。
【0120】
内管ベローズ部56を伸ばすとともに、外管ベローズ部66を縮めることにより、内管ベローズ部56の接続されていない側の端部を、外管ベローズ部66の内部から露出させる。そして、その露出した内管ベローズ部56の端部を、他方の内管接続部53に溶接により接続する。その後、その接続された内管ベローズ部56を覆うようにして、他方の外管継ぎ部本体62の端部に外管ベローズ部66を溶接により接続する。
【0121】
L型継手50及びU型継手50Uの各外管接続部63には、上記係止リングに対して操作することを可能とする操作部が設けられている。
【0122】
図7は、操作部の正面図である。操作部69は、外管接続部63の拡径部分63aに設けられている。操作部69は、挿入部67と覗き部68(視認部)とを備えている。
【0123】
挿入部67は、係止リングの摘み部を挿入可能とするものであり、拡径部分63aの端部に切り欠き状に形成されている。詳しくは、外管接続部63の延びる方向において、外管接続部63の端側から拡径部分63aの一部を矩形状に切り欠くことにより、挿入部67が形成されている。拡径部分63aの周方向における挿入部67の幅は、係止リングの摘み部が占める幅よりも若干広くされている。
【0124】
覗き部68は、挿入部67の一部を拡径部分63aの周方向へ拡大するように形成されている。詳しくは、外管接続部63の延びる方向における挿入部67の一部が、拡径部分63aの周方向へそれぞれ矩形状に拡大されている。この拡大された部分が、覗き部68となっている。外管接続部63の延びる方向における覗き部68の幅は、拡径部分63aに設けられた上記溝65の幅よりも若干広くなっている。このため、この溝65に嵌合される係止リングの状態を、覗き部68を通じて確認することができる。
【0125】
図8は、バルブユニット70A及びその周辺の斜視図である。
【0126】
高温側の供給通路21Hと高温側のバイパス通路25Hとが、供給側のバルブユニット70Aを介して接続されている。供給通路21Hとバイパス通路25Hとは、同一直線上に配置されている。同様にして、低温側の供給通路21Cと低温側のバイパス通路25Cとが、バルブユニット70Aを介して接続されている。供給通路21Cとバイパス通路25Cとは、同一直線上に配置されている。
【0127】
また、導入通路23Wと予備通路87とが、バルブユニット70Aを介して接続されている。導入通路23Wと予備通路87とは、同一直線上に配置されている。
【0128】
そして、高温側の供給通路21H及び高温側のバイパス通路25Hと、導入通路23W及び予備通路87とは、ねじれの位置にある。同様にして、低温側の供給通路21C及び低温側のバイパス通路25Cと、導入通路23W及び予備通路87とは、ねじれの位置にある。
【0129】
なお、回収側のバルブユニット70Bにおいても、回収通路22H及びバイパス通路25Hと、導出通路24Wとは、ねじれの位置にある。同様にして、回収通路22C及びバイパス通路25Cと、導出通路24Wとは、ねじれの位置にある。
【0130】
予備通路87は、上記真空二重配管30と同様の構成を備えている。予備通路87の内管及び外管の各端部は、封止フランジ87aによって封鎖されている。封止フランジ87aは、取付金具88によって予備通路87の端部に取り付けられている。なお、この封止フランジ87aに代えて、真空計を設けることもできる。その場合には、予備通路87の内管を封鎖するとともに、その内管と外管との間の空間(排気通路)に真空計の検出部を配置させるとよい。
【0131】
バルブユニット70Aは、バルブ76H,76Cを備えている。バルブ76H,76Cの上部には、各弁体を駆動する駆動部76aがそれぞれ設けられている。駆動部76aは、シリンダ及びピストン(駆動部材)を備えており、外部からシリンダに導入出される圧縮空気により、ピストンが往復動させられる。これにより、ピストンに連結された弁体が往復駆動される。
【0132】
図9は、バルブユニットを正面方向から見た断面図である。図10は、図9の10−10線断面図である。
【0133】
バルブユニット70A(70B)は、高温側のバルブ76Hと低温側のバルブ76Cとを備えている。バルブ76Hとバルブ76Cとは、向きを揃えて並べて配置されている。バルブ76H,76Cはそれぞれ、バルブ本体77及び弁体78を備えている。
【0134】
バルブ本体77は内部に、ガルデンの流通する第1本体通路77a及び第2本体通路77bを備えている。第1本体通路77aは、直線状に形成されており、その両端が開口している。第1本体通路77aの中間部分は、第2本体通路77bに連通している。第2本体通路77bは、直線状に形成されており、その一方の端部が第1本体通路77aに直交している。第2本体通路77bの他方の端部には、ガイド部77cが設けられている。第2本体通路77bの中間部分は、互いに対向する2箇所で開口している。
【0135】
弁体78は、上記ピストンから作用させられる駆動力により往復駆動され、第1本体通路77aと第2本体通路77bとの連通部を、連通状態と遮断状態とに切り替える。弁体78は、上記ガイド部77cにより、摺動可能に支持されている。
【0136】
高温側のバルブ76Hにおける第1本体通路77aの各端部には、高温側の第1流体通路部71Hが接続されている。すなわち、2つの第1流体通路部71Hが、第1本体通路77aを介して接続されている。第1流体通路部71Hは、直線状に延びるとともに、円筒状に形成されている。これらの第1本体通路77a及び第1流体通路部71Hは、同一直線上に配置されている。
【0137】
同様にして、低温側のバルブ76Cにおける第1本体通路77aの各端部には、低温側の第1流体通路部71Cが接続されている。すなわち、2つの第1流体通路部71Cが、第1本体通路77aを介して接続されている。第1流体通路部71Cは、直線状に延びるとともに、円筒状に形成されている。これらの第1本体通路77a及び第1流体通路部71Cは、同一直線上に配置されている。
【0138】
高温側のバルブ76Hにおける第2本体通路77bの一方の開口部には、第2流体通路部72が接続され、他方の開口部には、接続通路部73が接続されている。すなわち、第2流体通路部72と接続通路部73とが、第2本体通路77bを介して接続されている。同様にして、低温側のバルブ76Cにおける第2本体通路77bの一方の開口部には、第2流体通路部72が接続され、他方の開口部には、接続通路部73が接続されている。すなわち、第2流体通路部72と接続通路部73とが、第2本体通路77bを介して接続されている。
【0139】
ここで、バルブ本体77において、第2本体通路77bの通路壁は、第1本体通路77aの通路壁よりも薄く形成されている。このため、第1本体通路77aと接続通路部73との間の熱伝導を抑制することができ、ひいては高温側のバルブ76Hと低温側のバルブ76Cとの間の熱伝導を抑制することができる。また、第2本体通路77bの熱容量を小さくすることができるため、第2本体通路77bの内部を流通する流体の温度が変更される際に、流体の熱損失を抑制することができる。
【0140】
接続通路部73は、バルブ76H,76Cで共通となっており、それぞれのバルブ本体77を互いに接続している。接続通路部73は、直線状に延びるとともに、円筒状に形成されている。高温側のバルブ76Hの第2流体通路部72、低温側のバルブ76Cの第2流体通路部72、及び接続通路部73は、同一直線上に配置されている。
【0141】
接続通路部73の中間部分には、ベローズ部73aが設けられている。このため、第2流体通路部72及び接続通路部73の温度変化により、これらが伸縮したとしても、その伸縮をベローズ部73aによって吸収することができる。
【0142】
接続通路部73において、ベローズ部73aの管壁は他の部分の管壁よりも薄く形成されているが、ベローズ部73aの節部により強度が確保されている。このため、高温側のバルブ76Hと低温側のバルブ76Cとの間の熱伝導を抑制することができる。また、接続通路部73の熱容量を小さくすることができるため、接続通路部73の内部を流通する流体の温度が変更される際に、流体の熱損失を抑制することができる。
【0143】
高温側のバルブ76Hに関して、上記第1本体通路77a及び第1流体通路部71Hと、第2流体通路部72及び接続通路部73とは、ねじれの位置にある。そして、ねじれの位置にあるこれらが、第2本体通路77bによって接続されている。同様にして、低温側のバルブ76Cに関して、上記第1本体通路77a及び第1流体通路部71Cと、第2流体通路部72及び接続通路部73とは、ねじれの位置にある。そして、ねじれの位置にあるこれらが、第2本体通路77bによって接続されている。
【0144】
高温側のバルブ76Hの第1本体通路77a及び第1流体通路部71Hと、低温側のバルブ76Cの第1本体通路77a及び第1流体通路部71Cとは、並列に配置されており、詳しくは互いに平行に配置されている。
【0145】
また、バルブユニット70Aは、バルブケース81を備えている。バルブケース81は、高温側のバルブ76Hに関して、バルブ本体77、第1流体通路部71H、第2流体通路部72、及び接続通路部73を覆っている。同様にして、バルブケース81は、低温側のバルブ76Cに関して、バルブ本体77、第1流体通路部71C、第2流体通路部72、及び接続通路部73を覆っている。なお、バルブユニット70A(70B)を真空二重配管と考えることもでき、その場合にはバルブ本体77、第1流体通路部71H、第2流体通路部72、及び接続通路部73が内管に相当し、バルブケース81が外管に相当する。
【0146】
バルブケース81は、バルブケース本体82と4つの外管接続部83とを備えている。
【0147】
バルブケース本体82は、直方体状に形成されており、主にバルブ76H,76Cの各バルブ本体77及び接続通路部73を覆っている。高温側の第1流体通路部71H、低温側の第1流体通路部71C、及び第2流体通路部72は、それぞれ外管接続部83によって覆われている。
【0148】
図7に示すように、外管接続部83は、外管接続部63と同様の構成を備えている。すなわち、外管接続部83は、拡径部分63a、段部64、溝65、挿入部67、覗き部68、操作部69にそれぞれ対応して、拡径部分83a、段部84、溝85、挿入部67、覗き部68、操作部69を備えている。
【0149】
図9,10に戻り、バルブケース81では、外管接続部83の拡径部分83a同士の間の途中部分が密閉されている。すなわち、バルブケース81は、外管接続部83の各端部でのみ開口している。
【0150】
バルブ76H,76C及び接続通路部73の外面と、バルブケース81の内面、詳しくはバルブケース本体82の内面との間に空間が形成されている。また、第1流体通路部71H,71C及び第2流体通路部72の外面と、バルブケース81の内面との間に空間が形成されている。そして、これらの空間によって、排気通路75が形成されている。
【0151】
排気通路75は、バルブケース81の内部全体にわたって連通している。排気通路75は、各外管接続部83の内部において第1流体通路部71H,71Cの端部でそれぞれ開口している。また、排気通路75は、各外管接続部83の内部において第2流体通路部72の端部でそれぞれ開口している。
【0152】
このため、バルブユニット70A,70Bを介して2つの真空二重配管30を接続した場合に、真空二重配管30の内管31と外管41との間の各空間(排気通路37)を、排気通路75を通じて互いに連通させることができる。
【0153】
排気通路75では、これらの開口部の間の途中部分が密閉されている。このため、排気通路75を真空に排気した場合に、各通路部及びバルブ76H,76Cから排気通路75にガルデンが漏れることや、バルブケース81の外部からこの排気通路75に空気が侵入することを防ぐことができる。
【0154】
バルブユニット70Aは、高温側の第1流体通路部71H及びそれを覆う外管接続部83を2組備えている。そして、その1組には高温側の供給通路21Hを構成する真空二重配管30が接続され、他の1組には高温側のバイパス通路25Hを構成する真空二重配管30が接続される。
【0155】
同様にして、バルブユニット70Aは、低温側の第1流体通路部71C及びそれを覆う外管接続部83を2組備えている。そして、その1組には低温側の供給通路21Cを構成する真空二重配管30が接続され、他の1組には低温側のバイパス通路25Cを構成する真空二重配管30が接続される。
【0156】
なお、上記高温側の供給通路21Hに接続される組と低温側の供給通路21Cに接続される組とが並列になり、高温側のバイパス通路25Hに接続される組と低温側のバイパス通路25Cに接続される組とが並列になる。
【0157】
また、バルブユニット70Aは、第2流体通路部72及びそれを覆う外管接続部83を2組備えている。そして、その1組には導入通路23Wを構成する真空二重配管30が接続され、他の1組には予備通路87を構成する真空二重配管30が接続される。
【0158】
一方、回収側のバルブユニット70Bでは、高温側の供給通路21Hに代えて高温側の回収通路22Hが接続され、低温側の供給通路21Cに代えて低温側の回収通路22Cが接続される。また、導入通路23Wに代えて導出通路24Wが接続され、予備通路87に代えて吸引通路19が接続される。バイパス通路25H,25Cの接続については、供給側のバルブユニット70Aと同様である。
【0159】
バルブ76H,76Cの各バルブ本体77の外周には、バルブ本体77とバルブケース本体82とを互いに支持する支持片86H,86C(支持部材)がそれぞれ組み付けられている。支持片86H,86Cは、ガルデンの使用温度域において耐熱性を有する断熱性の樹脂により形成されている。
【0160】
詳しくは、支持片86H,86Cには、バルブ本体77の外周に嵌合される貫通孔がそれぞれ形成されている。支持片86H,86Cには、互いに直交する方向へ突出する角部86aと86eとが設けられている。角部86aの稜線と角部86eの稜線とは、互いに直交している。
【0161】
そして、バルブ本体77の外周に支持片86H,86Cの貫通孔を嵌合させることにより、バルブ本体77に支持片86H,86Cが組み付けられている。バルブ本体77の外面に支持片86H,86Cの内面がそれぞれ接着されている。
【0162】
このとき、角部86a及び86eは、バルブケース81(詳しくはバルブケース本体82)において互いに直交する平面部と、それぞれ線接触の状態となっている。すなわち、バルブケース81が、支持片86H,86Cの角部86a及び86eにより線接触の状態で支持されている。これにより、バルブ本体77とバルブケース81とが、線接触の状態で互いに支持されている。
【0163】
また、支持片86H,86Cがバルブ本体77に取り付けられた状態において、低温側の支持片86Cは、高温側の支持片86Hの方向へ突出する角部86dを有している。これに対応して、高温側の支持片86Hは、低温側の支持片86Cの角部86dを受ける受け部86bを有している。そして、低温側の支持片86Cの角部86dと、高温側の支持片86Hの受け部86bとが、線接触の状態になっている。
【0164】
これにより、高温側のバルブ76Hのバルブ本体77と、低温側のバルブ76Cのバルブ本体77とが、互いに線接触の状態で支持されている。したがって、1つのバルブケース81内に、高温側のバルブ76Hと低温側のバルブ76Cとを収容したとしても、それらの間で熱伝導が行われることを抑制しつつ、それらを互いに支持することができる。
【0165】
図11は、真空二重配管30と、継手50,50U(バルブユニット70A,70B)との接続状態を示す断面図である。詳しくは、真空二重配管30における内管31の端部33と、継手50,50U(バルブユニット70A,70B)の内管接続部53(第2流体通路部72の接続部)との接続状態を示している。また、真空二重配管30における外管41の端部43と、継手50,50U(バルブユニット70A,70B)の外管接続部63(83)との接続状態を示している。
【0166】
真空二重配管30と継手50,50U(バルブユニット70A,70B)とが接続されることにより、真空二重配管30における内管31と外管41との間の空間(排気通路37)が、継手50,50U(バルブユニット70A,70B)の排気通路55(75)に連通している。これにより、継手50,50U(バルブユニット70A,70B)によって互いに接続される真空二重配管30では、各真空二重配管30の排気通路37が互いに連通することとなる。
【0167】
排気通路37,55(75)は、以下のシール構造によりシールされている。ここでは、L型継手50の場合を例にして説明する。
【0168】
内管シール構造は、内管31の端部43とL型継手50の内管接続部53との間をシールするOリング39A(内管シール部材)を備えている。
【0169】
具体的には、Oリング39Aは、内管31の端部33に設けられた溝34に嵌合されている。内管31の端部43の内部には、内管31の軸線方向(長手方向)に沿ってL型継手50の内管接続部53が挿入されている。そして、内管シール構造では、内管31の端部33の内面、詳しくは溝34の底面と、L型継手50の内管接続部53の外面との間を、Oリング39Aにより内管31の径方向でシールしている。
【0170】
また、外管シール構造は、外管41の端部43とL型継手50の外管接続部63との間をシールするOリング39B(外管シール部材)を備えている。
【0171】
具体的には、Oリング39Bは、外管41の端部43の外周、すなわち外管接続部63の拡径部分63aの内周に設けられている。外管41の延びる方向(長手方向)に関して、Oリング39Bは、外管41の端部43に設けられた段部44と、外管接続部63の段部64との間に設けられおり、これらの段部44,64によって押圧されている。これにより、外管シール構造では、外管41の端部43の外面、詳しくは段部44の表面と、外管接続部63の内面、詳しくは段部64の表面との間を、Oリング39Bにより外管41の延びる方向でシールしている。
【0172】
真空二重配管30の外管41と外管接続部63(83)とは、以下の外管接続構造により接続されている。ここでは、上記と同様に、L型継手50の場合を例にして説明する。
【0173】
外管接続構造は、外管41の端部43と、L型継手50の外管接続部63、詳しくは拡径部分63aとを取り外し可能な状態で接続する係止リング57(接続部材)を備えている。係止リング57は、外管41の端部43に設けられた溝46と、外管接続部63の拡径部分63aに設けられた溝65との双方に嵌合している。
【0174】
これにより、外管接続構造では、外管41の端部43と、外管接続部63の拡径部分63aとの接続状態が、係止リング57により保持されている。この状態では、上記段部44,64によってOリング39Bが押圧され、Oリング39Bは所定量変形された状態となっている。
【0175】
図12(a)は係止リング57を示す斜視図であり、図12(b)はその係止状態を示す斜視図である。
【0176】
係止リング57は、「C」字状に形成された係止リング本体57aと、係止リング本体57aの各端部に設けられた摘み部57bとを備えている。
【0177】
係止リング本体57aは、外管41の端部43に設けられた溝46と、外管接続部63の拡径部分63aに設けられた溝65との双方に嵌合する。このため、係止リング本体57aの径方向の厚みは、係止リング本体57aの全周にわたって一定であり、溝46の深さと溝65の深さとの合計よりも若干小さくなっている。さらに、係止リング本体57aの径方向の厚みは、係止リング本体57aの幅方向(係止リング本体57aの中心軸線方向)で一定である。
【0178】
摘み部57bは、係止リング本体57aの各端部において、係止リング本体57aの外径方向に突出している。摘み部57bの幅は、係止リング本体57aの幅と等しくされている。
【0179】
そして、係止リング本体57a及び摘み部57bの幅は、外管41の端部43に設けられた溝46の幅、及び外管接続部63の拡径部分63aに設けられた溝65の幅よりも若干狭くされている。
【0180】
ここで、外管接続部63の延びる方向における上記覗き部68の幅は、拡径部分63aに設けられた溝65の幅よりも若干広くなっている。このため、この溝65に嵌合された係止リング57の状態を、覗き部68を通じて確認することができる。
【0181】
係止リング57は、弾性材料により形成されており、例えば、ばね鋼により形成されている。係止リング57では、自然状態(非装着時)において摘み部57b同士が離間した状態となっている。そして、摘み部57b同士を近付けるように係止リング本体57aを縮めた状態では、係止リング本体57aの外径が外管接続部63の溝65の内径よりも若干小さくなる。
【0182】
このとき、係止リング本体57aの周方向において、摘み部57bの占める幅、すなわち2つの摘み部57bの両端間の間隔は、外管接続部63の拡径部分63aに設けられた上記挿入部67の幅よりも狭くなる。一方、係止リング本体57aを開放した状態では、係止リング本体57aの外径が外管接続部63の溝65の内径よりも大きくなる。
【0183】
各摘み部57bには、係止リング57の幅方向に延びる貫通孔57dが設けられている。これらの貫通孔57dは、係止リング本体57aを縮める際に使用する工具を挿入可能な寸法に形成されている。
【0184】
こうした構成において、外管41の端部43と、外管接続部63の拡径部分63aとの接続を、以下の手順で行う。
【0185】
係止リング本体57aを拡げて外管41の端部43から通し、端部43の溝46に合わせて係止リング57を配置する。続いて、摘み部57bの貫通孔57dに工具を挿入して、係止リング本体57aを縮めた状態とする。これにより、係止リング本体57aが端部43の溝46に嵌合した状態となる。
【0186】
このとき、2つの摘み部57bの両端間の間隔は、外管接続部63の挿入部67の幅よりも狭くなる。このため、この状態を維持しつつ、外管41の軸線方向に沿って外管接続部63の内部に外管41の端部43を挿入することができる。
【0187】
そして、外管接続部63の溝65と係止リング57とが一致した状態で、係止リング57を開放する。これにより、係止リング57が弾性により拡がって、係止リング本体57aの外面が、外管接続部63の溝65の内面に当接した状態となる。
【0188】
したがって、係止リング57が、外管41の端部43の溝46と、外管接続部63の拡径部分63aの溝65との双方に嵌合した状態となる。その結果、外管41の端部43と外管接続部63の拡径部分63aとが接続された状態となる。
【0189】
一方、外管41の端部43と、外管接続部63の拡径部分63aとの接続状態を解除する場合には、以下の手順で行う。
【0190】
摘み部57bの貫通孔57dに工具を挿入して、係止リング本体57aを縮めた状態とする。これにより、係止リング57が、外管41の端部43の溝46に嵌合する一方、外管接続部63の溝65から外れた状態となる。すなわち、係止リング本体57aが、外管41の端部43の溝46内に収容された状態となる。
【0191】
このとき、2つの摘み部57bの両端間の間隔は、外管接続部63の挿入部67の幅よりも狭くなる。このため、この状態を維持しつつ、外管41の軸線方向に沿って、外管接続部63の内部から外管41の端部43を引き出すことができる。
【0192】
図13は、真空ポンプの吸引通路19と回収側のバルブユニット70Bとの接続状態を示す断面図である。吸引通路19は、真空二重配管30から内管31を除いた構成を有するとともに、ベローズ部48aを更に有している。
【0193】
吸引通路19とバルブユニット70Bの外管接続部83との接続構造は、真空二重配管30の外管41と外管接続部83との接続構造と同様である。このため、同一の部材については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0194】
吸引通路19が接続された外管接続部83の内部では、バルブユニット70Bの第2流体通路部72の端部に密封栓89が設けられている。密封栓89は、第2流体通路部72の端部を封鎖している。このため、第2流体通路部72の内部を流通するガルデンが、この第2流体通路部72の端部から漏れることが防がれている。
【0195】
バルブユニット70Bの排気通路75は、吸引通路19に連通している。このため、吸引通路19を通じて真空ポンプにより、排気通路75を真空に排気することができる。
【0196】
外管本体42には、ベローズ部48aが設けられている。ベローズ部48aは、外管41の上記節部48を連続して複数形成することにより形成されている。このため、外管本体42とベローズ部48aとを一体で形成することができる。
【0197】
詳しくは、外管本体42に節部48及びベローズ部48aを形成する際には、外管本体42は直線状に形成されている。その後、バルブユニット70Bと真空ポンプとの位置関係に応じて、直線状の外管本体42がベローズ部48aで曲げられる。このため、ベローズ部48aに曲げ継手の機能を持たせることができる。
【0198】
以上の構成を備える温度制御システムは、以下のように制御される。なお、以下の制御は、作業者が行ってもよいし、温度制御システムの制御部が行ってもよい。
【0199】
図2に示すように、真空ポンプが駆動され、吸引通路19を通じて、回収側のバルブユニット70Bの排気通路75が真空に排気される。
【0200】
ここで、排気通路75は、バルブケース81の内部全体にわたって連通している。このため、バルブケース81の各外管接続部83において、排気通路75は各真空二重配管30における内管31と外管41との間の空間(排気通路37)に連通している。したがって、バルブユニット70Bに接続された各通路の真空二重配管30が真空に排気される。詳しくは、高温側の回収通路22H、低温側の回収通路22C、導出通路24W、高温側のバイパス通路25H、及び低温側のバイパス通路25Cを構成する各真空二重配管30が真空に排気される。
【0201】
さらに、バイパス通路25H,25Cを通じて、供給側のバルブユニット70Aの排気通路75が真空に排気される。このため、バルブユニット70Aに接続されたその他の通路の真空二重配管30が真空に排気される。詳しくは、高温側の供給通路21H、低温側の供給通路21C、及び導入通路23Wを構成する各真空二重配管30が真空に排気される。なお、予備通路87の内管及び外管の各端部は、封止フランジ87aによって封鎖されている。
【0202】
ここで、各真空二重配管30は、継手50,50Uによって接続されている。そして、真空二重配管30の排気通路37は、継手50,50Uの排気通路55に連通している。このため、真空二重配管30を真空に排気することにより、継手50,50Uの排気通路55を真空に排気することができる。
【0203】
さらに、継手50,50Uの排気通路55は、それに共に接続されている真空二重配管30の各排気通路37を互いに連通させている。このため、1つの真空二重配管30が真空に排気されることにより、継手50,50Uの排気通路55を通じて複数の真空二重配管30をまとめて真空に排気することができる。
【0204】
このようにして、吸引通路19を通じて、回収側のバルブユニット70Bの排気通路75を真空に排気することにより、温度制御システムを構成する通路全体をまとめて真空に排気することができる。
【0205】
続いて、供給ユニット10の開閉弁11H,12H,11C,12Cがそれぞれ開いた状態とされる。そして、圧力計16H,16Cの検出値に基づいて絞り弁17H,17Cの開度が調節される。すなわち、バイパス通路25H,25Cには、高温のガルデン及び低温のガルデンが、常に少量ずつ流通させられる。
【0206】
このため、高温のガルデン及び低温のガルデンのいずれがワークホルダ15に流通させられる場合であっても、高温側の供給通路21H及び高温側の回収通路22Hに常に高温のガルデンが流通し、低温側の供給通路21C及び低温側の回収通路22Cに常に低温のガルデンが流通させられる。したがって、高温側の供給通路21H及び高温側の回収通路22Hの温度低下や、低温側の供給通路21C及び低温側の回収通路22Cの温度上昇を抑制することができる。
【0207】
その後、所定のタイミングでバルブ70A,70Bの状態が切り替えられることにより、高温のガルデンと低温のガルデンとが切り替えられて、ワークホルダ15に流通させられる。
【0208】
例えば、ワークホルダ15に高温のガルデンを流通させる場合には、供給側のバルブユニット70Aによって、高温側の供給通路21Hと導入通路23Wとが連通させられるとともに、低温側の供給通路21Cと導入通路23Wとが遮断される。また、回収側のバルブユニット70Bによって、高温側の回収通路22Hと導出通路24Wとが連通させられるとともに、低温側の回収通路22Cと導出通路24Wとが遮断される。
【0209】
ここで、導入通路23W及び導出通路24Wを構成する真空二重配管30では、内管本体32及び外管本体42の熱容量が従来の真空二重配管と比較して小さくなっている。このため、導入通路23W及び導出通路24Wに流通させられるガルデンの温度が変更されたとしても、これらの通路23W,24Wの温度変化として吸収される熱エネルギを小さくすることができる。
【0210】
こうして、各真空二重配管30の内管31の流路にガルデンが流通させられる。さらに、複数の真空二重配管30が継手50,50Uで互いに接続され、継手50,50Uを介して各内管31の流路にガルデンが流通させられる。
【0211】
このとき、内管31の内部を流通するガルデンの圧力と排気通路37の圧力との差圧が内管31に作用し、排気通路37の圧力と大気圧との差圧が外管41に作用する。この点、真空二重配管30の内管31及び外管41には、上記節部38,48が形成されているため、これらの内管31及び外管41の強度を向上させることができる。
【0212】
また、真空二重配管30の内管31の内部にガルデンが流通することにより、内管31及び外管41の温度が変化して内管31及び外管41が伸縮することとなる。この点、内管シール構造では、内管31の端部33と、内管接続部53(第2流体通路部72の接続部)との間を、Oリング39Aにより内管31の径方向でシールしている。このため、内管31と内管接続部53とが、内管31の延びる方向(内管31の軸線方向)に相対移動することを許容することができる。
【0213】
特に、導入通路23W及び導出通路24Wでは、高温のガルデンと低温のガルデンとが切り替えられて流通させられる。このため、導入通路23W及び導出通路24Wを構成する真空二重配管30及びL型継手50では、他よりも温度変化による伸縮が大きくなる。その場合であっても、内管31に間隔をおいて複数形成された節部38によって、内管31の温度変化による伸縮を吸収することができる。さらに、節部38によって、ガルデンの流通と遮断とに伴うウォータハンマ現象を抑制することもできる。
【0214】
同様に、バルブユニット70A,70Bの第2流体通路部72及び接続通路部73においても、高温のガルデンと低温のガルデンとが切り替えられて流通させられる。この点、接続通路部73はベローズ部73aを含んでいるため、第2流体通路部72を流通するガルデンの温度が変更されたとしても、温度変化による第2流体通路部72の伸縮をベローズ部73aによって吸収することができる。
【0215】
また、U型継手50Uでは、内管ベローズ部56及び外管ベローズ部66によって、内管継ぎ部51及び外管継ぎ部本体62の伸縮をそれぞれ吸収することができる。
【0216】
なお、温度制御システムが停止されている状態において、真空二重配管30、継手50,50U、及びバルブユニット70A,70Bの接続状態を解除して、メンテナンス等を行うことができる。
【0217】
すなわち、外管接続構造では、外管41と外管接続部63(83)とが、係止リング57により取り外し可能な状態で接続されているため、外管41と外管接続部63とを取り外すことができる。この際、内管31と内管接続部53(第2流体通路部72の接続部)とは、内管31の延びる方向に相対移動することが許容されている。このため、外管41と外管接続部63との取り外しと同時にこれらも取り外すことができる。
【0218】
ここで、操作部69を介して係止リング57を操作することにより、外管41と外管接続部63,83との接続状態を解除することができる。このとき、内管31と内管接続部53とに対しては外部から操作することができないが、内管31と内管接続部53との間は、Oリング39Aによって内管31の径方向でシールされているのみである。したがって、真空二重配管30と継手50,50U(バルブユニット70A,70B)とを、二重配管30の延びる方向に引き離すことにより、内管31と内管接続部53(第2流体通路部72の接続部)との接続状態を解除することができる。
【0219】
以上詳述した本実施形態は以下の利点を有する。
【0220】
・真空二重配管30の内管31が外管41によって覆われており、内管31の外面と外管41の内面との間の空間によって排気通路37が形成されている。この排気通路37は、内管31の延びる方向(長手方向)において、両端部分が開放されるとともに途中部分が密閉されている。
【0221】
このため、1つの真空二重配管30の排気通路37を真空に排気することにより、この真空二重配管30に接続される継手50,50Uやバルブユニット70A,70B、ひいてはこれらを介して接続される他の真空二重配管30を真空に排気することができる。その結果、真空二重配管30を真空に排気する手間(工数や作業時間)を減らすことができる。
【0222】
・内管31の内管本体32及び外管41の外管本体42にはそれぞれ、その管壁を屈曲させて径方向の外側へ環状に突出させた節部38,48が間隔をおいて複数形成されている。このため、節部38,48によって、内管本体32に作用する内圧や、外管本体42に作用する外圧に対する強度を向上させることができる。したがって、内管本体32及び外管本体42の管壁を薄くして軽量化したとしても、それらの強度を確保することができる。
【0223】
さらに、間隔をおいて複数形成された節部38,48によって、内管31及び外管41の温度変化による伸縮をそれぞれ吸収することができる。したがって、伸縮ベローズを真空二重配管30に設けない場合であっても、二重配管30に生じる熱応力を緩和することができる。
【0224】
また、節部38,48は、内管本体32や外管本体42の管壁を屈曲させて径方向の外側へ環状に突出させることにより形成されているため、内管本体32や外管本体42に対してその長手方向(軸線方向)に縮める加工を行うことにより容易に形成することができる。
【0225】
・外管本体42には、節部48が間隔をおいて複数形成されているため、外管本体42の管壁を薄くすることができる。その結果、より体積が大きい外管本体42の管壁部材を軽量化することができるため、二重配管30を効果的に軽量化することができる。
【0226】
・内管31の内部を流通するガルデンの温度が変更され、内管31の温度変化が大きくなる場合であっても、内管本体32に設けられた複数の節部38によって内管31の伸縮を吸収することができる。したがって、二重配管30に生じる熱応力を緩和することができる。
【0227】
・内管本体32と外管本体42とが、線接触の状態で互いに支持されている。このため、内管31と外管41との間の熱伝導を抑制しつつ、これらを互いに支持することができる。
【0228】
同様にして、バルブ本体77とバルブケース本体82とが、線接触の状態で互いに支持されている。このため、バルブ本体77とバルブケース本体82との間の熱伝導を抑制しつつ、これらを互いに支持することができる。
【0229】
具体的には、外面に複数の角部を有する支持リング35A,35C、支持片86Cを内管本体32、内管継ぎ部51、バルブ本体77の外周にそれぞれ組み付けている。このため、外管本体42、外管継ぎ部本体62、バルブケース本体82を線接触の状態でそれぞれ支持する構成を、容易に実現することができる。
【0230】
・内管本体32に形成された節部38に嵌合させて支持リング35Aが組み付けられているため、支持リング35A同士の間隔を調整することが容易となる。さらに、節部38は内管本体32の径方向の外側へ環状に突出しているため、内管本体32の延びる方向へ支持リング35Aが移動することを節部38によって抑制し易くなる。
【0231】
・真空二重配管30の内管31と外管41との間の空間(排気通路37)を真空に排気することにより、排気通路37に連通する継手50,50Uの排気通路55、及びバルブユニット70A,70Bの排気通路75を真空に排気することができる。このため、継手50,50Uの内管継ぎ部51と外管継ぎ部本体62との断熱性、及びバルブユニット70A,70Bの流体通路部71H,71C,72とバルブケース81との断熱性を向上させることができる。したがって、継手50,50Uの部分、及びバルブユニット70A,70Bの部分で真空二重配管30の断熱性が低下することを抑制することができる。
【0232】
さらに、上記排気通路55,75は、各真空二重配管30の排気通路37を互いに連通させているため、1つの真空二重配管30を真空に排気することにより、これらの排気通路を55,75通じて複数の真空二重配管30をまとめて一回の作業で真空に排気することができる。その結果、真空二重配管30を真空に排気する手間を減らすことができる。
【0233】
・内管シール構造では、内管31の端部33と内管接続部53(第2流体通路部72の接続部)との間が、Oリング39Aにより内管31の径方向でシールされている。このため、内管31と内管接続部53とが、内管31の延びる方向(内管31の軸線方向)に相対移動することを許容することができる。したがって、内管31の温度変化による伸縮を吸収して、真空二重配管30及び継手50,50U(バルブユニット70A,70B)に生じる熱応力を緩和することができる。
【0234】
また、外管接続構造では、外管41の端部43と外管接続部63,83とが、係止リング57により取り外し可能な状態で接続されている。このため、メンテナンス等を行う際には、外管41と外管接続部63,83とを取り外すことができる。この際、内管31と内管接続部53とは、内管31の延びる方向に相対移動することが許容されているため、外管41と外管接続部63,83との取り外しと同時にこれらも取り外すことができる。
【0235】
・外管シール構造では、外管41の端部43と外管接続部63,83の拡径部分63a,83aとの間が、Oリング39Bにより外管41の延びる方向(真空二重配管30の軸線方向)でシールされている。このため、真空二重配管30と継手50,50U(バルブユニット70A,70B)とを外管41の延びる方向に相対移動させることにより、外管41と外管接続部63,83との間をシールすることができる。すなわち、真空二重配管30と継手50,50Uとを外管41の延びる方向で互いに差し込むことにより、外管41の端部43と外管接続部63,83の拡径部分63a,83aとの間をシールすることができる。
【0236】
このとき、上述したように、内管シール構造では、内管31の端部33と内管接続部53との間が、Oリング39Aにより内管31の径方向でシールされている。このため、真空二重配管30と継手50,50Uとを外管41の延びる方向で互いに差し込むことにより、内管31と内管接続部53との間も同時にシールすることができる。
【0237】
さらに、Oリング39Bが所定量変形された状態で、外管41の端部43と外管接続部63,83との接続状態が外管接続構造によって保持される。このため、Oリング39Bの変形量、すなわち外管接続構造によるシール状態を安定させることができる。そして、この状態が外管接続構造により保持されるため、内管31と外管接続部63,83とが内管31の延びる方向に相対移動することを規制することができる。
【0238】
・第1流体通路部71C,71Hと第2流体通路部72とは、それぞれねじれの位置にあるため、第1流体通路部71C,71Hと第2流体通路部72とは交わることなく、バルブ76H,76Cを介してそれぞれ接続されている。したがって、第1流体通路部71C,71Hを流通するガルデンと第2流体通路部72を流通するガルデンとでそれぞれ温度差がある場合であっても、第1流体通路部71C,71Hと第2流体通路部72との間の熱伝導をそれぞれ抑制することができる。その結果、ガルデンの有する熱エネルギの損失を抑制することができる。
【0239】
・流体通路部71H,72、及び高温側のバルブ76Hのバルブ本体77の組と、流体通路部71C,72、及び低温側のバルブ76Cのバルブ本体77の組とが、バルブケース81によって覆われている。そして、流体通路部71H,71C,72、接続通路部73、及びバルブ76H,76Cと、バルブケース81との間の空間によって形成される排気通路75が真空に排気される。このため、2つの組の間の断熱性が低下することを抑制しつつ、1つのバルブケース81内に2つの組の流体通路部及びバルブを収容することができる。その結果、2つの組の流体通路部及びバルブを含むバルブユニット70A,70B全体を小型化することができる。
【0240】
さらに、1つの真空二重配管30を真空に排気することにより、バルブユニット70A,70Bの排気通路75を通じて複数の組に対応する真空二重配管30を、まとめて真空に排気することができる。したがって、高温側の第1流体通路部71H及びバルブ76Hの組と、低温側の第1流体通路部71C及びバルブ76Cの組とを、個別にバルブケース81内に収容する場合と比較して、真空二重配管30を真空に排気する手間を減らすことができる。
【0241】
・接続通路部73を介して各組の第2流体通路部72が互いに接続されているため、複数の組の第2流体通路部72を共通化して、第1流体通路部71H,71Cから共通の第2流体通路部72にガルデンを流入させることができる。その結果、第1流体通路部71Hと第1流体通路部71Cとで流通させるガルデンの温度を互いに異ならせることにより、第2流体通路部72に流通させる流体の温度を変更することができる。
【0242】
ここで、接続通路部73はベローズ部73aを含んでいるため、第2流体通路部72を流通するガルデンの温度が変更されたとしても、温度変化による第2流体通路部72の伸縮をベローズ部73aによって吸収することができる。したがって、第2流体通路部72及びバルブ76H,76Cに生じる熱応力を緩和することができる。
【0243】
・操作部69を介して係止リング57を操作することにより、外管41と外管接続部63(83)との接続状態を解除することができる。このとき、内管31と内管接続部53(第2流体通路部72の接続部)との間は、Oリング39Aによって内管31の径方向でシールされているのみである。したがって、真空二重配管30と継手50,50U(バルブユニット70A,70B)とを二重配管30の延びる方向に引き離すことにより、内管31と内管接続部53との接続状態を解除することができる。その結果、真空二重配管30と継手50,50Uとの接続状態を容易に解除することができる。
【0244】
・前記操作部69は、外管41と外管接続部63,83とが係止リング57により接続されていることを視認可能とする覗き部68を含むといった構成を採用している。このため、係止リング57に対して操作することを可能とする操作部69に、外管41と外管接続部63,83との接続を視認可能とする覗き部68としての機能を持たせることができる。したがって、覗き部68を設けるための加工工数が増加することを抑制しつつ、外管41と外管接続部63,83とをより確実に接続することができる。
【0245】
・吸引通路19では、節部48を連続して複数形成することにより、ベローズ部48aが形成されている。このため、ベローズ部48aにおいて管を曲げることが可能となり、ベローズ部48aに曲げ継手の機能を持たせることができる。したがって、曲がった状態で設置される吸引通路19の場合でも、一体で長く形成することができる。その結果、吸引通路19の接続部を減らすことができるため、吸引通路19の密閉性を向上させることができる。
【0246】
上記実施形態に限定されず、例えば次のように実施することもできる。
【0247】
・バルブユニット70A,70Bにおいて、ベローズ部73aを含まない接続通路部73を採用することもできる。
【0248】
・図14に示すように、外管141の端部143の外面に環状の溝144を設けて、この溝144にOリング39Bを嵌合させてもよい。すなわち、外管シール構造として、外管141の端部143と外管接続部163(183)との間を、Oリング39Bによって外管141の径方向でシールするようにしてもよい。
【0249】
こうした構成によれば、外管141の軸線方向において外管141と外管接続部163(183)とを位置合わせすることが容易となる。ただし、シール性に関しては、一般に、Oリング39Bによって外管141の延びる方向(軸線方向)でシールする構成の方が優れている。
【0250】
また、内管接続部53(第2流体通路部72の接続部)の外面に環状の溝を設けてOリング39Aを嵌合させる構成や、外管接続部163(183)の外面に環状の溝を設けてOリング39Bを嵌合させる構成を採用することもできる。
【0251】
・同図に示すように、外管接続構造として、外管接続部163(183)の内面に断面形状が三角形である環状の溝165(185)を設けるとともに、この溝165に嵌合する環状の返し157aを有する係止リング157を採用することもできる。
【0252】
こうした構成において、外管141の端部143の溝46に係止リング157を合わせて縮めた状態とし、外管141の軸線方向に沿って外管接続部163の内部に外管141の端部143を挿入する。そして、係止リング157の返し157aが、外管接続部163の溝165に到達すると、係止リング157が弾性により拡がってこれらが嵌合した状態となる。これにより、外管141の端部143と外管接続部163とを接続することができる。
【0253】
・図14に示す係止リング157及び外管接続部163(183)において、図15に示す操作部169を採用することが有効である。操作部169は、外管接続部163の軸線方向に沿って、外管接続部163の端部から溝165(185)まで延びる切り欠きとなっている。操作部169は、外管接続部163の周方向において、所定間隔おきに複数設けられている。
【0254】
こうした構成において、複数の操作部169を介して係止リング157を内径方向に押圧することにより、係止リング157を縮めた状態とする。そして、係止リング157が縮められて返し157aが溝165から外れた状態において、外管141と外管接続部163とを外管141の延びる方向に引き離す。これにより、外管141と外管接続部163との接続状態を解除することができる。
【0255】
また、外管接続部163の周方向における操作部169の幅を拡大することにより、操作部169を通じて係止リング157の返しと外管接続部163の溝165との嵌合状態を視認することができる。すなわち、外管141の端部143と外管接続部163とが係止リング157により接続されていることを視認可能とする視認部としての機能を、操作部169に持たせることができる。
【0256】
なお、上述した外管接続部63,83の操作部69や、外管接続部163,183の操作部169を備えていない外管接続部を採用することもできる。すなわち、外管と外管接続部とが、必ずしも取り外し可能でなくてもよい。
【0257】
・図4(d)に示す支持リング35Dや、図4(a)に示す支持リング35Aにおいて溝36dが設けられていない構成を採用するとともに、内管31の延びる方向(軸線方向)において支持リングの両側近傍に内管31の節部38を設けた構成を採用することもできる。こうした構成によれば、内管31の延びる方向へ支持リングが移動することを、節部38によって抑制することができる。なお、支持リングを挟む節部38同士の間隔が広い場合であっても、支持リングが節部38に当接するまで移動した段階で、支持リングがそれ以上移動することを抑制することができる。
【0258】
また、内管31や外管41の一部を突出させて突出部や角部を形成し、その突出部や角部によって、内管31と外管41とを点接触又は線接触の状態で互いに支持することもできる。同様にして、継手50,50Uにおいて、内管継ぎ部51や外管継ぎ部61の一部を突出させて突出部や角部を形成し、その突出部や角部によって、内管継ぎ部51と外管継ぎ部61とを点接触又は線接触の状態で互いに支持することもできる。バルブユニット70A,70Bにおいて、バルブ本体77やバルブケース81の一部を突出させて突出部や角部を形成し、その突出部や角部によって、バルブ本体77とバルブケース81とを点接触又は線接触の状態で互いに支持することもできる。
【0259】
・図5に示すL型継手50について、内管継ぎ部51及び外管継ぎ部本体62を直線状に変更して、I型継手とすることもできる。この場合には、内管継ぎ部51や外管継ぎ部本体62を、真空二重配管30の内管本体32や外管本体42に準じた構成とすることが有効である。すなわち、内管継ぎ部51や外管継ぎ部本体62の管壁を、従来の真空二重配管における管壁よりも薄く形成するとともに、節部38,48と同様の節部を単数あるいは複数設けるとよい。
【0260】
また、図6に示すU型継手50Uについて、内管継ぎ部51及び外管継ぎ部本体62を直線状に変更して、I型継手とすることもできる。そのI型継手において更に、ベローズ部56,66の部分を三叉の通路部に変更して、T型継手とすることもできる。なお、U型継手50Uにおいて、ベローズ部56,66の部分を三叉の通路部に変更して、Y型継手とすることもできる。
【0261】
また、図6に示すU型継手50Uについて、内管継ぎ部51及び外管継ぎ部本体62を直線状に変更するとともに、ベローズ部56,66をL型に曲げることにより、L型継手とすることもできる。
【0262】
その場合には、図13に示す吸引通路19と同様にして、内管継ぎ部51及びベローズ部56と、外管継ぎ部本体62及びベローズ部66とを、それぞれ一体で形成することが有効である。さらに、内管継ぎ部51及び外管継ぎ部本体62に、それぞれ節部38,48と同様の節部を設けることが有効である。
【0263】
また、図13に示す吸引通路19に対して、吸引通路19よりも径が小さく吸引通路19と同様の構成を有する内管を設けることにより、L型の真空二重配管とすることもできる。こうした構成によれば、ベローズ部において二重配管を曲げることが可能となり、ベローズ部に曲げ継手の機能を持たせることができる。したがって、曲がった状態で設置される二重配管の場合でも、一体で長く形成することができる。その結果、二重配管の接続部を減らすことができるため、二重配管管の密閉性を向上させることができる。
【0264】
・図16に示すように、真空二重配管30に接続される継手150において、内管接続部253と外管接続部263とがベローズ部266を介して接続されており、内管接続部253と外管接続部263との間がベローズ部266によってシールされているといった構成を採用することもできる。
【0265】
ここでは、外管接続部263にフランジ267が設けられており、フランジ267にはボルト孔267aが設けられている。また、内管接続部253にはフランジ257が設けられている。そして、例えば、供給ユニット10の筺体に対して、外管接続部263が外側に配置され、内管接続部253が内側に配置されるように継手150をボルトで固定する。
【0266】
こうした構成によれば、筺体の内側において内管接続部253のフランジ257をガルデンの供給機の配管に接続するとともに、筺体の外側において外管接続部263及び内管接続部253に真空二重配管30を接続することができる。したがって、筺体に収容されたガルデンの供給機の配管と、真空二重配管30とを容易に接続することができる。
【0267】
・上記実施形態では、ねじれの位置にある第1流体通路部71H(71C)と第2流体通路部72とが、バルブ76H(76C)を介して接続された構成を採用した。しかしながら、図17に示すように、同一直線上に配置された第1流体通路部171H(171C)と第2流体通路部172H(172C)とが、バルブ176H(176C)を介してそれぞれ接続された構成を採用することもできる。この場合には、高温のガルデンと低温のガルデンとが、高温側のバルブ176Hと低温側のバルブ176Cとによって、それぞれ独立して流通状態及び遮断状態に切り替えられる。
【0268】
また、同図に示すように、上記構成において、高温側の第1流体通路部171H、第2流体通路部、及びバルブ176Hの本体の組と、低温側の第1流体通路部171C、第2流体通路部、及びバルブ176Cの本体の組とが、バルブケース181によって覆われた構成を採用することが有効である。こうした構成によっても、複数の組の間の断熱性が低下することを抑制しつつ、複数の組の流体通路部及びバルブを含むバルブユニット170A(170B)全体を小型化することができる。
【0269】
さらに、そうした構成において、第1流体通路部171H,171C、第2流体通路部、及びバルブ176H,176Cと、バルブケース181との間の空間によって排気通路が形成され、この排気通路は、各真空二重配管30の内管31と外管41との間の空間(排気通路37)を互いに連通させるとともに、各真空二重配管30の間の途中部分が密閉されているといった構成を採用することが有効である。これにより、真空二重配管30の排気通路37を真空に排気することにより、排気通路37に連通する上記排気通路を真空に排気することができる。
【0270】
・図18に示すように、バルブユニット270A(270B)が、ねじれの位置にある第1流体通路部271と第2流体通路部272とを含み、第1流体通路部271と第2流体通路部272とがバルブ276を介して接続されていてもよい。そして、1組の流体通路部271,272及びバルブ276の本体が、1つのバルブケース281により覆われている構成を採用してもよい。こうした構成においても、第1流体通路部271、第2流体通路部272、及びバルブ276と、バルブケース281との間の空間によって形成される排気通路を真空に排気することができる。
【0271】
・図19に、バルブユニット70A(70B)のバルブ76H(76C)の一部を示すように、弁体178に、断熱性材料(例えばPEEK材等)により形成された軸部材179(断熱部材)を接続し、この軸部材179を上述した駆動部76aのピストン(駆動部材)に接続してもよい。すなわち、弁体178とピストンとが軸部材179を介して接続されているといった構成を採用してもよい。軸部材179は、直線状に形成されており、その端部が弁体178とピストンとにそれぞれねじ締結されている。そして、軸部材179は、ガイド部77cにより、摺動可能に支持されている。なお、PEEK材は、耐熱性及び耐薬品性が優れているため、バルブ76H(76C)の軸部材として有効である。
【0272】
上記構成によれば、ピストンから弁体178に対して駆動力が作用させられるため、弁体178の駆動を通じて、上述した第1本体通路77aと第2本体通路77bとの連通部を、連通状態と遮断状態とに切り替えることができる。ここで、弁体178とピストンとが断熱性材料により形成された軸部材179を介して接続されているため、弁体178とピストンと間の熱伝導を抑制することができる。その結果、バルブユニット70A(70B)の断熱性を向上させることができる。
【0273】
・図20に示すように、バルブ本体77、上述した第1流体通路部71H(71C)、第2流体通路部72、及び接続通路部73に加えて、シリンダ及びピストンを備える駆動部76aを、バルブケース381によって覆うようにしてもよい。この場合には、シリンダに圧縮空気を導入する空気配管301が、バルブケース381の外部から内部に導入され、駆動部76aに接続されている。そして、バルブケース381と空気配管301との間が、シール部材等によりシールされている。
【0274】
また、バルブケース381に、図16に示した継手150に準じた継手350が接続されている。そして、この継手350のフランジ257と、第2流体通路部72の端部に設けられたフランジ72aとが接続され、それらの間がシール部材339によってシールされている。ここで、継手350のフランジ267には、複数の貫通孔267bとシール部材340を収容する溝267cとが、継手150の構成に加えて設けられている。貫通孔267bは、フランジ267の周方向に等間隔で複数(詳しくは8個)設けられており、内管接続部253と外管接続部263との間の部分を貫通している。溝267cは、貫通孔267bの周囲に環状に形成されており、シール部材340を収容している。そして、フランジ267において溝267cよりも外側の部分が、バルブケース381にボルト及びナットにより締結され、フランジ267とバルブケース381との間がシール部材340によりシールされている。このとき、バルブケース381の開口部381aは、複数の貫通孔267bと重なるように配置されている。こうした構成において、継手350に、上述した真空二重配管30が接続される。
【0275】
すなわち、バルブユニット370と上述した真空二重配管30とが継手350を介して接続され、バルブユニット370の排気通路75と、真空二重配管30の内管31及び外管41の間の空間とが、継手350の貫通孔267bを含む排気通路375によって互いに連通させられる。この場合であっても、これらのバルブユニット370、継手350、及び真空二重配管30を、まとめて真空に排気することができる。さらに、第2流体通路部72の端部のフランジ72aと、継手350のフランジ257とが接続される構成であるため、バルブ376H(376C)の接続部の構成を汎用化することができる。したがって、真空二重配管30用のバルブユニット370において、第2流体通路部72(流体通路部)と継手350との接続を容易化することができ、ひいては第2流体通路部72と真空二重配管30との接続を容易化することができる。
【0276】
・図21に示すように、複数の継手350の内管接続部253が継手接続通路部453によって互いに接続されるとともに、複数の継手350の外管接続部263が、継手接続通路部453を覆う継手ケース481によって互いに接続されるようにしてもよい。ここでは、継手接続通路部453は、「T」字状(三叉状)に形成されており、内部にガルデンの流路が形成されている。そして、継手接続通路部453と継手ケース481との間の空間によって排気通路475が形成され、この排気通路475は、複数の継手350の排気通路375を互いに連通させるとともに、継手350間の途中部分が密閉されているといった構成を採用してもよい。各継手350には、上述した真空二重配管30が接続される。なお、図20に示したバルブケース381と同様にして継手ケース481に各継手350が接続されており、継手接続通路部453において内管接続部253との接続部には、継手350と同様にフランジ457が設けられている。このため、継手接続通路部453の接続部の構成を汎用化することができる。
【0277】
こうした構成によっても、これらの継手ケース481、継手350、及び真空二重配管30を、まとめて真空に排気することができる。すなわち、複数の継手350、継手接続通路部453、及び継手ケース481の全体を1つの継手と考えた場合には、継手350の内管接続部253及び継手接続通路部453が内管継ぎ部に相当し、継手350の外管接続部263及び継手ケース481が外管継ぎ部に相当する。このとき、継手350の数を変更するとともに、それに対応して継手ケース481を形成することにより、真空二重配管30を互いに接続する継手を自由に設計することができる。
【0278】
・真空二重配管30、継手50,50U、バルブユニット70A,70Bのバルブケース81,通路部71H,71C,72,73を、チタンやアルミニウム合金等の材料で形成することもできる。
【0279】
・上記実施形態では、空圧式のバルブ76H,76Cを採用したが、電磁式のバルブ等を採用することもできる。
【0280】
・上記実施形態では、内管31及び外管41の双方に節部38,48がそれぞれ設けられている構成を採用したが、内管31のみに節部38が設けられている構成や、外管41のみに節部48が設けられている構成を採用することもできる。
【0281】
・熱媒体はガルデンに限られず、水や油等の液体を用いることもできる。また、熱媒体として気体を用いることもできる。
【0282】
さらに、真空二重配管30、継手50,50U、バルブユニット70A,70B、及びそれらの変形例を、温度制御システムに限らず、流体を供給するシステムや、流体を排気するシステムに適用することもできる。
【0283】
・真空は大気圧よりも圧力の低い状態であればよく、温度制御システムの使用される環境に応じて真空度を変更してもよい。
【符号の説明】
【0284】
10…供給ユニット、15…ワークホルダ、30…真空二重配管、31…内管、32…内管本体、41…外管、42…外管本体、37,55,75…排気通路、38,48…節部、50…L型継手、50U…U型継手、51…内管継ぎ部、53…内管接続部、61…外管継ぎ部、62…外管継ぎ部本体、63,83…外管接続部、70A,70B…バルブユニット、76H,76C…バルブ、77…バルブ本体、78…弁体、81…バルブケース。
【技術分野】
【0001】
本発明は、内管と外管との間を真空にする真空二重配管を接続する継手、及び真空二重配管の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の接続構造として、真空二重配管の内管と外管との間隙を、両端においてフランジで封鎖して密閉空間としたものがある(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の接続構造では、フランジ同士を対向させてフェルールクランプで接続し、内管を互いに連通させるとともに、フランジの対向面において内管の周囲をパッキンでシールしている。そして、外管に真空引き口を設け、この真空引き口を通じて内管と外管との間の密閉空間を真空に排気して、内管と外管との間を断熱している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−213675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の接続構造では、フランジを介して内管と外管との間で熱伝導が行われるため、このフランジを含む継手の部分で内管と外管との断熱性が低下することとなる。
【0005】
また、特許文献1に記載の真空二重配管では、内管と外管とに挟まれた空間を各二重配管で独立させているため、それぞれの二重配管について真空排気を行う必要がある。このため、複数の真空二重配管を真空に排気するために多くの手間が掛かる。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、断熱性の低下を抑制するとともに、真空二重配管を真空に排気する手間を減らすことのできる真空二重配管の継手、及び真空二重配管の接続構造を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
【0008】
第1の発明は、内管を覆う外管を有して前記内管と前記外管との間を真空にする真空二重配管を互いに接続する継手であって、前記内管にそれぞれ接続される内管接続部を有して、各内管の流路を互いに連通させるとともに、前記内管接続部間の途中部分が密閉された内管継ぎ部と、前記内管継ぎ部を覆うとともに、前記外管にそれぞれ接続される外管接続部を有する外管継ぎ部とを備え、前記内管継ぎ部と前記外管継ぎ部との間の空間によって排気通路が形成され、前記排気通路は、前記内管と前記外管との間の各空間を互いに連通させるとともに、前記外管接続部間の途中部分が密閉されていることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、真空二重配管の内管が外管によって覆われており、内管と外管との間が真空にされる。このため、内管と外管との間が真空により断熱された状態となる。そして、複数の真空二重配管が継手で互いに接続され、継手を介して各内管の流路に流体が流通させられる。
【0010】
ここで、内管にそれぞれ接続される内管接続部を有する内管継ぎ部によって、各内管の流路が互いに連通させられる。そして、内管継ぎ部は、内管接続部間の途中部分が密閉されているため、各内管の流路を流通する流体を漏らすことなく流通させることができる。
【0011】
外管継ぎ部は、内管継ぎ部を覆うとともに、外管にそれぞれ接続される外管接続部を有している。そして、内管継ぎ部と外管継ぎ部との間の空間によって排気通路が形成されている。この排気通路は、内管と外管と間の各空間を互いに連通させるとともに、外管接続部間の途中部分が密閉されている。
【0012】
このため、真空二重配管の内管と外管との間の空間を真空に排気することにより、この空間に連通する上記排気通路、すなわち内管継ぎ部と外管継ぎ部との間の空間を真空に排気することができる。したがって、内管継ぎ部と外管継ぎ部との断熱性を向上させることができ、継手の部分で真空二重配管の断熱性が低下することを抑制することができる。
【0013】
さらに、上記排気通路は、内管と外管との間の各空間を互いに連通させているため、1つの真空二重配管を真空に排気することにより、この排気通路を通じて複数の真空二重配管をまとめて真空に排気することができる。その結果、真空二重配管を真空に排気する手間を減らすことができる。
【0014】
なお、内管接続部及びそれと同数の外管接続部は、任意の複数設けることができる。例えば、それらが共に2つの場合には継手を直線状に形成することができ、それらが共に3つの場合には継手を「T」字状に形成することができる。また、真空二重配管は、内管を覆う外管を有して内管と外管との間を真空にするものであればよく、内管を流通する流体を制御するバルブユニットの二重配管部(例えば、流体通路部とそれを覆うケース)であってもよい。ちなみに、真空は、大気圧よりも圧力の低い状態を含むものとする。
【0015】
第2の発明では、第1の発明において、前記内管継ぎ部と前記外管継ぎ部とが、点接触又は線接触の状態で互いに支持されている。このため、内管継ぎ部と外管継ぎ部との間の熱伝導を抑制しつつ、これらを互いに支持することができる。
【0016】
なお、内管継ぎ部と外管継ぎ部とは、それらの一部によって点接触又は線接触の状態とされていてもよく、また、それらに取り付けられた他の部材によって点接触又は線接触の状態とされていてもよい。
【0017】
具体的には、第3の発明のように、第2の発明において、前記内管継ぎ部の外周には支持部材が組み付けられており、前記支持部材の外面には複数の突出部が設けられ、前記外管継ぎ部が、前記複数の突出部により点接触又は線接触の状態で支持されているといった構成を採用することができる。
【0018】
上記構成によれば、外面に複数の突出部を有する支持部材を内管継ぎ部の外周に組み付けることにより、外管継ぎ部を点接触又は線接触の状態で支持する構成を容易に実現することができる。
【0019】
第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明における真空二重配管の継手と、前記真空二重配管と、前記内管と前記内管接続部との間を前記内管の径方向でシールする内管シール部材と、前記外管と前記外管接続部との間をシールする外管シール部材と、前記外管と前記外管接続部とを取り外し可能な状態で接続する接続部材と、を備えることを特徴とする。
【0020】
上記構成によれば、内管と内管接続部との間が内管シール部材によってシールされ、外管と外管接続部との間が外管シール部材によってシールされる。
【0021】
ここで、内管シール部材は、内管と内管接続部との間を内管の径方向でシールするため、内管と内管接続部とが内管の延びる方向(内管の軸線方向)に相対移動することを許容することができる。このため、内管の温度変化による伸縮を吸収して、真空二重配管及び継手に生じる熱応力を緩和することができる。
【0022】
また、接続部材は、外管と外管接続部とを取り外し可能な状態で接続しているため、メンテナンス等を行う際には外管と外管接続部とを取り外すことができる。この際、内管と内管接続部とは、内管の延びる方向に相対移動することが許容されているため、外管と外管接続部との取り外しと同時にこれらも取り外すことができる。
【0023】
真空二重配管の接続構造として、第1の構成は、内管を覆う外管を有して前記内管と前記外管との間を真空にする真空二重配管と、前記内管に接続される内管接続部を有するとともに、前記内管の流路に連通する内部流路を有する内管継ぎ部材と、前記外管に接続される外管接続部を有するとともに、前記内管継ぎ部材を覆ってその内管継ぎ部材と一体化された外管継ぎ部材と、前記内管と前記内管接続部との間を前記内管の径方向でシールする内管シール部材と、前記外管と前記外管接続部との間をシールする外管シール部材と、前記外管と前記外管接続部とを取り外し可能な状態で接続する接続部材と、を備えることを特徴とする。
【0024】
上記構成によれば、第4の発明に準じた作用効果を奏することができる。なお、第1の構成は、複数の真空二重配管を互いに接続するものに限らず、真空二重配管と両継ぎ部材(内管継ぎ部材及び外管継ぎ部材)とを接続する部分に対して適用することができる。
【0025】
第2の構成では、第1の構成において、前記内管接続部と前記外管接続部とがベローズを介して接続されており、前記内管接続部と前記外管接続部との間が前記ベローズによってシールされていることを特徴とする。
【0026】
上記構成によれば、内管接続部と外管接続部とを接続するベローズによって、温度変化による内管と外管との伸縮の差を吸収することができる。したがって、真空二重配管に生じる熱応力を緩和することができる。
【0027】
さらに、内管接続部と外管接続部との間がベローズによってシールされているため、内管と外管と間の空間に連通する空間をベローズによって封鎖することができる。したがって、真空二重配管の内管と外管との間の空間を真空に排気することにより、内管接続部と外管接続部との間の空間を真空に排気することができる。その結果、内管接続部と外管接続部との断熱性を向上させることができる。
【0028】
第5の発明では、第4の発明において、前記外管シール部材は、前記外管と前記外管接続部との間を前記外管の延びる方向でシールするものであり、前記接続部材は、前記外管シール部材が所定量変形された状態で、前記外管と前記外管接続部との接続状態を保持することを特徴とする。
【0029】
上記構成によれば、外管シール部材は、外管と外管接続部との間を外管の延びる方向(真空二重配管の軸線方向)でシールするため、真空二重配管と継手とを外管の延びる方向に相対移動させることにより、外管と外管接続部との間をシールすることができる。すなわち、真空二重配管と継手とを外管の延びる方向で互いに差し込むことにより、外管と外管接続部との間をシールすることができる。
【0030】
このとき、上述したように、内管シール部材は、内管と内管接続部との間を内管の径方向でシールするため、真空二重配管と継手とを外管の延びる方向で互いに差し込むことにより、内管と内管接続部との間も同時にシールすることができる。
【0031】
さらに、外管シール部材が所定量変形された状態で、外管と外管接続部との接続状態が接続部材によって保持されるため、外管シール部材の変形量、すなわち外管シール部材によるシール状態を安定させることができる。
【0032】
第6の発明では、第4又は第5の発明において、前記外管接続部には、前記外管と前記外管接続部との接続状態を解除するように、前記接続部材に対して操作することを可能とする操作部が設けられていることを特徴とする。
【0033】
上記構成によれば、操作部を介して接続部材を操作することにより、外管と外管接続部との接続状態を解除することができる。このとき、内管と内管接続部とに対しては外部から操作することができないが、内管と内管接続部との間は内管シール部材によって内管の径方向でシールされているのみである。
【0034】
したがって、真空二重配管と継手とを配管の延びる方向に引き離すことにより、内管と内管接続部との接続状態を解除することができる。その結果、真空二重配管と継手との接続状態を容易に解除することができる。
【0035】
なお、操作部として、外管接続部に設けられた切欠き部等を採用することができる。
【0036】
さらに、第7の発明では、第6の発明において、前記操作部は、前記外管と前記外管接続部とが前記接続部材により接続されていることを視認可能とする視認部を含むといった構成を採用している。このため、接続部材に対して操作することを可能とする操作部に、外管と外管接続部との接続を視認可能とする視認部としての機能を持たせることができる。したがって、視認部を設けるための加工工数が増加することを抑制しつつ、外管と外管接続部とをより確実に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】温度制御システムの外観を示す斜視図。
【図2】温度制御システムの回路図。
【図3】真空二重配管の断面図。
【図4】支持リングの斜視図。
【図5】L型継手の断面図。
【図6】U型継手の断面図。
【図7】操作部の正面図。
【図8】バルブユニット及びその周辺の斜視図。
【図9】バルブユニットを正面方向から見た断面図。
【図10】図9の10−10線断面図。
【図11】真空二重配管の接続状態を示す断面図。
【図12】係止リング及びその係止状態を示す斜視図。
【図13】真空ポンプの吸引通路とバルブユニットとの接続状態を示す断面図。
【図14】真空二重配管の接続状態の変形例を示す断面図。
【図15】操作部の変形例を示す断面図。
【図16】継手の変形例を示す断面図。
【図17】バルブユニットの変形例を示す斜視図。
【図18】バルブユニットの他の変形例を示す斜視図。
【図19】バルブユニットの他の変形例を示す部分断面図。
【図20】バルブユニットの他の変形例を示す断面図。
【図21】継手の他の変形例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、半導体製造装置のプロセスチャンバ内においてワークを保持及び加熱するワークホルダに対して、異なる温度の熱媒体を切り替えつつ循環させる温度制御システムとして具体化している。
【0039】
図1は、温度制御システムの外観を示す斜視図である。なお、図1では、半導体製造装置のうち、温度制御システムに係る部分を示している。
【0040】
この温度制御システムは、ガルデン(熱媒体)の流通方向に沿って、供給ユニット10、供給通路21H,21C、供給側のバルブユニット70A、導入通路23W、ワークホルダ15、導出通路24W、回収側のバルブユニット70B、回収通路22H,22Cを備えている。また、バルブユニット70Aとバルブユニット70Bとは、バイパス通路25H,25Cによってそれぞれ接続されている。バルブユニット70Bには、真空ポンプの吸引通路19が接続されている。
【0041】
供給通路21H,21C、導入通路23W、導出通路24W、及び回収通路22H,22Cの一部を構成する直線状の各配管は、L型継手50及びバルブユニット70A,70Bによってそれぞれ接続されている。バイパス通路25H,25Cの一部を構成する直線状の各配管は、U型継手50Uによってそれぞれ接続されている。
【0042】
高温側の供給通路21Hと低温側の供給通路21Cとは、並列に設置されており、具体的には互いに平行に設置されている。同様にして、高温側の回収通路22Hと低温側の回収通路22Cとは、並列に設置されており、具体的には互いに平行に設置されている。さらに、高温側のバイパス通路25Hと低温側のバイパス通路25Cとは、並列に設置されており、具体的には互いに平行に設置されている。なお、これらの通路、継手50,50U、バルブユニット70A,70B、及びワークホルダ15は、アングル等で組み立てられたフレーム18によって支持されている。
【0043】
図2は、上記温度制御システムにおいてガルデンの流通する経路を示す回路図である。
【0044】
供給ユニット10は、高温のガルデンを供給及び回収する高温側供給機と、低温のガルデンを供給及び回収する低温側供給機とを備えている。高温側供給機は、高温側の開閉弁11Hを介して150℃のガルデンを供給する。低温側供給機は、低温側の開閉弁11Cを介して15℃のガルデンを供給する。なお、高温のガルデン及び低温のガルデンの各温度は、適用される装置に応じて適宜変更することができる。
【0045】
高温側の開閉弁11Hには、高温側の供給通路21Hが接続されている。開閉弁11Hは供給通路21Hを開閉する。供給通路21Hは、供給側のバルブユニット70Aを介して、高温側のバイパス通路25H及び導入通路23Wに接続されている。供給通路21Hとバイパス通路25Hとは、常に連通された状態になっている。バルブユニット70Aは、供給通路21Hと導入通路23Wとを、連通状態と遮断状態とで切り替える。
【0046】
同様にして、低温側の開閉弁11Cには、低温側の供給通路21Cが接続されている。開閉弁11Cは供給通路21Cを開閉する。供給通路21Cは、供給側のバルブユニット70Aを介して、低温側のバイパス通路25C及び導入通路23Wに接続されている。供給通路21Cとバイパス通路25Cとは、常に連通された状態になっている。バルブユニット70Aは、供給通路21Cと導入通路23Wとを、連通状態と遮断状態とで切り替える。
【0047】
導入通路23Wは、ワークホルダ15内に設けられたホルダ内通路の入口に接続されている。このホルダ内通路は、ガルデンがワークホルダ15の内部を偏りなく流通するように、二重渦巻状に形成されている。ホルダ内通路の出口は、導出通路24Wに接続されている。
【0048】
導出通路24Wは、回収側のバルブユニット70Bを介して、高温側の回収通路22H及び低温側の回収通路22Cにそれぞれ接続されている。バルブユニット70Bは、導出通路24Wと高温側の回収通路22Hとを、連通状態と遮断状態とで切り替える。また、バルブユニット70Bは、導出通路24Wと低温側の回収通路22Cとを、連通状態と遮断状態とで切り替える。
【0049】
高温側のバイパス通路25Hは、回収側のバルブユニット70Bを介して、高温側の回収通路22Hに接続されている。バイパス通路25Hと回収通路22Hとは、常に連通された状態になっている。なお、バイパス通路25Hは、バルブユニット70Bを介して、導出通路24Wに接続されている。
【0050】
同様にして、低温側のバイパス通路25Cは、回収側のバルブユニット70Bを介して、低温側の回収通路22Cに接続されている。バイパス通路25Cと回収通路22Cとは、常に連通された状態になっている。なお、バイパス通路25Cは、バルブユニット70Bを介して、導出通路24Wに接続されている。
【0051】
高温側のバイパス通路25Hには、高温側の圧力計16Hと、高温側の絞り弁17Hとが設けられている。圧力計16Hは、バイパス通路25H内を流通するガルデンの圧力を検出する。絞り弁17Hは、バイパス通路25Hの流路面積を変更することにより、バイパス通路25H内を流通するガルデンの量を調節する。同様にして、低温側のバイパス通路25Cには、低温側の圧力計16Cと、低温側の絞り弁17Cとが設けられている。
【0052】
高温側の回収通路22Hは、高温側の開閉弁12Hに接続されている。開閉弁12Hは回収通路22Hを開閉する。そして、開閉弁12Hを介して、高温のガルデンが高温側供給機に回収される。
【0053】
同様にして、低温側の回収通路22Cは、低温側の開閉弁12Cに接続されている。開閉弁12Cは回収通路22Cを開閉する。そして、開閉弁12Cを介して、低温のガルデンが低温側供給機に回収される。
【0054】
ここで、供給通路21H,21C、バルブユニット70A,70B、導入通路23W、導出通路24W、バイパス通路25H,25C、及び回収通路22H,22Cは、それぞれ二重構造に形成されている。そして、二重構造の隙間部分を真空に排気することが可能となっている。
【0055】
具体的には、これらの通路やバルブユニット70A,70Bの各隙間部分が互いに連通しており、一連の空間を形成している。そして、一連の空間の端部が封鎖されており、真空に排気するための吸引部分を除いて、この一連の空間は密閉されている。例えば、導入通路23Wとワークホルダ15との接続部、及び導出通路24Wとワークホルダ15との接続部において、一連の空間がそれぞれ封鎖されている。
【0056】
この一連の空間に真空ポートが設けられており、この真空ポートを通じて一連の空間が真空に排気される。具体的には、回収側のバルブユニット70Bに真空ポートが設けられており、この真空ポートに真空ポンプの吸引通路19が接続されている。そして、真空ポンプを駆動することにより、この吸引通路19を通じて一連の空間を真空に排気する。
【0057】
なお、回収側のバルブユニット70Bに代えて供給側のバルブユニット70Aに真空ポートを設けてもよいし、バルブユニット70A,70Bの双方に真空ポートを設けてもよい。
【0058】
これらの通路やバルブユニット70A,70Bの隙間部分が真空に排気された状態、すなわちこれらが断熱された状態において、高温のガルデンと低温のガルデンとが切り替えられてワークホルダ15に流通させられる。これにより、ワークホルダ15の温度が適宜変更され、ワークホルダ15により保持されるワークの温度が制御される。
【0059】
次に、供給通路21H,21C、導入通路23W、導出通路24W、バイパス通路25H,25C、及び回収通路22H,22Cの一部を構成する真空二重配管を説明する。
【0060】
図3は、真空二重配管30の断面図である。
【0061】
真空二重配管30は、ガルデンを内部に流通させる内管31と、内管31を覆う外管41とを備えている。内管31及び外管41は、それぞれ直線状に延びる管状に形成されており、互いに略等しい長さとなっている。そして、内管31の外面と外管41の内面との間に空間によって排気通路37が形成されている。
【0062】
内管31及び外管41の延びる方向(長手方向)において、排気通路37の両端部分は開放されている。このため、継手50,50Uの内部に形成された排気通路を介して、2つの真空二重配管30の各排気通路37を互いに連通させることができる。
【0063】
詳しくは、内管31及び外管41は、それぞれ円筒状に形成されており、内管31が外管41よりも若干長くなっている。そして、内管31の外径よりも、外管41の内径が大きくなっている。
【0064】
内管31及び外管41は、それらの延びる方向(軸線方向)において、両端部の間の部分がそれぞれ密閉されている。このため、内管31の内部にガルデンを流通させた場合に、ガルデンが内管31の外部に漏れることを防ぐことができる。また、上記排気通路37を真空に排気した場合に、内管31の内部から排気通路37にガルデンが漏れることや、外管41の外部から排気通路37に空気が侵入することを防ぐことができる。
【0065】
内管31は、内管本体32とその両端に設けられた端部33とを備えている。これらの内管本体32と端部33とは、溶接により接続されている。
【0066】
各端部33は、二重構造に形成された継手50,50Uの内側部分や、二重構造に形成されたバルブユニット70A,70Bの内側部分に接続される部分である。端部33の内面には、Oリング(内管シール部材)を嵌合可能な環状の溝34が設けられている。
【0067】
内管本体32の管壁は、端部33の管壁よりも薄く形成されている。詳しくは、内管本体32の管壁の厚みは0.15mmであり、従来の真空二重配管における管壁の厚みが1.0〜1.5mm程度であるのに対して、非常に薄くされている。なお、内管本体32の外径は略20mmである。
【0068】
外管41は、外管本体42とその両端に設けられた端部43とを備えている。これらの外管本体42と端部43とは、溶接により接続されている。
【0069】
各端部43は、二重構造に形成された上記継手50,50Uの外側部分や、二重構造に形成されたバルブユニット70A,70Bの外側部分に接続される部分である。端部43の外面には、段部44が環状に設けられている。段部44は、端部43の外周に取り付けられるOリング(外管シール部材)を、外管41の延びる方向に押圧することのできる寸法に形成されている。このため、端部43の外周にOリングを取り付けた場合に、Oリングの外径と環状に設けられた段部44の外径とが略一致する。
【0070】
また、外管41の各端部43の外面には、係止リングを嵌合可能な環状の溝46が設けられている。係止リングは、継手50,50Uの外側部分やバルブユニット70A,70Bの外側部分と、外管41の端部43とを接続する部材である。
【0071】
詳しくは、外管41の各端部43には、上記段部44と間隔をおいて平行に段部45が環状に設けられている。Oリングを押圧する段部44は、段部45よりも外管41の端側に設けられている。環状に設けられた段部44,45は、互いに略等しい外径を有している。そして、段部44,45で挟まれた凹部が、係止リングを嵌合させる溝46となっている。
【0072】
外管本体42の管壁は、端部43の管壁よりも薄く形成されている。詳しくは、上記内管本体32と同様に、外管本体42の管壁の厚みは0.15mmとされている。なお、外管本体42の外径は略28mmである。
【0073】
ここで、内管本体32には、その管壁を屈曲させて径方向の外側へ環状に突出させた節部38が間隔をおいて複数形成されている。同様にして、外管本体42には、その管壁を屈曲させて径方向の外側へ環状に突出させた節部48が間隔をおいて複数形成されている。内管本体32の節部38の外径は、外管本体42の内径よりも小さくなっている。このため、節部38の尾根(径方向の端部)と外管本体42の内面との間には、隙間が形成されている。
【0074】
内管本体32及び外管本体42は、これらの節部38,48によってそれぞれ強度が向上させられている。具体的には、内管本体32及び外管本体42の径方向に作用する力に対する強度を向上させることができる。このため、内管本体32及び外管本体42は、従来よりも非常に薄い管壁を採用しつつ、真空二重配管30として必要な強度を確保することができる。したがって、内管本体32及び外管本体42を軽量化することができるとともに、これらの熱容量を小さくすることができる。
【0075】
特に、真空二重配管30では、外管41が内管31を覆っているため、内管31及び外管41の管壁の厚みが同じであれば、内管31の管壁を構成する部材の体積よりも外管41の管壁を構成する部材の体積が大きくなる。したがって、外管41の管壁を薄くすることにより、二重配管30を効果的に軽量化することができる。
【0076】
詳しくは、このような節部38,48の互いの間隔を小さくするほど、内管本体32及び外管本体42の強度がそれぞれ向上する。ここで、内管31の内部を流通する流体の温度変化に伴って内管31は伸縮するが、内管本体32の節部38により内管31の伸縮を吸収することができる。このため、流体の温度及び内管31の材質に基づいてこの伸縮量を算出し、この伸縮量に応じて節部38同士の間隔や個数を設定するとよい。
【0077】
また、節部38,48の高さを高くするほど、内管本体32及び外管本体42の径方向に作用する力に対する強度が向上する。なお、内管本体32及び外管本体42の延びる方向(長手方向)に作用する力に対しては、節部38,48の高さを高くするほど、内管本体32及び外管本体42はそれぞれ変形し易くなる。
【0078】
本実施形態では、内管本体32の節部38同士の間隔と、外管本体42の節部48同士の間隔とは、略等しくされている。節部38の高さは、節部48の高さよりも低くされている。詳しくは、節部38の高さは、節部48の高さの略半分にされている。このため、節部48によって、外管本体42の強度をより向上させることができる。
【0079】
内管31及び外管41は、ステンレス鋼、詳しくはオーステナイト系のステンレス鋼、より詳しくはSUS316Lにより形成されている。内管本体32及び外管本体42の製造方法は以下の通りである。
【0080】
まず、SUS316Lの薄板を筒状に丸めて、互いに重なる端部同士を溶接する。こうして形成された筒状部材において、その長手方向(軸線方向)の一部に対して、長手方向に縮める力を作用させる。これにより、その力の作用させられた部分の管壁が屈曲して、径方向の外側(外径方向)へ環状に突出する。
【0081】
この突出した部分が、内管本体32及び外管本体42のそれぞれの節部38,48となる。筒状部材の長手方向に作用させる力の大きさを適宜調節することにより、節部38,48の高さを調節することができる。
【0082】
こうした製造方法によれば、節部38同士の間隔,節部48同士の間隔、及び節部38,48の高さを任意に設定することができる。なお、これらの寸法は、内管本体32及び外管本体42の径や、内管31の内部に流通させるガルデンの圧力、内管31と外管41との間に形成される空間(排気通路37)の真空度等に応じて、適宜変更することができる。
【0083】
内管31の外周には、内管31と外管41とを互いに支持する支持リング35A(支持部材)が組み付けられている。支持リング35Aは、ガルデンの使用温度域において耐熱性を有する断熱性の樹脂により形成されている。
【0084】
詳しくは、図4(a)に示すように、支持リング35Aは、「C」字状に形成された支持リング本体36aを備えている。支持リング本体36aの外面には、所定間隔おきに角部36c(突出部)が設けられている。そして、支持リング35Aの外形は、六角形状となっている。
【0085】
角部36cでは、支持リング本体36aの中心軸線方向に稜線が延びている。また、支持リング本体36aの内面には、上記内管本体32の節部38に嵌合可能な溝36dが環状に設けられている。
【0086】
そして、「C」字状の支持リング35Aを拡げた後、図3に示すように、内管本体32の所定の節部38に支持リング35Aの溝36dを嵌合させることにより、内管本体32の外周に支持リング35Aが組み付けられている。このとき、支持リング35Aの角部36cと外管本体42の内面とが線接触の状態となっている。これにより、内管31と外管41とが、線接触の状態で互いに支持されている。
【0087】
この支持リング35Aを、図4(b)に示す支持リング35Bに変更することもできる。なお、支持リング35Aと同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0088】
支持リング35Bは、半環状の支持リング本体36eを2つ備えている。支持リング本体36eには、互いに係合可能な係合部36fがそれぞれ設けられている。そして、係合部36fを互いに係合させることにより、2つの支持リング本体36eによって環状の支持リング35Bが構成されている。こうした支持リング35Bによれば、2つ支持リング本体36eによって内管本体32を両側から挟むようにして組み付けることができる。
【0089】
また、内管31の端部33から支持リング35Aを通すことができる場合には、図4(c)に示す支持リング35Cに変更することもできる。なお、支持リング35Aと同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0090】
支持リング35Cは、環状の支持リング本体36gを備えている。こうした支持リング35Cは、内管31の端部33の外径が内管本体32の外径と同等、あるいはそれよりも小さい場合に採用することができる。そして、内管31の端部33から支持リング35Cを通した後、内管本体32の外面に支持リング35Cの内面を接着することにより、支持リング35Cを組み付けることができる。このとき、内管本体32の節部38によって支持リング35Cを通すことが妨げられるおそれがあるが、真空二重配管30の長さが比較的短い場合にはその両端付近にのみ支持リング35Cを設けてもよい。
【0091】
また、支持リング35Aを、図4(d)に示す支持リング35Dに変更することもできる。この支持リング35Dによれば、内管31と外管41とを、点接触の状態で互いに支持することができる。
【0092】
支持リング35Dは、「C」字状に形成された支持リング本体36hを備えている。支持リング本体36hの外面には、所定間隔おきに突起36j(突出部)が設けられている。突起36jは、支持リング本体36hの外面から、支持リング本体36hの外径方向に延びており、その先端が尖っている。このため、内管本体32の外周に支持リング35Dを組み付けた場合に、支持リング35Dの突起36jと外管本体42の内面とが点接触の状態となる。こうした構成によれば、支持リング35Dと外管本体42との熱伝導、ひいては内管本体32と外管本体42との熱伝導を、更に抑制することができる。
【0093】
次に、供給通路21H,21C、導入通路23W、導出通路24W、及び回収通路22H,22Cの一部を構成するL型継手50を説明する。
【0094】
図5は、L型継手50の断面図である。
【0095】
L型継手50は、上記真空二重配管30の内管31を互いに接続する内管継ぎ部51と、内管継ぎ部51を覆う外管継ぎ部61とを備えている。内管継ぎ部51は、内管31の内部、すなわち内管31のガルデンの流路を互いに連通させるものであり、内管継ぎ部51の内部をガルデンが流通する。内管継ぎ部51及び外管継ぎ部61は、それぞれ「L」字状に延びる管状に形成されており、互いに略等しい長さとなっている。なお、L型継手50を真空二重配管と考えることもでき、その場合には内管継ぎ部51が内管に相当し、外管継ぎ部61が外管に相当する。
【0096】
詳しくは、内管継ぎ部51及び外管継ぎ部61は、それぞれ円筒状に形成されており、内管継ぎ部51が外管継ぎ部61よりも若干短くなっている。そして、内管継ぎ部51の外径よりも、外管継ぎ部61の内径が大きくなっている。このため、内管継ぎ部51の外面と外管継ぎ部61の内面との間に空間が形成されており、この空間が上記真空二重配管30や継手50を真空に排気する際の排気通路55(継手排気通路)となっている。
【0097】
内管継ぎ部51及び外管継ぎ部61は、それらの延びる方向(長手方向)において、両端部の間の部分がそれぞれ密閉されている。このため、内管継ぎ部51の内部にガルデンを流通させた場合に、ガルデンが内管継ぎ部51の外部に漏れることを防ぐことができる。また、継手50の排気通路55を真空に排気した場合に、内管継ぎ部51の内部からこの排気通路55にガルデンが漏れることや、外管継ぎ部61の外部からこの排気通路55に空気が侵入することを防ぐことができる。
【0098】
内管継ぎ部51及び外管継ぎ部61の延びる方向において、排気通路55の両端部は開放されている。このため、継手50を介して2つの真空二重配管30を接続した場合に、真空二重配管30の内管31と外管41との間の各空間(排気通路37)を、排気通路55を通じて互いに連通させることができる。
【0099】
内管継ぎ部51は、直線状に延びる円筒状の配管を曲げて形成されている。このため、内管継ぎ部51の管壁は、この曲げ加工が可能なように上記内管31の内管本体32よりも厚くされている。具体的には、内管継ぎ部51の管壁の厚みは略0.5mmであり、従来の真空二重配管における管壁の厚みよりは薄くされている。内管継ぎ部51は、内管31と同様に、SUS316Lにより形成されている。
【0100】
内管継ぎ部51は、「L」字状に形成されているため、直線状に延びる構成と比較して、径方向の力に対する強度を高くすることができる。また、内管継ぎ部51の内部にガルデンが流通させられるとともに、内管継ぎ部51の外部は真空に排気される。このため、内管継ぎ部51には、内面から外面への向きの力が作用する。管状の部材では、こうした内側からの力に対しては、外側からの力と比較して強度を確保することが容易である。
【0101】
したがって、内管継ぎ部51には、内管31の内管本体32に設けられた節部38に相当する構成が設けられていないが、内管本体32よりも管壁が厚くされていることと併せて、L型継手50として必要な強度を確保することができる。
【0102】
内管継ぎ部51の両端部はそれぞれ、上記真空二重配管30の内管31に接続される内管接続部53となっている。内管接続部53の外径は、内管31の端部33の内径よりも若干小さくされている。
【0103】
外管継ぎ部61は、外管継ぎ部本体62とその両端に設けられた外管接続部63とを備えている。外管継ぎ部本体62は、内管継ぎ部51と同様にして、直線状に延びる円筒状の配管を曲げて形成されている。外管継ぎ部本体62は、外管41と同様に、SUS316Lにより形成されており、その管壁の厚みは略0.5mmである。このため、外管継ぎ部本体62も、L型継手50として必要な強度を確保することができる。
【0104】
外管接続部63には、上記真空二重配管30の外管41が接続される。外管接続部63の内径は、外管41の端部43の外径よりも若干大きくされている。
【0105】
外管接続部63の内面には、段部64が環状に設けられている。そして、外管接続部63において、段部64よりも端側の部分(拡径部分63a)の内径が、その反対側の部分の内径よりも大きくなっている。
【0106】
段部44は、上記外管41の端部43の外周に取り付けられるOリング、すなわち外管接続部63の拡径部分63aの内周に配置されるOリングを、外管接続部63の延びる方向に押圧することのできる寸法に形成されている。このため、外管41の端部43の外周にOリングを取り付けた場合に、Oリングの外径と拡径部分63aの内径とが略一致する。
【0107】
また、外管接続部63の拡径部分63aの内面には、上記係止リングを嵌合可能な環状の溝65が設けられている。溝65において、周方向に垂直な断面の形状は、矩形状となっている。
【0108】
内管継ぎ部51の外周には、内管継ぎ部51と外管継ぎ部61とを互いに支持する支持リング35C(支持部材)が組み付けられている。上述したように、支持リング35Cは、図4(c)に示す構成を有しており、ガルデンの使用温度域において耐熱性を有する断熱性の樹脂により形成されている。
【0109】
支持リング35Cの内径は、内管継ぎ部51の外径と略等しくされている。支持リング35Cは、内管継ぎ部51の内管接続部53から、内管継ぎ部51の中央側へ通されている。そして、内管継ぎ部51の外面に支持リング35Cの内面が接着されている。
【0110】
支持リング35Cの角部36cと外管継ぎ部本体62の内面とが線接触の状態となっている。これにより、内管継ぎ部51と外管継ぎ部61とが、線接触の状態で互いに支持されている。
【0111】
次に、バイパス通路25H,25Cの一部を構成するU型継手50Uを説明する。
【0112】
図6は、U字状に形成されたU型継手50Uの断面図である。U型継手50Uは、上記L型継手50の中間部分に、ベローズ部56,66を挿入した構成となっている。このため、L型継手50と同一の部材については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0113】
U型継手50Uは、内管接続部53及びそれを覆う外管接続部63を、両端にそれぞれ備えている。そして、各内管接続部53を端部として、各内管継ぎ部51がL字状に延びている。各外管接続部63には、各外管継ぎ部本体62が接続されており、各外管継ぎ部本体62が各内管継ぎ部51を覆うようにL字状に延びている。そして、2組の内管接続部53、外管接続部63、内管継ぎ部51、及び外管継ぎ部本体62は、互いに対称に配置されている。
【0114】
2つの内管継ぎ部51が内管ベローズ部56によって接続され、2つの外管継ぎ部本体が外管ベローズ部66によって接続されている。ベローズ部56,66の全体形状は、それぞれ直線状に延びている。外管ベローズ部66は、内管ベローズ部56を覆っている。内管ベローズ部56の外面と外管ベローズ部66の内面との間には、空間が形成されている。なお、U型継手50Uを真空二重配管と考えることもでき、その場合には内管継ぎ部51及び内管ベローズ部56が内管に相当し、外管継ぎ部本体62及び外管ベローズ部66が外管に相当する。
【0115】
ベローズ部56,66は、上記真空二重配管30の内管本体32,外管本体42と同様に、SUS316Lにより形成されている。ベローズ部56,66の管壁の厚みは0.15mmである。
【0116】
ベローズ部56は、連続して複数形成された節部56aを有している。ベローズ部66は、連続して複数形成された節部66aを有している。これらの節部56a,66aは、上記内管31の節部38、外管41の節部48と同様の方法で形成されている。このため、ベローズ部56,66は、従来よりも非常に薄い管壁を採用しつつ、U型継手50Uとして必要な強度を確保することができる。
【0117】
外管ベローズ部66の両端部の内周には、上記支持リング35Cが配置されている。支持リング35Cは、内管継ぎ部51の内管接続部53の外周に設けられている。そして、支持リング35Cの角部36cと外管ベローズ部66の端部の内面とが線接触の状態となっている。これにより、内管継ぎ部51と外管ベローズ部66とが、線接触の状態で互いに支持されている。
【0118】
内管ベローズ部56、外管ベローズ部66、及び支持リング35Cの組み付け手順は、以下の通りである。
【0119】
まず、対向して配置された2つの内管接続部53の外周にそれぞれ支持リング35Cを組み付けた後、一方の内管接続部53に内管ベローズ部56を溶接により接続する。そして、その接続された内管ベローズ部56を覆うようにして、一方の外管継ぎ部本体62の端部に外管ベローズ部66を溶接により接続する。
【0120】
内管ベローズ部56を伸ばすとともに、外管ベローズ部66を縮めることにより、内管ベローズ部56の接続されていない側の端部を、外管ベローズ部66の内部から露出させる。そして、その露出した内管ベローズ部56の端部を、他方の内管接続部53に溶接により接続する。その後、その接続された内管ベローズ部56を覆うようにして、他方の外管継ぎ部本体62の端部に外管ベローズ部66を溶接により接続する。
【0121】
L型継手50及びU型継手50Uの各外管接続部63には、上記係止リングに対して操作することを可能とする操作部が設けられている。
【0122】
図7は、操作部の正面図である。操作部69は、外管接続部63の拡径部分63aに設けられている。操作部69は、挿入部67と覗き部68(視認部)とを備えている。
【0123】
挿入部67は、係止リングの摘み部を挿入可能とするものであり、拡径部分63aの端部に切り欠き状に形成されている。詳しくは、外管接続部63の延びる方向において、外管接続部63の端側から拡径部分63aの一部を矩形状に切り欠くことにより、挿入部67が形成されている。拡径部分63aの周方向における挿入部67の幅は、係止リングの摘み部が占める幅よりも若干広くされている。
【0124】
覗き部68は、挿入部67の一部を拡径部分63aの周方向へ拡大するように形成されている。詳しくは、外管接続部63の延びる方向における挿入部67の一部が、拡径部分63aの周方向へそれぞれ矩形状に拡大されている。この拡大された部分が、覗き部68となっている。外管接続部63の延びる方向における覗き部68の幅は、拡径部分63aに設けられた上記溝65の幅よりも若干広くなっている。このため、この溝65に嵌合される係止リングの状態を、覗き部68を通じて確認することができる。
【0125】
図8は、バルブユニット70A及びその周辺の斜視図である。
【0126】
高温側の供給通路21Hと高温側のバイパス通路25Hとが、供給側のバルブユニット70Aを介して接続されている。供給通路21Hとバイパス通路25Hとは、同一直線上に配置されている。同様にして、低温側の供給通路21Cと低温側のバイパス通路25Cとが、バルブユニット70Aを介して接続されている。供給通路21Cとバイパス通路25Cとは、同一直線上に配置されている。
【0127】
また、導入通路23Wと予備通路87とが、バルブユニット70Aを介して接続されている。導入通路23Wと予備通路87とは、同一直線上に配置されている。
【0128】
そして、高温側の供給通路21H及び高温側のバイパス通路25Hと、導入通路23W及び予備通路87とは、ねじれの位置にある。同様にして、低温側の供給通路21C及び低温側のバイパス通路25Cと、導入通路23W及び予備通路87とは、ねじれの位置にある。
【0129】
なお、回収側のバルブユニット70Bにおいても、回収通路22H及びバイパス通路25Hと、導出通路24Wとは、ねじれの位置にある。同様にして、回収通路22C及びバイパス通路25Cと、導出通路24Wとは、ねじれの位置にある。
【0130】
予備通路87は、上記真空二重配管30と同様の構成を備えている。予備通路87の内管及び外管の各端部は、封止フランジ87aによって封鎖されている。封止フランジ87aは、取付金具88によって予備通路87の端部に取り付けられている。なお、この封止フランジ87aに代えて、真空計を設けることもできる。その場合には、予備通路87の内管を封鎖するとともに、その内管と外管との間の空間(排気通路)に真空計の検出部を配置させるとよい。
【0131】
バルブユニット70Aは、バルブ76H,76Cを備えている。バルブ76H,76Cの上部には、各弁体を駆動する駆動部76aがそれぞれ設けられている。駆動部76aは、シリンダ及びピストン(駆動部材)を備えており、外部からシリンダに導入出される圧縮空気により、ピストンが往復動させられる。これにより、ピストンに連結された弁体が往復駆動される。
【0132】
図9は、バルブユニットを正面方向から見た断面図である。図10は、図9の10−10線断面図である。
【0133】
バルブユニット70A(70B)は、高温側のバルブ76Hと低温側のバルブ76Cとを備えている。バルブ76Hとバルブ76Cとは、向きを揃えて並べて配置されている。バルブ76H,76Cはそれぞれ、バルブ本体77及び弁体78を備えている。
【0134】
バルブ本体77は内部に、ガルデンの流通する第1本体通路77a及び第2本体通路77bを備えている。第1本体通路77aは、直線状に形成されており、その両端が開口している。第1本体通路77aの中間部分は、第2本体通路77bに連通している。第2本体通路77bは、直線状に形成されており、その一方の端部が第1本体通路77aに直交している。第2本体通路77bの他方の端部には、ガイド部77cが設けられている。第2本体通路77bの中間部分は、互いに対向する2箇所で開口している。
【0135】
弁体78は、上記ピストンから作用させられる駆動力により往復駆動され、第1本体通路77aと第2本体通路77bとの連通部を、連通状態と遮断状態とに切り替える。弁体78は、上記ガイド部77cにより、摺動可能に支持されている。
【0136】
高温側のバルブ76Hにおける第1本体通路77aの各端部には、高温側の第1流体通路部71Hが接続されている。すなわち、2つの第1流体通路部71Hが、第1本体通路77aを介して接続されている。第1流体通路部71Hは、直線状に延びるとともに、円筒状に形成されている。これらの第1本体通路77a及び第1流体通路部71Hは、同一直線上に配置されている。
【0137】
同様にして、低温側のバルブ76Cにおける第1本体通路77aの各端部には、低温側の第1流体通路部71Cが接続されている。すなわち、2つの第1流体通路部71Cが、第1本体通路77aを介して接続されている。第1流体通路部71Cは、直線状に延びるとともに、円筒状に形成されている。これらの第1本体通路77a及び第1流体通路部71Cは、同一直線上に配置されている。
【0138】
高温側のバルブ76Hにおける第2本体通路77bの一方の開口部には、第2流体通路部72が接続され、他方の開口部には、接続通路部73が接続されている。すなわち、第2流体通路部72と接続通路部73とが、第2本体通路77bを介して接続されている。同様にして、低温側のバルブ76Cにおける第2本体通路77bの一方の開口部には、第2流体通路部72が接続され、他方の開口部には、接続通路部73が接続されている。すなわち、第2流体通路部72と接続通路部73とが、第2本体通路77bを介して接続されている。
【0139】
ここで、バルブ本体77において、第2本体通路77bの通路壁は、第1本体通路77aの通路壁よりも薄く形成されている。このため、第1本体通路77aと接続通路部73との間の熱伝導を抑制することができ、ひいては高温側のバルブ76Hと低温側のバルブ76Cとの間の熱伝導を抑制することができる。また、第2本体通路77bの熱容量を小さくすることができるため、第2本体通路77bの内部を流通する流体の温度が変更される際に、流体の熱損失を抑制することができる。
【0140】
接続通路部73は、バルブ76H,76Cで共通となっており、それぞれのバルブ本体77を互いに接続している。接続通路部73は、直線状に延びるとともに、円筒状に形成されている。高温側のバルブ76Hの第2流体通路部72、低温側のバルブ76Cの第2流体通路部72、及び接続通路部73は、同一直線上に配置されている。
【0141】
接続通路部73の中間部分には、ベローズ部73aが設けられている。このため、第2流体通路部72及び接続通路部73の温度変化により、これらが伸縮したとしても、その伸縮をベローズ部73aによって吸収することができる。
【0142】
接続通路部73において、ベローズ部73aの管壁は他の部分の管壁よりも薄く形成されているが、ベローズ部73aの節部により強度が確保されている。このため、高温側のバルブ76Hと低温側のバルブ76Cとの間の熱伝導を抑制することができる。また、接続通路部73の熱容量を小さくすることができるため、接続通路部73の内部を流通する流体の温度が変更される際に、流体の熱損失を抑制することができる。
【0143】
高温側のバルブ76Hに関して、上記第1本体通路77a及び第1流体通路部71Hと、第2流体通路部72及び接続通路部73とは、ねじれの位置にある。そして、ねじれの位置にあるこれらが、第2本体通路77bによって接続されている。同様にして、低温側のバルブ76Cに関して、上記第1本体通路77a及び第1流体通路部71Cと、第2流体通路部72及び接続通路部73とは、ねじれの位置にある。そして、ねじれの位置にあるこれらが、第2本体通路77bによって接続されている。
【0144】
高温側のバルブ76Hの第1本体通路77a及び第1流体通路部71Hと、低温側のバルブ76Cの第1本体通路77a及び第1流体通路部71Cとは、並列に配置されており、詳しくは互いに平行に配置されている。
【0145】
また、バルブユニット70Aは、バルブケース81を備えている。バルブケース81は、高温側のバルブ76Hに関して、バルブ本体77、第1流体通路部71H、第2流体通路部72、及び接続通路部73を覆っている。同様にして、バルブケース81は、低温側のバルブ76Cに関して、バルブ本体77、第1流体通路部71C、第2流体通路部72、及び接続通路部73を覆っている。なお、バルブユニット70A(70B)を真空二重配管と考えることもでき、その場合にはバルブ本体77、第1流体通路部71H、第2流体通路部72、及び接続通路部73が内管に相当し、バルブケース81が外管に相当する。
【0146】
バルブケース81は、バルブケース本体82と4つの外管接続部83とを備えている。
【0147】
バルブケース本体82は、直方体状に形成されており、主にバルブ76H,76Cの各バルブ本体77及び接続通路部73を覆っている。高温側の第1流体通路部71H、低温側の第1流体通路部71C、及び第2流体通路部72は、それぞれ外管接続部83によって覆われている。
【0148】
図7に示すように、外管接続部83は、外管接続部63と同様の構成を備えている。すなわち、外管接続部83は、拡径部分63a、段部64、溝65、挿入部67、覗き部68、操作部69にそれぞれ対応して、拡径部分83a、段部84、溝85、挿入部67、覗き部68、操作部69を備えている。
【0149】
図9,10に戻り、バルブケース81では、外管接続部83の拡径部分83a同士の間の途中部分が密閉されている。すなわち、バルブケース81は、外管接続部83の各端部でのみ開口している。
【0150】
バルブ76H,76C及び接続通路部73の外面と、バルブケース81の内面、詳しくはバルブケース本体82の内面との間に空間が形成されている。また、第1流体通路部71H,71C及び第2流体通路部72の外面と、バルブケース81の内面との間に空間が形成されている。そして、これらの空間によって、排気通路75が形成されている。
【0151】
排気通路75は、バルブケース81の内部全体にわたって連通している。排気通路75は、各外管接続部83の内部において第1流体通路部71H,71Cの端部でそれぞれ開口している。また、排気通路75は、各外管接続部83の内部において第2流体通路部72の端部でそれぞれ開口している。
【0152】
このため、バルブユニット70A,70Bを介して2つの真空二重配管30を接続した場合に、真空二重配管30の内管31と外管41との間の各空間(排気通路37)を、排気通路75を通じて互いに連通させることができる。
【0153】
排気通路75では、これらの開口部の間の途中部分が密閉されている。このため、排気通路75を真空に排気した場合に、各通路部及びバルブ76H,76Cから排気通路75にガルデンが漏れることや、バルブケース81の外部からこの排気通路75に空気が侵入することを防ぐことができる。
【0154】
バルブユニット70Aは、高温側の第1流体通路部71H及びそれを覆う外管接続部83を2組備えている。そして、その1組には高温側の供給通路21Hを構成する真空二重配管30が接続され、他の1組には高温側のバイパス通路25Hを構成する真空二重配管30が接続される。
【0155】
同様にして、バルブユニット70Aは、低温側の第1流体通路部71C及びそれを覆う外管接続部83を2組備えている。そして、その1組には低温側の供給通路21Cを構成する真空二重配管30が接続され、他の1組には低温側のバイパス通路25Cを構成する真空二重配管30が接続される。
【0156】
なお、上記高温側の供給通路21Hに接続される組と低温側の供給通路21Cに接続される組とが並列になり、高温側のバイパス通路25Hに接続される組と低温側のバイパス通路25Cに接続される組とが並列になる。
【0157】
また、バルブユニット70Aは、第2流体通路部72及びそれを覆う外管接続部83を2組備えている。そして、その1組には導入通路23Wを構成する真空二重配管30が接続され、他の1組には予備通路87を構成する真空二重配管30が接続される。
【0158】
一方、回収側のバルブユニット70Bでは、高温側の供給通路21Hに代えて高温側の回収通路22Hが接続され、低温側の供給通路21Cに代えて低温側の回収通路22Cが接続される。また、導入通路23Wに代えて導出通路24Wが接続され、予備通路87に代えて吸引通路19が接続される。バイパス通路25H,25Cの接続については、供給側のバルブユニット70Aと同様である。
【0159】
バルブ76H,76Cの各バルブ本体77の外周には、バルブ本体77とバルブケース本体82とを互いに支持する支持片86H,86C(支持部材)がそれぞれ組み付けられている。支持片86H,86Cは、ガルデンの使用温度域において耐熱性を有する断熱性の樹脂により形成されている。
【0160】
詳しくは、支持片86H,86Cには、バルブ本体77の外周に嵌合される貫通孔がそれぞれ形成されている。支持片86H,86Cには、互いに直交する方向へ突出する角部86aと86eとが設けられている。角部86aの稜線と角部86eの稜線とは、互いに直交している。
【0161】
そして、バルブ本体77の外周に支持片86H,86Cの貫通孔を嵌合させることにより、バルブ本体77に支持片86H,86Cが組み付けられている。バルブ本体77の外面に支持片86H,86Cの内面がそれぞれ接着されている。
【0162】
このとき、角部86a及び86eは、バルブケース81(詳しくはバルブケース本体82)において互いに直交する平面部と、それぞれ線接触の状態となっている。すなわち、バルブケース81が、支持片86H,86Cの角部86a及び86eにより線接触の状態で支持されている。これにより、バルブ本体77とバルブケース81とが、線接触の状態で互いに支持されている。
【0163】
また、支持片86H,86Cがバルブ本体77に取り付けられた状態において、低温側の支持片86Cは、高温側の支持片86Hの方向へ突出する角部86dを有している。これに対応して、高温側の支持片86Hは、低温側の支持片86Cの角部86dを受ける受け部86bを有している。そして、低温側の支持片86Cの角部86dと、高温側の支持片86Hの受け部86bとが、線接触の状態になっている。
【0164】
これにより、高温側のバルブ76Hのバルブ本体77と、低温側のバルブ76Cのバルブ本体77とが、互いに線接触の状態で支持されている。したがって、1つのバルブケース81内に、高温側のバルブ76Hと低温側のバルブ76Cとを収容したとしても、それらの間で熱伝導が行われることを抑制しつつ、それらを互いに支持することができる。
【0165】
図11は、真空二重配管30と、継手50,50U(バルブユニット70A,70B)との接続状態を示す断面図である。詳しくは、真空二重配管30における内管31の端部33と、継手50,50U(バルブユニット70A,70B)の内管接続部53(第2流体通路部72の接続部)との接続状態を示している。また、真空二重配管30における外管41の端部43と、継手50,50U(バルブユニット70A,70B)の外管接続部63(83)との接続状態を示している。
【0166】
真空二重配管30と継手50,50U(バルブユニット70A,70B)とが接続されることにより、真空二重配管30における内管31と外管41との間の空間(排気通路37)が、継手50,50U(バルブユニット70A,70B)の排気通路55(75)に連通している。これにより、継手50,50U(バルブユニット70A,70B)によって互いに接続される真空二重配管30では、各真空二重配管30の排気通路37が互いに連通することとなる。
【0167】
排気通路37,55(75)は、以下のシール構造によりシールされている。ここでは、L型継手50の場合を例にして説明する。
【0168】
内管シール構造は、内管31の端部43とL型継手50の内管接続部53との間をシールするOリング39A(内管シール部材)を備えている。
【0169】
具体的には、Oリング39Aは、内管31の端部33に設けられた溝34に嵌合されている。内管31の端部43の内部には、内管31の軸線方向(長手方向)に沿ってL型継手50の内管接続部53が挿入されている。そして、内管シール構造では、内管31の端部33の内面、詳しくは溝34の底面と、L型継手50の内管接続部53の外面との間を、Oリング39Aにより内管31の径方向でシールしている。
【0170】
また、外管シール構造は、外管41の端部43とL型継手50の外管接続部63との間をシールするOリング39B(外管シール部材)を備えている。
【0171】
具体的には、Oリング39Bは、外管41の端部43の外周、すなわち外管接続部63の拡径部分63aの内周に設けられている。外管41の延びる方向(長手方向)に関して、Oリング39Bは、外管41の端部43に設けられた段部44と、外管接続部63の段部64との間に設けられおり、これらの段部44,64によって押圧されている。これにより、外管シール構造では、外管41の端部43の外面、詳しくは段部44の表面と、外管接続部63の内面、詳しくは段部64の表面との間を、Oリング39Bにより外管41の延びる方向でシールしている。
【0172】
真空二重配管30の外管41と外管接続部63(83)とは、以下の外管接続構造により接続されている。ここでは、上記と同様に、L型継手50の場合を例にして説明する。
【0173】
外管接続構造は、外管41の端部43と、L型継手50の外管接続部63、詳しくは拡径部分63aとを取り外し可能な状態で接続する係止リング57(接続部材)を備えている。係止リング57は、外管41の端部43に設けられた溝46と、外管接続部63の拡径部分63aに設けられた溝65との双方に嵌合している。
【0174】
これにより、外管接続構造では、外管41の端部43と、外管接続部63の拡径部分63aとの接続状態が、係止リング57により保持されている。この状態では、上記段部44,64によってOリング39Bが押圧され、Oリング39Bは所定量変形された状態となっている。
【0175】
図12(a)は係止リング57を示す斜視図であり、図12(b)はその係止状態を示す斜視図である。
【0176】
係止リング57は、「C」字状に形成された係止リング本体57aと、係止リング本体57aの各端部に設けられた摘み部57bとを備えている。
【0177】
係止リング本体57aは、外管41の端部43に設けられた溝46と、外管接続部63の拡径部分63aに設けられた溝65との双方に嵌合する。このため、係止リング本体57aの径方向の厚みは、係止リング本体57aの全周にわたって一定であり、溝46の深さと溝65の深さとの合計よりも若干小さくなっている。さらに、係止リング本体57aの径方向の厚みは、係止リング本体57aの幅方向(係止リング本体57aの中心軸線方向)で一定である。
【0178】
摘み部57bは、係止リング本体57aの各端部において、係止リング本体57aの外径方向に突出している。摘み部57bの幅は、係止リング本体57aの幅と等しくされている。
【0179】
そして、係止リング本体57a及び摘み部57bの幅は、外管41の端部43に設けられた溝46の幅、及び外管接続部63の拡径部分63aに設けられた溝65の幅よりも若干狭くされている。
【0180】
ここで、外管接続部63の延びる方向における上記覗き部68の幅は、拡径部分63aに設けられた溝65の幅よりも若干広くなっている。このため、この溝65に嵌合された係止リング57の状態を、覗き部68を通じて確認することができる。
【0181】
係止リング57は、弾性材料により形成されており、例えば、ばね鋼により形成されている。係止リング57では、自然状態(非装着時)において摘み部57b同士が離間した状態となっている。そして、摘み部57b同士を近付けるように係止リング本体57aを縮めた状態では、係止リング本体57aの外径が外管接続部63の溝65の内径よりも若干小さくなる。
【0182】
このとき、係止リング本体57aの周方向において、摘み部57bの占める幅、すなわち2つの摘み部57bの両端間の間隔は、外管接続部63の拡径部分63aに設けられた上記挿入部67の幅よりも狭くなる。一方、係止リング本体57aを開放した状態では、係止リング本体57aの外径が外管接続部63の溝65の内径よりも大きくなる。
【0183】
各摘み部57bには、係止リング57の幅方向に延びる貫通孔57dが設けられている。これらの貫通孔57dは、係止リング本体57aを縮める際に使用する工具を挿入可能な寸法に形成されている。
【0184】
こうした構成において、外管41の端部43と、外管接続部63の拡径部分63aとの接続を、以下の手順で行う。
【0185】
係止リング本体57aを拡げて外管41の端部43から通し、端部43の溝46に合わせて係止リング57を配置する。続いて、摘み部57bの貫通孔57dに工具を挿入して、係止リング本体57aを縮めた状態とする。これにより、係止リング本体57aが端部43の溝46に嵌合した状態となる。
【0186】
このとき、2つの摘み部57bの両端間の間隔は、外管接続部63の挿入部67の幅よりも狭くなる。このため、この状態を維持しつつ、外管41の軸線方向に沿って外管接続部63の内部に外管41の端部43を挿入することができる。
【0187】
そして、外管接続部63の溝65と係止リング57とが一致した状態で、係止リング57を開放する。これにより、係止リング57が弾性により拡がって、係止リング本体57aの外面が、外管接続部63の溝65の内面に当接した状態となる。
【0188】
したがって、係止リング57が、外管41の端部43の溝46と、外管接続部63の拡径部分63aの溝65との双方に嵌合した状態となる。その結果、外管41の端部43と外管接続部63の拡径部分63aとが接続された状態となる。
【0189】
一方、外管41の端部43と、外管接続部63の拡径部分63aとの接続状態を解除する場合には、以下の手順で行う。
【0190】
摘み部57bの貫通孔57dに工具を挿入して、係止リング本体57aを縮めた状態とする。これにより、係止リング57が、外管41の端部43の溝46に嵌合する一方、外管接続部63の溝65から外れた状態となる。すなわち、係止リング本体57aが、外管41の端部43の溝46内に収容された状態となる。
【0191】
このとき、2つの摘み部57bの両端間の間隔は、外管接続部63の挿入部67の幅よりも狭くなる。このため、この状態を維持しつつ、外管41の軸線方向に沿って、外管接続部63の内部から外管41の端部43を引き出すことができる。
【0192】
図13は、真空ポンプの吸引通路19と回収側のバルブユニット70Bとの接続状態を示す断面図である。吸引通路19は、真空二重配管30から内管31を除いた構成を有するとともに、ベローズ部48aを更に有している。
【0193】
吸引通路19とバルブユニット70Bの外管接続部83との接続構造は、真空二重配管30の外管41と外管接続部83との接続構造と同様である。このため、同一の部材については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0194】
吸引通路19が接続された外管接続部83の内部では、バルブユニット70Bの第2流体通路部72の端部に密封栓89が設けられている。密封栓89は、第2流体通路部72の端部を封鎖している。このため、第2流体通路部72の内部を流通するガルデンが、この第2流体通路部72の端部から漏れることが防がれている。
【0195】
バルブユニット70Bの排気通路75は、吸引通路19に連通している。このため、吸引通路19を通じて真空ポンプにより、排気通路75を真空に排気することができる。
【0196】
外管本体42には、ベローズ部48aが設けられている。ベローズ部48aは、外管41の上記節部48を連続して複数形成することにより形成されている。このため、外管本体42とベローズ部48aとを一体で形成することができる。
【0197】
詳しくは、外管本体42に節部48及びベローズ部48aを形成する際には、外管本体42は直線状に形成されている。その後、バルブユニット70Bと真空ポンプとの位置関係に応じて、直線状の外管本体42がベローズ部48aで曲げられる。このため、ベローズ部48aに曲げ継手の機能を持たせることができる。
【0198】
以上の構成を備える温度制御システムは、以下のように制御される。なお、以下の制御は、作業者が行ってもよいし、温度制御システムの制御部が行ってもよい。
【0199】
図2に示すように、真空ポンプが駆動され、吸引通路19を通じて、回収側のバルブユニット70Bの排気通路75が真空に排気される。
【0200】
ここで、排気通路75は、バルブケース81の内部全体にわたって連通している。このため、バルブケース81の各外管接続部83において、排気通路75は各真空二重配管30における内管31と外管41との間の空間(排気通路37)に連通している。したがって、バルブユニット70Bに接続された各通路の真空二重配管30が真空に排気される。詳しくは、高温側の回収通路22H、低温側の回収通路22C、導出通路24W、高温側のバイパス通路25H、及び低温側のバイパス通路25Cを構成する各真空二重配管30が真空に排気される。
【0201】
さらに、バイパス通路25H,25Cを通じて、供給側のバルブユニット70Aの排気通路75が真空に排気される。このため、バルブユニット70Aに接続されたその他の通路の真空二重配管30が真空に排気される。詳しくは、高温側の供給通路21H、低温側の供給通路21C、及び導入通路23Wを構成する各真空二重配管30が真空に排気される。なお、予備通路87の内管及び外管の各端部は、封止フランジ87aによって封鎖されている。
【0202】
ここで、各真空二重配管30は、継手50,50Uによって接続されている。そして、真空二重配管30の排気通路37は、継手50,50Uの排気通路55に連通している。このため、真空二重配管30を真空に排気することにより、継手50,50Uの排気通路55を真空に排気することができる。
【0203】
さらに、継手50,50Uの排気通路55は、それに共に接続されている真空二重配管30の各排気通路37を互いに連通させている。このため、1つの真空二重配管30が真空に排気されることにより、継手50,50Uの排気通路55を通じて複数の真空二重配管30をまとめて真空に排気することができる。
【0204】
このようにして、吸引通路19を通じて、回収側のバルブユニット70Bの排気通路75を真空に排気することにより、温度制御システムを構成する通路全体をまとめて真空に排気することができる。
【0205】
続いて、供給ユニット10の開閉弁11H,12H,11C,12Cがそれぞれ開いた状態とされる。そして、圧力計16H,16Cの検出値に基づいて絞り弁17H,17Cの開度が調節される。すなわち、バイパス通路25H,25Cには、高温のガルデン及び低温のガルデンが、常に少量ずつ流通させられる。
【0206】
このため、高温のガルデン及び低温のガルデンのいずれがワークホルダ15に流通させられる場合であっても、高温側の供給通路21H及び高温側の回収通路22Hに常に高温のガルデンが流通し、低温側の供給通路21C及び低温側の回収通路22Cに常に低温のガルデンが流通させられる。したがって、高温側の供給通路21H及び高温側の回収通路22Hの温度低下や、低温側の供給通路21C及び低温側の回収通路22Cの温度上昇を抑制することができる。
【0207】
その後、所定のタイミングでバルブ70A,70Bの状態が切り替えられることにより、高温のガルデンと低温のガルデンとが切り替えられて、ワークホルダ15に流通させられる。
【0208】
例えば、ワークホルダ15に高温のガルデンを流通させる場合には、供給側のバルブユニット70Aによって、高温側の供給通路21Hと導入通路23Wとが連通させられるとともに、低温側の供給通路21Cと導入通路23Wとが遮断される。また、回収側のバルブユニット70Bによって、高温側の回収通路22Hと導出通路24Wとが連通させられるとともに、低温側の回収通路22Cと導出通路24Wとが遮断される。
【0209】
ここで、導入通路23W及び導出通路24Wを構成する真空二重配管30では、内管本体32及び外管本体42の熱容量が従来の真空二重配管と比較して小さくなっている。このため、導入通路23W及び導出通路24Wに流通させられるガルデンの温度が変更されたとしても、これらの通路23W,24Wの温度変化として吸収される熱エネルギを小さくすることができる。
【0210】
こうして、各真空二重配管30の内管31の流路にガルデンが流通させられる。さらに、複数の真空二重配管30が継手50,50Uで互いに接続され、継手50,50Uを介して各内管31の流路にガルデンが流通させられる。
【0211】
このとき、内管31の内部を流通するガルデンの圧力と排気通路37の圧力との差圧が内管31に作用し、排気通路37の圧力と大気圧との差圧が外管41に作用する。この点、真空二重配管30の内管31及び外管41には、上記節部38,48が形成されているため、これらの内管31及び外管41の強度を向上させることができる。
【0212】
また、真空二重配管30の内管31の内部にガルデンが流通することにより、内管31及び外管41の温度が変化して内管31及び外管41が伸縮することとなる。この点、内管シール構造では、内管31の端部33と、内管接続部53(第2流体通路部72の接続部)との間を、Oリング39Aにより内管31の径方向でシールしている。このため、内管31と内管接続部53とが、内管31の延びる方向(内管31の軸線方向)に相対移動することを許容することができる。
【0213】
特に、導入通路23W及び導出通路24Wでは、高温のガルデンと低温のガルデンとが切り替えられて流通させられる。このため、導入通路23W及び導出通路24Wを構成する真空二重配管30及びL型継手50では、他よりも温度変化による伸縮が大きくなる。その場合であっても、内管31に間隔をおいて複数形成された節部38によって、内管31の温度変化による伸縮を吸収することができる。さらに、節部38によって、ガルデンの流通と遮断とに伴うウォータハンマ現象を抑制することもできる。
【0214】
同様に、バルブユニット70A,70Bの第2流体通路部72及び接続通路部73においても、高温のガルデンと低温のガルデンとが切り替えられて流通させられる。この点、接続通路部73はベローズ部73aを含んでいるため、第2流体通路部72を流通するガルデンの温度が変更されたとしても、温度変化による第2流体通路部72の伸縮をベローズ部73aによって吸収することができる。
【0215】
また、U型継手50Uでは、内管ベローズ部56及び外管ベローズ部66によって、内管継ぎ部51及び外管継ぎ部本体62の伸縮をそれぞれ吸収することができる。
【0216】
なお、温度制御システムが停止されている状態において、真空二重配管30、継手50,50U、及びバルブユニット70A,70Bの接続状態を解除して、メンテナンス等を行うことができる。
【0217】
すなわち、外管接続構造では、外管41と外管接続部63(83)とが、係止リング57により取り外し可能な状態で接続されているため、外管41と外管接続部63とを取り外すことができる。この際、内管31と内管接続部53(第2流体通路部72の接続部)とは、内管31の延びる方向に相対移動することが許容されている。このため、外管41と外管接続部63との取り外しと同時にこれらも取り外すことができる。
【0218】
ここで、操作部69を介して係止リング57を操作することにより、外管41と外管接続部63,83との接続状態を解除することができる。このとき、内管31と内管接続部53とに対しては外部から操作することができないが、内管31と内管接続部53との間は、Oリング39Aによって内管31の径方向でシールされているのみである。したがって、真空二重配管30と継手50,50U(バルブユニット70A,70B)とを、二重配管30の延びる方向に引き離すことにより、内管31と内管接続部53(第2流体通路部72の接続部)との接続状態を解除することができる。
【0219】
以上詳述した本実施形態は以下の利点を有する。
【0220】
・真空二重配管30の内管31が外管41によって覆われており、内管31の外面と外管41の内面との間の空間によって排気通路37が形成されている。この排気通路37は、内管31の延びる方向(長手方向)において、両端部分が開放されるとともに途中部分が密閉されている。
【0221】
このため、1つの真空二重配管30の排気通路37を真空に排気することにより、この真空二重配管30に接続される継手50,50Uやバルブユニット70A,70B、ひいてはこれらを介して接続される他の真空二重配管30を真空に排気することができる。その結果、真空二重配管30を真空に排気する手間(工数や作業時間)を減らすことができる。
【0222】
・内管31の内管本体32及び外管41の外管本体42にはそれぞれ、その管壁を屈曲させて径方向の外側へ環状に突出させた節部38,48が間隔をおいて複数形成されている。このため、節部38,48によって、内管本体32に作用する内圧や、外管本体42に作用する外圧に対する強度を向上させることができる。したがって、内管本体32及び外管本体42の管壁を薄くして軽量化したとしても、それらの強度を確保することができる。
【0223】
さらに、間隔をおいて複数形成された節部38,48によって、内管31及び外管41の温度変化による伸縮をそれぞれ吸収することができる。したがって、伸縮ベローズを真空二重配管30に設けない場合であっても、二重配管30に生じる熱応力を緩和することができる。
【0224】
また、節部38,48は、内管本体32や外管本体42の管壁を屈曲させて径方向の外側へ環状に突出させることにより形成されているため、内管本体32や外管本体42に対してその長手方向(軸線方向)に縮める加工を行うことにより容易に形成することができる。
【0225】
・外管本体42には、節部48が間隔をおいて複数形成されているため、外管本体42の管壁を薄くすることができる。その結果、より体積が大きい外管本体42の管壁部材を軽量化することができるため、二重配管30を効果的に軽量化することができる。
【0226】
・内管31の内部を流通するガルデンの温度が変更され、内管31の温度変化が大きくなる場合であっても、内管本体32に設けられた複数の節部38によって内管31の伸縮を吸収することができる。したがって、二重配管30に生じる熱応力を緩和することができる。
【0227】
・内管本体32と外管本体42とが、線接触の状態で互いに支持されている。このため、内管31と外管41との間の熱伝導を抑制しつつ、これらを互いに支持することができる。
【0228】
同様にして、バルブ本体77とバルブケース本体82とが、線接触の状態で互いに支持されている。このため、バルブ本体77とバルブケース本体82との間の熱伝導を抑制しつつ、これらを互いに支持することができる。
【0229】
具体的には、外面に複数の角部を有する支持リング35A,35C、支持片86Cを内管本体32、内管継ぎ部51、バルブ本体77の外周にそれぞれ組み付けている。このため、外管本体42、外管継ぎ部本体62、バルブケース本体82を線接触の状態でそれぞれ支持する構成を、容易に実現することができる。
【0230】
・内管本体32に形成された節部38に嵌合させて支持リング35Aが組み付けられているため、支持リング35A同士の間隔を調整することが容易となる。さらに、節部38は内管本体32の径方向の外側へ環状に突出しているため、内管本体32の延びる方向へ支持リング35Aが移動することを節部38によって抑制し易くなる。
【0231】
・真空二重配管30の内管31と外管41との間の空間(排気通路37)を真空に排気することにより、排気通路37に連通する継手50,50Uの排気通路55、及びバルブユニット70A,70Bの排気通路75を真空に排気することができる。このため、継手50,50Uの内管継ぎ部51と外管継ぎ部本体62との断熱性、及びバルブユニット70A,70Bの流体通路部71H,71C,72とバルブケース81との断熱性を向上させることができる。したがって、継手50,50Uの部分、及びバルブユニット70A,70Bの部分で真空二重配管30の断熱性が低下することを抑制することができる。
【0232】
さらに、上記排気通路55,75は、各真空二重配管30の排気通路37を互いに連通させているため、1つの真空二重配管30を真空に排気することにより、これらの排気通路を55,75通じて複数の真空二重配管30をまとめて一回の作業で真空に排気することができる。その結果、真空二重配管30を真空に排気する手間を減らすことができる。
【0233】
・内管シール構造では、内管31の端部33と内管接続部53(第2流体通路部72の接続部)との間が、Oリング39Aにより内管31の径方向でシールされている。このため、内管31と内管接続部53とが、内管31の延びる方向(内管31の軸線方向)に相対移動することを許容することができる。したがって、内管31の温度変化による伸縮を吸収して、真空二重配管30及び継手50,50U(バルブユニット70A,70B)に生じる熱応力を緩和することができる。
【0234】
また、外管接続構造では、外管41の端部43と外管接続部63,83とが、係止リング57により取り外し可能な状態で接続されている。このため、メンテナンス等を行う際には、外管41と外管接続部63,83とを取り外すことができる。この際、内管31と内管接続部53とは、内管31の延びる方向に相対移動することが許容されているため、外管41と外管接続部63,83との取り外しと同時にこれらも取り外すことができる。
【0235】
・外管シール構造では、外管41の端部43と外管接続部63,83の拡径部分63a,83aとの間が、Oリング39Bにより外管41の延びる方向(真空二重配管30の軸線方向)でシールされている。このため、真空二重配管30と継手50,50U(バルブユニット70A,70B)とを外管41の延びる方向に相対移動させることにより、外管41と外管接続部63,83との間をシールすることができる。すなわち、真空二重配管30と継手50,50Uとを外管41の延びる方向で互いに差し込むことにより、外管41の端部43と外管接続部63,83の拡径部分63a,83aとの間をシールすることができる。
【0236】
このとき、上述したように、内管シール構造では、内管31の端部33と内管接続部53との間が、Oリング39Aにより内管31の径方向でシールされている。このため、真空二重配管30と継手50,50Uとを外管41の延びる方向で互いに差し込むことにより、内管31と内管接続部53との間も同時にシールすることができる。
【0237】
さらに、Oリング39Bが所定量変形された状態で、外管41の端部43と外管接続部63,83との接続状態が外管接続構造によって保持される。このため、Oリング39Bの変形量、すなわち外管接続構造によるシール状態を安定させることができる。そして、この状態が外管接続構造により保持されるため、内管31と外管接続部63,83とが内管31の延びる方向に相対移動することを規制することができる。
【0238】
・第1流体通路部71C,71Hと第2流体通路部72とは、それぞれねじれの位置にあるため、第1流体通路部71C,71Hと第2流体通路部72とは交わることなく、バルブ76H,76Cを介してそれぞれ接続されている。したがって、第1流体通路部71C,71Hを流通するガルデンと第2流体通路部72を流通するガルデンとでそれぞれ温度差がある場合であっても、第1流体通路部71C,71Hと第2流体通路部72との間の熱伝導をそれぞれ抑制することができる。その結果、ガルデンの有する熱エネルギの損失を抑制することができる。
【0239】
・流体通路部71H,72、及び高温側のバルブ76Hのバルブ本体77の組と、流体通路部71C,72、及び低温側のバルブ76Cのバルブ本体77の組とが、バルブケース81によって覆われている。そして、流体通路部71H,71C,72、接続通路部73、及びバルブ76H,76Cと、バルブケース81との間の空間によって形成される排気通路75が真空に排気される。このため、2つの組の間の断熱性が低下することを抑制しつつ、1つのバルブケース81内に2つの組の流体通路部及びバルブを収容することができる。その結果、2つの組の流体通路部及びバルブを含むバルブユニット70A,70B全体を小型化することができる。
【0240】
さらに、1つの真空二重配管30を真空に排気することにより、バルブユニット70A,70Bの排気通路75を通じて複数の組に対応する真空二重配管30を、まとめて真空に排気することができる。したがって、高温側の第1流体通路部71H及びバルブ76Hの組と、低温側の第1流体通路部71C及びバルブ76Cの組とを、個別にバルブケース81内に収容する場合と比較して、真空二重配管30を真空に排気する手間を減らすことができる。
【0241】
・接続通路部73を介して各組の第2流体通路部72が互いに接続されているため、複数の組の第2流体通路部72を共通化して、第1流体通路部71H,71Cから共通の第2流体通路部72にガルデンを流入させることができる。その結果、第1流体通路部71Hと第1流体通路部71Cとで流通させるガルデンの温度を互いに異ならせることにより、第2流体通路部72に流通させる流体の温度を変更することができる。
【0242】
ここで、接続通路部73はベローズ部73aを含んでいるため、第2流体通路部72を流通するガルデンの温度が変更されたとしても、温度変化による第2流体通路部72の伸縮をベローズ部73aによって吸収することができる。したがって、第2流体通路部72及びバルブ76H,76Cに生じる熱応力を緩和することができる。
【0243】
・操作部69を介して係止リング57を操作することにより、外管41と外管接続部63(83)との接続状態を解除することができる。このとき、内管31と内管接続部53(第2流体通路部72の接続部)との間は、Oリング39Aによって内管31の径方向でシールされているのみである。したがって、真空二重配管30と継手50,50U(バルブユニット70A,70B)とを二重配管30の延びる方向に引き離すことにより、内管31と内管接続部53との接続状態を解除することができる。その結果、真空二重配管30と継手50,50Uとの接続状態を容易に解除することができる。
【0244】
・前記操作部69は、外管41と外管接続部63,83とが係止リング57により接続されていることを視認可能とする覗き部68を含むといった構成を採用している。このため、係止リング57に対して操作することを可能とする操作部69に、外管41と外管接続部63,83との接続を視認可能とする覗き部68としての機能を持たせることができる。したがって、覗き部68を設けるための加工工数が増加することを抑制しつつ、外管41と外管接続部63,83とをより確実に接続することができる。
【0245】
・吸引通路19では、節部48を連続して複数形成することにより、ベローズ部48aが形成されている。このため、ベローズ部48aにおいて管を曲げることが可能となり、ベローズ部48aに曲げ継手の機能を持たせることができる。したがって、曲がった状態で設置される吸引通路19の場合でも、一体で長く形成することができる。その結果、吸引通路19の接続部を減らすことができるため、吸引通路19の密閉性を向上させることができる。
【0246】
上記実施形態に限定されず、例えば次のように実施することもできる。
【0247】
・バルブユニット70A,70Bにおいて、ベローズ部73aを含まない接続通路部73を採用することもできる。
【0248】
・図14に示すように、外管141の端部143の外面に環状の溝144を設けて、この溝144にOリング39Bを嵌合させてもよい。すなわち、外管シール構造として、外管141の端部143と外管接続部163(183)との間を、Oリング39Bによって外管141の径方向でシールするようにしてもよい。
【0249】
こうした構成によれば、外管141の軸線方向において外管141と外管接続部163(183)とを位置合わせすることが容易となる。ただし、シール性に関しては、一般に、Oリング39Bによって外管141の延びる方向(軸線方向)でシールする構成の方が優れている。
【0250】
また、内管接続部53(第2流体通路部72の接続部)の外面に環状の溝を設けてOリング39Aを嵌合させる構成や、外管接続部163(183)の外面に環状の溝を設けてOリング39Bを嵌合させる構成を採用することもできる。
【0251】
・同図に示すように、外管接続構造として、外管接続部163(183)の内面に断面形状が三角形である環状の溝165(185)を設けるとともに、この溝165に嵌合する環状の返し157aを有する係止リング157を採用することもできる。
【0252】
こうした構成において、外管141の端部143の溝46に係止リング157を合わせて縮めた状態とし、外管141の軸線方向に沿って外管接続部163の内部に外管141の端部143を挿入する。そして、係止リング157の返し157aが、外管接続部163の溝165に到達すると、係止リング157が弾性により拡がってこれらが嵌合した状態となる。これにより、外管141の端部143と外管接続部163とを接続することができる。
【0253】
・図14に示す係止リング157及び外管接続部163(183)において、図15に示す操作部169を採用することが有効である。操作部169は、外管接続部163の軸線方向に沿って、外管接続部163の端部から溝165(185)まで延びる切り欠きとなっている。操作部169は、外管接続部163の周方向において、所定間隔おきに複数設けられている。
【0254】
こうした構成において、複数の操作部169を介して係止リング157を内径方向に押圧することにより、係止リング157を縮めた状態とする。そして、係止リング157が縮められて返し157aが溝165から外れた状態において、外管141と外管接続部163とを外管141の延びる方向に引き離す。これにより、外管141と外管接続部163との接続状態を解除することができる。
【0255】
また、外管接続部163の周方向における操作部169の幅を拡大することにより、操作部169を通じて係止リング157の返しと外管接続部163の溝165との嵌合状態を視認することができる。すなわち、外管141の端部143と外管接続部163とが係止リング157により接続されていることを視認可能とする視認部としての機能を、操作部169に持たせることができる。
【0256】
なお、上述した外管接続部63,83の操作部69や、外管接続部163,183の操作部169を備えていない外管接続部を採用することもできる。すなわち、外管と外管接続部とが、必ずしも取り外し可能でなくてもよい。
【0257】
・図4(d)に示す支持リング35Dや、図4(a)に示す支持リング35Aにおいて溝36dが設けられていない構成を採用するとともに、内管31の延びる方向(軸線方向)において支持リングの両側近傍に内管31の節部38を設けた構成を採用することもできる。こうした構成によれば、内管31の延びる方向へ支持リングが移動することを、節部38によって抑制することができる。なお、支持リングを挟む節部38同士の間隔が広い場合であっても、支持リングが節部38に当接するまで移動した段階で、支持リングがそれ以上移動することを抑制することができる。
【0258】
また、内管31や外管41の一部を突出させて突出部や角部を形成し、その突出部や角部によって、内管31と外管41とを点接触又は線接触の状態で互いに支持することもできる。同様にして、継手50,50Uにおいて、内管継ぎ部51や外管継ぎ部61の一部を突出させて突出部や角部を形成し、その突出部や角部によって、内管継ぎ部51と外管継ぎ部61とを点接触又は線接触の状態で互いに支持することもできる。バルブユニット70A,70Bにおいて、バルブ本体77やバルブケース81の一部を突出させて突出部や角部を形成し、その突出部や角部によって、バルブ本体77とバルブケース81とを点接触又は線接触の状態で互いに支持することもできる。
【0259】
・図5に示すL型継手50について、内管継ぎ部51及び外管継ぎ部本体62を直線状に変更して、I型継手とすることもできる。この場合には、内管継ぎ部51や外管継ぎ部本体62を、真空二重配管30の内管本体32や外管本体42に準じた構成とすることが有効である。すなわち、内管継ぎ部51や外管継ぎ部本体62の管壁を、従来の真空二重配管における管壁よりも薄く形成するとともに、節部38,48と同様の節部を単数あるいは複数設けるとよい。
【0260】
また、図6に示すU型継手50Uについて、内管継ぎ部51及び外管継ぎ部本体62を直線状に変更して、I型継手とすることもできる。そのI型継手において更に、ベローズ部56,66の部分を三叉の通路部に変更して、T型継手とすることもできる。なお、U型継手50Uにおいて、ベローズ部56,66の部分を三叉の通路部に変更して、Y型継手とすることもできる。
【0261】
また、図6に示すU型継手50Uについて、内管継ぎ部51及び外管継ぎ部本体62を直線状に変更するとともに、ベローズ部56,66をL型に曲げることにより、L型継手とすることもできる。
【0262】
その場合には、図13に示す吸引通路19と同様にして、内管継ぎ部51及びベローズ部56と、外管継ぎ部本体62及びベローズ部66とを、それぞれ一体で形成することが有効である。さらに、内管継ぎ部51及び外管継ぎ部本体62に、それぞれ節部38,48と同様の節部を設けることが有効である。
【0263】
また、図13に示す吸引通路19に対して、吸引通路19よりも径が小さく吸引通路19と同様の構成を有する内管を設けることにより、L型の真空二重配管とすることもできる。こうした構成によれば、ベローズ部において二重配管を曲げることが可能となり、ベローズ部に曲げ継手の機能を持たせることができる。したがって、曲がった状態で設置される二重配管の場合でも、一体で長く形成することができる。その結果、二重配管の接続部を減らすことができるため、二重配管管の密閉性を向上させることができる。
【0264】
・図16に示すように、真空二重配管30に接続される継手150において、内管接続部253と外管接続部263とがベローズ部266を介して接続されており、内管接続部253と外管接続部263との間がベローズ部266によってシールされているといった構成を採用することもできる。
【0265】
ここでは、外管接続部263にフランジ267が設けられており、フランジ267にはボルト孔267aが設けられている。また、内管接続部253にはフランジ257が設けられている。そして、例えば、供給ユニット10の筺体に対して、外管接続部263が外側に配置され、内管接続部253が内側に配置されるように継手150をボルトで固定する。
【0266】
こうした構成によれば、筺体の内側において内管接続部253のフランジ257をガルデンの供給機の配管に接続するとともに、筺体の外側において外管接続部263及び内管接続部253に真空二重配管30を接続することができる。したがって、筺体に収容されたガルデンの供給機の配管と、真空二重配管30とを容易に接続することができる。
【0267】
・上記実施形態では、ねじれの位置にある第1流体通路部71H(71C)と第2流体通路部72とが、バルブ76H(76C)を介して接続された構成を採用した。しかしながら、図17に示すように、同一直線上に配置された第1流体通路部171H(171C)と第2流体通路部172H(172C)とが、バルブ176H(176C)を介してそれぞれ接続された構成を採用することもできる。この場合には、高温のガルデンと低温のガルデンとが、高温側のバルブ176Hと低温側のバルブ176Cとによって、それぞれ独立して流通状態及び遮断状態に切り替えられる。
【0268】
また、同図に示すように、上記構成において、高温側の第1流体通路部171H、第2流体通路部、及びバルブ176Hの本体の組と、低温側の第1流体通路部171C、第2流体通路部、及びバルブ176Cの本体の組とが、バルブケース181によって覆われた構成を採用することが有効である。こうした構成によっても、複数の組の間の断熱性が低下することを抑制しつつ、複数の組の流体通路部及びバルブを含むバルブユニット170A(170B)全体を小型化することができる。
【0269】
さらに、そうした構成において、第1流体通路部171H,171C、第2流体通路部、及びバルブ176H,176Cと、バルブケース181との間の空間によって排気通路が形成され、この排気通路は、各真空二重配管30の内管31と外管41との間の空間(排気通路37)を互いに連通させるとともに、各真空二重配管30の間の途中部分が密閉されているといった構成を採用することが有効である。これにより、真空二重配管30の排気通路37を真空に排気することにより、排気通路37に連通する上記排気通路を真空に排気することができる。
【0270】
・図18に示すように、バルブユニット270A(270B)が、ねじれの位置にある第1流体通路部271と第2流体通路部272とを含み、第1流体通路部271と第2流体通路部272とがバルブ276を介して接続されていてもよい。そして、1組の流体通路部271,272及びバルブ276の本体が、1つのバルブケース281により覆われている構成を採用してもよい。こうした構成においても、第1流体通路部271、第2流体通路部272、及びバルブ276と、バルブケース281との間の空間によって形成される排気通路を真空に排気することができる。
【0271】
・図19に、バルブユニット70A(70B)のバルブ76H(76C)の一部を示すように、弁体178に、断熱性材料(例えばPEEK材等)により形成された軸部材179(断熱部材)を接続し、この軸部材179を上述した駆動部76aのピストン(駆動部材)に接続してもよい。すなわち、弁体178とピストンとが軸部材179を介して接続されているといった構成を採用してもよい。軸部材179は、直線状に形成されており、その端部が弁体178とピストンとにそれぞれねじ締結されている。そして、軸部材179は、ガイド部77cにより、摺動可能に支持されている。なお、PEEK材は、耐熱性及び耐薬品性が優れているため、バルブ76H(76C)の軸部材として有効である。
【0272】
上記構成によれば、ピストンから弁体178に対して駆動力が作用させられるため、弁体178の駆動を通じて、上述した第1本体通路77aと第2本体通路77bとの連通部を、連通状態と遮断状態とに切り替えることができる。ここで、弁体178とピストンとが断熱性材料により形成された軸部材179を介して接続されているため、弁体178とピストンと間の熱伝導を抑制することができる。その結果、バルブユニット70A(70B)の断熱性を向上させることができる。
【0273】
・図20に示すように、バルブ本体77、上述した第1流体通路部71H(71C)、第2流体通路部72、及び接続通路部73に加えて、シリンダ及びピストンを備える駆動部76aを、バルブケース381によって覆うようにしてもよい。この場合には、シリンダに圧縮空気を導入する空気配管301が、バルブケース381の外部から内部に導入され、駆動部76aに接続されている。そして、バルブケース381と空気配管301との間が、シール部材等によりシールされている。
【0274】
また、バルブケース381に、図16に示した継手150に準じた継手350が接続されている。そして、この継手350のフランジ257と、第2流体通路部72の端部に設けられたフランジ72aとが接続され、それらの間がシール部材339によってシールされている。ここで、継手350のフランジ267には、複数の貫通孔267bとシール部材340を収容する溝267cとが、継手150の構成に加えて設けられている。貫通孔267bは、フランジ267の周方向に等間隔で複数(詳しくは8個)設けられており、内管接続部253と外管接続部263との間の部分を貫通している。溝267cは、貫通孔267bの周囲に環状に形成されており、シール部材340を収容している。そして、フランジ267において溝267cよりも外側の部分が、バルブケース381にボルト及びナットにより締結され、フランジ267とバルブケース381との間がシール部材340によりシールされている。このとき、バルブケース381の開口部381aは、複数の貫通孔267bと重なるように配置されている。こうした構成において、継手350に、上述した真空二重配管30が接続される。
【0275】
すなわち、バルブユニット370と上述した真空二重配管30とが継手350を介して接続され、バルブユニット370の排気通路75と、真空二重配管30の内管31及び外管41の間の空間とが、継手350の貫通孔267bを含む排気通路375によって互いに連通させられる。この場合であっても、これらのバルブユニット370、継手350、及び真空二重配管30を、まとめて真空に排気することができる。さらに、第2流体通路部72の端部のフランジ72aと、継手350のフランジ257とが接続される構成であるため、バルブ376H(376C)の接続部の構成を汎用化することができる。したがって、真空二重配管30用のバルブユニット370において、第2流体通路部72(流体通路部)と継手350との接続を容易化することができ、ひいては第2流体通路部72と真空二重配管30との接続を容易化することができる。
【0276】
・図21に示すように、複数の継手350の内管接続部253が継手接続通路部453によって互いに接続されるとともに、複数の継手350の外管接続部263が、継手接続通路部453を覆う継手ケース481によって互いに接続されるようにしてもよい。ここでは、継手接続通路部453は、「T」字状(三叉状)に形成されており、内部にガルデンの流路が形成されている。そして、継手接続通路部453と継手ケース481との間の空間によって排気通路475が形成され、この排気通路475は、複数の継手350の排気通路375を互いに連通させるとともに、継手350間の途中部分が密閉されているといった構成を採用してもよい。各継手350には、上述した真空二重配管30が接続される。なお、図20に示したバルブケース381と同様にして継手ケース481に各継手350が接続されており、継手接続通路部453において内管接続部253との接続部には、継手350と同様にフランジ457が設けられている。このため、継手接続通路部453の接続部の構成を汎用化することができる。
【0277】
こうした構成によっても、これらの継手ケース481、継手350、及び真空二重配管30を、まとめて真空に排気することができる。すなわち、複数の継手350、継手接続通路部453、及び継手ケース481の全体を1つの継手と考えた場合には、継手350の内管接続部253及び継手接続通路部453が内管継ぎ部に相当し、継手350の外管接続部263及び継手ケース481が外管継ぎ部に相当する。このとき、継手350の数を変更するとともに、それに対応して継手ケース481を形成することにより、真空二重配管30を互いに接続する継手を自由に設計することができる。
【0278】
・真空二重配管30、継手50,50U、バルブユニット70A,70Bのバルブケース81,通路部71H,71C,72,73を、チタンやアルミニウム合金等の材料で形成することもできる。
【0279】
・上記実施形態では、空圧式のバルブ76H,76Cを採用したが、電磁式のバルブ等を採用することもできる。
【0280】
・上記実施形態では、内管31及び外管41の双方に節部38,48がそれぞれ設けられている構成を採用したが、内管31のみに節部38が設けられている構成や、外管41のみに節部48が設けられている構成を採用することもできる。
【0281】
・熱媒体はガルデンに限られず、水や油等の液体を用いることもできる。また、熱媒体として気体を用いることもできる。
【0282】
さらに、真空二重配管30、継手50,50U、バルブユニット70A,70B、及びそれらの変形例を、温度制御システムに限らず、流体を供給するシステムや、流体を排気するシステムに適用することもできる。
【0283】
・真空は大気圧よりも圧力の低い状態であればよく、温度制御システムの使用される環境に応じて真空度を変更してもよい。
【符号の説明】
【0284】
10…供給ユニット、15…ワークホルダ、30…真空二重配管、31…内管、32…内管本体、41…外管、42…外管本体、37,55,75…排気通路、38,48…節部、50…L型継手、50U…U型継手、51…内管継ぎ部、53…内管接続部、61…外管継ぎ部、62…外管継ぎ部本体、63,83…外管接続部、70A,70B…バルブユニット、76H,76C…バルブ、77…バルブ本体、78…弁体、81…バルブケース。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内管を覆う外管を有して前記内管と前記外管との間を真空にする真空二重配管を互いに接続する継手であって、
前記内管にそれぞれ接続される内管接続部を有して、各内管の流路を互いに連通させるとともに、前記内管接続部間の途中部分が密閉された内管継ぎ部と、
前記内管継ぎ部を覆うとともに、前記外管にそれぞれ接続される外管接続部を有する外管継ぎ部とを備え、
前記内管継ぎ部と前記外管継ぎ部との間の空間によって排気通路が形成され、
前記排気通路は、前記内管と前記外管との間の各空間を互いに連通させるとともに、前記外管接続部間の途中部分が密閉されていることを特徴とする真空二重配管の継手。
【請求項2】
前記内管継ぎ部と前記外管継ぎ部とが、点接触又は線接触の状態で互いに支持されていることを特徴とする請求項1に記載の真空二重配管の継手。
【請求項3】
前記内管継ぎ部の外周には支持部材が組み付けられており、
前記支持部材の外面には複数の突出部が設けられ、前記外管継ぎ部が、前記複数の突出部により点接触又は線接触の状態で支持されていることを特徴とする請求項2に記載の真空二重配管の継手。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の真空二重配管の継手と、
前記真空二重配管と、
前記内管と前記内管接続部との間を前記内管の径方向でシールする内管シール部材と、
前記外管と前記外管接続部との間をシールする外管シール部材と、
前記外管と前記外管接続部とを取り外し可能な状態で接続する接続部材と、
を備えることを特徴とする真空二重配管の接続構造。
【請求項5】
前記外管シール部材は、前記外管と前記外管接続部との間を前記外管の延びる方向でシールするものであり、
前記接続部材は、前記外管シール部材が所定量変形された状態で、前記外管と前記外管接続部との接続状態を保持することを特徴とする請求項4に記載の真空二重配管の接続構造。
【請求項6】
前記外管接続部には、前記外管と前記外管接続部との接続状態を解除するように、前記接続部材に対して操作することを可能とする操作部が設けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載の真空二重配管の接続構造。
【請求項7】
前記操作部は、前記外管と前記外管接続部とが前記接続部材により接続されていることを視認可能とする視認部を含むことを特徴とする請求項6に記載の真空二重配管の接続構造。
【請求項1】
内管を覆う外管を有して前記内管と前記外管との間を真空にする真空二重配管を互いに接続する継手であって、
前記内管にそれぞれ接続される内管接続部を有して、各内管の流路を互いに連通させるとともに、前記内管接続部間の途中部分が密閉された内管継ぎ部と、
前記内管継ぎ部を覆うとともに、前記外管にそれぞれ接続される外管接続部を有する外管継ぎ部とを備え、
前記内管継ぎ部と前記外管継ぎ部との間の空間によって排気通路が形成され、
前記排気通路は、前記内管と前記外管との間の各空間を互いに連通させるとともに、前記外管接続部間の途中部分が密閉されていることを特徴とする真空二重配管の継手。
【請求項2】
前記内管継ぎ部と前記外管継ぎ部とが、点接触又は線接触の状態で互いに支持されていることを特徴とする請求項1に記載の真空二重配管の継手。
【請求項3】
前記内管継ぎ部の外周には支持部材が組み付けられており、
前記支持部材の外面には複数の突出部が設けられ、前記外管継ぎ部が、前記複数の突出部により点接触又は線接触の状態で支持されていることを特徴とする請求項2に記載の真空二重配管の継手。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の真空二重配管の継手と、
前記真空二重配管と、
前記内管と前記内管接続部との間を前記内管の径方向でシールする内管シール部材と、
前記外管と前記外管接続部との間をシールする外管シール部材と、
前記外管と前記外管接続部とを取り外し可能な状態で接続する接続部材と、
を備えることを特徴とする真空二重配管の接続構造。
【請求項5】
前記外管シール部材は、前記外管と前記外管接続部との間を前記外管の延びる方向でシールするものであり、
前記接続部材は、前記外管シール部材が所定量変形された状態で、前記外管と前記外管接続部との接続状態を保持することを特徴とする請求項4に記載の真空二重配管の接続構造。
【請求項6】
前記外管接続部には、前記外管と前記外管接続部との接続状態を解除するように、前記接続部材に対して操作することを可能とする操作部が設けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載の真空二重配管の接続構造。
【請求項7】
前記操作部は、前記外管と前記外管接続部とが前記接続部材により接続されていることを視認可能とする視認部を含むことを特徴とする請求項6に記載の真空二重配管の接続構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
【図7】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図16】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2011−208667(P2011−208667A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−74344(P2010−74344)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【出願人】(597100538)株式会社ミラプロ (22)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【出願人】(597100538)株式会社ミラプロ (22)
【Fターム(参考)】
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