説明

眼部刺痛が少なく高いSPFを有する日焼け止め組成物

高レベルのSPF保護を維持しながら、眼部刺痛を防止、抑制、または最低限にする日焼け止め組成物。一実施形態において、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、およびその混合物から成る群から選択される無機活性成分、ならびにオクチノキサート、オクチサレート、ホモサレート、アボベンゾン、オクトクリレン、パラアミノ安息香酸、シノキサート、ジオキシベンゾン、アントラニル酸メチル、オクトクリレン、パジメートO、エンスリゾール、スリソベンゾン、サリチル酸トロラミン、エカムスル、およびその混合物から成る群から選択される有機活性成分を含む日焼け止め組成物が提供され、該組成物は実質的にオキシベンゾンを含まない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に日焼け止めとして使用するための組成物、および特に、高レベルのSPF保護を維持しながら、眼部刺痛を防止、抑制、または最小限にする日焼け止め組成物に向けられる。この出願は、2007年9月18日に提出された、米国仮特許出願連続番号第60/973,316号から優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
日焼け止め組成物は、紫外線照射(UVR)による損傷に対して保護するために皮膚に局所的に適用される。適用の方法のために、日焼け止め組成物が眼組織と接触する可能性がある。当該技術分野において、そのような接触が望ましくない眼部刺痛を引き起こし得ることが周知である。
【0003】
特定の日焼け止め組成物がUVRを遮断する能力は、一般的に日焼け防止指数(SPF)によって表される。日焼け止め組成物のSPFは一般的に、存在する活性成分の型および量の両方に依存する。高いSPFを達成するために、多くの場合大量の活性成分が加えられる。しかし、眼部刺痛は多くのこれらの活性成分の存在によって生じ得、それらのいくつかは大量に存在する場合に眼部刺痛を引き起こし、そして他のものは少量存在する場合でも著しい眼部刺痛を引き起こす。
【0004】
不活性成分の適当な混合が、透明度、光安定性、なめらかさ、適用の容易さ等のような、市販の日焼け止めにおいて望ましい性質を得ることにおいて重要である。しかし、日焼け止め組成物における、不活性成分の眼部刺痛に対する作用は、以前の技術においては実質的に無視されてきた。不活性成分の眼部刺痛に対する作用を無視することによって、日焼け止め調合者は、SPF等級が高く眼部刺痛が少ない組成物を調製するのに困難を有しており、そして比較的低いSPF等級を有するそのような日焼け止め組成物を調製することに制限され、または活性成分の選択において制限されてきた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
眼部刺痛の可能性に対する不活性成分の正および負の両方の作用を考慮して、より多くの様々な活性成分、および/またはそのような活性成分を増量して、そのような組成物が過度に眼部刺痛を生ずることがないよう、日焼け止め組成物に含み得る。それにより高いSPF等級を有する眼部刺痛の少ない様々な日焼け止め組成物を調製することが可能になるので、これは有益である。
【0006】
本発明のいくつかの例の実施態様は、不活性成分の作用を考慮して、高いSPF等級と少ない眼部刺痛の可能性を有する日焼け止め組成物を含む。
【0007】
本発明のある例の実施態様は、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、およびそれらの混合物から成る群から選択される無機活性成分、およびオクチノキサート、オクチサレート、ホモサレート、アボベンゾン、オクトクリレン、パラアミノ安息香酸、シノキサート、ジオキシベンゾン、アントラニル酸メチル、オクトクリレン、パジメートO、エンスリゾール、スリソベンゾン、サリチル酸トロラミン、エカムスル(ecamsule)、およびそれらの混合物から成る群から選択される有機活性成分を含む日焼け止め組成物を含み、ここでその組成物は実質的にオキシベンゾンを含まない。
【0008】
別の観点から、本発明のいくつかの例の実施態様は、少なくとも約30のSPFを有する日焼け止め組成物を含む。
【0009】
別の観点から、本発明のいくつかの例の実施態様は、少なくとも約50のSPFを有する日焼け止め組成物を含む。
【0010】
別の観点から、本発明のいくつかの例の実施態様は、約1.5より低い眼部刺痛スコアを有する日焼け止め組成物を含む。
【0011】
別の観点から、本発明のいくつかの例の実施態様は、約1.0より低い眼部刺痛スコアを有する日焼け止め組成物を含む。
【0012】
別の観点から、本発明のいくつかの例の実施態様は、約0.7より低い眼部刺痛スコアを有する日焼け止め組成物を含む。
【0013】
別の観点から、本発明のいくつかの例の実施態様は、約0.5より低い眼部刺痛スコアを有する日焼け止め組成物を含む。
【0014】
別の観点から、本発明のいくつかの例の実施態様は、約0.3より低い眼部刺痛スコアを有する日焼け止め組成物を含む。
【0015】
別の観点から、本発明のいくつかの例の実施態様は、重量で少なくとも約10%の酸化亜鉛を含む日焼け止め組成物を含む。
【0016】
別の観点から、本発明のいくつかの例の実施態様は、重量で少なくとも約15%の酸化亜鉛を含む日焼け止め組成物を含む。
【0017】
別の観点から、本発明のいくつかの例の実施態様は、オクチノキサートおよびオクチサレートを含む日焼け止め組成物を含む。
【0018】
別の観点から、本発明のいくつかの例の実施態様は、それぞれ7.5%および5%の重量パーセントでオクチノキサートおよびオクチサレートを含む日焼け止め組成物を含む。
【0019】
別の観点から、本発明のいくつかの例の実施態様は、シリコーンに基づく乳化剤、グリコシド、ポリエチレングリコール、アクリルに基づく乳化剤、およびそれらの混合物から成る群から選択される乳化剤を含む日焼け止め組成物を含む。
【0020】
別の観点から、本発明のいくつかの例の実施態様は、Abil WE09、Abil EM−90、DC9011シリコーンエラストマー、Emulgade68/50、Arlacel P135、Simulgel A、Simulgel EG、およびそれらの混合物から成る群から選択される乳化剤を含む日焼け止め組成物を含む。
【0021】
別の観点から、本発明のいくつかの例の実施態様は、油性のエステル、エーテル、およびアロエ抽出物、およびそれらの混合物から成る群から選択される皮膚軟化薬を含む日焼け止め組成物を含む。
【0022】
別の観点から、本発明のいくつかの例の実施態様は、Cetiol OE、Lexol IPL、パルミチン酸オクチル、ヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、アロエベラのactiphyte、Trivent NP−13、安息香酸C12−15アルキル、およびそれらの混合物から成る群から選択される皮膚軟化薬を含む日焼け止め組成物を含む。
【0023】
別の観点から、本発明のいくつかの例の実施態様は、重量で、約15%の酸化亜鉛、約7.5%のオクチノキサート、約5%のオクチサレート、約5%のプロピレングリコール、約5%のジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、約5%の安息香酸C12−15アルキル、約3%のDC9011シリコーンエラストマー、約2.5%のAbilEM−90、約0.5%のGermabenII、約0.4%の塩化ナトリウム、約0.01%のアロエベラのactiphyte、および残りは水を含む日焼け止め組成物を含む。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明のいくつかの例の実施態様は、組成物の全体的な眼部刺痛の可能性に対する不活性成分の作用を考慮して、比較的SPF等級の高い眼部刺痛の少ない日焼け止め組成物を提供する。長年の研究の後、本発明者らは、日焼け止め組成物の眼部刺痛の可能性は、その成分全ての複雑な作用であり、そして不活性成分が、重要な、以前には見過ごされていた効果を有し、それは他の、活性または不活性な成分との相互作用に基づき得ることを決定した。具体的には、本発明者らは、特定の調合物の眼部刺痛の可能性は、不活性成分の選択に依存して増強または抑制され得ることを決定した。従って、活性成分および不活性成分の適当な組み合わせを選択することによって、本発明者らは、SPF等級が高いいくつかの新規の眼部刺痛が少ない日焼け止め組成物を開発した。
【0025】
本発明者らはまた、約7.5%のオクチノキサートおよび約5%のオクチサレートと組み合わせて、比較的多い重量パーセントの酸化亜鉛(すなわち少なくとも約15%)を含むことによって、高度に保護的な日焼け止め組成物(SPF50)を得ることができ、それは同時に低い眼部刺痛力を提供することを見出した。よって、いくつかの例の実施態様において、その組成物は、重量で、少なくとも約15%の酸化亜鉛、少なくとも約7.5%のオクチノキサート、および少なくとも約5%のオクチサレートを含む。
【0026】
日焼け止め組成物の眼部刺痛力を、組成物をヒト被験者の目に直接点眼することによって測定する。点眼後、それぞれの被験者に以下のスケールで知覚した眼部刺痛の量を評価するよう依頼する:
0)なし
1)かすか
2)軽度
3)中程度
4)強い 。
各試験被験者によって提供されたスコアを、次いで平均して組成物の眼部刺痛力を提供する。本明細書において使用される場合、日焼け止め組成物は、そのスコアが約1.0より低いなら「眼部刺痛が少ない」と考えられる。
【0027】
「活性成分」という用語は、本明細書中で、UVRを吸収または遮断する日焼け止め組成物中の成分を意味して使用される。
【0028】
「不活性成分」という用語は、本明細書中で、実質的にUVRを吸収も遮断もしない日焼け止め組成物中の成分を意味して使用され、そして乳化剤、皮膚軟化薬、保存剤、香料、色素、抗酸化剤、キレート化剤等を含み得る。
【0029】
本明細書中で使用される残りの用語は、当業者によって容易に理解される。
【0030】
本発明のいくつかの例の実施態様の日焼け止め組成物は、少なくとも約30のSPFおよび約1.5より低い眼部刺痛スコアを提供する。好ましくは、その日焼け止め組成物は、少なくとも約50のSPFおよび約1.0より低い眼部刺痛スコアを提供する。より好ましくは、その眼部刺痛スコアは、約0.7より低い。さらにより好ましくは、その眼部刺痛スコアは、約0.5より低い。最も好ましくは、その眼部刺痛スコアは、約0.3より低い。
【0031】
本発明の日焼け止め組成物を、特に好ましい実施態様に関して記載する。以下の実施態様は、本発明の範囲を制限することを意図せず、そして当業者によって、本特許請求の範囲内に他の実施態様が存在することが認識されるべきである。
【0032】
本発明による日焼け止め組成物は、水中油型エマルション(o/w)または油中水型エマルション(w/o)のいずれかであり得、そして従って水および/または油を含み得る、および好ましくは少なくとも1つの無機活性成分および少なくとも1つの有機活性成分を含む。適当な無機活性成分は、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、および酸化セリウムを含むがこれに限らず、酸化亜鉛が好ましい。
【0033】
本明細書中で使用される「酸化亜鉛」は、ミクロサイズまたはマクロサイズの酸化亜鉛またはそれらの混合物のいずれかを指し得、ここで微粉化した(すなわちミクロサイズの)酸化亜鉛は、ヒト皮膚に適用した場合に比較的透明な組成物を提供するために十分小さい粒子サイズであり、一方マクロサイズの酸化亜鉛は、ヒト皮膚に適用した場合に白色の組成物を提供する。本発明の日焼け止め組成物において使用される酸化亜鉛は、好ましくは微粉化酸化亜鉛である。好ましくは、その組成物は少なくとも重量で約10%の酸化亜鉛を含む。より好ましくは、その組成物は少なくとも重量で約15%の酸化亜鉛を含む。
【0034】
適当な有機活性成分は、オクチノキサート、オクチサレート、ホモサレート、アボベンゾン、オクトクリレン、パラアミノ安息香酸、シノキサート、ジオキシベンゾン、アントラニル酸メチル、オクトクリレン、パジメートO、エンスリゾール、スリソベンゾン、サリチル酸トロラミン、およびエカムスルを含むがこれに限らない。オキシベンゾンは、実質的な量で本発明の日焼け止め組成物に含まれるべきではない(すなわち、含まれるいかなる量のオキシベンゾンも、組成物のSPFまたは眼部刺痛スコアに実質的に影響を与えるべきではない)。
【0035】
好ましくは、オクチノキサートまたはオクチサレートが、有機活性成分として本組成物に含まれる。最も好ましくは、オクチノキサートおよびオクチサレートの両方が、有機活性成分として本組成物に含まれる。有機活性成分の必要な重量パーセントは、活性および不活性両方の、存在する他の成分に依存するが、好ましくは少なくとも約30のSPF、最も好ましくは少なくとも約50のSPF、および約1.5より低い、より好ましくは約1.0より低い眼部刺痛スコアを提供するために必要な量である。好ましくは、本発明の日焼け止め組成物は、重量で少なくとも約7.5%のオクチノキサートおよび少なくとも約5%のオクチサレートを含む。
【0036】
最も好ましくは、その組成物は、重量で少なくとも約15%の酸化亜鉛、少なくとも約7.5%のオクチノキサートおよび少なくとも約5%のオクチサレートを含む。
【0037】
本発明の日焼け止め組成物は、眼部刺痛スコアを約1.5より低く、およびより好ましくは約1.0より低く維持するための量および組み合わせで、不活性成分を含む。好ましくは、その不活性成分は、乳化剤および皮膚軟化薬の両方を含む。
【0038】
適当な乳化剤は、シリコーンに基づく乳化剤(ポリシロキサンなど)、グリコシド、ポリエチレングリコール、アクリルに基づく乳化剤、およびそれらの混合物を含む。好ましい乳化剤は、Abil WE09、AbilEM−90、DC9011シリコーンエラストマー、Emulgade68/50、Arlacel P135、Simulgel A、およびSimulgel EGを含む。これらの乳化剤の特定の組み合わせが、さらにより好ましい。例えば、Abil WE09またはAbilEM−90いずれかを、DC9011シリコーンエラストマー、Arlacel P135、Simulgel AまたはSimulgel EGのいずれかと共に組成物中に含み得る。最も好ましいのは、AbilEM−90とDC9011シリコーンエラストマーの組み合わせである。
【0039】
適当な皮膚軟化薬は、油性のエステル、エーテル、およびアロエ抽出物、およびそれらの混合物を含む。好ましい皮膚軟化薬は、Cetiol OE、Lexol IPL、パルミチン酸オクチル、ヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、アロエベラのactiphyte、Trivent NP−13、および安息香酸C12−15アルキルを含む。最も好ましいのは、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、アロエベラのactiphyteおよび安息香酸C12−15アルキルの組み合わせである。
【0040】
本発明の日焼け止め組成物はまた、保存剤、香料、色素、抗酸化剤、キレート化剤等のような、さらなる不活性成分を含み得る。好ましくは、そのさらなる不活性成分は、日焼け止め組成物の眼部刺痛力を、抑制またはその増強が最低限になるように選択される。
【実施例】
【0041】
本発明の日焼け止め組成物をより明らかに説明するために、以下の実施例を提供する。これらの実施例は、本発明の範囲を制限することを意図せず、そして当業者は、他の組成物が本特許請求の範囲内であることを理解する。
【0042】
以下の実施例において、テスト日焼け止め組成物を、各ヒト被験者の1方の眼に直接点眼し、そして他方の眼にコントロールとしてJohnson&Johnsonの「No More Tears」ベビーシャンプーの10%水溶液または市販の眼軟膏(AllerganのRefresh PM Lubricant Eye Ointment)のいずれかを点眼することによって、眼部刺痛スコアを決定した。被験者に、テスト組成物に関して、上記で記載したように、それぞれ、なし、かすか、軽度、中程度、および強い眼部刺痛に対応する、0、1、2、3、または4のスコアを与えるよう依頼した。与えられたスコアの平均値を、次いで各日焼け止め組成物の眼部刺痛スコアとして報告した。
【0043】
実施例1−3
3つの日焼け止め組成物を比較して、皮膚軟化薬の選択が、眼部刺痛スコアに対して及ぼし得る影響について実証した。実施例1−3のそれぞれにおいて、日焼け止め組成物は、酸化亜鉛およびオクチノキサートを、それぞれ10%および7.5%の重量パーセントで、唯一の活性成分として含んでいた。これらの組成物間の唯一の違いは、皮膚軟化薬の1つの選択であった。実施例1は、3%のCromollientDP3Aを含み、実施例2は3%のCetiol OEを含み、そして実施例3は3%のTrivent NP−13を含む。表1で見られ得るように、他の全ての成分の量は同じであり、ここでその量は重量パーセントによって報告される。
【0044】
【表1】

表1から明らかに見ることができるように、不活性成分は、日焼け止め組成物の眼部刺痛の可能性に実質的な効果を有し得る。活性成分は変えていないのに、皮膚軟化薬を置換することによって、日焼け止め組成物の眼部刺痛スコアにおいて2.5倍の増加が観察された。
【0045】
実施例4−6
不活性成分の、日焼け止め組成物の眼部刺痛力に実質的に作用する能力をさらに説明するために、3つのさらなる組成物を調製した。表2において報告するように、実施例4−6はそれぞれ、重量で10%の酸化亜鉛および7.5%のオクチノキサートを、唯一の活性成分として含み、そしてそれぞれ30のSPFを有していた。再び、実施例間の唯一の変化は、不活性成分の正体および量であった。
【0046】
【表2】

表2に実証するように、乳化剤および皮膚軟化薬を含む不活性成分の正体および量を変えることは、日焼け止め組成物の眼部刺痛力に大きな影響を与え得る。活性成分は同じままであるが、実施例6と比較した場合、実施例4および5はそれぞれ眼部刺痛スコアにおいて3倍を超える増加を示す。
【0047】
実施例7
表3で報告する日焼け止め組成物は、50のSPFおよび0.67の眼部刺痛スコアを有していた。不活性成分の正体および量を調整することによって、15%の酸化亜鉛、7.5%のオクチノキサート、および5.0%のオクチサレートを含む、眼部刺痛の少ない日焼け止め組成物の調合物が可能であった。各成分の量を重量パーセントで報告する。
【0048】
【表3】

前述の実施例によって説明したように、不活性成分は、日焼け止め組成物の眼部刺痛力に実質的な影響を有し得る。これらの不活性成分の効果を考慮することによって、以前に可能であると考えられていたよりも、より多くの様々な眼部刺痛が少なく、高SPFの日焼け止め組成物を調製し得る。
【0049】
本発明を特定の好ましい実施態様および実施例に関して記載したが、当業者は、本発明の範囲は、本明細書中に含まれるそれらの実施態様および実施例よりも広いことを認識する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、およびその混合物から成る群から選択される無機活性成分、ならびにオクチノキサート、オクチサレート、ホモサレート、アボベンゾン、オクトクリレン、パラアミノ安息香酸、シノキサート、ジオキシベンゾン、アントラニル酸メチル、オクトクリレン、パジメートO、エンスリゾール、スリソベンゾン、サリチル酸トロラミン、エカムスル、およびその混合物から成る群から選択される有機活性成分を含む日焼け止め組成物であって、該組成物は実質的にオキシベンゾンを含まない、組成物。
【請求項2】
少なくとも約30のSPFおよび約1.5より低い眼部刺痛スコアを提供する、日焼け止め組成物。
【請求項3】
少なくとも1つの無機活性成分を含む、請求項2に記載の日焼け止め組成物。
【請求項4】
少なくとも1つの有機活性成分をさらに含む、請求項3に記載の日焼け止め組成物。
【請求項5】
少なくとも約30のSPFを提供する、請求項1に記載の日焼け止め組成物。
【請求項6】
少なくとも約50のSPFを提供する、請求項1、2、3または4に記載の日焼け止め組成物。
【請求項7】
約1.5より低い眼部刺痛スコアを提供する、請求項1、5または6に記載の日焼け止め組成物。
【請求項8】
約1.0未満の眼部刺痛スコアを提供する、請求項1、2、3、4、5または6に記載の日焼け止め組成物。
【請求項9】
約0.7未満の眼部刺痛スコアを提供する、請求項1、2、3、4、5または6に記載の日焼け止め組成物。
【請求項10】
約0.5未満の眼部刺痛スコアを提供する、請求項1、2、3、4、5または6に記載の日焼け止め組成物。
【請求項11】
約0.3未満の眼部刺痛スコアを提供する、請求項1、2、3、4、5または6に記載の日焼け止め組成物。
【請求項12】
前記無機活性成分が酸化亜鉛である、請求項1、3、4、5、6、7、8、9、10または11に記載の日焼け止め組成物。
【請求項13】
前記酸化亜鉛が微粉化酸化亜鉛である、請求項12に記載の日焼け止め組成物。
【請求項14】
前記酸化亜鉛が、少なくとも約10%の重量パーセントで存在する、請求項12または13に記載の日焼け止め組成物。
【請求項15】
前記酸化亜鉛が、少なくとも約15%の重量パーセントで存在する、請求項12または13に記載の日焼け止め組成物。
【請求項16】
前記有機活性成分がオクチノキサートである、請求項12、13、14または15に記載の日焼け止め組成物。
【請求項17】
前記有機活性成分がオクチサレートである、請求項12、13、14または15に記載の日焼け止め組成物。
【請求項18】
前記有機活性成分が、オクチノキサートとオクチサレートとの混合物である、請求項12、13、14または15に記載の日焼け止め組成物。
【請求項19】
第1の乳化剤をさらに含む、請求項18に記載の日焼け止め組成物。
【請求項20】
皮膚軟化薬をさらに含む、請求項19に記載の日焼け止め組成物。
【請求項21】
前記第1の乳化剤が、シリコーンに基づく乳化剤、グリコシド、ポリエチレングリコール、アクリルに基づく乳化剤およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項20に記載の日焼け止め組成物。
【請求項22】
前記第1の乳化剤が、Abil WE09、Abil EM−90、DC9011シリコーンエラストマー、Emulgade68/50、Arlacel P135、Simulgel A、Simulgel EGおよびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項20に記載の日焼け止め組成物。
【請求項23】
前記第1の乳化剤がEmulgade68/50である、請求項22に記載の日焼け止め組成物。
【請求項24】
前記第1の乳化剤が、Abil WE 09およびAbil EM−90からなる群より選択され、かつ第2の乳化剤をさらに含み、ここで、該第2の乳化剤が、DC9011シリコーンエラストマー、Arlacel P135、Simulgel AおよびSimulgel EGからなる群より選択される、請求項22に記載の日焼け止め組成物。
【請求項25】
前記皮膚軟化薬が、油性のエステル、エーテルおよびアロエ抽出物ならびにそれらの混合物からなる群より選択される、請求項20に記載の日焼け止め組成物。
【請求項26】
前記皮膚軟化薬が、Cetiol OE、Lexol IPL、パルミチン酸オクチル、ヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、アロエベラのactiphyte、Trivent NP−13、安息香酸C12−15アルキル、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項20に記載の日焼け止め組成物。
【請求項27】
前記第1の乳化剤が、Abil WE09、Abil EM−90、DC9011シリコーンエラストマー、Emulgade68/50、Arlacel P135、Simulgel A、Simulgel EGおよびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項26に記載の日焼け止め組成物。
【請求項28】
前記第1の乳化剤がEmulgade68/50である、請求項27に記載の日焼け止め組成物。
【請求項29】
前記第1の乳化剤が、Abil WE 09およびAbil EM−90からなる群より選択され、かつさらに第2の乳化剤を含み、ここで該第2の乳化剤が、DC9011シリコーンエラストマー、Arlacel P135、Simulgel AおよびSimulgel EGからなる群より選択される、請求項27に記載の日焼け止め組成物。
【請求項30】
前記酸化亜鉛が、少なくとも約15%の重量パーセントで存在し、前記オクチノキサートが、少なくとも約7.5%の重量パーセントで存在し、そして前記オクチサレートが、少なくとも約5.0%の重量パーセントで存在する、請求項18に記載の日焼け止め組成物。
【請求項31】
DC9011シリコーンエラストマーおよびAbil EM−90をさらに含む、請求項30に記載の日焼け止め組成物。
【請求項32】
アロエベラのactiphyte、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコールおよび安息香酸C12−15アルキルをさらに含む、請求項30に記載の日焼け止め組成物。
【請求項33】
DC9011シリコーンエラストマー、Abil EM−90、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、アロエベラのactiphyteおよび安息香酸C12−15アルキルをさらに含む、請求項30に記載の日焼け止め組成物。
【請求項34】
水、プロピレングリコール、GermabenIIおよび塩化ナトリウムをさらに含む、請求項33に記載の日焼け止め組成物。
【請求項35】
前記組成物が、約15%の酸化亜鉛、約7.5%のオクチノキサート、約5%のオクチサレート、約5%のプロピレングリコール、約5%のジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、約5%の安息香酸C12−15アルキル、約3%のDC9011シリコーンエラストマー、約2.5%のAbil EM−90、約0.5%のGermabenII、約0.4%の塩化ナトリウム、約0.01%のアロエベラのactiphyte、および残りは水を含み、ここで、各成分の量は、重量パーセントで表される、請求項34に記載の日焼け止め組成物。

【公表番号】特表2010−539234(P2010−539234A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525817(P2010−525817)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/010802
【国際公開番号】WO2009/038710
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(398029706)シェーリング−プラウ ヘルスケア プロダクツ,インコーポレイテッド (30)
【Fターム(参考)】