説明

睫毛用又は眉毛用化粧料

【課題】
睫毛や眉毛を鮮やかに立体的に見せて一本一本を際だたせることで、目元や眉毛をはっきりさせる効果に優れた睫毛用又は眉毛用化粧料を提供する。
【解決手段】
(A)薄片状基材を黒色401号で被覆した複合粉体、及び(B)被膜形成性成分を配合した睫毛用又は眉毛用化粧料である。上記の成分(A)における黒色401号は、ハイドロタルサイト型層状複水酸化物無機フレーク粒子に固着された状態にある黒色401号が好ましい。また、上記の成分(A)における薄片状基材は、平均粒径1〜100μm、厚み0.001〜10μm、アスペクト比(長径/厚み)30以上であるものが好ましく、また、成分(A)の薄片状基材は、干渉反射光を有するものが好ましい。更に、成分(A)における薄片状基材は、表面に着色層及び/又は光散乱層を有する薄片状基材が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の複合粉体と被膜形成性成分とを配合した睫毛用又は眉毛用化粧料に関する。より詳細には、睫毛叉は眉毛を鮮やかに立体的に見せて一本一本を際だたせることで、目元をはっきりさせたり、眉毛をはっきりさせる効果に優れた睫毛用又は眉毛用化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の睫毛用又は眉毛用化粧料は、例えば睫毛用化粧料では、睫毛に、主にボリューム効果、ロング効果及びカール効果を付与するためのものである。ボリューム効果は、睫毛を太く濃く見せて目の印象を強くする効果があり、ロング効果は睫毛を長く見せる効果があり、カール効果は睫毛を上向きにカールさせて目元をはっきりさせる効果がある。これらの効果を発揮させるために、睫毛用化粧料には、種々の成分が配合されている。例えば、睫毛用化粧料にワックスや樹脂等を配合することにより、化粧料の睫毛への密着性を高め、睫毛を太くしたり、或いは睫毛を上向きにカールさせて目元を際立たせてきた。また、睫毛の一本一本を太くすることによって、睫毛の一本一本を目立たせることで目元をはっきりさせるという化粧効果を出してきた。更に、睫毛用化粧料に繊維を配合し、繊維を睫毛に付着させることによってボリューム効果とロング効果を発揮させることも従来から行われてきた。
【0003】
このように睫毛用化粧料にワックスや樹脂、或いは繊維を配合して、厚く塗って睫毛を太くする技術は、それなりにボリューム効果とロング効果は出るものの、睫毛のカールが直線的になりやすく、不自然な仕上がりになったり、化粧膜が不均一になったり、化粧の持続性が悪い等の問題があり、未だ十分とは言い難い。そこで、睫毛の一本一本にきれいに付き、睫毛を立体的に見せて一本一本を際だたせることで目元に立体感のある容貌を作り出す効果を演出できる睫毛用化粧料が提案(特許文献1)されているが、睫毛に鮮やかさと立体感を付与するのは困難である。また、立体感を付与させるために、干渉光を発する板状粉体に微粒子酸化鉄を被覆した着色顔料を配合したメイクアップ化粧料が提案(特許文献2)されているが、これは鮮やかさに乏しいことや、睫毛用化粧料に用いた場合、睫毛本来の黒さを演出できない欠点がある。一方、顔料として、板状粉体に色素を被覆する技術も検討されてきた(特許文献3、4)
【特許文献1】特開2004−300092号公報
【特許文献2】特開2004−123682号公報
【特許文献3】特開平3−153765号公報
【特許文献4】特開2001−234090号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたもので、睫毛叉は眉毛を鮮やかに立体的に見せて一本一本を際だたせることで、目元をはっきりさせたり、眉毛をはっきりさせる効果に優れた睫毛用又は眉毛用化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究し、種々実験したが、睫毛や眉毛は、通常の化粧料を塗布する顔面と形状及び色が全く異なるため、肌色や紅色等の肌及び口唇用に開発された顔料を用いたのでは、睫毛や眉毛に鮮やかさと立体感を付与できる睫毛用又は眉毛用化粧料を得ることはできなかった。そして、薄片状基材に有機色素である黒色401号を被覆した複合粉体は、見る角度により色が変化し立体感を付与できことを見出し、これを被膜形成性成分により睫毛に付着させたときには、睫毛を太くしてボリューム感をだすのではなく、光を利用して睫毛の一本一本を鮮やかな色の変化により立体的に見せ際だたせることで目元をはっきり、太くみせるボリューム効果が得られることを見出し、また眉毛にもこのような効果があることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B);
(A)薄片状基材を黒色401号で被覆した複合粉体
(B)被膜形成性成分
を配合したことを特徴とする睫毛用又は眉毛用化粧料である。
上記の成分(A)における黒色401号は、ハイドロタルサイト型層状複水酸化物無機フレーク粒子に固着された状態にある黒色401号が好ましい。また、上記の成分(A)における薄片状基材は、平均粒径1〜100μm、厚み0.001〜10μm、アスペクト比(長径/厚み)30〜200であるものが好ましく、また、成分(A)の薄片状基材は、干渉反射光を有するものが好ましい。更に、成分(A)における薄片状基材は、表面に着色層及び/又は光散乱層を有する薄片状基材が好ましい。
【発明の効果】
【0007】
従来の睫毛用化粧料は、ワックスや樹脂を重ね塗りして睫毛に厚く付着させて、睫毛の一本一本を実質的に太くし、ボリューム効果を出し、睫毛を太く濃く見せて目の印象を強くすることを期待するものであったが、本発明の睫毛用化粧料は、このようにワックスや樹脂を睫毛に多く付着させることによって、睫毛を実質的に太くするのではなく、成分(A)の複合粉体を、成分(B)の被膜形成性成分で睫毛に付着させ、成分(A)の複合粉体の機能を利用して睫毛の一本一本を鮮やかな色の変化により立体的に見せ際だたせることで目元をはっきりさせることができる。本発明の睫毛用又は眉毛用化粧料では、薄片状基材を有機色素の黒色401号で被覆した成分(A)の複合粉体を用いたので、睫毛に付着したとき、睫毛に鮮やかさと立体感を発現して睫毛を際立たせ、目元を一層はっきりさせる。また、本発明の睫毛用又は眉毛用化粧料を眉毛に適用し付着させたときは、眉毛に鮮やかさと立体感を発現して眉毛を際立たせることができる。そして、薄片状基材が干渉反射光を有する基材のときは、黒色401号がより一層に深みのある色を持つようになる。また、本発明の睫毛用又は眉毛用化粧料は、使用時の滑らかな伸び広がりに優れ、化粧膜の均一性に優れており、しかも上記の目元や眉毛をはっきりさせる効果の持続性にも優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる成分(A)は、薄片状基材に黒色401号を被覆させた複合粉体である(以下、単に「複合粉体」ということがある)。この薄片状基材は、通常化粧料に用いられる薄片状粉体であり、例えば、雲母、タルク、セリサイト、合成雲母、合成セリサイト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、劈開タルク、板状無水ケイ酸、板状ガラス、板状アルミニウム、板状酸化アルミニウム、板状カオリン、板状窒化硼素、板状オキシ塩化ビスマス等が挙げられ、これらは一種又は二種以上を用いることができる。
【0009】
また、成分(A)の薄片状基材の平均粒径(レーザー回折式粒度分布測定により得られる値、以下は単に「平均粒径」と略す。)は1〜100μmが好ましく、より好ましくは3〜50μmである。平均粒径がこの範囲内であると、不自然な光沢が抑えられ、伸び広がりが良好な複合粉体を得ることができる。また、成分(A)の薄片状基材の厚みは、0.001〜10μmである。より好ましくは0.05〜1μmである。厚みがこの範囲内であると、睫毛や眉毛への付着性が良く、伸び広がりが良好な複合粉体を得ることができる。また、該薄片状基材のアスペクト比(長径/厚み)は、伸び広がりの観点より、30〜200が好ましい。
【0010】
また、成分(A)の薄片状基材は、干渉反射光を有する(見る角度によって、透過色が見えたり反射色が見えたりするため、異なる色に見える)ものであることが好ましい。干渉反射光を有する薄片状基材を用い、これを黒色401号で被覆した複合粉体は、より黒色401号本来の色の深みが増す。また、この複合粉体を睫毛用又は眉毛用化粧料に配合したときには、睫毛や眉毛の一本一本を色の変化により立体的に、鮮やかに見せることにより、深みが一層出て、より睫毛や眉毛を際だたせる効果がある。この干渉反射光を有する基材は、市販品を用いることができ、例えば、「FLAMENCO SPARKLE RED 420J」,「FLAMENCO SPARKLE GOLD 220J」(共に、登録商標:エンゲルハード社製)、「TIMIRON SUPER GREEN」(登録商標:メルク社製)が挙げられる。
【0011】
黒色401号の被覆は、通常薄片状基材の表面にじかに施すが、薄片状基材の表面に着色層及び/又は光散乱層を被覆形成してから黒色401号の被覆を施してもよい。最外層は黒色401号の被覆層である。具体的には、例えば、(1)薄片状基材に着色層を被覆し、次いで黒色401号を被覆した複合粉体、(2)薄片状基材に光散乱層を被覆し、次いで黒色401号を被覆した複合粉体、(3)薄片状基材に着色層を被覆し、次いで光散乱層を被覆し、その上に黒色401号を被覆した複合粉体、(4)薄片状基材に光散乱層を被覆し、次いで着色層を被覆し、その上に黒色401号を被覆した複合粉体等が挙げられる。着色層を設けることによって、見る角度によって色が変わる効果がある。光散乱層を設けることによって、不自然な光沢を低下させる効果がある。また、薄片状基材上に、着色層及び光散乱層を同時に又は重ねて被覆することにより、干渉反射光を持たせたり、これを更に強くすることもできる。このようにして薄片状基材上に積層被覆させれば、見る角度による色の変化が鮮明であり、睫毛用又は眉毛用化粧料に配合した際にも、睫毛や眉毛の一本一本を鮮明な色の変化により立体的に見せることができる。
【0012】
着色層としては、具体的には、屈折率が2以上の粉体の層であり、このような粉体としては、酸化チタン、酸化亜鉛、四三酸化鉄、酸化第一鉄、酸化第二鉄、オキシ水酸化鉄、水酸化第二鉄、酸化鉄・酸化チタン焼結物、鉄ドープ酸化チタン、低次酸化チタン、チタン酸リチウムコバルト、群青、紺青、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、マンガンバイオレット等の無機粉体、有機タール色素、天然色素等の有機粉体等が挙げられ、これらより一種又は二種以上を用いることができる。これらの粉体のうち、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛は、着色することによる効果、すなわち見る角度で色が異なる度合いが強くなる効果がより良好となるので好ましい。この着色層の厚みは、5〜200nmが好ましい。そして、薄片状基材100質量部に対して、着色層は5〜60質量部にするのが好ましい。この様な着色層を有する薄片状基材は市販品を用いることができ、例えば、「COLORONA BLACKSTAR BLUE」(メルク社製)、「MC1080Rシリーズ」(日本板硝子社製)が挙げられる。
【0013】
また、光散乱層は、具体的には、屈折率が1.3〜1.8の粉体の層であり、このような粉体としては、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、フッ化マグネシウム等の無機粉体、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリウレタン等の有機粉体等が挙げられ、これらより一種又は二種以上を用いることができる。また、これら粉体うちの無水ケイ酸、酸化アルミニウムを用いた場合は、光散乱効果がより良好となり、着色層と重ねた場合に、干渉反射光が強くなるので好ましい。この光散乱層の厚みは10〜100nmが好ましい。そして、薄片状基材100質量部に対して、光散乱層は3〜20質量部被覆することが好ましい。この様な光散乱層を有する薄片状基剤は市販品を用いることができ、例えば、「ベルベットベール E−100」(触媒化成工業社製)が挙げられる。また、薄片状基材上に着色層及び光散乱層を同時に又は重ねて被覆された干渉反射光を有する基材は、市販品を用いることができ、例えば「RELIEF COLOR RED」(触媒化成工業社製)、「XIRONA CARIBBEAN BLUE」(メルク社製)が挙げられる。
【0014】
成分(A)の複合粉体の最外層には、黒色401号が存在する。黒色401号(Black No.401:C.I.20470)は、一般名ナフトールブルーブラックと称される酸性染料である。本発明において、黒色401号をそのまま薄片状基材の被覆に用いてもよいが、黒色401号をハイドロタルサイト型層状複水酸化物無機フレーク粒子に固着させた状態にして用いるのが好ましい。すなわち、黒色401号をハイドロタルサイト型層状複水酸化物無機フレーク粒子に固着させた状態にし、この状態にした黒色401号で薄片状基材を被覆することにより、黒色401号の発色が向上し、色がくすんだりしなく、ブリーディング(水や有機溶媒に色素が溶出すること)せず、見る角度による色の変化が鮮明になり、睫毛用又は眉毛用化粧料に配合した際にも、睫毛や眉毛の一本一本をより鮮明な色の変化によって立体的に見せる点で非常に優れたものが得られるので好ましい。
【0015】
ハイドロタルサイト型層状複水酸化物無機フレーク粒子に黒色401号を固着するには、既知の方法、例えば次の方法で行うことができる。すなわち、黒色401号を水に溶解させ、二種類以上の無機塩の存在下でpHを調整しながら二種類の無機水酸化物を析出させ、ハイドロタルサイト型層状複水酸化物無機フレーク粒子を添加して、黒色401号と二種類の無機水酸化物とハイドロタルサイト型層状複水酸化物無機フレーク粒子とを固着させることによって、黒色401号をハイドロタルサイト型層状複水酸化物無機フレーク粒子に固着させる。黒色401号の固着は、ハイドロタルサイト型層状複水酸化物無機フレーク粒子の結晶構造層間に固着させるのが好ましい。この黒色401号を結晶構造層間に含有するハイドロタルサイト型層状複水酸化物は、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等の二価金属イオン(M)とアルミニウム等の三価金属イオン(M’)と黒色401号(An−)から形成される[M1−x M’ (OH)](An−x/n・mHO(0.10<x<0.75)の構造を有する。ここで二価金属イオン(M)としては亜鉛、三価金属イオン(M’)としてはアルミニウムが、黒色401号を固着するためには好ましい。
【0016】
本発明に用いられる成分(A)の複合粉体の製造方法は、例えば、黒色401号或はハイドロタルサイト型層状複水酸化物無機フレーク粒子に固着させた黒色401号と、薄片状基材とを一緒に水に分散し、室温で2時間熟成させる。その後、生成物をろ過し、水、アセトンで洗浄した後、50℃で乾燥する。薄片状基材に黒色401号を被覆させた複合粉体が得られる。また、薄片状基材を均一に分散させたスラリーに、黒色401号と、ハイドロタルサイト型層状複水酸化物の原料となる二価金属イオンと三価金属イオンとを添加、撹拌し、徐々にpHを中和しながら、黒色401号を含むハイドロタルサイト型層状複水酸化物を薄片状基材表面に析出させることによって、薄片状基材に黒色401号を被覆させた複合粉体を得ることができる。
【0017】
本発明に用いられる成分(A)の複合粉体中の黒色401号の量は、純分で、複合粉体全体の0.1〜20質量%(以下、単に「%」で示す。)が好ましい。より好ましくは、0.5〜10%である。この範囲であれば、発色性が良く、また色素の溶出がない点で好ましい。本発明に用いられる成分(A)の複合粉体は、必要によりフッ素化合物、シリコーン化合物、無水ケイ酸、界面活性剤等の通常公知の処理剤により表面処理を施して用いてもよい。
【0018】
本発明の睫毛用又は眉毛用化粧料における成分(A)の配合量は、睫毛用又は眉毛用化粧料全量中0.1〜30%が好ましく、更に、1〜20%が特に好ましい。配合量がこの範囲であれば、光を利用して睫毛や眉毛の一本一本を鮮やかな色の変化により立体的に見せ際だたせることで目元をはっきりさせたり、眉毛をはっきりさせるという効果が発揮され、また使用時の滑らかな伸び広がり、化粧膜の均一性、化粧持続性及び経時安定性が良好なものが得られる。また、これらの複合粉体は必要に応じて一種又は二種以上を用いることができる。
【0019】
本発明の睫毛用又は眉毛用化粧料に使用される成分(B)の被膜形成性成分は、該化粧料を睫毛又は眉毛に塗布した際に被膜を形成するものである。本発明で被膜形成性成分を配合するのは、成分(A)の複合粉体を睫毛又は眉毛上へ均一に付着させるためである。油溶性、水不溶性、水溶性のいずれのものも使用することができる。油溶性の被膜形成性成分としては、ロジン酸誘導体、トリメチルシロキシケイ酸、キャンデリラレジン(ここで、キャンデリラレジンとは、キャンデリラワックスを有機溶剤にて分別抽出して得られる樹脂分で、樹脂分が好ましくは65%以上、更に好ましくは85%以上の割合で含有されるものである。)、アクリル酸アルキル・アクリル酸ジメチコン共重合体、部分架橋オルガノポリシロキサン、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリイソブチレン、ポリ酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。
【0020】
油溶性の被膜形成性成分の市販品は、ロジン酸誘導体として、ロジン酸ペンタエリスリットのエステルガムHP(荒川化学工業製)等が例示でき、キャンデリラレジンとしては、キャンデリラ樹脂E−1(日本ナチュラルプロダクツ社製)等が例示できる。トリメチルシロキケイ酸としては、溶媒との混合物でKF7312J(固形分50質量%:信越化学工業社製)、KF9021(固形分50質量%:信越化学工業社製)等が例示でき、ポリイソブチレンとしては、ビスタネックス LMMH−LC(エクソンモービルケミカル社製)等が例示できる。これらの油溶性の被膜形成性成分は必要に応じて一種又は二種以上を用いることができる。
【0021】
また、水不溶性の高分子化合物を水性溶媒に分散したもの(ここで、「被膜形成性ポリマーエマルション」ということがある)を用いることができ、具体的には、ポリアクリル酸エマルション、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体エマルション、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体エマルション、(メタ)アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション、酢酸ビニル重合体エマルション、酢酸ビニル含有共重合体エマルション、ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルション、シリコーン含有(共)重合体エマルション等がある。市販品としては、アクリル酸アルキル共重合体エマルションとしては、ヨドゾール GH810(日本NSC社製)等が例示できる。これらの被膜形成性ポリマーエマルションは必要に応じて一種又は二種以上を用いることができる。
【0022】
さらに、水溶性の被膜形成性成分としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、ビニルピロリドン・スチレン共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。市販品としては、例えば、ポリビニルアルコールとしてPVA−205、PVA−217、クラレポバール PVA124(以上、クラレ社製)等が例示できる。これらの水溶性の被膜形成性成分は必要に応じて一種又は二種以上を用いることができる。
【0023】
本発明の睫毛用又は眉毛用化粧料における成分(B)の被膜形成性成分の配合量は、睫毛用又は眉毛用化粧料全量中固形分換算で1%〜30%が好ましく、更に5%〜20%が特に好ましい。配合量がこの範囲であれば、成分(A)の複合粉体を睫毛又は眉毛上へ均一に付着させ、この複合粉体によって、光を利用して睫毛や眉毛の一本一本を鮮やかな色の変化により立体的に見せ際だたせる効果をだすことができる。また、使用時の滑らかな伸び広がり、化粧膜の均一性、化粧持続性及び経時安定性の観点から良好なものが得られる。また、これらの被膜形成性成分は必要に応じて一種又は二種以上を用いることができる。
【0024】
本発明の睫毛用又は眉毛用化粧料には、上記必須成分の他に、通常化粧料に配合される成分として、下記に述べるごとき油性成分、粉体、繊維およびそれらの表面処理物、界面活性剤、水性成分、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、薬効成分、清涼剤、色素、香料等を本発明の効果を妨げない範囲で配合することができる。
【0025】
油性成分としては、化粧料に一般に使用される動物油、植物油、合成油等の起源の固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー、パラフィンワックス、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリブテン、セレシンワックス、オゾケライトワックス等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、ゲイロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス等のロウ類、トリオクタン酸グリセリル,ジイソステアリン酸ポリグリセリル,トリイソステアリン酸ジグリセリル,トリベヘン酸グリセリル,2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、フィトステロール脂肪酸エステル、トリグリセライド等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、高重合度メチルフェニルポリシロキサン、ポリオキシアルキル変性オルガノポリシロキサン、ステアリル変性メチルポリシロキサン、オレイル変性メチルポリシロキサン、ベヘニル変性メチルポリシロキサン、ポリビニルピロリドン変性メチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カリウム、12−ヒドロキシステアリン酸等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0026】
粉体成分としては、化粧料に一般に使用される粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的に例示すれば、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料や有色無機顔料、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アンチモン、珪ソウ土、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、炭酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、等が挙げられ、これら粉体はその一種又は二種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いてもよい。更に、フッ素化合物、シリコーン化合物、無水ケイ酸、界面活性剤等の通常公知の処理剤により表面処理を施して用いてもよい。
【0027】
繊維としては、化粧料一般に用いられている繊維であればいずれのものも使用でき、繊維に使用される高分子化合物は、通常、化粧料に使用されるものであれば特に限定されない。例えば、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネイト、ポリメチルメタクリレート等及びこれらを複合化したものが挙げられる。繊維の長さ、太さ、形状は、特に制限されないが、睫毛への化粧効果及び、良好な使用性と均一な化粧膜の形成の点において、長さは0.01〜5mmの範囲が好ましく、特に好ましくは0.1〜3mmである。また、太さは0.01〜20テックスの範囲が好ましく、特に好ましくは0.1〜13テックスである。これらの繊維は、材質、太さ、長さ、形状の異なるその一種又は二種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。また、フッ素化合物、シリコーン化合物、無水ケイ酸、界面活性剤等の通常公知の処理剤により表面処理を施して用いてもよい。
【0028】
界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、レシチン等が挙げられる。
【0029】
水性成分としては、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、水の他に、例えば、エチルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー等の合成系のものを挙げることができる。タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等の他の保湿剤を含有する事もできる。
【0030】
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0031】
本発明の睫毛用又は眉毛用化粧料の形態としては、代表的なものとしてクリーム状、ゲル状、液状、ムース状、固形状が挙げられるが、なかでもクリーム状が好ましい。また、使用する睫毛用又は眉毛用化粧料の剤型は、特に制限されず、水性型、油性型、水中油型、油中水型等のいずれの剤型にも好適に用いることができる。睫毛用化粧料としてはマスカラ、マスカラオーバーコート、マスカラ下地などが挙げられ、眉毛用化粧料としてはアイブロウ(眉毛用マスカラ)などが挙げられる。
【0032】
次に本発明の睫毛用又は眉毛用化粧料の具体的な実施例について説明する。
(製造例1)
雲母チタン〔「FLAMENCO SPARKLE RED 420J」(登録商標:エンゲルハード社製):平均粒径47μm、厚み0.5μm、アスペクト比88〕100gと黒色401号を3Lの水に分散させた。次に塩化アルミニウム6水塩12gと塩化亜鉛10gを溶解させ、90分以上かけて2%水酸化ナトリウム溶液で中和して黒色401号を含有するハイドロタルサイト型層状複水酸化物を雲母チタン表面に析出させた。その後90℃まで温度を上げ熟成し、ろ液が透明になるまで水洗を行ない100℃で乾燥した。乾燥後粉砕を行ない複合粉体を得た(色素含有1.5%)。
【0033】
(製造例2)
合成例1の雲母チタンに代えて酸化チタン被覆ガラス末を用い、製造例1と同様にして複合粉体を製造した。
(製造例3)
合成例1の雲母チタン代えて、着色層及び光散乱層を重ねて被覆した干渉反射光を有する薄片状基材「XIRONA CARIBBEAN BLUE」(メルク社製)を用い、製造例1と同様にして複合粉体を製造した。
【0034】
(製造例4)
精製水100gに、塩化アルミニウム6水塩13gを溶解した。次に30%アンモニア水17.6g、板状無水ケイ酸11.7gを加え、30分間均一分散後、黒色401号を5.85g添加した。あらかじめ別のビーカーに精製水133gと塩化アルミニウム6水塩33.4gを溶解した塩化アルミニウム溶液を調製し、前記の板状無水ケイ酸を分散した黒色401号溶液にゆっくりと滴下した。更に精製水50gに炭酸ナトリウム12.6gを溶解した溶液を加え、室温にて4時間熟成した。そして精製水を滴下し、1昼夜放置した。デカンテーションにより上澄みを除き、精製水を加え、洗浄工程を3回繰り返した。得られた複合粉体を50℃で乾燥し、粉砕することにより、本発明の複合粉体(黒色401号−板状無水ケイ酸)を得た。黒色401号と板状無水ケイ酸の重量比は50:100であった。
【0035】
実施例1〜6及び比較例1〜3:クリーム状水中油型マスカラ
下記表1に示す処方のマスカラを調製し、睫毛の立体感、及び化粧効果の持続性、使用性(伸び広がり)及び化粧膜の均一性について、下記の方法により官能評価を行った。その結果も併せて表1に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
*1:シリコンSF1642(GE東芝シリコーン社製)
*2:MICA BLACK(メルク社製)
*3:サイリシア550(富士シリシア化学社製)
*4:AEROSIL300(日本アエロジル社製)
*5:プレキシトールB−500(固形分50%)(ポリマーラテックス社製)
*6:ビニブラン GV−5651(固形分36%)(日信化学工業社製)
*7:クラレポバール 224C(クラレ社製)
【0038】
(製造方法)
A.成分(1)〜(9)を90℃に加熱溶解し、(10)〜(14)を加え、均一に混合する。
B.成分(15)〜(21)を均一に混合する。
C.AにBを加え、80℃で乳化する。
D.Cを容器に充填しクリーム状水中油型マスカラを得た。
【0039】
(評価方法)
10名の専門パネルにより、使用テストを行い、下記の評価項目について各試料を下記絶対評価基準を用いて7段階に評価し、各試料の評点の平均値をもとに下記判定基準を用いて判定した。尚、aの睫毛の立体感については、塗布後、上、下、左、右、45℃の角度から見た時、立体感が得られているかどうかと、鮮やかさはあるかどうかを評価の重要ポイントとした。また、bの化粧効果の持続性は塗布後約9時間、通常の生活をしてもらい、その後、aの睫毛の立体感が塗布直後と比べ、感じられるかどうかで評価した。
【0040】
(評価項目)
a.睫毛の立体感
b.化粧効果の持続性(9時間後)
c.使用性(伸び広がり)
d.化粧膜の均一性
(絶対評価基準)
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
(判定基準)
(判定):(評点の平均点)
◎ :5点を超える :非常に良好
○ :3点を超える5点以下:良好
△ :1点を超える3点以下:やや不良
× :1点以下 :不良
【0041】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜6のクリーム状水中油型マスカラは、比較例1〜3のマスカラに比較し、睫毛の立体感、化粧効果の持続性、使用性、化粧膜の均一性、の全ての面で、はるかに優れた特性を有していることがわかる。
一方、成分(A)複合粉体を配合していない比較例1では、立体感及び化粧効果の持続性の点で特に満足のいくものが得られず、成分(A)の替わりに黒酸化鉄被覆雲母チタンを用いた比較例2では、立体感が得られることはなく、化粧効果の持続性の点で満足のいくものではなく、成分(B)被膜形成性成分を配合していない比較例3では、化粧効果、及び化粧効果の持続性、使用性、均一性の点で満足のいくものが得られなかった。
【0042】
実施例7 クリーム状油中水型マスカラ
(成分) (%)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0
2.軽質流動イソパラフィン 5.0
3.トリメチルシロキシケイ酸溶液*8 4.0
4.ミツロウ 4.0
5.マイクロクリスタリンワックス*9 2.0
6.ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体*10 2.0
7.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 5.0
8.無水ケイ酸*3 3.0
9.無水ケイ酸*4 2.0
10.黒酸化鉄 5.0
11.タルク 5.0
12.製造例4で得た複合粉体 0.3
13.ポリビニルアルコール*7 10.0
14.精製水 残量
*8:シリコンKF−9021(固形分50%:デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)(信越化学工業社製)
*9:ムルチワックス W−445(SONNEBORN,INC製)
*10:SS2802(東レ・ダウコーニング社製)
【0043】
(製造方法)
A:成分3〜6を混合し、成分1、2を加え、90℃で溶解する。
B:Aに成分7を加え、混合する。
C:Bに成分8〜12を加え、90℃で混合する。
D:Cに成分13〜14を加え、80℃で乳化する。
E:Dを容器に充填しマスカラを得た。
実施例7のクリーム状油中水型マスカラは、睫毛に立体感を与え、化粧効果の持続性、使用性(伸び広がり)、化粧膜の均一性に優れたものであった。
【0044】
実施例8 固形状油性型アイブロウ
(成分) (%)
1.ポリエチレンワックス*11 2.0
2.軽質イソパラフィン 50.0
3.クオータニウム−18ヘクトライト 7.0
4.炭酸プロピレン 1.5
5.パルミチン酸デキストリン*13 8.0
6.無水ケイ酸*12 0.5
7.シリル化処理無水ケイ酸*14 0.5
8.タルク 残量
9.黄酸化鉄 0.3
10.黒酸化鉄 8.0
11.製造例1で得た複合粉体 5.0
12.製造例2で得た複合粉体 1.0
13.p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 3.0
14.ロジン酸ペンタエリスリトール*15 0.1
15.防腐剤 適量
16.香料 適量
*11:PERFORMALENE 500 (ニューフェーズテクノロジー社製)
*12:AEROSIL 200(日本アエロジル社製)
*13:レオパールKL(千葉製粉社製)
*14:AEROSIL R976S(日本アエロジル社製)
*15:エステルガム HP(荒川化学工業社製)
【0045】
(製造方法)
A:成分1〜2を120℃で均一に溶解混合する。
B:A成分に成分3〜16を加えて均一に混合する。
C:Bを容器に充填し、冷却してアイブロウを得た。
実施例8の固形状油性型アイブロウは、眉毛をよく整え、眉毛に立体感を与え、化粧効果の持続性、使用性(伸び広がり)、化粧膜の均一性に優れたものであった。
【0046】
実施例9 固形状アイブロウ
(成分) (%)
1.カルナウバワックス*16 2.0
2.ポリエチレンワックス*11 12.0
3.ポリブテン (分子量 2650) 8.0
4.ミツロウ 0.5
5.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 残量
6.ロジン酸ペンタエリスリトール*15 5.0
7.軽質イソパラフィン 40.0
8.無水ケイ酸*3 0.02
9.シリル化処理無水ケイ酸*17 1.5
10.シリコーン処理タルク*18 5.5
11.赤色202号 0.05
12.黄色4号アルミニウムレーキ 0.05
13.青色1号アルミニウムレーキ 0.05
14.雲母チタン 1.5
15.製造例2で得た複合粉体 5.0
16.黒酸化鉄 10.0
17.赤酸化鉄 0.2
18.マイカ 0.1
19.防腐剤 適量
20.香料 適量
*16:精製カルナウバワックス(セラリカ野田社製 融点:80〜86℃)
*17:AEROSIL R972 (日本アエロジル社製 平均粒子径:16nm)
*18:ジメチルポリシロキサン 5%処理
【0047】
(製造方法)
A:成分1〜5を100℃で溶解混合する。
B:Aに成分6〜20を加え、均一に混合分散する。
C:Bを金皿に流し込み、冷却固化して固形状頭髪用着色料を得た。
実施例9の固形状アイブロウは、眉毛をよく整え、眉毛に立体感を与え、化粧効果の持続性、使用性(伸び広がり)、化粧膜の均一性に優れたものであった。
【0048】
実施例10 水性型マスカラ
(成分) (%)
1.ヒドロキシプロピルセルロース 4.0
2.精製水 38.9
3.ジプロピレングリコール 2.0
4.エタノール 40.5
5.ポリビニルアルコール 0.5
6.ナイロン繊維*19 5.0
7.大豆リン脂質 0.1
8.フェノキシエタノール 0.5
9.硫酸バリウム*20 1.0
10.シリル化処理無水ケイ酸*18 2.5
12.製造例3で得た複合粉体 5.0
*19:ナイロンファイバー(太さ:7テックス、長さ:2mm)
*20:5%シリカ処理
【0049】
(製造方法)
A:成分1〜5を70℃で溶解混合する。
B:Aに成分6〜12を加え、均一に混合分散する。
C:Bを容器に充填して、水性型マスカラを得た。
実施例10の水性型マスカラは、立体感効果(睫毛の立体感)、化粧効果の持続性、使用性(伸び広がり)、化粧膜の均一性に優れたものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)及び(B);
(A)薄片状基材を黒色401号で被覆した複合粉体
(B)被膜形成性成分
を配合したことを特徴とする睫毛用又は眉毛用化粧料。
【請求項2】
成分(A)における黒色401号が、ハイドロタルサイト型層状複水酸化物無機フレーク粒子に固着された黒色401号であることを特徴とする請求項1記載の睫毛用又は眉毛用化粧料。
【請求項3】
成分(A)における薄片状基材が、平均粒径1〜100μm、厚み0.001〜10μm、アスペクト比(長径/厚み)30〜200であることを特徴とする請求項1又は2記載の睫毛用又は眉毛用化粧料。
【請求項4】
成分(A)の薄片状基材が、干渉反射光を有する薄片状基材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の睫毛用又は眉毛用化粧料。
【請求項5】
成分(A)における薄片状基材が、表面に着色層及び/又は光散乱層を有する薄片状基材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の睫毛用又は眉毛用化粧料。

【公開番号】特開2008−88068(P2008−88068A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−267696(P2006−267696)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】