説明

石炭焚きボイラ設備の運転停止方法及びその運転停止装置

【課題】運転停止のための燃料油の使用量を削減する石炭焚きボイラ設備の運転停止方法及びその運転停止装置を提供する。
【解決手段】石炭バーナ1と燃料油バーナ2とを配設した石炭焚きボイラ3と、発電機4を駆動する蒸気タービン5と、石炭焚きボイラ3で発生した蒸気を蒸気タービン5に供給する蒸気ライン6と、蒸気タービン5を迂回して蒸気ライン6からボイラに蒸気を流すタービンバイパスライン8とを有する石炭焚きボイラ設備の運転停止方法であって、
石炭焚きボイラ3の通常運転時の発電機出力から発電負荷を下げると共に石炭バーナ1への給炭量を低減し、燃料油バーナ2の燃焼に切り替えることなく、発電負荷を通常運転最低負荷から更に下げ、発電負荷に不要な蒸気をタービンバイパスライン8に逃がし、発電負荷の下げに伴って発電機4を解列する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電機を解列する石炭焚きボイラ設備の運転停止方法及びその運転停止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に石炭焚きボイラ設備は、石炭バーナと燃料油バーナとを配設した石炭焚きボイラと、発電機を駆動する蒸気タービンと、石炭焚きボイラで発生した蒸気を蒸気タービンに供給する蒸気ラインと、不要な蒸気について蒸気タービンを迂回して蒸気ラインから蒸気をボイラ等に流すタービンバイパスラインと、タービンバイパスラインの中途位置に配置されるタービンバイパス弁とを備えている。又、石炭バーナは、石炭ミルから石炭が供給されるようになっていると共に、石炭焚きボイラの燃料油バーナは、軽油等の燃料油の供給元から燃料油が供給されるようになっている。
【0003】
石炭焚きボイラ設備の運転を開始する際には、燃料油バーナにより炉内を予め加熱して石炭バーナを点火し、その後の種々の操作を介して運転を開始し、そして通常運転時には石炭焚きボイラで蒸気を生じ、蒸気により蒸気タービンを駆動し、発電機で発電を行うようにしている。
【0004】
一方、石炭焚きボイラ設備の運転を停止する際には、系統への影響をできる限り小さくするために、発電する電気の周波数のズレ等を防止すべく発電負荷を十分に下げて発電機を解列する必要があり、又、石炭バーナの給炭量の燃料流量下限値に伴う発電負荷は、解列時の発電負荷よりも大きすぎることから、燃料油バーナを併用して発電負荷を下げている。
【0005】
具体的には、図4、図5に示す如く最初に石炭バーナで石炭を専焼する通常運転負荷の段階(図4のステップS101)から発電負荷の下げを開始する(図4のステップS102)。ここで図5では通常運転時の発電負荷(発電機出力)及び石炭バーナの給炭量(石炭消費量)を略一定で示し、発電負荷の下げと同時に石炭バーナへの給炭量も減らすようにしている。
【0006】
続いて石炭バーナへの給炭量を減らすと共に所定の発電負荷の時点で燃料油バーナを点火して石炭と燃料油を混焼し(図4のステップS103)、発電負荷を通常運転最低負荷の段階へ到達させる(図4のステップS104)。そして石炭バーナへの給炭量を更に減らして燃料流量下限値まで下げると共に燃料油バーナへの燃料油の流量を増やし、通常運転最低負荷の状態で石炭と燃料油を混焼する(図4のステップS105)。その後、石炭ミルから石炭バーナへの石炭の供給を停止して石炭バーナを消火し、燃料油バーナにより燃料油を専焼する(図4のステップS106)。ここで図5では発電負荷(発電機出力)の通常運転最低負荷を一例として略一定の30%負荷で示すと共に、石炭バーナの給炭量(石炭消費量)の燃料流量下限値を略一定で示している。又、通常運転最低負荷の期間には、石炭バーナの燃料流量下限値の期間を含むと共に、石炭バーナの消火時を含んでいる。更に通常運転最低負荷の期間には燃料油バーナの燃料油消費量が増加し、通常運転最低負荷の期間終了時には燃料油バーナの燃料油消費量が最大となっている。更に図5では石炭バーナの消火後を0t/hで示している。
【0007】
次に発電負荷を通常運転最低負荷の状態から更に下げる(図4のステップS107)と共に燃料油バーナへの燃料油の流量を減らして燃料流量下限値まで下げ、所定の時間からタービンバイパス弁を開度小として小さく開き、タービンバイパスラインを介して蒸気ラインの圧力を調整する(図4のステップS108)。そして発電負荷が、発電機を解列し得る負荷に到達した時点(図4のステップS109)から他の条件の解列の許可を待って発電機を解列する(図4のステップS110)。その後、蒸気タービンを停止し(図4のステップS111)、燃料油バーナを消火すると共にタービンバイパス弁を閉じ(図4のステップS112)、石炭焚きボイラ設備の運転を停止する(図4のステップS113)。ここで図5では、発電負荷を、発電機を解列し得る負荷になった時点から発電機の解列まで略一定で示すと共に、燃料油バーナの給炭量(石炭消費量)の燃料流量下限値を略一定で示している。又、発電機の解列の前後には、燃料油バーナの給炭量が燃料流量下限値になっており、適宜タービンバイパス弁で圧力を調整している。更に図5では発電負荷で発電機を解列した後を0Mwで示している。
【0008】
なお、本発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、下記の特許文献1,2等が既に存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−125808号公報
【特許文献2】特開昭58−18018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このような石炭焚きボイラ設備の運転停止の処理では、運転停止のたびに相当量の燃料油を使用しなければならず、石炭より高価な燃料油の使用によってランニングコストが増加するという問題があった。
【0011】
本発明は、斯かる実情に鑑み、運転停止のための燃料油の使用量を削減する石炭焚きボイラ設備の運転停止方法及びその運転停止装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の石炭焚きボイラ設備の運転停止方法は、石炭バーナと燃料油バーナとを配設した石炭焚きボイラと、発電機を駆動する蒸気タービンと、前記石炭焚きボイラで発生した蒸気を蒸気タービンに供給する蒸気ラインと、前記蒸気タービンを迂回して蒸気ラインから蒸気をボイラに流すタービンバイパスラインとを有する石炭焚きボイラ設備の運転停止方法であって、
石炭焚きボイラの通常運転時の発電機出力から発電負荷を下げると共に石炭バーナへの給炭量を低減し、燃料油バーナの燃焼に切り替えることなく、発電負荷を通常運転最低負荷から更に下げ、発電負荷に不要な蒸気をタービンバイパスラインに逃がし、発電負荷の下げに伴って発電機を解列するものである。
【0013】
又、本発明の石炭焚きボイラ設備の運転停止方法においては、石炭バーナの燃料流量下限値に達するまで、発電負荷に不要な蒸気をタービンバイパスラインに逃がし、発電機を解列することが好ましい。
【0014】
更に、本発明の石炭焚きボイラ設備の運転停止方法においては、発電負荷の下げに伴って発電機を解列した後に、石炭バーナを消火することが好ましい。
【0015】
更に又、本発明の石炭焚きボイラ設備の運転停止方法においては、タービンバイパスラインにタービンバイパス弁を備え、タービンバイパス弁の開度を調整して蒸気をタービンバイパスラインに逃がすことが好ましい。
【0016】
本発明の石炭焚きボイラ設備の運転停止装置は、石炭バーナと燃料油バーナとを配設した石炭焚きボイラと、発電機を駆動する蒸気タービンと、前記石炭焚きボイラで発生した蒸気を蒸気タービンに供給する蒸気ラインと、前記蒸気タービンを迂回して蒸気ラインから蒸気をボイラに流すタービンバイパスラインと、該タービンバイパスラインからの蒸気の流量を調整するタービンバイパス弁とを有する石炭焚きボイラ設備の運転停止装置であって、
運転停止の際には、石炭焚きボイラの通常運転時の発電機出力から発電負荷を下げると共に石炭バーナへの給炭量を低減し、燃料油バーナの燃焼に切り替えることなく、発電負荷を通常運転最低負荷から更に下げ、発電負荷に不要な蒸気を、タービンバイパス弁を介してタービンバイパスラインに逃がし、発電負荷の下げに伴って発電機を解列するように構成されたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の石炭焚きボイラ設備の運転停止方法及びその運転停止装置によれば、発電負荷の下げに伴って石炭バーナへの給炭量を減らし、燃料油バーナの燃焼に切り替えることなく、発電負荷に不要な蒸気をタービンバイパスラインに逃がして発電機を解列するので、従来必要であった運転停止のための燃料油の使用量を大幅に削減し、燃料油よりも安価な石炭を用いてランニングコストを低減することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の石炭焚きボイラ設備を示す全体概要構成図である。
【図2】本発明の石炭焚きボイラ設備の運転停止の処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の発電負荷(発電機出力)、石炭バーナによる石炭消費量、燃料油バーナによる燃料油消費量、タービンバイパス弁開度についての時間的挙動を示す図である。
【図4】従来の石炭焚きボイラ設備の運転停止の処理を示すフローチャートである。
【図5】従来の発電負荷(発電機出力)、石炭バーナによる石炭消費量、燃料油バーナによる燃料油消費量、タービンバイパス弁開度についての時間的挙動を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態例を図1〜図3を参照して説明する。
【0020】
実施の形態例である石炭焚きボイラ設備は、石炭バーナ1と燃料油バーナ2とを配設した石炭焚きボイラ3と、発電機4を駆動する蒸気タービン5と、石炭焚きボイラ3で発生した蒸気を蒸気タービン5に供給する蒸気ライン6と、蒸気タービン5からの蒸気を所定箇所に送給する送給ライン7と、蒸気タービン5の上流側で蒸気ライン6から分岐して蒸気をボイラ3等に流すタービンバイパスライン8と、タービンバイパスライン8の中途位置に配置されるタービンバイパス弁9とを備えている。
【0021】
石炭バーナ1は、石炭ミル10から石炭供給ライン11を介して石炭が供給されるようになっていると共に、石炭焚きボイラ3の燃料油バーナ2は、軽油等の燃料油の供給元から燃料油供給ライン12を介して燃料油が供給されるようになっている。又、石炭焚きボイラ3は、石炭のみを燃やす石炭専焼、燃料油のみを燃やす燃料専焼、石炭と燃料油を混合して燃やす混焼とを必要に応じて行うようになっている。ここでタービンバイパスライン8は、石炭バーナ1の燃料流量下限値で発生する蒸気量に見合う容量を持つ必要がある。
【0022】
蒸気タービン5は、蒸気ライン6からの蒸気によって駆動するように構成されており、蒸気タービン5を駆動した蒸気は、送給ライン7により石炭焚きボイラ3の節炭器(図示せず)や熱交換器(図示せず)等へ送給され、主給水や低温再熱蒸気として利用されるようになっている。
【0023】
タービンバイパスライン8は、蒸気タービン5を迂回するように蒸気を蒸気ライン6から送給ライン7へ流し、蒸気の流量はタービンバイパス弁9の開度によって調整されるようになっている。
【0024】
以下本発明を実施する形態例の作用を説明する。
【0025】
石炭焚きボイラ設備の運転を開始する際には、従来例と同様に、燃料油バーナ2により炉内を予め加熱して石炭バーナ1を点火し、その後の種々の操作を介して運転を開始し、通常運転時には石炭焚きボイラ3で蒸気を生じ、蒸気により蒸気タービン5を介して発電機4で発電を行う。
【0026】
一方、石炭焚きボイラ設備の運転を停止する際には、石炭バーナ1の専焼から燃料油バーナ2の燃焼に切り替えることなく、石炭バーナ1の給炭量を低減すると共にタービンバイパスライン8の適用により発電負荷を下げる。
【0027】
具体的には、図2、図3に示す如く最初に石炭バーナ1で石炭を専焼する通常運転負荷の段階(図2のステップS1)から発電負荷の下げを開始する(図2のステップS2)。ここで図3では通常運転時の発電負荷(発電機出力)及び石炭バーナ1の給炭量(石炭消費量)を略一定で示し、発電負荷の下げと同時に石炭バーナ1への給炭量も減らすようにしている。又、通常運転時の発電負荷は、図3の如く50%負荷に限定されるものでなく、必要に高じて変動しても良い。
【0028】
続いて石炭を専焼する状態で石炭バーナ1への給炭量を減し(図2のステップS3)、発電負荷を通常運転最低負荷の段階へ到達させる(図2のステップS4)。ここで図3では発電負荷(発電機出力)の通常運転最低負荷を略一定の30%負荷で示すと共に通常運転最低負荷時の石炭バーナ1の給炭量(石炭消費量)を略一定で示している。又、発電負荷の通常運転最低負荷は、本形態例では30%負荷であるが、設備に応じて異なっても良い。更に石炭バーナ1の給炭量は、発電機4の解列まで発電負荷の下げに対応して変動することが好ましい。
【0029】
次に発電負荷を通常運転最低負荷の状態から更に下げる(図2のステップS5)と共に、石炭を専焼する状態で石炭バーナ1への給炭量を更に減らして燃料流量下限値まで下げる。そして発電負荷の下げに伴って石炭バーナ1の給炭量に伴う負荷が、必要な発電負荷を上回った際には、タービンバイパス弁9を開き(図2のステップS6)、発電負荷に不要な蒸気をタービンバイパスライン8から送給ライン7に逃がす。ここで石炭バーナ1の燃料流量下限値はバーナ容量によって異なり、タービンバイパスライン8は、石炭バーナ1の燃料流量下限値で発生する蒸気量に見合う容量を持つ必要がある。
【0030】
その後、発電負荷が、発電機4を解列し得る負荷に到達した時点(図2のステップS7)から他の条件の解列の許可を待って発電機4を解列する(図2のステップS8)。そして蒸気タービン5を停止し(図2のステップS9)、次いで石炭ミル10を停止して石炭バーナ1を消火し、且つタービンバイパス弁9の開度を閉じ(図2のステップS10)、石炭焚きボイラ設備の運転を停止する(図2のステップS11)。
【0031】
ここで図3では、発電機4を解列し得る負荷になった時点から発電機4の解列までの期間を、略一定で示し、発電機4の解列後を0Mwで示している。又、石炭バーナ1の給炭量(石炭消費量)の燃料流量下限値を、略一定で示し、石炭バーナ1の消火後を0t/hで示している。更に発電機4の解列の前後にわたる期間は、石炭バーナ1の給炭量が燃料流量下限値になっている。更に又、発電機4を解列し得る負荷になった時点から発電機4の解列までの期間における発電負荷は、一定値に限定されるものでなく、条件に応じて変動しても良く、石炭バーナ1の燃料流量下限値も、条件に応じて変動しても良い。又、タービンバイパス弁9の開度は、発電機4を解列し得る負荷に到達した時、及び/又は石炭バーナ1の給炭量が燃料流量下限値になった時から開度大となっており、開度大は、従来の開度小よりも10〜30%大きく開いている。更にタービンバイパス弁9の開度は、石炭バーナ1が消火する前まで開度大を維持することが好ましい。更にタービンバイパス弁9の開度は、発電負荷の下げ中に石炭バーナ1への給炭量が過小とならないように適宜調整されても良い。更に又、燃料油バーナ2の燃料油供給量(燃料油消費量)は、運転停止の処理において燃料油バーナ2の燃焼への切替や、燃料油バーナ2の専焼を行うことがないことから、図3では、燃料油バーナ2の燃料油供給量を0t/hで示している。又、図3の仮想線は従来の燃料油バーナの燃料油供給量(燃料油消費量)を示し、図3の仮想線と実線で囲まれた部分は、燃料油の削減し得る消費量(使用量)を示している。
【0032】
又、従来の運転停止と、本発明の実施例の運転停止とを実際に比較すると、従来の運転停止の場合には燃料油バーナによる燃料油(軽油)の使用量が約50〜60t/回となり、本発明の実施例の運転停止の場合には燃料油バーナによる燃料油(軽油)の使用量が約0t/回となった。この結果、本発明の実施例の停止処理は従来に比べて燃料油の使用量を大幅に低減できることが明らかである。
【0033】
而して、このように実施の形態例によれば、発電負荷の下げに伴って石炭バーナ1への給炭量を段階的に減らし、燃料油バーナ2の燃焼や専焼に切り替えることなく、発電負荷に不要な蒸気をタービンバイパスライン8に逃がして発電機4を解列するので、従来必要であった運転停止のための燃料油の使用量を大幅に削減し、燃料油よりも安価な石炭を用いてランニングコストを低減することができる。
【0034】
実施の形態例において、石炭バーナ1の燃料流量下限値の間に、発電負荷に不要な蒸気をタービンバイパスライン8に逃がし、発電機4を解列すると、石炭バーナ1への給炭量を燃料流量下限値まで段階的に減らし、発電負荷に不要な蒸気をタービンバイパスライン8に適切に逃がして発電機4を解列するので、従来必要であった運転停止のための燃料油の使用量を大幅に削減し、燃料油よりも安価な石炭を用いてランニングコストを一層低減することができる。
【0035】
実施の形態例において、発電負荷の下げに伴って発電機4を解列した後に、石炭バーナ1を消火すると、発電負荷の下げに関係なく石炭バーナ1を消火し得るので、運転停止のための燃料油の使用量を大幅に削減すると同時に、運転停止を容易にしてランニングコストを低減することができる。
【0036】
実施の形態例において、タービンバイパスライン8にタービンバイパス弁9を備え、タービンバイパス弁9の開度を調整して蒸気をタービンバイパスライン8に逃がすと、運転停止の過程に合わせて蒸気の流量を調整し得るので、運転停止のための燃料油の使用量を極めて大幅に削減し、ランニングコストを一層低減することができる。
【0037】
又、石炭バーナ1として、給炭量の燃料流量下限値の低いワイドレンジバーナを用いた場合には、発電負荷に不必要な蒸気としてタービンバイパスライン8に逃がす蒸気を低減するので、運転停止のための燃料油の使用量を大幅に削減すると同時に、運転停止を容易にしてランニングコストを低減することができる。
【0038】
尚、本発明の石炭焚きボイラ設備の運転停止方法及びその運転停止装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0039】
1 石炭バーナ
2 燃料油バーナ
3 石炭焚きボイラ
4 発電機
5 蒸気タービン
6 蒸気ライン
8 タービンバイパスライン
9 タービンバイパス弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
石炭バーナと燃料油バーナとを配設した石炭焚きボイラと、発電機を駆動する蒸気タービンと、前記石炭焚きボイラで発生した蒸気を蒸気タービンに供給する蒸気ラインと、前記蒸気タービンを迂回して蒸気ラインから蒸気をボイラに流すタービンバイパスラインとを有する石炭焚きボイラ設備の運転停止方法であって、
石炭焚きボイラの通常運転時の発電機出力から発電負荷を下げると共に石炭バーナへの給炭量を低減し、燃料油バーナの燃焼に切り替えることなく、発電負荷を通常運転最低負荷から更に下げ、発電負荷に不要な蒸気をタービンバイパスラインに逃がし、発電負荷の下げに伴って発電機を解列することを特徴とする石炭焚きボイラ設備の運転停止方法。
【請求項2】
石炭バーナの燃料流量下限値に達するまで、発電負荷に不要な蒸気をタービンバイパスラインに逃がし、発電機を解列することを特徴とする請求項1に記載の石炭焚きボイラ設備の運転停止方法。
【請求項3】
発電負荷の下げに伴って発電機を解列した後に、石炭バーナを消火することを特徴とする請求項1又は2に記載の石炭焚きボイラ設備の運転停止方法。
【請求項4】
タービンバイパスラインにタービンバイパス弁を備え、タービンバイパス弁の開度を調整して蒸気をタービンバイパスラインに逃がすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の石炭焚きボイラ設備の運転停止方法。
【請求項5】
石炭バーナと燃料油バーナとを配設した石炭焚きボイラと、発電機を駆動する蒸気タービンと、前記石炭焚きボイラで発生した蒸気を蒸気タービンに供給する蒸気ラインと、前記蒸気タービンを迂回して蒸気ラインから蒸気をボイラに流すタービンバイパスラインと、該タービンバイパスラインからの蒸気の流量を調整するタービンバイパス弁とを有する石炭焚きボイラ設備の運転停止装置であって、
運転停止の際には、石炭焚きボイラの通常運転時の発電機出力から発電負荷を下げると共に石炭バーナへの給炭量を低減し、燃料油バーナの燃焼に切り替えることなく、発電負荷を通常運転最低負荷から更に下げ、発電負荷に不要な蒸気を、タービンバイパス弁を介してタービンバイパスラインに逃がし、発電負荷の下げに伴って発電機を解列するように構成されたことを特徴とする石炭焚きボイラ設備の運転停止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−74901(P2011−74901A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230280(P2009−230280)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】