説明

研磨パッドの製造方法、及び研磨パッド

【課題】 極めて均一な微細気泡を有するポリウレタン樹脂発泡体からなる研磨パッドの製造方法、及び該製造方法によって得られる研磨パッドを提供することを目的とする。
【解決手段】 イソシアネート末端プレポリマーを含む第1成分と鎖延長剤を含む第2成分とを混合し、硬化してポリウレタン樹脂発泡体を作製する工程(1)を含む研磨パッドの製造方法において、 前記工程(1)は、第1成分にシリコン系界面活性剤をポリウレタン樹脂発泡体中に0.05〜10重量%になるように添加し、さらに前記第1成分を非反応性気体と撹拌して前記非反応性気体を微細気泡として分散させた気泡分散液を調製した後、前記気泡分散液に第2成分を混合し、硬化してポリウレタン樹脂発泡体を作製する工程であり、かつ前記鎖延長剤は融点が70℃以下の芳香族ポリアミンであることを特徴とする研磨パッドの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレンズ、反射ミラー等の光学材料やシリコンウエハ、ハードディスク用のガラス基板、アルミ基板、及び一般的な金属研磨加工等の高度の表面平坦性を要求される材料の平坦化加工を安定、かつ高い研磨効率で行うことが可能な研磨パッドの製造方法に関するものである。本発明の研磨パッドは、特にシリコンウエハ並びにその上に酸化物層、金属層等が形成されたデバイスを、さらにこれらの酸化物層や金属層を積層・形成する前に平坦化する工程に好適に使用される。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタン樹脂発泡体を製造する技術としては、フロンや塩化メチレン等の低沸点の有機溶剤を発泡体形成原料組成物に添加・分散し、重合熱による気化により重合体を発泡させる方法、発泡体形成原料組成物に水を添加・分散し、イソシアネート基と水の反応により発生する炭酸ガスにより重合体を発泡させる方法が周知である。これらの方法で得られる発泡体は、気泡の径(セル径)が平均値で100μmが下限であり、より微細で均一な気泡を有する発泡体を得ることが困難である。
【0003】
微細な気泡を有するポリウレタン発泡体の製造方法としては、以下の方法が知られている。
(1)溶剤可溶性の微粒子をポリウレタン重合体に分散して所定形状に成形した後、成形品を微粒子は溶解するがポリウレタン重合体は溶解しない溶剤に浸漬して微粒子を溶解除去して多孔質ポリウレタン樹脂、即ち発泡体とする方法(特許文献1)。
(2)微小中空発泡体をポリウレタン樹脂形成原料組成物に分散する方法(特許文献2、3)。
【0004】
しかし、特許文献1の方法によれば、多量の溶剤を必要とし、また微粒子形成素材を含む溶剤を処理する必要があり、コスト的に高価である。しかも、得られた発泡体は連続気泡のみであり、剛性を求められる用途には使用できず、用途が制限される。また、溶出工程や溶剤を乾燥させる工程も必要であり、厚みの大きな成形品を作成するには長時間を要するという課題もある。
【0005】
一方、特許文献2、3の方法では、密度の差によりポリウレタン反応原液中において微小中空発泡体が浮き上がる傾向が強いために均一な発泡体を製造することが困難であり、また微小中空発泡体が比較的高価であり、さらに発泡体内に微小中空発泡体の素材が残存し、発泡体の裁断時に刃を損傷するなどの問題を有している。しかも中空微粒子は飛散しやすく、作業環境の整備の設備等に多大の費用を必要とする。
【0006】
ところでポリウレタン樹脂発泡体は、半導体等の製造用シリコン、電子基板の製造に使用する研磨パッドとして使用される。研磨パッドには形成される回路の高密度化に伴い、高精度の研磨が要求されており、研磨に用いる研磨スラリーに含まれる粒子の種類や粒径の大きさにより、研磨パッド(ポリウレタン発泡体)の硬度等もそれに応じたものが要求される。たとえば、セリア系スラリーはシリカ系スラリーよりも粒径が大きく、研磨スラリーとしてセリア系スラリーが用いられる場合には、シリカ系スラリーの場合よりも高硬度の研磨パッドが求められる。
【0007】
上記各問題を解決する方法として、水等の化学反応性発泡剤やフロン等の気化膨張性発泡剤、微小中空発泡体、溶剤可溶性物質等の異種物質を使用せず、均一な微細気泡を有し、かつ同一密度のものよりも高硬度を有するポリウレタン発泡体の製造方法、いわゆる機械発泡法が開示されている(特許文献4)。そして、鎖延長剤としては、反応性及び得られるポリウレタン樹脂発泡体の物性等の観点から4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(MOCA)が好適に使用されている。しかし、MOCAを用いた場合には、ポリウレタン樹脂発泡体の気泡径が大きくなったり、気泡径にばらつきが生じやすく、研磨特性に悪影響を及ぼすという問題を有していた。
【0008】
【特許文献1】特開平2−91279
【特許文献2】特表平8−500622号公報
【特許文献3】特開2000−343412号公報
【特許文献4】特許第3490431号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、極めて均一な微細気泡を有するポリウレタン樹脂発泡体からなる研磨パッドの製造方法、及び該製造方法によって得られる研磨パッドを提供することを目的とする。また、該研磨パッドを用いた半導体デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、イソシアネート末端プレポリマーを含む第1成分と鎖延長剤を含む第2成分とを混合し、硬化してポリウレタン樹脂発泡体を作製する工程(1)を含む研磨パッドの製造方法において、
前記工程(1)は、第1成分にシリコン系界面活性剤をポリウレタン樹脂発泡体中に0.05〜10重量%になるように添加し、さらに前記第1成分を非反応性気体と撹拌して前記非反応性気体を微細気泡として分散させた気泡分散液を調製した後、前記気泡分散液に第2成分を混合し、硬化してポリウレタン樹脂発泡体を作製する工程であり、かつ前記鎖延長剤は融点が70℃以下の芳香族ポリアミンであることを特徴とする研磨パッドの製造方法、に関する。
【0011】
該製造方法によると、極めて均一な微細気泡構造を有するポリウレタン樹脂発泡体を得ることができる。
【0012】
本発明者は、従来好適に使用されていたMOCAの代わりに、融点が70℃以下の芳香族ポリアミンを用いることにより、気泡径のばらつきが小さく、微細気泡を有するポリウレタン樹脂発泡体が得られることを見出した。その理由は以下のように考えられる。MOCAの融点は106℃であり、気泡分散液に混合する際には溶融状態(約120℃)で添加される。気泡分散液は通常60〜80℃程度に調整されており、溶融状態のMOCAとの温度差が大きいため、気泡分散液中の気泡が局所的に熱によって破泡、一体化、及び膨張等する。その結果、気泡径にばらつきが生じると考えられる。鎖延長剤として融点が70℃以下の芳香族ポリアミンを用いることにより、気泡分散液との温度差を小さくでき、それにより気泡径のばらつきを抑制することができる。前記芳香族ポリアミンの融点は60℃以下であることが好ましく、特に好ましくは40℃以下である。
【0013】
本発明においては、反応性及び得られるポリウレタン樹脂発泡体の物性等の観点から、前記芳香族ポリアミンが、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、及び下記一般式(1)で表されるポリアルキレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエートからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【化2】

(ただし、mは2〜4の整数であり、nは1〜20の整数である。)
【0014】
本発明においては、シリコン系界面活性剤をポリウレタン樹脂発泡体中に0.05〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%含有させる必要がある。シリコン系界面活性剤の含有量が0.05重量%未満の場合には、微細気泡の発泡体が得られないため好ましくない。一方、10重量%を超える場合には、該界面活性剤の可塑効果により、高硬度のポリウレタン樹脂発泡体が得られないため好ましくない。
【0015】
本発明においては、前記イソシアネート末端プレポリマーは、低分子量ポリオール成分を原料成分として含有することが好ましい。
【0016】
また本発明においては、前記イソシアネート末端プレポリマーの原料成分であるイソシアネート成分が芳香族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートであることが好ましい。また、前記芳香族ジイソシアネートがトルエンジイソシアネートであり、前記脂環式ジイソシアネートがジシクロヘキシルメタンジイソシアネートであることが好ましい。上記ジイソシアネートを用いることにより、鎖延長剤との反応速度を好適な範囲に制御できるため作業上好ましいだけでなく、ポリウレタン樹脂発泡体の成型性の点でも好ましい。
【0017】
また本発明は、前記方法によって製造される研磨パッド、に関する。
【0018】
さらに本発明は、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法、に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の研磨パッドの製造方法は、イソシアネート末端プレポリマーを含む第1成分にシリコン系界面活性剤をポリウレタン樹脂発泡体中に0.05〜10重量%になるように添加し、さらに前記第1成分を非反応性気体と撹拌して前記非反応性気体を微細気泡として分散させた気泡分散液を調製した後、前記気泡分散液に鎖延長剤を含む第2成分を混合し、硬化してポリウレタン樹脂発泡体を作製する工程(1)を含む。前記ポリウレタン樹脂発泡体は、研磨パッドの研磨層となるものである。本発明の研磨パッドは、研磨層のみであってもよく、研磨層と他の層(例えばクッション層など)との積層体であってもよい。
【0020】
本発明に使用するイソシアネート末端プレポリマーは、少なくともイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分とを原料成分として含有してなるものである。イソシアネート末端プレポリマーを使用することにより、得られるポリウレタン樹脂発泡体の物理的特性が優れたものとなる。
【0021】
イソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。イソシアネート成分としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート類等が挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
【0022】
イソシアネート成分としては、上記ジイソシアネート化合物の他に、3官能以上の多官能ポリイソシアネート化合物も使用可能である。多官能のイソシアネート化合物としては、デスモジュール−N(バイエル社製)や商品名デュラネート(旭化成工業社製)として一連のジイソシアネートアダクト体化合物が市販されている。
【0023】
高分子量ポリオール成分としては、ポリウレタンの技術分野において、通常用いられるものを挙げることができる。例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール等に代表されるポリエーテルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いでえられた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0024】
これら高分子量ポリオール成分の数平均分子量は特に限定されないが、得られるポリウレタン樹脂の弾性特性等の観点から、500〜5000程度であることが望ましい。数平均分子量が500未満であると、これを用いて得られるポリウレタン樹脂は十分な弾性特性を有さず、脆いポリマーとなり易く、このポリウレタン樹脂からなる研磨パッドが硬くなりすぎ、被研磨材表面のスクラッチの発生原因となる場合がある。また、摩耗しやすくなるため、研磨パッドの寿命の観点からも好ましくない。一方、数平均分子量が5000を超えると、これを用いて得られるポリウレタン樹脂からなる研磨パッドが軟らかくなり、十分に満足できるプラナリティーが得られにくいため好ましくない。
【0025】
また、上述した高分子量ポリオール成分の他に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等の低分子量ポリオール成分を併用することができる。また、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、及びジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミン成分を併用することもできる。また、モノエタノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、及びモノプロパノールアミン等のアルコールアミンを併用することもできる。これら低分子量ポリオール、低分子量ポリアミン等は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。低分子量ポリオールや低分子量ポリアミン等の配合量は特に限定されず、製造される研磨パッド(研磨層)に要求される特性により適宜決定されるが、全ポリオール成分の20〜70モル%であることが好ましい。
【0026】
イソシアネート末端プレポリマーは、前記ポリオール成分等とイソシアネート成分とを用い、イソシアネート基(NCO)と活性水素(H)の当量比(NCO/H)が1.2〜5.0、好ましくは1.6〜2.6となる範囲で加熱反応して製造される。1.2未満の場合には、合成時にプレポリマーが高分子量化して固化又はゲル化する傾向にある。一方、5.0を超える場合には、未反応のイソシアネートが多く残存するため鎖延長剤との反応が速くなり、ポリウレタン樹脂発泡体の成型加工性が悪くなる傾向にある。
【0027】
本発明においては、鎖延長剤として融点が70℃以下の芳香族ポリアミンを用いる。そのような芳香族ポリアミンとしては、例えば、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、及び上記一般式(1)で表されるポリアルキレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエートなどが挙げられる。特に、重合度nが2〜5であるポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエートを用いることが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】
また、必要に応じて、前記鎖延長剤と共に前記低分子量ポリオール及び/又は低分子量ポリアミンを用いてもよい。ただし、これらを併用する場合には、前記鎖延長剤を80モル%以上用いることが好ましく、より好ましくは90モル%以上である。前記鎖延長剤が80モル%未満の場合には、気泡径が大きくなったり、気泡径がばらつきやすくなり、研磨パッドの平坦化特性が低下する傾向にある。
【0029】
前記プレポリマーと鎖延長剤の比は、各々の分子量やこれらから製造される研磨パッドの所望物性などにより種々変え得る。所望する研磨特性を有する研磨パッドを得るためには、鎖延長剤の官能基数に対するプレポリマーのイソシアネート基数は、0.95〜1.20の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.15である。
【0030】
本発明のポリウレタン樹脂発泡体は、気孔(気泡)をポリウレタン樹脂中に取り込む必要があること、さらにコスト、作業環境などを考慮して溶融法で製造する。そして、ポリアルキルシロキサンとポリエーテルの共重合体であるシリコン系界面活性剤を使用した機械的発泡法によりポリウレタン樹脂発泡体を製造する。かかるシリコン系界面活性剤としては、SH−192(東レダウコーニングシリコン製)等が好適な化合物として例示される。
【0031】
なお、必要に応じて、酸化防止剤等の安定剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の添加剤を加えてもよい。これらは、第1成分又は第2成分のいずれに添加してもよいが、両成分を混合する際に添加することが好ましい。
【0032】
研磨パッド(研磨層)を構成する微細気泡タイプのポリウレタン樹脂発泡体を製造する方法の例について以下に説明する。かかるポリウレタン樹脂発泡体の製造方法は、以下の工程を有する。
1)イソシアネート末端プレポリマーの気泡分散液を作製する発泡工程
イソシアネート末端プレポリマーにシリコン系界面活性剤を添加し、非反応性気体の存在下で撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。前記プレポリマーが常温で固体の場合には適宜の温度に予熱し、溶融して使用する。
2)硬化剤(鎖延長剤)混合工程
上記の気泡分散液に鎖延長剤を添加、混合、及び撹拌して発泡反応液とする。
3)注型工程
上記の発泡反応液を金型に流し込む。
4)硬化工程
金型に流し込まれた発泡反応液を加熱し、反応硬化させる。
【0033】
前記微細気泡を形成するために使用される非反応性気体としては、可燃性でないものが好ましく、具体的には窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン等の希ガスやこれらの混合気体が例示され、乾燥して水分を除去した空気の使用がコスト的にも最も好ましい。
【0034】
非反応性気体を微細気泡状にしてシリコン系界面活性剤を含む第1成分に分散させる撹拌装置としては、公知の撹拌装置は特に限定なく使用可能であり、具体的にはホモジナイザー、ディゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサー)等が例示される。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限定されないが、ホイッパー型の撹拌翼の使用にて微細気泡が得られ好ましい。
【0035】
なお、発泡工程において気泡分散液を作成する撹拌と、混合工程における鎖延長剤を添加して混合する撹拌は、異なる撹拌装置を使用することも好ましい態様である。特に混合工程における撹拌は気泡を形成する撹拌でなくてもよく、大きな気泡を巻き込まない撹拌装置の使用が好ましい。このような撹拌装置としては、遊星型ミキサーが好適である。発泡工程と混合工程の撹拌装置を同一の撹拌装置を使用しても支障はなく、必要に応じて撹拌翼の回転速度を調整する等の撹拌条件の調整を行って使用することも好適である。
【0036】
ポリウレタン樹脂発泡体の製造方法においては、発泡反応液を型に流し込んで流動しなくなるまで反応した発泡体を、加熱、ポストキュアすることは、発泡体の物理的特性を向上させる効果があり、極めて好適である。金型に発泡反応液を流し込んで直ちに加熱オーブン中に入れてポストキュアを行う条件としてもよく、そのような条件下でもすぐに反応成分に熱が伝達されないので、気泡径が大きくなることはない。硬化反応は、常圧で行うと気泡形状が安定するため好ましい。
【0037】
該ポリウレタン樹脂発泡体の製造方法において、第3級アミン系等の公知のポリウレタン反応を促進する触媒を使用してもかまわない。触媒の種類、添加量は、混合工程後、所定形状の型に流し込む流動時間を考慮して選択する。
【0038】
該ポリウレタン樹脂発泡体の製造は、各成分を計量して容器に投入し、撹拌するバッチ方式であっても、また撹拌装置に各成分と非反応性気体を連続して供給して撹拌し、気泡分散液を送り出して成形品を製造する連続生産方式であってもよい。
【0039】
また、本発明の研磨パッドの製造方法は、研磨パッド(研磨層)の原料となるプレポリマーを反応容器に入れ、その後に鎖延長剤を投入、撹拌後、所定の大きさの注型に流し込みブロックを作製し、そのブロックを鉋状、あるいはバンドソー状のスライサーを用いてスライスする方法、又は前述の注型の段階で、薄いシート状にしても良い。また、原料となる樹脂を溶解し、Tダイから押し出し成形し直接シート状のポリウレタン樹脂発泡体を得ても良い。
【0040】
前記ポリウレタン樹脂発泡体の平均気泡径は、70μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは30〜60μmである。平均気泡径が70μmを超える場合には、研磨後の被研磨材のプラナリティ(平坦性)が低下する傾向にある。
【0041】
また、前記ポリウレタン樹脂発泡体の気泡径のばらつきは、標準偏差により8.5以下であることが好ましく、より好ましくは8以下である。標準偏差が8.5を超える場合には平坦化特性が悪くなったり、研磨レートが不安定になる。
【0042】
前記ポリウレタン樹脂発泡体の比重は、0.5〜1.0であることが好ましい。比重が0.5未満の場合、研磨層の表面強度が低下し、被研磨材のプラナリティが低下する傾向にある。また、1.0より大きい場合は、研磨層表面の気泡数が少なくなり、プラナリティは良好であるが、研磨速度が低下する傾向にある。
【0043】
前記ポリウレタン樹脂発泡体の硬度は、アスカーD硬度計にて、45〜65度であることが好ましい。アスカーD硬度が45度未満の場合には、被研磨材のプラナリティが低下し、また、65度より大きい場合は、プラナリティは良好であるが、被研磨材のユニフォーミティ(均一性)が低下する傾向にある。
【0044】
本発明の研磨パッド(研磨層)の被研磨材と接触する研磨表面には、スラリーを保持・更新する表面形状を有することが好ましい。発泡体からなる研磨層は、研磨表面に多くの開口を有し、スラリーを保持・更新する働きを持っているが、更なるスラリーの保持性とスラリーの更新を効率よく行うため、また被研磨材との吸着による被研磨材の破壊を防ぐためにも、研磨表面に凹凸構造を有することが好ましい。凹凸構造は、スラリーを保持・更新する形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、XY格子溝、同心円状溝、貫通孔、貫通していない穴、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放射状溝、及びこれらの溝を組み合わせたものが挙げられる。また、これらの凹凸構造は規則性のあるものが一般的であるが、スラリーの保持・更新性を望ましいものにするため、ある範囲ごとに溝ピッチ、溝幅、溝深さ等を変化させることも可能である。
【0045】
前記凹凸構造の作製方法は特に限定されるものではないが、例えば、所定サイズのバイトのような治具を用い機械切削する方法、所定の表面形状を有した金型に樹脂を流しこみ、硬化させることにより作製する方法、所定の表面形状を有したプレス板で樹脂をプレスし作製する方法、フォトリソグラフィを用いて作製する方法、印刷手法を用いて作製する方法、炭酸ガスレーザーなどを用いたレーザー光による作製方法などが挙げられる。
【0046】
また、前記研磨層の厚みバラツキは100μm以下であることが好ましい。厚みバラツキが100μmを越えるものは、研磨層に大きなうねりを持ったものとなり、被研磨材に対する接触状態が異なる部分ができ、研磨特性に悪影響を与える。また、研磨層の厚みバラツキを解消するため、一般的には、研磨初期に研磨層表面をダイヤモンド砥粒を電着、融着させたドレッサーを用いてドレッシングするが、上記範囲を超えたものは、ドレッシング時間が長くなり、生産効率を低下させるものとなる。
【0047】
研磨層の厚みのバラツキを抑える方法としては、所定厚みにスライスした研磨シート表面をバフィングする方法が挙げられる。また、バフィングする際には、粒度などが異なる研磨材で段階的に行うことが好ましい。
【0048】
本発明の研磨パッドは、前記研磨層とクッションシートとを貼り合わせたものであってもよい。
【0049】
前記クッションシート(クッション層)は、研磨層の特性を補うものである。クッションシートは、CMPにおいて、トレードオフの関係にあるプラナリティとユニフォーミティの両者を両立させるために必要なものである。プラナリティとは、パターン形成時に発生する微小凹凸のある被研磨材を研磨した時のパターン部の平坦性をいい、ユニフォーミティとは、被研磨材全体の均一性をいう。研磨層の特性によって、プラナリティを改善し、クッションシートの特性によってユニフォーミティを改善する。本発明の研磨パッドにおいては、クッションシートは研磨層より柔らかいものを用いることが好ましい。
【0050】
前記クッションシートとしては、例えば、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、アクリル不織布などの繊維不織布やポリウレタンを含浸したポリエステル不織布のような樹脂含浸不織布、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム性樹脂、感光性樹脂などが挙げられる。
【0051】
研磨層とクッションシートとを貼り合わせる手段としては、例えば、研磨層とクッションシートとを両面テープで挟みプレスする方法が挙げられる。
【0052】
前記両面テープは、不織布やフィルム等の基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものである。クッションシートへのスラリーの浸透等を防ぐことを考慮すると、基材にフィルムを用いることが好ましい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は、金属イオン含有量が少ないため好ましい。また、研磨層とクッションシートは組成が異なることもあるため、両面テープの各接着層の組成を異なるものとし、各層の接着力を適正化することも可能である。
【0053】
本発明の研磨パッドは、プラテンと接着する面に両面テープが設けられていてもよい。該両面テープとしては、上述と同様に基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものを用いることができる。基材としては、例えば不織布やフィルム等が挙げられる。研磨パッドの使用後のプラテンからの剥離を考慮すれば、基材にフィルムを用いることが好ましい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は、金属イオン含有量が少ないため好ましい。
【0054】
半導体デバイスは、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を経て製造される。半導体ウエハとは、一般にシリコンウエハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。半導体ウエハの研磨方法、研磨装置は特に制限されず、例えば、図1に示すように研磨パッド(研磨層)1を支持する研磨定盤2と、半導体ウエハ4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハへの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤3の供給機構を備えた研磨装置などを用いて行われる。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と半導体ウエハ4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。研磨に際しては、研磨定盤2と支持台5とを回転させつつ半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付け、スラリーを供給しながら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、研磨定盤回転数、及びウエハ回転数は特に制限されず、適宜調整して行う。
【0055】
これにより半導体ウエハ4の表面の突出した部分が除去されて平坦状に研磨される。その後、ダイシング、ボンディング、パッケージング等することにより半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演算処理装置やメモリー等に用いられる。
【実施例】
【0056】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0057】
[測定、評価方法]
(数平均分子量の測定)
数平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)にて測定し、標準ポリスチレンにより換算した。
GPC装置:島津製作所製、LC−10A
カラム:Polymer Laboratories社製、(PLgel、5μm、500Å)、(PLgel、5μm、100Å)、及び(PLgel、5μm、50Å)の3つのカラムを連結して使用
流量:1.0ml/min
濃度:1.0g/l
注入量:40μl
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
【0058】
(平均気泡径及び標準偏差の測定)
作製したポリウレタン樹脂発泡体を厚み1mm以下になるべく薄くミクロトームカッターで平行に切り出したものを測定用試料とした。試料表面を走査型電子顕微鏡(日立サイエンスシステムズ社製、S−3500N)で100倍にて撮影した。そして、画像解析ソフト(MITANIコーポレーション社製、WIN−ROOF)を用いて、任意範囲の全気泡の円相当径を測定し、その測定値から平均気泡径及び標準偏差を算出した。
【0059】
(比重測定)
JIS Z8807−1976に準拠して行った。作製したポリウレタン樹脂発泡体を4cm×8.5cmの短冊状(厚み:任意)に切り出したものを比重測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定には比重計(ザルトリウス社製)を用い、比重を測定した。
【0060】
(硬度測定)
JIS K6253−1997に準拠して行った。作製したポリウレタン樹脂発泡体を2cm×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出したものを硬度測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、試料を重ね合わせ、厚み6mm以上とした。硬度計(高分子計器社製、アスカーD型硬度計)を用い、硬度を測定した。
【0061】
(研磨特性の評価)
研磨装置としてSPP600S(岡本工作機械社製)を用い、作製した研磨パッドを用いて、研磨特性の評価を行った。研磨速度は、8インチのシリコンウエハに熱酸化膜を1μm製膜したものを、約0.5μm研磨して、このときの時間から算出した。酸化膜の膜厚測定には、干渉式膜厚測定装置(大塚電子社製)を用いた。研磨条件としては、スラリーとして、シリカスラリー(SS12 キャボット社製)を研磨中に流量150ml/min添加した。研磨荷重としては350g/cm、研磨定盤回転数35rpm、ウエハ回転数30rpmとした。平坦化特性の評価では、8インチシリコンウエハに熱酸化膜を0.5μm堆積させた後、所定のパターニングを行った後、p−TEOSにて酸化膜を1μm堆積させ、初期段差0.5μmのパターン付きウエハを作製し、このウエハを前述条件にて研磨を行い、研磨後、各段差を測定し平坦化特性を評価した。
【0062】
平坦化特性としては2つの段差を測定した。一つはローカル段差であり、これは幅270μmのラインが30μmのスペースで並んだパターンにおける段差であり、1分後の段差を測定した。もう一つは削れ量であり、幅270μmのラインが30μmのスペースで並んだパターンと幅30μmのラインが270μmのスペースで並んだパターンにおいて、上記の2種のパターンのライン上部の段差が2000Å以下になるときの270μmのスペースの削れ量を測定した。ローカル段差の数値が低いとウエハ上のパターン依存により発生した酸化膜の凹凸に対し、ある時間において平坦になる速度が速いことを示す。また、スペースの削れ量が少ないと削れて欲しくない部分の削れ量が少なく平坦性が高いことを示す。
【0063】
(ドレス速度の測定)
作製した研磨パッドの表面をダイヤモンドドレッサー(旭ダイヤモンド社製、Mタイプ#100、20cmψ円形)を用いて回転させながら均一にドレッシングした。この時のドレッサー荷重は450g/cm、研磨定盤回転数は30rpm、ドレッサー回転数は15rpm、ドレス時間は100minとした。そして、ドレス前後の研磨パッドの厚さからドレス速度を算出した。
【0064】
実施例1
容器にトルエンジイソシアネート(2,4−体/2,6−体=80/20の混合物)1229重量部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート272重量部、数平均分子量1018のポリテトラメチレンエーテルグリコール1901重量部、ジエチレングリコール198重量部を入れ、70℃で4時間反応させてイソシアネート末端プレポリマーを得た。
該プレポリマー100重量部及びシリコン系界面活性剤(東レ・ダウシリコーン社製、SH−192)3重量部を重合容器内に加えて混合し、80℃に調整して減圧脱泡した。その後、撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように激しく約4分間撹拌を行った。そこへ予め70℃に温度調整したエタキュア300(アルベマール社製、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミンと3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミンとの混合物)21重量部を添加した。該混合液を約1分間撹拌した後、パン型のオープンモールド(注型容器)へ流し込んだ。この混合液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、100℃で16時間ポストキュアを行い、ポリウレタン樹脂発泡体ブロックを得た。
約80℃に加熱した前記ポリウレタン樹脂発泡体ブロックをスライサー(アミテック社製、VGW−125)を使用してスライスし、ポリウレタン樹脂発泡体シートを得た。次に、バフ機(アミテック社製)を使用して、厚さ1.27mmになるまで該シートの表面バフ処理をし、厚み精度を整えたシートとした。このバフ処理をしたシートを直径61cmの大きさで打ち抜き、溝加工機(テクノ社製)を用いて表面に溝幅0.25mm、溝ピッチ1.50mm、溝深さ0.40mmの同心円状の溝加工を行い研磨シートを得た。この研磨シートの溝加工面と反対側の面にラミ機を使用して、両面テープ(積水化学工業社製、ダブルタックテープ)を貼りつけた。更に、コロナ処理をしたクッションシート(東レ社製、ポリエチレンフォーム、トーレペフ、厚み0.8mm)の表面をバフ処理し、それをラミ機を使用して前記両面テープに貼り合わせた。さらに、クッションシートの他面にラミ機を使用して両面テープを貼り合わせて研磨パッドを作製した。
【0065】
実施例2
実施例1において、予め70℃に温度調整したエタキュア300の代わりに、予め70℃に温度調整したエタキュア100(アルベマール社製、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミンと3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミンとの混合物)18重量部を用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
【0066】
実施例3
実施例1において、予め70℃に温度調整したエタキュア300の代わりに、予め70℃に温度調整したN,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(Dorf Ketal Chemicals社製、ユニリンク4200)31重量部を用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
【0067】
実施例4
実施例1において、予め70℃に温度調整したエタキュア300の代わりに、予め70℃に温度調整した3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(日本化薬社製、カヤハードA−A)25重量部を用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
【0068】
実施例5
実施例1において、予め70℃に温度調整したエタキュア300の代わりに、予め70℃に温度調整したN,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン(住友化学社製、スミライザーBPA)22重量部を用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
【0069】
実施例6
実施例1において、予め70℃に温度調整したエタキュア300の代わりに、予め70℃に温度調整したポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート(イハラケミカル工業社製、エラスマー250P、平均重合度:n=3.2)48重量部を用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
【0070】
比較例1
実施例1において、予め70℃に温度調整したエタキュア300の代わりに、予め120℃に溶融させた4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)26重量部を用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
【0071】
実施例及び比較例にて得られた研磨パッドを使用して研磨試験を行い、研磨特性を評価した。その結果を表1に示す。
【表1】

【0072】
表1の結果より、鎖延長剤として融点が70℃以下の芳香族ポリアミンを用いることにより、極めて均一な微細気泡を有する研磨パッドを得ることができる。そして、該研磨パッドは従来の研磨パッドよりも平坦化特性に優れることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】CMP研磨で使用する研磨装置の一例を示す概略構成図
【符号の説明】
【0074】
1:研磨パッド(研磨層)
2:研磨定盤
3:研磨剤(スラリー)
4:被研磨材(半導体ウエハ)
5:支持台(ポリシングヘッド)
6、7:回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート末端プレポリマーを含む第1成分と鎖延長剤を含む第2成分とを混合し、硬化してポリウレタン樹脂発泡体を作製する工程(1)を含む研磨パッドの製造方法において、
前記工程(1)は、第1成分にシリコン系界面活性剤をポリウレタン樹脂発泡体中に0.05〜10重量%になるように添加し、さらに前記第1成分を非反応性気体と撹拌して前記非反応性気体を微細気泡として分散させた気泡分散液を調製した後、前記気泡分散液に第2成分を混合し、硬化してポリウレタン樹脂発泡体を作製する工程であり、かつ前記鎖延長剤は融点が70℃以下の芳香族ポリアミンであることを特徴とする研磨パッドの製造方法。
【請求項2】
芳香族ポリアミンが、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、及び下記一般式(1)で表されるポリアルキレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエートからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載の研磨パッドの製造方法。
【化1】

(ただし、mは2〜4の整数であり、nは1〜20の整数である。)
【請求項3】
イソシアネート末端プレポリマーは、低分子量ポリオール成分を原料成分として含有する請求項1又は2記載の研磨パッドの製造方法。
【請求項4】
イソシアネート末端プレポリマーの原料成分であるイソシアネート成分が芳香族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートである請求項1〜3のいずれかに記載の研磨パッドの製造方法。
【請求項5】
芳香族ジイソシアネートがトルエンジイソシアネートであり、脂環式ジイソシアネートがジシクロヘキシルメタンジイソシアネートである請求項4記載の研磨パッドの製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の方法によって製造される研磨パッド。
【請求項7】
請求項6記載の研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2006−282993(P2006−282993A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−2382(P2006−2382)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【Fターム(参考)】