説明

研磨パッド

【課題】既存の研磨パッドよりも研磨レートが高く、ディッシングが低減され、寿命が長い研磨パッドを提供する。
【解決手段】ポリウレタンと、少なくとも3種のビニル化合物から重合される重合体が一体化して、独立気泡を有する相互侵入高分子網目構造体からなる研磨パッドであって、前記ビニル化合物が、イソボルニル基を有するビニル化合物A、2個以上のビニル基を有するビニル化合物B、CH2=CR1COOR2(R1:メチル基、エチル基、R2:メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)から選ばれるビニル化合物Cを有する研磨パッド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタンと、少なくとも3種のビニル化合物から重合される重合体が一体化して、独立気泡を有する相互侵入高分子網目構造体からなる研磨パッドに関する。特に、シリコンなどの半導体基板上に形成された層間絶縁膜や金属配線形成用金属膜を研磨、平坦化する研磨パッドに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンのビニル化合物から重合される重合体からなる研磨パッドが特許文献1に開示されている。また、重合用モノマーを含む溶液に高分子成形体を浸漬した後、モノマーの重合反応を起こさせる工程を含む研磨パッドの製造方法が特許文献2に開示されている。しかしながら、これらの研磨パッドでは、銅などの金属薄膜を研磨して微細な配線を形成する、配線−絶縁体の平坦化工程において、金属配線の中央部が縁部よりも厚さが薄くなる、いわゆる「ディッシング」が顕著に生じる。ディッシングが大きいほど、配線の断面積がより小さくなるため、金属配線の電気抵抗が増加して好ましくない。また、より上層の配線形成時に研磨残りが発生する原因となるため好ましくない。
【0003】
一方、相互侵入高分子網目構造体からなる研磨パッドが特許文献3に記載されている。この研磨パッドにおいては、研磨速度が安定性し、ディッシング低減の効果が期待できる。しかしながら、剛性が高いことから、研磨時に用いられるダイヤモンドディスクによる摩耗が大きく、寿命が短いという問題点がある。
【0004】
また、水酸基を有する炭素数6以上の脂環式化合物から得られたアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの重合体を含む、相互侵入高分子網目構造体からなる研磨パッドが特許文献4に開示されている。この研磨パッドにおいては、高研磨レート、パッド寿命の延長が報告されているが、研磨パッドの剛性が不十分なため十分なディッシング低減効果が得られず、半導体製造工程において十分な要求を満たせていない問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第00/122621号パンフレット
【特許文献2】特開2000−218551号公報
【特許文献3】特許第3685064号公報
【特許文献4】特開2008−207308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、既存の研磨パッドより研磨レートが高く、かつ研磨レートの変動が小さく、しかも配線に生じるディッシングが低減され、パッド寿命が延長された研磨パッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は以下の構成からなる。
(1)ポリウレタンと、少なくとも3種のビニル化合物から重合される重合体が一体化して、独立気泡を有する相互侵入高分子網目構造体からなる研磨パッドであって、前記ビニル化合物が、イソボルニル基を有するビニル化合物A、2個以上のビニル基を有するビニル化合物B、CH2=CR1COOR2(R1:メチル基、エチル基、R2:メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)から選ばれるビニル化合物Cを有することを特徴とする研磨パッド。
(2)前記イソボルニル基を有するビニル化合物Aがビニル化合物の総重量に対し5重量%以上50重量%以下である(1)記載の研磨パッド。
(3)前記2個以上のビニル基を有するビニル化合物Bがビニル化合物の総重量に対し0.5重量%以上30重量%以下である(1)または(2)記載の研磨パッド。
(4)前記ビニル化合物Cがビニル化合物の総重量に対し20重量%以上94.5重量%以下である(1)〜(3)のいずれかに記載の研磨パッド。
(5)前記イソボルニル基を有するビニル化合物Aがイソボルニル基を有する(メタ)アクリレートであり、前記2個以上のビニル基を有するビニル化合物Bのビニル基が(メタ)アクリレート基である(1)〜(4)のいずれかに記載の研磨パッド。
(6)前記3種のビニル化合物から重合される重合体の含有比率がポリウレタンに対し40重量%以上250重量%以下である(1)〜(5)のいずれかに記載の研磨パッド。
【発明の効果】
【0008】
既存の研磨パッドよりも研磨レートが高く、かつ十分な剛性を有することにより配線に生じるディッシングが低減され、また研磨時に用いられるダイヤモンドディスクによる摩耗が小さく寿命が長い研磨パッドが得られる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明において、相互侵入高分子網目構造体とは、高分子混合系において、相互に化学結合することなく独立な異種の高分子網目が互いに侵入しあった高分子を言う。具体的には、複数の種類の高分子が数nm〜数百nmで分散した構造を形成する。分散の程度は、5nm〜300nmが好ましく、5nm〜100nmが特に好ましい。また、異種高分子が互いに連続相となる構造が架橋点形成により安定化された構造であってもよい。
【0010】
本発明の相互侵入高分子網目構造体は、ポリウレタンと、少なくとも3種のビニル化合物から重合される重合体を含み、前記ビニル化合物は、イソボルニル基を有するビニル化合物A、2個以上のビニル基を有するビニル化合物B、CH2=CR1COOR2(R1:メチル基、エチル基、R2:メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)から選ばれるビニル化合物Cを含む。このような相互侵入高分子網目構造体を用いることにより、所望の効果が得られることを発明者らは見出した。
【0011】
本発明において、既存の研磨パッドよりも研磨レートが高く、配線に生じるディッシングが低減される理由として、材料の剛性が最適であることがあげられる。本発明の2個以上のビニル基を有するビニル化合物B、およびCH2=CR1COOR2(R1:メチル基、エチル基、R2:メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)から選ばれるビニル化合物Cの最適含有量により研磨時に最適な剛性を持たせることができる。また研磨時に用いられるダイヤモンドディスクによる摩耗が小さく寿命が長くなる理由として、材料の破断エネルギーの増大が挙げられ、これは本発明のイソボルニル基を有するビニル化合物Aによる効果と考えられる。
【0012】
本発明において、ポリウレタンと、少なくとも3種のビニル化合物から重合される重合体を含む相互侵入高分子網目構造体が研磨パッドは、ダイヤモンドディスクにより常に均一な研磨パッド表面を形成し、研磨レートの低下や研磨レートの変動が起こりにくいものと思われる。
【0013】
本発明におけるポリウレタンはポリオールとポリイソシアネートから得られたポリウレタン成形体であることが好ましく、ポリオールとポリイソシアネートを2液混合して得られたポリウレタン成形体であることが特に好ましい。ここで、ポリオールとは、水酸基を2個以上有する化合物をいう。例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどから選ばれた1種または2種以上の混合物を挙げることができる。
【0014】
また、ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、ナフタレンジイソシアネート、などの芳香族イソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、などの脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加TDI、水素添加MDI、などの脂環式ジイソシアネート、などを挙げることができる。これらイソシアネートから選ばれた1種または2種以上の混合物として使用することができる。
【0015】
高分子成形体の調製にあたっては、ポリオール、ポリイソシアネートの他に、架橋剤、鎖延長剤、整泡剤、発泡剤、樹脂化触媒、泡化触媒、酸化防止剤、老化防止剤、充填剤、可塑剤、着色剤、防黴剤、抗菌剤、難燃剤、紫外線吸収剤を含有し、成形を行ってもよい。高分子成形体の調製方法は特に限定されないが、射出成形、反応成形などの方法で調製できる。特に、ポリウレタン成形体の調製では、ミキシングヘッド内で原料同士を衝突させて瞬時に混合する高圧注入機、ミキシングヘッドに供給された各原料を攪拌翼などによって機械的に混合するいわゆる低圧注入機に使用して、モールド成形やスラブ成形などに適用することが好ましい。
【0016】
本発明の相互侵入高分子網目構造体におけるイソボルニル基を有するビニル化合物Aとしては、(メタ)アクリレートが好ましく、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレートなどを挙げることができ、これに限定されない。
【0017】
本発明の相互侵入高分子網目構造体のイソボルニル基を有するビニル化合物Aはビニル化合物の総重量に対し5重量%以上50重量%以下であることが好ましい。5重量%以下の場合にはイソボルニル基を有するビニル化合物Aが少なすぎ、効果が十分に期待できない場合がある。一方50重量%以上の場合には異なる重合体間の相溶性がかえって低下する場合があるため好ましくない。
【0018】
本発明の相互侵入高分子網目構造体における2個以上のビニル基を有するビニル化合物Bとしては、(メタ)アクリレートが好ましく、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどを挙げることができ、これに限定されない。
【0019】
本発明の相互侵入高分子網目構造体の2個以上のビニル基を有するビニル化合物Bにおいても同様でビニル化合物の総重量に対し0.5重量%以上30重量%以下であることが好ましい。0.5重量%以下の場合には2個以上のビニル基を有するビニル化合物Bが少なすぎ、効果が十分に期待できない場合がある。一方30重量%以上の場合には相溶性が低下する場合があるため好ましくない。
【0020】
本発明の相互侵入高分子網目構造体のCH2=CR1COOR2(R1:メチル基、エチル基、R2:メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)から選ばれるビニル化合物Cとしては、ポリウレタンへの含浸,重合が容易な化合物が好ましく、ビニル化合物Cがビニル化合物の総重量に対し20重量%以上94.5重量%以下であることが好ましい。20重量部以下および94.5重量%以上においては全体が均一な研磨層を作ること難しい場合があるので好ましくない。
【0021】
本発明の相互侵入高分子網目構造体の3種のビニル化合物から重合される重合体の含有比率はポリウレタンに対し40重量%以上250重量%以下であることが好ましい。40重量%以下の場合にはポリウレタンの特性とほぼ変わりなく、ビニル化合物を重合する効果が十分に期待できない場合がある。一方250重量%以上の場合にはポリウレタンにビニル化合物を侵入させることが難しくなり相互侵入高分子網目構造体を形成させることができない場合がある。
【0022】
本発明の研磨パッドにおける被研磨物は特に限定されるものではない。具体的には、半導体基板,光学ガラス,光学レンズ,磁気ヘッド、ハードディスク、液晶ディスプレイ用カラーフィルター,プラズマディスプレイ用背面板等の光学部材、セラミックス、サファイア等を挙げることができる。これらの中でも特に化学機械的研磨(CMP;Chemical Mechanical Polishing)技術による半導体ウエハーの平坦化を目的とした研磨に用いることが好ましい。CMP工程において、研磨剤と薬液からなる研磨スラリーを用いて、半導体ウエハーと研磨パッドを相対運動させることにより、半導体ウエハー面を研磨して、半導体ウエハー面を平坦に、滑らかにする目的で研磨パッドが使用される。
【実施例】
【0023】
以下、本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。なお、評価方法は以下のようにして行った。
【0024】
[密度]JIS K 7112記載の方法にしたがってピクノメーター(ハーバード型)を使用して測定した。
【0025】
[引張試験] 引張試験機RTM−100((株)オリエンテック製)を用い、次のような測定条件で破断強度、破断伸度を測定した。5本の試験片を測定値とした。
試験温度:25℃
試験片形状:1号形小形試験片
試験片厚み:1〜2mm
チャック間距離:58mm
試験速度:50mm/分
[研磨評価] 研磨評価は以下のようにして行った。
【0026】
両面接着テープを研磨層シートと貼り合わせ、単層研磨パッドを作製した。単層研磨パッドを研磨機の定盤上に貼り付け、ダイヤモンドコンディショナーを押しつけ圧力0.8psi、研磨定盤回転数30rpm、コンディショナー回転数28rpmで研磨定盤と同方向に回転させた。精製水を100mL/分の割合で研磨パッド上に供給しながら30分間、研磨パッドのコンディショニングを行った。
【0027】
評価用8インチウエハーを研磨装置の研磨ヘッドに装着し、33rpmで回転させ、単層研磨パッドを研磨機のプラテンに固定して、30rpmで研磨ヘッドの回転方向と同方向に回転させて、銅用研磨スラリーを220mL/分で供給しながら研磨圧力4psiで1分間研磨を行い、銅膜の研磨レートを測定した。銅用研磨スラリーは、キャボット社製iCue5003、1000mLに対して、30wt%過酸化水素水5mLを使用直前に添加、混合したスラリーを用いた。50枚目および400枚目の銅膜の研磨レートを測定した。50枚目の研磨レートを測定後、ディッシング評価用のパターン付きウエハーを研磨し、ディッシング量の測定を行った。研磨の終了は光学式終点信号検出により行った。続いて、銅ベタ膜の研磨を行い、パーティクル数の測定を行った。
【0028】
[研磨レート] 研磨前後のウエハーを抵抗率測定器VR−120S(国際電気アルファ(株)製)で測定することにより、単位時間当たりの研磨量(研磨レート)を算出した。8インチのシリコンウエハー上に10000オングストロームの銅膜を製膜したものを使用した。
【0029】
[パーティクル数] パターンなしウエハー上におけるパーティクル数を欠陥/異物検査装置(KLAテンコール社製SP−1)を用いて評価した。0.2μm以上のパーティクルの合計数を測定した。
【0030】
[ディッシング量] 半導体基板として銅配線を有するパターン付き8インチシリコンウエハーにて研磨を行った。銅配線のラインアンドスペース部がライン10μm、スペース10μmのパターンを用いた。表面計測プロファイラ(KLAテンコール社製P−15)を用いて評価し銅配線中央の最深部厚みと銅配線縁の最高部厚みを測定し、その差をディッシング量とした。
(比較例1)
RIM成形機の第1原料タンク、第2原料タンクに以下のように原料組成物を仕込み、第1原料タンクに窒素ガスをローディング後、両タンクから原料組成物を金型に注入し、硬化させて、600mm×600mm、厚さ20mmのポリウレタン成形体を得た。ポリウレタンの見かけ密度は0.82g/cm3であった。
<第1原料タンク>
ポリプロピレングリコール 83重量%
1,4−ブタンジオール 17重量%
オクチル酸スズ 0.5重量%
シリコーン系整泡剤 3重量%
精製水 0.3重量%
<第2原料タンク>
ジフェニルメタンジイソシアネート 120重量部
次に、ポリウレタンに対し120重量%の割合でビニル化合物Cとしてメチルメタクリレートを、20℃で7日間浸漬したところラジカル重合性組成物は全量がポリウレタン成形体に含浸されていた。
メチルメタクリレート 300重量%
アゾビスイソブチロニトリル 0.9重量%
含浸により膨潤したポリウレタン成形体を塩化ビニル製ガスケットを介して2枚のガラス板間に挟み、周囲を固定して密閉した後、70℃で5時間加熱し、続いて100℃オーブン中で3時間加熱することにより硬化させた。
【0031】
ポリウレタン成形体の含浸硬化物の厚さ方向の中央部分をスライスし、表面研削加工を行って厚さ2mmのシートを得た。ポリウレタン成形体のラジカル重合性組成物含浸硬化物の見かけ密度は0.80g/cm3であった。引張弾性率は341MPaであった。
【0032】
次に、両面接着テープを貼り合わせた後、直径600mmの円に打ち抜き、片面に幅1.5mm、深さ0.5mm、ピッチ25mmの碁盤目状の溝を形成した。
【0033】
研磨評価を行ったところ、研磨レートはそれぞれ290nm/分および240nm/分であった。また、ディッシング量は52nmであった。パーティクル数は、63個と多かった。
【0034】
(実施例1)
3種のビニル化合物を重合される重合体として以下の組成物を使用したこと以外は比較例1と全く同様にして研磨パッドを作製した。
イソボルニルメタクリレート 90重量%
エチレングリコールジメタクリレート 30重量%
メチルメタクリレート 180重量%
アゾビスイソブチロニトリル 1.0重量%
ポリウレタン成形体のラジカル重合性組成物含浸硬化物の見かけ密度は0.78g/cm3であった。引張弾性率は370MPaであった。
【0035】
研磨評価を行ったところ、研磨レートはそれぞれ670nm/分および640nm/分であった。また、ディッシング量は20nmであった。パーティクル数は35個であった。
【0036】
(実施例2)
ラジカル重合性組成物として以下の組成物を使用したこと以外は比較例1と全く同様にして研磨パッドを作製した。
イソボルニルメタクリレート 15重量%
エチレングリコールジメタクリレート 2重量%
メチルメタクリレート 283重量%
アゾビスイソブチロニトリル 1.0重量%
ポリウレタン成形体のラジカル重合性組成物含浸硬化物の見かけ密度は0.79g/cm3であった。引張弾性率は355MPaであった。
【0037】
研磨評価を行ったところ、研磨レートはそれぞれ685nm/分および650nm/分であった。また、ディッシング量は22nmであった。パーティクル数は38個であった。
【0038】
以上から、ポリウレタンと、少なくとも3種のビニル化合物から重合される重合体が一体化して、独立気泡を有する研磨パッドは、既存の研磨パッドより研磨レートが高く、かつ研磨レートの変動が小さく長寿命である、配線に生じるディッシングが低減されていることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の研磨パッドは、シリコンウエハーなどの半導体基板、レンズなどの光学部材、磁気ヘッド、ハードディスクなどの電子材料などの研磨に使用できる。特に、化学機械的研磨(CMP)技術による半導体ウエハーの平坦化の目的で被研磨物である半導体ウエハーの研磨処理を行う研磨パッドとして使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタンと、少なくとも3種のビニル化合物から重合される重合体が一体化して、独立気泡を有する相互侵入高分子網目構造体からなる研磨パッドであって、前記ビニル化合物が、イソボルニル基を有するビニル化合物A、2個以上のビニル基を有するビニル化合物B、CH2=CR1COOR2(R1:メチル基、エチル基、R2:メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)から選ばれるビニル化合物Cを有することを特徴とする研磨パッド。
【請求項2】
前記イソボルニル基を有するビニル化合物Aがビニル化合物の総重量に対し5重量%以上50重量%以下である請求項1記載の研磨パッド。
【請求項3】
前記2個以上のビニル基を有するビニル化合物Bがビニル化合物の総重量に対し0.5重量%以上30重量%以下である請求項1または2記載の研磨パッド。
【請求項4】
前記ビニル化合物Cがビニル化合物の総重量に対し20重量%以上94.5重量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の研磨パッド。
【請求項5】
前記イソボルニル基を有するビニル化合物Aがイソボルニル基を有する(メタ)アクリレートであり、前記2個以上のビニル基を有するビニル化合物Bのビニル基が(メタ)アクリレート基である請求項1〜4のいずれかに記載の研磨パッド。
【請求項6】
前記3種のビニル化合物から重合される重合体の含有比率がポリウレタンに対し40重量%以上250重量%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の研磨パッド。

【公開番号】特開2010−234489(P2010−234489A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85772(P2009−85772)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】