説明

研磨液分配装置及びこれを備えた研磨装置

【課題】設置時の水平出しが不十分であったり設置場所の傾きが変化する場合にも、研磨液の分配の偏りを低減することができる研磨液分配装置及びこれを備えた研磨装置を提供する。
【解決手段】研磨液分配装置10は、供給された研磨液を蓄える液受皿122が形成されるとともに、液受皿122の側面に放射状に接続され該接続の位置よりも低い位置に研磨液を供給する供出口123を有する複数の流路121が形成された円錐状の分岐体12と、分岐体12を支持する支持部11と、分岐体12の重心よりも高い位置で支持部11を介して分岐体12を支持する自在継手機構とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体用シリコンウェハ等のワークを研磨する研磨液を分配する研磨液分配装置及びこれを備えた研磨装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体用シリコンウェハは、一般にダイアモンドソーやワイヤーソー等を用いてインゴットから切り出された後、ラッピング、エッチング、研磨、洗浄、検査の各工程を経て、製品として出荷される。研磨工程においては、研磨対象となるワークを保持したキャリアを円環状の上定盤と下定盤との間に配置し、上定盤に設けられた研磨液供給孔を介して上定盤と下定盤とに挟まれた領域に研磨液を注入しながら上下の定盤又は下定盤のみを回転させるとともに、キャリアを自転及び公転させることで、ワークの上下面を研磨している。
このような研磨工程においては、上定盤と下定盤とに挟まれた領域に研磨液を均等に分配することにより、定盤面の摩擦の偏りをなくしワークの加工精度を向上させることが重要となる。
【0003】
従来における研磨液を分配する方式としては、複数の分岐配管を設け個別のバルブで各分岐配管の流量を調整する個別バルブ方式、定量ポンプで流量を調整するポンプ供給方式、分配器に滴下した研磨液を複数の分岐配管で分配する滴下方式が存在する。ここで、個別バルブ方式は個別のバルブの調整で各分岐配管の流量を調整するのが難しくまたバルブが高所に設けられているため調整作業に手間がかかること、ポンプ供給方式はポンプが高価でコストがかかることから、一般的に滴下方式が採用されている(例えば特許文献1〜3参照)。
【0004】
特許文献1には、研磨液が滴下される漏斗状の液受け部に球体を載置し、球の浮力によって研磨液の流量を調整することで研磨液の分配ばらつきを少なくすることが記載されている。特許文献2には、上下の定盤が回転運動をする研磨装置において、凹溝を有するパウダーリングから複数のチューブを通じて定盤の研削面にパウダーを供給する研磨装置が記載されている。特許文献3には、分配器内に海綿状体を充填することで、海綿状体に滴下された研磨液を研磨液全体に滲みわたらせ、分配器に設けられた各排出口に均等量の液が流入するようにした研磨装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−186170号公報
【特許文献2】実開昭58−191957号公報
【特許文献3】実開昭47−43116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの従来の滴下方式では、分配器の設置時に水平出しが不十分であったり設置後に設置場所の傾きが変化する場合には、研磨液を均等に分配することができないという問題点がある。また、特許文献1では球体の重量によっては研磨液の流れが滞り研磨液に含まれる粒子が固まってしまうという問題点がある。特許文献3でも研磨液に含まれる粒子が海綿体で停滞し固まってしまうという問題点がある。
【0007】
本発明の目的は上述の事情を考慮してなされたものであり、設置時の水平出しが不十分であったり設置場所の傾きが変化する場合にも、研磨液の分配の偏りを低減することができる研磨液分配装置及びこれを備えた研磨装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、研磨液の流れの停滞により研磨液に含まれる粒子を固化させることなく、研磨液を分配することができる研磨液分配装置及びこれを備えた研磨装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る研磨液分配装置は、供給された研磨液を蓄える液受皿が形成されるとともに、前記液受皿の側面に放射状に接続され該接続の位置よりも低い位置に研磨液を供給する供出口を有する複数の流路が形成された分岐体と、前記分岐体を支持する支持部と、前記分岐体の重心よりも高い位置で前記支持部を介して前記分岐体を支持する自在継手機構とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、研磨液分配装置の自在継手機構は、分岐体の重心よりも高い位置で支持部を介して分岐体を支持するため、研磨液分配装置設置時の水平出しが不十分であったり設置後に傾きが変化したりしても、分岐体は研磨液の落下方向に対して水平姿勢を保つことができ、液受皿から各流路に分配される研磨液の分配量の偏りを低減することができる。また、研磨液が流路をスムーズに流れるため、研磨液に含まれる粒子が固まるという問題は生じない。
【0011】
上記構成において、前記複数の流路は、前記側面の同一の高さ位置において接続されるとともに前記流路の流れ方向の傾きが同一であることを特徴とする。これにより、研磨液を各流路に均等に分岐させることができる。
【0012】
上記構成において、前記液受皿の真上には研磨液の供給部が配置され、前記供給部は研磨液を滴下することにより前記液受皿に研磨液を供給することを特徴とする。
【0013】
上記構成において、前記複数の流路の供出口にそれぞれ接続し、研磨対象物の研磨を行う研磨機構の所定位置に研磨液を供給可能な、フレキシブルに形成された複数の分岐配管を有することを特徴とする。これにより、分岐体の動きが分岐配管で妨げられることが少なくなり、分岐体は常に水平姿勢を保つことが可能となる。
【0014】
上記構成において、前記供出口の下方に開口部を上方に向けて配置され、研磨対象物の研磨を行う研磨機構の所定位置に研磨液を供給可能な漏斗を有することを特徴とする。これにより、分岐配管の動きに干渉することのない漏斗を用いて、研磨液を研磨機構に供給することができる。
【0015】
上記構成において、前記分岐体には、前記分岐体が前記自在継手機構により支持されている高さ位置よりも前記分岐体の重心の高さ位置を低くするための錘が取り付けられていることを特徴とする。これにより、研磨液分配装置の重心を低くし、水平姿勢を保持し易くすることができる。
【0016】
上記構成において、研磨装置が前記研磨液分配装置を備えていることを特徴とする。これにより、研磨液分配装置は研磨装置に研磨液を均等に分配することができ、ワークの加工精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、研磨液分配装置の自在継手機構は、分岐体の重心よりも高い位置で支持部を介して分岐体を支持するため、研磨液分配装置設置時の水平出しが不十分であったり設置後に傾きが変化したりしても、分岐体は研磨液の落下方向に対して水平姿勢を保つことができ、液受皿から各流路に分配される研磨液の分配量の偏りを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る研磨装置の正面図である。
【図2】同実施形態に係る研磨機構の定盤部分の説明図である。
【図3】同実施形態に係る研磨液分配装置及び自在継手機構の摸式的縦断面図である。
【図4】図3のIV−IV線における摸式的横断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る研磨装置の摸式的正面図である。
【図6】分岐配管の変形例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0020】
図1は本発明の実施形態に係る研磨装置40の正面図である。同図に示すように、研磨装置40は、半導体用シリコンウェハ等のワークを研磨する研磨機構3と、研磨機構3に研磨液を供給する研磨液分配装置10とを備えている。研磨液分配装置10と研磨機構3とは分岐配管20で接続されている。研磨液供給母管から研磨液分配装置10に供給された研磨液は、分岐配管20を通過して研磨機構3に供給される。
【0021】
図2は研磨機構3の定盤部分の説明図である。研磨機構3は、太陽歯車としてのインナーギア35と、その外側に同心円状に配置される内歯歯車としてのアウターギア36と、インナーギア35及びアウターギア36に噛み合い、インナーギア35及びアウターギア36の回転に応じて公転及び自転するキャリア37と、このキャリア37に保持されたワークを上下から挟持する定盤30とを備えている。定盤30は、インナーギア35の位置を中心とする環状の上定盤31と、この上定盤31の下方に対向して設置された環状の下定盤32とを備えている。下定盤32は台座39(図1参照)上に載置されている。
【0022】
上定盤31は、上定盤31を吊り下げる吊り板(不図示)を介して振り子状に吊り下げられている。上定盤31は、エアーシリンダー等の圧力調整機構(不図示)によりキャリア37に保持されたワークに荷重を与える。
【0023】
上定盤31には、上下方向に貫通する複数の研磨液供給孔38が設けられており、各研磨液供給孔38には分岐配管20(図1参照)が接続される。各研磨液供給孔38を介して、上定盤31と下定盤32とに挟まれた領域でかつインナーギア35とアウターギア36との間のドーナツ状の領域に研磨液が供給される。
【0024】
図3は、研磨液分配装置10と自在継手機構の摸式的縦断面図であり、図4は図3のIV−IV線における摸式的横断面図である。
これらの図に示すように、研磨液分配装置10は、円筒形状の支持部11で外側が覆われている。支持部11の天板部は山形に形成され、山形の頂点部分には、研磨液を滴下する配管状の供給部16が上下方向に貫通している。供給部16は、支持部11の動作を妨げないように、薄いシリコンゴム等の柔らかい素材でフレキシブルに形成されている。供給部16には、研磨液の供給元(不図示)から研磨液供給母管を経由して研磨液が供給される。
【0025】
支持部11の底板部には、円錐形状の分岐体12が設けられている。支持部11の径と分岐体12の底面の径とは略同一に形成されている。円錐の頂点部分には研磨液を一時的に蓄える液受皿122が形成されている。また、円錐の頂点部分から底辺に向けて、複数の樋状の流路121が放射状に形成されている。各流路121の上端は、液受皿122の側面に同一の高さ位置で接続されている。各流路121の下端と支持部11の側壁とが交わる箇所には、流路121を通過した研磨液を排出して下方に供給する供出口123が設けられている。
【0026】
各供出口123には分岐配管20がそれぞれ接続され、各流路121を通過した研磨液が供出口123、分岐配管20を経由して下方の研磨機構3側へ供給されるようになっている。分岐配管20は、分岐体12の動作を妨げないように、薄いシリコンゴム等の柔らかい素材でフレキシブルに形成されている。
【0027】
ここで、支持部11の中心軸(供給部16が設けられている方向)をz軸とし、当該z軸上の分岐体12の重心よりも高い位置を中心点として、3次元の直交座標系をとったと仮定すると、支持部11のx軸方向外周面には第1の軸14,14の一端が接続されている。この第1の軸14,14の他端は、支持部11よりもひと回り径が大きいリング部材18のx軸方向内周面に接続されている。
【0028】
リング部材18のY軸方向外周面には第2の軸15,15が接続されている。第2の軸15,15は、支持部11の両側側方に設置された支持柱50,50の支持孔501,501に挿入され支持されている。これらの第1の軸14,14と、第2の軸15,15と、リング部材18と、支持柱50,50とで、自在継手機構が構成されている。この自在継手機構により、支持部11はX軸及びY軸を回転軸として自在に回転することができ、支持部11の底板に設けられた分岐体12は支持部11の動きに連動して任意の姿勢をとることができる。したがって、分岐体12は鉛直方向に対して常に水平を保つことができ、研磨液の落下方向に対して常に水平を保つことが可能となる。
【0029】
分岐体12の下部中央には錘22が吊り下げられている。この錘22により分岐体12の重心を低くすることができ、安定して分岐体12の水平姿勢を保つことができる。また、分岐体12の重心より高い位置の範囲が広くなるため、第1の軸14,14、第2の軸15,15の取り付け位置の制約を少なくすることができる。なお、錘22の取付位置は分岐体12の下部中心に限らず、分岐体12の底面の周囲に均等に設けてもよい。分岐体12が重い材質で形成されている等で研磨液分配装置10の重心が十分低い場合には、錘22を設けなくてもよい。
【0030】
供給部16に研磨液を供給する研磨液供給母管には、流量計(不図示)及び流量調整バルブ(不図示)がそれぞれ1ずつ設けられており、当該流量調整バルブにより研磨液分配装置10に供給される研磨液の総流量が調整される。
【0031】
ワークの研磨を行う際には、上定盤31を上昇させた状態で下定盤32上に複数のキャリア37を載置し、各キャリア37にワークを装着する。次に、上定盤31を下降させて各ワークに所定の荷重を与える。そして、研磨液分配装置10の供給部16に研磨液供給母管から研磨液を滴下し、研磨液分配装置10に接続された分岐配管20を介して上定盤31と下定盤32とに挟まれた領域に研磨液を供給しながら、下定盤32を所定速度で回転させる。これにより、複数のキャリア37は、自転しながらインナーギア35の周囲を公転する、いわゆる遊星運動を行う。
【0032】
この回転中、分岐体12は重心よりも高い位置で自在継手機構により支持されているため、研磨液分配装置10の設置時の水平出しが不十分であったり設置場所の傾きが変化する場合であっても、分岐体12は研磨液の落下方向に対して常に水平姿勢を保つことができる。したがって、分岐体12は、供給部16から液受皿122に滴下された研磨液を流路121均等に分配し、分岐配管20及び研磨液供給孔38を介して、上定盤31と下定盤32との間の領域に均等に供給することができる。
【0033】
このように研磨液を均等に分配することで、ワークの形状、厚み等の加工精度を向上させることができる。また、ラップ加工等、定盤30が摩耗する加工処理を行った場合であっても、定盤30各部位の摩耗分布の偏りが改善され、メンテナンスの頻度を減らすことができる。また、研磨液の供給量の偏りが生じる場合には、供給量が少ない部位での液切れを起こさないために研磨液の過剰な供給が必要であるが、研磨液を均等に供給することで研磨液の供給量を低減することができ、製造コストも削減できる。
また、従来の個別バルブ方式のように複数のバルブを設けなくても、研磨液供給母管の一箇所に流量計及び流量調整バルブを1つ設けるだけで、総流量を調整することができる。
【0034】
また、本実施形態に係る研磨液分配装置10を用いることで、海綿体や球体等により研磨液の流れを停滞させることなく、高価な部品、複雑な配管等を用いることなく、簡易な仕組みで流量の調整を実現できる。また、研磨液分配装置10を高所に設置する場合にも、高所での水平調整作業が不要となる。なお、分岐体12の形状は円錐に限らず、供出口123の位置が液受皿122の位置よりも低くできる形状であればよく、例えば角錐形状であっても、お椀を逆さまにした半球形状であってもよい。また、流路121は螺旋形状であってもよい。また、自在継手機構は、研磨液分配装置10が重力加速度や遠心力にしたがって自由に姿勢を変えることを可能とする機構であれば上記に限定されることはなく、例えば研磨液分配装置10を上方からロープで吊るしてもよい。
【0035】
次に、図5に基づいて第2の実施形態について説明する。図5は、本実施形態に係る研磨装置40aの摸式的正面図である。本実施形態に係る研磨装置40aは、上段に上段研磨液分配装置10aが設けられ、上段研磨液分配装置10aの下方に複数の中段研磨液分配装置10bが設けられ、中段研磨液分配装置10bの下方に研磨機構3が設けられている。上段研磨液分配装置10a及び中段研磨液分配装置10bは、第1実施形態で説明した図3及び図4に示す研磨液分配装置10と同様の構成を有しているが、図5では簡略化して図示している。
【0036】
上段研磨液分配装置10aの下部に一端が接続された各分岐配管20aの他端は、各中段研磨液分配装置10bの上部に接続されている。なお、図5では、分岐配管20aは2本図示されているが、3本以上設けられていてもよい。
【0037】
中段研磨液分配装置10bの下部に一端が接続された分岐配管20bは、上定盤31を吊り下げる吊り板33に設けられた貫通孔(不図示)を通り、他端が上定盤31に接続されている。
【0038】
本実施形態では、上段研磨液分配装置10aにより定盤30の周方向に分配された研磨液が、複数の中段研磨液分配装置10bによりさらに分配されて、上定盤31と下定盤32とに挟まれたドーナツ状の領域の各部に分配・供給されることとなる。
【0039】
本実施形態では、第1実施形態と同様に、研磨液分配装置10a、10bの分岐体は自在継手機構により支持されているため、研磨液分配装置10a、10bの設置場所の傾きに影響されることなく、研磨液の落下方向に対して常に水平姿勢を保つことができる。このため、上定盤31と下定盤32とに挟まれた領域に研磨液を均等に供給することができる。
【0040】
図6には分岐配管20の変形例を示す。分岐配管20の本数が多く分岐体12の動きが妨げられる恐れがある場合には、図6に示すように、分岐体12の供出口123に第1実施形態の分岐配管20よりも短い分岐配管20cを接続し、その分岐配管20cの下方に、上端開口部61を上方に向けて漏斗60を配置してもよい。そして、漏斗60の下端孔62を、固定設置された配管70に接続し、配管70から定盤30側の所定位置に研磨液を供給するようにすればよい。これにより、分岐配管20cによって分岐体12の動きが妨げられることがなくなる。また、分岐体12の可動範囲に比較して十分な大きさの漏斗60を設置すれば、分岐配管20cからの液漏れを防ぐことができる。
【0041】
なお、供出口123に分岐配管20cを接続せずに、漏斗60の上端開口部61を流路121の供出口123の下方に配置し、供出口123から漏斗60に直接研磨液を供給するようにしてもよい。
【0042】
本発明に係る研磨液分配装置は、下定盤32の回転と、キャリア37の自転と、キャリア37の公転と、の3つの運動要素から構成される3way研磨装置(ラップ装置含む)で利用するのに好適である。
【0043】
上記3つの運動要素に加えて上定盤31が回転する4way研磨装置の場合は、上定盤31の回転によって上定盤31と下定盤32とに挟まれた領域に供給される研磨液はある程度平均化されるが、上定盤31の回転が遅い場合や定盤30のサイズが大きい場合には分配量の偏りが平均化されにくいので、この場合に研磨液分配装置を用いることは有効である。
【0044】
研磨液分配装置による研磨液供給の偏りの改善は、特にワークの大径化、定盤の大型化においてより効果的である。例えば、ワーク最大寸法が400mm以上、あるいは定盤外径1700mm以上の装置においてより有効である。
【符号の説明】
【0045】
10………研磨液分配装置、10a………上段研磨液分配装置、10b………中段研磨液分配装置、11………支持部、12………分岐体、121………流路、122………液受皿、123………供出口、14………第1の軸、15………第2の軸、16………供給部、18………リング部材、20、20a、20b、20c………分岐配管、22………錘、3………研磨機構、30………定盤、31………上定盤、32………下定盤、33………吊り板、35………インナーギア、36………アウターギア、37………キャリア、38………研磨液供給孔、39………台座、40、40a………研磨装置、50………支持柱、501………支持孔、60………漏斗、61………上端開口部、62………下端孔、70………配管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給された研磨液を蓄える液受皿が形成されるとともに、前記液受皿の側面に放射状に接続され該接続の位置よりも低い位置に研磨液を供給する供出口を有する複数の流路が形成された分岐体と、
前記分岐体を支持する支持部と、
前記分岐体の重心よりも高い位置で前記支持部を介して前記分岐体を支持する自在継手機構と
を備えたことを特徴とする研磨液分配装置。
【請求項2】
前記複数の流路は、前記側面の同一の高さ位置において接続されるとともに前記流路の流れ方向の傾きが同一であることを特徴とする請求項1に記載の研磨液分配装置。
【請求項3】
前記液受皿の真上には研磨液の供給部が配置され、前記供給部は研磨液を滴下することにより前記液受皿に研磨液を供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の研磨液分配装置。
【請求項4】
前記複数の流路の供出口にそれぞれ接続し、研磨対象物の研磨を行う研磨機構の所定位置に研磨液を供給可能な、フレキシブルに形成された複数の分岐配管を有することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の研磨液分配装置。
【請求項5】
前記供出口の下方に開口部を上方に向けて配置され、研磨対象物の研磨を行う研磨機構の所定位置に研磨液を供給可能な漏斗を有することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の研磨液分配装置。
【請求項6】
前記分岐体には、前記分岐体が前記自在継手機構により支持されている高さ位置よりも前記分岐体の重心の高さ位置を低くするための錘が取り付けられていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の研磨液分配装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れか1項に記載の研磨液分配装置を備えた研磨装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−230209(P2011−230209A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−100922(P2010−100922)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【出願人】(302006854)株式会社SUMCO (1,197)
【Fターム(参考)】