説明

研磨用組成物及び導電性材料研磨方法

導電性材料層が配置された基板を処理する方法であって、基板を処理装置に位置させるステップと、基板に第1の研磨組成物を供給するステップとを備えた方法が提供される。研磨組成物は、燐酸、少なくとも1つのキレート化剤、腐食防止剤、塩、酸化剤、磨き剤粒状物、約4から約7のpHを与えるための少なくとも1つのpH調整剤、及び溶媒を含む。この方法は、更に、導電性材料層に不動態化層を形成するステップと、この不動態化層を除去して、導電性材料層の一部分を露出させるステップと、基板に第1バイアスを印加するステップと、導電性材料層の少なくとも約50%を除去するステップとを備えている。この方法は、更に、第1研磨組成物から基板を分離するステップと、基板を第2研磨組成物及び第2バイアスに露出させるステップと、導電性材料層を除去し続けるステップとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
発明の分野
[0001]本発明の実施形態は、基板から導電性材料を除去するための組成物及び方法に関する。
【0002】
関連技術の背景
[0002]サブハーフミクロン及びそれ以下の特徴部を確実に形成することは、半導体デバイスの次世代の大規模集積(VLSI)及び超大規模集積(ULSI)のための重要な技術の1つである。しかしながら、回路技術の範囲が圧迫されるにつれて、VLSI及びULSI技術における相互接続部の寸法収縮のために、処理能力に付加的な要求が課せられている。VLSI及びULSIで成功を収めると共に、個々の基板及びダイの回路密度及びクオリティを高めるための努力を継続するには、相互接続部を確実に形成することが重要である。
【0003】
[0003]基板表面上で順次に材料堆積及び材料除去技術を使用してそこに特徴部を形成するようにして多レベルの相互接続部が形成される。材料の層が順次に堆積され除去されるので、基板の最上面は、その表面にわたって非平坦状態となり、更なる処理の前に平坦化を必要とすることがある。平坦化又は「研磨」とは、基板の表面から材料を除去して一般的に均一な平坦面を形成するプロセスである。平坦化は、余計な堆積材料を除去し、望ましからぬ表面トポグラフィー及び表面欠陥、例えば、粗面性、集塊材料、結晶格子のダメージ、スクラッチ、及び汚染された層又は材料を除去して、その後のホトリソグラフィー及び他の半導体プロセスのための均一な表面を設ける上で有用である。
【0004】
[0004]化学的機械的平坦化又は化学的機械的研磨(CMP)は、基板を平坦化するのに使用される共通の技術である。従来のCMP技術では、基板キャリア又は研磨ヘッドがキャリアアッセンブリに装着され、CMP装置の研磨用品と接触するように位置される。キャリアアッセンブリは、制御可能な圧力を基板に与えて、基板を研磨パッドに押し付ける。パッドは、外部の駆動力により基板に対して移動される。従って、CMP装置は、研磨組成物を散布しながら、基板の表面と研磨用品との間に研磨即ちこすり移動を与えて、化学的作用及び機械的作用の両方を生じさせる。
【0005】
[0005]しかしながら、基板に形成された特徴画成部を充填するために基板の表面に堆積される材料は、可変密度の特徴画成部の上に形成される面をしばしば不均一なものにする。図1Aを参照すれば、低密度の特徴画成部としても知られている広い特徴画成部30、又は高密度の特徴画成部としても知られている狭い特徴画成部40を充填するために基板10に金属層20が堆積される。過剰負担部と称される過剰材料が、狭い特徴画成部40の上に大きな厚み45で形成されると共に、広い特徴画成部30の上に最小堆積部35が生じることがある。過剰負担部をもつ表面を研磨すると、狭い特徴部の上での金属除去が不充分なことから残留部50が保持されることがある。このような残留部50を除去するために過剰に研磨プロセスを行うと、広い特徴画成部30の上の金属が過剰に除去されることがある。過剰な金属除去は、図1Bに示すように、広い特徴部の上に、ディッシング55として知られている凹所又はくぼみのようなトポグラフィー欠陥を生じることになる。
【0006】
[0006]基板表面上の特徴部のディッシングや残留部の保持は、このディッシングや残留部が基板のその後の処理に悪影響を及ぼすことがあるので、望ましからぬことである。例えば、ディッシングは、非平坦面を生じさせ、その後のホトリソグラフィーステップ中に高解像度の線を印刷する能力を損なうと共に、基板のその後の表面トポグラフィーに悪影響を及ぼし、デバイスの形成及び収率に影響を与える。また、ディッシングは、デバイスのコンダクタンスを下げると共にその抵抗を上げることによりデバイスの性能にも悪影響を及ぼし、デバイスのばらつき及びデバイスの収率ロスを生じさせる。残留物は、導電性材料と基板表面との間に配置されるバリア層材料(図示せず)のようなその後の材料の非均一な研磨を招くことがある。CMP後のプロフィールは、一般に、狭いトレンチ即ち高密度エリアよりも広いトレンチにおいてより高いディッシングを示す。また、非均一な研磨は、デバイスの欠陥発生を増加し、基板の収率を低下させる。
【0007】
[0007]また、基板研磨プロセスは、生産スループットを高めるために非常に効率の良いものでなければならない。化学的濃度、電位及び/又は研磨用品の圧力のようなプロセス変数の増加により過剰研磨された欠陥部がしばしば基板に形成される。これら欠陥の幾つかは、これら変数を減少することで最小にできるが、時間の延長や生産スループットのロスを伴う。
【0008】
[0008]それ故、平坦化中に基板へのダメージを最小にすると共に、生産時間を最短にして、基板から導電性材料を除去するための組成物及び方法が要望される。
【発明の概要】
【0009】
[0009]一実施形態において、導電性材料層が配置された基板を処理する方法であって、基板を処理装置に位置させるステップと、基板に第1の研磨組成物を供給するステップとを備えた方法が提供される。研磨組成物は、燐酸、少なくとも1つのキレート化剤、腐食防止剤、塩、酸化剤、磨き剤粒状物、約4から約7のpHを与えるための少なくとも1つのpH調整剤、及び溶媒を含む。この方法は、更に、導電性材料層に不動態化層を形成するステップと、この不動態化層を除去して、導電性材料層の一部分を露出させるステップと、基板に第1バイアスを印加するステップと、導電性材料層の少なくとも約50%を除去するステップとを備えている。この方法は、更に、第1研磨組成物から基板を分離するステップと、基板を第2研磨組成物及び第2バイアスに露出させるステップと、導電性材料層を除去し続けるステップとを備えている。
【0010】
[0010]別の実施形態において、導電性材料層が配置された基板を処理する方法であって、基板を処理装置に位置させるステップと、燐酸、少なくとも1つのキレート化剤、腐食防止剤、塩、酸化剤及び磨き剤粒状物を含む第1の研磨組成物に基板を露出させるステップとを備えた方法が提供される。この方法は、更に、基板に第1バイアスを印加するステップと、導電性材料層の少なくとも50%を除去するステップと、基板を第2研磨組成物及び第2バイアスに露出させるステップと、導電性材料層を除去し続けるステップとを備えている。
【0011】
[0011]別の実施形態において、導電性材料層を除去する方法であって、基板を処理装置に用意するステップと、基板を第1の研磨組成物に露出させるステップとを備えた方法が提供される。第1の研磨組成物は、約1重量%から約10重量%の燐酸と、約0.1重量%から約6重量%の少なくとも1つのキレート化剤と、約0.01重量%から約1重量%の腐食防止剤と、約0.5重量%から約10重量%の塩と、約0.2重量%から約5重量%の酸化剤と、約0.05重量%から約1重量%の磨き剤粒状物と、約4から約7のpHを与えるための少なくとも1つのpH調整剤と、溶媒とを含む。この方法は、更に、基板に第1バイアスを印加するステップと、導電性材料層の少なくとも50%を除去するステップと、基板を第2研磨組成物及び第2バイアスに露出させて、導電性層を除去し続けるステップとを備えている。第2の研磨組成物は、約0.1重量%から約5重量%の燐酸と、約0.1重量%から約5重量%の少なくとも1つのキレート化剤と、約0.01重量%から約1重量%の腐食防止剤とを含む。
【0012】
[0012]別の実施形態において、導電性材料層が配置された基板を処理する方法であって、基板を処理装置に位置させるステップと、約30ミリシーメント(mS)から約60mSの範囲の第1導電率をもつ第1の研磨組成物に基板を露出させるステップであって、第1の研磨組成物が酸化剤及び磨き剤粒状物を含むようなステップと、基板に第1バイアスを印加するステップとを備えた方法が提供される。この方法は、更に、約15mSから約40mSの範囲の第2導電率をもつ第2の研磨組成物に基板を露出させるステップと、基板に第2バイアスを印加して、導電性層の除去を続けるステップとを含んでもよい。
【0013】
[0013]別の実施形態において、導電性材料層が配置された基板を処理する方法であって、基板を処理装置に位置させるステップと、基板を第1の研磨組成物に露出させるステップと、基板に第1バイアスを印加するステップとを備えた方法が提供される。第1の研磨組成物は、燐酸、少なくとも1つのキレート化剤、腐食防止剤、塩、酸化剤、磨き剤粒状物、約4から約7のpHを与えるための少なくとも1つのpH調整剤、及び溶媒を含む。このプロセスは、更に、基板を第2の研磨組成物に露出させるステップと、基板に第2のバイアスを印加するステップと、導電性層を除去し続けるステップとを備えている。第2の研磨組成物は、燐酸、少なくとも1つのキレート化剤、腐食防止剤、磨き剤粒状物、約4から約7のpHを与えるための少なくとも1つのpH調整剤、及び溶媒を含む。
【0014】
[0014]本発明の更に別の実施形態は、電気化学的機械的研磨技術により導電性材料を除去するための組成物及び方法を提供する。1つの態様では、導電性材料層が配置された基板を処理する方法において、第1電極及び第2電極を含む処理装置に基板を用意するステップであって、基板を第2電極に電気的に接触させ、基板表面は、狭い特徴画成部及び広い特徴画成部の上に配置された導電性材料層を含むようなステップと、第1電極と基板との間に研磨組成物を供給するステップであって、この研磨組成物は、酸性系電解液システムと、1つ以上のキレート化剤と、約0.2重量%より多くの1つ以上の腐食防止剤と、1つ以上の無機又は有機の酸性塩と、約4.5より大きく約7までのpHを与えるための1つ以上のpH調整剤と、溶媒とを含み、更に、この研磨組成物は、導電性材料に不動態化層を形成するようなステップと、その不動態化層を除去して、導電性材料の一部分を露出させるステップと、第1電極と第2電極との間にバイアスを印加するステップと、狭い特徴画成部の上に配置された導電性材料を、広い特徴画成部の上に配置された導電性材料より高い除去率で除去するステップとを備えた方法が提供される。狭い特徴画成部の上の材料を高い除去率で除去すると、ここに述べる組成物を使用して広い特徴画成部の上に突出部を形成することができる。
【0015】
[0015]また、突出部の形成は、第1電極と第2電極との間にパルス変調技術により電力を印加して、狭い特徴画成部の上に配置された導電性材料を、広い特徴画成部の上に配置された導電性材料より高い除去率で除去することによっても成し得る。
【0016】
[0016]また、この方法は、更に、少なくとも化学的機械的研磨プロセスにより基板を研磨するステップも含む。化学的機械的研磨プロセスは、化学的機械的研磨プロセス又は第2の電気化学的機械的研磨プロセスでよい。電気化学的機械的研磨プロセスは、ここに述べる第1プラテンにおいて実行されてもよいし、化学的機械的研磨プロセスは、従来の化学的機械的研磨プラテンにおいて実行されてもよいし、又、第2の電気化学的機械的研磨プロセスは、電気化学的機械的研磨に適応される同じ又は異なるプラテン、例えば、ここに述べる第2のプラテンにおいて実行されてもよい。この方法は、基板を最初に電気化学的機械的プロセスで研磨し、次いで、広い特徴画成部の上に配置された導電性材料を、狭い特徴画成部の上に配置された導電性材料の除去率以上の除去率で除去するように適応された化学的機械的研磨プロセス又は第2の電気化学的機械的プロセスで研磨することを含んでもよい。第2の電気化学的機械的プロセスは、腐食防止剤の濃度が第1の電気化学的機械的プロセスより低く、及び/又はpHが第1の電気化学的機械的プロセスより低くてもよい。
【0017】
[0017]本発明の上述した態様を詳細に理解できるように、前記で簡単に要約した本発明を、添付図面に幾つかが示された実施形態を参照して、より詳細に説明する。
【0018】
[0018]しかしながら、添付図面は、本発明の典型的な実施形態を示すに過ぎず、それ故、本発明の範囲を何ら限定するものではなく、本発明は、他の等しく有効な実施形態も受け入れられることに注意されたい。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0019】
[0025]一般に、本発明の態様は、基板表面から少なくとも導電性材料を除去するための組成物及び方法を提供する。本発明は、電気化学的機械的研磨(ECMP)技術により基板表面から導電性材料を除去するための平坦化プロセスを参照して以下に説明する。
【0020】
[0026]ここで使用する語及び句は、特に定義のない限り、当業者により普通の且つ慣習的な意味が与えられるものとする。化学的機械的研磨は、広く解釈されるべきもので、化学的作用及び機械的作用を使用して、又は化学的作用及び機械的作用を同時に適用して基板表面を平坦化することを包含するが、これに限定されない。電気的研磨は、広く解釈されるべきもので、電流印加のもとで基板表面を浸食することにより基板から材料を除去することを包含するが、これに限定されない。電気化学的機械的研磨(ECMP)は、広く解釈されるべきもので、電気化学的作用、機械的作用、化学的作用を適用するか、或いは電気化学的、化学的及び/又は機械的作用をある組合せで同時に適用して、基板を平坦化し、基板表面から材料を除去することを包含するが、これに限定されない。
【0021】
[0027]アノード分解は、広く解釈されるべきもので、基板にアノードバイアスを直接的又は間接的に印加して、基板表面からその周囲の研磨組成物へ導電性材料を除去することを包含するが、これに限定されない。研磨組成物は、広く解釈されるべきもので、電解液成分として知られている材料を一般的に含む液体媒体にイオン伝導率、ひいては、導電率を与える組成物を包含するが、これに限定されない。研磨組成物における各電解液成分の量は、体積パーセント又は重量パーセントで測定することができる。体積パーセントは、希望の液体成分の体積を、完全な組成物の全液体の全体積で除算したものに基づくパーセンテージを指す。重量パーセントに基づくパーセンテージは、希望の成分の重量を、完全な組成物の全液体成分の全重量で除算したものである。磨くこと及び磨きは、広く解釈されるべきもので、材料に接触し、材料の全部又は一部分を押しのけ、擾乱し又は除去することを包含するが、これに限定されない。
【0022】
[0028]電気化学的機械的研磨プロセスは、電気化学的機械的研磨プロセス用の1つ以上の研磨ステーションを有するプラットホームのような処理装置において実行することができる。電気化学的機械的研磨プロセスを実行するプラテンは、研磨用品、第1電極、及び第2電極を含むことができ、基板は、第2電極に電気的接触される。第1の電気化学的機械的研磨プロセスは、ここに述べる第1プラテンにおいて実行することができ、又、第2の電気化学的機械的研磨プロセスは、電気化学的機械的研磨用の同じ又は異なるプラテン、例えば、ここに述べる第2のプラテンにおいて実行することができる。
【0023】
1つの装置実施形態
[0029]図2は、少なくとも2つの電気化学的機械的研磨(ECMP)ステーション102及び103を有する電気化学的処理装置100を示す。任意であるが、図2に示す実施形態に描かれたように、システム100は、単一プラットホーム又はツールにおいてECMPステーション103に隣接して配置された化学的機械的研磨(CMP)ステーションのような少なくとも1つの従来型の研磨ステーション106を備えてもよい。一実施形態では、研磨ステーション106は、第3のECMPステーションである。本発明から利益を得るように適応できる1つの研磨ツールは、カリフォルニア州サンタクララに所在するアプライドマテリアルズインクから入手できるREFLEXION(登録商標)化学的機械的研磨装置である。本発明から利益を得るように適応できる他の研磨ツールは、例えば、これも又アプライドマテリアルズインクから入手できるMIRRA(登録商標)及びMIRRA MESA(登録商標)化学的機械的研磨装置である。
【0024】
[0030]ここに例示する装置100は、一般に、ECMPステーション102及び103と、研磨ステーション106と、移送ステーション110と、カルーセル112とを支持するベース108を備えている。ロードロボット116は、一般に、装置100の移送ステーション110及びファクトリインターフェイス120への及びそれらからの基板114の移送を容易にする。ファクトリインターフェイス120は、洗浄モジュール122、計測装置104、及び1つ以上の基板保管カセット118を含むことができる。ファクトリインターフェイス120に使用できる計測装置104は、例えば、アリゾナ州フェニックスに所在するノバメジャリングインスツルーメントインクから入手できるNovaScan(登録商標)一体的厚み監視システムである。
【0025】
[0031]一実施形態において、移送ステーション110は、入力バッファステーション124、出力バッファステーション126、移送ロボット132、及びロードカップアッセンブリ128を備えている。入力バッファステーション124は、ロードロボット116によりファクトリインターフェイス120から基板を受け入れる。ロードロボット116は、研磨された基板を出力バッファステーション126からファクトリインターフェイス120へ返送するのにも使用される。移送ロボット132は、バッファステーション124、126とロードカップアッセンブリ128との間で基板を移動するのに使用される。
【0026】
[0032]一実施形態において、移送ロボット128は、基板114を基板エッジで保持する空気圧グリッパフィンガーを各々有する2つのグリッパアッセンブリを備えている。移送ロボット132は、処理されるべき基板を入力バッファステーション124からロードカップアッセンブリ128へ移送するのと同時に、処理された基板をロードカップアッセンブリ128から出力バッファステーション126へ移送することができる。
【0027】
[0033]カルーセル112は、複数の研磨ヘッド130の1つを各々支持する複数のアーム138を有する。各研磨ヘッド130は、処理中に1つの基板114を保持する。基板は、ロードカップアッセンブリ128により研磨ヘッド130へロードされ及びそこからアンロードされる。図2に示すアーム138の1つは、移送ステーション110が見えるようにするために、図示されていない。カルーセル112は、研磨ヘッド130を、移送ステーション110のロードカップアッセンブリ128と、ECMPステーション102及び103と、研磨ステーション106との間で移動させる。本発明から利益を得るように適応できる1つのカルーセル112は、参考としてその全体をここに援用する米国特許第5,804,507号に一般的に説明されている。他の移送メカニズムを使用して、ステーション102、103、104と、移送ステーション110との間で基板を移動できることも意図される。
【0028】
[0034]研磨ヘッド130は、処理中にECMPステーション102及び103又は研磨ステーション106に対して基板114を保持する。本発明から利益を得るように適応できる研磨ヘッド130の実施形態は、例えば、米国特許第6,183,354号に説明されている。本発明から利益を得るように適応できる他の研磨ヘッドは、アプライドマテリアルズインクから入手できるTITAN HEAD(登録商標)及びTITAN PROFILER(登録商標)ウェハキャリアを含む。装置100におけるECMPステーション102及び103並びに研磨ステーション106の配列は、基板を同じ研磨ヘッド130に保持しながらこれらステーション間で移動することにより基板114を順次研磨できるようにする。或いは又、他のシーケンスで基板を研磨してもよい。
【0029】
[0035]研磨装置100及びそこで実行されるプロセスの制御を容易にするために、中央処理ユニット(CPU)142、メモリ144、及びサポート回路146を備えたコントローラ140が研磨装置100に接続される。CPU142は、種々の駆動力及び圧力を制御するための工業用設定に使用できるコンピュータプロセッサのいかなる形式のものでもよい。メモリ144は、CPU142に接続される。メモリ144又はコンピュータ読み取り可能な媒体は、入手容易なメモリ、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、又は他の形式のローカル又はリモートのデジタル記憶装置、の1つ以上でよい。サポート回路146は、プロセッサを従来の仕方でサポートするためにCPU142に接続される。これらの回路は、キャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路、サブシステム等を含む。
【0030】
[0036]図3は、ECMPステーション102及び/又はECMPステーション103の一実施形態を、「下向き」プロセスセル200の一実施形態の断面図として示している。プロセスセル200は、一般に、深皿204及び研磨ヘッド202を備えている。基板208は、下向き(例えば、背面が上)の配向で処理する間に、研磨ヘッド202に保持されて、深皿204へ下降される。ここに述べる電解液は、深皿204へ流れ込んで、基板の表面及び研磨用品アッセンブリ222に接触し、一方、研磨ヘッド202は、基板208を研磨用品アッセンブリ222との接触状態に入れる。深皿204は、研磨用品アッセンブリ222と、この研磨用品アッセンブリ222を収容する容器を画成する底部244及び側壁246とを含む。側壁246には、深皿204から研磨組成物の除去を許容するためにポート218が貫通形成されている。ポート218は、深皿204内の研磨組成物を選択的に排出又は保持するためにバルブ220に結合されている。
【0031】
[0037]深皿204に配置された基板208及び研磨用品アッセンブリ222は、研磨運動(又は研磨の均一性を向上させる運動)を与えるために互いに移動される。研磨運動は、一般に、とりわけ、軌道、回転、直線、又は曲線運動、或いはその組み合せにより定義された少なくとも1つの運動を含む。研磨運動は、研磨ヘッド202及び/又は深皿204のいずれか又は両方を移動させることにより達成されてもよい。研磨ヘッド202は、固定でもよいし、或いは深皿204と、研磨ヘッド202に保持された基板208との間の相対的運動の少なくとも一部分を与えるために駆動されてもよい。図3に示す実施形態では、研磨ヘッド202は、駆動システム210に結合される。駆動システム210は、一般に、研磨ヘッド202を、少なくとも回転、軌道、スイープ運動、又はその組合せで移動させることができる。
【0032】
[0038]駆動システム210は、一般に、研磨ヘッド202を、少なくとも回転、軌道、スイープ運動、又はその組合せで移動させることができる。一実施形態において、深皿204は、約3から約100rpmの速度で回転され、研磨ヘッド202は、約5から約200rpmの速度で回転されると共に、深皿204に対して半径方向に約5から約25cm/秒の速度で直線的に移動もされる。直径200mmの基板に対する好ましい範囲は、深皿204の回転速度が約5から約40rpmであり、更に、研磨ヘッド202の回転速度が約7から約100rpmで且つ直線(例えば半径方向)速度が約10cm/秒である。直径300mmの基板に対する好ましい範囲は、深皿204の回転速度が約5から約20rpmであり、更に、研磨ヘッド202の回転速度が約7から約50rpmで且つ直線(例えば半径方向)速度が約10cm/秒である。本発明の一実施形態では、深皿204の直径が約17から約30インチの範囲であり、且つ研磨ヘッド202が深皿204の半径に沿って移動する距離は、約0.1から約2インチである。
【0033】
[0039]研磨ヘッド202は、一般に、処理中に基板208を保持する。一実施形態では、研磨ヘッド202は、嚢216を包囲するハウジング214を備えている。嚢216は、基板に接触したときに萎んで、それらの間に真空を形成し、従って、基板を研磨ヘッド202に固定して、基板の配置及び除去を許容することができる。嚢216は、更に、これを膨らまして加圧させ、バイアス力を与えると共に、深皿204に保持された研磨用品アッセンブリ222と基板との間に接触を確保することができる。保持リング238がハウジング214に結合されて、基板208を包囲し、基板が処理中に研磨ヘッド202から滑り落ちるのを防止する。本発明から利益を得るように適応できる1つの研磨ヘッドは、カリフォルニア州サンタクララに所在するアプライドマテリアルズインクから入手できるTITAN HEAD(登録商標)キャリアヘッドである。本発明から利益を得るように適応できる研磨ヘッドの別の例は、参考としてその全体をここに援用する2001年12月12日に発行された米国特許第6,159,079号に説明されている。
【0034】
[0040]深皿204は、一般に、プラスチック、例えば、フルオロポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ポリマー、例えば、TEFLON(登録商標)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリエチレン系プラスチック(PE)、スルフォン化ポリフェニルエーテルスルフォンズ(PES)、或いは処理セル200に使用される研磨組成物又は他の化学剤に適合し又はそれと反応しない他の材料から製造される。深皿204は、ベアリング234によりベース206の上に回転支持される。駆動システム236が深皿204に結合され、処理中に深皿204を回転する。ベース206には捕獲深皿228が配置され、これは、深皿204を包囲して、処理中及び/又は処理後に深皿204に貫通配置されたポート218から流れ出る研磨組成物のような処理流体を収集する。この捕獲深皿の研磨組成物を再生利用システム(図示せず)又は廃棄ドレン(図示せず)へ送出できるようにするために、本発明には、出口ドレン219及び出口バルブ219Aが組み込まれる。
【0035】
[0041]一実施形態では、深皿204は、約3rpm(回転/分)から約100rpmの速度で回転され、研磨ヘッド202は、約5rpmから約200rpmの速度で回転されると共に、深皿204に対して半径方向に約5cm/s(センチメーター/秒)から約25cm/sの速度で直線的に移動もされる。直径200mmの基板の場合の好ましい範囲は、深皿204の回転速度が約5rpmから約40rpmであり、研磨ヘッド202の回転速度が約7rpmから約100rpmで且つその直線(例えば、半径方向)速度が約10cm/sである。直径300mmの基板の場合の好ましい範囲は、深皿204の回転速度が約5rpmから約20rpmであり、研磨ヘッド202の回転速度が約7rpmから約50rpmで且つその直線(例えば、半径方向)速度が約10cm/sである。本発明の一実施形態では、深皿204の直径が約17インチ(43.2cm)から約30インチ(76.2cm)である。研磨ヘッド202は、深皿204の半径に沿って約0.1インチ(2.5mm)から約2インチ(5.1cm)の距離に対して移動することができる。
【0036】
[0042]研磨組成物配送システム232が一般に深皿204に隣接して配置される。この研磨組成物配送システム232は、研磨組成物源242に結合されたノズル又は出口230を備えている。出口230は、研磨組成物源242から深皿204へ研磨組成物又は他の処理流体を配送する。或いは又、研磨組成物配送システムは、プロセスセルの底部244にある入口(図示せず)を通して研磨組成物を供給してもよく、従って、研磨用品アッセンブリ222を経て研磨組成物を流し込んで、導電性研磨用品203及び基板208に接触させることができる。ここに概略的に示す研磨組成物源242は、一般に、処理中に研磨組成物を供給し支持するのに必要な全ての化学物質の源を含む。更に、この設計の一実施形態では、研磨用品アッセンブリ222を通り基板208の表面にわたって研磨組成物を連続的に再循環することが意図される。一実施形態では、プロセスセル200に流れる研磨組成物の流量は、約0.1L/分(リッター/分)から約2L/分である。
【0037】
[0043]任意であるが、図3に示すように、研磨用品アッセンブリ222を周期的にコンディショニングし又は再生するために、深皿204の付近にコンディショニング装置250が設けられてもよい。通常、コンディショニング装置250は、支柱254に結合されたアーム252を備え、これは、研磨用品アッセンブリ222にわたってコンディショニング素子258を位置させ且つスイープするように適応される。コンディショニング素子258は、このコンディショニング素子258が研磨用品アッセンブリ222に接触する間にアーム252と深皿204の側壁246との間に間隙を許容するために、シャフト256によりアーム252に結合される。コンディショニング素子258は、通常、ダイアモンド又は炭化シリコンの円板で、これは、研磨用品アッセンブリ222の表面を、プロセス均一性を改善する所定の表面条件/状態へと加工するのを向上させるパターンとすることができる。或いは又、コンディショニング素子258は、導電性研磨用品203をその場でコンディショニングするためのNYLON(登録商標)ブラシ又は同様のコンディショナーで形成することができる。本発明から利益を得るように適応させることのできる1つのコンディショニング素子258が、2000年9月28日に出願されたリー氏等の米国特許出願第09/676,280号に説明されており、これは、ここで請求する態様及び説明と矛盾しない程度に参考としてここに援用する。
【0038】
[0044]電源224が電気的リード223A、223Bにより研磨用品アッセンブリ222に結合される。電源224は、以下に述べる電気化学的プロセスを推進するために研磨用品アッセンブリ222に電気的バイアスを印加する。リード223A、223Bは、深皿204の下に配置されたスリップリング226を経て引き回される。スリップリング226は、深皿204が回転するときに、電源224と研磨用品アッセンブリ222の電極(209及び203)との間の電気的接続の継続を容易にする。リード223A、223Bは、プロセス流体に適合し得るワイヤ、テープ又は他の導体でもよいし、或いはプロセス流体からリードを保護するカバー又は被覆を有してもよい。リード223A、223Bに使用できる材料は、例えば、他の材料の中でも、外面に絶縁被覆をもつことのできる銅、グラファイト、チタン、金、及びHASTELOY(登録商標)を含む。リードの周りに配置される被覆は、フルオロカーボン、PVC、ポリアミド、等のポリマーを含んでもよい。スリップリング226は、ミシガン州アンアーボーのカイドンコーポレーションの一部門であるイングランド、リーディングバークシャーのIDMエレクトロニックスLTDのような製造者から購入することができる。
【0039】
[0045]研磨用品アッセンブリ222は、一般に、バッキング207に任意に結合される導電性研磨用品203及び電極209を備えている。任意のバッキング207は、電極209に結合されてもよい。導電性研磨用品203及びバッキング207は、複数のホール又は孔が形成されていて、研磨組成物を接触させることができ、従って、基板208と電極209との間に導電路を形成することができる。導電性研磨用品203とバッキング207との間、又はバッキング207と電極209との間には、導電性研磨用品203の全部又は一部分を通る電解液の流れを、そこに形成された複数のホール又は孔の使用により調整するために、誘電体インサート(図示せず)が配置されてもよい。導電性研磨用品203は、基板表面に接触する導電性表面を使用することにより基板表面に均一なバイアスを印加するのに使用される。導電性研磨用品の使用は、一般に、個別接触又は点接触のような従来の基板接触手段の使用より好ましいが、これは、本発明の範囲を限定するものと考えてはならない。アノード分解プロセス中に、電源224の使用により、電極209は、一般に、カソードとしてバイアスされ、又、導電性研磨用品203及び基板は、アノードとしてバイアスされる。
【0040】
[0046]導電性研磨用品203の一実施形態の断面図である図3Aについて説明する。導電性研磨用品203は、一般に、研磨中に基板に接触するように適応される導電性部分272と、サブパッド(又は用品支持部分)274と、これら導電性部分272と用品支持部分274との間にサンドイッチされた介在パッド276とを備えている。導電性部分272及び用品支持部分274は、ここに述べる実施形態又はその等効物のいずれかと同様に構成されてもよい。介在パッド276の各側に任意の接着層275を設けて(図3Aには、1つの接着層しか示されていない)、介在パッド276を用品支持部分274及び導電性部分272に結合することができる。導電性研磨用品203のコンポーネントをその使用寿命の後に単一ユニットとして容易に交換できるようにして、導電性研磨用品203の交換、在庫及び注文管理を簡単化できるように、導電性部分272、用品支持部分274及び介在パッド276を別の方法により結合してもよい。
【0041】
[0047]任意であるが、支持部分274を電極204に結合して、導電性研磨用品203と共に単一ユニットとして交換できるようにしてもよい。また、電極204を任意に含む導電性研磨用品203には、それを貫通して窓が形成されてもよい。
【0042】
[0048]介在パッド276は、一般に、用品支持部分274より硬く、且つ導電性部分272と同程度又はそれより硬い。本発明では、介在パッド276が導電性部分272より柔軟でもよいことが意図される。介在パッド276の硬度は、導電性研磨用品203にスチフネスを与えて、導電性部分272及び用品支持部分274の両方の機械的寿命を延長しながら、導電性研磨用品203の湿気特性を改善し、研磨された基板の全体的平坦さを良好にするように選択される。一実施形態では、介在パッド276は、約80ショアD以下の硬度を有し、用品支持部分274は、約80ショアA以下の硬度を有し、一方、導電性部分272は、約100ショアD以下の硬度を有する。別の実施形態では、介在パッド276は、約35ミル以下の厚みを有し、一方、用品支持部分274は、約100ミル以下の厚みを有する。
【0043】
[0049]介在パッド276は、導電性研磨用品203を構成するラミネート(即ち、導電性部分272、介在パッド276及び用品支持部分274のスタック)を通して電気的経路を確立できるようにする誘電体材料から製造することができる。この電気的経路は、導電性研磨用品203が電解液のような導電性流体に浸漬され又はそれで覆われたときに確立することができる。導電性研磨用品203を通る電気的経路の確立を容易にするために、介在パッド276は、電解液の通流を許容するように浸透性であるか又は孔付であるかの少なくとも一方でよい。
【0044】
[0050]一実施形態では、介在パッド276は、電解液及び電気化学的プロセスに適合する誘電体材料から製造される。適当な材料は、とりわけ、ポリマー、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、マイラーシート、エポキシ、及びポリカーボネートを含む。
【0045】
[0051]介在パッド276と導電性部分272との間には導電性バッキングが配置されてもよい。この導電性バッキングは、一般に、導電性部分272にわたって電位を等化し、研磨の均一性を向上させる。導電性部分272の研磨表面にわたって等しい電位をもたせることで、特に、研磨されている導電性材料が、残留材料で、即ちもはや連続膜でない(即ち膜残留物の個別の島である)場合に、導電性部分272とその導電性材料との間に良好な電気的接触を確保する。更に、導電性バッキングは、導電性部分272に機械的強度を与え、これにより、導電性研磨用品203の使用寿命を延長する。導電性バッキングの使用は、導電性部分を通る抵抗が約500mΩより高くて、導電性部分272の機械的完全性を確保するような実施形態において有益である。また、導電性バッキングは、導電性部分272の導電性の均一性を向上させ且つその電気的抵抗を下げるのに使用されてもよい。
【0046】
[0052]導電性バッキングは、研磨プロセスに適合し得る他の適当な導電性材料の中でも、金属ホイル、金属スクリーン、金属被覆の織布又は不織布から製造されてもよい。図3Aに示す導電性研磨用品203の導電性バッキングは、電気化学的プロセスに使用するのに適したもので、電極と電気的接触をなすことのできる白金又は銅のような金属ホイルの導電性ホイル層1608と、基板表面に接触するための、銅のような導電性材料で構成できる導電性織物280、又は導電性材料で被覆された織物、例えば、銅被覆のNylon(登録商標)ファイバとを含む。
【0047】
[0053]一実施形態では、導電性バッキングは、導電性部分272に圧縮成形される。バッキングは、用品支持部分274と介在パッド276との間の電解液の流れを妨げないように構成される。導電性部分272は、圧縮成形、ラミネーション、射出成形、及び他の適当な方法により、導電性バッキングに装着することができる。
【0048】
[0054]導電性研磨用品203を有する導電性研磨用品スタックは、例えば、電極に配置されるサブパッド274であって、ポリウレタン材料で構成されるサブパッド274と、このサブパッド274に配置される任意の接着剤275と、サブパッド274に配置される介在層276であって、Mylar(登録商標)材料で構成され、且つ後続層に対して機械的強度を与える介在層276と、この介在層276に配置される導電性ホイル278であって、金属ホイルで構成され、且つ電極との電気的接触を与える導電性ホイル278と、この導電性ホイル278に配置される導電性織物280であって、銅被覆のNylon(登録商標)材料の織物で構成された導電性織物280と、基板表面に接触するためにこの導電性織物280に配置された導電性研磨材料272であって、ポリマーバインダーに配置されたスズ(Sn)のような柔軟な金属で構成された導電性研磨材料とを備えている。
【0049】
[0055]導電性研磨用品スタックの一部分又は全部に孔を設けてもよいし、及び/又は導電性研磨材料に更にグルーブ又はエンボスを設けてもよい。サブパッドは、研磨用品アッセンブリ222の一実施形態において上記バッキング207を含んでもよい。導電性研磨用品は、2003年6月6日に出願された米国特許出願第10/455,895号により詳細に説明されており、その段落番号[0074]−[0227]を、ここで請求する態様及び開示と矛盾しない程度に参考としてここに援用する。
【0050】
[0056]導電性研磨用品203の実施例は、2001年12月27日に出願された米国特許公告第2002/0119286号、及び2002年8月2日に出願された米国特許出願第10/211,626号により詳細に開示されており、これらは、ここで請求する態様及び開示と矛盾しない程度に参考としてここに援用する。
【0051】
[0057]個別の導電性接触部を伴う従来の研磨材料(非導電性)を使用する導電性研磨用品203の実施形態が、例えば、2003年8月2日に出願された米国特許出願第10/211,626号により詳細に開示されており、これは、ここで請求する態様及び開示と矛盾しない程度に参考としてここに援用する。
【0052】
[0058]研磨用品アッセンブリ222は、電気化学的セルのアノード及びカソードの両方を含む素子を備えているので、使用した研磨用品アッセンブリ222を深皿204から除去し、次いで、新たな研磨用品アッセンブリ222を新たな電気的及び支持コンポーネントと共に深皿204へ挿入するだけで、アノード及びカソードの両方を同時に交換することができる。下向きの研磨装置は、アプライドマテリアルズインクに共通に譲渡された2002年5月16日に出願された米国特許公告第20030213703号により詳細に開示されており、その段落番号27−82を、ここで請求する態様及び説明と矛盾しない程度に参考としてここに援用する。
【0053】
[0059]通常、導電性研磨用品203、バッキング207、任意であるが誘電体インサート、及び電極209は、研磨用品アッセンブリ222を深皿204から除去して交換するのを容易にする一体的本体を形成するように一緒に固定される。導電性研磨用品203、バッキング207、任意の誘電体インサート、及び/又は電極209は、とりわけ、接着剤ボンディング、熱ボンディング、縫合、連結、ヒートステイク、リベット等の方法を使用するか、固定具及びクランプを使用することにより結合されてもよい。
【0054】
[0060]プロセスセル200は、導電性材料及び/又はバリア材料の除去に適した1つ以上の化学的機械的研磨プラテンと共に研磨プラットホームに配置することができる。このような化学的機械的研磨プラテンは、固定磨き剤又は非磨き剤の研磨用品を含んでもよく、また、磨き剤含有又は磨き剤なし研磨組成物を使用してもよい。更に、研磨プラテンの研磨用品は、デュロメータ又は硬度がショアDスケールで50以上の硬質の研磨用品でもよいし、或いはデュロメータ又は硬度がショアDスケールで50未満、通常、40以下の軟質研磨用品でもよい。
【0055】
[0061]例えば、研磨プラットホームは、カリフォルニア州サンタクララのアプライトマテリアルズインクから商業的に入手できるMIRRA(登録商標)研磨システム、MIRRA MESA(登録商標)研磨システム、及びREFLEXION(登録商標)研磨システムのような3プラテン態様のもので、プロセスセル200が第1プラテン位置に配置され、硬質又は軟質研磨パッドをもつ従来の化学的機械的研磨プラテンが第2プラテン位置にあり、更に、バリア除去プラテンが第3プラテン位置にあるようなものでよい。別の実施例では、第1プロセスセル200が、第1の電気化学的機械的研磨プロセスに対して、第1プラテン位置、例えば、ECMPステーション102に配置され、第2プロセスセル200が、第2の電気化学的機械的研磨プロセスに対して、第2プラテン位置、例えば、ECMPステーション103に配置され、更に、硬質又は軟質研磨パッドを伴う従来の化学的機械的研磨プラテンが、第3プラテン位置、例えば、研磨ステーション106に配置される。しかしながら、電気化学的機械的研磨を行うことのできるシステムを、化学的機械的研磨能力が存在したりしなかったりする状態で使用して、効果を得ることができる。
【0056】
研磨プロセス
[0062]基板を研磨して残留物を除去すると共に特徴部内のディッシングを最小にする一方、研磨時間を短縮してスループットを高めるための方法が提供される。これらの方法は、電気化学的研磨技術により実行することができる。1つの態様において、この方法は、導電性材料層が特徴部の上に配置された基板を処理するステップと、第1の研磨組成物を基板の表面に供給するステップと、基板と研磨用品との間に圧力を印加するステップと、基板と研磨用品との間に相対的運動を与えるステップと、第1電極と、基板に電気的接触する第2電極との間にバイアスを印加するステップと、導電性材料の少なくとも約50%を除去するステップと、第2の研磨組成物を供給するステップと、第2のバイアスを印加するステップと、導電性材料を除去し続けるステップとを含むことができる。
【0057】
[0063]ここに述べる方法及び組成物に基づいて処理される基板の概略断面図である図4A−4Dを参照して、プロセスの一実施形態を以下に説明する。図4Aを参照すれば、基板は、一般に、基板300に形成された誘電体層310を含む。ビア、トレンチ、接触部又はホールのような複数のアパーチャーがパターン化されて、高密度配列の狭い特徴画成部320及び低密度の広い特徴画成部330のように、誘電体層310へエッチングされる。これらのアパーチャーは、従来のホトリソグラフィー及びエッチング技術により誘電体層310に形成することができる。
【0058】
[0064]図4Aは、ECMPプロセスが適用される前の基板300及び導電性層370を示している。図4Bは、第1のECMPプロセスを適用することにより導電性層370の少なくとも約50%が除去された後の基板を示している。バリア層340の上に配置された残りの導電性層370は、図4Cに示すように、第2のECMPプロセスを適用することにより除去される。更に、図4Dに示すように、誘電体層310上の残りのバリア層340は、CMPプロセス又は第3のECMPプロセスのような第3のプロセスにより除去することができる。
【0059】
[0065]狭い及び広い特徴画成部という語は、基板表面に形成される構造に基づいて変化し得るが、一般的には、狭い特徴画成部上に形成される過剰材料堆積(又は高い過剰負担部)及び広い特徴画成部上の最小又は低い材料堆積(最小又は低い過剰負担部)の各堆積プロフィールで特徴付けることができる。例えば、狭い特徴画成部は、サイズが約0.13μmのことがあり、これは、サイズが約10μmで且つ最小又は不充分な過剰負担部になり得る広い特徴画成部に比して、高い過剰負担部をもつことになる。しかしながら、高い過剰負担部及び低い過剰負担部は、必ずしも過剰特徴部を形成することにはならず、特徴部間の基板表面に過剰エリアを形成することがある。
【0060】
[0066]誘電体層310は、半導体デバイスの製造に従来使用される1つ以上の誘電体材料を含むことができる。例えば、誘電体材料は、二酸化シリコン、燐ドープのシリコンガラス(PSG)、ホウ素−燐ドープのシリコンガラス(BPSG)、及びプラズマエンハンスト化学気相堆積(PECVD)によりテトラエチルオーソリケート(TEOS)又はシランから導出される二酸化シリコンのような材料を含んでもよい。また、誘電体層は、フルオロシリコンガラス(FSG)を含む低誘電率材料、ポリマー、例えば、ポリアミド、炭素含有酸化シリコン、例えば、BLACK DIAMOND(登録商標)誘電体材料、窒素及び/又は酸素でドープできる炭化シリコン材料であって、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるBLOK(登録商標)誘電体材料を含む炭化シリコン材料で構成されてもよい。
【0061】
[0067]バリア層340は、特徴画成部320及び330内及び基板300上に適合配置される。バリア層340は、金属又は窒化金属、例えば、タンタル、窒化タンタル、窒化タンタルシリコン、チタン、窒化チタン、窒化チタンシリコン、タングステン、窒化タングステン、及びその組み合せ、或いは基板及び/又は誘電体材料とその後に堆積される導電性材料との間の材料の拡散を制限できる他の材料で構成されてもよい。
【0062】
[0068]バリア層340上には導電性材料層360が配置される。ここで使用する「導電性材料層」という語は、特徴部を充填して、線、接触部又はビアを形成するのに使用される銅、タングステン、アルミニウム及び/又はそれらの合金のような導電性材料として定義される。図示されていないが、導電性材料層360を堆積する前にバリア層に導電性材料のシード層を堆積して、層間接着を改善すると共に、その後の堆積プロセスを改善することができる。シード層は、堆積されるべきその後の材料と同じ材料でよい。
【0063】
[0069]一形式の導電性材料層360は、銅含有材料で構成される。銅含有材料は、銅、銅合金(例えば、少なくとも約80重量パーセントの銅を含む銅系合金)、又はドープされた銅を含む。本開示全体に使用される句「銅含有材料」、語「銅」、及び記号「Cu」は、銅、銅合金、ドープされた銅、及びその組合せを包含するものと意図される。更に、導電性材料は、半導体製造処理に使用される導電性材料を含んでもよい。
【0064】
[0070]一実施形態において、堆積された導電性材料層360は、狭い特徴画成部320の上に形成される過剰材料堆積部即ち高い過剰負担部370及び広い特徴画成部330の上の最小の過剰負担部380の堆積プロフィールを有する。別の実施形態では、高い過剰負担部及び最小の過剰負担部は、特徴部間の基板表面にわたって任意に形成される。
【0065】
[0071]次いで、基板を、図3に示して以下に説明する装置のような研磨装置に位置させ、次いで、研磨組成物に露出させて、導電性材料層に不動態化層390を形成することができる。
【0066】
[0072]或いは又、ここに述べる研磨プロセスは、ここに述べるプロセスに基づいて形成される基板の概略断面図である図5A−5Eに示すように、第1の研磨ステップで狭い特徴画成部の上に突出部を形成するように使用されもよい。1つの態様において、この方法は、導電性材料層が狭い特徴画成部及び広い特徴画成部の上に配置された基板を処理するステップと、基板の表面に研磨組成物を供給するステップと、基板と研磨用品との間に圧力を印加するステップと、基板と研磨用品との間に相対的運動を与えるステップと、第1電極と、基板に電気的に接触する第2電極との間にバイアスを印加するステップと、狭い特徴画成部及び基板フィールドエリアの上に配置された導電性材料を、広い特徴画成部の上に配置された導電性材料より高い除去率で除去するステップとを備えることができる。
【0067】
[0073]図5Aは、ECMPプロセスが適用される前の基板400及び導電性層460を示している。図5B及び5Cは、最初のECMPプロセスを適用することにより導電性層460の第1部分又はバルク部分(即ち、導電性層の約50%以上)を除去する間の基板を示している。導電性層の除去は、狭い特徴部の上の材料を、広い特徴部の上に配置された材料より高いレートで除去して、図5Dに示す突出部を形成するように選択的である。バリア層440の上に配置された残りの導電性層460は、図5Eに示すように、CMPプロセス又は第2のECMPプロセスを適用することにより除去される。更に、誘電体層410上の残りのバリア層440は、CMPプロセス又は第3のECMPプロセスのような第3プロセスにより除去することができる。
【0068】
研磨組成物
[0074]銅のような金属を平坦化するためにここに述べるプロセスに使用できる適当な研磨組成物は、酸性系電解液システムと、1つ以上のキレート化剤と、1つ以上の腐食防止剤と、1つ以上の無機又は有機酸性塩と、約2から約10のpHを生じさせるための1つ以上のpH調整剤と、少なくとも1つの酸化剤と、磨き剤粒状物とを含むことができる。最初のECMPプロセスステップにおいて望まれる突出部を形成するためのプロセス実施形態では、磨き剤粒状物がなく、酸化剤がなく、又はその両方がない組成物を使用してもよい。
【0069】
[0075]研磨組成物は、銅を除去するのに特に有用であるが、研磨組成物は、アルミニウム、白金、タングステン、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、コバルト、金、銀、ルテニウム、及びその組み合せのような他の導電性材料を除去するのにも使用できると考えられる。導電性研磨用品203との接触によるような機械的な磨きを研磨組成物と共に使用して、平坦性を改善すると共に、これら導電性材料の除去率を改善することができる。
【0070】
[0076]研磨組成物は、導電率を与えるための酸性系電解液システムを含む。適当な酸性系電解液システムは、例えば、燐酸系電解液、硫酸、硝酸、過塩素酸、酢酸、クエン酸、その塩、及びその組合せを含む。適当な酸性系電解液システムは、酸性電解液、例えば、燐酸、ホウ酸及び/又はクエン酸と、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム及びその銅塩を含む酸性電解液派生物とを含む。また、酸性系電解液システムは、基板を処理するための希望のpHレベルを維持するように組成物に緩衝作用を与えることもできる。
【0071】
[0077]適当な酸性系電解液は、例えば、燐酸塩グループ(PO)を有する化合物、例えば、燐酸、燐酸銅、燐酸カリウム(K(3−X)PO)(x=1、2又は3)、例えば、燐酸二水素カリウム(KHPO)、燐酸水素二カリウム(KHPO)、燐酸アンモニウム((NH(3−X)PO)(x=1、2又は3)、例えば、燐酸二水素アンモニウム((NH)HPO)、燐酸水素二アンモニウム((NHHPO)、硝酸塩グループ(NO1−)を有する化合物、例えば、硝酸、又は硝酸銅、ホウ素グループ(BO3−)を有する化合物、例えば、正ホウ酸(HBO)、並びに硫酸塩グループ(SO2−)を有する化合物、例えば、硫酸(HSO)、硫酸水素アンモニウム((NH)HSO)、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸銅、その派生物、及びその組合せを含む。また、本発明は、ここに述べるプロセスを使用してここに述べる組成物を形成するのに、既知及び未知の従来の電解液も使用できることを意図している。
【0072】
[0078]酸性系電解液システムは、ここに述べるプロセスを実施するのに適した導電率を与えるために全組成物溶液の約1から約30重量パーセント又は体積パーセント(vol%)をとり得る酸性成分を含んでもよい。酸性成分は、例えば、燐酸二水素及び/又は燐酸水素二アンモニウムを含み、約15重量%から約25重量%の量で研磨組成物中に存在してもよい。或いは又、燐酸は、30重量%までの濃度、例えば、約2重量%から約6重量%で存在してもよい。
【0073】
[0079]本発明の1つの態様又は要素は、基板の表面と錯体結合して電気化学的分解プロセスを向上させるために1つ以上のキレート化剤を使用することである。ここに述べる実施形態のいずれかにおいて、キレート化剤は、銅イオンのような導電性材料に連結して、金属材料の除去率を高め、及び/又は基板表面にわたる分解の均一性を改善することができる。除去のための金属材料、例えば、銅は、機能的グループとの結紮の前、その間、又はその後に、0、1又は2のような酸化状態にあってもよい。機能的グループは、処理中に基板表面に生成された金属材料を連結し、基板表面から金属材料を除去することができる。また、キレート化剤を使用して、研磨組成物に緩衝作用を与え、基板を処理するための望ましいpHレベルを維持することもできる。また、キレート化剤は、基板表面に不動態化層を形成し又はその形成を促進することもできる。
【0074】
[0080]1つ以上のキレート化剤は、アミングループ、アミドグループ、カルボキシレートグループ、ジカルボキシレートグループ、トリカルボキシレートグループ、ヒドロキシルグループ、ヒドロキシル及びカルボキシレートグループの混合、並びにその組み合せのグループから選択された1つ以上の機能的グループを有する化合物を含むことができる。また、1つ以上のキレート化剤は、ここに述べるキレート化剤の塩を含んでもよい。研磨組成物は、1つ以上のキレート化剤を約0.1から約15体積%又は重量%の濃度で含むことができるが、約0.1から約4体積%又は重量%が好ましく使用される。例えば、約2体積%のエチレンジアミンをキレート化剤として使用してもよい。
【0075】
[0081]1つ以上のカルボキシレートグループを有する適当なキレート化剤は、例えば、クエン酸、酒石酸、琥珀酸、蓚酸、アミノ酸、その塩、及びその組合せを含む。例えば、キレート化剤は、クエン酸アンモニウム、クエン酸カリウム、琥珀酸アンモニウム、琥珀酸カリウム、蓚酸アンモニウム、蓚酸カリウム、酒石酸カリウム、及びその組み合せを含むことができる。塩は、多塩基性状態をもつことができ、例えば、一、二及び三塩基性状態をもつクエン酸塩である。1つ以上のカルボキシレートグループを有する他の適当な塩は、酢酸、アジピン酸、酪酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、グルタル酸、グリコール酸、蟻酸、雷酸、乳酸、ラウリン酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、ミリスチン酸、プラミチック(plamitic)酸、フタル酸、プロピオン酸、ピルビン酸、ステアリン酸、吉草酸、その派生物、その塩、及びその組み合せを含む。適当なキレート化剤の更に別の例は、1つ以上のアミン及びアミド機能的グループを有する化合物、例えば、エチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン、ジエチレントリアミン派生物、ヘキサジアミン、アミノ酸、グリシン、エチレンジアミンテトラアセチック酸(EDTA)、メチルホルムアミド、その派生物、その塩、及びその組み合せを含む。例えば、EDTAは、酸及び種々の塩、例えば、ナトリウム、カリウム、及びカルシウム(例えば、NaEDTA、NaEDTA、KEDTA又はCaEDTA)を含む。
【0076】
[0082]ここに述べる実施形態のいずれかにおいて、無機又は有機酸性塩を使用して、キレート化剤として作用させることができる。研磨組成物は、1つ以上の無機又は有機塩を、組成物の約0.1から約15体積%又は重量%、例えば、約0.1から約8体積%又は重量%の濃度で含むことができる。例えば、約2重量%のクエン酸アンモニウムを研磨組成物に使用してもよい。
【0077】
[0083]適当な無機又は有機塩は、例えば、アンモニウム及びカリウム塩、又は有機酸、例えば、蓚酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、琥珀酸アンモニウム、一塩基性クエン酸カリウム、二塩基性クエン酸カリウム、三塩基性クエン酸カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸アンモニウム、琥珀酸カリウム、蓚酸カリウム、及びその組み合わせを含む。更に、カルボキシレート酸のアンモニウム及びカリウム塩を使用してもよい。
【0078】
[0084]ここに述べる実施形態のいずれかにおいて、基板表面とその周囲の電解液との間の化学的相互作用を最小にする不動態化層を形成することにより金属面の酸化又は腐食を低減するために腐食防止剤を添加することができる。従って、腐食防止剤により形成された材料層は、基板表面からの電気化学的電流を抑制又は最小にして電気化学的堆積及び/又は分解を制限する傾向がある。研磨組成物は、1つ以上のアゾールグループからの有機化合物を約0.001から約5.0重量%含むことができる。一般的に好ましい範囲は、約0.2から約0.4重量%である。
【0079】
[0085]アゾールグループを有する有機化合物は、例えば、ベンゾトリアゾール(BTA)、メルカプトベンゾトリアゾール、5−メチル−1−ベンゾトリアゾール(TTA)、及びその組み合せを含む。他の適当な腐食防止剤は、例えば、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール及びその組み合せのような循環化合物である膜形成剤を含む。ヒドロキシ、アミノ、イミノ、カルボキシ、メルカプト、ニトロ及びアルキル置換グループを伴うベンゾトリアゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾールの派生物も、腐食防止剤として使用することができる。他の腐食防止剤は、とりわけ、尿素及びチオ尿素を含む。
【0080】
[0086]或いは又、ポリマー系防止剤、例えば、これらに限定されないが、ポリアルキルアリルエーテルホスフェート又はアンモニウムノニルフェノルエトキシレートサルフェートを、組成物の約0.002から約1.0体積%又は重量%の量で、アゾール含有腐食防止剤と共に又はそれに置き換えて使用してもよい。
【0081】
[0087]約2から約10のpH、好ましくは、約3から約7のpHを達成するために、1つ以上のpH調整剤を研磨組成物に添加するのが好ましい。pH調整剤の量は、他の成分の濃度が異なる調合法において変化するときに変更できるが、一般的に、溶液全体では、1つ以上のpH調整剤を約70重量%まで含んでもよいが、約0.2から約25体積%であるのが好ましい。異なる化合物は、所与の濃度に対して異なるpHレベルを与えることができ、例えば、組成物は、約0.1から約10体積%の塩基、例えば、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム又はその組み合せを含み、希望のpHレベルを与えることができる。
【0082】
[0088]1つ以上のpH調整剤は、ある種の有機酸、例えば、カルボキシル酸、例えば、酢酸、クエン酸、蓚酸、燐酸塩含有成分であって、燐酸、燐酸アンモニウム、燐酸カリウム及びその組み合せを含む成分、或いはその組み合せから選択することができる。燐酸、硫酸、塩酸、硝酸、その派生物及びその組み合せを含む無機酸も、研磨組成物においてpH調整剤として使用することができる。
【0083】
[0089]ここに述べる研磨組成物の残余即ち残りは、溶媒、例えば、水、好ましくは、脱イオン水を含む有極溶媒である。他の溶媒を単独で使用してもよいし、有機溶媒のように水と組み合せて使用してもよい。有機溶媒は、アルコール、例えば、イソプロピルアルコール又はグリコール、エーテル、例えば、ジエチルエーテル、フラン、例えば、テトラヒドロフラン、炭化水素、例えば、ペンタン又はヘプタン、芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン又はトルエン、ハロゲン化溶媒、例えば、塩化メチレン又は四塩化炭素、その派生物、及びその組み合せを含む。
【0084】
[0090]研磨組成物は、磨き剤粒子を含む1つ以上の表面仕上げ向上及び/又は除去率向上材料、1つ以上の酸化剤、及びその組み合せを含んでもよい。
【0085】
[0091]磨き剤粒子は、研磨中に表面仕上げ及び基板表面からの導電性材料の除去率を改善するのに使用できる。研磨組成物に磨き剤粒子を添加すると、最終的に研磨された面は、パッド圧力が低くても従来のCMPプロセスに匹敵する粗面性を得ることが許される。表面仕上げ又は粗面性は、デバイスの収率及び研磨後の表面欠陥に影響を及ぼすことが示された。磨き剤粒子は、処理中に研磨組成物の約30重量%までを構成してもよい。約0.001重量%から約5重量%の濃度の磨き剤粒子を研磨組成物に使用することができる。
【0086】
[0092]適当な磨き剤粒状物粒子は、無機磨き剤粒状物、ポリマー系磨き剤粒状物、及びその組み合せを含む。電解液に使用できる無機磨き剤粒子は、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化セリウム、ゲルマニア、或いは既知又は未知の金属酸化物の他の磨き剤粒状物を含むが、これらに限定されない。例えば、コロイド状シリカは、アルミナの変形又はシリカ/アルミナの複合等で積極的に活性化することができる。本発明の一実施形態で使用される典型的な磨き剤粒子サイズは、一般に、約1nmから約1000nmであり、好ましくは、約10nmから約100nmである。一般的に、適当な無機磨き剤粒状物は、モーズ硬度が6より大きいが、本発明は、モーズ硬度値がそれより低い磨き剤粒状物の使用も意図している。
【0087】
[0093]また、ここに述べるポリマー磨き剤粒状物は、「有機ポリマー粒子の磨き剤粒状物」、「有機磨き剤粒状物」又は「有機粒子」と称することもできる。ポリマー系磨き剤粒状物は、磨き剤ポリマー系材料を含んでもよい。ポリマー系磨き剤粒状物材料は、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリスチレン、ポリメタクリロニトリル、及びその組み合わせを含む。
【0088】
[0094]ポリマー系磨き剤粒状物は、ショアD硬度が約60から約80でよいが、より大きな又はより小さな硬度値をもつように変更することができる。軟質のポリマー系磨き剤粒子は、研磨用品と基板との間の摩擦を減少する上で役立ち、無機の粒子に比して、スクラッチ及び他の表面欠陥の数及び過酷さを低減することができる。硬質のポリマー系磨き剤粒子は、軟質材料に比して、改善された研磨性能、除去率及び表面仕上げを与えることができる。
【0089】
[0095]ポリマー系磨き剤粒状物の硬度は、磨き剤粒状物におけるポリマー架橋の程度を制御することで変更することができ、例えば、より高度な架橋は、より高いポリマー硬度、ひいては、磨き剤硬度を生じさせる。ポリマー系磨き剤粒状物は、通常、平均直径が約0.1ミクロンから約20ミクロン以下の球状ビードとして形成される。
【0090】
[0096]ポリマー系磨き剤粒状物は、機能的グループ、例えば、基板の表面における導電性材料又は導電性材料イオンに連結して、基板の表面からの材料のECMP除去を容易にする親和性を有する1つ以上の機能的グループを有するように変更されてもよい。例えば、研磨プロセスにおいて銅を除去すべき場合に、有機ポリマー粒子は、アミングループ、カルボキシレートグループ、ピリジングループ、水酸化グループ、銅に対して高い親和性を有するリガンド、又はその組み合せを有するように変更して、除去された銅を、研磨組成物内の化学的活性剤、例えば、キレート化剤又は腐食防止剤に置き換わるものとして或いはそれに加えて連結させることができる。銅のような基板表面材料は、機能的グループとの結紮の前、その間、又はその後に、0、1+又は2+のようないずれの酸化状態にあってもよい。機能的グループは、基板表面上の金属材料(1つ又は複数)に連結して、基板表面の均一性及び表面仕上げを改善する助けとすることができる。
【0091】
[0097]更に、ポリマー系磨き剤粒状物は、希望の化学的特性を有し、例えば、ポリマー系磨き剤粒状物は、広いpH範囲にわたって安定であると共に、互いに集塊する傾向がなく、これは、組成物内の表面活性剤が少ないか又は存在しない状態で或いは分散剤が存在しない状態でポリマー系磨き剤粒状物を使用することを許容する。
【0092】
[0098]或いは又、ここに述べるポリマー系材料が被覆された無機粒子を、研磨組成物と共に使用してもよい。研磨組成物が、希望の研磨性能及び結果に基づいて、ポリマー系磨き剤粒状物、無機磨き剤粒状物、ポリマー被覆無機磨き剤粒状物、及びその組み合せを含むことは、本発明の範囲内である。
【0093】
[0099]基板表面からの導電性材料の除去又は除去率を向上させるために、ここでは、1つ以上の酸化剤を使用することができる。酸化剤は、一般に、電子(1つ又は複数)を受け容れることにより材料と反応する薬剤である。ここに示す実施形態では、酸化剤は、研磨されるべき基板の表面と反応するのに使用され、これは、次いで、希望の材料の除去を助ける。例えば、酸化剤は、金属層をそれに対応する酸化物又は水酸化物へと酸化させ、例えば、銅を酸化銅へと酸化させるように使用できる。Cu1+イオンを含む酸化された既存の銅は、Cu2+イオンのようなより高い酸化状態へと更に酸化させることができ、これは、次いで、1つ以上のキレート化剤との反応を促進することができる。また、ある場合には、酸化剤は、ある化学物質(例えば、低いpH)に使用して、基板の表面の化学的エッチングを促進させ、アノード面からの除去率を更に高めることもできる。基板の表面にバイアスを印加しない場合には、防止剤及びキレート化剤が、表面の金属イオンと錯体結合して、導電性パッド203により印加される圧力及び相対的移動により表面から追い出される状態となる。磨き剤粒状物を添加すると、導電性パッド203と基板表面との間の接触面積を増加する磨き剤粒子の能力により錯体結合金属イオンの除去率を更に改善することができる。
【0094】
[0100]ECMPの場合に、基板表面の導電性層は、電源224及び電極209の使用によりスレッシュホールド電位より高くアノードバイアスされ、従って、基板表面の金属を「酸化」させる(即ち、金属原子が1つ以上の電子を電源224へ引き渡す)。従って、イオン化又は「酸化」された金属原子は、電解液中の成分の助けで電解溶液へと分解する。除去されるべき希望の材料が銅である場合には、これをCu1+又はCu2+酸化状態へ酸化することができる。研磨組成物に見られる防止剤及び/又はキレート化剤の存在により、電解液中への金属イオンの電気化学的分解プロセスは、これら成分を含まない研磨組成物より大きく制限される。また、防止剤及び/又はキレート化剤の存在は、基板の表面に対する金属イオン(1つ又は複数)並びに防止剤及び/又はキレート化剤錯体結合の付着強度に影響すると考えられる。一実施形態では、ECMPプロセスの除去率を酸化剤の添加により高められることが分かった。酸化剤は、アノードバイアスにより形成される金属イオンを更に酸化する傾向があり、これは、銅の場合に、より安定なCu2+酸化状態にもっていくと考えられる。研磨組成物に見られる防止剤及び/又はキレート化剤は、酸化された金属イオンと錯体結合し、これらイオンは、防止剤がその酸化された金属イオン及び金属表面に連結する仕方により低い付着強度又は連結強度をもつ傾向となる。この低い付着強度は、錯体結合された金属イオンを、基板表面及び導電性パッド203の相互作用で更に容易に且つ効率的に除去するのを許容する。ECMP研磨組成物に磨き剤粒状物を添加したことで、導電性パッド203と基板表面との間の接触面積を増加する磨き剤粒子の能力により錯体結合金属イオンの除去率を更に改善することができる。
【0095】
[0101]研磨組成物は、1つ以上の添加剤化合物を含んでもよい。これら添加剤化合物は、基板表面を研磨する際に研磨組成物の有効性を改善するために、抑制剤、促進剤、ならし剤、光沢剤、安定剤、及び剥離剤を含む電解液添加剤を包含するが、これらに限定されない。例えば、ある添加剤は、金属原子のイオン化率を下げて、分解プロセスを防止する一方、他の添加剤は、光沢のある基板表面仕上げを与えることができる。添加剤は、約15体積%又は重量%までの濃度で研磨組成物に存在してもよく、また、研磨後の希望の結果に基づいて変化させてもよい。
【0096】
[0102]更に、腐食防止剤及び酸化剤のような研磨組成物の構成成分の量及び形式を制御することで、プロセスの希望の除去率の同調を得ることができる。例えば、腐食防止剤の量を減少すると、腐食防止剤の濃度が高い組成物に比して、材料除去率が高くなる。研磨組成物が腐食防止剤を含まない場合には、ECMPの材料除去率は、腐食防止剤を含む研磨組成物より著しく高くなる。というのは、防止剤を含むと、金属イオン及び防止剤の錯体結合が形成されて電解液に対して基板の表面をシールドする傾向となるからである。同様に、酸化剤の量を減少すると、一般に、高い酸化剤組成を有する組成物に比して、除去率が低くなる。酸化剤の濃度が低いときは、基板表面への酸化剤の供給を制限する運動作用のために、腐食防止剤及び/又はキレート化剤は、酸化剤により更に酸化状態になる前に金属イオンと錯体結合し得ることが示唆されている。従って、腐食防止剤及び金属イオンの錯体結合は、より強い付着強度で錯体結合された金属イオンが形成されるために除去効率に影響を及ぼし得る。ここに述べる研磨組成物は、例えば、約2体積%のエチレンジアミン、約2重量%のクエン酸アンモニウム、約0.3重量%のベンゾトリアゾール、約0.1から約3体積%又は重量%、例えば、約0.45%の過酸化水素、及び/又は約0.01から1重量%、例えば、0.15重量%の磨き剤粒子、及び約6体積%の燐酸を含む。組成物のpHは、約5であり、これは、例えば、pHを好ましい範囲に調整するための水酸化カリウムを更に含む組成物により達成することができる。研磨組成物の残りは、脱イオン水である。
【0097】
[0103]酸化剤は、研磨組成物において、約0.01から約90体積%又は重量%、例えば、約0.1から約20体積%又は重量%の範囲の量で存在することができる。研磨組成物の実施形態では、約0.1から約15体積%又は重量%の過酸化水素が研磨組成物に存在する。一実施形態では、酸化剤は、ECMPプロセスを開始する直前に研磨組成物の残りに添加される。適当な酸化剤の例は、ペルオキソ化合物、例えば、水酸基を通して解離し得る化合物、例えば、過酸化水素、及び過酸化水素尿素を含むその付加物、過炭酸塩、並びに有機過酸化物を含み、この有機過酸化物は、例えば、アルキル過酸化物、環状又はアリール過酸化物、過酸化ベンゾイル、過酢酸、及び過酸化ジテルトブチルを含む。また、硫酸塩及び硫酸塩派生物、例えば、一過硫酸塩及び二過硫酸塩を使用してもよく、これは、例えば、アンモニウムパーオキシジサルフェート、ポタジウムパーオキシジサルフェート、アンモニウムパーサルフェート、及びポタジウムパーサルフェートを含む。ペルオキソ化合物の塩、例えば、過炭酸ナトリウム及び過酸化ナトリウムも使用できる。
【0098】
[0104]また、酸化剤は、無機化合物でもよいし、又は最も高い酸化状態で元素を含む化合物でもよい。無機化合物、及び最も高い酸化状態で元素を含む化合物の例は、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、過臭素酸、過臭素酸塩、過塩素酸、過塩素酸塩、過ホウ酸、硝酸塩(例えば、硝酸セリウム、硝酸鉄、硝酸アンモニウム)、鉄酸塩、過ホウ酸塩、及び過マンガン酸塩を含むが、これらに限定されない。他の酸化剤は、臭素酸塩、塩素酸塩、クロム酸塩、ヨウ素酸塩、ヨウ素酸、及びセリウム(IV)化合物、例えば、アンモニウムセリウムニトレートを含む。
【0099】
[0105]表面活性剤は、研磨組成物における1つのこのような添加剤化合物である。金属及び金属イオン又は処理中に生成される副産物のような材料の分解性又は可溶性を高め、化学的安定性を改善すると共に、研磨組成物の成分の分解を減少するために、研磨組成物に1つ以上の表面活性剤を使用することができる。1つ以上の表面活性剤は、研磨組成物の約0.001から約10体積%又は重量%の濃度でよい。研磨組成物の一実施形態では、表面活性剤の濃度は、約0.01から約2体積%又は重量%、例えば、約0.1から約1体積%又は重量%を使用することができる。1つ以上の表面活性剤は、非イオン表面活性剤と、アニオン表面活性剤、カチオン表面活性剤、両性の表面活性剤を含むイオン表面活性剤と、2つ以上のイオン機能的グループを有するイオン表面活性剤、例えば、ツウェイター(Zweitter)イオン表面活性剤とを含んでもよい。ここでは、表面活性剤が使用されるので、分散材又は分散剤が表面活性剤であると考えられる。
【0100】
[0106]添加剤の他の例は、1つ以上のならし剤であり、これは、ここでは、基板の表面の分解電流を抑制する添加剤として広く定義される。ならし剤は、導電性材料に付着して、電解液と導電性材料との間の電気化学的反応を防止することにより、分解電流を抑制し、及び/又は電気化学的反応を制限する減極剤を形成する。ならし剤の濃度は、電解溶液の約0.005から約10体積%又は重量%、例えば、約0.05から約2体積%又は重量%を使用することができる。
【0101】
[0107]ならし剤は、ポリエチレングリコール(PEG)、及びポリエチレングリコール派生物を含むが、これらに限定されない。ここに述べるプロセスに使用できる他のならし剤は、電気メッキ又は電気研磨技術に使用されるもの、例えば、ポリアミン、ポリアミド、及びポリイミドを含み、これらは、ポリエチレンイミン、ポリグリシン、2−アミノ−1−ナフタリンスルフォン酸、3−アミノ−1−プロパンスルフォン酸、4−アミノトルエン−2−スルフォン酸を含む。ならし剤は、組成物の約0.05から約5体積%又は重量%の範囲で組成物に添加されてもよい。例えば、PEGは、約0.2重量%の濃度で研磨溶液に添加されてもよい。
【0102】
[0108]研磨組成物の導電率を減少する電気抵抗性添加物のような抑制剤は、組成物の約0.005から約2体積%又は重量%の範囲で組成物に添加することができる。抑制剤は、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ポリマー、ポリカルボキシレートコポリマー、ココナツジエタノールアミド、オレインジエタノールアミド、エタノールアミド派生物、又はその組み合せを含む。
【0103】
[0109]1つ以上の安定剤は、組成物の安定性に適度な改善を生じるに充分な量で存在してもよい。1つ以上の安定剤は、約100ppmから約5.0重量パーセントの量で存在してもよい。好ましい安定剤は、例えば、燐酸及び燐酸派生物を含み、これらは、アミノトリ(メチレンホスホン)酸、1−ヒドロキシエチリデン−4−ジホスホン酸、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレンテトラミンペンタメチレンホスホン酸、及びその派生物を含むが、これらに限定されない。
【0104】
[0110]加速剤は、研磨組成物に含むことのできる添加剤の別の例である。加速剤は、基板表面に堆積された金属の電気化学的反応を高めて、金属除去を増加させる。組成物は、1つ以上の加速剤を、約0.001から約1体積%又は重量%、例えば、約0.25から約0.8体積%又は重量%の濃度で含んでもよい。加速財は、硫酸含有化合物、例えば、亜硫酸塩又は二硫酸塩を含んでもよい。
【0105】
[0111]研磨組成物への添加剤の更に別の例は、2002年5月7日に出願された米国特許出願第10/141,459号により詳細に説明されており、これは、ここで請求する態様及び説明と矛盾しない程度に参考としてここに援用する。
【0106】
[0112]様々な組成物のECMP溶液を使用して、銅及び/又は銅合金のようなバルク材料及び残留材料を除去すると共に、窒化タンタル又は窒化チタンのようなバリア材料を除去することができる。研磨組成物の特定の調合を使用して特定の材料が除去される。ここに示す実施形態の間に使用される研磨組成物は、ECMPプロセスにとって効果的である。一般に、ECMP溶液は、慣例的なCMP溶液よりも著しく導電性である。ECMP溶液は、約10mS以上の導電率を有し、一方、慣例的なCMP溶液は、約3mSから約5mSの導電率を有する。ECMP溶液の導電率は、ECMPプロセスが進行する率に著しく影響し、即ち導電性の高い溶液は、材料除去率が高い。バルク材料を除去するためには、ECMP溶液は、約10mS以上の導電率を有し、好ましくは、約30mSから約60mSの範囲の導電率を有する。残留材料については、ECMP溶液は、約10mS以上の導電率を有し、好ましくは、約15mSから約40mSの範囲の導電率を有する。
【0107】
[0113]バルク材料を除去するのに使用される第1の研磨組成物即ち第1のECMP溶液は、燐酸、少なくとも1つのキレート化剤、腐食防止剤、塩、酸化剤、又は磨き剤粒状物を含むことができる。例えば、第1の研磨溶液は、約1重量%から約10重量%の燐酸、約0.1重量%から約6重量%の少なくとも1つのキレート化剤、約0.01重量%から約1重量%の腐食防止剤、約0.5重量%から約10重量%の塩、例えば、クエン酸アンモニウム又はクエン酸銅、約0.2重量%から約5重量%の酸化剤、及び約0.05重量%から約1重量%の磨き剤粒状物を含むことができる。また、第1の研磨組成物は、約4から約7のpHを維持するための濃度でpH調整剤を有してもよい。一般に、この溶液には、脱イオン水のような溶媒が添加される。
【0108】
[0114]第1の研磨組成物は、少なくとも1つのキレート化剤、例えば、EDA、EDTA、クエン酸、クエン酸アンモニウム、その塩、その派生物、及びその組み合せを含む。第1の研磨組成物の腐食防止剤は、BTA、TTA、その塩、その派生物、及びその組み合せを含んでもよい。塩は、第1の研磨組成物に添加されてもよいし、又は例えば、酸性/塩基性形式の反応により、その場で形成されてもよい。塩は、無機、有機、又はその組み合せでよく、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムのようなカチオンと、クエン酸塩、蓚酸塩、琥珀酸塩及び酒石酸塩のようなアニオンとを含む。pH調整剤は、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、又はその組み合せを含む。また、第1の研磨組成物には、過酸化水素のような酸化剤、及び/又はアルミナで活性化されるコロイド状シリカのような磨き剤粒状物を添加してもよい。
【0109】
[0115]残留材料に使用される第2の研磨組成物即ち第2のECMP溶液は、燐酸、少なくとも1つのキレート化剤、腐食防止剤、塩、酸化剤、磨き剤粒状物を含むことができる。例えば、第2の研磨溶液は、約0.1重量%から約5重量%の燐酸、約0.1重量%から約5重量%の少なくとも1つのキレート化剤、約0.01重量%から約1重量%の腐食防止剤、約0.1重量%から約5重量%の塩、約0.01重量%から約3重量%の酸化剤、及び約0.05重量%から約5重量%の磨き剤粒状物を含むことができる。また、第2の研磨組成物は、約4から約7のpHを維持するための濃度でpH調整剤を有してもよい。一般に、この溶液には、脱イオン水のような溶媒が添加される。
【0110】
[0116]第2の研磨組成物の少なくとも1つのキレート化剤は、グリシン、EDA、EDTA、クエン酸、クエン酸アンモニウム、その塩、その派生物、及びその組み合せを含んでもよい。第2の研磨組成物の腐食防止剤は、BTA、TTA、その塩、その派生物及びその組み合せを含んでもよい。塩は、第2の研磨組成物に添加されてもよいし、又は例えば、酸性/塩基性形式の反応により、その場で形成されてもよい。塩は、無機、有機、又はその組み合せでよく、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムのようなカチオンと、クエン酸塩、蓚酸塩、琥珀酸塩及び酒石酸塩のようなアニオンとを含む。pH調整剤は、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、又はその組み合せを含む。また、第2の研磨組成物には、過酸化水素のような酸化剤、及び/又はアルミナで活性化されるコロイド状シリカのような磨き剤粒状物を添加してもよい。一実施例では、第2の研磨組成物は、BTA及びグリシンを含む。別の実施例では、第2の研磨組成物は、BTA、EDA及びクエン酸アンモニウムを含む。また、第2の研磨組成物のあるものは、PEGのようなならし剤を含む。
【0111】
電気化学的機械的処理
[0117]化学的作用、機械的作用及び電気的作用を組み合せて使用して、材料を除去すると共に、基板表面を平坦化するための電気化学的機械的研磨技術は、次のように遂行することができる。電気化学的機械的研磨技術の一実施形態では、第1電極及び研磨組成物を収容する深皿又はプラテンのようなリセプタクルに基板が配置される。研磨組成物は、基板表面に不動態化層を形成する。この不動態化層は、基板表面に配置される化学的及び/又は電気的絶縁材料でよい。
【0112】
[0118]第2電極を収容する研磨用品アッセンブリに結合された研磨用品が、次いで、深皿又はプラテンに配置され、この研磨用品を通して基板に物理的に接触され及び/又は電気的に結合される。基板表面と導電性用品203との間に相対的運動が与えられて、不動態化層が減少又は除去される。電源224からのバイアスが2つの電極間に印加される。このバイアスは、電気的パルス変調技術により印加されて、少なくともアノード分解を与えることができる。このバイアスは、研磨用品アッセンブリ222の導電性用品203から基板208へ伝達することができる。
【0113】
[0119]第1のECMPプロセスを使用して、図4A−4Bに示すように基板表面からバルク導電性材料を除去することができ、次いで、第2のECMPプロセスを使用して、図4B−4Cに示すように残留する銅含有材料を除去することができる。バルク材料とは、ここでは、基板表面に形成された特徴部を実質的に充填するに充分な以上の量で基板に堆積される材料として広く定義される。残留材料とは、1つ以上の研磨プロセスステップの後に残っているバルク銅含有材料として広く定義される。一般に、第1のECMPプロセス中のバルク除去は、導電性層の少なくとも約50%、好ましくは、少なくとも約70%、更に好ましくは、少なくとも約80%、例えば、少なくとも約90%を除去する。第2のECMPプロセス中の残留物除去は、充填されたプラグを残して、バリア層に配置された残留導電性材料を、もし全部でなければ、ほとんど、除去する。
【0114】
[0120]第1のECMPプロセスは、導電性層の高い除去率により基板製造のスループットに貢献する。しかしながら、第1のECMPプロセスが単独で使用される場合には、著しく多量の導電性材料が除去されて、過少負担を生じ得る。第2のECMPプロセスは、導電性層を精密に除去して平らな基板表面を形成することにより基板製造のスループットに貢献する。しかしながら、第2のECMPプロセスは、単独で使用した場合の導電性材料の除去が著しく低速である。それ故、第1及び第2のECMPプロセスの組み合せで、スループットを高めると共に、クオリティの高い平坦な基板表面を形成する。
【0115】
[0121]バルク除去のECMPプロセスは、第1の研磨プラテンで遂行し、残留物除去のECMPプロセスは、第1プラテンと同じ又は異なる研磨装置の第2の研磨プラテンで遂行することができる。別の実施形態では、残留物除去のECMPプロセスが第1プラテンで実行されてもよい。バリア材料は、図2に示す装置の第3プラテンのような個別のプラテンで除去されてもよい。例えば、ここに述べるプロセスに基づく上述した装置は、バルク材料を除去するための3つのプラテンを備えてもよいし、又はバルク材料を除去するための1つのプラテンと、残留物を除去するための第2プラテンと、バリアを除去するための第3プラテンを備えてもよく、この場合、バルク及び残留物プロセスは、ECMPプロセスであり、バリア除去は、CMPプロセスである。別の実施形態では、3つのECMPプラテンを使用して、バルク材料の除去、残留物の除去、及びバリアの除去を行ってもよい。
【0116】
[0122]図4A−図4Bを参照すれば、狭い特徴画成部320及び広い特徴画成部330がパターン化された誘電体層310を有する基板300には、バリア層340、例えば、タンタルと、過剰量の導電性材料360、例えば、銅とが充填される。過剰材料の堆積プロフィールは、狭い特徴画成部320上に形成された丘又は山とも称される高い過剰負担部370と、広い特徴画成部330上に形成された谷とも称される最小の過剰負担部380とを備えている。
【0117】
[0123]基板は、ここに述べる研磨組成物に露出され、導電性材料層360に不動態化層390を形成する。この不動態化層390は、堆積された導電性材料360に形成された高い過剰負担部370即ち山及び最小の過剰負担部380即ち谷を含む基板表面上の露出された導電性材料360に形成される。不動態化層390は、基板の表面を化学的及び/又は電気的反応から化学的及び/又は電気的に絶縁する。不動態化層は、不動態化膜又は絶縁膜を形成できる腐食防止剤及び/又は他の材料、例えば、キレート化剤に基板表面を露出させることで形成される。不動態化層の厚み及び密度は、化学反応の程度及び/又はアノード分解の量を規定することができる。例えば、より厚い又はより濃密な不動態化層390は、より薄い及びより濃密でない不動態化層に比して、僅かなアノード分解しか生じさせないことが観察されている。従って、不動態化剤、腐食防止剤及び/又はキレート化剤の組成を制御することで、基板表面から除去される材料の除去率及び量を制御することが許される。
【0118】
[0124]図4Bは、第1のECMPプロセスのバルク除去の後に、導電性材料360の少なくとも約50%、例えば、約90%が除去されたことを示している。第1のECMPプロセスの後も、導電性材料360は、高い過剰負担部370即ち山、及び/又は最小の過剰負担部380即ち谷を、比例的に減少したサイズではあるが、依然含み得る。しかしながら、導電性材料360は、基板表面にわたって若干平坦にもなり得る(図示せず)。
【0119】
[0125]基板表面と、導電性研磨用品のような研磨用品は、互いに接触されて、相対的軌道運動のような相対的運動で互いに移動され、露出した導電性材料360に形成された不動態化層390の部分を除去し、これは、その下に横たわる導電性材料360の一部分も除去し得る。
【0120】
[0126]基板表面及び研磨用品は、約2ポンド/平方インチ(lb/in又はpsi)(13.8kPa)未満の圧力で接触される。不動態化層390及びある程度の導電性材料360の除去は、圧力が約1psi(6.9kPa)以下、例えば、約0.01psi(69Pa)から約0.5psi(3.4kPa)のプロセスで実行することができる。このプロセスの1つの態様では、約0.2psi(1.4kPa)以下の圧力が使用される。
【0121】
[0127]ここで使用される研磨圧力は、低kの誘電体材料を含む基板に対するダメージ剪断力及び摩擦力を減少し又は最小にする。減少又は最小にされた力は、研磨による特徴部の変形及び欠陥形成を減少し又は最小にし得る。更に、この低い剪断力及び摩擦力は、研磨中のディッシング及びスクラッチや層剥離のようなトポグラフィー欠陥の形成を減少し又は最小にすることが観察されている。また、基板と導電性研磨用品との間の接触は、基板に接触するときに電源を研磨用品に結合することにより電源と基板との間の電気的接触も許容する。基板表面上の不動態化層を擾乱し又は除去するために、アノード分解や機械的な磨きにより非不動態化材料の領域を露出させて除去することができる。
【0122】
[0128]基板表面から導電性材料360をアノード分解するために、基板表面と導電性研磨用品との間の接触中に基板にバイアスが印加される。このバイアスは、一般に、約100mA/cmまでの電流密度で基板の表面から導電性材料のアノード分解を生じさせるために与えられ、この電流密度は、直径が約300mmまでの基板を処理するための約40アンペアの印加電流に相関している。例えば、直径300mmの基板は、電流密度が約0.001mA/cmから約50mA/cmであり、これは、約0.01Aから約35Aの印加電流に相関し得る。本発明は、バイアスを、ボルト、アンペア及びワットで印加し、監視することも意図している。例えば、一実施形態では、電源は、約0ワットから100ワットの電力、約0Vから約10Vの電圧、及び約0アンペアから約10アンペアの電流を印加してもよい。
【0123】
[0129]バイアス印加状態の下でのアノード分解中に、基板表面即ち導電性材料層360は、基板表面上の例えば金属材料のような導電性材料を「酸化」させるスレッシュホールド電位より高くアノードバイアスされてもよい。金属材料が酸化するときに、金属原子は、1つ以上の電子を電源へ引き渡し、金属イオン又はカチオンを形成する。金属イオンは、次いで、金属表面を去り、電解液中へと分解することができる。除去することが望まれる材料が銅である場合には、カチオンは、Cu1+又はCu2+酸化状態を取り得る。
【0124】
[0130]また、金属イオンは、不動態化層390の厚み及び/又は密度の形成にも貢献し得る。例えば、研磨組成物に見られる防止剤及び/又はキレート化剤は、金属イオンと錯体結合することができ、金属イオンは、不動態化層390に合体された状態になる。従って、研磨組成物に見られる防止剤及び/又はキレート化剤の存在は、電解液中への金属イオンの電気化学的分解プロセスを制限又は減少し、このような金属イオンを不動態化層390へ更に合体させる。擾乱されない不動態化層の厚み及び/又は密度は、基板表面上の導電性材料のアノード分解のために印加されるバイアスの周期後に増加し得ることが観察されている。擾乱されない不動態化層の厚み及び/又は密度の増加は、全印加電力に関係しており、時間及び/又は電力レベルの関数であると考えられる。また、擾乱されない不動態化層は、金属イオンを合体し、且つ金属イオンは、不動態化層の厚み及び/又は密度に貢献し得ることも観察されている。
【0125】
[0131]このバイアスは、基板表面から材料を除去する際のユーザ要求に基づいて電力及び印加を変化させることができる。例えば、電力印加を増加すると、アノード分解の増加を生じることが観察されている。また、バイアスは、電気的パルス変調技術により印加されてもよい。パルス変調技術は、種々のものでよいが、一般的には、第1の時間周期中に一定電流密度又は電圧を印加し、次いで、第2の時間周期中に電流密度又は電圧を印加しないか又は一定の逆電流密度又は電流を印加するというサイクルを含むことができる。次いで、1つ以上のサイクルにわたりプロセスを繰り返して、電力レベル及びその時間巾を変化させることができる。電力レベル、電力の時間巾、「オン」サイクル、及び無電力、「オフ」サイクル印加、並びにそれらサイクルの頻度は、除去率、除去されるべき材料、及び研磨プロセスの程度に基づいて変更することができる。例えば、電力レベルを増加すると共に、印加される電力の時間巾を増加すると、アノード分解が増加されることが観察されている。
【0126】
[0132]電気化学的機械的研磨のための1つのパルス変調プロセスでは、そのパルス変調プロセスは、電力印加周期「オン」の後に無電力印加周期「オフ」が続くようなオン/オフ電力技術を備えている。オン/オフサイクルは、研磨プロセス中に1回以上繰り返すことができる。「オン」周期は、基板表面から露出された導電性材料を除去するのを許し、一方、「オフ」周期は、「オン」周期の研磨組成物の成分及び副産物、例えば、金属イオンが表面へ拡散して導電性材料と錯体結合するのを許容する。パルス変調技術のプロセスの間に、金属イオンが移動して、非機械的擾乱エリアの不動態化層に付着することにより、腐食防止剤及び/又はキレート化剤と相互作用すると考えられる。従って、このプロセスは、「オン」印加中に不動態化層によりカバーされていない電気化学的に活性な領域においてエッチングを許し、次いで、パルス変調技術の「オフ」部分中にある領域では不動態化層の再形成を且つ他の領域では過剰材料の除去を許容する。従って、パルス変調技術を制御することで、基板表面から除去される材料の除去率及び量を制御することができる。
【0127】
[0133]「オン」/「オフ」時間周期は、各々約1秒から約60秒でよく、例えば、約2秒から約25秒でよく、本発明は、「オン」/「オフ」時間周期がここに示す時間周期より長い及び短いパルス技術の使用も意図している。パルス変調技術の一実施例では、電力が各サイクルの約16%から約66%の間印加される。
【0128】
[0134]ここに述べる材料の電気化学的機械的研磨のためのオン/オフサイクルを伴うパルス変調技術は、例えば、約5秒から約10秒間電力を印加し「オン」、次いで、約2秒から約25秒間電力を印加せず「オフ」;約10秒間電力を印加し、5秒間電力を印加せず、又は10秒間電力を印加し、2秒間電力を印加せず、或いは5秒間電力を印加し、25秒間電力を印加せず、希望の研磨結果を与えるようにすることを含むが、これに限定されない。これらのサイクルは、各選択されたプロセスに対して希望の頻度で繰り返すことができる。パルス変調プロセスの一例が、共通に譲渡された米国特許第6,379,223号に説明されており、これは、ここで請求する態様及び説明と矛盾しない程度に参考としてここに援用する。パルス変調技術の更に別の例が、2003年6月30日に出願された「Effective Method To Improve Surface Finish In ElectrochemicallyAssisted Chemical Mechanical Polishing」と題する出願中の米国プロビジョナル特許出願第10/611,805号に説明されており、これは、ここで請求する態様及び説明と矛盾しない程度に参考としてここに援用する。
【0129】
[0135]また、電力印加は、処理ステップに基づいて変化させてもよい。例えば、2ステッププロセスにおいて、第1の処理ステップは、第1の電力印加を有し、第2のステップは、第1の電力印加より少ない第2の電力印加を有してもよい。逆に、2ステッププロセスにおいて、第1の処理ステップは、第1の電力印加を有し、第2のステップは、第1の電力印加より大きな第2の電力印加を有してもよい。
【0130】
[0136]ここに述べるプロセスでは約15000Å/分までの導電性材料の除去率を達成することができる。それより高い除去率が一般には望まれるが、プロセスの均一性及び他のプロセス変数(例えば、アノード及びカソードにおける反応活動)を最大にするという目標のために、分解率を約100Å/分から約15000Å/分に制御するのが通常である。除去されるべき銅材料の厚みが5000Å未満である本発明の一実施形態では、約100Å/分から約5000Å/分の除去率を与えるように電圧(又は電流)を印加すればよい。基板は、通常、そこに配置された希望の材料の少なくとも一部分又は全部を除去するに充分な時間周期中、研磨組成物及び電力印加に露出される。
【0131】
[0137]研磨組成物は、導電性材料を除去する率を制御するように変更されてもよい。一実施形態では、第1のECMPプロセスが第1の研磨溶液で行われ、その後、第2のECMPプロセスが、第1の研磨溶液より希釈した第2の研磨溶液で行われ、例えば、第2の研磨溶液は、第1の研磨溶液の濃度の約25%である。例えば、第1のECMP組成物は、約1重量%から約10重量%の燐酸、約0.1重量%から約6重量%の少なくとも1つのキレート化剤、約0.01重量%から約1重量%の腐食防止剤、約0.5重量%から約10重量%の塩、約0.2重量%から約5重量%の酸化剤、及び約0.05重量%から約1重量%の磨き剤粒状物を含むことができる。第2のECMP組成物は、約0.25重量%から約5重量%の燐酸、約0.05重量%から約3重量%の少なくとも1つのキレート化剤、約0.005重量%から約0.5重量%の腐食防止剤、約0.13重量%から約5重量%の塩、約0.05重量%から約3重量%の酸化剤、及び約0.02重量%から約0.5重量%の磨き剤粒状物を含むことができる。ある実施形態では、第1のECMP溶液及び第2のECMP溶液が、水以外は、同様の相対的濃度の各成分を有し、一方、第2のECMP溶液は、第1のECMO溶液に、例えば、約3対約1の体積比で脱イオン水を合成することにより形成される。他の実施形態では、第1の研磨溶液及び第2の研磨溶液は、水中の各成分の相対的濃度が変更されている。
【0132】
[0138]一般的に、導電性材料360の除去率は、第1のECMPプロセス中の方が第2のECMPプロセス中よりも相当に高い。例えば、第1のECMPプロセスは、約1000Å/分から約15000Å/分の率で導電性材料360を除去し、一方、第2のECMPプロセスは、約100Å/分から約8000Å/分の率で導電性材料360を除去する。第2のECMPプロセスは、図1Bに示すディッシング55として知られた凹所又はくぼみのようなトポグラフィック欠陥を形成する過剰な金属除去を防止するために低速である。それ故、導電性層360の大部分は、第2のECMPプロセス中の残りの導電性層360よりも、第1のECMPプロセス中に高い率で除去される。2ステップのECMPプロセスは、欠陥がほとんど又は全くない滑らかな表面を形成しながら、全基板処理のスループットを高める。
【0133】
[0139]導電性研磨用品による機械的磨きは、アノード分解のための電流を絶縁又は抑制する不動態化層を除去し、導電性研磨用品203との接触が最小であるか又は接触しないエリアでは不動態化層が保持されるので高い過剰負担部のエリアが最小の過剰負担部のエリアより優先的に除去される。不動態化層によりカバーされた導電性材料360の除去率は、不動態化層をもたない導電性材料の除去率より低い。従って、狭い特徴画成部320及び基板フィールド350の上に配置された過剰な材料は、不動態化層390により依然カバーされている広い特徴画成部330の上よりも高い率で除去される。
【0134】
[0140]図4Cを参照すれば、第2のECMP研磨溶液を含む第2のECMPプロセスで基板を研磨することにより導電性層360の全部でないがほとんどが除去されて、バリア層340及び導電性トレンチ365を露出させる。導電性トレンチ365は、残りの導電性材料360により形成される。残留導電性材料及びバリア材料は、次いで、第3の研磨ステップにより研磨されて、図4Dに示すように、導電性トレンチ365を含む平坦化された基板表面を与えることができる。残留導電性材料及びバリア材料は、第3のECMPプロセス又はCMPプロセスのような第3の研磨プロセスにより除去することができる。銅の研磨プロセスが、例えば、米国特許公告第20030029841号に開示され、バリアの研磨プロセスが、例えば、米国特許公告第20030013306号に開示され、これらは、両方とも、ここで請求する態様及び開示と矛盾しない程度に参考としてここに援用する。
【0135】
[0141]導電性材料及びバリア材料の除去処理ステップの後に、基板をバフ処理して表面欠陥を最小にすることができる。バフ処理は、柔軟な研磨用品、即ちペンシルバニア州フィラデルフィアに本部があるアメリカン・ソサエティ・フォー・テスティング・アンド・マテリアルズ(ASTM)により規定され測定されたショアD硬度スケールで約40以下の硬度で、低い研磨圧力、例えば、約2psi以下において実行することができる。適当なバフプロセス及びその組成が、例えば、2000年5月11日に出願された出願中の米国特許出願第09/569,968号に開示されており、これは、本発明と矛盾しない程度に参考としてここに援用する。
【0136】
[0142]任意であるが、各研磨プロセスの後に、粒状物体及び研磨プロセスからの使用済み試薬を除去すると共に、研磨用品上の金属残留物堆積及び基板表面に形成される欠陥を最小にする上で助けとなるように、基板に洗浄溶液を適用してもよい。適当な洗浄溶液は、例えば、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから商業的に入手できるElectraClean(登録商標)である。
【0137】
[0143]最終的に、基板は、研磨後洗浄プロセスに露出され、研磨又は基板取り扱い中に形成される欠陥を減少することができる。このようなプロセスは、基板表面に形成された銅の特徴部における望ましからぬ酸化又は他の欠陥を最小にすることができる。このような研磨後洗浄は、例えば、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから商業的に入手できるElectraClean(登録商標)を適用することである。
【0138】
[0144]ここに述べるプロセスにより平坦化された基板は、ディッシングのようなトポグラフィー欠陥の減少、残留物の減少、平坦性の改善、及び基板の仕上げ状態の改善を示すことが観察されている。ここに述べるプロセスは、次の実施例により更に開示することができる。
【0139】
電気化学的機械的突出部処理
[0145]或いは又、化学的作用、機械的作用及び電気的作用を組み合せて使用して、材料を除去すると共に、中間突出部形成で基板表面を平坦化する電気化学的機械的研磨技術は、次のように行うことができる。
【0140】
[0146]電気化学的研磨プロセスを使用して、図5A−5Cに示すように基板表面からバルク導電性材料を除去し、次いで、化学的機械的研磨又は第2の電気化学的研磨プロセスを使用して、図5D−5Eに示すように残留銅含有材料を除去することができる。バルク材料とは、ここでは、基板表面に形成された特徴部を実質的に充填するに充分な以上の量で基板に堆積された材料として広く定義される。残留材料とは、1つ以上の研磨プロセスステップの後に残っているバルク銅含有材料として広く定義される。
【0141】
[0147]バルク除去の電気化学的機械的研磨プロセスは、第1の研磨プラテンにおいて実行し、一方、残留物除去プロセスは、第1プラテンと同じ又は異なる研磨装置の第2の研磨プラテンにおいて実行することができる。基板の層を通して導電性材料が拡散するのを防止するのに使用されるバリア材料は、ここに述べる装置の第3プラテンのような個別のプラテンにおいて除去することができる。例えば、ここに述べるプロセスに基づく上述した装置は、バルク材料を除去するための3つのプラテンを備えてもよく、或いはバルク材料を除去するための1つのプラテンと、残留物除去のための第2のプラテンと、バリア除去のための第3のプラテンとを備えてもよい。
【0142】
[0148]図5Aを参照すれば、狭い特徴画成部420及び広い特徴画成部430がパターン化された誘電体層410を有する基板400には、バリア層440、例えば、タンタルと、過剰量の導電性材料460、例えば、銅とが充填される。過剰材料の堆積プロフィールは、狭い特徴画成部420上に形成された丘又は山とも称される高い過剰負担部470と、広い特徴画成部430上に形成された谷とも称される最小の過剰負担部480とを備えている。
【0143】
[0149]基板は、ここに述べる研磨組成物495に露出され、導電性材料層460に不動態化層490を形成する。この不動態化層490は、堆積された導電性材料460に形成された高い過剰負担部470即ち山及び最小の過剰負担部480即ち谷を含む基板表面上の露出された導電性材料460に形成される。不動態化層490は、基板の表面を化学的及び/又は電気的反応から化学的及び/又は電気的に絶縁する。不動態化層は、不動態化膜又は絶縁膜を形成できる腐食防止剤及び/又は他の材料、例えば、キレート化剤に基板表面を露出させることで形成される。不動態化層の厚み及び密度は、化学反応の程度及び/又はアノード分解の量を規定することができる。例えば、より厚い又はより濃密な不動態化層490は、より薄い及びより濃密でない不動態化層に比して、僅かなアノード分解しか生じさせないことが観察されている。従って、不動態化剤、腐食防止剤及び/又はキレート化剤の組成を制御することで、基板表面から除去される材料の除去率及び量を制御することが許される。
【0144】
[0150]基板表面と、導電性研磨用品203のような研磨用品は、互いに接触されて、相対的軌道運動のような相対的運動で互いに移動され、図5Bに示すように、露出した導電性材料460に形成された不動態化層490の部分を除去し、これは、その下に横たわる導電性材料460の一部分も除去し得る。
【0145】
[0151]基板表面及び研磨用品は、約2psi未満の圧力で接触される。不動態化層490及びある程度の導電性材料460の除去は、圧力が約1psi以下、例えば、約0.01psiから約0.5psiのプロセスで実行することができる。このプロセスの1つの態様では、約0.2psi以下の圧力が使用される。
【0146】
[0152]図5Cを参照すれば、導電性研磨用品203による機械的磨きは、アノード分解のための電流を絶縁又は抑制する不動態化層を除去し、導電性研磨用品203との接触が最小であるか又は接触しないエリアでは不動態化層が保持されるので高い過剰負担部470及び基板フィールド450のエリアが最小の過剰負担部のエリアより優先的に除去される。不動態化層によりカバーされた導電性材料460の除去率は、不動態化層をもたない導電性材料の除去率より低い。従って、狭い特徴画成部420及び基板フィールド450の上に配置された過剰な材料は、不動態化層490により依然カバーされている広い特徴画成部430の上よりも高い率で除去される。
【0147】
[0153]図5Dを参照すれば、ここに述べるプロセスは、広い特徴部の上に形成された導電性材料層460に突出部500を形成するのを許容することができる。この突出部500は、導電性材料層460の他の部分より長い時間にわたり或いはより厚い又はより濃密な不動態化層の形成のために研磨されないか又は低い除去率で研磨される材料から形成される。例えば、突出部は、堆積された導電性材料の厚みの約50%まで、例えば、堆積された導電性材料の厚みの約1%から約40%でよい。ここに述べるプロセスは、堆積された材料の厚みの約20%から約30%の突出部を形成することが観察されている。
【0148】
[0154]突出部500の量又はサイズは、例えば、プロセスに使用する化学物質、電力印加、例えば、電力レベル、及びパルス変調技術を変更することで制御できる。本発明は、ここに述べる組成物及びここに述べる電力印加を、ここに詳細に例示する実施例を越えて変更して、前記突出部の形成及び/又は広い及び狭い特徴画成部の上の相対的な除去率を達成することも意図している。
【0149】
[0155]突出部のサイズは、ここに述べた腐食防止剤及び/又はキレート化剤の量、pHレベル、電力印加レベル、パルス変調技術のプロセスパラメータ、又はその組み合せにより制御することができる。例えば、腐食防止剤の量を増加すると、少ない量の腐食防止剤に比して、広い特徴部の上の突出量が増加することが観察された。
【0150】
[0156]同一の研磨条件の下で約6000Åの段高さをもつ約11500Å厚みの層を研磨するための1つの比較例では、腐食防止剤として0.3重量%のベンゾトリアゾール(BTA)をもつ組成物での研磨プロセスは、約4200Åの突出部高さ、即ち堆積された導電性材料の約36.5%の突出部を示し、一方、腐食防止剤として0.2重量%のBTAをもつ組成物での研磨プロセスは、約800Åの突出部高さ、即ち堆積された導電性材料の約7%の突出部を示した。この第1の比較例とは異なるが同一の研磨条件の下での別の比較例では、腐食防止剤として0.3重量%のBTAをもつ組成物での研磨プロセスは、約2500Åの突出部、即ち堆積された導電性材料の約22%の突出部を示し、一方、腐食防止剤として0.2重量%のBTAをもつ組成物での研磨プロセスは、約0Åの突出部を示し、即ち観察できる突出部はなかった。
【0151】
[0157]組成物のpHも、突出量に影響することが観察された。また、酸性組成物をあまりもたない組成物は、酸性組成物を多くもつ組成物より突出部高さが高いことも観察された。同じ研磨条件の下での比較例では、pHが6.5の研磨プロセスは、約3000Åの突出部高さ、即ち堆積された導電性材料の約26%の突出部を示し、pHが約5.8の研磨プロセスは、約200Åの突出部高さ、即ち堆積された導電性材料の約1.7%の突出部を示し、そしてpHが約4.5の研磨プロセスは、約0Åの突出部高さを示し、即ち観察できる突出部はなかった。更に、pHと腐食防止剤濃度とのバランスを利用して、選択的な突出量を与えることができる。例えば、低い腐食防止剤濃度においてpHが低いときには、腐食防止剤濃度が高くてpHが高いときと同じ突出量を生じ得る。
【0152】
[0158]電力印加も、プロセスにおいて突出量を制御するように適応させることができる。例えば、同じ又は同様の処理組成物では、パルス変調技術の「オン」部分において電力印加量が多い電力印加は、パルス変調技術の「オン」部分において印加電力量が少ない電力印加よりも高い突出部高さの形成を示した。プロセス中に印加される電力は、電圧、電流、電流密度、ワット数、又はアノード分解プロセスを監視し制御するのに適した他の手段として表されてもよい。例えば、電力レベルの増加、即ち電圧、電流、電流密度又はワット数の増加、電力周期又はパルスの時間巾の増加、或いはその組み合せにより、多量の電力印加を達成することができる。電力及びパルス変調技術は、処理パラメータの変化に基づいて変更されてもよく、例えば、異なる電解液組成物は、異なる導電率を有してもよく、また、異なる電力レベル及びパルス変調を必要としてもよい。
【0153】
[0159]「オン」位置において、電力が印加されたときには、不動態化層の形成は、金属イオンが不動態化層の成分と錯体結合するので、厚み及び/又は密度を増加することができ、一方、「オフ」位置では、不動態化層は、除去されつつある導電性材料の表面付近で電解液中のイオンが欠乏するために、より大きな磨き及び除去を受ける。
【0154】
[0160]従って、基板に印加される全電力を増加し、例えば、印加電力の時間巾又は大きさを増加すると、突出高さの増加を生じることが観察されている。同様の処理条件の下で、BTAが0.3重量%で、pHが約6.5である組成物を使用する1つの比較例では、約11500Å以下の金属層に対する約4000Åの突出部高さ、即ち堆積された導電性材料の約35%の突出部が、「オン」の電力印加のみのもとで形成されることが観察されており、一方、5秒「オン」及び5秒「オフ」のパルス変調技術は、400Å未満の突出部高さを生じることが観察されている。
【0155】
[0161]図4Eを参照すれば、残りの導電性材料及びバリア層材料を第2の研磨ステップにより研磨して、平坦化された基板表面を形成することができる。残りの導電性材料及びバリア層材料は、少なくとも化学的機械的研磨プロセスにより除去することができる。化学的機械的研磨プロセスは、狭い特徴画成部の上に配置された材料に比して、高い除去率で、広い特徴画成部の上から材料を除去することが観察されているので、導電性材料の突出部500は、広い特徴画成部にディッシングを伴うことなく且つ狭い特徴画成部上の残留物形成が最小又は全くない状態で導電性材料を平坦化することを加味したものである。銅研磨プロセスは、例えば、2001年12月18日に出願された「Method And Apparatus For Polishing Metal And Dielectric Substrates」と題する米国特許出願第10/025,144号[代理人ドケット番号5999]に開示されており、また、バリア研磨プロセスは、例えば、2002年7月11日に出願された「Dual Reduced Agents For Barrier Removal In Chemical MechanicalPolishing」と題する米国特許出願第10/193,810号[代理人ドケット番号5845.02]に開示されており、これらは、ここで請求する態様及び開示と矛盾しない程度に参考としてここに援用する。
【0156】
[0162]第2の研磨ステップは、ここで説明した電気化学的機械的研磨ステップでもよい。この第2の電気化学的機械的研磨ステップは、第1の研磨ステップに比して、或いは狭い特徴画成部の上に配置された材料の除去率に比して、基板表面に配置された材料を、広い特徴画成部の上で、より高い除去率で除去させて、導電性材料の平坦化を与えるように適応させてもよい。第2の電気化学的機械的研磨ステップの相対的除去率は、ここに述べる化学的機械的研磨プロセスで観察される除去率プロフィールに匹敵するように適応されてもよい。
【0157】
[0163]化学的機械的研磨技術に一致する第2の電気化学的機械的研磨プロセスの除去率プロフィールは、多数の解決策により達成することができる。一実施例では、第1の電気化学的機械的研磨ステップが、第2の電気化学的機械的研磨ステップより多量の腐食防止剤又はそれより高いpHを有し、第1の電気化学的機械的研磨ステップでは突出部を形成するが、第2の電気化学的機械的研磨ステップでは突出部を発生しないことを考慮してもよい。別の実施例において、第1の電気化学的機械的研磨ステップのパルス変調技術に比して、広い特徴部上の除去率を高めるようなパルス変調技術を第2の電気化学的機械的研磨ステップに使用して、突出部の形成及び相対的除去率を制御してもよい。pH及びパルス変調技術の両方の組み合せを、第1及び第2の両方の電気化学的機械的研磨プロセスに使用して、希望の通りに突出部を形成又は除去する希望の除去率プロフィールを与えるようにしてもよい。
【0158】
[0164]更に、第2の研磨ステップが化学的機械的研磨ステップであるときには、化学的機械的研磨プロセスの組成物は、第2の電気化学的機械的研磨ステップについて述べたように基板を平坦化するための希望のプロフィールを与えるように適応されてもよい。例えば、化学的機械的研磨プロセスは、電気化学的機械的研磨ステップより少量の腐食防止剤又はそれより低いpHを有し、電気化学的機械的研磨ステップでは突出部を形成するが、化学的機械的研磨ステップでは突出部を発生せず及び/又は突出部を除去することを考慮してもよい。
【0159】
[0165]導電性材料及びバリア材料の除去処理ステップの後に、請求項5A−5Eについて述べたように、基板をバフ処理し洗浄してもよい。
【0160】
[0166]ここに述べるプロセスにより平坦化された基板は、ディッシングのようなトポグラフィー欠陥の減少、残留物の減少、平坦性の改善、及び基板仕上げの改善を示すことが観察されている。ここに述べるプロセスは、次の実施例により更に開示することができる。
【0161】
実施例
[0167]以下の非限定実施例は、本発明の実施形態を更に例示するためのものである。しかしながら、これら実施例は、全てを包含するものではなく、また、ここに述べる本発明の範囲を限定するものでないことが意図される。
【0162】
研磨組成物の実施例/基線
基線実施例
[0168]本発明の実施形態において、酸性系電解液システム、1つ以上のキレート化剤、1つ以上の腐食防止剤、1つ以上のpH調整剤、1つ以上の添加物、及び溶媒、又はその組み合せを含む研磨組成物に基板208を入れる。基板表面を、電源200の使用により、電極209に対して約2.9Vの電圧にアノードバイアスする。研磨ヘッド202により基板に0.2psiの圧力を印加し、基板を導電性パッド203に押し付ける。基板208及び導電性パッド203を互いに移動させる。この実施形態の上記要素の組み合せで、約4000Å/分の材料除去率を与えることができる。この材料除去率を得るために電極209と基板208との間に印加されるバイアス電圧の大きさは、電解液の導電率、及び電極209と基板208との間の距離を含む多数のファクタに依存することに注意されたい。考えられる研磨組成物を、以下に示す組成物実施例の実施例1に例示する。
【0163】
酸化剤の実施例
[0169]別の実施形態では、上述した基線実施例の研磨組成物に酸化剤を添加して、基板の表面に対する錯体結合金属イオンの付着強度を変化させる。酸化剤の存在により錯体結合金属イオンの付着力が弱まるために、印加圧力及びバイアス電圧が(上述の)基線実施例に対して一定に保持されても、材料除去率を高くすることができる。0.2psiの圧力では、約6000Å/分の除去率が得られている。この実施形態に対する考えられる研磨組成物を、以下に示す組成物実施例の実施例2に例示する。
【0164】
磨き剤粒子の実施例
[0170]更に別の実施形態では、上述した基線実施例の研磨組成物に磨き剤粒子を添加する。この実施形態では、印加圧力及びバイアス電圧が基線実施例に対して一定に保持されても、表面仕上げ及び材料除去率の改善を得ることができる。材料除去率の上昇及び表面仕上げの改善は、おそらく、導電性パッド203と基板表面との間の接触面積の増加によるものである。接触面積の増加は、錯体結合金属イオンが高い付着強度を有していても、それらをより効率的に除去する上で助けとなると思われる。0.2psiの圧力、及び基線実施例と同様のバイアス電圧において、約4800Å/分の除去率を達成することができる。この実施形態を使用して達成される表面仕上げは、従来のCMPプロセスの使用により見られる表面仕上げに匹敵する(同程度の大きさ)。この実施形態に対する考えられる研磨組成物を、以下に示す組成物実施例の実施例3に例示する。
【0165】
酸化剤及び磨き剤粒子の実施例
[0171]更に別の実施形態において、基線実施例の研磨組成物に磨き剤粒子及び1つ以上の酸化剤を添加して、除去率を高めると共に、良好な表面仕上げを生じさせる。これは、印加圧力及びバイアス電圧が上述の基線実施例に対して一定に保持されても、達成できる。0.2psiの圧力及び同様のバイアス電圧で、約6000Å/分の除去率を達成できる一方、従来のCMPプロセスに匹敵する表面仕上げを達成することができる。この実施形態に対する考えられる研磨組成物を、以下に示す組成物実施例の実施例4に例示する。
【0166】
[0172]それ故、本発明の1つの特徴は、トポグラフィー欠陥の形成を最小にしながら、材料除去率を向上させるようにパッド圧力及び研磨組成物の成分を調整できるようにすることである。
【0167】
組成物の実施例
[0173]以下の非限定実施例は、本発明の実施形態を更に例示するためのものである。しかしながら、これら実施例は、全てを包含するものではなく、また、ここに述べる本発明の範囲を限定するものでないことが意図される。
【0168】
実施例1:
[0174]銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるReflection(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。
【0169】
約6体積%の燐酸、
約2体積%のエチレンジアミン、
約2重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.3重量%のベンゾトリアゾール
約5のpHを与えるための約2から約6体積%の水酸化カリウム、及び
脱イオン水。
【0170】
実施例2:
[0175]銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるReflection(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。
【0171】
約6体積%の燐酸、
約2体積%のエチレンジアミン、
約2重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.3重量%のベンゾトリアゾール
約5のpHを与えるための約2から約6体積%の水酸化カリウム、
約0.45体積%の過酸化水素、及び
脱イオン水。
【0172】
実施例3:
[0176]銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるReflection(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。
【0173】
約6体積%の燐酸、
約2体積%のエチレンジアミン、
約2重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.3重量%のベンゾトリアゾール
約6のpHを与えるための約2から約6体積%の水酸化カリウム、
約0.1重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0174】
実施例4:
[0177]銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるReflection(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。
【0175】
約6体積%の燐酸、
約2体積%のエチレンジアミン、
約2重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.3重量%のベンゾトリアゾール
約5のpHを与えるための約2から約6体積%の水酸化カリウム、
約0.45体積%の過酸化水素、
約0.15重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0176】
実施例5:
[0178]銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるReflection(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。
【0177】
約1.5体積%の燐酸、
約0.4体積%のエチレンジアミン、
約0.8重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.25重量%のベンゾトリアゾール
約5.4のpHを与えるための約0.5から約3体積%の40%水酸化カリウム溶液、
約0.5体積%の過酸化水素、及び
脱イオン水。
【0178】
実施例6:
[0179]銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるReflection(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。
【0179】
約1.5体積%の燐酸、
約0.4体積%のエチレンジアミン、
約0.8重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.25重量%のベンゾトリアゾール
約5.4のpHを与えるための約0.5から約3体積%の40%水酸化カリウム溶液、
約0.7重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0180】
実施例7:
[0180]銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるReflection(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。
【0181】
約1.5体積%の燐酸、
約0.4体積%のエチレンジアミン、
約0.8重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.25重量%のベンゾトリアゾール
約5.4のpHを与えるための約0.5から約3体積%の40%水酸化カリウム溶液、
約0.5体積%の過酸化水素、
約0.7重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0182】
実施例8:
[0181]銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるReflection(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。
【0183】
約1.5体積%の燐酸、
約0.4体積%のエチレンジアミン、
約0.8重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.25重量%のベンゾトリアゾール
約0.2重量%のポリエチレングリコール、
約5.4のpHを与えるための約0.5から約3体積%の40%KOH溶液、
約0.5体積%の過酸化水素、
約0.7重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0184】
実施例9:
[0182]銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるReflection(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。
【0185】
約1.0体積%の燐酸、
約0.5体積%のグリコール、
約0.35重量%のベンゾトリアゾール
約4.9のpHを与えるための約0.5から約3体積%の40%KOH溶液、
約0.5体積%の過酸化水素、
約0.7重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0186】
実施例10:
[0183]銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるReflection(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。
【0187】
約0.6体積%の燐酸、
約1.0体積%のグリコール、
約0.35重量%のベンゾトリアゾール
約6.1のpHを与えるための約0.5から約3体積%の40%KOH溶液、
約0.5体積%の過酸化水素、
約0.7重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0188】
2ステップ研磨の実施例:
実施例1:
[0184]直径300mmの銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるREFLEXION(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。基板表面に約11500Å厚みの銅層を有し、段高さが約6000Åである基板を第1プラテンに載せ、次の研磨組成物に露出させた。
【0189】
約6体積%の燐酸、
約2体積%のエチレンジアミン、
約2重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.3重量%のベンゾトリアゾール
約5のpHを与えるための約2から約6体積%の40%KOH溶液、
約0.45体積%の過酸化水素、
約0.15重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0190】
[0185]研磨用品を約0.2psiで基板に接触させ、プロセス中に約25mA/cm(約17−18アンペア又は約3ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。銅層の厚みは、約1500Åに減少した。
【0191】
[0186]基板を第2プラテンに載せた後に、次の研磨組成物に露出させた。
【0192】
約1.5体積%の燐酸、
約0.4体積%のエチレンジアミン、
約0.8重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.25重量%のベンゾトリアゾール
約5.4のpHを与えるための約0.5から約3体積%の40%KOH溶液、
約0.5体積%の過酸化水素、
約0.7重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0193】
[0187]研磨用品を約0.1psiで基板に接触させ、プロセス中に約7mA/cm(約4−5アンペア又は約1.5ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。基板表面に以前にあった過剰な銅層が除去されてバリア層及び銅のトレンチが残った。
【0194】
実施例2:
[0188]直径300mmの銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるREFLEXION(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。基板表面に約11500Å厚みの銅層を有し、段高さが約6000Åである基板を第1プラテンに載せ、次の研磨組成物に露出させた。
【0195】
約6体積%の燐酸、
約2体積%のエチレンジアミン、
約2重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.3重量%のベンゾトリアゾール
約5のpHを与えるための約2から約6体積%の40%KOH溶液、
約0.45体積%の過酸化水素、
約0.15重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0196】
[0189]研磨用品を約0.2psiで基板に接触させ、プロセス中に約25mA/cm(約17−18アンペア又は約3ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。銅層の厚みは、約1500Åに減少した。
【0197】
[0190]基板を第2プラテンに載せた後に、次の研磨組成物に露出させた。
【0198】
約1.5体積%の燐酸、
約0.4体積%のエチレンジアミン、
約0.8重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.25重量%のベンゾトリアゾール
約0.2重量%のポリエチレングリコール、
約5.4のpHを与えるための約0.5から約3体積%の40%KOH溶液、
約0.5体積%の過酸化水素、
約0.7重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0199】
[0191]研磨用品を約0.1psiで基板に接触させ、プロセス中に約7mA/cm(約4−5アンペア又は約1.5ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。基板表面に以前にあった過剰な銅層が除去されてバリア層及び銅のトレンチが残った。
【0200】
実施例3:
[0192]直径300mmの銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるREFLEXION(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。基板表面に約11500Å厚みの銅層を有し、段高さが約6000Åである基板を第1プラテンに載せ、次の研磨組成物に露出させた。
【0201】
約6体積%の燐酸、
約2体積%のエチレンジアミン、
約2重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.3重量%のベンゾトリアゾール
約5のpHを与えるための約2から約6体積%の40%KOH溶液、
約0.45体積%の過酸化水素、
約0.15重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0202】
[0193]研磨用品を約0.2psiで基板に接触させ、プロセス中に約25mA/cm(約17−18アンペア又は約3ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。銅層の厚みは、約1500Åに減少した。
【0203】
[0194]基板を第2プラテンに載せた後に、次の研磨組成物に露出させた。
【0204】
約1.0体積%の燐酸、
約0.5体積%のグリシン、
約0.35重量%のベンゾトリアゾール
約4.9のpHを与えるための約0.5から約3体積%の40%KOH溶液、
約0.5体積%の過酸化水素、
約0.7重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0205】
[0195]研磨用品を約0.1psiで基板に接触させ、プロセス中に約7mA/cm(約4−5アンペア又は約1.5ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。基板表面に以前にあった過剰な銅層が除去されてバリア層及び銅のトレンチが残った。
【0206】
実施例4:
[0196]直径300mmの銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるREFLEXION(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。基板表面に約11500Å厚みの銅層を有し、段高さが約6000Åである基板を第1プラテンに載せ、次の研磨組成物に露出させた。
【0207】
約6体積%の燐酸、
約2体積%のエチレンジアミン、
約2重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.3重量%のベンゾトリアゾール
約5のpHを与えるための約2から約6体積%の40%KOH溶液、
約0.45体積%の過酸化水素、
約0.15重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0208】
[0197]研磨用品を約0.2psiで基板に接触させ、プロセス中に約25mA/cm(約17−18アンペア又は約3ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。銅層の厚みは、約1500Åに減少した。
【0209】
[0198]基板を第2プラテンに載せた後に、次の研磨組成物に露出させた。
【0210】
約0.6体積%の燐酸、
約1.0体積%のグリシン、
約0.35重量%のベンゾトリアゾール
約6.1のpHを与えるための約0.5から約3体積%の40%KOH溶液、
約0.5体積%の過酸化水素、
約0.7重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0211】
[0199]研磨用品を約0.1psiで基板に接触させ、プロセス中に約7mA/cm(約4−5アンペア又は約1.5ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。基板表面に以前にあった過剰な銅層が除去されてバリア層及び銅のトレンチが残った。
【0212】
実施例5:
[0200]直径300mmの銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるREFLEXION(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。基板表面に約11500Å厚みの銅層を有し、段高さが約6000Åである基板を第1プラテンに載せ、次の研磨組成物に露出させた。
【0213】
約6体積%の燐酸、
約2体積%のエチレンジアミン、
約2重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.3重量%のベンゾトリアゾール
約5のpHを与えるための約2から約6体積%の40%KOH溶液、
約0.45体積%の過酸化水素、
約0.15重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0214】
[0201]研磨用品を約0.2psiで基板に接触させ、プロセス中に約25mA/cm(約17−18アンペア又は約3ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。銅層の厚みは、約1500Åに減少した。
【0215】
[0202]基板を第2プラテンに載せた後に、次の研磨組成物に露出させた。
【0216】
約0.6体積%の燐酸、
約1.5体積%のグリシン、
約0.35重量%のベンゾトリアゾール
約6.1のpHを与えるための約0.5から約3体積%の40%KOH溶液、
約0.5体積%の過酸化水素、
約0.7重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0217】
[0203]研磨用品を約0.1psiで基板に接触させ、プロセス中に約7mA/cm(約4−5アンペア又は約1.5ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。基板表面に以前にあった過剰な銅層が除去されてバリア層及び銅のトレンチが残った。
【0218】
実施例6:
[0204]直径300mmの銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるREFLEXION(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。基板表面に約11500Å厚みの銅層を有し、段高さが約6000Åである基板を第1プラテンに載せ、次の研磨組成物に露出させた。
【0219】
約6体積%の燐酸、
約2体積%のエチレンジアミン、
約2重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.3重量%のベンゾトリアゾール
約5のpHを与えるための約2から約6体積%の40%KOH溶液、
約0.45体積%の過酸化水素、
約0.15重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0220】
[0205]研磨用品を約0.2psiで基板に接触させ、プロセス中に約25mA/cm(約17−18アンペア又は約3ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。銅層の厚みは、約1500Åに減少した。
【0221】
[0206]基板を第2プラテンに載せた後に、次の研磨組成物に露出させた。
【0222】
約0.6体積%の燐酸、
約2.0体積%のグリシン、
約0.35重量%のベンゾトリアゾール
約6.1のpHを与えるための約0.5から約3体積%の40%KOH溶液、
約0.5体積%の過酸化水素、
約0.7重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0223】
[0207]研磨用品を約0.1psiで基板に接触させ、プロセス中に約7mA/cm(約4−5アンペア又は約1.5ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。基板表面に以前にあった過剰な銅層が除去されてバリア層及び銅のトレンチが残った。
【0224】
実施例7:
[0208]直径300mmの銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるREFLEXION(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。基板表面に約11500Å厚みの銅層を有し、段高さが約6000Åである基板を第1プラテンに載せ、次の研磨組成物に露出させた。
【0225】
約6体積%の燐酸、
約2体積%のエチレンジアミン、
約2重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.3重量%のベンゾトリアゾール
約5のpHを与えるための約2から約6体積%の40%KOH溶液、
約0.45体積%の過酸化水素、
約0.15重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0226】
[0209]研磨用品を約0.2psiで基板に接触させ、プロセス中に約25mA/cm(約17−18アンペア又は約3ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。銅層の厚みは、約1500Åに減少した。
【0227】
[0210]基板を第2プラテンに載せた後に、次の研磨組成物に露出させた。
【0228】
約1.5体積%の燐酸、
約0.4体積%のエチレンジアミン、
約0.8重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.25重量%のベンゾトリアゾール
約5.4のpHを与えるための約0.5から約3体積%の40%KOH溶液、
約0.7重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0229】
[0211]研磨用品を約0.1psiで基板に接触させ、プロセス中に約7mA/cm(約4−5アンペア又は約1.5ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。基板表面に以前にあった過剰な銅層が除去されてバリア層及び銅のトレンチが残った。
【0230】
実施例8:
[0212]直径300mmの銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるREFLEXION(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。基板表面に約11500Å厚みの銅層を有し、段高さが約6000Åである基板を第1プラテンに載せ、次の研磨組成物に露出させた。
【0231】
約6体積%の燐酸、
約2体積%のエチレンジアミン、
約2重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.3重量%のベンゾトリアゾール
約5のpHを与えるための約2から約6体積%の40%KOH溶液、
約0.45体積%の過酸化水素、
約0.15重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0232】
[0213]研磨用品を約0.2psiで基板に接触させ、プロセス中に約25mA/cm(約17−18アンペア又は約3ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。銅層の厚みは、約1500Åに減少した。
【0233】
[0214]基板を第2プラテンに載せた後に、次の研磨組成物に露出させた。
【0234】
約1.5体積%の燐酸、
約0.4体積%のエチレンジアミン、
約0.8重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.25重量%のベンゾトリアゾール
約0.2重量%のポリエチレングリコール、
約5.4のpHを与えるための約0.5から約3体積%の40%KOH溶液、
約0.7重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0235】
[0215]研磨用品を約0.1psiで基板に接触させ、プロセス中に約7mA/cm(約4−5アンペア又は約1.5ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。基板表面に以前にあった過剰な銅層が除去されてバリア層及び銅のトレンチが残った。
【0236】
実施例9:
[0216]直径300mmの銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるREFLEXION(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。基板表面に約11500Å厚みの銅層を有し、段高さが約6000Åである基板を第1プラテンに載せ、次の研磨組成物に露出させた。
【0237】
約6体積%の燐酸、
約2体積%のエチレンジアミン、
約2重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.3重量%のベンゾトリアゾール
約5のpHを与えるための約2から約6体積%の40%KOH溶液、
約0.45体積%の過酸化水素、
約0.15重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0238】
[0217]研磨用品を約0.2psiで基板に接触させ、プロセス中に約25mA/cm(約17−18アンペア又は約3ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。銅層の厚みは、約1500Åに減少した。
【0239】
[0218]基板を第2プラテンに載せた後に、次の研磨組成物に露出させた。
【0240】
約1.0体積%の燐酸、
約0.5体積%のグリシン、
約0.35重量%のベンゾトリアゾール
約5.9のpHを与えるための約0.5から約3体積%の40%KOH溶液、
約0.7重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0241】
[0219]研磨用品を約0.1psiで基板に接触させ、プロセス中に約7mA/cm(約4−5アンペア又は約1.5ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。基板表面に以前にあった過剰な銅層が除去されてバリア層及び銅のトレンチが残った。
【0242】
実施例10:
[0220]直径300mmの銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるREFLEXION(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。基板表面に約11500Å厚みの銅層を有し、段高さが約6000Åである基板を第1プラテンに載せ、次の研磨組成物に露出させた。
【0243】
約6体積%の燐酸、
約2体積%のエチレンジアミン、
約2重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.3重量%のベンゾトリアゾール
約5のpHを与えるための約2から約6体積%の40%KOH溶液、
約0.45体積%の過酸化水素、
約0.15重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0244】
[0221]研磨用品を約0.2psiで基板に接触させ、プロセス中に約25mA/cm(約17−18アンペア又は約3ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。銅層の厚みは、約1500Åに減少した。
【0245】
[0222]基板を第2プラテンに載せた後に、次の研磨組成物に露出させた。
【0246】
約0.6体積%の燐酸、
約1.0体積%のグリシン、
約0.35重量%のベンゾトリアゾール
約6.1のpHを与えるための約0.5から約3体積%の40%KOH溶液、
約0.7重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0247】
[0223]研磨用品を約0.1psiで基板に接触させ、プロセス中に約7mA/cm(約4−5アンペア又は約1.5ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。基板表面に以前にあった過剰な銅層が除去されてバリア層及び銅のトレンチが残った。
【0248】
実施例11:
[0224]直径300mmの銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるREFLEXION(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。基板表面に約11500Å厚みの銅層を有し、段高さが約6000Åである基板を第1プラテンに載せ、次の研磨組成物に露出させた。
【0249】
約6体積%の燐酸、
約2体積%のエチレンジアミン、
約2重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.3重量%のベンゾトリアゾール
約5のpHを与えるための約2から約6体積%の40%KOH溶液、
約0.45体積%の過酸化水素、
約0.15重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0250】
[0225]研磨用品を約0.2psiで基板に接触させ、プロセス中に約25mA/cm(約17−18アンペア又は約3ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。銅層の厚みは、約1500Åに減少した。
【0251】
[0226]基板を第2プラテンに載せた後に、次の研磨組成物に露出させた。
【0252】
約0.6体積%の燐酸、
約1.5体積%のグリシン、
約0.35重量%のベンゾトリアゾール
約6.1のpHを与えるための約0.5から約3体積%の40%KOH溶液、
約0.7重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0253】
[0227]研磨用品を約0.1psiで基板に接触させ、プロセス中に約7mA/cm(約4−5アンペア又は約1.5ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。基板表面に以前にあった過剰な銅層が除去されてバリア層及び銅のトレンチが残った。
【0254】
実施例12:
[0228]直径300mmの銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるREFLEXION(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。基板表面に約11500Å厚みの銅層を有し、段高さが約6000Åである基板を第1プラテンに載せ、次の研磨組成物に露出させた。
【0255】
約6体積%の燐酸、
約2体積%のエチレンジアミン、
約2重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.3重量%のベンゾトリアゾール
約5のpHを与えるための約2から約6体積%の40%KOH溶液、
約0.45体積%の過酸化水素、
約0.15重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0256】
[0229]研磨用品を約0.2psiで基板に接触させ、プロセス中に約25mA/cm(約17−18アンペア又は約3ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。銅層の厚みは、約1500Åに減少した。
【0257】
[0230]基板を第2プラテンに載せた後に、次の研磨組成物に露出させた。
【0258】
約0.6体積%の燐酸、
約2.0体積%のグリシン、
約0.35重量%のベンゾトリアゾール
約6.1のpHを与えるための約0.5から約3体積%の40%KOH溶液、
約0.7重量%のシリカ(SiO)磨き剤粒子、及び
脱イオン水。
【0259】
[0231]研磨用品を約0.1psiで基板に接触させ、プロセス中に約7mA/cm(約4−5アンペア又は約1.5ボルト)のバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。基板表面に以前にあった過剰な銅層が除去されてバリア層及び銅のトレンチが残った。
【0260】
突出部の実施例
実施例1:
[0232]銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるREFLEXION(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。基板表面に約11500Å厚みの銅層を有し、段高さが約6000Åである基板を次の研磨組成物に露出させた。
【0261】
約6体積%の燐酸、
約2体積%のエチレンジアミン、
約2重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.3重量%のベンゾトリアゾール
約5のpHを与えるための約2から約6体積%の水酸化カリウム、及び
脱イオン水。
研磨用品を約0.2psiで基板に接触させ、プロセス中に約3ワット/ボルトのバイアスを印加した。基板を研磨して検査した。広い特徴画成部の上に約4000Åの突出部高さが観察された。
【0262】
実施例2:
[0233]銅メッキした基板を、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから入手できるREFLEXION(登録商標)システムの変型セル内で次の研磨組成物を使用して研磨し平坦化した。基板表面に約11500Å厚みの銅層を有し、段高さが約6000Åである基板を次の研磨組成物に露出させた。
【0263】
約6体積%の燐酸、
約2体積%のエチレンジアミン、
約2重量%のクエン酸アンモニウム、
約0.3重量%のベンゾトリアゾール
約5のpHを与えるための約2から約6体積%の水酸化カリウム、及び
脱イオン水。
研磨用品を約0.2psiで基板に接触させ、10秒オン及び2秒オフのパルス技術により約3ワット/ボルトのバイアスを8サイクルにわたり印加した。基板を研磨して検査した。広い特徴画成部の上に約1500Åの突出部高さが観察された。
【0264】
[0234]以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の基本的な範囲から逸脱せずに他の及び更に別の実施形態を案出することができ、従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲により決定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0265】
【図1A】従来のプロセスにより基板に対して実行される研磨プロセスを示す概略断面図である。
【図1B】従来のプロセスにより基板に対して実行される研磨プロセスを示す概略断面図である。
【図2】本発明の処理装置の一実施形態を示す平面図である。
【図3】研磨プロセスステーションの一実施形態を示す断面図である。
【図3A】導電性用品203の一実施形態を示す概略断面図である。
【図4A】ここに述べた基板表面を平坦化するための一実施形態に基づいて基板において実行される研磨プロセスを示す概略断面図である。
【図4B】ここに述べた基板表面を平坦化するための一実施形態に基づいて基板において実行される研磨プロセスを示す概略断面図である。
【図4C】ここに述べた基板表面を平坦化するための一実施形態に基づいて基板において実行される研磨プロセスを示す概略断面図である。
【図4D】ここに述べた基板表面を平坦化するための一実施形態に基づいて基板において実行される研磨プロセスを示す概略断面図である。
【図5A】ここに述べた基板表面を平坦化するための別の実施形態に基づいて基板において実行される研磨プロセスを示す概略断面図である。
【図5B】ここに述べた基板表面を平坦化するための別の実施形態に基づいて基板において実行される研磨プロセスを示す概略断面図である。
【図5C】ここに述べた基板表面を平坦化するための別の実施形態に基づいて基板において実行される研磨プロセスを示す概略断面図である。
【図5D】ここに述べた基板表面を平坦化するための別の実施形態に基づいて基板において実行される研磨プロセスを示す概略断面図である。
【図5E】ここに述べた基板表面を平坦化するための別の実施形態に基づいて基板において実行される研磨プロセスを示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0266】
100…電気化学的処理装置、102、103…電気化学的機械的研磨(ECMP)ステーション、104…計測装置、106…従来の研磨ステーション、110…移送ステーション、112…カルーセル、114…基板、116…ロードロボット、120…ファクトリインターフェイス、122…洗浄モジュール、124…入力バッファステーション、126…出力バッファステーション、128…ロードカップアッセンブリ、130…研磨ヘッド、132…移送ロボット、138…アーム、140…コントローラ、142中央処理装置(CPU)、144…メモリ、146…サポート回路、200…プロセスセル、202…研磨ヘッド、203…導電性研磨用品、204…深皿、206…ベース、207…バッキング、208…基板、209…電極、210…駆動システム、214…ハウジング、216…嚢、219…出口ドレン、219A…出口バルブ、222…研磨用品アッセンブリ、224…電源、226…スリップリング、228…捕獲深皿、232…研磨組成物配送システム、234…ベアリング、236…駆動システム、238…保持リング、242…研磨組成物源、250…コンディショニング装置、252…アーム、254…支柱、258…コンディショニング素子、272…導電性部分、274…サブパッド(用品支持部分)、275…接着層、276…介在パッド、278…導電性ホイル、280…導電性織物、300…基板、310…誘電体層、340…バリア層、320…狭い特徴画成部、330…広い特徴画成部、360…導電性材料層、370…高い過剰負担部、380…最小の過剰負担部、390…不動態化層、400…基板、410…誘電体層、420…狭い特徴画成部、430…広い特徴画成部、440…バリア層、460…導電性層、470…高い過剰負担部、480…最小の過剰負担部、490…不動態化層、495…研磨組成物、500…突出部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性材料層が配置された基板を処理する方法において、
上記基板を処理装置に位置させるステップと、
上記基板を第1の研磨組成物に露出させるステップと、
上記基板に第1バイアスを印加するステップと、
上記導電性材料層のバルク部分を除去するステップと、
上記基板を第2の研磨組成物に露出させるステップと、
上記基板を研磨して、上記導電性材料層の残留部分を除去するステップと、
を備えた方法。
【請求項2】
上記導電性層のバルク部分を除去する上記ステップは、上記導電性材料層の少なくとも50%を除去することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記導電性層のバルク部分を除去する上記ステップは、上記導電性材料層の少なくとも80%を除去することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
上記導電性材料層は、銅又は銅合金で構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
上記第1の研磨組成物は、
燐酸と、
少なくとも1つのキレート化剤と、
腐食防止剤と、
塩と、
酸化剤と、
磨き剤粒状物と、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
上記第1の研磨組成物は、
約1重量%から約10重量%の燐酸と、
約0.1重量%から約6重量%の少なくとも1つのキレート化剤と、
約0.01重量%から約1重量%の腐食防止剤と、
約0.5重量%から約10重量%の塩と、
約0.2重量%から約5重量%の酸化剤と、
約0.05重量%から約1重量%の磨き剤粒状物と、
を含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
上記第2の研磨組成物は、
燐酸と、
少なくとも1つのキレート化剤と、
腐食防止剤と、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
上記第2の研磨組成物は、
約0.1重量%から約5重量%の燐酸と、
約0.1重量%から約5重量%の少なくとも1つのキレート化剤と、
約0.01重量%から約1重量%の腐食防止剤と、
を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
上記第2の研磨組成物の上記少なくとも1つのキレート化剤は、グリシン、エチレンジアミン、エチレンジアミンテトラアセテート、クエン酸、クエン酸アンモニウム、その塩、その派生物、及びその組み合せより成るグループから選択され、
上記第2の研磨組成物の上記腐食防止剤は、ベンゾトリアゾール、5−メチル−1−ベンゾトリアゾール、その塩、その派生物、及びその組み合せより成るグループから選択される、
請求項7に記載の方法。
【請求項10】
上記第2の研磨組成物の上記腐食防止剤は、ベンゾトリアゾールであり、
上記第2の研磨組成物の上記少なくとも1つのキレート化剤は、グリシン又はエチレンジアミン及びクエン酸アンモニウムである、
請求項7に記載の方法。
【請求項11】
上記第2の研磨組成物は、更に、ポリエチレングリコールを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
上記第2の研磨組成物は、更に、
磨き剤粒状物、
過酸化水素及びその派生物、
約4から約7のpHを与えるための少なくとも1つのpH調整剤、
溶媒、及び
その組み合せ、
より成るグループから選択された少なくとも1つの部材を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
上記第1の研磨組成物は、約30mSから約60mSの範囲の導電率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
上記第2の研磨組成物は、約15mSから約40mSの範囲の導電率を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
上記第1バイアスは、約0.01ミリアンペア/cm2から約100ミリアンペア/cm2の電流密度で基板に印加される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
上記基板と研磨用品との間の接触圧力を約0.01psiから約1psiにして上記基板を研磨用品に接触させるステップと、
上記基板と上記研磨用品との間に相対的運動を与えるステップと、
を更に備えた請求項1に記載の方法。
【請求項17】
上記基板を研磨して上記導電性材料の残留部分を除去する上記ステップは、化学的機械的研磨プロセスにより上記基板を研磨する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも化学的機械的研磨プロセスにより上記基板を研磨する上記段階は、
上記基板を第2の研磨組成物に露出させる工程と、
上記基板に第2のバイアスを印加する工程と、
上記基板と研磨用品との間の接触圧力を約0.01psiから約1psiにして上記基板を研磨用品に接触させる工程と、
上記基板と上記研磨用品との間に相対的運動を与える工程と、
を備えた請求項1に記載の方法。
【請求項19】
上記導電性材料層のバルク部分の上記除去は、第1プラテンで行われると共に、上記導電性材料層の残留部分の上記除去は、第2プラテンで行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
導電性材料層が配置された基板を処理する方法において、
第1電極及び第2電極を備えた処理装置に上記基板を位置させるステップと、
上記第1電極と上記基板との間に第1の研磨組成物を供給するステップであって、該第1の研磨組成物は、
燐酸と、
少なくとも1つのキレート化剤と、
腐食防止剤と、
塩と、
酸化剤と、
磨き剤粒状物と、
約4から約7のpHを与えるための少なくとも1つのpH調整剤と、
溶媒と、
を含むものであるステップと、
上記導電性材料層に不動態化層を形成するステップと、
上記不動態化層を除去して上記導電性材料層の一部分を露出させるステップと、
上記第1電極と上記第2電極との間に第1バイアスを印加するステップと、
上記導電性材料層の第1部分を除去するステップと、
上記第1の研磨組成物から上記基板を分離させるステップと、
上記基板を第2の研磨組成物に露出させるステップであって、該第2の研磨組成物は、
燐酸と、
少なくとも1つのキレート化剤と、
腐食防止剤と、
を含むものであるステップと、
上記基板を研磨して、上記導電性材料層の第2の部分を除去するステップと、
を備えた方法。
【請求項21】
上記導電性層のバルク部分を除去する上記ステップは、上記導電性材料層の少なくとも50%を除去することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
上記導電性層のバルク部分を除去する上記ステップは、上記導電性材料層の少なくとも80%を除去することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
上記導電性材料層は、銅又は銅合金で構成される、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
上記第1の研磨組成物は、
約1重量%から約10重量%の燐酸と、
約0.1重量%から約6重量%の少なくとも1つのキレート化剤と、
約0.01重量%から約1重量%の腐食防止剤と、
約0.5重量%から約10重量%の塩と、
約0.2重量%から約5重量%の酸化剤と、
約0.05重量%から約1重量%の磨き剤粒子と、
を含む請求項20に記載の方法。
【請求項25】
上記第2の研磨組成物は、
約0.1重量%から約5重量%の燐酸と、
約0.1重量%から約5重量%の少なくとも1つのキレート化剤と、
約0.01重量%から約1重量%の腐食防止剤と、
を含む請求項20に記載の方法。
【請求項26】
上記第2の研磨組成物の上記少なくとも1つのキレート化剤は、グリシン、エチレンジアミン、エチレンジアミンテトラアセテート、クエン酸、クエン酸アンモニウム、その塩、その派生物、及びその組み合せより成るグループから選択され、
上記第2の研磨組成物の上記腐食防止剤は、ベンゾトリアゾール、5−メチル−1−ベンゾトリアゾール、その塩、その派生物、及びその組み合せより成るグループから選択される、
請求項20に記載の方法。
【請求項27】
上記第2の研磨組成物の上記腐食防止剤は、ベンゾトリアゾールであり、
上記第2の研磨組成物の上記少なくとも1つのキレート化剤は、グリシン又はエチレンジアミン及びクエン酸アンモニウムである、
請求項20に記載の方法。
【請求項28】
上記第2の研磨組成物は、更に、ポリエチレングリコールを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
上記第2の研磨組成物は、更に、
磨き剤粒状物、
過酸化水素及びその派生物、
約4から約7のpHを与えるための少なくとも1つのpH調整剤、
溶媒、及び
その組み合せ、
より成るグループから選択された少なくとも1つの部材を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
上記第1の研磨組成物は、約30mSから約60mSの範囲の導電率を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項31】
上記第2の研磨組成物は、約15mSから約40mSの範囲の導電率を有する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
上記第1バイアスは、約0.01ミリアンペア/cm2から約100ミリアンペア/cm2の電流密度で基板に印加される、請求項20に記載の方法。
【請求項33】
上記基板と研磨用品との間の接触圧力を約0.01psiから約1psiにして上記基板を研磨用品に接触させるステップと、
上記基板と上記研磨用品との間に相対的運動を与えるステップと、
を更に備えた請求項20に記載の方法。
【請求項34】
上記基板を研磨して上記導電性材料の残留部分を除去する上記ステップは、化学的機械的研磨プロセスにより上記基板を研磨する段階を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項35】
少なくとも化学的機械的研磨プロセスにより上記基板を研磨する上記段階は、
上記基板を第2の研磨組成物に露出させる工程と、
上記基板に第2のバイアスを印加する工程と、
上記基板と研磨用品との間の接触圧力を約0.01psiから約1psiにして上記基板を研磨用品に接触させる工程と、
上記基板と上記研磨用品との間に相対的運動を与える工程と、
を備えた請求項20に記載の方法。
【請求項36】
上記導電性材料層のバルク部分の上記除去は第1プラテンで行われると共に、上記導電性材料層の残留部分の上記除去は第2プラテンで行われる、請求項20に記載の方法。
【請求項37】
導電性材料層が配置された基板を処理する方法において、
上記基板を処理装置に位置させるステップと、
約30mSから約60mSの範囲の第1導電率をもち、酸化剤及び磨き剤粒状物を含む第1の研磨組成物に上記基板を露出させるステップと、
上記基板に第1バイアスを印加するステップと、
約15mSから約40mSの範囲の第2導電率をもつ第2の研磨組成物に上記基板を露出させるステップと、
上記基板に第2バイアスを印加するステップと、
上記導電性層を除去し続けるステップと、
を備えた方法。
【請求項38】
導電性材料層が配置された基板を処理する方法において、
上記基板を処理装置に位置させるステップと、
燐酸、少なくとも1つのキレート化剤、腐食防止剤、塩、酸化剤、磨き剤粒状物、約4から約7のpHを与えるための少なくとも1つのpH調整剤、及び溶媒を含む第1の研磨組成物に上記基板を露出させるステップと、
上記基板に第1バイアスを印加するステップと、
燐酸、少なくとも1つのキレート化剤、腐食防止剤、磨き剤粒状物、約4から約7のpHを与えるための少なくとも1つのpH調整剤、及び溶媒を含む第2の研磨組成物に上記基板を露出させるステップと、
上記基板に第2バイアスを印加するステップと、
上記導電性層を除去し続けるステップと、
を備えた方法。
【請求項39】
基板表面から少なくとも導電性材料を除去するための組成物において、
約0.1重量%から約5重量%の燐酸系電解液システムと、
約0.1重量%から約5重量%の1つ以上のキレート化剤と、
約0.01重量%から約1重量%の1つ以上の腐食防止剤と、
溶媒と、
を備えた組成物。
【請求項40】
上記少なくとも1つのキレート化剤は、グリシン、エチレンジアミン、エチレンジアミンテトラアセテート、クエン酸、クエン酸アンモニウム、その塩、その派生物、及びその組み合せより成るグループから選択され、更に、上記腐食防止剤は、ベンゾトリアゾール、5−メチル−1−ベンゾトリアゾール、その塩、その派生物、及びその組み合せより成るグループから選択される、
請求項39に記載の方法。
【請求項41】
上記腐食防止剤は、ベンゾトリアゾールを含み、更に、上記少なくとも1つのキレート化剤は、グリシン又はエチレンジアミン及びクエン酸アンモニウムを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
上記第2の研磨組成物は、更に、ポリエチレングリコールを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
上記第2の研磨組成物は、更に、磨き剤粒状物、酸化剤、約4から約7のpHを与えるための少なくとも1つのpH調整剤、及びその組み合せより成るグループから選択された少なくとも1つの部材を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
上記研磨組成物は、導電率が約15mSから約40mSの範囲である、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
上記組成物は、
全溶液体積中で約1から約5重量%の燐酸系電解液と、
全溶液体積中で約0.1から約5体積%又は重量%の1つ以上のキレート化剤と、
全溶液体積中で約0.01から約1.0体積%又は重量%の1つ以上の腐食防止剤と、
全溶液体積中で約0.1から約5体積%又は重量%の1つ以上の無機又は有機の酸性塩と、
約4から約7のpHを与えるための、全溶液体積中で約0.1から約25体積%又は重量%のpH調整剤と、
全溶液体積中で約0.05から約5重量%の磨き剤粒子と、
残りは溶媒と、
を含む請求項43に記載の組成物。
【請求項46】
約0.01から約3体積%又は重量%の1つ以上の酸化剤を更に含む、請求項45に記載の組成物。
【請求項47】
上記組成物は、
約1.5体積%の燐酸と、
約0.4体積%のエチレンジアミンと、
約0.25重量%のベンゾトリアゾールと、
約0.8重量%のクエン酸アンモニウムと、
約5.4のpHを与えるための、約0.5から約3体積%の40%水酸化カリウム溶液と、
約0.7重量%のシリカ磨き剤と、
脱イオン水と、
を含む請求項45に記載の組成物。
【請求項48】
約0.5体積%の過酸化水素を更に含む、請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
上記組成物は、
約0.6から約1体積%の燐酸と、
約0.5から約2体積%のグリシンと、
約0.35重量%のベンゾトリアゾールと、
約2重量%のクエン酸アンモニウムと、
約4.9から約6.1のpHを与えるための約0.5から約3体積%の水酸化カリウムと、
約0.5体積%の過酸化水素と、
約0.7重量%のシリカ磨き剤と、
脱イオン水と
を含む請求項1に記載の組成物。


【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−520871(P2007−520871A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515184(P2006−515184)
【出願日】平成16年6月4日(2004.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/017691
【国際公開番号】WO2004/111146
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】