説明

硬化性エマルジョンおよびそれからの研磨物品

ブロックポリイソシアネートおよび硬化剤を含む油相と、少なくとも1つのフリーラジカル重合性カルボン酸および少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートを含むモノマーからなる少なくとも部分的に中和された架橋コポリマーを含む水相と、を含む硬化性エマルジョン。いくつかの実施形態では、硬化性エマルジョンは、更に、非イオン性界面活性剤を含む。硬化性エマルジョンの製造方法、および研磨物品の製造におけるその使用も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性エマルジョンに関する。また本発明は、研磨物品の製造で使用される硬化性エマルジョンにも関する。
【背景技術】
【0002】
硬化性材料を含有する油相が水相中に分散された硬化性エマルジョンは、バインダ材料を含有する物品の製造において広く使用されている。
【0003】
硬化性エマルジョンに共通の問題は時間が経つと沈降する傾向があることであり、このことは、取扱い上の問題を引き起こしたり、硬化性エマルジョンの貯蔵寿命を低下させたりし得る。沈降の問題に対処するための1つのアプローチは、比較的大量(例えば、約10重量%以上)の乳化剤を油相に添加することを必要とする。このアプローチは、エマルジョンの乾燥および硬化において沈降をいくらか軽減するが、多量の乳化剤の存在は通常、結果として得られる硬化材料(すなわち、有用な物理特性を付与するのに十分な程度に重合および/または架橋された材料)の1つまたは複数の特性を低下させる(例えば、引張強さおよび/または破断伸びの低下)。
【0004】
ポリウレタン(すなわち、骨格鎖中にウレタンおよび/または尿素結合を含有するポリマー)は、その物理特性(例えば、強度、伸び、および/または靭性)のために、バインダ材料として多くの用途で広く使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
長期間安定な材料を含有し、乾燥および硬化されて良好な物理特性のポリウレタンを提供できる硬化性エマルジョンを有することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様では、本発明は、
ブロックポリイソシアネートおよび硬化剤を含む油相と、
水と、少なくとも1つのフリーラジカル重合性カルボン酸および少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートを含むモノマーからなる少なくとも部分的に中和された架橋コポリマーとを含む水相であって、前記少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートが11個の炭素原子〜34個の炭素原子を有し、更に、pHが4〜10の範囲である水相と、
を含む硬化性エマルジョンを提供する。
【0007】
もう1つの態様では、本発明は、
ブロックポリイソシアネートおよび硬化剤を含む成分から調製可能な油相と、
水と、少なくとも1つのフリーラジカル重合性カルボン酸および少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートを含むモノマーからなる少なくとも部分的に中和された架橋コポリマーとを含む成分から調製可能な水相であって、前記少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートが11個の炭素原子〜34個の炭素原子を有し、更に、pHが4〜10の範囲である水相と、
を含む硬化性エマルジョンを提供する。
【0008】
もう1つの態様では、本発明は、本発明に従う硬化性エマルジョンの重合反応生成物を含む組成物を提供する。
【0009】
場合により、本発明に従う硬化性エマルジョンおよび組成物は、更に、非イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0010】
もう1つの態様では、本発明は本発明に従う硬化性エマルジョンの製造方法を提供し、該方法は、
ブロックポリイソシアネートと、
硬化剤と、
水と、少なくとも1つのフリーラジカル重合性カルボン酸および少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートを含むモノマーからなる少なくとも部分的に中和された架橋コポリマーとを含む水相であって、前記少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートが11個の炭素原子〜34個の炭素原子を有し、更に、pHが4〜10の範囲である水相と、
を提供する工程と、
前記ブロックポリイソシアネートおよび硬化剤を混合してプレミックスを形成する工程と、
分散した油相を有する硬化性エマルジョンが形成されるように前記プレミックスと前記水相とを混合する工程と、
を含み、更に、非イオン性界面活性剤が、前記油相の全重量を基準として5重量パーセント未満の量で前記硬化性エマルジョン中に存在する。
【0011】
もう1つの態様では、本発明は、研磨粒子と、本発明に従う硬化性エマルジョンの反応生成物とを含む研磨物品を提供する。
【0012】
もう1つの態様では、本発明は、
研磨粒子と、本発明に従う硬化性エマルジョンの反応生成物とを含む研磨物品を提供する工程と、
前記研磨物品の少なくとも1つの研磨粒子をワークピース表面と摩擦接触させる工程と、
前記少なくとも1つの研磨粒子またはワークピースのうちの少なくとも一方を他方に対して移動させて、前記表面の少なくとも一部を前記研磨粒子で研磨する工程と、
を含むワークピースの研磨方法を提供する。
【0013】
本発明に従う硬化性エマルジョンは、通常は沈降に対して良好な耐性を有し、通常、硬化されて良好な物理特性を有するバインダを形成することができる。本発明に従う硬化性エマルジョンを用いて製造することができる有用な研磨物品には、例えば、被覆研磨物品、不織研磨物品、結合研磨物品(bonded abrasive article)、および単一ブラシ(unitary brush)が含まれる。
【0014】
いくつかの実施形態では、本発明に従って調製されるエマルジョンは、低レベルの揮発性有機溶媒を含有するのが有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に従う硬化性エマルジョンは、油相および水相を含む。油相および/または水相のうちのいずれかまたは両方が連続的または不連続でもよいが、通常は、硬化性エマルジョンは、連続的な水相および不連続な油相を有する。油相は、ブロックポリイソシアネート、硬化剤、および場合により非イオン性界面活性剤を含む。水相は、少なくとも1つのフリーラジカル重合性カルボン酸および少なくとも1つのアルキルアクリレートからなる少なくとも部分的に中和された架橋コポリマーを含む。
【0016】
本明細書中の使用では、「ブロックポリイソシアネート」という用語は、単一のブロックされたポリイソシアネートまたは2つ以上のブロックされたポリイソシアネートの混合物のいずれかを示し、「硬化剤」という用語は、単一の硬化剤または2つ以上の硬化剤の混合物のいずれかを示し、「非イオン性界面活性剤」という用語は、単一の非イオン性界面活性剤または2つ以上の非イオン性界面活性剤の混合物のいずれかを示し、「中和された架橋コポリマー」という用語は、単一の中和された架橋コポリマーまたは2つ以上の中和された架橋コポリマーの混合物のいずれかを示す。本明細書中の使用では、「(メタ)アクリル」という用語は、「アクリル」および/または「メタクリル」を包含する(例えば、「(メタ)アクリレート」はアクリレートおよび/またはメタクリレートを包含する)。更に、本明細書中で列挙される数値の範囲は、他に指定されない限りはその端点も含む。
【0017】
有用なブロックポリイソシアネートは、少なくともいくつか(例えば、実質的に全て)のイソシアネート基が、イソシアネート基と付加物を形成する化合物(すなわち、ブロック剤)により反応されている(すなわち、ブロックされている)ポリイソシアネート(当該技術分野では「ウレタンプレポリマー」と呼ばれることもある)を含む。通常、付加物は、周囲条件(例えば、20℃〜25℃の範囲の温度)下では、イソシアネート反応性化合物(例えば、アミン、アルコール、チオールなど)に対して実質的に非反応性であるが、硬化剤の存在下で十分な熱エネルギーが加えられると、付加物は通常硬化剤と反応して共有結合を形成する。ポリイソシアネートをブロックするための手順および材料は当該技術分野においてよく知られており、例えば、D.A.ウィックス(Wicks)およびZ.W.ウィックス(Wicks)・ジュニアによって、「ブロックイソシアネートIII:パートA.メカニズムおよび化学」有機コーティングの進歩(Progress in Organic Coatings)第36巻(1999)、エルゼビア・サイエンス(Elsevier Science)、ニューヨーク、148−172頁と、「ブロックイソシアネートIII パートB:ブロックイソシアネートの使用および用途」、有機コーティングの進歩(Progress in Organic Coatings)第41巻(2001)、エルゼビア・サイエンス(Elsevier Science)、ニューヨーク、1−83頁とに記載されている。
【0018】
典型的なブロック剤には、ケトオキシム(例えば、2−ブタノンオキシム)、ラクタム(例えば、イプシロン−カプロラクタム)、マロン酸エステル(例えば、マロン酸ジメチルおよびマロン酸ジエチル)、ピラゾール(例えば、3,5−ジメチルピラゾール)、第3級アルコールを含むアルコール(例えば、t−ブタノールまたは2,2−ジメチルペンタノール)、フェノール(例えば、アルキル化フェノール)、ならびに例えば米国特許第6,288,176B1号明細書(シェ(Hsieh)ら)(その開示は、参照によって本明細書中に援用される)に記載されるようなアルコールの混合物が含まれる。
【0019】
有用なポリイソシアネートには、例えば、脂肪族ポリイソシアネート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート)、脂環式ポリイソシアネート(例えば水素化キシリレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネート)、芳香族ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネートまたは4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)、上記ポリイソシアネートのいずれかと多価アルコール(例えば、ジオール、低分子量のヒドロキシル基含有ポリエステル樹脂、水など)との付加物、上記ポリイソシアネートの付加物(例えば、イソシアヌレート、ビウレット)、ならびにこれらの混合物が含まれる。
【0020】
有用な市販のポリイソシアネートとしては、例えば、コネチカット州ミドルベリーのユニロイヤル・ケミカル・カンパニー(Uniroyal Chemical Company,Middlebury,Connecticut)から商品名「アジプレン(ADIPRENE)」で入手可能なもの(例えば、「アジプレンL0311」、「アジプレンL100」、「アジプレンL167」、「アジプレンL213」、「アジプレンL315」、「アジプレンL680」、「アジプレンLF1800A」、「アジプレンLF600D」、「アジプレンLFP1950A」、「アジプレンLFP2950A」、「アジプレンLFP590D」、「アジプレンLW520」、および「アジプレンPP1095」)と、ペンシルベニア州ピッツバーグのバイエル・コーポレーション(Bayer Corporation,Pittsburgh,Pennsylvania)から商品名「モンジュール(MONDUR)」で入手可能なポリイソシアネート(例えば、「モンジュール1437」、「モンジュールMP−095」、または「モンジュール448」)と、ペンシルベニア州アレンタウンのエア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ(Air Products and Chemicals,Allentown,Pennsylvania)から商品名「エアセイン(AIRTHANE)」および「バーサセイン(VERSATHANE)」で入手可能なポリイソシアネート(例えば、「エアセインAPC−504」、「エアセインPST−95A」、「エアセインPST−85A」、「エアセインPET−91A」、「エアセインPET−75D」、「バーサセインSTE−95A」、「バーサセインSTE−P95」、「バーサセインSTS−55」、「バーサセインSME−90A」、および「バーサセインMS−90A」)とが挙げられる。
【0021】
典型的な有用な市販のブロックポリイソシアネートとしては、ユニロイヤル・ケミカル・カンパニーにより商品名「アジプレン(ADIPRENE)BL11」、「アジプレンBL16」、「アジプレンBL31」、「アジプレンBL40」、「アジプレンBL45」、「アジプレンBL46」、「アジプレンBLM500」、「アジプレンBLP60」、または「アジプレンBLP65」で市販されているものと、英国アクリントンのバクセンデン・ケミカルズ社(Baxenden Chemicals,Ltd.,Accrington,England)により商品名「トリキセン(TRIXENE)」で市販されているブロックポリイソシアネート(例えば、「トリキセンBI7986」、「トリキセンBI7985」、「トリキセンBI7951」、「トリキセンBI7950」、「トリキセンBI7960」、または「トリキセンBI7770」)とが挙げられる。
【0022】
本発明に従ういくつかの実施形態では、ブロックイソシアネートは次式を有することができる。
【化1】


式中、nは1以上の整数であり、例えば、nは7〜25の範囲でよいが、これより高い値および低い値のnも有用であり得る。この式で記載されるブロックイソシアネートには、例えば、ユニロイヤル・ケミカル・カンパニーにより商品名「アジプレンBL11」、「アジプレンBL16」、「アジプレンBL31」で市販されているものが含まれる。
【0023】
通常、油相中のブロックイソシアネートの量は、油相の全重量を基準として5重量パーセント〜60重量パーセントの範囲であるが、その他の量が使用されてもよい。例えば、ブロックイソシアネートは、油相の全重量を基準として10重量パーセント〜50重量パーセントの範囲、および/または20重量パーセント〜40重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0024】
通常、硬化剤は、−OH、−NH、−SH基などにより提供されるような複数の活性水素部位、通常は少なくとも2つの活性水素を含有する物質である。有用な硬化剤には、例えば、ポリアミン(例えば、4,4’−メチレンジアニリン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(すなわち、イソホロンジアミン)、トリメチレングリコールジ−p−アミノベンゾアート、ビス(o−アミノフェニルチオ)エタン、および4,4’−メチレンビス(ジメチルアントラニラート))と、ポリオール(例えば、1,4−ブタンジオール、1,6−へキサンジオール、ペンタエリスリトール)とが含まれる。ポリアミン、ポリオールの混合物、および/またはポリアミンとポリオールの混合物は、例えば、目的とする用途で必要とされるように反応速度を変更するために有用であり得る。
【0025】
硬化剤は、例えば、ビス(4−アミノ−3−エチルフェニル)メタン(日本国東京の日本化薬株式会社(Nippon Kayaku Company,Ltd.,Tokyo,Japan)により商品名「カヤハード(KAYAHARD)AA」で市販されている)、またはビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)メタン(スイスのバーゼルのロンザ社(Lonza,Ltd.,Basel,Switzerland)により商品名「ロンザキュア(LONZACURE)M−DEA」で市販されている)などの芳香族ジアミンを含むことができる。通常、硬化剤は、ブロックポリイソシアネートを目的の用途で必要とされる程度まで硬化させるのに有効な量(すなわち、有効量)で存在しなければならず、例えば、0.75〜1.25の範囲、および/または0.85〜1.15の範囲の硬化剤対ブロックイソシアネートの化学量論比で存在するが、この範囲外の化学量論比が使用されてもよい。
【0026】
本発明に従う硬化性エマルジョンは非イオン性界面活性剤を含んでいてもよいし、非イオン性界面活性剤がなくてもよい(すなわち全く含有しなくてもよい)。非イオン性界面活性剤(単一の非イオン性界面活性剤でも、非イオン性界面活性剤の混合物でもよい)は、使用されると、通常、水相中に油相が分散するのを支援する。使用される場合には、非イオン性界面活性剤は油相および水相のどちらかまたは両方に存在することができる。例えば、非イオン性界面活性剤は、水相中への分散の前に油相に添加され得るが、硬化性エマルジョンの油相および水相の両方に存在することができる。
【0027】
有用な非イオン性界面活性剤の例としては、有機脂肪族またはアルキルアリール疎水性化合物と、親水性であるエチレンオキシドなどのアルキレンオキシドとの縮合生成物が挙げられる。通常、活性水素のあるカルボキシル、ヒドロキシル、アミド、またはアミノ基を有するほとんどすべての疎水性化合物は、エチレンオキシドと縮合して、非イオン性界面活性剤を形成することができる。縮合生成物のエチレンオキシド鎖の長さを調整して、疎水性成分および親水性成分間の好ましいバランスを達成することができる(一般に、親水性−親油性バランス、すなわちHLB値と呼ばれる)。
【0028】
界面活性剤のHLB値は、界面活性剤の親水基および親油基の大きさおよび強度のバランスの表示である。HLB値は、例えば、ベッヒャー(Becher)らにより「The Journal of the American Oil Chemists’ Society」(1964)、第41巻、169−173頁(その開示は、参照によって本明細書中に援用される)に開示される方法に従って決定することができる。広範な種類の非イオン性界面活性剤について測定されたHLB値の有用な編集物は、例えば、「2001 マクカッチョン(McCutcheon)の第1巻:乳化剤および洗剤、国際版」(2001)、MC出版社、ニュージャージー州グレンロック(Glen Rock,New Jersey)、223−232頁に見ることができる。
【0029】
通常、本発明の実施で用いられる非イオン性界面活性剤の加重平均HLB値は10〜16の範囲であるが、硬化性エマルジョンを提供するのに有効であれば、その他の値も使用され得る。2つ以上の非イオン性界面活性剤が使用される場合、個々の界面活性剤は10より低い、または16より高いHLB値を有し得るが、全体で考えると、個々の非イオン性界面活性剤の加重平均HLB値は通常10〜16の範囲であり、例えば、12〜14の範囲である。加重平均HLB値は、使用されるそれぞれの非イオン性界面活性剤に対して、その非イオン性界面活性剤のHLB値を、使用される非イオン性界面活性剤全体に対するその非イオン性界面活性剤の重量比で除した値を合計することによって計算される。従って、単一の非イオン性界面活性剤が用いられる場合、加重平均HLB値は、単に、その界面活性剤のHLB値である。
【0030】
有用な市販の非イオン性界面活性剤の例としては、高級脂肪族アルコールと3当量〜100当量のエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、ミシガン州ミッドランドのダウ・ケミカル・カンパニー(Dow Chemical Company,Midland,Michigan)により商品名「タージトール(TERGITOL)15−S」、例えば「タージトール15−S−20」などで市販されているもの、およびニュージャージー州ブリッジウォーターのICI・アメリカズ(ICI Americas,Bridgewater,New Jersey)により商品名「ブリジ(BRIJ)」、例えば「ブリジ56」および「ブリジ76」などで市販されているもの)と、アルキルフェノールと3当量〜100当量のエチレンオキシドとのポリエチレンオキシド縮合物(例えば、ニュージャージー州クランベリーのロディア(Rhodia,Cranbury,New Jersey)により商品名「アイジパル(IGEPAL)CO」および「アイジパルCA」で市販されているもの)と、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドまたはブチレンオキシドのブロックコポリマー(例えば、ニュージャージー州マウントオリーブのBASF・コーポレーション(BASF Corporation,Mount Olive,New Jersey)により商品名「プルロニック(PLURONIC)」および「テトロニック(TETRONIC)」で市販されているもの)と、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、1分子あたり20個のエチレンオキシド単位(例えば、商品名「トゥイーン(TWEEN)60」で市販)、または1分子あたり20個のエチレンオキシド単位(例えば、商品名「トゥイーン80」で市販)などの異なるエトキシル化度を有し得るモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)と、ステアリン酸ポリオキシエチレン(例えば、デラウエア州ニューカッスルのユニケマ(Uniqema,New Castle,Delaware)により商品名「スパン(SPAN)」、「トゥイーン(TWEEN)」、および「MYRJ」で市販されているもの)とが挙げられる。
【0031】
通常、使用される非イオン性界面活性剤の量は、使用される場合には、5重量パーセント未満の量である(例えば、2重量パーセント未満、1.5重量パーセント未満)。例えば、非イオン性界面活性剤は、油相の全重量を基準として0.7重量パーセント〜2重量パーセントの範囲、または0.8重量パーセント〜1.5重量パーセントの範囲の量で存在し得る。
【0032】
水相は、水と、少なくとも1つのフリーラジカル重合性カルボン酸および少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレート(ここで、少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートは11個の炭素原子〜34個の炭素原子を有する)、ならびに場合により更なるコモノマーを含むモノマーからなる少なくとも部分的に中和された架橋コポリマーとを含む。本明細書中の使用では、「カルボン酸」という用語は、対応する共役塩基(すなわち、カルボキシレート)を包含する。
【0033】
有用なフリーラジカル重合性カルボン酸は、重合可能な炭素−炭素二重結合に共有結合した少なくとも1つのカルボキシル基を有する。典型的なフリーラジカル重合性カルボン酸には、イタコン酸、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、上記の酸の塩、およびこれらの混合物が含まれる。「を含むモノマーからなるコポリマー」という語句は、コポリマーの特定の調製方法ではなく、コポリマーの構造に言及する。例えば、コポリマーは、加水分解(共重合の前または後)してフリーラジカル重合性カルボン酸を生じるモノマー(例えば、無水マレイン酸)を用いて調製され得る。架橋コポリマーの良好な膨潤性を確実にするために、酸の含量は、通常、架橋コポリマーの40重量パーセント〜90重量パーセントの範囲(例えば、50〜70重量パーセントの範囲)内であるが、この範囲外の酸の含量値が使用されてもよい。
【0034】
有用なアルキルおよびアルカリール(メタ)アクリレートは11個の炭素原子〜34個の炭素原子を有し、線状でも分枝状でもよい。有用なアルキルおよびアルカリール(メタ)アクリレートの例としては、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、およびアクリル酸ノニルフェニルが挙げられる。
【0035】
場合により、更なるコモノマー(例えば、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ブチル)が架橋コポリマーポリマー中に含有されてもよい。
【0036】
架橋は、通常、多数のフリーラジカル重合性基を有するモノマー(すなわち、多官能性モノマー)を重合の前にモノマー混合物中に含有させることによって達成されるが、他の方法が使用されてもよい。有用な多官能性モノマーはよく知られており、例えば、ビニルエーテル(例えば、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル)、アリルエーテル(例えば、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル)、およびアクリレート(例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)、ならびにこれらの混合物を含む。所望される架橋の量は、通常、使用される多官能性モノマーの量を決定する。水との良好な膨潤性を確実にするために、架橋密度は、通常、低レベルに保持されなければならず、例えば、Mc(すなわち、架橋の間のセグメントの平均分子量)の値は、1000g/モルより大きい、2000g/モルより大きい、および/または3000g/モルより大きくてもよい。
【0037】
有用な市販の架橋コポリマーの例には、例えば、オハイオ州クリーブランドのノベオン(Noveon,Cleveland,Ohio)により商品名「カルボポール(CARBOPOL)」および「ペミュレン(PEMULEN)」で市販されているもの(例えば、「カルボポール674ポリマー」、「カルボポール676ポリマー」、「カルボポール934ポリマー」、「カルボポール940ポリマー」、「カルボポール941ポリマー」、「カルボポール980ポリマー」、「カルボポール981ポリマー」、「カルボポール1342ポリマー」、「カルボポール1610ポリマー」、「ペミュレン1621樹脂」、「ペミュレン1622樹脂」、「カルボポール1623ポリマー」、「カルボポール2984ポリマー」、および「カルボポール5984ポリマー」)が含まれる。
【0038】
通常、架橋コポリマーは、容易に分散可能かつ水膨潤性の形態(例えば、粒子)で提供されなければならない。これらの基準は、通常、0.1マイクロメートル〜10マイクロメートルの範囲、または2マイクロメートル〜7マイクロメートルの範囲の平均乾燥(すなわち、非膨潤)粒子サイズを有する架橋コポリマーによって達成されるが、これより大きい粒子および小さい粒子も使用され得る。
【0039】
通常、架橋コポリマーは、エマルジョンの全重量を基準として約0.01重量パーセント〜約1重量パーセントの範囲の量で水相中に存在するが、これより多い量および少ない量も使用され得る。例えば、架橋コポリマーは、硬化性エマルジョンの全重量を基準として0.1重量パーセント〜0.6重量パーセントの範囲、および/または0.2重量パーセント〜0.4重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0040】
水相の調製方法はよく知られており、例えば、微粉状の架橋コポリマーを、攪拌しながら水に添加する(例えば、ふるいわけによる)、あるいは架橋コポリマーの濃縮溶液を水中に希釈することを含む。攪拌は、通常、例えば、従来のオープンブレードインペラー(ピッチ付マリンまたはソートゥースプロペラ)を有する電動ミキサーを用いて、800回転/分〜1200回転/分の範囲の速度で動作させて達成することができる。ブレンダまたはロータ−ステーターホモジナイザーなどの極めて高せん断のミキサーは、開放された(水和した)架橋コポリマーをせん断して永久的な粘度損失をもたらす可能性があり、好ましくは、攪拌手段として使用されない。もう1つの一般に使用される方法では、架橋コポリマーは、通常、エダクター(eductor)または凝集分散機(flocculant disperser)を用いて、4重量パーセントまでの濃度で水中に分散され得る。
【0041】
油相の融合に関して硬化性エマルジョンの安定性を高めるために、水相のpHは、通常、中和剤の添加によって調整されて5〜10の範囲の値を達成するが、この範囲外の値が使用されてもよい。例えば、水相のpHは4〜10の範囲、4〜7の範囲、または6.5〜7の範囲でよい。適切な中和剤はよく知られており、例えば、無機塩基(例えば、アルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム)および有機塩基化合物(例えば、アミン)を含む。好ましくは、中和剤はアミンを含む。典型的なアミンとしては、N,N−ジメチル−2−アミノエタノールおよびトリエタノールアミンが挙げられる。
【0042】
架橋コポリマーの完全なウェットアウトを確実にするために、中和剤は架橋コポリマーが完全に水和した後に添加されるのが好ましいが、pHの部分的または完全な調整は、架橋コポリマーの添加より前に行なうこともできる。
【0043】
場合により、水相および/または油相のうちの少なくとも1つは、更に、少なくとも1つの有機溶媒および/または揮発性有機化合物を含むことができる。例えば、揮発性有機化合物(すなわち、25℃で2トル(0.27kPa)より大きい蒸気圧を有する化合物)である。典型的な種類の有機溶媒および/または揮発性有機化合物には、アルカン、アルコール、ケトン、エステルおよびエーテルが含まれる。いくつかの用途(例えば、揮発性有機化合物の排出の調節が所望される用途)では、本発明に従う硬化性エマルジョンは、少なくとも1つの有機溶媒および/または揮発性有機化合物を実質的に含有しない(すなわち、10重量パーセント未満を含有する)であろう。例えば、いくつかの実施形態では、本発明に従う硬化性エマルジョンは、1重量パーセント未満の少なくとも1つの有機溶媒および/または揮発性有機化合物を有し得る。
【0044】
通常、油相対水相の重量比は、1:10〜7:3の範囲であるが、この範囲の外側の重量比が使用されてもよい。例えば、油相対水相の重量比は、40:60〜65:35の範囲、および/または60:40〜55:45の範囲でよい。
【0045】
本発明に従う硬化性エマルジョンは、場合により、少なくとも1つの任意で硬化性の更なるポリマーまたはポリマー前駆体を含むことができる(通常は、油相内に)。典型的な任意の更なるポリマーおよび/またはポリマー前駆体には、フェノール樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ペンダントα、β−不飽和カルボニル基を有するアミノプラスト樹脂、エポキシ樹脂、アクリル化ウレタン、アクリル化エポキシ、およびこれらの組み合わせが含まれる。
【0046】
場合により、硬化性エマルジョンは、水相および/または油相のどちらかまたは両方において、1つまたは複数の添加剤と混合され、および/または1つまたは複数の添加剤を含有することもできる。典型的な添加剤には、充填剤、カップリング剤、可塑剤、潤滑剤、着色剤(例えば、顔料)、殺菌剤、防かび剤、粉砕助剤、および帯電防止剤が含まれる。
【0047】
本発明に従ういくつかの実施形態では、硬化性エマルジョンは、添加充填剤および/または粉砕助剤を含まない。このような硬化性エマルジョンは、例えば、充填剤および/または粉砕助剤を含有するバインダを有する市販の研磨物品に匹敵する研磨特性を示す研磨物品を調製するために有用であり得る。本明細書における使用では、「添加充填剤および/または粉砕助剤を含まない」という用語は、このような材料が完全に存在しないか、あるいは十分に少ない量で存在し、硬化したエマルジョンの機械特性または研磨特性の5パーセントよりも大きい変化を示さないことを意味する。
【0048】
本発明に従う硬化性エマルジョンは、例えば、ブロックポリイソシアネートと、硬化剤と、場合により非イオン性界面活性剤とを、個々に、あるいはそれらの任意の組み合わせとして50℃〜70℃の範囲の温度に加熱し、それらを混ぜ合わせてプレミックスを形成することによって調製することができる。ブロックポリイソシアネート、硬化剤および非イオン性界面活性剤の組み合わせが適度に均一な混合物を形成する限りは、正確な温度は重要でない。低粘度成分を用いる場合には、硬化性エマルジョンは、加熱することなく調製することができるが、加熱が用いられてもよい。
【0049】
水相は、例えば、架橋コポリマーを冷水(例えば、15℃〜25℃の範囲)中に順次分散させ、次に50℃〜70℃の範囲の温度に分散体を加熱し、次に上記のように、目的とされるpHを達成するのに十分な中和剤を添加することによって調製することができる。
【0050】
次に、中和された水相にプレミックスが攪拌しながら添加され、通常、ブロックポリイソシアネート、硬化剤、および非イオン性界面活性剤が油相内に含有された、あるいは油相と関連した水中油エマルジョンが形成される。
【0051】
通常、研磨物品および/または任意の添加剤は、プレミックス、水相、または硬化性エマルジョンに添加することができる。
【0052】
本発明に従う硬化性エマルジョンは、スプレーイング、ロールコーティング、グラビアコーティング、ディップコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティングなどを含むエマルジョンの既知の適用方法によって、基材に施すことができる。
【0053】
本発明に従う硬化性エマルジョンは、通常、基材に施されるとすぐに少なくとも部分的に乾燥され、水および任意の有機溶媒が除去されて油相が融合される。乾燥は、例えば、好ましくは高温(すなわち、周囲温度より高い、例えば、50℃〜120℃の範囲)における蒸発によって達成され得る。十分な水および任意の有機溶媒、好ましくは実質的に全ての水および任意の有機溶媒が除去されて油相が融合された後、残りの成分は、通常、熱エネルギーを加えることにより(例えば、120℃よりも高い温度において、しかし他の硬化温度が使用されてもよい)少なくとも部分的に硬化される。通常、乾燥および硬化は順次実行されてもよいし、あるいは単一のプロセスステップとして実行されてもよい。典型的な有用な熱エネルギー源には、オーブン、加熱ロール、および/または赤外線ランプが含まれる。所望されるなら、バインダ特性を改善するために、熱エネルギーを更に加えること(例えば、より高温への加熱による)も望ましいかもしれない。
【0054】
本発明に従う硬化性エマルジョンは、保護コーティング、バインダ(例えば、不織物品用)などを調製するために使用することができる。更に、本発明に従う硬化性エマルジョンは、例えば、被覆研磨物品、不織研磨物品、結合研磨物品、および/または研磨ブラシなどの研磨物品を調製するために使用することができる。
【0055】
一般に、被覆研磨物品は、バッキングに固定された研磨粒子を有する。より一般的には、被覆研磨物品は、2つの対向する主要表面と、主要表面に固定された研磨コートとを有するバッキングを含む。研磨コートは、通常、研磨粒子およびバインダで構成され、バインダは研磨粒子をバッキングに固定する役割を果たす。
【0056】
適切な研磨粒子は、研磨材技術分野で知られている研磨粒子を含有する。典型的な有用な研磨粒子としては、酸化アルミニウム、セラミック酸化アルミニウム(1つまたは複数の金属酸化物変性剤および/あるいは種または核形成剤を含み得る)、および熱処理酸化アルミニウムなどの溶融酸化アルミニウムベースの材料、炭化ケイ素、共溶融アルミナ−ジルコニア、ダイヤモンド、セリア、二ホウ化チタン、立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ素、ガーネット、フリント、エメリー、ゾル−ゲル誘導研磨粒子、ならびにこれらのブレンドがある。好ましくは、研磨粒子は、溶融酸化アルミニウム、熱処理酸化アルミニウム、セラミック酸化アルミニウム、炭化ケイ素、アルミナジルコニア、ガーネット、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、ゾル−ゲル誘導研磨粒子、またはこれらの混合物を含む。
【0057】
研磨粒子は、例えば、個々の粒子、研磨複合材粒子、凝集体(浸食性凝集体を含む)、およびこれらの混合物(例えば、同一または異なるサイズおよび/または組成を有する)の形態であり得る。
【0058】
研磨粒子は、通常、0.1マイクロメートル〜2000マイクロメートル、更に好ましくは、約1マイクロメートル〜1300マイクロメートルの平均直径を有するが、その他の直径を有するその他の粒子を使用することもできる。
【0059】
研磨粒子のコーティング重量は、例えば、研磨物品のタイプ(例えば、被覆研磨物品または不織研磨物品)、研磨粒子の適用プロセス、および研磨粒子のサイズに依存し得るが、通常は、5グラム/平方メートル(g/m)〜1350g/mの範囲である。
【0060】
被覆研磨物品の1つの典型的な実施形態では、研磨コートは、メイクコート、サイズコート、および研磨粒子を含むことができる。図1を参照すると、典型的な被覆研磨物品100は、バッキング120と、本発明に従う研磨コート130とを有する。研磨コート130は、次に、メイクコート150およびサイズコート160によりバッキング120の主要表面170に固定された研磨粒子140を含有する。
【0061】
このような被覆研磨物品の製造では、第1のバインダ前駆体を含むメイクコートがバッキングの主要表面に施される。研磨粒子は、次に、メイクコート内に少なくとも部分的に包埋され(例えば、静電コーティングによって)、第1のバインダ前駆体が少なくとも部分的に硬化されて、粒子をメイクコートに固定する。次に、第2のバインダ前駆体を含むサイズコート(第1のバインダ前駆体と同一でも異なっていてもよい)がメイクコートおよび研磨粒子上に施された後、バインダ前駆体が硬化される。
【0062】
場合により、被覆研磨物品は、更に、例えば、バックサイズ(すなわち、研磨コートを有する主要表面とは反対側のバッキングの主要表面上のコーティング)、プレサイズまたはつなぎ(tie)層(すなわち、研磨コートと研磨コートが固定される主要表面との間のコーティング)、および/あるいはバッキングの両方の主要表面を被覆する飽和剤を含むことができる。被覆研磨物品は、更に、研磨コートの少なくとも一部を被覆するスーパーサイズを含むことができる。存在する場合、スーパーサイズは、通常、粉砕助剤および/または目詰まり防止材料(anti−loading material)を含有する。
【0063】
本発明に従う被覆研磨物品のもう1つの典型的な実施形態では、研磨コートは、バインダ前駆体および研磨粒子の硬化スラリーを含むことができる。図2を参照すると、典型的な被覆研磨物品200は、バッキング220および研磨コート230を有する。研磨コート230は、次に、研磨粒子240および本発明に従うバインダ245を含有する。
【0064】
このような被覆研磨物品の製造では、第1のバインダ前駆体および研磨粒子を含むスラリーは、通常、バッキングの主要表面に施され、次に、バインダ前駆体は少なくとも部分的に硬化される。本発明に従う硬化性エマルジョンは、被覆研磨物品の上記の層およびコーティングのうちの1つまたは複数を調製するために使用されるバインダ前駆体中に含有され得る。
【0065】
本発明に従う被覆研磨物品は、例えば、ベルト、ロール、ディスク(有孔ディスクを含む)、および/またはシートに変形させることができる。ベルトの用途では、既知の方法を用いて研磨シートの2つの自由端が互いに接合されて、接合ベルトが形成され得る。
【0066】
被覆研磨物品を製造するための技法および材料の更なる記載は、例えば、米国特許第4,314,827号明細書(レイセイサー(Leitheiser)ら)、同第4,518,397号明細書(レイセイサー(Leitheiser)ら)、同第4,588,419号明細書(コール(Caul)ら)、同第4,623,364号明細書(コットリンガー(Cottringer)ら)、同第4,652,275号明細書(ブロイヒャー(Bloecher)ら)、同第4,734,104号明細書(ブロバーグ(Broberg))、同第4,737,163号明細書(ラーキー(Larkey))、同第4,744,802号明細書(シュワベル(Schwabel))、同第4,751,137号明細書(ツーメイ(Tumey)ら)、同第4,770,671号明細書(モンロー(Monroe)ら)、同第4,799,939号明細書(ブロイヒャー(Bloecher)ら)、同第4,881,951号明細書(ウッド(Wood)ら)、同第4,927,431号明細書(ブキャナン(Buchanan)ら)、同第5,498,269号明細書(ラーミー(Larmie))、同第5,011,508号明細書(ウォルド(Wald)ら)、同第5,078,753号明細書(ブロバーグ(Broberg)ら)、同第5,090,968号明細書(ペロー(Pellow))、同第5,108,463号明細書(ブキャナン(Buchanan)ら)、同第5,137,542号明細書(ブキャナン(Buchanan)ら)、同第5,139,978号明細書(ウッド(Wood))、同第5,152,917号明細書(ピーパー(Pieper)ら)、同第5,201,916号明細書(バーグ(Berg)ら)、同第5,203,884号明細書(ブキャナン(Buchanan)ら)、同第5,227,104号明細書(バウアー(Bauer))、同第5,328,716号明細書(ブキャナン(Buchanan))、同第5,366,523号明細書(ローウェンホースト(Rowenhorst)ら)、同第5,378,251号明細書(カラー(Culler)ら)、同第5,417,726号明細書(スタウト(Stout)ら)、同第5,429,647号明細書(ラーミー(Larmie))、同第5,436,063号明細書(フォレット(Follett)ら)、同第5,490,878号明細書(ピーターソン(Peterson)ら)、同第5,492,550号明細書(クリシュナン(Krishnan)ら)、同第5,496,386号明細書(ブロバーグ(Broberg)ら)、同第5,520,711号明細書(ヘルミン(Helmin))、同第5,549,962号明細書(ホームズ(Holmes)ら)、同第5,551,963号明細書(ラーミー(Larmie))、同第5,556,437号明細書(リー(Lee)ら)、同第5,560,753号明細書(ブキャナン(Buchanan)ら)、同第5,573,619号明細書(ベネディクト(Benedict)ら)、同第5,609,706号明細書(ベネディクト(Benedict)ら)、同第5,672,186号明細書(チェスリー(Chesley)ら)、同第5,700,302号明細書(ストートツェル(Stoetzel)ら)、同第5,942,015号明細書(カラー(Culler)ら)、同第5,954,844号明細書(ロー(Law)ら)、同第5,961,674号明細書(ガグリアルディ(Gagliardi)ら)、同第5,975,988号明細書(クリスチャンソン(Christianson))、同第6,059,850号明細書(リーセ(Lise)ら)、および同第6,261,682号明細書(ロー(Law))に見出すことができる。
【0067】
不織研磨物品は、通常、バインダにより研磨粒子が結合された多孔質(例えば、目の粗いかさ高(lofty open)多孔質)ポリマーフィラメント構造を含有する。本発明に従う不織研磨物品の典型的な実施形態は、図3aおよび図3bに示されており、目の粗いかさ高低密度繊維ウェブ300は、本発明に従うバインダ320が含浸された絡合フィラメント310の形を成す。研磨粒子340は、フィラメント310の露出表面で、繊維ウェブ300の全体にわたって分散される。バインダ樹脂320はフラメント310の一部を均一にコーティングして小球350を形成し、これは、個々のフィラメントまたはフィラメントの束を包囲する、フィラメントの表面に接着する、および/または接触するフィラメントの交差点に集まることが可能であり、不織研磨物品全体にわたって研磨部位が提供される。
【0068】
繊維ウェブは、連続フィラメント(例えば、スパンボンド繊維ウェブ)、ならびに/あるいは捲縮および/または互いに絡合されたステープル繊維を含むことができる。典型的な繊維には、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、およびポリアラミド繊維が含まれる。
【0069】
繊維ウェブは、場合により、例えば、ニードルタッキング、ステッチ結合および/または接着結合(例えば、のりまたはホットメルト接着剤を用いて)によって、バッキングに貼付(すなわち、固定)されてもよい。
【0070】
バインダおよびバインダ前駆体(本発明に従う硬化性エマルジョンを含む)、バッキング、研磨粒子、任意の添加剤、および被覆研磨物品中の含有物として上記に記載した任意の層は、本発明に従う不織研磨材においても使用することができる。
【0071】
本発明に従う不織研磨物品は、例えば、シート、ディスク、ベルト、ロール、ホイール、ハンドパッド、クリーニングブラシ、およびブロックを含む様々な有用な形態に変形され得る。
【0072】
不織研磨物品を製造するための技法および材料の更なる記載は、例えば、米国特許第2,958,593号明細書(フーバー(Hoover)ら)、同第4,018,575号明細書(ディビス(Davis)ら)、同第4,227,350号明細書(フィッツァー(Fitzer))、同第4,331,453号明細書(ダウ(Dau)ら)、同第4,609,380号明細書(バーネット(Barnett)ら)、同第4,991,362号明細書(ヘイアー(Heyer)ら)、同第5,554,068号明細書(カー(Carr)ら)、同第5,712,210号明細書(ウィンディッシュ(Windisch)ら)、同第5,591,239号明細書(エドブロム(Edblom)ら)、同第5,681,361号明細書(サンダーズ(Sanders))、同第5,858,140号明細書(バーガー(Berger)ら)、同第5,928,070号明細書(ラックス(Lux))、同第6,017,831号明細書(ベアズリー(Beardsley)ら)、同第6,207,246号明細書(モーレン(Moren)ら)、および同第6,302,930号明細書(ラックス(Lux))に見出することができる。
【0073】
結合研磨物品は、通常、バインダにより結合された研磨粒子の成形塊を含む。ここで図4を参照すると、本発明に従う結合研磨物品の典型的な実施形態は研削ホイール400の形態を有し、ここで研磨粒子440は、本発明に従うバインダ420により結合され、ハブ430上に取り付けられた成形塊を形成する。
【0074】
1つの方法では、結合研磨物品は、バインダ前駆体中の研磨粒子の混合物を調製し、混合物を成形し(例えば、モールドを用いて)、バインダ前駆体を硬化させてバインダを形成することによって形成され得る。本発明に従う1つの実施形態(例えば、ガラス質の結合研磨物品)では、バインダは、次に、熱分解により除去されてもよい。
【0075】
本発明に従う結合研磨物品は、例えば、ホイール(例えば、研削ホイール、研磨ホイール、カットオフホイール)、ホーニング砥石、ベルト、取付ポイント(mounted point)、またはその他の従来の結合研磨材の形状などの、研磨物品として有用な任意の形態を有することができる。
【0076】
結合研磨物品に関する更なる詳細は、例えば、米国特許第4,800,685号明細書(へインズ(Haynes)ら)、同第4,898,597号明細書(ヘイ(Hay)ら)、同第4,933,373号明細書(モーレン(Moren))、同第5,282,875号明細書(ウッド(Wood)ら)に見出すことができ、これらの開示は参照によって本明細書中に援用される。
【0077】
本発明に従う硬化性エマルジョンは、例えば米国特許第5,554,068号明細書(カー(Carr)ら)に記載されるようなフラップブラシ、および例えば2002年5月30日公開の米国特許公開第2002/0065031A1号明細書(シュー(Chou)ら)に記載されるような単一ブラシなどの研磨ブラシの調製のためのバインダ前駆体としても有用である。
【0078】
本発明に従う単一ブラシの1つの典型的な実施形態は、図5に例示される。図5を参照すると、カップブラシ500は、ベース526と、ベース526に直角に取り付けられた毛材528とを有する。研磨粒子530は、本発明に従うバインダ532によって、毛材528に接着される。ベース526はその中央に穴534を有しており、これは、例えば、回転手工具へ容易に取り付けられるようにねじ山が付けられている。
【0079】
本発明に従う単一ブラシのもう1つの典型的な実施形態は、図6に例示される。図6を参照すると、放射状ブラシ600は、外側に延出する毛材604を有する中心ハブベース603を有する。中心ハブ603は、その中央に穴607を有する。毛材604は、本発明に従うバインダ608によって接着された研磨粒子606を有する。本発明に従う放射状ブラシは、個々に使用されてもよいし、連結されてもよい。
【0080】
単一ブラシの寿命を高めるために、毛材と接触する本発明に従うバインダは、ASTM試験法D790−02「非強化および強化プラスチックおよび電気絶縁材料の曲げ特性についての標準試験法」(2002)に従って測定されるように、毛材の曲げ弾性率と同様(例えば、その20パーセント以内)の曲げ弾性率を有し得る。
【0081】
本発明に従う硬化性エマルジョンは、例えば、米国特許第6,007,590号明細書(サンダーズ(Sanders))に記載されるような小孔のある研磨物品を調製するために、発泡させて使用することができる。
【0082】
本発明に従う研磨物品は、ワークピースを研磨するのに有用である。本発明に従う研磨物品で研磨するための方法は、スナッギング(すなわち、高圧高ストックリムーバル)からポリッシング(例えば、被覆研磨ベルトによる医療用インプラントのポリッシング)までに及び、後者は通常、より細かいグレード(例えば、より小さいANSI220、およびそれより細かい)の研磨粒子で行なわれる。このような方法の1つは、研磨物品(例えば、被覆研磨物品、不織研磨物品、または結合研磨物品)と、ワークピース表面とを摩擦接触させ、研磨物品またはワークピースのうちの少なくとも一方を他方に対して移動させて、表面の少なくとも一部を研磨するステップを含む。
【0083】
ワークピース材料の例としては、金属、合金、エキゾチック合金(exotic metal alloy)、セラミックス、ガラス、木、木のような材料、複合体、塗装表面、プラスチック、強化プラスチック、石および/またはこれらの組み合わせが挙げられる。ワークピースは平坦でもよいし、それと関連のある形状または輪郭を有してもよい。典型的なワークピースには、金属部品、プラスチック部品、パーティクルボード、カム軸、クランク軸、家具、およびタービンブレードが含まれる。研磨中に加えられる力は、通常、1キログラム〜100キログラムの範囲である。
【0084】
本発明に従う研磨物品は、手で使用される、および/または機械と組み合わせて使用され得る。研磨物品およびワークピースのうちの少なくとも一方は、研磨時に他方に対して移動される。
【0085】
研磨は、ウェットまたはドライ条件下で実行することができる。ウェット研磨のための典型的な液体としては、水、従来のさび止め化合物を含有する水、潤滑剤、油、セッケンおよび切削液が挙げられる。また、液体は、消泡剤、脱脂剤、および/またはその他の同様のものを含有してもよい。
【0086】
本発明は、以下の非限定的な実施例を参照して、より完全に理解されるであろう。ここで、全ての部、百分率、比率などは、別に示されない限りは、重量によるものである。
【実施例】
【0087】
別に指摘されない限りは、実施例で使用される全ての試薬は、ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company,Milwaukee,Wisconsin)などの一般的な化学薬品供給業者から入手した。または入手可能である。あるいは、既知の方法により合成され得る。
【0088】
以下の略語は、実施例全体にわたって使用される。
【0089】



【0090】
エマルジョン調製の一般法
以下の順序で、指定量の成分を混ぜ合わせることによって、エマルジョンを調製した。
1. 温かい(すなわち、約50℃)ジイソシアネートプレポリマー、液体硬化剤(C2の場合約87−89℃で溶融)、および非イオン性界面活性剤を攪拌しながら混ぜ合わせることによって油相を調製し、
2. ポリ(アクリル酸−co−アルキルアクリレート)を4重量パーセントの量で水中に溶解させることによってプレミックスを調製し、
3. 温かい水中でプレミックスを中和剤と混ぜ合わせることによって水相を調製し、そして、
4. 十分に攪拌しながら(700〜1200rpm、2インチ(5cm)攪拌ブレード)、温かい油相を温かい水相に添加してエマルジョンを形成した。
【0091】
摩耗試験
中心切欠を有する不織研磨材の試験すべき3つのディスク(外径10インチ(25.4mm)、内径2インチ(5.1mm))を、2つの7.6cm直径の保持フランジの間の2インチ(5.1mm)スピンドル上に、厚さ12.7mmの15.2cm×5.08cmの鋼スペーサーで互いに隔てて取り付け、円筒形の研磨表面を有するディスクスタックを製造した。試験中にディスクがスピンドル上で回転しないことを確実にするためにフランジを十分に締め付けた。
【0092】
研磨するワークピースは、5.5mmの間隔(中心〜中心)で隔てられた直径4mmの孔の六角形の密集した配列を有する厚さ1.5mmの冷延鋼シートのふるい片であり、イリノイ州シカゴのハリントン&キング・パーフォレーティング・カンパニー(Harrington&King Perforating Company,Chicago,Illinois)から入手した(部品番号FX001308)。
【0093】
ディスクスタックとワークピースとの間に9.08kgの荷重をかけて、2,300rpmの速度で2分間、ディスクスタックを回転軸上で回転させた。ディスクアセンブリを回転させると、ワークピースは、12秒サイクルで、鉛直方向に13.9cm振動した。それぞれの分数が経過したらワークピースを交換した。試験片の研磨の前後に、各ワークピースおよび研磨ディスクの全重量を測定した。ワークピースから除去された材料の量を「カット」として記録し、3つの研磨ディスクの合わせた重量損失を「摩耗」として記録した。試験全体を更に2回繰り返し、平均値を報告した。
【0094】
引張り試験
引張り特性、試験手順、および特性の計算の包括的な一覧を提供するASTM試験法D638−02(2002)、「プラスチックの引張り特性のための標準試験法」(その開示は参照によって本明細書中に援用される)に従って、引張り特性を評価した。W=0.125インチ(3.8mm)×LO=2.062インチ(52.4mm)×WO=0.562インチ(14.3mm)の寸法の5つのダンベル形状の試験片を、各フィルムサンプルからダイカットした。ここで、Wはダンベルの狭い部分の幅であり、LOは試験片の全体の長さであり、WOは試験片の全体の長さである。ノースカロライナ州カリーのMTS・システムズ・コーポレーション(MTS Systems Corporation,Cary,North Carolina)から入手可能な、商品名「シンテク(SINTECH)2」を有し、200ポンド(91kg)のロードセルを備えた一定の伸長速度の引張り試験機内に、各ダンベルをクランプで固定した。データ収集、引張り特性計算、および機械制御は、ノースカロライナ州カリーのMTS・システムズ・コーポレーションから商品名「テストワークス(TESTWORKS)バージョン2.1」で入手可能なソフトウェアを用いて実行した。ゲージ長さは1.0インチ(2.54cm)であり、歪み速度は1.0インチ/分(2.54cm/分)に設定し、試験片の把持表面は鋸歯状であり、幅2インチ(5cm)×長さ1.5インチ(3.8cm)であった。報告された試験結果は、単一のフィルムの10個の測定値の統計的平均である。
【0095】
摩擦試験
2000グラムのロードセルおよび15℃に冷却した可変温度プラテンを備えたトウィング−アルバート(Thwing−Albert)摩擦/剥離テスターモデルNo.225−1(ペンシルベニア州フィラデルフィアのトウィング−アルバート・インストルメント・カンパニー(Thwing−Albert Instrument Company,Philadelphia,Pennsylvania))を用いて、摩擦係数を決定した。フィルム試験片を横切ってスライドする2インチ×2インチ(5.1cm×5.1cm)の接触面を有する500グラム(g)の重さの鋼棒を2.1インチ/分(5.6cm/分)で引っ張ることにより、測定を行なった。各試験片に対して静止摩擦係数および動摩擦係数のそれぞれの3回の測定を行ない、平均値として報告した。
【0096】
フィルム調製−引張り試験のための一般法
次に引張り試験をするためのフィルム試験片を、スピンコーティング手順により調製した。内径2.5インチ(6.4cm)×外径3.0インチ(7.6cm)の取り外し可能な環状の蓋が備えられ、内径3.0インチ(7.6cm)×長さ3.0インチ(7.6cm)のポリ(テトラフルオロエチレン)で裏打ちしたアルミニウムシリンダの内部表面に、キャスティングすべき25mLの配合物を供給した。次に、付属の電気モータによりシリンダを軸方向に3600rpmで回転させた。ホットエアガンからの加熱空気を回転するシリンダに方向付け、光高温計(ミネソタ州セントポールの3M・カンパニー(3M Company,Saint Paul,Minnesota)から商品名「IR750」で入手)で測定される樹脂の表面を250−260°F(121−127℃)に4時間保持した。次に、回転および加熱を停止し、得られた円筒形フィルムを、装置内の所定位置にある間に冷却した。次に、蓋を外して、円筒形のキャストフィルム試験片を装置から取り出した。次に、円筒形フィルム試験片を長さ方向に切断し、9.4cm×7.6cmの矩形シートを提供した。典型的なフィルム厚は0.025〜0.030インチ(0.64〜0.76mm)であった。矩形シートを強制空気オーブン内に入れ、250°F(121℃)設定した強制空気対流式オーブン内で、18時間後硬化させた。周囲条件まで冷却して、試験のためのフィルムを調製した。
【0097】
フィルム調製−摩擦試験のための一般法
次に摩擦試験をするためのフィルムを鋼板上(リン酸塩コーティング、4インチ×12インチ×0.030インチ(10.1×30.5cm×0.76mm))で調製した。指定の組成物をウェット厚0.010インチ(0.25mm)でナイフコーティングし、2時間空気乾燥させてから、250°F(121℃)の対流式オーブン内に18時間置くことによって各フィルムを調製した。次に、様々な温度で摩擦を測定する前に、各フィルムを室温まで冷却した。
【0098】
比較例A〜D
表1に示される量の成分を混ぜ合わせて比較例A〜Dを調製した。ウレタン樹脂、硬化剤、および追加の溶媒(使用される場合には)を、完全に溶解するまで攪拌しながら混ぜ合わせ、次に、非イオン性界面活性剤を使用する場合には攪拌しながら添加した。
【0099】
実施例1〜3
エマルジョン調製の一般法に従って、実施例1〜3を調製した。表1(下記)に示される量の成分を混ぜ合わせることによって、油相を調製した。PU1および溶融C2を、完全に溶解するまで攪拌しながら混ぜ合わせ、次に、非イオン性界面活性剤(使用する場合には)を攪拌しながら添加した。170部の水、30部の2重量パーセントのポリアクリル酸水溶液、および1部のNHOHを混ぜ合わせることによって、水相を調製した。油相および水相を混ぜ合わせ、エマルジョンが生じた。
【0100】
表1

【0101】
フィルム調製−引張り試験のための一般法に従って、比較例A〜Dおよび実施例1〜3の組成物からフィルムをキャスティングした。これらの調製フィルムからの試験片を引張り試験に従って試験した。結果は表2(下記)に報告される。表2では、「psi」はポンド/平方インチを意味する。
【0102】
表2

【0103】
実施例4〜8
エマルジョン調製の一般法に従って、表3(下記)に示される組成物のエマルジョンを調製した。
【0104】
表3

【0105】
フィルム調製−摩擦試験のための一般法に従って、比較例Aおよび実施例4〜8の組成物からフィルムを調製した。次に、摩擦試験に従ってキャストフィルムを試験した。試験温度15℃で得られた結果は、表4(下記)に報告される。
【0106】
表4

【0107】
実施例9〜16および比較例E
米国特許第4,227,350号明細書(フィッツァー(Fitzer))の実施例1の手順に従って、連続フィラメント不織ウェブを製造した。六角形の密集した配列で0.080インチ(0.2cm)の間隔で隔てられた8つの等しい列に配置された2890個のカウンタサンク、カウンタボアード(counter sunk,counter bored)開口を公称で有する60インチ(1.5メートル)長さのスピナレットを介して、ポリカプロラクタム(ニュージャージー州マウントオリーブのBASF・コーポレーションのポリマー事業部(BASF Corporation,Polymers Division,Mount Olive,New Jersey)から商品名「ウルトラミッド(ULTRAMID)B3」で市販されている)を、2800psi(19MPa)の圧力で押出した。各開口は0.016インチ(0.4mm)の直径を有し、0.079インチ(2.01 mm)のランド長さを有する。スピナレットを約248℃に加熱し、0.5ガロン/分(2リットル/分)の速度で水道水により連続的に充満および流水される急冷浴の表面の12インチ(30cm)上に位置決めした。スピナレットから押出されたフィラメントが急冷浴内へ落下するようにし、直径4インチ(10cm)×長さ60インチ(1.5m)の2つの円滑表面ロールの間で、フィラメントをうねらせて巻きつけた。両ロールを、その回転軸を浴の表面の約2インチ(5cm)下にして浴内に位置決めし、約9フィート/分(2.7m/分)の表面速度でロールを反対方向に回転させた。得られた押出ウェブの表面を軽く圧迫するようにロールを離間させ、平坦な表面が両面に提供された。約700ポンド/時間(320kg/hr)の速度でポリカプロラクタムを押出し、幅59インチ(1.5m)×厚さ0.66インチ(17mm)のウェブを生じた。ウェブは8列の巻きつけられたうねったフィラメントを有した。得られた巻きウェブは、14.2グラム/24平方インチ(0.875kg/m)の坪量を有し、92.6体積パーセントの空隙容量を有していた。フィラメント直径は平均して約15ミル(0.38mm)であった。急冷浴から一方のロールの回りにウェブを支持し、強制空気を用いて室温(すなわち20℃〜24℃)で乾燥させることによりウェブから過剰の水を除去した。
【0108】
上記で調製した不織ウェブを用いて、以下に記載されるようにメイクコート、ミネラルコート、およびサイズコートを順次施すことによって、実施例9〜16および比較例Eを作製した。
【0109】
2−ロールコータを用いて、表5(下記)に示される成分を混ぜ合わせて得られるメイクコートを不織ウェブに施した。
【0110】
表5

【0111】
6.5g/24インチ(0.420kg/m)の乾燥付加重量で、指示されたメイクコートを施した。次に、ドロップコーターによって、グレード36のSiC研磨粒(2.6 kg/m)を、コーティングされたウェブに施した。ウェブを激しく動かして、ウェブの隙間の空間への粒の侵入を促進した。次に、長さ90フィート(27m)のオーブンを通過させることによって、粒子がコーティングされたウェブを加熱した。次に、表3に示される組成を有するサイズコートをウェブの上面にスプレーしてから、オーブン内で加熱した。ウェブを反転させ、指示された量のサイズコーティングで他方の面をスプレーし、同一条件下、オーブン内で加熱した。最終的なサイズコートの乾燥付加量は、7.78g/24イン(0.503kg/m)であった。得られた不織研磨物品から、ディスク(外径10インチ(25.4mm)、内径2インチ(5.1mm))を切り取り、摩耗試験に従って試験した。メイクコーティングおよびサイズコーティングのために使用した硬化条件と、摩耗試験結果とは、表6(下記)に報告される。
【0112】
表6

【0113】
単一ブラシを射出成形するための一般手順
40本の長さ2.2cmの一体型の毛材、3.8cmのハブ、直径7.6cm、および1.65gの重量を有する射出成形放射状毛材ブラシを、ポリアミド11(イリノイ州アーリントンハイツのエルフ・アトケム(Elf Atochem,Arlington Heights,Illinois)から商品名「ベズノ(BESNO)P40TL」で入手)から成形した。単一キャビティのモールドを用いた。使用した射出成形機は、オハイオ州バタビアのシンシナティ・ミラクロン(Cincinnati Milacron,Batavia,Ohio)から得られる、汎用スクリューの付いた単一ショット押出機を用いる220トン(200,000kg)の締め付け力の機械であった。成形パラメータは、ノズル温度232℃、バレル前方の(ノズルに最も近い)温度216℃、バレル後方の(ホッパーに最も近い)温度232℃、最大値の75パーセントのスクリュー回転、射出圧力2760〜3450kPa、および長さ2.3cmであった。
【0114】
比較例F〜Gおよび実施例17
単一ブラシを射出成形するための一般手順に従って、12個の射出成形ブラシを作製した。各ブラシをコーティングするために使用した接着剤組成物は、表7に報告される。
【0115】
幅3.8cmおよび厚さ1.3cmのポリテトラフルオロエチレンのスペーサーを各ブラシの間に用いて、ブラシを電気駆動マンドレル上に取り付け、約15rpmで回転させ、回転を継続させながら接着剤組成物中に約10秒間沈漬させ、接着剤組成物から取り出し、約300rpmで約10秒間回転させて、過剰の接着剤を除去した。その結果得られたコーティングは、ブラシあたり0.5〜0.6gの目標乾燥付加重量で施された。
【0116】
マンドレルをスプレーブースに移し、スプレーガンによって、各ブラシの湿った第1のコーティングに研磨粒子(3M・カンパニーにより商品名「キュービトロン(CUBITRON)222グレード100」で市販)を施した。湿った第1のコーティングに更なる研磨粒子が接着できなくなるまで(ブラシあたり5gの範囲であった)、11個のブラシの両面に研磨粒子を施した。次に、研磨コーティングされたブラシを130℃で45分間加熱し、第1のコーティングを硬化させ、研磨粒子を射出成形ブラシに固定した。研磨粒子の付いていないブラシも同一条件下で加熱した(第1のコーティングの乾燥重量の計算を助けるため)。加熱に続いて、全てのブラシに第2のコーティング(第1のコーティングと同じ組成を有する)を施した。この第2のコーティングは、研磨粒子ブラシに更に固定する役割を果たす。300rpmにおける回転時間を約15秒間に延長したことを除いて、第1のコーティングと同じ方法で第2のコーティングを施した。得られた第2のコーティングは、ブラシあたり0.4g〜0.5gの乾燥重量を有していた。続いて、130℃に設定したオーブン内でブラシを45分間加熱して、第2のコーティングを硬化させた。マンドレルから取り外した後、硬化研磨被覆ブラシのうちの2つを互いに積み重ね、金属アダプタで固定し、より大きい試験用の放射状研磨物品を作製した。
【0117】
以下の手順に従って、カットおよび摩耗について比較例F〜Gおよび実施例17を評価した。上記の通りに作製した研磨物品を、マンドレルを介して電気ドリル(ブラック&デッカー(Black&Decker)、「プロフェッショナル(Professional)1046ホルガン・ドリル・タイプ(Holgun Drill Type)101」1/4”VSR、120V、5.0A、2500RPM)に取り付け、11インチ(28cm)×24インチ(61cm)×5/8インチ(1.6cm)厚さのパーティクルボードワークピースの面に対して、約2500rpmで回転させた。回転する被覆ブラシは、その放射方向をワークピースに垂直な方向に向けた。ブラシとパーティクルボードとの間の接触圧力は、ドリルの重量によって提供した。被覆ブラシをパーティクルボードの表面に押し付けた。試験時間は1時間であった。ワークピースおよび研磨ブラシの重量を10分毎に測定して、カット(すなわち、ワークピースの重量損失)および摩耗(すなわち、ブラシの重量損失)を決定し、表7に報告する。
【0118】
表7

【0119】
本発明の様々な修正および変更は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく当業者には明らかになるであろう。そして、本発明が本明細書中に記載された例示の実施形態に不当に制限されてはならないことは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明に従う典型的な被覆研磨物品の断面図である。
【図2】本発明に従う典型的な被覆研磨物品の断面図である。
【図3a】本発明に従う典型的な不織研磨物品の斜視図である。
【図3b】図3aに示される不織研磨物品の領域の拡大図である。
【図4】本発明に従う典型的な結合研磨物品の斜視図である。
【図5】本発明に従う典型的な単一ブラシの側面図である。
【図6】本発明に従うもう1つの典型的な単一ブラシの正面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロックポリイソシアネートおよび硬化剤を含む油相と、
水と、少なくとも1つのフリーラジカル重合性カルボン酸および少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートを含むモノマーからなる少なくとも部分的に中和された架橋コポリマーとを含む水相であって、前記少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートが11個の炭素原子〜34個の炭素原子を有し、更に、pHが4〜10の範囲である水相と、
を含む硬化性エマルジョン。
【請求項2】
ブロックポリイソシアネートおよび硬化剤を含む成分から調製可能な油相と、
水と、少なくとも1つのフリーラジカル重合性カルボン酸および少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートを含むモノマーからなる少なくとも部分的に中和された架橋コポリマーとを含む成分から調製可能な水相であって、前記少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートが11個の炭素原子〜34個の炭素原子を有し、更に、pHが4〜10の範囲である水相と、
を含む硬化性エマルジョン。
【請求項3】
非イオン性界面活性剤を含有しない、請求項1または2に記載の硬化性エマルジョン。
【請求項4】
非イオン性界面活性剤を更に含み、前記非イオン性界面活性剤の量が、前記油相の全重量を基準として5重量パーセント未満である、請求項1または2に記載の硬化性エマルジョン。
【請求項5】
前記非イオン性界面活性剤の量が、前記油相の全重量を基準として0.1重量パーセント〜5重量パーセントの範囲である、請求項4に記載の硬化性エマルジョン。
【請求項6】
前記非イオン性界面活性剤の量が、前記油相の全重量を基準として0.8重量パーセント〜1.5重量パーセントの範囲である、請求項4に記載の硬化性エマルジョン。
【請求項7】
前記非イオン性界面活性剤が、12〜14の範囲の加重平均HLB値を有する、請求項4に記載の硬化性エマルジョン。
【請求項8】
前記非イオン性界面活性剤が、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンを含む、請求項4に記載の硬化性エマルジョン。
【請求項9】
前記モノマーが、アクリル酸を含む、請求項1または2に記載の硬化性エマルジョン。
【請求項10】
前記モノマーがアクリル酸およびアルキルアクリレートを含み、更に、前記アルキルアクリレートが13個の炭素原子〜33個の炭素原子を有する、請求項1または2に記載の硬化性エマルジョン。
【請求項11】
前記水相が、揮発性有機化合物を実質的に含有しない、請求項1または2に記載の硬化性エマルジョン。
【請求項12】
前記水相が、4〜7の範囲のpHを有する、請求項1または2に記載の硬化性エマルジョン。
【請求項13】
ブロックポリイソシアネートおよび硬化剤を含む油相と、
水と、少なくとも1つのフリーラジカル重合性カルボン酸および少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートを含むモノマーからなる少なくとも部分的に中和された架橋コポリマーとを含む水相であって、前記少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートが11個の炭素原子〜34個の炭素原子を有し、更に、pHが4〜10の範囲である水相と、
を含む硬化性エマルジョンの重合反応生成物を含む組成物。
【請求項14】
ブロックポリイソシアネートおよび硬化剤を含む油相と、
水と、少なくとも1つのフリーラジカル重合性カルボン酸および少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートを含むモノマーからなる少なくとも部分的に中和された架橋コポリマーとを含む水相であって、前記少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートが11個の炭素原子〜34個の炭素原子を有し、更に、pHが4〜10の範囲である水相と、
を含む成分から調製可能な硬化性エマルジョンの重合反応生成物を含む組成物。
【請求項15】
ブロックポリイソシアネートと、
硬化剤と、
水と、少なくとも1つのフリーラジカル重合性カルボン酸および少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートを含むモノマーからなる少なくとも部分的に中和された架橋コポリマーとを含む水相であって、前記少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートが11個の炭素原子〜34個の炭素原子を有し、更に、pHが4〜10の範囲である水相と、
を提供する工程と、
前記ブロックポリイソシアネートおよび硬化剤を混合してプレミックスを形成する工程と、
分散した油相を有する硬化性エマルジョンが形成されるように前記プレミックスと前記水相とを混合する工程と、
を含み、更に、非イオン性界面活性剤が、前記油相の全重量を基準として5重量パーセント未満の量で前記硬化性エマルジョン中に存在する硬化性エマルジョンの製造方法。
【請求項16】
前記プレミックスと前記水相とを混合する前に、前記ブロックポリイソシアネート、硬化剤、および水相のうちの少なくとも1つが、50℃〜70℃の範囲の温度に加熱される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記プレミックスが、前記水相へ添加される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
非イオン性界面活性剤を提供する工程と、
前記非イオン性界面活性剤を前記ブロックポリイソシアネートおよび硬化剤と混合する工程と、を更に含み、前記非イオン性界面活性剤の量が、前記油相の全重量を基準として5重量パーセント未満である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのフリーラジカル重合性カルボン酸が、アクリル酸を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記油相が、更に、研磨粒子を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも部分的に中和された架橋コポリマーの量が、前記エマルジョンの全重量を基準として0.1重量パーセント〜1重量パーセントの範囲である、請求項1または2に記載の硬化性エマルジョン、あるいは請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記油相が、充填剤、潤滑剤、帯電防止剤、粉砕助剤、および着色剤からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤を更に含む、請求項1または2に記載の硬化性エマルジョン、あるいは請求項15に記載の方法。
【請求項23】
研磨粒子と硬化性エマルジョンの反応生成物とを含む研磨物品であって、
前記硬化性エマルジョンが、ブロックポリイソシアネートおよび硬化剤を含む油相と、水相とを含み、前記水相が、
水と、
少なくとも1つのフリーラジカル重合性カルボン酸および少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートを含むモノマーからなる少なくとも部分的に中和された架橋コポリマーと、
を含み、前記少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートが11個の炭素原子〜34個の炭素原子を有し、更に、前記水相が4〜10の範囲のpHを有する研磨物品。
【請求項24】
前記硬化性エマルジョンが非イオン性界面活性剤を更に含み、前記非イオン性界面活性剤の量が、前記油相の全重量を基準として5重量パーセント未満である、請求項13または14に記載の組成物、あるいは請求項23に記載の研磨物品。
【請求項25】
前記油相対前記水相の重量比が、40:60〜65:35の範囲である、請求項1または2に記載の硬化性エマルジョン、あるいは請求項15に記載の方法。
【請求項26】
研磨粒子と硬化性エマルジョンの反応生成物とを含む研磨物品であって、
前記硬化性エマルジョンが、ブロックポリイソシアネートおよび硬化剤を含む油相と、水相とを含む成分から調製可能であり、前記水相が、
水と、
少なくとも1つのフリーラジカル重合性カルボン酸および少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートを含むモノマーからなる少なくとも部分的に中和された架橋コポリマーと、
を含み、前記少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートが11個の炭素原子〜34個の炭素原子を有し、更に、前記水相が4〜10の範囲のpHを有する研磨物品。
【請求項27】
前記成分が非イオン性界面活性剤を更に含み、更に、前記非イオン性界面活性剤の量が、前記油相の全重量を基準として5重量パーセント未満である、請求項13または14に記載の組成物、あるいは請求項26に記載の研磨物品。
【請求項28】
研磨粒子と、ブロックポリイソシアネートおよび硬化剤を含む油相ならびに水相を含む硬化性エマルジョンの反応生成物とを含む研磨物品であって、前記水相が、
水と、
少なくとも1つのフリーラジカル重合性カルボン酸および少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートを含むモノマーからなる少なくとも部分的に中和された架橋コポリマーと、
を含み、前記少なくとも1つのアルキルまたはアルカリール(メタ)アクリレートが11個の炭素原子〜34個の炭素原子を有し、更に、前記水相が4〜10の範囲のpHを有する研磨剤物品を提供する工程と、
少なくとも1つの研磨粒子をワークピースの表面と摩擦接触させる工程と、
前記少なくとも1つの研磨粒子またはワークピースのうちの少なくとも一方を他方に対して移動させて、前記研磨粒子で前記表面の少なくとも一部を研磨する工程と、
を含むワークピースの研磨方法。
【請求項29】
前記ブロックポリイソシアネートが、式:
【化1】

(式中、nは1以上の整数である)を有する化合物を含む、請求項1または2に記載の硬化性エマルジョン、あるいは請求項15に記載の方法、あるいは請求項23に記載の研磨物品。
【請求項30】
前記硬化剤が、ビス(4−アミノ−3−エチルフェニル)メタンまたはビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)メタンのうちの少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の硬化性エマルジョン、あるいは請求項15に記載の方法、あるいは請求項23に記載の研磨物品。
【請求項31】
前記反応生成物が、粉砕助剤を含有しない、請求項23に記載の研磨物品。
【請求項32】
前記反応生成物が、充填剤を含有しない、請求項23に記載の研磨物品。
【請求項33】
被覆研磨物品を含む、請求項23に記載の研磨物品。
【請求項34】
前記被覆研磨物品が、
バッキングと、
前記バッキングの少なくとも一部と接触するメイクコートと、
前記メイクコートと接触する研磨粒子と、
メイクコートの少なくとも一部および少なくとも1つの研磨粒子と接触するサイズコートと、
を含み、更に、前記メイクコートおよびサイズコートのうちの少なくとも1つが前記反応生成物を含む、請求項33に記載の被覆研磨物品。
【請求項35】
前記研磨物品がバッキングおよび前記バッキングと接触する研磨コートを更に含み、前記研磨コートがバインダ前駆体および研磨粒子の硬化スラリーを含み、更に、前記スラリーコートが前記反応生成物を含む、請求項33に記載の被覆研磨物品。
【請求項36】
前記被覆研磨物品が、ベルト、ロール、ディスク、およびシートからなる群から選択される形態を有する、請求項33に記載の被覆研磨物品。
【請求項37】
不織研磨物品を含む、請求項33に記載の研磨物品。
【請求項38】
目の粗いかさ高繊維ウェブを含む、請求項37に記載の不織研磨物品。
【請求項39】
連続フィラメントを含む、請求項37に記載の不織研磨物品。
【請求項40】
シート、ディスク、ベルト、ロール、ホイール、ハンドパッド、クリーニングブラシ、およびブロックからなる群から選択される形態を有する、請求項37に記載の不織研磨物品。
【請求項41】
結合研磨物品である、請求項23に記載の研磨物品。
【請求項42】
ホイール、ホーニング砥石、および取付ポイントからなる群から選択される形態を有する、請求項41に記載の結合研磨物品。
【請求項43】
前記研磨物品が、第1の曲げ弾性率を有する毛材と、前記反応生成物によって前記毛材の少なくとも一部に接着された研磨粒子とを含む単一ブラシを含み、更に、前記反応生成物が第2の曲げ弾性率を有する、請求項23に記載の研磨物品。
【請求項44】
前記第2の曲げ弾性率が、前記第1の曲げ弾性率の値から20パーセント以内である、請求項43に記載の研磨物品。
【請求項45】
前記単一ブラシが、カップブラシまたは放射状ブラシである、請求項43に記載の研磨物品。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−507390(P2006−507390A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−555299(P2004−555299)
【出願日】平成15年9月24日(2003.9.24)
【国際出願番号】PCT/US2003/030065
【国際公開番号】WO2004/048473
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】