説明

硬化性組成物、及びそれにより得られる保護層を有する物品

【課題】新規な硬化性組成物の提供。
【解決手段】a)以下の一般式で表される少なくとも1つの官能化用シランと、コロイド状シリカ中の表層ヒドロキシル基との反応により得られる官能化コロイド状シリカと、
(RSi(OR4−a
(式中、各Rは独立に、最高18の炭素原子数の一価のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリル又はアラルキル基であり、任意に、アルケニル、アクリレート及びエポキシからなる群から選択される少なくとも1つの化学反応性官能基を有してもよい)、
b)少なくとも1つのアルケニル及びアクリレート官能基を有する少なくとも1つの第1の硬化性モノマーと、
c)エポキシ官能基を有する少なくとも1つの第2の硬化性モノマーと、
d)エポキシ官能基と共に少なくとも1つのアルケニル及びアクリレート官能基を有する少なくとも1つの第3の硬化性モノマー(第3の硬化性モノマーは第1の及び/又は第2の硬化性モノマーを置換若しくは補充する)と、任意に
e)上記1つ以上の硬化性モノマー用の少なくとも1つの硬化剤を含んでなる硬化性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の説明)
本特許出願は米国仮特許出願第60/678,989号(2005年5月9日に出願)の優先権を主張し、その全開示内容を本願明細書に参照により援用する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、硬化性組成物、特に高容量光学情報記憶媒体などへの用途に用いる熱及び/又は放射線により硬化可能な保護ハードコート組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
光学情報記憶媒体の新規な形である、いわゆる「ブルーレイ」Disc(BD)技術は、最近になりようやく市販されるようになった。現時点では、ブルーレイ光学情報記憶ディスクは、反射層としての金属又は金属合金を有する、一方にスパッタ堆積を施した1.1mmの基材層、薄い情報層(BD−ROM用)、記録可能層(BD−R用)又は再記録可能層(BD−RE用)、及び最後に100ミクロン保護トップコート(又はカバー)層から構成される。カバー層は比較的高価な、溶媒注型された約100ミクロン厚のポリカーボネート(PC)膜からなり、接着剤を介して情報層、記録可能層又は再記録可能層、場合によっては基材と結合する。このPCフィルムには容易に傷が付き、指紋が付くため、ブルーレイディスクの現在の商業的な用途では保護カートリッジ内に包まれており、それにより生成物の著しいコスト上昇につながる。ブルーレイディスクの情報層、記録可能層若しくは再記録可能層はわずか約100ミクロン以下であり、ゆえにその表面は、従来のコンパクトディスク(CD)又はデジタル汎用ディスク(DVD)の表面の場合に許容されているよりも高い表層完全性が必要である。
【0004】
ディスク上への保護コーティングでブルーレイディスクの保護カートリッジを代替することや、あるいはより低コストであるが有効な代替物でカバー層として使用されるPCフィルムを代替する試みが現在行なわれている。PCフィルムは高価な材料であるのみならず、ディスク製造工程における組立作業が困難になる。ブルーレイディスクの改善策の候補となる1つのアプローチとして、2層式のスピンコーティング可能システムが挙げられ、それは第1の94〜98ミクロン層を1.1mmの情報含有基材上へスピンコートし、続いて第2の2〜6ミクロンのハードコート層をスピンコーティングし、それにより耐摩耗性及びフィンガープリント抵抗性が付与される。
【0005】
2層式のスピンコーティング可能システムには固有の複雑さが存在するため、2つのコーティング操作を、単一のコーティング組成物を使用した単一のコーティング処理にまとめ、上記の2コーティングシステムに含まれる全ての官能基を効果的に連結させることが切に望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
耐摩耗性及びかき傷耐性は、一般に高架橋樹脂によって提供されうる。しかしながら、大部分の有機樹脂は重合時に縮みを発生させる。硬化時のカバー層の収縮は、それとそれが付着している基材との間に応力を発生させる。この応力により、ディスク傾斜と呼ばれる現象が生じる。情報ピットの小型化及びレーザー光に要求される正確性から、特にブルーレイメディアの場合には過剰なディスク傾斜を回避する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下を含んでなる硬化性組成物の提供に関する。すなわち、
a)以下の一般式で表される少なくとも1つの官能化用シランと、コロイド状シリカ中の表層ヒドロキシル基との反応により得られる官能化コロイド状シリカと、
(RSi(OR4−a
(式中、各Rは独立に、最高18の炭素原子数の一価のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリル又はアラルキル基であり、任意に、アルケニル、アクリレート及びエポキシからなる群から選択される少なくとも1つの化学反応性官能基を有してもよい)、
b)少なくとも1つのアルケニル及びアクリレート官能基を有する少なくとも1つの第1の硬化性モノマーと、
c)エポキシ官能基を有する少なくとも1つの第2の硬化性モノマーと、
d)エポキシ官能基と共に少なくとも1つのアルケニル及びアクリレート官能基を有する少なくとも1つの第3の硬化性モノマー(第3の硬化性モノマーは第1の及び/又は第2の硬化性モノマーを置換若しくは補充する)と(第3の硬化性モノマーが第1及び第2の硬化性モノマー両方を置換する場合、官能化コロイド状シリカはエポキシ官能基と共に少なくとも1つのアルケニル及びアクリレート官能基を有する)、並びに任意に
e)上記1つ以上の硬化性モノマー用の少なくとも1つの硬化剤を含んでなる。
【0008】
官能化コロイド状シリカの存在により、本発明に係る硬化コーティング組成物に硬度が付与される。官能化シリカ粒子は硬化時に体積変化を起こさないため、かかる粒子の添加により硬化組成物の収縮を減少させることもできる。基材又は物品に塗布して硬化させるとき、本発明の組成物はかき傷及び耐摩耗性ハードコートを提供し、それは特にブルーレイ光学情報記憶媒体への用途に有利である。その保護カバー層又はハードコートとしてかかる媒体に塗布するとき、本発明の中の硬化コーティング組成物は、収縮及び傾斜をほとんど生じさせないと共に、上述したかき傷及び耐摩耗性の特性、並びにフィンガープリント抵抗性をメディア表面に付与する。
【0009】
本明細書で用いられる「官能化コロイド状シリカ」の用語は、疎水性を付与されることによって1つ以上の硬化性モノマーとの適合性を有するようになったコロイド状シリカを意味すると理解され、それらを混合することにより硬化性組成物が調製され、当該適合性はコロイド状シリカとシランを化学的に反応させることにより得られ、本発明ではこの結果をもたらすシランを「官能化用シラン」として本願明細書に記載する。官能化用シランとコロイド状シリカの反応から得られた結果、本発明の硬化性組成物中の官能化コロイド状シリカ成分は、シリカ粒子の表面に有機官能基部分を有する態様で調製され、当該部分は実質的に化学的に不活性な基(例えばアルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリル及びアラルキル基)、又は化学的に反応性の基(例えばアルケニル基(例えばアリル及びビニル基)、アクリレート基、エポキシ基)、又はかかる化学的に反応性の基の組合せ(例えばアクリレート基とエポキシ基)であってもよい。
【0010】
本明細書で用いられる用語「モノマー」とは重合可能な化合物であると理解され、それらは重合していなくとも、オリゴマーであっても、あるいはポリマーであってもよい。
【0011】
本願明細書の用語「アクリレート」とは、アクリレート及び/又はメタクリレートを指すと理解される。
【0012】
本発明の硬化性コーティング組成物は、特に高容量光学情報記憶媒体(例えばブルーレイディスク)の保護層の提供に好適であるが、この用途に限定されるものではなく、それ以外の他の多くの基材及び物品に、耐久性、高いかき傷耐性及び耐摩耗性コーティングを提供する用途にも利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の硬化性組成物の調製では、最初に官能化コロイド状シリカの調製を行う。官能化コロイド状シリカは、官能化用シランと、微粉末状にしたコロイド状シリカと反応させることによって調製するのが好ましい。官能化コロイド状シリカはその後、以下に記載されているように少なくとも1つの第1、第2及び/又は第3の硬化性モノマーと結合して硬化し、本発明の硬化組成物となる。
【0014】
コロイド状シリカは、水若しくは他の溶媒中の、ナノサイズシリカ(SiO)粒子の分散液として市販されている。コロイド状シリカには、最高約85重量%のシリカ(SiO)、通常は最高約80重量%のシリカが含有される。コロイド状シリカの中の名目メジアン粒子径は、通常約1〜約250nmの範囲であるが、本発明の場合は、約50nm以下、より好適には約25nm以下である。
【0015】
コロイド状シリカの官能化に有用なシランは、以下の一般式で表される。
(RSi(OR4−a
式中、各Rは独立に、最高18の炭素原子数の一価のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリル若しくはアラルキル基で、任意にアルケニル、アクリレート及びエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの化学反応性の官能基を有していてもよく、各Rは独立に、最高18の炭素原子数の一価の炭化水素ラジカルであり、aは1〜3までのいずれかの整数である。
【0016】
コロイド状シリカの官能化に使用できるシランとしては、アルキル−、シクロアルキル−、アリール−、アルカリル−及びアラルキル含有シラン(例えばフェニルジメチルメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジ−メトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシランなど)、アルケニル含有シラン(例えばビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニルアルコキシシラン)、アリルアルキルシランなどのアリルシラン(更にエポキシ、特にグリシドキシ官能基を有するものであって、米国特許第5420323号において開示されているもの)、並びにβ置換アリルシラン(米国特許第4898959号において開示されているもの)(上記の米国特許における開示内容は本願明細書に援用される)、アクリレート含有シラン(例えば3−アクリルオキシプロピル−メチルジエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−メタクリルオキシエチルメチルジエトキシシラン、2−メタクリルオキシエチルメチルジメトキシシラン、2−メタクリルオキシエチルトリメトキシシラン、2−アクリルオキシエチルトリメトキシシラン、3−メチルアクリルオキシプロピル−3−メタクリルオキシプロピル−トリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルジメチル−エトキシシラン、2−メタクリルオキシエチルトリエトキシシラン、2−アクリルオキシエチルトリエトキシシランなど)、並びに、エポキシ含有シラン(例えば2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルメチル−ジエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリ−メトキシシラン、2−メタクリルオキシエチルメチルジエトキシシラン、2−メタクリルオキシエチル−メチルジメトキシシラン、2−メタクリルオキシエチルトリメトキシシラン、2−アクリルオキシエチルトリ−メトキシシラン、3−メチルアクリルオキシプロピル−3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、2−メタクリルオキシエチルトリエトキシシラン、2−アクリルオキシエチルトリエトキシシランなど)が挙げられる。
【0017】
2つ以上の異なる官能基を有する官能化コロイド状シリカは、コロイド状シリカと、異なる官能基を有する多くの種類の官能化用シランとを反応させることにより調製できる。すなわち、例えばコロイド状シリカを同時若しくは順次2つの異なるシランと反応させ、その1つをアクリレート官能基を有するもの、その他をエポキシ官能基を有するものとしてもよい。また、例えば上記米国特許第5420323号に開示される特定のシランのように、アリル及びエポキシ官能基などの、2つの異なるタイプの官能基を有する単一のシランを用いてコロイド状シリカを官能化して両方の官能基を官能化コロイド状シリカに導入することも、本発明の範疇に包含される。
【0018】
一般に、コロイド状シリカは、それに対する約5〜約60重量%の1つ以上の官能化用シランと反応されることができる。必要に応じて、得られる官能化コロイド状シリカを酸又は塩基で処理し、そのpHを中和してもよい。酸又は塩基を、他の触媒と同様に用いることにより、シリカ粒子上のシラノール基、及び1つ以上のシラン上の1つ以上のアルコキシシラン基の凝結を促進し、官能化プロセスを容易にすることができる。かかる触媒としては、チタン酸テトラブチル、チタンイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)ジブチルスズジラウレートなどの有機チタン及び有機スズ化合物、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0019】
一実施形態では、コロイド状シリカの官能化は、脂肪族アルコール中において、上記の重量比で、市販のコロイド状シリカの水分散液に対して1つ以上の官能化用シランを添加することによって実施できる。脂肪族アルコール中にコロイド状シリカと1つ以上の官能化用シランを添加して得られる組成物を、本明細書において前分散液と称する。例えば、脂肪族アルコールは、イソプロパノール、t−ブタノール、2−ブタノールメトキシプロパノールなど、並びにそれらの組み合わせから選択してもよい。1つ以上の脂肪族アルコールは、コロイド状シリカに対して約1〜約10倍の重量で添加してもよい。幾つかの場合、1つ以上の安定化剤(例えば4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシ、すなわち4−ヒドロキシTEMPO)をこの前分散液に添加してもよい。ある場合には、酸又は塩基を少量添加し、前分散液のpHを調整してもよい。得られる前分散液を通常約50℃〜120℃で約1時間〜約5時間加熱してシリカとシランの反応を行わせ、官能化されたコロイド状シリカを得る。
【0020】
前分散液を冷却し、更に処理を行い最終的な官能化コロイド状シリカの分散液を調製するが、その処理は少なくとも1つの硬化性モノマー(脂肪族環状のアクリレート、ウレタンジアクリレート又はエポキシ樹脂)と、任意に追加的な脂肪族溶媒(イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピル酢酸、トルエンなど、並びにそれらの組み合わせ(これらに限定されない)から選択される)を添加することによって行われる。官能化コロイド状シリカのこの最終的な分散液は、場合によっては、酸性若しくは塩基性の不純物を除去するために酸若しくは塩基によって、又はイオン交換樹脂によって処理してもよい。更に官能化コロイド状シリカのこの最終的な分散液を、約0.5Torr〜約250Torrの真空で、20℃〜140℃の温度で濃縮して溶媒、残存水などの低沸点材料を除去する。このように処理されて調製された濃縮分散液のことを本明細書では最終濃縮分散液と称する。
【0021】
必要に応じて、官能化コロイド状シリカの前分散液又は最終的な分散液を更に官能化してもよい。本実施態様では、低沸点成分を少なくとも部分的に除去し、その後適切なキャッピング剤(官能化コロイド状シリカ粉末粒子の表面上の残余のシラノール基と反応する)を、前分散液又は最終的な分散液に存在するシリカの量に対して、例えば約0.05〜約10倍の適切な量で分散液に添加する。低沸点成分の部分的な除去とは、低沸点成分の総量に対して少なくとも約10重量%の除去及び、好適には低沸点成分の総量の少なくとも約50重量%の除去をいう。有効量のキャッピング剤により官能化コロイド状シリカがキャッピングされるが、本願明細書のキャッピングされた官能化コロイド状シリカとは、対応するキャッピングされない官能化コロイド状シリカに存在するフリーのシラノール基の少なくとも約10%、好適には少なくとも約20%、より好適には少なくとも約35%が、キャッピング剤との反応によって官能化されている、官能化コロイド状シリカとして定義される。効果的な官能化コロイド状シリカのキャッピングにより、硬化性組成物全体の硬化の改善がなされる。通常キャッピングされた官能化コロイド状シリカを含む製剤は、コロイド状シリカの表面上の残余のシラノール基がキャッピングされなかった同様の製剤より良好な室温安定性を示す。
【0022】
好適なキャッピング剤としては、シリル化剤のようなヒドロキシル反応性材料が挙げられる。当該シリル化剤としては、限定されないが、ヘキサメチルジシラザン(HMDZ)テトラメチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ジフェニルテトラメチルジシラザン、N−(トリメチルシリル)ジエチルアミン、1−(トリメチルシリル)イミダゾール、トリメチルクロロシラン、ペンタメチルクロロジシロキサン、ペンタメチルジシロキサンなど、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。更に透明な分散液を20℃〜140℃で、約0.5時間〜約48時間加熱する。更に得られる混合物を濾過する。前分散液をキャッピング剤で反応させた場合、上記硬化性モノマーを添加し最終的な分散液を調製する。官能化コロイド状シリカと1つ以上の硬化性モノマーとの混合物を約0.5Torr〜約250Torrの圧力で濃縮し、最終濃縮分散液を調製する。このプロセスにおいて、溶媒などの低沸点成分、残存水、キャッピング剤の副産物、過剰なキャッピング剤などを実質的に除去する。
【0023】
その調製の後、硬化性組成物の官能化コロイド状シリカ成分は、少なくとも1つのアルケニル及びアクリレート官能基を有する少なくとも1つの第1の硬化性モノマーと、少なくとも1つのエポキシ官能基を有する第2の硬化性モノマーと、任意に、エポキシ官能基と共に少なくとも1つのアルケニル及びアクリレート官能基を有する少なくとも1つの第3の硬化性モノマーと結合する。官能化コロイド状シリカにエポキシ官能基と共に少なくとも1つのアルケニル及びアクリレート官能基を含めるときは、当該第3のモノマーで、アルケニル及び/又はアクリレート官能基を有する1つ以上の第1のモノマー及び/又はエポキシ官能基を有する1つ以上の第2のモノマーを置換又は補充してもよく、あるいは上記第1及び第2のモノマー両方を完全に置換してもよい。1つ以上のモノマーの硬化により、得られる1つ以上のポリマーと強固に結合した官能化コロイド状シリカを含む硬化組成物が得られ、それにより、上述の高い容量光記憶媒体(例えばブルーレイディスク)などの、多くの異なるタイプの基材若しくは物品への保護カバー又はコーティングに非常に適する、耐久性のかき傷及び耐摩耗性材料が得られる。
【0024】
官能化コロイド状シリカがアルケニル及び/又はアクリレート官能基及びエポキシ官能基を含み、そこに添加して本願明細書の硬化性組成物を得るための1つ以上の硬化性モノマーが多官能基である(必然的に第3の硬化性モノマーによるケース)とき、官能化コロイド状シリカは、組成物を硬化させて得られるポリマー構造中に化学的に取り込まれる。ブルーレイディスクの保護ハードコートの提供などの用途の場合、この化学的に統合されたシリカ/ポリマー組成物は特に有利でありえる。
【0025】
本発明の硬化性組成物への取り込みが可能な、アルケニル及び/又はアクリレートを含有する有用な第1の硬化性モノマーとしては、モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−及びそれ以上の官能基を有するアクリレートが挙げられ、いずれの具体例も公知技術である。
【0026】
有用なアクリレートモノマーとしてはモノアクリレートが挙げられ、特に、メチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、エチルヘキシルメタクリレートなどのアルキルアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、アルコキシル化ラウリルアクリレート、アルコキシル化フェノールアクリレート、アルコキシル化フェノールメタクリレート、アルコキシル化テトラヒドロフルフリルアクリレート、カプロラクトンアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマルアクリレート、ジシクロペンタジエニルメタクリレート、エトキシル化(10)ヒドロキシエチルメタクリレート、エトキシル化(4)ノニルフェノールアクリレート、エトキシル化(4)ノニルフェノールメタクリレート、エトキシル化ノニルフェノールアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、メタクリレート官能性モノマー、メトキシポリエチレングリコール(350)モノアクリレート、メトキシポリエチレングリコール(350)モノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(550)モノアクリレート、メトキシポリエチレングリコール(550)モノメタクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリウレタンメタクリレート、オクチルデシルアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、プロポキシル化(2)アリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレートなどが挙げられる。
【0027】
有用なジアクリレートとしては、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジメタクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジメタクリレート、アルコキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、アルコキシル化ネオペンチルグリコールジメタクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、エトキシル化(10)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(1)ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシル化(2)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(2)ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシル化(3)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(3)ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシル化(30)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(30)ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシル化(8)ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシル化(8)ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシル化(6)ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシル化(6)ビスフェノールAジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジネオペンチルグリコールメタクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ジポリエチレングリコール(200)メタクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ジポリエチレングリコール(400)メタクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、ジポリエチレングリコール(600)メタクリレート、ジエチルポリプロピレン(400)アクリレート、ジポリプロピレングリコール(400)メタクリレート、プロポキシル化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジプロポキシル化(2)ネオペンチルグリコールメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート,トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ジトリシクロデカンジメタノールメタクリレート、メチレングリコールジアクリレート、メチレングリコール、ジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレートなどが挙げられる。
【0028】
本発明で使用可能である三官能性アクリレートとしては、エトキシル化(15)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(15)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(9)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(20)トリメチロールプロパントリアクリレート、高プロポキシル化(5.5)グリセリルトリアクリレート、低粘性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、プロポキシル化(3)グリセリルトリアクリレート、プロポキシル化(3)グリセリルトリメタクリレート、プロポキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートなどが挙げられる。
【0029】
本発明に使用できる有用なテトラ−及びそれ以上の官能基を含有するアクリレート及びメタクリレートとしては、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、エトキシル化(5)ペンタエリトリトールテトラアクリレート、低粘性ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、ペンタアクリレートエステル、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、などが挙げられる。
【0030】
その他の有用な多官能基アクリレートとしては、ポリエステル及びアルキル(ノボラック)アクリレート(例えば米国特許第6714712号に開示。その全開示内容を本願明細書に援用する。)、ウレタンジアクリレート(特にポリエーテルジオール又はポリエステルジオールに由来するイソシアネート末端ポリウレタンと有機ジイソシアネート(イソホロンジイソシアネートなど)を、活性水素含有アクリレート(例えばヒドロキシエチルアクリレート又はヒドロキシエチルメタクリレート)と反応させることによって得られる)が挙げられる。特に有用なものとして、別の低粘性アクリレートで希釈した市販のウレタンジアクリレートが挙げられ、より簡便に使用できる程の粘性を有するアクリレートモノマー混合物が得られる。
【0031】
本発明への使用に適するエポキシ基を含有する第2の硬化性モノマー(すなわちエポキシド)としては、少なくとも1つのエポキシ官能基、及び好ましくは複数のエポキシ官能基を有するものが挙げられる。エポキシ基含有モノマーの例としては、モノ−及びジカルボキシル酸のグリシジルエステル、アルキルグリシジルエーテル(例えばブチルグリシジルエーテル)、フェニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、3−シクロヘキセニルメチル−3−シクロヘキセニルカルボン酸ジエポキシド、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ−(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロ−ヘキサンカルボン酸エステル、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチル−シクロヘキサンカルボン酸エステル、ビニルシクロヘキサンジオキシド、アジピン酸ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル−メチル)、アジピン酸ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)、エンド−エキソビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エンドエキソビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、2,2−ビス(4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル)プロパン、2,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ−シクロヘキシル−p−ジオキサン)、2,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ノルボルネン、リノール酸二量体のジグリシジルエーテル、二酸化リモネン、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、二酸化ジシクロペンタジエン、1,2−エポキシ−6−(2,3−エポキシプロポキシ)ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン、p−(2,3−エポキシ)シクロペンチルフェニル−2,3−エポキシプロピルエーテル、1−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル5,6−エポキシ−ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン、o−(2,3−エポキシ)シクロペンチルフェニル−2,3−エポキシプロピルエーテル)、1,2−ビス(5−(1,2−エポキシ)−4,7−ヘキサヒドロメタノインダンオキシル)エタン、シクロペンテニルフェニルグリシジルエーテル、シクロヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ビスフェノールA及びビスフェノールFのジグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、アルキル−及びアルケニル−グリシジルエステル、アルキル−、モノ−及びポリフェノールグリシジルエーテル、ピロカテコールのポリグリシジルエーテル、レゾルシノール、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルジメチルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメチルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン及びトリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、塩化ポリグリシジルエーテル及び上記のジフェノールの臭化物、ノボラックのポリグリシジルエーテル、ジハロアルカン又はジハロゲンジアルキルエーテルと芳香族ハイドロカルボン酸塩をエステル化することによって得られたジフェノールのエーテルをエステル化することによって得られたジフェノールのポリグリシジルエーテル、フェノール類及び少なくとも2つのハロゲン原子を含む長鎖ハロゲンパラフィンの縮合により得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ソルビトールグリシジルエーテル、などが挙げられる。少なくとも1つのアルケニル官能基及びアクリレート官能基、並びにエポキシ官能基を含む有用な第3の硬化性モノマーとしては、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、グリシジルグリシジルアクリレートメタクリレート、フェノールノボラックエポキシドアクリレート及びメタクリレート、クレゾールノボラックエポキシドアクリレート及びメタクリレート、ビスフェノールAエポキシドアクリレート及びメタクリレートなどが挙げられる。
【0032】
本発明の硬化性組成物における官能化コロイド状シリカ、並びに1つ以上の第1、第2及び/又は第3の硬化性モノマーの量は広い範囲で任意に調節することができる。例えば、硬化性組成物中の官能化コロイド状シリカ及び全モノマーの総重量を下記の表1に示す。
【0033】
表1:硬化性組成物中の官能化コロイド状シリカ及びモノマーの添加量の範囲
【表1】

【0034】
他の多数の硬化性組成物を、本発明の範囲内において調製することもできる。例えば、官能化コロイド状シリカがアルケニル、アクリレート及びエポキシ官能基の少なくとも1つを欠く場合、1つ以上の第1及び第2の硬化性モノマーの双方を、例えば上記の量で存在させ、第3のモノマーについては、完全に省くか又は必要に応じて上記のいずれかの量で存在させる。しかしながら、官能化コロイド状シリカがエポキシ官能基と共に少なくとも1つのアルケニル及びアクリレート官能基を含むとき、硬化性組成物の全モノマーを1つ以上の第3のモノマーで構成してもよく、又は、必要に応じて、比較的少ない量の1つ以上の第1のモノマー、1つ以上の第2のモノマー又は第1及び第2のモノマーの混合物と、比較的多量の第3のモノマーとの混合物で構成してもよい。
【0035】
本発明の硬化性コーティング組成物は、周囲条件での長時間の静置によりハードコート膜を提供するものの、加熱及び/又はフリーラジカル硬化剤の使用を伴わせることにより最適な結果が得られる。硬化性組成物は、紫外線光、電子ビーム又はγ放射線のようなエネルギー的なフリーラジカル発生因子によって、又は1つ以上の化学的フリーラジカル発生剤(例えばアゾ化合物及び過酸化物)によって硬化できる。1つ以上の光重合開始剤を硬化前に添加することにより、組成物を紫外線光で硬化させることができる。エネルギーの吸収によってラジカルを発生させるならば、有用な光重合開始剤の性質に特別な制限はない。本発明の硬化性組成物の紫外線硬化に使用できるUV反応性光重合開始剤又は開始剤の混合物としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(Darocur1173、Ciba Specialty Chemicals社製)、及び2,2−ジメトキシ−2−フェニル−アセトール−フェノン(Irgacure651、Ciba Specialty Chemicals社製)が挙げられる。
【0036】
その他の硬化剤としては、オニウム触媒(例えばヨウ化ビスアリール塩(例えばビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、(オクチルオキシフェニル、フェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビスアリールヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩)トリアリールスルホン酸塩及びそれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、触媒はヨウ化ビスアリール塩である。任意に、芳香族のピナコール(ベンゾインアルキルエーテル、有機過酸化物及びそれらの組み合わせ)などの1つ以上のフリーラジカル発生化合物を有効量で、オプションとして添加してもよい。フリーラジカル発生化合物又はかかる化合物の混合物により、低い温度でのオニウム塩の分解が促進される。
【0037】
また、本発明において有用な1つ以上のエポキシ樹脂モノマーの硬化剤として、超酸塩(例えば米国特許第5278247号において開示される尿素超酸塩。その全開示内容が本願明細書に援用される)が挙げられる。
【0038】
通常、上記の組成物中の全固形物に対して約0.05〜約5重量%の硬化剤により、本発明の組成物の硬化がなされる。
【0039】
当業者に公知のように、本発明の硬化性組成物に、1つ以上の他の任意の成分(例えば表層処理剤、界面活性剤、帯電防止剤(例えば導電性ポリマー)、平滑剤、UV吸収剤、安定化剤、酸化防止剤、充填材、潤滑油、色素、染料、可塑剤、懸濁剤など)を従来公知の量で含有させてもよい。低い表面張力を与えるシリコーン流体及びフッ素系界面活性剤をコーティング組成物に更に添加し、耐摩耗性を高める表層の滑度を増加させてもよい。低表面張力材料の添加により、増加した接触角度により示される指紋防止特性が強化される。
【0040】
本発明の組成物は、基材又は物品と接着して硬化することにより、かき傷耐性及び耐摩耗性及び指紋防止特性を付与する。硬化した組成物は保護コーティング又はハードコートが主要な用途であり、様々な基材及び物品(例えば一般に熱可塑性物質、金属及び金属合金、ガラス及び他のセラミック、木など)に適用でき、当該組成物はかかる基材又は物品のトップコーティング又は中間コーティングとして利用できる。
【実施例】
【0041】
以下の実施例では、本発明の硬化性及び硬化した組成物、並びにそれらでコーティングされた光ディスクを例示する。これらの実施例では、一連の硬化性コーティング組成物を調製し、基材に、具体的にはポリカーボネートOQ1030(GE Plastics社製)及びNoryl(登録商標)(GE Plastics社製:ポリフェニレンオキシド(PPO)及びポリスチレン(PS)のブレンド、約70〜100ミクロン厚)から製作されたディスクに塗布した。硬化性コーティング組成物を粗基材に塗布し、基材をアルミニウム又は銀の合金でスパッタリングした。硬化コーティングの硬度は、鉛筆硬度(ASTM D3363)を使用して測定した。傾斜は、Dr.Schenk PROmeteus MT−146/ブルーレイ測定器を使用して測定した。幾つかのケースではテーブル傾斜も測定した。テーブル傾斜試験では、ディスクを、凹面を上側に有する平坦表面に配置し、ディスクの中心を平坦表面に接触させ、ラジアル方向に沿ったディスクの底面と平坦表面との間の角度を測定することが行われる。ディスクがコーティングしている側に傾くときに負の傾斜として観察され、ディスクが基材側に傾くときに、正の傾斜として観察される。
【0042】
0.384〜2.8W/cmの光強度及び0.304〜2J/cmの照射量で設定された複合D又はH型ランプ、又はキセノンフラッシュランプの使用が、代表的な硬化条件の例である。硬化性組成物の厚さが約70〜100ミクロンコーティングとなるように、1〜30秒間に約500〜3000回転/分の回転率とするのが、本実施例における典型的なスピンコーティング条件である。
【0043】
<実施例1>
5Lの3首フラスコ(温度計、コンデンサ及びオーバーヘッドスターラーを有する)に1040gのコロイド状シリカ水溶液(Nalco 1034A、Nalco社製)(34重量%のSiOを含有する水溶液)、1460gのイソプロパノール、0.816gの4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジノール−n−ノキシル及び官能化用シランとして156gのメタクリルオキシプロピルトリメトキシシランを添加した。混合物を80℃で2時間加熱し、更に30℃に冷却し、720gのメトキシプロパノール、及び他の官能化用シランとして380gのトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(Sartomer社製、SR833S)を添加した。溶媒を減圧により蒸発除去した。完全な真空下でバッチを0.5時間60℃に加熱することにより溶媒を完全に除去した。得られる濃縮された前分散液は、約55重量%が官能化されたコロイド状シリカのナノ粒子を含有していた。
【0044】
<実施例2>
5Lの3首フラスコ(温度計、コンデンサ及びオーバーヘッドスターラーを有する)に1040gのコロイド状シリカ水溶液(Nalco 1034A、Nalco社製)(34重量%のSiOを含有する水溶液)、1460gのイソプロパノール、0.816gの4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジノール−n−ノキシル及び156gのメタクリルオキシプロピルトリメトキシシランを添加した。混合物を80℃で2時間加熱し、更に30℃に冷却し、720gのメトキシプロパノール、及び他の官能化用シランとして291gのトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(Sartomer社製、SR833S)を添加した。溶媒を減圧により蒸発除去した。完全な真空下でバッチを0.5時間60℃に加熱することにより溶媒を完全に除去した。得られる濃縮された前分散液は、約61.5重量%が官能化されたコロイド状シリカのナノ粒子を含有していた。
【0045】
<実施例3>
実施例1の官能化コロイドシリカ前分散液150gと、18.92gの3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸(ダウケミカル社製、Cyracure(商標)UVR6105)、1.21gのグリシジルメタクリレート(GMA)(ダウケミカル社製)、アクリレートポリオール(Joncryl587、Johnson Polymer社製)3.3g、カチオン性光重合開始剤UVI6976(ダウケミカル社製)0.95g及びフリーラジカル光重合開始剤(Ciba Specialty Chemicals社製、Darocur 1173)15.98gを混合し、硬化性コーティング組成物を調製した。混合物は光学的に透明で、25℃で930cpsの粘性を有していた。硬化性組成物を、OQ1030ポリカーボネートディスクにスピンコーティングした。硬化コーティングは70ミクロン厚であり、7Hの鉛筆硬度を有していた。ディスクは、周囲条件で一晩静置の後、わずかに負の傾斜を有していた。硬化したディスク上での脱イオン水の接触角度は68°であった。
【0046】
<実施例4−7>
実施例2の官能化コロイドシリカ前分散液と、表2において示したモノマー及び光重合開始剤を通常条件下で混合して硬化性コーティング組成物を調製した。各硬化性組成物をディスクに塗布し、上記の条件下で硬化させた。鉛筆硬度及びディスク上で行ったテーブル傾斜試験の結果を表2に示す。
【0047】
表2:鉛筆硬度及びテーブル傾斜試験の結果
【表2】

これらの実施例は、コーティング組成物のエポキシ含有及びアクリレート含有モノマーの良好なバランスにより、コーティングされたディスクの傾斜を抑制するのに有利であることを証明する。硬化させた後のディスクは、低いエポキシレベルでは、被コーティングディスクは負に傾斜し、一方高いエポキシレベルでは被コーティングディスクは正に傾斜した。アクリレート及びエポキシ濃度のバランスが良い場合、コーティングされたディスクは硬化後も平坦さが維持されていた。アクリレート及びエポキシ濃度の最適バランスは、特定の硬化性組成物に応じて通常の試験により容易に決定できる。
【0048】
<実施例8−10>
実施例2の官能化コロイドシリカ前分散液と、表3において示したモノマー及び光重合開始剤を通常条件下で混合して硬化性コーティング組成物を調製した。各硬化性組成物をディスクに塗布し、上記の条件下で硬化させた。鉛筆硬度及びディスク上で行ったテーブル傾斜試験の結果を表3に示す。
【0049】
表3:テーブル傾斜及び鉛筆硬度試験の結果
【表3】

Cyracure(商標)UVR6110:ダウケミカル社製、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸。
Cyracure(商標)UVI6992:ダウケミカル社製、カチオン性光重合開始剤。
【0050】
<実施例11>
3.07gのエポキシノボラック(ESCN195−25、住友化学工業社製)、10.28gのビスフェノールA ジグリシジルエーテル(ダウケミカル社製、DER332)、0.53gのグリシジルメタクリレート(GMA)(ダウケミカル社製)、8.9gのFCS100(GE Materials−Silicones社からの、メタクリルオキシプロピル−トリメトキシシランにより官能化コロイド状シリカをヘキサンジオールジアクリレート中に分散させて調製)、1.09gのカチオン性光重合開始剤Cyracure(商標)UVI6992(ダウケミカル社製)及び0.36gのDarocur 1173ラジカル光重合開始剤(Ciba Specialty Chemicals社製)を混合することにより硬化性コーティング組成物を調製した。硬化性組成物をOQ1030ポリカーボネートディスクにスピンコーティングし、UV硬化させた。硬化コーティングは8Hの鉛筆硬度を示した。
【0051】
<実施例12−15>
これらの実施例は、官能化コロイド状シリカの添加により硬化コーティング組成物の鉛筆硬度が改良され、ディスク傾斜が減少することを証明するものである。
【0052】
周囲条件で所定の成分を表4に示す量で添加することにより、硬化性コーティング組成物を調製した。硬化性組成物をOQ1030ポリカーボネートディスクにスピンコーティングし、UV硬化させて、ブルーレイディスクを製造した。鉛筆硬度及びテーブル傾斜試験結果を表4に示す。
【0053】
表4:鉛筆硬度及びテーブル傾斜試験の結果
【表4】

【0054】
<実施例16>
5Lの3首フラスコ(温度計、コンデンサ及びオーバーヘッドスターラーを有する)に1040gのコロイド状シリカ水溶液(Nalco 1034A、Nalco社製)(34重量%のSiOを含有する水溶液)、1460gのイソプロパノール、0.82gの4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジノール−n−ノキシル及び156gのメタクリルオキシプロピルトリメトキシシランを添加した。混合物を80℃で2時間加熱した。バッチを30℃まで冷却し、その後720gのメトキシプロパノール及び240gのトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(Sartomer社製、SR833S)を添加した。溶媒を減圧して蒸発除去した。バッチを徐々に加熱し、60℃で完全な真空下で0.5時間処理しn完全に溶媒を除去し、濃縮された前分散液を得た。溶剤不含有の前分散液に、160.8gのCyracure(商標)UVR6105、10.28gのグリシジルメタクリレート及び169.6gのアセトン中30重量%でJoncryl 587を予め溶解させた溶液を添加した。50℃で減圧処理し、混合物からアセトンを除去した。バッチを30℃まで冷却した後、7.72gのCyracure(商標)UVI6992及び52.9gのDarocur 1173を添加し、硬化性組成物が均一となるまでバッチを混合した。
【0055】
アルミニウム及び銀をOQ1030ポリカーボネートにスパッタリングし、Noryl(登録商標)ディスクを前述の硬化性組成物でスピンコーティングし、紫外線下で硬化させた。上記硬化コーティングは、表5に示すように9Hを超える鉛筆硬度及び低いδラジアル偏差(半径方向チルト)を示した。図1のデータで示すように、上記コーティングはまた優れたテイバー試験結果を示した。
【0056】
表5:硬化したコーティングのδラジアル偏差
【表5】

【0057】
<実施例17−24>
実施例17−24は、シリコーン系平滑剤(BYK Chemical社製のBYK353、BYK356、BYK322、BYK371及びBYK300)及びフッ素系界面活性剤(Zonyl 9361、Zonyl FSJ及びZonyl FSPE.I.Dupont De Nemours&Co.社)の硬化性組成物への添加による、本発明の硬化コーティングの接触角度(指紋抵抗の基準)の改良を示す。シリコーン系平滑剤(界面活性剤)及びフッ素系界面活性剤を実施例3の硬化性組成物と混合し、OQ1030ポリカーボネートディスクにスピンコーティングした。紫外線硬化の後、各コーティング組成物上に滴下した1μLの脱イオン水の接触角度を測定した。比較として、実施例3の硬化コーティング組成物の接触角度は68°であった。表6に示すように、低い表面張力界面活性剤の添加により顕著に接触角度が増加した。
【0058】
表6:接触角度の測定
【表6】

【0059】
<実施例26−30>
5Lの3首フラスコ(温度計、コンデンサ及びオーバーヘッドスターラーを有する)に1040gのコロイド状シリカ水溶液(Nalco 1034A、Nalco社製)(34重量%のSiOを含有する水溶液)、1460gのイソプロパノール、0.816gの4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジノール−n−ノキシル及び156gのメタクリルオキシプロピルトリメトキシシランを添加した。混合物を80℃で2時間加熱した。バッチを30℃まで冷却し、その後720gのメトキシプロパノール及び380gのトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(Sartomer社製、SR833S)を添加した。溶媒を減圧して蒸発除去した。バッチを徐々に加熱し、60℃で完全な真空下で0.5時間処理し完全に溶媒を除去し、濃縮された前分散液を得た。273.67gのUVR6105、17.39gのグリシジルメタクリレート及び469.66gのアセトン中10重量%でJoncryl 587を予め溶解させた溶液を添加した。50℃で減圧処理し、混合物からアセトンを除去した。バッチを周囲温度に冷却し、188.58gのDarocur 1173及び13.8gのCyracure(商標)UV16992を添加した。得られる組成物の一部を、表7に示す量のシリコーン界面活性剤(General Electric Silicones社製、SF1642、SF1188a及びSF1488)と更に混合し、ポリカーボネートOQ1030ディスク上での硬化後、接触角度を測定した。
【0060】
表7:
【表7】

表7のデータに示されるように、鉛筆硬度及びクロスハッチ接着試験(ASTM 3359)により評価される硬化コーティングの粘着力特性は優れていた。硬化の24時間後に測定したとき、コーティングされたディスクはまたごく低いテーブル傾斜を示した。
【0061】
本発明の方法を具体的な実施態様に関して記載したが、当業者であれば、本発明の範囲内で様々に変化させることができ、その部材に関して均等物に代替することができることを理解するであろう。更に、本発明の基本的範囲から逸脱することなく、多くの修飾を行い、具体的な状況又は材料を本発明の教示に適応させることが可能である。すなわち、本発明は本発明の最良の実施形態として開示される具体例に限定することを意図するものではなく、むしろ本発明は添付の特許請求の範囲に属する全ての実施態様を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る、並びにその他の様々なコーティングを施された光学情報記憶ディスクにおけるテイバー摩滅の結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)以下の一般式の少なくとも1つの官能化用シランでコロイド状シリカの表層ヒドロキシル基を反応させて得た官能化コロイド状シリカと、
(RSi(OR4−a
(式中、各Rは独立に、最高18の炭素原子数の一価のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリル又はアラルキル基であり、任意に、アルケニル、アクリレート塩及びエポキシからなる群から選択される少なくとも1つの化学反応性基を有する)、
b)少なくとも1つのアルケニル及びアクリレート官能基を有する少なくとも1つの第1の硬化性モノマーと、
c)少なくとも1つのエポキシ官能基を有する第2の硬化性モノマーと、
d)エポキシ官能基と共に少なくとも1つのアルケニル及びアクリレート官能基を有する少なくとも1つの第3の硬化性モノマー(第1及び/又は第2の硬化性モノマーを置換若しくは補充する)と(但し、第3の硬化性モノマーが第1及び第2の硬化性モノマー両方を置換するとき、官能化コロイド状シリカはエポキシ官能基と共に少なくとも1つのアルケニル及びアクリレート官能基を有する)、任意に、
e)前記硬化性モノマーのための少なくとも1つの硬化剤を含んでなる硬化性組成物。
【請求項2】
前記官能化コロイド状シリカがコロイド状シリカの表層ヒドロキシル基と官能化用シランとの反応により得られ、各Rが同じ若しくは異なるアルキル、シクロアルキル、アリール、アリール、アルカリル又はアラルキル基である、請求項1記載の硬化性組成物。
【請求項3】
前記官能化用シランが、フェニルジメチルメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン及びメチルトリメトキシシランからなる群から選択される少なくとも1つのメンバーである、請求項2記載の硬化性組成物。
【請求項4】
前記官能化コロイド状シリカが、コロイド状シリカの表層ヒドロキシル基と、(i)少なくとも1つのRがビニル、アリル又はアクリレート官能基であるか又はそれを有する基である官能化用シラン、及び(ii)少なくとも1つのRがエポキシ官能基を有する基である官能化用シランとの反応から得られる、請求項1記載の硬化性組成物。
【請求項5】
前記官能化用シランが、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−メタクリルオキシエチルメチルジエトキシシラン、2−メタクリルオキシエチルメチルジメトキシシラン、2−メタクリルオキシエチルトリメトキシシラン、2−アクリルオキシエチルトリメトキシシラン、3−メチルアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、2−メタクリルオキシエチルトリエトキシシラン及び2−アクリルオキシエチルトリエトキシシランからなる郡から選択される少なくとも1つのシランである、請求項4記載の硬化性組成物。
【請求項6】
前記コロイド状シリカが、その約5〜約60重量%の官能化用シランと反応している、請求項1記載の硬化性組成物。
【請求項7】
前記コロイド状シリカの粒子径の名目メジアンが約250nm以下である、請求項1記載の硬化性組成物。
【請求項8】
前記コロイド状シリカの粒子径の名目メジアンが約50nm以下である、請求項1記載の硬化性組成物。
【請求項9】
前記コロイド状シリカの粒子径の名目メジアンが約25nm以下である、請求項1記載の硬化性組成物。
【請求項10】
前記第1の硬化性モノマーが多官能性である、請求項4記載の硬化性組成物。
【請求項11】
多官能性の前記第1の硬化性モノマーが少なくとも2つのアクリレート官能基を有する、請求項10記載の硬化性組成物。
【請求項12】
前記第2の硬化性モノマーが多官能性である、請求項4記載の硬化性組成物。
【請求項13】
多官能性の前記第2の硬化性樹脂が少なくとも2つのエポキシ官能基を有する、請求項12記載の硬化性組成物。
【請求項14】
前記第3の硬化性モノマーが少なくとも1つのビニル官能基、アリル官能基又はアクリレート官能基、並びに少なくとも1つのエポキシ官能基を有する、請求項4記載の硬化性組成物。
【請求項15】
前記第1の硬化性モノマーが、メチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、エチルヘキシルメタクリレートなどのアルキルアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、アルコキシル化ラウリルアクリレート、アルコキシル化フェノールアクリレート、アルコキシル化フェノールメタクリレート、アルコキシル化テトラヒドロフルフリルアクリレート、カプロラクトンアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマルアクリレート、ジシクロペンタジエニルメタクリレート、エトキシル化(10)ヒドロキシエチルメタクリレート、エトキシル化(4)ノニルフェノールアクリレート、エトキシル化(4)ノニルフェノールメタクリレート、エトキシル化ノニルフェノールアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、メタクリレート官能性モノマー、メトキシポリエチレングリコール(350)モノアクリレート、メトキシポリエチレングリコール(350)モノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(550)モノアクリレート、メトキシポリエチレングリコール(550)モノメタクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリウレタンメタクリレート、オクチルデシルアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、プロポキシル化(2)アリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジメタクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジメタクリレート、アルコキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、アルコキシル化ネオペンチルグリコールジメタクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、エトキシル化(10)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(1)ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシル化(2)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(2)ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシル化(3)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(3)ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシル化(30)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(30)ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシル化(8)ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシル化(8)ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシル化(6)ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシル化(6)ビスフェノールAジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジメタクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジメタクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジメタクリレート、ポリプロピレン(400)ジエチルアクリレート、ポリプロピレングリコール(400)ジメタクリレート、プロポキシル化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシル化(2)ネオペンチルグリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、エトキシル化(15)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(15)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(9)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(20)トリメチロールプロパントリアクリレート、高プロポキシル化(5.5)グリセリルトリアクリレート、低粘性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、プロポキシル化(3)グリセリルトリアクリレート、プロポキシル化(3)グリセリルトリメタクリレート、プロポキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、エトキシル化(5)ペンタエリトリトールテトラアクリレート、低粘性ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、ペンタアクリレートエステル、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、アルキル(ノボラック)アクリレート及びウレタンジアクリレートからなる郡から選択される少なくとも1つのアクリレートである、請求項1記載の硬化性組成物。
【請求項16】
前記第2の硬化性モノマーが、モノ−及びジカルボン酸のグリシジルエステル、アルキルグリシジルエーテル(例えばブチルグリシジルエーテル)、フェニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、3−シクロヘキセニルメチル−3−シクロヘキセニルカルボン酸ジエポキシド、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ−(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロ−ヘキサンカルボン酸エステル、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチル−シクロヘキサンカルボン酸エステル、ビニルシクロヘキサンジオキシド、アジピン酸ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル−メチル)、アジピン酸ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)、エンド−エキソビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エンドエキソビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、2,2−ビス(4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル)プロパン、2,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ−シクロヘキシル−p−ジオキサン)、2,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ノルボルネン、リノール酸二量体のジグリシジルエーテル、二酸化リモネン、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、二酸化ジシクロペンタジエン、1,2−エポキシ−6−(2,3−エポキシプロポキシ)ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン、p−(2,3−エポキシ)シクロペンチルフェニル−2,3−エポキシプロピルエーテル、1−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル5,6−エポキシ−ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン、o−(2,3−エポキシ)シクロペンチルフェニル−2,3−エポキシプロピルエーテル)、1,2−ビス(5−(1,2−エポキシ)−4,7−ヘキサヒドロメタノインダンオキシル)エタン、シクロペンテニルフェニルグリシジルエーテル、シクロヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ビスフェノールA及びビスフェノールFのジグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、アルキル−及びアルケニル−グリシジルエステル、アルキル−、モノ−及びポリフェノールグリシジルエーテル、ピロカテコールのポリグリシジルエーテル、レゾルシノール、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルジメチルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメチルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン及びトリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、塩化ポリグリシジルエーテル及び上記のジフェノールの臭化物、ノボラックのポリグリシジルエーテル、ジハロアルカン又はジハロゲンジアルキルエーテルと芳香族ハイドロカルボン酸塩をエステル化することによって得られたジフェノールのエーテルをエステル化することによって得られたジフェノールのポリグリシジルエーテル、フェノール類及び少なくとも2つのハロゲン原子を含む長鎖ハロゲンパラフィンの縮合により得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ソルビトールグリシジルエーテルからなる郡から選択される少なくとも1つのエポキシ樹脂である、請求項1記載の硬化性組成物。
【請求項17】
前記第3の硬化性モノマーがアリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、フェノールノボラックエポキシドのアクリル酸若しくはメタクリル酸エステル、クレゾールノボラックエポキシドのアクリル酸若しくはメタクリル酸エステル、並びにビスフェノールAエポキシドのアクリル酸若しくはメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1記載の硬化性組成物。
【請求項18】
硬化した請求項1記載の組成物。
【請求項19】
硬化した請求項2記載の組成物。
【請求項20】
硬化した請求項4記載の組成物。
【請求項21】
硬化した請求項10記載の組成物。
【請求項22】
硬化した請求項12記載の組成物。
【請求項23】
硬化した請求項1記載の組成物を含んでなる物品であって、少なくともその一部の表面が接着されている物品。
【請求項24】
合成重合体、金属、金属合金、ガラス、セラミック又は木のうちの少なくとも1つの基材である、請求項23記載の物品。
【請求項25】
光学情報記憶媒体である、請求項23記載の物品。
【請求項26】
DVDである、請求項23記載の物品。
【請求項27】
ブルーレイディスクである、請求項23記載の物品。

【図1】
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【公表番号】特表2008−543984(P2008−543984A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511150(P2008−511150)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/015898
【国際公開番号】WO2006/121624
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(506390498)モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク (85)
【Fターム(参考)】