説明

硬質ポリウレタンフォーム断熱材用表面材及び硬質ポリウレタンフォーム断熱層の施工方法

【課題】硬質ポリウレタンフォーム層との接着が良好であって補強性に優れ、施工後の離型紙剥離除去工程が不要であり、しかも形成された断熱層の外観が改善された硬質ポリウレタンフォーム断熱層の表面材並びに該表面材を使用した断熱層の施工方法を提供する。
【解決手段】メッシュ状繊維31に不織布33が積層された硬質ポリウレタンフォーム断熱材用表面材11とする。ポリウレタンフォーム断熱層の施工方法は、表面成形部材5に表面材11を表面材供給装置16から供給する表面材供給工程、少なくとも基体壁面M、表面成形部材5に支持された表面材11の間に形成された成形空間に前記ミキシングヘッド20から発泡原液組成物30を供給して発泡させて硬質ポリウレタンフォーム7とする発泡工程を有し、表面材11を、不織布33層を硬質ポリウレタンフォーム7側として供給する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍倉庫、冷蔵倉庫などの低温倉庫、液化窒素、液化ヘリウム、LNGなどの超低温液化ガス貯蔵タンクなどの大型の建造物や構築物に対する硬質ポリウレタンフォーム断熱層を構成する硬質ポリウレタンフォーム断熱材用表面材及び硬質ポリウレタンフォーム断熱層の施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷凍倉庫、液化窒素や液化ヘリウムなどの貯蔵タンクなどの大型の建造物や構築物を断熱すべき基体(被断熱物)とし、その基体壁面に断熱材として硬質ポリウレタンフォームを現場施工する断熱工法においては、通常、被断熱物の外表面は高さが高く幅も広いものであるために全面に一度に硬質ポリウレタンフォームを形成する発泡原液組成物を供給して発泡硬化させて硬質ポリウレタンフォーム断熱層を形成することは困難である。このような被断熱物の壁面の断熱材の施工方法としては、施工すべき断熱層を幅方向に分割し、分割した単位幅の断熱層(単位断熱層)を幅方向に繰り返し施工して基体壁面の全体を硬質ポリウレタンフォームにて被覆する技術が公知である(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1においては、壁面の幅方向端面をプライマー処理した、施工断熱材と同じ厚さのスペーサーを基体壁面に貼着し、該スペーサーを介して断熱材表面位置にガラスメッシュなどの補強性を有する表面材と該表面材の成形空間に臨む面の反対面側にウレタンに対して非接着性もしくは難接着性の剥離紙を積層して使用し、基体壁面、2つのスペーサーの端面及び押え板により支持された表面材にて成形空間を形成し、この成形空間に上方から硬質ポリウレタンフォームを形成する発泡原液組成物をミキシングヘッドより注入して、発泡原液組成物を発泡硬化させて硬質ポリウレタンフォームを形成させながら押え板を上昇させて単位幅の断熱層(単位断熱層)を形成し、係る単位幅の断熱層を幅方向に繰り返し施工して所定幅の硬質ポリウレタンフォーム断熱層を形成する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−173894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1開示の技術によれば、形成された硬質ポリウレタンフォーム断熱層の表面はガラスメッシュが積層されたフォーム層の表面に離型紙が付着しており(特許文献1、[0014])、施工後には該離型紙を剥離して除去しなければならず、離型紙を除去した後は硬質ポリウレタンフォームが露出した面となって時間経過と共に変色し、外観が満足すべきものではない。また施工に際しては離型紙とガラスメッシュを同時に供給する必要があり、面倒である上に剥離除去した離型紙は廃棄物として処理しなければならないという問題を有する。
【0006】
本発明は、硬質ポリウレタンフォーム層との接着が良好であって補強性に優れ、施工後の離型紙剥離除去工程が不要であり、しかも形成された断熱層の外観が改善された硬質ポリウレタンフォーム断熱層の表面材並びに該表面材を使用した硬質ポリウレタンフォーム断熱層の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の硬質ポリウレタンフォーム断熱材用表面材は、メッシュ状繊維に不織布が積層されたものであることを特徴とする。
【0008】
係る構成の表面材を使用することにより、硬質ポリウレタンフォーム層との接着が良好であって補強性に優れ、表面材と積層供給する必要がないため施工後の離型紙剥離除去工程が不要であり、しかも形成された断熱層の外観が改善された硬質ポリウレタンフォーム断熱層を形成することができる。
【0009】
本発明の基体壁面に接した硬質ポリウレタンフォーム断熱層の施工方法は、
ミキシングヘッド、表面成形部材及び表面材供給装置を備えた発泡装置を使用するものであり、
前記表面成形部材に表面材を前記表面材供給装置から供給する表面材供給工程、少なくとも基体壁面、表面成形部材に支持された前記表面材の間に形成された成形空間に前記ミキシングヘッドから発泡原液組成物を供給して発泡させて硬質ポリウレタンフォームとする発泡工程を有し、
前記表面材は、メッシュ状繊維に不織布が積層されたものであり、前記表面材を、前記不織布層を硬質ポリウレタンフォーム側として供給することを特徴とする。
【0010】
上記構成の硬質ポリウレタンフォーム断熱層の施工方法によれば、表面材と硬質ポリウレタンフォーム層との接着が良好であって補強性に優れ、表面材と積層供給する必要がないため離型紙剥離除去工程が不要であり、しかも形成された断熱層の外観が改善された硬質ポリウレタンフォーム断熱層を形成することができる。
【0011】
即ち、メッシュ状繊維を表面材として使用すると、発泡原液組成物が該メッシュ状繊維を通過して表面側に浸出するため、離型紙が必要であり、浸出した発泡原液組成物により外観不良を生じるが、本発明によればメッシュ状繊維の内側に不織布層を設ける結果、発泡原液組成物は該不織布層に浸透して硬化するため、表面材と硬質ポリウレタンフォーム層との十分な接着が形成されると同時に発泡原液組成物の表面側への浸出が防止され、断熱層の外観が改善される。
【0012】
上記の硬質ポリウレタンフォーム断熱層の施工方法においては、前記発泡装置はさらに側部端面成形部材、及び離型シート供給装置を備えたものであり、
前記硬質ポリウレタンフォーム断熱層は、前記発泡装置を使用した単位発泡工程により形成される単位断熱層を、前記発泡装置を幅方向に移動させて繰り返し施工・接合して形成するものであり、
前記単位発泡工程は、前記表面材供給工程に加えて前記側部端面成形部材に離型シートを前記離型シート供給装置から供給する離型シート供給工程を有し、前記基体壁面、前記表面成形部材に支持された前記表面材及び側部端面成形部材に支持された前記離型シートにて形成された成形空間に前記ミキシングヘッドから発泡原液組成物を供給して発泡させて硬質ポリウレタンフォームとする発泡工程、及び発泡硬化後の硬質ポリウレタンフォームから前記離型シートを剥離除去して単位断熱層とする離型シート剥離工程を有することが好ましい。
【0013】
上記構成の施工方法によれば、表面材と硬質ポリウレタンフォーム層との接着が良好であって補強性に優れ、表面材と積層供給する必要がないため離型紙剥離除去工程が不要であり、しかも形成された断熱層の外観が改善された幅の広い硬質ポリウレタンフォーム断熱層を形成することができる。
【0014】
上記の硬質ポリウレタンフォーム断熱層の施工方法においては、前記単位発泡工程は前記表面成形部材と前記側部端面成形部材とを、それぞれ前記表面材と前記離型シートとを供給させつつ底部から上方へ移動させると共に前記ミキシングヘッドも底部から上方に移動させつつ単位断熱層を施工するものであることが好ましい。
【0015】
係る構成の施工方法により、高さの高い基体の壁面に容易に硬質ポリウレタンフォーム断熱層を施工することができる。
【0016】
上述の硬質ポリウレタンフォーム断熱層の施工方法においては、前記不織布がスパンボンド法又はメルトブロー法により形成された目付量が40〜90g/mの不織布であることが好ましい。
【0017】
上記構成の表面材は、間単に製造することができる。不織布の目付量が40g/m未満の場合には発泡原液組成物がメッシュ状繊維の反対面(断熱層の表面側)に浸出する場合があり、90g/mを超える場合には表面材と硬質ポリウレタンフォームとの接着強度が低下する場合がある。不織布の目付量は、50〜80g/mであることがより好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の表面材を構成するメッシュ状繊維としては、公知のメッシュ状繊維の中で強度の高いものを使用する。具体的にはステンレスメッシュ、ガラス繊維メッシュ、ナイロンメッシュなどが例示される。メッシュを構成する繊維はモノフィラメント糸、マルチフィラメント糸のいずれであってもよい。メッシュのサイズは必要な補強性が得られる限り特に限定されないが、0.1mm〜10mm、より好ましくは0.5mm〜8mmである。
【0019】
表面材を構成する不織布としては、有機繊維不織布を使用する。具体的にはポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレンなどのポリオレフィン等の不織布が例示される。
【0020】
断熱層を構成する硬質ポリウレタンフォームは、公知の硬質ポリウレタンフォーム用のポリオール組成物とポリイソシアネート化合物を使用して形成する。発泡剤としては、HFC−245faや365mfc等のHFC化合物、イソペンタンやシクロペンタンなどのペンタン類、水から選択して少なくとも1種を使用する。
【0021】
本発明において単位断熱層を単位発泡工程により施工する際に使用する離型シートとしては、表面に離型処理が施されたクラフト紙、樹脂フィルム等、即ち離型紙や離型フィルムなどが使用可能である。
【実施例1】
【0022】
図1は本発明の表面材を例示した部分斜視図と断面図である。表面材11はメッシュ状繊維31と不織布33とが積層されている。メッシュ状繊維31と不織布33との積層は、接着剤を使用して積層してもよく、不織布構成繊維として熱融着繊維を一部に使用して該熱融着繊維を含む不織布とメッシュ状繊維とを熱圧着して積層してもよい。メッシュ状繊維を基材としてその上にスパンボンド法又はメルトブロー法により直接不織布層を積層形成することが、簡便に表面材が製造できるので好ましい。発泡工程において、幅方向の端部は、硬質ポリウレタンフォームを使用した所定高さ、厚さを有するブロックを基体壁面に接着等により固定してもよく、被断熱物の一部を利用してもよい。
【0023】
図2は、本発明の好適な実施形態に係る硬質ポリウレタンフォーム断熱層の施工方法を例示した被断熱物の縦断側面図である。発泡装置は、少なくとも表面材11を供給する表面材供給装置13、表面材11の一部を外面側から支持する表面成形部材としてのパネル5を備えたものである。ミキシングヘッド20は、ミキシングヘッド本体24と吐出ノズル22を備え、吐出ノズル22の先端には必要に応じてホース2が装着される。ミキシングヘッド本体24にはサービスタンクよりポリオール成分とポリイソシアネート成分を供給する配管P1,P2(一方は重なって見えない)が接続されている。
【0024】
発泡工程においては、表面材11をパネル5に沿って被断熱物の設置面まで供給し(表面材供給工程)、パネル5によって支持された表面材11と基体壁面Mにより形成される成形空間にミキシングヘッド20から発泡原液組成物を供給し、発泡硬化させることによって基体壁面Mに接着し、表面に表面材11が積層された硬質ポリウレタンフォーム断熱層が形成される。発泡工程においては、ミキシングヘッド20は基体壁面平行方向左右に往復動を行ってもよい。
【実施例2】
【0025】
幅の広い硬質ポリウレタンフォーム断熱層を施工する場合には、1回の発泡工程で施工することはできないので、断熱層を幅方向に単位断熱層に分割し、単位断熱層を形成する単位発泡工程を断熱層の幅方向に繰返し実施し、複数の単位断熱層を接合して断熱層全体を形成する。
【0026】
図3には、幅の広い硬質ポリウレタンフォーム断熱層を、単位発泡工程を繰返し実施することにより施工する際の単位発泡工程を概略斜視図にて示した。単位発泡工程の施工に使用する発泡装置は、図1に例示した表面材11を供給する表面材供給装置13、表面材11の一部を外面側から支持する表面成形部材としてのパネル5、ミキシングヘッド20に加えて、離型シート4を単位断熱層の側部端面形成位置に供給する離型シート供給装置4、及び供給した離型シート4を外面側から支持する側部端面成形部材8とを備えている。これらの部材は、基体壁面Mに沿って移動可能な基台1(仮想線で一部を図示)に組付けられていることが好ましく、単位発泡工程において単位断熱層の形成に伴って下から上に移動させる少なくともミキシングヘッド20、表面成形部材としてのパネル5、離型シート3の一部を支持する側部端面成形部材8は、上下に移動可能なリフトに配設することが好ましい。基台1には、ミキシングヘッド20にポリオール成分とポリイソシアネート成分を供給するサービスタンクと送液ポンプも設置することが好ましい。
【0027】
単位発泡工程においては、表面材供給装置13から供給され(表面材供給工程)、パネル5にて支持された表面材11、先行施工した単位断熱層6の端面、被断熱物の基体壁面M、及び離型シート供給装置に相当する原反ロール4から巻き戻して接地面から供給された(離型シート供給工程)離型シート3の側部端面成形部材8にて支持された部分により上部が開放された成形空間を形成し、ミキシングヘッド本体24からノズル22とホース2を通じて発泡原液組成物30を供給する。発泡原液組成物は供給後短時間で発泡、硬化して基体壁面Mに接着し、表面に表面材11が積層された硬質ポリウレタンフォームとなる(発泡工程)。被断熱物は通常大きな構築物であるため、パネル5と側部端面成形部材8とは表面材11と離型シート3を供給しながら上方へ連続的に成形空間を形成するように上昇させ、ミキシングヘッド20も上昇させる。基体壁面Mの上端で単位断熱層の成形が終了し、離型シート3fを剥離除去する剥離工程によって単位発泡工程が終了し、単位断熱層6が完成する。
【0028】
単位断熱層の幅は、施工する断熱層の大きさや使用する装置などに応じて適宜設定されるものであるが、幅が広すぎると施工が難しく、狭すぎると断熱層全体を形成するための単位発泡工程の数が多くなり、面倒である。単位断熱層の幅は、2〜8mであることが好ましい。断熱層の厚さは、要求される断熱性に応じて設定されるが、一般的には20mm〜200mmである。
【0029】
側部端面成形部材8は先行形成された単位断熱層6の厚みと同等な厚みを有するものであり、基体壁面に沿って、その外表面に接するようにして上昇する。側部端面成形部材8の離型シート保持面の形状は特に限定されるものではないが、接着面積を広くすることができ、その結果単位断熱層間の全接着力を高くすることができることから、基体壁面に対して傾斜した面を形成する形状や湾曲ないし略円弧状であることが好ましい。
【0030】
離型シートと表面材とは、それ自体の剛性が乏しいので、発泡原液組成物が供給され、発泡硬化するまでの間は成形空間を所定形状に保持する必要があり、側部端面成形部材8及び表面成形部材としてのパネル5にてそれぞれ支持する。成形空間の下面は単位発泡工程の初期においては基体の設置面であり、発泡工程の進行により硬質ポリウレタンフォームとなる。また最初の単位発泡工程においては、先行する単位断熱層が存在しないので、断熱層の起点となる壁などの構造物の壁面を成形空間の一部として使用してもよく、断熱層が円形の被断熱物の周囲を囲む場合には底部からその高さ方向にわたり、仮の縦枠ないしスペーサー(図示略)を固定して施工する。
【0031】
離型シート3は、硬化反応が終了した部分から剥離除去する(図3の矢印B)ことにより、上述のように次の単位発泡工程における成形空間の一部を形成する。
【実施例3】
【0032】
<断熱層施工例>
(実験例1〜6)
市販の硬質ポリウレタンフォーム原液を使用し、図1に示した方法にて厚さ65mm、表面材、離型紙を供給して高さ5m,幅1.1mの硬質ポリウレタンフォームからなる単位断熱層を複数形成して硬質ポリウレタンフォーム断熱層を作製した。実験例1〜6において使用した表面材は、ガラス繊維を使用したメッシュに表1に記載の方法により直接不織布層を積層した。ガラス繊維メッシュは、縦糸として200tex、横糸として330texのガラス繊維マルチフィラメント糸を使用し、織密度は縦が7.5組/25mm、横が7.5本/25mmのものである。使用した表面材を構成する材料、不織布層の厚さ等を表1に示した。
【0033】
硬質ポリウレタンフォーム原液としては、クリームタイムが10秒、ゲルタイムが25秒、タックフリータイムが30秒であり、自由発泡フォーム密度が80kg/mの市販品を使用した。
【0034】
【表1】

【0035】
<評価>
(メッシュ/不織布接着性)
ガラス繊維メッシュに不織布を積層した表面材から幅50mm、長さ300mmの短冊状サンプルを切り出し、不織布面に幅50mmの布粘着テープであるベストクロステープNo.756(日東電工)を貼着して手で剥離して評価を行った。評価結果は、不織布層がガラス繊維メッシュより界面剥離した面積が10%以下の場合を○、界面剥離の面積が10〜50%の場合を△、界面剥離の面積が50%を超える場合を×とした。
【0036】
(表面材/フォーム接着強度)
上記の表面材を積層した硬質ポリウレタンフォームから50mm×50mm、厚さ10mmのサンプルを5個切り出し、表面材積層面とその反対面に接着試験用治具を、2液型エポキシ接着剤を使用して接着し、1日放置後ネジ式試験機により剥離試験を行い、表面材と硬質ポリウレタンフォーム接着強度を測定した。実験例1〜6のいずれにおいても、表面材が界面剥離した面積は5%以下であった。
【0037】
(外観評価)
図3に示した施工方法により施工した硬質ポリウレタンフォーム断熱層の表面材が積層された表面を目視観察し、発泡原液組成物が表面材の表面側に浸透したかどうかを評価した。◎は発泡原液組成物の浸出がなく、良好であったもの、○はわずかに発泡原液組成物の浸出が認められるがほぼ問題のないもの、△は発泡原液組成物の浸出が多く、改善が必要であることを示す。
【0038】
<評価結果>
評価結果は表2に示した。この評価結果より本発明の表面材を使用した場合には、不織布を積層したメッシュ状繊維と硬質ポリウレタンフォームの接着強度は、いずれも要求される接着強度(30kPa)より高く、満足すべきものであった。また仕上がり外観は、実験例6が実用上使用可能であるが改善を要するものであった以外は、優れた外観を示すものであった。
【0039】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の表面材を例示した部分斜視図と断面図
【図2】本発明の好適な実施形態に係る硬質ポリウレタンフォーム断熱層の施工方法を例示被断熱物の基体壁面に平行方向の縦断側面図
【図3】単位発泡工程を繰返し施工する断熱層の施工方法を例示した概略斜視図
【符号の説明】
【0041】
5 表面成形部材(パネル)
7 硬質ポリウレタンフォーム
11 表面材
16 表面材供給装置
20 ミキシングヘッド
30 発泡原液組成物
31 メッシュ状繊維
33 不織布
M 基体壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュ状繊維に不織布が積層された硬質ポリウレタンフォーム断熱材用表面材。
【請求項2】
基体壁面に接した硬質ポリウレタンフォーム断熱層の施工方法であって、
ミキシングヘッド、表面成形部材及び表面材供給装置を備えた発泡装置を使用するものであり、
前記表面成形部材に表面材を前記表面材供給装置から供給する表面材供給工程、少なくとも基体壁面、表面成形部材に支持された前記表面材の間に形成された成形空間に前記ミキシングヘッドから発泡原液組成物を供給して発泡させて硬質ポリウレタンフォームとする発泡工程を有し、
前記表面材は、メッシュ状繊維に不織布が積層されたものであり、前記表面材を、前記不織布層を硬質ポリウレタンフォーム側として供給する硬質ポリウレタンフォーム断熱層の施工方法。
【請求項3】
前記発泡装置はさらに側部端面成形部材、及び離型シート供給装置を備えたものであり、
前記硬質ポリウレタンフォーム断熱層は、前記発泡装置を使用した単位発泡工程により形成される単位断熱層を、前記発泡装置を幅方向に移動させて繰り返し施工・接合して形成するものであり、
前記単位発泡工程は、前記表面材供給工程に加えて前記側部端面成形部材に離型シートを前記離型シート供給装置から供給する離型シート供給工程を有し、前記基体壁面、前記表面成形部材に支持された前記表面材及び側部端面成形部材に支持された前記離型シートにて形成された成形空間に前記ミキシングヘッドから発泡原液組成物を供給して発泡させて硬質ポリウレタンフォームとする発泡工程、及び発泡硬化後の硬質ポリウレタンフォームから前記離型シートを剥離除去して単位断熱層とする離型シート剥離工程を有する請求項2に記載の硬質ポリウレタンフォーム断熱層の施工方法。
【請求項4】
前記不織布がスパンボンド法又はメルトブロー法により形成された目付量が40〜90g/mの不織布である請求項2又は3に記載の硬質ポリウレタンフォーム断熱層の施工方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−316422(P2006−316422A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−137279(P2005−137279)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【Fターム(参考)】