説明

硬質基板の研削方法

【課題】サファイア基板等の硬質基板を損傷させることなく所定の厚みに研削することができる硬質基板の研削方法を提供する。
【解決手段】環状のフレーム3に装着され紫外線を照射することによって硬化する粘着層32を有する粘着テープ30の粘着層に硬質基板2の被研削面と反対面を貼着する工程と、硬質基板より大きい押圧面を有する第1の押圧部材41と第2の押圧部材42とによって粘着テープと硬質基板とを挟んで所定の温度で加熱しつつ所定の圧力で所定時間押圧することにより、硬質基板の外周から粘着層を盛り上がらせて硬質基板の外周部を囲繞する環状の保持土手322を形成する工程と、保持土手形成工程が実施された粘着テープに紫外線を照射し、粘着テープの粘着層における少なくとも保持土手を含む内側の領域を硬化せしめる工程と、粘着層硬化工程が実施された粘着テープ側を研削装置のチャックテーブルに保持し、硬質基板の被研削面を研削する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面に光デバイス層が積層される基板となるサファイア基板等の硬質基板の研削方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光デバイス製造工程においては、略円板形状であるサファイア基板の表面にn型窒化物半導体層およびp型窒化物半導体層からなる光デバイス層が積層され格子状に形成された複数のストリートによって区画された複数の領域に発光ダイオード、レーザーダイオード等の光デバイスを形成して光デバイスウエーハを構成する。そして、光デバイスウエーハをストリートに沿って切断することにより光デバイスが形成された領域を分割して個々の光デバイスを製造している。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
光デバイスの軽量化、小型化および輝度の向上を図るために光デバイスウエーハをストリートに沿って切断して個々のデバイスに分割する前に、光デバイスウエーハの裏面を研削して所定の厚さに形成している。このように光デバイスウエーハの裏面を研削する研削装置は、被加工物を保持する保持面を有するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を研削する研削砥石が環状に配設された研削ホイールを備えた研削手段と、該研削手段をチャックテーブルの保持面に対して垂直な方向に研削送りする研削送り手段とを具備している。このような研削装置を用いて光デバイスウエーハの裏面を研削するには、表面に形成された光デバイスを保護するために表面に保護テープを貼着し、この保護テープをチャックテーブルの保持面に保持した状態で裏面を研削する。(例えば、特許文献2参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−6492号公報
【特許文献2】特開2008−23693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サファイア基板は硬度が高いのでダイヤモンド砥粒を主成分として構成された研削砥石であっても研削圧力を高くしないと研削することができず、100N程度の研削圧力を作用させつつ研削している。しかるに、サファイア基板に100N程度の研削圧力を作用させつつ研削すると、薄くなったサファイア基板の外周に細かな割れが発生してサファイア基板が損傷するという問題がある。このような問題は、光デバイスの基板となる炭化珪素(SiC)基板においても発生する。上述した問題は、研削時に供給される研削水が硬質基板の外周から粘着テープとの間に浸入して硬質基板の外周を浮き上がらせるためと考えられる。
【0006】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、サファイア基板等の硬質基板を損傷させることなく所定の厚みに研削することができる硬質基板の研削方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、硬質基板の被研削面を研削する研削方法であって、
環状のフレームに装着され紫外線を照射することによって硬化する粘着層を有する粘着テープの粘着層に硬質基板の被研削面と反対側の支持面を貼着する硬質基板貼着工程と、
硬質基板より大きい押圧面を有する第1の押圧部材と第2の押圧部材とによって粘着テープと硬質基板とを挟んで所定の温度で加熱しつつ所定の圧力で所定時間押圧することにより、硬質基板の外周から粘着層を盛り上がらせて硬質基板の外周部を囲繞する環状の保持土手を形成する保持土手形成工程と、
該保持土手形成工程が実施された粘着テープに紫外線を照射し、粘着テープの粘着層における少なくとも保持土手を含む内側の領域を硬化せしめる粘着層硬化工程と、
該粘着層硬化工程が実施された粘着テープ側を研削装置のチャックテーブルの保持面上に保持し、硬質基板の被研削面を研削する研削工程と、を含む、
ことを特徴とする硬質基板の研削方法が提供される。
【0008】
上記保持土手形成工程における加熱温度は80〜120℃であり、押圧力は0.5〜1.0Mpaであり、押圧時間は10〜20分に設定される。
上記環状の保持土手の高さは、環状の保持土手の内側領域の上面から50〜100μmに設定される。
また、上記第1の押圧部材の押圧面および第2の押圧部材の押圧面は、いずれか一方が曲率半径が300〜500mの凸状湾曲面に形成されていることが望ましい。
上記粘着層硬化工程においては、粘着テープにおける環状のフレームへの装着領域には紫外線を照射しない。
【発明の効果】
【0009】
本発明による硬質基板の研削方法においては、上記硬質基板貼着工程と保持土手形成工程および粘着層硬化工程を実施することにより、粘着テープの粘着層に貼着された硬質基板は硬化された保持土手を含む粘着層によって保持され固定されているので、研削工程において硬質基板の外周から研削水が粘着テープとの間に浸入することがないため、研削水が粘着テープとの間に浸入して硬質基板の外周を浮き上がらせることがない。このように研削水が粘着テープとの間に浸入して硬質基板の外周を浮き上がらせることがないので、硬質基板の被研削面に100N程度の研削圧力を作用させても、硬質基板の外周に細かな割れが発生して損傷させることなく所望の厚みに研削することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による硬質基板の研削方法によって研削される硬質基板としての光デバイスウエーハの斜視図および要部を拡大して示す断面図。
【図2】本発明による硬質基板の研削方法における硬質基板貼着工程を実施するための環状のフレームに粘着テープを装着した状態を示す斜視図および粘着テープの一部を拡大して示す断面図。
【図3】本発明による硬質基板の研削方法における硬質基板貼着工程の説明図。
【図4】本発明による硬質基板の研削方法における保持土手形成工程を実施するための第1の押圧部材と第2の押圧部材とからなる押圧装置の斜視図。
【図5】本発明による硬質基板の研削方法における保持土手形成工程の説明図。
【図6】本発明による硬質基板の研削方法における保持土手形成工程の他の実施形態を示す説明図。
【図7】本発明による硬質基板の研削方法における粘着層硬化工程の説明図。
【図8−a】本発明による硬質基板の研削方法を実施するための研削装置の斜視図。
【図8−b】本発明のよる硬質基板の研削方法における研削工程の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明による硬質基板の研削方法の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1の(a)および(b)には、本発明による硬質基板の研削方法によって研削される光デバイスウエーハの斜視図および要部を拡大して示す断面図が示されている。図1の(a)および(b)に示す光デバイスウエーハ2は、例えば厚みが1300μmのサファイア基板の表面2aに複数のストリート21が格子状に配列されているとともに、該複数のストリート21によって区画された複数の領域に発光ダイオード、レーザーダイオード等の光デバイス22が形成されている。このように形成された光デバイスウエーハ2は、裏面2bを研削して所定の厚み(例えば、120μm)に形成される。従って、光デバイスウエーハ2は、裏面2bが被研削面となり、該被研削面と反対側の表面2aが支持面となる。このように構成された光デバイスウエーハ2は、外周端部が不用意に受ける衝撃によって割れや欠けが発生することを防ぐために、表面2aから裏面2bにわたって断面形状が円弧面をなす面取り部2cが形成されている。
【0012】
上記図1の(a)および(b)に示す光デバイスウエーハ2の被研削面である裏面2bを研削して所定の厚み(例えば、120μm)に形成するには、環状のフレームに装着され紫外線を照射することによって硬化する粘着層を有する粘着テープの粘着層に光デバイスウエーハ2の被研削面と反対側の支持面を貼着する硬質基板貼着工程を実施する。図2の(a)および(b)には、硬質基板貼着工程を実施するための環状のフレーム3に装着された粘着テープ30が示されている。環状のフレーム3は、ステンレス鋼等の金属材によって円環状に形成されている。粘着テープ30は、厚みが100μmのポリオレフィンからなるシート基材31の表面に紫外線の照射によって硬化するアクリル樹脂系の粘着層32が所定の厚み(t1:30μm)で塗布されている。このような粘着テープとしては、古川電工株式会社が製造販売するSP-537T-130を用いることができる。上述したように環状のフレーム3に装着された粘着テープ30の粘着層32に、図3に示すように光デバイスウエーハ2の被研削面である裏面2bと反対側の支持面である表面2aを貼着する(硬質基板貼着工程)。
【0013】
上記硬質基板貼着工程を実施したならば、光デバイスウエーハ2より大きい押圧面を有する第1の押圧部材と第2の押圧部材とによって粘着テープ30と光デバイスウエーハ2とを挟んで所定の温度で加熱しつつ所定の圧力で所定時間押圧することにより、光デバイスウエーハ2の外周から粘着層を盛り上がらせて光デバイスウエーハ2の外周部を囲繞する環状の保持土手を形成する保持土手形成工程を実施する。図4には保持土手形成工程を実施するための第1の押圧部材41と第2の押圧部材42とからなる押圧装置4の斜視図が示されている。第1の押圧部材41はステンレス鋼等の金属材によって円形状に形成され光デバイスウエーハ2より大きい円形の押圧面411を備えており、基台40上に配設されている。第2の押圧部材42も第1の押圧部材41と同様にステンレス鋼等の金属材によって円形状に形成され光デバイスウエーハ2より大きい円形の押圧面421を備えている。なお、図示の実施形態においては第1の押圧部材41が配設された基台40には加熱手段(図示せず)が配設されている。
【0014】
上述した第1の押圧部材41と第2の押圧部材42を用いて保持土手形成工程を実施するには、図5の(a)に示すように硬質基板貼着工程が実施された粘着テープ30を第1の押圧部材41の押圧面411上に載置するとともに、粘着テープ30に貼着された光デバイスウエーハ2の被研削面である裏面2b上に第2の押圧部材42の押圧面421を載置し、第1の押圧部材41と第2の押圧部材42とによって粘着テープ30と光デバイスウエーハ2とを挟持する。そして、第1の押圧部材41が配設された基台40に配設された図示しない加熱手段を作動して80〜120℃の温度で加熱しつつ、第1の押圧部材41と第2の押圧部材42間に0.5〜1.0Mpaの圧力を作用せしめて10〜20分間押圧する。この結果、図5の(b)に示すように粘着テープ30の粘着層32における光デバイスウエーハ2の貼着領域321が押圧され、光デバイスウエーハ2の外周から粘着層32が盛り上がり光デバイスウエーハ2の外周部を囲繞する環状の保持土手322が形成される。なお、保持土手形成工程を実施することにより、粘着テープ30の粘着層32における光デバイスウエーハ2の貼着領域321の厚み(t2)は20μm程度となり、環状の保持土手322における保持土手322の内側領域の上面からの高さ(h)が80μm程度となる。この高さ(h)は、50〜100μmが望ましい。
【0015】
上述したように第1の押圧部材41と第2の押圧部材42を用いて保持土手形成工程を実施すると、第1の押圧部材41の押圧面411および第2の押圧部材42の押圧面421に図6の(a)において2点鎖線で示すように弾性歪が発生する。この結果、図6の(b)に示すように保持土手形成工程が実施された粘着テープ30の粘着層32の中央部が僅かに盛り上がるため、粘着層32の貼着されている光デバイスウエーハ2の被研削面である裏面2bは中央部が僅かに盛り上がることになる。このような問題を解消するためには、第1の押圧部材41の押圧面411および第2の押圧部材42の押圧面421のいずれか一方を曲率半径が300〜500mの凸状湾曲面に形成することが望ましい。
【0016】
上述した保持土手形成工程を実施したならば、粘着テープ30に紫外線を照射し、粘着テープ30の粘着層32における少なくとも保持土手322を含む内側の領域を硬化せしめる粘着層硬化工程を実施する。即ち、図7に示すように環状のフレーム3に装着された保護テープ30における光デバイスウエーハ2の貼着領域321に紫外線照射器5から紫外線を照射する。この結果、粘着テープ30の粘着層32における少なくとも保持土手322を含む内側の領域を硬化せしめられ、光デバイスウエーハ2は硬化された保持土手322を含む粘着層32によって保持され固定される。なお、粘着層硬化工程においては、粘着テープ30における環状のフレーム3への装着領域301には紫外線を照射しないことが望ましい。即ち、粘着層32は紫外線が照射されると、硬化するとともに粘着力が低下するので、粘着テープ30が環状のフレーム3から容易に剥離しないように装着領域301には紫外線を照射しないことが望ましい。
【0017】
次に、粘着層硬化工程が実施された粘着テープ30側を研削装置のチャックテーブルの保持面上に保持し、光デバイスウエーハ2の被研削面である裏面2bを研削する研削工程を実施する。この研削工程は、図8の(a)および(b)に示す研削装置6を用いて実施する。図8の(a)および(b)に示す研削装置6は、被加工物を保持するチャックテーブル7と、該チャックテーブル7に保持された被加工物を研削する研削手段8を具備している。チャックテーブル7は、円柱状の本体71と、該本体71の上面に配設された通気性を有するポーラスなセラミック部材からなる吸着チャック72とからなっている。本体71はステンレス鋼等の金属材によって形成されており、その上面には図8の(b)に示すように円形の嵌合凹部711が設けられている。この嵌合凹部711には、底面の外周部に吸着チャック72が載置される環状の載置棚712が設けられている。また、本体71には嵌合凹部711に開口する吸引通路713が設けられており、該吸引通路713が図示しない吸引手段に連通されている。また、本体71の外周部には段差を設けて形成された環状のフレーム支持部714が設けられている。このフレーム支持部714には上面に開口する複数の吸引孔715が設けられており、該吸引孔715が連通路716を介して上記吸引通路713に連通されている。このように構成されたチャックテーブル7は、図8の(b)において矢印7aで示す方向に回転せしめられる。
【0018】
図8の(a)および(b)を参照して説明を続けると、研削装置6を構成する研削手段8は、スピンドルハウジング81と、該スピンドルハウジング81に回転自在に支持され図示しない回転駆動機構によって回転せしめられる回転スピンドル82と、該回転スピンドル82の下端に装着されたマウンター83と、該マウンター83の下面に取り付けられた研削ホイール84とを具備している。この研削ホイール84は、円環状の基台85と、該基台85の下面に環状に装着された研削砥石86とからなっており、基台85がマウンター83の下面に締結ボルト87によって取り付けられている。なお、研削砥石86は、図示の実施形態においては粒径が5〜10μmのダイヤモンド砥粒をビトリファイドボンドを用いて成型して焼成したビトリファイドボンド砥石からなっている。
【0019】
上述した研削装置6を用いて光デバイスウエーハ2の被研削面である裏面2bを研削する研削工程を実施するには、図8の(b)に示すように上述した粘着層硬化工程が実施された粘着テープ30(光デバイスウエーハ2の支持面である表面2aが保持固定されている)側をチャックテーブル7の吸着チャック72の上面(保持面)に載置するとともに、粘着テープ30が装着されている環状のフレーム3をチャックテーブル7のフレーム支持部714の上面に載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することによってチャックテーブル7の吸着チャック72上に粘着テープ30を介して光デバイスウエーハ2を吸引保持するとともに、チャックテーブル7のフレーム支持部714の上面に粘着テープ30が装着されている環状のフレーム3を吸引保持する。従って、チャックテーブル7の吸着チャック72上に吸引保持された光デバイスウエーハ2は、被研削面である裏面2bが上側となる。このようにチャックテーブル7上に光デバイスウエーハ2および環状のフレーム3を吸引保持したならば、チャックテーブル7を図8の(b)に示すように矢印7aで示す方向に例えば750rpmで回転しつつ、研削手段8研削ホイール84を図8の(b)において矢印84aで示す方向に例えば1000rpmで回転せしめ、図8の(b)に示すように研削砥石86の研削面(下面)を光デバイスウエーハ2の被研削面(裏面2b)に接触させる。このとき、研削砥石86の研削面(下面)が光デバイスウエーハ2の中心を通るように接触させる。そして、研削ホイール84を図8の(b)において矢印84bで示すように例えば1〜1.5μm/秒の研削送り速度で下方(吸着チャック72の上面(保持面)に対し垂直な方向)に例えば1180μm研削送りする。この結果、図示の実施形態においては図8の(c)に示すように光デバイスウエーハ2は120μmの厚みに形成される。なお、この研削工程においては、研削砥石86による研削加工部には研削水が供給される。上記研削工程においては、光デバイスウエーハ2は上述したように硬化された保持土手322を含む粘着層32によって保持され固定されているので、光デバイスウエーハ2の外周から研削水が粘着テープとの間に浸入することがないため、研削水が粘着テープとの間に浸入して光デバイスウエーハ2の外周を浮き上がらせることがない。このように研削水が粘着テープとの間に浸入して光デバイスウエーハ2の外周を浮き上がらせることがないので、光デバイスウエーハ2の被研削面である裏面2bに100N程度の研削圧力を作用させても、光デバイスウエーハ2の外周に細かな割れが発生して損傷させることなく所望の厚みに研削することができる。
【符号の説明】
【0020】
2:光デバイスウエーハ
3:環状のフレーム
30:粘着テープ
32:粘着層
4:押圧装置
40:基台
41:第1の押圧部材
42:第2の押圧部材
5:紫外線照射器
6:研削装置
7:チャックテーブル
72:吸着チャック
8:研削手段
82:回転スピンドル
83:マウンター
84:研削ホイール
86:研削砥石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質基板の被研削面を研削する研削方法であって、
環状のフレームに装着され紫外線を照射することによって硬化する粘着層を有する粘着テープの粘着層に硬質基板の被研削面と反対側の支持面を貼着する硬質基板貼着工程と、
硬質基板より大きい押圧面を有する第1の押圧部材と第2の押圧部材とによって粘着テープと硬質基板とを挟んで所定の温度で加熱しつつ所定の圧力で所定時間押圧することにより、硬質基板の外周から粘着層を盛り上がらせて硬質基板の外周部を囲繞する環状の保持土手を形成する保持土手形成工程と、
該保持土手形成工程が実施された粘着テープに紫外線を照射し、粘着テープの粘着層における少なくとも保持土手を含む内側の領域を硬化せしめる粘着層硬化工程と、
該粘着層硬化工程が実施された粘着テープ側を研削装置のチャックテーブルの保持面上に保持し、硬質基板の被研削面を研削する研削工程と、を含む、
ことを特徴とする硬質基板の研削方法。
【請求項2】
該保持土手形成工程における加熱温度は80〜120℃であり、押圧力は0.5〜1.0Mpaであり、押圧時間は10〜20分に設定される、請求項1記載の硬質基板の研削方法。
【請求項3】
該環状の保持土手の高さは、該環状の保持土手の内側領域の上面から50〜100μmに設定される、請求項1又は2記載の硬質基板の研削方法。
【請求項4】
該第1の押圧部材の押圧面および該第2の押圧部材の押圧面は、いずれか一方が曲率半径が300〜500mの凸状湾曲面に形成されている、請求項1から3のいずれかに記載の硬質基板の研削方法。
【請求項5】
該粘着層硬化工程においては、該粘着テープにおける該環状のフレームへの装着領域には紫外線を照射しない、請求項1から4のいずれかに記載の硬質基板の研削方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−a】
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【図8−b】
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【公開番号】特開2013−84830(P2013−84830A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224580(P2011−224580)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】