説明

磁性膜成膜装置および磁性膜成膜方法

【課題】例えば半導体ウェーハ等の基板の表面に露出した金属表面に磁性膜、特に合金磁性膜を選択的かつ容易に成膜することができるようにする。
【解決手段】基板の表面に露出した金属表面に磁性膜を選択的に成膜する磁性膜成膜装置であって、磁性膜成膜装置22は、めっき槽40内のめっき液38に表面を接触させて配置した基板Wの周囲に該基板Wと平行な磁場を発生させる磁場発生装置34を有する無電解めっき装置36からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性膜成膜装置及び磁性膜成膜方法に関し、特に半導体ウェーハ等の基板に形成された金属の露出表面に磁性膜、特に合金磁性膜を選択的に成膜するのに使用される磁性膜成膜装置及び磁性膜成膜方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばMRAMや磁気ヘッドなどのデバイスに磁性膜を成膜する技術としては、例えばPVD装置を用いたスパッタリング法や電解めっき法が一般に知られている。例えば、電解めっき法を使用して磁気ヘッドに磁性膜を成膜するようにしたものとして、めっき槽の外部に該めっき槽を挟んで一対の磁石を配置し、磁石の間に形成される磁力線の方向及び該方向に直交する方向に試料が向くように該試料を内部に配置した回転電極を停止させながら、試料の表面に電解めっきを行うようにしたもの(特許文献1)や、めっき槽を挟んで磁石を配置し、磁石の肉厚を調整したり、磁石の内部に調整穴を設けたりして、磁場分布を調整するようにしたもの(特許文献2)等が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開平5−17989号公報
【特許文献2】特開平11−25424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PVD装置を用いたスパッタリング法で金属の表面に磁性膜を成膜する場合、成膜中に印加する磁場を容易に制御でき、しかも均一な膜厚のめっき膜を得やすいというメリットを有する。しかし、合金組成の磁性膜を該磁性膜の組成を制御しつつ成膜することが一般に困難で、成膜速度が一般に遅いため、膜厚の厚い磁性膜の成膜に適さないばかりでなく、例えば半導体ウェーハ等の基板の表面に露出した金属表面に磁性膜を選択的に成膜することが困難であるデメリットがある。
【0005】
電解めっき方法で金属の表面に磁性膜を成膜する場合、めっきレートが一般に高いため、膜厚の厚い磁性膜の成膜に適しており、しかも、高温のめっき液を使用する必要がない場合が多いため、めっき液の安定性を確保しやすいというメリットを有する。しかし、合金組成の磁性膜を成膜しようとすると、成膜できる合金の種類に多くの制限を受け、成膜できる合金の種類が限定される。しかも均一な膜厚のめっき膜が得にくいばかりでなく、PVD装置を用いたスパッタリング法の場合と同様に、例えば半導体ウェーハ等の基板の表面に露出した金属表面に磁性膜を選択的に成膜することが困難であるデメリットがある。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、例えば半導体ウェーハ等の基板の表面に露出した金属表面に磁性膜、特に合金磁性膜を選択的かつ容易に成膜することができるようにした磁性膜成膜装置及び磁性膜成膜方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の磁性膜成膜装置は、基板の表面に露出した金属表面に磁性膜を選択的に成膜する磁性膜成膜装置であって、めっき槽内のめっき液に表面を接触させて配置した基板の周囲に該基板と平行な磁場を発生させる磁場発生装置を有する無電解めっき装置からなる。
【0008】
このように、磁性膜成膜装置として、基板の周囲に基板と平行な磁場を発生させる磁場発生装置を有する無電解めっき装置を使用することで、基板の表面に露出した金属表面に、基板に平行する面内に揃った方向を持つ、優れた保磁力特性を有する磁性膜、特に合金磁性膜を選択的に成膜することが可能となる。しかも、めっき液の組成やめっき条件を調整することで、例えば合金磁性膜からなるめっき膜の組成及び磁気特性を容易に制御できる。更に、電解めっき装置と異なり、外部電源によりめっき液中に電流を流す必要がないため、磁場発生装置の設置が容易で、しかも、均一な膜厚のめっき膜を得ることができる。
【0009】
本発明の他の磁性膜成膜装置は、基板の表面に露出した金属表面に磁性膜を選択的に成膜する磁性膜成膜装置であって、めっき液を内部に保持するめっき槽と、基板を保持して該基板の表面を前記めっき槽中のめっき液に接触させる基板保持部と、前記めっき槽の外部に配置され、前記めっき槽内のめっき液に表面を接触させて配置した基板の周囲に該基板と平行な磁場を発生させる磁場発生装置を有する無電解めっき装置からなる。
【0010】
前記めっき槽は、めっき槽の周壁をオーバフローさせて循環させながらめっき液を保持するように構成されていることが好ましく、また内部に保持しためっき液を攪拌する攪拌手段を有することが好ましい。これにより、めっき液を循環させて再使用するとともに、めっき槽内のめっき液により均一な流れを生じさせて、めっき膜(磁性膜)の膜厚をより均一にすることができる。また、めっき液をめっき槽とめっき液貯槽等の間を循環させることで、めっき液の測定、または補給がしやすくなる。
【0011】
前記基板保持部は、表面を下向き、または上向きにして基板を水平に保持してもよく、また基板を鉛直に保持するようにしてもよい。
【0012】
前記基板保持部は回転自在で、前記磁場発生装置は、前記基板保持部で保持して回転させた基板の回転方向と同じ方向に基板と同期して回転するように構成されていることが好ましい。
これにより、基板を低速で回転させながらめっきを行うことで、めっき膜の膜厚のより均一となし、しかも、磁場発生装置を回転方向と同じ方向に基板と同期して回転させることで、基板表面に分布する磁場の方向を常に一定にすることができる。
【0013】
前記磁場発生装置は、永久磁石を使用して磁場を発生させても、電気コイルを使用して磁場を発生させてもよい。
また、前記磁場発生装置の周囲を囲繞する位置に磁場を遮断する磁場遮断壁を有することが好ましい。
これにより、磁場発生装置で発生した磁場(磁気)がノイズとして装置内の電装部品の誤作動を引き起こす原因となることを防止することができる。
【0014】
本発明の磁性膜成膜方法は、基板の表面をめっき液に接触させながら、基板の周囲に該基板と平行な磁場を印加して、基板の表面に露出した金属表面に無電解めっきで磁性膜を選択的に成膜する。
【0015】
前記磁場の強さを連続的または段階的に変化させるようにしてもよい。
前記磁場の磁束密度は、50〜2000ガウス(0.005〜0.2テスラ)の強さで、基板の表面に均一に分布することが好ましい。
【0016】
本発明の基板処理装置は、請求項1乃至9のいずれかに記載の無電解めっき装置からなる磁性膜成膜装置と、基板の向きを合わせるアライナと、前記磁性膜成膜装置及び前記アライナを内部に収容するメインフレームとを有する。
これにより、メインフレーム内のアライナを通して、基板のノッチ部またはオリエンテーションフラット部等を基準にして、基板の方向を確認または調整することができる。
【0017】
前記メインフレーム内に、前記磁性膜成膜装置を4個以上備えていることが好ましい。
例えば、数百〜数千nmの厚膜を有する磁性膜を成膜する必要な基板に対して、1つの磁性膜成膜装置での処理時間が十数分〜数十分を要する場合があるが、メインフレーム内に磁性膜成膜装置を4個以上備えることで、このような場合に、スループットが低下してしまうことを防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、基板の表面に露出した金属表面に、無電解めっきによって、基板に平行する面内に揃った方向をもつ、優れた保磁力特性を有する磁性膜、特に合金磁性膜を選択的に成膜することができる。しかも、めっき液の組成やめっき条件を調整することで、例えば合金磁性膜からなるめっき膜の組成及び磁気特性を容易に制御できる。しかも、磁場発生装置の設置が容易で、均一な膜厚の磁性膜(めっき膜)を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態の基板処理装置の平面配置図を示す。図1に示すように、基板処理装置は、矩形状のメインフレーム10と、内部に複数の半導体ウェーハ等の基板を収納した半導体カセットを搭載するロード・アンロード部12と、制御部14を有している。
【0020】
メインフレーム10の内部は、基板のノッチ部やオリエンテーションフラット部等の位置合せを行うアライナ16と、基板を純水等の洗浄液で洗浄(リンス)し乾燥させる2基の洗浄・乾燥装置18と、基板の前処理を行う2基の前処理装置20と、基板の表面に露出した金属表面に、例えば合金からなる磁性膜を選択的に成膜する4基の磁性膜成膜装置22が配置されている。この各磁性膜成膜装置22の周囲は、磁性膜成膜装置22で発生する磁場(磁気)を遮断して、磁性膜成膜装置22で発生した磁場(磁気)がノイズとして装置内の電装部品の誤作動を引き起こす原因となることを防止する磁場遮断壁24で囲繞されている。更に、アライナ16、洗浄・乾燥装置18及び前処理装置20に挟まれた位置に、固定タイプの第1基板搬送ロボット26が配置され、前処理装置20及び磁性膜成膜装置22に挟まれた位置には、走行タイプの第2基板搬送ロボット28が配置されている。
【0021】
ここに、この例では、表面を上向きにして基板を保持し、基板の表面(上面)に対する処理を行う洗浄・乾燥装置18と、表面を下向きにして基板を保持し、基板の表面(下面)に対する処理を行う前処理装置20及び磁性膜成膜装置22を使用するようにしている。
【0022】
磁性膜成膜装置22の詳細を図2に示す。図2に示すように、磁性膜成膜装置22は、この例では、互いに対峙して配置された一対の電磁石30と磁気コントローラ32を有する磁場発生装置34を備えた無電解めっき装置36で構成されている。電磁石30は、冷却機能(図示せず)を有している。なお、電磁石30の代わりに、永久磁石を使用しても良いことは勿論である。前記前処理装置20は、めっき前処理を行う。
【0023】
無電解めっき装置36は、内部にめっき液38を保持する、上方に開口しためっき槽40と、このめっき槽40の上方に上下動自在に配置され、表面を下向きにして基板Wを吸着等により着脱自在に水平に保持する基板保持部42を有している。この基板保持部42の下方に位置して、めっき時に、めっき槽40内のめっき液を攪拌する攪拌板44が配置されている。基板保持部42は、昇降軸46の下端に連結され、攪拌板44は、昇降軸46との間に形成されたスプライン構造により、昇降軸46と一体に昇降し、昇降軸46と独立に回転する回転軸48の下端に連結されている。
【0024】
めっき槽40は、その底部において、めっき液貯槽50から延び、内部にポンプ52及びフィルタ54を介装しためっき液供給管56に接続されている。めっき槽40の上部外周部には、めっき槽40の上端をオーバフローしためっき液を溜めるオーバフロー槽58が備えられ、オーバフロー槽58とめっき液貯槽50は、めっき液戻り管60で繋がれている。これにより、ポンプ52の駆動に伴って、めっき液貯槽50内のめっき液38はめっき槽40内に供給され、めっき槽40内に供給されてこの上端をオーバフローしためっき液38は、オーバフロー槽58及びめっき液戻り管60を通してめっき液貯槽50に戻ることで、めっき液38がめっき槽40とめっき液貯槽50との間を循環するようになっている。
【0025】
めっき液貯槽50の内部には、めっき液貯槽50内のめっき液38を、例えば50〜95℃、好ましくは65〜85℃に加熱する加熱部62が配置されている。また、めっき槽40の内部には、この内部を上方に向けて流れるめっき液の流れを整える2枚の整流板64a,64bが配置されている。
【0026】
前記磁場発生装置34の電磁石30は、めっき槽40の外部の、該めっき槽40内に保持されるめっき液38の液面の近傍に位置して、該めっき槽40を挟んだ位置に配置されている。かつ、前記磁場発生装置34の電磁石30は、基板保持部42で保持した基板Wの表面(下面)をめっき槽40内のめっき液38に接触させて、基板表面に露出した金属表面にめっき膜(磁性膜)を無電解めっきで選択的に成膜する時、基板Wの周辺(少なくとも基板Wの表面(下面))に、基板Wに平行で一定方向の均一に分布した磁場を印加するように配置されている。この磁場の磁束密度は、例えば50〜2000G(ガウス)(0.005〜0.2T(テスラ))で調整できるようになっており、磁場の磁束密度は、200〜1500G(0.02〜0.15T)であることが好ましく、500〜1000G(0.05〜0.1T)であることが更に好ましい。
【0027】
図3及び図4は、例えば、磁束密度が750〜1500G(0.075〜0.15T)の磁場を発生させる磁場発生装置34の一例を示す。この磁場発生装置34は、鉄心30aの回りに、巻数500〜1250Tでコイル30bを巻付けて、磁場方向が一定の一対の電磁石30を互いに対峙した位置に形成している。コイル30bの抵抗値は、3.5〜10Ω(20℃)である。これにより、DC25Aの電流を流すことで、磁束密度が1000G(0.1T)の磁場を発生させることができるようになっている。電磁石30は、水量3〜10L/minで冷却水を流すことで冷却(水冷)される。
この磁場発生装置36は、基板を水平に保持した場合にあっても、基板を鉛直に保持した場合にあっても使用できる。
【0028】
この例では、無電解めっき装置36に、純水等のリンス液を外方(上方)に向けて噴射するスプレーノズル66を有し、めっき槽40の上端開口を閉塞自在に覆う蓋体68が備えられている。これにより、蓋体68がめっき槽40の側方の待避位置にあるとき、基板保持部42で保持した基板Wをめっき槽40内のめっき液38に接触させて無電解めっきを行い、基板保持部42を上昇させた後、蓋体68をめっき槽40の上端開口部を覆う位置に位置させ、蓋体68のスプレーノズル66から基板Wに向けて純水等を噴射することで、基板の表面(下面)をリンスするようになっている。
【0029】
次に、図1に示す基板処理装置による基板処理について説明する。
先ず、ロード・アンロード部12に搭載した基板カセットから、第1基板搬送ロボット26によって1枚の乾燥した基板を取出し、メインフレーム10内のアライナ16を通して、基板のノッチ部またはオリエンテーションフラット部等を基準にして、基板の方向を確認または調整する。例えば、下記の基板の表面に該基板と平行に印加される磁場の方向が、ノッチ部等と平行または垂直となるようにする。
【0030】
次に、第2基板搬送ロボット28は、アライナ16から基板を受取って、前処理装置20に搬送する。前処理装置20は、例えば表面(処理面)が下向きにとなるように基板を180°反転させる。そして、基板を、例えば20rpmで回転させながら、基板の表面(下面)に向けて複数のスプレーノズルから前処理液(薬液)を噴射し、これによって、基板の表面に対する、例えば30秒間の第1前処理(前洗浄)を行う。この第1前処理(前洗浄)に使用する前処理液は、例えば有機アルカリをベースとした洗浄液である。その後、基板表面を、15秒間、純水等でリンスする。
【0031】
次に、基板を、例えば20rpmで回転させながら、基板の表面(下面)に向けて、複数のスプレーノズルから触媒付与液(薬液)を噴射し、これによって、基板の表面に対する、例えば20秒の第2前処理(触媒付与処理)を行って、基板の表面に、例えばPd等の触媒を付与する。この第2前処理(触媒付与)に使用する触媒付与液(薬液)は、例えばHSOの水溶液にPdSOを溶かしたものであり、触媒付与液中のPdSOの濃度は、例えば0.02〜0.10g/Lの範囲内で定められ、例えば0.045g/Lである。触媒付与液中のHSOの濃度は、例えば20〜100g/Lの範囲内で定められ、例えば60g/Lである。その後、基板表面を、15秒間、純水等でリンスする。
【0032】
なお、この例は、第1前処理(前洗浄)と第2前処理(触媒付与)とを、同一の前処理装置20を使用して行うようにしているが、下記の例のように、第1前処理と第2前処理とを別の装置で個別に行うようにしてもよい。また、めっきによって形成する磁性膜(めっき膜)の種類等によっては、第1前処理(前洗浄)と第2前処理(触媒付与)の一方のみを行うようにしてもよい。
【0033】
その後、第2基板搬送ロボット28は、前処理装置20から前処理後の基板を受取り、磁性膜成膜装置22を構成する無電解めっき装置36に搬送する。無電解めっき装置36では、めっき液貯槽50内のめっき液38を、加熱部62で、例えば75℃に加熱し、ポンプ52を駆動して、めっき液38をめっき槽40とめっき液貯槽50との間を循環させておく。そして、無電解めっき装置36は、基板保持部42で基板を受取り、基板保持部42を下降させて、基板保持部42で保持した基板の表面(下面)をめっき槽40内のめっき液38に接触させ、これによって、基板の表面に露出した金属表面にめっき膜(磁性膜)を選択的に成膜する。この時、基板がめっき液38中に所定の位置に到達した後、基板Wの下方に配置された攪拌板44を回転させ、めっき槽40内のめっき液38に均一な流れを形成する。
【0034】
このめっき時に、磁場発生装置34の一対の電磁石30に電気を印加して、めっき槽40の外側から、基板の周囲の、少なくとも基板の表面(下面)に、基板に平行な磁場を一方向に発生させる。基板の表面に成形される磁場の磁束密度は、例えば50〜2000G(ガウス)(0.005〜0.2T(テスラ))であり、200〜1500G(0.02〜0.15T)であることが好ましく、500〜1000G(0.05〜0.1T)であることが更に好ましい。なお、磁場発生装置34の一対の電磁石30に常に電気を印加するようにしてもよい。また、磁場の強さを連続的または段階的に変更させるようにしてもよい。ここで、CoWP合金からなるめっき膜(合金磁性膜)を無電解めっきで形成するのに使用されるめっき液の組成としては、例えば以下のようなものが挙げられる。
【0035】
めっき液の組成
・CoSO・7HO:14g/L
・Na・2HO:70g/L
・HBO:25g/L
・NaWO・2HO:12g/L
・NaHPO・HO:21g/L
・pH:9.1
【0036】
めっき槽40内のめっき液38に基板の表面を所定時間接触させた後、基板保持部42を上昇させて、基板をめっき槽40内のめっき液38から引き上げ、待避位置にあった蓋体68をめっき槽40の上端開口部を覆う位置に位置させる。しかる後、蓋体68の上面に配置したスプレーノズル66から、純水を、例えば5秒間、基板の表面に向けて噴射して基板を純水等でリンスする。第2基板搬送ロボット28は、めっきによって、表面にめっき膜(磁性膜)を成膜した基板を無電解めっき装置36の基板保持部42から受取り、洗浄・乾燥装置18に搬送する。
【0037】
洗浄・乾燥装置18では、基板を純水等の洗浄液で洗浄(リンス)し、高速回転させて、スピン乾燥させる。第1基板搬送ロボット26は、洗浄・乾燥装置18で乾燥させた基板を洗浄・乾燥装置18から受取り、ロード・アンロード部12に搭載した基板カセットに戻す。
【0038】
上記のように、磁性膜成膜装置22として、基板の周囲に、基板と平行な磁場を発生させる磁場発生装置34を有する無電解めっき装置36を使用することで、基板の表面に露出した金属表面に、基板に平行する面内に揃った方向をもつ、優れた保磁力特性を有する磁性膜、特に合金磁性膜を選択的に成膜することが可能となる。しかも、めっき液の組成やめっき条件を調整することで、例えば合金磁性膜からなるめっき膜の組成及び磁気特性を容易に制御できる。更に、電解めっき装置と異なり、外部電源によりめっき液中に電流を流す必要がないため、磁場発生装置34の設置が容易で、しかも、均一な膜厚のめっき膜(磁性膜)を得ることができる。
【0039】
この例では、メインフレーム10の内部に、磁性膜成膜装置22を4基備えることで、例えば、数百〜数千nmの厚膜を有する磁性膜の成膜が必要な基板に対して、1つの磁性膜成膜装置での処理時間が、十数分〜数十分を要する場合でも、スループットが低下してしまうことを防止することができる。
【0040】
この例のように、表面を上向きにして基板保持部42で基板Wを保持することで、基板Wを回転させる回転軸48の設置が容易となる。また、オーバフロー方式を採用して、めっき液を常時循環させることにより、例えば数分〜数十分の長時間に亘るめっきを行う時に、めっき槽40内のめっき液38の濃度が低下しないようにすることができる。更に、攪拌板44によって、めっき槽40内のめっき液38を攪拌することで、例えば構造的な制限で、基板Wを回転させることができない場合でも、基板Wの近傍のめっき液38の流れを均一にすることができる。
【0041】
なお、上記の例では図示されていないが、磁性膜成膜装置22に、基板の表面に発生する磁場の向き及び強さを測定して、基板の表面に適切に磁場が生じているか否かを監視する、監視装置等の機能を付加するようにしてもよい。
【0042】
図5は、磁性膜成膜装置の他の例を示す。図5に示す磁性膜成膜装置22aの図2に示す磁性膜成膜装置22と異なる点は、以下の通りである。すなわち、この磁性膜成膜装置22aは、昇降及び回転自在な昇降軸46aの下端に基板保持部42を連結し、攪拌板を省略した無電解めっき装置36aを使用している。また、磁気コントローラ32に接続された固定ブラシ70と、電磁石30を固定した回転体72とを有するスリップリング74を介して、一対の電磁石30を回転自在とした磁場発生装置34aを使用している。その他の構成は、図2に示す磁性膜成膜装置22と同様である。
【0043】
この磁性膜成膜装置22aにあっては、基板保持部42で保持した基板Wを、例えば1〜100rpmの範囲の、例えば10rpmで回転させながら下降させて、基板Wの表面をめっき槽40で保持しためっき液38に接触させる。めっき処理中にあっても、基板を回転させ続ける。そして、一対の電磁石30に電気を供給して、基板の周囲の、少なくとも基板の表面(下面)に沿って、基板と平行な磁界を発生させる時に、スリップリング74を介して、一対の電磁石30を、基板Wと同期して、例えば1〜100rpmの範囲の、例えば10rpmで基板と同方向に回転させ、これによって、基板Wと電磁石30との位置関係が、めっき中、常に一定となるようにする。
【0044】
これによって、基板Wを回転させることで、攪拌板を使用することなく、めっき槽40内のめっき液38に均一な流れを生じさせ、しかも、めっき中、基板Wと電磁石30との位置関係が常に一定となるようにして、基板Wの周囲に一方向の磁界が発生するようにすることができる。
【0045】
なお、上記の例では、表面を下向きにして保持した基板Wの表面(下面)に露出した金属表面に、無電解めっきによってめっき膜(磁性膜)を選択的に形成した例を示しているが、図6に示すように、表面を上向きにして保持した基板Wの表面(上面)に露出した金属表面に、無電解めっきによってめっき膜(磁性膜)を選択的に形成するようにしてもよい。
【0046】
図6に示す例は、回転及び上下動自在で、表面を上向きにして基板Wを着脱自在に保持する基板保持部42aと、この基板保持部42aの上方に配置した堰部材76を備えた無電解めっき装置36bと、図5に示す、磁気コントローラ32に接続された固定ブラシ70と、電磁石30を固定した回転体72とを有するスリップリング74を介して、一対の電磁石30を回転自在とした磁場発生装置34aで磁性膜成膜装置22bを構成している。無電解めっき装置36bは、基板Wを保持した基板保持部42aを上昇させ、基板Wの周縁部を堰部材76で液密にシールすることで、基板Wの上面に、堰部材76で周囲を包囲されためっき槽を形成し、このめっき槽内にめっき液供給ノズル78からめっき液をシャワー状に供給することで、無電解めっきを行うようになっている。
【0047】
基板Wの上面のめっき槽には、洗浄液供給ノズル80から洗浄液が供給され、基板Wの上面に残っためっき液は、めっき液回収ノズル82から回収される。また、基板保持部42aの内部には、めっき槽内のめっき液を加熱するヒータ84が埋設されている。
【0048】
図7は、本発明の他の実施の形態の基板処理装置の平面配置図を示す。図7に示すように、基板処理装置は、図1に示す基板処理装置と同様に、矩形状のメインフレーム10と、内部に複数の半導体ウェーハ等の基板を収納した半導体カセットを搭載するロード・アンロード部12と、制御部14を有している。
【0049】
メインフレーム10の内部は、基板を純水等の洗浄液で洗浄(リンス)し乾燥させる2基の洗浄・乾燥装置86と、アライナ88を備え、基板を90°転向させる基板転向装置90とが配置され、これらの装置の間に、固定型の第1基板搬送ロボット92が配置されている。メインフレーム10の内部には、更に、基板の第1前処理(前洗浄)を行う2基の第1前処理装置94、基板の第2前処理(触媒付与)を行う第2前処理装置96、基板を純水等の洗浄(リンス)する洗浄装置98、基板の表面に露出した金属表面に、例えば合金からなる磁性膜を成膜する2基の磁性膜成膜装置100、及び基板の後洗浄を行う後洗浄装置102が配置され、更に、これらの装置及び前記基板転向装置90との間に、第2基板搬送ロボット104が走行自在に配置されている。
【0050】
各磁性膜成膜装置100の周囲は、前述の例と同様に、磁性膜成膜装置100で発生する磁場(磁気)を遮断して、磁性膜成膜装置100で発生した磁場(磁気)がノイズとして装置内の電装部品の誤作動を引き起こす原因となることを防止する磁場遮断壁106で囲繞されている。
【0051】
ここに、この例では、表面を上向きにして基板を保持し、基板の表面(上面)に対する処理を行う洗浄・乾燥装置86と、表面を鉛直に保持して、基板の表面(鉛直面)に対する処理を行う第1前処理装置94、第2前処理装置96、洗浄装置98、磁性膜成膜装置100及び後洗浄装置102を使用し、アライナ88で向きを確認または調整した基板を基板転向装置90で、水平状態から鉛直状態(またはその逆)に90°転向させるようにしている。
【0052】
磁性膜成膜装置100の詳細を図8及び図9に示す。図8及び図9に示すように、磁性膜成膜装置100は、この例では、磁気コントローラ110に接続してコ字状のヨーク112(図9参照)の両側に取付けた一対の電気コイル114を有する磁場発生装置116を備えた無電解めっき装置118で構成されている。この磁場発生装置116には、電気コイル114に冷却水を供給して電気コイル114を冷却する電気コイル冷却部119が備えられている。
【0053】
無電解めっき装置118は、内部にめっき液38を保持する矩形ボックス状のめっき槽120と、基板Wを鉛直方向に向けて着脱自在に保持する上下動自在な基板保持部(図示せず)を有している。この基板保持部で保持した基板Wの前方に位置して、めっき時に、めっき槽120内のめっき液38を攪拌する、上下方向に延びる攪拌棒(パドル)122が互いに平行に配置され、この攪拌棒122の上端は、基板保持部で保持した基板Wと平行に往復動する駆動軸124に連結されている。
この攪拌棒(パドル)122によって、めっき槽120内のめっき液38を攪拌することで、この例のように、構造的な制限で、基板Wを回転させることができない場合でも、基板Wの近傍のめっき液38の流れを均一にすることができる。
【0054】
めっき槽120は、前述の例と同様に、その底部において、めっき液貯槽50から延び、内部にポンプ52及びフィルタ54を介装しためっき液供給管56に接続されている。めっき槽120の上部外周部には、めっき槽120の上端をオーバフローしためっき液を溜めるオーバフロー槽126が備えられ、オーバフロー槽126とめっき液貯槽50は、めっき液戻り管60で繋がれている。めっき液貯槽50の内部には、めっき液貯槽50内のめっき液38を、例えば50〜95℃、好ましくは65〜85℃に加熱する加熱部62が配置されている。
【0055】
前記磁場発生装置116の一対の電気コイル114は、基板保持部で保持した基板Wの表面(鉛直面)をめっき槽120内のめっき液38に接触させて、基板表面に露出した金属表面にめっき膜(磁性膜)を無電解めっきで選択的に成膜する時、図10に示すように、基板Wの表面(鉛直面)に一定方向の基板Wに平行な磁場が発生して均一に分布するように、図9に示すように、めっき槽120の外部の該めっき槽40を挟んだ位置に、基板Wと直交するように配置されている。この磁場の磁束密度は、例えば50〜2000G(ガウス)(0.005〜0.2T(テスラ))で調整できるようになっており、磁場の磁束密度は、200〜1500G(0.02〜0.15T)であることが好ましく、500〜1000G(0.05〜0.1T)であることが更に好ましい。
【0056】
次に、図7に示す基板処理装置による基板処理について説明する。
先ず、ロード・アンロード部12に搭載した基板カセットから、第1基板搬送ロボット92によって1枚の乾燥した基板を取出し、メインフレーム10内のアライナ88を通して、基板のノッチ部またはオリエンテーションフラット部等を基準にして、基板の方向を確認または調整する。そして、この基板を、基板転向装置90で水平状態から鉛直状態で90°転向させる。
【0057】
次に、第2基板搬送ロボット104は、基板転向装置90から基板を受取って、第1前処理装置94に搬送する。第1前処理装置94では、基板を鉛直方向に向けたまま、前処理液(薬液)に、例えば30秒間浸漬させ、これによって、基板の表面に対する第1前処理(前洗浄)を行う。この第1前処理(前洗浄)に使用する前処理液は、前述の例と同様に、例えば有機アルカリをベースとする洗浄液である。
【0058】
次に、第2基板搬送ロボット104は、基板を第1前処理装置94から受取って、第2前処理装置96に搬送する。第2前処理装置96では、基板を鉛直方向に向けたまま、触媒付与液(薬液)に、例えば20秒間浸漬させ、これによって、第2前処理(触媒付与処理)を行って、基板の表面にPd等の触媒を付与する。この第2前処理(触媒付与)に使用する触媒付与液(薬液)は、前述の例と同様に、例えばHSOの水溶液にPdSOを溶かしたものである。
【0059】
その後、第2基板搬送ロボット104は、基板を第2前処理装置96から受取って、洗浄装置98に搬送する。洗浄装置98では、基板を鉛直方向に向けたまま、純水等の洗浄液(リンス液)に、例えば20秒間浸漬させ、これによって、基板表面を純水等で洗浄(リンス)する。
【0060】
その後、第2基板搬送ロボット104は、洗浄装置98から基板を受取り、磁性膜成膜装置100を構成する無電解めっき装置118の基板保持部に受渡す。無電解めっき装置118の基板保持部は、基板Wを鉛直方向に向けたまま下降させて、めっき槽120内の、例えば75℃に加熱して、めっき槽120とめっき液貯槽50との間を循環させためっき液38に浸漬させ、これによって、基板の表面に露出した金属表面にめっき膜(磁性膜)を選択的に成膜する。この時、基板Wの前面で、攪拌棒122を往復動させることで、めっき槽120内のめっき液38に均一な流れを形成する。
【0061】
このめっき時に、磁場発生装置116の一対の電気コイル114に電気を印加して、めっき槽120の外側から、基板の周囲の、少なくとも基板の表面(鉛直面)に、一方向の基板に平行な磁場を発生させる。基板の表面に成形される磁場の磁束密度は、50〜2000G(ガウス)(0.005〜0.2T(テスラ))であり、200〜1500G(0.02〜0.15T)であることが好ましく、500〜1000G(0.05〜0.1T)であることが更に好ましい。なお、磁場発生装置116の一対の電気コイル114に常に電気を印加するようにしてもよい。また、磁場の強さを連続的または段階的に変更させるようにしてもよい。ここで、CoWP合金からなるめっき膜(合金磁性膜)を無電解めっきで形成するのに使用されるめっき液の組成としては、例えば前記と同様なものが挙げられる。
【0062】
めっき槽120内のめっき液38に基板の表面を所定時間接触させた後、基板保持部を上昇させて、基板をめっき槽120内のめっき液38から引き上げる。第2基板搬送ロボット104は、めっき後の基板を無電解めっき装置118の基板保持部から基板を受取り、後洗浄装置102に受渡す。後洗浄装置102は、基板を鉛直状態に保持したまま、この表面に洗浄液を供給しながら、スクラブ洗浄等の後洗浄を行い、必要に応じて、純水等でリンスする。
【0063】
第2基板搬送ロボット104は、後洗浄後の基板を後洗浄装置102から受取り、基板転向装置90に搬送する。基板転向装置90では、鉛直状態にあった基板を、90°回転させて、表面を上向きにした水平状態にする。第1基板搬送ロボット92は、転向後の基板を基板転向装置90から受取り、洗浄・乾燥装置86に受渡す。洗浄・乾燥装置86では、基板を純水等の洗浄液で洗浄(リンス)し、高速回転させて、スピン乾燥させる。第1基板搬送ロボット24は、洗浄・乾燥装置86で乾燥させた基板を洗浄・乾燥装置86から受取り、ロード・アンロード部12に搭載した基板カセットに戻す。
【0064】
図11は、磁性膜成膜装置の他の例を要部を示す。この例の磁性膜成膜装置100aの図8及び図9に示す磁性膜成膜装置100と異なる点は、めっき槽120に一定方向に巻付けた電気コイル130で磁場発生装置116aを構成した点にある。その他の構成は、図8及び図9に示す例と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態の基板処理装置の平面配置図である。
【図2】図1に示す基板処理装置に備えられている磁性膜成膜装置の概要図である。
【図3】図2に示す磁性膜成膜装置の磁場発生装置の正面図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】磁性膜成膜装置の他の例を示す概要図である。
【図6】磁性膜成膜装置の更に他の例を示す概要図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の基板処理装置の平面配置図である。
【図8】図7に示す基板処理装置に備えられている磁性膜成膜装置の概要図である。
【図9】図7に示す基板処理装置に備えられている磁性膜成膜装置の要部を示す斜視図である。
【図10】図7に示す基板処理装置に備えられている磁性膜成膜装置で発生した基板近傍の磁場分布を示す図である。
【図11】磁性膜成膜装置の更に他の例の要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0066】
10 メインフレーム
12 ロード・アンロード部
16,88 アライナ
18,86 洗浄・乾燥装置
20,94,96 前処理装置
22,22a,22b,100,100a 磁性膜成膜装置
24,106 磁場遮断壁
30 電磁石
32,110 磁気コントローラ
34,34a,116,116a 磁場発生装置
36,36a,36b,118 無電解めっき装置
38 めっき液
40,120 めっき槽
42,42a 基板保持部
44 攪拌板
50 めっき液貯槽
54 フィルタ
56 めっき液供給管
58,126 オーバフロー槽
60 めっき液戻り管
62 加熱部
68 蓋体
70 固定ブラシ
72 回転体
74 スリップリング
76 堰部材
78 めっき液供給ノズル
82 めっき液回収ノズル
98 洗浄装置
102 後洗浄装置
112 ヨーク
114,130 電気コイル
122 攪拌棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面に露出した金属表面に磁性膜を選択的に成膜する磁性膜成膜装置であって、
めっき槽内のめっき液に表面を接触させて配置した基板の周囲に該基板と平行な磁場を発生させる磁場発生装置を有する無電解めっき装置からなることを特徴とする磁性膜成膜装置。
【請求項2】
基板の表面に露出した金属表面に磁性膜を選択的に成膜する磁性膜成膜装置であって、
めっき液を内部に保持するめっき槽と、
基板を保持して該基板の表面を前記めっき槽中のめっき液に接触させる基板保持部と、
前記めっき槽の外部に配置され、前記めっき槽内のめっき液に表面を接触させて配置した基板の周囲に該基板と平行な磁場を発生させる磁場発生装置を有する無電解めっき装置からなることを特徴とする磁性膜成膜装置。
【請求項3】
前記めっき槽は、めっき槽の周壁をオーバフローさせて循環させながらめっき液を保持するように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の磁性膜成膜装置。
【請求項4】
前記めっき槽は、内部に保持しためっき液を攪拌する攪拌手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性膜成膜装置。
【請求項5】
前記基板保持部は、表面を下向き、または上向きにして基板を水平に保持することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の磁性膜成膜装置。
【請求項6】
前記基板保持部は、基板を鉛直に保持することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の磁性膜成膜装置。
【請求項7】
前記基板保持部は回転自在で、前記磁場発生装置は、前記基板保持部で保持して回転させた基板の回転方向と同じ方向に基板と同期して回転するように構成されていることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の磁性膜成膜装置。
【請求項8】
前記磁場発生装置は、永久磁石または電気コイルを使用して磁場を発生させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の磁性膜成膜装置。
【請求項9】
前記磁場発生装置の周囲を囲繞する位置に磁場を遮断する磁場遮断壁を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の磁性膜成膜装置。
【請求項10】
基板の表面をめっき液に接触させながら、基板の周囲に該基板と平行な磁場を印加して、基板の表面に露出した金属表面に無電解めっきで磁性膜を選択的に成膜することを特徴とする磁性膜成膜方法。
【請求項11】
前記基板は、表面を下向き、または上向きにして水平に配置されていることを特徴とする請求項10記載の磁性膜成膜方法。
【請求項12】
前記基板は、鉛直に配置されていることを特徴とする請求項10記載の磁性膜成膜方法。
【請求項13】
前記基板をめっき液に接触させながら一方向に回転させ、この基板の回転方向と同じ方向に磁場も基板と同期して回転させることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の磁性膜成膜方法。
【請求項14】
前記磁場の強さを連続的または段階的に変化させることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の磁性膜成膜方法。
【請求項15】
前記磁場の磁束密度は、50〜2000ガウスの強さで、基板の表面に均一に分布することを特徴とする請求項10乃至14のいずれかに記載の磁性膜成膜方法。
【請求項16】
請求項1乃至9のいずれかに記載の無電解めっき装置からなる磁性膜成膜装置と、
基板の向きを合わせるアライナと、
前記磁性膜成膜装置及び前記アライナを内部に収容するメインフレームとを有することを特徴とする基板処理装置。
【請求項17】
前記メインフレーム内に、前記磁性膜成膜装置を4個以上備えていることを特徴とする請求項16記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−181924(P2008−181924A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−12341(P2007−12341)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】