説明

磁気記録層を有するICカードの製造方法

【課題】磁気記録層、隠蔽層、デザイン絵柄等の品質を工程途中で確認して良品レベルの加工シートとモジュールコアシートを一体加工しながら生産できる磁気記録層を有するICカードの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】オーバーレイ11に面一加工された磁気記録層32aと、隠蔽層41と、デザイン絵柄51と、接着樹脂層21が形成された加工シート50と、ICチップ71及びアンテナ72等からなるICモジュール70をコアシート内に形成したモジュールコアシート80とを積層加工してICモジュールブロックシート100を作製し、ICモジュールブロックシート100を所定のカード寸法にパンチャーで打ち抜き加工し、磁気記録層を有するICカードを作製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップ、アンテナ等から構成されるICモジュールを内蔵したICカードに関し、特に、カード表面に面一加工された磁気記録層及びデザイン絵柄が施された磁気記録層を有するICカードの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、学生証や社員証などは身分を証明する顔写真だけでなく磁気ストライプに書き込まれたデータを用いて、入退場管理、食堂での課金、パソコンのアクセス権など多くの場面で使われていたが、最近では非接触で通信できる固有の識別番号の入ったICチップを内蔵したカードを各々のスキャナーにかざすだけでデータのやりとりが可能で、且つ従来の磁気記録カードリーダーにも適用可能な学生証、社員証等の入退室管理用のセキュリティシステム、駐車場用ゲート開閉システム、定期券等の交通に関する用途、電子マネーやクレジットカード等の磁気記録層を有するICカードが提案されている。
【0003】
これら磁気記録層を有するICカードの製造方法としては、耐熱シート上の熱可塑性樹脂層上に磁気テープを仮止めした後、ICモジュールが内蔵されたコアシートを熱圧で積層して一体化すると同時に磁気記録層を熱可塑性樹脂中に埋設して、磁気記録層表面を平滑にした磁気記録層を有するICカードの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記磁気記録層を有するICカードの製造方法について説明する。
図6(a)〜(d)及び図7(e)〜(g)は、磁気記録層を有するICカードの製造方法の一例を工程順に示す模式構成断面図である。
まず、白色延伸PETからなる125μm厚の耐熱性シート111の一方の面にオフセット印刷等によりデザイン絵柄151を形成し、他方の面にポリエステル系樹脂をグラビア印刷等によりコーティング、乾燥して、膜厚3μmの接着樹脂層121を形成する(図6(a)参照)。
【0005】
次に、デザイン絵柄151上にポリエステル系樹脂をマイクログラビア印刷法によりコーティングして、乾燥膜厚20μmの接着樹脂層122を形成する(図6(b)参照)。
【0006】
次に、接着樹脂層122の所定位置に転写磁気テープの磁気記録層を熱転写して、仮止めされた磁気記録層131を形成し、耐熱性シート111の一方の面にデザイン絵柄151と接着樹脂層122が、他方の面に接着樹脂層121がそれぞれ形成された加工シート150を作製する(図6(c)参照)。
【0007】
次に、2枚の250μm厚の白色PET−Gシートの間にICチップ171及びアンテナ172から構成される非接触ICモジュールを挟み込むように積層し、150℃、10kgf/cm2の熱圧を加えモジュールコアシート180を作製する(図6(d)参照)。
【0008】
次に、モジュールコアシート180の両側に加工シート150を積層し(図7(e)参照)、150℃、10kgf/cm2の熱圧を加え、モジュールブロックシート200を得る(図7(f)参照)。
【0009】
次に、モジュールブロックシート200をパンチャー等により所定寸法のカード形状に加工し、磁気記録層131が面一加工された磁気記録層を有するICカード200aを作
製する(図7(g)参照)。
【0010】
上記磁気記録層を有するICカードの製造方法では、磁気記録層131が仮止めされた加工シート150と、ICモジュールが内蔵されたモジュールコアシート180とを熱圧一体化して、磁気記録層131を面一加工すると同時にモジュールブロックシート200を作製するため、熱圧一体化のプロセスでバラツキがあると、磁気記録層131の面一加工不良が発生し、ICモジュールを含めたICカードが不良になり、生産コストに占める不良コストの比重が大きくなるという問題を有している。
【0011】
また、上記磁気記録層を有するICカードの製造方法では、現在、クレジットカード、銀行カード等で主流となりつつある磁気記録層上にデザイン絵柄を形成し、磁気記録層を隠蔽するというオーバープリントカード分野に対応できないという問題を有している。
【特許文献1】特開2000−353228号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、ICモジュールを含むコアの両面にオーバーレイ、磁気記録層、隠蔽層、デザイン絵柄等が形成された磁気記録層を有するICカードの製造方法において、磁気記録層、隠蔽層、デザイン絵柄等の品質を工程途中で確認して良品レベルの加工シートとモジュールコアシートを一体加工しながら生産できる磁気記録層を有するICカードの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に於いて上記課題を達成するために、本発明では、ICモジュールを含むコアの両面に磁気記録層、隠蔽層、デザイン絵柄等からなる磁気記録層を有するICカードの製造方法において、
少なくとも以下の工程を具備することを特徴とする磁気記録層を有するICカードの製造方法としたものである。
(a)オーバーレイ11の一方の面に曲面形状ヒーターブロックを用いて転写磁気テープの磁気記録層を転写し、前記オーバーレイ11上の所定位置に仮貼りされた磁気記録層32を形成する工程。
(b)前記オーバーレイ11上の前記仮貼りされた磁気記録層32を前記オーバーレイ11内に埋め込み、面一加工された磁気記録層32aを形成する工程。
(c)面一加工された磁気記録層32aが形成されたオーバーレイ11の全面に隠蔽層41を形成する工程。
(d)前記オーバーレイ11の一方の面に形成された前記隠蔽層41の所定位置にデザイン絵柄51を、前記オーバーレイ11の他方の面に接着樹脂層21を形成し、前記オーバーレイ11の一方の面に前記面一加工された磁気記録層32a、前記隠蔽層41及び前記デザイン絵柄51が、他方の面に接着樹脂層21がそれぞれ形成された加工シート50を作製する工程。
(e)ICチップ71及びアンテナ72等からなるICモジュール70をコアシート61内に形成したモジュールコアシート80を作製する工程。
(f)前記モジュールコアシート80の両側に、前記面一加工された磁気記録層32a、隠蔽層41、デザイン絵柄51、接着樹脂層21が形成された加工シート50を貼り合わせ、積層加工して、ICモジュールブロックが多面付けで内蔵された磁気記録層を有するICモジュールブロックシート100を作製する工程。
(g)前記磁気記録層を有するICモジュールブロックシート100をカード形状に加工し、磁気記録層を有するICカードを作製する工程。
【発明の効果】
【0014】
本発明の磁気記録層を有するICカードの製造方法では、面一加工された磁気記録層、隠蔽層、デザイン絵柄、接着樹脂層を形成した加工シートと、ICチップ及びアンテナ等からなるICモジュールをコアシート内に形成したモジュールコアシートとを積層加工して磁気記録層を有するICカードを作製するため、加工シートの作製途中で磁気記録層、隠蔽層、デザイン絵柄の品質をチェックすることができ、もし不良がみつかれば、それをリジェクトし、良品レベルの加工シートを使用することにより、ICカードの製造収率を大幅に向上させることができ、磁気記録層を有するICカードの生産コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1(a)は、本発明の磁気記録層を有するICカードの製造方法で作製したICモジュールブロックシートの一例を示す模式平面図を、図1(b)は、本発明の磁気記録層を有するICカードの製造方法で作製したICモジュールブロックシートを打ち抜き加工して得られた磁気記録層を有するICカードの模式構成断面図である。
図2(a)〜(d)及び図3(e)〜(h)は、本発明の磁気記録層を有するICカードの製造方法の一実施例を工程順に示す説明図である。
【0016】
以下、本発明の磁気記録層を有するICカードの製造方法について説明する。
まず、0.05〜0.1mm厚のPET−G基材もしくは塩化ビニールシート等からなるオーバーレイ(耐熱性シート)11の一方の面に曲面ヒーターブロックを用いて転写磁気テープの磁気記録層を転写し、オーバーレイ11上の所定位置に仮貼りされた磁気記録層32を形成する(図2(a)参照)。
ここで、オーバーレイ11としては、上記PET−G基材もしくは塩化ビニールシートの他に、10μm厚の接着樹脂層が表裏形成された50μm厚の延伸PET基材複合フィルムが使用できる。
【0017】
転写磁気テープを用いてオーバーレイ11上に磁気記録層を形成する方法について説明する。
図4(a)は、PETフィルム等のフィルム基材31上に剥離層(特に、図示せず)を介して磁気記録層32が形成された転写磁気テープ30を用いてオーバーレイ11上に磁気記録層32を転写している状態を示す説明図である。
一定の温度が保持できる1〜20mm厚の耐熱シリコンシート81上にオーバーレイ11及び転写磁気テープ30を載置し、転写温度を常に一定に保持できる曲面形状ヒーターブロックにて転写磁気テープ30を加圧、加熱してオーバーレイ11上に磁気記録層32を転写し、オーバーレイ11上に仮貼りされた磁気記録層32を形成する(図4(b)参照)。
【0018】
磁気記録層32は、蒸着、スパッタリング等のドライプロセスやメッキ等の化学プロセスでも得ることはできるが、カードの場合はγ-酸化鉄、Co-被着γ酸化鉄、マグネタイト、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、Fe系メタル粉等の磁性粉末を塗料化して剥離層が形成されたポリエステルフィルム等のフィルム基材31上に塗布して磁気記録層32を形成して、転写磁気テープ30を作製し、熱転写して形成するのが一般的である。
この際に、磁気記録層32の表面抵抗は103Ω/□以上必要である。
また、一方向性記録を実現するためには、保磁力が常温で10kOe以上であり、保磁力の半分以下の外部磁界に飽和し、脱磁状態でのみ磁気記録可能な性質を有する磁性材料、例えばMnBiが用いられる。
【0019】
曲面形状ヒーターブロックの設定温度は110〜140℃の範囲で設定でき、オーバーレイ11の材質、転写磁気テープ30の構成によって最適の温度に設定する。
曲面形状ヒーターブロックの加圧面の曲率は、曲率半径1〜80mmの間で適宜設定し、連続した均一な面圧追従とすることにより、転写磁気テープ30の磁気記録層32を確実に、均一にオーバーレイ11上に転写できるようにしている。
【0020】
また、複数の磁気記録層を形成する場合は、均一な面圧分布を得るため、曲面形状ヒーターブロックを複数個設け、個々に転写温度、圧が設定できるようになっている。
【0021】
次に、磁気記録層32を段差無くオーバーレイ11へ埋め込むために、図5(a)に示すように、定盤82間に仮貼りされた磁気記録層32が形成されたオーバーレイ11と、シリコン系成分を含む表面をマット加工した離型フィルム91(例えば、パコタンシート(商品名))とを積層し、所定の温度(80〜150℃の温度範囲)、圧力(例えば、20kgf/cm2程度)で一定時間加圧し、仮貼りされた磁気記録層32をオーバーレイ11内に埋め込み、面一加工された磁気記録層32aを形成する(図2(b)及び図5(b)参照)。
【0022】
次に、面一加工された磁気記録層32aが形成されたオーバーレイ11上に酸化チタン等の白色顔料からなる白色インキを塗工もしくは各種印刷法により所定厚の塗膜を形成して、面一加工された磁気記録層32aが形成されたオーバーレイ11上に隠蔽層41を形成する(図2(c)参照)。
【0023】
隠蔽層41は、磁気記録層32aの黒色系の色相を消すために設ける光不透過性の層である。磁気記録にとって、隠蔽層41の膜厚はスペーシングロスとして出力の減衰を生じるため10μm以下、望ましくは3μm以下にする必要がある。
このような隠蔽層は、蒸着、スパッタリング等のドライプロセスによる薄膜でも設けることができるが、低コスト化のためには酸化チタン等の白色顔料をインキ化して塗工もしくは各種印刷法により塗膜を形成して得ることができる。磁気記録層と同様に、隠蔽層41の表面抵抗は103Ω/□以上必要である。
【0024】
次に、隠蔽層41上にオフセット印刷、スクリーン印刷等にてパターン、絵柄を印刷して、デザイン絵柄51を形成する。
さらに、オーバーレイ11の他方の面に熱可塑性樹脂溶液をグラビア印刷にて塗工して塗膜を形成し、乾燥硬化して接着樹脂層21を形成し、オーバーレイ11の一方の面に前記面一加工された磁気記録層32a、前記隠蔽層41及び前記デザイン絵柄51が、他方の面に接着樹脂層21がそれぞれ形成された加工シート50を作製する(図2(d)参照)。
ここで、接着樹脂層21としては、エチレンビニルアルコール(EVA)、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル系の単体若しくは混合によるホットメルト型シート形態の接着剤、2液反応型エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、UV及びカチオン重合、嫌気、湿気等の併用硬化により完全硬化する樹脂の単独、或いは混合物を用いることが出来る。
【0025】
次に、2枚のPET−Gシート等からなるコアシート間にICチップ71及びアンテナ72からなる非接触ICモジュール70を挟み込むように積層し、所定の温度、圧力(例えば、150℃、10kgf/cm2)でプレス加工することにより、モジュールコアシート80を作製する(図3(e)参照)。
ここでは、非接触ICモジュール70を内蔵したモジュールコアシートの例について説明したが、本発明の磁気記録層を有するICカードの製造方法に適用されるICカードは、非接触、接触タイプのいずれのICカードにも適用でき、特に限定されるものではない。
【0026】
次に、モジュールコアシート80の両側にオーバーレイ11の一方の面に面一加工された磁気記録層32a、隠蔽層41及びデザイン絵柄51が、他方の面に接着樹脂層21がそれぞれ形成された加工シート50を積層し(図3(f)参照)、所定の温度、圧力(例えば、150℃、10kgf/cm2)でプレス加工することにより、ICモジュールブロックが多面付けされた磁気記録層を有するICモジュールブロックシート100を作製する(図3(f)参照)。
【0027】
次に、上記ICモジュールブロックシート100を所定のカード寸法にパンチャーで打ち抜き加工し、磁気記録層を有するICカード100aを得る(図3(g)参照)。
【0028】
上記したように、本発明の磁気記録層を有するICカードの製造方法では、面一加工された磁気記録層32a、隠蔽層41、デザイン絵柄51及び接着樹脂層21を形成した加工シート50と、ICチップ71及びアンテナ72等からなるICモジュール70をコアシート内に形成したモジュールコアシート80とを積層加工して磁気記録層を有するICカードを作製するため、加工シート50の作製途中で磁気記録層32a、隠蔽層41、デザイン絵柄51及び接着樹脂層21の品質をチェックすることができ、もし不良が見つかれば、それをリジェクトし、良品レベルの加工シートを使用することにより、ICカードの製造収率を大幅に向上させることができ、磁気記録層を有するICカードの生産コストを低減することができる。
【実施例1】
【0029】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
まず、0.1mm厚のPET−G基材からなるオーバーレイ(耐熱性シート)11の一方の面に曲率半径10mmの曲面ヒーターブロックを用いて転写磁気テープ30の磁気記録層32を転写し、オーバーレイ11上の所定位置に仮貼りされた磁気記録層32を形成した(図2(a)参照)。
【0030】
次に、磁気記録層32を段差無くオーバーレイ11へ埋め込むために、図5(a)に示す、定盤82間に仮貼りされた磁気記録層32が形成されたオーバーレイ11とシリコン系成分を含む表面をマット加工が施された離型フィルム91(パコタンシート(商品名))とを積層し、温度140℃、圧力、20kgf/cm2で50分間加圧し、仮貼りされた磁気記録層32をオーバーレイ11内に埋め込み、面一加工された磁気記録層32aを形成した(図2(b)参照)。
【0031】
次に、面一加工された磁気記録層32aが形成されたオーバーレイ11上に塩酢ビ顔料からなる銀色インキをスクリーン印刷にて塗膜を形成し、乾燥硬化して、面一加工された磁気記録層32aが形成されたオーバーレイ11上に3μm厚の隠蔽層41を形成した(図2(c)参照)。
【0032】
次に、隠蔽層41上にオフセット印刷にてパターン、絵柄を印刷して、デザイン絵柄51を形成した。
さらに、オーバーレイ11の他方の面にウレタン樹脂溶液をグラビア印刷にて塗工して塗膜を形成し、乾燥硬化して3μm厚の接着樹脂層21を形成し、オーバーレイ11の一方の面に前記面一加工された磁気記録層32a、前記隠蔽層41及び前記デザイン絵柄51が、他方の面に接着樹脂層21がそれぞれ形成された加工シート50を作製した(図2(d)参照)
次に、2枚のPET−Gシートからなるコアシート間にICチップ71及びアンテナ72からなる非接触ICモジュール70を挟み込むように積層し、温度:150℃、圧力:10kgf/cm2、で50分間加圧することにより、モジュールコアシート80を作製した(図3(e)参照)。
【0033】
次に、モジュールコアシート80の両側にオーバーレイ11の一方の面に面一加工された磁気記録層32a、隠蔽層41及びデザイン絵柄51が、他方の面に接着樹脂層21がそれぞれ形成された加工シート50を積層し(図3(f)参照)、温度:140℃、圧力:10kgf/cm2で3分間加圧することにより、ICモジュールブロックが多面付けされた磁気記録層を有するICモジュールブロックシート100を作製した(図3(g)参照)。
【0034】
次に、上記ICモジュールブロックシート100を所定のカード寸法にパンチャーで打ち抜き加工し、磁気記録層を有するICカード100aを得た(図3(h)参照)。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】(a)は、本発明の磁気記録層を有するICカードの製造方法で作成されたICモジュールブロックシートの一実施例を示す模式平面図である。(b)は、本発明の磁気記録層を有するICカードの製造方法で作成されたICモジュールブロックシートを打ち抜き加工して得られた磁気記録層を有するICカードの一例を示す模式構成断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、本発明の磁気記録層を有するICカードの製造方法の製造工程の一部を示す模式構成断面図である。
【図3】(e)〜(h)は、本発明の磁気記録層を有するICカードの製造方法の製造工程の一部を示す模式構成断面図である。
【図4】(a)は、転写磁気テープの磁気記録層32をオーバーレイシート11に熱転写している状態を示す説明図である。(b)は、磁気記録層32がオーバーレイシート11に仮貼りされた状態を示す説明図である。
【図5】(a)は、仮貼りされた磁気記録層32をオーバーレイシート11に埋め込むプロセススの一例を示す説明図である。(b)は、仮貼りされた磁気記録層32がオーバーレイシート11に埋め込まれ、面一加工された状態を示す説明図である。
【図6】(a)〜(d)は、磁気記録層を有するICカードの製造方法の製造工程の一部を示す模式構成断面図である。
【図7】(e)〜(g)は、磁気記録層を有するICカードの製造方法の製造工程の一部を示す模式構成断面図である。
【符号の説明】
【0036】
11……オーバーレイ
21、121、122……接着樹脂層
30……転写磁気テープ
31……フィルム基材
32、131……磁気記録層
32a……面一加工された磁気記録層
41……隠蔽層
50、150……加工シート
51、151……デザイン絵柄
61……コアシート
70……非接触ICモジュール
71、171……ICチップ
72、172……アンテナ
80、180……モジュールコアシート
81……耐熱シリコンシート
82……定盤
91……離型フィルム
100……ICモジュールブロックシート
100a、200a……磁気記録層を有するICカード
111……耐熱性シート
200……モジュールブロックシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICモジュールを含むコアの両面に磁気記録層、隠蔽層、デザイン絵柄等が形成された磁気記録層を有するICカードの製造方法において、
少なくとも以下の工程を具備することを特徴とする磁気記録層を有するICカードの製造方法。
(a)オーバーレイ(11)の一方の面に曲面形状ヒーターブロックを用いて転写磁気テープの磁気記録層を転写し、前記オーバーレイ(11)上の所定位置に仮貼りされた磁気記録層(32)を形成する工程。
(b)前記オーバーレイ(11)上の前記仮貼りされた磁気記録層(32)を前記オーバーレイ(11)内に埋め込み、面一加工された磁気記録層(32a)を形成する工程。
(c)面一加工された磁気記録層(32a)が形成されたオーバーレイ(11)の全面に隠蔽層(41)を形成する工程。
(d)前記オーバーレイ(11)の一方の面に形成された前記隠蔽層(41)の所定位置にデザイン絵柄(51)を、前記オーバーレイ(11)の他方の面に接着樹脂層(21)を形成し、前記オーバーレイ(11)の一方の面に前記面一加工された磁気記録層(32a)、前記隠蔽層(41)及び前記デザイン絵柄(51)が、他方の面に接着樹脂層(21)がそれぞれ形成された加工シート(50)を作製する工程。
(e)ICチップ(71)及びアンテナ(72)等からなるICモジュール(70)をコアシート(61)内に形成したモジュールコアシート(80)を作製する工程。
(f)前記モジュールコアシート(80)の両側に、前記面一加工された磁気記録層(31a)、隠蔽層(41)、デザイン絵柄(51)、接着樹脂層(21)が形成された加工シート(50)を貼り合わせ、積層加工して、ICモジュールブロックが多面付けされた磁気記録層を有するICモジュールブロックシート(100)を作製する工程。
(g)前記磁気記録層を有するICモジュールブロックシート(100)をカード形状に加工し、磁気記録層を有するICカードを作製する工程。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−52541(P2008−52541A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−228939(P2006−228939)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】