説明

移動体用電子機器、その制御方法、制御プログラム及び盗難防止システム

【課題】ユーザがあらかじめ認証情報を登録しておかなくても、盗難に遭った可能性が高い場合に、認証情報を正しく入力しない限り、動作を禁止することで、盗難防止機能を働かせることが可能な移動体用電子機器、その制御方法、制御プログラム及び盗難防止システムを提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置Nが、ナビゲーション処理部42、製造段階で認証情報を記憶したメモリ、平均車速の変化等によって盗難を判断する盗難判断部45、盗難判断部45により盗難と判断された場合に、認証情報の取得を促す情報を表示する表示部10、認証情報を入力する入力部11、入力された認証情報と、メモリに記憶された認証情報とが一致するか否かを判定する認証部48、一致すると判定されないと、機器の動作を禁止する動作禁止部46を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ナビゲーション装置等の移動体に設置される電子機器において、盗難防止機能に改良を施した移動体用電子機器、その制御方法、制御プログラム及び盗難防止システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の一般化と情報処理技術の発達にともない、車載用に代表されるナビゲーション装置が急速に普及している。このナビゲーション装置は、一般的には、以下のように、経路探索及び誘導案内を行う。すなわち、地磁気センサ、車速センサ及びGPSセンサ等の出力から、ナビゲーション制御用のコンピュータによる位置検出演算によって、自車の現在位置(緯度、経度等)及び走行方向を算出する。
【0003】
また、コンピュータによるダイクストラ法等の経路探索演算によって、DVDやHDD等に格納された道路地図データに含まれる経路データに基づいて、現在位置から指定された目的地への最適な経路を探索する。さらに、コンピュータは、上記のように求められる現在位置、探索経路等に基づいて、道路地図データのうち、自車の現在位置を含む区画の地図を、表示装置の画面上に表示しながら、走行する自車を誘導案内する。
【0004】
ところで、ナビゲーション装置の普及に伴い、車両に搭載されたナビゲーション装置が、車上荒らしによって取り外されて、盗難される事件も増加している。このため、盗難防止対策を講じたナビゲーション装置が開発されている。
【0005】
例えば、ユーザがあらかじめ暗証番号を入力しておく方式を採用したナビゲーション装置がある。これは、盗難によるナビゲーション装置の取り外しのためにバックアップ電源が抜かれ、次に、盗難者が盗難したナビゲーション装置を他の車のバックアップ電源に接続した場合、ACC−ON時には、あらかじめ入力された暗証番号を再入力しないと、ナビゲーション装置自体が起動しないような方式である。
【0006】
かかる方式によれば、盗難者が車からナビゲーション装置を外して盗んだとしても、暗証番号を正しく入力しないと、使用することができないため、盗難防止としての機能が働くことになる。
【0007】
また、振動センサにより検出した振動に基づいて、ナビゲーション装置が盗難されたことを検出した場合には、正規のパスワードが入力されない限り、記憶手段に保存された個人データを削除又は暗号化することにより、データの漏洩を防止する技術が、特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2007−108917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記のような従来技術においては、暗証番号やパスワードといった認証情報を、ナビゲーション装置にあらかじめ登録しておくという行為を、ユーザが自ら行う必要がある。しかし、ユーザは、認証情報の入力が面倒であったり、車からの取り外しは面倒なので盗まれ難いだろう、といった油断があるため、あらかじめ認証情報を登録しておかない場合が多い。そのため、認証機能はあっても結果的に使用されず、盗難防止効果に繋がらないといった問題がある。
【0009】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するもので、その目的は、ユーザがあらかじめ認証情報を登録しておかなくても、盗難に遭った可能性が高い場合に、認証情報を正しく入力しない限り、動作を禁止することで、盗難防止機能を働かせることが可能な移動体用電子機器、その制御方法、制御プログラム及び盗難防止システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、移動体に搭載される移動体用電子機器において、製造段階で、あらかじめ認証情報を記憶する認証情報記憶手段と、所定の情報に基づいて、盗難の有無を判断する盗難判断手段と、前記盗難判断手段により盗難が有ったと判断された場合に、認証情報の取得を促す情報を提示する提示手段と、認証情報を入力するための入力手段と、入力手段から入力された認証情報と、前記認証情報記憶手段に記憶された認証情報とが一致するか否かを判定する認証手段と、前記認証手段により一致すると判定されない限り、機器の動作の一部若しくは全部を禁止する動作禁止手段と、を有することを特徴とする。請求項7及び8の発明は、請求項1の発明を方法及びコンピュータプログラムの観点から捉えたものである。
【0011】
以上のような請求項1、7及び8の発明では、移動体用電子機器が盗難に遭った場合に、正しい認証情報を入力しなければ、機器を使用することができなくなる。この認証情報は、製造段階で記憶されているので、ユーザがあらかじめ認証情報を入力するという手間がかからず、認証による盗難防止機能を確実に働かせることができる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の移動体用電子機器において、前記所定の情報は、移動体の平均速度であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2の移動体用電子機器において、移動体の移動速度を検出する速度検出手段と、前記速度検出手段により検出された移動速度に基づいて、所定の期間の平均速度を算出する平均速度算出手段と、前記平均速度算出手段により算出された平均速度を記憶する平均速度記憶手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
以上のような請求項2及び3の発明では、移動体、運転者、走行する経路等によって、平均速度は相違してくる。このため、盗難者が、電子機器を盗難した後に使用を開始した場合、移動体、運転者、走行経路が変わるために、平均速度も変化する。したがって、平均速度に基づくことにより、正確に盗難の有無を判断することができる。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1の移動体用電子機器において、前記所定の情報は、移動体の拠点となる位置に近づいているか否かに関する情報であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4の移動体用電子機器において、移動体の現在位置を検出する現在位置検出手段と、移動体の拠点となる位置を記憶する拠点記憶手段と、移動体の現在位置が拠点に接近したか否かを判定する接近判定手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
以上のような請求項4及び5の発明では、運転者等によって、自宅等、車が頻繁に立ち寄る拠点は異なる。このため、盗難者が、車載用電子機器を盗難した後に使用を開始した場合、正規のユーザが拠点としていた地点に立ち寄る可能性は低い。したがって、車が特定の拠点に近づいているか否かに基づいて、正確に盗難の有無を判断することができる。
【0016】
請求項6の移動体用電子機器の盗難防止システムは、請求項1〜5のいずれか1項に記載の移動体用電子機器毎の識別情報を、認証情報とともに記憶する識別情報記憶手段と、移動体用電子機器が盗難に遭った旨の盗難情報を、識別情報に関連付けて記憶する盗難情報記憶手段と、外部から受信若しくは入力された識別情報と、前記識別情報記憶手段に記憶された識別情報とを照合する照合手段と、前記照合手段によって、識別情報が一致すると判定された場合に、盗難情報に基づいて、盗難者からの識別情報かどうかを判定する盗難判定手段と、前記盗難判定手段により、盗難者の識別情報でないと判定した場合に、当該移動体用電子機器の認証情報を出力する情報出力手段と、を有することを特徴とする。
【0017】
以上のような請求項6の発明では、ある人間が、移動体用電子機器に表示された識別情報を連絡若しくは送信することにより、認証情報を要求してきた場合に、当該識別情報と盗難情報とに基づいて、盗難者からの連絡か否かを判定し、正規のユーザからの連絡の場合には認証情報を通知し、盗難者からの連絡の場合には警察に連絡する等、盗難に対処することができる。特に、認証情報の取得を促す表示は、盗難者からの連絡を誘ういわば罠のように機能して、盗難者から何等かの情報が得られる可能性を高めることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のような本発明によれば、ユーザがあらかじめ認証情報を登録しておかなくても、盗難に遭った可能性が高い場合に、認証情報を正しく入力しない限り、動作を禁止することで、盗難防止機能を働かせることが可能な移動体用電子機器、その制御方法、制御プログラム及び盗難防止システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための最良の形態(以下「実施形態」と呼ぶ)について、図面を参照して具体的に説明する。なお、本実施形態は、周辺装置を備えたコンピュータをプログラムで制御することで実現できる。この場合のハードウェアやプログラムの実現態様は各種変更可能である。従って、以下の説明では、本発明及び本実施形態の各機能を実現する仮想的回路ブロックを用いる。また、本発明は、移動体用電子機器及びその制御方法に加え、制御プログラム、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記憶媒体、移動体用電子機器の盗難防止システムとしても把握できる。
【0020】
〔1.実施形態の概略〕
本実施形態の概略を、図1及び図2を参照して説明する。まず、本実施形態は、図1に示すように、ユーザ側の車に設置された車載用電子機器であるナビゲーション装置Nと、管理者(ナビゲーション装置Nの販売者若しくはナビゲーションシステムの提供者等)側に設置されたサーバSによって構成されている。
【0021】
ナビゲーション装置Nには、製造段階で、各装置を識別する識別情報である固有IDと、認証情報である暗証番号が登録されている。管理者側では、ナビゲーション装置Nの販売時に、購入したユーザの情報と、販売したナビゲーション装置Nの固有ID及び暗証番号とを、サーバSに登録して管理する(図2(1))。
【0022】
ユーザは、ナビゲーション装置Nが盗難に遭った場合に(図2(2))、管理者に連絡するする(図2(3))。管理者は、どのナビゲーション装置Nの固有IDが盗難に遭ったかを、サーバSにおいて、盗難リストに追加しておく(図2(4))。
【0023】
ナビゲーション装置Nは、後述する独自の手法により、本装置が盗難に遭っている可能性が高いかどうかを判定する(図2(5))。そして、盗難に遭っていると判定した場合に、ナビゲーションの動作を停止する。
【0024】
このとき、表示部10に、認証情報である暗証番号を入力するための画面が表示される。この画面では、管理者への連絡先(例えば、フリーダイヤルの番号等)、固有IDとともに、ナビゲーションの動作を続けたい場合には、識別情報である固有IDを管理者に通知して暗証番号を取得し、取得した暗証番号を入力する必要がある旨が表示される。盗難者は、この表示にしたがって、管理者にフリーダイヤルで連絡し、固有IDを通知する(図2(6))。
【0025】
管理者側では、通知された固有IDと盗難リストとを照合して(図2(7))、ナビゲーション装置Nが盗難に遭ったものであると判断する。管理者は、盗難に遭ったナビゲーション装置Nから通知があったことを、警察に連絡することができる。なお、暗証番号については、登録時に正規のユーザが知っていてもよいが、セキュリティを高めるためには、これを知らなくてもよい。
【0026】
〔2.構成〕
〔2−1.ナビゲーション装置Nの構成〕
〔2−1−1.全体構成〕
ナビゲーション装置Nは、図1の機能ブロック図に示す下記の各要素を備えている。すなわち、絶対位置・方位検出部1は、例えば、GPS衛星から送られてくるGPS電波をアンテナやレシーバなどで受信するための部分である。受信したGPSの情報は、自車の現在位置すなわち自車位置について、地表での絶対的な位置座標や方位を計算するために用いられる。相対方位検出部2は、ジャイロなどを使って自車の相対的な方位を検出するための部分である。車速検出部3は、自動車より得られる車速パルスを処理することで自車の速度を計算する部分である。
【0027】
また、メインCPU及びその周辺回路4は、本装置全体を制御する制御回路である。メモリ群Mは、本装置の動作に必要な各種のメモリであり、例えば、プログラム格納用のROM5は本装置の起動時にメインCPUによりアクセスされる。ワークエリアなどを提供するダイナミックRAM(DRAM)6には、メインプログラムがロードされる。
【0028】
SRAM(スタティックRAM)7は、現在位置、自宅、目的地、経路等の各種設定を記憶する記憶手段である。特に、本装置のSRAM7には、製造段階で、本装置の識別情報である固有IDと、これに対応づけられた認証情報である暗証番号が記憶されている(認証情報記憶手段)。認証情報に関しては、本実施形態では、製品の製造段階で記憶され、上記のように、ユーザによっても参照、書換等ができないようにすることにより、セキュリティを高めることができる。したがって、認証情報をROM5に記憶しておいてもよい。なお、製造段階とは、販売した製品がユーザに渡る前の広い意味であり、必ずしも工場における一工程とは限らない。例えば、販売店において若しくは配送後の設置時に、販売員や作業者が認証情報を入力して登録するような場合も含まれる。
【0029】
また、SRAM7には、盗難の有無を判断するための種々の情報が記憶されている。例えば、後述する平均車速の算出基準、自宅に近づいたと判定するためのしきい値となる自宅からの距離、自宅に近づいていない期間や走行距離等が、SRAM7に記憶されている。また、SRAM7には、平均車速の算出結果、自宅に近づいていないかどうかの判定結果も記憶される。
【0030】
さらに、SRAM7には、メニュー画面等の各種操作用、情報表示用のインタフェースも記憶されている。かかるインタフェースには、本実施形態では、後述する暗証番号の入力画面が含まれている。
【0031】
なお、SRAM7は、メイン電源がオフになっている間もバッテリーバックアップされ、オンになったときにメモリ内容を提供するが、フラッシュメモリ等のROMやハードディスクなど、他の記憶手段によっても置換可能である。従って、本装置において説明されている各種の情報の一部若しくは全部を、どの記憶媒体に格納して記憶手段として機能させるかは自由である。さらに、各記憶内容については、デフォルトで設定しておくこともできるし、ユーザが入力部11から所望の情報を入力して、記憶させることもできる。
【0032】
また、表示用のVRAM(ビデオRAM)8は、表示部10に表示すべき画像のビットマップデータを格納する。表示部10は、地図、走行経路、操作メニュー、検索リスト及び地点情報など各種の情報を、図示しない表示画面に表示する部分である。特に、本実施形態では、盗難と判断されたときに、後述する暗証番号の入力画面が表示部10に表示される。表示部10による表示案内と、音声出力手段による合成音声による案内とを、併用させることもできる。
【0033】
入力部11は、ユーザがスイッチなどから、目的地、命令や設定などの各種情報を入力するための部分であり、タッチセンサ機能、リモコンユニット、赤外線送受信ユニットなどを備える。入力部11を、タッチパネルとして表示部10と一体に構成したり、フロントパネルのスイッチとして構成することも可能である。入力部11としてマイクを備えることにより、音声入力を可能としてもよい。ユーザインタフェース部9は、I/O制御回路やデバイスドライバなどを使って、表示部10及び入力部11と、メインCPU及びその周辺回路4とを結ぶインタフェースである。
【0034】
また、HDD制御部12は、ハードディスクに記録されたナビゲーションプログラムなど各種データをデータベースから読み出す手段であり、データベースには、各種縮尺の地図データ、道路(経路)又は道路の区間のネットワーク構造を表した経路データ等を含む道路地図データが格納される。
【0035】
なお、道路地図データ等の記憶手段としては、ハードディスク以外の大容量記憶装置を用いることもできる。例えば、CD−ROM制御部、DVD−ROM制御部等が、CD−ROM、DVD−ROMから読み出したデータを利用する構成としてもよい。
【0036】
さらに、ナビゲーション装置Nは、通信部13を備えている。この通信部13は、携帯電話、PHS、PDA等の情報を送受信可能な端末である。通信部13は、通信ネットワークを介して、後述するサーバSの通信制御部21との通信を行う手段である。この通信ネットワークは、多数者が接続可能なネットワークを広く意味するものであり、どのようなLAN又はWANを経由するかは問わない。
【0037】
なお、ナビゲーション装置Nは、一般のナビゲーション装置と同様に、交通情報等を得るためのFM多重受信及び処理部、光/ビーコン受信及び処理部等を備えているが、説明を省略する。
【0038】
〔2−1−2.メインCPU及びその周辺回路の役割〕
メインCPU及びその周辺回路4は、上記のようなプログラムの作用によって、図1に示すように、下記の各部分としての役割を実現するように構成されている。すなわち、現在位置検出部40は、自車位置を逐次計算するための手段である。具体的には、現在位置検出部40は、GPS航法測位と自律航法測位とを組み合わせ、マップマッチングによる補正を行うことで自車位置を計算する。
【0039】
ここで、GPS航法測位は、人工衛星からの電波に基づいて絶対位置・方位検出部1で得られる情報を使って現在位置を計算するものである。また、自律航法測位は、地磁気及び自車の速度に基づいて相対方位検出部2及び車速検出部3から得られる情報を使って、現在位置を計算するものである。マップマッチングは、走行方向、走行軌跡等に基づいて、付近の道路を探し出して角度及び距離を補正し、正しい現在地を推測するものである。
【0040】
また、目的地指定部41は、道路地図データを記録したデータベースからの施設検索や地図上でのカーソル指定などにより、目的地の指定すなわち入力を受け付ける手段である。ナビゲーション処理部42は、通常のナビゲーション処理を行う手段であり、図示は省略するが、経路探索部、地図表示部、案内制御部等を有している。
【0041】
経路探索部は、現在位置検出部40により検出される現在位置から、目的地指定部41により指定された目的地に到達するまでの経路を探索する。地図表示部は、経路探索部、自車位置、探索経路及び道路地図データに基づいて、自車位置周辺の地図、地図上における自車位置、経路等を、表示部10に表示させる。案内制御部は、経路のうち表示する部分や点滅強調などの要素を決めたり、合成音声の併用などにより誘導案内を制御する。
【0042】
上記の現在位置検出部40、目的地指定部41及びナビゲーション処理部42は、HDD制御部12から読み出される道路地図データに基いて、指定された目的地までの経路を探索及び誘導案内するというナビゲーションの基本構造を構成している。
【0043】
なお、本実施形態においても、ナビゲーション装置Nの利便性を向上させる各種の機能を備えることができる。本実施形態に関連した機能としては、例えば、通常、ナビゲーション装置には、自宅登録の機能があり、自宅を登録することで「自宅に戻る」等の機能で、ワンタッチで自宅まで経路誘導を開始する機能がある。
【0044】
平均車速算出部43は、車速検出部3により検出される車速と、SRAM7に記憶された算出基準に基づいて、自車の平均車速を算出する手段である。この算出基準としては、例えば、道路地図データから得られる走行道路の道路種別毎に、月単位での平均車速を求め、最新の1年分をSRAM7に保存しておくことが考えられる。接近判定部44は、現在位置検出部40により検出される現在位置が、SRAM7に設定された自宅からの所定の距離に入った(自宅に近づいた)ことを判定する手段である。
【0045】
盗難判断部45は、SRAM7に記憶された所定の条件や演算結果に基づいて、ナビゲーション装置Nが盗難に遭ったか否かを判定する手段である。本実施形態においては、以下の二つの手法による判定を行うことができる。
【0046】
(1) 走行速度が大きく変化している場合
上記のように、道路種別毎の平均車速の算出結果を、SRAM7等の記憶手段に保存しておき、例えば、高速道路においては、図2に示すように、6ヶ月単位で比較する。比較の結果、平均速度が明らかに異なっている場合に(図2の条件1〜3を全て満たした場合など)、盗難に遭ったと判定する。
【0047】
(2) 自宅付近を走行しない期間及び距離がある一定値以上の場合
上記のように、自宅付近(例えば、自宅を中心とする半径1km以内)に入ったかどうかを、SRAM7等の記憶手段に保存しておき、その自宅付近を6ヶ月以上走行していない場合には、盗難に遭ったと判定する。また、走行距離が5000km以上となっても、自宅付近に戻ってきていないなどの場合にも、盗難に遭ったと判定する。
【0048】
動作禁止部46は、盗難判断部45が、盗難に遭ったと判断した場合に、ナビゲーション処理部42の機能の全部若しくは一部を禁止する手段である。情報出力部47は、盗難判断部45が、盗難に遭ったと判断した場合に、認証情報の取得を促す情報を出力し、表示部10に表示させる手段である。この情報は、例えば、図3に示すように、取得のための問合せ先を示す連絡先(フリーダイヤル)、固有ID、暗証番号の入力インタフェース等とすることが考えられる。
【0049】
認証部48は、入力部11から暗証番号が入力された場合に、あらかじめSRAM7に記憶された暗証番号と一致するか否かを判定する手段である。認証部48により、暗証番号が一致すると判定された場合には、動作禁止部46は、ナビゲーション処理部42の機能の禁止を解除して、動作可能とする。認証部48により、暗証番号が一致しないと判定された場合には、ナビゲーション処理部42の機能の禁止を継続する。
【0050】
〔2−2.サーバSの構成〕
サーバSは、管理者側で管理されるサーバである。この管理サーバSは、通信制御部21、登録部22、照合部23、盗難判定部24、情報出力部25等によって構成されている。
【0051】
登録部22は、各ナビゲーション装置Nの固有IDと暗証番号とを関連付けて記憶しておく手段である(識別情報記憶手段)。また、登録部22には、盗難に遭ったナビゲーション装置Nに関する情報(盗難リスト)が、その固有IDによって登録されている(盗難情報記憶手段)。これらの情報の入力は、図示しない入力手段をオペレータが操作することにより行われる。
【0052】
照合部23は、通信制御部21が受信した固有IDと、登録部22に登録された固有IDとを照合する手段である。盗難判定部24は、照合部23の照合結果が一致する場合(登録されたナビゲーション装置Nである場合)に、盗難リストに基づいて、当該固有IDに対応するナビゲーション装置Nが盗難に遭ったか否かを判定する手段である。
【0053】
情報出力部25は、盗難判定部24の判定結果に応じて、通信制御部21によって送信する情報若しくは図示しない表示手段に表示させる情報を出力する手段である。例えば、盗難リストを参照して、盗難に遭ったナビゲーション装置Nの固有IDによる要求ではない場合、情報出力部25は、対応する暗証番号を出力する。また、盗難に遭ったナビゲーション装置Nの固有IDによる要求の場合、情報出力部25は、暗証番号を出力せずに、盗難者からの暗証番号の要求が遭った旨を出力する。
【0054】
〔3.作用〕
以上のような本実施形態による作用を説明する。なお、ナビゲーション処理部42が、現在位置検出部40により検出される現在位置から目的地指定部41により指定された目的地への経路が探索され、誘導案内を行う処理は、通常のナビゲーション装置と同様である。
【0055】
〔3−1.全体処理〕
本実施形態による全体処理の流れを、図5のフローチャートに沿って説明する。なお、図5は、説明の便宜のために、コンピュータによる処理以外の手順も含まれている。
【0056】
ユーザが商品を購入すると(ステップ501)、管理者側ではユーザ登録を行う(ステップ502)。つまり、管理者側では、サーバSに、ユーザに関する情報とともに、販売したナビゲーション装置Nの固有ID及び暗証番号を入力し、これが登録部22に記憶される。なお、これらの情報の入力は、サーバSを管理するオペレータが入力手段から入力してもよいし、通信制御部21が受信したものが入力されるようにしてもよい。
【0057】
次に、ナビゲーション装置Nが盗難に遭った場合(ステップ503)、ユーザが管理者側に連絡する(ステップ504)。そして、管理者側が、サーバSにおける登録部22の盗難リストに、固有IDを追加する(ステップ505)。この盗難リストへの追加は、ユーザからの連絡を受けたオペレータが入力手段から入力してもよいし、ユーザが所有する通信手段から送信された情報を、通信制御部21が受信することにより自動的に入力してもよい。例えば、盗難情報を受け付けるWebサイトの入力フォームに入力することにより送信された情報を、サーバSが受信して入力することが考えられる。
【0058】
次に、盗難者がナビゲーション装置Nを使用した場合、盗難判断部45が、後述する手順によって、盗難に遭ったかどうかを判定する(ステップ506)。盗難に遭ったと判定された場合には、動作禁止部46が、ナビゲーションの機能を停止して、情報出力部47が、暗証番号の入力を促す画面を出力する(ステップ507)。これにより、表示部10には、例えば、図3に示すような画面が出力される。
【0059】
この画面を見た盗難者は、問合せ先として示されたフリーダイヤルに電話をすることにより、管理者に固有IDを伝える(ステップ508)。盗難者が所定の操作を行うことにより、通信部13から、自動的に固有IDが、取得要求とともにサーバSに送信されるように設定してもよい。
【0060】
サーバSでは、連絡された固有IDがオペレータにより入力されるか、受信した固有IDが入力されると、照合部23が、入力された固有IDと盗難リストを照合して(ステップ509)、盗難されたナビゲーション装置Nの固有IDと一致するかどうかを判定する(ステップ510)。一致すると判定された場合には、盗難判定部24は、盗難者からの連絡があったと判断する(ステップ511)。盗難者からの連絡があったことを知った管理者は、その旨を警察に通報する等の対応を行う(ステップ512)。なお、この通報は、通信制御部21を介して、自動的に警察側のシステムに送信されるようにしてもよい。
【0061】
さらに、盗難者からの連絡がない場合(ステップ508)、連絡された固有IDが盗難リストにない場合には、盗難かどうか不明である。このため、ナビゲーション動作は停止したままとなる。
【0062】
〔3−2.ナビゲーションの停止と再開〕
次に、ステップ506で、盗難と判断された場合におけるナビゲーション動作の停止と再開処理の詳細を、図6のフローチャートに沿って説明する。すなわち、盗難者は、盗難後、ナビゲーション装置Nの盗難フラグが1でない間は(ステップ601)、通常のナビゲーション機能を利用できる(ステップ602)。
【0063】
そして、盗難判断部45は、盗難と判断した場合には(ステップ603)、盗難フラグを1とする(ステップ604)。そして、動作禁止部46が、ナビゲーション動作を停止させる(ステップ605)。さらに、情報出力部47が、上記の暗証番号を入力するための画面を出力するので、これが表示部10に表示される(ステップ606)。表示された画面を見た盗難者が、上記のように管理者に暗証番号を問い合わせても、正しい暗証番号が得られないので、ナビゲーション動作は停止したままである。
【0064】
もし、ナビゲーション装置Nが正規ユーザの手元に戻り、当該固有IDが管理者側のサーバSにおける盗難リストから外されると、ユーザが固有IDを通知して管理者に問い合わせれば、暗証番号を取得できる。この暗証番号は、盗難判定部24による盗難でないという判断結果に基づいて、情報出力部25から出力され、通信制御部21を介してナビゲーション装置Nに送信されるように設定されていてもよい。
【0065】
認証部48は、入力された暗証番号と記憶された暗証番号とが一致するかどうかを照合する(ステップ607)。一致する場合には、動作禁止部46が盗難フラグを0として禁止を解除し(ステップ608)、ナビゲーションの動作を再開させる(ステップ609)。
【0066】
〔3−3.盗難判断処理〕
さらに、盗難判断部45による盗難判断処理の詳細を、図7及び図8のフローチャートに沿って説明する。なお、盗難判断部45には、道路地図データに基づいて、道路種別を判定する道路判定手段、平均車速等の演算結果を所定の条件で比較する比較手段、内蔵のタイマに基づいて、一定の時間(期間)を判定する期間判定手段、自車の走行距離を判定する走行距離判定手段等を有しているものとする。
【0067】
〔3−3−1.平均車速による判定〕
まず、平均車速による判定を、図3及び図7を参照して説明する。すなわち、ナビゲーション装置Nを設置した車両の走行を開始すると(ステップ701)、道路判定手段によって判定される道路種別毎に、車速検出部3により検出される車速が、SRAM7等の記憶手段に記録される(ステップ702)。そして、期間判定手段が1ヶ月の経過を判定する毎に(ステップ703)、平均車速算出部43により、各道路種別における1ヶ月の平均車速が算出され(ステップ704)、記憶手段に記録される。
【0068】
さらに、期間判定手段が6ヶ月の経過を判定すると(ステップ706)、平均車速算出部43により、各道路における6ヶ月間の全体の平均値が算出される(ステップ707)。そして、図3の条件2、すなわち、比較手段により、1ヶ月毎の平均値が、6ヶ月の全体の平均値の±10%以内に収まっているかどうかが比較され、その結果が記憶手段に記憶される(ステップ707)。収まっている場合には、図3の条件1、すなわち、記憶手段を参照して、前回の各道路種別における6ヶ月間における1ヶ月の平均値が、6ヶ月全体の平均値の±10%以内に収まっていたかどうかが判定される(ステップ708)。
【0069】
さらに、比較手段により、前回と今回の各道路種別における6ヶ月の平均値が比較されて(ステップ701)、図3の条件3、すなわち、その差が30km/h以上あるかどうかが判定される(ステップ711)。比較手段が、30km/h以上あると判定した場合には、盗難とされる(ステップ712)。
【0070】
以上のように、道路走行中のそれぞれの道路種別によって、平均速度の情報を月単位で最新の一年分を保存しておき、例えば、高速道路を走行した場合に、平均速度が6ヶ月単位で比較すると明らかに異なっていれば(条件1〜3を全て満たした場合)、おそらく盗難に遭った可能性があると考えて、ナビゲーションを停止し、図4の画面に遷移する。
【0071】
〔3−3−2.自宅に近づかないことによる判定〕
次に、一定期間及び走行距離の間、自宅に近づかないことによる判定を、図8を参照して説明する。すなわち、ナビゲーション装置Nを設置した車両の走行を開始すると(ステップ801)、現在位置検出部40により検出される現在位置が、自宅付近、つまり自宅から所定の距離(例えば、半径1km)以内に入ったか否かが、接近判定部44により判定される(ステップ802)。
【0072】
接近判定部44により自宅付近に入っていないと判定されてから、6ヶ月が経過したことが期間判定手段により判定された場合(ステップ805)、若しくは5000km以上走行したと走行距離判定手段により判定された場合(ステップ806)、盗難とされる(ステップ807)。
【0073】
以上のように、正規のユーザが登録した自宅付近を、6ヶ月以上走行していない、あるいは走行距離が5000km以上超えても自宅付近に戻ってきていないなどの場合は、盗難に遭った可能性が高いとして、ナビゲーションを停止し、図4の画面に遷移する。
【0074】
〔4.効果〕
以上のような本実施形態によれば、ナビゲーション装置Nが盗難に遭った場合に、暗証番号を入力しなければ、ナビゲーションの機能を使用することができなくなる。暗証番号は、製造段階で記憶されているので、ユーザがあらかじめ暗証番号を入力するという手間がかからず、盗難防止機能を確実に働かせることができる。
【0075】
また、盗難者が、ナビゲーション装置Nを盗難した後に使用を開始した場合、運転者、車、走行経路が変わるために、平均車速も変化する。したがって、平均車速に基づく判断を行うことにより、正確に盗難の有無を判断できる。
【0076】
また、盗難者が、ナビゲーション装置Nを盗難した後に使用を開始した場合、正規のユーザが登録していた自宅に立ち寄る可能性は低い。したがって、車が登録された自宅に近づいているか否かに基づいて、正確に盗難の有無を判断することができる。
【0077】
また、盗難者が、表示部10に表示された固有IDを連絡若しくは送信することにより、暗証番号を要求してきた場合に、当該固有IDと盗難リストとに基づいて、盗難者からの連絡であることを判定し、警察に連絡する等、犯人の発見に寄与することができる。特に、管理者に連絡すれば暗証番号を取得できる旨の表示は、盗難者からの連絡を誘ういわば罠のように機能して、盗難者からの何等かの情報が得られる可能性を高めることができる。
【0078】
〔5.他の実施形態〕
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。まず、認証情報は、認証を受けるための情報であればよく、いわゆる暗証番号と呼ばれるものには限定されない。識別情報も、各装置を識別するための情報であればよく、いわゆる固有IDと呼ばれるものには限定されない。また、認証情報の取得を促す情報は、上記で例示したものには限定されない。連絡先を示さずに、単に認証情報を入力する画面を表示させても、連絡を促す効果はある。かかる情報を、スピーカ等の出力手段から音声により提示してもよい。
【0079】
平均車速の変化による盗難判断は、平均車速の変化を判断できる手法であればよく、上記で例示した条件には限定されない。また、必ずしも道路種別毎でなくてもよい。拠点に近づいたかどうかによる盗難判断は、必ずしも自宅である必要はなく、前回のユーザが頻繁に立ち寄っていた地点等、盗難前後で近づく機会が大きく変化する地点であれば、どのような地点でもよい。一定期間近づかないこと、一定走行距離近づかないこと、のいずれか一方を満たした場合に盗難と判断するか、双方を満たした場合に判断するかも自由である。
【0080】
さらに、平均車速の変化による判断と拠点に近づいたかどうかの判断の両方により盗難を判定してもよいし、いずれか一方のみにより盗難を判定してもよい。ユーザが、いずれか一方を選択できるようにしてもよい。なお、このような手法により盗難を判断する装置、方法及びプログラムも、発明として成立する。つまり、請求項1の盗難判断手段以外は必須の構成要件とせず、その盗難判定手段が、それぞれ請求項2〜5の特徴を持つ発明(盗難判定装置、盗難判定方法、盗難判定プログラム)として構成することもできる。
【0081】
また、盗難と判断するための手法は、上記の手法には限定されない。盗難と判断された場合に、禁止する機能は、移動体用電子機器の機能の全部でもその一部でもよい。上記の実施形態では、ナビゲーションの機能を禁止したが、目的地指定や経路探索等、機能の一部を禁止してもよい。さらに、機能を禁止するのではなく、データの暗号化、消去等をおこなってもよい。
【0082】
また、認証情報の入力画面から、認証情報を要求するために、識別情報を送信した際に、現在位置、登録された地点、頻繁に走行する地点等、ナビゲーション装置Nの位置に関する情報を、情報出力部が出力し、通信部が送信するように設定しておけば、盗難者の所在がある程度判別でき、犯人の発見に役立つ。
【0083】
また、速度や距離の判定について、しきい値を含む(以上、以下)か、含まない(超える、未満)とするかは自由である。したがって、上記の「以下」、「以上」は、便宜的な表現に過ぎず、しきい値を含む判定も含まない判定も包含するものである。そして、上記の実施形態で例示した具体的な数値は、自由に設定可能であり、例示した値には限定されない。各種設定は、設定をデフォルトとしてもよいが、ユーザが入力手段を用いて、所望の設定に入力・変更できるようにしてもよい。
【0084】
さらに、本発明は、車内にナビゲーション用のデータを置くいわゆるオンボード型ではなく、無線通信ネットワークを介して、最新のデータの提供を受けることができるいわゆるオフボード型のナビゲーションシステムにも適用可能である。この場合、通信ネットワークを介して接続される車外のサーバ等が、上記の処理の全部若しくは一部を行うことができ、処理結果を車内のコンピュータが取得することにより、車内における処理負担を軽減させることができる。なお、本発明は、車載用には限定されず、他の移動手段や携帯用のナビゲーション装置にも適用可能である。さらに、ナビゲーション装置以外の電子機器にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施形態のナビゲーション装置とサーバの構成を示す機能ブロック図。
【図2】図1の実施形態による盗難防止処理の流れを示す説明図。
【図3】図1の実施形態における盗難判断の条件の一例を示す説明図。
【図4】図1の実施形態における表示画面例を示す説明図。
【図5】図1の実施形態における全体の処理手順を示すフローチャート。
【図6】図1の実施形態におけるナビゲーションの停止と再開の手順を示すフローチャート。
【図7】図1の実施形態における平均車速による盗難判定処理の手順を示すフローチャート。
【図8】図1の実施形態における自宅にちかづいていないことによる盗難判定処理の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0086】
1…絶対位置・方位検出部
2…相対方位検出部
3…車速検出部
4…メインCPU及びその周辺回路
5…ROM
6…DRAM
7…SRAM
8…VRAM
9…ユーザインタフェース部
10…表示部
11…入力部
12…HDD制御部
13…通信部
21…通信制御部
22…登録部
23…照合部
24…盗難判定部
25…情報出力部
40…現在位置検出部
41…目的地指定部
42…ナビゲーション処理部
43…平均車速算出部
44…接近判定部
45…盗難判断部
46…動作禁止部
47…情報出力部
48…認証部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載される移動体用電子機器において、
製造段階で、あらかじめ認証情報を記憶する認証情報記憶手段と、
所定の情報に基づいて、盗難の有無を判断する盗難判断手段と、
前記盗難判断手段により盗難が有ったと判断された場合に、認証情報の取得を促す情報を提示する提示手段と、
認証情報を入力するための入力手段と、
入力手段から入力された認証情報と、前記認証情報記憶手段に記憶された認証情報とが一致するか否かを判定する認証手段と、
前記認証手段により一致すると判定されない限り、機器の動作の一部若しくは全部を禁止する動作禁止手段と、
を有することを特徴とする移動体用電子機器。
【請求項2】
前記所定の情報は、移動体の平均速度であることを特徴とする請求項1記載の移動体用電子機器。
【請求項3】
移動体の移動速度を検出する速度検出手段と、
前記速度検出手段により検出された移動速度に基づいて、所定の期間の平均速度を算出する平均速度算出手段と、
前記平均速度算出手段により算出された平均速度を記憶する平均速度記憶手段と、
を有することを特徴とする請求項2記載の移動体用電子機器。
【請求項4】
前記所定の情報は、移動体の拠点となる位置に近づいているか否かに関する情報であることを特徴とする請求項1記載の移動体用電子機器。
【請求項5】
移動体の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
移動体の拠点となる位置を記憶する拠点記憶手段と、
移動体の現在位置が拠点に接近したか否かを判定する接近判定手段と、
を有することを特徴とする請求項4記載の移動体用電子機器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の移動体用電子機器毎の識別情報を、認証情報とともに記憶する識別情報記憶手段と、
移動体用電子機器が盗難に遭った旨の盗難情報を、識別情報に関連付けて記憶する盗難情報記憶手段と、
外部から受信若しくは入力された識別情報と、前記識別情報記憶手段に記憶された識別情報とを照合する照合手段と、
前記照合手段によって、識別情報が一致すると判定された場合に、盗難情報に基づいて、盗難者からの識別情報かどうかを判定する盗難判定手段と、
前記盗難判定手段により、盗難者の識別情報でないと判定した場合に、当該移動体用電子機器の認証情報を出力する情報出力手段と、
を有することを特徴とする移動体用電子機器の盗難防止システム。
【請求項7】
移動体に搭載される移動体用電子機器の制御方法において、
前記コンピュータ又は電子回路が、認証情報記憶手段、盗難判断手段、表示手段、入力手段、認証手段、動作禁止手段を有し、
前記認証情報記憶手段が、製造段階で、あらかじめ認証情報を記憶し、
前記盗難判断手段が、所定の情報に基づいて、盗難の有無を判断し、
盗難が有ったと判断された場合に、前記表示手段が認証情報の取得を促す情報を表示し、
前記入力手段が、認証情報を入力し、
前記認証手段が、入力された認証情報と、前記認証情報記憶手段に記憶された認証情報とが一致するか否かを判定し、
前記動作禁止手段が、前記認証手段により一致すると判定されない限り、機器の動作の一部若しくは全部を禁止することを特徴とする移動体用電子機器の制御方法。
【請求項8】
移動体に搭載される移動体用電子機器の制御プログラムにおいて、
前記コンピュータに、
製造段階で、あらかじめ認証情報を記憶させ、
所定の情報に基づいて、盗難の有無を判断させ、
盗難が有ったと判断された場合に、前記識別情報を表示させ、
認証情報を入力させ、
入力された認証情報と、前記認証情報記憶手段に記憶された認証情報とが一致するか否かを判定させ、
一致すると判定されない限り、機器の動作の一部若しくは全部を禁止させることを特徴とする移動体用電子機器の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−54091(P2009−54091A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−222516(P2007−222516)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】