説明

移動体通信端末、移動体通信システム、端末故障判定方法、端末故障判定プログラムおよびプログラム記録媒体

【課題】移動体通信端末の故障の有無をより確実に判定する移動体通信システムを提供する。
【解決手段】移動体通信網を介して通信を行う移動体通信端末100は、内部動作情報収集手段103により収集した内部動作の状態を示す内部動作情報を、位置情報収集部101にて収集した移動体通信端末100の現在位置情報を送信するタイミングに併せてサービス提供サーバ20に送信し、サービス提供サーバ20は、各移動体通信端末100からの内部動作情報と現在位置情報とに基づき内部動作情報の送信元の移動体通信端末100の故障の有無を故障判定手段24により判定する。故障判定手段24は移動体通信端末100の故障の可能性があると判定した場合、同一の領域に存在する他の移動体通信端末の内部動作情報を解析し、該他の移動体通信端末に故障の可能性がない場合、移動体通信端末100の故障と判定し、故障の可能性がある場合、電波環境の悪化と判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信端末、移動体通信システム、端末故障判定方法、端末故障判定プログラムおよびプログラム記録媒体に関し、特に、位置情報を取得し利用する移動体通信端末の故障の有無をより確実に判定する移動体通信端末、移動体通信システム、端末故障判定方法、端末故障判定プログラムおよびプログラム記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機を始めとする移動体通信端末においては、高機能化に伴う開発量の増加に伴い、品質を重要視する状況にある。このため、特許文献1の特開2007−42082号公報「診断システム」に記載のように、移動体通信端末の故障や不具合を診断し、自己復旧させるための診断システムを当該移動体通信端末本体に搭載するような技術も提案されている。
【0003】
一方、近年の移動体通信端末においては、現在位置情報を取得し、地図情報とともに、ユーザに提供するサービスが本格的に運用されるようになってきている。現在位置情報を取得する手段としては、GPS(Global Positioning System)技術が良く知られている。
【0004】
また、位置測位サーバを設けて、該位置測位サーバ側で位置情報の精度向上を行うAGPS(Assisted GPS)と呼ばれる技術や、移動体通信端末に内蔵し、移動方向の情報を得るためのセンサを利用してGPS情報の補完を行う技術も知られるようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−42082号公報(第7−8頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、現状の移動体通信端末においては、ユーザが移動体通信端末の使用中に、発信することができない場合や、所望の通信相手に接続することができない等の故障を経験し、移動体通信端末の保守部門に連絡しても、当該保守部門においては、当該故障の現象が再現せず、問題なしと判定されることが少なくない。
【0007】
この原因は、移動体通信端末が使用する電波環境が場所によって異なるためである。例えば、移動体通信端末が存在する場所の電波環境が悪く、基地局との間の接続ができなかった場合には、発信することができないとか、接続することができない等の故障現象が生じる。一方、保守部門における再現試験時には、一般に、電波環境には問題ないため、かかる故障の現象が再度発生しない状態になっている。
【0008】
つまり、保守部門において、移動体通信端末の故障切り分けとして、移動体通信端末本体が悪いのか、電波環境が悪いのかの判定を行うことは難しい。また、特定の電波環境でしか発生しない不具合が移動体通信端末に潜在している場合であっても、同様に、保守部門では再現しないことが多い。
【0009】
さらには、調査費用の観点からも、特定の電波環境でしか発生しない不具合を再現させられない場合には、調査用の工数がかかるため、電波環境上の問題か否かを迅速に振り分けたいというニーズがある。
【0010】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、移動体通信端末内の故障に関連するような内部動作情報(故障関連情報)を現在位置情報とともにサービス提供サーバに送信し、移動体通信端末本体の故障の有無をより確実に判定することを可能とする移動体通信端末、移動体通信システム、端末故障判定方法、端末故障判定プログラムおよびプログラム記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の課題を解決するため、本発明による移動体通信端末は、次のような特徴的な構成を採用している。
【0012】
(1)現在位置を取得する位置情報取得手段を備え、無線信号により移動体通信網を介して通信を行う移動体通信端末において、内部動作の状態を示す内部動作情報を収集する内部動作情報収集手段と、収集した前記内部動作情報を保存する内部動作情報保存手段と、保存した前記内部動作情報を送信時点としてあらかじめ定めた時刻に、前記移動体通信網に接続されているサービス提供サーバに送信する送信手段とを、少なくとも備えている移動体通信端末。
【発明の効果】
【0013】
本発明の移動体通信端末、移動体通信システム、端末故障判定方法、端末故障判定プログラムおよびプログラム記録媒体によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0014】
第1の効果は、位置情報取得機能を有する移動体通信端末において、移動体通信端末を所持するユーザは何ら操作することなく、故障の切り分けに必要な情報を、移動体通信端末への各種サービス(故障の切り分けサービスも含む)を提供するサービス提供サーバ側に自動的に送信することができる。サービス提供サーバ側においても、移動体通信端末の故障の有無の切り分けが容易になり、切り分けに要する工数を削減することができる。さらには、サービス提供サーバは、故障と疑わしい移動体通信端末に対して、修理を促すメッセージを自動的に送信することも可能である。
【0015】
第2の効果は、移動体通信網の電波環境に問題があれば、当該移動体通信網のキャリアの保守部門に対して改善を促すことができ、また、キャリアの設備投資を効果的に行うための情報を提供することにもなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る移動体通信システムのシステム構成の一例を示す構成図である。
【図2】図1の移動体通信システムを構成するサービス提供サーバ、移動体通信端末の内部構成の一例を示すブロック構成図である。
【図3】図1に示す移動体通信システムの動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図4】図2に示すサービス提供サーバの故障判定手段の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明による移動体通信端末、移動体通信システム、端末故障判定方法、端末故障判定プログラムおよびプログラム記録媒体の好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明による移動体通信端末、移動体通信システムおよび端末故障判定方法について説明するが、かかる端末故障判定方法をコンピュータにより実行可能な端末故障判定プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、端末故障判定プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。なお、本発明に係る移動体通信端末は、当該移動体通信端末の現在位置を取得する位置情報取得機能を備えた端末であれば、携帯電話機のみに限るものではなく、PHS(Personal Handy-Phone System)端末であっても良いし、PDA(Personal Digital Assistants)であっても良いし、携帯音楽プレーヤであっても良いし、携帯型PC(Personal Computer)であっても良い。
【0018】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、携帯電話機等の移動体通信端末、移動体通信システム、端末故障判定方法、端末故障判定プログラムおよびプログラム記録媒体に関わり、特に、GPS(Global Positioning System)などの現在位置情報を取得、保存、利用する移動体通信端末、移動体通信システムに対して好適に適用することができる移動体通信端末、移動体通信システム、端末故障判定方法、端末故障判定プログラムおよびプログラム記録媒体に関する。
【0019】
つまり、本発明に係る移動体通信端末においては、当該移動体通信端末内に保存している故障に関連するような内部動作情報(故障関連情報)を、現在位置情報をサービス提供サーバへ送信するタイミングで送信する機能を有することを主要な特徴としている。また、本発明に係る移動体通信システムにおいては、サービス提供サーバが、複数の移動体通信端末からの前記内部動作情報(故障関連情報)を解析し、移動体通信端末の故障の有無を推定することを主要な特徴としている。而して、本発明においては、複数の移動体通信端末の前記内部動作情報(故障関連情報)と現在位置情報とに基づいて、移動体通信端末本体が故障しているのか、あるいは、電波環境が悪いだけで移動体通信端末は正常に動作している可能性が高いのかということを判定することが可能な、システム、サービスを実現することができる。
【0020】
具体的には、本発明に係る移動体通信端末は、現在位置情報を取得する手段と、内部動作情報(故障関連情報)を収集し保存する手段と、あらかじめ定めた時点例えば現在位置情報を送信するタイミングで内部動作情報(故障関連情報)を現在位置情報とともに送信する手段とを少なくとも具備している。また、サービス提供サーバは、各移動体通信端末ごとの現在位置情報・内部動作情報(故障関連情報)を収集し解析する手段を少なくとも具備している。
【0021】
而して、本発明においては、移動体通信端末内に、内部動作に関する情報のうち、故障に関連するような内部動作情報(故障関連情報)をあらかじめ保存しておき、現在位置情報を送信するタイミングに併せて、内部動作情報(故障関連情報)をサービス提供サーバに送信する。これにより、サービス提供サーバは、複数の移動体通信端末の内部動作情報(故障関連情報)を解析することによって、移動体通信端末本体が故障しているのかあるいは電波環境が悪く移動体通信端末には問題がない可能性が高いのかを判定するサービスを構築することができる。また、ユーザの利便性を高めるように、現在位置情報を活用することにより、劣悪な電波環境から脱して、移動体通信端末が通信可能な状態に復帰するまでの時間も算出することが可能である。
【0022】
(実施形態の構成)
次に、本発明に係る移動体通信端末および移動体通信システムの構成例について説明する。図1は、本発明に係る移動体通信システムのシステム構成の一例を示す構成図である。
【0023】
図1に示す移動体通信システムは、移動体通信網10、サービス提供サーバ20および複数の移動体通信端末100からなっている。移動体通信網10には、各移動体通信端末100に対して各種のサービスを提供するサービス提供サーバ20が接続されており、サービス提供サーバ20は、各移動体通信端末100の現在位置情報などを受信し、それぞれの移動体通信端末100に適したサービスを提供する。
【0024】
図2は、図1の移動体通信システムを構成するサービス提供サーバ20、移動体通信端末100の内部構成の一例を示すブロック構成図であり、本発明と直接関連しない部位の記載は省略し、本発明に関連する部位のみを抽出して記載している。移動体通信端末100は、位置情報取得部101、送受信部102、内部動作情報収集手段103、内部動作情報保存部104および送信制御手段105を少なくとも備えている。また、サービス提供サーバ20は、データ受信手段21、端末情報保存部22、送信手段23、故障判定手段24を少なくとも備えている。
【0025】
まず、移動体通信端末100を構成する各部位について説明する。位置情報取得部101は、移動体通信端末100の現在位置情報を取得する部位である。例えば、GPS衛星からGPS情報を抽出することにより、現在位置情報を取得することが好ましい。加えて、移動体通信網10において接続する各基地局の位置情報の取得も行う。また、測位サーバを用いて測位位置の更なる精度向上を図るようにしても良い。また、加速度センサを用いてGPS取得頻度を減らすようにしても良い。
【0026】
送受信部102は、移動体通信網10との接続、移動体通信網10を介してサービス提供サーバ20との接続を行う制御情報等を送受信する機能を有している。さらに詳細を説明すると、送受信部102は、移動体通信端末100の各通信方式による通信を行うための回路を備えており、例えば、W−CDMA通信方式による通信を行う場合には、図示していないが、分離結合器、発信器、PLL(Phase Locked Loop)回路、変復調部、ベースバンド信号処理を行う拡散・逆拡散器および直接波・反射波等の電波を受信し合成するレイク(Rake)受信器等を備えている。
【0027】
内部動作情報収集手段103は、移動体通信端末100の内部動作を収集する部位である。ここで、内部動作を示す情報とは、内部動作を示す各種の情報のうち、故障に関連するような情報(故障関連情報)に絞ったものであり、例えば、不揮発性メモリの書き換え回数、液晶バックライト点灯時間などの部品信頼性を示す情報である。また、移動体通信端末100の動作を制御するプログラムに埋め込まれた準正常ルート、異常ルートを通過した回数を示す情報、フェールセーフ動作を行った旨の情報なども故障関連情報に含まれている。
【0028】
内部動作情報保存部104は、内部動作情報収集手段103によって収集された内部動作情報(故障関連情報)の保存を行う部位である。ここで、保存用のメディアとしては各種のものが採用可能である。例えば、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)、RAM(Random Access Memory)、IC(Integrated Circuit)カード、著作権機能の付いたあるいは付いていないメモリカード、ハードディスク等のディスク装置を挙げることができる。
【0029】
送信制御手段105は、あらかじめ定めた時点例えば位置情報取得部101で取得された現在位置情報を送信するタイミングで、内部動作情報収集手段103によって取得されて、内部動作情報保存部104に保存されている内部動作情報(故障関連情報)を併せて送受信部102に出力する部位である。
【0030】
なお、移動体通信端末100の構成としては、図2には図示していないが、例えば以下の部位も含まれている。送信する信号を符号化し、受信した信号を復号化するための符号化・復号化部、各種の信号を入出力する外部の入出力用装置として、マイクロフォンやスピーカ、CCD(Charge Coupled Device)カメラをはじめとする画像入力装置、各種の情報を画面表示する液晶表示装置、また、各種の入出力用装置と接続するための通信手段となるデータ通信用インターフェースとしてのUSB(Universal Serial Bus)などが挙げられる。ここで、符号化・復号化部は、移動体通信端末100の各通信方式または送受信データのフォーマットに応じた符号化/復号化方式が採用される。例えば、音声通話用の送受信データであれば、PCM(Pulse Code Modulation)通信方式あるいはAMR(Adaptive Multi-Rate)通信方式等に応じた符号化・復号化方式が採用される。
【0031】
次に、サービス提供サーバ20を構成する各部位について説明する。データ受信手段21は、移動体通信網10と接続され、移動体通信網10を介して、各移動体通信端末100の現在位置情報および内部動作情報(故障関連情報)を受信する。
【0032】
端末情報保存部22は、データ受信手段21によって取得された各移動体通信端末100の現在位置情報および内部動作情報(故障関連情報)を保存する。複数の移動体通信端末100の情報を効率的に管理するために、データベース機能を利用するようにしても良い。ここで、保存用のメディアとしては、各種のものが採用可能であるが、サービス提供サーバ20において最も良く用いられるものとして、ハードディスク等のディスク装置を想定している。
【0033】
送信手段23は、移動体通信網10を介して、各移動体通信端末100に対してサービスを提供するための情報を送信する機能を有している。
【0034】
故障判定手段24は、端末情報保存部22に保存されている各移動体通信端末100の現在位置情報および内部動作情報(故障関連情報)に基づいて、特定の移動体通信端末100に故障が発生しているか否かを判定する機能を有する。
【0035】
(実施形態の動作の説明)
次に、図1の移動体通信システムのシステム構成の動作について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。図3は、図1に示す移動体通信システムの動作の一例を説明するためのフローチャートであり、複数の移動体通信端末100として、移動体通信端末110、移動体通信端末120の2台が存在している場合について、移動体通信端末110、移動体通信端末120の動作とサービス提供サーバ20の動作との一例を説明している。
【0036】
前述したように、図1の移動体通信システムにおいては、移動体通信端末110、移動体通信端末120それぞれは、位置情報取得部101により現在位置情報を定期的に取得して、送信制御手段105の制御により、取得した現在位置情報を、内部動作情報(故障関連情報)とともに、送受信部102から、移動体通信網10を介して、サービス提供サーバ20に対して送信している。複数の移動体通信端末110、移動体通信端末120それぞれから送信されてきた現在位置情報と内部動作情報(故障関連情報)とを受信したサービス提供サーバ20は、受信した各移動体通信端末110、移動体通信端末120それぞれの現在位置情報と内部動作情報(故障関連情報)とを管理し、解析を行い、各種の移動体通信サービスを提供するように構成されている。
【0037】
図3のフローチャートにおいて、2台の移動体通信端末110,120は、それぞれの内部動作情報収集手段103により、それぞれの移動体通信端末110,120内部の動作に関する内部動作情報(故障関連情報)を適時収集している(ステップS11,S21)。そして、2台の移動体通信端末110,120それぞれは、収集したそれぞれの内部動作情報(故障関連情報)をそれぞれの内部動作情報保存部104に保存する(ステップS12,S22)。
【0038】
2台の移動体通信端末110、移動体通信端末120それぞれが収集して保存する内部動作情報(故障関連情報)とは、例えば、次のような情報である。まず、移動体通信端末の構成部品の寿命に関する部品使用情報を収集する。例えば、書き換え許容回数に上限値がある不揮発性メモリについては、不揮発性メモリの書き換えが発生する都度、書き換え回数の累積値を保存する。使用時間によって照明輝度が低下する液晶表示装置については、液晶バックライトが消灯される都度、累計のバックライト点灯時間を算出して保存する。他にも、部品の信頼性に関する情報があれば適宜保存する。また、故障関連情報として、移動体通信端末110、移動体通信端末120それぞれにおいてその動作を制御するプログラムに埋め込まれた準正常ルート、異常ルートを通る都度、その通過回数をカウントアップして、累積値を保存する。さらに、移動体通信端末110、移動体通信端末120としてのフェールセーフ動作を行った場合には、その旨を発生した時間情報とともに保存する。
【0039】
ここで、前述したように、2台の移動体通信端末110,120においては、あらかじめ定めた周期ごとに、定期的に、それぞれの位置情報取得部101において現在位置情報を取得し、取得した現在位置情報を、送信制御手段105に出力する動作を行う(ステップS13,S23)。このとき、送信制御手段105は、同時に、内部動作情報保存部104に保存された内部動作情報(故障関連情報)を読み出して、現在位置情報とともに、送受信部102に出力し、移動体通信網10を介して、サービス提供サーバ20に送信する。
【0040】
次に、サービス提供サーバ20側の動作について図3のフローチャートを用いて説明する。
【0041】
サービス提供サーバ20のデータ受信手段21は、まず、移動体通信網10を介して、移動体通信端末110から送信されてくる当該移動体通信端末110の現在位置情報および内部動作情報(故障関連情報)を受信する(ステップS31)。しかる後、受信した移動体通信端末110の現在位置情報および内部動作情報(故障関連情報)は、端末情報保存部22に保存される(ステップS32)。ここで、端末情報保存部22は、移動体通信端末100の現在位置情報および内部動作情報(故障関連情報)をデータベース的に管理する。
【0042】
同様に、サービス提供サーバ20のデータ受信手段21は、移動体通信網10を介して、移動体通信端末120から送信されてくる当該移動体通信端末120の現在位置情報および内部動作情報(故障関連情報)も受信して(ステップS33)、受信した移動体通信端末120の現在位置情報および内部動作情報(故障関連情報)も、端末情報保存部22に保存する(ステップS34)。ここで、端末情報保存部22は、移動体通信端末120の現在位置情報および内部動作情報(故障関連情報)についても、データベース的に管理する。
【0043】
しかる後、サービス提供サーバ20においては、あらかじ定めた一定台数(本実施形態の場合は2台)分の移動体通信端末110、移動体通信端末120の現在位置情報および内部動作情報(故障関連情報)を、端末情報保存部22に保存すると、故障判定手段24を起動する。故障判定手段24は、端末情報保存部22に保存されている一定台数(本実施形態の場合は2台)分の移動体通信端末110、移動体通信端末120の現在位置情報および内部動作情報(故障関連情報)を参照することにより、移動体通信端末110、移動体通信端末120それぞれについて移動体通信端末本体に故障が発生しているか否かを判定する(ステップS35)。故障判定手段24における故障の判定処理については、図4においてその詳細を後述する。
【0044】
故障判定手段24において、移動体通信端末110または移動体通信端末120に故障が発生していると判定した場合には、故障が発生している移動体通信端末110または移動体通信端末120に対して、故障の旨を送信手段23から、移動体通信網10を介して連絡する(ステップS36)。
【0045】
サービス提供サーバ20から故障の旨の通知を受信した移動体通信端末110または移動体通信端末120は、例えば、当該移動体通信端末110または移動体通信端末120の表示部(図2には図示していない)に、故障の旨を画面表示し、または、警報音として故障の旨を出力し、当該移動体通信端末110または移動体通信端末120のユーザに通報する。なお、サービス提供サーバ20から移動体通信端末110または移動体通信端末120に対して故障の旨の通知を行う際に、本移動体通信システムのサービスの一環として、サービス提供サーバ20から、電子メールを利用して、故障した移動体通信端末110または移動体通信端末120を本移動体通信システムの保守部門に持ち込むように促すメッセージを付加するようにしても良い。
【0046】
あるいは、本移動体通信システムの保守部門に移動体通信端末110または移動体通信端末120の故障の旨を当該移動体通信端末110または移動体通信端末120の現在位置情報および内部動作情報(故障関連情報)とともにサービス提供サーバ20からあらかじめ連絡しておき、該当する移動体通信端末110または移動体通信端末120が、当該保守部門に持ち込まれたときに、当該保守部門において、当該移動体通信端末110または移動体通信端末120の現在位置情報および内部動作情報(故障関連情報)を利用するようにしても良い。
【0047】
また、故障判定手段24は、あらかじめ定めた一定台数(本実施形態の場合は2台)の移動体通信端末110、移動体通信端末120の現在位置情報および内部動作情報(故障関連情報)を端末情報保存部22に保存する都度、起動する代わりに、端末情報保存部22に移動体通信端末100の現在位置情報および内部動作情報(故障関連情報)が追加される都度、起動するようにしても良いし、あるいは、あらかじめ定めた周期ごとにバッチ処理として起動するようにしても良い。
【0048】
次に、図3のステップS35における故障判定手段24の動作の詳細について、図4のフローチャートを用いて、その一例を説明する。図4は、図2に示すサービス提供サーバ20の故障判定手段24の動作の一例を説明するためのフローチャートであり、移動体通信端末100の台数として、図3に例示した移動体通信端末110、移動体通信端末120の2台分に関する現在位置情報および内部動作情報(故障関連情報)が、端末情報保存部22に保存されたタイミングで起動される場合を例にとって説明する。
【0049】
また、故障判定手段24は、前述のように、端末情報保存部22に保存されている一定台数(本実施形態の場合は2台)の移動体通信端末110、移動体通信端末120の現在位置情報および内部動作情報(故障関連情報)を参照することにより、移動体通信端末110、移動体通信端末120それぞれについて移動体通信端末本体に故障が発生しているか否かを判定する。ここで、2台の移動体通信端末110、移動体通信端末120のうち、移動体通信端末110が故障しているか否かを判定する場合を例にとって以下に説明する。
【0050】
図4のフローチャートにおいて、まず、端末情報保存部22に保存されている移動体通信端末110の内部動作情報(故障関連情報)を解析し、内部動作として故障が推定されるような疑わしい動作が発生しているか否かを確認する(ステップS41)。ここで、疑わしい動作としては、例えば、発信、着信に失敗した履歴があれば、故障が推定されるような疑わしい動作であるものと判定する。また、通信圏外に存在している状態が発生している場合も、移動体通信端末110の故障によるものかあるいは電波環境の悪化によるものかの判別ができないため、故障が推定されるような疑わしい状態であるものと判定する。
【0051】
あるいは、移動体通信端末110内の不揮発性メモリの書き換え回数が書き換え許容回数の上限値例えば10万回を超えたか否か、また、液晶バックライトの点灯時間が液晶の表示可能時間の上限値例えば10万時間を超えたか否かを判定して、書き換え許容回数の上限値や液晶の表示可能時間の上限値を超えている場合は、故障が推定されるような疑わしい状態であるものと判定する。また、移動体通信端末110の動作を制御するプログラムに埋め込まれた準正常ルート、異常ルートへの通過回数があらかじめ定めた許容回数を超えてカウントアップされていた場合や、フェールセーフ動作を行った場合についても、故障が推定されるような疑わしい状態であるものと判定する。
【0052】
移動体通信端末110の故障が推定されるような疑わしい内部動作であると判定した場合(ステップS41のYES)、移動体通信端末110の疑わしい内部動作の発生時の現在位置情報を参照して、疑わしい内部動作の発生時の移動体通信端末110の現在位置を特定し、当該位置の近傍(同一領域(例えば同一セル範囲)内)における他の移動体通信端末例えば移動体通信端末120に関する内部動作情報(故障関連情報)を端末情報保存部22から抽出する。(ステップS42)
【0053】
しかる後、疑わしい内部動作の発生時の移動体通信端末110の位置の近傍に存在する他の移動体通信端末例えば移動体通信端末120の内部動作情報(故障関連情報)を参照して、他の移動体通信端末例えば移動体通信端末120にも故障が推定されるような疑わしい状態が発生しているか否かを判定する。(ステップS43)
【0054】
他の移動体通信端末例えば移動体通信端末120にも、故障が推定されるような疑わしい状態が発生している場合には(ステップS43のYES)、双方の移動体通信端末すなわち移動体通信端末110、移動体通信端末120の双方が存在している場所の電波環境が悪化しているものと判定し、端末情報保存部22に保存されている移動体通信端末110、移動体通信端末120それぞれの内部動作情報(故障関連情報)にその旨(電波環境悪化による旨)の情報を追記し、端末情報保存部22の保存内容を更新する(ステップS44)。ここで、双方の移動体通信端末すなわち移動体通信端末110、移動体通信端末120が存在している場所の電波環境が悪化している旨のメッセージを、移動体通信網の保守部門(キャリア)に対して自動的に送信するようにしても良い。
【0055】
一方、他の移動体通信端末例えば移動体通信端末120には、故障が推定されるような疑わしい状態が発生していない場合には(ステップS43のNO)、双方の移動体通信端末すなわち移動体通信端末110、移動体通信端末120が存在している場所の電波環境には問題はなく、移動体通信端末110本体に故障が発生しているものと判定する(ステップS45)。
【0056】
(その他の実施形態)
前述の実施形態においては、サービス提供サーバ20の故障判定手段24は、移動体通信端末100の内部動作として故障が推定されるような疑わしい動作であった場合、移動体通信端末100本体の故障の可能性があるのか、移動体通信端末100が存在する現在位置における電波状態が悪いのかを判別するために、当該移動体通信端末100の近傍に位置している他の移動体通信端末100の内部動作について確認する処理を行っているが、電波状態が悪いと判定した場合、地図上に、当該位置は通信不可能領域(通信圏外)としてプロットしていくようにしても良い。さらには、電波状態が悪いと判定した場合における、移動体通信端末100の前回位置と今回位置との方位方角から、地図上のデータの補間処理を行い、地図上の通信不可能領域(通信圏外)を推測するようにしても良い。
【0057】
かかる地図を利用することによって、サービス提供サーバ20の故障判定手段24は、移動体通信端末100の内部動作として故障が推定されるような疑わしい動作であった場合、移動体通信端末100の故障か、電波環境の悪化あるいは通信不可能領域(通信圏外)による現象かを切り分けるための故障判定処理時間を短縮することが可能となる。
【0058】
また、或る移動体通信端末100の位置情報として、同一の領域に属する位置情報が端末情報保存部22に複数回保存されている場合には、当該領域は、当該移動体通信端末100のユーザが良く利用する道路であり、当該移動体通信端末100が、通信不可能領域(通信圏外)に達するまでの時間、または、通信不可能領域(通信圏外)から通信可能領域(通信圏内)に復帰するまでの時間などを算出することも可能となる。
【0059】
(実施形態の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本実施形態においては、以下に記載するような効果を得ることができる。
【0060】
第1の効果は、位置情報取得機能を有する移動体通信端末100において、移動体通信端末100を所持するユーザは何ら操作することなく、故障の切り分けに必要な情報を故障の切り分けサービスを行うサービス提供サーバ20側に自動的に送信することができる。サービス提供サーバ側20においても、移動体通信端末100の故障の有無の切り分けが容易になり、切り分けに要する工数を削減することができる。さらには、サービス提供サーバ20は、故障と疑わしい移動体通信端末100に対して、修理を促すメッセージを自動的に送信することも可能である。
【0061】
第2の効果は、移動体通信網10の電波環境に問題があれば、当該移動体通信網10のキャリアに対して改善を促すことができ、また、キャリアの設備投資を効果的に行うための情報を提供することにもなる。
【0062】
以上、本発明の好適実施形態の構成を説明した。しかし、斯かる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。例えば、本発明の実施態様は、課題を解決するための手段における構成(1)に加えて、次のような構成として表現できる。
(2)あらかじめ定めた前記送信時点が、前記位置情報取得手段が取得した現在位置情報を前記サービス提供サーバに送信する時点である上記(1)の移動体通信端末。
(3)前記内部動作情報収集手段が収集する前記内部動作情報として、当該移動体通信端末を構成する構成部品の使用回数または使用時間に関する情報、当該移動体通信端末の動作を制御するプログラムに埋め込まれた準正常ルート、異常ルートの通過回数に関する情報、当該移動体通信端末のフェールセーフ動作に関する情報を、少なくとも含む上記(1)または(2)の移動体通信端末。
(4)前記構成部品の使用回数または使用時間に関する情報として、不揮発性メモリの書き換え回数、液晶バックライトの点灯時間に関する情報の、いずれかを少なくとも含む上記(3)の移動体通信端末。
(5)無線信号により移動体通信網を介して通信を行う複数の移動体通信端末と、前記移動体通信網を介して前記移動体通信端末に対して各種サービスを提供するサービス提供サーバとからなる移動体通信システムにおいて、前記移動体通信端末は、現在位置を取得する位置情報取得手段と、内部動作の状態を示す内部動作情報を収集する内部動作情報収集手段と、収集した前記内部動作情報を保存する内部動作情報保存手段と、保存した前記内部動作情報を、前記位置情報取得手段により取得した前記現在位置情報を送信するタイミングで、前記現在位置情報とともに、前記サービス提供サーバに送信する送信手段と、を少なくとも備え、前記サービス提供サーバは、各前記移動体通信端末から送信されてくる前記内部動作情報を前記現在位置情報とともに受信するデータ受信手段と、前記データ受信手段にて受信した各前記移動体通信端末の前記内部動作情報を前記現在位置情報とともに保存する端末情報保存手段と、前記端末情報保存手段に保存した各前記移動体通信端末の前記内部動作情報と前記現在位置情報とに基づいて、前記内部動作情報の送信元の前記移動体通信端末が故障しているか否かを判定する故障判定手段と、を少なくとも備えている移動体通信システム。
(6)各前記移動体通信端末の前記内部動作情報収集手段それぞれが収集する前記内部動作情報として、当該移動体通信端末を構成する構成部品の使用回数または使用時間に関する情報、当該移動体通信端末の動作を制御するプログラムに埋め込まれた準正常ルート、異常ルートの通過回数に関する情報、当該移動体通信端末のフェールセーフ動作に関する情報を、少なくとも含む上記(5)の移動体通信システム。
(7)前記構成部品の使用回数または使用時間に関する情報として、不揮発性メモリの書き換え回数、液晶バックライトの点灯時間に関する情報の、いずれかを少なくとも含む上記(6)の移動体通信システム。
(8)前記サービス提供サーバの前記故障判定手段は、前記端末情報保存手段に保存した各前記移動体通信端末の前記内部動作情報を解析し、内部動作として故障が推定されるような疑わしい動作が発生していると判定した場合、当該内部動作情報の送信元の前記移動体通信端末の故障か、または、当該移動体通信端末が存在する領域の電波環境の悪化によるものか、のいずれかと判定する上記(5)ないし(7)のいずれかの移動体通信システム。
(9)前記サービス提供サーバの前記故障判定手段は、前記内部動作情報の解析結果として、故障が推定されるような疑わしい動作が発生していると判定した場合、当該内部動作情報の送信元の前記移動体通信端末が存在する領域と同一の領域に存在する他の前記移動体通信端末に関する前記内部動作情報を解析し、前記他の前記移動体通信端末に関して内部動作として故障が推定されるような疑わしい動作は発生していないと判定した場合には、前記移動体通信端末の本体に故障が発生しているものと判定し、一方、前記他の前記移動体通信端末に関しても内部動作として故障が推定されるような疑わしい動作が発生していると判定した場合には、前記移動体通信端末が存在する領域の電波環境が悪化しているものと判定する上記(8)の移動体通信システム。
(10)前記サービス提供サーバの前記故障判定手段は、前記移動体通信端末が存在する領域の電波環境が悪化していると判定した場合、当該移動体通信端末が存在する領域の電波環境が悪化している旨のメッセージを前記移動体通信網の保守部門に通知する上記(9)の移動体通信システム。
(11)前記サービス提供サーバの前記故障判定手段は、前記移動体通信端末の本体に故障が発生していると判定した場合、当該移動体通信端末に対して故障の旨を通知し、故障の旨の通知を受信した前記移動体通信端末は、故障の旨を画面表示または警報音出力することにより、当該移動体通信端末のユーザに通報する上記(9)の移動体通信システム。
(12)前記サービス提供サーバの前記故障判定手段は、前記移動体通信端末に対して故障の旨を通知する際に、電子メールを利用して、故障した当該移動体通信端末を、当該移動体通信システムの保守部門に持ち込むことを促すメッセージを付加する上記(11)の移動体通信システム。
(13)前記サービス提供サーバの前記故障判定手段は、前記端末情報保存手段にあらかじめ定めた一定台数分の前記移動体通信端末に関する前記内部動作情報と前記現在位置情報とを保存する都度、または、前記端末情報保存手段に前記移動体通信端末に関する前記内部動作情報と前記現在位置情報とを追加して保存する都度、または、あらかじめ定めた周期ごとに、起動されて、前記内部動作情報の送信元の前記移動体通信端末が故障しているか否かを判定する上記(5)ないし(12)のいずれかの移動体通信システム。
(14)無線信号により移動体通信網を介して通信を行う複数の移動体通信端末と、前記移動体通信網を介して前記移動体通信端末に対して各種サービスを提供するサービス提供サーバとからなる移動体通信システムにおける前記移動体通信端末の故障を判定する端末故障判定方法であって、前記移動体通信端末は、内部動作の状態を示す内部動作情報を収集して、収集した前記内部動作情報を、当該移動体通信端末の現在位置情報を送信するタイミングで、前記現在位置情報とともに、前記サービス提供サーバに送信し、前記サービス提供サーバは、各前記移動体通信端末から送信されてくる前記内部動作情報と前記現在位置情報とに基づいて、前記内部動作情報の送信元の前記移動体通信端末が故障しているか否かを判定する端末故障判定方法。
(15)各前記移動体通信端末それぞれが収集する前記内部動作情報として、当該移動体通信端末を構成する構成部品の使用回数または使用時間に関する情報、当該移動体通信端末の動作を制御するプログラムに埋め込まれた準正常ルート、異常ルートの通過回数に関する情報、当該移動体通信端末のフェールセーフ動作に関する情報を、少なくとも含む上記(14)の端末故障判定方法。
(16)前記構成部品の使用回数または使用時間に関する情報として、不揮発性メモリの書き換え回数、液晶バックライトの点灯時間に関する情報の、いずれかを少なくとも含む上記(15)の端末故障判定方法。
(17)前記サービス提供サーバは、各前記移動体通信端末の前記内部動作情報を解析し、内部動作として故障が推定されるような疑わしい動作が発生していると判定した場合、当該内部動作情報の送信元の前記移動体通信端末の故障か、または、当該移動体通信端末が存在する領域の電波環境の悪化によるものか、のいずれかと判定する上記(14)ないし(16)のいずれかの端末故障判定方法。
(18)前記サービス提供サーバは、前記内部動作情報の解析結果として、故障が推定されるような疑わしい動作が発生していると判定した場合、当該内部動作情報の送信元の前記移動体通信端末が存在する領域と同一の領域に存在する他の前記移動体通信端末に関する前記内部動作情報を解析し、前記他の前記移動体通信端末に関して内部動作として故障が推定されるような疑わしい動作は発生していないと判定した場合には、前記移動体通信端末の本体に故障が発生しているものと判定し、一方、前記他の前記移動体通信端末に関しても内部動作として故障が推定されるような疑わしい動作が発生していると判定した場合には、前記移動体通信端末が存在する領域の電波環境が悪化しているものと判定する上記(17)の端末故障判定方法。
(19)前記サービス提供サーバは、前記移動体通信端末が存在する領域の電波環境が悪化していると判定した場合、当該移動体通信端末が存在する領域の電波環境が悪化している旨のメッセージを前記移動体通信網の保守部門に通知する上記(18)の端末故障判定方法。
(20)前記サービス提供サーバは、前記移動体通信端末の本体に故障が発生していると判定した場合、当該移動体通信端末に対して故障の旨を通知し、故障の旨の通知を受信した前記移動体通信端末は、故障の旨を画面表示または警報音出力することにより、当該移動体通信端末のユーザに通報する上記(18)の端末故障判定方法。
(21)前記サービス提供サーバは、前記移動体通信端末に対して故障の旨を通知する際に、電子メールを利用して、故障した当該移動体通信端末を、当該移動体通信システムの保守部門に持ち込むことを促すメッセージを付加する上記(20)の端末故障判定方法。
(22)前記サービス提供サーバは、あらかじめ定めた一定台数分の前記移動体通信端末に関する前記内部動作情報と前記現在位置情報とを受信する都度、または、前記移動体通信端末に関する前記内部動作情報と前記現在位置情報とが追加して受信される都度、または、あらかじめ定めた周期ごとに、起動されて、前記内部動作情報の送信元の前記移動体通信端末が故障しているか否かを判定する上記(14)ないし(21)のいずれかの端末故障判定方法。
(23)上記(14)ないし(22)のいずれかの端末故障判定方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施する端末故障判定プログラム。
(24)上記(23)の端末故障判定プログラムを、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録しているプログラム記録媒体。
【符号の説明】
【0063】
10 移動体通信網
20 サービス提供サーバ
21 データ受信手段
22 端末情報保存部
23 送信手段
24 故障判定手段
100 移動体通信端末
101 位置情報取得部
102 送受信部
103 内部動作情報収集手段
104 内部動作情報保存部
105 送信制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を取得する位置情報取得手段を備え、無線信号により移動体通信網を介して通信を行う移動体通信端末において、内部動作の状態を示す内部動作情報を収集する内部動作情報収集手段と、収集した前記内部動作情報を保存する内部動作情報保存手段と、保存した前記内部動作情報を送信時点としてあらかじめ定めた時刻に、前記移動体通信網に接続されているサービス提供サーバに送信する送信手段とを、少なくとも備えていることを特徴とする移動体通信端末。
【請求項2】
あらかじめ定めた前記送信時点が、前記位置情報取得手段が取得した現在位置情報を前記サービス提供サーバに送信する時点であることを特徴とする請求項1に記載の移動体通信端末。
【請求項3】
前記内部動作情報収集手段が収集する前記内部動作情報として、当該移動体通信端末を構成する構成部品の使用回数または使用時間に関する情報、当該移動体通信端末の動作を制御するプログラムに埋め込まれた準正常ルート、異常ルートの通過回数に関する情報、当該移動体通信端末のフェールセーフ動作に関する情報を、少なくとも含むことを特徴とする請求項1または2に記載の移動体通信端末。
【請求項4】
前記構成部品の使用回数または使用時間に関する情報として、不揮発性メモリの書き換え回数、液晶バックライトの点灯時間に関する情報の、いずれかを少なくとも含むことを特徴とする請求項3に記載の移動体通信端末。
【請求項5】
無線信号により移動体通信網を介して通信を行う複数の移動体通信端末と、前記移動体通信網を介して前記移動体通信端末に対して各種サービスを提供するサービス提供サーバとからなる移動体通信システムにおいて、前記移動体通信端末は、現在位置を取得する位置情報取得手段と、内部動作の状態を示す内部動作情報を収集する内部動作情報収集手段と、収集した前記内部動作情報を保存する内部動作情報保存手段と、保存した前記内部動作情報を、前記位置情報取得手段により取得した前記現在位置情報を送信するタイミングで、前記現在位置情報とともに、前記サービス提供サーバに送信する送信手段と、を少なくとも備え、前記サービス提供サーバは、各前記移動体通信端末から送信されてくる前記内部動作情報を前記現在位置情報とともに受信するデータ受信手段と、前記データ受信手段にて受信した各前記移動体通信端末の前記内部動作情報を前記現在位置情報とともに保存する端末情報保存手段と、前記端末情報保存手段に保存した各前記移動体通信端末の前記内部動作情報と前記現在位置情報とに基づいて、前記内部動作情報の送信元の前記移動体通信端末が故障しているか否かを判定する故障判定手段と、を少なくとも備えていることを特徴とする移動体通信システム。
【請求項6】
各前記移動体通信端末の前記内部動作情報収集手段それぞれが収集する前記内部動作情報として、当該移動体通信端末を構成する構成部品の使用回数または使用時間に関する情報、当該移動体通信端末の動作を制御するプログラムに埋め込まれた準正常ルート、異常ルートの通過回数に関する情報、当該移動体通信端末のフェールセーフ動作に関する情報を、少なくとも含むことを特徴とする請求項5に記載の移動体通信システム。
【請求項7】
前記構成部品の使用回数または使用時間に関する情報として、不揮発性メモリの書き換え回数、液晶バックライトの点灯時間に関する情報の、いずれかを少なくとも含むことを特徴とする請求項6に記載の移動体通信システム。
【請求項8】
前記サービス提供サーバの前記故障判定手段は、前記端末情報保存手段に保存した各前記移動体通信端末の前記内部動作情報を解析し、内部動作として故障が推定されるような疑わしい動作が発生していると判定した場合、当該内部動作情報の送信元の前記移動体通信端末の故障か、または、当該移動体通信端末が存在する領域の電波環境の悪化によるものか、のいずれかと判定することを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の移動体通信システム。
【請求項9】
前記サービス提供サーバの前記故障判定手段は、前記内部動作情報の解析結果として、故障が推定されるような疑わしい動作が発生していると判定した場合、当該内部動作情報の送信元の前記移動体通信端末が存在する領域と同一の領域に存在する他の前記移動体通信端末に関する前記内部動作情報を解析し、前記他の前記移動体通信端末に関して内部動作として故障が推定されるような疑わしい動作は発生していないと判定した場合には、前記移動体通信端末の本体に故障が発生しているものと判定し、一方、前記他の前記移動体通信端末に関しても内部動作として故障が推定されるような疑わしい動作が発生していると判定した場合には、前記移動体通信端末が存在する領域の電波環境が悪化しているものと判定することを特徴とする請求項8に記載の移動体通信システム。
【請求項10】
前記サービス提供サーバの前記故障判定手段は、前記移動体通信端末が存在する領域の電波環境が悪化していると判定した場合、当該移動体通信端末が存在する領域の電波環境が悪化している旨のメッセージを前記移動体通信網の保守部門に通知することを特徴とする請求項9に記載の移動体通信システム。
【請求項11】
前記サービス提供サーバの前記故障判定手段は、前記移動体通信端末の本体に故障が発生していると判定した場合、当該移動体通信端末に対して故障の旨を通知し、故障の旨の通知を受信した前記移動体通信端末は、故障の旨を画面表示または警報音出力することにより、当該移動体通信端末のユーザに通報することを特徴とする請求項9に記載の移動体通信システム。
【請求項12】
前記サービス提供サーバの前記故障判定手段は、前記移動体通信端末に対して故障の旨を通知する際に、電子メールを利用して、故障した当該移動体通信端末を、当該移動体通信システムの保守部門に持ち込むことを促すメッセージを付加することを特徴とする請求項11に記載の移動体通信システム。
【請求項13】
前記サービス提供サーバの前記故障判定手段は、前記端末情報保存手段にあらかじめ定めた一定台数分の前記移動体通信端末に関する前記内部動作情報と前記現在位置情報とを保存する都度、または、前記端末情報保存手段に前記移動体通信端末に関する前記内部動作情報と前記現在位置情報とを追加して保存する都度、または、あらかじめ定めた周期ごとに、起動されて、前記内部動作情報の送信元の前記移動体通信端末が故障しているか否かを判定することを特徴とする請求項5ないし12のいずれかに記載の移動体通信システム。
【請求項14】
無線信号により移動体通信網を介して通信を行う複数の移動体通信端末と、前記移動体通信網を介して前記移動体通信端末に対して各種サービスを提供するサービス提供サーバとからなる移動体通信システムにおける前記移動体通信端末の故障を判定する端末故障判定方法であって、前記移動体通信端末は、内部動作の状態を示す内部動作情報を収集して、収集した前記内部動作情報を、当該移動体通信端末の現在位置情報を送信するタイミングで、前記現在位置情報とともに、前記サービス提供サーバに送信し、前記サービス提供サーバは、各前記移動体通信端末から送信されてくる前記内部動作情報と前記現在位置情報とに基づいて、前記内部動作情報の送信元の前記移動体通信端末が故障しているか否かを判定することを特徴とする端末故障判定方法。
【請求項15】
各前記移動体通信端末それぞれが収集する前記内部動作情報として、当該移動体通信端末を構成する構成部品の使用回数または使用時間に関する情報、当該移動体通信端末の動作を制御するプログラムに埋め込まれた準正常ルート、異常ルートの通過回数に関する情報、当該移動体通信端末のフェールセーフ動作に関する情報を、少なくとも含むことを特徴とする請求項14に記載の端末故障判定方法。
【請求項16】
前記構成部品の使用回数または使用時間に関する情報として、不揮発性メモリの書き換え回数、液晶バックライトの点灯時間に関する情報の、いずれかを少なくとも含むことを特徴とする請求項15に記載の端末故障判定方法。
【請求項17】
前記サービス提供サーバは、各前記移動体通信端末の前記内部動作情報を解析し、内部動作として故障が推定されるような疑わしい動作が発生していると判定した場合、当該内部動作情報の送信元の前記移動体通信端末の故障か、または、当該移動体通信端末が存在する領域の電波環境の悪化によるものか、のいずれかと判定することを特徴とする請求項14ないし16のいずれかに記載の端末故障判定方法。
【請求項18】
前記サービス提供サーバは、前記内部動作情報の解析結果として、故障が推定されるような疑わしい動作が発生していると判定した場合、当該内部動作情報の送信元の前記移動体通信端末が存在する領域と同一の領域に存在する他の前記移動体通信端末に関する前記内部動作情報を解析し、前記他の前記移動体通信端末に関して内部動作として故障が推定されるような疑わしい動作は発生していないと判定した場合には、前記移動体通信端末の本体に故障が発生しているものと判定し、一方、前記他の前記移動体通信端末に関しても内部動作として故障が推定されるような疑わしい動作が発生していると判定した場合には、前記移動体通信端末が存在する領域の電波環境が悪化しているものと判定することを特徴とする請求項17に記載の端末故障判定方法。
【請求項19】
前記サービス提供サーバは、前記移動体通信端末が存在する領域の電波環境が悪化していると判定した場合、当該移動体通信端末が存在する領域の電波環境が悪化している旨のメッセージを前記移動体通信網の保守部門に通知することを特徴とする請求項18に記載の端末故障判定方法。
【請求項20】
前記サービス提供サーバは、前記移動体通信端末の本体に故障が発生していると判定した場合、当該移動体通信端末に対して故障の旨を通知し、故障の旨の通知を受信した前記移動体通信端末は、故障の旨を画面表示または警報音出力することにより、当該移動体通信端末のユーザに通報することを特徴とする請求項18に記載の端末故障判定方法。
【請求項21】
前記サービス提供サーバは、前記移動体通信端末に対して故障の旨を通知する際に、電子メールを利用して、故障した当該移動体通信端末を、当該移動体通信システムの保守部門に持ち込むことを促すメッセージを付加することを特徴とする請求項20に記載の端末故障判定方法。
【請求項22】
前記サービス提供サーバは、あらかじめ定めた一定台数分の前記移動体通信端末に関する前記内部動作情報と前記現在位置情報とを受信する都度、または、前記移動体通信端末に関する前記内部動作情報と前記現在位置情報とが追加して受信される都度、または、あらかじめ定めた周期ごとに、起動されて、前記内部動作情報の送信元の前記移動体通信端末が故障しているか否かを判定することを特徴とする請求項14ないし21のいずれかに記載の端末故障判定方法。
【請求項23】
請求項14ないし22のいずれかに記載の端末故障判定方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施することを特徴とする端末故障判定プログラム。
【請求項24】
請求項23に記載の端末故障判定プログラムを、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録していることを特徴とするプログラム記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−71610(P2011−71610A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218855(P2009−218855)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】