説明

移動体通信端末、移動体通信システム

【課題】自端末とは異なる機種の端末のコマンドを受けても正常に動作する移動体通信端末を提供する。
【解決手段】移動体通信端末は他の移動体通信端末から、当該他の移動体通信端末の機種を示す機種情報と当該他の移動体通信端末において実行可能な複数の機能処理から一の機能処理を識別する第一識別情報とを取得する。前記移動体通信端末は機種毎の機能処理の識別情報を、自端末において実行可能な複数の機能処理から一の機能処理を識別する第二識別情報と対応付けた対応情報を記憶しており、前記他の移動体通信端末の機種情報と前記対応情報とに基づいて、前記第一識別情報に対応する第二識別情報を特定し、当該第二識別情報に応じた、機能処理に関する所定処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信端末に関し、特に機能処理に係るコマンド制御に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動体通信端末の多機能化に伴い、それらの機能を利用する際にユーザに求められる操作が複雑になってきている。そのため、ある機能が備わっていることは知っていても、実際にどのような操作をすればその機能を利用できるのか、つまりその機能処理を実行させることができるのかが解らない場合がある。
従来、電子メールを利用して遠隔操作により移動体通信端末の所定機能の実行を制御する技術が知られている(特許文献1)。具体的には、移動体通信端末としての携帯端末は、他の携帯端末から送信されたメールを受信し、受信したメールにコマンドが含まれていれば、当該コマンドを解析し実行する。これにより、受信側の携帯端末の操作方法がわからないために、そのユーザが自端末のキー操作部を操作することにより所定コマンドを実行させることができない場合であっても、当該携帯端末は他の携帯端末から所定コマンドを含むメールを受信すれば当該所定コマンドを解析し実行することができる。
【0003】
なお、電子メールを利用した遠隔操作による移動体通信端末の所定機能の実行に関する他の先行技術としては、特許文献2に記載されたものがある。
【特許文献1】特開2004−166013号公報
【特許文献2】特開2005−100016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで近年、移動体通信端末市場において、短いサイクルで新たな機種が次々と発売される状況が続いており、そのため、送信側の携帯端末と受信側の携帯端末とでは機種が異なる場合が多々ある。その場合には、各々の携帯端末は異なるコマンド体系を有するため、送信側の携帯端末のコマンドを受信側の携帯端末に送信したところで、受信側の携帯端末は正常に動作しない。
【0005】
本発明は、自端末とは異なる機種の端末のコマンドを受けても正常に動作する移動体通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の移動体通信端末は、他の移動体通信端末から、当該他の移動体通信端末の機種を示す機種情報と当該他の移動体通信端末において実行可能な複数の機能処理から一の機能処理を識別する第一識別情報とを取得する取得手段と、機種毎の機能処理の識別情報を、自端末において実行可能な複数の機能処理から一の機能処理を識別する第二識別情報と対応付けた対応情報を記憶している対応情報記憶手段と、前記他の移動体通信端末の機種情報と前記対応情報とに基づいて、前記第一識別情報に対応する第二識別情報を特定する特定手段と、特定された第二識別情報に応じた、機能処理に関する所定処理を行う制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
ここで、機能処理とは、ユーザがメニュー表示やキー等のユーザインタフェースを介して操作することにより実行させることができる処理であり、例えば、図13に示すように、着信音設定処理や受話音量設定処理、効果音設定処理等である。なお、従来の移動体通信端末では一般に、各機能処理に対応するメニュー項目が定められており、ユーザが複数のメニュー項目を表示したメニューを切り替えて、実行させるべき機能処理を選択できるようにした構成を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上記の構成を備えることにより、自端末とは機種が異なる他の移動体通信端末における機能処理の第一識別情報から当該第一識別情報に対応する第二識別情報を特定することができ、当該第二識別情報に応じた、機能処理に関する所定処理を行うことができる。対応情報を予め同一又は同等の機能の識別情報を対応付けて構築していることを前提とすれば、前記他の移動体通信端末の機種によらず、当該他の移動体通信端末における機能処理の第一識別情報に基づき正常に動作することができる。
【0009】
なお、機能処理に関する所定処理としては、機能処理そのもの、つまり機能処理を実行する処理の他に、機能処理の実行に関するユーザインタフェースを表示する処理等が該当し、例えば、機能処理の実行指示を受け付ける受付画面を表示する処理である。
ここで、前記所定処理は前記特定された第二識別情報に対応する機能処理の実行指示を受け付ける受付画面を表示する処理であり、前記制御手段はさらに、当該受付画面に対応するユーザによる実行指示を受け付けると当該機能処理を実行するとしてもよい。
【0010】
これにより、ユーザは前記識別情報に対応する機能処理の実行の可否を判断できるとともに、前記受付画面に対応する操作を行うだけで簡単に前記機能処理を実行することができる。
ここで、前記移動体通信端末は、さらに、前記他の移動体通信端末からメールを受信し、受信したメールが、当該メールに前記機種情報と前記第一識別情報とが含まれている旨を示す特殊メール表示情報を、含んでいるか否かを判定する受信処理手段と、前記第二識別情報と当該第二識別情報に対応する機能処理を示す文字列とを対応付けて予め記憶している記憶手段と、を備え、前記取得手段は、前記受信処理手段による判定結果が肯定的な場合、前記メール中から機種情報を前記メールの本文中から前記第一識別情報を取得し、前記受付画面は受信されたメールの内容を表示する画面であり、前記制御手段は前記画面を表示するにあたり、前記メールの本文中に含まれる前記第一識別情報を前記特定された第二識別情報に対応する文字列に変換して変換後の文字列を他の文字列と区別して表示するとしてもよい。
【0011】
これにより、前記受信されたメールの内容を表示する画面において、前記メールの本文中に含まれる前記第一識別情報は前記特定された第二識別情報に対応する文字列(例えば、「着信音設定」という文字列)に変換して表示されるので、ユーザはメール本文中の他の文字列と区別して表示される変換後の文字列を確認することにより機能処理の内容を容易に理解することができる。
【0012】
ここで、前記移動体通信端末は、階層メニュー構造を有し、各機能処理は階層化されたメニューにより分類されており、階層化された複数のメニュー表示画面は各々複数のメニュー項目を有し、前記制御手段は各メニュー項目に対応するメニュー表示画面を切り替えて表示させ、前記特定された第二識別情報に対応する機能処理の実行指示を受け付けると、前記階層メニュー構造において最上位メニュー表示画面から前記機能処理に係る画面までの経路上に存在する各メニュー表示画面を順に表示させるとしてもよい。
【0013】
これにより、最上位メニュー表示画面から前記第二識別情報に対応する機能処理に係る表示画面までの各メニュー表示画面が順に表示されるので、ユーザは自端末で前記文字列に係る機能を利用するためにどのような操作手順を踏めばよいかを学習することができる。
ここで、前記取得手段により取得された機種情報が前記対応情報に存在するか否かを判定し、前記判定が否定的な場合に、機種毎の機能処理の識別情報をそれぞれ対応付けた対応情報を保持する外部装置から、予め記憶されている自端末の機種情報に対応する新たな対応情報を取得し、取得した対応情報を前記対応情報記憶手段に記憶した後、前記特定を行うとしてもよい。
【0014】
これにより、当初前記他の移動体通信端末の機種情報が対応情報に存在しなかったとしても、対応情報の更新が可能となるので、前記第一識別情報から前記第二識別情報を特定することができ、当該第二識別情報に応じた機能処理の実行に係る所定処理を行うことができる。したがって、前記他の移動体通信端末が新機種であっても対応することができる。
【0015】
ここで、自端末の機種を示す機種情報を予め記憶している機種情報記憶手段と、ユーザ操作に基づき、自端末において実行可能な複数の機能処理から一の機能処理を識別する識別情報を指定する指定手段と、記憶されている機種情報と指定された識別情報とを他の移動体通信端末に送信する送信手段とを備えるとしてもよい。
これにより、機能処理の識別情報だけでなく自端末の機種情報も前記他の移動体通信端末に送信するので、これを受信する前記他の移動体通信端末は前記機能処理の識別情報とともに前記自端末の機種情報を取得することができる。したがって、前記他の移動体通信端末が上述の対応情報を有して取得した機種情報及び識別情報からその端末の機能処理の識別情報を特定し、その機能処理に関する所定処理を行うような移動体通信端末であった場合には、機種情報に基づいて前記識別情報に対応する自端末の識別情報を特定することができ、送った内容に正しく対応して動作することが可能になる。
【0016】
ここで、前記移動体通信端末は、さらに、メールの本文中に前記指定された識別情報を含ませるとともに、前記機種情報と前記識別情報とがメールに含まれている旨を示す特殊メール表示情報と前記機種情報とを前記メールに付加することにより前記他の移動体通信端末に送信すべきメールを作成するメール作成手段と、前記識別情報と当該識別情報に対応する機能処理を示す文字列とを対応付けて予め記憶している記憶手段と、前記メール本文中の前記識別情報を当該識別情報に対応する文字列に変換してメール作成画面を表示させる表示制御手段と、を備え、前記送信手段は、作成されたメールを送信することにより、前記機種情報と前記識別情報との前記送信を行うとしてもよい。
【0017】
これにより、前記メール作成画面において、前記メールの本文中に含まれる前記識別情報は当該識別情報に対応する機能処理を示す文字列に変換して表示されるので、ユーザは前記識別情報に対応する機能処理の内容を容易に理解することができる。例えば、着信音設定機能に対応する識別情報が「100」である場合に、「100」と表示するのではなく、「着信音設定画面」という文字列で表示するので、メール作成者にとってもわかりやすいものとなる。
【0018】
ここで、前記移動体通信端末は、階層メニュー構造を有し、各機能処理は階層化されたメニューにより分類されており、階層化された複数のメニュー表示画面は各々複数のメニュー項目を有し、前記表示制御手段は、ユーザ操作に基づき、各メニュー項目に対応するメニュー表示画面、あるいは機能処理に係る画面を切り替えて表示させるメニュー切換表示手段を含み、前記指定手段により指定される識別情報は、ユーザから所定操作を受け付けたときに表示されている画面に対応する識別情報であるとしてもよい。
【0019】
これにより、ユーザは前記メニュー切換表示手段により表示されたメニュー表示画面で所定操作を行うだけで、前記識別情報を指定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(実施の形態1)
<通信システム構成>
図1は、本発明による移動体通信端末が適用される通信システムの一例を示した概略図である。図中の移動体通信端末100、200は基地局300、400を介してネットワーク600に接続している。対応テーブル更新サーバ500も移動体通信機100、200と同様にネットワーク600に接続している。
【0021】
移動体通信端末100(200)は、基地局300(400)を経由して、基地局300(400)に属する他の移動体通信端末(図示しない)や、他の基地局400(300)に属する移動体通信端末200(100)と通信を行う。具体的には、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistance)等の機器として実現され、電子メールの送受信を行う機能等を備える。
【0022】
基地局300(400)は、移動体通信端末100(200)が移動体通信を行うために無線接続する基地局である。移動体通信端末100(200)から送信されたパケットデータを他の移動体通信端末に転送したり、他の移動体通信端末から送信されたパケットデータを移動体通信端末100(200)に転送したりといった中継処理を行う。
対応テーブル更新サーバ500は機種毎の対応テーブルを保持している。
【0023】
以下の説明では、移動体通信端末100を送信側の端末、移動体通信端末200を受信側の端末として説明する。
<通信システムの概要>
移動体通信端末100は、当該移動体通信端末100の機種情報及び機能のショートカットキーを含むメールを作成し、移動体通信端末200に送信する。
【0024】
移動体通信端末200は、移動体通信端末100から送信されたメールを受信すると、予め記憶されている対応テーブル及び移動体通信端末100の機種情報に基づき、前記機能のショートカットキーに対応する自端末のショートカットキーを特定し、ユーザによる実行指示を受け付けると、特定したショートカットキーに係る機能を実行する。
このように、移動体通信端末200は機種情報によって分類された、ショートカットキー同士の対応を示すものである対応テーブルを予め記憶しており、かつ、移動体通信端末100から当該移動体通信端末100の機種情報を取得することができるので、移動体通信端末100と移動体通信端末200とが異なる機種であったとしても、移動体通信端末200は移動体通信端末100から受信したショートカットキーに対応する機能を実行することができる。
<移動体通信端末100の構成>
図2は、移動体通信機100の構成を示すブロック図である。
【0025】
図2に示すように、移動体通信機100は、アンテナ110、通信部120、マイクロフォン130、スピーカ140、操作部150、表示部160、記憶部170、及び制御部180を備える。
アンテナ110は、無線通信を行うための電波の放射及び捕捉を行う。
通信部120は、移動体通信端末100の通信処理を司り、例えば、アンテナ110を介して送信対象データを送信する送信処理を行う。具体的には、送信対象データの変調処理などを行う。
【0026】
マイクロフォン130は、音を集音して音声信号に変換する。
スピーカ140は、音声信号を音に変換して放音する。
操作部150は、押下可能なキー群、例えば、テンキーや決定キー、メニューキーなどを有し、ユーザからの操作を受け付ける。ユーザにより押下されたキーの検出信号を制御部180へ出力する。ユーザは、操作部150を利用して、例えば、機能に係るショートカットキーをコピーする指示を行ったり、メールにコピーしたショートカットキーを貼り付ける指示を行ったりする。ショートカットキーは移動体通信端末100に備えられた機能毎に対応付けられており、少ない操作で当該機能を利用するためのものであり、具体的には、そのために割り当てられたキー入力の組み合わせである。例えば、図3に示すように、着信音設定機能にはショートカットキー「100」が割り当てられている。そして、後述するインデックスメニュー画面において、「1」→「0」→「0」とキー入力すると、着信音設定機能が実行されるように制御している。この制御は従来と同じである。
【0027】
表示部160は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)から構成される表示装置であり、移動体通信端末100を使用するにあたって必要となる各種情報を表示する。
記憶部170は、移動体通信端末100が行う各種処理に必要なデータ及び制御用の各種プログラムを記憶するものであり、例えば、RAM(Random Access Memory)等のメモリを含む。記憶部170は、予め自端末の機種情報を記憶している。ここでは、機種情報として「901AB」を記憶しているものとする。また、図3に示すように、各ショートカットキーと当該ショートカットキーに係る機能、つまりショートカットキーの入力で実行されることとなる機能を示す文字列とを対応付けて記憶している。
【0028】
制御部180は、CPUを含み、記憶部170に記憶されている制御用の各種プログラムをCPUが実行することにより各機能部の制御を実現するものである。以下、制御部180の機能について、詳細に説明する。
<制御部180のメニュー画面切換機能>
制御部180は、操作部150から出力されるキーの検出信号に基づき階層メニューに従ったメニュー画面の切り替え制御を行う。
【0029】
<制御部180のショートカットキー指定機能>
制御部180は、ユーザ操作に基づき機能に係るショートカットキーを指定し、当該ショートカットキーを記憶部170に記憶する。
<制御部180のメール作成機能>
制御部180は操作部250から出力されるキー入力を検出し、検出したキー入力に基づいてメールを作成し、作成したメールを通信部120に送出するとともに記憶部170に記憶する機能を有する。特に本願に特徴的な機能として、記憶部170から機種情報及びショートカットキーを取得し、取得した機種情報及びショートカットキーを含むメールを作成する。具体的には、メール本文中に取得したショートカットキーを貼り付ける、つまり含ませるとともに、メール中に特殊メール表示情報及び機種情報を付加する。制御部180はメール本文中にショートカットキーを貼り付けると、当該ショートカットキーに係る機能へのリンクを張る。ここで、特殊メール表示情報はメールに機種情報及びショートカットキーが含まれている旨を示し、例えば予め規定されている固有値(例えば、数バイト)で実現される。なお、従来機と同様、ショートカットキー等を含んでいない通常のメールを作成する際には、この特殊メール表示情報は含ませない。
【0030】
<制御部180のメール画面表示機能>
制御部180は、操作部250から出力されるメール画面表示指示に対応するキー入力を検出し、メール画面を表示させる。特に本願に特徴的な機能として、メール作成時において、前記ショートカットキーが貼り付けられると、記憶部170に記憶されているテーブル(図3参照)を取得し、取得したテーブルに基づいて当該ショートカットキーを対応する文字列に変換して表示させるとともに当該文字列を強調表示させる。強調表示とは、例えばアンダーラインを付加することである。
<移動体通信端末200の構成>
図4は、移動体通信機200の構成を示すブロック図である。
【0031】
図4に示すように、移動体通信機200は、アンテナ210、通信部220、マイクロフォン230、スピーカ240、操作部250、表示部260、記憶部270、及び制御部280を備える。
アンテナ210は、無線通信を行うための電波の放射及び捕捉を行う。
通信部220は、移動体通信端末200の通信処理を司り、例えば、アンテナ210を介してデータを受信する受信処理を行う。具体的には、受信データの復調処理などを行う。
【0032】
マイクロフォン230は、音を集音して音声信号に変換する。
スピーカ240は、音声信号を音に変換して放音する。例えば、メール受信時にメールの受信をユーザに報知するために放音する。
操作部250は、押下可能なキー群、例えば、テンキーや決定キー、メニューキーなどを有し、ユーザからの操作を受け付ける。ユーザにより押下されたキーの検出信号を制御部280へ出力する。ユーザは操作部250を利用して、例えば、受信メール表示画面において、受信メールの本文中に含まれる、ショットカットキーに対応する文字列を選択することにより、当該ショートカットキーに対応する機能を実行する指示を行う。
【0033】
表示部260は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)から構成される表示装置であり、移動体通信端末200を使用するにあたって必要となる各種情報を表示するものである。
記憶部270は、移動体通信端末200が行う各種処理に必要なデータ及び制御用の各種プログラムを記憶するものであり、例えば、RAM(Random Access Memory)、FLASH ROM等のメモリを含む。記憶部270は、予め自端末の機種情報を記憶している。ここでは、機種情報として「801XY」を記憶しているものとする。また、FLASH ROMは機種毎に当該機種のショートカットキーと自端末のショートカットキーとを対応付けた対応テーブルを記憶している。図5は対応テーブルの一例として、機種情報「901AB」のショートカットキーと自端末のショートカットキーを対応付けた対応テーブルを示す。対応テーブルの詳細は<対応テーブル>で説明する。
【0034】
制御部280は、CPUを含み、記憶部270に記憶されている制御用の各種プログラムをCPUが実行することにより各機能部の制御を実現するものである。制御部280は受信処理部281、判定部282、特定部283、更新部284、及び表示制御部285を含む。各部281〜285は、具体的には、コンピュータプログラムによって記述され実現される。以下、制御部280の機能について、詳細に説明する。
【0035】
受信処理部281は通信部220で受信されたメールを受け取り、当該メールを記憶部270内の受信メール用フォルダに記憶し、表示制御部285にメール受信があった旨を通知するとともに、スピーカからメール受信音を出力させ、メール受信をユーザに報知する。さらに、予め記憶されている、移動体通信端末100が保持している固有値と同様の固有値に基づき、当該メールに特殊メール表示情報が含まれているか否かを判定する。肯定的な判定がなされた場合には、受信メールに含まれる機種情報及びショートカットキーを判定部282に送出する。
【0036】
判定部282は受信処理部281から機種情報及びショートカットキーを受け取り、記憶部270に記憶されている対応テーブル及び機種情報を参照してショートカットキーの特定に関する判定を行う。判定結果に関する通知を表示制御部285に対し行うとともに、判定結果に基づいて特定部283に自端末のショートカットキーを特定する特定指示を、更新部284に対応テーブルを更新する更新指示を送出する。判定についての詳細は、<移動体通信端末200の動作>で説明する。
【0037】
特定部283は判定部282から特定指示を受け取ると、記憶部270に記憶されている対応テーブルを参照して、ショートカットキーを特定可能か判定し、判定結果に関する通知を表示制御部285に対して行う。ショートカットキーを特定可能な場合には、自端末のショートカットキーを特定し、特定されたショートカットキーを当該ショートカットキーに対応する文字列とともに受信メールに対応付けて記憶部270に記憶する。
【0038】
更新部284は判定部282から更新指示を受け取ると、対応テーブル更新サーバ500に対して対応テーブルの更新を要求する要求信号を生成し通信部220に送出する。
また、対応テーブル更新サーバ500から新たな対応テーブルを受信すると、当該対応テーブルを記憶部270に記憶する。
表示制御部285は、受信処理部281からの通知を受け取ると、記憶部270に記憶された受信メールに係る受信メール表示画面を表示させる。特に、受信メール表示画面を表示させる際に、記憶部270から受信メールに対応付けられた文字列を取得し、メール本文中に含まれるショートカットキーを当該文字列に変換して表示させるとともに当該文字列を強調表示させる。また、受信メール表示画面が表示されている状態において、強調表示された文字列の選択、実行を指示する検出信号を操作部250から受け付けると、前記ショートカットキーに係る機能処理を実行する。前記ショートカットキーに係る機能処理の実行の詳細は<具体例>で説明する。さらには、判定部282及び特定部283から送信される通知を受け取り、当該通知に基づき表示制御及び動作制御を行う。
【0039】
次に、図5を参照しながら、移動体通信端末200の記憶部270に記憶されている対応テーブルについて説明する。
<対応テーブル>
図5は、対応テーブルのデータ構造を示す概略図である。
図5に示すように、対応テーブルは、自端末のショートカットキー、機種情報「901AB」の移動体通信端末におけるショートカットキー、及び表示文字列の各欄からなる。
【0040】
自端末のショートカットキー欄には、自端末のショートカットキーが記載されている。
機種情報「901AB」の移動体通信端末におけるショートカットキー欄には、自端末のショートカットキーと対応付けられた機種情報「901AB」の移動体通信端末におけるショートカットキーが記載されている。自端末のショートカットキーと機種情報「901AB」の移動体通信端末におけるショートカットキーとは、同じ機能同士で対応付けられており、例えば、自端末のショートカットキー「321」と機種情報「901AB」の移動体通信端末におけるショートカットキー「100」はともに着信音設定に係るショートカットキーである。
【0041】
表示文字列欄には、自端末のショートカットキーに対応する表示文字列が記載されている。
<移動体通信端末100の階層メニュー構造>
図6は、移動体通信端末100の階層メニュー構造を示す図である。図6に示すように、各機能を選択するためのメニューは階層化されてメモリで管理され、各機能は階層化されたメニューにより分類されている。例えば、最上位メニューとしてインデックスメニューがあり、インデックスメニューの配下には、ファンクションメニュー、ツールメニュー等が存在し、ファンクションメニューには、音関連設定メニュー、表示設定メニュー等が存在する。音関連設定メニューは、メニュー項目として、着信音設定、受話音量設定等を含んでいる。また、各メニューのメニュー項目は操作部150におけるテンキーと対応している。インデックスメニュー画面において、例えば、テンキー「1」はファンクションメニューに対応しており、ファンクションメニューにおいて、テンキー「0」は音関連設定メニューに対応しており、音関連メニューにおいて、テンキー「0」は着信音設定機能に対応している。これらの階層メニューを定義する情報を記憶しており、それに従って入力キーに応じたメニュー切替制御を行う。したがって、インデックスメニュー画面において、テンキー「1」「0」「0」を順に押下することにより、着信音設定画面を表示させることができる。
<移動体通信端末200の階層メニュー構造>
図7は、移動体通信端末200の階層メニュー構造を示す図である。図7に示すように、各機能を選択するためのメニューは階層化されてメモリで管理され、各機能は階層化されたメニューにより分類されている。例えば、最上位メニューとしてINDEXメニューがあり、INDEXメニューの配下には、TELLメニュー、MAILメニュー、FUNCTIONメニュー等が存在し、FUNCTIONメニューには、MANAGEメニュー、AUDIOメニュー等が存在する。AUDIOメニューは、メニュー項目として、RING ALERT等を含んでいる。各メニューのメニュー項目は操作部250におけるテンキーと対応している。INDEXメニュー画面において、例えば、テンキー「3」はFUNCTIONメニューに対応しており、FUNCTIONメニューにおいて、テンキー「2」はAUDIOメニューに対応しており、AUDIOメニューにおいて、テンキー「1」はRING ALERT機能に対応している。したがって、INDEXメニュー画面において、テンキー「3」「2」「1」を順に押下することにより、RING ALERT画面を表示させることができる。
【0042】
続いて、移動体通信端末100、200の動作について説明する。以下のフローチャートでは、移動体通信端末100が着信音設定に係るショートカットキー「100」を含むメールを作成し、移動体通信端末200に送信するものとする。また、メールを受信した移動体通信端末200は、着信音設定に係るショートカットキー「100」に対応するショートカットキーを特定し、実行するものとする。
<移動体通信端末100の動作>
まず、ショートカットキーを含むメールを作成して送信するために、移動体通信端末100により実行される処理手順の具体例を図8〜10を用いて説明する。図8は移動体通信端末100の全体的な流れを表すフローチャートである。まず、移動体通信端末100はショートカットキーを指定するためのショートカットキー指定処理を行う(ステップS100)。具体的な処理内容は<ショートカットキー指定処理>で説明する。ショートカットキーを指定した後、メール作成処理を行い(ステップS200)、作成したメールを移動体通信端末200に送信する(ステップS300)。メール作成処理の具体的な処理内容は<メール作成処理>で説明する。
<ショートカットキー指定処理>
次に、ショートカットキー指定処理の具体的な流れを、図9を用いて説明する。図9はショートカットキー指定処理を表すフローチャートである。まず、制御部180はメニュー画面表示指示があるか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、操作部250におけるメニューキーが押下されたか否かにより判定する。肯定的な判定がなされた場合には(ステップS101でYes)、最上位のメニュー画面であるインデックスメニュー画面を表示させる(ステップS102)。次に、制御部180はユーザ操作があるか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、ユーザにより押下されたキーの検出信号を操作部250から受信したか否かにより判定する。肯定的な判定がなされた場合には(ステップS103でYes)、ユーザ操作、すなわち検出信号に応じた表示画面を表示させるよう制御する(ステップS104)。
【0043】
ここでは、ステップS103にて制御部180はテンキー「1」の検出信号を受信したものとし、階層メニューを定義する情報を参照して、ステップS104にてファンクションメニュー画面を表示させる。
続いて、制御部180はユーザ入力に基づきサブメニュー表示指示があるか否かを判定する(ステップS105)。具体的には、制御部180はサブメニュー表示指示が割り当てられたキーが、ユーザにより押下されたか否かを検出することにより判定する。なお、サブメニュー画面は機能のショートカットキーの指定をユーザより受け付けるための画面であり、ユーザは機能のショートカットキーを指定するためには、サブメニュー画面を表示する操作を行う必要がある。
【0044】
否定的な判定がなされた場合には(ステップS105でNo)、ステップS103に移行する。肯定的な判定がなされた場合には(ステップS105でYes)、サブメニュー画面を表示させる(ステップS106)。
ここでは、制御部180はテンキー「0」の押下を検出するものとし(ステップS105でNo)、階層メニューを定義する情報を参照して、ステップS104にて音関連メニュー画面を表示させ、さらに、テンキー「0」の押下を検出するものとし(ステップS105でNo)、ステップS104にて着信音設定画面を表示させ、その後、サブメニュー表示指示が割り当てられたキーの押下を検出するものとする(ステップS105でYes)。
【0045】
サブメニュー画面を表示させると、ユーザ入力に基づき前記表示画面に係るショートカットキーのコピー指示があるか否かを判定する(ステップS107)。具体的には、ショートカットキーのコピー指示が割り当てられたキーが、ユーザにより押下されたか否かにより判定する。
肯定的な判定がなされた場合には(ステップS107でYes)、図3に示すテーブルを参照して、サブメニュー以外で現在表示されている画面に対応するショートカットキーをコピーし(ステップS108)、記憶部170に記憶する(ステップS109)。なお、コピーされるショートカットキーは今までに入力されたキーそれぞれを結合したものと等価となる。また、ショットカットーが一度でもコピーされると、最後にコピーされたものを以後ずっと保持しているものとする。
【0046】
ここでは、制御部180はショートカットキーのコピー指示が割り当てられたキーの押下を検出するものとし(ステップS107でYes)、着信音設定のショートカットキーを記憶する。具体的には、ショートカットキーとして「100」を記憶する。
<メール作成処理>
次に、メール作成処理の具体的な流れを、図10を用いて説明する。図10はメール作成処理を表すフローチャートである。まず、制御部180はユーザ入力に基づき、メール作成指示があるか否かを判定する(ステップS201)。具体的には、インデックスメニュー画面において、メニュー項目「メール」に対応するキーがユーザにより押下されたか否かにより判定する。
【0047】
肯定的な判定がなされた場合には(ステップS201でYes)、階層メニューを定義する情報を参照して、メール作成画面を表示させ(ステップS202)、ユーザ操作に基づきメールを作成する(ステップS203)。
次に、メール作成終了指示があるか否かを判定する(ステップS204)。具体的には、メール作成終了指示が割り当てられたキーが、ユーザにより押下されたか否かにより判定する。
【0048】
肯定的な判定がなされた場合には(ステップS204でYes)、メール作成処理を終了する。否定的な判定がなされた場合には(ステップS204でNo)、メール本文中にショートカットキーを貼り付ける指示があるか否かを判定する(ステップS205)。具体的には、ショートカットキー貼付指示が割り当てられたキーが、ユーザにより押下されたか否かにより判定する。
【0049】
否定的な判定がなされた場合には(ステップS205でNo)、ステップS203に移行する。肯定的な判定がなされた場合には(ステップS205でYes)、記録部170にショートカットキー指定処理にてコピーされたショートカットキーが記憶されているか否かを判定する(ステップS206)。否定的な判定がなされた場合には(ステップS206でNo)、ショートカットキーのコピーを先にする必要がある旨を表示させる。肯定的な判定がなされた場合には(ステップS206でYes)、記憶部170からショートカットキーを取得し、メールの本文中のユーザにより指定された箇所に貼り付ける。
【0050】
ここでは、記憶部170にショットカットキー「100」が記憶されているため、ステップS206における判定結果は肯定となり、ショットカットキー「100」をメールの本文中に貼り付ける。
制御部180はショートカットキーを貼り付けると、当該ショートカットに対応する文字列を記憶部170から取得し、表示させる(ステップS209)。
【0051】
ここでは、ショットカットキー「100」に対応する文字列「着信音設定画面」を表示させる。これにより、ユーザは相手に送信するショートカットキーに誤りがないかを簡単に判断することができる。
次に、作成中のメールに機種情報及び特殊メール表示情報が付加されているか否かを判定する(ステップS210)。まだ付加されていない場合には(ステップS210でNo)、機種情報及び特殊メール表示情報を付加する(ステップS211)。メール作成終了指示があるか否かを判定し(ステップS212)、否定的な判定がなされた場合には(ステップS212でNo)、ステップS203に移行し、肯定的な判定がなされた場合には(ステップS212でYes)、メール作成処理を終了する。
<移動体通信端末200の動作>
続いて、移動体通信端末200の処理の具体的な流れを図11〜12を用いて説明する。図11〜12は移動体通信端末200の全体的な流れを表すフローチャートである。ここでは、移動体通信端末100から機種情報「801XY」及びショートカットキー「100」を含むメールを受信するものとする。
【0052】
移動体通信端末200はメールを受信すると(ステップS401でYes)、メール受信処理を行う(ステップS402)。メール受信処理の詳細は<移動体通信端末200の構成>の受信処理部281に関する説明に示したとおりである。
さらに、受信処理部281は当該メールに特殊メール表示情報が含まれているか否かを予め記憶されている固有値に基づき判定する(ステップS403)。否定的な判定がなされた場合には(ステップS403でNo)、ユーザ操作に基づき受信メールに関する処理を実行する(ステップS404)。受信メールに関する処理とは、例えば返信メールの作成等、従来機と同様である。肯定的な判定がなされた場合には(ステップS403でYes)、判定部282はメールに含まれる機種情報と自端末の機種情報とが同一か否かを判定する(ステップS405)。
【0053】
ここでは、受信したメールに特殊メール表示情報が含まれるため、自端末と相手端末の機種情報とが同一か否かが判定される。
メールに含まれる機種情報と自端末の機種情報とが同一の場合には(ステップS405でYes)、表示制御部285に機種情報が同一である旨の通知を行い(ステップS406)、ステップS413に移行する。メールに含まれる機種情報と自端末の機種情報とが異なる場合には(ステップS405でNo)、判定部282はメールに含まれる機種情報に対応する対応テーブルがあるか否かを判定する(ステップS407)。肯定的な判定がなされた場合には(ステップS407でYes)、特定部283は自端末のショートカットキーを特定可能か否か判定する(ステップS409)。具体的には、対応テーブル中にメール本文に含まれるショートカットキーに対応する自端末のショートカットキーがあるか否か判定する。肯定的な判定がなされた場合には(ステップS409でYes)、特定部283は表示制御部285にショートカットキーを特定可能である旨の通知を行うとともに(ステップS410)、対応テーブルに基づき、メール本文に含まれるショートカットキーに対応する自端末のショートカットキーを特定し、受信メールに特定したショートカットキー及び文字列を対応付けて記憶部270に記憶する(ステップS411)。否定的な判定がなされた場合には(ステップS409でNo)、表示制御部285にショートカットキーを特定不能である旨の通知を行い(ステップS412)、ステップS413に移行する。
【0054】
ここでは、自端末の機種情報「801XY」とメールに含まれる機種情報「901AB」とは異なるため(ステップS405でNo)、ステップS407にて機種情報「901AB」に係る対応テーブルがあるか否かが判定される。機種情報「901AB」に係る対応テーブルは記憶部270に記憶されているため(ステップS407でYes)、ステップS409にて、メール本文に含まれるショートカットキー「100」に対応する自端末のショートカットキーが存在するか否かが判定される。ここでは、図5に示すように、メール本文に含まれるショートカットキー「100」に対応する自端末のショートカットキー「321」が存在するので、当該ショートカットキー「321」が特定され、文字列「RING ALERT」とともに受信メールに対応付けて記憶される。
【0055】
また、ステップS407にて否定的な判定がなされた場合には(ステップS407でNo)、更新部284は対応テーブルを更新する(ステップS408)。具体的には、更新部284は自端末の機種情報及びメールにて受信された機種情報を含む要求信号を生成して、通信部220に送出する。
対応テーブル更新サーバ500は、移動体通信端末200からの対応テーブル更新要求信号を受信すると、当該要求信号に含まれる両機種情報に基づき、自サーバで保持している対応テーブルのうち各機種情報のそれぞれをテーブル内に含む新たな対応テーブルを選択し、移動体通信端末200に送信する。対応テーブル更新サーバ500から新たな対応テーブルを受信すると、当該対応テーブルを記憶部270に記憶する。その後、ステップS409に移行する。
【0056】
通知を受け取ると、表示制御部285は当該通知に基づき表示制御を行う。具体的には、通知が、ショートカットキーを特定不能である旨を示す場合には(ステップS413でNo)、表示制御部285はエラーを示す表示画面を表示させる(ステップS415)。具体的には、メール本文中のショートカットキーに対応する自端末のショートカットキーを特定できない旨を表示させる。例えば、「自端末には該当する機能が存在しません」等である。
【0057】
通知が、移動体通信端末100と自端末の機種情報が同一、またはステップS408にて自端末のショートカットキーが特定されている旨を示す場合には(ステップS413でYes)、表示制御部285は受信メールを表示させる際、自端末のショートカットキーに対応する文字列に変換して表示させる(ステップS414)。
ここでは、自端末のショートカットキー「321」に対応する文字列「RING ALERT画面」を表示させる。
【0058】
次に、表示制御部285はユーザにより表示文字列が選択されたか否かを判定する(ステップS416)。具体的には、表示文字列がフォーカスされた状態で決定キーがユーザにより押下されたか否かにより判定する。肯定的な判定がなされた場合には(ステップS416でYes)、通知に基づき動作制御を行う(ステップS417)。具体的には、通知が、ショートカットキーを特定不能である旨を示す場合には(ステップS417でNo)、表示制御部285はショートカット機能が使えない旨を表示させ(ステップS418)、通知が、移動体通信端末100と自端末の機種情報が同一、またはステップS408にて自端末のショートカットキーが特定されている旨を示す場合には(ステップS417でYes)、ショートカットキーに従い該当する機能を呼び出す(ステップS419)。具体的には、制御表示部286はINDEXメニュー画面から前記ショートカットキーに対応する機能処理に係る表示画面までを順に切り替えて表示させる。
【0059】
ここでは、自端末のショートカットキー「321」が特定されているので、当該ショートカットキーに従い「RING ALERT画面」を呼び出す。具体的には、「INDEXメニュー画面」、「FUNCTIONメニュー画面」、「AUDIOメニュー画面」、「RING ALERT画面」を順に、例えば、0.5秒毎等の所定時間間隔で次々と切り替えて表示させる。
【0060】
このように、ユーザは受信メール表示画面における文字列を選択する操作を行うだけで、操作部250での操作入力によって実行可能な任意の処理を自動的に実行させることができる。
<具体例>
続いて、図13〜17を参照しながら、送信側及び受信側の端末の具体的な操作と操作に伴う表示画面の切替制御について説明する。ここで、移動体通信端末100は着信音設定に対応するショートカットキー「100」を移動体通信端末200に送信するものとする。まずは送信側について説明する。
【0061】
図13は移動体通信端末100のインデックスメニュー画面を示す図である。図14は移動体通信端末100の表示画面の遷移を示す図である。図14において、左上図はファンクションメニュー画面を示し、右上図は音関連メニュー画面を示し、左下図は着信音設定画面を示し、右下図はサブメニュー表示画面を示す。例えば、図13に示すようなインデックスメニュー画面、図14に示すようなファンクションメニュー画面、及び音関連メニュー画面では、複数のアイコンや項目が2次元的に配列される。各メニュー画面において、ユーザは操作部150を操作することにより所望のアイコンや項目を選択する。制御部180は選択を受け付けると、階層メニューを定義する情報を参照することにより、選択されたアイコンや項目に対応する下層の操作メニュー画面を表示させる。
【0062】
まず、移動体通信端末100の制御部180は、いわゆる待ち受け表示画面を表示させている状態で、操作部150のメニューキーの押下により出力される検出信号を受信すると、図13に示すように、インデックスメニュー画面を表示させる。次に、例えば、「ファンクション」のアイコンにフォーカスされ、決定キーが押下されると、制御部180は、図14左上図に示すように、ファンクションメニュー画面を表示部160に表示させる。ここで、「ファンクションのアイコンにフォーカスする」とは、「ファンクション」のアイコンにカーソル等が合わさっている状態をいい、そのアイコンは強調表示される。次に、例えば、「音関連設定」の項目にフォーカスされ、決定キーが押下されると、図14右上図に示すように、音関連設定メニュー画面を表示部160に表示させる。次に、例えば、「着信音設定」の項目にフォーカスされ、決定キーが押下されると、図14左下図に示すように、着信音設定画面を表示部160に表示させる。
【0063】
続いて、着信音設定画面において、「サブメニュー」の項目にフォーカスされ、決定キーが押下されると、図14右下図に示すように、制御部180はサブメニューを表示させ、さらに「機能コピー」の項目にフォーカスされ、決定キーが押下されると、図3に示すテーブルを参照して着信音設定に係るショートカットキーとして「100」を記憶部170に記憶する。
【0064】
図15はメール作成時における移動体通信端末100の表示画面の遷移を示す図である。図15において、上図はメール作成画面を示し、中図はサブメニュー表示画面を示し、下図はショートカットキー貼付後のメール作成画面を示す。ショートカットキー「100」が記憶された後、上図に示すように、メール作成画面においてサブメニューがユーザに選択されると、制御部180は中図に示すように、サブメニューを表示させる。さらに「機能貼り付け」の項目にフォーカスされ、決定キーが押下されると、下図に示すように、記憶されているショートカットキー「100」をメール本文中に貼り付ける。制御部180は、ショートカットキー「100」が貼り付けられると、当該ショートカットキーを当該ショートカットキーに対応する文字列である「着信音設定画面」に変換して表示させる。メール作成後、メール送信操作がなされると、作成したメールを移動体通信端末200に送信する。
【0065】
続いて受信側について説明する。図16は受信メール表示画面を示す図であり、図17は移動体通信端末200の表示画面の遷移を示す図である。図17において、左上図はINDEXメニュー画面を示し、右上図はFUNCTIONメニュー画面を示し、左下図はAUDIOメニュー画面を示し、右下図はRING ALERT画面を示す。
移動体通信端末200はメールを受信すると、図16に示すように、受信したメールの内容を表示する。その際、メール本文中のショートカットキー「100」は、当該ショートカットキーに対応する文字列である「RING ALERT画面」に変換して表示する。これにより、移動体通信端末200のユーザは、メールに含まれるショートカットキーに係る処理内容を簡単に理解することができる。
【0066】
次に、受信メール表示画面において、メール本文中の「RING ALERT画面」という文字列にフォーカスされ、決定キーが押下されると、文字列「RING ALERT画面」に対応するショートカットキー「321」に係る処理を実行する。具体的には、「RING ALERT画面」の項目にフォーカスされ、決定キーが押下されると、まず、INDEXメニューを表示させ、次に、FUNCTIONメニューを表示させ、次にAUDIOメニューを表示させ、RING ALERT画面を表示させる。ここで、各メニュー表示画面を表示する際、当該メニュー表示画面において、RING ALERT画面を表示させるために選択すべきメニュー項目を構成する文字列を太字で表示する等により強調表示させるとしてもよい。例えば、図17の左上図ではFUNCTIONが、右上図ではAUDIOが、左下図ではRING ALERTがそれぞれ強調表示されている。
【0067】
これにより、ユーザはRING ALERT画面を表示させるためには、どのメニュー表示画面でどのメニュー項目を選択すればよいのか学習することができる。
以上のように本実施の形態によれば、移動体通信端末200は自端末とは機種が異なる移動体通信端末100からショートカットキー「100」を取得したとしても、対応テーブルに基づき当該ショートカットキーに対応する自端末のショートカットキー「321」を特定することができる。
【0068】
また、移動体通信端末200は特定したショートカットキーを実行するに際し、実行受付画面を表示させることによりユーザに実行可否の判断の機会を与えるとともに、当該ショートカットキーに対応する文字列「RING ALERT画面」を表示させることにより当該ショートカットキーに係る処理内容を容易に理解させることができる。
また、移動体通信端末200はINDEXメニュー画面からRING ALERT画面までの各メニュー表示画面を順に続けて表示させるので、ユーザは自端末でRING ALERT機能を利用するためにどのような操作手順を踏めばよいかを学習することができる。
【0069】
さらに、移動体通信端末100がショートカットキーを貼り付けた送信メールを記憶しておくことで、当該移動体通信端末のユーザは記憶された送信メールから簡単にショートカットキーに係る機能を利用することができる。
<変形例>
以上、本発明に係る移動体通信端末について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限られないことは勿論である。
【0070】
上記実施の形態では、INDEXメニュー画面から前記ショートカットキーに対応する機能処理に係る表示画面までを順に切り替えて表示させる構成としたが、表示画面を順に切り替えて表示させるのではなく、直接、機能処理に係る表示画面を表示させてもよい。図17の例でいうと、「INDEXメニュー画面」、「FUNCTIONメニュー画面」、及び「AUDIOメニュー画面」を経ずに、直接、RING ALERT画面を表示させるとしてもよい。
【0071】
上記の実施形態では、ショートカットキーをメールに貼り付けて送信する構成としたが、他の通信方式によりショートカットキーを送信してもよい。例えば、赤外線通信やブルートゥース方式等の近距離無線通信で送信するとしてもよい。
上記の実施形態では、制御部180は、キー操作に基づき機能に係るショートカットキーを指定する構成としたが、音声やタッチパネルによる操作に基づきショートカットキーを指定する構成であってもよい。
【0072】
上記実施の形態では、強調表示とは、アンダーラインを付加することとしたが、文字列の色彩をメール本文中の他の文字列とは変化させて表示するとしてもよい。
上記実施の形態では、図5に示すように、対応テーブルは、自端末のショートカットキー、機種情報「901AB」の移動体通信端末におけるショートカットキー、及び表示文字列の各欄からなる構成としたが、テーブル構成は複数に分割されていてもよい。
【0073】
上記実施の形態では、送信側のユーザは自端末で所定機能(例えば、着信音設定)に係る画面を表示させる操作を行った後、当該機能に係るショートカットキーをコピーする構成であったが、機能リストを表示させ、その中から所定機能を選択することにより、当該機能に係るショートカットキーをコピーするとしてもよい。
上記実施の形態では、移動体通信端末100は一つのショートカットキーをメールに貼付して送信する構成としたが、複数のショートカットキーをメールに貼付する構成としてもよく、その場合には、当該メールを受信する移動体受信端末200は例えば、フォーカス位置等からどのショートカットキーに対応した操作かを判別するようにし、該当するショートカットキーに係る処理を実行するとしてもよい。
【0074】
上記実施の形態では、識別情報をショートカットキーとしたが、コマンドとしてもよく、機能を識別できるものであればよい。
上記移動体通信端末100はメール本文中に取得したショートカットキーを貼り付ける、つまり含ませるとともに、メール中に特殊メール表示情報及び機種情報を付加することにより送信すべきメールを作成する構成としたが、さらに、貼り付けたショートカットキーに対応する文字列をメールに含ませるとしてもよい。これにより、そのメールを受信した移動体通信端末200は移動体通信端末100のショートカットキーに対応する文字列を当該ショートカットキーに対応する自端末の文字列に併せて表示することができる。したがって、各々の端末で表示される文字列が異なることにより、各端末のユーザ同士が上手く意思疎通を図れないといった状況を回避することができる。
【0075】
上記移動体通信端末200はさらに、受信メールのリストを表示させるとしてもよく、その際、機種情報及びショートカットキーを含むメールである場合には、機種情報及びショートカットキーを含むメールであることを示す識別マークを付けて表示するとしてもよい。また、機種情報及びショートカットキーを含むメールのみをリスト表示し、所定メールの選択をユーザから受け付ける構成としてもよい。
【0076】
上記移動体通信端末200はさらに、ユーザ操作に基づき、機種情報及びショートカットキーを含むメールを他の移動体通信端末に転送するとしてもよい。その際、受信したメールをそのまま転送してもよいし、メール本文中に含まれるショートカットキー及び機種情報を自端末のショートカットキー及び機種情報に変換したメールを転送するとしてもよい。
【0077】
上述したプログラムは、ハードディスク装置、FD(Flexible Disc)、MO(Magneto Optical-Disc)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc)、フラッシュメモリなどに代表される各種記録媒体に記録されていてよい。
さらに、上記コンピュータプログラムを、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して移動体通信端末に伝送するものとしてもよい。
【0078】
上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
また、本発明にかかる移動体通信端末は、その範囲を逸脱することなく本発明の趣旨に沿って様々な変形または修正が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の移動体通信端末は、受信メールに含まれるコマンドに基づき処理を行う移動体通信端末として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に係る通信システムの構成を示す概略図である。
【図2】移動体通信機100の構成を示すブロック図である。
【図3】ショートカットキーと文字列とを対応付けたテーブルを示す図である。
【図4】移動体通信機200の構成を示すブロック図である。
【図5】対応テーブルを示す図である。
【図6】移動体通信端末100の階層メニュー構造を示す図である。
【図7】移動体通信端末200の階層メニュー構造を示す図である。
【図8】移動体通信端末100の全体的な流れを表すフローチャートである。
【図9】ショートカットキー指定処理を表すフローチャートである。
【図10】メール作成処理を表すフローチャートである。
【図11】移動体通信端末200の全体的な流れを表すフローチャートである。
【図12】移動体通信端末200の全体的な流れを表すフローチャートである。
【図13】移動体通信端末100のインデックスメニュー画面を示す図である。
【図14】移動体通信端末100の表示画面の遷移を示す図である。
【図15】メール作成時における移動体通信端末100の表示画面の遷移を示す図である。
【図16】受信メール表示画面を示す図である。
【図17】移動体通信端末200の表示画面の遷移を示す図である。
【符号の説明】
【0081】
100、200 移動体通信端末
300、400 基地局
500 対応テーブル更新サーバ
600 ネットワーク
110、210 アンテナ
120、220 通信部
130、230 マイクロフォン
140、240 スピーカ
150、250 操作部
160、260 表示部
170、270 記憶部
180、280 制御部
281 受信処理部
282 判定部
283 特定部
284 更新部
285 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の移動体通信端末から、当該他の移動体通信端末の機種を示す機種情報と当該他の移動体通信端末において実行可能な複数の機能処理から一の機能処理を識別する第一識別情報とを取得する取得手段と、
機種毎の機能処理の識別情報を、自端末において実行可能な複数の機能処理から一の機能処理を識別する第二識別情報と対応付けた対応情報を記憶している対応情報記憶手段と、
前記他の移動体通信端末の機種情報と前記対応情報とに基づいて、前記第一識別情報に対応する第二識別情報を特定する特定手段と、
特定された第二識別情報に応じた、機能処理に関する所定処理を行う制御手段と、
を備える移動体通信端末。
【請求項2】
前記所定処理は前記特定された第二識別情報に対応する機能処理の実行指示を受け付ける受付画面を表示する処理であり、前記制御手段はさらに、当該受付画面に対応するユーザによる実行指示を受け付けると当該機能処理を実行する
請求項1記載の移動体通信端末。
【請求項3】
前記移動体通信端末は、さらに、
前記他の移動体通信端末からメールを受信し、受信したメールが、当該メールに前記機種情報と前記第一識別情報とが含まれている旨を示す特殊メール表示情報を、含んでいるか否かを判定する受信処理手段と、
前記第二識別情報と当該第二識別情報に対応する機能処理を示す文字列とを対応付けて予め記憶している記憶手段と、を備え、
前記取得手段は、前記受信処理手段による判定結果が肯定的な場合、前記メール中から機種情報を前記メールの本文中から前記第一識別情報を取得し、
前記受付画面は受信されたメールの内容を表示する画面であり、
前記制御手段は前記画面を表示するにあたり、前記メールの本文中に含まれる前記第一識別情報を前記特定された第二識別情報に対応する文字列に変換して変換後の文字列を他の文字列と区別して表示する
請求項2記載の移動体通信端末。
【請求項4】
前記移動体通信端末は、階層メニュー構造を有し、各機能処理は階層化されたメニューにより分類されており、階層化された複数のメニュー表示画面は各々複数のメニュー項目を有し、
前記制御手段は各メニュー項目に対応するメニュー表示画面を切り替えて表示させ、前記特定された第二識別情報に対応する機能処理の実行指示を受け付けると、前記階層メニュー構造において最上位メニュー表示画面から前記機能処理に係る画面までの経路上に存在する各メニュー表示画面を順に表示させる
請求項3記載の移動体通信端末。
【請求項5】
前記取得手段により取得された機種情報が前記対応情報に存在するか否かを判定し、
前記判定が否定的な場合に、機種毎の機能処理の識別情報をそれぞれ対応付けた対応情報を保持する外部装置から、予め記憶されている自端末の機種情報に対応する新たな対応情報を取得し、取得した対応情報を前記対応情報記憶手段に記憶した後、前記特定を行う
請求項1記載の移動体通信端末。
【請求項6】
自端末の機種を示す機種情報を予め記憶している機種情報記憶手段と、
ユーザ操作に基づき、自端末において実行可能な複数の機能処理から一の機能処理を識別する識別情報を指定する指定手段と、
記憶されている機種情報と指定された識別情報とを他の移動体通信端末に送信する送信手段と
を備える移動体通信端末。
【請求項7】
前記移動体通信端末は、さらに、
メールの本文中に前記指定された識別情報を含ませるとともに、前記機種情報と前記識別情報とがメールに含まれている旨を示す特殊メール表示情報と前記機種情報とを前記メールに付加することにより前記他の移動体通信端末に送信すべきメールを作成するメール作成手段と、
前記識別情報と当該識別情報に対応する機能処理を示す文字列とを対応付けて予め記憶している記憶手段と、
前記メール本文中の前記識別情報を当該識別情報に対応する文字列に変換してメール作成画面を表示させる表示制御手段と、を備え、
前記送信手段は、作成されたメールを送信することにより、前記機種情報と前記識別情報との前記送信を行う
請求項6記載の移動体通信端末。
【請求項8】
前記移動体通信端末は、階層メニュー構造を有し、各機能処理は階層化されたメニューにより分類されており、階層化された複数のメニュー表示画面は各々複数のメニュー項目を有し、
前記表示制御手段は、ユーザ操作に基づき、各メニュー項目に対応するメニュー表示画面、あるいは機能処理に係る画面を切り替えて表示させるメニュー切換表示手段を含み、
前記指定手段により指定される識別情報は、ユーザから所定操作を受け付けたときに表示されている画面に対応する識別情報である
請求項7記載の移動体通信端末。
【請求項9】
第一移動体通信端末と第二移動体通信端末とを含む移動体通信システムであって、
前記第一移動体通信端末は、
自端末の機種を示す機種情報を予め記憶している機種情報記憶手段と、
ユーザ操作に基づき、自端末において実行可能な複数の機能処理から一の機能処理を識別する第一識別情報を指定する指定手段と、
記憶されている機種情報と指定された第一識別情報とを第二移動体通信端末に送信する送信手段と、を備え、
前記第二移動体通信端末は、
前記第一移動体通信端末から、前記機種情報と前記第一識別情報とを受信する受信手段と、
機種毎の機能処理の識別情報を、自端末において実行可能な複数の機能処理から一の機能処理を識別する第二識別情報と対応付けた対応情報を記憶している対応情報記憶手段と、
前記第一移動体通信端末の機種情報と前記対応情報とに基づいて、前記第一識別情報に対応する第二識別情報を特定する特定手段と、
特定された第二識別情報に応じた、機能処理に関する所定処理を行う制御手段と、
を備える移動体通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−124477(P2009−124477A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−296744(P2007−296744)
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】