説明

移動局装置、通信システム、通信方法および集積回路

【課題】複数の移動局装置と基地局装置から構成される通信システムにおいて、伝搬路の測定用の参照信号の送信を制御し、基地局装置が移動局装置に対するチャネル品質の測定を柔軟に効率良く行うことを可能にする。
【解決手段】サウンディング参照信号の送信指示と第一の情報を含む上りリンクグラントの検出処理を行う受信処理部と、前記受信処理部においてサウンディング参照信号の送信指示を含む上りリンクグラントが検出された場合、サウンディング参照信号を送信するサブフレームとしてセル固有のサブフレーム、またはセル固有のサブフレームの中で予め基地局装置より構成されたサブフレームである移動局装置固有のサブフレームを前記第一の情報に基づいて設定する制御部と、前記制御部において設定されたサブフレームでサウンディング参照信号を送信する送信処理部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の移動局装置と基地局装置から構成される通信システムにおいて、伝搬路の測定用の参照信号の送信を制御し、基地局装置が移動局装置に対するチャネル品質の測定を適切に行うことができる移動局装置、通信システム、通信方法および集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラー移動通信の無線アクセス方式および無線ネットワークの進化(以下、「Long Term Evolution (LTE)」、または、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access (EUTRA)」と呼称する。)が、第三世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project: 3GPP)において仕様化されている。LTEでは、基地局装置から移動局装置への無線通信(下りリンク; DLと呼称する。)の通信方式として、マルチキャリア送信である直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing: OFDM)方式が用いられる。また、LTEでは、移動局装置から基地局装置への無線通信(上りリンク; ULと呼称する。)の通信方式として、シングルキャリア送信であるSC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)方式が用いられる。LTEでは、SC−FDMA方式としてDFT−Spread OFDM(Discrete Fourier Transform-Spread OFDM)方式が用いられる。
【0003】
3GPPでは、LTEより効率的な通信を実現する無線アクセス方式および無線ネットワーク(以下、「Long Term Evolution-Advanced (LTE-A)」、または、「Advanced Evolved Universal Terrestrial Radio Access (A-EUTRA)」と呼称する。)が検討されている。LTE−Aでは、LTEとの後方互換性を実現することが求められている。LTE−Aに対応した基地局装置が、LTE−Aに対応した移動局装置およびLTEに対応した移動局装置の両方の移動局装置と同時に通信を行うこと、およびLTE−Aに対応した移動局装置が、LTE−Aに対応した基地局装置およびLTEに対応した基地局装置と通信を行うことを実現することがLTE−Aに対して要求される。その要求を実現するためにLTE−AではLTEと同一のチャネル構造を少なくともサポートすることが検討されている。チャネルとは、信号の送信に用いられる媒体を意味し、チャネルの種類としては、下りリンクのデータおよび制御情報の送受信に用いられる物理下りリンク共用チャネル(Physical Downlink Shared CHannel: PDSCH)、下りリンクの制御情報の送受信に用いられる物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control CHannel: PDCCH)、上りリンクのデータおよび制御情報の送受信に用いられる物理上りリンク共用チャネル(Physical Uplink Shared CHannel: PUSCH)、上りリンクの制御情報の送受信に用いられる物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control CHannel: PUCCH)、下りリンクの同期確立のために用いられる同期チャネル(Synchronization CHannel: SCH)、上りリンクの同期確立のために用いられる物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access CHannel: PRACH)、下りリンクのシステム情報の送信に用いられる物理報知チャネル(Physical Broadcast CHannel: PBCH)等がある。移動局装置、または基地局装置は、制御情報、データなどから生成した信号を各チャネルに配置して、送信する。
【0004】
LTE−Aでは、基地局装置からPDCCHで送信指示が通知された時だけ送信するサウンディング参照信号(非周期サウンディング参照信号; A-SRS: Aperiodic Sounding Reference Signal)が提案されている。A−SRSは、基地局装置が移動局装置に対して伝搬路の測定を行うために用いられ、測定された結果は周波数スケジューリング、適応変調などに用いられる。A−SRSの送信指示に関する情報(A-SRS activation / deactivation)が下りリンク制御情報(DCI: Downlink Control Information)に含められる。移動局装置は、検出した下りリンク制御情報に含められたA−SRSの送信指示に関する情報に基づき、基地局装置がA−SRSの送信を指示しているか否かを判断し、動的(ダイナミック)にA−SRSの送信の制御を行う。ここで、動的な制御とはサブフレーム毎の制御を意味する。
【0005】
LTE−Aでは、移動局装置がA−SRSの送信指示を検出した場合、予め基地局装置より設定されたパラメータのセットを用いてA−SRSを送信する方法と、下りリンク制御情報で示されるパラメータのセットを用いてA−SRSを送信する方法を切り替えて用いることが検討されている(非特許文献1)。何れの方法を用いるかを示す情報が、A−SRSの送信指示に関する情報を含む下りリンク制御情報に含まれる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP TSG RAN1 #62bis、Xian、China、11-15、October、2010、R1-105787“Way Forward on Aperiodic SRS”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
基地局装置は、各移動局装置に対して用いられるリソースが衝突しないようにA−SRSのリソースを各移動局装置に対して設定する必要がある。一方、基地局装置は必要な場合に出来る限り早くA−SRSを移動局装置に送信させ、受信したA−SRSより測定した伝搬路推定値、チャネル品質を用いて適した周波数スケジューリング、適応変調を実行し、低遅延で通信を開始することが望ましい。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の移動局装置と基地局装置から構成される通信システムにおいて、伝搬路の測定用の参照信号の送信を制御し、基地局装置が移動局装置に対するチャネル品質の測定を適切に行うことができる移動局装置、通信システム、通信方法および集積回路に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の移動局装置は、基地局装置と通信する移動局装置であって、サウンディング参照信号の送信指示と第一の情報を含む上りリンクグラントの検出処理を行う受信処理部と、前記受信処理部においてサウンディング参照信号の送信指示を含む上りリンクグラントが検出された場合、サウンディング参照信号を送信するサブフレームとしてセル固有のサブフレーム、またはセル固有のサブフレームの中で予め基地局装置より構成されたサブフレームである移動局装置固有のサブフレームを前記第一の情報に基づいて設定する制御部と、前記制御部において設定されたサブフレームでサウンディング参照信号を送信する送信処理部と、を有することを特徴とする。
【0010】
このように、A−SRSの送信指示を示す情報と共に上りリンク含まれる第一の情報に基づいて、A−SRSを送信する上りリンクサブフレームとしてCell specific SRS subframe、またはUE specific SRS subframeを設定することにより、基地局装置は上りリンクサブフレーム毎に動的に、柔軟にA−SRSの送信を移動局装置に対して制御することができ、上りリンクのチャネル品質を効率良く測定することができる。
【0011】
(2)また、本発明の移動局装置において、前記セル固有のサブフレームは、移動局装置固有ではないサブフレームも含むことを特徴とする。
【0012】
このように、Cell specific SRS subframeは、UE specificSRS subframe、またはUE specific SRS subframeではない上りリンクサブフレームを含むことにより、基地局装置はCell specific SRS subframeに対して、柔軟にA−SRSの送信を移動局装置に対して制御することができ、上りリンクのチャネル品質を効率良く測定することができる。
【0013】
(3)また、本発明の移動局装置において、前記制御部は、サウンディング参照信号を送信するサブフレームとして、上りリンクグラントが検出されたサブフレームから所定数のサブフレーム以降のサブフレームを設定することを特徴とする。
【0014】
このように、A−SRSの送信指示を示す情報を含む上りリンクグラントが検出されたタイミングから4個の上りリンクサブフレーム以降の上りリンクサブフレームをA−SRSの送信に用いる上りリンクサブフレームに設定することにより、上りリンクグラントの検出処理、SRSの送信設定などに係る処理遅延を考慮して、適切にA−SRSを移動局装置に送信させることができる。
【0015】
(4)また、本発明の移動局装置において、前記第一の情報は、サウンディング参照信号に用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくか否かを示す情報であり、前記制御部は、前記第一の情報がサウンディング参照信号に用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示した場合、サウンディング参照信号を送信するサブフレームとしてセル固有のサブフレームを設定し、前記第一の情報がサウンディング参照信号に用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示さなかった場合、サウンディング参照信号を送信するサブフレームとして移動局装置固有のサブフレームを設定することを特徴とする。
【0016】
このように、A−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくか否かを示す情報に基づいてA−SRSを送信する上りリンクサブフレームを設定し、A−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示された場合、A−SRSを送信する上りリンクサブフレームとしてCell specific SRS subframeを設定し、A−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示されなかった場合、A−SRSを送信する上りリンクサブフレームとしてUE specific SRS subframeを設定することにより、基地局装置は柔軟にA−SRSの送信を移動局装置に対して制御することができ、上りリンクのチャネル品質を効率良く測定することができる。
【0017】
(5)また、本発明の移動局装置において、前記送信処理部は、前記第一の情報がサウンディング参照信号に用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示した場合、サウンディング参照信号の送信指示を含む上りリンクグラントで示されるパラメータに基づきサウンディング参照信号を送信し、前記第一の情報がサウンディング参照信号に用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示さなかった場合、予め基地局装置より構成されたパラメータに基づきサウンディング参照信号を送信することを特徴とする。
【0018】
このように、A−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示した場合、Cell specific SRS subframeで上りリンクグラントで示されるパラメータに基づくリソースでA−SRSを送信し、A−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示さなかった場合、UE specific SRS subframeで予め基地局装置より構成されたパラメータに基づくリソースでA−SRSを送信することにより、基地局装置は管理するセル内において各移動局装置に対するスケジューリングの結果、SRSに用いるリソースに余裕が生じた場合は、リソースの利用状況に合わせて広い周波数帯域のチャネル品質を高速に測定することができる。
【0019】
(6)また、本発明の通信システムは、複数の移動局装置および前記複数の移動局装置と通信を行う基地局装置から構成される通信システムであって、前記基地局装置は、前記移動局装置に対して信号を送信する送信部と、前記移動局装置から信号を受信する受信部と、前記受信部で受信されたサウンディング参照信号からチャネル品質を測定する上りリンクチャネル品質測定部と、を有し、前記移動局装置は、サウンディング参照信号の送信指示と第一の情報を含む上りリンクグラントの検出処理を行う受信処理部と、前記受信処理部においてサウンディング参照信号の送信指示を含む上りリンクグラントが検出された場合、サウンディング参照信号を送信するサブフレームとしてセル固有のサブフレーム、またはセル固有のサブフレームの中で予め基地局装置より構成されたサブフレームである移動局装置固有のサブフレームを前記第一の情報に基づいて設定する制御部と、前記制御部において設定されたサブフレームでサウンディング参照信号を送信する送信処理部と、を有することを特徴とする。
【0020】
このように、A−SRSの送信指示を示す情報と共に上りリンク含まれる第一の情報に基づいて、A−SRSを送信する上りリンクサブフレームとしてCell specific SRS subframe、またはUE specific SRS subframeを設定することにより、基地局装置は上りリンクサブフレーム毎に動的に、柔軟にA−SRSの送信を移動局装置に対して制御することができ、上りリンクのチャネル品質を効率良く測定することができる。
【0021】
(7)また、本発明の通信方法は、基地局装置と通信する移動局装置に用いられる通信方法であって、サウンディング参照信号の送信指示と第一の情報を含む上りリンクグラントの検出処理を行うステップと、サウンディング参照信号の送信指示を含む上りリンクグラントが検出された場合、サウンディング参照信号を送信するサブフレームとしてセル固有のサブフレーム、またはセル固有のサブフレームの中で予め基地局装置より構成されたサブフレームである移動局装置固有のサブフレームを前記第一の情報に基づいて設定するステップと、設定されたサブフレームでサウンディング参照信号を送信するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0022】
このように、A−SRSの送信指示を示す情報と共に上りリンク含まれる第一の情報に基づいて、A−SRSを送信する上りリンクサブフレームとしてCell specific SRS subframe、またはUE specific SRS subframeを設定することにより、基地局装置は上りリンクサブフレーム毎に動的に、柔軟にA−SRSの送信を移動局装置に対して制御することができ、上りリンクのチャネル品質を効率良く測定することができる。
【0023】
(8)また、本発明の集積回路は、移動局装置に実装されることにより、前記移動局装置に複数の機能を発揮させる集積回路であって、基地局装置と通信する機能と、サウンディング参照信号の送信指示と第一の情報を含む上りリンクグラントの検出処理を行う機能と、サウンディング参照信号の送信指示を含む上りリンクグラントが検出された場合、サウンディング参照信号を送信するサブフレームとしてセル固有のサブフレーム、またはセル固有のサブフレームの中で予め基地局装置より構成されたサブフレームである移動局装置固有のサブフレームを前記第一の情報に基づいて設定する機能と、設定されたサブフレームでサウンディング参照信号を送信する機能と、を含む一連の機能を、前記移動局装置に発揮させることを特徴とする。
【0024】
このように、A−SRSの送信指示を示す情報と共に上りリンク含まれる第一の情報に基づいて、A−SRSを送信する上りリンクサブフレームとしてCell specific SRS subframe、またはUE specific SRS subframeを設定することにより、基地局装置は上りリンクサブフレーム毎に動的に、柔軟にA−SRSの送信を移動局装置に対して制御することができ、上りリンクのチャネル品質を効率良く測定することができる。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、伝搬路の測定用の参照信号の送信を制御し、基地局装置が移動局装置に対するチャネル品質の測定を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態に係る基地局装置3の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る基地局装置3の送信処理部107の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る基地局装置3の受信処理部101の構成を示す概略ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る移動局装置5の構成を示す概略ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る移動局装置5の受信処理部401の構成を示す概略ブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係る移動局装置5の送信処理部407の構成を示す概略ブロック図である。
【図7】本発明の実施形態に係る移動局装置5のA−SRSの送信例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る移動局装置5の制御部405のA−SRSを送信する上りリンクサブフレームの設定に関する処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係る通信システムの全体像についての概略を説明する図である。
【図10】本発明の実施形態に係る基地局装置3から移動局装置5への下りリンクの無線フレームの概略構成を示す図である。
【図11】本発明の実施形態におけるDCI format 0Aの情報フィールドの一例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る移動局装置5から基地局装置3への上りリンクの無線フレームの概略構成を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係るSRSの周波数帯域幅と周波数位置の構成例を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係るCell specific SRS subframeとUE specific SRS subframeの構成例を示す図である。
【図15】本発明の実施形態に係る移動局装置5のUE specific SRS subframeに予め構成されるA−SRSの候補リソースの構成例を示す図である。
【図16】本発明の実施形態に係る移動局装置5のUE specific SRS subframeに予め構成されるA−SRSの候補リソースの構成例を示す図である。
【図17】本発明の実施形態に係る移動局装置5のUE specific SRS subframeに予め構成されるA−SRSの候補リソースの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。まず、図9〜図17を用いて、本実施形態に係る通信システムの全体像、および無線フレームの構成などについて説明する。次に、図1〜図6を用いて、本実施形態に係る通信システムの構成について説明する。次に、図7〜図8を用いて、本実施形態に係る通信システムの動作処理について説明する。
【0028】
<通信システムの全体像>
図9は、本発明の実施形態に係る通信システムの全体像についての概略を説明する図である。この図が示す通信システム1は、基地局装置(eNodeB、NodeBとも呼称する。)3と、複数の移動局装置(UE: User Equipmentとも呼称する。)5A、5B、5Cとが通信を行う。以下、本実施形態において、移動局装置5A、5B、5Cを移動局装置5と呼び、説明を行う。また、基地局装置3が管轄するエリアのことをセル(Cell)と呼ぶ。また、この図は、基地局装置3から移動局装置5への通信方向である下りリンク(DL: Downlinkとも呼称する。)が、下りリンクパイロットチャネル、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH: Physical Downlink Control CHannelとも呼称する。)、および物理下りリンク共用チャネル(PDSCH: Physical Downlink Shared CHannelとも呼称する。)を含んで構成されることを示す。また、この図は、移動局装置5から基地局装置3への通信方向である上りリンク(UL: Uplinkとも呼称する。)が、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH: PhysicalUplink Shared CHannelとも呼称する。)、上りリンクパイロットチャネル、および物理上りリンク制御チャネル(PUCCH: Physical Uplink Control CHannelとも呼称する。)を含んで構成されることを示す。
【0029】
チャネルとは、信号の送信に用いられる媒体を意味する。PDSCHは、下りリンクのデータおよび制御情報の送受信に用いられるチャネルである。PDCCHは、下りリンクの制御情報の送受信に用いられるチャネルである。PUSCHは、上りリンクのデータおよび制御情報の送受信に用いられるチャネルである。PUCCHは、上りリンクの制御情報(上りリンク制御情報; Uplink Control Information: UCI)の送受信に用いられるチャネルである。UCIの種類としては、PDSCHの下りリンクのデータに対する肯定応答(Acknowledgement: ACK)、または否定応答(Negative Acknowledgement: NACK)を示す受信確認応答(ACK/NACK)と、リソースの割り当てを要求するか否かを示すスケジューリング要求(Scheduling request: SR)等が存在する。なお、PUSCHは、UCIの送受信にも用いられる。その他のチャネルの種類としては、下りリンクの同期確立のために用いられる同期チャネル(Synchronization CHannel: SCH)、上りリンクの同期確立のために用いられる物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access CHannel: PRACH)、下りリンクのシステム情報の送信に用いられる物理報知チャネル(Physical Broadcast CHannel: PBCH)等が用いられる。また、PDSCHは下りリンクのシステム情報の送信にも用いられる。
【0030】
上りリンクパイロットチャネルに用いられる参照信号は、上りリンク参照信号(UpLink Reference Signal: UL RS)と呼称する。UL RSは、サウンディング参照信号(Sounding Reference Signal: SRS)と復調参照信号(DeModulation Reference Signal: DM RS)の2種類が用いられる。SRSは、基地局装置3が移動局装置5に対して伝搬路の変動を推定し、推定した結果をPUSCHに対する周波数スケジューリング、適応変調に用いるために使われる。DM RSは、基地局装置3が移動局装置5から受信したPUSCH、PUCCHの復調に用いるために使われる。SRSは、予め基地局装置より設定されたサブフレームで周期的に参照信号を送信する周期サウンディング参照信号(Periodic SRS: P-SRS)、PDCCHで送信指示が通知されたタイミングに基づくサブフレームで非周期的に参照信号を送信する非周期サウンディング参照信号(Aperiodic SRS: A-SRS)の2種類が用いられる。本願はA−SRSに関する内容であり、説明の簡略化のため、本実施形態ではDM RS、P−SRSに関する説明を適宜省略する。
【0031】
<下りリンク無線フレームの構成>
図10は、本発明の実施形態に係る基地局装置3から移動局装置5への下りリンクの無線フレーム(下りリンク無線フレームと呼称する。)の概略構成を示す図である。この図において、横軸は時間領域、縦軸は周波数領域を表している。下りリンク無線フレームは、リソースの割り当てなどの単位であり、下りリンクの予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなるリソースブロック(RB)(物理リソースブロック; PRB: Physical Resource Blockとも呼称する。)のペア(物理リソースブロックペア; PRB pairと呼称する。)から構成される。1個の下りリンクの物理リソースブロックペア(下りリンク物理リソースブロックペアと呼称する。)は、下りリンクの時間領域で連続する2個の物理リソースブロック(下りリンク物理リソースブロックと呼称する。)から構成される。
【0032】
また、この図において、1個の下りリンク物理リソースブロックは、下りリンクの周波数領域において12個のサブキャリア(下りリンクサブキャリアと呼称する。)から構成され、時間領域において7個のOFDM(直交周波数分割多重; Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルから構成される。下りリンクのシステム帯域(下りリンクシステム帯域と呼称する。)は、基地局装置3の下りリンクの通信帯域である。下りリンクシステム帯域では、下りリンクのシステム帯域幅(下りリンクシステム帯域幅と呼称する。)に応じて複数の下りリンク物理リソースブロックが配置される。例えば、20MHzの周波数帯域幅の下りリンクシステム帯域は、100個の下りリンク物理リソースブロックから構成される。
【0033】
また、この図が示す時間領域においては、7個のOFDMシンボルから構成されるスロット(下りリンクスロットと呼称する。)、2個の下りリンクスロットから構成されるサブフレーム(下りリンクサブフレームと呼称する。)、10個の下りリンクサブフレームから構成される下りリンク無線フレームがある。なお、1個の下りリンクサブキャリアと1個のOFDMシンボルから構成されるユニットをリソースエレメント(RE)(下りリンクリソースエレメント)と呼称する。各下りリンクサブフレームには少なくとも、情報データ(トランスポートブロック; Transport Blockとも呼称する。)の送信に用いられるPDSCH、制御情報の送信に用いられるPDCCHが配置される。この図においては、PDCCHは下りリンクサブフレームの1番目から3番目までのOFDMシンボルから構成され、PDSCHは下りリンクサブフレームの4番目から14番目までのOFDMシンボルから構成される。なお、PDCCHを構成するOFDMシンボルの数と、PDSCHを構成するOFDMシンボルの数は、下りリンクサブフレーム毎に変更されてもよい。
【0034】
この図において図示は省略するが、下りリンクの参照信号(Reference signal: RS)(下りリンク参照信号と呼称する。Cell specific RS、DL RSとも呼称する。)の送信に用いられる下りリンクパイロットチャネルが複数の下りリンクリソースエレメントに分散して配置される。ここで、下りリンク参照信号は、PDSCHおよびPDCCHの伝搬路変動の推定に用いられる、通信システム1において既知の信号である。なお、下りリンク参照信号を構成する下りリンクリソースエレメントの数は、基地局装置3において移動局装置5への通信に用いられる送信アンテナの数に依存する。
【0035】
PDCCHは、PDSCHに対する下りリンク物理リソースブロックの割り当てを示す情報、PUSCHに対する上りリンク物理リソースブロックの割り当てを示す情報、移動局識別子(Radio Network Temporary Identifier: RNTIと呼称する。)、変調方式を示す情報、符号化率を示す情報、再送パラメータを示す情報、マルチアンテナ関連情報、送信電力制御コマンド(TPC command)、A−SRSの送信指示を示す情報、A−SRSに用いられるパラメータがPDCCH(上りリンクグラント)で示される情報に基づくか否かを示す情報(第一の情報)、A−SRSに用いられるパラメータを示す情報などの制御情報から生成された信号が配置される。PDCCHに含まれる制御情報を下りリンク制御情報(Downlink Control Information: DCI)と呼称する。PDSCHに対する下りリンク物理リソースブロックの割り当てを示す情報を含むDCIは下りリンクアサインメント(Downlink assignment: DL assignment、またDownlink grantとも呼称する。)と呼称し、PUSCHに対する上りリンク物理リソースブロックの割り当てを示す情報を含むDCIは上りリンクグラント(Uplink grant: UL grantと呼称する。)と呼称する。なお、下りリンクアサインメントは、PUCCHに対する送信電力制御コマンドを含む。なお、上りリンクアサインメントは、PUSCHに対する送信電力制御コマンドを含む。なお、上りリンクグラントに含まれる可能性のあるA−SRSに用いられるパラメータを示す情報は、A−SRSのリソースの周波数帯域幅、周波数位置などのパラメータを示し、A−SRSのリソースの時間的タイミングのパラメータ(上りリンクサブフレーム)を明確に示す情報ではない。
【0036】
DCIは、複数種類の情報フォーマット(DCI format)が用いられる。異なるDCI formatは、異なる情報の組み合わせから構成され、異なるビット数により構成される場合もある。例えば、シングルアンテナ送信のPUSCHに対するリソースの割り当てを示す情報を含むDCI formatと、マルチアンテナ送信のPUSCHに対するリソースの割り当てを示す情報を含むDCI formatは、異なる種類のDCI formatが用いられる。シングルアンテナ送信のPUSCHに対するリソースの割り当てを示す情報を含むDCI formatは、DCI format 0と呼称する。DCI format 0は、上りリンク物理リソースブロックの割り当てを示す情報、変調方式を示す情報、符号化率を示す情報、再送パラメータを示す情報、送信電力制御コマンドなどから構成される。移動局装置5は、A−SRSの送信指示を示す情報をDCI formatに含めるか否かが基地局装置3から通知される。A−SRSの送信指示を示す情報を含む、シングルアンテナ送信のPUSCHに対するリソースの割り当てを示す情報を含むDCI formatは、DCI format 0Aと呼称する。
【0037】
図11は、本発明の実施形態におけるDCI format 0Aの情報フィールドの一例を示す図である。DCI format 0Aは、上りリンク物理リソースブロックの割り当てを示す情報、変調方式を示す情報、符号化率を示す情報、再送パラメータを示す情報、送信電力制御コマンド、A−SRSの送信指示を示す情報、A−SRSに用いられるパラメータがPDCCHで示される情報に基づくか否かを示す情報、A−SRSのパラメータを示す情報などから構成される。図11において各情報フィールドが示す情報について説明する。A−SRS activation/deactivationの情報フィールドでは、A−SRSの送信指示を示す情報が示される。A−SRS dynamic parameter indicator or Resource block assingmentの情報フィールドでは、A−SRSに用いられるパラメータがPDCCHで示される情報に基づくか否かを示す情報(A−SRS dynamic parameter indicator)(第一の情報)、または上りリンク物理リソースブロックの割り当てを示す情報(Resource block assingment)が示される。A−SRS frequency position or Modulation and coding scheme and redundancy versionの情報フィールドでは、A−SRSのパラメータ(周波数位置)を示す情報(A−SRS frequency position)、または変調方式を示す情報と符号化率を示す情報と再送パラメータ(冗長バージョン; Redundancy version)を示す情報(Modulation and coding scheme and redundancy version)が示される。A−SRS Bandwidth or TPC command for PUSCHの情報フィールドでは、A−SRSのパラメータ(周波数帯域幅)を示す情報(A−SRS Bandwidth)、または送信電力制御コマンド(TPC command for PUSCH)が示される。Otherの情報フィールドでは、その他の情報(例えば、PUSCHに対する周波数ホッピングフラグ、上りリンクグラントと下りリンクアサインメントの識別情報、PUSCHに含まれるデータが新規送信か再送信かを示す情報、DM RSに用いられる符号に関する情報、移動局識別子)が示される。
【0038】
A−SRSの送信指示を示す情報は、A−SRSの送信を指示するか否かを示す。A−SRSに用いられるパラメータがPDCCHで示される情報に基づくか否かを示す情報は、DCI format 0でその他の情報を示す値(Codepoint)を用いてDCI format 0Aで示される。例えば、上りリンク物理リソースブロックの割り当てを示す情報のCodepoint(例えば、上りリンク物理リソースブロックの割り当てを示す情報のビット系列が全て‘1’の値を示す)がA−SRSに用いられるパラメータがPDCCHで示される情報に基づくことを示すために用いられる。A−SRSのパラメータを示す情報は、その他の情報を示すために用いられる情報フィールドを流用してDCI format 0Aで示される。ここで、情報フィールドが流用されるということは、情報フィールドが第一の場合は第一の制御情報として解釈され、第二の場合は第二の制御情報として解釈され、第一の場合と第二の場合は異なり、第一の制御情報と第二の制御情報は異なるということである。例えば、送信電力制御コマンドの情報フィールドがA−SRSの送信帯域幅を示すために用いられ、変調方式を示す情報と符号化率を示す情報がA−SRSの周波数位置を示すために用いられる。
【0039】
A−SRSの送信指示を示す情報がA−SRSの送信を指示することを示さない場合、DCI format 0Aのその他の情報フィールドは上りリンク物理リソースブロックの割り当て、変調方式、符号化率、再送パラメータ、送信電力制御コマンドなどを示し、A−SRSに用いられるパラメータがPDCCHで示される情報に基づくか否かを示さず、A−SRSのパラメータを示さない。つまり、A−SRSの送信指示を示す情報がA−SRSの送信を指示することを示さない場合、図11で示すA−SRS dynamic parameter indicator or Resource block assingmentの情報フィールドは、上りリンク物理リソースブロックの割り当てを示す情報しか示さない。A−SRSの送信指示を示す情報がA−SRSの送信を指示することを示す場合、DCI format 0Aの所定の情報フィールドは上りリンク物理リソースブロックの割り当て、またはA−SRSに用いられるパラメータがPDCCHで示される情報に基づくことを示す。ここで、所定の情報フィールドが上りリンク物理リソースブロックの割り当てを示す場合、DCI format 0Aのその他の情報フィールドは変調方式、符号化率、再送パラメータ、送信電力制御コマンドなどを示し、A−SRSのパラメータを示さない。なお、所定の情報フィールドが上りリンク物理リソースブロックの割り当てを示すことは、A−SRSに用いられるパラメータがPDCCHで示される情報に基づかないことを暗黙的に示す。ここで、所定の情報フィールドがA−SRSに用いられるパラメータがPDCCHで示される情報に基づくことを示す場合、DCI format 0Aのその他の情報フィールドはA−SRSのパラメータを示し、変調方式、符号化率、再送パラメータ、送信電力制御コマンドなどを示さない。なお、所定の情報フィールドがA−SRSに用いられるパラメータがPDCCHで示される情報に基づくことを示すことは、上りリンク物理リソースブロックの割り当てが行なわれないことを暗黙的に示す。
【0040】
基地局装置3は、上記のようにDCI format 0Aの各情報フィールドの値を設定することにより、大きく分類して3つのことを移動局装置5に示すためにDCI format 0Aを用いる。1つ目は、PUSCHのリソースの割り当てのみを示し、A−SRSの送信を指示しないことを示すために用いられる。2つ目は、PUSCHのリソースの割り当てを示さず、上りリンクグラントで示されるパラメータに基づくA−SRSの送信を指示することを示すために用いられる。3つ目は、PUSCHのリソースの割り当てを示し、更に、上りリンクグラントで示されるパラメータに基づかず、RRC(Radio Resource Control)シグナリングで予め設定されたパラメータに基づくA−SRSの送信を指示することを示すために用いられる。
【0041】
<上りリンク無線フレームの構成>
図12は、本発明の実施形態に係る移動局装置5から基地局装置3への上りリンクの無線フレーム(上りリンク無線フレームと呼称する。)の概略構成を示す図である。この図において、横軸は時間領域、縦軸は周波数領域を表している。上りリンク無線フレームは、リソースの割り当てなどの単位であり、上りリンクの予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなる物理リソースブロックのペア(上りリンク物理リソースブロックペアと呼称する。)から構成される。1個の上りリンク物理リソースブロックペアは、上りリンクの時間領域で連続する2個の上りリンクの物理リソースブロック(上りリンク物理リソースブロックと呼称する。)から構成される。
【0042】
また、この図において、1個の上りリンク物理リソースブロックは、上りリンクの周波数領域において12個のサブキャリア(上りリンクサブキャリアと呼称する。)から構成され、時間領域において7個のSC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボルから構成される。上りリンクのシステム帯域(上りリンクシステム帯域と呼称する。)は、基地局装置3の上りリンクの通信帯域である。上りリンクシステム帯域では、上りリンクのシステム帯域幅(上りリンクシステム帯域幅と呼称する。)に応じて複数の上りリンク物理リソースブロックが配置される。例えば、20MHzの周波数帯域幅の上りリンクシステム帯域は、100個の上りリンク物理リソースブロックから構成される。
【0043】
また、この図が示す時間領域においては、7個のSC−FDMAシンボルから構成されるスロット(上りリンクスロットと呼称する。)、2個の上りリンクスロットから構成されるサブフレーム(上りリンクサブフレームと呼称する。)、10個の上りリンクサブフレームから構成される上りリンク無線フレームがある。なお、1個の上りリンクサブキャリアと1個のSC−FDMAシンボルから構成されるユニットをリソースエレメント(上りリンクリソースエレメントと呼称する。)と呼称する。
【0044】
各上りリンクサブフレームには、少なくとも情報データの送信に用いられるPUSCH、上りリンク制御情報(UCI: Uplink Control Information)の送信に用いられるPUCCHが配置される。PUCCHは、PDSCHを用いて受信されたデータに対する肯定応答(ACK: Acknowledgement)または否定応答(NACK: Negative Acknowledgement)を示すUCI(ACK/NACK)、上りリンクのリソースの割り当てを要求するか否かを少なくとも示すUCI(SR: Scheduling Request; スケジューリング要求)、下りリンクの受信品質(チャネル品質とも呼称する。)を示すUCI(CQI: Channel Quality Indicator; チャネル品質指標)を送信するために用いられる。
【0045】
また、PUCCHは、ACK/NACKからなるUCIが送信される場合と、SRからなるUCIが送信される場合と、CQIからなるUCIが送信される場合とで異なる種類の信号構成が用いられる。ACK/NACKの送信に用いられるPUCCHをPUCCH format 1a、またはPUCCH format 1bと呼称する。PUCCH format 1aでは、ACK/NACKに関する情報を変調する変調方式としてBPSK(二位相偏移変調; Binary Phase Shift Keying)が用いられる。PUCCH format 1aでは、1ビットの情報が変調信号から明示的に示される。PUCCH format 1bでは、ACK/NACKに関する情報を変調する変調方式としてQPSK(四位相偏移変調; Quadrature Phase Shift Keying)が用いられる。PUCCH format 1bでは、2ビットの情報が変調信号から明示的に示される。SRの送信に用いられるPUCCHをPUCCH format 1と呼称する。CQIの送信に用いられるPUCCHをPUCCH format 2と呼称する。CQIとACK/NACKの同時送信に用いられるPUCCHをPUCCH format 2a、またはPUCCH format 2bと呼称する。PUCCH format 2bでは、上りリンクパイロットチャネルのDM RSにACK/NACKの情報から生成された変調信号が乗算される。PUCCH format 2aでは、ACK/NACKに関する1ビットの情報とCQIの情報が送信される。PUCCH format 2bでは、ACK/NACKに関する2ビットの情報とCQIの情報が送信される。
【0046】
なお、1個のPUSCHは1個以上の上りリンク物理リソースブロックペアから構成され、1個のPUCCHは周波数領域に対称関係にあり、異なる上りリンクスロットに位置する2個の上りリンク物理リソースブロックから構成される。例えば、図12において、上りリンクサブフレーム内の1番目の上りリンクスロットの最も周波数が低い上りリンク物理リソースブロックと、上りリンクサブフレーム内の2番目の上りリンクスロットの最も周波数が高い上りリンク物理リソースブロックとにより、PUCCHに用いられる上りリンク物理リソースブロックペアの1個が構成される。なお、上りリンクシステム帯域の端から2番目、3番目などの上りリンク物理リソースブロックがPUCCHに用いられてもよい。
【0047】
上りリンクパイロットチャネルのDM RSは、PUSCHと同じ上りリンク物理リソースブロック内に配置される場合と、PUCCHと同じ上りリンク物理リソースブロック内に配置される場合とで異なるSC−FDMAシンボルに配置される。DM RSは、PUSCHと同じ上りリンク物理リソースブロック内に配置される場合、上りリンクスロット内の4番目のSC−FDMAシンボルに配置される。DM RSは、ACK/NACKを含むPUCCHと同じ上りリンク物理リソースブロック内に配置される場合、上りリンクスロット内の3番目と4番目と5番目のSC−FDMAシンボルに配置される。DM RSは、SRを含むPUCCHと同じ上りリンク物理リソースブロック内に配置される場合、上りリンクスロット内の3番目と4番目と5番目のSC−FDMAシンボルに配置される。DM RSは、CQIを含むPUCCHと同じ上りリンク物理リソースブロック内に配置される場合、上りリンクスロット内の2番目と6番目のSC−FDMAシンボルに配置される。
【0048】
上りリンクパイロットチャネルのSRSは、基地局装置3が決定した周波数帯域に配置され、上りリンクサブフレーム内の14番目のSC−FDMAシンボル(上りリンクサブフレームの2番目の上りリンクスロットの7番目のSC−FDMAシンボル)に配置される。SRSが設定される周波数帯域は周波数帯域幅と周波数位置から示され、基地局装置3は移動局装置5に対してSRSの周波数帯域幅、周波数位置を示す情報をRRCシグナリングで通知する。SRSは、セル内において基地局装置3が決定した周期の上りリンクサブフレーム(セル固有のサブフレーム; Cell specific SRS subframe)に配置される。何れの上りリンクサブフレームがCell specific SRS subframeに設定されるかを示す情報は、システム情報を用いて基地局装置3から移動局装置5に通知される。何れの上りリンクサブフレームがCell specific SRS subframeに設定されるかを示す情報は、上りリンクサブフレームの周期、開始位置などに関する情報により構成される。
【0049】
P−SRSは、移動局装置5に対してCell specific SRS subframeの何れかの上りリンクサブフレームに配置される。基地局装置3は、P−SRSのリソースとして周期的なリソース、または1個のリソースをRRCシグナリングを用いて移動局装置5に通知する。例えば、P−SRSのリソースとして周期的なリソースを割り当てられた移動局装置5は、周期的なCell specific SRS subframeでP−SRSを送信する。
【0050】
A−SRSは、移動局装置5に対してCell specific SRS subframeの何れかの上りリンクサブフレームに配置される。移動局装置5は、A−SRSの送信指示を含む上りリンクグラントを検出した場合、Cell specific SRS subframeの何れかの上りリンクサブフレームでA−SRSを送信する。また、移動局装置5は、A−SRSの送信指示を含む上りリンクグラントを検出した場合、上りリンクグラントに含まれる第一の情報に基づいてA−SRSの送信を行うCell specific SRS subframeを設定する。移動局装置5は、第一の情報がA−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示した場合、A−SRSを送信する上りリンクサブフレームとしてCell specific SRS subframeを設定する。具体的には、移動局装置5は、第一の情報がA−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示した場合、上りリンクグラントを検出したサブフレームから4個のサブフレーム以降の最初のCell specific SRS subframeをA−SRSを送信する上りリンクサブフレームに設定する。移動局装置5は、第一の情報がA−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示さなかった場合、A−SRSを送信する上りリンクサブフレームとして、Cell specific SRS subframeの中で予め自装置に構成された上りリンクサブフレーム(UE specific SRS subframe)を設定する。具体的には、移動局装置5は、第一の情報がA−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示さなかった場合、上りリンクグラントを検出したサブフレームから4個のサブフレーム以降の最初のUE specific SRS subframeをA−SRSを送信する上りリンクサブフレームに設定する。より詳細には、移動局装置5は、第一の情報がA−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示した場合、UE specific SRS subframeかどうかに係らず、Cell specific SRS subframeをA−SRSを送信する上りリンクサブフレームとして設定し、UE specific SRS subframeではないCell specific SRS subframeでA−SRSを送信する場合がある。
【0051】
A−SRS用のUE specific SRS subframeは、予め移動局装置5に構成される。何れのCell specific SRS subframeがUE specific SRS subframeに設定されるかを示す情報は、RRCシグナリングを用いて基地局装置3から移動局装置5に通知される。何れのCell specific SRS subframeがUE specific SRS subframeに設定されるかを示す情報は、Cell specific SRS subframe内での上りリンクサブフレームの周期、開始位置などに関する情報により構成される。また、移動局装置5は、第一の情報がA−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示さなかった場合、UE specific SRS subframeで予め基地局装置3から構成された周波数帯域幅、周波数位置などのパラメータを用いてA−SRSを送信する。第一の情報がA−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示さなかった場合に移動局装置5に用いられるA−SRSの周波数帯域幅、周波数位置などのパラメータは、RRCシグナリングを用いて基地局装置3から移動局装置5に予め通知される。言い換えると、A−SRSに用いられる可能性のある候補リソースのパラメータがRRCシグナリングを用いて基地局装置3から移動局装置5に予め通知される。なお、A−SRSに用いられる可能性のある候補リソースのパラメータに関して同じ、または重複するパラメータが複数の移動局装置5に構成されてもよく、基地局装置3はそれらの移動局装置5の何れかの移動局装置5に対してのみ上りリンクグラントを用いてA−SRSの送信指示を示し、A−SRSの衝突を防ぐことができる。言い換えると、基地局装置3は、A−SRSの候補リソースについて共通するリソースを複数の移動局装置5に対して設定してもよいが、A−SRSの実際に送信されるリソースについては単一の移動局装置5に対してのみ設定する。以上のことから、UE specific SRS subframeは、一部の移動局装置5に対して共通に割り当てられる可能性があるCell specific SRS subframeであり、更にA−SRSの候補リソースが移動局装置5に対して設定された上りリンクサブフレームであり、ある移動局装置5に対してのみ構成される上りリンクサブフレームではない。
【0052】
また、SRSに対して符号多重が用いられる。同じ周波数位置のSRSを送信する複数の移動局装置5は、異なる符号リソースを用いてSRSを送信する。説明の簡略化のため、SRSの符号リソースのパラメータの通知などに関する処理の説明は省略する。
【0053】
なお、PUCCHにおいて周波数領域での符号多重、時間領域での符号多重が用いられる。周波数領域での符号多重は、サブキャリア単位で符号系列の各符号が上りリンク制御情報から変調された変調信号に乗算されることにより処理される。時間領域での符号多重は、SC−FDMAシンボル単位で符号系列の各符号がUCIから変調された変調信号に乗算されることにより処理される。複数のPUCCHが同一の上りリンク物理リソースブロックに配置され、各PUCCHは異なる符号系列が割り当てられ、割り当てられた符号系列により周波数領域、または時間領域において符号多重が実現される。ACK/NACKを送信するために用いられるPUCCH(PUCCH format 1a、PUCCH format 1b)においては、周波数領域及び時間領域での符号多重が用いられる。SRを送信するために用いられるPUCCH(PUCCH format 1)においては、周波数領域及び時間領域での符号多重が用いられる。CQIを送信するために用いられるPUCCH(PUCCH format 2)においては、周波数領域での符号多重が用いられる。なお、説明の簡略化のため、PUCCHの符号多重に係る内容の説明は適宜省略する。
【0054】
PDSCHのリソースは、時間領域において、そのPDSCHのリソースの割り当てに用いられる下りリンクアサインメントを含むPDCCHのリソースが配置される下りリンクサブフレームと同一の下りリンクサブフレームに配置される。PUSCHのリソースは、時間領域において、そのPUSCHのリソースの割り当てに用いられる下りリンクアサインメントを含むPDCCHのリソースが配置される下りリンクサブフレームと対応する上りリンクサブフレームから4個の上りリンクサブフレーム後の上りリンクサブフレームに配置される。
【0055】
<SRSの周波数帯域幅と周波数位置の構成>
図13は、本発明の実施形態に係るSRSの周波数帯域幅と周波数位置の構成例を示す図である。各セルで用いられるSRSに対して複数の周波数帯域幅、周波数位置が構成され、何れかの周波数帯域幅、周波数位置が移動局装置5に対して設定される。図13では、4種類の周波数帯域幅(周波数帯域幅A、周波数帯域幅B、周波数帯域幅C、周波数帯域幅D)が構成される場合について示す。周波数帯域幅Aは、セルで用いられるSRSの最大周波数帯域幅と等しい。周波数帯域幅Bは、セルで用いられるSRSの最大周波数帯域幅を2分割した周波数帯域幅と等しい。周波数帯域幅Cは、セルで用いられるSRSの最大周波数帯域幅を4分割した周波数帯域幅と等しい。周波数帯域幅Dは、セルで用いられるSRSの最大周波数帯域幅を8分割した周波数帯域幅と等しい。周波数帯域幅AのSRSの周波数位置は1種類(周波数位置A−1)である。周波数帯域幅BのSRSの周波数位置は2種類(周波数位置B−1、周波数位置B−2)である。周波数帯域幅CのSRSの周波数位置は4種類(周波数位置C−1、周波数位置C−2、周波数位置C−3、周波数位置C−4)である。周波数帯域幅DのSRSの周波数位置は8種類(周波数位置D−1、周波数位置D−2、周波数位置D−3、周波数位置D−4、周波数位置D−5、周波数位置D−6、周波数位置D−7、周波数位置D−8)である。図13に示すように、SRSの各周波数帯域幅と各周波数位置の関係はツリー構造(Tree based structure)の関係にある。なお、周波数ホッピングが適用される場合、上りリンクサブフレーム毎に異なる周波数位置のSRSが移動局装置5に設定される。なお、移動局装置5においてP−SRSとA−SRSは同一の構成のSRSが用いられるが、P−SRSとA−SRSで異なる周波数帯域幅、周波数位置のパラメータが設定されてもよい。
【0056】
<Cell specific SRS subframeとUE specific SRS subframeの構成>
図14は、本発明の実施形態に係るCell specific SRS subframeとUE specific SRS subframeの構成例を示す図である。図14では、Cell specific SRS subframeは2個の上りリンクサブフレーム毎に構成され、1番目の上りリンクサブフレームから構成される場合を示している(上りリンクサブフレーム#1、上りリンクサブフレーム#3、上りリンクサブフレーム#5、上りリンクサブフレーム#7、上りリンクサブフレーム#9、上りリンクサブフレーム#11)。図14では、UE specific SRS subframeは2個のCell specific SRS subframe毎に構成され、1番目の上りリンクサブフレームから構成される場合を示している(上りリンクサブフレーム#1、上りリンクサブフレーム#5、上りリンクサブフレーム#9)。なお、図14で示した構成例は一例であり、異なる構成のCell specific SRS subframe、UE specific SRS subframeが構成されても、本発明を適用することができる。
【0057】
<UE specific SRS subframeに構成されるA−SRSの候補リソース>
図15は、本発明の実施形態に係る移動局装置5のUE specific SRS subframeに予め構成されるA−SRSの候補リソースの構成例を示す図である。UE specific SRS subframeの構成は、図14に示す構成例を用いて説明する。図15では、A−SRSの候補リソースとしてシステム帯域全体に亘る周波数帯域幅、周波数位置のパラメータが移動局装置5に対して設定されることを示す。なお、図15では、A−SRSのリソースの候補として設定される周波数帯域幅はシステム帯域幅と等しい場合について示したが、システム帯域幅と等しくなくてもよい。図15では、A−SRSのリソースの候補として設定されることができる周波数帯域幅の最大値が移動局装置5に設定される場合を示しており、あるセルでA−SRSのリソースの候補として設定されることができる周波数帯域幅の最大値がシステム帯域幅より小さくてもよい。
【0058】
図16は、本発明の実施形態に係る移動局装置5のUE specific SRS subframeに予め構成されるA−SRSの候補リソースの構成例を示す図である。UE specific SRS subframeの構成は、図14に示す構成例を用いて説明する。図16では、A−SRSの候補リソースとしてシステム帯域の一部の周波数帯域幅、周波数位置のパラメータが移動局装置5に対して設定されることを示す。言い換えると、あるセルでA−SRSのリソースの候補として設定されることができる周波数帯域幅の一部の周波数帯域幅、周波数位置のパラメータが移動局装置5に対して設定されることを示す。なお、図16では、A−SRSのリソースの候補として設定される周波数位置がシステム帯域の端に設定される場合について示しているが、異なる周波数位置に設定されてもよい。
【0059】
図17は、本発明の実施形態に係る移動局装置5のUE specific SRS subframeに予め構成されるA−SRSの候補リソースの構成例を示す図である。UE specific SRS subframeの構成は、図14に示す構成例を用いて説明する。図17では、A−SRSの候補リソースとしてシステム帯域の一部の周波数帯域幅のパラメータが移動局装置5に対して設定されることを示す。また、図17では、A−SRSのリソースの候補として設定される周波数位置に関して周波数ホッピングが適用される場合について示す。つまり、UE specific SRS subframe内の各上りリンクサブフレームに対して異なる周波数位置のA−SRSの候補リソースが設定される。なお、周波数ホッピングを適用してA−SRSの候補リソースが設定される場合、予め決められた周波数ホッピングパターンに基づいて周波数位置が決められる。
【0060】
<基地局装置3の全体構成>
以下、図1、図2、図3を用いて、本実施形態に係る基地局装置3の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る基地局装置3の構成を示す概略ブロック図である。この図に示すように、基地局装置3は、受信処理部(受信部)101、無線リソース制御部103、制御部105、および、送信処理部(送信部)107を含んで構成される。
【0061】
受信処理部101は、制御部105の指示に従い、受信アンテナ109により移動局装置5から受信した、PUCCH、PUSCHの受信信号をDM RSを用いて復調し、復号して、制御情報、情報データを抽出する。また、受信処理部101は、移動局装置5から受信したSRSを用いて上りリンクの伝搬路を推定し、チャネル品質を測定する。受信処理部101は、自装置が移動局装置5にPUCCHやSRSのリソースを割り当てた上りリンクサブフレーム、周波数リソースに対してUCIを抽出する処理やチャネル品質を測定する処理を行う。受信処理部101は、何れの上りリンクサブフレーム、何れの周波数リソースに対してどのような処理を行うかを制御部105から指示される。受信処理部101は、抽出したUCI、推定した伝搬路推定値、測定したチャネル品質を制御部105に出力し、情報データを上位層に出力する。受信処理部101の詳細については、後述する。
【0062】
無線リソース制御部103は、移動局装置5各々のSRSのリソースの割り当て(Cell specific SRS subframeの周期、開始位置、UE specific SRS subframeの周期、開始位置、A−SRSの候補リソースのパラメータ、P−SRSのリソースのパラメータ)、PDCCHに対するリソースの割り当て、PUCCHに対するリソースの割り当て、PDSCHに対する下りリンク物理リソースブロックの割り当て、PUSCHに対する上りリンク物理リソースブロックの割り当て、各種チャネルの変調方式・符号化率・送信電力制御値などを設定する。なお、無線リソース制御部103は、PUCCHに対する周波数領域の符号系列、時間領域の符号系列なども設定する。また、無線リソース制御部103は、設定したSRSのリソースの割り当てを示す情報などを制御部105に出力する。無線リソース制御部103で設定された情報の一部は送信処理部107を介して移動局装置5に通知され、例えばSRSのリソースの割り当てを示す情報が移動局装置5に通知される。
【0063】
無線リソース制御部103は、制御部105を通して入力された上りリンクのチャネル品質に基づき、PUSCHのリソースの割り当て、送信電力の値などの設定を行う。例えば、無線リソース制御部103は、移動局装置5に対してチャネル品質の良い上りリンク物理リソースブロックにPUSCHのリソースを割り当てたり、受信信号が所定の誤り率を実現できるようにチャネル品質に基づき送信電力の値を設定したりする。また、無線リソース制御部103は、受信処理部101においてPUCCHを用いて取得され、制御部105を介して入力されたUCIに基づいてPDSCHの無線リソースの割り当てなどを設定する。例えば、無線リソース制御部103は、PUCCHを用いて取得されたACK/NACKが入力された場合、ACK/NACKでNACKが示されたPDSCHのリソースの割り当てを移動局装置5に対して行う。
【0064】
無線リソース制御部103は、各種制御信号を制御部105に出力する。例えば、制御信号は、SRSのリソースの割り当て(Cell specific SRS subframeの周期、開始位置、UE specific SRS subframeの周期、開始位置、A−SRSの候補リソースのパラメータ、P−SRSのリソースのパラメータ、A−SRSのリソースのパラメータ)を示す制御信号や、PUCCHのリソースの割り当てを示す制御信号である。
【0065】
制御部105は、無線リソース制御部103から入力された制御信号に基づき、PDSCHに対する下りリンク物理リソースブロックの割り当て、PDCCHに対するリソースの割り当て、PDSCHに対する変調方式の設定、PDSCHおよびPDCCHに対する符号化率の設定などの制御を送信処理部107に対して行う。また、制御部105は、無線リソース制御部103から入力された制御信号に基づき、PDCCHを用いて送信されるDCIを生成し、送信処理部107に出力する。PDCCHを用いて送信されるDCIは、下りリンクアサインメント、上りリンクグラントなどである。また、制御部105は、SRSのリソースの割り当て(Cell specific SRS subframeの周期、開始位置、UE specific SRS subframeの周期、開始位置、A−SRSの候補リソースのパラメータ、P−SRSのリソースのパラメータ)を示す情報、A−SRSを用いた処理を行うか否かを示す情報などを送信処理部107を介して移動局装置5にPDSCHを用いて送信するように制御を行う。A−SRSを用いた処理を行うか否かを示す情報は、A−SRSの送信指示を示す情報をDCI formatに含めるか否かを示す情報と共通である。また、制御部105は、A−SRSの送信指示を示す情報、A−SRSに用いられるパラメータがPDCCHで示される情報に基づくか否かを示す情報、A−SRSのパラメータを示す情報を送信処理部107を介して移動局装置5にPDCCH(DCI format 0A)を用いて送信するように制御を行う。
【0066】
制御部105は、無線リソース制御部103から入力された制御信号に基づき、PUSCHに対する上りリンク物理リソースブロックの割り当て、PUCCHに対するリソースの割り当て、PUSCHおよびPUCCHの変調方式の設定、PUSCHの符号化率の設定、PUCCHに対する符号系列の設定などの制御を受信処理部101に対して行う。また、制御部105は、無線リソース制御部103から入力された制御信号に基づき、SRSを用いたチャネル品質の測定の制御を受信処理部101に対して行う。また、制御部105は、移動局装置5によってPUCCHを用いて送信されたUCIが受信処理部101より入力され、入力されたUCIを無線リソース制御部103に出力する。
【0067】
送信処理部107は、制御部105から入力された制御信号に基づき、PDCCH、PDSCHを用いて送信する信号を生成して、送信アンテナ111を介して送信する。送信処理部107は、無線リソース制御部103から入力された、SRSのリソースの割り当て(Cell specific SRS subframeの周期、開始位置、UE specific SRS subframeの周期、開始位置、A−SRSの候補リソースのパラメータ、P−SRSのリソースのパラメータ)を示す情報、A−SRSを用いた処理を行うか否かを示す情報、上位層から入力された情報データ等をPDSCHを用いて移動局装置5に対して送信し、制御部105から入力されたDCI(A−SRSの送信指示を示す情報、A−SRSに用いられるパラメータがPDCCHで示される情報に基づくか否かを示す情報、A−SRSのパラメータを示す情報)をPDCCHを用いて移動局装置5に対して送信する。なお、説明の簡略化のため、以降、情報データは数種の制御に関する情報を含むものとする。送信処理部107の詳細については、後述する。
【0068】
<基地局装置3の送信処理部107の構成>
以下、基地局装置3の送信処理部107の詳細について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る基地局装置3の送信処理部107の構成を示す概略ブロック図である。この図に示すように、送信処理部107は、複数の物理下りリンク共用チャネル処理部201−1〜201−M(以下、物理下りリンク共用チャネル処理部201−1〜201−Mを合わせて物理下りリンク共用チャネル処理部201と表す)、複数の物理下りリンク制御チャネル処理部203−1〜203−M(以下、物理下りリンク制御チャネル処理部203−1〜203−Mを合わせて物理下りリンク制御チャネル処理部203と表す)、下りリンクパイロットチャネル処理部205、多重部207、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform; 高速逆フーリエ変換)部209、GI(Guard Interval; ガードインターバル)挿入部211、D/A(Digital/Analog converter; ディジタルアナログ変換)部213、送信RF(Radio Frequency; 無線周波数)部215、および、送信アンテナ111を含んで構成される。なお、各物理下りリンク共用チャネル処理部201、各物理下りリンク制御チャネル処理部203は、それぞれ、同様の構成および機能を有するので、その一つを代表して説明する。なお、送信処理部107の説明では、送信アンテナの数が1本の場合について説明し、複数の送信アンテナが構成され、PDSCHに対して空間多重を行う処理部が構成される場合についての説明は、説明の便宜上、省略する。
【0069】
また、この図に示すように、物理下りリンク共用チャネル処理部201は、それぞれ、ターボ符号部219およびデータ変調部221を備える。また、この図に示すように、物理下りリンク制御チャネル処理部203は、畳み込み符号部223およびQPSK変調部225を備える。物理下りリンク共用チャネル処理部201は、移動局装置5への情報データをOFDM方式で伝送するためのベースバンド信号処理を行う。ターボ符号部219は、入力された情報データを、制御部105から入力された符号化率で、データの誤り耐性を高めるためのターボ符号化を行ない、データ変調部221に出力する。データ変調部221は、ターボ符号部219が符号化したデータを、制御部105から入力された変調方式、例えば、QPSK(四位相偏移変調; Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(16値直交振幅変調; 16 Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM(64値直交振幅変調; 64 Quadrature Amplitude Modulation)のような変調方式で変調し、変調シンボルの信号系列を生成する。データ変調部221は、生成した信号系列を、多重部207に出力する。
【0070】
物理下りリンク制御チャネル処理部203は、制御部105から入力されたDCIを、OFDM方式で伝送するためのベースバンド信号処理を行う。畳み込み符号部223は、制御部105から入力された符号化率に基づき、DCIの誤り耐性を高めるための畳み込み符号化を行う。ここで、DCIはビット単位で制御される。また、畳み込み符号部223は、制御部105から入力された符号化率に基づき、畳み込み符号化の処理を行なったビットに対して出力ビットの数を調整するためにレートマッチングも行う。畳み込み符号部223は、符号化したDCIをQPSK変調部225に出力する。QPSK変調部225は、畳み込み符号部223が符号化したDCIを、QPSK変調方式で変調し、変調した変調シンボルの信号系列を、多重部207に出力する。下りリンクパイロットチャネル処理部205は、移動局装置5において既知の信号である下りリンク参照信号を生成し、多重部207に出力する。
【0071】
多重部207は、下りリンクパイロットチャネル処理部205から入力された信号と、物理下りリンク共用チャネル処理部201各々から入力された信号と、物理下りリンク制御チャネル処理部203各々から入力された信号とを、制御部105からの指示に従って、下りリンク無線フレームに多重する。無線リソース制御部103によって設定されたPDSCHに対する下りリンク物理リソースブロックの割り当て、PDCCHに対するリソースの割り当てに関する制御信号が制御部105に入力され、その制御信号に基づき、制御部105は多重部207の処理を制御する。
【0072】
なお、多重部207は、PDSCHとPDCCHの多重を、図10に示したように時間多重で行う。また、多重部207は、下りリンクパイロットチャネルと、その他のチャネル間の多重は時間・周波数多重で行う。また、多重部207は、各移動局装置5宛てのPDSCHの多重を下りリンク物理リソースブロックペア単位で行ない、1つの移動局装置5に対して複数の下りリンク物理リソースブロックペアを用いてPDSCHを多重することもある。また、多重部207は、各移動局装置5宛てのPDCCHの多重を制御チャネルエレメント(CCE: Control Channel Element)を用いて行う。多重部207は、多重化した信号を、IFFT部209に出力する。
【0073】
IFFT部209は、多重部207が多重化した信号を高速逆フーリエ変換し、OFDM方式の変調を行ない、GI挿入部211に出力する。GI挿入部211は、IFFT部209がOFDM方式の変調を行なった信号に、ガードインターバルを付加することで、OFDM方式におけるシンボルからなるベースバンドのディジタル信号を生成する。周知のように、ガードインターバルは、伝送するOFDMシンボルの先頭または末尾の一部を複製することによって生成される。GI挿入部211は、生成したベースバンドのディジタル信号をD/A部213に出力する。D/A部213は、GI挿入部211から入力されたベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、送信RF部215に出力する。送信RF部215は、D/A部213から入力されたアナログ信号から、中間周波数の同相成分および直交成分を生成し、中間周波数帯域に対する余分な周波数成分を除去する。次に、送信RF部215は、中間周波数の信号を高周波数の信号に変換(アップコンバート)し、余分な周波数成分を除去し、電力増幅し、送信アンテナ111を介して、移動局装置5に送信する。
【0074】
<基地局装置3の受信処理部101の構成>
以下、基地局装置3の受信処理部101の詳細について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る基地局装置3の受信処理部101の構成を示す概略ブロック図である。この図に示すように、受信処理部101は、受信RF部301、A/D(Analog/Digital converter; アナログディジタル変換)部303、シンボルタイミング検出部309、GI除去部311、FFT部313、サブキャリアデマッピング部315、伝搬路推定部317、PUSCH用の伝搬路等化部319、PUCCH用の伝搬路等化部321、IDFT部323、データ復調部325、ターボ復号部327、物理上りリンク制御チャネル検出部329および上りリンクチャネル品質測定部331を備える。
【0075】
受信RF部301は、受信アンテナ109で受信された信号を、適切に増幅し、中間周波数に変換し(ダウンコンバート)、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信された信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調する。受信RF部301は、直交復調したアナログ信号を、A/D部303に出力する。A/D部303は、受信RF部301が直交復調したアナログ信号をディジタル信号に変換し、変換したディジタル信号をシンボルタイミング検出部309とGI除去部311に出力する。
【0076】
シンボルタイミング検出部309は、A/D部303より入力された信号に基づいて、シンボルのタイミングを検出し、検出したシンボル境界のタイミングを示す制御信号を、GI除去部311に出力する。GI除去部311は、シンボルタイミング検出部309からの制御信号に基づいて、A/D部303より入力された信号からガードインターバルに相当する部分を除去し、残りの部分の信号を、FFT部313に出力する。FFT部313は、GI除去部311から入力された信号を高速フーリエ変換し、DFT−Spread−OFDM方式の復調を行ない、サブキャリアデマッピング部315に出力する。なお、FFT部313のポイント数は、後述する移動局装置5のIFFT部のポイント数と等しい。
【0077】
サブキャリアデマッピング部315は、制御部105から入力された制御信号に基づき、FFT部313が復調した信号を、上りリンクパイロットチャネルのDM RSと、上りリンクパイロットチャネルのSRSと、PUSCHの信号と、PUCCHの信号とに分離する。サブキャリアデマッピング部315は、分離したDM RSを伝搬路推定部317に出力し、分離したSRSを上りリンクチャネル品質測定部331に出力し、分離したPUSCHの信号をPUSCH用の伝搬路等化部319に出力し、分離したPUCCHの信号をPUCCH用の伝搬路等化部321に出力する。
【0078】
伝搬路推定部317は、サブキャリアデマッピング部315が分離したDM RSと既知の信号を用いて伝搬路の変動を推定する。伝搬路推定部317は、推定した伝搬路推定値を、PUSCH用の伝搬路等化部319と、PUCCH用の伝搬路等化部321に出力する。PUSCH用の伝搬路等化部319は、サブキャリアデマッピング部315が分離したPUSCHの信号の振幅および位相を、伝搬路推定部317から入力された伝搬路推定値に基づいて等化する。ここで、等化とは、信号が無線通信中に受けた伝搬路の変動を元に戻す処理のことを表す。PUSCH用の伝搬路等化部319は、調整した信号をIDFT部323に出力する。
【0079】
IDFT部323は、PUSCH用の伝搬路等化部319から入力された信号を離散逆フーリエ変換し、データ復調部325に出力する。データ復調部325は、IDFT部323が変換したPUSCHの信号の復調を行ない、復調したPUSCHの信号をターボ復号部327に出力する。この復調は、移動局装置5のデータ変調部で用いられる変調方式に対応した復調であり、変調方式は制御部105より入力される。ターボ復号部327は、データ復調部325から入力され、復調されたPUSCHの信号から、情報データを復号する。符号化率は、制御部105より入力される。
【0080】
PUCCH用の伝搬路等化部321は、サブキャリアデマッピング部315で分離されたPUCCHの信号の振幅および位相を、伝搬路推定部317から入力された伝搬路推定値に基づいて等化する。PUCCH用の伝搬路等化部321は、等化した信号を物理上りリンク制御チャネル検出部329に出力する。
【0081】
物理上りリンク制御チャネル検出部329は、PUCCH用の伝搬路等化部321から入力された信号を復調、復号し、UCIを検出する。物理上りリンク制御チャネル検出部329は、周波数領域、および/または周波数領域で符号多重された信号を分離する処理を行う。物理上りリンク制御チャネル検出部329は、送信側で用いられた符号系列を用いて周波数領域、および/または時間領域で符号多重されたPUCCHの信号からACK/NACKの情報を検出するための処理を行う。具体的には、物理上りリンク制御チャネル検出部329は、周波数領域での符号系列を用いた検出処理、つまり周波数領域で符号多重された信号を分離する処理として、PUCCHのサブキャリア毎の信号に対して符号系列の各符号を乗算した後、符号を乗算した信号を合成する。具体的には、物理上りリンク制御チャネル検出部329は、時間領域での符号系列を用いた検出処理、つまり時間領域での符号多重された信号を分離する処理として、PUCCHのSC−FDMAシンボル毎の信号に対して符号系列の各符号を乗算した後、符号を乗算した信号を合成する。なお、物理上りリンク制御チャネル検出部329は、制御部105からの制御信号に基づき、PUCCHの信号に対する検出処理を設定する。
【0082】
上りリンクチャネル品質測定部331は、サブキャリアデマッピング部315から入力されたSRSを用いてチャネル品質を測定し、伝搬路を推定し、チャネル品質の測定結果、伝搬路推定値を制御部105に出力する。上りリンクチャネル品質測定部331は、どの上りリンクサブフレームの、どの周波数位置、どのぐらいの周波数帯域幅の信号に対して移動局装置5のチャネル品質の測定を行うかが制御部105より指示される。
【0083】
制御部105は、基地局装置3が、移動局装置5にPDCCHを用いて送信した制御情報(DCI)、及びPDSCHを用いて送信した制御情報に基づいて、サブキャリアデマッピング部315、データ復調部325、ターボ復号部327、伝搬路推定部317、物理上りリンク制御チャネル検出部329、および上りリンクチャネル品質測定部331の制御を行う。また、制御部105は、基地局装置3が移動局装置5に送信した制御情報に基づき、各移動局装置5が送信したPUSCH、PUCCH、SRSがどのリソース(上りリンクサブフレーム、上りリンク物理リソースブロック、周波数位置、周波数帯域幅、周波数領域の符号系列、時間領域の符号系列)により構成されているかを把握している。
【0084】
<移動局装置5の全体構成>
以下、図4、図5、図6を用いて、本実施形態に係る移動局装置5の構成について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る移動局装置5の構成を示す概略ブロック図である。この図に示すように、移動局装置5は、受信処理部401、無線リソース制御部403、制御部405、送信処理部407を含んで構成される。
【0085】
受信処理部401は、基地局装置3から信号を受信し、制御部405の指示に従い、受信信号を復調、復号する。受信処理部401は、自装置宛てのPDCCHの信号を検出した場合は、PDCCHの信号を復号して取得したDCIを制御部405に出力する。例えば、受信処理部401は、PDCCHに含まれるA−SRSの送信指示を示す制御情報、A−SRSに用いられるパラメータがPDCCH(上りリンクグラント)で示される情報に基づくか否かを示す制御情報(第一の情報)、A−SRSのパラメータを示す制御情報を制御部405に出力する。つまり、受信処理部401は、A−SRSの送信指示を示す情報とA−SRSに用いられるパラメータがPDCCH(上りリンクグラント)で示される情報に基づくか否かを示す制御情報(第一の情報)を含む上りリンクグラントの検出処理を行う。また、受信処理部401は、PDCCHに含まれるDCIを制御部405に出力した後の制御部405の指示に基づき、自装置宛てのPDSCHを復号して得た情報データを、制御部405を介して上位層に出力する。PDCCHに含まれるDCIの中で下りリンクアサインメントがPDSCHのリソースの割り当てを示す情報を含む。また、受信処理部401は、PDSCHを復号して得た基地局装置3の無線リソース制御部103で生成された制御情報を制御部405に出力し、また制御部405を介して自装置の無線リソース制御部403に出力する。例えば、基地局装置3の無線リソース制御部103で生成された制御情報は、SRSのリソースの割り当て(Cell specific SRS subframeの周期、開始位置、UE specific SRS subframeの周期、開始位置、A−SRSの候補リソースのパラメータ、P−SRSのリソースのパラメータ)を示す情報、A−SRSを用いた処理を行うか否かを示す情報などを含む。
【0086】
また、受信処理部401は、PDSCHに含まれる巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check: CRC)符号を制御部405に出力する。基地局装置3の説明では省略したが、基地局装置3の送信処理部107は情報データからCRC符号を生成し、情報データとCRC符号をPDSCHで送信する。CRC符号は、PDSCHに含まれるデータが誤っているか、誤っていないかを判断するために使われ、予め決められた生成多項式を用いてデータから生成された情報とCRC符号が同じ場合はデータが誤っていないと判断され、予め決められた生成多項式を用いてデータから生成された情報とCRC符号が異なる場合はデータが誤っていると判断される。受信処理部401の詳細については後述する。
【0087】
制御部405は、PDSCHを用いて基地局装置3から送信され、受信処理部401より入力されたデータを確認し、データの中で情報データを上位層に出力し、データの中で基地局装置3の無線リソース制御部103で生成された制御情報に基づいて、受信処理部401、送信処理部407を制御する。また、制御部405は、無線リソース制御部403からの指示に基づき、受信処理部401、送信処理部407を制御する。例えば、制御部405は、無線リソース制御部403から指示された候補リソースでA−SRSを送信するように送信処理部407を制御する。例えば、制御部405は、無線リソース制御部403から指示されたCell specific SRS subframe、またはUE specific SRS subframeをA−SRSを送信する上りリンクサブフレームに設定し、設定された上りリンクサブフレームでA−SRSを送信するように送信処理部407を制御する。
【0088】
また、制御部405は、PDCCHを用いて基地局装置3から送信され、受信処理部401より入力されたDCIに基づいて、受信処理部401、送信処理部407を制御する。具体的には、制御部405は検出された下りリンクアサインメントに基づき受信処理部401を制御し、検出された上りリンクグラントに基づき送信処理部407を制御する。例えば、制御部405は、A−SRSの送信指示を含む上りリンクグラントを検出した場合、A−SRSを送信するように送信処理部407を制御する。例えば、制御部405は、検出された上りリンクグラントで示されるA−SRSのパラメータに基づくリソースでA−SRSを送信するように送信処理部407を制御する。例えば、制御部405は、検出された上りリンクグラントで示される第一の情報がA−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示した場合、A−SRSを送信する上りリンクサブフレームとしてCell specific SRS subframeを設定し、検出された上りリンクグラントで示される第一の情報がA−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示さなかった場合、A−SRSを送信する上りリンクサブフレームとしてUE specific SRS subframeを設定し、設定された上りリンクサブフレームでA−SRSを送信するように送信処理部407を制御する。例えば、制御部405は、検出された上りリンクグラントで示される第一の情報がA−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示した場合、A−SRSの送信指示を含む上りリンクグラントで示されるパラメータに基づきA−SRSを送信するように送信処理部407を制御し、検出された上りリンクグラントで示される第一の情報がA−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示さなかった場合、予め基地局装置3より構成されたパラメータに基づき(RRCシグナリングで基地局装置3より設定されたA−SRSの候補リソースを用いるということ)A−SRSを送信するように送信処理部407を制御する。
【0089】
制御部405は、自装置でのUCIの生成を管理する。例えば、制御部405は受信処理部401よりデータとCRC符号が入力された場合、ACK/NACKを生成する。予め決められた生成多項式を用いてデータから生成された情報とCRC符号が同じ場合は、ACK/NACKでACKが示され、生成された情報とCRC符号が異なる場合は、ACK/NACKでNACKが示される。制御部405は、受信処理部401で検出されたPDCCHに含まれるDCIでリソースの割り当てが示されるPDSCHのデータに対するACK、またはNACKを示すACK/NACKを生成する。例えば、制御部405は、SR用のPUCCHのリソースが基地局装置3より予め割り当てられた上りリンクサブフレームに対応するタイミングでSRを生成する。例えば、制御部405は、無線リソース制御部403において上りリンクのリソースが不足していると判断され、SRの発生を要請する制御信号が無線リソース制御部403より入力された場合、SRを発生させる。なお、無線リソース制御部403は、上りリンクのリソースが不足していると判断した状態で、基地局装置3より予め割り当てられたSR用のPUCCHのリソースが割り当てられる上りリンクサブフレームに対応して、SRを発生させる制御信号を制御部405に出力する。なお、送信バッファに蓄積されたデータ量が所定の閾値を超えた場合などに、上りリンクのリソースが不足していると判断される。ここで、上りリンクサブフレームに対応するタイミングとは、その上りリンクサブフレームで信号を送信することができるように、少なくとも処理遅延の時間分、その上りリンクサブフレームより早いタイミングを意味する。例えば、制御部405、CQI用のPUCCHのリソースが基地局装置3より予め割り当てられた上りリンクサブフレームに対応するタイミングでCQIを生成する。
【0090】
無線リソース制御部403は、基地局装置3の無線リソース制御部103で生成され、基地局装置3より通知された制御情報を記憶して保持すると共に、制御部405を介して受信処理部401、送信処理部407の制御を行う。つまり、無線リソース制御部403は、各種パラメータなどを保持するメモリの機能を備える。例えば、無線リソース制御部403は、Cell specific SRS subframe、UE specific SRS subframeのパラメータ(周期、開始位置)を保持する。例えば、無線リソース制御部403は、A−SRSの候補リソースのパラメータを保持する。受信処理部401においてA−SRSの送信指示を示す上りリンクグラントが検出された場合、制御部405は、上りリンクグラントでA−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことが示されなかった場合、無線リソース制御部403において保持されたA−SRSの候補リソースのパラメータを用いて送信処理部407においてA−SRSを送信するように制御する。
【0091】
送信処理部407は、制御部405の指示に従い、情報データ、UCIを符号化し、変調した信号をPUSCH、PUCCHのリソースを用いて、基地局装置3に送信アンテナ411を介して送信する。また、送信処理部407は、制御部405の指示に従い、SRS(A−SRS、P−SRS)を送信する。送信処理部407の詳細については後述する。
【0092】
<移動局装置5の受信処理部401>
以下、移動局装置5の受信処理部401の詳細について説明する。図5は、本発明の実施形態に係る移動局装置5の受信処理部401の構成を示す概略ブロック図である。この図に示すように、受信処理部401は、受信RF部501、A/D部503、シンボルタイミング検出部505、GI除去部507、FFT部509、多重分離部511、伝搬路推定部513、PDSCH用の伝搬路補償部515、物理下りリンク共用チャネル復号部517、PDCCH用の伝搬路補償部519、および、物理下りリンク制御チャネル復号部521、を含んで構成される。また、この図に示すように、物理下りリンク共用チャネル復号部517は、データ復調部523、および、ターボ復号部525、を備える。また、この図に示すように、物理下りリンク制御チャネル復号部521は、QPSK復調部527、および、ビタビデコーダ部529、を備える。
【0093】
受信RF部501は、受信アンテナ409で受信した信号を、適切に増幅し、中間周波数に変換し(ダウンコンバート)、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信した信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調する。受信RF部501は、直交復調したアナログ信号を、A/D部503に出力する。
【0094】
A/D部503は、受信RF部501が直交復調したアナログ信号をディジタル信号に変換し、変換したディジタル信号を、シンボルタイミング検出部505と、GI除去部507と、に出力する。シンボルタイミング検出部505は、A/D部503が変換したディジタル信号に基づいて、シンボルのタイミングを検出し、検出したシンボル境界のタイミングを示す制御信号を、GI除去部507に出力する。GI除去部507は、シンボルタイミング検出部505からの制御信号に基づいて、A/D部503の出力したディジタル信号からガードインターバルに相当する部分を除去し、残りの部分の信号を、FFT部509に出力する。FFT部509は、GI除去部507から入力された信号を高速フーリエ変換し、OFDM方式の復調を行ない、多重分離部511に出力する。
【0095】
多重分離部511は、制御部405から入力された制御信号に基づき、FFT部509が復調した信号を、PDCCHの信号と、PDSCHの信号とに分離する。多重分離部511は、分離したPDSCHの信号を、PDSCH用の伝搬路補償部515に出力し、また、分離したPDCCHの信号を、PDCCH用の伝搬路補償部519に出力する。また、多重分離部511は、下りリンクパイロットチャネルが配置される下りリンクリソースエレメントを分離し、下りリンクパイロットチャネルの下りリンク参照信号を、伝搬路推定部513に出力する。
【0096】
伝搬路推定部513は、多重分離部511が分離した下りリンクパイロットチャネルの下りリンク参照信号と既知の信号とを用いて伝搬路の変動を推定し、伝搬路の変動を補償するように、振幅および位相を調整するための伝搬路補償値を、PDSCH用の伝搬路補償部515と、PDCCH用の伝搬路補償部519に出力する。PDSCH用の伝搬路補償部515は、多重分離部511が分離したPDSCHの信号の振幅および位相を、伝搬路推定部513から入力された伝搬路補償値に従って調整する。PDSCH用の伝搬路補償部515は、伝搬路を調整した信号を物理下りリンク共用チャネル復号部517のデータ復調部523に出力する。
【0097】
物理下りリンク共用チャネル復号部517は、制御部405からの指示に基づき、PDSCHの復調、復号を行ない、情報データを検出する。データ復調部523は、伝搬路補償部515から入力されたPDSCHの信号の復調を行ない、復調したPDSCHの信号をターボ復号部525に出力する。この復調は、基地局装置3のデータ変調部221で用いられる変調方式に対応した復調である。ターボ復号部525は、データ復調部523から入力され、復調されたPDSCHの信号から情報データを復号し、制御部405を介して上位層に出力する。なお、PDSCHを用いて送信された、基地局装置3の無線リソース制御部103で生成された制御情報等も制御部405に出力され、制御部405を介して無線リソース制御部403にも出力される。なお、PDSCHに含まれるCRC符号も制御部405に出力される。
【0098】
PDCCH用の伝搬路補償部519は、多重分離部511が分離したPDCCHの信号の振幅および位相を、伝搬路推定部513から入力された伝搬路補償値に従って調整する。PDCCH用の伝搬路補償部519は、調整した信号を物理下りリンク制御チャネル復号部521のQPSK復調部527に出力する。
【0099】
物理下りリンク制御チャネル復号部521は、以下のように、PDCCH用の伝搬路補償部519から入力された信号を復調、復号し、制御データを検出する。QPSK復調部527は、PDCCHの信号に対してQPSK復調を行ない、ビタビデコーダ部529に出力する。ビタビデコーダ部529は、QPSK復調部527が復調した信号を復号し、復号したDCIを制御部405に出力する。ここで、この信号はビット単位で表現され、ビタビデコーダ部529は、入力ビットに対してビタビデコーディング処理を行うビットの数を調整するためにレートデマッチングも行う。
【0100】
移動局装置5は、異なるビットサイズのDCI format毎に異なる復号処理をPDCCHの信号に対して行ない、DCIと一緒にPDCCHに付加されるCRC符号に誤りが検出されなかったPDCCHに含まれるDCIを取得する。このような処理をブラインドデコーディングと称す。なお、移動局装置5は、下りリンクサブフレーム毎に同時にブラインドデコーディングを行うDCI formatの種類が基地局装置3から予め指定される。例えば、物理下りリンク制御チャネル復号部521は、DCI format 0Aを想定した復号処理をPDCCHの信号に対して、制御情報の検出処理を行う。
【0101】
なお、制御部405は、ビタビデコーダ部529より入力されたDCIが誤りなく、自装置宛てのDCIかを判定し、誤りなく、自装置宛てのDCIと判定した場合、DCIに基づいて多重分離部511、データ復調部523、ターボ復号部525、および送信処理部407、を制御する。例えば、制御部405は、DCIがA−SRSの送信指示を示す上りリンクグラントである場合、送信処理部407でA−SRSを送信するように制御する。
【0102】
<移動局装置5の送信処理部407>
図6は、本発明の実施形態に係る移動局装置5の送信処理部407の構成を示す概略ブロック図である。この図に示すように、送信処理部407は、ターボ符号部611、データ変調部613、DFT部615、上りリンクパイロットチャネル処理部617、物理上りリンク制御チャネル処理部619、サブキャリアマッピング部621、IFFT部623、GI挿入部625、送信電力調整部627、D/A部605、送信RF部607、および、送信アンテナ411を含んで構成される。また、本発明は、説明の便宜上、移動局装置5において送信アンテナ411の数が1本で構成される場合について説明するが、送信アンテナ411の数が2本以上で構成され、関連する処理部(サブキャリアマッピング部621、IFFT部623、GI挿入部625、送信電力調整部627、D/A部605、送信RF部607)が2個以上構成されてもよい。
【0103】
ターボ符号部611は、入力された情報データを、制御部405から指示された符号化率で、データの誤り耐性を高めるためのターボ符号化を行ない、データ変調部613に出力する。データ変調部613は、ターボ符号部611が符号化した符号データを、制御部405から指示された変調方式、例えば、QPSK、16QAM、64QAMのような変調方式で変調し、変調シンボルの信号系列を生成する。データ変調部613は、生成した変調シンボルの信号系列を、DFT部615に出力する。DFT部615は、データ変調部613が出力した信号を離散フーリエ変換し、サブキャリアマッピング部621に出力する。
【0104】
物理上りリンク制御チャネル処理部619は、制御部405から入力されたUCIを伝送するためのベースバンド信号処理を行う。物理上りリンク制御チャネル処理部619に入力されるUCIは、ACK/NACK、SR、CQIである。物理上りリンク制御チャネル処理部619は、UCIから生成される信号に対して周波数領域の符号多重および/または時間領域の符号多重に関連する信号処理を行う。物理上りリンク制御チャネル処理部619は、ACK/NACK、SR、CQIの送信に用いられるPUCCHの信号に対して周波数領域の符号多重を実現するために制御部405から指示された符号系列を乗算する。物理上りリンク制御チャネル処理部619は、ACK/NACK、SRの送信に用いられるPUCCHの信号に対して時間領域の符号多重を実現するために制御部405から指示された符号系列を乗算する。物理上りリンク制御チャネル処理部619は、ベースバンド信号処理を行ない、生成した信号をサブキャリアマッピング部621に出力する。
【0105】
上りリンクパイロットチャネル処理部617は、基地局装置3において既知の信号であるUL RS(DM RS、P−SRS、A−SRS)を制御部405からの指示に基づき生成し、サブキャリアマッピング部621に出力する。
【0106】
サブキャリアマッピング部621は、上りリンクパイロットチャネル処理部617から入力された信号と、DFT部615から入力された信号と、物理上りリンク制御チャネル処理部619から入力された信号とを、制御部405からの指示に従ってサブキャリアに配置し、IFFT部623に出力する。なお、サブキャリアマッピング部621は、A−SRSのリソースの配置、P−SRSのリソースの配置、PUSCH内におけるDM RSのリソースの配置、PUCCH内におけるDM RSのリソースの配置を、図12に示したように配置して、出力する。
【0107】
IFFT部623は、サブキャリアマッピング部621が出力した信号を高速逆フーリエ変換し、GI挿入部625に出力する。ここで、IFFT部623のポイント数はDFT部615のポイント数よりも多く、移動局装置5は、DFT部615、サブキャリアマッピング部621、IFFT部623を用いることにより、PUSCHを用いて送信する信号に対してDFT−Spread−OFDM方式の変調を行う。GI挿入部625は、IFFT部623から入力された信号に、ガードインターバルを付加し、送信電力調整部627に出力する。
【0108】
送信電力調整部627は、GI挿入部625から入力された信号に対して、制御部405からの制御信号に基づき送信電力を調整してD/A部605に出力する。なお、送信電力調整部627では、PUSCH、PUCCH、DM RS、SRS(P−SRS、A−SRS)の平均送信電力が上りリンクサブフレーム毎に制御される。
【0109】
D/A部605は、送信電力調整部627から入力されたベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、送信RF部607に出力する。送信RF部607は、D/A部605から入力されたアナログ信号から、中間周波数の同相成分および直交成分を生成し、中間周波数帯域に対する余分な周波数成分を除去する。次に、送信RF部607は、中間周波数の信号を高周波数の信号に変換(アップコンバート)し、余分な周波数成分を除去し、電力増幅し、送信アンテナ411を介して、基地局装置3に送信する。
【0110】
<Cell specific SRS subframeとUE specific SRS subframeでのA−SRSの送信>
図7は、本発明の実施形態に係る移動局装置5のA−SRSの送信例を示す図である。ここでは、図14に示すようにCell specific SRS subframeとUE specific SRS subframeが構成されている場合について説明する。また、ここでは、図17に示すようにA−SRSの候補リソースが移動局装置5に対して構成されている場合について説明する。図7において、上部は上りリンクにおいて送信されるA−SRSについて示し、下部は下りリンクにおいて検出されるDCI format 0A(DCI format 0A 1、DCI format 0A 2)について示す。図7において、DCI format 0A 1は、所定の情報フィールド(図11におけるA−SRS activation/deactivation)がA−SRSの送信を指示することを示し、異なる所定の情報フィールド(図11におけるA−SRS dynamic parameter indicator or Resource block assignment)がA−SRSに用いられるパラメータがPDCCHで示される情報に基づくことを示さないDCI format 0Aを意味する。図7において、DCI format 0A 2は、所定の情報フィールド(図11におけるA−SRS activation/deactivation)がA−SRSの送信を指示することを示し、異なる所定の情報フィールド(図11におけるA−SRS dynamic parameter indicator or Resource block assignment)がA−SRSに用いられるパラメータがPDCCHで示される情報に基づくことを示すDCI format 0Aを意味する。なお、図7において、同一の番号の上りリンクサブフレームと下りリンクサブフレームはタイミングが等しいものとする。
【0111】
下りリンクサブフレーム#1でDCI format 0A 1を検出した移動局装置5は、4個の上りリンクサブフレーム以降の最初のUE specific SRS subframeである上りリンクサブフレーム#5でA−SRSを送信する。上りリンクグラントの検出処理、SRSの送信処理の設定などに係る処理遅延を考慮して、適切にA−SRSを移動局装置5が送信することができるように、A−SRSの送信指示を示す情報を含む上りリンクグラントが検出されたタイミングから4個の上りリンクサブフレーム以降の上りリンクサブフレームがA−SRSの送信に用いる上りリンクサブフレームに設定される。移動局装置5は、上りリンクサブフレーム#5で予めRRCシグナリングで構成されたA−SRSの候補リソースを用いる。なお、図示は省略するが、移動局装置5は、下りリンクサブフレーム#1で検出したDCI format 0A 1で示されるPUSCHのリソースの割り当てに関する情報に基づいて4個の上りリンクサブフレーム後の上りリンクサブフレーム#5でPUSCHを送信する。なお、Cell specific SRS subframeでSRSは14番目のSC−FDMAシンボルで送信され、PUSCHは1番目から13番目のSC−FDMAシンボルで送信される。下りリンクサブフレーム#2でDCI format 0A 2を検出した移動局装置5は、4個の上りリンクサブフレーム以降の最初のCell specific SRS subframeである上りリンクサブフレーム#7でA−SRSを送信する。移動局装置5は、上りリンクサブフレーム#7でDCI format 0A 2で示されるパラメータに基づくA−SRSのリソースを用いる。下りリンクサブフレーム#4でDCI format 0A 1を検出した移動局装置5は、4個の上りリンクサブフレーム以降の最初のUE specific SRS subframeである上りリンクサブフレーム#9でA−SRSを送信する。移動局装置5は、上りリンクサブフレーム#9で予めRRCシグナリングで構成されたA−SRSの候補リソースを用いる。なお、図示は省略するが、移動局装置5は、下りリンクサブフレーム#4で検出したDCI format 0A 1でPUSCHのリソースの割り当てに関する情報に基づいて4個の上りリンクサブフレーム後の上りリンクサブフレーム#8でPUSCHを送信する。下りリンクサブフレーム#7でDCI format 0A 2を検出した移動局装置5は、4個の上りリンクサブフレーム以降の最初のCell specific SRS subframeである上りリンクサブフレーム#11でA−SRSを送信する。移動局装置5は、上りリンクサブフレーム#11でDCI format 0A 2で示されるパラメータに基づくA−SRSのリソースを用いる。
【0112】
以上のように、移動局装置5がA−SRSを送信する上りリンクサブフレームとしてCell specific SRS subframe、またはUE specific SRS subframeを、上りリンクグラント(DCI format 0A)のA−SRSに用いられるパラメータがPDCCHで示される情報に基づくことを示すか否かに基づいて設定することにより、基地局装置3は柔軟にA−SRSの送信を移動局装置5に対して制御することができ、上りリンクのチャネル品質を効率良く測定することができる。基地局装置3は、管理するセル内において各移動局装置5に対するスケジューリングの結果、SRSに用いるリソースに余裕が生じた場合は、図7で説明したように、UE specific SRS subframeではないCell specific SRS subframeで柔軟にA−SRSのリソースを割り当てることができるので、A−SRSの送信指示を示すことにより、UE specific SRS subframeに限定したリソースを割り当て、A−SRSの送信指示を示す場合と比較して、リソースの利用状況に合わせた周波数帯域のチャネル品質を高速に測定することができる。例えば、基地局装置3は、広い周波数帯域のチャネル品質を高速に測定することができる。広い周波数帯域のチャネル品質を高速に測定することができる。ここで、SRSに用いるリソースに余裕が生じた状態とは、ある上りリンクサブフレームのタイミングでSRSを送信する必要のある移動局装置5が少なくなり、SRSを送信する必要のある移動局装置5に対して集中的にSRSのリソースを割り当てることができるような状態を意味する。図17に示すように、基地局装置3はUE specific SRS subframeに限定したリソースを割り当て、A−SRSを送信させる場合、システム帯域の全体のチャネル品質を測定するためには、最低でも13個の上りリンクサブフレームに相当する時間が必要だが、図7に示すように、基地局装置3は、移動局装置5の伝搬路状況、SRSのリソースの利用状況に合わせて、Cell specific SRS subrameに柔軟にA−SRSのリソースを割り当て、A−SRSを送信させることにより、7個の上りリンクサブフレームに相当する時間でシステム帯域の全体のチャネル品質を測定することができる。このように、本発明は基地局装置3が適切にチャネル品質を測定するために必要な時間を短縮することができ、効率的な周波数スケジューリング、適応変調を開始するまでの時間を短縮することができる。その結果、移動局装置5を用いて通信を行うユーザの満足度を向上させることができる。なお、移動局装置5が最大で送信することができる送信電力の値は限界があり、伝搬路の状況が悪い移動局装置5は、広い周波数帯域のSRSを要求品質を満足しつつ送信することはできず、限られた範囲の周波数帯域のSRSしか送信することができず、異なる上りリンクサブフレームでSRSを複数回送信するしか、基地局装置3は広い周波数帯域のチャネル品質を測定することはできない。
【0113】
なお、上記でも説明したように、Cell specific SRS subframeとUE specific SRS subframeは相互排他の関係ではない。UE specific SRS subframeは、Cell specific SRS subframeの一部である。図7の説明を言い換えると、DCI format 0A 1を検出した移動局装置5は、Cell specific SRS subframe内の上りリンクサブフレームであって、UE specific SRS subframeである上りリンクサブフレームのみをA−SRSを送信する上りリンクサブフレームとして設定し、DCI format 0A 2を検出した移動局装置5は、Cell specific SRS subframe内の上りリンクサブフレームであって、UE specific SRS subframeである上りリンクサブフレームまたはUE specific SRS subframeではない上りリンクサブフレームをA−SRSを送信する上りリンクサブフレームとして設定する。
【0114】
図8は、本発明の実施形態に係る移動局装置5の制御部405のA−SRSを送信する上りリンクサブフレームの設定に関する処理の一例を示すフローチャートである。移動局装置5の制御部405は、受信処理部401においてA−SRSの送信指示を示す上りリンクグラント(DCI format 0A)が検出されたか否かを判定する(ステップS101)。制御部405は、受信処理部401においてA−SRSの送信指示を示す上りリンクグラントが検出されたと判定した場合(ステップS101:YES)、A−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことが示されたか否かを判定する(ステップS102)。制御部405は、A−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことが示されたと判定した場合(ステップS102:YES)、A−SRSを送信する上りリンクサブフレームとしてCell specific SRS subframeを設定する(ステップS103)。制御部405は、A−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことが示されなかったと判定した場合(ステップS102:NO)、A−SRSを送信する上りリンクサブフレームとしてUE specific SRS subframeを設定する(ステップS104)。一方、制御部405は、受信処理部401においてA−SRSの送信指示を示す上りリンクグラント(DCI format 0A)が検出されなかったと判定した場合(ステップS101:NO)、A−SRSを送信する上りリンクフレームの設定に関する処理を何も行なわない。ステップS103、またはステップS104の後、移動局装置5の送信処理部407は、制御部405において設定された上りリンクサブフレームでA−SRSを送信する。
【0115】
以上のように、本発明の実施形態では、移動局装置5は、A−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくか否かを示す情報(第一の情報)に基づいて、A−SRSを送信する上りリンクサブフレームとしてCell specific SRS subframe、またはUE specific SRS subframeを設定することにより、基地局装置3は柔軟にA−SRSの送信を移動局装置5に対して制御することができ、上りリンクのチャネル品質を効率良く測定することができる。より詳細には、移動局装置5は、A−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示された場合、A−SRSを送信する上りリンクサブフレームとしてCell specific SRS subframeを設定し、A−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示されなかった場合、A−SRSを送信する上りリンクサブフレームとしてUE specific SRS subframeを設定することにより、基地局装置3は柔軟にA−SRSの送信を移動局装置5に対して制御することができ、上りリンクのチャネル品質を効率良く測定することができる。移動局装置5は、A−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示された場合、Cell specific SRS subframeで上りリンクグラントで示されるパラメータに基づくリソースでA−SRSを送信し、A−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示されなかった場合、UE specific SRS subframeで予め基地局装置3より構成されたパラメータに基づくリソースでA−SRSを送信することにより、基地局装置3は管理するセル内において各移動局装置5に対するスケジューリングの結果SRSに用いるリソースに余裕が生じた場合は、リソースの利用状況に合わせて広い周波数帯域のチャネル品質を高速に測定することができる。なお、移動局装置5は、A−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくか否かを示す情報に基づいて、A−SRSを送信する上りリンクサブフレームとしてCell specific SRS subframe、またはUE specific SRS subframeを暗黙的に設定するので、A−SRSを送信する上りリンクサブフレームとしてCell specific SRS subframe、またはUE specific SRS subframeを設定することを示す情報を上りリンクグラントで明示的に示す(専用の情報フィールドを用いる、専用のコードポイントを用いる)必要はないので、上りリンクグラントの制御情報のオーバヘッドを抑えることができる。
【0116】
また、移動局装置5とは、移動する端末に限らず、固定端末に移動局装置5の機能を実装することなどにより本発明を実現しても良い。
【0117】
以上説明した本発明の特徴的な手段は、集積回路に機能を実装し、制御することによっても実現することができる。すなわち、本発明の集積回路は、移動局装置に実装されることにより、前記移動局装置に複数の機能を発揮させる集積回路であって、基地局装置と通信する機能と、サウンディング参照信号の送信指示と第一の情報を含む上りリンクグラントの検出処理を行う機能と、サウンディング参照信号の送信指示を含む上りリンクグラントが検出された場合、サウンディング参照信号を送信するサブフレームとしてセル固有のサブフレーム、またはセル固有のサブフレームの中で予め基地局装置より構成されたサブフレームを前記第一の情報に基づいて設定する機能と、設定されたサブフレームでサウンディング参照信号を送信する機能と、を含む一連の機能を、前記移動局装置に発揮させることを特徴とする。
【0118】
このように、本発明の集積回路を用いた移動局装置5は、A−SRSの送信指示を示す情報と共に上りリンク含まれる第一の情報(A−SRSに用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくか否かを示す情報)に基づいて、A−SRSを送信する上りリンクサブフレームとしてCell specific SRS subframe、またはUE specific SRS subframeを設定することにより、基地局装置3は上りリンクサブフレーム毎に動的に、柔軟にA−SRSの送信を移動局装置5に対して制御することができ、上りリンクのチャネル品質を効率良く測定することができる。
【0119】
本発明の実施形態に記載の動作をプログラムで実現してもよい。本発明に関わる移動局装置5および基地局装置3で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
【0120】
また市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送させたりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれる。また、上述した実施形態における移動局装置5および基地局装置3の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。移動局装置5および基地局装置3の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0121】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0122】
3 基地局装置
5(A〜C) 移動局装置
101 受信処理部
103 無線リソース制御部
105 制御部
107 送信処理部
109 受信アンテナ
111 送信アンテナ
201 物理下りリンク共用チャネル処理部
203 物理下りリンク制御チャネル処理部
205 下りリンクパイロットチャネル処理部
207 多重部
209 IFFT部
211 GI挿入部
213 D/A部
215 送信RF部
219 ターボ符号部
221 データ変調部
223 畳み込み符号部
225 QPSK変調部
301 受信RF部
303 A/D部
309 シンボルタイミング検出部
311 GI除去部
313 FFT部
315 サブキャリアデマッピング部
317 伝搬路推定部
319 PUSCH用の伝搬路等化部
321 PUCCH用の伝搬路等化部
323 IDFT部
325 データ復調部
327 ターボ復号部
329 物理上りリンク制御チャネル検出部
331 上りリンクチャネル品質測定部
401 受信処理部
403 無線リソース制御部
405 制御部
407 送信処理部
409 受信アンテナ
411 送信アンテナ
501 受信RF部
503 A/D部
505 シンボルタイミング検出部
507 GI除去部
509 FFT部
511 多重分離部
513 伝搬路推定部
515 PDSCH用の伝搬路補償部
517 物理下りリンク共用チャネル復号部
519 PDCCH用の伝搬路補償部
521 物理下りリンク制御チャネル復号部
523 データ復調部
525 ターボ復号部
527 QPSK復調部
529 ビタビデコーダ部
605 D/A部
607 送信RF部
611 ターボ符号部
613 データ変調部
615 DFT部
617 上りリンクパイロットチャネル処理部
619 物理上りリンク制御チャネル処理部
621 サブキャリアマッピング部
623 IFFT部
625 GI挿入部
627 送信電力調整部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置と通信する移動局装置であって、
サウンディング参照信号の送信指示と第一の情報を含む上りリンクグラントの検出処理を行う受信処理部と、
前記受信処理部においてサウンディング参照信号の送信指示を含む上りリンクグラントが検出された場合、サウンディング参照信号を送信するサブフレームとしてセル固有のサブフレーム、またはセル固有のサブフレームの中で予め基地局装置より構成されたサブフレームである移動局装置固有のサブフレームを前記第一の情報に基づいて設定する制御部と、
前記制御部において設定されたサブフレームでサウンディング参照信号を送信する送信処理部と、を有することを特徴とする移動局装置。
【請求項2】
前記セル固有のサブフレームは、移動局装置固有ではないサブフレームも含むことを特徴とする請求項1に記載の移動局装置。
【請求項3】
前記制御部は、サウンディング参照信号を送信するサブフレームとして、上りリンクグラントが検出されたサブフレームから所定数のサブフレーム以降のサブフレームを設定することを特徴とする請求項1に記載の移動局装置。
【請求項4】
前記第一の情報は、サウンディング参照信号に用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくか否かを示す情報であり、
前記制御部は、前記第一の情報がサウンディング参照信号に用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示した場合、サウンディング参照信号を送信するサブフレームとしてセル固有のサブフレームを設定し、前記第一の情報がサウンディング参照信号に用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示さなかった場合、サウンディング参照信号を送信するサブフレームとして移動局装置固有のサブフレームを設定することを特徴とする請求項1に記載の移動局装置。
【請求項5】
前記送信処理部は、前記第一の情報がサウンディング参照信号に用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示した場合、サウンディング参照信号の送信指示を含む上りリンクグラントで示されるパラメータに基づきサウンディング参照信号を送信し、前記第一の情報がサウンディング参照信号に用いられるパラメータが上りリンクグラントで示される情報に基づくことを示さなかった場合、予め基地局装置より構成されたパラメータに基づきサウンディング参照信号を送信することを特徴とする請求項4に記載の移動局装置。
【請求項6】
複数の移動局装置および前記複数の移動局装置と通信を行う基地局装置から構成される通信システムであって、
前記基地局装置は、
前記移動局装置に対して信号を送信する送信部と、
前記移動局装置から信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信されたサウンディング参照信号からチャネル品質を測定する上りリンクチャネル品質測定部と、を有し、
前記移動局装置は、
サウンディング参照信号の送信指示と第一の情報を含む上りリンクグラントの検出処理を行う受信処理部と、
前記受信処理部においてサウンディング参照信号の送信指示を含む上りリンクグラントが検出された場合、サウンディング参照信号を送信するサブフレームとしてセル固有のサブフレーム、またはセル固有のサブフレームの中で予め基地局装置より構成されたサブフレームである移動局装置固有のサブフレームを前記第一の情報に基づいて設定する制御部と、
前記制御部において設定されたサブフレームでサウンディング参照信号を送信する送信処理部と、を有することを特徴とする通信システム。
【請求項7】
基地局装置と通信する移動局装置に用いられる通信方法であって、
サウンディング参照信号の送信指示と第一の情報を含む上りリンクグラントの検出処理を行うステップと、
サウンディング参照信号の送信指示を含む上りリンクグラントが検出された場合、サウンディング参照信号を送信するサブフレームとしてセル固有のサブフレーム、またはセル固有のサブフレームの中で予め基地局装置より構成されたサブフレームである移動局装置固有のサブフレームを前記第一の情報に基づいて設定するステップと、
設定されたサブフレームでサウンディング参照信号を送信するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする通信方法。
【請求項8】
移動局装置に実装されることにより、前記移動局装置に複数の機能を発揮させる集積回路であって、
基地局装置と通信する機能と、
サウンディング参照信号の送信指示と第一の情報を含む上りリンクグラントの検出処理を行う機能と、
サウンディング参照信号の送信指示を含む上りリンクグラントが検出された場合、サウンディング参照信号を送信するサブフレームとしてセル固有のサブフレーム、またはセル固有のサブフレームの中で予め基地局装置より構成されたサブフレームである移動局装置固有のサブフレームを前記第一の情報に基づいて設定する機能と、
設定されたサブフレームでサウンディング参照信号を送信する機能と、を含む一連の機能を、前記移動局装置に発揮させることを特徴とする集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−95184(P2012−95184A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241888(P2010−241888)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】