説明

移動端末監視システム、移動端末監視センタ、移動端末、監視方法、そのプログラム及びプログラム記録媒体

【課題】ユーザ所有の移動端末の盗難・紛失を監視し、かつ、盗難・紛失発生時に情報の漏洩を未然に防止可能とする移動端末監視システムを提供する。
【解決手段】ユーザ1所有のノートPC10とユーザ1が常時携行する携帯端末機11との現在の所在位置を移動端末監視センタ2Aのセンタ装置20にネットワーク100を介して常時通知し、センタ装置20にて算出した携帯端末機11とノートPC10との距離が、予め設定された一定距離以上離れたことを検知した際に、その旨の警告情報をオペレータがコールセンタ用電話機21から電話通信網200を介して携帯端末機11に直ちに通知する。更に、ユーザ1からコールセンタ用電話機21にて一定距離以上に離れたノートPC10上のデータを削除すべき指示を受け付けた場合、センタ装置20からノートPC10にネットワーク100を介して削除命令信号を送出し、ノートPC10上のデータを削除させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動端末監視システム、移動端末監視センタ、移動端末、移動端末監視方法、移動端末監視プログラム及びプログラム記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザがノート型パーソナルコンピュータ即ちノートPC(Personal Computer)などの移動端末を購入した場合、当該移動端末を製造・販売している業者などでは、その所在場所などが一切管理されておらず、ノートPCなどの移動端末の管理や当該移動端末に記録して保存されているデータの管理は、全て、購入・使用しているユーザに委ねられている。
【0003】
しかし、ユーザが自己所有のノートPCなどの移動端末の物理的な所在場所を常時監視し続けることは、現実的には困難であり、ノートPCなどの移動端末が盗難・紛失などの理由により、ユーザの手元から物理的に離れていったとしても、ユーザが直ちに気付くことはほとんど不可能である。一方、ノートPCなどの移動端末が手元から物理的に離れていくことを直ちに気付かない限り、ユーザは、自分の移動端末を取り戻すことは、一般に、非常に困難である。
【0004】
更に、ノートPCなどのように、情報をその記録メディアに保存しているような移動端末の場合、当該移動端末をユーザ本人の手元に取り戻せずに、他人の手に渡ってしまった場合、当該移動端末に保存されていた個人情報などの重要データが他人に漏洩してしまうことも防ぐことができない。即ち、ユーザ個人の管理だけでは、ノートPCなどの移動端末の盗難・紛失などを完全に防止することが極めて難しいため、盗難・紛失などにより、移動端末上の重要な個人情報などが第三者に漏洩してしまう事件が頻発している。
【0005】
斯かる事態の解決を狙った特許文献1に示す特開2003−70057号公報「移動端末監視制御システム、移動端末監視制御装置、移動端末監視制御装置用プログラム、移動端末監視制御装置用記録媒体、移動端末監視制御方法、移動端末、移動端末用プログラム、移動端末用記録媒体」によれば、移動端末の盗難・紛失を検知するための機構を、無線基地局、無線交換機に具備させることが提案されている。しかし、一般的な通信手段として用いられるネットワークの構成ノードに対して斯かる機構を具備させるために、通信設備投資が増加し、かつ、通信時の処理負荷が増大し、ひいては、通信コストを上昇させるという問題を有しており、その実現は現実的には困難である。
【0006】
【特許文献1】特開2003−70057号公報(第7−9頁、図1,3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のように、従来の移動端末監視システムでは、ノートPCなどの移動端末の盗難・紛失などを完全に防止することは極めて難しく、盗難・紛失などにより、移動端末上に記録されている情報などが第三者に漏洩することを防止することも困難であった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、ノートPCなどの移動端末の盗難・紛失を常時監視し、盗難・紛失を防止すると共に、それでも、当該移動端末の盗難・紛失が発生した場合には、当該移動端末に記録されている情報の漏洩を未然に防止するために、当該移動端末上の情報を必要に応じて削除することを可能とする移動端末監視システム、移動端末監視センタ、移動端末、移動端末監視方法、移動端末監視プログラム及びプログラム記録媒体を提供することにある。
【0009】
即ち、本発明による移動端末監視システム、移動端末監視センタ、移動端末、移動端末監視方法、移動端末監視プログラム及びプログラム記録媒体は、ユーザが常時携行する移動端末と当該ユーザ所有の他の移動端末との間の物理的な距離が、予め設定された一定距離以上に離れていることを検知した際に、直ちに、その旨の警告情報をユーザに通知すると共に、ユーザからの指示を受け取って、ユーザの手元から一定距離以上に離れてしまった移動端末上に保存されているデータを遠隔操作によって削除することを可能とする移動端末監視センタを備えることにより、該移動端末監視センタを運営するサービス事業者が、移動端末の盗難・紛失などを監視する作業を、ユーザに代わって実施し、かつ、移動端末上のデータの漏洩を防止するために、ユーザからの指示により状況に応じて当該移動端末上からデータを削除するサービスを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の課題を解決するため、本発明による移動端末監視システム、移動端末監視センタ、移動端末、移動端末監視方法、移動端末監視プログラム及びプログラム記録媒体は、次のような特徴的な構成を採用している。
【0011】
(1)ユーザが所有する複数の移動端末と該移動端末の監視サービスを実行する移動端末監視センタとがネットワークを介して接続される移動端末監視システムにおいて、複数の前記移動端末それぞれが、現在の所在位置を示す位置情報を前記移動端末監視センタに前記ネットワークを介して常時通知する位置情報通知手段を少なくとも備え、前記移動端末監視センタが、ユーザの複数の移動端末の前記位置情報通知手段からそれぞれ受信した位置情報に基づいて、ユーザが常時携行する移動端末との間の距離を算出し、算出した距離が予め設定された一定距離以上離れていることを検知した場合に、その旨の警告情報を、ユーザが常時携行する前記移動端末に対して前記ネットワークを介して通知する警告通知手段を少なくとも備えている移動端末監視システム。
(2)前記移動端末監視センタに予め設定される前記一定距離は、前記移動端末監視センタの監視対象とする複数の移動端末を所有するユーザが任意に指定することができる上記(1)の移動端末監視システム。
(3)前記移動端末の距離がユーザの手元から前記一定距離以上離れていた場合に、前記移動端末監視センタからユーザが常時携行する移動端末に通知する前記警告情報が、音声及び/又はテキストからなっている上記(1)又は(2)の移動端末監視システム。
(4)ユーザが常時携行する前記移動端末を、当該ユーザが前記移動端末監視センタに予め登録することができる上記(1)乃至(3)のいずれかの移動端末監視システム。
(5)前記移動端末監視センタが、前記移動端末の距離がユーザの手元から前記一定距離以上離れていることを検知した場合、前記一定距離以上に離れた該移動端末に対して削除命令信号を前記ネットワークを介して送出する信号送出手段を更に備え、複数の前記移動端末それぞれが、前記移動端末監視センタから前記削除命令信号を受信した際に、保存しているデータを削除する削除手段を更に備えている上記(1)乃至(4)のいずれかの移動端末監視システム。
(6)前記移動端末監視センタが前記信号送出手段により前記削除命令信号を送出すべき移動端末の宛先を、ユーザが予め登録することができる上記(5)の移動端末監視システム。
(7)前記移動端末監視センタが、前記移動端末の距離がユーザの手元から前記一定距離以上離れていることを検知し、かつ、前記警告情報を受信したユーザが常時携行する移動端末から、当該移動端末から前記一定距離以上に離れた前記移動端末に保存されたデータを削除する指示を受け取った場合に、前記信号送出手段により前記削除命令信号を前記ネットワークを介して送出する上記(5)又は(6)の移動端末監視システム。
(8)前記削除命令信号を受け取った前記移動端末が、前記削除手段により、保存しているデータを削除した際に、削除が成功したか否かを示す削除動作の実施結果を、前記削除命令信号の送出元の前記移動端末監視センタに対して前記ネットワークを介して返送する上記(5)乃至(7)のいずれかの移動端末監視システム。
(9)前記移動端末監視センタが、前記移動端末から削除動作の前記実施結果を受け取った場合、前記ユーザが常時携行する移動端末に対して前記ネットワークを介して削除動作の前記実施結果を通知する上記(8)の移動端末監視システム。
(10)前記移動端末監視センタが、ユーザが常時携行する移動端末に対して通知する前記警告情報をオペレータに対して表示する表示手段と、ユーザからの指示を受け付けた該オペレータから削除指示を入力する入力手段と、前記警告通知手段と、前記ネットワークに接続する接続手段と、前記信号送出手段と、を少なくとも備えるセンタ装置と、前記オペレータが前記ネットワークを介した電話通信用に用いるセンタ用電話機とを有し、前記表示手段に表示された前記警告情報に基づいて、前記オペレータが前記センタ用電話機を用いて前記ユーザが常時携行する移動端末に対して前記警告情報を通知し、当該ユーザからの指示を前記センタ用電話機により受け付けた前記オペレータが、前記入力手段により削除指示を入力する上記(1)乃至(9)のいずれかの移動端末監視システム。
(11)前記移動端末監視センタが、各ユーザがそれぞれ所有する複数の移動端末に関する情報を一括管理する情報管理サーバを更に備え、該情報管理サーバが、ユーザそれぞれの複数の移動端末の前記位置情報通知手段からそれぞれの位置情報を常時受信し、前記センタ装置の前記警告通知手段の代わりに、それぞれ受信した位置情報に基づいて、各ユーザそれぞれの複数の移動端末と当該ユーザが常時携行する移動端末との間の距離を算出し、算出した距離が予め設定された一定距離以上離れていることを検知した場合に、前記警告情報を、当該ユーザが常時携行する移動端末及び前記センタ装置に対して通知する上記(10)の移動端末監視システム。
(12)前記移動端末監視センタの前記情報管理サーバが、前記センタ装置の前記入力手段から入力されたオペレータからの削除指示を受け取った際に、前記センタ装置の前記信号送出手段の代わりに、ユーザの手元から前記一定距離以上に離れた移動端末に対して前記削除命令信号を送出する上記(11)の移動端末監視シスム。
(13)前記移動端末監視センタにより実行される全ての処理を、ユーザが常時携行する移動端末に搭載し、前記移動端末監視センタを用いることなく、当該ユーザが常時携行する前記移動端末のみにより、当該ユーザが所有する複数の移動端末を管理することが可能である上記(5)乃至(12)のいずれかの移動端末監視システム。
(14)ユーザが所有する複数の移動端末とネットワークを介して接続されて、該移動端末の監視サービスを実行する移動端末監視センタであって、複数の前記移動端末それぞれの現在の所在位置を示す位置情報を常時受信し、該位置情報に基づいて、ユーザが常時携行する移動端末との間の距離を算出し、算出した距離が予め設定された一定距離以上離れていることを検知した場合に、その旨の警告情報を、ユーザが常時携行する前記移動端末に対して前記ネットワークを介して通知する警告通知手段を少なくとも備えている移動端末監視センタ。
(15)前記移動端末の距離がユーザの手元から前記一定距離以上離れていることを検知した場合、前記一定距離以上に離れた該移動端末に対してデータを削除することを指示する削除命令信号を前記ネットワークを介して送出する信号送出手段を更に備えている上記(14)の移動端末監視センタ。
(16)各ユーザがそれぞれ所有する複数の移動端末に関する情報を一括管理する情報管理サーバを更に備えている上記(14)又は(15)の移動端末監視センタ。
(17)移動端末の監視サービスを実行する移動端末監視センタとネットワークを介して接続されるユーザ所有の移動端末であって、現在の所在位置を示す位置情報を前記移動端末監視センタに前記ネットワークを介して常時通知する位置情報通知手段を少なくとも備えている移動端末。
(18)ユーザが常時携行する移動端末であって、ネットワークを介して接続される当該ユーザが所有する複数の移動端末それぞれの現在の所在位置を示す位置情報を常時受信し、該位置情報に基づいて、当該ユーザが常時携行する当該移動端末との間の距離を算出し、算出した距離が予め設定された一定距離以上離れていることを検知した場合に、自動的に又は当該移動端末のユーザからの指示により、前記一定距離以上に離れた前記移動端末に対してデータの削除を指示する削除命令信号を前記ネットワークを介して送出する信号送出手段を少なくとも備えている移動端末。
(19)前記移動端末監視センタから又はユーザが常時携行する移動端末から、データの削除を指示する削除命令信号を受信した際に、保存しているデータを削除する削除手段を更に備えている上記(17)又は(18)の移動端末。
(20)ユーザが所有する複数の移動端末と該移動端末の監視サービスを実行する移動端末監視センタとがネットワークを介して接続される移動端末監視方法において、複数の前記移動端末それぞれが、現在の所在位置を示す位置情報を前記移動端末監視センタに前記ネットワークを介して常時通知する位置情報通知ステップを少なくとも備え、前記移動端末監視センタが、ユーザの複数の移動端末の前記位置情報通知ステップからそれぞれ受信した位置情報に基づいて、ユーザが常時携行する移動端末との間の距離を算出し、算出した距離が予め設定された一定距離以上離れていることを検知した場合に、その旨の警告情報を、ユーザが常時携行する前記移動端末に対して前記ネットワークを介して通知する警告通知ステップを少なくとも備えている移動端末監視方法。
(21)前記移動端末監視センタが、前記移動端末の距離がユーザの手元から前記一定距離以上離れていることを検知した場合、自動的に又は当該移動端末監視センタのオペレータからの指示により、前記一定距離以上離れた該移動端末に対して削除命令信号を前記ネットワークを介して送出する信号送出ステップを更に備え、複数の前記移動端末それぞれが、前記移動端末監視センタから前記削除命令信号を受信した際に、保存しているデータを削除する削除ステップを更に備えている上記(20)の移動端末監視方法。
(22)前記移動端末監視センタにより実行される全ての処理を、ユーザが常時携行する移動端末に搭載し、前記移動端末監視センタを用いることなく、当該ユーザが常時携行する前記移動端末のみにより、当該ユーザが所有する複数の移動端末を管理することが可能である上記(20)又は(21)の移動端末監視方法。
(23)上記(20)乃至(22)のいずれかに記載の移動端末監視方法をコンピュータにより実行可能なプログラムにより実現する移動端末監視プログラム。
(24)上記(23)に記載の移動端末監視プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録したプログラム記録媒体。
【発明の効果】
【0012】
本発明の移動端末監視システム、移動端末監視センタ、移動端末、移動端末監視方法、移動端末監視プログラム及びプログラム記録媒体によれば、以下のごとき効果を奏することができる。
【0013】
ユーザが所有する移動端末として、複数の移動端末(例えば、携帯電話機のような端末と、ノートPCなどの端末)を所有し、いずれか一方の移動端末をユーザが常時携行している場合、常時携行している移動端末と他の移動端末との間の物理的な距離が予め設定された一定距離以上に離れたことを検知した際に、当該ユーザに代わって、移動端末の監視サービスを提供するサービス事業者が運営している移動端末監視センタのオペレータから、当該ユーザが常時携行する移動端末に対して、直ちにその旨の警告情報が送信され、他の移動端末が当該ユーザの手元から離れた場所にある旨、注意を促すことが可能である。
【0014】
もって、ユーザは、当該ユーザが所有する移動端末(携帯電話機やノートPCなどの端末)の所在を常時監視している必要がなく、サービス事業者のオペレータから連絡を受け取ることにより、手元から離れたことを認識すれば良く、ユーザの負担を軽減することができる。また、移動端末がユーザの手元から一定距離以上に離れた場合、オペレータから即時に当該ユーザに連絡を入るので、当該ユーザは盗難・紛失の可能性を直ちに知ることができ、移動端末を取り戻す機会を増大させることも可能になる。
【0015】
更に、盗難・紛失などの理由により、ユーザの手元から離れた移動端末であっても、当該ユーザは、サービス事業者のオペレータを介して遠隔から当該移動端末の記録データを削除することも可能であり、盗難・紛失した移動端末に記録されていた個人情報などの重要情報が第三者に漏洩することを未然に防止することも可能である。
【0016】
つまり、本発明によれば、ユーザは移動端末の盗難・紛失を迅速に認識して、盗難・紛失を未然に防止する可能性を向上させることと、盗難・紛失などによる情報の漏洩を未然に防止することとの2つの機能をユーザに提供することが可能である。
【0017】
更に、サービス事業者のオペレータの操作内容をプログラム化して自動化することにより、ユーザは移動端末の盗難・紛失をより迅速に発見することが可能であり、かつ、盗難・紛失などによる情報の漏洩をより確実に防止することが可能である。更に、移動端末監視センタの機能をプログラム化して、ユーザが常時携行する移動端末に搭載することにより、移動端末監視センタの存在がなくても、ユーザ自身が、当該ユーザ所有の移動端末の管理を容易に行うことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明による移動端末監視システム、移動端末監視センタ、移動端末、移動端末監視方法、移動端末監視プログラム及びプログラム記録媒体の好適実施形態例について、移動端末監視システムの実施例を用いて添付図を参照しながら説明する。この移動端末監視システムの実施例の詳細な説明により、本発明の移動端末監視センタ、移動端末、移動端末監視方法、移動端末監視プログラム及びプログラム記録媒体の実施形態についても容易に想到することができる。
【0019】
(実施例1)
図1は、本発明による移動端末監視システムのシステム構成の一例を実施例1として示すシステム構成図である。図1は、ユーザ1が所有する複数の移動端末(図においては、ノートPC10と携帯電話機11との2つの移動端末を所有する例を示している)と、当該ユーザ1の移動端末(ノートPC10、携帯電話機11)の監視サービスを提供するサービス事業者2が運営する移動端末監視センタ2Aとが、ネットワーク100及び/又は電話通信網200を介して相互に接続されている例を示している。
【0020】
ネットワーク100は、データ(テキスト、画像、図形などのデータ)の送受信を行うデータ通信用ネットワークであり、インターネットなどで代表される。電話通信網200は、電話による音声の送受信を行う電話ネットワークであり、PSTN(Public Service Telephone Network:公衆電話網)などで代表される。
【0021】
ユーザが所有するノートPC10、携帯電話機11は、いずれも、ネットワーク100に接続されており、移動端末監視センタ2Aとの間でデータの送受信が可能であると共に、いずれも、移動端末監視センタ2Aに対して現在の所在位置を示す位置情報を常時通知する位置情報通知手段を少なくとも具備している。また、携帯電話機11は、電話通信網200にも接続可能であり、移動端末監視センタ2Aとの間で電話による音声の送受信が可能である。
【0022】
一方、サービス事業者2が運営する移動端末監視センタ2Aには、監視対象のユーザ1所有の移動端末(ノートPC10、携帯電話機11)の位置情報を常時監視し、当該移動端末の遠隔操作を行うことが可能なセンタ装置20と、ユーザ1の移動端末との間で電話による通信を行うコールセンタ用電話機21とが、少なくとも備えられている。センタ装置20は、ネットワーク100に接続されて、ユーザ1が所有する移動端末(ノートPC10、携帯電話機11)との間でデータの送受信が少なくとも可能であり、コールセンタ用電話機21は、電話通信網200に接続されて、ユーザ1が所有する携帯電話機11との間で電話による音声の送受信が少なくとも可能である。
【0023】
なお、ユーザ1が所有する移動端末は、ノートPC10、携帯電話機11に限るものではなく、情報携帯端末PDA(Personal Digital Assistants)であっても良いし、携帯音楽プレーヤや携帯テレビであっても良いし、PHS(Personal
Handyphone System)であっても良く、固定設置型の端末ではなく、容易に移動可能な端末であり、かつ、現在の所在位置を示す位置情報を提供する機能を具備しているものであれば、如何なる形態の端末であってもかまわない。
【0024】
また、ユーザ1が所有する移動端末の数量は、2台に限るものではなく、3台以上の複数の移動端末を用いる場合であっても良い。なお、携帯電話機11については、データ通信を行う場合、直接接続されたネットワーク100を介してデータを送受信する例を示しているが、場合によっては、電話通信網200を経由してネットワーク100に接続して、データを送受信するようにしても良い。
【0025】
また、サービス事業者2が運営する移動端末監視センタ2Aとして、センタ装置20とコールセンタ用電話機21とを別個に備える例を示しているが、センタ装置20に電話通信網200を介した電話通信機能を備えるようにして、サービス事業者2に所属するコールセンタオペレータがユーザ1に対して電話による連絡を行う際に、コールセンタ用電話機21を用いることなく、センタ装置20の電話通信機能を用いて通話するようにしても良い。
【0026】
一方、コールセンタ用電話機21については、電話通信網200に接続されている例を示しているが、場合によっては、例えば電子メールとしてデータを送受信することも可能であり、前述のように、ネットワーク100に直接接続してデータの送受信を行ったり、電話通信網200を経由してネットワーク100に接続して、データを送受信するようにしても良い。
【0027】
図1には、ユーザ1が所有する移動端末(ノートPC10、携帯電話機11)と移動端末監視センタ2Aとの間を相互に接続する動作を理解しやすくするために、ネットワーク100と電話通信網200とを別個に設けている例を示しているが、斯かるネットワーク形態に限るものではない。例えば、IP電話のように、ネットワーク100として電話による音声の送受信機能を備えている場合であれば、電話通信網200を用いずに、携帯電話機11やコールセンタ用電話機21をネットワーク100に直接接続する形態であっても良い。
【0028】
また、ユーザ1が所有する移動端末(ノートPC10、携帯電話機11)や移動端末監視センタ2Aに設置されるセンタ装置20、コールセンタ用電話機21は、ハードウェア論理による制御に限るものではなく、それぞれに所要の動作を実行するプログラムが内蔵され、プログラム論理により動作が制御されるようにしてもかまわない。
【0029】
以降の説明においては、図1に示すノートPC10に着目して、ノートPC10がユーザ1の手元から予め設定された一定距離以上に離れた位置まで移動しているか否かを、サービス事業者2が運営する移動端末監視センタ2Aのセンタ装置20により監視し、ノートPC10が予め設定された一定距離以上離れたことを検出した場合、コールセンタオペレータがコールセンタ用電話機21によりユーザ1の携帯電話機11にその旨の警告情報を直ちに通知し、ユーザ1からノートPC10の記録内容を削除する指示を受け取った場合に、移動端末監視センタ2Aのセンタ装置20からノートPC10を遠隔操作してノートPC10のデータを削除する場合について、その詳細を説明することにする。
【0030】
このような場合、前述したように、ノートPC10は、一般的なノート型のパーソナルコンピュータであるが、ネットワーク100を介してセンタ装置20とデータ通信する通信手段を備えている。また、ノートPC10は、PHS電話機やFOMA(Freedom of
Mobile Multimedia Access:第3世代携帯電話機)などの携帯電話機11の場合と同様、現在の所在位置を示す地図情報などの位置情報抽出手段を備え、かつ、ノートPC10のオペレーティングシステムの動作・非動作に関わらず、前述のように、ユーザ1所有のノートPC10の現在の所在位置をネットワーク100を介してセンタ装置20に常時通知することができる位置情報通知手段を備えている。
【0031】
また、ノートPC10は、ネットワーク100を経由して受信したセンタ装置20からの削除命令信号によって、ノートPC10上に記録されていたデータを完全に削除する削除手段を備えている。
【0032】
一方、携帯電話機11は、ユーザ1が常時携行しており、電話通信網200を介して電話による音声通信を行う音声通信手段の他に、前述のように、現在の所在位置をネットワーク100を介してセンタ装置20に常時通知することができる位置情報通知手段を備えている。
【0033】
センタ装置20は、ネットワーク100を介して、ノートPC10及び携帯電話機11の位置情報を常時入手して、それぞれの位置情報を基にして、ノートPC10と携帯電話機11との物理的な距離を算出して、予め設定された物理的な一定距離に収まっているか否かを常時監視し、算出した物理的な距離が、予め設定された一定距離以上になっていることを検知した場合に、センタ装置20を操作しているコールセンタオペレータに対して、ユーザ1の氏名や携帯電話機11の電話番号など、ユーザ1に関する情報を通知する手段を備えている。
【0034】
斯かる情報を受け取ったコールセンタオペレータは、コールセンタ用電話機21を用いて、ユーザ1の携帯電話機11に対して発信して、ユーザ1の携帯電話機11とノートPC10との距離が予め設定された一定距離以上に離れた位置まで移動している旨を示す警告情報を通報する。なお、予め設定された一定距離は、ユーザ1が予め指定することにより任意の値に設定することができる。ここで、ユーザ1の携帯電話機11は、ユーザ1が常時携行する移動端末を示すものであり、ユーザ1は、その旨を移動端末監視センタ2Aのセンタ装置20に対して当該ユーザ1に関する情報として予め登録することができる。
【0035】
かくのごとく、移動端末監視センタ2Aのコールセンタ用電話機21は、常時携行する移動端末として予め登録されている携帯電話機11に対して前記警告情報を通知する警告通知手段を少なくとも備えている。この警告情報は、音声及び/又はテキストを用いて、常時携行する携帯電話機11に対して通知されるものであるが、以下の実施例においては、コールセンタオペレータが、コールセンタ用電話機21を用いて、電話による音声で通知する場合を示している。本発明では、前述のように、斯かる場合のみに限るものではなく、メールによるテキスト(あるいは図形)として通知しても良いし、音声とテキスト(あるいは図形)とを併用して通知するようにしても良い。
【0036】
また、センタ装置20は、コールセンタオペレータの操作により、ノートPC10に対してネットワーク100を介してノートPC10上に記録されているデータの削除を指示する削除命令信号を送信する信号送出手段を備えている。
【0037】
コールセンタ用電話機21から携帯電話機11に対して発信して警告情報を通報したコールセンタオペレータがユーザ1からノートPC10上のデータの削除を指示された場合、コールセンタオペレータは、センタ装置20を操作して、前記信号送出手段により削除命令信号を送信することにより、ネットワーク100を介してノートPC10を遠隔操作し、ノートPC10上に備えられている削除手段を動作させて、ノートPC10上に記録されているデータを削除させることができる。なお、削除命令信号を送信するノートPC10の宛先は、ユーザ1により移動端末監視センタ2Aのセンタ装置20に予め登録されている。
【0038】
(実施例1の動作の説明)
次に、図1及び図2を参照して、本発明による移動端末監視システムの動作の一例について、ノートPC10がユーザ1の手元から離れてしまった場合を例にとって更に詳細に説明する。ここに、図2は、本発明による移動端末監視システムの動作の一例を説明するためのシーケンスチャートであり、ノートPC10がユーザ1の手元から離れてしまった場合の移動端末監視システムの動作を示している。
【0039】
まず、ユーザ1が所有するノートPC10は、現在の所在位置を示す位置情報をセンタ装置20に対して常時送信している(シーケンスA1)。同様に、ユーザが所有する携帯電話機11も、現在の所在位置を示す位置情報をセンタ装置20に対して常時送信している(シーケンスA2)。ここで、ノートPC10は、ユーザ1のカバンの中に入れたり、あるいは、机上に置いたりして、ユーザ1が常時手元に保持しているものとは限らないが、携帯電話機11は、ユーザ1が常時携行しているものとして、センタ装置20に予め登録されているものとする。
【0040】
センタ装置20では、受信したノートPC10の位置情報と常時携行する携帯電話機11の位置情報とに基づいて、ノートPC10と携帯電話機11との間の物理的な距離を計算する。計算した物理的な距離が予め設定された一定距離即ちユーザから予め指定された閾値の距離以上に離れていることが判明した場合には、センタ装置20を操作しているコールセンタオペレータに対してその旨の警告情報をセンタ装置20の表示手段により表示する(シーケンスA3)。
【0041】
同時に、該当するユーザ1の氏名、該ユーザ1が常時携行する携帯電話機11の電話番号、ノートPC10を特定するための端末番号や宛先など、ユーザ1に関する情報をコールセンタオペレータに対して前記表示手段により表示する(シーケンスA4)。なお、ユーザ1の氏名、携帯電話機11の電話番号、ノートPC10の端末番号や宛先など、ユーザ1に関する情報は、ユーザ1から移動端末監視センタ2Aに対して予め登録しておくことができる。
【0042】
斯かる表示を得たコールセンタオペレータは、表示された情報に基づいて、ユーザ1が常時携行する携帯電話機11に対して電話通信網200を介して電話発信し、ユーザ1が所有するノートPC10と携帯電話機11との間の物理的距離が予め設定された一定距離以上に離れていることを示す警告情報を通知する(シーケンスA5)。
【0043】
コールセンタオペレータからの通知を受け取ったユーザ1は、当該ユーザ1自身が所有するノートPC10の所在位置を再確認する(シーケンスA6)。ノートPC10と携帯電話機11との物理的な距離が、予め設定された一定距離以上に離れてしまっていることをユーザ1が認知した場合であっても、例えば自宅にノートPC10を置いたまま外出している場合など、盗難や紛失が要因ではなく、物理的な距離が離れていることを承知している場合には、ユーザ1はコールセンタオペレータに対して問題がない旨を通知する。
【0044】
一方、ノートPC10と携帯電話機11との物理的な距離が予め設定された一定距離以上に離れてしまっていることが、ユーザ1が関知していない要因で発生しており、盗難や紛失などによるものである可能性があり、ユーザ1がノートPC10上に保存されているデータを削除する必要があると判断した場合、ユーザ1はコールセンタオペレータに対してノートPC10上のデータを削除するように指示する(シーケンスA7)。
【0045】
ノートPC10上のデータの削除指示を受け取ったコールセンタオペレータは、ユーザからの指示に基づいて、センタ装置20に対して入力手段を用いて削除指示の旨を入力し、センタ装置20は、当該ノートPC10の宛先を用いて、ネットワーク100を介してノートPC10上のデータの削除を指示する削除命令信号をノートPC10に対して送信する(シーケンスA8)。
【0046】
センタ装置20から削除命令信号を受信したノートPC10は、削除命令信号に基づいて、当該ノートPC10自身に保存されているデータを完全に削除する(シーケンスA9)。しかる後、データの削除動作を実施した結果(即ち、完全削除の成功もしくは失敗)をネットワーク100を介してセンタ装置20に対して送信する(シーケンスA10)。
【0047】
削除動作の実施結果を受け取ったセンタ装置20は、その実施結果をコールセンタオペレータに対して表示し、コールセンタオペレータは、コールセンタ用電話機21により、データの削除動作の実施結果をユーザ1の携帯電話機11に対して通知する(シーケンスA11)。
【0048】
以上の図1、図2の説明において、ユーザ1が所有するノートPC10と携帯電話機11とを逆にして、携帯電話機11がユーザ1の手元から予め設定された一定距離以上に離れてしまった場合についても全く同様に扱うことができる。
【0049】
この場合、ノートPC10と携帯電話機11との距離が予め設定された一定距離以上に離れた旨を表示されたコールセンタオペレータは、携帯電話機11の代わりに、ユーザ1の手元にあるノートPC10に対して、音声に限ることなくメールやインスタントメッセンジャなどの手段によりその旨を通知する。
【0050】
この通知をノートPC10により受け取ったユーザ1は、ノートPC10を用いた音声あるいはメールやインスタントメッセンジャなどの手段により、コールセンタオペレータと会話して、携帯電話機11に記録されているデータ(電話番号やメールアドレスや送受信メールなどのデータ)を削除する指示を行う。
【0051】
斯かる削除指示を受け取ったコールセンタオペレータは、センタ装置20を操作して、ネットワーク100を経由し、あるいは、更に、電話通信網200を経由して、携帯電話機11に対してデータの削除命令信号を送出し、携帯電話機11のデータの削除を実行させる。
【0052】
以上のように、本発明の移動端末監視システムでは、ノートPC10や携帯電話機11のいずれの移動端末であっても常時監視することが可能であるが、いずれを監視するかを、移動端末監視センタ2Aのセンタ装置20にユーザ1が予め登録するようにしている。
【0053】
あるいは、場合によっては、監視対象の移動端末を予め登録することなく、センタ装置20において、ユーザ1が所有する移動端末間の物理的な距離が予め設定された一定距離以上に離れたことを検出した場合、その旨を離れた位置にある移動端末両者に送信し、いずれかの移動端末が応答した際に、コールセンタオペレータは、離れた位置にある移動端末のうち、いずれの移動端末のデータを削除するか否かをユーザ1と会話して決定するようにしても良い。
【0054】
更には、斯かる削除指示を実行する際の安全性を確保するために、予め登録したパスワードなどを用いる仕組みを用意するようにしても良い。
【0055】
(実施例1による効果の説明)
以上のように、本発明の移動端末監視システムにおける実施例1によれば、ユーザが所有する複数の移動端末のうち、いずれか一つの移動端末をユーザが常時携行していれば、他の移動端末との物理的距離が離れれば、自動的に、移動端末監視センタ2Aのコールセンタオペレータからその旨の連絡が入り注意を促されることになる。
【0056】
これによって、ユーザは、当該コールセンタオペレータから連絡を受け取るまでは、自身が所有するノートPC10や携帯電話機11の所在を常時監視している必要がなく、ユーザの負担を大幅に軽減することができる。また、携帯電話機11とノートPC10との距離が離れた場合、コールセンタオペレータから即座に連絡を受け取ることにより、ノートPC10や携帯電話機11の盗難・紛失の可能性をユーザ1が直ちに知ることができ、盗難・紛失を未然に防止することもできる。
【0057】
また、万一、盗難・紛失などによりノートPC10や携帯電話機11上のデータが第三者に漏洩する恐れが発生した場合でも、第三者にデータが漏洩する前に、移動端末監視センタ2Aのコールセンタオペレータの遠隔操作により、ノートPC10や携帯電話機11上のデータ自体を削除することが可能であり、情報の漏洩を未然に防ぐことが可能である。
【0058】
(発明の他の実施例)
次に、本発明による移動端末監視システムの異なる実施例について説明する。
前述の実施例1における移動端末監視システムとしては、ユーザ1の代わりに、移動端末監視センタ2A(あるいは、そのコールセンタオペレータ)によって、監視対象の移動端末例えばノートPC10の所在を常時監視し、必要に応じて、データが第三者に漏洩する前に、ノートPC10上に保存されているデータ自体を削除する場合について説明した。しかし、本発明は、斯かる場合のみに限るものではない。
【0059】
例えば、移動端末監視センタ2Aにより実行される全ての処理をユーザ1が常時携行する移動端末例えば携帯電話機11に搭載したり、あるいは、ユーザ1が所有する複数の移動端末それぞれの現在の所在位置を示す位置情報を常時受信し、該位置情報に基づいて、ユーザ1が常時携行する当該移動端末との間の距離を算出し、算出した距離が予め設定された一定距離以上離れていることを検知した場合に、自動的に又は当該移動端末のユーザ1からの指示により、一定距離以上離れた前記移動端末に対してデータの削除を指示する削除命令信号を送出する信号送出手段を、常時携行する移動端末例えば携帯電話機11に少なくとも備えるようにしても良い。
【0060】
このような構成とすることにより、移動端末監視センタ2Aを用いることなく、ユーザ1自身が、当該ユーザ1が常時携行する移動端末例えば携帯電話機11のみにより、当該ユーザ1が所有する複数の移動端末を自動的に管理するような仕組みとすることが可能である。
【0061】
また、移動端末監視センタ2A側と移動端末側のノートPC10や携帯電話機11とにおける前述のような移動端末の所在の監視動作やデータ削除動作をプログラム論理によりそれぞれ実行することとし、移動端末監視センタ2Aと移動端末のノートPC10や携帯電話機11とのそれぞれで動作する移動端末監視プログラムとすることも可能であるし、更に、該移動端末監視プログラムをパッケージソフトとしたプログラム記録媒体として販売することも可能である。
【0062】
更には、このように、プログラム論理化した場合、移動端末監視センタ2A側のプログラムを、ユーザ1が常時携行する移動端末例えば携帯電話機11に組み込むことにより、移動端末監視センタ2Aのコールセンタオペレータ更には移動端末監視センタ2Aそのものの存在がなくても、ユーザ1自身が、当該ユーザ1が常時携行する移動端末例えば携帯電話機11のみにより、当該ユーザ1が所有する複数の移動端末を自動的に管理するような仕組みとすることも可能である。
【0063】
更に、移動端末監視センタ2Aのコールセンタオペレータが実施することをそのままプログラム化することにより、移動端末監視センタ2Aのコールセンタオペレータの業務内容を自動化し、オペレータを不要とすることも可能である。その場合、例えば、コールセンタオペレータからユーザ1への会話については、ユーザ1の応答や指示を選択するための選択項目を含むユーザ1に対する自動音声案内により代替し、一方、ユーザ1からのコールセンタオペレータへの応答や指示を、移動端末監視センタ2Aからの選択項目の中から携帯電話機11へのプッシュボタン入力により、あるいは、音声により、選択することにより代替するようにしても良い。
【0064】
また、コールセンタオペレータやユーザ1の操作内容(指示や応答)を全てのケースについてプログラム化して予め登録しておくことにより、全自動化することも可能であり、例えば、ノートPC10が、深夜など予め設定した時間帯に、ユーザ1の手元から予め設定された一定距離以上離れた位置まで移動した場合は、盗難の可能性が高いものとして、直ちにその旨の警告情報を自動的に通知すると共に、情報の漏洩の恐れがあるものとして自動的にノートPC10のデータを削除する指示を行うようにしても良い。
【0065】
更には、移動端末監視センタ2A側のプログラムを、ユーザ1が常時携行する移動端末例えば携帯電話機11に組み込んだ場合、ユーザ1自身が簡単な対話形式の選択操作を行うだけで、前述のように、自己の移動端末を自動的に管理することも可能である。また、ユーザ1は、移動端末監視センタ2Aのコールセンタオペレータから移動端末例えばノートPC10が手元から予め設定された一定距離以上に離れたという連絡がなくても、自身のノートPC10が盗難・紛失の可能性が高いことをユーザ1自らが認識した場合などでは、当該ノートPC10上のデータを削除することも当然可能である。
【0066】
この場合のように、ユーザ1自身の認識でデータの削除を指示しようとする場合、図2に示すシーケンスA7以降の動作を実施することにより実現可能である。ノートPC10を所有するユーザ1からの削除指示を受け取った移動端末監視センタ2Aのコールセンタオペレータは、センタ装置20を操作して、当該ノートPC10の宛先を抽出して、遠隔操作により、ノートPC10上のデータを削除する削除命令信号を、センタ装置20からノートPC10に対して送出する指示を行うことになる。
【0067】
(実施例2)
本発明の移動端末監視システムの実施例2として、本発明の移動端末監視システムによるサービスを多数のユーザに対して提供する場合、図3に示すように、サービス事業者2が運営する移動端末監視センタ2Bとして、実施例1の図1に示す移動端末監視センタ2Aに更に情報管理サーバ22を追加して設置する構成について説明する。
【0068】
ここに、図3は、本発明による移動端末監視システムのシステム構成の異なる例を実施例2として示すシステム構成図であり、移動端末監視センタ2Bとして、情報管理サーバ22が図1の移動端末監視センタ2Aに追加して備えられ、情報管理サーバ22が、ネットワーク100と接続されて、センタ装置20との間、あるいは、多数のユーザの移動端末との間で、データの送受信が可能であり、多数のユーザを対象とするための大量のデータ即ち各ユーザがそれぞれ所有する複数の移動端末に関する情報を一括管理している。
【0069】
また、情報管理サーバ22は、図1におけるセンタ装置20に代わって、各ユーザそれぞれの複数の移動端末からそれぞれ常時通知されてくる位置情報を受信して更新登録すると共に、受信した位置情報に基づいて、各ユーザそれぞれの複数の移動端末と当該ユーザが常時携行する移動端末との間の距離を算出し、算出した距離が予め設定された一定距離以上に離れていることを検知した場合に、その旨を示す警告情報を、当該ユーザが常時携行する移動端末及びセンタ装置20に対して通知する。
【0070】
更に、情報管理サーバ22は、センタ装置20のコールセンタオペレータからの削除指示をセンタ装置20から受け取り、図1におけるセンタ装置20に代わって、ユーザの手元から予め設定された一定距離以上に離れている移動端末に対して、ネットワーク100を介してデータの削除を指示する削除命令信号を送信する。
【0071】
一方、センタ装置20は、ネットワーク100を介して、大量のデータを一括管理している情報管理サーバ22から提供される情報を受け取って、コールセンタオペレータに対して通知する一方、コールセンタオペレータからの入力を、ネットワーク100を介して、情報管理サーバ22に対して送出し、情報管理サーバ22に蓄積させて、一括処理することを可能としている。
【0072】
なお、図3では、センタ装置20と情報管理サーバ22との間は、ネットワーク100を介して接続される場合を示しているが、両者が近接して配置されているような場合であれば、センタ装置20と情報管理サーバ22とを直接接続するようにしても良い。
【0073】
(実施例2の動作の説明)
次に、図3及び図4を参照して、本発明による移動端末監視システムの動作の異なる例について、ノートPC10がユーザ1の手元から離れてしまった場合を例にとって更に詳細に説明する。
【0074】
ここに、図4は、本発明による移動端末監視システムの動作の異なる例を説明するためのシーケンスチャートであり、図3のように情報管理サーバ22を更に備えた移動端末監視センタ2Bを用いる場合において、ノートPC10がユーザ1の手元から離れてしまった場合の移動端末監視システムの動作を示している。以下では、実施例1の図2におけるシーケンス図と対比させながら、実施例1と異なる点を中心にして説明する。
【0075】
図4においては、図2におけるシーケンスA1,A2でそれぞれ送信されるノートPC10、携帯電話機11の位置情報は、センタ装置20ではなく、情報管理サーバ22に対して送信され、情報管理サーバ22にて一括管理される(シーケンスB1,B2)。また、図2におけるシーケンスA3,A4でコールセンタオペレータに対して表示される表示内容も、図4においては、情報を一括管理している情報管理サーバ2からセンタ装置20に対して送信されることにより(シーケンスB3)、センタ装置20からコールセンタオペレータに対して表示されることになる(シーケンスB4,B5)。
【0076】
即ち、情報管理サーバ22は、受信したノートPC10の位置情報と携帯電話機11の位置情報とに基づいて、ノートPC10と携帯電話機11との間の物理的な距離を計算し、計算した物理的な距離が予め設定された一定距離即ちユーザから予め指定された閾値の距離以上に離れていることが判明した場合には、その旨をセンタ装置20に対して通知すると同時に、該当するユーザ1の氏名、携帯電話機11の電話番号、ノートPC10を特定するための端末番号や宛先など、ユーザ1に関する情報をセンタ装置20に対して転送する(シーケンスB3)。
【0077】
物理的な距離が予め設定された一定距離即ちユーザから予め指定された閾値の距離以上に離れている旨の通知を情報管理サーバ22から受信したセンタ装置20は、当該センタ装置20を操作しているコールセンタオペレータに対してその旨を表示する(シーケンスB4)。同時に、該当するユーザ1の氏名、携帯電話機11の電話番号、ノートPC10を特定するための端末番号や宛先など、ユーザ1に関する情報をコールセンタオペレータに対して表示する(シーケンスB5)。
【0078】
以降、図4におけるシーケンスB6乃至B8の動作は、図2におけるシーケンスA5乃至A7の動作とそれぞれ全く同様であり、まず、表示された情報に基づいて、コールセンタオペレータは、ユーザ1が常時携行する携帯電話機11に対してノートPC10と携帯電話機11との間の物理的距離が予め設定された一定距離以上に離れていることを警告情報として連絡すると(シーケンスB6)、ユーザ1は、自身のノートPC10の所在位置を再確認する(シーケンスB7)。
【0079】
次いで、ノートPC10と携帯電話機11との物理的な距離が、予め設定された一定距離以上に離れてしまっていることが、ユーザ1が関知していない要因で発生しており、盗難や紛失などによるものである可能性があり、ユーザ1がノートPC10上に保存されているデータを削除する必要があると判断した場合、ユーザ1はコールセンタオペレータに対してノートPC10上のデータを削除するように指示する(シーケンスB8)。
【0080】
ノートPC10上のデータの削除指示を受け取ったコールセンタオペレータは、図2の場合とは異なり、ユーザ1から受け取った削除指示を情報管理サーバ22に対して送出するようにセンタ装置20に対して入力する(シーケンスB9)。このコールセンタオペレータからの送出指示の入力に応じて、ユーザ1からの削除指示を示すデータが、センタ装置20から情報管理サーバ22に対して送出される。
【0081】
ユーザ1からの削除指示を示すデータを受け取った情報管理サーバ22は、図2におけるシーケンスA8と異なり、図3におけるセンタ装置20に代わって、当該ノートPC10の宛先を用いて、ネットワーク100を介してノートPC10上のデータの削除を指示する削除命令信号をノートPC10に対して送信する(シーケンスB10)。
【0082】
情報管理サーバ22から削除命令信号を受信したノートPC10は、図2におけるシーケンスA9と同様に、削除命令信号に基づいて、当該ノートPC10自身に保存されているデータを完全に削除する(シーケンスB11)。しかる後、データの削除動作を実施した結果(即ち、完全削除の成功もしくは失敗)を、図2のシーケンスA10と異なり、図3におけるセンタ装置20の代わりに、削除命令信号を送信してきた情報管理サーバ22に対して送信する(シーケンスB12)。
【0083】
削除動作の実施結果を受け取った情報管理サーバ22は、その実施結果をセンタ装置20に対して送信して(シーケンスB13)、コールセンタオペレータに対して表示し、コールセンタオペレータは、コールセンタ用電話機21により、データの削除実施結果をユーザ1の携帯電話機11に対して連絡する(シーケンスB14)。
【0084】
以上のような情報管理サーバ22の動作により、移動端末監視センタ2Bのコールセンタオペレータとの対話処理を司るセンタ装置20の処理負荷を大幅に軽減させることができ、多数のユーザへの対応が可能になる。
【0085】
(実施例3)
また、本発明による移動端末監視システムの実施例3として、実施例1の図1に示す移動端末監視センタ2Aにおけるセンタ装置20の機能、場合によっては、更にコールセンタオペレータが処理する動作、の全てを、ユーザ1が常時携行する携帯電話機11A内にプログラムとして組み込むようにすれば、図5に示すように、該携帯電話機11Aとユーザ1が所有するノートPC10と、その両者間を接続するネットワーク100と、の構成だけで、全く同様のサービスをユーザ1に対して提供することが可能である。ここに、図5は、本発明による移動端末監視システムのシステム構成のさらに異なる例を実施例3として示すシステム構成図である。
【0086】
また、図6は、本発明による移動端末監視システムの動作のさらに異なる例を説明するためのシーケンスチャートであり、図5のように、携帯電話機11A内に図1に示す移動端末監視センタ2におけるセンタ装置20の機能と、場合によっては、コールセンタオペレータが処理する動作と、の全てをプログラムとして内蔵している場合の移動端末監視システムの動作を示している。
【0087】
図6に示すように、図5のような構成の場合、図2におけるシーケンスA1乃至A5、及び、シーケンスA7乃至A11までの各処理は、全て、ノートPC10と携帯電話機11Aとの間のみで処理されることになる。
【0088】
まず、ユーザ1が所有するノートPC10は、現在の所在位置を示す位置情報を、実施例1の図2のシーケンスA1と異なり、センタ装置20に対してではなく、携帯電話機11Aに対して常時送信している(シーケンスC1)。一方、ユーザが所有する携帯電話機11Aも、現在の所在位置を示す位置情報は、実施例1の図2のシーケンスA2と異なり、当該携帯電話機11A内に保存するのみで、センタ装置20に対しては送信しない。
【0089】
更に、携帯電話機11Aでは、受信したノートPC10の位置情報と、当該携帯電話機11A内に保存している当該携帯電話機11Aの位置情報と、に基づいて、ノートPC10と携帯電話機11Aとの間の物理的な距離を計算する。計算した物理的な距離が予め設定された一定距離即ちユーザから予め指定された閾値の距離以上に離れていることが判明した場合には、実施例1の図2のシーケンスA3とは異なり、センタ装置20に送信するのではなく、当該携帯電話機11Aを携行するユーザ1に対してその旨を表示する(シーケンスC3)。
【0090】
なお、実施例1の図2のシーケンスA4,A5とは異なり、ユーザ1の氏名、携帯電話機11の電話番号など、ユーザ1に関する情報をコールセンタオペレータに表示する処理や、コールセンタオペレータからノートPC10が一定距離以上離れていることを電話連絡する処理も一切不要である。
【0091】
ノートPC10が一定距離以上離れている旨の表示を得たユーザ1は、実施例1の図2のシーケンスA6と同様、自身が所有するノートPC10の所在位置を再確認する(シーケンスC4)。
【0092】
ノートPC10と携帯電話機11Aとの物理的な距離が、予め設定された一定距離以上に離れてしまっていることが、ユーザ1が関知していない要因で発生しており、盗難や紛失などによるものである可能性があり、ユーザ1がノートPC10上に保存されているデータを削除する必要があると判断した場合、実施例1の図2のシーケンスA7とは異なり、コールセンタオペレータに対してではなく、ユーザ1は当該携帯電話機11A自身に対してノートPC10上のデータを削除するように指示する(シーケンスC5)。
【0093】
ノートPC10上のデータの削除指示をユーザ1から受け取った当該携帯電話機11Aは、ノートPC10の宛先を抽出して、実施例1の図2のシーケンスA8と同様に、ネットワーク100を介してノートPC10上のデータの削除を指示する削除命令信号をノートPC10に対して送信する(シーケンスC6)。
【0094】
携帯電話機11Aから削除命令信号を受信したノートPC10は、実施例1の図2のシーケンスA9と同様に、削除命令信号に基づいて、当該ノートPC10自身に保存されているデータを完全に削除する(シーケンスC7)。
【0095】
しかる後、データの削除動作を実施した結果(即ち、完全削除の成功もしくは失敗)を、実施例1の図2のシーケンスA10とは異なり、センタ装置20に対してではなく、削除命令信号を送信した携帯電話機11Aに対して送信する(シーケンスC8)。したがって、実施例1の図2のシーケンスA11のように、その実施結果をセンタ装置20からユーザ1の携帯電話機11Aに対して転送するような動作は不要である。削除動作の実施結果を受け取った携帯電話機11Aは、その実施結果をユーザ1に対して表示する(シーケンスC9)。
【0096】
以上のような動作により、移動端末監視センタ2Aを用いることなく、ユーザ1自身が、当該ユーザ1が常時携行する移動端末例えば携帯電話機11のみにより、当該ユーザ1が所有する複数の移動端末を自動的に管理するような仕組みとすることが可能である。
【0097】
(本発明の利用分野)
本発明は、ネットワークを用いて各種サービスを提供するサービス事業者が、移動端末の監視用サービスをネットワークサービスの一つとして提供する際に適用可能である。更には、携帯電話機の製造・販売・運用会社が、携帯電話機の付加サービスの一つとして移動端末の監視用サービスを提供したり、パーソナルコンピュータの製造・販売会社が、ノートPCの付加サービスの一つとして提供する際にも適用することが可能である。
【0098】
また、本発明の移動端末監視システムを実現する各種の機能をパッケージソフトとして組み込むことにより、ユーザに提供することも可能であり、あらゆる分野で利用することが可能になる。更に、実施例3の図5,図6で示したように、携帯電話機11A上で図1の移動端末監視センタ2の全ての機能をプログラムとして実行可能とすれば、当該携帯電話機11Aを常時携行するユーザ本人のみで、当該ユーザが所有する移動端末を容易に監視することも可能になる。
【0099】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であること、当業者には容易に理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明による移動端末監視システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】本発明による移動端末監視システムの動作の一例を説明するためのシーケンスチャートである。
【図3】本発明による移動端末監視システムのシステム構成の異なる例を示すシステム構成図である。
【図4】本発明による移動端末監視システムの動作の異なる例を説明するためのシーケンスチャートである。
【図5】本発明による移動端末監視システムのシステム構成のさらに異なる例を示すシステム構成図である。
【図6】本発明による移動端末監視システムの動作のさらに異なる例を説明するためのシーケンスチャートである。
【符号の説明】
【0101】
1 ユーザ
10 ノートPC
100 ネットワーク
11,11A 携帯電話機
2 サービス事業者
20 センタ装置
200 電話通信網
21 コールセンタ用電話機
22 情報管理サーバ
2A,2B 移動端末監視センタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが所有する複数の移動端末と該移動端末の監視サービスを実行する移動端末監視センタとがネットワークを介して接続される移動端末監視システムにおいて、複数の前記移動端末それぞれが、現在の所在位置を示す位置情報を前記移動端末監視センタに前記ネットワークを介して常時通知する位置情報通知手段を少なくとも備え、前記移動端末監視センタが、ユーザの複数の移動端末の前記位置情報通知手段からそれぞれ受信した位置情報に基づいて、ユーザが常時携行する移動端末との間の距離を算出し、算出した距離が予め設定された一定距離以上離れていることを検知した場合に、その旨の警告情報を、ユーザが常時携行する前記移動端末に対して前記ネットワークを介して通知する警告通知手段を少なくとも備えていることを特徴とする移動端末監視システム。
【請求項2】
前記移動端末監視センタに予め設定される前記一定距離は、前記移動端末監視センタの監視対象とする複数の移動端末を所有するユーザが任意に指定することができることを特徴とする請求項1に記載の移動端末監視システム。
【請求項3】
前記移動端末の距離がユーザの手元から前記一定距離以上離れていた場合に、前記移動端末監視センタからユーザが常時携行する移動端末に通知する前記警告情報が、音声及び/又はテキストからなっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の移動端末監視システム。
【請求項4】
ユーザが常時携行する前記移動端末を、当該ユーザが前記移動端末監視センタに予め登録することができることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の移動端末監視システム。
【請求項5】
前記移動端末監視センタが、前記移動端末の距離がユーザの手元から前記一定距離以上離れていることを検知した場合、前記一定距離以上に離れた該移動端末に対して削除命令信号を前記ネットワークを介して送出する信号送出手段を更に備え、複数の前記移動端末それぞれが、前記移動端末監視センタから前記削除命令信号を受信した際に、保存しているデータを削除する削除手段を更に備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の移動端末監視システム。
【請求項6】
前記移動端末監視センタが前記信号送出手段により前記削除命令信号を送出すべき移動端末の宛先を、ユーザが予め登録することができることを特徴とする請求項5に記載の移動端末監視システム。
【請求項7】
前記移動端末監視センタが、前記移動端末の距離がユーザの手元から前記一定距離以上離れていることを検知し、かつ、前記警告情報を受信したユーザが常時携行する移動端末から、当該移動端末から前記一定距離以上に離れた前記移動端末に保存されたデータを削除する指示を受け取った場合に、前記信号送出手段により前記削除命令信号を前記ネットワークを介して送出することを特徴とする請求項5又は6に記載の移動端末監視システム。
【請求項8】
前記削除命令信号を受け取った前記移動端末が、前記削除手段により、保存しているデータを削除した際に、削除が成功したか否かを示す削除動作の実施結果を、前記削除命令信号の送出元の前記移動端末監視センタに対して前記ネットワークを介して返送することを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の移動端末監視システム。
【請求項9】
前記移動端末監視センタが、前記移動端末から削除動作の前記実施結果を受け取った場合、前記ユーザが常時携行する移動端末に対して前記ネットワークを介して削除動作の前記実施結果を通知することを特徴とする請求項8に記載の移動端末監視システム。
【請求項10】
前記移動端末監視センタが、ユーザが常時携行する移動端末に対して通知する前記警告情報をオペレータに対して表示する表示手段と、ユーザからの指示を受け付けた該オペレータから削除指示を入力する入力手段と、前記警告通知手段と、前記ネットワークに接続する接続手段と、前記信号送出手段と、を少なくとも備えるセンタ装置と、前記オペレータが前記ネットワークを介した電話通信用に用いるセンタ用電話機とを有し、前記表示手段に表示された前記警告情報に基づいて、前記オペレータが前記センタ用電話機を用いて前記ユーザが常時携行する移動端末に対して前記警告情報を通知し、当該ユーザからの指示を前記センタ用電話機により受け付けた前記オペレータが、前記入力手段により削除指示を入力することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の移動端末監視システム。
【請求項11】
前記移動端末監視センタが、各ユーザがそれぞれ所有する複数の移動端末に関する情報を一括管理する情報管理サーバを更に備え、該情報管理サーバが、ユーザそれぞれの複数の移動端末の前記位置情報通知手段からそれぞれの位置情報を常時受信し、前記センタ装置の前記警告通知手段の代わりに、それぞれ受信した位置情報に基づいて、各ユーザそれぞれの複数の移動端末と当該ユーザが常時携行する移動端末との間の距離を算出し、算出した距離が予め設定された一定距離以上離れていることを検知した場合に、前記警告情報を、当該ユーザが常時携行する移動端末及び前記センタ装置に対して通知することを特徴とする請求項10に記載の移動端末監視システム。
【請求項12】
前記移動端末監視センタの前記情報管理サーバが、前記センタ装置の前記入力手段から入力されたオペレータからの削除指示を受け取った際に、前記センタ装置の前記信号送出手段の代わりに、ユーザの手元から前記一定距離以上に離れた移動端末に対して前記削除命令信号を送出することを特徴とする請求項11に記載の移動端末監視システム。
【請求項13】
前記移動端末監視センタにより実行される全ての処理を、ユーザが常時携行する移動端末に搭載し、前記移動端末監視センタを用いることなく、当該ユーザが常時携行する前記移動端末のみにより、当該ユーザが所有する複数の移動端末を管理することが可能であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の移動端末監視システム。
【請求項14】
ユーザが所有する複数の移動端末とネットワークを介して接続されて、該移動端末の監視サービスを実行する移動端末監視センタであって、複数の前記移動端末それぞれの現在の所在位置を示す位置情報を常時受信し、該位置情報に基づいて、ユーザが常時携行する移動端末との間の距離を算出し、算出した距離が予め設定された一定距離以上離れていることを検知した場合に、その旨の警告情報を、ユーザが常時携行する前記移動端末に対して前記ネットワークを介して通知する警告通知手段を少なくとも備えていることを特徴とする移動端末監視センタ。
【請求項15】
前記移動端末の距離がユーザの手元から前記一定距離以上離れていることを検知した場合、前記一定距離以上に離れた該移動端末に対してデータを削除することを指示する削除命令信号を前記ネットワークを介して送出する信号送出手段を更に備えていることを特徴とする請求項14に記載の移動端末監視センタ。
【請求項16】
各ユーザがそれぞれ所有する複数の移動端末に関する情報を一括管理する情報管理サーバを更に備えていることを特徴とする請求項14又は15に記載の移動端末監視センタ。
【請求項17】
移動端末の監視サービスを実行する移動端末監視センタとネットワークを介して接続されるユーザ所有の移動端末であって、現在の所在位置を示す位置情報を前記移動端末監視センタに前記ネットワークを介して常時通知する位置情報通知手段を少なくとも備えていることを特徴とする移動端末。
【請求項18】
ユーザが常時携行する移動端末であって、ネットワークを介して接続される当該ユーザが所有する複数の移動端末それぞれの現在の所在位置を示す位置情報を常時受信し、該位置情報に基づいて、当該ユーザが常時携行する当該移動端末との間の距離を算出し、算出した距離が予め設定された一定距離以上離れていることを検知した場合に、自動的に又は当該移動端末のユーザからの指示により、前記一定距離以上に離れた前記移動端末に対してデータの削除を指示する削除命令信号を前記ネットワークを介して送出する信号送出手段を少なくとも備えていることを特徴とする移動端末。
【請求項19】
前記移動端末監視センタから又はユーザが常時携行する移動端末から、データの削除を指示する削除命令信号を受信した際に、保存しているデータを削除する削除手段を更に備えていることを特徴とする請求項17又は18に記載の移動端末。
【請求項20】
ユーザが所有する複数の移動端末と該移動端末の監視サービスを実行する移動端末監視センタとがネットワークを介して接続される移動端末監視方法において、複数の前記移動端末それぞれが、現在の所在位置を示す位置情報を前記移動端末監視センタに前記ネットワークを介して常時通知する位置情報通知ステップを少なくとも備え、前記移動端末監視センタが、ユーザの複数の移動端末の前記位置情報通知ステップからそれぞれ受信した位置情報に基づいて、ユーザが常時携行する移動端末との間の距離を算出し、算出した距離が予め設定された一定距離以上離れていることを検知した場合に、その旨の警告情報を、ユーザが常時携行する前記移動端末に対して前記ネットワークを介して通知する警告通知ステップを少なくとも備えていることを特徴とする移動端末監視方法。
【請求項21】
前記移動端末監視センタが、前記移動端末の距離がユーザの手元から前記一定距離以上離れていることを検知した場合、自動的に又は当該移動端末監視センタのオペレータからの指示により、前記一定距離以上離れた該移動端末に対して削除命令信号を前記ネットワークを介して送出する信号送出ステップを更に備え、複数の前記移動端末それぞれが、前記移動端末監視センタから前記削除命令信号を受信した際に、保存しているデータを削除する削除ステップを更に備えていることを特徴とする請求項20に記載の移動端末監視方法。
【請求項22】
前記移動端末監視センタにより実行される全ての処理を、ユーザが常時携行する移動端末に搭載し、前記移動端末監視センタを用いることなく、当該ユーザが常時携行する前記移動端末のみにより、当該ユーザが所有する複数の移動端末を管理することが可能であることを特徴とする請求項20又は21に記載の移動端末監視方法。
【請求項23】
請求項20乃至22のいずれかに記載の移動端末監視方法をコンピュータにより実行可能なプログラムにより実現することを特徴とする移動端末監視プログラム。
【請求項24】
請求項23に記載の移動端末監視プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録したことを特徴とするプログラム記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−36672(P2007−36672A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−217106(P2005−217106)
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】