説明

移動通信システムならびにこれに用いられる移動局および移動通信ネットワーク装置

【課題】 移動によって通信禁止状態にされている間の着信の有無を知ることができる利便性に優れた移動通信システム、移動局および移動通信ネットワーク装置を提供する。
【解決手段】 移動通信システムは、移動局1と移動通信ネットワーク装置11とを備え、移動局は、速度検出部4で検出された移動速度が所定の上限速度を上回った時に自己を通信禁止状態にしてその旨を装置11に通知し、下回った時に自己を通信禁止解除状態にしてその旨を装置11に通知し、装置11からの通信禁止中の着信情報を出力する制御部3を備え、装置11は、移動局から通信禁止状態になった旨の通知があった時に該移動局への着信を禁止し、通信禁止状態で移動局に対する着信があった時に発信者に関する着信情報を移動局情報部14に記憶し、移動局から通信禁止解除状態になった旨の通知があった時に着信禁止を解除して記憶している着信情報を移動局に送信する制御部13を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、移動通信システム、ならびにこれに用いられる移動局および移動通信ネットワーク装置に関し、特に移動局の移動速度に応じて通信を禁止しまたは通信禁止を解除する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動局の移動速度に応じて通話規制を行う移動体通信システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この移動体通信システムにおいては、移動機の移動速度検出制御部は基地局から送信される制御チャネルまたは通話チャネルもしくは識別番号の切り換えを検出する。この切り換え回数はカウンタで計数される。移動速度検出制御部はカウンタのカウント回数と閾値との比較結果に応じて移動速度情報信号を基地局に送信する。基地局の発呼・着呼規制制御部は、その移動速度情報信号が高速移動を示しているか低速移動を示しているかを判別する。通話制御部は、発呼・着呼規制制御部で高速移動していると判別すると、発呼・着呼規制信号または通話切断信号を対象となる移動機に送信し、一方、低速移動していると判別すると、発呼・着呼規制解除信号を対象となる移動機に送信する。これにより、自動車を運転中の通話による交通事故等の発生を未然に防止し、電車やバス等における迷惑通話を規制できる。
【0003】
【特許文献1】特開平11−127469号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に開示された移動体通信システムでは、移動速度検出制御部において移動局があらかじめ設定された速度以上で高速移動していると判別されると、移動局における発信および着信が制限されるとともに、通信中であれば通信が切断される。
【0005】
しかしながら、通信が禁止されている間に発生する移動局への着信は単に禁止されるだけであり、通信が禁止されている間の着信情報、すなわち発信者電話番号などの発信者情報は移動局の使用者に通知されない。このため、移動局の使用者は移動中の着信の有無を知ることができず、利便性が欠けるという問題がある。また、通信が禁止されている移動局に発信した発信者に対して、その移動局の使用者が移動中である旨を通知できないので、発信者にとっても利便性に欠けるという問題がある。
【0006】
この発明では、上述した問題点を解決するためになされたものであり、移動局の使用者は、移動によって通信禁止状態にされている間の着信の有無を知ることができ、また、移動局に対する発信者は、移動局が移動中であることを知ることができる利便性に優れた移動通信システムならびにこれに用いられる移動局および移動通信ネットワーク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る移動局は、自己の移動速度を検出する速度検出部と、速度検出部において移動速度が所定の上限速度を上回ったことが検出された時に自己を通信禁止状態にするとともにその旨を移動通信ネットワーク装置に通知し、速度検出部において移動速度が所定の下限速度を下回ったことが検出された時に自己を通信禁止解除状態にするとともにその旨を移動通信ネットワーク装置に通知し、該通信禁止解除状態にした旨の通知に応答して移動通信ネットワーク装置から送られてくる通信禁止中の着信情報を出力する移動局制御部とを備えている。
【0008】
この発明に係る移動通信ネットワーク装置は、移動局に関する情報を記憶する移動局情報部と、移動局から通信禁止状態になった旨の通知があった時に該移動局に対する着信を禁止し、移動局に対する着信があった時に、該移動局が通信禁止状態であれば、発信者に関する情報を着信情報として移動局情報部に記憶し、移動局から通信禁止解除状態になった旨の通知があった時に該移動局に対する着信の禁止を解除して移動局情報部に記憶されている着信情報を該移動局に送信する移動通信ネットワーク制御部とを備えている。
【0009】
この発明に係る移動通信システムは、移動局と移動通信ネットワーク装置とを備え、移動局は、自己の移動速度を検出する速度検出部と、速度検出部において移動速度が所定の上限速度を上回ったことが検出された時に自己を通信禁止状態にするとともにその旨を移動通信ネットワーク装置に通知し、速度検出部において移動速度が所定の下限速度を下回ったことが検出された時に自己を通信禁止解除状態にするとともにその旨を移動通信ネットワーク装置に通知し、該通信禁止解除状態にした旨の通知に応答して移動通信ネットワーク装置から送られてくる通信禁止中の着信情報を出力する移動局制御部を備え、移動通信ネットワーク装置は、移動局に関する情報を記憶する移動局情報部と、移動局から通信禁止状態になった旨の通知があった時に該移動局に対する着信を禁止し、移動局に対する着信があった時に、該移動局が通信禁止状態であれば、発信者に関する情報を着信情報として移動局情報部に記憶し、移動局から通信禁止解除状態になった旨の通知があった時に該移動局に対する着信の禁止を解除して移動局情報部に記憶されている着信情報を該移動局に送信する移動通信ネットワーク制御部を備えている。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、移動局は、検出した自己の移動速度が所定の上限速度を上回ったことが検出された時に自己を通信禁止状態にしてその旨を移動通信ネットワーク装置に通知し、下限速度を下回ったことが検出された時に自己を通信禁止解除状態にしてその旨を移動通信ネットワーク装置に通知し、該通信禁止解除状態にした旨の通知に応答して移動通信ネットワーク装置から送られてくる通信禁止中の着信情報を出力するように構成し、移動通信ネットワーク装置は、移動局から通信禁止状態になった旨の通知があった時に該移動局に対する着信を禁止し、移動局に対する着信があった時に、該移動局が通信禁止状態であれば、発信者に関する情報を着信情報として移動局情報部に記憶し、移動局から通信禁止解除状態になった旨の通知があった時に該移動局に対する着信の禁止を解除して移動局情報部に記憶されている着信情報を該移動局に送信するように構成したので、移動局の使用者は、移動によって通信禁止状態にされている間の着信の有無を知ることができる利便性に優れた移動通信システムならびにこれに用いられる移動局および移動通信ネットワーク装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る移動通信システムは、移動局と移動通信ネットワークとから構成されている。移動通信ネットワークは、基地局、基地局制御装置、移動体交換局等といった構成要素から成り、以下では、これらを纏めて移動通信ネットワーク装置と称する場合がある。この移動通信システムは、移動局が設定された速度以上で移動している場合は、移動局および移動通信ネットワークによる通信を強制的に禁止できるようにしたものである。
【0012】
図1は、この発明の実施の形態1に係る移動局の構成を示すブロック図である。この移動局1は、無線送受信部2、無線回線・通信制御部3、速度検出部4および表示・操作制御部5から構成されている。
【0013】
無線送受信部2は、当該移動局1と外部との間における無線信号の送受を制御する。すなわち、外部から受信した無線信号を内部で処理可能な信号に変換して無線回線・通信制御部3に送るとともに、無線回線・通信制御部3から送られてくる信号を無線信号に変換して外部に送信する。
【0014】
無線回線・通信制御部3は、この発明の移動局制御部に対応し、速度検出部4からの速度信号および表示・操作制御部5からの入力信号に従って、当該移動局1と移動通信ネットワークとの間の無線回線および無線通信を制御する。また、無線回線・通信制御部3は、内部で処理した結果を表示・操作制御部5に送る。この無線回線・通信制御部3の詳細は後述する。
【0015】
速度検出部4は、移動局1の移動速度を検出する。この速度検出部4は、移動速度があらかじめ設定された上限速度Aを上回ったことを検出したとき、および、移動速度があらかじめ設定された下限速度Bを下回ったことを検出したときに、その旨を無線回線・通信制御部3に通知する。なお、上限速度Aおよび下限速度Bを、例えば無線回線・通信制御部3に設定しておき、速度検出部4は移動速度のみを検出し、この速度検出部4で検出された移動速度が上限速度Aを上回ったかどうか、および、下限速度Bを下回ったかどうかを、無線回線・通信制御部3で判断するように構成することもできる。
【0016】
表示・操作制御部5は、図示しないディスプレイ等への表示や、図示しないテンキーからの入力を制御する。すなわち、表示・操作制御部5は、無線回線・通信制御部3から送られてくる表示信号をディスプレイに送るとともに、テンキーから送られてくる入力信号を無線回線・通信制御部3に送る。
【0017】
図2は、この発明の実施の形態1に係る移動通信ネットワーク装置11の構成を示すブロック図である。この移動通信ネットワーク装置11は、無線送受信部12、無線回線・通信制御部13、移動局情報部14およびトーキー部15から構成されている。
【0018】
無線送受信部12は、当該移動通信ネットワーク装置11と移動局1との間における無線信号の送受を制御する。すなわち、外部から受信した無線信号を内部で処理可能な信号に変換して無線回線・通信制御部3に送るとともに、無線回線・通信制御部3から送られてくる信号を無線信号に変換して外部に送信する。
【0019】
無線回線・通信制御部13は、この発明の移動通信ネットワーク制御部に対応し、移動局情報部14の内容を参照して、当該移動通信ネットワーク装置11と移動局1との間の無線回線および無線通信を制御する。また、無線回線・通信制御部13は、内部で処理した結果をトーキー部15に送る。この無線回線・通信制御部13の詳細は後述する。
【0020】
移動局情報部14は、移動通信ネットワーク内の移動局情報を記憶する。トーキー部15は、移動局1に対する着信処理を実行することができない場合、つまり移動局1が通信禁止状態にされている場合に、その旨を発信者に通知する。
【0021】
次に、上記のように構成される移動局1の動作を、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、図3に示すフローチャートは、無線回線・通信制御部3において実行される処理を示している。
【0022】
移動局1の速度検出部4は、あらかじめ設定された上限速度Aを上回る速度を検出すると、その旨を無線回線・通信制御部3に通知する。これにより、無線回線・通信制御部3では通知イベントが発生する(ステップST1)。この通知イベントが発生すると、無線回線・通信制御部3では、その通知イベントは、上限速度Aを上回ったことを通知する通知イベントであるかどうかが調べられる(ステップST2)。このステップST2において、上限速度Aを上回ったことを通知する通知イベントであることが判断されると、次いで、待ち受け中であるかどうかが調べられる(ステップST3)。
【0023】
上記ステップST3において、待ち受け中であることが判断されると、移動局1は、通話、メール、Webアクセス等使用者が使用する通信の全て又は少なくとも一部を制御する通信禁止状態にされる(ステップST4)。次いで、表示・操作制御部5に通信禁止状態が通知される(ステップST5)。表示・操作制御部5は、無線回線・通信制御部3から通信禁止状態の通知を受けると、移動局1の使用者による発信操作を受け付けないように設定するとともに、移動局1の通信が禁止された旨を表示する。この表示は、例えば移動局1のディスプレイに「通信禁止状態」というメッセージを出力することにより行うことができる。
【0024】
次いで、移動通信ネットワークに対して当該移動局1が通信禁止状態になったことが通知される(ステップST6)。すなわち、図6に示すように、移動局1から移動通信ネットワーク装置11に対し、移動局状態通知が行われる。この移動局状態通知では、図7に示すようなメッセージ、すなわちメッセージ種別として「移動局状態通知」、情報要素識別子として「移動局状態」および情報内容として「通信禁止状態」が設定されたメッセージが、移動局1から移動通信ネットワーク装置11に送られる。その後、シーケンスはステップST1に戻る。
【0025】
上記ステップST3において、待ち受け中でない、つまり通信中であることが判断されると、通信中の呼が切断されるとともに、移動局1が通信禁止状態にされる(ステップST7)。その後、上述したステップST5およびST6と同様に、表示・操作制御部5に通信禁止状態が通知され(ステップST8)、次いで、移動通信ネットワークに対して当該移動局1が通信禁止状態になったことが通知される(ステップST9)。
【0026】
上記ステップST2において、上限速度Aを上回ったことを通知する通知イベントでないことが判断されると、その通知イベントは、下限速度Bを下回ったことを通知する通知イベントであるかどうかが調べられる(ステップST10)。このステップST10において、下限速度Bを下回ったことを通知する通知イベントであることが判断されると、移動局1は、その通信を通常状態(通信禁止解除状態)にされる(ステップST11)。次いで、表示・操作制御部5に対して通常状態(通信禁止解除状態)が通知される(ステップST12)。表示・操作制御部5は、無線回線・通信制御部3から通信禁止解除状態の通知を受けると、移動局1の使用者による発信操作を受け付けるように設定するとともに、移動局1の通信禁止状態が解除された旨を表示する。この表示は、例えば移動局1のディスプレイに「通信禁止解除状態」というメッセージを出力することにより行うことができる。
【0027】
次いで、移動通信ネットワークに対して当該移動局1が通信禁止解除状態になったことを通知される(ステップST13)。すなわち、図6に示すように、移動局1から移動通信ネットワーク装置11に対し、移動局状態通知が行われる。この移動局状態通知では、図8に示すようなメッセージ、つまりメッセージ種別として「移動局状態通知」、情報要素識別子として「移動局状態」および情報内容として「通信禁止解除状態」が設定されたメッセージが、移動局1から移動通信ネットワーク装置11に送られる。その後、シーケンスはステップST1に戻る。なお、上記ステップST10において、下限速度Bを下回ったことを通知する通知イベントでないことが判断された場合は、シーケンスはステップST1に戻る。
【0028】
次に、移動通信ネットワークにおいて、移動局から通信禁止または通信禁止解除の通知イベントがあった場合の動作を、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、図4に示すフローチャートは、無線回線・通信制御部13において実行される処理を示している。
【0029】
移動局1は、上述したように、通信禁止状態から通信禁止解除状態へ、または、通信禁止解除状態から通信禁止状態へ遷移する際に、その旨を移動通信ネットワークに通知する。これにより、移動通信ネットワーク装置11では、通信禁止状態または通信禁止解除状態の通知イベントが発生する(ステップST21)。この通知イベントが発生すると、その通知イベントの原因となった移動局1の移動局情報が検索される(ステップST21)。すなわち、無線回線・通信制御部13は、移動局情報部14に記憶されている移動局情報を検索する。
【0030】
次いで、ステップST21で発生された通知イベントが通信禁止状態の通知であるか否かが調べられる(ステップST23)。このステップST23で、通信禁止状態の通知であることが判断されると、移動局情報部14の中の移動局情報であって、ステップST21において検索された移動局情報が通信禁止状態に設定される(ステップST24)。その後、シーケンスはステップST21に戻る。
【0031】
上記ステップST23において、通信禁止状態の通知でないことが判断されると、移動局情報部14の中の移動局情報であって、ステップST21で検索された移動局情報が通信禁止解除状態(通常状態)に設定される(ステップST25)。次いで、当該移動局1が通信禁止状態中に、その移動局1に対する着信があったか否かが調べられる(ステップST26)。このステップST26で、着信があったことが判断されると、通信禁止状態中に当該移動局1に対して発生した着信情報である通信禁止中着信情報、すなわち発信者電話番号などの発信者情報が当該移動局1に送信される(ステップST27)。
【0032】
すなわち、図9に示すように、移動通信ネットワーク装置11から移動局1に対し、通信禁止中着信情報通知が行われる。この通信禁止中着信情報通知では、図10に示すようなメッセージ、つまりメッセージ種別として「通信禁止中着信情報通知」、情報要素識別子として「発信者情報」、情報内容数として「N個」および「情報内容」としてN個の発信者情報1〜Nが設定されたメッセージが、移動通信ネットワーク装置11から移動局1に送られる。なお、通信禁止中着信情報については、後に詳述する。その後、シーケンスはステップST21に戻る。上記ステップST26において、着信がなかったことが判断された場合は、シーケンスはステップST21に戻る。
【0033】
次に、移動通信ネットワーク装置11において移動局1に対する着信があった場合の動作を、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、図5に示すフローチャートは、無線回線・通信制御部13において実行される処理を示している。
【0034】
移動通信ネットワーク装置11において、移動局1に対する着信があると、着信処理イベントが発生する(ステップST31)。この着信処理イベントが発生すると、その着信処理イベントが対象としている移動局1の移動局情報が検索される(ステップST32)。すなわち、無線回線・通信制御部13は、移動局情報部14に記憶されている移動局情報を検索する。次いで、ステップST32で検索された移動局情報を参照し、着信処理イベントが対象としている移動局1が通信禁止状態であるか否かが調べられる(ステップST33)。
【0035】
上記ステップST33において、通信禁止状態であることが判断されると、移動通信ネットワーク装置11は、その移動局1に対する着信処理は行わず、ステップST32で検索された移動局情報に、通信禁止中着信情報として、発信者電話番号などの発信者情報を移動局情報部14に記憶するとともに、トーキー部15を駆動することにより、発信者に対して着信処理が実施できない旨のトーキー音声を通知する(ステップST34)。その後、シーケンスはステップST31に戻る。
【0036】
一方、上記ステップST33において、通信禁止状態でないことが判断されると、移動通信ネットワーク装置11は、着信処理イベントが対象としている移動局への着信処理を実施する(ステップST35)。これにより、移動局1に対する通常の着信が行われる。その後、シーケンスはステップST31に戻る。
【0037】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る移動通信システムによれば、あらかじめ移動局に設定された速度以上で該移動局が移動中の場合、移動局および移動通信ネットワーク装置において通信を強制的に禁止する機能が提供されるので、面倒な設定操作を行わなくても、例えば電車やバスといった公共機関に乗っている移動局の使用者や自動車を運転中の移動局の使用者による通信を禁止できる。
【0038】
また、通信を強制的に禁止された移動局に対して着信が発生すると、移動通信ネットワークにおいて、その移動局への着信処理は行われず、その移動局の使用者が移動中である旨が発信者に対して通知されるとともに、発信者電話番号などの発信者情報が移動局情報部に蓄積されるので、その移動局の通信禁止が解除された後に、その使用者に発信者情報を通知することができる。
【0039】
また、あらかじめ移動局に設定された速度以下になった場合は、移動局は移動中でないと判断され、移動局または移動通信ネットワークにおいて強制的に禁止されていた通信が解除されるので、面倒な設定操作を行わなくても、移動局の使用者による通常の通信が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の実施の形態1に係る移動局の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る移動通信ネットワーク装置の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る移動局の動作を示すフローチャート図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る移動通信ネットワーク装置において通信禁止または通信禁止解除の通知イベントがあった場合の動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1に係る移動通信ネットワーク装置において着信があった場合の動作を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1に係る移動通信システムにおける移動局状態通知を説明するためのシーケンス図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係る移動通信システムで使用される、通信禁止状態を通知するための移動局状態通知の内容を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係る移動通信システムで使用される、通信禁止解除状態を通知するための移動局状態通知の内容を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係る移動通信システムにおける通信禁止中着信情報通知を説明するためのシーケンス図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係る移動通信システムで使用される、通信禁止中の発信者情報を通知するための通信禁止中着信情報通知の内容を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1 移動局、2 無線送受信部、3 無線回線・通信制御部、4 速度検出部、5 表示・操作制御部、11 移動通信ネットワーク装置、12 無線送受信部、13 無線回線・通信制御部、14 移動局情報部、15 トーキー部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己の移動速度を検出する速度検出部と、
前記速度検出部において移動速度が所定の上限速度を上回ったことが検出された時に自己を通信禁止状態にするとともにその旨を移動通信ネットワーク装置に通知し、前記速度検出部において移動速度が所定の下限速度を下回ったことが検出された時に自己を通信禁止解除状態にするとともにその旨を前記移動通信ネットワーク装置に通知し、該通信禁止解除状態にした旨の通知に応答して前記移動通信ネットワーク装置から送られてくる通信禁止中の着信情報を出力する移動局制御部
とを備えた移動局。
【請求項2】
移動局に関する情報を記憶する移動局情報部と、
前記移動局から通信禁止状態になった旨の通知があった時に該移動局に対する着信を禁止し、前記移動局に対する着信があった時に、該移動局が通信禁止状態であれば、発信者に関する情報を着信情報として前記移動局情報部に記憶し、前記移動局から通信禁止解除状態になった旨の通知があった時に該移動局に対する着信の禁止を解除して前記移動局情報部に記憶されている着信情報を該移動局に送信する移動通信ネットワーク制御部
とを備えた移動通信ネットワーク装置。
【請求項3】
通信禁止状態にある移動局に対する着信があった時に、その旨を発信者に通知するトーキー部
を備えたことを特徴とする請求項2記載の移動通信ネットワーク装置。
【請求項4】
移動局と移動通信ネットワーク装置とを備えた移動通信システムにおいて、
前記移動局は、
自己の移動速度を検出する速度検出部と、
前記速度検出部において移動速度が所定の上限速度を上回ったことが検出された時に自己を通信禁止状態にするとともにその旨を前記移動通信ネットワーク装置に通知し、前記速度検出部において移動速度が所定の下限速度を下回ったことが検出された時に自己を通信禁止解除状態にするとともにその旨を前記移動通信ネットワーク装置に通知し、該通信禁止解除状態にした旨の通知に応答して前記移動通信ネットワーク装置から送られてくる通信禁止中の着信情報を出力する移動局制御部とを備え
前記移動通信ネットワーク装置は、
移動局に関する情報を記憶する移動局情報部と、
前記移動局から通信禁止状態になった旨の通知があった時に該移動局に対する着信を禁止し、前記移動局に対する着信があった時に、該移動局が通信禁止状態であれば、発信者に関する情報を着信情報として前記移動局情報部に記憶し、前記移動局から通信禁止解除状態になった旨の通知があった時に該移動局に対する着信の禁止を解除して前記移動局情報部に記憶されている着信情報を該移動局に送信する移動通信ネットワーク制御部
とを備えた移動通信システム。
【請求項5】
前記移動通信ネットワーク装置は、通信禁止状態にある移動局に対する着信があった時に、その旨を発信者に通知するトーキー部
を備えたことを特徴とする請求項4記載の移動通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−345192(P2006−345192A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−168532(P2005−168532)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】