説明

移動通信装置

【課題】開閉自在の移動通信装置が閉じられた際、その装置が使用された旨の電子メールを送信する。
【解決手段】上下筐体が閉じられると(ステップS101)、安否メール作成部21は、それが今日初めてである場合(ステップS202の「YES」)、所定の電子メールを未送信メール記憶部に記憶させる(ステップS203)。電子メール送受信部18は、所定の時間間隔で動作を開始し(ステップS301)、未送信メール記憶部に記憶された電子メールを送信する(ステップS303)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信装置に係り、特に、装置の使用者の安否を電子メールで通知する処理に関する。
【背景技術】
【0002】
一人暮らしの方、特に、一人暮らしのお年寄りの安否は、その方の関係者、例えば、お年寄りの子にとって、気遣われる。そこで、その方が無事に暮らしていることを、その方が使用する装置が使われたことによって検出し、その装置が使われた、また、使われていないことを、その方の関係者へ通知する処理が知られている。
【0003】
無用に多くの通知がされることを避けるため、その装置が使われた履歴をサーバ装置が記憶し、サーバ装置は、ある日にその装置が所定回数以上使われたことを、又は、ある日に使われなかったことを通知する処理が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、携帯電話機が所定の時間に渡って使われないと、その携帯電話機が、その旨を電子メールによって通知する処理が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−228784号公報(第2−3、9頁、図5−7)
【特許文献2】特開2005−57513号公報(第2、7頁、図6、7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に開示されている方法では、装置が使われた履歴を記憶するサーバ装置が必要である問題点があった。また、上述した特許文献2に開示されている方法では、携帯電話機が使われない旨を通知する場合はともかく、使われた旨を通知するとした場合、その携帯電話機が使用中なのであって、その使用と、通知との2つの負荷が同時に発生する結果、携帯電話機の反応が遅くなる可能性がある問題点があった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、開閉自在の移動通信装置が閉じられた際、その装置が使用された旨の電子メールを送信する移動通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の移動通信装置は、第1の筐体と第2の筐体とが開閉自在に結合され、入力手段の少なくとも一部は、前記第1、第2の筐体が閉状態である場合、操作されない位置に設置され、及び/又は、表示手段の少なくとも一部は、前記第1、第2の筐体が閉状態である場合、視認されない位置に設置された移動通信装置であって、未送信メール記憶手段と、前記第1、第2の筐体が閉状態となったことを検出する開閉検出手段と、前記開閉検出手段によって前記第1、第2の筐体が閉状態となったことが検出されたことに基づいて、所定の電子メールを前記未送信メール記憶手段に記憶させる安否メール作成手段と、前記未送信メール記憶手段に記憶された所定の電子メールを送信する電子メール送信手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、開閉自在の移動通信装置が閉じられた際、その装置が使用された旨の電子メールを送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る移動通信装置の上下筐体の折畳みを開いた時の外観図。
【図2】本発明の実施形態に係る移動通信装置の上下筐体の折畳みを閉じた時の外観図。
【図3】本発明の実施形態に係る移動通信装置の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の実施形態に係る各種設定の入力の際の表示部の表示。
【図5】本発明の実施形態に係る安否メールを送信するか否かが選択された際の表示部の表示。
【図6】本発明の実施形態に係る安否メールの宛先を電話帳から選択して設定する際の表示部の表示。
【図7】本発明の実施形態に係る安否メールの宛先を電話番号の入力によって設定する際の表示部の表示。
【図8】本発明の実施形態に係る安否メールの宛先を電子メールアドレスの入力によって設定する際の表示部の表示。
【図9】本発明の実施形態に係る安否メールの宛先を変更する際の表示部の表示。
【図10】本発明の実施形態に係る安否メール作成部及び電子メール送受信部による安否メールを送信する動作のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態に係る移動通信装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係わる開閉自在の折畳み型移動通信装置の、上下筐体の折畳みを開いた時の外観図を示し、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。
【0011】
この移動通信装置は、上筐体1と下筐体2とが、ヒンジ部3によって軸A−Aを中心に回動自在に連結されてなることによって、上下筐体1、2の角度が略0度(閉状態)から略180度(開状態)の間で開閉自在に構成されている。
【0012】
上筐体1の内面には、受話に用いられるスピーカ14aと、使用者に操作を促す表示や、使用者が操作した内容の表示や、装置の動作状態の表示などに用いられる表示部15とが設置されている。
【0013】
下筐体2の内面には、送話に用いられるマイクロフォン14bと、入力素子であるキーパッドからなる入力部16とが設けられている。また、下筐体2の内部には、電波の送受に用いられるアンテナ(図示せず)が設置されている。
【0014】
入力部16には、各機能での確定や選択を指示するために用いられる決定キー16aと、決定キー16aに隣接して決定キー16aを取り囲んで設置され、決定キー16aの上、下、左、及び、右方向に位置する4つのキー、即ち、上向きキー、下向きキー、左向きキー、及び、右向きキーからなり、表示部15上のカーソル位置の移動指示などに用いられる十字選択キー16bと、下筐体2内面の上部左、即ち、表示部15の下部左近くに設置された第1の機能キー16cと、下筐体2内面の上部右、即ち、表示部15の下部右近くに設置された第2の機能キー16dとが設けられている。
【0015】
なお、入力部16には、電話番号を含む数字の入力などに用いられるダイヤルキーと、移動通信装置の電源の投入及び切断などの動作指示などを入力するために用いられる機能キーも設けられている。なお、下筐体2の側面には、入力部16のキーパッドの一部が設けられていても良い。
【0016】
上筐体1の上部の内部(ヒンジ部3から遠い部分。)に磁石4が埋め込まれ、下筐体2の下部の内部(ヒンジ部3から遠い部分。)に磁界検出素子5が埋め込まれている。磁界検出素子5は、例えば、ホール素子であって、上下筐体1、2が閉状態にある場合、磁石4と、磁界検出素子5との間の距離が近いように配置してある。磁界検出素子5は、磁石4に起因する磁界を検出することによって、上下筐体1、2が閉状態にあることを検出する。
【0017】
なお、磁界検出素子5によれば、上下筐体1、2が閉状態にあることを検出するが、1つの磁界検出素子と、2つの磁石とをヒンジ部3に埋め込み、上下筐体1、2が閉状態にあるか、閉状態にあるかによって、いずれかの磁石と磁界検出素子との間の距離が近いように配置することによって、上下筐体1、2が閉状態にあることと、閉状態にあることとを検出するようにしても良い。
【0018】
図2は、この移動通信装置の上筐体1をヒンジ部3によって回動させ、下筐体2に近づけて折畳みを閉じた時の外観を示し、図2(a)は正面図、図2(b)は側面図である。折畳みが閉じられた状態では、表示部15と、入力部16とは、折畳みの内側にあるため、使用者は、表示部15に行われた表示を視認することができず、また、入力部16のキーを操作することができない。
【0019】
図3は、本発明の実施形態に係る移動通信装置の構成を示すブロック図である。この移動通信装置は、装置全体の制御を行う制御部11と、日時を示す時計11aと、移動通信網の基地局(図示せず)との間で電波の送受信を行うアンテナ12aと、通信部12bと、送受信部13と、通話用のスピーカ14aと、通話用のマイクロフォン14bと、通話部14cと、表示部15と、入力部16と、開閉検出部17と、電子メール送受信部18と、未送信メール記憶部19と、安否メール作成部21と、安否メール最終記憶日時記憶部22とからなる。
【0020】
なお、プログラムを実行することで実現される本発明に関する機能として、制御部11には、時計制御機能11−1と、ロック機能11−2とが含まれる。また、未送信メール記憶部19には、未送信メール、即ち、電子メール送受信部18によって送信されるべき電子メールであって、送信されていない電子メールが記憶される。安否メール最終記憶日時記憶部22には、安否メール作成部21によって、安否メールが最後に未送信メール記憶部19に記憶された日時である安否メール最終記憶日時が記憶される。
【0021】
ここで、開閉検出部17と、電子メール送受信部18と、安否メール作成部21とは、プログラムを実行することで実現される機能として、制御部11に含まれても良い。また、未送信メール記憶部19と、安否メール最終記憶日時記憶部22とは、同じ記憶部であっても良い。更に、制御部11に含まれる記憶部であっても良い。
【0022】
上記のように構成された、本発明の実施形態に係る情報処理装置の各部の動作を、図3を参照して説明する。
【0023】
制御部11は、少なくとも装置に電源が投入され、動作を開始した際、開閉検出部17に上下筐体1、2が開状態にあるか、又は、閉状態にあるかを検出させ、得られた検出結果を制御部11内に記憶する。また、開閉検出部17からの割込みを契機として、上下筐体1、2が開状態から閉状態になったこと、及び、閉状態から開状態になったことの通知を受信する。
【0024】
上記の処理により、制御部11は、上下筐体1、2が開状態にあるか、又は、閉状態にあるかを常に記憶し、記憶された状態に依存して、また、検出結果が開状態から閉状態になったこと、及び、閉状態から開状態になったことに依存して、所定の制御を行う。
【0025】
時計制御機能11−1は、入力部16の所定のキー操作に基づいて動作を開始し、入力部16の所定のキー操作によって入力された日時を時計11aが示すように、時計11aを変更する。更に、時計制御機能11−1は、安否メール最終記憶日時記憶部22に記憶された日時を消去する。
【0026】
ロック機能11−2は、移動通信網から所定のロック制御信号が受信された場合、ロック状態であることを制御部11内に記憶する。そして、移動通信網から所定のロック解除制御信号が受信された場合、ロックを解除し、ロック状態でないことを制御部11内に記憶する。なお、ロック状態でないことが記憶されている場合、制御部11は、装置の各部を以後に説明するように動作させる。
【0027】
一方、ロック状態であることが記憶されている場合、制御部11は、以後の説明に係わらず、装置の動作を抑止する。即ち、電源の投入及び切断などの限られた機能を除き、入力部16のキー操作を無視し、表示部15には、ロック中である旨を報知する画像を表示させる。そして、制御部11、通信部12b及び送受信部13によるロック解除制御信号の受信機能、及び開閉検出部17を動作させるものの、通話部14cや、安否メール作成部21を含む、その他のアプリケーション処理部を動作させない。
【0028】
この結果、一日中ロック状態であると記憶されていた日には、後述する安否メールは必ず送信されない。これは、ロック状態とされるのは、主に、装置が行方不明になった場合や、盗難にあった場合であって、装置は、正当な使用者によって使用されていない場合が多く、ロック状態にある際に送信されるにせよ、ロックが解除された後に送信されるにせよ、安否メールの意味が乏しいからである。
【0029】
通信部12bは、アンテナ12aが受信した高周波信号を送受信部13へ出力し、また、送受信部13から出力される高周波信号をアンテナ12aより送信する。
【0030】
送受信部13は、通信部12bからの高周波信号を増幅、周波数変換及び復調し、それによって得られたディジタル音声信号を通話部14cへ、電子メール信号を電子メール送受信部18へ、また、着信信号を含む制御信号を制御部11に送る。更には、通話部14cから出力されるディジタル音声信号、電子メール送受信部18から出力される電子メール信号、及び制御部11から出力される制御信号を変調、周波数変換及び増幅し、高周波信号を得て、それを通信部12bに送る。
【0031】
通話部14cは、送受信部13から出力されるディジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、それを増幅してスピーカ14aに送る。また、マイクロフォン14bから出力されるアナログ音声信号を増幅し、それをディジタル音声信号に変換して送受信部13に送信する。
【0032】
表示部15は、バックライト付きのLCD(Liquid Crystal Display)であり、上下筐体1、2が開状態にある場合、制御部11に制御されることで、カーソルを含む文字・数字を含む画像データの表示動作を行い、表示されているデータは、入力部16からの入力操作や着信信号に応答して制御部11からの指示を受けることで切換わる。また、上下筐体1、2が閉状態にある場合、及び、開状態にあって、所定の時間に渡って入力部16のキー操作がない場合、制御部11は、表示部15に表示をさせない。表示部15は、その他のディスプレイ、例えば、有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescence Display)でも良い。
【0033】
入力部16は、通信相手の電話番号などを指定し、また、トグル式の入力方式によってひらがな文字、アルファベット文字及び記号文字を入力するための数字キーと、カーソル移動キーやスクロールキーを含む複数の機能キーとを含むキーからなる。そして、入力部16のキーが押下されると、そのキーの識別子を制御部11に通知する。
【0034】
開閉検出部17は、磁界検出素子5が磁界を検出しているか否かによって、上下筐体1、2が開状態にあるか、閉状態にあるかを検出する。そして、上下筐体1、2が開状態にあるか、閉状態にあるかの検出要求を受信して、いずれかの状態であるかを通知する。また、所定の時間間隔で磁界検出素子5が磁界を検出しているか否かを調べ、その結果の変化によって、上下筐体1、2が開状態から閉状態になった、及び、閉状態から開状態になったと検出された場合、割込みを介して、それらを制御部11へ通知する。
【0035】
電子メール送受信部18は、電子メールの送受信を行う処理部であり、入力部16の所定のキー操作に基づく制御部11からの指示によって、電子メールの送信動作を開始する。
【0036】
電子メール送受信部18は、続いて、入力部16から送信されたキーの識別子に従って、電子メールの宛先メールアドレスと、件名(Subject)と、本文とからなる電子メールを作成する。そして、作成された電子メールを未送信メール記憶部19に未送信メールとして記憶させる。
【0037】
続いて、電子メール送受信部18は、未送信メール記憶部19に記憶された未送信メールを送受信部13に送信させる。この電子メールは、通信部12b、アンテナ12a、基地局を介してメールサーバ装置(図示せず)に送信される。送受信部13は、送信が終了すると、その送信されたメールを未送信メール記憶部19から削除する。
【0038】
ここで、装置が移動通信網の圏外に位置しているなどの理由により、未送信メール記憶部19に記憶された未送信メールがメールサーバ装置に送信されないことがある。そこで、電子メール送受信部18は、所定時間間隔で動作し、未送信メール記憶部19に記憶されている未送信メールを送受信部13に送信させ、そのメールを未送信メール記憶部19から削除する。
【0039】
以上説明した電子メール送受信部18が電子メールを送信させる動作により、他の処理部は、電子メールの宛先メールアドレスと、件名と、本文とを未送信メール記憶部19に未送信メールとして記憶させることによって、電子メールを送信させることができる。
【0040】
また、電子メール送受信部18は、電子メール着信信号が受信されることにより、制御部11からの指示によって、メールサーバ装置から送信され、送受信部13によって受信された電子メールを受信する。そして、受信された電子メールを、電子メール送受信部18内に記憶して、動作を終了する。電子メールには、少なくともこのメールの送信元メールアドレスと、件名と、本文とを含む。
【0041】
また、電子メール送受信部18は、入力部16の所定のキー操作に基づく制御部11からの指示によって、電子メール送受信部18内に記憶された受信された電子メールの一覧、例えば、それらの電子メールが受信された時刻と、そのメールの送信元メールアドレスとの一覧を表示部15に表示させる。そして、入力部16の所定のキー操作に基づいて、それらの電子メールの中の1つを選択し、選択された電子メールの詳細、例えば、本文を表示部15に表示させる。この動作によって、使用者は、受信された電子メールを読むことができる。
【0042】
以上の説明で、電子メール送受信部18は、電子メールの宛先メールアドレスを指定して電子メールを送信するとしたが、これに限るものではなく、電話番号を指定して電子メールを送信する。その電子メールは、電話番号と、電子メールアドレスとの対応を記憶するメールサーバ装置(図示せず)によって、その指定された電話番号が対応付けられた電子メールアドレスを宛先メールアドレスとする電子メールへ変換されて送信される。
【0043】
なお、移動通信装置が電話番号と、電子メールアドレスとを関連付けて記憶する電話帳(図示せず)を有する場合、上記の電話番号は、その電話帳を参照して、電子メールアドレスへ変換されるとしても良い。
【0044】
安否メール作成部21は、上下筐体1、2が開状態から閉状態になった際に制御部11からの指示によって動作を開始し、毎日の初回に動作を開始した場合、所定の安否メールを未送信メール記憶部19に未送信メールとして記憶させる。なお、この未送信メールの宛先メールアドレスは、装置の使用者の関係者のアドレスである。そして、安否メール作成部21は、安否メールを記憶させた際に時計11aが示す日時を安否メール最終記憶日時記憶部22内に安否メール最終記憶日時として記憶させる。
【0045】
以下、本発明の実施形態に係わる移動通信装置による安否メールを送信する動作を説明する。
【0046】
(制御部11による安否メールを送信するか否かの制御動作)
制御部11は、入力部16の所定のキー操作に基づいて、安否メールを送信するか否か、そして、送信する場合、更に安否メールの宛先メールアドレスと、件名と、本文とを入力し、安否メールを送信するか否かを制御部11内に記憶し、入力されたアドレスと、件名と、本文とを安否メール作成部21内に記憶させる。ここで、件名と、本文とは、制御部11又は安否メール作成部21によって事前に定められていても良く、その場合、例えば、無事に暮らしている旨が含まれる。
【0047】
この安否メールを送信するか否かの選択、また、安否メールの宛先メールアドレスの選択に係る制御動作を、その動作の際に表示部15に表示される内容を参照しつつ説明する。図4(a)は、制御部11が各種設定を入力する際に表示部15に表示させる内容であって、この表示は、表示部15の上部に表示されるピクト行15aと、中央に表示されるメニュー表示15bと、下部中央に表示される「決定」なる中央機能表示15cとからなる。
【0048】
ピクト行15aは、基地局から送信され、アンテナ12aによって受信された電波の強度を示す図形、装置の各部に電力を供給する蓄電池(図示せず)に蓄えられた電力量の多寡を示す図形などが常に表示されるものである。
【0049】
メニュー表示15bは、各種設定であるメニュー項目が表示され、その中の1つにカーソルが置かれている旨を表示するものであり、カーソルが置かれている項目は、その他の項目とは異なる表示がされる。ここでは、(7)のメニュー項目、(8)のメニュー項目と共に、「(9)重要な設定をする」なるメニュー項目が表示されている。
【0050】
更に、この「(9)重要な設定をする」の項目にカーソルが置かれていることを、ハッチングによって示す。カーソルが置かれる項目は、十字選択キー16bの上向きキーと、下向きキーの操作によって、それぞれカーソルが置かれた項目に隣接して上に、また、下に表示された項目へ移動する。また、十字選択キー16bの上向きキーと、下向きキーの操作によって、カーソルが置かれた項目が変化するに従い、表示されるメニュー項目がスクロールする。このメニューには、上記した項目以外に、(1)〜(6)のメニュー項目があるが、スクロールされて、図では表示されていない。
【0051】
中央機能表示15cは、決定キー16aが操作されることによって行われる動作を示し、この場合、カーソルが置かれたメニュー項目が選択されることを示す。
【0052】
この表示がされている際、決定キー16aが操作され、重要な設定の選択が行われると、図4(b)に示すように「(9)重要な設定をする」に含まれる子メニューの項目からなるメニュー表示15bが表示される。このメニュー表示15bには、(1)のメニュー項目、(3)のメニュー項目と共に、「(2)安否メールの設定をする」が表示されている。更に、「▽つづきへ」の表示によって、(3)以降のメニュー項目が存在し、十字選択キー16bの下向きキーの操作によって表示されることが示されている。
【0053】
この表示がされている際、決定キー16aが操作され、安否メールの設定が選択されると、図4(c)に示すように、安否メールに係る設定のための表示がされ、安否メールを送る宛先を登録する旨の説明表示15dと、「(1)安否メール[送信しない]」なる設定表示15eが表示され、設定表示15eにカーソルが置かれている。ここで、安否メールは、送信しない設定となっているとしているため、設定表示15eに、「[送信しない]」が含まれている。
【0054】
この表示がされている際、決定キー16aが操作されると、図4(d)に示すように安否メールの送信、非送信の選択を行うための表示がされる。この表示は、「安否メールを送信しますか?」なる説明表示15dと、「(1)送信する」と、「(2)送信しない」の2つのメニュー項目からなるメニュー表示15bとからなる。2つのメニュー項目の1つにはカーソルが置かれる。このメニュー表示15bで、「(2)送信しない」にカーソルが置かれている理由は、上述した設定表示15eに、「[送信しない]」が含まれているからである。
【0055】
カーソルが「(2)送信しない」に置かれている際に決定キー16aが操作されると、図5(a)に示すように、安否メールの送信を停止した旨の処理通知表示15fが、新たなウィンドウとして表示される。この表示がされている際、決定キー16aが操作されると、図4(c)に示す安否メールに係る設定のための表示がされる。ここで、設定表示15eに、「[送信しない]」が含まれる。
【0056】
一方、カーソルが「(1)送信する」に置かれている際に決定キー16aが操作されると、図5(b)に示すように、安否メールの宛先の登録の方法の選択を促す説明表示15dと、「(1)電話帳から選ぶ」、「(2)番号を入力する」、「(3)メールアドレスを入力」の3つのメニュー項目からなるメニュー表示15bとからなる表示がされる。
【0057】
続いて、これらの3つの安否メールの宛先の登録の方法を説明する。図5(b)で、「(1)電話帳から選ぶ」にカーソルが置かれている際に決定キー16aが操作されると、図6に示す手順で電話帳を参照して安否メールの宛先が設定される。即ち、まず、電話帳管理部(図示せず)が起動され、電話帳管理部によって、図6(a)に示す、電話帳に記憶された氏名と、電話番号と、電子メールアドレスからなる1つのアドレスがアドレス表示15gとして表示される。
【0058】
更に、この3つのデータ中の電話番号及び電子メールアドレスのいずれか一方を安否メールの宛先メールアドレスとして選択可能であることが示されている。図では、電話番号にカーソルが置かれており、その電話番号が安否メールの宛先メールアドレスとして選択されていることを示す。
【0059】
ここで、中央機能表示15cの左に「表示」なる左機能表示15hと、中央機能表示15cの右に「メニュー」なる右機能表示15iとが表示されている。右機能表示15iは、第2の機能キー16dが操作されることによって行われる動作を示し、第2の機能キー16dが操作されると右機能表示15iが示すようにメニューが表示され、そのメニューに含まれるメニュー項目の1つを十字選択キー16bの操作によって選択して決定キー16aを操作することによって、そのメニュー項目が示す機能が実行される。ここで、その機能の一例は、左機能表示15hが示す「表示」機能である。また、左機能表示15hは、第1の機能キー16cが操作されることによって行われる動作を示し、第1の機能キー16cが操作されると、左機能表示15hが示すように、カーソルが置かれた文字が大きい字体で表示される。
【0060】
この表示がされている際、決定キー16aが操作されると、図6(b)に示すように、図6(a)に示すアドレス表示15gが制御部11によって再び表示されると共に、アドレス表示15gが示すアドレスが安否メールの宛先メールアドレスとして登録して良いか否かの確認を目的とする説明表示15dが表示される。
【0061】
この表示がされている際、決定キー16aが操作されると、図6(c)に示すように、図6(b)のアドレス表示15gが示す人宛に安否メールが送信される旨の処理通知表示15fが、新たなウィンドウとして表示される。この表示がされている際、決定キー16aが操作されると、図6(d)に示すように、その人宛てに安否メールが送られることを示す設定表示15eが表示される。ここで、図6(d)は、図4(c)と対比すると容易に理解される。
【0062】
図5(b)で、「(2)番号を入力する」にカーソルが置かれている際に決定キー16aが操作されると、図7に示す手順で電話番号が入力され、その電話番号が安否メールの宛先として設定される。即ち、まず、図7(a)に示す、電話番号の入力を促す説明表示15dと、入力の状況を示す入力状況表示15jが表示される。ここで、入力の状況は、「残り00032文字 (0)」であり、更に32文字の入力が可能であることと、入力される文字は、1バイト文字(いわゆる、半角文字。)の数字であることを示している。
【0063】
ここで電話番号を入力すると、「決定」なる中央機能表示15cが表示され、それが表示されている際に決定キー16aが操作されると、図7(b)に示すように、入力された電話番号の確認を促す説明表示15dと、入力された電話番号を含む入力内容表示15kとが表示される。ここで、入力内容表示15kには、その電話番号と関連付けられて電話帳に記憶された氏名が含まれるが、この例では、その電話番号は電話帳に記憶されていないとして、その氏名に代えて「名前なし」なる表示が含まれている。
【0064】
この表示がされている際、決定キー16aが操作されると、図7(c)に示すように、図7(b)の入力内容表示15kが示す電話番号に対応する人宛に安否メールが送信される旨の処理通知表示15fが表示される。この表示がされている際、決定キー16aが操作されると、図7(d)に示すように、その電話番号に対応する人宛てに安否メールが送られることを示す設定表示15eが表示される。ここで、図7(c)及び図7(d)は、それぞれ、図6(c)、図6(d)に対応し、類似した表示がされている。
【0065】
図5(b)で、「(3)メールアドレスを入力」にカーソルが置かれている際に決定キー16aが操作されると、図8に示す手順で電子メールアドレスの入力によって安否メールの宛先が設定される。即ち、まず、図8(a)に示す、電子メールアドレスの入力を促す説明表示15dと、入力の状況を示す入力状況表示15jが表示される。
【0066】
ここで、入力の状況は、「□入力文字の切替」と、「残り00254文字 a」であり、更に、右機能表示15iが示す「メニュー」によって、第2の機能キー16dの操作によるとメニューが表示され、そのメニュー項目の選択によって入力される文字の切替が可能であることと、更に254文字の入力が可能であることと、入力される文字は、1バイト文字のアルファベット文字及び記号文字であることを示している。
【0067】
なお、第2の機能キー16dの操作によってメニューを表示させることにより、上記の他、電子メールアドレスに含まれることが多い、「@」、「_」などの記号文字の少ない操作での入力、及び、電話帳に含まれている電子メールアドレスや、装置の使用者に関する情報に含まれている電子メールアドレスを安否メールの宛先とすることができる。また、左機能表示15hが示す「説明」によって、第1の機能キー16cの操作によると電子メールアドレスの入力操作の説明が表示されることが示されている。
【0068】
ここで電子メールアドレスを入力すると、「決定」なる中央機能表示15cが表示され、それが表示されている際に決定キー16aが操作されると、図8(b)に示すように、入力された電子メールアドレスの確認を促す説明表示15dと、入力された電子メールアドレスを含む入力内容表示15kとが表示される。ここで、入力内容表示15kには、その電子メールアドレスと関連付けられて電話帳に記憶された氏名が含まれるが、この例では、その電子メールアドレスは電話帳に記憶されていないとして、その氏名に代えて「名前なし」なる表示が含まれている。
【0069】
この表示がされている際、決定キー16aが操作されると、図8(c)に示すように、図8(b)の入力内容表示15kが示す電子メールアドレス宛に安否メールが送信される旨の処理通知表示15fが表示される。この表示がされている際、決定キー16aが操作されると、図8(d)に示すように、その電子メールアドレス宛てに安否メールが送られることを示す設定表示15eが表示される。ここで、図8(c)及び図8(d)は、それぞれ、図7(c)、図7(d)に対応し、類似した表示がされている。
【0070】
さて、図4を参照して説明した安否メールの宛先メールアドレスの選択に係る制御動作は、安否メールを送信しない設定となっている場合の動作であり、図4(c)に示す設定表示15eに、「[送信しない]」が含まれている。そこで、図9を参照して、安否メールを送信する設定となっており、安否メールの宛先メールアドレスが選択されている場合、その宛先メールアドレスを変更する際の動作を、表示を参照しつつ説明する。
【0071】
図9(a)は、図6(d)と同じであり、安否メールが送られる人が選択されたことを示す設定表示15eが表示されている。この表示がされている際、決定キー16aが操作されると、図9(b)に示す、安否メールを送信するか否かの選択のための表示がされる。図9(b)は、図4(d)と同じであるが、カーソルは、「(1)送信する」なる項目に置かれている。なぜなら、安否メールを送信する設定となっているからである。この表示がされている際、決定キー16aが操作されると、図9(c)に示す、安否メールの宛先の登録の方法の選択のための表示がされる。図9(c)は、図5(b)と同じである。
【0072】
制御部11は、送信する設定が制御部11内に記憶されており、かつ、開閉検出部17によって上下筐体1、2が開状態から閉状態になったと検出された場合、安否メール作成部21を動作させる。
【0073】
(安否メール作成部21及び電子メール送受信部18による安否メールを送信する動作)
図10は、安否メール作成部21及び電子メール送受信部18による安否メールを送信する動作のフローチャートを示す。なお、この図は、装置の使用者による上下筐体1、2を閉じる動作、及び、装置の使用者の関係者が使用する装置による安否メールを受信する動作を併せて示し、安否メールに係わるシーケンスを併せて示す。
【0074】
移動通信装置の使用者が開状態にあった上下筐体1、2を閉じると(ステップS101)、開閉検出部17によって、上下筐体1、2が閉状態になったと検出され、それを契機とする制御部11の指示によって、安否メール作成部21は安否メールを記憶させる動作を開始する(ステップS201)。
【0075】
安否メール作成部21は、安否メール最終記憶日時記憶部22に記憶された安否メール最終記憶日時と、時計11aが示す日時とを比較することによって、今日、初めて上下筐体1、2が閉じられたか否かを判断する(ステップS202)。即ち、時計11aが示す日時が安否メール最終記憶日時と異なる日である場合(ここで、時刻は参照する必要がない。)、及び、安否メール最終記憶日時に値が記憶されていない場合(これは、装置が出荷された後、初めて安否メール作成部21が動作する場合と、時計制御機能11−1によって安否メール最終記憶日時が消去された場合とに対応する。)、今日、初めて上下筐体1、2が閉じられたと判断し、同じ日である場合、初めて閉じられたのではないと判断する。
【0076】
初めて上下筐体1、2が閉じられたと判断された場合、安否メール作成部21は、安否メール作成部21内に記憶された安否メールの宛先メールアドレスと、件名と、本文とを未送信メールとして未送信メール記憶部19に記憶させる(ステップS203)と共に、時計11aが示す日時によって安否メール最終記憶日時を更新して(ステップS204)、安否メールを記憶させる動作を終了する(ステップS205)。初めて閉じられたのではないと判断された場合、直ちに安否メールを記憶させる動作を終了する(ステップS205)。
【0077】
電子メール送受信部18は、所定時間間隔、例えば、1分間隔で動作を開始し(ステップS301)、ステップS203で記憶された安否メールを含む未送信メールが未送信メール記憶部19に記憶されているか否かを調べる(ステップS302)。記憶されている場合、その記憶された未送信メールを送受信部13に送信させ、送信された未送信メールを未送信メール記憶部19から削除し(ステップS303)、安否メールを含む未送信メール送信する動作を終了する(ステップS304)。記憶されていない場合、直ちに未送信メール送信する動作を終了する(ステップS304)。
【0078】
ステップS303の未送信メールを送信される動作によって、移動通信装置の使用者の関係者は、安否メールを受信する(ステップS401)。なお、ステップS303で、所定時間経過しても送信がされない場合(例えば、移動通信装置が移動通信網の圏外に位置する場合である。)、電子メール送受信部18は、未送信メールを削除することなく、未送信メールを送信する動作を終了する(図示せず)。
【0079】
以上説明した動作によって、上下筐体1、2が閉じられ、安否メール作成部21によって安否メールが記憶された後、短時間の内に、即ち、上下筐体1、2が閉じられている間にそのメールが送信される可能性が高い。そこで、上下筐体1、2が開かれたときにメールを送信するときとは異なり、装置は、上記メールの送信と、装置の使用者に従った動作とを同時に行う可能性が小さいため、高性能が求められることがない。更に、消費電力の増大を招くことがなく、蓄電池に負担がかかることが少ない。
【0080】
なお、上記メールが送信される際、又は、送信中に、上下筐体1、2が開けられたとしても、また、装置の使用者による入力部16のキー操作に従った動作が開始されたとしても、電子メール送受信部18による未送信メールを送信する動作は、続けられる。また、安否メール作成部21が安否メールを未送信メール記憶部19に記憶させた後、電子メール送受信部18を起動して、未送信メールを送信させるとしても良い。この処理によれば、上記メールの送信と、装置の使用者に従った動作とを同時に行う可能性が一際小さい。
【0081】
以上の説明で、安否メールの件名と、本文とは、全ての安否メールについて同じであるとしたが、これに限るものではない。安否メール作成部21は、安否メール毎に、安否メールの件名及び/又は本文を作成することによって、異なる可能性があるとしても良い。
【0082】
例えば、安否メールの件名及び/又は本文は、装置の移動通信網用の電話番号、安否メールを未送信メール記憶部19に記憶させた際に時計11aが示す日時、その際にGPS測位部(図示せず)によって測位された緯度及び経度、その緯度及び経度によって識別される位置を識別する情報、例えば、地方自治体名や、自宅、親戚宅などを示す情報が含まれていても良い。これらの情報を参照することによって、装置の使用者の関係者は、装置の使用者の安否をより具体的に知ることができる。
【0083】
なお、緯度及び経度から地方自治体名を得るには、装置内に記憶された地図情報を参照する。緯度及び経度から自宅、親戚宅などを示す情報を得るには、緯度及び経度と、自宅、親戚宅などを示す情報とが関連付けられて装置内に記憶された情報を参照する。
【0084】
このように、安否メールの件名及び/又は本文がそれぞれの安否メールによって異なる可能性がある場合、装置の使用者の関係者は、今日の安否メールを同じ時刻に受け取るなら、新しく作成された安否メールを受け取ることが望ましい。そこで、安否メール作成部21は、今日未送信メール記憶部19に記憶させた安否メールが未送信メール記憶部19に記憶されており(これは、装置が移動通信圏外に位置していて、未送信メールの送信が不可能な場合などに対応する。)、かつ、上下筐体1、2が閉じられた場合、未送信メール記憶部19に記憶された安否メールを削除の上、新たに安否メールを作成して未送信メール記憶部19に記憶させても良い。
【0085】
以上の説明で、1日とは、暗黙のうちに、午前0時0分から始まる24時間であるとしたが、これに限るものではない。入力部16のキー操作に基づいた、又は、事前に定められた任意の時刻、例えば、午前7時から始まる24時間としても良い。ここで、午前7時とは、安否メールの宛先メールアドレスに係わる者、即ち、装置の使用者の関係者が起床する時刻である。
【0086】
この処理による場合、安否メール作成部21は、上記任意の時刻を記憶すると共に、時計11aが示す日時と、安否メール最終記憶日時とに含まれる日だけでなく、時刻をも参照する。この処理によれば、装置の使用者の関係者は、就寝時に安否メールを受信する可能性を小さくすることができ、安眠を妨げられる可能性を小さくすることができる。
【0087】
以上の説明で、安否メール作成部21は、ある日に、初めて上下筐体1、2が閉じられた際に安否メールを未送信メール記憶部19に記憶させ、更に、電子メール送受信部18は、装置が移動通信網の通信圏外にあるなどの例外を除き、未送信メール記憶部19に記憶された未送信メールを、例えば、数分以内に送信する結果、安否メールが安否メールの宛先メールアドレスに係わる装置によって受信される時刻は、1日の中のいずれの時刻の可能性もあるが、これに限るものではない。
【0088】
即ち、安否メール作成部21は、1日を第1の時間帯と、第2の時間帯とに二分してこれらの時間帯を記憶する。第1の時間帯は、例えば、午前7時から午後11時までであって、安否メールの宛先メールアドレスに係わる者、即ち、装置の使用者の関係者が起床している時間帯である。一方、第2の時間帯は、午後11時から午後12時及び午前0時から午前7時であって、その関係者が就寝している時間帯である。
【0089】
そして、安否メール作成部21は、安否メールを未送信メール記憶部19に未送信メールとして記憶させる際、上記第1の時間帯を付して記憶させる。更に、電子メール送受信部18は、時計11aが示す日時中の時刻が未送信メールに付された時間帯に含まれる場合に限って、その未送信メールを送信させる。又は、安否メール作成部21は、上記第2の時間帯を付して記憶させ、電子メール送受信部18は、時計11aが示す日時中の時刻が未送信メールに付された時間帯に含まれない場合に限って、送信させる。この処理によれば、装置の使用者の関係者は、就寝時に安否メールを受信することがなく、安眠を妨げられることがない。
【0090】
以上の説明で、安否メールは、電子メールとして送信されるとしたが、これに限るものではない。ショートメッセージとして、即ち、電話番号によって指定される移動通信装置に対して、通話チャネルを介して送信されるとしても良い。
【0091】
以上の説明で、時計制御機能11−1は、時計11aが変更されると、安否メール最終記憶日時記憶部22に記憶された安否メール最終記憶日時を消去するとした。これは、時計11aが変更されることによって、上下筐体1、2が閉じられたにも係わらず、安否メールが送信されない日が無いようにする処理であるが、一方、その変更があった日には、安否メールが複数通送信される可能性がある。
【0092】
そこで、例えば、時計制御機能11−1は、変更前に時計11aが示した日時の中の日と、安否メール最終記憶日時の中の日とが等しい場合、安否メール最終記憶日時を消去しないとしても良い。この処理によれば、時計11aが示す同じ日に安否メールが複数通作成されることはない。ただし、時計11aが示す日時に基づいた同じ日であるとの判断は、正しい時計が示す日時に基づいた同じ日であるとの判断とは異なる可能性がある。
【0093】
以上の説明で、安否メール作成部21は、上下筐体1、2が閉じられた際に安否メールを未送信メール記憶部19に記憶させるとしたが、これに限るものではなく、ある日に、上下筐体1、2が閉じられることがなかった場合、その旨の安否メールを未送信メール記憶部19に記憶させるとても良い。即ち、制御部11は、日が変わった際に安否メール作成部21を動作させ、安否メール作成部21は、変わる前の日が、安否メール最終記憶日時の日として記憶されていない場合、変わる前の日に閉じられることがなかった旨の安否メールを未送信メール記憶部19に記憶させる。
【0094】
以上の説明は、本発明を折畳み型の移動通信装置に適用した形態を例にとって行ったが、これに限るものではない。本発明は、あらゆる開閉自在の移動通信装置、例えば、スライド式の移動通信装置に適用することが当然に可能である。スライド式の移動通信装置では、表示部15は前筐体の前面に設置され、筐体の開閉に係らず視認が可能である。また、入力部16の少なくとも一部は、後筐体の前面に設置され、筐体が開状態にある場合、操作可能、閉状態にある場合、操作不可能である。
【0095】
ここで、折畳み型であるか、スライド式であるかを問わず、閉状態とは、入力部16の少なくとも一部のキーを操作することによって、使用者が装置に動作を開始させることができない状態である。即ち、上下筐体1、2が閉状態になったことは、装置の使用者は、入力部16のキーを操作して所望の操作をさせた可能性が高く、無事であると判断される。
【0096】
また、閉状態とは、表示部15の表示の少なくとも一部が視認不可能である状態である。即ち、上下筐体1、2が閉状態になったことは、装置の使用者は、表示部15に所望の表示をさせた可能性が高く、無事であると判断される。たとえ、表示部15に表示された時計11aが示す日時を視認したのみであっても、何ら変わるところがない。
【0097】
以上の説明は、本発明をいわゆる携帯電話に適用した形態を例にとって行ったが、これに限るものではない。本発明は、あらゆる開閉自在の移動通信装置、例えば、携帯型のパソコンに適用することが当然に可能である。本発明は以上の構成に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0098】
1 上筐体
2 下筐体
3 ヒンジ部
4 磁石
5 磁界検出素子
11 制御部
11−1 時計制御機能
11−2 ロック機能
11a 時計
17 開閉検出部
18 電子メール送受信部
19 未送信メール記憶部
21 安否メール作成部
22 安否メール最終記憶日時記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筐体と第2の筐体とが開閉自在に結合され、入力手段の少なくとも一部は、前記第1、第2の筐体が閉状態である場合、操作されない位置に設置され、及び/又は、表示手段の少なくとも一部は、前記第1、第2の筐体が閉状態である場合、視認されない位置に設置された移動通信装置であって、
未送信メール記憶手段と、
前記第1、第2の筐体が閉状態となったことを検出する開閉検出手段と、
前記開閉検出手段によって前記第1、第2の筐体が閉状態となったことが検出されたことに基づいて、所定の電子メールを前記未送信メール記憶手段に記憶させる安否メール作成手段と、
前記未送信メール記憶手段に記憶された所定の電子メールを送信する電子メール送信手段と
を有することを特徴とする移動通信装置。
【請求項2】
日時を示す時計を更に有し、
前記安否メール作成手段は、前記時計を参照して、1日に1回前記所定の電子メールを前記未送信メール記憶手段に記憶させる
ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信装置。
【請求項3】
日時を示す時計と、
電子メール最終記憶日時記憶手段とを更に有し、
前記安否メール作成手段は、前記開閉検出手段によって前記第1、第2の筐体が閉状態となったことが検出された際に前記時計が示す日と、前記電子メール最終記憶日時記憶手段に記憶された日とが等しい場合、前記所定の電子メールを前記未送信メール記憶手段に記憶させず、また、前記所定の電子メールを前記未送信メール記憶手段に記憶させる際、前記時計が示す日を前記電子メール最終記憶日時記憶手段に記憶させる
ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信装置。
【請求項4】
前記日は、所定の時刻からその時刻に24時間を加えた時刻までである
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の移動通信装置。
【請求項5】
前記安否メール作成手段は、前記所定の電子メールを前記未送信メール記憶手段に記憶させる際、その電子メールに関連付けて時間帯を記憶させ、
前記電子メール送信手段は、前記時計が示す時刻が前記未送信メール記憶手段に記憶された時間帯に含まれない場合、又は、含まれる場合、その時間帯に関連付けられて記憶された電子メールを送信しない
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の移動通信装置。
【請求項6】
前記入力手段から入力された操作の少なくとも一部に基づく動作を抑止し、また、その抑止を解除するロック制御手段を更に有し、
前記安否メール作成手段は、前記ロック制御手段が前記動作を抑止している間、前記所定の電子メールを前記未送信メール記憶手段に記憶させない
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の移動通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−226533(P2010−226533A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−72887(P2009−72887)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】